【文献】
HTC,Considerations on UE trigger RACH procedure,3GPP TSG-RAN WG2 Meeting #75 R2-114522,2011年 8月26日
【文献】
LG Electronics Inc.,Contention Based SCell RACH,3GPP TSG-RAN2 Meeting #75 R2-114424,2011年 8月26日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
無線通信端末であって、前記無線通信端末と通信可能な無線通信装置に上りリソースの割り当てを要求するためのスケジューリング要求を送信する際に用いる個別スケジューリング要求リソースが、キャリアアグリゲーションで使用するコンポーネントキャリアセットを構成する2種類のセルの内、第1セルよりもセルカバレッジが小さい第2セル上に設定された場合であって、
前記無線通信端末に上りリソースが割り当てられていない場合、前記無線通信端末に上りデータが生起すると、前記第2セル上の個別スケジューリング要求リソースを用いてスケジューリング要求を前記無線通信装置に送信する場合のパスロス値を閾値と比較する比較部と、
前記パスロス値が前記閾値以上の場合、前記第2セル上の個別スケジューリング要求リソースを用いてスケジューリング要求を前記無線通信装置に送信して、前記無線通信装置に上りリソースの割り当てを要求する処理をするDSR管理部と、
前記パスロス値が前記閾値未満の場合、ランダムアクセスプリアンブルを前記無線通信装置に送信して、前記無線通信装置に上りリソースの割り当てを要求する前記第1セルでのランダムアクセス手続きを行うRACH管理部と、
を備えた無線通信端末。
無線通信端末であって、前記無線通信端末と通信可能な無線通信装置に上りリソースの割り当てを要求するためのスケジューリング要求を送信する際に用いる個別スケジューリング要求リソースが、キャリアアグリゲーションで使用するコンポーネントキャリアセットを構成する2種類のセルの内、第1セルよりもセルカバレッジが小さい第2セル上に設定された場合であって、
前記無線通信端末に上りリソースが割り当てられていない場合、前記無線通信端末に上りデータが生起すると、所定の判断方法により前記上りデータの優先度の高低を判断する優先度判断部と、
前記上りデータの優先度が低いと判断された場合、前記第2セル上の個別スケジューリング要求リソースを用いてスケジューリング要求を前記無線通信装置に送信して、前記無線通信装置に上りリソースの割り当てを要求する処理をするDSR管理部と、
前記上りデータの優先度が高いと判断された場合、ランダムアクセスプリアンブルを前記無線通信装置に送信して、前記無線通信装置に上りリソースの割り当てを要求する前記第1セルでのランダムアクセス手続きを行うRACH管理部と、
を備えた無線通信端末。
無線通信端末であって、前記無線通信端末と通信可能な無線通信装置に上りリソースの割り当てを要求するためのスケジューリング要求を送信する際に用いる個別スケジューリング要求リソースが、キャリアアグリゲーションで使用するコンポーネントキャリアセットを構成する2種類のセルの内、第1セルよりもセルカバレッジが小さい第2セル上に設定された場合であって、
前記無線通信端末に上りリソースが割り当てられていない場合、前記無線通信端末に上りデータが生起すると、所定の判断方法により前記上りデータの優先度の高低を判断する
優先度判断部と、
前記第1セル又は前記第2セル上の個別スケジューリング要求リソースを用いてスケジューリング要求を前記無線通信装置に送信して、前記無線通信装置に上りリソースの割り当てを要求する処理をするDSR管理部と、を備え、
前記上りデータの優先度が低いと判断された場合、前記DSR管理部は、前記第2セル上の個別スケジューリング要求リソースを用いたスケジューリング要求を送信し、
前記上りデータの優先度が高いと判断された場合、又は、前記第2セルでスケジューリング要求を送信しても上りリソースが割り当てられない場合、前記DSR管理部は、前記第1セル上の個別スケジューリング要求リソースを用いたスケジューリング要求を送信する無線通信端末。
【発明を実施するための形態】
【0017】
LTEでのスケジューリング要求(Scheduling Request:SR)は、無線通信端末が新しい送信のための上り共有チャネルリソース(Physical Uplink Shared Channel:PUSCH)を無線通信装置に要求するために使用される。無線通信端末は、スケジューリング要求(SR)がトリガーされ、当該スケジューリング要求(SR)がキャンセルされるまで、スケジューリング要求(SR)を保留とみなす。このため、MAC PDU(Medium Access Control Packet Data Unit)がまとめられ、このMAC PDUがバッファ状態報告(Buffer Status Report:BSR)をトリガーした最後のイベントまでのバッファ状態を含んだBSRを含む場合に、全ての保留中のスケジューリング要求(SR)はキャンセルされ、タイマー(sr-ProhibitTimer)は停止される。あるいは、上り割り当て(UL grant)が全ての保留中のデータを送信可能に適応できる場合に、全ての保留中のスケジューリング要求(SR)はキャンセルされ、タイマー(sr-ProhibitTimer)は停止される。
【0018】
仮に、スケジューリング要求(SR)がトリガーされ、保留中のスケジューリング要求(SR)がない場合、無線通信端末はカウンター(SR_COUNTER)を0にセットする。一つのスケジューリング要求(SR)が保留されている間、無線通信端末は、各TTI(Transmission Time Interval)において以下の動作を行わなわなければならない。
(1)このTTIで上り共有チャネルのリソースが送信のために有効でない場合において、スケジューリング要求(SR)のために設定されるPUCCHリソースがどのTTIにおいても有効でなければ、無線通信端末は、ランダムアクセス手続き(Random Access Procedure)を開始し、全ての保留中のスケジューリング要求(SR)をキャンセルする。
(2)このTTIで上り共有チャネルのリソースが送信のために有効でない場合において、上記以外の場合は、このTTIにスケジューリング要求(SR)のために設定されるPUCCHリソースが有効である。したがって、このTTIがmeasurement gapの一部ではなく、タイマー(sr-prohibitTimer)が走っていない場合、無線通信端末のMAC層は以下の動作を行う。
【0019】
カウンター(SR_COUNTER)の値が最大送信回数(dsr-TransMax)よりも低い場合、無線通信端末のMAC層は、
1.カウンター(SR_COUNTER)の値を1増やす。
2.物理層にPUCCHリソース上でスケジューリング要求の信号を送ることを指示する。
3.タイマー(sr-ProhibitTimer)を開始する。
【0020】
一方、上記以外の場合、無線通信端末のMAC層は、
1.RRC(Radio Resource Control)にPUCCH/SRSの解放(release)を伝える。
2.設定された下り割り当てと上り割り当てを消す(clear)。
3.ランダムアクセス手続きを開始し、全ての保留中のスケジューリング要求(SR)をキャンセルする。
【0021】
無線通信端末の物理層は、無線通信端末のMAC層からの指示に応じて、スケジューリング要求(SR)を無線通信装置に送信する。また、RRC層は、MAC層からの指示に応じて、PUCCH/SRSの個別設定を解放する。タイマー(sr-ProhibitTimer)は、制御情報によって設定される場合のみ使用され、制御情報によって値も設定される。タイマー(sr-ProhibitTimer)が満了すると、無線通信端末はタイマー(sr-ProhibitTimer)を停止する。なお、最大送信回数(dsr-TransMax)も制御情報によって設定される。
【0022】
以下、本開示に係る無線通信システムの実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。以下説明する実施形態の無線通信システムは、少なくとも1つの無線通信端末と、無線通信ネットワークを介して無線通信端末と通信可能な複数の無線通信装置とを備える。以下の説明では、無線通信端末を単に「端末」という。端末は、例えば携帯電話機である。また、以下の説明において、無線通信装置は、例えば、無線通信基地局(E-UTRAN NodeB:eNB)、無線通信基地局から離れた位置に設置される張り出し基地局(Remote Radio Head:RRH)、無線通信基地局等と無線で接続される中継装置(リレーノード又はリピータ)、フェムト基地局及びピコ基地局等を総称した、端末が無線で通信可能な装置である。なお、張り出し基地局(RRH)は、無線通信基地局(eNB)の無線部(Radio Frequency部:RF部)と同様の機能を有し、光ファイバケーブル等の有線ケーブルで無線通信基地局(eNB)に接続されている。
【0023】
無線通信システムは、3GPP(The 3rd Generation Partnership Project)で規格化されているLTE又はLTE-Advancedの移動通信技術を利用する。但し、無線通信システムが利用する移動通信技術は、上記規格に限られず、無線LAN(Wireless Local Area Network)、IEEE802.16、IEEE802.16e若しくはIEEE802.16m等のWiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、3GPP2、SAE(System Architecture Evolution)、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)、又は第四世代移動通信規格であっても良い。
【0024】
各無線通信装置は、少なくとも1つの通信セルを構成する。通信セルは、地理的エリアに対して割り当てられた識別子又は当該地理的エリアで用いられる周波数の相違に基づいて、端末がユニークに識別できる無線ネットワークオブジェクトをいう。
【0025】
以下の説明では、通信セルを単に「セル」という。1つの無線通信装置又は1つの受信点によって、1つ以上のキャリア周波数の各々につき、1つ以上のセルが構成される。なお、上記構成は基本概念であり、無線通信装置が他の無線通信装置と協調して1つのセルを構成しても良い。端末は、無線通信装置が構成する少なくとも1つのセルを利用して通信する。
【0026】
以下、第1〜第5の実施形態の無線通信システムについて順に説明する。なお、第1〜第5の実施形態において、同一機能を有する構成には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0027】
図1は、第1〜第5の実施形態に適用されるHetNet環境の無線通信システムの一例を示す図である。
図1に示すように、ヘテロジニアスネットワーク(Heterogeneous Network:HetNet)環境の無線通信システムには、セルカバレッジは大きいが伝搬損失が大きいセル(例えば、マクロセル)を提供する無線通信装置NE1と、セルカバレッジは小さいが伝搬損失が小さいセル(例えば、ピコセル又はフェムトセル等の低送信電力セル)を提供する無線通信装置NE2とが設けられている。当該無線通信システムでは、無線通信装置NE1が提供するセルはPCellとして用いられ、無線通信装置NE2が提供するセルはSCellとして用いられる。また、端末UEには、1つのコンポーネントキャリアセットを構成するPCellとSCellを使用したキャリアアグリゲーション(Carrier Aggregation)が設定される。
【0028】
(第1の実施形態)
図2〜
図8を参照して、第1の実施形態の無線通信システムについて説明する。第1の実施形態の無線通信システムは、上記説明した端末及び無線通信装置から構成される。端末は、無線通信装置から上りリソースを割り当ててもらうために、スケジューリング要求(Scheduling Request:SR)を無線通信装置に送信する。無線通信装置は、上りリソースを端末に割り当てる。また、無線通信装置は、各端末に対する無線リソース(例えば、周波数領域又は時間領域での周波数帯域)の割り当て及び管理を行い、端末のための無線アクセスネットワークのアクセスポイントの役割を有する。
【0029】
図2〜
図4は、第1の実施形態の無線通信システムにおける端末UE1と無線通信装置NE11,NE12の間の処理を含むタイミングチャートの例を示す図である。なお、端末UE1は
図1に示した端末UEに等しく、無線通信装置NE11は
図1に示した無線通信装置NE1に等しく、無線通信装置NE12は
図1に示した無線通信装置NE2に等しい。また、端末UE1には、無線通信装置NE11が提供するPCellと無線通信装置NE12が提供するSCellを1つのコンポーネントキャリアセットとして使用するキャリアアグリゲーションが設定される。
【0030】
図2に示すように、無線通信装置NE11は、SCell上の個別スケジューリング要求リソースを端末UE1に設定する制御情報を含む個別制御情報を端末UE1に送信する(T101)。なお、当該制御情報には、スケジューリング要求の最大送信回数が含まれる。なお、個別制御情報に、ランダムアクセス許容情報を含んでもよい。ランダムアクセス許容情報は、SCellにおいて端末UE1に上りリソースが割り当てられない場合に、端末UE1がSCell上で端末主導のランダムアクセス手続きの開始を許容するために使用される。このようにすることで、端末UE1が勝手にSCell上でランダムアクセス手続きを開始しないため、端末主導のランダムアクセス手続きを許容しない無線通信装置NE12とランダムアクセス手続きを許容する無線通信装置NE11が共存することができる。なお、ランダムアクセス許容情報は1ビットの情報でもよいし、他の設定情報と紐付けた情報でもよい。例えば、SCellに個別スケジューリング要求リソースの設定情報が端末UE1に設定された場合は、SCell上で端末主導のランダムアクセス手続きの開始を許容するというようにしてもよい。
【0031】
上記処理T101において、個別制御情報は、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC再接続設定(RRC Connection Reconfiguration)メッセージ若しくは他のRRCメッセージ、又は、MAC層若しくは物理層のシグナリングで送信される。なお、個別制御情報は無線通信装置NE12が送信してもよい。
【0032】
端末UE1は、上りリソースの割り当てがない場合に上りデータが生起して送信可能になれば(T102)、SCell上の個別スケジューリング要求リソースを用いて、無線通信装置NE12にスケジューリング要求(SR)を送信する(T103)。無線通信装置NE12は、受信したスケジューリング要求(SR)に応じて割り当てた上りリソースを端末UE1に通知する(T104)。端末UE1は、通知された上りリソースを用いて上りデータを無線通信装置NE12に送信する(T105)。
【0033】
このように、端末UE1は、セルカバレッジが大きいPCellではなくSCell上の個別スケジューリング要求リソースを用いてスケジューリング要求を無線通信装置NE12に送信する。この場合、PCell上の個別スケジューリング要求リソースを用いる場合と比較して、端末UE1は、低い送信電力でスケジューリング要求を送信することができるため、スケジューリング要求送信時の消費電力を低減できる。また、PCellのセルカバレッジよりもSCellのセルカバレッジが小さく、PCellのセルカバレッジ内にある複数のSCellは、個別スケジューリング要求リソースとして同時に使用可能である。このため、PCell上の個別スケジューリング要求リソースを用いる場合と比較して、周波数リソースが有効活用され、周波数利用効率が高くなる。
【0034】
なお、無線通信装置NE12は、処理T103で端末UE1から送信されたスケジューリング要求(SR)を受信した場合、端末UE1からスケジューリング要求(SR)を受信したことを無線通信装置NE11に通知してもよい。この場合、無線通信装置NE11が端末UE1に上りリソースを割り当てる。このように、無線通信装置NE11及び無線通信装置NE12のどちらも上りリソースを割り当てることができれば、トラフィック量や端末UE1の受信品質に応じて、最適な上りリソースを端末UE1に割り当てることができる。
