特許第6348595号(P6348595)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6348595
(24)【登録日】2018年6月8日
(45)【発行日】2018年6月27日
(54)【発明の名称】LEDモジュール
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/62 20100101AFI20180618BHJP
   H01L 33/60 20100101ALI20180618BHJP
   H01L 33/52 20100101ALI20180618BHJP
【FI】
   H01L33/62
   H01L33/60
   H01L33/52
【請求項の数】10
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-536487(P2016-536487)
(86)(22)【出願日】2014年8月22日
(65)【公表番号】特表2016-528745(P2016-528745A)
(43)【公表日】2016年9月15日
(86)【国際出願番号】US2014052336
(87)【国際公開番号】WO2015027180
(87)【国際公開日】20150226
【審査請求日】2016年3月31日
(31)【優先権主張番号】61/869,367
(32)【優先日】2013年8月23日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591043064
【氏名又は名称】モレックス エルエルシー
(73)【特許権者】
【識別番号】315005255
【氏名又は名称】ダニエル ビー マクゴーアン
(73)【特許権者】
【識別番号】515188442
【氏名又は名称】マイケル シー ピシニ
(74)【代理人】
【識別番号】100116207
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100096426
【弁理士】
【氏名又は名称】川合 誠
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル ビー マクゴーアン
(72)【発明者】
【氏名】マイケル シー ピシニ
【審査官】 百瀬 正之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−060961(JP,A)
【文献】 特開2012−084327(JP,A)
【文献】 特開2009−032650(JP,A)
【文献】 特開2011−216868(JP,A)
【文献】 特開2012−124498(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/090356(WO,A1)
【文献】 特開2012−009886(JP,A)
【文献】 特開2011−238802(JP,A)
【文献】 特開2009−301795(JP,A)
【文献】 特開2012−222228(JP,A)
【文献】 特開2013−128013(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0226139(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00−33/64
B60Q 3/00−3/06
F21V 23/00−99/00
F21K 9/00−9/90
F21S 2/00−19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光ダイオード(LED)モジュールであって、
熱および電気伝導性であり、発光領域および接続フランジを有する基部と、
該基部上に選択的に提供されたパウダーコートにより形成される絶縁層であって、前記接続フランジ上に位置付けられるように構成される絶縁層と、
該絶縁層上に提供される第1のトレースおよび第2のトレースであって、前記接続フランジ上のパッドから前記発光領域に隣接した対応する接続領域へと延在する、第1および第2のトレースと、
前記発光領域内にあるパターンで載置されたLEDチップであって、前記第1および第2のトレースが前記LEDチップに陽極および陰極を提供するように、前記LEDチップの組が前記第1および第2のトレースに電気接続される、LEDチップと、を備え、
前記発光領域が前記基部内に陥凹させられ、前記LEDチップが少なくとも2つの層によって被覆され、前記基部が上部表面および底部表面を有し、前記陥凹が前記上部表面と底部表面との間に延在し、前記少なくとも2つの層は前記上部表面より下にある、LEDモジュール。
【請求項2】
前記接続フランジが前記基部に対して角度付けされる、請求項1に記載のLEDモジュール。
