特許第6348726号(P6348726)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6348726情報共有システム、情報処理装置、プログラム及び情報共有方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6348726
(24)【登録日】2018年6月8日
(45)【発行日】2018年6月27日
(54)【発明の名称】情報共有システム、情報処理装置、プログラム及び情報共有方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20180618BHJP
   G06F 13/00 20060101ALI20180618BHJP
   A63F 13/497 20140101ALI20180618BHJP
   A63F 13/85 20140101ALI20180618BHJP
   A63F 13/35 20140101ALI20180618BHJP
   A63F 13/798 20140101ALI20180618BHJP
【FI】
   G06Q50/10
   G06F13/00 560A
   A63F13/497
   A63F13/85
   A63F13/35
   A63F13/798
【請求項の数】16
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2014-25818(P2014-25818)
(22)【出願日】2014年2月13日
(65)【公開番号】特開2015-153101(P2015-153101A)
(43)【公開日】2015年8月24日
【審査請求日】2016年12月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000233778
【氏名又は名称】任天堂株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】特許業務法人朝日特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100130269
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 盛規
(72)【発明者】
【氏名】林田 宏一
【審査官】 田川 泰宏
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2012/0100910(US,A1)
【文献】 特開2010−239991(JP,A)
【文献】 特開2004−329950(JP,A)
【文献】 特開2013−101594(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/111249(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
A63F 13/00−13/96
G06F 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの操作に応じてアプリケーションプログラムを実行する実行手段と、
前記実行手段による実行過程を再現するためのリプレイデータを記録する記録手段と、
前記アプリケーションプログラムに関連付けられた投稿情報を前記ユーザの操作に基づいて生成する生成手段と、
前記生成手段により生成された投稿情報を送信する旨の操作を受け付けると、前記投稿情報に関連付けられた前記アプリケーションプログラムのリプレイデータを特定し、特定したリプレイデータを前記投稿情報に埋め込んで送信する送信手段と、
前記送信手段により送信された投稿情報とリプレイデータを関連付けて複数のユーザと共有する共有手段と
を備える情報共有システム。
【請求項2】
前記共有手段は、前記生成手段により前記投稿情報が生成された時点での最新の前記リプレイデータを当該投稿情報に関連付けて提示する
請求項1に記載の情報共有システム。
【請求項3】
前記複数のユーザの前記投稿情報の表示を制御する第1の表示制御手段を備え、
前記第1の表示制御手段は、前記投稿情報のいずれかが前記ユーザの操作によって選択されると、当該選択された投稿情報に関連付けられた前記リプレイデータを用いて再現された前記アプリケーションプログラムの実行過程を表示するように制御する
請求項1又は2に記載の情報共有システム。
【請求項4】
前記実行手段は、機能が異なる複数のアプリケーションプログラムのそれぞれ、又は複数の異なる機能を実行可能なアプリケーションプログラムを実行し、
前記記録手段は、前記複数の機能のそれぞれに対するリプレイデータを記録し、
前記共有手段は、前記投稿情報及び前記リプレイデータを前記機能毎に管理する
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の情報共有システム。
【請求項5】
前記投稿情報の表示を前記機能毎に制御する第1の表示制御手段と、
第1の機能に関する前記投稿情報が前記第1の表示制御手段により表示されているときに、当該第1の機能と異なる少なくとも一の機能に関する前記投稿情報を受信する受信手段とを備える
請求項4に記載の情報共有システム。
【請求項6】
前記生成手段は、前記機能の識別情報を含む前記投稿情報を生成する
請求項4又は5に記載の情報共有システム。
【請求項7】
前記記録手段は、前記実行手段による実行結果に応じて定まる評価を表す評価データを前記リプレイデータとともに記録し、
前記共有手段は、前記評価データを前記投稿情報及び前記リプレイデータと関連付けて管理する
請求項1ないし6のいずれか1項に記載の情報共有システム。
【請求項8】
1の表示制御手段により前記投稿情報が表示される場合に、当該投稿情報に関連付けられた前記評価データが表す前記評価の表示を制御する第2の表示制御手段を備える
請求項7に記載の情報共有システム。
【請求項9】
前記リプレイデータは、前記操作の履歴を表すデータである
請求項1ないし8のいずれか1項に記載の情報共有システム。
【請求項10】
前記アプリケーションプログラムは、前記ユーザの操作に応じてオブジェクトを移動させる処理を実行し、 前記リプレイデータは、前記オブジェクトの位置の履歴を表すデータである
請求項1ないし8のいずれか1項に記載の情報共有システム。
【請求項11】
前記アプリケーションプログラムは、ゲームである
請求項1ないし10のいずれか1項に記載の情報共有システム。
【請求項12】
ユーザの操作に応じてアプリケーションプログラムを実行する実行手段と、
前記実行手段による実行過程を再現するためのリプレイデータを記録する記録手段と、
前記アプリケーションプログラムに関連付けられた投稿情報を前記ユーザの操作に基づいて生成する生成手段と、
