特許第6348735号(P6348735)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6348735
(24)【登録日】2018年6月8日
(45)【発行日】2018年6月27日
(54)【発明の名称】真空蒸着機
(51)【国際特許分類】
   C23C 14/24 20060101AFI20180618BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20180618BHJP
   H05B 33/10 20060101ALI20180618BHJP
【FI】
   C23C14/24 A
   H05B33/14 A
   H05B33/10
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-47302(P2014-47302)
(22)【出願日】2014年3月11日
(65)【公開番号】特開2014-177701(P2014-177701A)
(43)【公開日】2014年9月25日
【審査請求日】2017年2月14日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0027488
(32)【優先日】2013年3月14日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(74)【代理人】
【識別番号】110000981
【氏名又は名称】アイ・ピー・ディー国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】李 英▲ウク▼
(72)【発明者】
【氏名】韓 政▲ウォン▼
【審査官】 末松 佳記
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−225058(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/026790(WO,A2)
【文献】 米国特許出願公開第2001/0014268(US,A1)
【文献】 米国特許第03746571(US,A)
【文献】 特開平11−100663(JP,A)
【文献】 特開2005−061430(JP,A)
【文献】 特公昭40−019807(JP,B1)
【文献】 米国特許第03192094(US,A)
【文献】 特開2006−188754(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 14/00−14/58
C23C 16/00−16/56
F16H 25/18−25/24
H05B 33/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動部と、
前記駆動部に連結され、前記駆動部の作動によって直線運動する直線運動部と、
前記直線運動部に連結され、前記直線運動部の直線運動によって、前記直線運動部の移動方向に対して垂直方向に運動する角度制限部と、
を備え
前記角度制限部は、
各ソース部の間に設けられ、上下に直線運動する角度制限プレートと、
前記角度制限プレート及び前記直線運動部に連結され、前記直線運動部の直線運動時、前記直線運動部の移動方向と垂直に摺動する摺動部と、
を備えることを特徴とする、真空蒸着機。
【請求項2】
前記角度制限部は、
前記角度制限プレートと、前記摺動部とを連結する連結部と、
をさらに備えることを特徴とする、請求項に記載の真空蒸着機。
【請求項3】
前記角度制限部は、
前記角度制限プレートと、
前記摺動部との間に配置され、側面防着板に形成された溝を閉鎖する遮断部と、
をさらに備えることを特徴とする、請求項に記載の真空蒸着機。
【請求項4】
駆動部と、
前記駆動部に連結され、前記駆動部の作動によって直線運動する直線運動部と、
前記直線運動部に連結され、前記直線運動部の直線運動によって、前記直線運動部の移動方向に対して垂直方向に運動する角度制限部と、
を備え、
前記角度制限部が摺動するように設けられる固定部と、
前記固定部と、当該固定部に摺動するように設けられる摺動部との間に設けられ、前記摺動部の運動をガイドする線形ガイド部と、
をさらに備えることを特徴とする、真空蒸着機。
【請求項5】
前記駆動部は、
駆動力を生成する駆動力生成部と、
前記駆動力生成部に連結されて回転運動する回転部と、
を備えることを特徴とする、請求項1または4に記載の真空蒸着機。
【請求項6】
前記直線運動部は、
前記回転部に連結され、前記回転部の回転運動時に直線運動する運動ブロックを備えることを特徴とする、請求項に記載の真空蒸着機。
【請求項7】
前記直線運動部は、
前記角度制限部の運動時、前記角度制限部の一部をガイドするガイド部を備えることを特徴とする、請求項1または4に記載の真空蒸着機。
【請求項8】
