特許第6348619号(P6348619)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6348619非加圧のオゾン化脱イオン水(DI03)の再循環及び回収システム並びに方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6348619
(24)【登録日】2018年6月8日
(45)【発行日】2018年6月27日
(54)【発明の名称】非加圧のオゾン化脱イオン水(DI03)の再循環及び回収システム並びに方法
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/20 20060101AFI20180618BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20180618BHJP
【FI】
   C02F1/20 A
   H01L21/304 648F
【請求項の数】38
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-21242(P2017-21242)
(22)【出願日】2017年2月8日
(62)【分割の表示】特願2015-541833(P2015-541833)の分割
【原出願日】2013年11月4日
(65)【公開番号】特開2017-121628(P2017-121628A)
(43)【公開日】2017年7月13日
【審査請求日】2017年2月8日
(31)【優先権主張番号】61/724,006
(32)【優先日】2012年11月8日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/836,842
(32)【優先日】2013年3月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505477121
【氏名又は名称】エムケイエス インストゥルメンツ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100152489
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 美樹
(72)【発明者】
【氏名】ジーヴェルト、ヨハネス ハインリッヒ
(72)【発明者】
【氏名】ブランマー、ウルリッヒ アルフレッド
(72)【発明者】
【氏名】ブラーシャ、マルタン
(72)【発明者】
【氏名】シュネイター、ゲルハルト ヨアヒム
【審査官】 菊地 寛
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−098244(JP,A)
【文献】 特開2007−111618(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/073574(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/158397(WO,A1)
【文献】 特開2008−311591(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0164338(US,A1)
【文献】 国際公開第2012/125820(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0154641(US,A1)
【文献】 特開2007−326101(JP,A)
【文献】 特開2009−297588(JP,A)
【文献】 特開2003−142445(JP,A)
【文献】 特開2008−006332(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F 1/20
B01D 19/00
H01L 21/304
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オゾン化液体の再循環用のシステムであって、該システムは、
少なくとも2つの入口と少なくとも2つの出口とを有するコンタクタであって、第1コンタクタ入口において装置を含む第1液源と流体的に連通するとともに、第2コンタクタ入口において第2液源と流体的に連通しており、該第2コンタクタ入口はガスを受け取り、該ガスは前記第1コンタクタ入口において前記第1液源の前記装置から受け取られる前記オゾン化液体から、ガスの少なくとも一部を取り除き、取り除かれるガスは第1コンタクタ出口において前記コンタクタから出される、コンタクタを含み、
前記コンタクタは第2コンタクタ出口において前記第2液源と流体的に連通しており、前記コンタクタの中の前記オゾン化液体の少なくとも一部を排出し、排出される液体は、前記装置に接続されている前記第2液源に対する供給用に前記第2コンタクタ出口において前記コンタクタから出される、
システム。
【請求項2】
