(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、サブピクセルの混色の発生を減らすことができる
平板表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態による平板表示装置は、基板と、前記基板上に形成され、第1開口、第2開口及び第3開口を備える絶縁膜と、第1方向に配列された第1開口を覆うように、前記絶縁膜上に形成され、第1有機発光膜を備える複数の第1ラインと、前記第1方向に配列された第2開口を覆うように、前記絶縁膜上に形成され、前記第1有機発光膜と異なる第2有機発光膜を備える複数の第2ラインと、前記第1方向に配列された第3開口を覆うように、前記絶縁膜上に形成され、前記第1及び第2有機発光膜と異なる第3有機発光膜を備える複数の第3ラインと、を備え、互いに隣接して位置する前記第1ラインと第2ラインは、前記絶縁膜上で一部が互いに重畳しており、前記第1ラインないし第3ラインは、隣接した他のラインの開口において重畳していない。
【0007】
互いに隣接して位置する前記第2ラインと第3ラインは、前記絶縁膜上で一部が互に重畳してもよい。
【0008】
前記第1開口と、これに隣接した第2開口との間隔、または前記第1開口と、これに隣接した第3開口との間隔は、前記第2開口と、これに隣接した第3開口との間隔と異なってもよい。
【0009】
前記第1開口と、これに隣接した第2開口との間隔、または前記第1開口と、これに隣接した第3開口との間隔は、前記第2開口と、これに隣接した第3開口との間隔より大きくてもよい。
【0010】
前記第1開口ないし第3開口のうち、少なくとも二つの開口の大きさが相異なってもよい。
【0011】
前記第3開口は、前記第1開口または前記第2開口より大きくてもよい。
【0012】
前記絶縁膜は、第4開口をさらに備え、前記第1方向に配列された第4開口を覆うように、前記絶縁膜上に形成され、前記第1有機発光膜ないし第3有機発光膜と異なる第4有機発光膜を備える複数の第4ラインをさらに備えてもよい。
【0013】
本発明の他の実施形態による平板表示装置は、基板と、前記基板上に形成され、第1開口、第2開口及び第3開口を備える絶縁膜と、第1方向に配列された第1開口を覆うように、前記絶縁膜上に形成され、第1有機発光膜を備える複数の第1ラインと、前記第1方向に配列された第2開口を覆うように、前記絶縁膜上に形成され、前記第1有機発光膜と異なる第2有機発光膜を備える複数の第2ラインと、前記第1方向に配列された第3開口を覆うように、前記絶縁膜上に形成され、前記第1及び第2有機発光膜と異なる第3有機発光膜を備える複数の第3ラインと、を備え、前記第1ラインないし第3ラインは、隣接した他のラインの開口において重畳しておらず、前記第1開口と、これに隣接した第2開口との間隔、または前記第1開口と、これに隣接した第3開口との間隔は、前記第2開口と、これに隣接した第3開口との間隔と異なる。
【0014】
前記第1開口と、これに隣接した第2開口との間隔、または前記第1開口と、これに隣接した第3開口との間隔は、前記第2開口と、これに隣接した第3開口との間隔より大きくてもよい。
【0015】
前記第1開口ないし第3開口のうち、少なくとも二つの開口の大きさが相異なってもよい。
【0016】
前記第3開口は、前記第1開口または前記第2開口より大きくてもよい。
【0017】
前記絶縁膜は、第4開口をさらに備え、前記第1方向に配列された第4開口を覆うように、前記絶縁膜上に形成され、前記第1有機発光膜ないし第3有機発光膜と異なる第4有機発光膜を備える複数の第4ラインをさらに備えてもよい。
【0018】
本発明のさらに他の実施形態による平板表示装置は、基板と、前記基板上に形成され、第1開口、第2開口及び第3開口を備える絶縁膜と、第1方向に配列された第1開口を覆うように、前記絶縁膜上に形成され、第1有機発光膜を備える複数の第1ラインと、前記第1方向に配列された第2開口を覆うように、前記絶縁膜上に形成され、前記第1有機発光膜と異なる第2有機発光膜を備える複数の第2ラインと、前記第1方向に配列された第3開口を覆うように、前記絶縁膜上に形成され、前記第1及び第2有機発光膜と異なる第3有機発光膜を備える複数の第3ラインと、を備え、前記第1ラインないし第3ラインは、隣接した他のラインの開口において重畳しておらず、前記第1開口と、これに隣接した第2開口との間隔、前記第1開口と、これに隣接した第3開口との間隔、及び前記第2開口と、これに隣接した第3開口との間隔は、前記第1方向に直角な第2方向に配列された第1開口、第2開口及び第3開口の幅より大きい。
【0019】
前記第1開口ないし第3開口のうち、少なくとも二つの開口の大きさが相異なってもよい。
【0020】
前記第3開口は、前記第1開口または前記第2開口より大きくてもよい。
【0021】
前記絶縁膜は、第4開口をさらに備え、前記第1方向に配列された第4開口を覆うように、前記絶縁膜上に形成され、前記第1有機発光膜ないし第3有機発光膜と異なる第4有機発光膜を備える複数の第4ラインをさらに備えてもよい。
【0022】
本発明の一実施形態による平板表示装置の製造方法は、第1開口、第2開口及び第3開口を備える絶縁膜が形成された基板を用意するステップと、第1蒸着アセンブリと前記基板とが離隔された状態で、前記基板が、前記第1蒸着アセンブリに対して相対的に移動しつつ、前記第1蒸着アセンブリから発散された第1有機発光物質が、前記基板に蒸着されて、第1方向に配列された第1開口を覆うように、前記絶縁膜上に形成され、第1有機発光膜を備える複数の第1ラインを形成するステップと、第2蒸着アセンブリと前記基板とが離隔された状態で、前記基板が、前記第2蒸着アセンブリに対して相対的に移動しつつ、前記第2蒸着アセンブリから発散された第2有機発光物質が、前記基板に蒸着されて、前記第1方向に配列された第2開口を覆うように、前記絶縁膜上に形成され、前記第1有機発光膜と異なる第2有機発光膜を備える複数の第2ラインを形成するステップと、第3蒸着アセンブリと前記基板とが離隔された状態で、前記基板が、前記第3蒸着アセンブリに対して相対的に移動しつつ、前記第3蒸着アセンブリから発散された第3有機発光物質が、前記基板に蒸着されて、前記第1方向に配列された第3開口を覆うように、前記絶縁膜上に形成され、前記第1及び第2有機発光膜と異なる第3有機発光膜を備える複数の第3ラインを形成するステップと、を含み、互いに隣接して位置する前記第1ラインと第2ラインは、前記絶縁膜上で一部が互いに重畳しているが、前記第1ラインないし第3ラインは、隣接した他のラインの開口において重畳していない。
【0023】
互いに隣接して位置する前記第2ラインと第3ラインは、前記絶縁膜上で一部が互いに重畳していてもよい。
【0024】
前記第1開口と、これに隣接した第2開口との間隔、または前記第1開口と、これに隣接した第3開口との間隔は、前記第2開口と、これに隣接した第3開口との間隔と異なってもよい。
【0025】
前記第1開口と、これに隣接した第2開口との間隔、または前記第1開口と、これに隣接した第3開口との間隔は、前記第2開口と、これに隣接した第3開口との間隔より大きくてもよい。
【0026】
前記第1ラインを形成するステップは、前記第2ラインを形成するステップ、または前記第3ラインを形成するステップより先に行われてもよい。
【0027】
前記第1開口ないし第3開口のうち、少なくとも二つの開口の大きさが相異なってもよい。
【0028】
前記第3開口は、前記第1開口または前記第2開口より大きくてもよい。
【0029】
前記第1ラインを形成するステップないし第3ラインを形成するステップは、前記第1方向に移送される基板に対して連続的に行われてもよい。
【0030】
前記絶縁膜は、第4開口をさらに備え、第4蒸着アセンブリと前記基板とが離隔された状態で、前記基板が、前記第4蒸着アセンブリに対して相対的に移動しつつ、前記第4蒸着アセンブリから発散された第4有機発光物質が、前記基板に蒸着されて、前記第1方向に配列された第4開口を覆うように、前記絶縁膜上に形成され、前記第1有機発光膜ないし第3有機発光膜と異なる第4有機発光膜を備える複数の第4ラインを形成するステップをさらに含んでもよい。
【0031】
前記第1ラインを形成するステップないし第4ラインを形成するステップは、前記第1方向に移送される基板に対して連続的に行われてもよい。
【0032】