前記直線運動部と対向して設けられ、前記直線運動部の運動をガイドする補助ガイド部をさらに備えることを特徴とする、請求項1または4に記載の真空蒸着機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空蒸着機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、モバイルフォンのような小型電子機器や、タブレット端末等を含む移動型電子機器が広く使われている。かかる移動型電子機器は、多様な機能を支援するためにイメージまたは映像のような視覚情報をユーザに提供するディスプレイ部を含む。最近、ディスプレイ部を駆動するための部品が小型化されるにつれて、ディスプレイ部が電子機器で占める割合が次第に高くなっており、平らな状態で所定の角度を有するように曲げられる構造のディスプレイ部も開発されている。
【0003】
このようなディスプレイ部は、有機発光素子を備えており、外部から印加される電流により有機発光層が発光することによって、各種のイメージ及び文字などを具現する。このとき、このような有機発光素子は、多様な方法により形成される。例えば、有機発光素子は、有機物蒸着方法、レーザー熱転写方法、プリントスクリーン方法などを通じて形成される。そのうち、有機物蒸着方法は、簡単な手順と、比較的低コストとで有機発光素子を形成できるので、頻繁に使われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】大韓民国特許公開第10−2014−18576号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、成膜角度の調節が可能な真空蒸着機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、駆動部と、前記駆動部に連結され、前記駆動部の作動によって直線運動する直線運動部と、前記直線運動部に連結され、前記直線運動部の直線運動によって、前記直線運動部の移動方向に対して垂直方向に運動する角度制限部と、を備える真空蒸着機が提供される。
【0007】
また、前記駆動部は、駆動力を生成する駆動力生成部と、前記駆動力生成部に連結されて回転運動する回転部とを備えてもよい。
【0008】
また、前記直線運動部は、前記回転部に連結され、前記回転部の回転運動時に直線運動する運動ブロックを備えてもよい。
【0009】
また、前記直線運動部は、前記角度制限部の運動時、前記角度制限部の一部をガイドするガイド部を備えてもよい。
【0010】
また、前記角度制限部は、各ソース部の間に設けられ、上下に線形運動する角度制限プレートと、前記角度制限プレート及び前記直線運動部に連結され、前記直線運動部の直線運動時、前記直線運動部の移動方向と垂直に摺動する摺動部とを備えてもよい。
【0011】
また、前記角度制限部は、前記角度制限プレートと、前記摺動部との間を連結する連結部をさらに備えてもよい。
【0012】
また、前記角度制限部は、前記角度制限プレートと、前記摺動部との間に配置され、側面防着板に形成された溝を閉鎖する遮断部をさらに備えてもよい。
【0013】
また、前記角度制限部が摺動するように設けられる固定部をさらに備えてもよい。
【0014】
また、前記固定部と当該固定部に摺動するように設けられる摺動部との間に設けられ、前記摺動部の運動をガイドする線形ガイド部をさらに備えてもよい。
【0015】
また、前記直線運動部と対向して設けられ、前記直線運動部の運動をガイドする補助ガイド部をさらに備えてもよい。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように本発明によれば、ソース部の間の角度制限プレートの高さを自動的に変更することによって、工程によって角度制限プレートを交替することによる作業時間及び作業コストを低減することができる。特に、本発明によれば、角度制限プレートの交替のためにチャンバーを開放していないので、チャンバーの真空状態を持続的に維持させることができる。また、本発明によれば、連続蒸着を行うことによって、設備の稼動率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態による真空蒸着機を示す斜視図である。
図2図1に示したA部分を拡大して示す部分斜視図である。
図3図1に示したB部分を拡大して示す部分斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。本発明は、添付される図面と共に詳細に説明している実施形態を参照すれば明確になる。しかし、本発明は、後述する実施形態に限定されるものではなく、多様な形態で具現される。本実施形態は、本発明の開示を完全にし、当業者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は、特許請求の範囲により定義される。一方、本明細書で使われた用語は、実施形態を説明するためのものであり、本発明を限定するものではない。本明細書において、単数形は、文言で特に言及しない限り複数形も含む。明細書で使われる“備える(comprises)”及び/または“備えた(comprising)”は、言及した構成要素、段階、動作及び/または素子が、一つ以上の他の構成要素、段階、動作及び/または素子の存在または追加を排除するものではない。第1、第2などの用語は、多様な構成要素を説明するのに使われるが、構成要素は、用語によって限定されてはならない。用語は、一つの構成要素を、他の構成要素から区別する目的のみで使われる。