【0035】
図3は、端末UE1がスケジューリング要求を行っても上りリソースが割り当てられない場合に、端末UE1と無線通信装置NE12の間で行われる処理を含むタイミングチャートの一例を示す図である。
図3に示すように、
図2に示した処理T103の後、端末UE1が制御情報で設定された最大送信回数までスケジューリング要求を無線通信装置NE12に送信しても上りリソースが割り当てられない場合(T106)、端末UE1は、SCellのPRACH(Physical Random Access CHannel)リソースを用いたランダムアクセス手続きを開始して、無線通信装置NE12にランダムアクセスプリアンブルを送信する(T107)。無線通信装置NE12は、上りリソースの通知を含むランダムアクセス応答を作成し、端末UE1に送信する(T108)。端末UE1は、ランダムアクセス応答を受信すると、当該ランダムアクセス応答によって通知された上りリソースを用いて上りデータを無線通信装置NE12に送信する。
【0036】
このように、スケジューリング要求に応じた上りリソースの割り当てが行われない場合であっても、端末UE1は、伝搬損失が無線通信装置NE11よりも小さい無線通信装置NE12にランダムアクセスプリアンブルを送信する。したがって、端末UE1は、ランダムアクセスプリアンブル送信時の消費電力を低減できる。
【0037】
なお、無線通信装置NE12は、処理T108で端末UE1から送信されたランダムアクセスプリアンブルを受信した場合、端末UE1からランダムアクセスプリアンブルを受信したことを無線通信装置NE11に通知してもよい。この場合、無線通信装置NE11が端末UE1にランダムアクセス応答を送信する。
【0038】
但し、無線通信装置NE11は、複数のSCellにおけるランダムアクセス応答を送信することになる。このため、端末UE1は、自分がランダムアクセスプリアンブルを送信したSCellのランダムアクセス応答を見分ける方法が必要となる。
第1の方法では、無線通信装置NE11が送信し得るランダムアクセス応答にランダムアクセスチャネルの設定を工夫することで、PCellとSCell間、及び、SCell間の衝突がないようにする。
第2の方法では、ランダムアクセス応答内にランダムアクセスプリアンブルを見分けるための識別子を含める。
第3の方法では、ランダムアクセスプリアンブルのリソースに応じた識別子RA-RNTI(Random Access Radio Network Temporary Identity)を工夫することで、端末UE1が送信したランダムプリアンブルに対するランダムアクセス応答を発見できるようにする。
【0039】
こうすれば、端末UE1が無線通信装置NE11からランダムアクセス応答を受信して、端末UE1に上りリソースが割り当てられる。したがって、端末UE1は、伝搬損失が無線通信装置NE11よりも小さい無線通信装置NE12に対してランダムアクセスプリアンブルを送信した場合においても、セルカバレッジの大きい無線通信装置NE11の下りチャネルを用いてランダムアクセス応答を受信することができる。その結果、ランダムアクセス手続きの成功確率が高くなる。
【0040】
図4は、
図3に示す無線通信装置NE12に対するランダムアクセス手続きが失敗した場合に、端末UE1と無線通信装置NE11の間で行われる処理を含むタイミングチャートの一例を示す図である。
図4に示すように、
図3に示した処理T107の後、端末UE1がランダムアクセス応答を受信できないなどの理由からランダムアクセス手続きに失敗したと判断した場合(T109)、端末UE1は、PCellのPRACH(Physical Random Access CHannel)リソースを用いたランダムアクセス手続きを開始して、無線通信装置NE11にランダムアクセスプリアンブルを送信する(T110)。無線通信装置NE11は、上りリソースの通知を含むランダムアクセス応答を作成し、端末UE1に送信する(T111)。端末UE1は、ランダムアクセス応答を受信すると、当該ランダムアクセス応答によって通知された上りリソースを用いて上りデータを無線通信装置NE11に送信する。
【0041】
このように、端末UE1は、無線通信装置NE12に対するランダムアクセス手続きが失敗しても、無線通信装置NE11にランダムアクセスプリアンブルを送信することで、上りリソースが割り当てられない事態を避けることができる。
【0042】
以上説明したように、本実施形態の端末UE1は、SCell上の個別スケジューリング要求リソースを用いてスケジューリング要求を行っても上りリソースが割り当てられない場合に、SCellのPRACHリソースを用いてランダムアクセス手続きを行う。SCellはPCellと比較して伝搬損失が小さいため、本実施形態では、端末UE1が無線通信装置NE12に上りリソースを要求する際の送信電力を低くでき、その結果、端末UE1における消費電力を低減できる。また、PCellのセルカバレッジよりもSCellのセルカバレッジが小さく、PCellのカバレッジ内に複数のSCellが存在する場合、各SCellのアップリンク(UL)は、異なるSCell間で同時に使用可能である。このため、PCellのアップリンクのみを使用する場合と比較して、周波数リソースを有効活用できる。
【0043】
[第1の実施形態の端末UE1の構成]
図5は、第1の実施形態の無線通信システムを構成する端末UE1のブロック図である。
図5に示すように、第1の実施形態の端末UE1は、受信部101と、制御部103と、送信部105とを備える。制御部103は、DSR管理部111と、RACH管理部113とを有する。DSR管理部111は、SCellDSR管理部121を有する。RACH管理部113は、PCellRACH管理部131と、SCellRACH管理部133とを有する。
【0044】
受信部101は、制御部103からの指示に応じて、端末UE1が接続しているセルのダウンリンクを介して、報知情報又は個別制御情報等の制御情報を受信する。受信部101は、受信した制御情報を制御部103へ出力する。また、受信部101は、ランダムアクセス応答を受信する。受信部101は、受信したランダムアクセス応答を制御部103のRACH管理部113へ出力する。さらに、受信部101は、衝突解決(Contention Resolution)のメッセージを受信する。受信部101は、受信した衝突解決のメッセージを制御部103に出力する。なお、受信部101が受信するランダムアクセス応答は、無線通信装置NE11から送信されたものであっても、無線通信装置NE12から送信されたものであってもよい。
【0045】
制御部103は、受信部101に報知情報又は個別制御情報等の制御情報の受信を指示する。制御部103には、受信部101が受信した制御情報が入力される。制御部103に入力された制御情報に含まれるランダムアクセスチャネル設定(RACH config)に関する情報は、制御部103のRACH管理部113に入力される。また、制御部103に入力された制御情報に含まれる個別スケジューリング要求リソースの設定情報は、制御部103のDSR管理部111に入力される。制御部103は、端末UE1の状態及び制御情報に基づいて、個別スケジューリング要求リソースの解放(release)をDSR管理部111に指示する。
【0046】
制御部103は、端末UE1に上りリソースが割り当てられていない場合に端末UE1で上りデータが生起して送信可能になると、スケジューリング要求(SR)の送信をDSR管理部111に指示する。なお、制御部103は、スケジューリング要求の送信をDSR管理部111に指示した後、端末UE1に上りリソースが割り当てられると、上りリソースが割り当てられたことをDSR管理部111に通知する。また、制御部103は、DSR管理部111からスケジューリング要求を送信できないことが通知されると、RACH管理部113にランダムアクセス手続きの開始を指示する。
【0047】
制御部103は、RACH管理部113から得られたランダムアクセス応答に含まれる、上りデータを送信するために必要な情報が入力されると、送信したい上りデータを、指示された上りリソースを用いて送信するように、送信部105へ指示する。また、制御部103は、RACH管理部113から得られたランダムアクセス応答に含まれる当該上りデータを送信するために必要な情報と、衝突解決(Contention Resolution)が必要であることを示す情報とが入力されると、それらの情報を基にメッセージ(message 3)を作成して、当該メッセージを送信部105へ出力する。
【0048】
制御部103は、受信部101が衝突解決のメッセージを受信した場合、受信部101から入力された当該メッセージをRACH管理部113に出力する。一方、制御部103は、受信部101が衝突解決のメッセージを受信しない場合、RACH管理部113にランダムアクセスプリアンブルの再送を指示する。制御部103は、RACH管理部113からランダムアクセス手続きが失敗したことを通知されると、再接続(Re-establishment)の手続きを開始する。
【0049】
以下、制御部103が有する各構成要素について、DSR管理部111、RACH管理部113の順に説明する。
【0050】
制御部103が有するDSR管理部111は、制御部103から入力された個別スケジューリング要求リソースの設定情報を管理する。なお、個別スケジューリング要求リソースの設定情報は、個別スケジューリング要求リソース(sr-PUUCCH-ResourceIndex, sr-ConfigIndex, sr-PUCCH-ResourceIndexP1-r10)、及び、個別スケジューリング要求リソースを用いたスケジューリング要求(SR)の最大送信可能回数(dsr-Trans)などを含む。また、DSR管理部111は、制御部103から指示された個別スケジューリング要求リソースに関する現在の設定の解放(release)を行う。
【0051】
DSR管理部111は、制御部103からスケジューリング要求を送信するように指示されると、DSR管理部111のSCellDSR管理部121にスケジューリング要求を送信するように指示する。この場合、制御部103から入力された個別スケジューリング要求リソースがSCell上の個別スケジューリング要求リソースの場合、DSR管理部111は、SCellに関する個別スケジューリング要求リソースの設定情報をSCellDSR管理部121に出力する。DSR管理部111は、SCellDSR管理部121にスケジューリング要求の送信を指示した後、端末UE1に上りリソースが割り当てられたことが制御部103から通知されると、SCellDSR管理部121に上りリソースが割り当てられたことを通知する。
【0052】
DSR管理部111は、個別スケジューリング要求リソースが設定されていないことをSCellDSR管理部121から通知され、端末UE1がスケジューリング要求を送信できない状態であると判断すると、制御部103にスケジューリング要求を送信できないと通知する。また、DSR管理部111は、SCellDSR管理部121からスケジューリング要求の送信に失敗したことを通知され、端末UE1がスケジューリング要求を送信できない状態であると判断すると、制御部103にスケジューリング要求を送信できないと通知する。
【0053】
DSR管理部111は、制御部103から、SCellに関する個別スケジューリング要求リソースの現在の設定の解放(release)を指示されると、SCellDSR管理部121に個別スケジューリング要求リソースの設定の解放(release)を指示する。
【0054】
DSR管理部111が有するSCellDSR管理部121は、DSR管理部111からスケジューリング要求を送信するように指示されると、スケジューリング要求を生成する。さらに、SCellDSR管理部121は、個別スケジューリング要求リソースの設定情報に基づくタイミングでスケジューリング要求を送信するよう送信部105に指示する。但し、SCellDSR管理部121は、個別スケジューリング要求リソースが設定されていない場合、個別スケジューリング要求リソースが設定されていないことをDSR管理部111に通知する。
【0055】
SCellDSR管理部121は、端末UE1に上りリソースが割り当てられたことがDSR管理部111から通知されると、スケジューリング要求の送信指示を停止する。一方、スケジューリング要求の送信回数が最大送信可能回数(dsr-Trans)に達しても上りリソースの割り当てが通知されない場合、SCellDSR管理部121は、スケジューリング要求が失敗したことをDSR管理部111に通知する。この場合、SCellDSR管理部121は、設定されていた個別スケジューリング要求リソースを解放(release)する。
【0056】
制御部103が有するRACH管理部113は、制御部103から入力されたランダムアクセスチャネル設定(RACH Config)のうち、SCell用のランダムアクセスチャネル設定をSCellRACH管理部133に出力し、PCell用のランダムアクセスチャネル設定をPCellRACH管理部131に出力する。RACH管理部113は、制御部103からランダムアクセス手続きを開始するよう指示されると、PCellRACH管理部131及びSCellRACH管理部133のどちらにランダムアクセス手続きを開始するよう指示するかを判断する。RACH管理部113は、SCellRACH管理部133にSCell用のランダムアクセスチャネル設定を設定した場合、SCellでランダムアクセス手続きを開始すると判断する。
【0057】
なお、RACH管理部113は、SCellにおいて端末主導のランダムアクセス手続きを許容するという個別制御情報が入力されている場合に限り、SCellでランダムアクセス手続きを開始すると判断してもよい。この場合、端末UE1が勝手にSCellでランダムアクセス手続きを行うことを防ぐことができる。
【0058】
RACH管理部113は、SCellでランダムアクセス手続きを開始すると判断すると、SCellRACH管理部133にランダムアクセス手続きを開始するよう指示する。RACH管理部113は、SCellRACH管理部133にランダムアクセス手続きを開始するよう指示した後に、受信部101からランダムアクセス応答が入力されると、SCellRACH管理部133にこのランダムアクセス応答を出力する。
【0059】
RACH管理部113は、SCellRACH管理部133から、ランダムアクセス応答に含まれる上りデータを送信するために必要な情報及びランダムアクセス手続きの成功が通知されると、上りデータを送信するために必要な情報及びランダムアクセス手続きの成功を制御部103に出力する。
【0060】
RACH管理部113は、SCellRACH管理部133から、ランダムアクセス応答に含まれる上りデータを送信するために必要な情報及び衝突解決が必要であることを示す情報が通知されると、上りデータを送信するために必要な情報及び衝突解決が必要であることを示す情報を制御部103に出力する。また、この状態において、RACH管理部113は、制御部103からランダムアクセスプリアンブルの再送が指示されると、ランダムアクセスプリアンブルの再送をSCellRACH管理部133に指示する。同様に、この状態において、RACH管理部113は、受信部101が衝突解決のメッセージを受信したことが制御部103から通知されると、受信部101が衝突解決のメッセージを受信したことをSCellRACH管理部133に出力する。
【0061】
RACH管理部113は、SCellRACH管理部133から、ランダムアクセス手続きの失敗が通知されると、PCellRACH管理部131にランダムアクセス手続きを開始するよう通知する。また、RACH管理部113は、SCellにおいて端末主導のランダムアクセス手続きを開始できないと判断すると、PCellRACH管理部131にランダムアクセス手続きを開始するよう通知する。RACH管理部113は、PCellRACH管理部131にランダムアクセス手続きを開始するよう指示した後に、受信部101からランダムアクセス応答が入力されると、PCellRACH管理部131にこのランダムアクセス応答を出力する。
【0062】
RACH管理部113は、PCellRACH管理部131から、ランダムアクセス応答に含まれる上りデータを送信するために必要な情報及びランダムアクセス手続きの成功が通知されると、上りデータを送信するために必要な情報及びランダムアクセス手続きの成功を制御部103に出力する。
【0063】