前記生成手段により生成された投稿情報を送信する旨の操作を受け付けると、前記投稿情報に関連付けられた前記アプリケーションプログラムのリプレイデータを特定し、特定したリプレイデータを前記投稿情報に埋め込んで送信する送信手段と、
前記ユーザと異なる他のユーザの投稿情報と当該投稿情報に関連付けられたリプレイデータとを受信する受信手段と、
前記投稿情報及び前記リプレイデータの表示を制御する表示制御手段と
を備え、
前記表示制御手段は、前記投稿情報を表示するときに、当該投稿情報に関連付けられた前記リプレイデータを用いて再現された前記アプリケーションプログラムの実行過程を表示するように制御する
情報処理装置。
【請求項13】
前記表示制御手段は、前記記録手段により記録されたリプレイデータを用いて自装置のユーザの前記実行過程を再現し、前記受信手段により受信されたリプレイデータを用いて前記他のユーザの前記実行過程を再現する
請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記記録手段は、前記実行手段による実行結果に応じて定まる評価を表す評価データを前記リプレイデータとともに記録し、
前記送信手段は、前記評価データを前記投稿情報及び前記リプレイデータとともに送信し、
前記受信手段は、前記評価データを前記投稿情報及び前記リプレイデータとともに受信し、
前記表示制御手段は、前記記録手段により記録された評価データを用いて自装置のユーザの評価を表示し、前記受信手段により受信された評価データを用いて前記他のユーザの評価を表示する
請求項12又は13に記載の情報処理装置。
【請求項15】
コンピュータに、
ユーザの操作に応じてアプリケーションプログラムを実行する第1のステップと、
前記アプリケーションプログラムの実行過程を再現するためのリプレイデータを記録する第2のステップと、
前記アプリケーションプログラムに関連付けられた投稿情報を前記ユーザの操作に基づいて生成する第3のステップと、
前記生成された投稿情報を送信する旨の操作を受け付けると、前記投稿情報に関連付けられた前記アプリケーションプログラムのリプレイデータを特定し、特定したリプレイデータを前記投稿情報に埋め込んで送信する第4のステップと、
前記ユーザと異なる他のユーザの投稿情報と当該投稿情報に関連付けられたリプレイデータとを受信する第5のステップと、
前記受信された投稿情報と、
前記投稿情報及び前記リプレイデータの表示を制御する第6のステップと
を実行させるためのプログラムであって、 前記第6のステップにおいて、前記投稿情報を表示するときに、当該投稿情報に関連付けられた前記リプレイデータを用いて再現された前記アプリケーションプログラムの実行過程を表示するように制御する
プログラム。
【請求項16】
ユーザの操作に応じてアプリケーションプログラムを実行し、
前記アプリケーションプログラムの実行過程を再現するためのリプレイデータを記録し、
前記アプリケーションプログラムに関連付けられた投稿情報を前記ユーザの操作に基づいて生成し、
前記生成された投稿情報を送信する旨の操作を受け付けると、前記投稿情報に関連付けられた前記アプリケーションプログラムのリプレイデータを特定し、特定したリプレイデータを前記投稿情報に埋め込んで送信し、
前記送信された投稿情報とリプレイデータを関連付けて複数のユーザと共有する
情報共有方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報を共有するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
オンラインで友達や家族とコミュニケーションを行うことができるゲーム装置が知られている(例えば、非特許文献1参照)。非特許文献1に記載の技術によれば、所定のユーザ(フレンド)とメッセージをやりとりすることができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】“みんなとオンラインでつながろう − Xbox.com”、 [online]、平成23年、[2014年2月10日検索]、インターネット<http://www.xbox.com/ja-JP/live/stayconnected>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、ゲームを介してコミュニケーションを行う場合、あるユーザが一定の成果を残したとしても、文字によるメッセージをやり取りしただけでは、他のユーザにとってはその成果を実感しづらく、十分なコミュニケーションを行えないことがあった。
そこで、本発明は、コミュニケーションの促進に資する情報を投稿情報とともに簡単に共有できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、ある態様において、ユーザの操作に応じてアプリケーションプログラムを実行する実行手段と、前記実行手段による実行過程を再現するためのリプレイデータを記録する記録手段と、前記アプリケーションプログラムに関連付けられた投稿情報を前記ユーザの操作に基づいて生成する生成手段と、前記生成手段により生成された投稿情報と前記記録手段により記録されたリプレイデータとを関連付けて複数のユーザと共有する共有手段とを備える情報共有システムを提供する。
【0006】
前記共有手段は、前記生成手段により前記投稿情報が生成された時点での最新の前記リプレイデータを当該投稿情報に関連付けて提示する構成であってもよい。
前記情報共有システムは、前記複数のユーザの前記投稿情報の表示を制御する第1の表示制御手段を備え、前記第1の表示制御手段は、前記投稿情報のいずれかが前記ユーザの操作によって選択されると、当該選択された投稿情報に関連付けられた前記リプレイデータを用いて再現された前記アプリケーションプログラムの実行過程を表示するように制御する構成であってもよい。
また、前記実行手段は、機能が異なる複数のアプリケーションプログラムのそれぞれ、又は複数の異なる機能を実行可能なアプリケーションプログラムを実行し、前記記録手段は、前記複数の機能のそれぞれに対するリプレイデータを記録し、前記共有手段は、前記投稿情報及び前記リプレイデータを前記機能毎に管理する構成であってもよい。
また、前記投稿情報の表示を前記機能毎に制御する第1の表示制御手段と、第1の機能に関する前記投稿情報が前記第1の表示制御手段により表示されているときに、当該第1の機能と異なる少なくとも一の機能に関する前記投稿情報を受信する受信手段とを備える構成であってもよい。
また、前記生成手段は、前記機能の識別情報を含む前記投稿情報を生成する構成であってもよい。
また、前記記録手段は、前記実行手段による実行結果に応じて定まる評価を表す評価データを前記リプレイデータとともに記録し、前記共有手段は、前記評価データを前記投稿情報及び前記リプレイデータと関連付けて管理する構成であってもよい。