【0019】
図1は、本発明の一実施形態に係る真空蒸着機100を示す斜視図である。図2は、図1に示したA部分を拡大して示す部分斜視図である。図3は、図1に示したB部分を拡大して示す部分斜視図である。
【0020】
図1図3を参照すれば、真空蒸着機100は、内部に空間が形成されるチャンバー(図示せず。)を含む。真空蒸着機100は、上記チャンバーの内部に設けられ、有機物等の材料物質を蒸発させるソース部(図示せず。)を含む。また、真空蒸着機100は、上記ソース部が固設されるソース部固定フレーム(図示せず。)を含む。
【0021】
一方、真空蒸着機100は、駆動部110と、駆動部110に連結され、駆動部110の作動によって直線運動する直線運動部120とを備える。また、真空蒸着機100は、直線運動部120に連結され、直線運動部120の運動によって、直線運動部120の移動方向に対して垂直方向に運動する角度制限部130を備える。ここで、真空蒸着機100は、角度制限部130が摺動可能に設けられる固定部140を備える。真空蒸着機100は、固定部140と角度制限部130との間に設けられる側面防着板160を備える。
【0022】
一方、駆動部110は、駆動力を生成する駆動力生成部111を備える。特に、駆動力生成部111としてはモータがあるが、駆動力生成部111はこれに限定されず、駆動力を生成する全ての装置を含む。
【0023】
駆動部110は、駆動力生成部111に連結されて回転運動する回転部112を備える。回転部112としてはスパーギヤを用いてもよいが、これに限定されず、駆動力生成部111の駆動によって、駆動力を外部に伝達する全ての装置を含む。
【0024】
一方、直線運動部120は、駆動部110の運動によって直線運動するソース防着板121を備える。また、直線運動部120は、回転部112に連結され、回転部112の運動によって直線運動する運動ブロック122を備える。このとき、運動ブロック122は、回転部112がスパーギヤとして形成される場合、スパーギヤに連結されてスパーギヤの回転に伴って直線運動するラックギヤである。ただし、運動ブロック122は、かかる例に限定されず、回転部112の回転運動時に直線運動する全ての装置及び構造を含む。
【0025】
直線運動部120は、角度制限部130の運動時、角度制限部130の一部をガイドするガイド部123を備える。ここで、ガイド部123は、ガイドボディ部123dを備える。特に、ガイドボディ部123dは、プレート状に形成され、ガイドボディ部123dの一部が折り曲げられて形成される。
【0026】
また、ガイド部123は、ガイドボディ部123dに形成される第1ガイド部123a〜第3ガイド部123cを備える。具体的には、第1ガイド部123aと第2ガイド部123bとは、互いに連結され、第2ガイド部123bは、一端側において第1ガイド部123aと所定の角度を形成するように連結される。また、第3ガイド部123cは、第2ガイド部123bの他端側に連結される。
【0027】
このように形成される第1ガイド部123a〜第3ガイド部123cは、多様な形態で形成される。例えば、第1ガイド部123a〜第3ガイド部123cは、溝状に形成されてもよく、長孔状に形成されてもよい。また、第1ガイド部123a〜第3ガイド部123cは、突起形態に形成され、溝を形成することも可能である。以下においては、説明の便宜上、第1ガイド部123a〜第3ガイド部123cが長孔状に形成される場合を中心として詳細に説明する。
【0028】
上記長孔は、略楕円形に形成してもよい。このとき、第1ガイド部123aと第3ガイド部123cとは、異なる高さ位置に形成され、第2ガイド部123bは、第1ガイド部123aと第3ガイド部123cとを斜め方向に互いに連結する。
【0029】
直線運動部120は、ガイド部123に設けられる突出部124を備える。このとき、突出部124は、ガイドボディ部123dから突設され、後述する補助ガイド部170と連結され、ガイドボディ部123dの運動時、ガイドボディ部123dの経路を維持する。特に、突出部124は、複数個備えられ、複数個の突出部124は、第1突出部124aと、第2突出部124bとからなる。このとき、第1突出部124aと第2突出部124bとは、軸受形態に形成され、ガイドボディ部123dの運動時、補助ガイド部170との接触による摩擦力を最小化することができる。
【0030】
一方、角度制限部130は、上記各ソース部の間に設けられ、上下に直線運動する角度制限プレート132を備える。また、角度制限部130は、角度制限プレート132及び直線運動部120に連結され、直線運動部120の運動時、直線運動部120の移動方向と垂直に摺動する摺動部131を備える。このとき、摺動部131は、角度制限プレート132に連結部(図示せず。)を介して連結される。
【0031】
また、摺動部131は、ガイド部123に連結され、ガイド部123の運動によって、上述したようにガイド部123の移動方向と垂直に摺動する。具体的には、摺動部131は、第1ガイド部123a〜第3ガイド部123cに挿入される挿入突起131aを備える。挿入突起131aは、軸受形態に形成され、第1ガイド部123a〜第3ガイド部123cに挿入される。