本発明の他の実施形態による平板表示装置の製造方法は、第1開口、第2開口及び第3開口を備える絶縁膜が形成された基板を用意するステップと、第1蒸着アセンブリと前記基板とが離隔された状態で、前記基板が、前記第1蒸着アセンブリに対して相対的に移動しつつ、前記第1蒸着アセンブリから発散された第1有機発光物質が、前記基板に蒸着されて、第1方向に配列された第1開口を覆うように、前記絶縁膜上に形成され、第1有機発光膜を備える複数の第1ラインを形成するステップと、第2蒸着アセンブリと前記基板とが離隔された状態で、前記基板が、前記第2蒸着アセンブリに対して相対的に移動しつつ、前記第2蒸着アセンブリから発散された第2有機発光物質が、前記基板に蒸着されて、前記第1方向に配列された第2開口を覆うように、前記絶縁膜上に形成され、前記第1有機発光膜と異なる第2有機発光膜を備える複数の第2ラインを形成するステップと、第3蒸着アセンブリと前記基板とが離隔された状態で、前記基板が、前記第3蒸着アセンブリに対して相対的に移動しつつ、前記第3蒸着アセンブリから発散された第3有機発光物質が、前記基板に蒸着されて、前記第1方向に配列された第3開口を覆うように、前記絶縁膜上に形成され、前記第1及び第2有機発光膜と異なる第3有機発光膜を備える複数の第3ラインを形成するステップと、を含み、前記第1ラインないし第3ラインは、隣接した他のラインの開口において重畳しておらず、前記第1開口と、これに隣接した第2開口との間隔、または前記第1開口と、これに隣接した第3開口との間隔は、前記第2開口と、これに隣接した第3開口との間隔と異なる。
【0033】
前記第1開口と、これに隣接した第2開口との間隔、または前記第1開口と、これに隣接した第3開口との間隔は、前記第2開口と、これに隣接した第3開口との間隔より大きくてもよい。
【0034】
前記第1ラインを形成するステップは、前記第2ラインを形成するステップ、または前記第3ラインを形成するステップより先に行われてもよい。
【0035】
前記第1開口ないし第3開口のうち、少なくとも二つの開口の大きさが相異なってもよい。
【0036】
前記第3開口は、前記第1開口または前記第2開口より大きくてもよい。
【0037】
前記第1ラインを形成するステップないし第3ラインを形成するステップは、前記第1方向に移送される基板に対して連続的に行われてもよい。
【0038】
前記絶縁膜は、第4開口をさらに備え、第4蒸着アセンブリと前記基板とが離隔された状態で、前記基板が、前記第4蒸着アセンブリに対して相対的に移動しつつ、前記第4蒸着アセンブリから発散された第4有機発光物質が、前記基板に蒸着されて、前記第1方向に配列された第4開口を覆うように、前記絶縁膜上に形成され、前記第1有機発光膜ないし第3有機発光膜と異なる第4有機発光膜を備える複数の第4ラインを形成するステップをさらに含んでもよい。
【0039】
前記第1ラインを形成するステップないし第4ラインを形成するステップは、前記第1方向に移送される基板に対して連続的に行われてもよい。
【0040】
本発明のさらに他の実施形態による平板表示装置の製造方法は、第1開口、第2開口及び第3開口を備える絶縁膜が形成された基板を用意するステップと、第1蒸着アセンブリと前記基板とが離隔された状態で、前記基板が、前記第1蒸着アセンブリに対して相対的に移動しつつ、前記第1蒸着アセンブリから発散された第1有機発光物質が、前記基板に蒸着されて、第1方向に配列された第1開口を覆うように、前記絶縁膜上に形成され、第1有機発光膜を備える複数の第1ラインを形成するステップと、第2蒸着アセンブリと前記基板とが離隔された状態で、前記基板が、前記第2蒸着アセンブリに対して相対的に移動しつつ、前記第2蒸着アセンブリから発散された第2有機発光物質が、前記基板に蒸着されて、前記第1方向に配列された第2開口を覆うように、前記絶縁膜上に形成され、前記第1有機発光膜と異なる第2有機発光膜を備える複数の第2ラインを形成するステップと、第3蒸着アセンブリと前記基板とが離隔された状態で、前記基板が、前記第3蒸着アセンブリに対して相対的に移動しつつ、前記第3蒸着アセンブリから発散された第3有機発光物質が、前記基板に蒸着されて、前記第1方向に配列された第3開口を覆うように、前記絶縁膜上に形成され、前記第1及び第2有機発光膜と異なる第3有機発光膜を備える複数の第3ラインを形成するステップと、を含み、前記第1ラインないし第3ラインは、隣接した他のラインの開口において重畳しておらず、前記第1開口と、これに隣接した第2開口との間隔、前記第1開口と、これに隣接した第3開口との間隔、及び前記第2開口と、これに隣接した第3開口との間隔は、前記第1方向に直角な第2方向に配列された第1開口、第2開口及び第3開口の幅より大きい。
【0041】
前記第1開口ないし第3開口のうち、少なくとも二つの開口の大きさが相異なってもよい。
【0042】
前記第3開口は、前記第1開口または前記第2開口より大きくてもよい。
【0043】
前記第1ラインを形成するステップないし第3ラインを形成するステップは、前記第1方向に移送される基板に対して連続的に行われてもよい。
【0044】
前記絶縁膜は、第4開口をさらに備え、第4蒸着アセンブリと前記基板とが離隔された状態で、前記基板が、前記第4蒸着アセンブリに対して相対的に移動しつつ、前記第4蒸着アセンブリから発散された第4有機発光物質が、前記基板に蒸着されて、前記第1方向に配列された第4開口を覆うように、前記絶縁膜上に形成され、前記第1有機発光膜ないし第3有機発光膜と異なる第4有機発光膜を備える複数の第4ラインを形成するステップをさらに含んでもよい。
【0045】
前記第1ラインを形成するステップないし第4ラインを形成するステップは、前記第1方向に移送される基板に対して連続的に行われてもよい。
【発明の効果】
【0046】
本発明によれば、異なる色相のサブピクセル同士の混色の発生を減らすことができるので、発光効率及び/または色座標の低下を防止することができる。
【0047】
また、連続的な蒸着工程を通じて、有機発光膜のパターニングを行うことができるので、作業速度が非常に向上するだけでなく、蒸着の品質も良好に維持することができる。
【発明を実施するための形態】
【0049】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態について、当業者にとって容易に実施できるように詳細に説明する。本発明は、色々な異なる形態で具現され、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0050】
図1は、本発明の一実施形態に係る平板表示装置を製造することが可能な有機膜蒸着装置を概略的に示すシステム構成の平面図であり、
図2は、
図1の有機膜蒸着装置の蒸着部を概略的に示すシステム構成の側面図である。
【0051】
図1及び
図2を参照すれば、有機膜蒸着装置1は、蒸着部100、ローディング部200、アンローディング部300及び移送部400(
図3)を備える。
【0052】
ローディング部200は、第1ラック212、導入室214、第1反転室218及びバッファ室219を備える。
【0053】
第1ラック212には、蒸着が行われる前の基板が複数積載されており、導入室214に備えられた導入ロボット(図示せず)は、第1ラック212から、基板を取って、第2移送部420から移送されてきた移動部430に基板を載せる。基板が付着した移動部430は、第1反転室218に移動する。
【0054】
導入室214に隣接して、第1反転室218が備えられ、第1反転室218に位置した第1反転ロボットが、移動部430を反転させて、移動部430を蒸着部100の第1移送部410に取り付ける。
【0055】
図1を参照すれば、導入室214の導入ロボットは、移動部430の上面に基板を載せ、この状態で、移動部430は、反転室218に移送され、反転室218の第1反転ロボットが、基板を反転させることによって、蒸着部100では、基板が下向きに位置する。
【0056】
アンローディング部300の構成は、前述したローディング部200の構成と逆に構成される。すなわち、蒸着部100を経た基板と移動部430とを、第2反転室328で第2反転ロボットが反転させて、搬出室324に移送し、搬出ロボットが搬出室324で基板と移動部430とを取り出した後、基板を移動部430から分離して、第2ラック322に積載する。基板と分離された移動部430は、第2移送部420を通じて、ローディング部200に回送される。
【0057】
