【実施例1】
【0015】
図1(a)は実施例1に係るモジュール100を例示する断面図である。
図1(b)は弾性波デバイス30を例示する断面図である。
図2(a)は弾性波デバイス30を例示する上面図である。
図2(b)はパッケージ基板32を透視した弾性波デバイス30を例示する下面図である。
図1(a)は
図2(a)の線A−Aおよび
図2(b)の線B−Bに沿った断面を図示している。
【0016】
図1(a)に示すように、モジュール100は配線基板10、パワーアンプ(Power Amplifier:PA)26および弾性波デバイス30を備える。弾性波デバイス30は配線基板10の内部に収納されている。弾性波デバイス30は例えば送信フィルタとして機能する弾性表面波(Surface Acoustic Wave:SAW)フィルタである。PA26は配線基板10の上面に実装されている。PA26は送信信号を増幅し、弾性波デバイス30は送信信号をフィルタリングする。フィルタリングされた送信信号は不図示のアンテナから送信される。送信信号は例えばW−CDMAの帯域の周波数を有する高周波信号である。
【0017】
配線基板10は絶縁層11〜16および導体層17〜23が交互に積層された多層基板である。導体層の間は絶縁層を貫通するビア配線24により電気的に接続されている。絶縁層13および14に弾性波デバイス30が埋め込まれている。導体層23に含まれる端子23aおよび23bはPA26に接続されている。
【0018】
図1(b)に示すように、弾性波デバイス30は、パッケージ基板31および32並びに圧電基板33を含む。パッケージ基板31は圧電基板33の上に配置され、パッケージ基板32は圧電基板33の下に配置されている。パッケージ基板31および32は、シールリング37により接合されている。
図1(b)および
図2(b)に示すように、圧電基板33の下面にはIDT(Interdigital Transducer)34(機能部)および反射器36が設けられている。圧電基板33とパッケージ基板31および32との間には空隙35が形成されるため、IDT34による弾性波の励振は妨げられない。
【0019】
図1(b)に示すように、圧電基板33には、圧電基板33を貫通するビア配線38が設けられている。ビア配線38の一方の端部は圧電基板33の上面から露出し、他方の端部は圧電基板33の下面から露出する。圧電基板33の上面から露出するビア配線38の端部にはバンプ40が接続されている。圧電基板33の下面から露出するビア配線38の端部にはバンプ41が接続されている。IDT34は、
図2(b)に示すようにバンプ41に接続され、またビア配線38を通じてバンプ40に接続されている。
【0020】
図2(a)に示すように、パッケージ基板31の上面(弾性波デバイス30の上面)には4つの端子42およびグランド層43が設けられている。
図1(b)に示すように、パッケージ基板31の下面には導体層44および52が設けられ、内部には導体層45およびビア配線46が設けられている。パッケージ基板32の下面(弾性波デバイス30の下面)には4つの端子47、およびグランド層48が設けられている。パッケージ基板32の上面には導体層49および53が設けられ、内部には導体層50およびビア配線51が設けられている。
図1(b)においては、4つの端子42のうち端子42aおよび42bが図示され、4つの端子47のうち端子47aおよび47bが図示されている。
【0021】
圧電基板33の上面に設けられたバンプ40は、パッケージ基板31の導体層44および45並びにビア配線46を通じて、パッケージ基板31の上面の端子42に接続されている。バンプ41は、パッケージ基板32の導体層49および50並びにビア配線51を通じて、パッケージ基板32の下面の端子47に接続されている。また、圧電基板33に設けられたビア配線38を介して、端子42aは端子47aと接続され、端子42bは端子47bと接続されている。
【0022】
図1(a)に示すように、端子42aは、導体層21および22に含まれる配線、およびビア配線24を介して、導体層23に含まれる端子23aに接続されている。端子47bは、導体層18に含まれる配線、およびビア配線24を介して、導体層17に含まれる端子17aに接続されている。
【0023】
すなわち弾性波デバイス30の上面の端子42は配線基板10の上面の端子に接続される。弾性波デバイス30の下面の端子47は配線基板10の下面の端子に接続される。配線が弾性波デバイス30を迂回しないため、モジュール100の設計の自由度が向上する。迂回路がない分、配線基板10の面積を小さくし、モジュール100を小型化することができる。配線基板10の迂回路を形成していた部分に別の配線を設けてもよい。また、端子間を接続する配線を短くすることができる。配線が短いため、配線における信号の損失が低減され、また配線のインピーダンスを所望の値にすることも容易である。端子間を接続する配線とは、導体層に含まれる配線およびビア配線24を総称したものである。
【0024】
端子42と導体層23に含まれる端子とを接続する配線は、弾性波デバイス30の上面と配線基板10の上面との間に設けられ、弾性波デバイス30の側面と同一の層および下面側には設けられないことが好ましい。端子47と導体層17に含まれる端子とを接続する配線は、弾性波デバイス30の下面と配線基板10の下面との間に設けられ、弾性波デバイス30の側面と同一の層および下面側には設けられないことが好ましい。端子間の配線が短くなる。