【請求項3】
前記基部が、集光様式で発生される光を形作るように構成されるように、該基部が屈曲し、前記発光領域が前記基部内に位置付けられる、請求項1に記載のLEDモジュール。
【請求項4】
前記基部が、前記LEDチップを支持する前記基部の第1の側面から、該第1の側面と反対側の第2の側面へと延在する開口部を含み、前記接続フランジが、前記開口部から延在し、前記第2の側面上に位置付けられる、請求項3に記載のLEDモジュール。
【請求項5】
発光ダイオード(LED)モジュールを形成する方法であって、
反射区域および接続フランジを有する基部を提供するステップと、
該基部上に絶縁層を提供するステップであって、前記絶縁層はパウダーコートにより形成され、前記反射区域が前記絶縁層を実質的に含まず、該絶縁層が前記接続フランジを少なくとも部分的に被覆する、ステップと、
少なくともレーザーまたはインクジェットのいずれか一方を使用して前記絶縁層上に第1のトレースおよび第2のトレースを提供するステップであって、該第1および第2のトレースが、前記反射区域の隣接域から前記接続フランジへと延在する、ステップと、
前記反射区域上に複数のLEDチップを位置付けるステップと、
該複数のLEDチップを前記第1および第2のトレースに電気接続するステップと、
前記LEDチップ上に保護コーティングを提供するステップと、
を含む、方法。
【請求項6】
前記反射区域が陥凹させられる、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1および第2のトレースを提供するステップが、前記接続フランジ上に2つのパッドを提供することを含み、該2つのパッドのうちの一方が前記第1のトレースに電気接続され、前記2つのパッドのうちの他方が前記第2のトレースに電気接続される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記トレースの形成が、前記絶縁層上に導電性インクを直接定置することを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記トレースの形成が、前記絶縁層上にレーザーでパターンを形成することと、その後、導電層が前記パターン上に形成されるように前記基部をめっき浴中に定置することと、を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記トレースの形成が、前記基部の1つ以上の側面を通過するパターンを前記絶縁層上に形成することを含む、請求項7に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2013年8月23日に出願された米国仮特許出願第61/869,367号に対する優先権を主張する。
【0002】
本開示は、発光ダイオード(LED)による固体照明の分野、より具体的にはLEDモジュールの分野に関する。
【背景技術】
【0003】
LEDモジュールは、LEDの使用による照明を提供する既知の方法である。LEDは、照明において有用となるために準備を必要とする。既存のLEDモジュールは、LEDの種類に基づいて構成されるLEDアレイを含む。例えば、チップオンボード(COB)LEDアレイは、典型的に反射表面上に載置され、ワイヤボンディングにより電気接続されるLEDチップを含む。所望の光出力を提供するために、赤色、緑色、および青色のバランスを有し、維持することはいくぶんより複雑であるため、小さな範囲の波長を発生する効率的なLEDを有すること、および蛍光体を使用して、発せられた波長を望ましいスペクトルに変換することがしばしば望ましい。したがって、LEDアレイは、金属クラッドPCBまたは他の望ましい材料であり得る基板上に定置される、1つ以上のLEDチップを含み得る。LEDチップは、それらを陽極および陰極に接続するパターンでワイヤボンディングされ、その後、チップは、蛍光層による光の変換を提供しながらチップを保護するように、適切なシリコーンおよび蛍光体の層で被覆され得る。
【0004】
結果として生じるLEDアレイは、上向きLEDを提供し、陽極および陰極に電気接続される上向き接触をもまた提供し得る。これは、LEDアレイをヒートシンクに固定し、信頼できる様式で(例えば、保持器でLEDアレイを押下することによって)電力を接点に接続することを可能にする。増大するLEDの効率のために、LEDアレイはより小さくなっており、これによりサイズが縮小した基板を提供するための能力がもたらされている。これはコストの観点からは有益である一方で、サイズの縮小は、LEDアレイを扱うこと、およびそれを用途(治具または電球など)に固定することをより困難にしている。取り扱いの問題に対処するための1つの方法は、LEDアレイを固定するための保持器を使用することである。