しかし、本発明は、必ずしもこれに限定されるものではなく、基板が移動部430に最初に固定される時から、移動部430の下面に基板を固定させて、そのまま蒸着部100に移送させてもよい。その場合、例えば、第1反転室218の第1反転ロボットと、第2反転室328の第2反転ロボットは不要である。
【0058】
蒸着部100は、少なくとも一つの蒸着用チャンバー101を備える。
図1及び
図2に示すように、前記蒸着部100は、チャンバー101を備え、このチャンバー101内に、複数の有機膜蒸着アセンブリ100−1,100−2,…,100−nが配置される。
図1に示した本発明の一実施形態によれば、前記チャンバー101内に、第1有機膜蒸着アセンブリ100−1及び第2有機膜蒸着アセンブリ100−2を備えて、第n有機膜蒸着アセンブリ100−nのn個の有機膜蒸着アセンブリが設置されているが、その数字は、蒸着物質及び蒸着条件によって可変的である。前記チャンバー101は、蒸着が行われる間に真空に維持される。
【0059】
一方、
図1に示した本発明の一実施形態によれば、前記基板が固定された移動部430は、第1移送部410により、少なくとも蒸着部100に、望ましくは、前記ローディング部200、蒸着部100及びアンローディング部300に順次に移動し、前記アンローディング部300で、基板と分離された移動部430は、第2移送部420により、ローディング部200に回送される。
【0060】
前記第1移送部410は、前記蒸着部100を通過する時、前記チャンバー101を貫通するように備えられ、前記第2移送部420は、基板2が分離された移動部430を移送するように備えられる。
【0061】
ここで、前記有機膜蒸着装置1は、第1移送部410と第2移送部420とが上下に形成されて、第1移送部410を通過しつつ蒸着を終えた移動部430が、アンローディング部300で基板2と分離された後、その下部に形成された第2移送部420を通じて、ローディング部200に回送されるように形成されることによって、空間活用の効率が向上する効果が得られる。
【0062】
一方、
図1の蒸着部100は、各有機膜蒸着アセンブリ100−1,…,100−nの一側に、蒸着源交替部190をさらに備える。詳しく図示していないが、蒸着源交替部190は、カセット形態に形成され、それぞれの有機膜蒸着アセンブリ100−1,…,100−nから外部に引き出されるように形成される。したがって、有機膜蒸着アセンブリ100−1,…,100−nの蒸着源110(
図3)の交替が容易になる。
【0063】
一方、
図1には、ローディング部200、蒸着部100、アンローディング部300及び移送部400から構成された有機膜蒸着装置を構成するための一連のセットが並んで二つ備えられたものとして示している。この場合、二つの有機膜蒸着装置1の間には、パターニングスリットシート交替部500がさらに備えられる。すなわち、二つの有機膜蒸着装置1の間に、パターニングスリットシート交替部500を備え、二つの有機膜蒸着装置1が、パターニングスリットシート交替部500を共同で使用することによって、それぞれの有機膜蒸着装置1がパターニングスリットシート交替部500を備えるものに比べて、空間活用の効率性を向上させることができる。
【0064】
図3は、
図1の蒸着部を概略的に示す斜視図であり、
図4は、
図3の蒸着部の概略的な断面図である。
【0065】
まず、
図3及び
図4を参照すれば、前記有機膜蒸着装置1の蒸着部100は、一つ以上の有機膜蒸着アセンブリ100−1と、移送部400とを備える。
【0066】
以下、全体的な蒸着部100の構成について説明する。
【0067】
チャンバー101は、中空の箱状に形成され、その内部に、一つ以上の有機膜蒸着アセンブリ100−1と移送部400とが収容される。これを他の側面で説明すれば、地面に固定されるように、フット102が形成され、フット102上に、下部ハウジング103が形成され、下部ハウジング103の上部に、上部ハウジング104が形成される。そして、チャンバー101は、下部ハウジング103及び上部ハウジング104を全て内部に収容するように形成される。この時、下部ハウジング103とチャンバー101の連結部は密封処理されて、チャンバー101の内部を外部と完全に遮断させる。このように、下部ハウジング103と上部ハウジング104とが、地面に固定されたフット102上に形成されることによって、チャンバー101が収縮/膨張を反復するとしても、下部ハウジング103と上部ハウジング104は、固定された位置を維持できる。したがって、下部ハウジング103と上部ハウジング104は、蒸着部100内で一種の基準フレームの役割を行うことができる。
【0068】
一方、上部ハウジング104の内部には、有機膜蒸着アセンブリ100−1と、移送部400の第1移送部410とが形成され、下部ハウジング103の内部には、移送部400の第2移送部420が形成される。そして、移動部430が第1移送部410と第2移送部420との間を循環移動しつつ、連続的に蒸着が行われる。
【0069】
以下、有機膜蒸着アセンブリ100−1の詳細な構成について説明する。
【0070】
それぞれの有機膜蒸着アセンブリ100−1は、蒸着源110、蒸着源ノズル部120、パターニングスリットシート130、遮断部材140、第1ステージ150、第2ステージ160、撮影部材170及びセンサー180を備える。ここで、
図3及び
図4の全ての構成は、適切な真空度が維持されるチャンバー101内に配置されることが望ましい。これは、蒸着物質の直進性を確保するためである。
【0071】
詳しくは、蒸着源110から放出された蒸着物質115が、蒸着源ノズル部120及びパターニングスリットシート130を通過して、基板2に所望のパターンに蒸着されるためには、基本的にチャンバー(図示せず)の内部は、FMM(Fine Metal Mask)蒸着法と同様な高真空状態を維持しなければならない。また、パターニングスリットシート130の温度は、蒸着源110の温度より十分に低くなければならない。なぜならば、パターニングスリットシート130の温度が十分に低くてはじめて、温度によるパターニングスリットシート130の熱膨張の問題を最小化することができるためである。
【0072】
かかるチャンバー101内には、被蒸着体である基板2が配置される。前記基板2は、平板表示装置用基板となるが、複数の平板表示装置を形成できるマザーガラスのような40インチ以上の大面積の基板が適用される。
【0073】
ここで、基板2が有機膜蒸着アセンブリ100−1に対して相対的に移動しつつ、蒸着が行われる。
【0074】
前記有機膜蒸着アセンブリ100−1は、有機膜蒸着アセンブリ100−1と基板2とが互いに相対的に移動しつつ、蒸着が行われることを一つの特徴とする。言い換えれば、有機膜蒸着アセンブリ100−1と対向して配置された基板2がY軸方向に沿って移動しつつ、連続的に蒸着を行う。すなわち、基板2が
図3の矢印A方向に移動しつつ、スキャニング方式で蒸着が行われる。ここで、
図3には、基板2がチャンバー(図示せず)内でY軸方向に移動しつつ、蒸着が行われるものと示しているが、本発明の思想は、これに制限されず、基板2は固定されており、有機膜蒸着アセンブリ100−1自体がY軸方向に移動しつつ、蒸着を行うことも可能である。
【0075】
したがって、前記有機膜蒸着アセンブリ100−1では、従来のFMM方式に比べて、はるかに小さくパターニングスリットシート130を形成できる。すなわち、本発明の有機膜蒸着アセンブリ100−1の場合、基板2がY軸方向に沿って移動しつつ、連続的に、すなわち、スキャニング方式で蒸着を行うので、パターニングスリットシート130のX軸方向及びY軸方向の長さのうち少なくとも一つの方向の長さは、基板2の長さよりはるかに小さく形成される。このように、従来のFMMに比べて、はるかに小さくパターニングスリットシート130を形成できるので、本発明のパターニングスリットシート130は、その製造が容易である。すなわち、パターニングスリットシート130のエッチング作業や、その後の精密引張及び溶接作業、移動及び洗浄作業などの全ての工程で、小さいパターニングスリットシート130がFMMの方法に比べて有利である。また、これは、ディスプレイ装置が大型化されるほど、さらに有利になる。
【0076】
このように、有機膜蒸着アセンブリ100−1と基板2とが互いに相対的に移動しつつ、蒸着が行われるためには、有機膜蒸着アセンブリ100−1と基板2とが一定の間隔ほど離隔されることが望ましい。これについては、詳細に後述する。