【0025】
端子23aおよび42aは入力端子であり、PA26の出力する信号が入力する。端子17aおよび47bは出力端子であり、弾性波デバイス30によりフィルタリングされた信号が端子17aおよび47bを介して出力される。入力端子である端子23aおよび42aは弾性波デバイス30の上面側に位置し、出力端子である端子17aおよび47bは弾性波デバイス30の下面側に位置する。入力端子および出力端子が同一の面の側に設けられる場合より、入力端子と出力端子との距離が大きくなる。入力信号と出力信号との干渉が抑制されるため、弾性波デバイス30の周波数特性が改善する。
【0026】
導体層52はパッケージ基板31の下面の周縁部に設けられたリング状の導体層である。導体層53はパッケージ基板32の上面の周縁部に設けられたリング状の導体層である。導体層52および53はシールリング37により接合されている。
図2(b)に示すように、シールリング37はIDT34および反射器36を囲むため、気密封止が可能である。
図1(b)に示すように、導体層52はビア配線46を通じてグランド層43に接続されている。導体層53はビア配線51を通じてグランド層48に接続されている。
【0027】
配線基板10にPA26を設けることで、モジュールの集積度を高めることができる。PA26以外の電子部品を設けてもよい。電子部品は例えばスイッチ、パワーアンプ、または集積回路などの能動部品とすることができる。電子部品はインダクタ、キャパシタまたは抵抗などの受動部品でもよい。弾性波デバイスと電子部品とを同一の基板に設けるため、モジュールの小型化が可能である。また弾性波デバイスとモジュールとの間を接続する配線を短くすることができるため、信号の損失が抑制される。
【0028】
絶縁層11〜16は例えばガラスエポキシ樹脂などの樹脂またはセラミックなどの絶縁体により形成されている。導体層17〜23、シールリング37およびビア配線は例えば銅(Cu)、および金(Au)などの金属により形成されている。圧電基板33は、ニオブ酸リチウム(LiNbO
3)又はタンタル酸リチウム(LiTaO
3)などの圧電体により形成されている。IDT34および反射器36は例えばアルミニウム(Al)などの金属により形成されている。バンプは例えばSn−Agを主成分とする半田、またはAuなどにより形成されている。
【0029】
図3(a)から
図4(c)は弾性波デバイス30の製造方法を例示する断面図である。
図3(a)から
図3(c)においては、
図1(a)および
図1(b)に示した圧電基板33を上下反転して図示した。
【0030】
図3(a)に示すように、例えば蒸着・リフトオフなどにより、圧電基板33の一面にIDT34および反射器36を形成する。
図3(b)に示すように、レーザー光などにより圧電基板33にスルーホール38aを形成する。
図3(c)に示すように、メッキ処理などによりスルーホール38aを埋めるビア配線38を形成する。
【0031】
図4(a)に示すように、例えばAu−Au接合、ロウ材による接合または常温接合などにより、パッケージ基板31の導体層44にバンプ40を接合する。
図4(b)に示すように、パッケージ基板32の導体層53にシールリング37を接合し、導体層49にバンプ41を接合する。
図4(c)に示すように、パッケージ基板31および32により圧電基板33を挟み込む。矢印で示すように、ビア配線38にバンプ40および41を接合し、導体層52にシールリング37を接合する。こうして形成された弾性波デバイス30を、配線基板10に埋め込む。
【0032】
図5は比較例に係るモジュール100Rを例示する断面図である。
図5に示すように配線基板10に弾性波デバイス30Rが内蔵されている。弾性波デバイス30Rの端子57および58は、弾性波デバイス30Rの上面に設けられている。端子58と、配線基板10の下面に設けられた端子17aとを接続する配線は、弾性波デバイス30Rを迂回するように設けられる。この結果、設計の自由度が低下する。また、比較例における端子間の配線は実施例1よりも長くなるため、信号の損失が増大し、かつ配線のインピーダンスを所望の値とすることが難しい。
【実施例5】
【0038】
図9(a)は実施例5に係るモジュール500を例示する断面図である。
図9(b)はモジュール500に含まれる弾性波デバイス30aを例示する断面図である。
図10(a)は弾性波デバイス30aを例示する上面図である。
図10(b)はパッケージ基板32を透視した弾性波デバイス30aを例示する下面図である。
【0039】
図9(a)に示すように、弾性波デバイス30aは配線基板10に内蔵されている。
図9(b)に示すように、弾性波デバイス30aはパッケージ基板32および圧電基板33を含む。圧電基板33の下面にIDT34、反射器36および導体層56が設けられている。導体層56は、パッケージ基板32の上面に設けられた導体層49とシールリング37により接合されている。圧電基板33とパッケージ基板32との間には空隙35が形成される。
図10(a)および
図10(b)に示すように、シールリング37はIDT34および反射器36を囲む。
【0040】
図10(a)に示すように、圧電基板33の上面から4つのビア配線38の上面が露出する。ビア配線38の上面は端子として機能する。
図9(a)および
