特許第6348601号(P6348601)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6348601
(24)【登録日】2018年6月8日
(45)【発行日】2018年6月27日
(54)【発明の名称】固体撮像装置及び撮像方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/232 20060101AFI20180618BHJP
   H04N 9/04 20060101ALI20180618BHJP
   H04N 5/208 20060101ALI20180618BHJP
   G02B 15/14 20060101ALI20180618BHJP
【FI】
   H04N5/232 290
   H04N9/04 B
   H04N5/208
   G02B15/14
【請求項の数】1
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-545519(P2016-545519)
(86)(22)【出願日】2015年8月24日
(86)【国際出願番号】JP2015073705
(87)【国際公開番号】WO2016031763
(87)【国際公開日】20160303
【審査請求日】2017年2月8日
(31)【優先権主張番号】特願2014-175710(P2014-175710)
(32)【優先日】2014年8月29日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001122
【氏名又は名称】株式会社日立国際電気
(72)【発明者】
【氏名】中村和彦
【審査官】 ▲徳▼田 賢二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−303206(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/112622(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/232
G02B 15/14
H04N 5/208
H04N 9/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズを用いるワイドアスペクトの撮像装置における画像処理方法であって以下の構成からなる、
多周波数強調の水平輪郭補正と垂直輪郭補正または多周波数強調の水平アパーチャ(変調度)補正と垂直アパーチャ(変調度)補正を行うこと、
前記レンズの品種情報と焦点距離情報と口径比情報とを取得すること、
前記レンズの円周方向変調度情報と放射線方向変調度とを取得し記憶すること、
表示する画面位置に対応して、前記のレンズ品種情報と焦点距離情報と口径比情報と、前記の円周方向変調度情報と放射線方向変調度に基づいて、画素の画面中心からの距離に比例した垂直輪郭(変調度)補正量と水平輪郭(変調度)補正量と、画素の画面中心からの距離の2乗に比例した垂直輪郭(変調度)補正量と水平輪郭(変調度)補正量と、画素の画面中心からの距離の4乗に比例した垂直輪郭(変調度)補正量と水平輪郭(変調度)補正量と、画素の画面中心からの距離の6乗に比例した垂直輪郭(変調度)補正量と水平輪郭(変調度)補正量と、画素の画面中心からの距離の8乗に比例した垂直輪郭(変調度)補正量と水平輪郭(変調度)補正量とを、個別に周波数ごとに算出し、垂直輪郭(変調度)補正と水平輪郭(変調度)補正を個別に行うこと。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
固体撮像素子を用いた撮像装置及び撮像方法の改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
CCD(Charge Coupled Device)撮像素子から出力された信号から雑音を除去するCDS(Correlated Double Sampling)と暗電流補正と利得可変増幅回路(Automatic Gain Control以下AGC)とデジタル映像信号Viに変換するADC(Analog Digital Converter)とを内蔵したAFE(Analog Front End)が普及し、AFEのADC階調は従来10ビットだったが、12ビットや14ビットが一般化した。さらに駆動回路や読み出し回路を統合し高速読み出しを可能にしたCMOS(Complementary Metal Oxicide Semiconductor)撮像素子の改良も進んできた。
さらにデジタル信号処理回路の集積化が進み、複数ラインの出力信号を記憶し算術処理することが、映像専用のメモリ集積DSPだけでなく、安価な汎用のFPGA(Field Programmable Gate Array)でも容易に実現できる様になった。画素数が百万以上のメガピクセルカメラやHDTV(High Definition TeleVision)カメラや高速撮像HDTVカメラや記録部付HDTVカメラやInternet Protocol(以下IP)伝送部付HDTVカメラやより高精細の2K×4Kカメラや4K×8KカメラのUHDTV(Ultra High Definition TeleVision)やHDD(Hard Disk Drive)を用いた非圧縮の記録装置も製品化された。平面映像表示装置も、より高精細の2K×4Kや4K×8KのUHDTV表示や高速表示や超薄型化が進んできた。
【0003】