前記第1コンタクタ入口において受け取られる前記オゾン化液体の少なくとも一部は、前記第2コンタクタ出口を介して前記コンタクタから排出される前記液体の少なくとも一部を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記コンタクタは第3液源と流体的に連通する第3入口を有し、該第3入口は該第3液源から新液を受け取り、該新液は前記コンタクタから排出される前記液体の少なくとも一部を置換する、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記コンタクタは充填カラム、プレートカラムおよびバブルカラムの何れかを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記コンタクタに流体的に連通している第1ポンプをさらに含み、該第1ポンプは、a)該第1ポンプの少なくとも1つの入口を介して前記コンタクタの第2出口に流体的に連通し、b)前記第1ポンプの出口を介して前記第2液源に流体的に連通している、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1ポンプの前記出口は、前記コンタクタの第3入口を介して前記コンタクタに流体的に連通している、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1ポンプは遠心ポンプを含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
少なくとも1つの入口を有する分解コンポーネントをさらに含み、該分解コンポーネントの該入口は前記第1コンタクタ出口に流体的に連通している、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記分解コンポーネントの前記入口は、前記コンタクタに取り除かれる前記ガスの少なくとも一部を受け取る、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記分解コンポーネントの前記入口によって受け取られる前記ガスは加熱されるか、清浄な乾燥空気(CDA)または他の不活性ガスによって希釈される、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記分解コンポーネントの出口は、前記分解コンポーネントの前記入口において受け取られる前記取り除かれるガスの少なくとも一部を排気する、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記分解コンポーネントの前記出口におけるガス流が計測され、その情報はシステム制御に用いられる、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記分解コンポーネントは、前記受け取られるガスを酸素に変換するために触媒を用い、該酸素を前記分解コンポーネントの前記出口を介して排気する、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記触媒は(i)酸化マンガン系生成物または(ii)炭素系生成物の何れかを含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
(i)前記コンタクタの第1入口において受け取られる液体、または(ii)前記コンタクタの第2出口から排出される液体の何れかは、オゾン化脱イオン水(DIO)を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
前記コンタクタの第2入口において受け取られる前記ガスは、(i)O、(ii)O、(iii)CO、(iv)N、(v)清浄な乾燥空気(CDA)、(vi)不活性ガス、(vii)ドーピングガス、(viii)オフガス、(ix)前記第2液源からのオフガス、またはこれらの任意の組合せを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
前記オゾン化液体から取り除かれるガスの前記一部は、(i)O、(ii)O、(iii)CO、またはこれらの任意の組合せを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
前記コンタクタの第2入口において受け取られる前記ガスは、前記第2液源からのオフガスである、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記装置は半導体製造処理に用いられる、請求項1に記載のシステム。
【請求項20】
前記オゾン化液体の温度は計測され、熱交換器を介して、または液体の廃棄によって制御される、請求項1に記載のシステム。
【請求項21】
前記第2液源はDIO水送達システムを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項22】
第2ポンプをさらに含み、前記第2ポンプは(i)前記第1ポンプの第1出口または(ii)前記第1ポンプの第2出口の何れかに流体的に連通している、請求項5に記載のシステム。
【請求項23】
前記第2ポンプは噴射ポンプを含む、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記コンタクタに流体的に連通している第2コンタクタであって、第1入口において前記コンタクタから排出される前記オゾン化液体の少なくとも一部を受け取るように、排出される前記オゾン化液体から第2部分のガスを取り除くように、且つ第1出口において、前記コンタクタへ取り除かれる前記第2部分のガスを含有する排出される前記オゾン化液体を放出するように構成されている、第2コンタクタをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項25】
オゾン化液体の再循環の方法であって、
コンタクタに液体及びガスを供給する工程と、
前記ガスによって、前記液体からガスの少なくとも一部を取り除く工程と、
前記コンタクタから前記液体の一部を排出する工程とを含み、
前記液体は前記コンタクタに周囲圧力で供給される、方法。
【請求項26】
