特許第6348774号(P6348774)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社平和の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6348774
(24)【登録日】2018年6月8日
(45)【発行日】2018年6月27日
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20180618BHJP
【FI】
   A63F7/02 320
【請求項の数】1
【全頁数】67
(21)【出願番号】特願2014-113963(P2014-113963)
(22)【出願日】2014年6月2日
(65)【公開番号】特開2015-226679(P2015-226679A)
(43)【公開日】2015年12月17日
【審査請求日】2017年3月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000154679
【氏名又は名称】株式会社平和
(74)【代理人】
【識別番号】100126620
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 豪
(72)【発明者】
【氏名】山口 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】小川 進
(72)【発明者】
【氏名】宇都宮 晃
(72)【発明者】
【氏名】折原 健介
(72)【発明者】
【氏名】門屋 亮二郎
(72)【発明者】
【氏名】冨沢 雅貴
【審査官】 木村 隆一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−024346(JP,A)
【文献】 特開2012−085722(JP,A)
【文献】 特開2012−019949(JP,A)
【文献】 特開2013−000494(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球が流下可能な遊技領域と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が進入可能な始動領域と、
前記始動領域への遊技球の進入が不可若しくは困難な第1状態から、前記第1状態よりも前記始動領域への遊技球の進入が容易な第2状態へ変位可能な可動部材と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が進入可能な進入領域と、
前記進入領域に遊技球が進入したことを条件として、第1状態に維持されている前記可動部材を第2状態へ変位させるか否かを抽選により決定する可動決定手段と、
前記可動決定手段による決定がなされた場合に、当該決定の結果に対応付けられた図柄である普通図柄を所定時間変動表示した後に停止表示させる普通図柄変動手段と、
前記普通図柄変動手段により、前記可動部材を第2状態へ変位させる旨の決定の結果に対応付けられた前記普通図柄である当たり図柄が停止表示した場合に、前記可動部材を前記第2状態へ変位させる可動制御手段と、
前記始動領域へ遊技球が進入したことを条件として、遊技者に有利な特別遊技の実行の可否を抽選により決定する特別遊技実行決定手段と、
記特別遊技の実行が決定された場合に、前記遊技領域に設けられた大入賞口が開放され予め定められた閉鎖条件の成立により閉鎖されるラウンド遊技を複数回実行する特別遊技実行手段と、
全てのラウンド遊技が終了してから前記特別遊技の実行の可否の決定が開始されるまでのエンディング期間の経過後において予め定められた実行条件が成立している間に、前記当たり図柄が停止表示した場合に、当該当たり図柄に応じた態様による特定演出を実行可能な特定演出実行手段と、
前記エンディング期間経過後1回目の特別遊技の実行の可否の決定が行われ、前記特別遊技を実行する旨が決定された場合に、当該決定に基づく特別遊技の実行を報知する特別演出を実行可能な特別演出実行手段と、を備え、
前記特定演出実行手段は、
少なくとも前記特別演出が実行される場合には、前記特定演出の実行を制限することを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関し、詳しくは、遊技領域に設けられた始動領域へ遊技球が進入することを条件として、遊技者にとって有利な特別遊技の実行の可否を決定する遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の遊技機として、始動入賞口(始動領域)への遊技球の入球を条件に大当たりの抽選(特別遊技の実行の可否の決定)を行い、この抽選により大当たりに当選すると多くの賞球を獲得可能な特別遊技を実行するとともに、遊技領域に設けられたゲート(進入領域)への遊技球の進入を条件に、始動入賞口への遊技球の入球の難易度を変化させる可動片(可動部材)を変位させるか否かを決定する普通図柄の抽選を行い、この抽選により当選すると、始動入賞口への遊技球の入球を容易とする位置へ可動片を変位させるようなものが知られている。
ここで、普通図柄の抽選は、上述の如く、始動入賞口への遊技球の入球を容易とするか否かを決定するために行われることから、遊技者に対しては大当たりの抽選に付随して行われる付加的なものであるとの印象を与えるに留まり、この普通図柄の抽選に関連する演出を実行しても遊技者の興趣を高めることが困難であるとの問題が生じていた。
そこで、遊技者の興趣を高めるべく、大当たりの抽選の結果に関連しているとの印象を遊技者が抱くような普通図柄の抽選に関した演出を行う遊技機が考案されている。具体的には、このような遊技機においては、普通図柄の抽選に用いられる乱数が保留されている場合にその旨を所定態様で表示するとともに、大当たりの抽選に用いられる乱数を保留している場合において、この保留の中に大当たりと判定される乱数が含まれているときには、普通図柄の抽選に用いられる乱数が保留されている旨を通常とは異なる態様で表示するような演出が実行されるようになっている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−115284号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、遊技機においては、大当たりの抽選の結果に関連する演出として、大当たりの抽選の結果を報知する変動演出、大当たりの当選の期待度を示唆する予告演出やリーチ発展演出等の種々の演出が実行されるようになっている。そのため、上述のような普通図柄の抽選に関する演出は、大当たりの抽選の結果に関連する多くの演出の一つに過ぎないため、遊技者に与えるインパクトが小さく、この演出によって遊技者の興趣を十分に高めることができていないとの問題が生じていた。
【0005】
そこで、本発明は、上述した事情によりなされたものであり、始動入賞口への遊技球の入球を容易とするか否かを決定するために行われる普通図柄の抽選に関して新たな演出を実行することにより、普通図柄の抽選に対する遊技者の興趣を高めることが可能な遊技機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した目的を達成するために、本発明は次のように構成されている。