レンズの屈折率は光の波長によって異なるため、焦点距離も光の波長によって異なり、レンズの焦点距離が波長によって違うために色によって像面の位置が前後にずれる軸上色収差と、色によって像の倍率が異なり像の大きさが異なる倍率色収差が生じる。
【0004】
また、入射点の光軸からの距離によって集光点の光軸方向の位置が変わる球面収差により画面全体の変調度が低下する。光軸外の1点から出た光が像面において1点に集束しないコマ収差により画面周辺の変調度が低下する。さらに、光軸外の1点から出た光線による同心円方向の像点と放射線方向の像点とがずれる非点収差により画面周辺の変調度が低下する。
【0005】
球面収差はNAの3乗に比例し、視野の広さとは無関係で、画面中心でも現れる唯一の収差であり、凹レンズの屈折率が凸レンズよりも高いと2枚構成のレンズダブレットとは単レンズより1桁以上球面収差が減少する。また、コマ収差は、口径比Fの逆数の開口比NAの2乗と視野の広さの1乗に比例する。また、非点収差は、NAの1乗と視野の広さの2乗に比例し、画面の周辺で特に非点収差により変調度が低下する。
【0006】
レンズで集めた光が1点に集まらない現象が収差で,その中の球面収差とコマ収差を補正したのがアプラナート,さらに,光の波長の違いによる焦点位置のズレを,赤のC線(656.3nm)ならびに青のF線(486.1nm)の2ヶ所で補正したのが色消しレンズのアクロマートと呼ばれる。さらに紫のg線(435.8nm)を加え、3つの波長で色収差が補正され、2つの波長で球面収差・コマ収差が補正されている等の条件を満たすものをアポクロマートとアッベが命名した。非点収差も補正した円周方向変調度と放射線方向変調度の両方維持のレンズは、大型で高価すぎる。
球面収差が補正不足でアプラナートですらなく、画面中心でも変調度が低下するレンズはUHDTVには性能不足である。(コマ収差が補正不足で円周方向変調度と放射線方向変調度の両方が低下のレンズは、実施例2として、円周方向変調度と放射線方向変調度とを個別に可変しないとUHDTVには性能不足である。)。
ところで、単焦点レンズのDX標準マクロの1例は、ズームレンズの広角同様。また、単焦点レンズのDX標準の1例は、ズームレンズの望遠と逆。また、単焦点レンズのFX中望遠の1例は、ズームレンズの広角と逆。と収差補正方法の違いで残存収差は異なる。
【0007】
ところで、レンズと撮像素子と輪郭補正機能を含めた映像信号処理回路とを有する撮像装置において、ラインメモリを8本以上有し、整数水平周期分遅らせた複数の各映像信号から垂直輪郭補正信号を発生し、画素遅延機能を8ヶ以上有し、整数画素分遅らせた複数の各映像信号から水平輪郭補正信号を発生し、確認時には、映像信号に前記垂直輪郭補正信号と前記水平輪郭補正信号とを加算していた(特許文献1参照)。
【0008】
また、画像処理による歪曲収差補正を行った画像には、同心円方向のみアパーチャ補正処理乃至エッジ強調処理の画像鮮鋭化処理を行い、放射線方向は画像鮮鋭化処理を行わない撮像装置もある(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特願2013-008260(本願出願人の公開前の特許出願)
【特許文献2】特開2014-53700
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、円周方向変調度と放射線方向変調度が著しく異なるレンズの変調度を補正する撮像装置を実現することである。例えば、汎用の低価格のレンズにおいては、視野の広さとは無関係の球面収差と視野の広さの1乗に比例のコマ収差と色収差とを十分補正されているレンズのアッベが命名したアポクロマートでも、視野の広さの2乗に比例の非点収差は補正不足で、円周方向変調度と放射線方向変調度が著しく異なるので、より高解像度である4Kや8Kといったカメラに低価格のレンズの変調度を補正することで、レンズを含むカメラ全体の低価格化を実現する撮像装置とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を達成するため、本発明では、(16:9や2:1等の)ワイドアスペクトの(1K、2K、4K、8K等のHD以上テレビカメラ等の)高解像度撮像装置において、多周波数強調の水平輪郭補正と垂直輪郭補正または多周波数強調の水平アパーチャ(変調度)補正と垂直アパーチャ(変調度)補正を用い、3つの波長で色収差が補正され2つの波長で球面収差・コマ収差が補正されている(アッベが命名したアポクロマート)レンズを用い、前記レンズの品種情報と焦点距離情報と口径比情報とを取得し、前記レンズの(焦点距離と口径比とに対応した)円周方向変調度情報と放射線方向変調度とを取得し記憶し、前記取得したレンズ品種情報と焦点距離情報と口径比情報と前記記憶した円周方向変調度情報と放射線方向変調度とから、(レンズの非点収差による円周方向変調度と放射線方向変調度に対応して)画面中心からの距離に比例と画素の画面中心からの距離の2乗に比例と画素の画面中心からの4乗に比例と画素の画面中心からの距離の6乗に比例と画素の画面中心からの距離の8乗に比例とでとで垂直輪郭(変調度)補正量と水平輪郭(変調度)補正量とを個別に周波数ごとに算出し、垂直輪郭(変調度)補正と水平輪郭(変調度)補正を個別に行うこと、前記レンズがズームレンズの広角では左右端付近を中心に水平輪郭(変調度)補正周波数の中心を低くすることと、前記レンズがズームレンズの望遠では画面中心から左右に離れるに従い垂直輪郭(変調度)補正周波数の中心を低くすることと、前記レンズが単焦点レンズやズームレンズの中間焦点距離では単焦点レンズやズームレンズの中間焦点距離の非点収差による円周方向変調度と放射線方向変調度に対応して画面中心から左右に離れるに従い、垂直輪郭(変調度)補正周波数の中心又は水平輪郭(変調度)補正周波数の中心のどちらか一方を低くすることと、前記レンズの円周方向変調度と放射線方向変調度に対応して画面中心から左右に離れるに従い、垂直輪郭(変調度)補正周波数の中心と水平輪郭(変調度)補正周波数の中心を異ならせることと、の少なくとも一つを行うことを特徴とする撮像方法である。