【0077】
一方、チャンバー内で、前記基板2と対向する側には、蒸着物質115が収納及び加熱される蒸着源110が配置される。前記蒸着源110内に収納されている蒸着物質115が気化されることによって、基板2に蒸着が行われる。
【0078】
詳しくは、蒸着源110は、その内部に蒸着物質115が満たされるるつぼ111と、るつぼ111を加熱させて、るつぼ111の内部に満たされた蒸着物質115を、るつぼ111の一側、詳しくは、蒸着源ノズル部120側に蒸発させるためのヒータ112と、を備える。
【0079】
蒸着源110の一側、詳しくは、蒸着源110の基板2に向かう側には、蒸着源ノズル部120が配置される。ここで、前記有機膜蒸着アセンブリは、共通層とパターン層とを蒸着するにあたって、蒸着源ノズル121が異なって形成されることも可能である。すなわち、図示していないが、パターン層を形成するための蒸着源ノズル部には、Y軸方向、すなわち、基板2のスキャン方向に沿って、複数個の蒸着源ノズル121が形成される。これによって、X軸方向には蒸着源ノズル121が一つのみ存在するように、蒸着源ノズル121を形成することによって、陰影の発生を大きく減少させることができる。一方、共通層を形成するための蒸着源ノズル部には、X軸方向に沿って、複数個の蒸着源ノズル121が形成される。これによって、共通層の厚さの均一度を向上させることができる。
【0080】
一方、蒸着源110と基板2との間には、パターニングスリットシート130がさらに備えられる。パターニングスリットシート130は、窓枠のような形態で形成されるフレーム135をさらに備え、パターニングスリットシート130には、X軸方向に沿って、複数個のパターニングスリット131が形成される。蒸着源110内で気化された蒸着物質115は、蒸着源ノズル部120及びパターニングスリットシート130を通過して、被蒸着体である基板2に向かう。この時、前記パターニングスリットシート130は、従来のFMM、特にストライプ型のマスクの製造方法と同様な方法であるエッチングを通じて製作される。この時、蒸着源ノズル121の総個数より、パターニングスリット131の総個数がさらに多く形成されてもよい。
【0081】
ここで、前述した蒸着源110(及びこれと結合された蒸着源ノズル部120)と、パターニングスリットシート130は、互いに一定の間隔ほど離隔されて形成される。
【0082】
前述したように、本発明の一実施形態に係る有機膜蒸着アセンブリ100−1は、基板2に対して相対的に移動しつつ、蒸着を行い、このように、有機膜蒸着アセンブリ100−1が基板2に対して相対的に移動するために、パターニングスリットシート130は、基板2から一定の間隔ほど離隔されて形成される。
【0083】
詳しくは、従来のFMM蒸着方法において、基板に陰影が生じないようにするために、基板にマスクを密着させて、蒸着工程を行った。しかし、このように、基板にマスクを密着させる場合、基板とマスクとの接触による不良が発生するという問題点が存在した。また、マスクを基板に対して移動させることができないので、マスクが基板と同じ大きさに形成されなければならない。したがって、ディスプレイ装置が大型化されるにつれて、マスクの大きさも大きくなければならないが、かかる大型のマスクを形成することが容易ではないという問題点が存在した。
【0084】
かかる問題点を解決するために、本発明の一実施形態に係る有機膜蒸着アセンブリ100−1では、パターニングスリットシート130が、被蒸着体である基板2と所定の間隔ほど離隔されて配置される。
【0085】
このように、本発明によって、マスクを基板より小さく形成した後、マスクを基板に対して移動させつつ、蒸着を行うことによって、マスクの製作が容易になる効果が得られる。また、基板とマスクとの接触による不良を防止する効果が得られる。また、工程において、基板とマスクとを密着させる時間が不要であるので、製造速度が向上する効果が得られる。
【0086】
次いで、上部ハウジング104内における各構成要素の具体的な配置は、下記の通りである。
【0087】
まず、上部ハウジング104の底部には、前述した蒸着源110及び蒸着源ノズル部120が配置される。そして、蒸着源110及び蒸着源ノズル部120の両側には、載置部104−1が突設され、載置部104−1上には、第1ステージ150、第2ステージ160及び前述したパターニングスリットシート130が順次に形成される。
【0088】
ここで、第1ステージ150は、X軸方向及びY軸方向に移動可能に形成され、パターニングスリットシート130をX軸方向及びY軸方向に整列する機能を行う。すなわち、第1ステージ150は、複数個のアクチュエータを備え、上部ハウジング104に対して第1ステージ150がX軸方向及びY軸方向に移動するように形成される。
【0089】
一方、第2ステージ160は、Z軸方向に移動可能に形成され、パターニングスリットシート130をZ軸方向に整列する機能を行う。すなわち、第2ステージ160は、複数個のアクチュエータを備え、第1ステージ150に対して第2ステージ160がZ軸方向に移動するように形成される。
【0090】
一方、第2ステージ160上には、パターニングスリットシート130が形成される。このように、パターニングスリットシート130が、第1ステージ150及び第2ステージ160上に形成され、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向に移動可能に形成されることによって、基板2とパターニングスリットシート130との整列、特に、リアルタイム整列を行うことができる。
【0091】
さらに、上部ハウジング104、第1ステージ150及び第2ステージ160は、蒸着源ノズル121を通じて排出される蒸着物質が分散されないように、蒸着物質の移動経路をガイドする役割を同時に行う。すなわち、上部ハウジング104、第1ステージ150及び第2ステージ160により、蒸着物質の経路が密閉されて、蒸着物質のX軸方向及びY軸方向の移動を同時にガイドする。
【0092】
一方、パターニングスリットシート130と蒸着源110との間には、遮断部材140がさらに備えられてもよい。詳しくは、基板2の枠部分には、アノード電極またはカソード電極のパターンが形成され、今後の製品検査用または製品製作時に端子として活用するための領域が存在する。この領域に有機物が成膜される場合、アノード電極またはカソード電極が自体の役割を行うことが困難になる。したがって、かかる基板2の枠部分は、有機物などが成膜されてはならない非成膜領域とならなければならない。しかし、前述したように、本発明の薄膜蒸着装置では、基板2が薄膜蒸着装置に対して移動しつつ、スキャニング方式で蒸着が行われるので、基板2の非成膜領域への有機物の蒸着を防止することが容易でなかった。詳しく図示していないが、遮断部材140は、隣接した二つのプレートで構成される。
【0093】
基板2が有機膜蒸着アセンブリ100−1を通過しない時には、遮断部材140が蒸着源110を遮断することによって、蒸着源110から発散された蒸着物質115が、パターニングスリットシート130に付かないようにする。この状態で、基板2が有機膜蒸着アセンブリ100−1に進入し始めれば、蒸着源110を遮断していた前方の遮断部材140が基板2の移動と共に移動しつつ、蒸着物質の移動経路が開放され、蒸着源110から発散された蒸着物質115が、パターニングスリットシート130を通過して、基板2に蒸着される。一方、基板2の全体が有機膜蒸着アセンブリ100−1を通過すれば、後方の遮断部材140が基板2の移動と共に移動しつつ、蒸着物質の移動経路を再び閉鎖して、蒸着源110を遮断することによって、蒸着源110から発散された蒸着物質115が、パターニングスリットシート130に付かないようにする。
【0094】
図3及び
図4を参照すれば、移送部400は、第1移送部410、第2移送部420及び移動部430を備える。
【0095】
第1移送部410は、有機膜蒸着アセンブリ100−1により、基板2上に有機膜が蒸着されるように、キャリア431及びこれと結合された静電チャック432を備える移動部430と、移動部430に付着されている基板2とをインラインに移送する役割を行う。かかる第1移送部410は、コイル411、ガイド部412、上面磁気浮上ベアリング、側面磁気浮上ベアリング及びギャップセンサーを備える。
【0096】