また、前記情報共有システムは、前記第1の表示制御手段により前記投稿情報が表示される場合に、当該投稿情報に関連付けられた前記評価データが表す前記評価の表示を制御する第2の表示制御手段を備える構成であってもよい。
また、前記リプレイデータは、前記操作の履歴を表すデータであってもよい。
また、前記アプリケーションプログラムは、前記ユーザの操作に応じてオブジェクトを移動させる処理を実行し、前記リプレイデータは、前記オブジェクトの位置の履歴を表すデータであってもよい。
また、前記アプリケーションプログラムは、ゲームであってもよい。
【0007】
また、本発明は、他の態様において、ユーザの操作に応じてアプリケーションプログラムを実行する実行手段と、前記実行手段による実行過程を再現するためのリプレイデータを記録する記録手段と、前記アプリケーションプログラムに関連付けられた投稿情報を前記ユーザの操作に基づいて生成する生成手段と、前記生成手段により生成された投稿情報と前記記録手段により記録されたリプレイデータとを関連付けて送信する送信手段と、前記ユーザと異なる他のユーザの前記投稿情報と当該投稿情報に関連付けられた前記リプレイデータとを受信する受信手段と、前記投稿情報及び前記リプレイデータの表示を制御する表示制御手段とを備え、前記表示制御手段は、前記投稿情報を表示するときに、当該投稿情報に関連付けられた前記リプレイデータを用いて再現された前記アプリケーションプログラムの実行過程を表示するように制御する情報処理装置を提供する。
また、前記表示制御手段は、前記記録手段により記録されたリプレイデータを用いて自装置のユーザの前記実行過程を再現し、前記受信手段により受信されたリプレイデータを用いて前記他のユーザの前記実行過程を再現する構成であってもよい。
また、前記記録手段は、前記実行手段による実行結果に応じて定まる評価を表す評価データを前記リプレイデータとともに記録し、前記送信手段は、前記評価データを前記投稿情報及び前記リプレイデータとともに送信し、前記受信手段は、前記評価データを前記投稿情報及び前記リプレイデータとともに受信し、前記表示制御手段は、前記記録手段により記録された評価データを用いて自装置のユーザの評価を表示し、前記受信手段により受信された評価データを用いて前記他のユーザの評価を表示する構成であってもよい。
【0008】
また、本発明は、他の態様において、コンピュータに、ユーザの操作に応じてアプリケーションプログラムを実行する第1のステップと、前記アプリケーションプログラムの実行過程を再現するためのリプレイデータを記録する第2のステップと、前記アプリケーションプログラムに関連付けられた投稿情報を前記ユーザの操作に基づいて生成する第3のステップと、前記生成された投稿情報と前記記録されたリプレイデータとを関連付けて送信する第4のステップと、前記ユーザと異なる他のユーザの前記投稿情報と当該投稿情報に関連付けられた前記リプレイデータとを受信する第5のステップと、前記受信された投稿情報と、前記投稿情報及び前記リプレイデータの表示を制御する第6のステップとを実行させるためのプログラムであって、前記第6のステップにおいて、前記投稿情報を表示するときに、当該投稿情報に関連付けられた前記リプレイデータを用いて再現された前記アプリケーションプログラムの実行過程を表示するように制御するプログラムを提供する。
【0009】
また、本発明は、他の態様において、ユーザの操作に応じてアプリケーションプログラムを実行し、前記アプリケーションプログラムの実行過程を再現するためのリプレイデータを記録し、前記アプリケーションプログラムに関連付けられた投稿情報を前記ユーザの操作に基づいて生成し、前記生成された投稿情報と、前記記録されたリプレイデータとを関連付けて複数のユーザと共有する情報共有方法を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、コミュニケーションの促進に資する情報を投稿情報とともに簡単に共有することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】情報共有システムの全体構成を示すブロック図
図2】サーバ装置のハードウェア構成を示すブロック図
図3】ゲーミングシステムのハードウェア構成を示すブロック図
図4】ゲームプログラムによって実現されるゲームを説明するための図
図5】投稿情報の表示画面を例示する図
図6】ランキング表示画面を例示する図
図7】投稿情報のデータ構造を示す図
図8】ステージのグループ分けを説明するための図
図9】情報共有システムの機能的構成を示すブロック図
図10】評価データ及びリプレイデータの記録処理を示すフローチャート
図11】投稿情報の送信処理を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0012】
[実施例]
図1は、本発明の一実施例である情報共有システム10の全体構成を示すブロック図である。情報共有システム10は、情報共有サービスを利用するためのコンピュータシステムである。ここにおいて、情報共有サービスとは、複数のユーザによって情報を共有するサービスをいい、例えば、SNS(Social Networking Service)がこれに該当し得る。
【0013】
なお、ここでいう「ユーザ」は、あらかじめ決められた者(例えば、サービスの利用者としてあらかじめ登録された者)であってもよいし、不特定の者であってもよい。また、各ユーザは、特定のユーザと所定の関係になることが可能である。以下においては、この関係のことを「フレンド」という。ユーザは、例えば、(オンラインだけでなく)実際にも知り合いであるユーザや、この情報共有サービスを通じて仲良くなったユーザに対して、フレンドになることを申請することができる。
【0014】
また、本実施例の情報共有サービスは、ゲーム(ビデオゲーム)に関する情報を共有するためのものである。この情報共有サービスは、同じゲームをプレイしているユーザ同士でコミュニケーションを行うことを主たる目的としている。なお、ここでいうゲームは、そのジャンル等は特に限定されないが、ユーザの操作によって結果が変化し、その結果に応じて評価が定まるものであるとする。以下においては、ユーザにゲームを提供するためのプログラム(アプリケーションプログラム)を「ゲームプログラム」という。ゲーミングシステム100においてゲームプログラムが実行されることにより、ユーザはゲームをプレイすることが可能になる。
【0015】
情報共有システム10は、複数のゲーミングシステム100と、サーバ装置200とを備え、これらをインターネットなどのネットワーク300で接続した構成である。サーバ装置200は、ユーザに情報共有サービスを提供するための主たる処理を実行するコンピュータ装置である。ゲーミングシステム100は、ゲームを実行するとともに、情報共有サービスにアクセスするための情報処理装置(コンピュータ)である。ゲーミングシステム100は、サーバ装置200に対するクライアント端末に相当する。