【0012】
または、上記課題を達成するため本発明では、(16:9や2:1等の)ワイドアスペクトの(1K、2K、4K、8K等のHD以上テレビカメラ等の高解像度)撮像装置において、多周波数強調の水平輪郭補正と垂直輪郭補正または多周波数強調の水平アパーチャ(変調度)補正と垂直アパーチャ(変調度)補正を有し、3つの波長で色収差が補正され2つの波長で球面収差・コマ収差が補正されている(アッベが命名したアポクロマート)レンズを有し、前記レンズの品種情報と焦点距離情報と口径比情報とを取得する手段と、前記レンズの焦点距離と口径比とに対応した円周方向変調度情報と放射線方向変調度情報とを取得し記憶する手段(CPU6とCPU6内蔵または外付けの記憶部)と、前記取得したレンズ品種情報と焦点距離情報と口径比情報と前記記憶した円周方向変調度情報と放射線方向変調度とから、(レンズの非点収差による円周方向変調度と放射線方向変調度に対応して)前記作成した輪郭(変調度)補正制御の関係情報と水平同期信号と画素クロック(による水平画素カウンタからの水平画素番号)から、映像信号に対応する画素の画面中心からの距離(水平画素数をHとし水平画素番号をhとしてh−H/2)に比例と画素の画面中心からの距離の2乗に比例と画素の画面中心からの距離の4乗に比例と画素の画面中心からの距離の6乗に比例と画素の画面中心からの距離の8乗に比例等の画面位置に対応して垂直輪郭(変調度)補正量を垂直周波数(0Hから7Hの輪郭)ごとと水平輪郭(変調度)補正量を水平周波数(0dから7dの輪郭)ごとに個別に算出する手段(水平画素カウンタ含む画面位置制御部5)と、水平同期信号と画素クロックとから映像信号の画面位置のタイミングを検出する手段(水平画素カウンタ含む画面位置制御部)とを有し、前記生成した画面位置と輪郭(変調度)補正制御の関係情報と前記検出した映像信号の画面位置のタイミングとから垂直輪郭(変調度)補正を垂直周波数(0Hから7Hの輪郭)ごとと水平輪郭(変調度)補正を水平周波数(0dから7dの輪郭)ごととに個別に行う手段(図1Aのラインメモリ部及び図1Bの画素遅延部又は図1C図1Dのフレームメモリ並びに図1A図1B図1C図1Dの減算器(負の加算器)のN0〜N3及びN5〜N8及びN10〜N13及びN15〜N18及び加算器のP4及びP14)と、前記レンズがズームレンズの広角では左右端付近を中心に水平輪郭(変調度)補正周波数の中心を低くする手段(の図1A図1B図1C図1DのCPU6及び水平画素カウンタ含む画面位置制御部5)と、前記レンズがズームレンズの望遠では画面中心から左右に離れるに従い垂直輪郭(変調度)補正周波数の中心を低くする手段(の図1A図1B図1C図1DのCPU6及び水平画素カウンタ含む画面位置制御部5)と、前記レンズが単焦点レンズやズームレンズの中間焦点距離では単焦点レンズやズームレンズの中間焦点距離の非点収差による円周方向変調度と放射線方向変調度に対応して画面中心から左右に離れるに従い、垂直輪郭(変調度)補正周波数の中心又は水平輪郭(変調度)強調周波数の中心のどちらか一方を低く手段(の図1A図1B図1C図1DのCPU6及び水平画素カウンタ含む画面位置制御部5)と、前記レンズの円周方向変調度と放射線方向変調度に対応して画面中心から左右に離れるに従い、垂直輪郭(変調度)補正周波数の中心と水平輪郭(変調度)補正周波数の中心を異ならせる手段(の図1A図1B図1C図1DのCPU6及び水平画素カウンタ含む画面位置制御部5)と、の少なくとも一つを有することを特徴とする撮像装置である。なお、減算器やラインメモリ部や画素遅延部の個数は、7ヶ以上又は4ケもしくは6ケが好ましい。
【0013】
または、上記課題を達成するため本発明では、(4:3や3:2等の正方形に近いアスペクトの)(1K、2K、4K、8K等のHD以上テレビカメラ等の高解像度)撮像装置において、(図1Dの)右上斜め輪郭補正と左上斜め輪郭補正または右上斜めアパーチャ(変調度)補正と左上斜めアパーチャ(変調度)補正を有し、3つの波長で色収差が補正され2つの波長で球面収差・コマ収差が補正されている(アッベが命名したアポクロマート)レンズを有し、前記レンズの品種情報と焦点距離情報と口径比情報とを取得する手段と、前記レンズの焦点距離と口径比とに対応した円周方向変調度情報と放射線方向変調度情報とを取得し記憶する手段(CPU6とCPU6内蔵または外付けの記憶部)と、前記取得したレンズ品種情報と焦点距離情報と口径比情報と前記記憶した円周方向変調度情報と放射線方向変調度とから、(レンズの非点収差による円周方向変調度と放射線方向変調度に対応して)前記作成した輪郭(変調度)補正制御の関係情報と垂直同期信号と水平同期信号と画素クロック(による走査線と水平画素カウンタからの走査線番号と水平画素番号)から、映像信号に対応する画素の画面中心からの距離(走査線数をVとし水平画素番号をvとしてv−V/2と水平画素数をHとし水平画素番号をhとしてh−H/2)に比例と画素の画面中心からの距離の2乗に比例と画素の画面中心からの距離の4乗に比例と画素の画面中心からの距離の6乗に比例と画素の画面中心からの距離の8乗に比例等の画面位置に対応して右上斜め輪郭(変調度)補正量と左上斜め輪郭(変調度)補正量を斜め周波数ごとに個別に算出する手段(走査線と水平画素カウンタ含む画面位置制御部)と、水平同期信号と画素クロックとから映像信号の画面位置のタイミングを検出する手段(走査線と水平画素カウンタ含む画面位置制御部)とを有し、前記生成した画面位置と輪郭(変調度)補正制御の関係情報と前記検出した映像信号の画面位置のタイミングとから右上斜め輪郭(変調度)補正量と左上斜め輪郭(変調度)補正量を斜め周波数ごとに個別に行う手段(図1Dのフレームメモリ並びにCPU並びに走査線と水平画素カウンタ含む画面位置制御部並びに減算器(負の加算器)のN0〜N3及びN5〜N8及びN10〜N13及びN15〜N18及び加算器のP4及びP14)とを有することを特徴とする撮像装置である。
【0014】
または、上記課題を達成するため本発明では、レンズを用いるワイドアスペクトの撮像装置において、多周波数強調の水平輪郭補正と垂直輪郭補正または多周波数強調の水平アパーチャ(変調度)補正と垂直アパーチャ(変調度)補正を用い、前記レンズの品種情報と焦点距離情報と口径比情報とを取得し、前記レンズの円周方向変調度情報と放射線方向変調度とを取得し記憶し、前記取得したレンズ品種情報と焦点距離情報と口径比情報と前記記憶した円周方向変調度情報と放射線方向変調度とから、(レンズの非点収差による円周方向変調度と放射線方向変調度に対応して)画素の画面中心からの距離に比例と画素の画面中心からの距離の2乗に比例と画素の画面中心からの画素の画面中心からの距離の4乗に比例と画素の画面中心からの距離の6乗に比例と画素の画面中心からの距離の8乗に比例等の画面位置に対応して垂直輪郭(変調度)補正量と水平輪郭(変調度)補正量とを個別に周波数ごとに算出し、垂直輪郭(変調度)補正と水平輪郭(変調度)補正を個別に行うことを特徴とする撮像方法である。
【0015】
または、上記課題を達成するため本発明では、3つの波長で色収差が補正され2つの波長で球面収差・コマ収差が補正されているレンズを用いる(ワイドアスペクトの)撮像装置において、多周波数強調の水平輪郭補正と垂直輪郭補正または多周波数強調の水平アパーチャ(変調度)補正と垂直アパーチャ(変調度)補正を用い、前記レンズの品種情報と焦点距離情報と口径比情報とを取得し、前記レンズの円周方向変調度情報と放射線方向変調度とを取得し記憶し、前記取得したレンズ品種情報と焦点距離情報と口径比情報と前記記憶した円周方向変調度情報と放射線方向変調度とから、レンズの非点収差による円周方向変調度と放射線方向変調度に対応して比例と画素の画面中心からの距離の2乗に比例と画素の画面中心からの4乗に比例と画素の画面中心からの距離の6乗に比例と画素の画面中心からの距離の8乗に比例等の画面位置に対応して垂直輪郭(変調度)補正量と水平輪郭(変調度)補正量とを個別に周波数ごとに算出し、垂直輪郭(変調度)補正と水平輪郭(変調度)補正を個別に行うことを特徴とする撮像方法である。また、本発明は、VDTLの中心周波数とHDTLの中心周波数を画面左右位置で個別に可変する撮像装置とするものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明の固体撮像装置では、視野の広さの2乗に比例の非点収差は補正不足で、円周方向変調度と放射線方向変調度が著しく異なる普及価格のレンズの変調度を補正し、オーバーシュートやアンダーシュートを押さえた輪郭補正を実施した映像信号を出力可能となる。
そのため、普及価格の4Kや8Kのレンズを含むカメラ(UHDTV)を製品化することが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1A】本発明の1実施例の多走査線(H)垂直輪郭補正回路の詳細ブロック図(レンズ品種情報と焦点距離情報と口径比情報等のレンズ情報から、画面位置と輪郭補正制御の関係情報 (水平画素番号と輪郭補正の周波数補正量)を作成する手段(CPU6)と、前記作成した輪郭補正制御の関係情報と水平同期信号と画素クロック(による水平画素カウンタからの水平画素番号)から、映像信号に対応する画素の画面中心からの距離(水平画素数をHとし水平画素番号をhとしてh−H/2)に比例と画素の画面中心からの距離の2乗に比例と画素の画面中心からの4乗に比例と画素の画面中心からの距離の6乗に比例と画素の画面中心からの距離の8乗に比例とで水平輪郭(変調度)の周波数(0dから7dの輪郭)補正量と垂直輪郭(変調度)の周波数(0Hから7Hの輪郭)補正量とを個別に算出する手段(水平画素カウンタ含む画面位置制御部5)とを有する。)
図1B】本発明の1実施例の多画素水平輪郭補正回路の詳細ブロック図
図1C】本発明の1実施例の多走査線(H)垂直輪郭補正回路路の詳細ブロック図(フレームメモリからの読出し信号の加減算で輪郭補正信号を生成する)
図1D】本発明の1実施例の多画素水平輪郭補正回路の詳細ブロック図(フレームメモリからの読出し信号の加減算で輪郭補正信号を生成する)
図2A】本発明の1実施例の多走査線(H)垂直輪郭補正信号または多画素水平輪郭補正信号の発生を示す模式図(確認用)((a)垂直輪郭補正前信号(b)垂直輪郭9H(水平輪郭9画素)成分補正信号(c)垂直輪郭7H(水平輪郭7画素)成分補正信号(d)垂直輪郭5H(水平輪郭5画素)成分補正信号(e)垂直輪郭補正信号3H(水平輪郭3画素)成分補正信号(f)垂直輪郭9H7H5H3H(水平輪郭9画素7画素5画素3画素)補正後信号(g)垂直輪郭7H5H3H(水平輪郭7画素5画素3画素)補正後信号(h)垂直輪郭5H3H(水平輪郭7画素5画素3画素)補正後信号(i)垂直輪郭3H(水平輪郭3画素)補正後信号)
