特許第6348764号(P6348764)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6348764
(24)【登録日】2018年6月8日
(45)【発行日】2018年6月27日
(54)【発明の名称】情報処理装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/02 20120101AFI20180618BHJP
   G06Q 20/24 20120101ALI20180618BHJP
   G06Q 30/06 20120101ALI20180618BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20180618BHJP
   G07G 1/14 20060101ALI20180618BHJP
【FI】
   G06Q20/02
   G06Q20/24
   G06Q30/06
   G07G1/12 321L
   G07G1/14
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-86546(P2014-86546)
(22)【出願日】2014年4月18日
(65)【公開番号】特開2015-207100(P2015-207100A)
(43)【公開日】2015年11月19日
【審査請求日】2017年4月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 久晴
【審査官】 阿部 潤
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−141671(JP,A)
【文献】 特開2010−113454(JP,A)
【文献】 特開2001−306972(JP,A)
【文献】 特開2014−021700(JP,A)
【文献】 特開平07−078205(JP,A)
【文献】 成長領域に対してさらなるビジネス展開を強化する NTTデータ 第一金融事業本部の取組み,BUISINESS COMMUNICATION ,日本,株式会社ビジネスコミュニケーション社,2010年12月 1日,第47巻 第12号,pp. 32-33,ISSN 0385-695X
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
G07G 1/12
G07G 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
テナントの決済端末から受信した取引データと、前記決済端末に接続されたサインパッドから手書き入力された決済サインの画像データと、を受信する取引データ受信手段と、
同一の決済にかかる前記取引データと、前記決済サインの画像データとを関連付けて、サイン画像有取引データとして記憶する取引情報記憶手段と、
前記決済端末が送信した前記サイン画像有取引データを伝票保管データとして保管する伝票保管サービスから、データ突合の対象とする突合用データを受信する突合用データ受信手段と、
前記取引情報記憶手段が記憶する前記サイン画像有取引データと、前記突合用データ受信手段が受信した前記突合用データとを突合し、両者間の相異の有無を示す突合リストを生成して出力する突合リスト出力手段と、
を備えた情報処理装置。
【請求項2】
前記取引データ受信手段は、前記決済サインの画像データを、前記決済端末を介して受信し、前記取引データと当該取引にかかる前記決済サインの画像データとを併せて前記決済端末から受信する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記取引データ受信手段は、前記決済サインの画像データを、前記決済端末を介さずに前記サインパッドから受信する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記突合リスト出力手段は、突合対象の前記決済サインの画像データのファイル名に基づいて、当該決済サインの同一判定を行う、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記突合リスト出力手段は、突合対象の前記決済サインの画像データに画像識別を行って、当該決済サインの同一判定を行う、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項6】
情報処理装置においてコンピュータを、
テナントの決済端末から受信した取引データと、前記決済端末に接続されたサインパッドから手書き入力された決済サインの画像データと、を受信する取引データ受信手段と、
同一の決済にかかる前記取引データと、前記決済サインの画像データとを関連付けて、サイン画像有取引データとして記憶する取引情報記憶手段と、
前記決済端末が送信した前記サイン画像有取引データを伝票保管データとして保管する伝票保管サービスから、データ突合の対象とする突合用データを受信する突合用データ受信手段と、