RACH管理部113は、PCellRACH管理部131から、ランダムアクセス応答に含まれる上りデータを送信するために必要な情報及び衝突解決が必要であることを示す情報が入力されると、上りデータを送信するために必要な情報及び衝突解決が必要であることを示す情報を制御部103に出力する。また、この状態において、RACH管理部113は、制御部103からランダムアクセスプリアンブルの再送が指示されると、ランダムアクセスプリアンブルの再送をPCellRACH管理部131に指示する。同様に、この状態において、RACH管理部113は、受信部101が衝突解決のメッセージを受信したことが制御部103から通知されると、受信部101が衝突解決のメッセージを受信したことをPCellRACH管理部131に出力する。
【0064】
RACH管理部113が有するSCellRACH管理部133は、RACH管理部113から入力されたSCell用のランダムアクセスチャネル設定を管理する。
【0065】
SCellRACH管理部133は、RACH管理部113からの指示に応じてランダムアクセス手続きを開始する。このとき、SCellRACH管理部133は、ランダムアクセスプリアンブルを生成して送信部105に出力する。また、SCellRACH管理部133は、ランダムアクセスプリアンブルの送信後、RACH管理部113からランダムアクセス応答が入力されない場合、再送のためにランダムアクセスプリアンブルを生成して送信部105に出力する。
【0066】
SCellRACH管理部133は、RACH管理部113からランダムアクセス応答が入力されると、必要に応じて衝突解決(Contention Resolution)の動作を行う。SCellRACH管理部133は、衝突解決が必要ではないと判断した場合、ランダムアクセス応答に含まれる上りデータを送信するために必要な情報及びランダムアクセス手続きの成功をRACH管理部113に通知して、ランダムアクセス手続きを終了する。一方、SCellRACH管理部133は、衝突解決が必要であると判断した場合、ランダムアクセス応答に含まれる上りデータを送信するために必要な情報及び衝突解決が必要であることを示す情報をRACH管理部113に通知する。
【0067】
SCellRACH管理部133は、RACH管理部113からランダムアクセスプリアンブルの再送が指示されると、再送のためのランダムアクセスプリアンブルを生成して送信部105に出力する。SCellRACH管理部133は、受信部101が衝突解決のメッセージを受信したことがRACH管理部113から通知されると、ランダムアクセス手続きを終了する。SCellRACH管理部133は、ランダムアクセスプリアンブルの送信回数が最大送信回数(preambleTransMax)に到達した後、RACH管理部113からランダムアクセス応答が入力されなければ、ランダムアクセス手続きが失敗したことをRACH管理部113に通知して、ランダムアクセス手続きを終了する。
【0068】
RACH管理部113が有するPCellRACH管理部131は、RACH管理部113から入力されたPCell用のランダムアクセスチャネル設定を管理する。
【0069】
PCellRACH管理部131は、RACH管理部113からの指示に応じてランダムアクセス手続きを開始する。このとき、PCellRACH管理部131は、ランダムアクセスプリアンブルを生成して送信部105に出力する。また、PCellRACH管理部131は、ランダムアクセスプリアンブルの送信後、RACH管理部113からランダムアクセス応答が入力されない場合、再送のためにランダムアクセスプリアンブルを生成して送信部105に出力する。
【0070】
PCellRACH管理部131は、RACH管理部113からランダムアクセス応答が入力されると、必要に応じて衝突解決(Contention Resolution)の動作を行う。PCellRACH管理部131は、衝突解決が必要ではないと判断した場合、ランダムアクセス応答に含まれる上りデータを送信するために必要な情報及びランダムアクセス手続きの成功をRACH管理部113に通知して、ランダムアクセス手続きを終了する。一方、PCellRACH管理部131は、衝突解決が必要であると判断した場合、ランダムアクセス応答に含まれる上りデータを送信するために必要な情報及び衝突解決が必要であることを示す情報をRACH管理部113に通知する。
【0071】
PCellRACH管理部131は、RACH管理部113からランダムアクセスプリアンブルの再送が指示されると、再送のためのランダムアクセスプリアンブルを生成して送信部105に出力する。PCellRACH管理部131は、受信部101が衝突解決のメッセージを受信したことがRACH管理部113から通知されると、ランダムアクセス手続きを終了する。PCellRACH管理部131は、ランダムアクセスプリアンブルの送信回数が最大送信回数(preambleTransMax)に到達した後、RACH管理部113からランダムアクセス応答が入力されなければ、ランダムアクセス手続きが失敗したことをRACH管理部113に通知して、ランダムアクセス手続きを終了する。
【0072】
送信部105は、ランダムアクセスプリアンブル、スケジューリング要求(SR)、制御信号に対する応答、又は上りデータなどを無線通信装置NE11,NE12に送信する。
【0073】
なお、個別スケジューリング要求リソースがPCellに設定される場合、端末UE1は、PCell上の個別スケジューリングリソースを用いてスケジューリング要求を行う。この場合、端末UE1は、個別スケジューリング要求リソースを用いたスケジューリング要求の送信回数が最大送信回数に到達しても上りリソースが割り当てられなければ、PCellにおいてランダムアクセス手続きを開始する。
【0074】
なお、個別制御情報は、スケジューリング要求のためにSCellを用いたランダムアクセス手続きの可否を示す1ビットの情報を含んでいても良い。この1ビットの情報は、SCellにおいて端末主導のランダムアクセス手続きを許容するか否かを示す情報でもよい。この場合、端末UE1のRACH管理部113は、この1ビットの情報を基に、SCellRACH管理部133にランダムアクセス手続きの開始を通知するか、PCellRACH管理部131にランダムアクセス手続きの開始を通知するかを判断する。
【0075】
[第1の実施の形態の無線通信装置NE11の構成]
図6は、第1の実施形態の無線通信システムを構成する無線通信装置NE11のブロック図である。
図6に示すように、第1の実施形態の無線通信装置NE11は、無線受信部151と、ネットワーク受信部153と、制御部155と、無線送信部157と、ネットワーク送信部159とを備える。
【0076】
無線受信部151は、端末UE1から送信されたランダムアクセスプリアンブル、スケジューリング要求(SR)、制御信号に対する応答、又は上りデータなどを受信して、制御部155へ出力する。ネットワーク受信部153は、無線通信装置NE12から制御情報に関するメッセージが入力されると、制御部155に出力する。
【0077】
制御部155は、端末UE1に個別スケジューリング要求リソースを割り当てるか否かを判断する。制御部155は、個別スケジューリング要求リソースを割り当てると判断すると、当該リソースをSCellに設定するかPCellに設定するかを判断する。制御部155は、個別スケジューリング要求リソースをSCellに割り当てると判断すると、SCell上の個別スケジューリング要求リソースの設定情報を作成する。制御部155は、SCellを管理する無線通信装置NE12にSCell上の個別スケジューリング要求リソースの設定情報を送信するよう、ネットワーク送信部159に出力する。
【0078】
また、制御部155は、ランダムアクセス手続きをSCellにおいて許容するか否かを判断し、SCellにおいて許容すると判断すると、SCell用のランダムアクセスチャネル設定を作成する。制御部155は、必要があれば、SCellを管理する無線通信装置NE12で確認してもらうために、SCell用のランダムアクセスチャネル設定を無線通信装置NE12に送信するようネットワーク送信部159に出力してもよい。ネットワーク送信部159に出力しない場合、制御部155は、SCell用のランダムアクセスチャネル設定を無線送信部157に出力する。
【0079】
なお、ランダムアクセスチャネル設定に、スケジューリング要求のために使用しても良いか否かを指示する1ビットの情報を付加してもよい。これは、SCellでのスケジューリング要求のためのランダムアクセス手続きを許容しない場合であっても、SCellのランダムアクセスチャネル設定を通知する場合があるためである。この1ビットの情報は、端末主導のランダムアクセス手続きを許容するか否かを示す情報でもよい。
【0080】
制御部155には、無線通信装置NE12から得られた制御情報に関するメッセージがネットワーク受信部153から入力される。制御部155は、無線通信装置NE12から、SCell上の個別スケジューリング要求リソースの設定に関する確認応答によって了承される(accept)と、SCell上の個別スケジューリング要求リソースの設定情報を無線送信部157に出力する。また、制御部155は、無線通信装置NE12から、SCell上の個別スケジューリング要求リソースの更新した設定情報を受信すると、当該受信した設定情報を無線送信部157に出力する。また、制御部155は、無線通信装置NE12から、SCellに個別スケジューリング要求リソースを設定できないことが通知されると、PCellに個別スケジューリング要求リソースを設定するか否かを判断する。
【0081】
また、制御部155は、ネットワーク受信部153から入力されたSCell用のランダムアクセスチャネル設定の確認応答によって了承される(accept)と、SCell用のランダムアクセスチャネル設定を無線送信部157へ出力する。また、制御部155は、ネットワーク受信部153から入力された更新したランダムアクセスチャネル設定を無線送信部157に出力する。また、制御部155は、ネットワーク送信部159からSCellのランダムアクセス手続きを了承できないことが通知されると、SCellのランダムアクセス手続きを端末UE1に送信しないよう制御する。
【0082】
制御部155は、個別スケジューリング要求リソースをPCellに割り当てると判断すると、PCell上の個別スケジューリング要求リソースの設定情報を作成して無線送信部157に出力する。また、制御部155は、PCell用のランダムアクセス手続きの設定情報を作成して無線送信部157に出力する。
【0083】
制御部155は、無線受信部151が受信した端末UE1からのスケジューリング要求が入力されると、端末UE1に上りリソースを割り当てる。制御部155は、無線受信部151が受信した端末UE1からのランダムアクセスプリアンブルが入力されると、ランダムアクセス応答を生成して無線送信部157に出力する。制御部155は、ネットワーク受信部153からランダムアクセス応答が入力されると、無線送信部157に出力する。
【0084】
無線送信部157は、制御部155から入力されたデータ、報知情報、個別制御情報、又はランダムアクセス応答などを端末UE1に送信する。ネットワーク送信部159は、制御部155から入力された制御情報を無線通信装置NE12に送信する。
【0085】
[第1の実施形態の無線通信装置NE12の構成]
図7は、第1の実施形態の無線通信システムを構成する無線通信装置NE12のブロック図である。
図7に示すように、第1の実施形態の無線通信装置NE12は、無線受信部161と、ネットワーク受信部163と、制御部165と、無線送信部167と、ネットワーク送信部169とを備える。
【0086】
無線受信部161は、端末UE1から送信されたランダムアクセスプリアンブル、スケジューリング要求(SR)、制御信号に対する応答、又は上りデータなどを受信して、制御部165へ出力する。ネットワーク受信部163は、無線通信装置NE11から制御情報に関するメッセージが入力されると、制御部165に出力する。
【0087】
制御部165は、ネットワーク受信部163から端末UE1に対する個別スケジューリング要求リソースの設定情報を受信すると、当該個別スケジューリング要求リソースの設定情報を了承するか否かを判断する。制御部165は、当該個別スケジューリング要求リソースの設定情報を了承すると判断すると、その旨をネットワーク送信部169に出力する。制御部165は、当該個別スケジューリング要求リソースの設定情報とは異なる個別スケジューリング要求リソースを割り当てると判断すると、個別スケジューリング要求リソースの設定情報を更新し、更新した個別スケジューリング要求リソースの設定情報をネットワーク送信部169に出力する。制御部165は、端末UE1に個別スケジューリング要求リソースを設定しないと判断すると、その旨をネットワーク送信部169に出力する。
【0088】
制御部165は、ネットワーク受信部163から端末UE1に対するSCell用のランダムアクセスチャネル設定を受信すると、当該ランダムアクセスチャネル設定を了承するか否かを判断する。制御部165は、当該ランダムアクセスチャネル設定を了承すると判断すると、その旨をネットワーク送信部169に出力する。制御部165は、当該ランダムアクセスチャネル設定とは異なるランダムアクセスチャネル設定を通知すると判断すると、ランダムアクセスチャネル設定を更新し、更新したランダムアクセスチャネル設定をネットワーク送信部169に出力する。制御部165は、端末UE1との間のスケジューリング要求のためのSCellでのランダムアクセス手続きを了承しないと判断すると、その旨をネットワーク送信部169に出力する。
【0089】
制御部165は、無線受信部161が受信した端末UE1からのスケジューリング要求が入力されると、端末UE1に上りリソースを割り当てて無線送信部167に出力する。なお、制御部165は、無線受信部161からスケジューリング要求が入力されると、無線通信装置NE11に通知するためにネットワーク送信部169に出力してもよい。
【0090】
制御部165は、無線受信部161が受信した端末UE1からのランダムアクセスプリアンブルが入力されると、ランダムアクセス応答を生成して無線送信部167に出力する。なお、制御部165は、無線受信部161から端末UE1からのランダムアクセスプリアンブルが入力されると、ランダムアクセス応答を生成して無線通信装置NE11に出力してもよい。
【0091】
無線送信部167は、制御部165から入力されたデータ、報知情報、個別制御情報、又はランダムアクセス応答などを端末UE1に送信する。ネットワーク送信部169は、制御部165から入力された制御情報を無線通信装置NE11に送信する。
【0092】
(第1の実施形態における端末UE1の動作)
以下、
図8を参照して、端末UE1に上りリソースが割り当てられていない状態で端末UE1に上りデータが生起して送信可能になった場合の端末UE1の動作について説明する。
図8は、第1の実施形態の無線通信システムにおいて、端末UE1に上りリソースが割り当てられていない状態で端末UE1に上りデータが生起して送信可能になった場合の端末UE1の動作を示すフローチャートである。
【0093】
図8に示すように、端末UE1には、SCellにおける個別スケジューリング要求リソース(D-SR)が設定される(ステップS101)。次に、端末UE1は、上りリソースが割り当てられていない状態で上りデータが生起して送信可能になる(ステップS102)と、ステップS103に遷移する。
【0094】
ステップS103では、端末UE1は、個別スケジューリング要求リソースを用いたスケジューリング要求の送信回数が最大送信回数を超えていない(スケジューリング要求の送信回数≦最大送信回数)か否かを判断する。個別スケジューリング要求リソースを用いたスケジューリング要求の送信回数が最大送信回数を超えていない場合(Yesの場合)はステップS104に遷移し、個別スケジューリング要求リソースを用いたスケジューリング要求の送信回数が最大送信回数を超えている場合(Noの場合)はステップS106に遷移する。
【0095】
ステップS104では、端末UE1は、SCell上の個別スケジューリング要求リソースを用いて無線通信装置NE12にスケジューリング要求を送信する。次に、端末UE1は、上りリソースの割り当てを受信したか否かを判断し(ステップS105)、上りリソースが割り当てられた場合は一連の処理を終了し、上りリソースが割り当てられない場合はステップS103に戻る。
【0096】