【0016】
図2は、サーバ装置200のハードウェア構成を示すブロック図である。サーバ装置200は、制御部210と、記憶部220と、通信部230とを備える。制御部210は、サーバ装置200の動作を制御する手段である。制御部210は、CPU(Central Processing Unit)などの演算処理装置や主記憶装置を備え、プログラムを実行することによって各部の動作を制御する。記憶部220は、データを記憶する手段である。記憶部220は、ハードディスクなどの記録媒体を備え、投稿情報などを記憶する。通信部230は、ゲーミングシステム100との間でデータを送信及び受信する手段である。通信部230は、ネットワーク300と接続し、ゲーミングシステム100のそれぞれとデータをやり取りする。
【0017】
なお、サーバ装置200が使用するデータは、記憶部220のようにサーバ装置200自体に備わる記憶手段ではなく、外部の記憶装置に記憶されていてもよい。また、サーバ装置200の機能は、単一の装置によってではなく、複数の装置(サーバ群)の協働によって分散的に実現されてもよい。
【0018】
図3は、ゲーミングシステム100のハードウェア構成を示すブロック図である。ゲーミングシステム100は、ここでは、家庭用の据置型のゲーム機であるとする。ゲーミングシステム100は、制御部110と、記憶部120と、通信部130と、出力部140と、入力部150とを備える。
【0019】
制御部110は、ゲーミングシステム100の各部の動作を制御する手段である。制御部110は、CPUなどの演算処理装置や主記憶装置を備え、プログラムを実行することによって各部の動作を制御する。また、制御部110は、ゲームプログラムを実行することにより、ユーザがゲームをプレイし、情報共有サービスにアクセスすることを可能にする。
【0020】
記憶部120は、データを記憶する手段である。記憶部120は、フラッシュメモリなどの記録媒体を備え、ゲームプログラムを含む各種のプログラムや、プログラムの実行時に参照されるデータを記憶する。なお、記憶部120は、メモリカードなどの着脱可能な記録媒体(リムーバブルメディア)とそのリーダライタを備え、リムーバブルメディアからデータを読み出し、又はリムーバブルメディアにデータを書き込む構成を別途含んでもよい。ゲームプログラムは、このリムーバブルメディアに書き込まれた形態で提供されてもよい。
【0021】
通信部130は、サーバ装置200との間でデータを送信及び受信する手段である。通信部130は、ネットワーク300に応じた変調及び復調を行ってネットワーク300と接続し、データを送受信する。なお、通信部130は、サーバ装置200だけでなく、サーバ装置200以外の外部装置との間でもデータを送受信できるように構成されていてもよい。
【0022】
出力部140は、情報を出力する手段である。出力部140による出力は、画像の表示と音楽の再生とを含む。すなわち、出力部140は、液晶ディスプレイなどの画像を表示する手段と、スピーカなどの放音する手段とを含んで構成される。出力部140は、典型的には、テレビ受像機である。なお、出力部140は、液晶ディスプレイやスピーカそのものを備えるのではなく、これらを接続するためのインターフェースを備える構成であってもよい。
【0023】
入力部150は、ユーザによる入力を受け付ける手段である。入力部150は、例えば、ゲームのプレイや文字の入力に用いられるキーを備える。あるいは、入力部150は、タッチスクリーンディスプレイのセンサを含んで構成されてもよい。また、入力部150は、音声認識による入力、ユーザのジェスチャー(身振り・手振り)を認識しての入力など、周知のさまざまな入力方法による入力を受け付けるように構成されることも可能である。
【0024】
なお、ゲーミングシステム100は、これらの構成要素を単一の装置によって構成してもよいし、複数の装置によって構成してもよい。ただし、以下においては、ゲーミングシステム100は、制御部110、記憶部120及び通信部130を含む本体装置と、入力部150に相当する入力装置(例えば、いわゆるリモートコントローラ)と、出力部140に相当するテレビ受像機とによって構成されているものとする。また、この入力装置は、ペンや指で入力可能なタッチスクリーンディスプレイを備えるものとする。つまり、ここでのゲーミングシステム100は、画像を表示する手段を複数備えている。
【0025】
ユーザは、ゲーミングシステム100を用いて、ゲームをプレイすることができる。また、ユーザは、ゲーミングシステム100を用いて情報共有サービスを利用し、情報を投稿したり閲覧したりすることも可能である。以下においては、情報共有サービスにおいて投稿及び閲覧される情報のことを、特に「投稿情報」という。ゲーミングシステム100は、2つあるディスプレイの一方にゲームの画面を表示し、他方に投稿情報を表示する、といったように、ユーザがゲームをプレイしながら投稿情報を閲覧できるように動作してもよい。
【0026】
図4は、本実施例のゲームプログラムによって実現されるゲームを説明するための図である。本実施例のゲームは、複数のミニゲームによって構成されている。また、ミニゲームは、複数のステージに区分されている。本実施例のゲームプログラムは、ゲームを構成する各ミニゲームの各ステージを実行する機能をそれぞれ有している。ユーザは、ミニゲームをステージ単位でプレイすることができる。ミニゲーム(及びステージ)のそれぞれは、例えば、ゲームプログラムの一部を構成するサブプログラムによって実現される。なお、ミニゲーム及びステージの数は、特に限定されない。また、それぞれのミニゲームのステージ数は、同一である必要はない。
【0027】
これらのミニゲームは、各々がまったく異なるジャンルのゲームであってもよい。ただし、これらのミニゲームは、いずれも、ユーザの操作によって実行結果が変化する点においては共通している。ゲームプログラムは、ミニゲームの実行結果に応じたスコアを決定するようプログラムされている。ここでいうスコアは、例えば、レースのように時間を競うものであれば、所要時間であり、アイテムの獲得や敵キャラクターを倒す(打ち負かす)ことによって得点を得るものであれば、総得点である。
【0028】
また、本実施例のゲームは、ユーザによる各ステージのプレイ状況を別の指標によっても可視化し、評価できるよう構成されている。ゲームプログラムは、ユーザによる各ステージのプレイ状況を0〜3個のスター(星)の数を用いて評価するようプログラムされている。スターの数は、スコアの優劣によって決定されてもよいし、ステージのプレイ回数によって決定されてもよい。ここでは、3個のスターを獲得したときが最良の評価であるとする。以下においては、スコアとスターの数を総称して「評価」という。