前記取引情報記憶手段が記憶する前記サイン画像有取引データと、前記突合用データ受信手段が受信した前記突合用データとを突合し、両者間の相異の有無を示す突合リストを生成して出力する突合リスト出力手段と、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ショッピングセンタなどでは、デベロッパが各テナントで決済されたクレジット取引の伝票を所定年数保管する義務がある。例えば従来、POS(Point Of Sales)端末において、レシートやクレジット取引時の伝票を安全に保管する技術が開示されている。しかしながら、全テナント分の伝票保管スペースを確保することは容易ではない。そこで近年では、伝票の保管スペース確保にかかるコスト削減や、伝票保管データの利便性向上などを謳って、伝票の電子データを保管する伝票保管サービスが業務拡大の傾向にある。
【0003】
伝票保管サービスは伝票保管データベースを有する保管管理サーバによって提供され、テナントの決済端末はクレジット決済時に取引データを保管管理サーバに送信する。保管管理サーバは受信した取引データを保管し、テナントを管理するテナント管理サーバからの問合せに随時応じて、保管している取引データを送信するサービス等を提供している。
【0004】
ところで近年、クレジット決済時に、客のサインを店舗控え用のレシートに記入する替わりに、タッチパッドを備えたタブレット端末に手書き入力してもらうサービスが開発されている。同サービスでは、決済サインの画像データを取引データに添付して、サイン画像有取引データとして伝票保管サービスに保管しておくことができる。
【0005】
このようなサービスに関して、各テナントにおける全取引分のサイン画像データおよび取引データが、欠落や齟齬がなく伝票保管サーバに保管されているか、テナント管理サーバから容易に確認できることが望まれていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、サイン画像有取引データについて、伝票保管サービスに保管されているデータと、デベロッパ側で保管しているデータとが一致しているか否かを確認できる情報処理装置およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の情報処理装置は、取引データ受信手段と、取引情報記憶手段と、突合用データ受信手段と、突合リスト出力手段とを備える。取引データ受信手段は、テナントの決済端末から受信した取引データと、前記決済端末に接続されたサインパッドから手書き入力された決済サインの画像データと、を受信する。取引情報記憶手段は、同一の決済にかかる前記取引データと、前記決済サインの画像データとを関連付けて、サイン画像有取引データとして記憶する。突合用データ受信手段は、前記決済端末が送信した前記サイン画像有取引データを伝票保管データとして保管する伝票保管サービスから、データ突合の対象とする突合用データを受信する。突合リスト出力手段は、前記取引情報記憶手段が記憶する前記サイン画像有取引データと、前記突合用データ受信手段が受信した前記突合用データとを突合し、両者間の相異の有無を示す突合リストを生成して出力する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本実施形態にかかる決済サービスシステムの概略構成図である。
図2図2は、テナント管理サーバの機能構成を示すブロック図である。
図3図3は、突合リストの印字例を示す図である。
図4図4は、突合処理の手順例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、本実施形態にかかる決済サービスシステム100の概略構成図である。ショッピングセンタの各テナントにはクレジット決済処理を行う決済端末2が配され、決済サインを手書き入力できるサインパッド3が接続される。ショッピングセンタの事務所やサーバ管理室等においては、デベロッパ用のテナント管理サーバ1が配される。決済端末2とテナント管理サーバ1とはLAN等のネットワークで接続される。また、テナント管理サーバ1は専用回線6を介して、伝票保管サービスを提供する保管管理サーバ4と、クレジット決済サービスを提供する決済管理サーバ5とに接続される。また、各テナントが有する決済端末2は、保管管理サーバ4とネットワーク接続される。
【0010】
なお、伝票保管サービス、クレジット決済サービスは、図1に示す構成に限定されず、複数の情報処理装置により提供されてもよい。また、ネットワークを介して接続された複数の情報処理装置により当該サービスが複合的に提供されてもよい。テナント管理サーバ1についても同様である。
【0011】
次に、クレジット決済処理の全体像について概略的に説明する。各テナントは、決済端末2を用いてクレジット決済処理を行う。決済端末2としてはPOSレジなど既存の決済端末を用いればよいので、その詳細な説明は省略する。決済端末2は、端末内に保持しているデータや入力装置からの入力処理に基づき、クレジット決済ごとに取引データを生成する。取引データには、例えば決済端末2の端末番号、クレジットカードの会員番号、伝票番号、取引日、取引内容、取扱区分、合計額などの情報が含まれる。
【0012】