以下、本発明の特徴点を図面に示した発明の実施の形態を用いて説明する。なお、下記の符号及び記載は、本発明の構成に相当する発明の実施の形態における構成の符号及び名称を示したものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0007】
(1)本発明は、遊技球が流下可能な遊技領域12と、前記遊技領域12に設けられ、遊技球が進入可能な始動領域(第1始動入賞口15、第2始動入賞口16)と、前記始動領域への遊技球の進入が不可若しくは困難な第1状態から、前記第1状態よりも前記始動領域への遊技球の進入が容易な第2状態へ変位可能な可動部材(可動片16b)と、前記遊技領域に設けられ、遊技球が進入可能な進入領域(ゲート20)と、前記進入領域に遊技球が進入したことを条件として、第1状態に維持されている前記可動部材を第2状態へ変位させるか否かを抽選により決定する可動決定手段(メインCPU101)と、前記可動決定手段による決定がなされた場合に、当該決定の結果に対応付けられた図柄である普通図柄を所定時間変動表示した後に停止表示させる普通図柄変動手段(メインCPU101)と、前記普通図柄変動手段により、前記可動部材を第2状態へ変位させる旨の決定の結果に対応付けられた普通図柄である当たり図柄が停止表示した場合に、前記可動部材を前記第2状態へ変位させる可動制御手段(メインCPU101、始動入賞口ソレノイド16c)と、前記始動領域へ遊技球が進入したことを条件として、遊技者に有利な特別遊技の実行の可否を抽選により決定する特別遊技実行決定手段(メインCPU101)と、記特別遊技の実行が決定された場合に、前記遊技領域に設けられた大入賞口18が開放され予め定められた閉鎖条件の成立により閉鎖されるラウンド遊技を複数回実行する特別遊技実行手段(メインCPU101)と、全てのラウンド遊技が終了してから前記特別遊技の実行の可否の決定が開始されるまでのエンディング期間の経過後において予め定められた実行条件が成立している間に、前記当たり図柄が停止表示した場合に、当該当たり図柄に応じた態様による特定演出(普図抽選特定演出)を実行可能な特定演出実行手段(サブCPU301、演出表示装置21、画像制御基板)と、前記エンディング期間経過後1回目の特別遊技の実行の可否の決定が行われ、前記特別遊技を実行する旨が決定された場合に、当該決定に基づく特別遊技の実行を報知する特別演出(大当たり当選特定演出)を実行可能な特別演出実行手段(サブCPU301、演出表示装置21、画像制御基板)と、を備え、前記特定演出実行手段は、少なくとも前記特別演出が実行される場合には、前記特定演出の実行を制限することを特徴とする遊技機(パチンコ機P)である。
ここで、閉鎖条件としては、大入賞口18に所定数の遊技球が入球すること、大入賞口18が開放されてから所定時間経過すること等を定めることができる。
また、実行条件としては、たとえば、所定の演出が実行されていること、可動決定手段による決定の回数が所定回数以内であること等を定めることができる。
【0008】
本発明に係る遊技機においては、特別遊技の終了前後(エンディング期間、エンディング期間経過後)において普通図柄が停止表示した場合に、可動決定手段による決定の結果に応じた態様の特定演出が実行される。したがって、可動決定手段による決定(普通図柄の抽選)が特別遊技に付随して行われ、さらには、この可動決定手段による決定の結果が特別遊技において獲得できる利益に影響を与えるような印象を遊技者に抱かせることができ、当該決定に対する興趣を高めることができるのである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、始動入賞口への遊技球の入球を容易とするか否かを決定するために行われる普通図柄の抽選に関して新たな演出を実行することにより、普通図柄の抽選に対する遊技者の興趣を高めることが可能な遊技機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】パチンコ機の外観斜視図である。
図2】パチンコ機の前扉を開けた状態の外観斜視図である。
図3】パチンコ機の遊技盤の正面概略図である。
図4】パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
図5】パチンコ機の大当たり決定乱数判定テーブルの説明図である。
図6】パチンコ機の当たり図柄乱数判定テーブルの説明図である。
図7】パチンコ機の特別電動役物作動テーブルの説明図である。
図8】パチンコ機の遊技状態設定テーブルの説明図である。
図9】パチンコ機の前半変動パターンコマンド決定テーブルの説明図である。
図10】パチンコ機の後半変動パターンコマンド決定テーブルの説明図である。
図11】パチンコ機の第1設定テーブル及び第2設定テーブルの説明図である。
図12】パチンコ機の当たり決定乱数判定テーブルの説明図である。
図13】パチンコ機の普通図柄変動パターン決定テーブルの説明図である。
図14】パチンコ機の第2始動入賞口開放制御テーブルの説明図である。
図15】パチンコ機の主制御基板におけるメイン処理の概略を示すフローチャートである。
図16】パチンコ機の主制御基板におけるタイマ割込処理の概略を示すフローチャートである。
図17】パチンコ機の主制御基板におけるセンサ検出時処理の概略を示すフローチャートである。
図18】パチンコ機の主制御基板におけるゲート検出時処理の概略を示すフローチャートである。
図19】パチンコ機の主制御基板における第1始動入賞口検出時処理の概略を示すフローチャートである。
図20】パチンコ機の主制御基板における第2始動入賞口検出時処理の概略を示すフローチャートである。
図21】パチンコ機の主制御基板における特図関連制御処理の概略を示すフローチャートである。
図22】パチンコ機の主制御基板における特別図柄変動開始処理の概略を示すフローチャートである。
図23】パチンコ機の主制御基板における変動パターン決定処理の概略を示すフローチャートである。
図24】パチンコ機の主制御基板における特別図柄変動停止処理の概略を示すフローチャートである。
図25】パチンコ機の主制御基板における停止後処理の概略を示すフローチャートである。
図26】パチンコ機の主制御基板における特別遊技制御処理の概略を示すフローチャートである。
図27】パチンコ機の主制御基板における特別遊技終了処理の概略を示すフローチャートである。
図28】パチンコ機の主制御基板における普図関連制御処理の概略を示すフローチャートである。
図29】パチンコ機の主制御基板における普通図柄変動開始処理の概略を示すフローチャートである。
図30】パチンコ機の主制御基板における普通図柄変動停止処理の概略を示すフローチャートである。
図31】パチンコ機の主制御基板における普通図柄停止後処理の概略を示すフローチャートである。
図32】パチンコ機の主制御基板における可動片制御処理の概略を示すフローチャートである。