図2B】本発明の1実施例の多走査線(H)垂直輪郭補正信号または多画素水平輪郭補正信号の発生を示す模式図(計測用)((a)垂直輪郭補正前信号(b)垂直輪郭9H(水平輪郭9画素)成分補正信号(c)垂直輪郭7H(水平輪郭7画素)成分補正信号(d)垂直輪郭5H(水平輪郭5画素)成分補正信号(e)垂直輪郭補正信号3H(水平輪郭3画素)成分補正信号(f)垂直輪郭9H7H5H3H(水平輪郭9画素7画素5画素3画素)補正後信号(g)垂直輪郭7H5H3H(水平輪郭7画素5画素3画素)補正後信号(h)垂直輪郭5H3H(水平輪郭7画素5画素3画素)補正後信号(i)垂直輪郭3H(水平輪郭3画素)補正後信号)
図3】従来技術の可視光の輪郭補正信号発生回路の詳細ブロック図((a)水平垂直輪郭補正信号発生回路(b)水平垂直輪郭補正信号発生回路)
図4】本発明の1実施例の撮像装置の全体構成を示すブロック図
図5】従来技術の撮像装置の全体構成を示すブロック図
図6】球面収差とコマ収差を十分補正し、非点収差が補正不足なレンズの変調度の変化の模式図 ((a)ズームレンズ広角端の1例Tamron16-300mm、左右端のみ水平変調度補正が必要(b)ズームレンズ望遠端の1例Tamron16-300mm、左右距離に従い垂直変調度補正が必要(c)中望遠レンズの1例Nikkor 85mmF1.8 左右端のみ垂直変調度補正が必要(d)標準レンズ望遠端の1例Nikkor DX35mmF1.8 左右距離に従い水平変調度補正と垂直変調度補正と個別に補正が必要)
図7】球面収差とコマ収差を十分補正し、非点収差が補正不足なレンズの変調度の補正の模式図(画面内均一と画面中心からの距離(h−H/2)に比例と距離の2乗とに比例と距離の4乗に比例と距離の6乗に比例と距離の8乗に比例とで水平変調度補正と垂直変調度補正と個別に変調度の周波数ごとの補正量を算出) ((a)ズームレンズ広角端の1例Tamron16-300mm (b)ズームレンズ望遠端の1例Tamron16-300mm (c)中望遠レンズの1例Nikkor 85mmF1.8 (d)標準レンズ望遠端の1例Nikkor DX35mmF1.8 )
図8】画面位置と水平輪郭(変調度)補正と垂直輪郭(変調度)補正の模式図 ((a)0次:画面内均一の補正成分例、(b)中心からの距離に比例、(c)中心からの距離の2乗に比例、(d)中心からの距離の4乗に比例、(e)中心からの距離の6乗に比例、(f)中心からの距離の8乗に比例、(g)中心からの距離の10乗に比例 )
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、16:9や2:1等のワイドアスペクトの1K、2K、4K、8K等のHD以上テレビカメラ等の高解像度撮像装置において、多周波数強調の水平輪郭補正と垂直輪郭補正または多周波数強調の水平アパーチャ(変調度)補正と垂直アパーチャ(変調度)補正を有し、前記レンズの品種情報と焦点距離情報と口径比情報とを取得する手段と、前記レンズの焦点距離と口径比とに対応した円周方向変調度情報と放射線方向変調度情報とを取得し記憶する手段(CPU6とCPU6内蔵または外付けの記憶部)と、前記取得したレンズ品種情報と焦点距離情報と口径比情報と前記記憶した円周方向変調度情報と放射線方向変調度とから、(レンズの非点収差による円周方向変調度と放射線方向変調度に対応して)前記作成した輪郭(変調度)補正制御の関係情報と水平同期信号と画素クロック(による水平画素カウンタからの水平画素番号)から、映像信号に対応する画素の画面中心からの距離(水平画素数をHとし水平画素番号をhとしてh−H/2)に比例と画素の画面中心からの距離の2乗に比例と画素の画面中心からの距離の4乗に比例と画素の画面中心からの距離の6乗に比例と画素の画面中心からの距離の8乗に比例等の画面位置に対応して垂直輪郭(変調度)補正量を垂直周波数(0Hから7Hの輪郭)ごとと水平輪郭(変調度)補正量を水平周波数(0dから7dの輪郭)ごとに個別に算出する手段(水平画素カウンタ含む画面位置制御部5)と、水平同期信号と画素クロックとから映像信号の画面位置のタイミングを検出する手段(水平画素カウンタ含む画面位置制御部)とを有し、前記生成した画面位置と輪郭(変調度)補正制御の関係情報と前記検出した映像信号の画面位置のタイミングとから垂直輪郭(変調度)補正を垂直周波数(0Hから7Hの輪郭)ごとと水平輪郭(変調度)補正を水平周波数(0dから7dの輪郭)ごととに個別に行う手段(負の掛け算器のN0〜N3,N5〜N8,N10〜N13,N15〜N18と正の掛け算器のP0〜8,P10〜18)と、前記レンズがズームレンズの広角では左右端付近を中心に水平輪郭(変調度)補正周波数の中心を低くする手段と、前記レンズがズームレンズの望遠では画面中心から左右に離れるに従い垂直輪郭(変調度)補正周波数の中心を低くする手段と、前記レンズが単焦点レンズやズームレンズの中間焦点距離では単焦点レンズやズームレンズの中間焦点距離の非点収差による円周方向変調度と放射線方向変調度に対応して画面中心から左右に離れるに従い、垂直輪郭(変調度)補正周波数の中心又は水平輪郭(変調度)強調周波数の中心のどちらか一方を低く手段と、前記レンズの円周方向変調度と放射線方向変調度に対応して画面中心から左右に離れるに従い、垂直輪郭(変調度)補正周波数の中心と水平輪郭(変調度)補正周波数の中心を異ならせる手段と、の少なくとも一つを有することを特徴とする撮像装置である。
【実施例1】