絶縁材料で形成され得る保持器は、LED基板上の接点に対して電気接続を提供し、LEDアレイに安全に載置され得る。例えば、物理的接続は、二次的な留め具を使用することなくはんだまたは伝導性接着剤の使用によって作られ得、したがって、LEDアレイのサイズは最小化され得、保持器(より安価な材料で形成される)は接点と外部電力源との間に物理的接続および電気接続を提供し得る。そのように構築されるLEDモジュールの可能な構築物の一実施形態は、2013年1月4日に出願された米国特許出願公開第2013/0176732号に描写される。そのようなLEDモジュールはいくつかの用途に好適である一方で、特定の個人によっては更なる改善が評価されるであろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
発光ダイオード(LED)モジュールは熱および電気伝導性である基部を含み、基部は光を発生するように設計される光エンジンおよび接続フランジを含む。絶縁層は基部に選択的に適用され、絶縁層は粉末コーティングであり得る。トレースは、あるパターンで絶縁層上に形成される。LEDは、好ましくは絶縁層で被覆されない反射区域上に定置される。導電性であるトレースは、LEDに電気接続され得る。保護被覆は、LEDがトレースに電気接続されると、LED上に定置される。トレースは、LEDの隣接域から接続フランジへと延在する。作動中、接続フランジは、電力がLEDに提供されることを可能にするコネクタを受容し得る。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本発明は、添付の図面において例として図示されており、ここにおいて限定されるものではなく、これらの図面において同様の符号は類似の要素を示す。
【0007】
図1】LEDモジュールの一実施形態を示す斜視図である。
図2図1に描写する実施形態を示す簡易化された部分分解斜視図である。
図3図2に描写するLEDモジュールを示す拡大斜視図である。
図4】LEDモジュールの別の実施形態を示す斜視図である。
図5A】基部および光エンジンの一実施形態を示す概略立側面図である。
図5B】基部および光エンジンの別の実施形態を示す概略立側面図である。
図5C】基部および光エンジンの別の実施形態を示す概略立側面図である。
図5D】基部および光エンジンの別の実施形態を示す概略立側面図である。
図6】LEDモジュールの別の実施形態を示す概略描写図である。
図7】LEDモジュールを提供する方法を示す図である。
図8】LEDモジュールとの使用のために好適な基部の、簡易化された一実施形態を示す概略側面図である。
図9】LEDモジュールの一実施形態を示す概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に続く詳細な説明は例示的な実施形態を説明し、明示的に開示される組み合わせ(複数可)に限定されることが意図されない。したがって、別途述べられない限り、本明細書に開示される特徴をともに組み合わせて、簡潔さの目的のためにさもなければ示されなかった追加の組み合わせを形成し得る。
【0009】
図1〜3は、発光ダイオード(LED)モジュール10の第1の実施形態を図示する。LEDモジュール10は、導電性であり、かつ基部15上に選択的な様式で提供される絶縁層21を含む基部15を含む。基部15は、反射区域22内に位置付けられるLEDチップ38を含む発光領域20を支持する。反射区域22は、好ましくは絶縁層21を含まない。LEDチップ38に電力を提供するために、導電性のトレース30a、30bが絶縁層21上に提供される。トレース30aは(陽極としての役割を果たす)パッド31から接続領域33へと延在し、トレース30bは(陰極としての役割を果たす)パッド32から接続領域34へと延在する。ワイヤボンディング35は、様々なLEDチップ38を接続領域33、34に所望のパターンで電気接続するために使用される。認識され得るように、パッド31、32は、接続フランジ17上に位置付けられる。基部15が支持表面(図示せず)と同一平面で載置されることを想定して、接続フランジ17は、コネクタ40へのアクセスを提供するような角度で基部15から延在し得る。図5A〜5Dから認識され得るように、接続フランジ17a〜17dは、基部15a〜15dに対して、上に角度付け、下に角度付け、平行、または平行かつオフセットなどの幅広い構成で提供され得る。言い換えると、発光領域20a、20bは、接続フランジとは異なる角度で配向され得る。所望される場合、他の構成もまた提供され得る。
【0010】
発光領域20は、シリコーンなどの材料で形成され得る保護層25を含み、発光領域20は、発生された照明をより望ましい波長の光に変換する役割を果たす蛍光体スラリーの層を含み得る。以下に、保護層25の可能な変形形態について更に言及する。