図33】パチンコ機の変動演出の態様の一例を示す図である。
図34】パチンコ機の変動演出の態様の一例を示す図である。
図35】パチンコ機のチャレンジ演出の開始告知表示、チャレンジ演出、普図抽選特定演出、大当たり当選特定演出の態様の一例を示す図である。
図36】パチンコ機のチャレンジ演出、普図抽選特定演出、大当たり当選特定演出の実行の流れを示すタイムチャートである。
図37】パチンコ機のチャレンジ演出、普図抽選特定演出、大当たり当選特定演出の実行の流れを示すタイムチャートである。
図38】パチンコ機のチャレンジ演出、普図抽選特定演出、大当たり当選特定演出の実行の流れを示すタイムチャートである。
図39】パチンコ機のチャレンジ演出、普図抽選特定演出、大当たり当選特定演出の実行の流れを示すタイムチャートである。
図40】パチンコ機のチャレンジ演出、普図抽選特定演出、大当たり当選特定演出の実行の流れを示すタイムチャートである。
図41】パチンコ機のチャレンジ演出、普図抽選特定演出、大当たり当選特定演出の実行の流れを示すタイムチャートである。
図42】パチンコ機のチャレンジ演出、普図抽選特定演出、大当たり当選特定演出の実行の流れを示すタイムチャートである。
図43】パチンコ機の副制御基板におけるメイン処理の概略を示すフローチャートである。
図44】パチンコ機の副制御基板におけるタイマ割込処理の概略を示すフローチャートである。
図45】パチンコ機の副制御基板におけるエンディングコマンド受信処理の概略を示すフローチャートである。
図46】パチンコ機の副制御基板における普図遊技開始コマンド受信処理の概略を示すフローチャートである。
図47】パチンコ機の副制御基板における普図遊技終了コマンド受信処理の概略を示すフローチャートである。
図48】パチンコ機の副制御基板における特別遊技終了コマンド受信処理の概略を示すフローチャートである。
図49】パチンコ機の副制御基板における第1変動パターンコマンド受信処理の概略を示すフローチャートである。
図50】パチンコ機の副制御基板における大当たり当選特定演出実行処理の概略を示すフローチャートである。
図51】パチンコ機の副制御基板における第2変動パターンコマンド受信処理の概略を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の好適な実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
(パチンコ機Pの外部構成)
本形態に係る遊技機は、遊技媒体として遊技球を使用するパチンコ機Pである。特に図示していないが、パチンコ機Pが設置される遊技場においては、島と呼ばれる遊技機の設置領域に、複数台のパチンコ機Pが並べて配設されるとともに、遊技球を貸し出すための遊技球貸出装置が各パチンコ機Pに隣接して設置される。また、各パチンコ機Pは対応する遊技球貸出装置Rに接続されている。
遊技球貸出装置Rは、紙幣の投入や遊技球の貸し出しに必要な価値情報が記憶される記憶媒体(カード)の挿入が可能となっている。そして、遊技球貸出装置Rに紙幣を投入(又は、カードを挿入)した上で、パチンコ機Pに対して所定の操作を行うことにより、遊技球貸出装置Rから遊技球の貸し出しを受けることができるようになっている。
【0013】
本形態に係るパチンコ機Pは、図1又は図2に示すように、島に固定される四角形状の枠体であって、中空部(特に図示しておらず)を有する機枠1と、この機枠1にヒンジ機構(特に図示しておらず)により開閉自在に取り付けられる四角形状の枠体であって、中空部(特に図示しておらず)を有する本体枠2と、この本体枠2にヒンジ機構(特に図示しておらず)により開閉自在に取り付けられ、正面に開口部(特に図示しておらず)が形成された前扉3と、を備えている。
【0014】
機枠1の左下部には、図2に示すように、音声出力装置10としてのスピーカが設けられている。また、本体枠2の中空部には、遊技領域12を形成するための遊技盤11が収容されている。また、前扉3には、開口部を覆う透明板4と、透明板4の下方に位置し遊技球を受容可能な上皿6及び受皿7と、受皿7の右方に取り付けられ遊技球の発射操作を行うための操作ハンドル5と、透明板4の左右上方にそれぞれ1個ずつ取り付けられた音声出力装置10としてのスピーカと、が設けられている。
【0015】
このパチンコ機Pでは、機枠1に対して本体枠2を閉じ、さらに、前扉3を閉じると、遊技盤11の前方に間隙を挟んで透明板4が位置することとなる。これにより、透明板4を介して、後方に位置する遊技盤11を視認することができるようになっている。
【0016】
また、上皿6には、遊技球貸出装置Rにより貸し出される遊技球や、パチンコ機Pから払い出される賞球が導かれるようになっている。上皿6は、所定量の遊技球を受容可能となっているが、この上皿6が遊技球で一杯になると、その後に貸し出されたり、払い出されたりする遊技球は受皿7に導かれるようになっている。また、受皿7の底面には、特に図示していないが、貯留されている遊技球を排出するための排出孔と、排出孔を開閉可能な開閉板と、が設けられている。常態において、排出孔は開閉板により閉じられているものの、開閉板と一体に取り付けられた開閉レバー8(図1参照)を横方向に移動させることで、開閉板も同方向に移動し、排出孔が開放される。これにより、遊技球を排出孔から落下させて、受皿7の外に排出することができるようになっている。
【0017】
また、操作ハンドル5は、遊技者が所定方向へ向けて回転操作できるように形成されている。そして、遊技者が操作ハンドル5を回転操作すると、上皿6に受容されている遊技球が発射装置(特に図示しておらず)に送られ、操作ハンドル5の回転角度に応じた強度で、発射装置によって遊技球が遊技領域12へ向けて発射される。このように発射された遊技球は、遊技盤11に固定された一対のレール13a、13bに案内されて上昇し、遊技領域12に到達する。
【0018】
ここで、遊技領域12は、機枠1に対し本体枠2及び前扉3を閉じた状態で遊技盤11と透明板4との間に形成される空間のうち、遊技盤11に固定された一対のレール13a、13bにより略円形状に仕切られた部分であって、遊技球が流下可能な領域である。
この遊技領域12は、図3に示すように、パチンコ機Pに対向する遊技者から見て左側の領域である第1遊技領域12aと、パチンコ機Pに対向する遊技者から見て右側の領域である第2遊技領域12bとから構成されている。これら2つの遊技領域12は、発射装置の発射強度により、遊技球の進入可能性が異なるようになっている。具体的には、発射装置の発射強度が所定の強度未満(発射装置により発射される遊技球が遊技領域12の最高地点に到達しない程度の強度)の場合には、遊技球は第1遊技領域12aに進入する。これに対して、発射装置の発射強度が所定の強度以上(発射装置により発射される遊技球が遊技領域12の最高地点に到達可能な強度)の場合には、遊技球は第2遊技領域12bに進入する。
【0019】