サインパッド3は、タッチパネル付ディスプレイを備えたタブレット端末である。客が当該タッチパネルに指または専用ペン等で決済サインを描画すると、サインパッド3はその決済サインの描画情報の入力を受付けて、画像データを生成する。サインパッド3は生成した決済サインの画像データを決済端末2に送信する。
【0013】
決済端末2は、クレジット決済の取引データに、サインパッド3から入力された決済サインの画像データを添えて、サイン画像有取引データを生成する。決済端末2は、生成したサイン画像有取引データを、テナント管理サーバ1、および、伝票保管サービスの保管管理サーバ4に送信する。
【0014】
なお、決済端末2は、取引データに必ずしも決済サインの画像データそのものを添えなくともよい。他の例として、決済サインの画像ファイルを別途送信したり、取引データとは別の保管場所を用いたりしてもよい。この場合に決済端末2は、画像ファイルの格納先や送信先、あるいは画像ファイルを識別するための識別情報やファイル名などを示す情報を、取引データに付したサイン画像有取引データを生成すればよい。
【0015】
また別の例としては、単に、その取引はサインパッド3からサイン入力が行われたことを示す情報、即ち、決済サインの画像データがいずれかの情報端末に保存されていることを示す情報を、取引データに付してサイン画像有取引データとして用いてもよい。
【0016】
このように、決済端末2は、取引データにサイン画像データ自体またはサイン画像データに関する情報を付して出力する。即ち、決済端末2は、取引データにサイン画像データを関連付けて、当該取引が決済サインの電子データが有る旨を示すサイン画像有取引データを生成し、出力する。これによりテナント管理サーバ1は、後述の突合処理において、決済サインの電子データの有無、または、決済サインの相異について突合することができる。
【0017】
ショッピングセンタの管理者であるデベロッパは、テナント管理サーバ1を用いてショッピングセンタ内の各テナントを統括管理する。テナント管理サーバ1は、各テナントの決済端末2からサイン画像有取引データを受信し、取引情報DB(Database)20に格納する。また、テナント管理サーバ1は、サイン画像を除いた取引データを、専用回線6を介してクレジット決済サービスの決済管理サーバ5に送信する。なお、クレジット決済サービスでサイン画像の認証も行う場合には、サイン画像を付した取引データを決済管理サーバ5に送信すればよい。
【0018】
決済端末2と決済管理サーバ5とは、テナント管理サーバ1を介して取引データの問合処理を行う。決済管理サーバ5は取引が決済可能であれば、当該取引が締結された旨を示す応答データを決済端末2に送信する。決済端末2は、応答データを受信すると取引データを決済端末2の記憶装置に登録し、取引データを印字したレシートを印字出力する。
【0019】
伝票保管サービスを提供する保管管理サーバ4は、決済端末2(あるいはテナント管理サーバ1)から受信した取引データあるいはサイン画像有取引データを伝票保管DB41に格納し、保管、管理を行う。例えば、保管管理サーバ4は、伝票保管DB41のデータを閲覧するためのWebページを提供し、Web上で受付けた検索条件に合致する伝票保管データを検索して一覧表示する。
【0020】
保管管理サーバ4は、テナント管理サーバ1の要求に応じて、突合対象とする伝票保管データを収集して突合用データを生成し、これをテナント管理サーバ1に送信する。テナント管理サーバ1は、保管管理サーバ4から受信した突合用データと、取引情報DB20に格納されているサイン画像有取引データとを突合する。そして、テナント管理サーバ1は、突合結果を含む突合リスト(図3参照)を生成し、印字データや文書データとして出力する。テナント管理サーバ1が行う突合処理およびデータ出力例については後述する。
【0021】
なお、伝票保管サービスとクレジット決済サービスとは、連携して提供される場合が多いので、図1では互いに接続されてデータ通信を行うシステム構成例について記載した。無論、システム構成例はこれに限定されるものではなく、伝票保管サービスとクレジット決済サービスとがデータ通信を行わない形態であってもよい。その他のシステム構成や、データ通信の経由などについても、上述した例には限定されない。
【0022】
次に、テナント管理サーバ1の機能構成について、図2を用いて説明する。図2は、テナント管理サーバ1の機能構成を示すブロック図である。
【0023】
図2に示すように、テナント管理サーバ1は、CPUなどの制御装置と、ROM(Read Only Memory)やRAMなどの記憶装置により構成される制御部10を有する。制御部10には、バス12を介して通信I/F(Interface)13、I/O(Input/Output)機器制御部14が接続されている。I/O機器制御部14には、キーボード15やマウス16などの入力装置、液晶ディスプレイなどの表示装置17、プリンタ18、HDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置19が接続される。記憶装置19には、取引情報DB20が格納される。
【0024】
取引情報DB20は、決済端末2から受信した取引データと、当該取引と同一の取引の決済サインの画像データとを対応付けて、サイン画像有取引データとして格納する。