【0019】
本発明の1実施例の多走査線(H)垂直輪郭補正回路の詳細ブロック図の図1A図1B図1Cとでは、レンズ品種情報と焦点距離情報と口径比情報等のレンズ情報から、前記レンズの円周方向変調度と放射線方向変調度に対応して画面位置と輪郭補正制御の関係情報 (水平画素番号と輪郭補正の周波数補正量)を作成する手段(CPU6)と、前記作成した輪郭補正制御の関係情報と水平同期信号と画素クロック(による水平画素カウンタからの水平画素番号)から、映像信号に対応する画素の画面中心からの距離(水平画素数をHとし水平画素番号をhとしてh−H/2)に比例と画素の画面中心からの距離の2乗に比例と画素の画面中心からの4乗に比例と画素の画面中心からの距離の6乗に比例と画素の画面中心からの距離の8乗に比例とで水平輪郭(変調度)の周波数(0dから7dの輪郭)補正量と垂直輪郭(変調度)の周波数(0Hから7Hの輪郭)補正量とを個別に算出する手段(水平画素カウンタ含む画面位置制御部5)と垂直輪郭(変調度)補正を垂直周波数(0Hから7Hの輪郭)ごとと水平輪郭(変調度)補正を水平周波数(0dから7dの輪郭)ごとに個別に行う手段(負の掛け算器のN0〜N3,N5〜N8,N10〜N13,N15〜N18と正の掛け算器のP0〜8,P10〜18)とを含む。
そして、実施例1では、球面収差とコマ収差を十分補正し、非点収差が補正不足なレンズの変調度の変化の模式図の図6と球面収差とコマ収差を十分補正し、非点収差が補正不足なレンズの変調度の補正の模式図(画面中心からの距離(h−H/2)の2乗と4乗と6乗と8乗とで変調度補正量を近似、変調度補正量を補正中心周波数の低下量で近似)の図7との、 (a)ズームレンズ広角端の1例Tamron16-300mm、左右端のみ水平変調度補正が必要と、 (c)中望遠レンズの1例Nikkor 85mmF1.8 左右端のみ垂直変調度補正が必要と、画面位置と水平輪郭(変調度)補正と垂直輪郭(変調度)補正の模式図の図8の (a)0次:画面内均一の補正成分例、(b)中心からの距離に比例、(c)中心からの距離の2乗に比例、(d)中心からの距離の4乗に比例、(e)中心からの距離の6乗に比例、(f)中心からの距離の8乗に比例、を用いて説明する。
【0020】
また、本発明の1実施例の撮像装置の全体構成の全体構成を示すブロック図の図4と、本発明の1実施例の多走査線(H)垂直輪郭補正回路の詳細ブロック図の図1Aと、本発明の1実施例の多画素水平輪郭補正回路の詳細ブロック図の図1Bと、本発明の1実施例の多走査線(H)垂直色平均回路の詳細ブロック図の図1Cと、本発明の1実施例の多画素水平色平均回路の詳細ブロック図の図1Dと、本発明の1実施例の多走査線(H)垂直輪郭補正信号または多画素水平輪郭補正信号の発生を示す模式図(確認用)の図2Aと、本発明の1実施例の多走査線(H)垂直輪郭補正信号または多画素水平輪郭補正信号の発生を示す模式図(計測用)の図2Bを用いて本発明の1実施例を説明する。
【0021】
本発明の1実施例の撮像装置の全体構成の全体構成を示すブロック図の図4と従来技術の赤外線監視システムの全体構成を示すブロック図5との相異は、映像処理部4に垂直輪郭補正中心周波数水平輪郭補正中心周波数個別可変機能付信号処理部とを含むかどうかである。
本発明の1実施例の多走査線(H)垂直輪郭補正回路の詳細ブロック図の図1Aと本発明の1実施例の多画素水平輪郭補正回路の詳細ブロック図の図1Bと、従来技術の可視光の垂直輪郭補正信号発生回路の詳細ブロック図の図3との相異は、ラインメモリの個数と乗算器の個数と加算器の個数だけでなく、レンズ品種情報と焦点距離情報と口径比情報等のレンズ情報から、前記レンズの円周方向変調度と放射線方向変調度に対応して画面位置と輪郭補正制御の関係情報 (水平画素番号と輪郭補正の周波数補正量)を作成する手段(CPU6)と、前記作成した輪郭補正制御の関係情報と水平同期信号と画素クロック(による水平画素カウンタからの水平画素番号)から、映像信号に対応する画素の画面中心からの距離(水平画素数をHとし水平画素番号をhとしてh−H/2)に比例と画素の画面中心からの距離の2乗に比例と画素の画面中心からの4乗に比例と画素の画面中心からの距離の6乗に比例と画素の画面中心からの距離の8乗に比例とで水平輪郭(変調度)の周波数(0dから7dの輪郭)補正量と垂直輪郭(変調度)の周波数(0Hから7Hの輪郭)補正量とを個別に算出する手段(水平画素カウンタ含む画面位置制御部5)と垂直輪郭(変調度)補正を垂直周波数(0Hから7Hの輪郭)ごとと水平輪郭(変調度)補正を水平周波数(0dから7dの輪郭)ごととに個別に行う手段(負の掛け算器のN0〜N3,N5〜N8,N10〜N13,N15〜N18と正の掛け算器のP0〜8,P10〜18)とを含むことである。
【0022】
本発明の1実施例の赤外線監視システムの全体構成を示すブロック図の図4において、1:レンズ、2,7:撮像部、3,7:撮像装置、4:垂直輪郭補正中心周波数水平輪郭補正中心周波数個別可変機能付信号処理部、5:画面位置制御部、6:CPU、8:輪郭強調可変機能付信号処理部である。
【0023】
本発明の1実施例の多走査線(H)垂直輪郭補正回路の詳細ブロック図の図1Aと、本発明の1実施例の多画素水平輪郭補正回路の詳細ブロック図の図1Bと、本発明の1実施例の多走査線(H)垂直色平均回路の詳細ブロック図の図1Cと、本発明の1実施例の多画素水平色平均回路の詳細ブロック図の図1Dにおいて、20〜26,40〜46:加算器、27,47:映像レベル判定器、50:CPU、31,51:小振幅大振幅圧縮器、29,49,32,52:掛け算器、M1〜M7:ラインメモリ部、D1〜D7:画素遅延部、N0〜N7,N10〜N17:負の掛け算器、P0〜8,P10〜18:正の掛け算器、である。