また、この遊技領域12内には、図3に示すように、遊技球の流下方向を不規則にするための風車及び多数の釘と、遊技球が入球可能な一般入賞口14と、始動領域としての第1始動入賞口15及び第2始動入賞口16と、遊技球が通過可能なゲート20と、所定条件を満たすことで作動するアタッカー装置17と、遊技球を遊技領域12外へ導くアウト口19と、遊技の進行等に伴って演出を行う演出装置としての演出表示装置21と、が設けられている。
【0020】
一般入賞口14は、図3に示すように、遊技領域12の左側下部に設けられており、当該一般入賞口14へ遊技球が入球すると、所定個数の賞球が払い出される。
なお、一般入賞口14の設置個数や設置位置は特に限定されるものではない。
【0021】
第1始動入賞口15は、図3に示すように、遊技領域12の中央からやや下寄りの位置に設けられている。この第1始動入賞口15へは、第1遊技領域12aを流下する遊技球が入球可能となっており、第2遊技領域12bを流下する遊技球はほぼ入球できないようになっている。これに対して、第2始動入賞口16は、図3に示すように、遊技領域12の中央から右寄りの位置(すなわち、第2遊技領域12b内)に設けられている。この第2始動入賞口16へは、第2遊技領域12bを流下する遊技球が入球可能となっており、第1遊技領域12aを流下する遊技球はほぼ入球できないようになっている。
【0022】
また、第2始動入賞口16には、図3に示すように、開閉可能な可動片16b(普通電動役物)が設けられている。そして、可動片16bが閉じているときには第2始動入賞口16が閉状態となっており、第2始動入賞口16への遊技球の入球は不可能又は困難である。これに対して、可動片16bが開くと、第2始動入賞口16が開状態となるとともに、この可動片16bが遊技球を第2始動入賞口16へ向けて案内するガイド部材として機能することにより、第2始動入賞口16への遊技球の入球が容易となる。
また、この可動片16bの構成は特に限定されるものではなく、たとえば、遊技盤11に直交する軸を中心に左右方向に回動して第2始動入賞口16を開閉する一対の羽根部材や、水平な軸を中心に前後方向に回動して第2始動入賞口16を開閉する蓋部材により構成してもよいし、また、上下方向にスライドして第2始動入賞口16を開閉するシャッター部材により構成してもよい。
なお、第1始動入賞口15や第2始動入賞口16の設置位置は特に限定されるものではなく、たとえば、第1始動入賞口15や第2始動入賞口16は、いずれの遊技領域12(第1遊技領域12a、第2遊技領域12b)を流下する遊技球も入球しやすいような位置に配置してもよい。
【0023】
そして、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、所定個数の賞球が払い出されるとともに、予め定められた複数の特別図柄の中から1の特別図柄を決定するための抽選が行われる。各特別図柄には種々の遊技利益が対応付けられており、決定された特別図柄の種別に応じて、遊技者にとって有利な特別遊技の実行、所定の遊技状態の設定等の遊技利益を受けられるようになっている。
【0024】
ゲート20は、図3に示すように、第2始動入賞口16の上方に設けられている。このゲート20を遊技球が通過すると、後述する普通図柄の抽選が行われる。そして、当該抽選の結果が当たりであった場合、上述の第2始動入賞口16に設けられた可動片16bが所定時間開かれるようになっている。
【0025】
アタッカー装置17は、図3に示すように、第1始動入賞口15及び第2始動入賞口16の下方に設けられている。このアタッカー装置17は、遊技球が入球可能な大入賞口18と、この大入賞口18を開閉する開閉扉18bと、を備えている。常態においては、開閉扉18bが閉じられ大入賞口18は閉鎖されているため、当該大入賞口18への遊技球の入球は不可能となっているものの、上述の特別遊技が実行されると、開閉扉18bが開き大入賞口18が開放されるとともに、開閉扉18bが遊技球を大入賞口18へ導く受皿部材として機能することにより、大入賞口18への遊技球の入球が可能となる。
また、当該大入賞口18へ遊技球が入球すると、所定個数の賞球が払い出される。
【0026】
アウト口19は、図3に示すように、遊技領域12の最下部に設けられており、一般入賞口14、第1始動入賞口15、第2始動入賞口16及び大入賞口18のいずれにも入球しなかった遊技球を受け入れるものである。そして、アウト口19に受け入れられた遊技球は、遊技盤11の背面側に導かれ回収される。
【0027】
演出表示装置21は、図3に示すように、遊技領域12の略中央に設けられている。本形態に係るパチンコ機Pでは、この演出表示装置21として液晶表示装置が用いられている。また、この演出表示装置21には、動画や静止画等の画像を表示するための表示部21aが設けられており、この表示部21aには、背景画像が表示されるほか、所定の演出態様の一部として、演出図柄50(ダミー図柄)が変動表示されるようになっている。そして、各演出図柄50の停止表示態様により、後述する抽選の結果が遊技者に報知されることとなる。
また、本形態における表示部21aには、遊技状態が、後述するST遊技状態又は低確率時短遊技状態に設定されると、これらの遊技状態が終了するまでの残り回数(大当たりの抽選の回数)も表示されるようになっている。
なお、演出表示装置21は、液晶表示装置に限定されるものではなく、たとえば、外周に図柄が付された複数のドラムを用いて各種表示を行うドラム式の表示装置等を用いてもよい。
【0028】
本形態に係るパチンコ機Pは、演出装置として、演出表示装置21のほか、上述の音声出力装置10としてのスピーカや、種々の色や点灯パターンで発光することにより演出を行う演出照明装置23としてのランプ(図2参照)を備えている。
なお、演出装置としては、これらに限定されるものではなく、たとえば、種々のタイミングや態様で可動する演出役物装置等を備えてもよい。
また、上皿6の前方位置には、遊技者が操作することにより遊技中や待機中等に実行される演出の進行や切り替えが可能な演出操作装置9が設けられている。本形態における演出操作装置9は、円形リング状の枠体であって回転操作が可能な操作ダイヤル9aと、操作ダイヤル9aに嵌め込まれており押下操作が可能な操作ボタン9bとから構成されている。
【0029】
また、図3に示すように、遊技盤11の右下部であって、かつ、遊技領域12の外側には、遊技についての種々の状況を表示するための装置として、第1特別図柄表示装置30、第2特別図柄表示装置31、第1特図保留表示装置38、第2特図保留表示装置39、普通図柄表示装置32及び普通図柄保留表示装置33が設けられている。
【0030】
また、上述の如く、本形態に係るパチンコ機Pには、遊技球貸出装置Rが電気的に接続されているが、遊技球の貸し出しやカードの排出等の遊技球貸出装置Rに対する操作を、パチンコ機Pで受け付けられるようにしている。そのため、パチンコ機Pには、図1に示すように、カードに記憶されている価値情報(残高情報)を表示する価値情報表示装置35と、押下操作が可能な球貸ボタン36と、押下操作が可能なカード返却ボタン37と、が設けられている。
【0031】
(パチンコ機Pの制御手段の構成)