【0029】
なお、ゲームプログラムは、ユーザの評価が所定の条件を満たしたときに所定の動作をするようにプログラムされていてもよい。例えば、ゲームプログラムは、スターの総数が一定数に達することによって、新たなミニゲームがプレイ可能になったり、投稿情報の作成時に利用可能な所定のデータをユーザに付与したりするようにプログラムされてもよい。
【0030】
本実施例において、各ステージには目標(ミッション)が設定されている。目標は、例えば、ステージ単位のミニゲームを所定の時間以内にクリアするとか、当該ミニゲーム内で所定の得点を得るとか、当該ミニゲームに出現する特定のアイテムを獲得する、といったものである。上述したスコアやスターの数は、ここでは、ユーザが目標を達成したときに付与されるとするが、目標を達成できなかった場合にも付与されてもよい。
【0031】
図5は、投稿情報の表示画面を例示する図である。本実施例において、投稿情報は、ミニゲームのステージ毎に表示される。図5において、アイコンA、B、C、D、Eは、それぞれミニゲームを表す画像である。ユーザは、例えばカーソルを左右に移動させる操作によって、アイコンA〜Eのいずれかを選択することができる。
【0032】
また、アイコンC1〜C4は、各ステージを表す画像である。この例において、アイコンC1は、ミニゲーム「C」の第1ステージを表している。ユーザは、アイコンCを選択した後、例えばカーソルを上下に移動させる操作によって、アイコンC1〜C4のいずれかを選択することができる。図5に示す状態は、ミニゲーム「C」の第2ステージがユーザによって選択されている状態である。
【0033】
表示領域A1は、投稿情報を表示するための表示領域である。この例において、投稿情報は、典型的にはユーザによって入力されたテキスト(文字列)である。あるいは、投稿情報は、タッチスクリーンディスプレイに手書き入力された文字やイラストであってもよい。ユーザは、例えば、ステージを初めてクリアしたときや、自己のベストスコアを更新したときに、投稿情報を作成する。
【0034】
表示領域A1には、特定のステージに関連付けられた投稿情報が1件表示されている。この例の場合、ユーザによって選択されているミニゲーム「C」の第2ステージに関連付けられた投稿情報が表示される。ゲーミングシステム100は、表示する投稿情報を所定の時間間隔(例えば3秒)で更新し、ミニゲーム「C」の第2ステージをプレイしたさまざまなユーザの投稿情報を閲覧できるようにする。また、表示領域A1には、表示中の投稿情報の投稿者の名前(ユーザ名)があわせて表示されている。なお、ゲーミングシステム100は、表示対象となる投稿情報の中にフレンドによって作成された投稿情報が含まれている場合には、これを他のユーザの投稿情報よりも優先的に表示してもよい。
【0035】
表示領域A1の近傍には、投稿情報に対応するスコアと、スターの数と、再生ボタンB1と、ランキング表示ボタンB2と、投稿ボタンB3とが表示される。再生ボタンB1は、表示中の投稿情報にリプレイデータが関連付けられている場合に表示され、リプレイデータを再生するときに選択されるボタンである。つまり、再生ボタンB1は、表示中の投稿情報にリプレイデータが関連付けられていない場合には表示されず、これによってリプレイデータの有無の確認を容易にすることができる。ランキング表示ボタンB2は、表示中の投稿情報に対応するステージのスコアランキングを表示するときに選択されるボタンである。投稿ボタンB3は、投稿情報を表示しているステージの投稿情報を作成するときに選択されるボタンである。
【0036】
一方、表示領域A2には、この画面を表示しているゲーミングシステム100のユーザの成績(すなわち評価)が表示されている。このユーザは、表示領域A1、A2に表示された成績を閲覧することにより、自身の成績と他のユーザの成績とを簡単に比較することが可能である。また、表示領域A2の近傍には、再生ボタンB1と同様のボタンが表示されてもよい。このボタンは、表示中の投稿情報に関連付けられたステージのリプレイデータを再生するためのものである点において再生ボタンB1と共通するが、ゲーミングシステム100のユーザのリプレイデータを再生する点において再生ボタンB1と相違する。
【0037】
図6は、ランキング表示画面を例示する図である。このランキング表示画面は、ユーザがランキング表示ボタンB2を押下することによって表示される。ランキング表示画面には、特定のステージ(図5の例の場合、ミニゲーム「C」の第2ステージ)をプレイしたユーザのスコアがランキング表示されている。
【0038】
ゲーミングシステム100は、このステージをプレイした全員分のスコアをランキング表示してもよいし、スコアが高い所定数のユーザのスコアのみをランキング表示してもよい。また、ゲーミングシステム100は、ランキング表示画面にユーザ自身(閲覧しているユーザ)や当該ユーザのフレンドが含まれる場合には、これらのユーザを他のユーザと異なる表示態様(文字の色、字体、サイズなど)で表示してもよい。
【0039】
図7は、投稿情報のデータ構造を示す図である。投稿情報は、タイムスタンプ、識別情報、ユーザ名、本文、リプレイデータ、評価データ及びグループ名を含むデータである。ただし、投稿情報は、場合によっては、これらのデータの一部を含まなくてもよい。また、リプレイデータ及び評価データは、説明の便宜上、ここでは投稿情報の一部とされているが、投稿情報と所定の関連付けを有していればよく、必ずしも投稿情報と一体のデータでなくてもよい。
【0040】
タイムスタンプは、投稿情報の時期的属性を表すデータである。タイムスタンプは、ここでは、ユーザによって投稿情報が作成された日時を示す。
識別情報は、投稿情報に関連付けられたミニゲーム及びステージを識別するためのデータである。すなわち、識別情報は、当該投稿情報が属するミニゲーム及びステージを示すデータである。
【0041】
ユーザ名は、投稿情報を作成したユーザを識別するためのデータである。ユーザ名は、情報共有サービス内で用いられるニックネームであってもよいが、本名であってもよい。
本文は、ユーザに入力されたメッセージを表すデータである。ここでいうメッセージは、上述したテキストか、手書きの文字又はイラストのいずれかである。
【0042】
リプレイデータは、識別情報によって識別されるミニゲーム及びステージの実行過程を再現するためのデータである。リプレイデータは、ユーザ名によって識別されるユーザが当該ステージをプレイした過程を時系列的に表すデータであり、当該ユーザの操作の履歴を表すともいえる。なお、本実施例のリプレイデータは、ユーザがどのタイミングでどのキーを押下したかを単位時間毎(例えば、ゲーム画面の1フレーム毎)に示す。
【0043】