前記コンタクタから排出される前記液体の少なくとも一部を、前記コンタクタに戻すように供給する工程をさらに備える、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記コンタクタから排出される前記液体の少なくとも一部を、新液によって置換する工程をさらに備える、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記コンタクタから排出される前記液体を、第1ポンプを介して加圧する工程をさらに備える、請求項25に記載の方法。
【請求項29】
第2ポンプを介して、前記第1ポンプからガスの少なくとも一部を除去する工程をさらに備える、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記取り除かれるガスを加熱する工程、またはCDAまたは他の不活性ガスと共に希釈する工程をさらに備える、請求項25に記載の方法。
【請求項31】
前記取り除かれるガスをOへ変換する工程をさらに備える、請求項25に記載の方法。
【請求項32】
変換されるガスを出力する工程をさらに備える、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
出力されるガスのガス流を計測する工程と、その情報をシステム制御に用いる工程とをさらに備える、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
熱交換器を介して、または液体の廃棄によって、前記液体の温度の計測、制御、またはその両方を行う工程をさらに備える、請求項25に記載の方法。
【請求項35】
前記コンタクタに供給される前記液体はオゾン化脱イオン水(DI0)を含む、請求項25に記載の方法。
【請求項36】
前記ガスは(i)O、(ii)O、(iii)CO、(iv)N、(iv)清浄な乾燥空気(CDA)、(v)不活性ガス、(vi)ドーピングガス、(vii)オフガス、(viii)第2液源からのオフガス、またはこれらの任意の組合せである、請求項25に記載の方法。
【請求項37】
前記液体から取り除かれるガスの前記一部は(i)O、(ii)O、(iii)CO、またはこれらの任意の組合せである、請求項25に記載の方法。
【請求項38】
前記液体は半導体製造処理に用いられる装置からコンタクタに供給される、請求項25に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
一般に、本発明は、半導体デバイスを湿式洗浄する際に用いられるデバイス、システム及び方法に関する。具体的には、本発明は、液体を再循環させること、及び再循環させる液体から不要なガスを取り除くことができるシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路のようなマイクロエレクトロニクス・チップは、半導体材料からなる比較的大きなウェーハから作られる。この過程は、フォトリソグラフィによるエッチングマスクの生成、マスクに規定される材料の薄膜のエッチング、ウェットケミカル技術及びドライケミカル技術の何らかの組合せによるフォトリソグラフィマスクの除去、さらなる処理に先立った酸化膜の除去、材料の層の堆積、及び残渣化学物質を除去するためのリンスのうちの1つ以上を含む、複数の連続した工程を一般に伴う。フォトリソグラフィマスクはフォトレジストと呼ばれる高分子材料から形成できる。フォトレジストマスクの除去後、リンスまたは湿式洗浄と呼ばれる最終洗浄工程が通常は行われる。一部のシステムにおいて、洗浄工程は他の処理工程の間にも適用される。
【0003】
オゾン化脱イオン水(DIO水)は、半導体産業において、例えば湿式洗浄処理、タングステン層のエッチング、またはその両方に用いられることで知られている。しかしながら、DIOは安定な液体ではない。例えば、オゾンはおおよそ12分の半減期で崩壊する(温度、水質、他による)。従来のシステムは、通常、DIOを常時流すことによって、この課題に対処しているが、これは高価であり無駄でもある。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1A】本発明の一例の実施形態における、液体(例えば、オゾン化脱イオン水)の再循環及び回収用システムの図。
図1B】本発明の一例の実施形態における、液体(例えば、オゾン化脱イオン水)の再循環及び回収用システムの図。
図2A】本発明の一例の実施形態における、液体の再循環方法を説明するフローチャート。
図2B】本発明の一例の実施形態における、液体の脱ガス方法を説明するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本発明の1つの利点は、流体送達システム(例えば、ウェットウェーハ処理)の作動に伴うコストが低減することである。本発明の1つの他の利点は、ノンパーティクルポンプ(例えば、遠心ポンプ)を使用できることである。本発明の1つの他の利点は、従来のシステムよりも無駄が少ない連続的なDIOの流れを供給できることである。本発明の1つの他の利点は、流体送達システムからのオフガスを再度利用できることである。本発明の1つの他の利点は、1つの小型の容器を使用できることである。
【0006】
一態様において、本発明はオゾン化液体の再循環用のシステムを提供する。システムは、少なくとも2つの入口と少なくとも2つの出口とを有するコンタクタを有する。コンタクタは、第1コンタクタ入口において第1液源と、及び第2コンタクタ入口において第2液源に流体的に連通している。第2コンタクタ入口はガスを受け取り、該ガスは、第1コンタクタ入口において受け取られる液体からガスの少なくとも一部を取り除く。取り除かれるガスは、第1コンタクタ出口においてコンタクタから出される。コンタクタは第2コ