次に、パチンコ機Pの遊技や演出を制御する制御手段について説明する。
上述の制御手段は各種制御基板により構成されており、具体的には、図4に示すように、パチンコ機Pの遊技の基本動作を制御する主制御基板100、遊技球の発射及び賞球の払い出しを制御する発射払出制御基板200、各種演出を制御する副制御基板300、及び、遊技球貸出装置Rへの操作を中継する遊技球貸出装置制御基板400を備えている。
【0032】
また、図4に示すように、主制御基板100には、発射払出制御基板200及び副制御基板300が接続され、また、発射払出制御基板200には、遊技球貸出装置制御基板400が接続されている。
さらに、主制御基板100及び発射払出制御基板200には、遊技進行上の種々の情報をパチンコ機Pの外部(たとえば、遊技場のホールコンピュータ等)に出力するための外部情報端子基板500が接続されている。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、発射払出制御基板200が遊技球の発射及び賞球の払い出しの双方を制御しているが、遊技球の発射を制御する基板(発射制御基板)と、賞球の払い出しを制御する基板(払出制御基板)とを別個に設けてもよい。
【0033】
また、特に図示していないが、本形態に係るパチンコ機Pが備える各基板には電源基板が接続されている。この電源基板にはバックアップ電源が設けられており、パチンコ機Pに供給される電源の電圧値が所定値以下になった場合に電断と判断し、主制御基板100に電断信号を出力する。
【0034】
主制御基板100は、パチンコ機Pにおいて行われる遊技を制御するものであり、具体的には、遊技球が第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ入球することを契機に開始される特図遊技、及び、遊技球がゲート20を通過することを契機に開始される普図遊技を制御する。
この主制御基板100は、図4に示すように、各種演算処理を行うメインCPU101と、遊技を進行するための制御プログラム、遊技に必要なデータやテーブル等を格納するメインROM102と、演算処理時の一時記憶領域等として用いられるメインRAM103と、を備えている。
そして、メインCPU101は、後述する各検出センサやタイマからの信号に基づき、メインROM102に格納されている制御プログラムを読み出して演算処理を行うとともに、メインCPU101に接続されている各種装置の制御や、演算処理の結果に基づく他の基板へのコマンド送信等を行う。
【0035】
また、図4に示すように、主制御基板100には、一般入賞口14へ遊技球が入球したことを検出する一般入賞口検出センサ14aと、第1始動入賞口15へ遊技球が入球したことを検出する第1始動入賞口検出センサ15aと、第2始動入賞口16へ遊技球が入球したことを検出する第2始動入賞口検出センサ16aと、大入賞口18へ遊技球が入球したことを検出する大入賞口検出センサ18aと、ゲート20を遊技球が通過したことを検出するゲート検出センサ20aと、遊技盤11に向けられる磁気や電波等を検出する不正検出センサ35と、が接続されている。そして、これらの各検出センサから出力される検出信号が、主制御基板100に入力されるようになっている。
【0036】
さらに、主制御基板100には、制御の対象となる機器として、第2始動入賞口16の可動片16bを開閉駆動する始動入賞口ソレノイド16cと、大入賞口18の開閉扉18bを開閉駆動する大入賞口ソレノイド18cと、第1特別図柄表示装置30と、第2特別図柄表示装置31と、普通図柄表示装置32と、第1特図保留表示装置38と、第2特図保留表示装置39と、普通図柄保留表示装置33と、が接続されている。
そして、主制御基板100によって、各ソレノイドが駆動されることで第2始動入賞口16や大入賞口18の開閉制御がなされ、また、各表示装置の表示制御がなされるようになっている。
【0037】
発射払出制御基板200は、特に図示していないが、主制御基板100と同様に、CPU、ROM及びRAMを備えており、主制御基板100と双方向に通信可能となるように接続されている。
【0038】
図4に示すように、発射払出制御基板200には、遊技球の発射を制御するための機器として、操作ハンドル5に遊技者が触れたことを検出するタッチセンサ5aと、操作ハンドル5の操作角度(回転角度)を検出する操作ボリューム5bと、遊技球の発射を停止する発射停止スイッチ5cと、上皿6に受容されている遊技球を発射装置(図示しておらず)に送る球送りソレノイド60と、遊技球を発射する発射モータ61と、が接続されている。また、タッチセンサ5a、操作ボリューム5b及び発射停止スイッチ5cから出力される制御信号が、発射払出制御基板200に入力されるようになっている。
【0039】
そして、タッチセンサ5a及び操作ボリューム5bからの制御信号が発射払出制御基板200に入力されると、球送りソレノイド60及び発射モータ61を通電して遊技球を発射させる制御がなされる。これに対して、発射停止スイッチ5cからの制御信号が発射払出制御基板200に入力されると、球送りソレノイド60及び発射モータ61の通電を止めて遊技球の発射を停止させる制御がなされる。
なお、遊技球を発射する装置としては、発射モータ61ではなく、ロータリーソレノイドを用いてもよい。
【0040】
また、発射払出制御基板200には、図4に示すように、遊技球の払い出しを制御するための機器として、遊技球貯留部(特に図示しておらず)に貯留されている遊技球を賞球として払い出す払出モータ62と、払い出された遊技球を検出して計数する払出計数スイッチ63と、が接続されている。そして、主制御基板100から送信される払出数コマンドを発射払出制御基板200が受信すると、当該発射払出制御基板200は、この払出数コマンドに基づいて所定個数の遊技球(賞球)を払い出すように払出モータ62を制御する。このとき、払い出された遊技球の個数が払出計数スイッチ63によって計数され、所定個数の遊技球(賞球)が払い出されたか否かの判定が可能となっている。
【0041】
さらに、発射払出制御基板200には、図4に示すように、前扉3の開放状態を検出する前扉開放検出センサ3aと、受皿7の満タン状態を検出する受皿満タン検出センサ7aと、が接続されている。
【0042】
前扉開放検出センサ3aは、前扉3が開放されていることを検出すると開放検出信号を発射払出制御基板200に出力するようになっており、前扉3の開放中は、開放検出信号が連続して出力される。そして、発射払出制御基板200は、開放検出信号が入力されると、扉開放コマンドを主制御基板100に送信する。これに対して、開放検出信号の入力が止まると、前扉3が閉じられたと判断し、扉閉鎖コマンドを主制御基板100に送信する。
【0043】