ステップS106では、端末UE1は、SCellに端末主導でランダムアクセス手続きを開始することが許容されており、かつ、SCellにPRACHリソースが設定されているか否かを判断する。端末UE1は、SCellに端末主導でランダムアクセス手続きを開始するためのPRACHリソースが設定されていると判断した場合はステップS107に遷移し、SCellに端末主導でランダムアクセス手続きを開始するためのPRACHリソースが設定されていないと判断した場合はステップS109に遷移する。
【0097】
ステップS107では、端末UE1は、SCellでのランダムアクセス手続きを開始する。次に、端末UE1は、SCellでのランダムアクセス手続きが成功したか否かを判断し(ステップS108)、SCellでのランダムアクセス手続きが成功したと判断した場合は一連の処理を終了し、SCellでのランダムアクセス手続きが失敗したと判断した場合はステップS109に遷移する。
【0098】
ステップS109では、端末UE1は、PCellでのランダムアクセス手続きを開始する。なお、端末UE1は、PCellでのランダムアクセス手続きが失敗した場合、再接続手続きを開始する。
【0099】
以上説明したように、本実施形態によれば、端末UE1は、伝搬損失が無線通信装置NE11よりも小さい無線通信装置NE12にスケジューリング要求を送信するため、スケジューリング要求送信時の端末UE1の消費電力を低減できる。また、端末UE1は、スケジューリング要求を行っても上りリソースが割り当てられない場合、無線通信装置NE12にランダムアクセスプリアンブルを送信するため、ランダムアクセスプリアンブル送信時の消費電力を低減できる。
【0100】
(第2の実施形態)
図9〜
図12を参照して、第2の実施形態の無線通信システムについて説明する。第2の実施形態の無線通信システムが第1の実施形態の無線通信システムと異なる点は、端末がSCellでのスケジューリング要求を行っても上りリソースが割り当てられない場合に、当該端末は、SCellでのランダムアクセス手続きは行わず、PCellでのランダムアクセス手続きを開始する点である。この点以外は第1の実施形態と同様である。
【0101】
図9及び
図10は、第2の実施形態の無線通信システムにおける端末UE2と無線通信装置NE21,NE22の間の処理を含むタイミングチャートの例を示す図である。なお、
図9及び
図10では、第1の実施形態で
図2及び
図3に示した処理又はデータと同じ処理又はデータには同じ符号が付されている。また、端末UE2は
図1に示した端末UEに等しく、無線通信装置NE21は
図1に示した無線通信装置NE1及び第1の実施形態の無線通信装置NE11に等しく、無線通信装置NE22は
図1に示した無線通信装置NE2及び第1の実施形態の無線通信装置NE12に等しい。また、端末UE2には、無線通信装置NE21が提供するPCellと無線通信装置NE22が提供するSCellを1つのコンポーネントキャリアセットとして使用するキャリアアグリゲーションが設定される。
【0102】
図9に示したタイミングチャートは
図2に示したタイミングチャートと同じであるため、説明を省略する。
図10は、端末UE2がスケジューリング要求を行っても上りリソースが割り当てられない場合に、端末UE2と無線通信装置NE21の間で行われる処理を含むタイミングチャートの一例を示す図である。
図10に示すように、
図9に示した処理T103の後、端末UE2が制御情報で設定された最大送信回数までスケジューリング要求を無線通信装置NE22に送信しても上りリソースが割り当てられない場合(T106)、端末UE2は、PCellのPRACH(Physical Random Access CHannel)リソースを用いたランダムアクセス手続きを開始して、無線通信装置NE21にランダムアクセスプリアンブルを送信する(T207)。無線通信装置NE21は、上りリソースの通知を含むランダムアクセス応答を作成し、端末UE2に送信する(T208)。端末UE2は、ランダムアクセス応答を受信すると、当該ランダムアクセス応答によって通知された上りリソースを用いて上りデータを無線通信装置NE21に送信する。
【0103】
[第2の実施形態の端末UE2の構成]
図11は、第2の実施形態の無線通信システムを構成する端末UE2のブロック図である。
図11に示すように、第2の実施形態の端末UE2は、受信部101と、制御部203と、送信部105とを備える。制御部203は、DSR管理部111と、RACH管理部213とを有する。DSR管理部111は、第1の実施形態の端末UE1と同様に、SCellDSR管理部121を有する。RACH管理部213は、PCellRACH管理部131を有する。本実施形態の端末UE2が第1の実施形態の端末UE1と異なる点は、制御部203のRACH管理部213がSCellRACH管理部133を含まないことである。したがって、以下、本実施形態のRACH管理部213についてのみ説明する。
【0104】
RACH管理部213は、制御部203から入力されたランダムアクセスチャネル設定(RACH Config)のうち、PCell用のランダムアクセスチャネル設定をPCellRACH管理部131に出力する。RACH管理部213は、制御部203からランダムアクセス手続きを開始するように指示されると、PCellRACH管理部131にランダムアクセス手続きを開始するよう通知する。RACH管理部213は、PCellRACH管理部131にランダムアクセス手続きを開始するよう指示した後に、受信部101からランダムアクセス応答が入力されると、PCellRACH管理部131にこのランダムアクセス応答を出力する。
【0105】
RACH管理部213は、PCellRACH管理部131から、ランダムアクセス応答に含まれる上りデータを送信するために必要な情報及びランダムアクセス手続きの成功が通知されると、上りデータを送信するために必要な情報及びランダムアクセス手続きの成功を制御部203に出力する。
【0106】
RACH管理部213は、PCellRACH管理部131から、ランダムアクセス応答に含まれる上りデータを送信するために必要な情報及び衝突解決が必要であることを示す情報が通知されると、上りデータを送信するために必要な情報及び衝突解決が必要であることを示す情報を制御部203に出力する。また、この状態において、RACH管理部213は、制御部203からランダムアクセスプリアンブルの再送が指示されると、ランダムアクセスプリアンブルの再送をPCellRACH管理部131に指示する。同様に、この状態において、RACH管理部213は、受信部101が衝突解決のメッセージを受信したことが制御部203から通知されると、受信部101が衝突解決のメッセージを受信したことをPCellRACH管理部131に出力する。
【0107】
なお、個別スケジューリング要求リソースがPCellに設定される場合、端末UE2は、PCell上の個別スケジューリングリソースを用いてスケジューリング要求を行う。この場合、端末UE2は、個別スケジューリング要求リソースを用いたスケジューリング要求の送信回数が最大送信回数に到達しても上りリソースが割り当てられなければ、PCellにおいてランダムアクセス手続きを開始する。
【0108】
(第2の実施形態における端末UE2の動作)
以下、
図12を参照して、端末UE2に上りリソースが割り当てられていない状態で端末UE2に上りデータが生起して送信可能になった場合の端末UE2の動作について説明する。
図12は、第2の実施形態の無線通信システムにおいて、端末UE2に上りリソースが割り当てられていない状態で端末UE2に上りデータが生起して送信可能になった場合の端末UE2の動作を示すフローチャートである。なお、
図12では、第1の実施形態で
図8に示したフローチャートのステップと同様のステップに同じ符号が付されている。
【0109】
図12に示すように、端末UE2には、SCellにおける個別スケジューリング要求リソース(D-SR)が設定される(ステップS101)。次に、端末UE2は、上りリソースが割り当てられていない状態で上りデータが生起して送信可能になる(ステップS102)と、ステップS103に遷移する。
【0110】
ステップS103では、端末UE2は、個別スケジューリング要求リソースを用いたスケジューリング要求の送信回数が最大送信回数を超えていない(スケジューリング要求の送信回数≦最大送信回数)か否かを判断する。個別スケジューリング要求リソースを用いたスケジューリング要求の送信回数が最大送信回数を超えていない場合(Yesの場合)はステップS104に遷移し、個別スケジューリング要求リソースを用いたスケジューリング要求の送信回数が最大送信回数を超えている場合(Noの場合)はステップS206に遷移する。
【0111】
ステップS104では、端末UE2は、SCell上の個別スケジューリング要求リソースを用いてスケジューリング要求を送信する。次に、端末UE2は、上りリソースの割り当てを受信したか否かを判断し(ステップS105)、上りリソースが割り当てられた場合は一連の処理を終了し、上りリソースが割り当てられない場合はステップS103に戻る。
【0112】
ステップS206では、端末UE2は、PCellでのランダムアクセス手続きを開始する。なお、端末UE2は、PCellでのランダムアクセス手続きが失敗した場合、再接続手続きを開始する。
【0113】
以上説明したように、本実施形態によれば、端末UE2は、SCell上の個別スケジューリング要求リソースを用いてスケジューリング要求を送信するため、端末UE2のスケジューリング要求送信時における消費電力を低減できる。また、端末UE2は、SCellでスケジューリング要求を行っても上りリソースが割り当てられなかった場合、SCellよりもセルカバレッジが大きいPCellにおいてランダムアクセス手続きを行う。したがって、SCellでランダムアクセス手続きを行う第1の実施形態よりも、ランダムアクセス手続きの成功確率が高くなる。その結果、ランダムアクセス手続きの失敗に伴う消費電力及び遅延時間の増加を防ぐことができる。また、既存の手法であるPCellに閉じたランダムアクセス手続きを行うため、端末及び基地局を容易に作成できる。
【0114】
(第3の実施形態)
図13〜
図17を参照して、第3の実施形態の無線通信システムについて説明する。第3の実施形態の無線通信システムが第1の実施形態の無線通信システムと異なる点は、端末が、生起した上りデータの優先度に応じて、ランダムアクセスプリアンブルを送信する先の無線通信装置を切り替える点である。この点以外は第1の実施形態と同様である。
【0115】
図13及び
図14は、第3の実施形態の無線通信システムにおける端末UE3と無線通信装置NE31,NE32の間の処理を含むタイミングチャートの例を示す図である。なお、
図13及び
図14では、第1の実施形態で
図2及び
図3に示した処理又はデータと同じ処理又はデータには同じ符号が付されている。また、端末UE3は
図1に示した端末UEに等しく、無線通信装置NE31は
図1に示した無線通信装置NE1及び第1の実施形態の無線通信装置NE11に等しく、無線通信装置NE32は
図1に示した無線通信装置NE2及び第1の実施形態の無線通信装置NE12に等しい。また、端末UE3には、無線通信装置NE31が提供するPCellと無線通信装置NE32が提供するSCellを1つのコンポーネントキャリアセットとして使用するキャリアアグリゲーションが設定される。
【0116】
図13に示したタイミングチャートは
図2に示したタイミングチャートと同じであるため、説明を省略する。
図14は、端末UE3がスケジューリング要求を行っても上りリソースが割り当てられない場合に、端末UE3と無線通信装置NE31又は無線通信装置NE32の間で行われる処理を含むタイミングチャートの一例を示す図である。
図14に示すように、
図13に示した処理T103の後、端末UE3が制御情報で設定された最大送信回数までスケジューリング要求を無線通信装置NE32に送信しても上りリソースが割り当てられない場合(T106)、端末UE3は上りデータの優先度を判断する(T307)。
【0117】
端末UE3が上りデータは高優先度であると判断した場合(T308)、PCellのPRACH(Physical Random Access CHannel)リソースを用いたランダムアクセス手続きを開始して、無線通信装置NE31にランダムアクセスプリアンブルを送信する(T309)。無線通信装置NE31は、上りリソースの通知を含むランダムアクセス応答を作成し、端末UE3に送信する(T310)。端末UE3は、ランダムアクセス応答を受信すると、当該ランダムアクセス応答によって通知された上りリソースを用いて上りデータを無線通信装置NE31に送信する。
【0118】
一方、端末UE3が上りデータは低優先度であると判断した場合(T311)、SCellのPRACH(Physical Random Access CHannel)リソースを用いたランダムアクセス手続きを開始して、無線通信装置NE32にランダムアクセスプリアンブルを送信する(T312)。無線通信装置NE32は、上りリソースの通知を含むランダムアクセス応答を作成し、端末UE3に送信する(T313)。端末UE3は、ランダムアクセス応答を受信すると、当該ランダムアクセス応答によって通知された上りリソースを用いて上りデータを無線通信装置NE32に送信する。
【0119】
なお、無線通信装置NE32は、処理T312で端末UE3から送信されたランダムアクセスプリアンブルを受信した場合、端末UE3からランダムアクセスプリアンブルを受信したことを無線通信装置NE31に通知してもよい。この場合、無線通信装置NE31が端末UE3にランダムアクセス応答を送信する。
【0120】
端末UE3は、処理T312によるSCellでのランダムアクセス手続きが失敗した場合、第1の実施形態の
図1CのようにPCellでのランダムアクセス手続きを行っても良い。
【0121】
図14に示した判断処理T307における、端末UE3による上りデータの優先度の高低の判断は、以下に示す判断方法例1〜7のいずれかに基づいて行われる。但し、判断方法例1〜7以外の判断方法に基づいても良い。なお、判断方法例2及び3で説明されるlogical channel並びに判断方法例4で説明されるベアラは、データを下位の通信レイヤを介して透過的に通すための仮想的な通信経路であるトンネルである。
【0122】
[判断方法例1]
高優先度の上りデータとは、遅延を許容できないデータ、又は、割り当てられた個別スケジューリング要求リソースまでの時間を許容できないデータである。低優先度の上りデータとは、遅延を許容できるデータ、又は、割り当てられた個別スケジューリング要求リソースまでの時間を許容できるデータである。
【0123】
[判断方法例2]
高優先度の上りデータとは、特定の「logical channel」上で送信されるデータである。低優先度の上りデータとは、特定の「logical channel」上で送信されるデータ以外のデータである。
【0124】
[判断方法例3]
高優先度の上りデータとは、特定の「logical channel group」上で送信されるデータである。低優先度の上りデータとは、特定の「logical channel group」上で送信されるデータ以外のデータである。
【0125】
[判断方法例4]
高優先度の上りデータとは、特定のベアラ上で送信されるデータである。低優先度の上りデータとは、特定のベアラ以外のベアラ上で送信されるデータである。
【0126】
[判断方法例5]
高優先度の上りデータとは、RRC層の制御情報である。低優先度の上りデータとは、RRC層の制御情報以外のデータである。
【0127】
[判断方法例6]
高優先度の上りデータとは、RRC層の制御情報である。低優先度の上りデータとは、RRC層の制御情報以外のデータである。
【0128】
[判断方法例6]
高優先度の上りデータとは、移動制御に関連するデータである。低優先度の上りデータとは、移動制御に関連しないデータである。
【0129】
[判断方法例7]
高優先度の上りデータとは、端末UE3が有する図示しないバッテリーの残容量が多い時に生起したデータである。低優先度の上りデータとは、端末UE3のバッテリーの残容量が少ない時に生起したデータである。
【0130】
上記説明した判断方法を用いて、端末UE3が上りデータの優先度を判断するための情報は、以下の方法を用いて端末UE3に設定される。
【0131】
[判断方法設定例1]
端末UE3には、判断方法が予め設定されている。端末UE3は、予め設定された判断方法を基に、生起した上りデータが高優先度か低優先度かを判断する。
【0132】
[判断方法設定例2]