第2移送部420は、蒸着部100を通過しつつ、一回の蒸着が完了した後、アンローディング部300で基板2が分離された移動部430を、ローディング部200に回送させる役割を行う。かかる第2移送部420は、コイル421、ローラーガイド422及びチャージングトラック423を備える。
【0097】
移動部430は、第1移送部410及び第2移送部420に沿って移送されるキャリア431と、キャリア431の一面上に結合され、基板2が付着される静電チャック432とを備える。
【0098】
以下、移送部400の各構成要素についてさらに詳細に説明する。
【0099】
まず、移動部430のキャリア431について詳細に説明する。
【0100】
キャリア431は、本体部431a、LMS(Linear motor system)マグネット431b、CPS(Contactless power supply)モジュール431c、電源部431d及びガイド溝を備える。
【0101】
本体部431aは、キャリア431の基底部を構成し、鉄のような磁性体で形成される。かかるキャリア431の本体部431aと、磁気浮上ベアリングとの斥力によって、キャリア431がガイド部412に対して一定の間隔ほど離隔された状態を維持する。
【0102】
本体部431aの両側面には、ガイド溝が形成され、かかるガイド溝内には、ガイド部412のガイド突起が収容される。
【0103】
本体部431aの進行方向の中心線に沿って、磁気レール431bが形成される。本体部431aの磁気レール431bと、後述するコイル411とが結合して、リニアモータを構成でき、かかるリニアモータにより、キャリア431がA方向に移動される。
【0104】
本体部431aにおいて、磁気レール431bの一側には、CPSモジュール431c及び電源部431dがそれぞれ形成される。電源部431dは、静電チャック432が基板2をチャッキングし、これを維持するように、電源を提供するための一種の充電用バッテリーであり、CPSモジュール431cは、電源部431dを充電するための無線充電モジュールである。第2移送部420に形成されたチャージングトラック423は、インバータ(図示せず)と連結されて、キャリア431が第2移送部420内で移送される時、チャージングトラック423とCPSモジュール431cとの間に磁場が形成されて、CPSモジュール431cに電力を供給する。そして、CPSモジュール431cに供給された電力は、電源部431dを充電する。
【0105】
一方、静電チャック432は、セラミックで形成された本体の内部に、電源が印加される電極が埋め込まれたものであって、この電極に高電圧が印加されることによって、本体の表面に基板2を付着させる。
【0106】
次いで、移動部430の駆動について詳細に説明する。
【0107】
本体部431aの磁気レール431bとコイル411とが結合して、駆動部を構成する。ここで、駆動部は、リニアモータであってもよい。リニアモータは、従来のスライドガイドシステムに比べて、摩擦係数が小さく、位置誤差がほとんど発生せず、位置決定度が非常に高い装置である。前述したように、リニアモータは、コイル411と磁気レール431bとで構成され、磁気レール431bは、キャリア431上に一列に配置され、コイル411は、磁気レール431bと対向するように、チャンバー101内の一側に複数個が一定の間隔に配置される。このように、移動物体であるキャリア431に、コイル411でない磁気レール431bが配置されるので、キャリア431に電源を印加しなくても、キャリア431の駆動が可能になる。ここで、コイル411は、ATM(atmosphere)ボックス内に形成されて、大気状態に設置され、磁気レール431bは、キャリア431に付着されて、真空チャンバー101内で、キャリア431が走行することができる。
【0108】
次いで、第1移送部410及び移動部430について詳細に説明する。
【0109】
図4を参照すれば、第1移送部410は、基板2を固定している静電チャック432と、これを移送するキャリア431とを移動させる役割を行う。ここで、第1移送部410は、コイル411、ガイド部412、上面磁気浮上ベアリング、側面磁気浮上ベアリング及びギャップセンサーを備える。
【0110】
コイル411とガイド部412は、それぞれ上部ハウジング104の内部面に形成され、そのうち、コイル411は、上部ハウジング104の上側の内部面に形成され、ガイド部412は、上部ハウジング104の両側の内部面に形成される。
【0111】
ガイド部412は、キャリア431が一方向に移動するようにガイドする役割を行う。この時、ガイド部412は、蒸着部100を貫通するように形成される。
【0112】
側面磁気浮上ベアリングは、キャリア431の両側面に対応するように、ガイド部412内にそれぞれ配置される。側面磁気浮上ベアリングは、キャリア431とガイド部412との間隔を発生させて、キャリア431が移動する時にガイド部412と接触せず、非接触方式でガイド部412に沿って移動させる役割を行う。すなわち、左側の側面磁気浮上ベアリングと、磁性体であるキャリア431との間に発生する斥力、及び右側の側面磁気浮上ベアリングと、磁性体であるキャリア431との間に発生する斥力が互いに平衡をなしつつ、キャリア431とガイド部412との間隔を発生させると共に、その間隔を一定に維持する。
【0113】
一方、上面磁気浮上ベアリングは、キャリア431の上部に位置するように、ガイド部412内にそれぞれ配置される。上面磁気浮上ベアリングは、キャリア431がガイド部412に接触せず、それらと一定の間隔を維持しつつ、ガイド部412に沿って移動させる役割を行う。すなわち、上面磁気浮上ベアリングと、磁性体であるキャリア431との間に発生する斥力及び重力が互いに平衡をなしつつ、キャリア431とガイド部412との間隔を発生させると共に、その間隔を一定に維持する。
【0114】
ガイド部412は、ギャップセンサーをさらに備える。ギャップセンサーは、キャリア431とガイド部412との間隔を測定する。また、側面磁気浮上ベアリングの一側にも、ギャップセンサーが配置される。側面磁気浮上ベアリングに配置されたギャップセンサーは、キャリア431の側面と側面磁気浮上ベアリングとの間隔を測定する。
【0115】
ギャップセンサーにより測定された値によって、磁気浮上ベアリングの磁力が変更されて、キャリア431とガイド部412との間隔がリアルタイムで調節される。すなわち、磁気浮上ベアリングとギャップセンサーとを利用したフィードバック制御により、キャリア431の精密移動が可能である。
【0116】
次いで、第2移送部420及び移動部430について詳細に説明する。
【0117】
再び
図4を参照すれば、第2移送部420は、アンローディング部300で基板が分離された後の静電チャック432と、これを移送するキャリア431とを、再びローディング部200に移動させる役割を行う。ここで、第2移送部420は、コイル421、ローラーガイド422及びチャージングトラック423を備える。
【0118】
詳しくは、コイル421、ローラーガイド422及びチャージングトラック423は、それぞれ下部ハウジング103の内部面に形成され、そのうち、コイル421とチャージングトラック423は、下部ハウジング103の上側の内部面に形成され、ローラーガイド422は、下部ハウジング103の両側の内部面に形成される。ここで、コイル421は、第1移送部410のコイル411と同様に、ATMボックス内に形成される。
【0119】
一方、キャリア431の本体部431aの磁気レール431bとコイル421とが結合して、駆動部を構成でき、ここで、駆動部は、リニアモータであってもよい。かかるリニアモータによって、キャリア431は、
図3のA方向の逆方向に沿って移動する。
【0120】
一方、ローラーガイド422は、キャリア431が一方向に移動するようにガイドする役割を行う。この時、ローラーガイド422は、蒸着部100を貫通して形成される。
【0121】
結果として、第2移送部420は、基板に有機物を蒸着するステップではなく、空いているキャリア431を回送するステップであるので、第1移送部410に比べて、位置精度が大きく要求されない。したがって、高い位置精度が要求される第1移送部410には、磁気浮上を適用して、位置精度を確保し、相対的に低い位置精度が要求される第2移送部420には、従来のローラー方式を適用して、製造コストを低減し、有機膜蒸着装置の構成を簡潔にする。図示していないが、第2移送部420にも、第1移送部410と同様に、磁気浮上を適用することも可能である。