受皿満タン検出センサ7aは、賞球として払い出される遊技球を上皿6から受皿7に導く案内通路の所定位置に設けられており、遊技球が当該所定位置を通過するたびに、検出信号が発射払出制御基板200に出力されるようになっている。そして、受皿7に所定量以上の遊技球が貯留されて満タン状態になると、案内通路内に遊技球が滞留し、検出信号が発射払出制御基板200に対して連続的に出力されることとなる。発射払出制御基板200は、検出信号が所定時間連続して入力されることにより、受皿7が満タン状態であると判断して、受皿満タンコマンドを主制御基板100に送信する。これに対して、発射払出制御基板200への検出信号の連続的な入力が途絶えると、受皿7の満タン状態が解除されたものと判断し、受皿満タン解除コマンドを主制御基板100に送信する。
【0044】
また、本形態では、上述の如く、発射払出制御基板200には、遊技球貸出装置Rへの操作を中継する遊技球貸出装置制御基板400が接続されている。換言すれば、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、発射払出制御基板200が、遊技球貸出装置制御基板400を介して遊技球貸出装置Rに接続されている。
また、図4に示すように、発射払出制御基板200には、遊技球貸出装置制御基板400を介して、価値情報表示装置35と、球貸ボタン36の押下操作を検出する球貸スイッチ36aと、カード返却ボタン37の押下操作を検出するカード返却スイッチ37aと、が接続されている。
【0045】
球貸ボタン36が押下操作されると、球貸スイッチ36aから出力される検出信号が発射払出制御基板200に入力され、当該発射払出制御基板200は、遊技球貸出装置Rに対して、遊技球の貸し出しを要求する貸出要求信号を送信する。そして、遊技球貸出装置Rが貸出要求信号を受信すると、当該遊技球貸出装置Rにより、記憶されている価値情報から所定の価値情報を減算する処理がなされるとともに、減算された価値情報に対応する個数の遊技球を払い出す制御がなされる。
また、カード返却ボタン37が押下操作されると、カード返却スイッチ37aから出力される検出信号が発射払出制御基板200に入力され、当該発射払出制御基板200は、遊技球貸出装置Rに対して、カードの返却を要求する返却要求信号を送信する。そして、遊技球貸出装置Rが返却要求信号を受信すると、当該遊技球貸出装置Rによりカードを排出する制御がなされる。
【0046】
副制御基板300は、遊技中や待機中等に実行される演出を制御するものである。
この副制御基板300は、図4に示すように、各種演算処理を行うサブCPU301と、演出を実行するための制御プログラム、演出の実行に必要なデータやテーブル等を格納するサブROM302と、演算処理時の一時記憶領域等として用いられるサブRAM303と、を備えており、主制御基板100から副制御基板300への一方向に通信可能となるように接続されている。
そして、サブCPU301は、主制御基板100から送信されるコマンドやタイマからの信号に基づき、サブROM302に格納されている制御プログラムを読み出して演算処理を行うとともに、画像表示を制御するための画像制御基板(特に図示しておらず)、音声出力を制御するための音声制御基板(特に図示しておらず)、照明の点灯を制御するための電飾制御基板(特に図示しておらず)に、演出実行用のコマンドを送信する。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、音声制御基板と電飾制御基板とを別個に設けているが、これらの基板の機能を集約した1枚の基板(音声電飾制御基板)を設け、当該基板により、音声出力及び照明の点灯のいずれをも制御するようにしてもよい。
【0047】
また、副制御基板300には、画像制御基板を介して演出表示装置21が接続され、音声制御基板を介して音声出力装置10が接続されている。さらに、副制御基板300には、電飾制御基板を介して、演出照明装置23と、操作ダイヤル9aの回転操作を検出する回転操作検出センサ9cと、操作ボタン9bの押下操作を検出する押下操作検出センサ9dと、が接続されている。
【0048】
画像制御基板は、特に図示していないが、CPU、ROM、RAM及びVRAM等を備えている。この画像制御基板のROMには、演出表示装置21に表示される図柄、背景等の画像データが格納されている。そして、副制御基板300から送信されたコマンドに基づき、CPUが、ROMから読み出した画像データをVRAMに記憶することによって、演出表示装置21による画像表示を制御する。
【0049】
音声制御基板は、特に図示していないが、サウンドチップ(CPU)、サウンドROM及びRAM等を備えている。サウンドROMには、音声出力装置10から出力される音声、BGM等のサウンドデータが格納されている。そして、副制御基板300から送信されたコマンドに基づき、サウンドROMから読み出したサウンドデータをRAMに記憶することによって、音声出力装置10からの音声出力を制御する。
【0050】
電飾制御基板は、副制御基板300からのコマンドに基づき、演出照明装置23による照明の点灯を制御する。また、電飾制御基板は、操作ダイヤル9aの回転操作に基づき回転操作検出センサ9cから出力される回転操作検出信号、又は、操作ボタン9bの押下操作に基づき押下操作検出センサ9dから出力される押下操作検出信号が入力されると、所定のコマンドを副制御基板300に送信する。
【0051】
(パチンコ機Pの遊技の概要)
次に、本形態のパチンコ機Pにおける遊技について、メインROM102に格納されている各種テーブルに基づいて説明する。
上述の如く、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、特図遊技と普図遊技の遊技が並行して進行する。また、これら両遊技を進行する際の遊技状態としては、低確率遊技状態(いわゆる非確変状態)又は高確率遊技状態(いわゆる確変状態)のいずれかの遊技状態と、非時短遊技状態又は時短遊技状態のいずれかの遊技状態と、を組み合わせたいずれかの遊技状態が設定されるようになっている。
具体的には、本形態に係るパチンコ機Pでは、低確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた遊技状態(以下、通常遊技状態という)、低確率遊技状態及び時短遊技状態を組み合わせた遊技状態(以下、低確率時短遊技状態という)、高確率遊技状態及び時短遊技状態を組み合わせた遊技状態(以下、高確率時短遊技状態という)、又は、高確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた遊技状態(以下、高確率非時短遊技状態という)のいずれかの遊技状態が設定される。
【0052】
ここで、低確率遊技状態は、後述する大当たりの抽選によって大当たりに当選する確率が所定の値に設定された遊技状態である。また、高確率遊技状態は、大当たりの抽選によって大当たりに当選する確率が低確率遊技状態よりも高い値に設定された遊技状態である。すなわち、低確率遊技状態中よりも高確率遊技状態中のほうが、大当たりの抽選によって大当たりに当選しやすくなっている。
また、非時短遊技状態は、可動片16bが開きにくく(すなわち、第2始動入賞口16が開状態となりにくく)、第2始動入賞口16へ遊技球が入球しにくい遊技状態である。また、時短遊技状態は、非時短遊技状態よりも可動片16bが開きやすく(すなわち、第2始動入賞口16が開状態となりやすく)、第2始動入賞口16へ遊技球が入球しやすい遊技状態である。