図9(b)においては4つのビア配線38のうちビア配線38bおよび38cが図示されている。ビア配線38bは、配線基板10に設けられた導体層21〜22およびビア配線24を介して、配線基板10の上面に設けられた端子23bに接続されている。端子23bはPA26に接続されている。ビア配線38cはパッケージ基板32の下面に設けられた端子47bに接続されている。端子47bは、配線基板10の下面に設けられた端子17aに接続されている。
【0041】
弾性波デバイス30aの上面の端子は配線基板10の上面の端子に接続され、弾性波デバイス30aの下面の端子は配線基板10の下面の端子に接続される。実施例5によれば、設計の自由度が向上し、かつ信号の損失が低減する。端子23bおよびビア配線38bは入力端子として機能する。端子17aおよび47bは出力端子として機能する。入力端子と出力端子との距離が大きいため、入力信号と出力信号との干渉が抑制される。弾性波デバイス30aは圧電基板33のサイズと同程度まで小型が可能であるため、モジュール500の設計の自由度がより向上する。
図9(a)に示すように、端子23bをビア配線38bに接続するため、弾性波デバイス30aを迂回する信号配線を設けなくてよい。また端子17aを端子47bに接続するため、弾性波デバイス30aを迂回するグランド配線を設けなくてよい。従って設計の自由度が向上する。なお圧電基板33の上面に、ビア配線38の上面と電気的に接続された端子を設けてもよい。
【0042】
図11(a)から
図11(c)は弾性波デバイス30aの製造方法を例示する断面図である。
図11(a)に示すように、圧電基板33の一面にIDT34、反射器36、および導体層56を形成する。
図11(b)に示すように、パッケージ基板32の導体層53にシールリング37を接合する。導体層49にバンプ41を接合する。
図11(c)に矢印で示すように、圧電基板33をパッケージ基板32に実装する。
【実施例6】
【0043】
図12は実施例6に係るモジュール600を例示する断面図である。
図12に示すように、ビア配線38bは端子23aに接続されている。ビア配線38cは端子23bに接続されている。端子47bは端子17aに接続されている。端子23aおよびビア配線38bの上面は入力端子として機能する。端子17a、23bおよび47b、並びにビア配線38cの上面は接地端子として機能する。実施例6によれば、設計の自由度が向上し、かつ信号の損失が低減する。
【0044】
なお、本発明は係る特定の実施形態および実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。弾性波デバイスはSAWデバイス以外に弾性境界波デバイス、圧電薄膜共振子(Film Bulk Acoustic Resonator:FBAR)を含むデバイスでもよい。
図13(a)はFBARを含む弾性波デバイス30bを例示する平面図である。
図13(a)に示すように、基板64の上に複数のFBAR62が形成されている。
【0045】
図13(b)はFBAR62を例示する断面図である。
図13(b)に示すように、基板64の上に、下部電極66、圧電薄膜68及び上部電極70が積層されている。下部電極66、圧電薄膜68及び上部電極70が重なる共振領域72は弾性波を励振する機能部である。共振領域72はドーム状に隆起しており、下部電極66と基板64との間には空隙74が形成される。下部電極66は空隙74に露出してもよいし、下部電極66の下面に音響反射膜などを設けてもよい。基板64は例えばシリコン、ガラスなどにより形成されている。下部電極66及び上部電極70は、例えばルテニウム(Ru)などの金属により形成されている。圧電薄膜68は、例えば窒化アルミニウム(AlN)、酸化亜鉛(ZnO)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸鉛(PbTiO
3)などの圧電体により形成されている。共振領域72と、
図1(b)などに示したパッケージ基板32との間に空隙35が形成される。空隙35および74があるため、弾性波の励振は妨げられない。
【0046】
図14はデュプレクサ80を含むモジュールを例示するブロック図である。
図14に示すように、デュプレクサ80は送信フィルタ80aおよび受信フィルタ80bを含む。送信フィルタ80aはアンテナ端子ANTを介してアンテナ81に接続され、送信端子Txを介してPA82に接続されている。受信フィルタ80bはアンテナ端子ANTを介してアンテナ81に接続され、受信端子Rxを介してローノイズアンプ(Low Noise Amplifier:LNA)84に接続されている。アンテナ81は高周波信号の送信および受信を行う。実施例1〜6の弾性波デバイスは、送信フィルタ80aまたは受信フィルタ80bとすることができる。端子42および47、導体層17または23に含まれる端子は、送信端子Txおよび受信端子Rxのいずれかとすることができる。また配線基板10に、デュプレクサ80を形成する複数の弾性波デバイスを埋め込んでもよい。導体層17または23に含まれる端子は、送信端子Tx、受信端子Rxおよびアンテナ端子ANTのいずれかとすることができる。送信端子Tx、受信端子Rxおよびアンテナ端子ANTのうち2つを配線基板10の上面に設け、1つを配線基板10の下面に設けることにより、信号の干渉を抑制することができる。
図1(a)などに示したPA26に代えて、
図14のPA82およびLNA84を含む集積回路(Integrated Circuit:IC)などを設けることができる。