【0122】
一方、有機膜蒸着装置1の有機膜蒸着アセンブリ100−1は、整列のためのカメラ170及びセンサーをさらに備える。詳しくは、カメラ170は、パターニングスリットシート130のフレーム135に形成された第1マーク(図示せず)と、基板2に形成された第2マーク(図示せず)とをリアルタイムで整列する。ここで、カメラ170は、蒸着中である真空チャンバー101内で、円滑な視野確保ができるように備えられる。このために、カメラ170は、カメラ収容部171内に形成されて、大気状態に設置される。
【0123】
一方、本発明では、基板2とパターニングスリットシート130とが一定の間隔ほど離隔されているところ、一つのカメラ170を利用して、異なる位置にある基板2までの距離と、パターニングスリットシート130までの距離とを共に測定しなければならない。このために、本発明の一実施形態による有機膜蒸着装置1の有機膜蒸着アセンブリ100−1は、センサーを備える。ここで、センサーは、共焦点センサーであってもよい。共焦点センサーは、高速で回転するスキャニングミラーを利用して、レーザービームにより測定対象をスキャニングし、レーザービームにより発光された蛍光または反射光線を利用して、測定対象までの距離を測定する。共焦点センサーは、相異なる媒質間の境界面を感知して、距離を測定する。
【0124】
このように、カメラ170及びセンサーを備え、リアルタイムで基板2とパターニングスリットシート130との間隔を測定することができるので、リアルタイムで基板2とパターニングスリットシート130とを整列することができ、パターンの位置精度がさらに向上する効果が得られる。
【0125】
図5は、本発明の他の実施形態による有機膜蒸着アセンブリを概略的に示す斜視図であり、
図6は、
図5の有機膜蒸着アセンブリの概略的な側断面図であり、
図7は、
図5の有機膜蒸着アセンブリの概略的な平断面図である。
【0126】
図5ないし
図7を参照すれば、本発明の一実施形態に係る有機膜蒸着アセンブリは、蒸着源110、蒸着源ノズル部120、遮断板アセンブリ134及びパターニングスリットシート130を備える。
【0127】
ここで、蒸着源110は、その内部に蒸着物質115が満たされるるつぼ111と、るつぼ111を加熱させて、その内部に満たされた蒸着物質115を、蒸着源ノズル部120側に蒸発させるためのヒータ112と、を備える。一方、蒸着源110の一側には、蒸着源ノズル部120が配置され、蒸着源ノズル部120には、X軸方向に沿って、複数個の蒸着源ノズル121が形成される。
【0128】
一方、蒸着源ノズル部120の一側には、遮断板アセンブリ134が備えられる。前記遮断板アセンブリ134は、複数枚の遮断板133と、遮断板133の外側に備えられる遮断板フレーム132とを備える。前記複数枚の遮断板133は、X軸方向に沿って、互いに並んで配置される。ここで、前記複数枚の遮断板133は、等間隔に形成される。また、それぞれの遮断板133は、図面で見た時、YZ平面に沿って延びており、望ましくは、長方形に備えられる。このように配置された複数枚の遮断板133は、蒸着源ノズル部120とパターニングスリットシート130との空間を、複数個の蒸着空間Sに区画する。すなわち、前記有機膜蒸着アセンブリは、前記遮断板133によって、
図7に示すように、蒸着物質が噴射されるそれぞれの蒸着源ノズル121別に蒸着空間Sが分離される。このように、遮断板133が、蒸着源ノズル部120とパターニングスリットシート130との空間を、複数個の蒸着空間Sに区画することによって、一つの蒸着源ノズル121から排出される蒸着物質は、他の蒸着源ノズル121から排出された蒸着物質と混合されず、パターニングスリット131を通過して、基板2に蒸着される。すなわち、前記遮断板133は、各蒸着源ノズル121を通じて排出される蒸着物質が分散されず、Z軸方向に直進するように、蒸着物質の移動経路をガイドする役割を行う。
【0129】
このように、遮断板133を備え、蒸着物質の直進性を確保することによって、基板に形成される陰影の大きさを大幅に減らすことができ、したがって、有機膜蒸着アセンブリと基板2とを一定の間隔ほど離隔させることができる。
【0130】
一方、蒸着源110と基板2との間には、パターニングスリットシート130がさらに備えられる。パターニングスリットシート130は、前述した通りであるので、詳細な説明は省略する。
【0131】
図8は、前記有機膜蒸着アセンブリのさらに他の実施形態を概略的に示す斜視図である。
【0132】
図8に示した実施形態に係る有機膜蒸着アセンブリは、蒸着源110、蒸着源ノズル部120、第1遮断板アセンブリ134、第2遮断板アセンブリ138及びパターニングスリットシート130を備える。ここで、蒸着源110、蒸着源ノズル部120、第1遮断板アセンブリ134及びパターニングスリットシート130の詳細な構成は、前述した
図5による実施形態と同様であるので、詳細な説明は省略する。本実施形態では、第1遮断板アセンブリ134の一側に、第2遮断板アセンブリ138が備えられるという点で、前述した実施形態と異なる。
【0133】
詳しくは、前記第2遮断板アセンブリ138は、複数枚の第2遮断板136と、第2遮断板136の外側に備えられる第2遮断板フレーム137とを備える。前記複数枚の第2遮断板136は、X軸方向に沿って、互いに並んで備えられる。そして、前記複数枚の第2遮断板136は、等間隔に形成される。また、それぞれの第2遮断板136は、図面で見た時、YZ平面と平行に、すなわち、X軸方向に垂直に形成される。
【0134】
このように配置された複数枚の第1遮断板133及び第2遮断板136は、蒸着源ノズル部120とパターニングスリットシート130との空間を区画する役割を行う。すなわち、前記第1遮断板133及び第2遮断板136によって、蒸着物質が噴射されるそれぞれの蒸着源ノズル121別に、蒸着空間が分離されることを一つの特徴とする。
【0135】
ここで、それぞれの第2遮断板136は、それぞれの第1遮断板133と一対一に対応して配置される。言い換えれば、それぞれの第2遮断板136は、それぞれの第1遮断板133と整列されて、互いに並んで配置される。すなわち、互いに対応する第1遮断板133と第2遮断板136は、同じ平面上に位置する。第1遮断板133の長さと、第2遮断板136のX軸方向の幅とが同一であるものと図示しているが、本発明の思想は、これに制限されない。すなわち、パターニングスリット131との精密な整列が要求される第2遮断板136は、相対的に薄く形成される一方、精密な整列が要求されない第1遮断板133は、相対的に厚く形成されて、その製造が容易にすることも可能である。
【0136】
図9は、前記有機膜蒸着アセンブリのさらに他の実施形態を概略的に示す斜視図である。
【0137】
図9を参照すれば、本発明のさらに他の実施形態に係る有機膜蒸着アセンブリは、蒸着源110、蒸着源ノズル部120及びパターニングスリットシート130を備える。ここで、蒸着源110、蒸着源ノズル部120及びパターニングスリットシート130の詳細な構成は、前述した
図5による実施形態と同様であるので、詳細な説明は省略する。本実施形態では、蒸着源110及び蒸着源ノズル部120は、パターニングスリットシート130に、連結部材139により結合される。
【0138】
図10は、前述したような有機膜蒸着装置において、パターニングスリットシートに、パターニングスリットが等間隔に形成されている様子を示す図面であり、
図11は、
図10のパターニングスリットシートを利用して、基板上に形成された有機膜を概略的に示す図面である。
【0139】
図10及び
図11には、パターニングスリット131が等間隔に配置されたパターニングスリットシート130が示されている。すなわち、
図10において、I
1=I
2=I
3=I
4の関係が成立する。
【0140】
この場合、蒸着空間Sの中心線Cを通過する蒸着物質の入射角度は、基板2にほぼ垂直になる。したがって、パターニングスリット131aを通過した蒸着物質により形成される有機膜P
1は、その陰影の大きさが最小になり、右側の陰影SR
1と左側の陰影SL
1とが対称的に形成される。
【0141】