評価データは、投稿情報に関連付けられる評価を示すデータである。評価データは、具体的には、スコアを表すデータ(スコアデータ)とスターの数を表すデータとを含んでいる。評価データは、これらの少なくともいずれかが空白(すなわち、意味をなさないデータ)であってもよい。
グループ名は、識別情報によって識別されるステージが属するグループを表すデータである。
【0044】
図8は、ステージのグループ分けを説明するための図である。本実施例において、各ステージは、所定のグループに分類されている。同一のグループに属するステージは、投稿情報の表示画面(図5参照)においてユーザに連続して選択される可能性があるステージである。例えば、ユーザが図5に示すようにミニゲーム「C」の第2ステージを選択している場合、ユーザがカーソルを上下左右のいずれかに1回移動させることによって選択できるステージは、ミニゲーム「B」の第1ステージ〜第3ステージ、ミニゲーム「C」の第1ステージ又は第3ステージ、ミニゲーム「D」の第1ステージ〜第3ステージのいずれかである。図8に示す例の場合、これらのステージは全て、共通のグループ(グループA)に分類されている。
【0045】
図9は、情報共有システム10の機能的構成を示すブロック図である。情報共有システム10は、ゲーミングシステム100とサーバ装置200の協働により、実行手段11、記録手段12、生成手段13、表示制御手段14、送受信手段15及び共有手段16を実現する。このうち、実行手段11、記録手段12、生成手段13、表示制御手段14及び送受信手段15は、ゲーミングシステム100の制御部110が所定のプログラムを実行するによって実現される。一方、共有手段16は、サーバ装置200の制御部210によって実現される。
【0046】
実行手段11は、ゲームプログラムを実行する手段である。実行手段11は、ユーザの操作に基づいて、複数のミニゲームの各ステージを実行可能である。また、実行手段11は、各ステージの実行結果に基づいてユーザの評価を実行し、スコアとスターの数とを決定する。実行手段11は、スコアとスターの数とを各ミニゲームの各ステージ毎に求めることができる。
【0047】
記録手段12は、リプレイデータ及び評価データを記録する手段である。記録手段12は、リプレイデータ及び評価データが得られた場合に、これを記録する。リプレイデータ及び評価データは、例えば、ゲームの実行状態が所定の条件を満たしたときに得られる。例えば、リプレイデータ及び評価データは、各ステージの目標を達成したときに得られるが、ユーザが何らかの失敗(ミス)をして目標を達成できなかったときにも得られるようにしてもよい。
【0048】
生成手段13は、投稿情報を生成する手段である。生成手段13は、ユーザの操作に基づいて、ゲームプログラムによって実現される複数のミニゲームの複数のステージのいずれかに関連付けられた投稿情報を生成する。生成手段13は、例えば、上述した投稿ボタンB3がユーザによって選択された場合に投稿情報の入力画面を表示し、本文の入力を受け付ける。あるいは、生成手段13は、目標を達成した場合などのゲームの実行状態が所定の条件を満たした場合に、投稿情報を生成するように動作してもよい。具体的には、生成手段13は、ゲームの実行状態が所定の条件を満たした場合に、投稿情報の入力画面を表示してユーザに入力を促してもよい。なお、このときユーザは、必ずしもこれに従う必要はなく、投稿情報を入力せずにミニゲームのプレイを続けることも可能である。
【0049】
表示制御手段14は、情報の表示を制御する手段である。表示制御手段14は、投稿情報に含まれる本文に加え、投稿情報に含まれるスコアやスターの表示を制御する。表示制御手段14は、これらの情報をステージ毎に表示するよう構成されている。また、表示制御手段14は、図5に示したように、送受信手段15により受信された投稿情報に含まれるスコアやスターと、自装置のユーザのスコアやスターとを表示させ、当該ユーザの評価と他のユーザの評価とを容易に比較できるようにしてもよい。さらに、表示制御手段14は、投稿情報にリプレイデータが含まれるか否かを判断し、上述した再生ボタンB1を表示するか否かを制御する。
【0050】
また、表示制御手段14は、ユーザによって所定の操作が行われた場合(具体的には、図5に示したランキング表示ボタンB2が選択された場合)に、ユーザの評価をステージ単位でランキング表示するように構成される。なお、表示制御手段14は、ランキング表示されたスコアのそれぞれとともに上述した再生ボタンB1と同様のボタンを表示させ、当該スコアがどのようなプレイによって実現されたのかを容易に確認できるようにしてもよい。また、表示制御手段14は、スコアのランキング表示だけでなく、スターの数のランキング表示を行ってもよい。
【0051】
さらに、表示制御手段14は、リプレイデータを再生し、各ユーザのゲームの実行過程の表示を制御する。表示制御手段14は、ユーザの操作に応じたステージのリプレイデータを再生する。なお、表示制御手段14は、ゲーミングシステム100のユーザ(すなわち、そのとき操作を行っているユーザ自身)のリプレイデータを再生する場合には、送受信手段15によって受信されたリプレイデーデータではなく、記録手段12によって記憶部120に記録されたリプレイデータを再生してもよい。
【0052】
送受信手段15は、投稿情報を送信及び受信する手段である。送受信手段15は、より詳細には、投稿情報の送信手段と受信手段とに分類することが可能である。送受信手段15は、あるステージに関連付けられた本文が入力され、投稿情報が生成されると、当該投稿情報にリプレイデータ及び評価データを関連付けて送信する。具体的には、送受信手段15は、投稿情報が図7に示したデータ構造である場合、投稿情報にリプレイデータ及び評価データを埋め込んでサーバ装置200に送信する。
【0053】
また、送受信手段15は、自装置のユーザ以外の他のユーザを含む複数のユーザの投稿情報をサーバ装置200から受信する。送受信手段15は、ユーザによって選択されているステージ(図5の例の場合、ミニゲーム「C」の第2ステージ)に関連付けられている投稿情報を最優先に受信する。次いで、送受信手段15は、ユーザによって選択されているステージと所定の関係にある他のステージに関連付けられている投稿情報を、必要に応じて受信する。ここでいう所定の関係は、同一のグループに属していることである。送受信手段15は、所定の時間間隔(例えば1分間隔)でこれらの投稿情報を受信する。なお、送受信手段15は、ユーザによって選択されているステージに関連付けられている投稿情報の受信間隔を、当該ステージと所定の関係にある他のステージに関連付けられている投稿情報の受信間隔よりも短くしてもよい。また、送受信手段15は、フレンドの投稿情報をそれ以外のユーザの投稿情報よりも優先的に受信してもよい。
【0054】