ンタクタ出口において第2液源と流体的に連通し、コンタクタの中の液体の少なくとも一部を排出する。排出される液体は、第2コンタクタ出口においてコンタクタから出される。コンタクタは第1液源と流体的に連通する第3入口を有し、第3入口は第1液源に周囲圧力で液体を放出させる。
【0007】
一部の実施形態において、第1コンタクタ入口において受け取られる液体の少なくとも一部は、第2コンタクタ出口を介してコンタクタから排出される液体の少なくとも一部を含む。
【0008】
一部の実施形態において、コンタクタは第3液源に流体的に連通する第4入口を有する。第4入口は第3液源から新液を受け取り、該新液はコンタクタから排出される液体の少なくとも一部を置換する。
【0009】
一部の実施形態において、コンタクタは充填カラム、プレートカラム及びバブルカラムの何れかを含む。
一部の実施形態において、システムはコンタクタに流体的に連通している第1ポンプを有し、第1ポンプは、a)第1ポンプの少なくとも1つの入口を介してコンタクタの第2出口に流体的に連通し、b)第1ポンプの出口を介して第2液源に流体的に連通している。
【0010】
一部の実施形態において、第1ポンプの出口は、コンタクタの第4入口を介してコンタクタに流体的に連通している。
一部の実施形態において、第1ポンプは遠心ポンプを有する。
【0011】
一部の実施形態において、システムは、少なくとも1つの入口を有する分解コンポーネントを有し、分解コンポーネントの入口は第1コンタクタ出口に流体的に連通している。一部の実施形態において、分解コンポーネントの入口は、コンタクタに取り除かれるガスの少なくとも一部を受け取る。
【0012】
一部の実施形態において、分解コンポーネントの第1入口によって受け取られるガスは加熱されるか、清浄な乾燥空気(CDA)または他の不活性ガスによって希釈される。
一部の実施形態において、分解コンポーネントの出口は、分解コンポーネントの入口において受け取る取り除かれるガスの少なくとも一部を排気する。
【0013】
一部の実施形態において、分解コンポーネントの出口におけるガス流が計測され、その情報はシステム制御に用いられる。
一部の実施形態において、分解コンポーネントは、受け取られるガスを酸素に変換するために触媒を用い、該酸素を分解コンポーネントの出口を介して排気する。一部の実施形態において、触媒は(i)酸化マンガン系生成物または(ii)炭素系生成物の何れかを含む。
【0014】
一部の実施形態において、(i)コンタクタの第1入口において受け取られる液体、または(ii)コンタクタの第2出口から排出される液体の何れかは、オゾン化脱イオン水(DIO)を含む。
【0015】
一部の実施形態において、コンタクタの第1入口において受け取られるガスは、(i)O、(ii)O、(iii)CO、(iv)N、(iv)清浄な乾燥空気(CDA)、(v)不活性ガス、(vi)ドーピングガス、(vii)オフガス、(viii)第2液源からのオフガス、またはこれらの任意の組合せを含んでもよい。
【0016】
一部の実施形態において、液体から取り除かれるガスの一部は、(i)O、(ii)O、(iii)CO、またはこれらの任意の組合せを含んでもよい。一部の実施形態において、コンタクタの第1入口において受け取られるガスは、第2液源からのオフガスである。
【0017】
一部の実施形態において、第1液源は半導体製造処理に用いられる装置を有する。
一部の実施形態において、液体の温度は計測され、熱交換器を介して、または液体の廃棄によって制御される。
【0018】
一部の実施形態において、第2液源はDIO水送達システムを有する。
他の一面として、本発明はオゾン化液体の再循環のためのシステムを有する。システムは、少なくとも4つの入口と少なくとも2つの出口とを有する第1コンタクタを有する。第1コンタクタは、第1コンタクタの第1入口において第1液源に流体的に連通する。第1コンタクタの第2入口はガスを受け取り、該ガスは第1コンタクタの第1入口において受け取られる液体から第1部分のガスを取り除く。取り除かれるガスは、第1コンタクタの第1出口において第1コンタクタから出される。第1コンタクタは、コンタクタの中の液体の少なくとも一部を排出する。排出される液体は、第1コンタクタの第2出口において第1コンタクタから出される。システムは、少なくとも1つの入口と少なくとも1つの出口とを有する第2コンタクタを有する。第2コンタクタは、第2コンタクタの第1入口及び第1出口において、第1コンタクタに流体的に連通している。第2コンタクタの第1入口は、第1コンタクタの第1出口から液体を受け取る。第2コンタクタは、該液体から第2部分のガスを取り除く。第2コンタクタの第1出口は、第2コンタクタの第1出口に流体的に連通する第1コンタクタの第3入口を介して、第1コンタクタへ取り除かれる第2部分のガスを含有する液体を放出する。また、第1コンタクタは第1液源に流体的に連通する第4入口を有し、第1コンタクタの第4入口は、第1液源から周囲圧力で液体を放出させる。
【0019】
他の一面として、本発明はオゾン化液体の再循環の方法を提供する。この方法はコンタクタに液体及びガスを供給する工程、該ガスによって該液体からガスの少なくとも一部を取り除く工程と、コンタクタから該液体の一部を排出する工程とを伴う。
【0020】
一部の実施形態において、液体はコンタクタに周囲圧力で供給される。
一部の実施形態において、方法はコンタクタから排出される液体の少なくとも一部をコンタクタに戻すように供給する工程を伴う。
【0021】
一部の実施形態において、方法はコンタクタから排出される液体の少なくとも一部を新液によって置換する工程を伴う。