しかし、蒸着空間Sの中心線Cから遠く配置されたパターニングスリットを通過する蒸着物質の臨界入射角度θは、次第に大きくなって、最も外側のパターニングスリット131eを通過する蒸着物質の臨界入射角度θは、約55°となる。したがって、蒸着物質がパターニングスリット131eに対して傾いて入射し、パターニングスリット131eを通過した蒸着物質により形成された有機膜P
5は、その陰影の大きさが最大となり、特に、左側の陰影SL
5が、右側の陰影SR
5よりさらに長く形成される。
【0142】
すなわち、蒸着物質の臨界入射角度θが大きくなるにつれて、陰影の大きさも大きくなり、特に、蒸着空間Sの中心線Cから遠い方の陰影の大きさが大きくなる。そして、蒸着物質の臨界入射角度θは、蒸着空間Sの中心線Cから、パターニングスリットまでの距離が遠いほど、大きくなる。したがって、蒸着空間Sの中心線Cから、パターニングスリットまでの距離が遠い有機膜であるほど、陰影の大きさが大きくなり、特に、有機膜の両端部の陰影のうち、蒸着空間Sの中心線Cから遠い方の陰影の大きさがさらに大きくなる。
【0143】
すなわち、
図11を参照すれば、蒸着空間Sの中心線Cを基準として、左側に形成された有機膜は、左側の斜辺が、右側の斜辺よりさらに長く形成され、蒸着空間Sの中心線Cを基準として、右側に形成された有機膜は、右側の斜辺が、左側の斜辺よりさらに長く形成される。
【0144】
また、蒸着空間Sの中心線Cを基準として、左側に形成された有機膜は、左側に形成された有機膜であるほど、左側の斜辺がさらに長く形成され、蒸着空間Sの中心線Cを基準として、右側に形成された有機膜は、右側に形成された有機膜であるほど、右側の斜辺がさらに長く形成される。そして、結果として、蒸着空間S内に形成された有機膜は、蒸着空間Sの中心線を基準として対称的に形成される。
【0145】
これをさらに詳細に説明すれば、下記の通りである。
【0146】
パターニングスリット131bを通過する蒸着物質は、θ
bの臨界入射角でパターニングスリット131bを通過し、この場合、パターニングスリット131bを通過した蒸着物質により形成された有機膜P
2の左側の陰影は、SL
2の大きさに形成される。同様に、パターニングスリット131cを通過する蒸着物質は、θ
cの臨界入射角でパターニングスリット131cを通過し、この場合、パターニングスリット131cを通過した蒸着物質により形成された有機膜P
3の左側の陰影は、SL
3の大きさに形成される。同様に、パターニングスリット131dを通過する蒸着物質は、θ
dの臨界入射角でパターニングスリット131dを通過し、この場合、パターニングスリット131dを通過した蒸着物質により形成された有機膜P
4の左側の陰影は、SL
4の大きさに形成される。最後に、パターニングスリット131eを通過する蒸着物質は、θ
eの臨界入射角でパターニングスリット131eを通過し、この場合、パターニングスリット131eを通過した蒸着物質により形成された有機膜P
5の左側の陰影は、SL
5の大きさに形成される。
【0147】
ここで、θ
b<θ
c<θ
d<θ
eの関係が成立するので、それぞれのパターニングスリットを通過した有機膜の陰影の大きさの間には、SL
1<SL
2<SL
3<SL
4<SL
5の関係が成立する。
【0148】
図12は、前述したような有機膜蒸着装置を利用して製造された本発明の一実施形態による平板表示装置の平面を示したものであり、
図13は、
図12のI−Iの断面を示したものである。
図12では、説明の便宜上、
図13に示した断面のうち、第1開口241ないし第3開口243、及び第1ライン261ないし第3ライン263のみを示した。
【0149】
図12及び
図13を参照すれば、前記平板表示装置は、ベース基板21上に形成される。前記ベース基板21は、透明な素材、例えば、ガラス材、プラスチック材、または金属材で形成される。
【0150】
前記ベース基板21上には、複数のピクセルPが形成されるが、各ピクセルPは、異なる色を発光する複数のサブピクセルを含む。
図12及び
図13による本発明の一実施形態によれば、各ピクセルPは、第1サブピクセルSP1、第2サブピクセルSP2及び第3サブピクセルSP3を含む。前記第1サブピクセルSP1、第2サブピクセルSP2及び第3サブピクセルSP3は、それぞれ赤色、緑色及び青色を発光するサブピクセルである。しかし、本発明は、必ずしもこれに限定されるものではなく、前記第1サブピクセルSP1、第2サブピクセルSP2及び第3サブピクセルSP3は、ホワイトを具現できる様々な色相の組み合わせであってもよい。
【0151】
各サブピクセルには、
図13に示すように、駆動回路部22が位置する。各駆動回路部22は、少なくとも一つの薄膜トランジスタと、少なくとも一つのキャパシタとを備える。
【0152】
第1絶縁膜23は、前記駆動回路部22を覆う。そして、第1絶縁膜23上には、各駆動回路部22と電気的に連結された複数のピクセル電極251が形成される。前記各ピクセル電極251は、各サブピクセル別に独立して位置する。
【0153】
前記第1絶縁膜23上には、第2絶縁膜24が形成される。前記第2絶縁膜24は、ピクセル電極251を覆うように形成された後、第1開口241ないし第3開口243を形成することによって、ピクセル電極251の一定の部分を露出させる。
【0154】
前記第1開口241、第2開口242及び第3開口243は、それぞれ第1サブピクセルSP1、第2サブピクセルSP2及び第3サブピクセルSP3に対応して位置する。
【0155】
前記第2絶縁膜24上には、前記第1開口241、第2開口242及び第3開口243を覆うように、複数の第1ライン261、第2ライン262及び第3ライン263が形成される。
【0156】
前記第1ライン261は、第1有機発光膜を備え、例えば、赤色の有機発光膜を備える。
【0157】
前記第2ライン262は、第2有機発光膜を備え、例えば、緑色の有機発光膜を備える。
【0158】
前記第3ライン263は、第3有機発光膜を備え、例えば、青色の有機発光膜を備える。
【0159】
そして、前記第1ライン261、第2ライン262及び第3ライン263を覆うように、対向電極252が形成される。前記対向電極252は、全てのピクセルPに共通して形成された共通電極であってもよい。
【0160】
前記ピクセル電極251は、透明電極または反射型電極として形成されるが、透明電極として使われる時には、ITO(Indium Tin Oxide),IZO(Indium Zinc Oxide),ZnO(Zinc Oxide)またはIn
20
3(Indium Oxide)で形成され、反射型電極として使われる時には、Ag,Mg,Al,Pt,Pd,Au,Ni,Nd,Ir,Cr及びそれらの化合物などで反射層を形成した後、その上にITO,IZO,ZnOまたはIn
20
3で透明電極を形成する。かかるピクセル電極251は、スパッタリング法などにより成膜された後、フォトリソグラフィ法などによりパターニングされる。
【0161】
一方、前記対向電極252も、透明電極または反射型電極として形成されるが、透明電極として使われる時には、この対向電極252がカソード電極として使われるので、仕事関数の低い金属、すなわち、Li,Ca,LiF/Ca,LiF/Al,Al,Ag,Mg及びそれらの化合物を薄膜として形成した後、その上にITO,IZO,ZnOまたはIn
20
3などで補助電極層やバス電極ラインを形成する。そして、反射型電極として使われる時には、前記Li,Ca,LiF/Ca,LiF/Al,Al,Ag,Mg及びそれらの化合物を厚く全面蒸着して形成する。この時、前記対向電極252も、前述した有機膜蒸着装置を利用して蒸着される。
【0162】
ピクセル電極251と対向電極252との間には、前記第1ライン261、第2ライン262及び第3ライン263以外に、機能性有機膜がさらに位置してもよい。
【0163】
前記機能性有機膜は、ホール注入層(Hole Injection Layer: HIL)、ホール輸送層(Hole Transport Layer: HTL)、電子輸送層(Electron Transport Layer: ETL)及び電子注入層(Electron Injection Layer: EIL)が単一あるいは複合の構造で積層されて形成される。
【0164】
前記第1ライン261、第2ライン262及び第3ライン263は、前述した有機膜蒸着装置を利用して、連続的に蒸着される。
【0165】
すなわち、第1開口241、第2開口242及び第3開口243を備える第2絶縁膜24が形成された基板2が、