共有手段16は、投稿情報を複数のユーザと共有する手段である。共有手段16は、換言すれば、投稿情報を複数のユーザに利用可能にする手段であり、投稿情報を共有するための管理を実行する手段である。ここでいう管理は、具体的には、投稿情報をミニゲーム毎及びステージ毎に管理することを含む。共有手段16は、複数のユーザからの要求に応じて、それぞれのユーザの要求に応じたステージの投稿情報をユーザに提示する。ここでいう提示とは、具体的には、投稿情報をユーザに示すためにゲーミングシステム100に送信することをいう。
【0055】
また、共有手段16は、ユーザの要求に応じたステージの投稿情報を提示するとともに、当該ステージの各ユーザの評価を比較可能な表示態様で提示することが可能である。ここでいう比較可能な表示態様とは、具体的には、ランキング表示がその一例である。なお、共有手段16は、ユーザの評価をミニゲーム単位でランキング表示したり、ゲームプログラムでプレイ可能なミニゲームの評価の総計(すなわち総合評価)でランキング表示してもよい。
【0056】
図10は、投稿情報に付帯するデータを記録するための記録処理を示すフローチャートである。ここにおいて、投稿情報に付帯するデータとは、評価データ及びリプレイデータのことである。ゲーミングシステム100の制御部110は、ユーザがミニゲームの各ステージをプレイする毎にこの記録処理を実行する。
【0057】
まず、制御部110は、ゲームプログラムを実行することによりいずれかのステージを実行し、ユーザの操作に応じてその実行を終える(ステップSA1)。例えば、制御部110は、ユーザが当該ステージの目標を達成した場合やミスをした場合などの所定の条件を満たした場合に、当該ステージの実行を終了する。
【0058】
次に、制御部110は、評価データを記録するか否かを判断する(ステップSA2)。例えば、制御部110は、ユーザが目標を達成した場合にのみ評価データを記録する場合には、ユーザが目標を達成したか否かを判断する。あるいは、評価データを投稿情報とともに送信するか否かをユーザが事前に設定できる場合には、制御部110は、当該ユーザが評価データの送信を許可しているか否かを判断する。制御部110は、ステップSA2の判断結果に応じて、評価データを記録し(ステップSA3)、又はこの処理をスキップ(省略)する。制御部110は、ステップSA1において終了したステージを判別し、当該ステージのために割り当てられた記憶部120の記憶領域に当該ステージの評価データを記録する。すなわち、制御部110は、評価データを当該評価データに対応するステージと関連付けて記録する。
【0059】
また、制御部110は、リプレイデータについても評価データと同様の処理を実行する。すなわち、制御部110は、リプレイデータを記録するか否かを判断し(ステップSA4)、リプレイデータを記録すると判断した場合にはこれを記録し(ステップSA5)、記録しないと判断した場合にはステップSA5をスキップする。なお、制御部110は、リプレイデータのデータ容量に制限(上限)を設け、リプレイデータが所定のデータ容量を超えるときにはリプレイデータを記録しないと判断してもよい。ただし、制御部110は、リプレイデータが所定のデータ容量を超えるときには、上限に達するまでを記録し、上限を超える分を破棄してもよい。また、制御部110は、リプレイデータについても、ステップSA1において終了したステージを判別し、当該ステージと関連付けて記録する。
【0060】
なお、本実施例において、制御部110は、各ステージの最新の評価データ及びリプレイデータのみを記憶部120に記憶させる。よって、ユーザが同じステージを複数回プレイした場合、評価データ及びリプレイデータは、最後に記録されたもののみが記憶部120に残るように上書きされる。
【0061】
図11は、投稿情報の送信処理を示すフローチャートである。制御部110は、特定のステージに関連付けられた投稿情報を送信するときに、この送信処理を実行する。まず、制御部110は、ユーザの操作に基づいて投稿情報を生成する(ステップSB1)。ユーザは、投稿情報に必要な本文を入力したら、投稿情報を送信する旨の操作を行う。制御部110は、投稿情報を送信する旨の操作を受け付けると、投稿情報を生成して送信に備える。なお、この時点での投稿情報には、評価データやリプレイデータが含まれない。
【0062】
次に、制御部110は、この投稿情報に関連付けられたステージの評価データを送信するか否かを判断する(ステップSB2)。ここにおいて、制御部110は、この投稿情報に関連付けられたステージの評価データが所定の記憶領域に既に記録されているか否かを判断する。また、評価データをサーバ装置200に送信しないようにユーザが事前に設定できる場合、制御部110は、このような設定が行われているか否かも判断する。制御部110は、評価データを送信すると判断した場合には、評価データを投稿情報に埋め込む(ステップSB3)。
【0063】
また、制御部110は、リプレイデータについても評価データと同様の処理を実行する。すなわち、制御部110は、送信対象の投稿情報に関連付けられるリプレイデータが所定の記憶領域に記録されているか否かによって、リプレイデータを送信するか否かを判断し(ステップSB4)、この判断結果に応じてリプレイデータを投稿情報に埋め込む(ステップSB5)。なお、制御部110は、あらかじめ決められた特定の一部のステージについては、リプレイデータをその有無によらず投稿情報に埋め込まないようにしてもよい。
【0064】
ステップSB2〜SB5の処理を実行したら、制御部110は、投稿情報を送信する(ステップSB6)。この時点での投稿情報には、ステップSB2、SB4の判断結果に応じて、評価データとリプレイデータが適宜埋め込まれる。このとき送信される投稿情報には、評価データとリプレイデータが埋め込まれていないものも含まれる。
【0065】
図10、11に示した処理を実行することにより、ゲーミングシステム100は、ユーザがファイル添付のような特別な操作を行わなくても、各ステージに関連する投稿情報を送信するタイミングで、当該ステージに関連する最新の評価データ及びリプレイデータを投稿情報とともに送信することができる。これにより、ユーザは、投稿情報を送信するときに、多数ある評価データやリプレイデータの中から当該投稿情報に適したデータを自ら選ぶ必要がなくなる。
【0066】
また、本実施例によれば、投稿情報と評価データ又はリプレイデータの送信や表示を単一の装置(ゲーミングシステム100)で行うことが可能であるため、これらを別々の装置で行う場合に比べ、ユーザが行うべき操作を簡便なものにすることができる。
【0067】
さらに、本実施例によれば、ユーザは、他のユーザの投稿情報を評価データやリプレイデータとともに閲覧することができる。これにより、例えば、他のユーザがスコアを更新するなどの特別なタイミングでそのときの感想や印象をメッセージとして投稿した場合に、その投稿に関連している評価データやリプレイデータを当該メッセージとともに送信することが可能になるため、メッセージに臨場感を与え、ユーザ同士が共感したり、あるいは互いの競争心に拍車がかかったりする効果を期待することができる。また、本実施例によれば、ユーザは、自身の評価と他のユーザの評価を比較することも容易である。