一部の実施形態において、方法はコンタクタから排出される液体を、第1ポンプを介して加圧する工程を伴う。
【0022】
一部の実施形態において、方法は第2ポンプを介して、第1ポンプからガスの少なくとも一部を除去する工程を伴う。
一部の実施形態において、方法は取り除かれるガスを加熱する工程、またはCDAまたは他の不活性ガスと共に希釈する工程を伴う。
【0023】
一部の実施形態において、方法は取り除かれるガスをOへ変換する工程を伴う。一部の実施形態において、方法は該変換されるガスを出力する工程を伴う。一部の実施形態において、方法は該出力されるガスのガス流を計測する工程、及び情報をシステム制御に用いる工程を伴う。
【0024】
一部の実施形態において、方法は熱交換器を介して、または液体の廃棄によって、液体の温度の計測、制御、またはその両方を行う工程を伴う。
一部の実施形態において、コンタクタに供給される液体はオゾン化脱イオン水(DI0)を含む。
【0025】
一部の実施形態において、ガスは(i)O、(ii)O、(iii)CO、(iv)N、(iv)清浄な乾燥空気(CDA)、(v)不活性ガス、(vi)ドーピングガス、(vii)オフガス、(viii)第2液源からのオフガス、またはこれらの任意の組合せである。
【0026】
一部の実施形態において、液体から取り除かれるガスの一部は(i)O、(ii)O、(iii)CO、またはこれらの任意の組合せである。
一部の実施形態において、液体は半導体製造処理に用いられる装置からコンタクタに供給される。
【0027】
本発明の前述される利点及び更なる利点は、後述の説明と添付の図面を参照することにより、より理解される。図面は必ずしも縮尺に応じて描かれておらず、その代わりに本発明の本質を示すようにより強調されている。
【0028】
システム概要
一般に、本発明は、装置(例えば、半導体処理製造装置)から吐き出される液体の回収及び再利用のためのシステム及び方法を含む。例えば、オゾン化脱イオン水(DIO)流体送達システムは、半導体製造処理装置へDIOを供給する。半導体製造装置はDIOの一部(例えば、未使用分)を吐き出し、DIOは回収システムにより再び取り込まれる。
【0029】
一般に、回収システムは、バッファ・コンタクタ及びポンプ(遠心ポンプ)を用いて吐き出される液体を再び取り込み、再循環させる。液体は非加圧(例えば、周囲圧力の状態)であるため、ポンプはもちろん、流体送達システムの何れの入口でも気泡を回避することができる。回収システムは、ポンプが液体を流体送達システムに再循環させて戻す前に、コンタクタを用いて液体から不要なガスの一部を取り除くことができる。
【0030】
図1Aは、本発明の例示的な一実施形態における、非加圧液体(例えば、周囲圧力のオゾン化脱イオン水)を再循環及び回収するシステム100を示す。概要として、このようなシステムは、例えば非加圧液体出口を備える装置を用いる半導体製造処理において有用である。従来のシステムは、余分な液体を排出するため、または非加圧液体を適切に再循環させることが不可能なため、典型的には液体を浪費する。非加圧液体の回収及び再循環が可能なシステムは、経済的見地及び環境的見地の両方から有利である。
【0031】
システム100は、第1液源(例えば、「装置(tool)」)110、第2液源(例えば、「流体送達システム」)120及び回収システム140を有する。
装置
この例示の実施形態において、装置110は1つ以上の半導体製造処理(例えば、半導体ウェーハのエッチングまたは洗浄)を行う。一部の実施形態において、装置110は、半導体製造に関する異なる種類の処理または他の処理を行うことができる。装置110は、送達システム120に流体的に連通している液体入口111、及び回収システム140に流体的に連通している液体出口112,113を有する。一部の実施形態において、装置110は複数の装置を有する。一部の実施形態においては、装置110は入口若しくは出口、またはその両方を、幾つでも有する。
【0032】
流体送達システム
例示の流体送達システム120は、流体(すなわち、液体若しくはガス、またはその両方)の生成及び装置110と回収システム140への送達とを行う。流体送達システム120は、後述するように、回収される液体をシステム140から受け取る。一部の実施形態において、流体送達システム120はLIQUOZONシステムを含む。
【0033】
この例示の実施形態において、流体送達システム120は(i)装置110に流体的に連通している液体出口121、(ii)回収システム140に流体的に連通している液体入口122、及び(iii)回収システム140に流体的に連通しているガス出口123を有する。他の実施形態がより多いまたは少ない数の入口若しくは出口、若しくはその両方を有してもよいことを、当業者なら理解するであろう。
【0034】
様々な実施形態において、液体はオゾン化脱イオン水(DIO)、脱イオン水(DI水)、超純水(UPW)、フッ化水素(HF)、酸、塩基、溶媒またはこれらの組合せである。様々な実施形態において、ガスは酸素(O)、二酸化炭素(CO)、オゾン(O)、(N)、清浄な乾燥空気(CDA)、オフガス(例えば、流体送達システム110に由来する)またはこれらの組合せである。これらは流体送達システム120によって生成または送達される液体及びガスの数例でしかなく、他の実施形態においては本明細書に記載のものに代えて、または加えて、他のガス若しくは液体、またはその両方が含まれてよいことを、当業者なら理解するであろう。
【0035】
回収システム