【0025】
次に、テナント管理サーバ1で実行されるプログラムについて説明する。本実施形態のテナント管理サーバ1で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0026】
また、本実施形態のテナント管理サーバ1で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態のテナント管理サーバ1で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。また、本実施形態のプログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【0027】
本実施形態のテナント管理サーバ1で実行されるプログラムは、図2に示すように、データ受信部51、突合リスト生成部52、突合リスト出力部53を含むモジュール構成となっている。実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記記憶媒体からプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、データ受信部51、突合リスト生成部52、突合リスト出力部53が主記憶装置上に生成される。
【0028】
データ受信部51は、決済端末2から取引データを受信し、記憶装置19の取引情報DB20に格納する。また、データ受信部51は、サインパッド3から決済サインの画像データを受信し、取引情報DB20に格納する。なお、データ受信部51は、決済端末2を介して決済サインの画像データを受信してもよい。即ち、データ受信部51は、決済端末2から、取引データと併せて決済サインの画像データを受信してもよい。
【0029】
データ受信部51は、表示装置17に表示された入力画面(不図示)や、キーボード15およびマウス16等の入力装置を介してデータ突合の範囲を受付ける。そして、当該突合範囲に該当する伝票保管データを用いて突合用データを生成し、テナント管理サーバ1に送信するよう、保管管理サーバ4に要求する。データ受信部51は、保管管理サーバ4から送信された突合用データを受信し、記憶装置19に格納する。
【0030】
突合リスト生成部52は、保管管理サーバ4から受信した突合用データと、取引情報DB20に格納されている取引データとを突合し、両者間のデータの相異の有無はその相異箇所を示した突合リストを生成する。
【0031】
突合リスト出力部53は、突合リスト生成部52が生成した突合リストをプリンタ18により印字出力する。また、突合リスト出力部53は、突合リストの表示データを表示装置17に出力し、表示装置17に表示させる。なお、突合リストの出力形式は上述に限定されない。突合リスト出力部53は、突合リスト生成部52が文書ファイルやその他形式で生成したファイルを外部機器に出力してもよい。
【0032】
図3は、突合リストの印字例を示す図である。図3に示すように、突合リストのヘッダには、突合リストの作成日、ショッピングセンタのコードであるSCコード、ショッピングセンタの名称を示すSC名、取引日、クレジット会社などの情報が出力される。
【0033】
図3では、テナント管理サーバ1に存在し、伝票保管サービスには存在しないデータについて、現象コードとして0001を付した例を示す。そして、テナント管理サーバ1の取引情報DB20のみに存在する取引データについて、端末番号、会員番号、伝票番号…等の各項目の情報がリストアップされる。
【0034】
また、テナント管理サーバ1には存在せず、伝票保管サービスには存在するデータについては、現象コードとして0002を付している。そして、伝票保管サービスの伝票保管DB41のみに存在する(図中では「センタのみに存在する」と記している)伝票保管データについて、端末番号、会員番号、伝票番号…等の各項目の情報がリストアップされる。
【0035】
また、テナント管理サーバ1および伝票保管サービスの双方に存在し、同一取引とみなすための照合条件は満たされたが、一部のデータが互いに異なると判別された取引については、現象コードとして0003を付している。
【0036】
同一取引とみなすための照合条件としては、例えば、端末番号、会員番号、伝票番号、買上日付などのデータ項目を用いて、同一の取引を判別すればよい。突合するデータ項目については特に限定されないが、上述した照合条件以外のデータ項目のすべてについて突合してもよいし、金額、支払い回数など、一部のデータ項目について突合してもよい。
【0037】
なお、齟齬のあったデータの表記方法については特に限定されない。図3に例示したように、「不整合」なる項目を設け、齟齬のあったデータ項目名や情報について明記してもよい。別な例としては、齟齬のあった箇所をカラー表示、反転表示、下線表示などにより強調表示(印字)してもよい。より単純な表記例としては、双方のデータ、即ち、取引情報DB20から読み込んだ取引データと、保管管理サーバ4から受信した突合用データとを、行を改めて単純に列記しておき、管理者がデータ相異箇所を目視確認してもよい。
【0038】