端末UE3には、判断方法が予め設定されている。端末UE3には、無線通信装置NE31又は無線通信装置NE32から、低優先度の上りデータの場合はSCellにおいて端末主導のランダムアクセス手続きを許容するということを通知する1ビットの情報が個別制御情報によって通知される。端末UE3は、この情報が設定されている場合、予め設定された判断方法を基に、生起した上りデータが高優先度か低優先度かを判断する。
【0133】
[判断方法設定例3]
端末UE3は、無線通信装置NE31又は無線通信装置NE32から、個別制御情報によって判断方法が通知される。端末UE3は、通知された判断方法を基に、生起した上りデータが高優先度か低優先度かを判断する。なお、個別制御情報は、RRCのメッセージでもMACのメッセージでもよい。
【0134】
なお、上記判断方法設定例は一例であり、上記説明した判断方法設定例以外の方法を用いて、上りデータの優先度を判断するための情報を設定してもよい。
【0135】
[第3の実施形態の端末UE3の構成]
図15は、第3の実施形態の無線通信システムを構成する端末UE3のブロック図である。
図15に示すように、第3の実施形態の端末UE3は、受信部101と、制御部303と、送信部105とを備える。制御部303は、第1の実施形態の制御部103が有するDSR管理部111及びRACH管理部113に加え、優先度判断部315をさらに有する。以下、本実施形態の制御部303、RACH管理部113及び優先度判断部315について説明する。他の構成要素は第1の実施形態と同じであるため説明を省略する。
【0136】
制御部303は、受信部101に報知情報又は個別制御情報等の制御情報の受信を指示する。制御部303には、受信部101が受信した制御情報が入力される。制御部303に入力された制御情報に含まれるランダムアクセスチャネル設定(RACH config)に関する情報は、制御部303のRACH管理部113に入力される。また、制御部303に入力された制御情報に含まれる個別スケジューリング要求リソースの設定情報は、制御部303のDSR管理部111に入力される。
【0137】
制御部303は、予め設定された上りデータの優先度を判断するための判断方法設定情報、又は、個別制御情報で指示された上りデータの優先度を判断するための判断方法設定情報を、優先度判断部315に出力する。制御部303は、端末UE3の状態及び制御情報に基づいて、個別スケジューリング要求リソースの解放(release)をDSR管理部111に指示する。
【0138】
制御部303は、端末UE3に上りリソースが割り当てられていない場合に端末UE3で上りデータが生起して送信可能になると、スケジューリング要求(SR)の送信をDSR管理部111に指示する。なお、制御部303は、スケジューリング要求の送信をDSR管理部111に指示した後、端末UE3に上りリソースが割り当てられると、上りリソースが割り当てられたことをDSR管理部111に通知する。また、制御部303は、DSR管理部111からスケジューリング要求を送信できないことが通知されると、優先度判断部315が上りデータの優先度を判断するために、上りデータに関する情報を優先度判断部315に入力する。制御部303は、優先度判断部315から出力された上りデータの優先度の判断結果と、ランダムアクセス手続きの開始指示とをRACH管理部113に出力する。
【0139】
制御部303は、RACH管理部113から得られたランダムアクセス応答に含まれる、上りデータを送信するために必要な情報が入力されると、送信したい上りデータを、指示された上りリソースを用いて送信するように、送信部105へ指示する。また、制御部303は、RACH管理部113から得られたランダムアクセス応答に含まれる当該上りデータを送信するために必要な情報と、衝突解決(Contention Resolution)が必要であることを示す情報とが入力されると、それらの情報を基にメッセージ(message 3)を作成して、当該メッセージを送信部105へ出力する。
【0140】
制御部303は、受信部101が衝突解決のメッセージを受信した場合、受信部101から入力された当該メッセージをRACH管理部113に出力する。一方、制御部303は、受信部101が衝突解決のメッセージを受信しない場合、RACH管理部113にランダムアクセスプリアンブルの再送を指示する。制御部303は、RACH管理部113からランダムアクセス手続きが失敗したことを通知されると、再接続(Re-establishment)の手続きを開始する。
【0141】
制御部303が有するRACH管理部113は、制御部303から入力されたランダムアクセスチャネル設定(RACH Config)のうち、SCell用のランダムアクセスチャネル設定をSCellRACH管理部133に出力し、PCell用のランダムアクセスチャネル設定をPCellRACH管理部131に出力する。RACH管理部113は、制御部303からランダムアクセス手続きを開始するよう指示されると、SCellRACH管理部133及びPCellRACH管理部131のどちらにランダムアクセス手続きを開始するよう指示するかを判断する。RACH管理部113は、制御部303から入力された上りデータの優先度が低優先度の場合において、SCellRACH管理部133にSCell用のランダムアクセスチャネル設定を設定した場合、SCellでランダムアクセス手続きを開始すると判断する。
【0142】
なお、RACH管理部113は、SCellにおいて端末主導のランダムアクセス手続きを許容するという個別制御情報が入力されている場合に限り、SCellでランダムアクセス手続きを開始すると判断してもよい。この場合、端末UE3が勝手にSCellでランダムアクセス手続きを行うことを防ぐことができる。
【0143】
RACH管理部113は、SCellでランダムアクセス手続きを開始すると判断すると、SCellRACH管理部133にランダムアクセス手続きを開始するよう指示する。RACH管理部113は、SCellRACH管理部133にランダムアクセス手続きを開始するよう指示した後に、受信部101からランダムアクセス応答が入力されると、SCellRACH管理部133にこのランダムアクセス応答を出力する。
【0144】
RACH管理部113は、SCellRACH管理部133から、ランダムアクセス応答に含まれる上りデータを送信するために必要な情報及びランダムアクセス手続きの成功が通知されると、上りデータを送信するために必要な情報及びランダムアクセス手続きの成功を制御部303に出力する。
【0145】
RACH管理部113は、SCellRACH管理部133から、ランダムアクセス応答に含まれる上りデータを送信するために必要な情報及び衝突解決が必要であることを示す情報が通知されると、上りデータを送信するために必要な情報及び衝突解決が必要であることを示す情報を制御部303に出力する。また、この状態において、RACH管理部113は、制御部303からランダムアクセスプリアンブルの再送が指示されると、ランダムアクセスプリアンブルの再送をSCellRACH管理部133に指示する。同様に、この状態において、RACH管理部113は、受信部101が衝突解決のメッセージを受信したことが制御部303から通知されると、受信部101が衝突解決のメッセージを受信したことをSCellRACH管理部133に出力する。
【0146】
RACH管理部113は、SCellRACH管理部133から、ランダムアクセス手続きの失敗が通知されると、PCellRACH管理部131にランダムアクセス手続きを開始するよう通知する。また、RACH管理部113は、SCellにおいて端末主導のランダムアクセス手続きを開始できないと判断すると、PCellRACH管理部131にランダムアクセス手続きを開始するよう通知する。また、RACH管理部113は、制御部303から入力された上りデータの優先度が高優先度の場合、PCellRACH管理部131にランダムアクセス手続きを開始するよう通知する。RACH管理部113は、PCellRACH管理部131にランダムアクセス手続きを開始するよう指示した後に、受信部101からランダムアクセス応答が入力されると、PCellRACH管理部131にこのランダムアクセス応答を出力する。
【0147】
RACH管理部113は、PCellRACH管理部131から、ランダムアクセス応答に含まれる上りデータを送信するために必要な情報及びランダムアクセス手続きの成功が通知されると、上りデータを送信するために必要な情報及びランダムアクセス手続きの成功を制御部303に出力する。
【0148】
RACH管理部113は、PCellRACH管理部131から、ランダムアクセス応答に含まれる上りデータを送信するために必要な情報及び衝突解決が必要であることを示す情報が入力されると、上りデータを送信するために必要な情報及び衝突解決が必要であることを示す情報を制御部303に出力する。また、この状態において、RACH管理部113は、制御部303からランダムアクセスプリアンブルの再送が指示されると、ランダムアクセスプリアンブルの再送をPCellRACH管理部131に指示する。同様に、この状態において、RACH管理部113は、受信部101が衝突解決のメッセージを受信したことが制御部303から通知されると、受信部101が衝突解決のメッセージを受信したことをPCellRACH管理部131に出力する。
【0149】
優先度判断部315は、制御部303から入力された上りデータの優先度を判断するための判断方法設定情報を管理する。また、優先度判断部315は、制御部303から上りデータに関する情報が入力されると、管理している判断方法設定情報から当該上りデータの優先度を判断し、その判断結果(高優先度又は低優先度)を制御部303に出力する。
【0150】
[第3の実施形態の無線通信装置NE31の構成]
図16は、第3の実施形態の無線通信システムを構成する無線通信装置NE31のブロック図である。
図16に示すように、第3の実施形態の無線通信装置NE31は、無線受信部151と、ネットワーク受信部153と、制御部355と、無線送信部157と、ネットワーク送信部159とを備える。第3の実施形態の無線通信装置NE31が第1の実施形態の無線通信装置NE11と異なる点は制御部355の動作であるため、以下、本実施形態の制御部355について説明する。
【0151】
制御部355は、第1の実施形態の制御部155が有する機能に加え、PCell及びSCellのいずれのPRACHリソースを用いてランダムアクセスプリアンブルを送信するかを判断するための判断方法設定情報を作成する機能を有する。なお、判断方法設定情報は、上記判断方法例1〜7で示した情報を含んでも良い。また、判断方法設定情報は、端末UE3が保持する判断方法設定情報を基に、上りデータが低優先度の場合はSCellにおいて端末手動のランダムアクセス手続きを開始してもよいことを示すフラグを含んでも良い。制御部355は、判断方法設定情報を含む個別制御情報を作成して無線送信部157に出力する。
【0152】
(第3の実施形態における端末UE3の動作)
以下、
図17を参照して、端末UE3に上りリソースが割り当てられていない状態で端末UE3に上りデータが生起して送信可能になった場合の端末UE3の動作について説明する。
図17は、第3の実施形態の無線通信システムにおいて、端末UE3に上りリソースが割り当てられていない状態で端末UE3に上りデータが生起して送信可能になった場合の端末UE3の動作を示すフローチャートである。なお、
図17では、第1の実施形態で
図8に示したフローチャートのステップと同様のステップに同じ符号が付されている。
【0153】
図17に示すように、端末UE3には、SCellにおける個別スケジューリング要求リソース(D-SR)が設定される(ステップS101)。次に、端末UE3は、上りリソースが割り当てられていない状態で上りデータが生起して送信可能になる(ステップS102)と、ステップS103に遷移する。
【0154】
ステップS103では、端末UE3は、個別スケジューリング要求リソースを用いたスケジューリング要求の送信回数が最大送信回数を超えていない(スケジューリング要求の送信回数≦最大送信回数)か否かを判断する。個別スケジューリング要求リソースを用いたスケジューリング要求の送信回数が最大送信回数を超えていない場合(Yesの場合)はステップS104に遷移し、個別スケジューリング要求リソースを用いたスケジューリング要求の送信回数が最大送信回数を超えている場合(Noの場合)はステップS306に遷移する。
【0155】
ステップS104では、端末UE3は、SCell上の個別スケジューリング要求リソースを用いてスケジューリング要求を送信する。次に、端末UE3は、上りリソースの割り当てを受信したか否かを判断し(ステップS105)、上りリソースが割り当てられた場合は一連の処理を終了し、上りリソースが割り当てられない場合はステップS103に戻る。
【0156】
ステップS306では、端末UE3は、優先度判断部315が管理する判断方法設定情報に基づいて、上りデータが高優先度か低優先度かを判断し、上りデータが低優先度であればステップS307に遷移し、高優先度であればステップS310に遷移する。
【0157】
ステップS307では、端末UE3は、SCellに端末主導でランダムアクセス手続きを開始することが許容されており、かつ、SCellにPRACHリソースが設定されているか否かを判断する。端末UE3は、SCellに端末主導でランダムアクセス手続きを開始するためのPRACHリソースが設定されていると判断した場合はステップS308に遷移し、SCellに端末主導でランダムアクセス手続きを開始するためのPRACHリソースが設定されていないと判断した場合はステップS310に遷移する。
【0158】
ステップS308では、端末UE3は、SCellでのランダムアクセス手続きを開始する。次に、端末UE3は、SCellでのランダムアクセス手続きが成功したか否かを判断し(ステップS309)、SCellでのランダムアクセス手続きが成功したと判断した場合は一連の処理を終了し、SCellでのランダムアクセス手続きが失敗したと判断した場合はステップS310に遷移する。
【0159】
ステップS310では、端末UE3は、PCellでのランダムアクセス手続きを開始する。なお、端末UE3は、PCellでのランダムアクセス手続きが失敗した場合、再接続手続きを開始する。
【0160】
以上説明したように、本実施形態によれば、端末UE3は、SCell上の個別スケジューリング要求リソースを用いてスケジューリング要求を送信するため、端末UE3のスケジューリング要求送信時における消費電力を低減できる。また、端末UE3がSCellでスケジューリング要求を行っても上りリソースが割り当てられない場合は、SCellの無線リンクの状態が悪くなっている可能性がある。高優先度の上りデータの送信に際しては、無線リンクがSCellよりも安定したPCellを用いてランダムアクセス手続きが行われるため、当該ランダムアクセス手続きが失敗する可能性は低い。したがって、端末UE3に上りリソースが割り当てられるまでの時間を短縮できる。一方、低優先度の上りデータの送信に際しては、SCellを用いてランダムアクセス手続きが行われるため、当該ランダムアクセス手続きを低い送信電力で行うことができ、端末UE3における消費電力を低減できる。また、PCellのPRACHリソースの使用頻度を下げることができるため、周波数リソースを有効活用できる。
【0161】
(第4の実施形態)
図18〜
図21を参照して、第4の実施形態の無線通信システムについて説明する。第4の実施形態の無線通信システムが第2の実施形態の無線通信システムと異なる点は、端末が、SCell上の個別スケジューリング要求リソースを用いてスケジューリング要求を送信する場合の送信電力を算出するためのパスロス値が閾値以上か否かによって、SCell上の個別スケジューリング要求リソースを用いてスケジューリング要求を送信するか、PCellでランダムアクセス手続きを開始するかを判断する点である。この点以外は第2の実施形態と同様である。
【0162】
図18は、第4の実施形態の無線通信システムにおける端末UE4と無線通信置NE41,NE42の間の処理を含むタイミングチャートの一例を示す図である。端末UE4は
図1に示した端末UE1に等しく、無線通信装置NE41は
図1に示した無線通信装置NE1及び第2の実施形態の無線通信装置NE21に等しく、無線通信装置NE42は
図1に示した無線通信装置NE2及び第2の実施形態の無線通信装置NE22に等しい。また、端末UE4には、無線通信装置NE41が提供するPCellと無線通信装置NE42が提供するSCellを1つのコンポーネントキャリアセットとして使用するキャリアアグリゲーションが設定される。