一般に、回収システム140は、流体送達システム120及び装置110に再循環させるために、装置110から排出される液体を回収する。例示の実施形態において、回収システム140はバッファ・コンタクタ(または、「コンタクタ」)150、第1ポンプ160、分解コンポーネント170、第2ポンプ180、第3液源(または、「新液源(fresh liquid source)」)185及び関連するバルブV1〜V8とセンサ158,175とを有する。一部の実施形態において、液体は非加圧である。
【0036】
バッファ・コンタクタ
例示のコンタクタ150は、装置110によって出力される非加圧液体(例えば、周囲圧力の液体)の再循環及び回収をさせる。より具体的には、コンタクタ150は、(i)液体が流体送達システム120及び装置110に再循環して戻る前に、液体から有害または不要なガスを取り除き、(ii)システム100が様々に変動する再循環流を扱うことを可能にする。様々な再循環流は、液体緩衝をすることによって扱うことができる。例えば、第2液源120での安定した濃度調整のために、コンタクタ(緩衝器)新水に必要なガスを添加することができる。例示の実施形態において、コンタクタ150はカラム、多重カラムまたは他の適切な形状でもよい。例えば、コンタクタ150は1つ以上の充填カラム、プレートカラム、バブルカラム、またはそれらの組合せでもよい。
【0037】
例示の実施形態において、コンタクタ150は(i)入口151〜154及び(ii)出口155〜157を有する。一部の実施形態においては、より多いまたは少ない数の入口若しくは出口、またはその両方が用いられてもよい。コンタクタ150は、コンタクタ入口151,152を介して装置110に流体的に連通している。より具体的には、入口151,152は、装置110が出口112,113から放出される液体(例えば、DIO)をそれぞれ受け入れる。液体は周囲圧力(すなわち、非加圧)でもよい。装置110の非加圧出力は、コンタクタ150への液体流を2つの入口151,152の間で分割することで維持できる。これによって、例えば、装置110からの液体流を妨げる負圧を発生させることがある装置110の出口での吸入を防ぐことができる。第1液源110の2つの出口112及び113は、コンタクタ150のドレイン管の2つの入口151及び
152に接続される。装置出口112とコンタクタ入口151との間のドレイン管は、およそ15mmにしてもよい。装置出口113とコンタクタ入口152との間のドレイン管は、およそ6.55mmにしてもよい。この規模のドレイン管は、例えば直径40mmのドレイン管よりも費用が少なくて済む。
【0038】
例示の実施形態において、コンタクタ150はコンタクタ入口153を介して送達システム120に流体的に連通している。コンタクタ150は、流体送達システム120の出口123からガスまたはガスの混合体を供給される。流体送達システム120によって供給されるガスは、コンタクタ150において、液体からオゾンなどのガスの一部を取り除くことに用いることができる。供給されるガスは、例えば(i)O、(ii)O、(iii)CO、(iv)N、(iv)清浄な乾燥空気(CDA)、(v)不活性ガス、(vi)ドーピングガス、(vii)オフガス、(viii)流体送達システム120からのオフガス、またはこれらの任意の組合せであってもよい。
【0039】
コンタクタ150は、入口154を介して新液源185に流体的に連通している。例示の実施形態において、新液源185は、例えば超純水(UPW)のような新液をコンタクタ150に供給する。超純水は、例えば出口156を介した再循環または出口157を介した処分の際に、コンタクタ150から放出される液体を置換することができる。一部の実施形態においては、新液源185は流体送達システム120の一部であってもよい。
【0040】
新液源185からの液体流は、コンタクタ150の液面レベルの監視若しくは制御、またはその両方を行うレベルセンサに基づいてよい。レベルセンサ158は、例えば、コンタクタ150の液面レベルを所望のレベル(例えば、低すぎないまたは高すぎない)の範囲内に確実に保持することができる。
【0041】
コンタクタ150は、コンタクタ出口155を介して分解コンポーネント170に流体的に連通している。前述及び後述に説明されるように、コンタクタ150の液体が再循環する前に、その液体から有害または不要なガス(例えば、O)を取り除くことができる。例示の実施形態において、この取り除かれるガス(例えば、O)はコンタクタ出口155から分解コンポーネント170の入口171に向かって排気される。
【0042】
分解コンポーネント
例示の分解コンポーネント170は、コンタクタ150から排気されるガス(例えば、オゾン)の少なくとも一部を第2ガス(例えば、酸素)に変換する。分解コンポーネント170は、コンタクタ150から排気される有害または不要なガスを、例えば出口172を介して、周辺の環境に安全に放出できるガスに変換できる。例示の実施形態において、分解コンポーネント170は、取り除かれるガス(例えば、オゾン)を効果的に第2ガス(例えば、酸素)に変換するために、1つ以上の触媒(例えば、何らかの追加の炭素系生成物を伴う酸化マンガン(例えば、Carulite200(登録商標)))を用いる。
【0043】
遠心ポンプ
例示の第1ポンプ160は、再循環させるために、出口156を介してコンタクタ150から液体を汲み、また、この液体を例えば装置110による使用のために加圧できる。このポンプ160は、加えて、流体送達システム120に向かう方向、第2ポンプ180に向かう方向、およびコンタクタ150へ戻る方向、のうちの1つ以上に、液体の一部を送ることができる。例示の実施形態において、第1ポンプ160は遠心ポンプだが、他の実施形態では違う種類のポンプ(例えば、膜ポンプ、その他)でもよい。ポンプ160は、(i)ポンプ入口161及びポンプ出口162を介してコンタクタ150に、(ii)ポンプ出口162を介して流体送達システム110に流体的に連通しており、また任意で、(iii)ポンプ出口162,163を介して第2ポンプ180に流体的に連通する。