【0011】
発光領域20に電力を供給するために使用されるトレース30a、30bは、パウダーコーティング技術によって、基部15の所望の表面上に絶縁層21を選択的に定置することによって適用され得る。絶縁層21が基部15の所望の表面(上部表面、1つ以上の側面表面、および底部表面など)上に提供されると、基部15は、結果として生じる絶縁層21が望ましい電気的隔離を提供するように硬化され得る。絶縁層21は、基部15の部分(基部15の側面表面および底部表面を含む)を実質的に被覆し得ることに留意すべきである。追加の被覆を提供することは、トレース30a、30bを基部から電気的に隔離することに役立ち得、基部15自体を、隣接した構成要素(ヒートシンクまたは支持具など)上に含まれ得る、あらゆる露出した金属から電気的に隔離することにもまた役立ち得る。
【0012】
基部15に絶縁層21が選択的に適用されると、トレース30a、30bが絶縁層21上に形成され得る。以下に考察するように、図7は、より詳細に考察されるトレースを形成するプロセスの考察を含む、LEDモジュールが形成され得る方法についての追加の情報を提供する。認識され得るように、絶縁層21が接続フランジ17上に適用されて、トレースが形成され得る。
【0013】
以上に述べたように、反射区域22は絶縁層21を省略し得、一実施形態において、反射区域22は光抽出を補助するために研磨され得る。所望される場合、LEDチップ38は反射区域22上に定置される。例えば図3に描写されるように、複数のLEDは連続して接続されて、LED経路39を形成し、2つ以上のLED経路が平行して提供され得る。当然のことながら、所望される場合、他の回路パターンが提供され得る。LED経路39を、それが50ボルト未満の電位によって駆動されるように構成することが望ましいということ、およびLED経路39を駆動するために必要とされる電位が25ボルト未満であることがより望ましいということが決定されている。より低い電圧の使用は、好適な電力供給を提供することをより容易にし、クリーページ(creepage)および空間問題をもまた改善する。
【0014】
図4から認識され得るように、LEDモジュール10’を所定の位置付けに固定するために、(スクリュー5などであるが、これに限定されない)従来の留め具が使用され得るように、留め具開口部を有する基部15’を含む発光領域20を有する、LEDモジュール10’の別の実施形態が描写される。他の実施形態において、治具が、別個の留め具を使用せずにLEDモジュールを所定の位置付けに保持するように、基部はサイズ調整され、形作られ得る。例えば、治具は、モジュールが電力源に係合し、クリップで所定の位置付けに保持されることを可能にするスナップを特徴に有して設計され得る。そのような状況において、LEDモジュールは、基部の底部表面上に、LEDモジュールと支持表面との間の改善した熱移動を提供するために役立つ熱結合層(熱パッドまたは放熱グリスなど)を含み得る。
【0015】
導電性のトレース30a、30bは、反射区域21の隣接域から接続フランジ17へと延在する。接続フランジ17はコネクタ40と噛合するようにサイズ調整され、構成され得、コネクタは、ワイヤ42に電気接続される末端を支持する本体41を有する。末端は、陽極、陰極31、32と噛合し、したがって発光領域20に電気接続を提供するように構成される。接続フランジ17は、それが分極した様式でコネクタに係合するように構成され得る。描写される実施形態のうちのほとんどにおいて、接続フランジ17は、基部15とは異なって配向されることに留意すべきである。接続フランジが基部とは異なる様式で配向/構成されることの利点は、それが、コネクタ40を接続フランジ上のパッドに接続することを容易にすることである。例えば、接続フランジはコネクタへの噛合を簡素かつ柔軟にする様式で角度付けられ得る一方で、基部は、光出力との干渉を最小化するような低いプロファイルを有し得る。図1〜4の実施形態は、照明出力角度に向かう方向に角度付けられる(例えば、図5Aに描写するものに類似する)接続フランジを図示する一方で、代替的な一実施形態において、接続フランジは反対側の方向に角度付けられ得る(例えば、図5Dに描写するものに類似する)ことに留意すべきである。更に、(平行であるが、基部からオフセットされる接続フランジを示す、図5Bに描写するように)接続フランジは基部からオフセットされ得る。
【0016】
特定の実施形態において、(図5Cに描写するように)接続フランジはまた、LEDモジュールの発光領域の基部と平行に整列され得ることに留意すべきである。そのような構成は、例えば、治具が平坦な表面に係合し得る接点を含み、モジュールが発光領域から離れた一側面上の接点に係合することが意図される用途において好適である(一実施形態において、治具における接点は、接触安全環境を提供するように陥凹され得るか、または囲われ得る)。