図2に示すように、複数の有機膜蒸着アセンブリ100−1,100−2,…,100−nが配置された蒸着部100を通過しつつ、前記第1ライン261、第2ライン262、第3ライン263及び機能性有機膜を備える有機膜が成膜される。
【0166】
前記有機膜の成膜は、
図3の矢印A方向にスキャニングされつつ、連続的に行われるので、
図12に示すように、スキャニング方向である前記A方向と同じ方向である第1方向D1に、第1ライン261、第2ライン262及び第3ライン263が延びる。
【0167】
この時、第1ライン261、第2ライン262及び第3ライン263のうち、前記第1方向D1に垂直な第2方向D2に、互いに隣接して位置する第1ライン261と第2ライン262は、
図12及び
図13に示すように、一部が互いに重畳される。これは、パターニングスリットシート130と基板2とが一定の間隔ほど離隔されてスキャニングされるので、
図11に示すように、成膜される有機膜が一定程度の陰影を有するためである。
【0168】
前記第1ライン261、第2ライン262及び第3ライン263を、前述したような蒸着方式により成膜する場合には、有機膜に形成される陰影は必然的であり、これによって、
図12及び
図13に示すように、第2方向D2に互いに隣接して位置する第1ライン261と第2ライン262は、一部が互いに重畳され、第2方向D2に互いに隣接して位置する第2ライン262と第3ライン263は、一部が互いに重畳され、第2方向D2に互いに隣接して位置する第3ライン263と第1ライン261は、一部が互いに重畳される。
【0169】
この時、前記第1ライン261と第2ライン262の重畳、前記第2ライン262と第3ライン263の重畳、及び/または前記第3ライン263と第1ライン261の重畳は、前記第2絶縁膜24上で行われる。
【0170】
そして、前記第1ライン261ないし第3ライン263は、それぞれ隣接した他のラインの開口と重畳されない。すなわち、前記第1ライン261は、隣接した第2ライン262及び第3ライン263が覆う開口である第2開口242及び第3開口243と重畳されない。前記第2ライン262は、隣接した第1ライン261及び第3ライン263が覆う開口である第1開口241及び第3開口243と重畳されない。前記第3ライン263は、隣接した第2ライン262及び第1ライン261が覆う開口である第2開口242及び第1開口241と重畳されない。
【0171】
これによって、本発明は、前記第1サブピクセルSP1、第2サブピクセルSP2及び第3サブピクセルSP3で、異なる色相の混色が発生しない。
【0172】
このために、前記第1ライン261に沿って位置する第1開口241を中心として、この第1開口241と第2方向D2に隣接した第2開口242との間隔、または第1開口と第3開口243との間隔が、第2開口242と第3開口243との間隔と異なるように、例えば、さらに大きくする。
【0173】
すなわち、前記第1開口241と、この第1開口241と第2方向D2に隣接した第2開口242との間隔を第1ギャップG1とし、前記第2開口242と、この第2開口242と第2方向D2に隣接した第3開口243との間隔を第2ギャップG2とし、前記第1開口241と、この第1開口241と第2方向D2の逆方向に隣接した第3開口243との間隔を第3ギャップG3とする時、前記第1ギャップG1または第3ギャップG3は、前記第2ギャップG2と異なるように、例えば、さらに大きくする。
【0174】
この時、
図13に示すように、第1ライン261ないし第3ライン263のうち、第1ライン261が最初に蒸着され、第2ライン262及び第3ライン263の順序で蒸着される。
【0175】
このように、第1ライン261が最初に蒸着されるので、第1ライン261が蒸着される時、第1ライン261の第2方向D2へのエッジで陰影現象が最も大きく発生する。かかる陰影現象は、隣接した第2開口242及び/または第3開口243での混色を発生させるので、本発明は、かかる混色の発生を防止するために、前記第1ギャップG1または第3ギャップG3を、前記第2ギャップG2よりさらに大きくする。
【0176】
通常、青色のサブピクセルで混色が発生する場合、青色のサブピクセルの輝度は、50%以下に低下する。
【0177】
前記のような本発明において、青色の第3サブピクセルSP3の発光効率を向上させるために、第3開口243の幅W3を、第1開口241の幅W1または第2開口242の幅W2より広くする。
【0178】
図14は、本発明のさらに他の実施形態による平板表示装置の一部平面図である。
図12及び
図13による実施形態に加えて、前記第2絶縁膜に、第4開口244がさらに形成され、この第4開口244を覆うように、第1方向D1に沿って、第4有機発光膜を備える複数の第4ライン264がさらに形成される。
【0179】
この第4ライン264により、第4サブピクセルSP4が形成され、したがって、各ピクセルPは、第1サブピクセルSP1ないし第4サブピクセルSP4により構成される。前記第4サブピクセルSP4は、ホワイトを発光するものであってもよい。
【0180】
このように、四つのサブピクセルにより、ピクセルが具現される場合にも、前述したように、最初に蒸着される第1ライン261が覆う第1開口241を中心として、隣接した開口とのギャップを、他のギャップより大きくして、混色を防止する。すなわち、第1ギャップG1または第3ギャップG3を、前記第2ギャップG2よりさらに大きくする。
【0181】
もちろん、各サブピクセルに蒸着される発光物質の発光効率を考慮して、第1開口241ないし第4開口244の幅W1,W2,W3,W4を異なって設定する。
【0182】
図12ないし
図14による実施形態において、前記第1ギャップG1または第3ギャップG3を、前記第2ギャップG2よりさらに大きくしたが、本発明は、必ずしもこれに限定されるものではなく、第1ギャップG1ないし第4ギャップG4が、全て異なる大きさを有することによって、蒸着時の陰影現象による混色を最大限防止できる。かかる第1ギャップG1ないし第4ギャップG4の大きさは、各ラインの蒸着順序、ラインの幅、全体ピクセルのサイズなどを考慮して、多様に決定される。
【0183】
図15は、本発明のさらに他の実施形態による平板表示装置の一部平面図である。
図15による実施形態は、前記第1ギャップG1ないし第3ギャップG3が、第1開口241の第2方向D2の幅W1、第2開口242の第2方向D2の幅W2、及び第3開口243の第2方向D2の幅W3より大きくする。
【0184】
これによって、第1ライン261ないし第3ライン263は、互いに重畳されず、たとえ重畳されるとしても、隣接した開口まで侵犯して混色が発生することを防止できる。
【0185】
かかる実施形態においても、青色の第3サブピクセルSP3の発光効率を向上させるために、第3開口243の幅W3を、第1開口241の幅W1または第2開口242の幅W2より広くする。
【0186】
図16は、本発明のさらに他の実施形態による平板表示装置の一部平面図である。
図15による実施形態に加えて、前記第2絶縁膜に、第4開口244がさらに形成され、この第4開口244を覆うように、第1方向D1に沿って、第4有機発光膜を備える複数の第4ライン264がさらに形成される。
【0187】
この第4ライン264により、第4サブピクセルSP4が形成され、したがって、各ピクセルPは、第1サブピクセルSP1ないし第4サブピクセルSP4により構成される。前記第4サブピクセルSP4は、ホワイトを発光するものであってもよい。
【0188】
このように、四つのサブピクセルにより、ピクセルが具現される場合にも、前述したように、前記第1ギャップG1ないし第4ギャップG4が、第1開口241の第2方向D2の幅W1、第2開口242の第2方向D2の幅W2、第3開口243の第2方向D2の幅W3、及び第4開口244の第2方向D2の幅W4より大きくする。
【0189】
もちろん、各サブピクセルに蒸着される発光物質の発光効率を考慮して、第1開口241ないし第4開口244の幅W1,W2,W3,W4を異なって設定する。
【0190】
本発明は、図面に示した実施形態を参照して説明されたが、これは、例示的なものに過ぎず、当業者ならば、それらから多様な変形及び均等な他の実施形態が可能であるという点を理解できるであろう。したがって、本発明の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲の技術的思想により決まらなければならない。