【0163】
図18に示すように、無線通信装置NE41は、SCell上の個別スケジューリング要求リソースを端末UE4に設定する制御情報を含む個別制御情報を端末UE4に送信する(T401)。
【0164】
上記処理T401において、個別制御情報は、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC再接続設定(RRC Connection Reconfiguration)メッセージ若しくは他のRRCメッセージ、又は、MAC層若しくは物理層のシグナリングで送信される。なお、個別制御情報は無線通信装置NE42が送信してもよい。
【0165】
端末UE4は、上りリソースの割り当てがない場合に上りデータが生起して送信可能になれば(T402)、SCell上の個別スケジューリング要求リソースを用いて無線通信装置NE42にスケジューリング要求(SR)を送信する場合のパスロス値として、パスロス参照セル(Pathloss Reference Cell)のDL(ダウンリンク)の受信電力を検出する(T403)。
【0166】
処理T403でパスロス参照セルのDLの受信電力が閾値以上と判断されると(T404)、端末UE4は、SCell上の個別スケジューリング要求リソースを用いてスケジューリング要求を無線通信装置NE42に送信する(T405)。無線通信装置NE42は、受信したスケジューリング要求(SR)に応じて割り当てた上りリソースを端末UE4に通知する(T406)。端末UE4は、通知された上りリソースを用いて上りデータを無線通信装置NE42に送信する(T407)。
【0167】
なお、無線通信装置NE42は、処理T407で端末UE4から送信されたスケジューリング要求(SR)を受信した場合、端末UE4からスケジューリング要求(SR)を受信したことを無線通信装置NE41に通知してもよい。この場合、無線通信装置NE41が端末UE4に上りリソースを割り当てる。このように、無線通信装置NE41及び無線通信装置NE42のどちらも上りリソースを割り当てることができれば、トラフィック量や端末UE4の受信品質に応じて、最適な上りリソースを端末UE4に割り当てることができる。
【0168】
一方、処理T403でパスロス参照セルのDLの受信電力が閾値未満と判断されると(T408)、端末UE4は、無線通信装置NE41にランダムアクセスプリアンブルを送信する(T409)。無線通信装置NE41は、上りリソースの通知を含むランダムアクセス応答を作成し、端末UE4に送信する(T410)。端末UE4は、ランダムアクセス応答を受信すると、当該ランダムアクセス応答によって通知された上りリソースを用いて上りデータを無線通信装置NE41に送信する。
【0169】
本実施形態では、端末UE4がパスロス参照セル(Pathloss Reference Cell)のDLの受信電力と閾値を比較するが、端末UE4は受信電力(dBm)の代わりに干渉電力も考慮した受信品質(dB)と閾値を比較しても良い。また、パスロス参照セルに限らず、スケジューリング要求を送信するSCellの送信タイミングを求めるためのタイミング参照セル(Timing Reference Cell)のDLの受信電力又は受信品質と閾値を比較しても良い。また、スケジューリング要求を送信するSCellのSIB2リンクのセル(SIB2 linked cell)のDLの受信電力又は受信品質と閾値を比較してもよい。さらに、端末UE4がSCell上の個別スケジューリング要求リソースを用いてスケジューリング要求を無線通信装置NE42に送信する場合の送信電力を算出するためのパスロス値を計算し、このパスロス値と閾値を比較してもよい。
【0170】
なお、端末UE4はパスロス参照セルのDLの受信電力を閾値と比較するが、端末UE4がパスロス参照セルのDLを検出できるか否かに応じて判断してもよい。すなわち、端末UE4がパスロス参照セルのDLを検出できない場合、端末UE4は、DLの受信電力が閾値未満であると判断する。また、端末UE4がパスロス値を計算できるか否かに応じて判断してもよい。すなわち、端末UE4がパスロス値を計算できない場合、端末UE4は、パスロス値が閾値未満であると判断する。他の場合も同様である。
【0171】
[第4の実施形態の端末UE4の構成]
図19は、第4の実施形態の無線通信システムを構成する端末UE4のブロック図である。
図19に示すように、第4の実施形態の端末UE4は、受信部401と、制御部403と、送信部105とを備える。制御部403は、第2の実施形態の制御部203が有するDSR管理部111及びRACH管理部213に加え、SCellDL監視部415をさらに有する。以下、本実施形態の受信部401、制御部403及びSCellDL監視部415について説明する。他の構成要素は第2の実施形態と同じであるため説明を省略する。
【0172】
受信部401は、制御部403からの指示に応じて、端末UE4が接続しているセルのダウンリンクを介して、報知情報又は個別制御情報等の制御情報を受信する。受信部401は、受信した制御情報を制御部403へ出力する。また、受信部401は、ランダムアクセス応答を受信する。受信部401は、受信したランダムアクセス応答を制御部403のRACH管理部213へ出力する。さらに、受信部401は、衝突解決(Contention Resolution)のメッセージを受信する。受信部401は、受信した衝突解決のメッセージを制御部403に出力する。なお、受信部401が受信するランダムアクセス応答は、無線通信装置NE41から送信されたものであっても、無線通信装置NE42から送信されたものであってもよい。
【0173】
受信部401は、SCellDL監視部415からの指示に応じて、該当するセルのDLの受信電力をSCellDL監視部415に出力する。
【0174】
制御部403は、受信部401に報知情報又は個別制御情報等の制御情報の受信を指示する。制御部403には、受信部401が受信した制御情報が入力される。制御部403に入力された制御情報に含まれるランダムアクセスチャネル設定(RACH config)に関する情報は、制御部403のRACH管理部213に入力される。また、制御部403に入力された制御情報に含まれる個別スケジューリング要求リソースの設定情報は、制御部403のDSR管理部111に入力される。制御部403は、端末UE4の状態及び制御情報に基づいて、個別スケジューリング要求リソースの解放(release)をDSR管理部111に指示する。
【0175】
制御部403は、受信部401が受信した個別制御情報からパスロス参照セルのDLの受信電力と比較するための閾値を取得すると、その閾値をSCellDL監視部415に出力する。なお、制御部403は、端末UE4で、パスロス参照セルのDLの受信電力と比較するための閾値を生成してもよい。
【0176】
制御部403は、端末UE4に上りリソースが割り当てられていない場合に端末UE4で上りデータが生起して送信可能になると、スケジューリング要求(SR)を送信するセルにおけるパスロス参照セルのDLの受信電力が閾値以上であるか否かをSCellDL監視部415に問い合わせる。制御部403は、パスロス参照セルのDLの受信電力が閾値以上であるとSCellDL監視部415から通知されると、スケジューリング要求(SR)の送信をDSR管理部111に指示する。なお、制御部403は、スケジューリング要求の送信をDSR管理部111に指示した後、端末UE4に上りリソースが割り当てられると、上りリソースが割り当てられたことをDSR管理部111に通知する。制御部403は、DSR管理部111からスケジューリング要求を送信できないことが通知されると、ランダムアクセス手続きの開始をRACH管理部213に指示する。また、制御部403は、パスロス参照セルのDLの受信電力が閾値未満であるとSCellDL監視部415から通知されると、ランダムアクセス手続きの開始をRACH管理部213に指示する。
【0177】
制御部403は、RACH管理部213から得られたランダムアクセス応答に含まれる、上りデータを送信するために必要な情報が入力されると、送信したい上りデータを、指示された上りリソースを用いて送信するように、送信部105へ指示する。また、制御部403は、RACH管理部213から得られたランダムアクセス応答に含まれる当該上りデータを送信するために必要な情報と、衝突解決(Contention Resolution)が必要であることを示す情報とが入力されると、それらの情報を基にメッセージ(message 3)を作成して、当該メッセージを送信部105へ出力する。
【0178】
制御部403は、受信部401が衝突解決のメッセージを受信した場合、受信部401から入力された当該メッセージをRACH管理部213に出力する。一方、制御部403は、受信部401が衝突解決のメッセージを受信しない場合、RACH管理部213にランダムアクセスプリアンブルの再送を指示する。制御部403は、RACH管理部213からランダムアクセス手続きが失敗したことを通知されると、再接続(Re-establishment)の手続きを開始する。
【0179】
SCellDL監視部415は、パスロス参照セルのDLの受信電力と比較するための閾値の設定が制御部403から入力されると、その設定を管理する。SCellDL監視部415は、閾値と比較するセルが制御部403から指示されると、当該セルのDLの受信電力を測定するよう受信部401に指示する。SCellDL監視部415は、受信部401から入力された当該セルのDLの受信品質と設定された閾値を比較する。SCellDL監視部415は、当該セルのDLの受信電力が閾値以上であるか否かを制御部403に出力する。
【0180】
[第4の実施携帯における無線通信装置NE41の構成]
図20は、第4の実施形態の無線通信システムを構成する無線通信装置NE41のブロック図である。
図20に示すように、第4の実施形態の無線通信装置NE41は、無線受信部151と、ネットワーク受信部153と、制御部455と、無線送信部157と、ネットワーク送信部159とを備える。第4の実施形態の無線通信装置NE41が第2の実施形態の無線通信装置NE21と異なる点は制御部455の動作であるため、以下、本実施形態の制御部455について説明する。
【0181】
制御部455は、第2の実施形態の無線通信装置NE21が備える制御部255の機能に加え、端末UE4がパスロス参照セルのDLの受信電力と比較する閾値を作成する機能を有していても良い。この場合、制御部455は、当該閾値を含む個別制御情報を作成して無線送信部157に出力する。
【0182】
(第4の実施形態における端末UE4の動作)
以下、
図21を参照して、端末UE4に上りリソースが割り当てられていない状態で端末UE4に上りデータが生起して送信可能になった場合の端末UE4の動作について説明する。
図21は、第4の実施形態の無線通信システムにおいて、端末UE4に上りリソースが割り当てられていない状態で端末UE4に上りデータが生起して送信可能になった場合の端末UE4の動作を示すフローチャートである。なお、
図21では、第2の実施形態で
図12に示したフローチャートのステップと同様のステップに同じ符号が付されている。
【0183】
図21に示すように、端末UE4には、SCellにおける個別スケジューリング要求リソース(D-SR)が設定される(ステップS101)。次に、端末UE4は、上りリソースが割り当てられていない状態で上りデータが生起して送信可能になる(ステップS102)と、ステップS403に遷移する。
【0184】
ステップS403では、端末UE4は、SCell上の個別スケジューリング要求リソースを用いてスケジューリング要求を送信する場合のパスロス参照セルのDLの受信電力を閾値と比較する。端末UE4は、パスロス参照セルのDLの受信電力が閾値以上の場合はステップS404に遷移し、パスロス参照セルのDLの受信電力が閾値未満の場合はステップS407に遷移する。
【0185】
ステップS404では、端末UE4は、個別スケジューリング要求リソースを用いたスケジューリング要求の送信回数が最大送信回数を超えていない(スケジューリング要求の送信回数≦最大送信回数)か否かを判断する。個別スケジューリング要求リソースを用いたスケジューリング要求の送信回数が最大送信回数を超えていない場合(Yesの場合)はステップS405に遷移し、個別スケジューリング要求リソースを用いたスケジューリング要求の送信回数が最大送信回数を超えている場合(Noの場合)はステップS407に遷移する。
【0186】
ステップS405では、端末UE4は、SCell上の個別スケジューリング要求リソースを用いてスケジューリング要求を送信する。次に、端末UE4は、上りリソースの割り当てを受信したか否かを判断し(ステップS406)、上りリソースが割り当てられた場合は一連の処理を終了し、上りリソースが割り当てられない場合はステップS404に戻る。
【0187】
ステップS407では、端末UE4は、PCellでのランダムアクセス手続きを開始する。なお、端末UE4は、PCellでのランダムアクセス手続きが失敗した場合、再接続手続きを開始する。
【0188】
以上説明したように、本実施形態によれば、端末UE4がSCell上の個別スケジューリング要求リソースを用いてスケジューリング要求を無線通信装置NE42に送信しても届かないような状況であれば、端末UE4は、実際にスケジューリング要求は送信せず、無線リンクがSCellよりも安定したPCellのランダムアクセス手続きを開始する。このため、端末UE4が無駄な送信処理を行わずにすむため、端末UE4における消費電力を低減でき、遅延時間も短縮できる。
【0189】
(第5の実施形態)
図22〜
図26を参照して、第5の実施形態の無線通信システムについて説明する。第5の実施形態の無線通信システムにおいて、端末は、無線通信装置から上りリソースを割り当ててもらうために、スケジューリング要求(SR)を無線通信装置に送信する。無線通信装置は、スケジューリング要求に応じて、上りリソースを端末に割り当てる。また、無線通信装置は、各端末に対する無線リソース(例えば、周波数領域又は時間領域での周波数帯域)の割り当て及び管理を行い、端末のための無線アクセスネットワークのアクセスポイントの役割を有する。
【0190】
図22及び
図23は、第5の実施形態の無線通信システムにおける端末UE5と無線通信装置NE51,NE52の間の処理を含むタイミングチャートの一例を示す図である。端末UE5は
図1に示した端末UEに等しく、無線通信装置NE41は
図1に示した無線通信装置NE1に等しく、無線通信装置NE42は
図1に示した無線通信装置NE2に等しい。また、端末UE5には、無線通信装置NE51が提供するPCellと無線通信装置NE52が提供するSCellを1つのコンポーネントキャリアセットとして使用するキャリアアグリゲーションが設定される。
【0191】
図22に示すように、無線通信装置NE51は、SCell上の個別スケジューリング要求リソース及びPCell上の個別スケジューリング要求リソースを端末UE5に設定する制御情報を含む個別制御情報を端末UE5に送信する(T501)。なお、当該制御情報には、SCell上又はPCell上における各スケジューリング要求の最大送信回数が含まれる。
【0192】
上記処理T501において、個別制御情報は、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC再接続設定(RRC Connection Reconfiguration)メッセージ若しくは他のRRCメッセージ、又は、MAC層若しくは物理層のシグナリングで送信される。なお、個別制御情報は無線通信装置NE52が送信してもよい。
【0193】
端末UE5は、上りリソースの割り当てがない場合に上りデータが生起して送信可能になれば(T502)、上りデータの優先度を判断する(T503)。
【0194】
端末UE5が上りデータは低優先度であると判断した場合(T504)、端末UE5は、SCell上の個別スケジューリング要求リソースを用いて無線通信装置NE52にスケジューリング要求(SR)を送信する(T505)。無線通信装置NE52は、受信したスケジューリング要求(SR)に応じて割り当てた上りリソースを端末UE5に通知する(T506)。端末UE5は、通知された上りリソースを用いて上りデータを無線通信装置NE52に送信する(T507)。
【0195】