【0017】
図6は、追加の特徴を含む、LEDモジュール110の別の実施形態を図示する。基部115は、発光領域120を提供する平坦領域115aと、第1の屈曲部分116と、接続フランジ117と、第2の屈曲部分118と、を含む。認識され得るように、発光領域120は、集光様式で光を形作る反射構造を提供するように、屈曲部分の中央に位置付けられる。基部110は、主にLED140から発生される光を、LEDモジュールから出て、または第1および第2の屈曲部分116、118に向かって反射することが意図される反射領域121を更に含む。以上の実施形態におけるように、屈曲部分は、電気的隔離を可能にする絶縁層で被覆され得る。一実施形態において、絶縁層は電気的に隔離され、かつ絶縁層の反射性質が90%を超える、拡散した高反射特性を有し得る。
【0018】
前の実施形態におけるように、LED140は所望のパターンでワイヤボンディング135と電気的に接続され、蛍光体層および/またはシリコーン層を含み得る保護層125で被覆され得る。ワイヤボンディング135は、第1の屈曲部分116上に提供される絶縁層に沿って、基部110の開口部を通って接続フランジ117へと延在する導電性のトレース130に接続する。したがって、絶縁層は、発光領域120から接続フランジ117へと延在する。構成のために、LEDモジュール110は基部の第1の側面114a上に光を発生し、基部115の第2の側面114b上で電源に接続され得、これは、電子装置および電力送達を基部の一側面上に、ならびに発光領域を基部の他の側面上に定置する、より望ましい治具設計を可能にすることにおいて有益であり得る。認識され得るように、基部115の両側面上へのトレースのパターンの使用によって、基部の別の側面上に位置付けられるLEDチップによって提供される、発生される光とのあらゆる干渉を避けながら、構成要素(非限定的にドライバ、コンデンサ、サーミスタ、およびヒューズなど)を、基部の一側面上に提供されるトレースに鑞着することが可能である。当然のことながら、基部が十分に大きい場合、追加の構成要素およびLEDチップもまたすべて、基部の同一側面上に固定され得る。
【0019】
基部115は熱伝導性であるため、基部115はヒートシンクとして使用され得、用途によっては、それ自体で熱付加を管理するために十分であり得ることに留意すべきである。代替的な実施形態において、基部115は熱スプレッダとして使用され、熱エネルギーをヒートシンクに向けるのに役立ち得る。
【0020】
図7は、LEDモジュールを提供するために使用され得る方法を図示する。まず、ステップ205において、熱伝導性材料(アルミニウムまたは任意の他の望ましい熱伝導性金属もしくは金属合金などであり、ほとんどの場合、基部もまた電気伝導性である)で基部が形成される。以上に述べたように、基部は、用途に応じて様々な異なる形状を有し得る。次に、ステップ210において、粉末コーティングであり得る絶縁層で、基部が選択的にめっきされる。ステップ215において、絶縁層上にトレースが形成される。一実施形態において、これは、プラスチック上にレーザーダイレクトストラクチャリング(laser direct structuring)が行われる方法に類似したパターンで、絶縁層を活性化するためのレーザーの使用を伴い得る。パターンが形成されると、無電解プロセスの使用によりパターンがめっきされるように、基部はめっき浴中に定置され得る。所望される場合、追加の無電解めっき、またはトレースに電荷を適用し、その後、基部をめっき浴中に定置することによる電気めっきの使用のいずれかによって、トレースの厚さは更に増大され得る。あるいは、トレースは、導電性インクを絶縁層上に直接印刷することによって、インクジェット技術で絶縁層上に形成され得る。トレースがインクジェット技術で形成される場合、用途および所望の電流に応じて、トレースを更にめっきして、より高い電流負荷を処理することができるより厚いトレースを提供することが望ましくあり得、これは好ましくは電気めっきを使用して行われるであろう。しかしながら、適切な導電性インクによって、そのような追加のめっきは必要ではなくなることが予期される。所望される場合、トレースは、基部の1つ以上の側面上に形成され得、他の電気構成要素(LEDダイ以外)がトレースに接続されることを可能にする間隙および複雑なパターンを含み得ることに留意すべきである。認識され得るように、トレースは基部のいかなる露出した部分からも隔離され、したがって電気めっき操作は選択的に適用され得る。
【0021】