なお、工場出荷直後やリセット後の初期状態においては、通常遊技状態が設定されるようになっている。
【0053】
本形態に係るパチンコ機Pでは、発射装置(図示しておらず)により発射され遊技領域12を流下する遊技球が第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16に入球すると、遊技者に遊技利益を付与するか否かを決定する大当たりの抽選が行われる。そして、この大当たりの抽選によって大当たりに当選すると、大入賞口18が開放され当該大入賞口18へ遊技球を入球させることが可能となる特別遊技が実行され、さらに、当該特別遊技の終了後の遊技状態がいずれかの遊技状態に設定されるようになっている。すなわち、当該特別遊技の終了後は、いずれかの遊技状態へ移行するようになっている。
【0054】
この大当たりの抽選は、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球することを契機に取得される種々の乱数、及び、メインROM102に格納されており当該乱数を判定するための各種テーブルに基づいて、行われる。
ここで、本形態に係るパチンコ機Pは、大当たりの抽選に係る乱数として、大当たりの判定に用いられる大当たり決定乱数、特別図柄の種別の決定に用いられる当たり図柄乱数、並びに、後述する変動パターンコマンドの決定に用いられる第1変動パターン乱数及び第2変動パターン乱数を有している。
なお、本形態に係るパチンコ機Pにおいて、上述の大当たり決定乱数には、主制御基板100に内蔵されたハードウェア乱数を用いている。この大当たり決定乱数は、一定の規則に従って更新され、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列が変更されるとともに、システムリセット毎にスタート値が変更されるようになっている。
また、変動パターンコマンドは、大当たりの抽選結果を報知する際に実行される変動演出の変動パターン(変動時間、態様)を決定するためのものである。この変動パターンの決定に用いられる乱数は上述のものに限定されず、たとえば、これらの乱数に加えて他の乱数を用いてもよいし、これらの乱数のうちいずれか1の乱数を用いてもよい。
【0055】
そして、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、上述の乱数値が取得されるとともに、各乱数値がメインRAM103の保留記憶領域に記憶されるようになっている。
この保留記憶領域は、第1始動入賞口15への遊技球の入球により取得される各乱数値(以下、第1特図乱数という)を記憶するための第1保留記憶領域、及び、第2始動入賞口16への遊技球の入球により取得される各乱数値(以下、第2特図乱数という)を記憶するための第2保留記憶領域から構成されている。そして、これらの保留記憶領域は、それぞれ第1記憶部から第4記憶部までの計4つの記憶部から構成されており、第1特図乱数を計4組、第2特図乱数を計4組記憶可能となっている。
【0056】
また、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、第1始動入賞口15へ遊技球が入球すると、第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶されるようになっている。たとえば、第1保留記憶領域のいずれの記憶部にも第1特図乱数が記憶されていない状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第1記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第2記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部及び第2記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第3記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部〜第3記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第4記憶部に記憶される。そして、第1保留記憶領域の第1記憶部〜第4記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、この入球に係る第1特図乱数は記憶されない。
【0057】
同様に、第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、第2特図乱数が、第2保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶されるようになっている。具体的な記憶の処理については、上述の第1特図乱数の記憶と同様であるため、説明を省略する。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1保留記憶領域に記憶されている第1特図乱数の組数(以下、第1特図保留数という)は、第1特図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶され、第2保留記憶領域に記憶されている第2特図乱数の組数(以下、第2特図保留数という)は、第2特図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶されるようになっている。
なお、本明細書においては、第1特図乱数や第2特図乱数を「保留」というものとし、また、上述のように、第1特図乱数や第2特図乱数が保留記憶領域に記憶されることを「保留記憶」、「保留の記憶」、「保留として記憶」等というものとする。
【0058】
そして、本形態に係るパチンコ機Pは、大当たりの判定を行うための大当たり決定乱数判定テーブル110、特別図柄の種別を決定するための当たり図柄乱数判定テーブル111、大当たりに当選した場合に実行される特別遊技を制御するための特別電動役物作動テーブル112、特別遊技の終了後の遊技状態を設定するための遊技状態設定テーブル113、及び、変動パターンコマンドを決定するための変動パターンコマンド決定テーブルを有している。
なお、大当たりの抽選等に係るテーブルはこれらに限定されるものではなく、他に、乱数に基づく判定や決定を行う必要がある場合には、適宜、テーブルを設けてもよい。
【0059】
大当たり決定乱数判定テーブル110は、上述の如く、大当たりか否かの判定を行うためのものであって、図5(a)及び(b)に示すように、低確率遊技状態において参照される低確率判定テーブル110aと、高確率遊技状態において参照される高確率判定テーブル110bと、を備えている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0〜65535の数値範囲内で1個の大当たり決定乱数が取得される。そして、大当たりの抽選を行う時点の遊技状態に応じて、低確率判定テーブル110a又は高確率判定テーブル110bのいずれかの大当たり決定乱数判定テーブル110が選択され、取得された大当たり決定乱数と選択された大当たり決定乱数判定テーブル110とに基づいて大当たりの抽選が行われる。