【0032】
摺動部131は、固定部140に摺動するように設けられる。ここで、固定部140は、複数個備えられ、複数個の固定部140は、互いに所定の間隔で離隔して固定配置されてもよい。
【0033】
一方、摺動部131と固定部140との間には、線形ガイド部150が設けられ、摺動部131の運動をガイドする。このとき、線形ガイド部150は、一般的なLM(Linear Motion)ガイドを含む。特に、線形ガイド部150は、複数個備えられ、各線形ガイド部150は、各固定部140に設けられ、各固定部140と摺動部131とを連結するようにしてもよい。
【0034】
上記固定部140の内側面には、上述した側面防着板160が設けられる。側面防着板160には溝が形成され、上記溝には、上記連結部が挿入される。特に、角度制限部130は、側面防着板160に形成された溝を閉鎖するように、角度制限プレート132と側面防着板160との間に設けられる遮断部133を備える。遮断部133は、上記連結部の長手方向と垂直な方向に延設してもよい。
【0035】
一方、真空蒸着機100は、直線運動部120と対向して設けられ、直線運動部120の運動をガイドする補助ガイド部170を備える。特に、補助ガイド部170は、ガイド部123の外側に配置され、ガイド部123の運動をガイドするようにしてもよい。
【0036】
このとき、補助ガイド部170は、外部に固設される固定ブラケット171を備えてもよい。また、補助ガイド部170は、固定ブラケット171に形成され、ガイド部123の運動をガイドするガイド172を備えてもよい。
【0037】
特に、ガイド172は、固定ブラケット171の外面に形成され、ガイド部123の一部が挿入されるように形成してもよい。具体的には、ガイド172は、溝状または孔状に形成され、直線運動部120の一部が挿入されるように形成される。また、ガイド172は、突起形態に形成され、直線運動部120の一部が挿入される。特に、ガイド172が突起形態である場合、一対の突起として形成され、直線運動部120の一部が挿入される。なお、ガイド172は、かかる例に限定されず、直線運動部120の運動をガイドする全ての構造及び装置を含む。ただし、以下では、説明の便宜上、ガイド172が一対の突起形態に形成される場合について詳細に説明する。
【0038】
ガイド172には、第1突出部124a及び第2突出部124bが挿入される。特に、第1突出部124a及び第2突出部124bは、ガイド172に挿入されて直線運動する。第1突出部124a及び第2突出部124bは、ガイド172に沿って運動しつつ、ガイド部123の直線運動経路を維持させることができる。
【0039】
補助ガイド部170は、固定ブラケット171の外面に形成される補強リブ173を備える。このとき、補強リブ173は、複数個形成され、複数個の補強リブ173は、互いに所定の間隔で離隔して、固定ブラケット171の外面に形成されてもよい。
【0040】
一方、真空蒸着機100は、角度制限部130が上下に直線運動するとき、角度制限部130の位置を示す指示部180を備える。指示部180は、角度制限部130に設けられ、角度制限部130が上下に直線運動するとき、角度制限部130と共に運動する運動部181を備える。また、指示部180は、外部に固設され、運動部181の位置を表示する位置表示部182を備える。
【0041】
上記運動部181は、摺動部131に固設される。また、位置表示部182には、運動部181の高さ位置を表示する目盛りなどを形成し、運動部181の高さ位置を外部から観察可能にしてもよい。
【0042】
真空蒸着機100は、駆動部110及び直線運動部120の一部を覆うように形成されるカバー部190を備える。カバー部190は、ソース防着板121、駆動力生成部111、回転部112などを覆うように設けられ、蒸着物質によるソース防着板121、駆動力生成部111、回転部112などの汚染を防止できる。
【0043】
一方、真空蒸着機100の作動について説明すれば、真空蒸着機100が作動すると、上記ソース部の蒸着物質が加熱されて蒸発することによって、基板(図示せず。)に蒸着する。ソース部は、複数個備えられ、複数個の上記ソース部の間には、上述したように角度制限プレート132が設けられる。
【0044】
上記角度制限プレート132は、蒸着工程の進行程度によって、予め設定された高さ位置に調節される。具体的には、予め設定された高さ位置に応じて、駆動部110を作動させる。このとき、駆動力生成部111が作動することによって、回転部112を回転させる。
【0045】
回転部112は、回転しつつ、回転部112に連結された運動ブロック122を一方向に直線運動させる。上記のように、運動ブロック122が運動すると、運動ブロック122に連結されたソース防着板121も、運動ブロック122と同じ方向に移動する。
【0046】
具体的には、回転部112が反時計回り方向に回転すると、運動ブロック122は、回転部112を基準として前進する。このとき、ソース防着板121は、運動ブロック122と共に、回転部112を基準として前進する。上記のように、ソース防着板121が前進する場合、ガイド部123もソース防着板121と共に前進する。
【0047】