導電性のトレースが形成されると、ステップ220において、LEDダイは基部上に定置され得る。認識され得るように、ダイを適用するプロセスは、ダイの定置(例えば、以上に考察するように、ダイは反射区域上に定置され得る)前に清浄および研磨された領域に対して行われ得る。ステップ225において、LEDダイはともにワイヤボンディングされ、トレースに接続される。最後に、ステップ230において、LEDは、シリコーン層および任意の蛍光体スラリー層を含み得る保護層で被覆される。所望される場合、追加の層およびフィルタが追加され得る。例えば、特定の光の波長は、これらの波長が望ましくないと決定される場合、遮断され得る。追加の構成要素もまた、基部に載置され得る。認識され得るように、追加の構成要素ははんだまたは伝導性接着剤で取り付けられ得る。
【0022】
図8〜9は、LEDモジュールにおいて使用され得る基部315の一実施形態の断面の概略図を図示し、基部315は、壁318を有する陥凹した領域319を含む。陥凹した領域319は反射区域322を含み、したがって上部表面315aと底部表面315dとの間にある発光領域を提供する。陥凹した領域319は描写される通りであり得、基部の一部が除去または平坦化され、したがって底部表面315dが単一の平面上にある基部をもたらす。あるいは、基部の厚さは一定に維持され、陥凹領域区域が単に押下され得る(これは、単一の平面上にない基部の底部表面をもたらす)。いずれにしても、陥凹した領域319は発光区域を提供する。陥凹した領域319は、LEDチップ340が反射区域322内に位置付けられ、ワイヤボンディング335によって電気接続されることを可能にする。チップおよびワイヤボンディングを保護するために、LEDチップ340上に第1のシリコーン層325aが定置され得る。その後、第1のシリコーン層上に蛍光体層325bが提供され得る。蛍光体層325bは、LEDチップから発生される光を他の波長の光に変換する役割を果たす。その後、蛍光体層325bは追加のシリコーン層325cによって被覆され得る。当然のことながら、追加の層が、フィルタリングを提供するためにおよび/または異なる特性を提供するために使用され得、描写される実施形態はかなり簡潔である。描写される設計の1つの利点は、陥凹した領域319の壁318が液体である層を含み、それらの層が消散すること、または隣接する区域に流入することを防ぐのに役立つことである。したがって、陥凹した領域319および壁318はともに、追加の治具または二次壁を必要とせずに、LEDモジュールの製造中の層の封じ込めを提供する。
【0023】
以上に述べたように、LEDチップを提供するとき、いくつかの層が提供され得る。これは、一般的に、本明細書に開示されるLEDチップ設計のうちのいずれにも適用可能である。構成要素を保護するためにシリコーン層を使用することが一般的であり、したがって保護層が少なくともシリコーン層に類似するものを含むことが予期される。用途に応じて、追加の層および/またはフィルタ(図示せず)が以上のLEDチップに追加され得る。例えば、特定の波長を遮断するため、および/または光の色を調節するためのフィルタが追加され得る。もちろん、LEDチップがRGB構成で構成される一実施形態について、特定の光の波長を被覆または遮断するための蛍光体またはフィルタを使用する必要なく、LEDチップが所望の出力を提供するため、蛍光体層および第2のシリコーン層は除去され得る。したがって、構成に関わらず、陥凹した領域の使用はいくつかの利益を提供し、所望の層を含むための適切な深さで構成され得、描写される3つの層は何らかの他の数の層であり得る。所望される場合、発光領域は高度に研磨されて、光抽出を改善し得ること、および発光領域もまた、(基部の他の部分のあらゆる形成に加えて、またはそれとは別個に)発光領域から発生される光の形状の制御に役立つように形作られ得ることに留意すべきである。
【0024】
認識され得るように、描写されるLEDモジュールは、小型で対費用効果の高い様式で電気接続を提供し得る。一実施形態において、LEDモジュールの基部は、追加のヒートシンクが必要とされないように、それが十分に大きいように構成され得ることに留意すべきである。代替的な一構成において、基部はヒートシンクに熱結合し、したがってより熱スプレッダとしての役割を果たすように構成される。
【0025】
本明細書に提供される開示は、特徴を、それらの好ましいおよび例示的な実施形態の点から説明する。添付の特許請求の範囲および趣旨内での多数の他の実施形態、修正形態、および変形形態が、本開示を検討することによって当業者に想到されよう。
図1
図2
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図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図6
図7
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図9