【0044】
液体噴射ポンプ
例示の第2ポンプ180は、例えば第1ポンプ160中のガスの増加を回避するために、第1ポンプからガス(例えば、CO)を除去するための少量の加圧されたDIOを伴って作動する。これに代えて、第2ポンプはDIOの代わりにCDAを伴って作動してもよい。例示の実施形態において、第2ポンプは液体噴出ポンプである。一部の実施形態では、他の種類のポンプを用いても、または第2ポンプを完全に割愛してもよい。
【0045】
熱交換器
一般に、ポンプ160の循環とともにポンプ160中の液体温度は上昇する。回収システム140及びシステム100全体の適切な運転を維持するために、液体を特定の温度範囲(例えば、20〜24℃)に留めることができる。一部の実施形態において、液体温度を維持(例えば、所望の温度範囲内に)するために熱交換器が用いられる。熱交換器は第2ポンプ180と同時に用いることができる。他の実施形態においては、液体温度はポンプ160から高温の液体の一部を排出することで維持される。
【0046】
バルブ
例示の実施形態において、バルブV1〜V8は、システム100の構成要素間または構成要素自体の中におけるガス及び液体の流れを制御する。例えば、バルブV1〜V8は、2ウェイバルブ、チェックバルブ、パイロットバルブ、流量制限器、可変バルブ、制御バルブ若しくは当業者に知られる任意のバルブ、またはそれらの組合せを有する。本明細書ではバルブV1〜V8が説明されたが、一部の実施形態はこれらのバルブの個数を増減してもよいことを、当業者なら理解するであろう。
【0047】
センサ
システム140は、レベルセンサ158及びガス流量計175のような複数のセンサを有することができる。センサ158は、コンタクタ150中の液体、ガス、またはその両方のレベルについて、監視、制御、またはその両方を行うために用いられる。例示のガス流量計175は、出口172を介して分解コンポーネント170によって排気されるガスの流量を監視する。この情報は、システム制御に用いられる。例えば、ガス流量計175は、コンタクタの液体内容物の量の変化に、レベルセンサ158が検出するよりも素早く反応できる。レベルの変化は、例えばコンタクタ150を通じて液体がゆっくりと滴るため、遅れることがある。ガス流量計175からの情報によって、例えば第2液源120に適切に液体が供給されることを確実にするように、ダイナミックシステム制御及びシステム安定性を向上させることができる。レベルセンサ158は、定常状態レベルを示す指示を提供することができる。
【0048】
追加のセンサ(図示せず)を、システム140の他の部分の中のガス及び液体の流量若しくは圧力のようなパラメータの監視若しくは制御、またはその両方を行うのに用いてもよい。
【0049】
第2コンタクタ
一部の実施形態において、第2コンタクタは液体から不要なガスをさらに取り除くのに用いられる。図1Aは、本発明の例示の実施形態における、液体(例えば、オゾン化脱イオン水)の再循環及び回収システムの図102である。第2コンタクタ190は、第1コンタクタ150、ポンプ160、ポンプ180、第3液源185、第2液源122及びレベル191に流体的に連通している。
【0050】
第2コンタクタ190は、第2コンタクタ190の第1入口193において、出口156を介して第1コンタクタ150から出力される液体を受け取り、その液体は第1コンタ
クタによって取り除かれる不要なガスの第1部分を含有する。ポンプ180及びバルブV9はバキュームとして働き、液体を第1コンタクタ150から第2コンタクタ190へ流れさせる。
【0051】
第2コンタクタ190は、第2コンタクタ入口194において、第3液源185から液体(例えば、超純水)を受け取る。第2コンタクタ190は、液体から不要なガスの第2部分を取り除く。第2コンタクタ190は、ポンプ160によって出口192から排出される液体を含む。第2コンタクタ190から出る液体の第1部分は、入口122を介して第2液源120へ流れる。第2コンタクタ190から出る液体の第2部分は、入口154を介してコンタクタ150へ戻るように流れる。
【0052】
第2コンタクタ190は、レベル191に連通している。レベルセンサ191は、第2コンタクタ190の中の液面レベルを検出できる。
図2A及び図2Bは、本発明の例示の実施形態における、液体の再循環及び回収方法の一例を示すフローチャートである。説明を目的として、再循環及び脱ガスを2つの別個のフローチャートとして、図2A及び図2Bにそれぞれ示す。各工程は特定の順番で説明されているが、1つの若しくは両方の図について、各工程は異なる順序で、または他の工程と同時に行うことができることを、当業者なら理解するであろう。
【0053】
再循環方法
図2Aは、より具体的には、本発明の例示の実施形態における、再循環方法の一例を示すフローチャートである。
【0054】
工程200において、液体(例えば、DIO)は、第2液源(例えば、図1Aで前述される流体送達システム120)から第1液源(例えば、図1Aで前述される装置110)へ供給される。例えば、図1Aを参照すると、液体は流体送達システム出口121を介して装置入口111へ供給される。
【0055】