一方、端末UE5が上りデータは高優先度であると判断した場合、又は、処理T505後、端末UE5が制御情報で設定された最大送信回数までSCellにおけるスケジューリング要求を無線通信装置NE52に送信しても上りリソースが割り当てられない場合(T508)、端末UE5は、PCell上の個別スケジューリング要求リソースを用いて無線通信装置NE51にスケジューリング要求(SR)を送信する(T509)。無線通信装置NE51は、受信したスケジューリング要求(SR)に応じて割り当てた上りリソースを端末UE5に通知する(T510)。端末UE5は、通知された上りリソースを用いて上りデータを無線通信装置NE51に送信する(T511)。
【0196】
図23は、端末UE5がスケジューリング要求を行っても上りリソースが割り当てられない場合に、端末UE5と無線通信装置NE51の間で行われる処理を含むタイミングチャートの一例を示す図である。
図23に示すように、
図22に示した処理上記T509の後、端末UE5が制御情報で設定された最大送信回数までPCellにおけるスケジューリング要求を無線通信装置NE51に送信しても上りリソースが割り当てられない場合(T513)、端末UE5は、PCellのPRACH(Physical Random Access CHannel)リソースを用いたランダムアクセス手続きを開始して、無線通信装置NE51にランダムアクセスプリアンブルを送信する(T514)。無線通信装置NE51は、上りリソースの通知を含むランダムアクセス応答を作成し、端末UE5に送信する(T515)。端末UE5は、ランダムアクセス応答を受信すると、当該ランダムアクセス応答によって通知された上りリソースを用いて上りデータを無線通信装置NE51に送信する。
【0197】
[第5の実施形態の端末UE5の構成]
図24は、第5の実施形態の無線通信システムを構成する端末UE5のブロック図である。
図24に示すように、第5の実施形態の端末UE5は、受信部501と、制御部503と、送信部505とを備える。制御部503は、DSR管理部511と、RACH管理部513と、優先度判断部515とを有する。DSR管理部511は、SCellDSR管理部521と、PCellDSR管理部523とを有する。RACH管理部513は、PCellRACH管理部131を有する。
【0198】
なお、受信部501及び送信部505は、第1の実施形態の受信部101及び送信部105と同様である。また、制御部503が有する優先度判断部515は、第3の実施形態の優先度判断部315と同様である。また、DSR管理部511が有するSCellDSR管理部521は、第1の実施形態のSCellDSR管理部121と同様である。また、RACH管理部513は、第2の実施形態のRACH管理部213と同様である。以下、本実施形態の制御部503、DSR管理部511及びPCellDSR管理部523について説明する。
【0199】
制御部503は、受信部501に報知情報又は個別制御情報等の制御情報の受信を指示する。制御部503には、受信部501が受信した制御情報が入力される。制御部503に入力された制御情報に含まれるランダムアクセスチャネル設定(RACH config)に関する情報は、制御部503のRACH管理部513に入力される。また、制御部503に入力された制御情報に含まれる個別スケジューリング要求リソースの設定情報は、制御部503のDSR管理部511に入力される。制御部503は、端末UE5の状態及び制御情報に基づいて、個別スケジューリング要求リソースの解放(release)をDSR管理部511に指示する。
【0200】
制御部503は、予め設定された上りデータの優先度を判断するための判断方法設定情報、又は、個別制御情報で指示された上りデータの優先度を判断するための判断方法設定情報を、優先度判断部515に出力する。制御部503は、端末UE5の状態及び制御情報に基づいて、個別スケジューリング要求リソースの解放(release)をDSR管理部511に指示する。
【0201】
制御部503は、端末UE5に上りリソースが割り当てられていない場合に端末UE5で上りデータが生起して送信可能になると、優先度判断部515が上りデータの優先度を判断するために、上りデータに関する情報を優先度判断部515に入力する。制御部503は、優先度判断部515から出力された上りデータの優先度の判断結果と、スケジューリング要求(SR)の送信をDSR管理部511に指示する。なお、制御部503は、スケジューリング要求の送信をDSR管理部511に指示した後、端末UE5に上りリソースが割り当てられると、上りリソースが割り当てられたことをDSR管理部511に通知する。また、制御部503は、DSR管理部511からスケジューリング要求を送信できないことが通知されると、RACH管理部513にランダムアクセス手続きの開始を指示する。
【0202】
制御部503は、RACH管理部513から得られたランダムアクセス応答に含まれる、上りデータを送信するために必要な情報が入力されると、送信したい上りデータを、指示された上りリソースを用いて送信するように、送信部505へ指示する。また、制御部503は、RACH管理部513から得られたランダムアクセス応答に含まれる当該上りデータを送信するために必要な情報と、衝突解決(Contention Resolution)が必要であることを示す情報とが入力されると、それらの情報を基にメッセージ(message 3)を作成して、当該メッセージを送信部505へ出力する。
【0203】
制御部503は、受信部501が衝突解決のメッセージを受信した場合、受信部501から入力された当該メッセージをRACH管理部513に出力する。一方、制御部503は、受信部501が衝突解決のメッセージを受信しない場合、RACH管理部513にランダムアクセスプリアンブルの再送を指示する。制御部503は、RACH管理部513からランダムアクセス手続きが失敗したことを通知されると、再接続(Re-establishment)の手続きを開始する。
【0204】
制御部503が有するDSR管理部511は、制御部503から入力された個別スケジューリング要求リソースの設定情報を管理する。なお、個別スケジューリング要求リソースの設定情報は、個別スケジューリング要求リソース(sr-PUUCCH-ResourceIndex, sr-ConfigIndex, sr-PUCCH-ResourceIndexP1-r10)、及び、個別スケジューリング要求リソースを用いたスケジューリング要求(SR)の最大送信可能回数(dsr-Trans)などを含む。また、DSR管理部511は、制御部503から指示された個別スケジューリング要求リソースに関する現在の設定の解放(release)を行う。
【0205】
DSR管理部511は、制御部503からSCellにおける個別スケジューリング要求リソースの送信が指示された場合、SCellに関する個別スケジューリング要求リソースの設定情報をSCellDSR管理部521に出力する。また、DSR管理部511は、制御部503からSCellに関する個別スケジューリング要求リソースの現在の設定の解放(release)が指示されると、SCellDSR管理部521に個別スケジューリング要求リソースの設定の解放(release)を指示する。
【0206】
また、DSR管理部511は、制御部503からPCellにおける個別スケジューリング要求リソースの送信が指示された場合、PCellに関する個別スケジューリング要求リソースの設定情報をPCellDSR管理部523に出力する。また、DSR管理部511は、制御部503からPCellに関する個別スケジューリング要求リソースの現在の設定の解放(release)が指示されると、PCellDSR管理部523に個別スケジューリング要求リソースの設定の解放(release)を指示する。
【0207】
DSR管理部511は、優先度判断部515による上りデータの優先度の判断結果と、スケジューリング要求(SR)の送信の指示とが制御部503から入力されると、上りデータが低優先度の場合、SCellDSR管理部521にスケジューリング要求を送信するよう指示する。この後、DSR管理部511は、端末UE5に上りリソースが割り当てられたことが制御部503から通知されると、SCellDSR管理部521に上りリソースが割り当てられたことを通知する。
【0208】
DSR管理部511は、SCellDSR管理部521から、個別スケジューリング要求リソースが設定されていないことを通知され、端末UE5がスケジューリング要求を送信できない状態であると判断すると、PCellDSR管理部523にスケジューリング要求を送信するよう指示する。また、DSR管理部511は、SCellDSR管理部521からスケジューリング要求の送信に失敗したことが通知され、SCellを提供する無線通信装置にスケジューリング要求を送信できないと判断すると、PCellDSR管理部523にスケジューリング要求を送信するように指示する。
【0209】
また、DSR管理部511は、優先度判断部515による上りデータの優先度の判断結果と、スケジューリング要求(SR)の送信の指示とが制御部503から入力されると、上りデータが高優先度の場合、PCellDSR管理部523にスケジューリング要求を送信するように指示する。この後、DSR管理部511は、端末UE5に上りリソースが割り当てられたことが制御部503から通知されると、PCellDSR管理部523に上りリソースが割り当てられたことを通知する。
【0210】
DSR管理部511は、PCellDSR管理部523ら、個別スケジューリング要求リソースが設定されていないことを通知され、端末UE5がスケジューリング要求を送信できない状態であると判断すると、制御部503にスケジューリング要求を送信できないと通知する。また、DSR管理部511は、PCellDSR管理部523からスケジューリング要求の送信に失敗したことを通知され、端末UE5がスケジューリング要求を送信できない状態であると判断すると、制御部503にスケジューリング要求を送信できないと通知する。
【0211】
DSR管理部511が有するPCellDSR管理部523は、DSR管理部511からスケジューリング要求を送信するように指示されると、スケジューリング要求を生成する。さらに、PCellDSR管理部523は、個別スケジューリング要求リソースの設定情報に基づくタイミングでスケジューリング要求を送信するよう送信部505に指示する。但し、PCellDSR管理部523は、個別スケジューリング要求リソースが設定されていない場合、個別スケジューリング要求リソースが設定されていないことをDSR管理部511に通知する。
【0212】
PCellDSR管理部523は、端末UE5に上りリソースが割り当てられたことがDSR管理部511から通知されると、スケジューリング要求の送信指示を停止する。一方、スケジューリング要求の送信回数が最大送信可能回数(dsr-Trans)に達しても上りリソースの割り当てが通知されない場合、PCellDSR管理部523は、スケジューリング要求が失敗したことをDSR管理部511に通知する。この場合、PCellDSR管理部523は、設定されていた個別スケジューリング要求リソースを解放(release)する。
【0213】
[第5の実施形態の無線通信装置NE51の構成]
図25は、第5の実施形態の無線通信システムを構成する無線通信装置NE51のブロック図である。
図25に示すように、第5の実施形態の無線通信装置NE51は、無線受信部151と、ネットワーク受信部153と、制御部555と、無線送信部157と、ネットワーク送信部159とを備える。第5の実施形態の無線通信装置NE51が第1の実施形態の無線通信装置NE11と異なる点は制御部555の動作であるため、以下、本実施形態の制御部555について説明する。
【0214】
制御部555は、第1の実施形態の無線通信装置NE11が備える制御部155の機能に加え、SCell上の個別スケジューリング要求リソースを用いてスケジューリング要求を送信するか、PCell上の個別スケジューリング要求リソースを用いてスケジューリング要求を送信するかを判断するための判断方法設定情報を作成する機能を有していても良い。なお、判断方法設定情報は、第3の実施形態で説明した判断方法例1〜7で示した情報を含んでも良い。また、判断方法設定情報は、端末UE5が保持する判断方法設定情報を基に、上りデータが低優先度の場合はSCellにおいて端末手動のランダムアクセス手続きを開始してもよいことを示すフラグを含んでも良い。制御部555は、判断方法設定情報を含む個別制御情報を作成して無線送信部157に出力する。
【0215】
(第5の実施形態における端末UE5の動作)
以下、
図26を参照して、端末UE5に上りリソースが割り当てられていない状態で端末UE5に上りデータが生起して送信可能になった場合の端末UE5の動作について説明する。
図26は、第5の実施形態の無線通信システムにおいて、端末UE5に上りリソースが割り当てられていない状態で端末UE5に上りデータが生起して送信可能になった場合の端末UE5の動作を示すフローチャートである。
【0216】
図26に示すように、端末UE5は、SCell及びPCellにおける個別スケジューリング要求リソース(D-SR)が設定される(ステップS501)。次に、端末UE5は、上りリソースが割り当てられていない状態で上りデータが生起して送信可能になる(ステップS502)と、ステップS503に遷移する。
【0217】
ステップS503では、端末UE5は、優先度判断部515が管理する判断方法設定情報に基づいて、上りデータが高優先度か低優先度かを判断し、上りデータが低優先度であればステップS504に遷移し、高優先度であればステップS508に遷移する。
【0218】
ステップS504では、端末UE5は、個別スケジューリング要求リソースがSCellに設定されているか否かを判断し、SCellに設定されていればステップS505に遷移し、SCellに設定されていない場合はステップS508に遷移する。ステップS505では、端末UE5は、個別スケジューリング要求リソースを用いたスケジューリング要求の送信回数が最大送信回数を超えていない(スケジューリング要求の送信回数≦最大送信回数)か否かを判断する。個別スケジューリング要求リソースを用いたスケジューリング要求の送信回数が最大送信回数を超えていない場合(Yesの場合)はステップS506に遷移し、個別スケジューリング要求リソースを用いたスケジューリング要求の送信回数が最大送信回数を超えている場合(Noの場合)はステップS508に遷移する。
【0219】
ステップS506では、端末UE5は、SCell上の個別スケジューリング要求リソースを用いてスケジューリング要求を送信する。次に、端末UE5は、上りリソースの割り当てを受信したか否かを判断し(ステップS507)、上りリソースが割り当てられた場合は一連の処理を終了し、上りリソースが割り当てられない場合はステップS505に戻る。
【0220】
ステップS508では、端末UE5は、個別スケジューリング要求リソースがPCellに設定されているか否かを判断し、PCellに設定されていればステップS509に遷移し、PCellに設定されていない場合はステップS512に遷移する。ステップS509では、端末UE5は、個別スケジューリング要求リソースを用いたスケジューリング要求の送信回数が最大送信回数を超えていない(スケジューリング要求の送信回数≦最大送信回数)か否かを判断する。個別スケジューリング要求リソースを用いたスケジューリング要求の送信回数が最大送信回数を超えていない場合(Yesの場合)はステップS510に遷移し、個別スケジューリング要求リソースを用いたスケジューリング要求の送信回数が最大送信回数を超えている場合(Noの場合)はステップS512に遷移する。
【0221】
ステップS510では、端末UE5は、PCell上の個別スケジューリング要求リソースを用いてスケジューリング要求を送信する。次に、端末UE5は、上りリソースの割り当てを受信したか否かを判断し(ステップS511)、上りリソースが割り当てられた場合は一連の処理を終了し、上りリソースが割り当てられない場合はステップS509に戻る。
【0222】
ステップS512では、端末UE5は、PCellでのランダムアクセス手続きを開始する。なお、端末UE5は、PCellでのランダムアクセス手続きが失敗した場合、再接続手続きを開始する。
【0223】
以上説明したように、本実施形態では、上りデータが低優先度であれば、端末UE5は、SCell上の個別スケジューリング要求リソースを用いてスケジューリング要求を送信するため、端末UE5における消費電力を低減できる。また、上りデータが高優先度であれば、端末UE5は必ずPCellで上りリソースを要求するため、無線通信装置NE51がPCellでの上りリソースの要求を優先して取り扱うことができる。このため、無線通信装置NE51における上りリソースの割り当てに関するスケジューリングが容易になる。