【0068】
[変形例]
上述した実施例は、本発明の実施の一態様である。本発明は、この実施例に限定されることなく、以下の変形例に示す態様で実施することも可能である。なお、以下の変形例は、必要に応じて、各々を組み合わせて適用することも可能である。
【0069】
(変形例1)
ゲーミングシステム100は、ゲームプログラムの実行状態が所定の条件を満たしたとき(例えば、目標を達成したときやベストスコアを更新したとき)に、あらかじめ決められたテキスト(例えば、「目標を達成しました。」や「ベストスコアを更新しました!」)の投稿情報を生成してもよい。このようにすれば、ユーザが所定の条件を満たしたタイミングでメッセージの入力を行わなくても、そのときの状況に応じた投稿情報を自動的に送信することが可能である。また、このとき評価データやリプレイデータも投稿情報とともに送信されるため、ユーザは、評価データやリプレイデータを送信するための特段の操作を行うことなく、これらを送信することが可能になる。なお、このとき送信されるメッセージは、ゲーミングシステム100において事前に設定された各ユーザに共通のメッセージであってもよいし、ユーザが事前に入力しておいたメッセージであってもよい。
【0070】
(変形例2)
上述したように、評価データ及びリプレイデータは、投稿情報と所定の関連付けを有していればよく、必ずしも投稿情報と一体のデータでなくてもよい。よって、評価データ、リプレイデータ及び投稿情報は、必ずしも同時に送信される必要はない。サーバ装置200は、評価データ、リプレイデータ及び投稿情報にユーザ名や識別情報が付与されていれば、これらが同時に送信されなくても、互いの関連付けを特定することができる。また、評価データ、リプレイデータ及び投稿情報には、タイムスタンプがあわせて付与されていてもよい。
【0071】
(変形例3)
図6に示したランキング表示を実現する手段は、ゲーミングシステム100とサーバ装置200のいずれにあってもよい。このようなランキング表示は、共有手段16がユーザの順位付けを実行し、表示制御手段14がこの順位付けに従って各ユーザの名前と評価を一覧表示することで実現されてもよいが、共有手段16は評価データを順位付けせずに送信し、表示制御手段14が順位付けを行って一覧表示することで実現されてもよい。
【0072】
(変形例4)
本発明のグループは、図8に例示したようにあらかじめ決められていなくてもよい。例えば、ゲーミングシステム100は、ユーザによって選択されているステージを特定し、当該ステージから所定の回数以内のカーソル移動で選択可能なステージを1つのグループとして扱ってもよい。このようにすれば、ユーザがステージを選択し直す度にグループが変化する。
【0073】
(変形例5)
ゲーミングシステム100は、評価データ及びリプレイデータを上書きして記録しなくてもよい。ゲーミングシステム100は、評価データ及びリプレイデータを直近の所定数分記録しておき、投稿情報が生成された時点での最新の評価データ又はリプレイデータを当該投稿情報に関連付けて送信してもよい。この場合、ゲーミングシステム100は、投稿情報が生成された時点での最新の評価データ又はリプレイデータではなく、記録されている評価データ又はリプレイデータのうちの最良のものを投稿情報に関連付けて送信してもよい。
【0074】
(変形例6)
リプレイデータは、さまざまな形態のものが考えられる。例えば、リプレイデータは、ユーザがオブジェクト(主人公のキャラクタなど)の位置を移動させることによってプレイされるゲームである場合には、当該オブジェクトの位置(すなわち座標)の履歴を単位時間毎に表すデータであってもよい。さらに、リプレイデータは、ゲームの実行過程をH.264などの所定の圧縮処理を施して動画で記録したものであってもよい。
【0075】
また、ゲーミングシステム100は、リプレイデータを利用して実際にゲームをプレイできるように構成されてもよい。例えば、ゲーミングシステム100は、リプレイデータの再生中にユーザが所定の操作を行った場合に、リプレイデータの再生を中断し、以降は当該ユーザの操作に基づいてゲームを実行するようにしてもよい。このようにすれば、自分よりも評価が良い他のユーザのプレイを参考にしたり、プレイの向上のきっかけにしたりすることができる。なお、リプレイデータは、このような動作を実現するためには、ゲームの実行過程を動画で記録したものよりも、押下されたキーの履歴やオブジェクトの位置の履歴である方が望ましい。
【0076】
(変形例7)
上述した実施例は、ゲームプログラムに複数のミニゲームが含まれ、これがさらにステージに分かれる場合の例であった。しかし、本発明は、ゲームプログラム自体が複数ある場合にも適用可能である。
【0077】
また、上述したゲームプログラムは、アプリケーションプログラムの一例である。したがって、本発明は、ゲームプログラム以外のアプリケーションプログラムにも適用可能である。例えば、本発明は、複数の機能を有するアプリケーションプログラムを実行する場合において、その実行結果に応じたリプレイデータや評価データをユーザ間で共有するものであってもよい。
【0078】
(変形例8)
本発明は、家庭用の据置型のゲーム機ではなく、例えば、携帯用のゲーム機で実現されてもよい。また、本発明は、ゲーム専用機に限らず、パーソナルコンピュータやスマートフォンなどの汎用の情報処理装置によって実現することも可能である。なお、図9に示したゲーミングシステム100の各手段は、単一の演算処理装置(プロセッサ)によって実現されても、複数の演算処理装置の分担によって実現されてもよく、また、その一部がサーバ装置200によって実現されてもよい。
【0079】
また、本発明は、ゲーミングシステム100に相当する情報処理装置としてだけでなく、情報共有システム、情報共有方法などとしても把握され得るものである。さらに、本発明は、コンピュータにゲーミングシステム100の機能を実現させるためのプログラムの形態でも提供可能である。なお、このようなプログラムは、光ディスクや半導体メモリなどの記録媒体に記録された形態や、インターネットなどのネットワークを介して情報処理装置等にダウンロードさせる形態での提供も可能である。
【符号の説明】
【0080】
10…情報共有システム
11…実行手段
12…記録手段
13…生成手段
14…表示制御手段
15…送受信手段
16…共有手段
100…ゲーミングシステム
110…制御部
120…記憶部
130…通信部
140…出力部
150…入力部
200…サーバ装置
210…制御部
220…記憶部
230…通信部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11