工程210において、コンタクタ(例えば、図1Aで前述されるコンタクタ150)は第1液源(例えば、図1Aで前述されるコンタクタ入口151,152において)から周囲圧力で液体を受け取る。周囲圧力は、例えばガスを第1液源110からの出口113を介して、コンタクタ入口152から液体出口112に流れさせることで維持できる。この構成は、例えば第1液源において一貫した流量制御を維持し、その出口のいずれかに負圧が蓄積することを防ぐ。
【0056】
工程220において、コンタクタは第1液源から受け取った液体の一部を排出する。より具体的には、第1ポンプ(例えば、図1Aで前述される遠心ポンプ160)はコンタクタから(例えば、図1Aで前述されるコンタクタ出口156を介して)液体を送る。排出された液体は、工程230で示すように、第1ポンプによって加圧されることができる。
【0057】
第1ポンプの液体が循環する際に、液体は第1ポンプを作動するのに使用される電気エネルギーを吸収し、それによって液体の温度が上昇する。連続的な再循環を維持するために、工程240で示されるように、液体温度は監視及び制御される。一部の実施形態において、液体を許容される運転温度(例えば、20〜24℃)に確実に留めるために、熱交換器(例えば、図1Aで前述される熱交換器)が用いられる。熱交換器を用いるのに加えて、または代わりに、適切な温度範囲を維持するために、第1ポンプから高温の液体の一部を排出してもよい。
【0058】
第1ポンプの中のガスの蓄積が第1ポンプの作動を妨げないことを確実にするために、工程250で示すように、ガスを第1ポンプから任意の第2ポンプ(例えば、図1Aで前
述される液体噴射ポンプ)によって除去してもよい。
【0059】
工程260において、コンタクタから排出された液体は第3液源(例えば、図1Aで前述される第3液源185)からの新液(例えば、UPW)に置換される。新液は必要なガス(例えば、オゾン)を含まないことがあるので、そこに一定またはほぼ一定のガス(例えば、オゾン)濃度を維持するために、流体送達システムからのオフガスをコンタクタに供給してもよい。
【0060】
コンタクタの中の液体レベルはセンサ(例えば、図1Aで前述されるレベルセンサ158)を介して監視され、第3液源からの流量はコンタクタの中の最適液体レベルを保持するために制御される。第3液源からコンタクタまでの新液の流量は線形であってよい。
【0061】
工程270において、第1ポンプは液体の一部を流体送達システム120(例えば、図1Aで前述される入口122にて)に送り、液体の一部はコンタクタに戻る。一部の実施形態において、第3液源からの新液がコンタクタに受け入れられる(例えば、図1Aで前述される入口154を介して)前に、コンタクタに送り返される液体は新液に混合される。新液は必要なガスを含有しないことがあるので、第1ポンプからの液体の一部を新液に混合することで、例えばコンタクタ内の液体が適切なガス(例えば、オゾン)レベルを維持していることを確実にすることができる。
【0062】
脱ガス方法
図2Bは、より具体的には、本発明の一実施形態における、典型的な脱ガス方法を説明するフローチャートである。
【0063】
工程300において、コンタクタ(例えば、図1Aで前述されるコンタクタ150)はコンタクタ入口において、第2液源(例えば、図1Aで前述される流体送達システム120)から1つ以上のガスを受け取る。例えば、図1Aを参照すると、ガスは流体送達システム出口123からコンタクタ入口153へ供給される。1つ以上のガスは、(i)O、(ii)O、(iii)CO、(iv)N、(iv)清浄な乾燥空気(CDA)、(v)不活性ガス、(vi)ドーピングガス、(vii)オフガス、(viii)第2液源からのオフガス、またはこれらの任意の組み合わせであってもよい。
【0064】
工程310において、受け取ったガスは、コンタクタの中の液体から有害または不要なガス(例えば、オゾン)を取り除く。例えば、該ガスは液体中の不要または有害なガスの分圧の違いによって取り除かれることができる。取り除かれたガスは、工程320に示すように、コンタクタから分解コンポーネント(例えば、図1Aで前述される分解コンポーネント170)へ排気される。例えば、図1Aを参照すると、取り除かれたガスはコンタクタ出口155から分解コンポーネント入口171へ排気されることができる。任意で、例えば、ガスの露点を下げることによって分解コンポーネント170の中での結露を防ぐ若しくは減らすため、工程330で示すように、取り除かれたガスは加熱されるか、CDA若しくは他の不活性ガスによって希釈されるか、またはその両方がされる。
【0065】
工程340において、分解コンポーネントは取り除かれたガス(例えば、オゾン)を第2ガス(例えば、酸素)に変換する。図1Aで前述されるように、分解コンポーネントは取り除かれたガスを第2ガスに変換するために、1つ以上の触媒(例えば、何らかの追加の炭素系生成物を伴う酸化マンガン)を使ってもよい。工程350で示すように、第2ガスは、それから分解コンポーネントの出口を介して安全なやり方で周囲の環境に放出または排気される。例えば、図1Aにおいて、第2ガスは分解コンポーネント出口172を介して排気される。
【0066】
工程360において、分解コンポーネントの出口におけるガス流が計測される。この計測は、システム制御に用いられる。例えば、図1Aにおいて、ガス流量計175は分解コンポーネントの出口172においてガス流を計測してもよい。
【0067】
本明細書に記載の発明の変形、修正、または他の実施方法は、その精神及び本発明の範囲から逸脱することなく、当業者に考えられ得るものである。したがって、本発明は前述に例示の実施形態に限定されるものではない。
図1A
図1B
図2A
図2B