【0024】
本発明の1実施例の多走査線(H)垂直輪郭補正信号または多画素水平輪郭補正信号の発生を示す模式図(確認用)の図2Aと本発明の1実施例の多走査線(H)垂直輪郭補正信号または多画素水平輪郭補正信号の発生を示す模式図(計測用)の図2Bにおいて、(a)は垂直輪郭補正前信号、(b)は垂直輪郭9H(水平輪郭9画素)成分補正信号、(c)は垂直輪郭7H(水平輪郭7画素)成分補正信号、(d)は垂直輪郭5H(水平輪郭5画素)成分補正信号、(e)は垂直輪郭補正信号3H(水平輪郭3画素)成分補正信号、(f)は垂直輪郭9H7H5H3H(水平輪郭9画素7画素5画素3画素)補正後信号、(g)は垂直輪郭7H5H3H(水平輪郭7画素5画素3画素)補正後信号、(h)は垂直輪郭5H3H(水平輪郭7画素5画素3画素)補正後信号、(i)は垂直輪郭3H(水平輪郭3画素)補正後信号である。
【0025】
つまり、本発明では、(b)の垂直輪郭9H(水平輪郭9画素)成分補正信号、(c)の垂直輪郭7H(水平輪郭7画素)成分補正信号、(d)の垂直輪郭5H(水平輪郭5画素)成分補正信号、(e)の垂直輪郭補正信号3H(水平輪郭3画素)成分補正信号とを加算することにより、(f)の垂直輪郭9H7H5H3H(水平輪郭9画素7画素5画素3画素)補正後信号は垂直輪郭と水平輪郭が再生され、オーバーシュートやアンダーシュートがほとんどなく、円周方向変調度と放射線方向変調度と個別に低下しても、個別に輪郭補正することができる。それに対し、(i)は従来の可視光用垂直輪郭補正を適用した垂直輪郭3H補正後信号であり、オーバーシュートやアンダーシュートによる垂直輪郭の前後に偽の負の垂直輪郭が発生し、円周方向変調度と放射線方向変調度と個別に変調度が低下すると個別に輪郭補正が困難になる。
【0026】
したがって、変調度の変化の模式図の図6Bの様に、レンズの変調度が低下しても、画面位置と水平輪郭(変調度)補正と垂直輪郭(変調度)補正の模式図の図8の様に画面中心からの距離(h−H/2)に比例と画面中心からの距離の2乗に比例と4乗に比例と6乗に比例と8乗に比例とを合成して、水平輪郭(変調度)の周波数(0dから7dの輪郭)補正量と垂直輪郭(変調度)の周波数(0Hから7Hの輪郭)補正量とを個別に算出する。その結果、球面収差とコマ収差を十分補正し非点収差が補正不足なレンズが、変調度の補正の模式図の図7の様に、円周方向変調度と放射線方向変調度と個別に低下しても、個別に補正することができる。
【0027】
したがって、本発明の1実施例の多H垂直輪郭補正と多遅延水平輪郭補正とレンズ品種情報と焦点距離情報と口径比情報等のレンズ情報から、前記レンズの円周方向変調度と放射線方向変調度に対応して画面位置と輪郭補正制御の関係情報 (水平画素番号と輪郭補正の周波数補正量)を作成する手段(CPU6)と、前記作成した輪郭補正制御の関係情報と水平同期信号と画素クロック(による水平画素カウンタからの水平画素番号)から、映像信号に対応する画素の画面中心からの距離(水平画素数をHとし水平画素番号をhとしてh−H/2)の2乗に比例と4乗に比例と6乗に比例と8乗に比例とで水平輪郭(変調度)の周波数(0dから7dの輪郭)補正量と垂直輪郭(変調度)の周波数(0Hから7Hの輪郭)補正量とを個別に算出する手段(水平画素カウンタ含む画面位置制御部5)と垂直輪郭(変調度)補正を垂直周波数(0Hから7Hの輪郭)ごとと水平輪郭(変調度)補正を水平周波数(0dから7dの輪郭)ごととに個別に行う手段(負の掛け算器のN0〜N3,N5〜N8,N10〜N13,N15〜N18と正の掛け算器のP0〜8,P10〜18)とにより、撮像装置から、オーバーシュートやアンダーシュートを押さえた水平輪郭(変調度)補正と垂直輪郭(変調度)補正を個別に補正した映像信号を出力可能となる。
【0028】
本発明は、本発明の1実施例の輪郭補正回路の詳細ブロック図の図1Aから図1Dの減算器やラインメモリ部や画素遅延部の個数は7ヶに限定せず、回路規模が許容されるなら、より多い自然数でも構わない。
加算器やラインメモリ部や画素遅延部の個数が7ヶ以上でない場合は輪郭補正が対称となるように、加算器やラインメモリ部や画素遅延部の個数は偶数が好ましい。
つまり、水平輪郭(変調度)補正と垂直輪郭(変調度)補との個別補正を簡易で済ませる場合は、フレームメモリから読み出す個数は4ケや6ケが好ましい。
【0029】
本発明の固体撮像装置では、3つの波長で色収差が補正され、2つの波長で球面収差・コマ収差が補正されているアッベが命名したアポクロマートレンズ(普及価格のレンズ)に残存する非点収差で、円周方向変調度と放射線方向変調度が著しく異なる映像信号しか撮像素子から出力されなくても、オーバーシュートやアンダーシュートを押さえた輪郭補正を実施した映像信号を出力可能となる。
【実施例2】
【0030】
実施例2は、実施例1との相違のみ説明する。
実施例2では、球面収差とコマ収差を十分補正し、非点収差が補正不足なレンズの変調度の変化の模式図の図6と、球面収差とコマ収差を十分補正し非点収差が補正不足なレンズの変調度の補正の模式図(画面中心からの距離(h−H/2)の2乗と4乗と6乗と8乗とで変調度補正量を近似、変調度補正量を補正中心周波数の低下量で近似)の図7との、(b)ズームレンズ望遠端の1例Tamron16-300mm、左右距離に従い垂直変調度補正が必要と、(d)標準レンズ望遠端の1例Nikkor DX35mmF1.8 左右距離に従い水平変調度補正と垂直変調度補正と個別に補正が必要とを用いて説明する。