一方、上記のように、ガイド部123が前進すると、第1突出部124a及び第2突出部124bは、ガイド172に沿って移動する。特に、第1突出部124a及び第2突出部124bは、ガイド172に完全に拘束されて運動することによって、ガイド部123が経路から離脱することを防止できる。
【0048】
上記のように、ガイド部123が運動すると、挿入突起131aは、第1ガイド部123a〜第3ガイド部123cに沿って運動する。具体的には、挿入突起131aは、第1ガイド部123aから第2ガイド部123bに沿って運動し、再び第3ガイド部123cに沿って運動する。このとき、挿入突起131aの高さ位置は高くなる。特に、挿入突起131aの高さ位置は、第1ガイド部123a〜第3ガイド部123cに沿って移動しつつ次第に高くなる。
【0049】
上記のように、挿入突起131aが運動すると、挿入突起131aと共に摺動部131も上側に直線運動する。このとき、直線ガイド部150は、摺動部131の運動をガイドし、摺動部131が直線運動経路から離脱することを防止できる。
【0050】
上記のように、摺動部131が運動すると、連結部、遮断部133及び角度制限プレート132は、摺動部131と共に運動する。したがって、角度制限プレート132は、上側に移動し、前記ソース部から噴射される蒸着物質の蒸着角度は小さくなる。
【0051】
角度制限プレート132が上昇すると、側面防着板160に形成された溝が開放される。このとき、遮断部133は、角度制限プレート132と共に上昇することによって、上記溝を閉鎖する。特に、遮断部133の高さを角度制限プレート132の高さよりも高く形成することによって、角度制限プレート132が上昇しても、溝を完全に閉鎖することができる。
【0052】
一方、角度制限プレート132が下降する場合は、上記と逆に作動する。具体的には、駆動力生成部111が上記と逆に作動すれば、回転部112も上記と逆に時計回り方向に回転する。
【0053】
運動ブロック122は、回転部112の回転によって、回転部112を中心に後進する。このとき、運動ブロック122はソース防着板121を後進させ、ソース防着板121はガイド部123を後進させる。
【0054】
ガイド部123が後進すると、第1突出部124a及び第2突出部124bは、ガイド172に沿って直線運動する。また、挿入突起131aは、第3ガイド部123cから第1ガイド部123aに沿って運動する。特に、挿入突起131aは、第3ガイド部123cから第2ガイド部123b、第2ガイド部123bから第1ガイド部123aに沿って順次に下降する。
【0055】
挿入突起131aが上記のように下降すれば、摺動部131は、挿入突起131aと共に下降する。このとき、線形ガイド部150は、摺動部131の運動をガイドしつつ、摺動部131が固定部140から離脱することを防止できる。上記のように、摺動部131が運動する場合、上記連結部、遮断部133及び角度制限プレート132は、摺動部131と共に下降する。このとき、遮断部133は、上記のように側面防着板160の溝を完全に閉鎖することによって、外部への蒸着物質の流出を防止できる。
【0056】
一方、上記のように、角度制限プレート132が上昇・下降すると、角度制限プレート132の高さを、指示部180により示す。具体的には、指示部180は、チャンバーに設けられた確認窓(図示せず。)を通じて、作業者などが外部で確認できるように設けられる。
【0057】
特に、摺動部131が前述したように上昇・下降する場合、運動部181は、摺動部131と共に上昇・下降する。このとき、運動部181は、位置表示部182の一面に配置されて運動することによって、外部から運動部181が止まった位置表示部182の位置を把握できる。特に、作業者などは、予め設定された角度制限プレート132の位置による運動部181の位置を確認することによって、角度制限プレート132の位置が正確であるか否かを判別できる。
【0058】
したがって、真空蒸着機100は、上記ソース部の間の角度制限プレート132の高さを自動的に変更することによって、工程によって角度制限プレート132を交替することによる作業時間及び作業コストを低減することができる。特に、真空蒸着機100は、蒸着工程による角度制限プレート132の交替によって、上記チャンバーを開放していないので、上記チャンバーの真空状態を持続的に維持させることができる。また、真空蒸着機100は、連続蒸着を行うことによって、設備の稼動率を向上することができる。
【0059】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明は、例えば、薄膜形成関連の技術分野に適用可能である。
【符号の説明】
【0061】
100 真空蒸着機
110 駆動部
111 駆動力生成部
112 回転部
120 直線運動部
121 ソース防着板
122 運動ブロック
123 ガイド部
130 角度制限部
131 摺動部
132 角度制限プレート
133 遮断部
140 固定部
150 線形ガイド部
160 側面防着板
170 補助ガイド部
171 固定ブラケット
172 ガイド
173 補強リブ
180 指示部
181 運動部
182 位置表示部
190 カバー部
図1
図2
図3