決済サインの齟齬判定については、例えば、決済サインの画像ファイルが同一であるか否かを判別すればよい。即ち、画像ファイル名やファイルの格納場所を示す情報などを用いて画像ファイルの同一判定を行う。なお、既存の画像識別技術や、サイン識別技術などを用いて決済サインの同一判定を行ってもよい。また、上述の判別方法を組み合わせて同一判定を行ってもよい。
【0039】
次に、本実施形態の決済サービスシステム100において実行される突合処理の手順例について、図4を用いて説明する。図4は、突合処理の手順例を示すシーケンス図である。
【0040】
まず、テナントの決済端末2において、クレジット決済処理が行われる。決済端末2は、スキャナやキーボード、タッチパネル、カードリーダ等の入力機器に対する入力操作に応じて取引データを受付ける(ステップS1)。また、サインパッド3は、タッチパネルへのタッチ入力に基づいて、手書き描画された決済サインの画像ファイルを生成する(ステップS2)。次にサインパッド3は、生成した画像ファイルを決済端末2に送信する(ステップS3)。
【0041】
決済端末2は、サインパッド3から送信された決済サインの画像ファイルを受信する(ステップS4)。そして、ステップS4で受信した決済サインの画像ファイルまたは当該画像ファイルの関連情報を、ステップS1で受付けた取引データに付して、サイン画像有取引データを生成する(ステップS5)。
【0042】
決済端末2は、テナント管理サーバ1を介してクレジット決済サービスの決済管理サーバ5に取引データを送信し、当該取引データにかかる決済の可否について問い合わせる(ステップS6)。決済管理サーバ5は、カード決済情報DB61等に基づいて決済処理の可否を判定し、テナント管理サーバ1を介して決済端末2に判定結果を応答する(ステップS7)。なお、クレジット決済サービスがサイン画像により本人確認を行う場合には、ステップS6において決済端末2がサイン画像有取引データを送信して問合せを行えばよい。
【0043】
決済管理サーバ5から決済可能である旨の応答を得ると(ステップS7)、決済端末2は、サイン画像有取引データをテナント管理サーバ1に送信する(ステップS8)。テナント管理サーバ1は、受信したサイン画像有取引データを取引情報DB20に格納し、取引情報DB20を更新する(ステップS9)。
【0044】
また、決済端末2は、サイン画像有取引データを伝票保管サービスの保管管理サーバ4に送信する(ステップS10)。保管管理サーバ4は、受信したサイン画像有取引データにより伝票保管DB41内の伝票保管データを更新する(ステップS11)。
【0045】
次に、保管管理サーバ4は、所定時刻等の予め定めたタイミングに突合用データを生成し(ステップS12)、テナント管理サーバ1に送信する(ステップS13)。
【0046】
なお、ここでは、保管管理サーバ4が所定のタイミングで突合用データを生成するとしたが、突合用データ生成のタイミングはこれに限定されない。例えば、テナント管理サーバ1が突合用データを生成する依頼(問合せ)をしてもよい。一例として、テナント管理サーバ1は、所定のタイミングで突合依頼を保管管理サーバ4に送信してもよい。
【0047】
テナント管理サーバ1は、ステップS13で受信した突合用データと、取引情報DB20に格納されているデータとを突合することにより、電子伝票の突合処理を行う(ステップS14)。そして、テナント管理サーバ1は、突合結果を用いて突合リストを生成し、記憶装置19に保存する(ステップS15)。また、テナント管理サーバ1は、突合リストをディスプレイに表示出力する。さらに、テナント管理サーバ1は、生成した突合リストの印字用データをプリンタ18に出力し、突合リストを印刷する(ステップS16)。
【0048】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0049】
例えば、本実施形態はクレジット決済に限定されない。デビット方式の銀行間決済ネットワークによる決済など、他の決済システムに上記実施形態を適用してもよい。
【0050】
また、商品の返品や取引の取り消し等の処理についても、本実施形態を適用してよい。取引番号に代わって取消伝票番号や返品受付番号などが用いられる場合には、それらの識別番号を用いて、上述した突合リストに突合結果を出力すればよい。
【0051】
以上のように、本実施形態のテナント管理サーバ1は、取引情報DB20が記憶するサイン画像有取引データと、伝票保管サービスから受信した突合用データとを突合し、突合リストを生成、出力する。これにより本実施形態では、サイン画像有取引データについて、伝票保管サービスに保管されているデータと、デベロッパ側で保管しているデータとが一致しているか否かを確認することができる。
【符号の説明】
【0052】
1…テナント管理サーバ、2…決済端末、3…サインパッド、4…保管管理サーバ、5…決済管理サーバ、20…取引情報DB、41…伝票保管DB、51…データ受信部、52…突合リスト生成部、53…突合リスト出力部。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0053】
【特許文献1】特開2012−48495号公報
図1
図2
図3
図4