【0031】
球面収差とコマ収差を十分補正し非点収差が補正不足なレンズの変調度の補正の模式図の図7の(b)では、画面中心からの距離に比例で垂直変調度の補正を算出すれば、近似できる。また、水平変調度の補正は不要である。
【0032】
図7の(d)では、画面中心からの距離の2乗に比例で垂直変調度の補正を算出すれば、水平変調度の補正が近似できる。
【実施例3】
【0033】
(非点収差の補正のフレームメモリ実施例) 実施例3では、実施例1と実施例2との相違点のみ説明する。
実施例1と実施例2の図1A図1Bでは、画素遅延とラインメモリを用いた、映像信号の実時間処理で説明したが、本発明の1実施例の多走査線(H)垂直輪郭補正回路路の詳細ブロック図の図1Cと本発明の1実施例の多画素水平輪郭補正回路の詳細ブロック図の図1Dのように、フレームメモリからの読出し信号の加減算で輪郭補正信号を生成する。
フレームメモリのDouble-Data-Rate SDRAM(DDRと略す)と信号処理のField-Programmable Gate Array(FPGAと略す)とが高速なら、加算と減算は単一回路のシリアル動作も可能となる。
つまり本発明では、図1C図1Dのようにデジタルズームや走査線数変換等の映像信号を記憶させたフレームメモリから読み出した映像信号の処理でもよい。
【0034】
また、4:3や3:2等の正方形に近いアスペクトの1K、2K、4K、8K等のHD以上テレビカメラ等の高解像度撮像装置において、図1Dの右上斜め輪郭補正と左上斜め輪郭補正または右上斜めアパーチャ(変調度)補正と左上斜めアパーチャ(変調度)補正を有し、3つの波長で色収差が補正され2つの波長で球面収差・コマ収差が補正されている(アッベが命名したアポクロマート)レンズを有し、前記レンズの品種情報と焦点距離情報と口径比情報とを取得する手段と、前記レンズの焦点距離と口径比とに対応した円周方向変調度情報と放射線方向変調度情報とを取得し記憶する手段(CPU6とCPU6内蔵または外付けの記憶部)と、前記取得したレンズ品種情報と焦点距離情報と口径比情報と前記記憶した円周方向変調度情報と放射線方向変調度とから、(レンズの非点収差による円周方向変調度と放射線方向変調度に対応して)前記作成した輪郭(変調度)補正制御の関係情報と垂直同期信号と水平同期信号と画素クロック(による走査線と水平画素カウンタからの走査線番号と水平画素番号)から、映像信号に対応する画素の画面中心からの距離(走査線数をVとし水平画素番号をvとしてv−V/2と水平画素数をHとし水平画素番号をhとしてh−H/2)に比例と画素の画面中心からの距離の2乗に比例と画素の画面中心からの距離の4乗に比例と画素の画面中心からの距離の6乗に比例と画素の画面中心からの距離の8乗に比例等の画面位置に対応して右上斜め輪郭(変調度)補正量と左上斜め輪郭(変調度)補正量を斜め周波数ごとに個別に算出する手段(走査線と水平画素カウンタ含む画面位置制御部)と、水平同期信号と画素クロックとから映像信号の画面位置のタイミングを検出する手段(走査線と水平画素カウンタ含む画面位置制御部)とを有し、前記生成した画面位置と輪郭(変調度)補正制御の関係情報と前記検出した映像信号の画面位置のタイミングとから右上斜め輪郭(変調度)補正量と左上斜め輪郭(変調度)補正量を斜め周波数ごとに個別に行う手段(図1Dのフレームメモリ並びにCPU並びに走査線と水平画素カウンタ含む画面位置制御部並びに減算器(負の加算器)のN0〜N3及びN5〜N8及びN10〜N13及びN15〜N18及び加算器のP4及びP14)と、の少なくとも一つを有することを特徴とする撮像装置である。
【産業上の利用可能性】
【0035】
3つの波長で色収差が補正され、2つの波長で球面収差・コマ収差が補正されているアッベが命名したアポクロマートレンズ(円周方向変調度と放射線方向変調度が著しく異なる普及価格のレンズ)に残存する非点収差の補正するために、16:9等と横長アスペクト比のUHDTVで、画面中心からの距離(h−H/2)に比例と2乗に比例と4乗に比例と6乗に比例と8乗に比例とで変調度補正量を算出し、水平輪郭(変調度)の周波数(0dから7dの輪郭)補正量と垂直輪郭(変調度)の周波数(0Hから7Hの輪郭)補正量とを、水平画素カウンタ含む画面位置制御部5で算出して、画面左右位置で水平輪郭(変調度)と垂直輪郭(変調度)とを個別に可変する。
【0036】
その結果、円周方向変調度と放射線方向変調度が著しく異なる普及価格のレンズの変調度を補正する撮像装置を実現し、普及価格のUHDTVを製品化することが可能となる。
この出願は2014年8月29日に出願された日本出願特願2014−175710を基礎として優先権の利益を主張するものであり、その開示の全てを引用によってここに取り込む。
【符号の説明】
【0037】
1:レンズ、2,7:撮像部、3,7:撮像装置、4:垂直輪郭補正中心周波数水平輪郭補正中心周波数個別可変機能付信号処理部、5:水平画素カウンタ含む画面位置制御部、6:CPU、8:輪郭強調可変機能付信号処理部20〜27,40〜47:加算器、28,48:映像レベル判定器、31,51:小振幅大振幅圧縮器、29,49,32,52:掛け算器、M0〜M7:ラインメモリ部、M8:フレームメモリ部、D0〜D7:画素遅延部、N0〜N3,N5〜N8,N10〜N13,N15〜N18:負の掛け算器、 P0〜8,P10〜18:正の掛け算器、
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8