【0224】
なお、上記各実施形態では、端末がPCellのダウンリンクを介して個別制御情報を取得する例を記載したが、端末は、SCellのダウンリンクを介して個別制御情報を取得してもよい。また、PCellとSCellを異なる無線通信装置が提供する例を記載したが、PCellとSCellを同じ無線通信装置が提供してもよい。さらに、スケジューリング要求を受信した無線通信装置とは異なる無線通信装置が端末に上りリソースを通知してもよい。また、ランダムアクセスプリアンブルを受信した無線通信装置とは異なる無線通信装置が端末にランダムアクセス応答を送信してもよい。
【0225】
なお、第4の実施形態で説明した方法は、上記他の実施形態と組み合わせて使用することができる。
【0226】
なお、第4の実施形態で説明した個別スケジューリング要求リソースを用いてスケジューリング要求を送信する際の送信電力の算出に用いるパスロス参照セルのDLの受信電力が閾値以上か否かの判断を、第3の実施形態で説明した上りデータが高優先度か否かの判断と置き換えても良い。このようにすることで、端末は、上りデータが低優先度の場合は、SCell上の個別スケジューリング要求リソースを用いてスケジューリング要求を送信し、上りデータが高優先度の場合は、PCellでランダムアクセス手続きを開始する。この場合、上りデータが高優先度であれば、常にPCellで上りリソースを要求するため、端末の消費電力を低減し、無線通信装置における上りリソースの割り当てに関するスケジューリングが容易にできる。なお、この場合、SCellでの個別スケジューリング要求リソースを用いたスケジューリング要求に失敗した後、SCellにおいて端末主導のランダムアクセス手続きが許容されている場合、端末は、SCellにおいてランダムアクセス手続きを開始してもよい。
【0227】
なお、上記各実施形態では、キャリアアグリゲーションの運用をPCellとSCellを用いて説明したが、通信セルという概念をコンポーネントキャリアと読み替えても良い。また、複数の無線通信装置又はアンテナを用いて、仮想的なセルを形成する仮想セル(Virtual Cell)と読み替えてもよい。また、複数の無線通信装置又はアンテナが協調動作することにより、カバレッジが変化する幽霊セル(Phantom Cell)と読み替えても良い。
【0228】
なお、上記各実施形態において、個別スケジューリング要求リソースが設定されたセルのSIB2リンクのDLセル(SIB2 linked DL cell)がdeactivateされた場合、端末は当該個別スケジューリング要求リソースを用いたスケジューリング要求を送信しない。これは、deactivateされたセルでは送信電力が正しく計算できないためである。なお、端末は、個別スケジューリング要求リソースが設定されたセルのSIB2リンクのDLセル(SIB2 linked DL cell)がdeactivateされた場合、当該個別スケジューリング要求リソースを解放して
もよい。このようにすることで、当該リソースを他の端末に割り当てることができる。
【0229】
なお、上記各実施形態において、設定された個別スケジューリング要求リソースを使用できない場合、個別スケジューリング要求の送信回数が最大値に達した場合と同様の動作を行う。ただし、ランダムアクセス手続きを開始するセルがdeactivate状態の場合は、PCellにおいてランダムアクセス手続きを開始する。
【0230】
上記各実施形態では、本開示をハードウェアで構成する場合を例にとって説明したが、本開示はハードウェアとの連携においてソフトウェアで実現することも可能である。
【0231】
また、上記各実施形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されても良いし、一部又は全てを含むように1チップ化されても良い。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0232】
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現しても良い。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用しても良い。
【0233】
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行っても良い。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【0234】
なお、上記実施形態ではアンテナとして説明したが、アンテナポートでも同様に適用できる。アンテナポート(Antenna port)とは、1本又は複数の物理アンテナから構成される論理的なアンテナを指す。すなわち、アンテナポートは必ずしも1本の物理アンテナを指すとは限らず、複数のアンテナから構成されるアレイアンテナ等を指すことがある。例えばLTE(Long Term Evolution)においては、アンテナポートが何本の物理アンテナから構成されるかは規定されず、基地局が異なる参照新号(Reference signal)を送信できる最小単位として規定されている。また、アンテナポートは、プリコーディング・ベクトル(Precoding vector)の重み付けを乗算する最小単位として規定されることもある。
【0235】
以上説明した各実施の形態は、次のような態様の開示を含むものである。
【0236】
<無線通信端末UEの開示1>
無線通信端末であって、前記無線通信端末と通信可能な無線通信装置に上りリソースの割り当てを要求するためのスケジューリング要求を送信する際に用いる個別スケジューリング要求リソースが、キャリアアグリゲーションで使用するコンポーネントキャリアセットを構成する2種類のセルの内、第1セルよりもセルカバレッジが小さい第2セル上に設定された場合であって、
前記無線通信端末に上りリソースが割り当てられていない場合、前記無線通信端末に上りデータが生起すると、前記第2セル上の個別スケジューリング要求リソースを用いてスケジューリング要求を前記無線通信装置に送信して、前記無線通信装置に上りリソースの割り当てを要求する処理をするDSR管理部と、
前記スケジューリング要求に応じた上りリソースの割り当てが行われない場合、ランダムアクセスプリアンブルを前記無線通信装置に送信して、前記無線通信装置に上りリソースの割り当てを要求するランダムアクセス手続きを行うRACH管理部と、
を備えた無線通信端末。
【0237】
<無線通信端末UEの開示2>
上記開示1に記載の無線通信端末であって、
前記RACH管理部は、
前記スケジューリング要求を送信しても上りリソースが割り当てられない場合、前記第2セルでのランダムアクセス手続きを行い、
前記第2セルでのランダムアクセス手続きに失敗した場合、前記第1セルでのランダムアクセス手続きを行う無線通信端末。
【0238】
<無線通信端末UEの開示3>
上記開示1に記載の無線通信端末であって、
前記RACH管理部は、
前記スケジューリング要求を送信しても上りリソースが割り当てられない場合、前記第1セルでのランダムアクセス手続きを行う無線通信端末。
【0239】
<無線通信端末UEの開示4>
上記開示1に記載の無線通信端末であって、
所定の判断方法により前記上りデータの優先度の高低を判断する優先度判断部を備え、
前記RACH管理部は、
前記上りデータの優先度が高いと判断された場合、前記第1セルでのランダムアクセス手続きを行い、
前記上りデータの優先度が低いと判断された場合、前記第2セルでのランダムアクセス手続きを行う無線通信端末。
【0240】
<無線通信端末UEの開示5>
上記開示4に記載の無線通信端末であって、
前記RACH管理部は、
前記第2セルでのランダムアクセス手続きに失敗した場合、前記第1セルでのランダムアクセス手続きを行う無線通信端末。
【0241】
<無線通信端末UEの開示6>
上記開示1〜5のいずれか一項に記載の無線通信端末であって、
前記スケジューリング要求を送信しても上りリソースが割り当てられない場合とは、前記DSR管理部が前記スケジューリング要求を所定回数、前記無線通信装置に送信しても、前記無線通信端末に上りリソースが割り当てられない場合である無線通信端末。
【0242】
<無線通信端末UEの開示7>
無線通信端末であって、前記無線通信端末と通信可能な無線通信装置に上りリソースの割り当てを要求するためのスケジューリング要求を送信する際に用いる個別スケジューリング要求リソースが、キャリアアグリゲーションで使用するコンポーネントキャリアセットを構成する2種類のセルの内、第1セルよりもセルカバレッジが小さい第2セル上に設定された場合であって、
前記無線通信端末に上りリソースが割り当てられていない場合、前記無線通信端末に上りデータが生起すると、前記第2セル上の個別スケジューリング要求リソースを用いてスケジューリング要求を前記無線通信装置に送信する場合のパスロス値を閾値と比較する比較部と、
前記パスロス値が前記閾値以上の場合、前記第2セル上の個別スケジューリング要求リソースを用いてスケジューリング要求を前記無線通信装置に送信して、前記無線通信装置に上りリソースの割り当てを要求する処理をするDSR管理部と、
前記パスロス値が前記閾値未満の場合、ランダムアクセスプリアンブルを前記無線通信装置に送信して、前記無線通信装置に上りリソースの割り当てを要求する前記第1セルでのランダムアクセス手続きを行うRACH管理部と、
を備えた無線通信端末。
【0243】
<無線通信端末UEの開示8>
無線通信端末であって、前記無線通信端末と通信可能な無線通信装置に上りリソースの割り当てを要求するためのスケジューリング要求を送信する際に用いる個別スケジューリング要求リソースが、キャリアアグリゲーションで使用するコンポーネントキャリアセットを構成する2種類のセルの内、第1セルよりもセルカバレッジが小さい第2セル上に設定された場合であって、
前記無線通信端末に上りリソースが割り当てられていない場合、前記無線通信端末に上りデータが生起すると、所定の判断方法により前記上りデータの優先度の高低を判断する優先度判断部と、
前記上りデータの優先度が低いと判断された場合、前記第2セル上の個別スケジューリング要求リソースを用いてスケジューリング要求を前記無線通信装置に送信して、前記無線通信装置に上りリソースの割り当てを要求する処理をするDSR管理部と、
前記上りデータの優先度が高いと判断された場合、ランダムアクセスプリアンブルを前記無線通信装置に送信して、前記無線通信装置に上りリソースの割り当てを要求する前記第1セルでのランダムアクセス手続きを行うRACH管理部と、
を備えた無線通信端末。
【0244】
<無線通信端末UEの開示9>
上記開示7又は8に記載の無線通信端末であって、
前記DSR管理部が前記スケジューリング要求を所定回数、前記無線通信装置に送信しても、前記無線通信端末に上りリソースが割り当てられない場合、前記RACH管理部は、前記第1セルでのランダムアクセス手続きを行う無線通信端末。
【0245】
<無線通信端末UEの開示10>
無線通信端末であって、前記無線通信端末と通信可能な無線通信装置に上りリソースの割り当てを要求するためのスケジューリング要求を送信する際に用いる個別スケジューリング要求リソースが、キャリアアグリゲーションで使用するコンポーネントキャリアセットを構成する2種類のセルの内、第1セルよりもセルカバレッジが小さい第2セル上に設定された場合であって、
前記無線通信端末に上りリソースが割り当てられていない場合、前記無線通信端末に上りデータが生起すると、所定の判断方法により前記上りデータの優先度の高低を判断する優先度判断部と、
前記第1セル又は前記第2セル上の個別スケジューリング要求リソースを用いてスケジューリング要求を前記無線通信装置に送信して、前記無線通信装置に上りリソースの割り当てを要求する処理をするDSR管理部と、を備え、
前記上りデータの優先度が低いと判断された場合、前記DSR管理部は、前記第2セル上の個別スケジューリング要求リソースを用いたスケジューリング要求を送信し、
前記上りデータの優先度が高いと判断された場合、又は、前記第2セルでスケジューリング要求を送信しても上りリソースが割り当てられない場合、前記DSR管理部は、前記第1セル上の個別スケジューリング要求リソースを用いたスケジューリング要求を送信する無線通信端末。
【0246】
<無線通信端末UEの開示11>
上記開示10に記載の無線通信端末であって、
前記第1セルでスケジューリング要求を送信しても上りリソースが割り当てられない場合、ランダムアクセスプリアンブルを前記無線通信装置に送信して、前記無線通信装置に上りリソースの割り当てを要求する前記第1セルでのランダムアクセス手続きを行うRACH管理部を備えた無線通信端末。
【0247】
<無線通信端末UEの開示12>
上記開示10又は11に記載の無線通信端末であって、
前記スケジューリング要求を送信しても上りリソースが割り当てられない場合とは、前記DSR管理部が前記スケジューリング要求を所定回数、前記無線通信装置に送信しても、前記無線通信端末に上りリソースが割り当てられない場合である無線通信端末。
【0248】
<無線通信装置NEの開示1>
キャリアアグリゲーションで使用するコンポーネントキャリアセットを構成する2種類のセルの内、第1セルよりもセルカバレッジが小さい第2セルを提供する、無線通信端末と通信可能な無線通信装置であって、
前記無線通信端末が利用可能な前記第2セル上の個別スケジューリング要求リソースに関する設定情報を含む個別制御情報を前記無線通信端末に送信する無線通信装置。
【0249】
<無線通信装置NEの開示2>
上記開示1に記載の無線通信装置であって、
前記個別制御情報は、上りリソースの割り当てを求めるために前記第2セルにおいて前記無線通信端末主導のランダムアクセス手続きの開始を指示する許容情報を含む無線通信装置。
【0250】
<無線通信システムの開示>
キャリアアグリゲーションで使用するコンポーネントキャリアセットを構成する2種類のセルの内、第1セルよりもセルカバレッジが小さい第2セルを提供する、無線通信端末と通信可能な無線通信装置と、
前記無線通信装置に上りリソースの割り当てを要求するためのスケジューリング要求を送信する際に用いる個別スケジューリング要求リソースが前記第2セル上に設定された無線通信端末と、を備えた無線通信システムであって、
前記無線通信装置は、前記無線通信端末が利用可能な前記第2セル上の個別スケジューリング要求リソースに関する設定情報を含む個別制御情報を前記無線通信端末に送信し、
前記無線通信端末は、
前記無線通信端末に上りリソースが割り当てられていない場合、前記無線通信端末に上りデータが生起すると、前記第2セル上の個別スケジューリング要求リソースを用いてスケジューリング要求を前記無線通信装置に送信して、前記無線通信装置に上りリソースの割り当てを要求する処理をするDSR管理部と、
前記スケジューリング要求に応じた上りリソースの割り当てが行われない場合、ランダムアクセスプリアンブルを前記無線通信装置に送信して、前記無線通信装置に上りリソースの割り当てを要求するランダムアクセス手続きを行うRACH管理部と、を備える無線通信システム。
【0251】
<上りリソース要求処理方法の開示>
無線通信端末と通信可能な無線通信装置に上りリソースの割り当てを要求するためのスケジューリング要求を送信する際に用いる個別スケジューリング要求リソースが、キャリアアグリゲーションで使用するコンポーネントキャリアセットを構成する2種類のセルの内、第1セルよりもセルカバレッジが小さい第2セル上に設定された前記無線通信端末による上りリソース要求処理方法であって、
前記無線通信端末に上りリソースが割り当てられていない場合、前記無線通信端末に上りデータが生起すると、前記第2セル上の個別スケジューリング要求リソースを用いてスケジューリング要求を前記無線通信装置に送信して、前記無線通信装置に上りリソースの割り当てを要求する処理を行い、
前記スケジューリング要求に応じた上りリソースの割り当てが行われない場合、ランダムアクセスプリアンブルを前記無線通信装置に送信して、前記無線通信装置に上りリソースの割り当てを要求するランダムアクセス手続きを行う上りリソース要求処理方法。
【0252】
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。
【0253】
本出願は、2012年5月31日出願の日本特許出願(特願2012-123831)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。