【0060】
図5(a)に示すように、低確率判定テーブル110aによれば、大当たり決定乱数が10001〜10656であった場合に大当たりと判定され、これ以外の大当たり決定乱数(0〜10000、10657〜65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この低確率判定テーブル110aにおける大当たりの当選確率はおよそ1/99.9となる。
【0061】
また、図5(b)に示すように、高確率判定テーブル110bによれば、大当たり決定乱数が10001〜11968であった場合に大当たりと判定され、これ以外の大当たり決定乱数(0〜10000、11969〜65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この高確率判定テーブル110bにおける大当たりの当選確率はおよそ1/33.3となる。
すなわち、高確率判定テーブル110bは、低確率判定テーブル110aに比べて、大当たりの当選確率がおよそ3倍となるように設定されている。
【0062】
なお、低確率判定テーブル110aにおいて大当たりと判定される大当たり決定乱数(10001〜10656)は、高確率判定テーブル110bにおいて大当たりと判定される大当たり決定乱数(10001〜11968)に含まれるように設定されている。すなわち、低確率判定テーブル110aにおいて大当たりと判定される大当たり決定乱数は、高確率判定テーブル110bにおいても大当たりと判定されることとなる。
【0063】
当たり図柄乱数判定テーブル111は、上述の如く、特別図柄の種別を決定するためのものであって、図6(a)及び(b)に示すように、第1特図乱数によって大当たりに当選した場合に参照される第1始動入賞口判定テーブル111aと、第2特図乱数によって大当たりに当選した場合に参照される第2始動入賞口判定テーブル111bと、を備えている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0〜199の数値範囲内で1個の当たり図柄乱数が取得される。そして、上述の大当たりの抽選によって大当たりに当選した場合に、遊技球が入球した始動入賞口に応じて、第1始動入賞口判定テーブル111a又は第2始動入賞口判定テーブル111bのいずれかの当たり図柄乱数判定テーブル111が選択され、取得された当たり図柄乱数と選択された当たり図柄乱数判定テーブル111とに基づいて、特別図柄の種別が決定される。
【0064】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりに当選した場合に決定される特別図柄(以下、大当たり図柄という)として3種類の特別図柄(X1、X2、X3)が設けられており、また、ハズレの場合に決定される特別図柄(以下、ハズレ図柄という)として2種類の特別図柄(Y1、Y2)が設けられている。
【0065】
図6(a)に示すように、第1始動入賞口判定テーブル111aによれば、当たり図柄乱数が0〜9であった場合に特別図柄X1が決定され、当たり図柄乱数が10〜99であった場合に特別図柄X2が決定され、当たり図柄乱数が100〜199であった場合に特別図柄X3が決定される。すなわち、この第1始動入賞口判定テーブル111aにおいては、特別図柄X1が決定される確率は5%、特別図柄X2が決定される確率は45%、特別図柄X3が決定される確率は50%となっている。
【0066】
また、図6(b)に示すように、第2始動入賞口判定テーブル111bによれば、当たり図柄乱数が0〜19であった場合に特別図柄X1が決定され、当たり図柄乱数が20〜99であった場合に特別図柄X2が決定され、当たり図柄乱数が100〜199であった場合に特別図柄X3が決定される。すなわち、この第2始動入賞口判定テーブル111bにおいては、特別図柄X1が決定される確率は10%、特別図柄X2が決定される確率は40%、特別図柄X3が決定される確率は50%となっている。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、いずれの当たり図柄乱数判定テーブル111であっても、同一の大当たり図柄が決定されるようになっているが、これに限定されるものではなく、各テーブルにおいて異なる大当たり図柄が決定されるようにしてもよい。
【0067】
また、第1特図乱数に基づく大当たりの抽選によりハズレとなった場合には、当たり図柄乱数に基づく上述の抽選を行わずに、ハズレ図柄として特別図柄Y1が決定される。また、第2特図乱数に基づく大当たりの抽選によりハズレとなった場合には、当たり図柄乱数に基づく上述の抽選を行わずに、ハズレ図柄として特別図柄Y2が決定される。
すなわち、当たり図柄乱数判定テーブル111は、大当たりに当選した場合にのみ参照され、ハズレの場合には参照されないようになっている。
なお、第1特図乱数に基づく大当たりの抽選によりハズレとなった場合に参照される当たり図柄乱数判定テーブル111、第2特図乱数に基づく大当たりの抽選によりハズレとなった場合に参照される当たり図柄乱数判定テーブル111をそれぞれ設け、ハズレの場合にも、当該当たり図柄乱数判定テーブル111及び当たり図柄乱数に基づいて、ハズレ図柄を決定するようにしてもよい。
【0068】
特別電動役物作動テーブル112は、上述の如く、大当たりに当選した場合に実行される特別遊技を制御するためのものであり、特別遊技の実行中に大入賞口ソレノイド18cを作動させるために参照されるものである。本形態に係るパチンコ機Pでは、図7(a)及び(b)に示すように、特別電動役物作動テーブル112として、特別図柄X1が決定された場合に参照される第1作動テーブル112aと、特別図柄X2又は特別図柄X3が決定された場合に参照される第2作動テーブル112bと、が設けられている。
【0069】
具体的には、特別図柄X1が決定されると、図7(a)に示すように、第1作動テーブル112aを参照して特別遊技が実行される。この第1作動テーブル112aによれば、大入賞口18が29.0秒開放するか又は大入賞口18に6個の遊技球が入球するかのいずれかの条件が成立することで終了するラウンド遊技が8回実行される。また、各ラウンド遊技の実行中、大入賞口18は1回のみ開放され、各ラウンド遊技間に大入賞口18が閉鎖する時間(すなわち、インターバル時間)は2.0秒に設定されている。
この特別遊技においては、各ラウンド遊技中に遊技球を大入賞口18へ入球させることができるため、所定個数の期待値の賞球を獲得可能となっている。
【0070】
また、特別図柄X2又は特別図柄X3が決定されると、図7(b)に示すように、第2作動テーブル112bを参照して特別遊技が実行される。この第2作動テーブル112bによれば、大入賞口18が29.0秒開放するか又は大入賞口18に6個の遊技球が入球するかのいずれかの条件が成立することで終了するラウンド遊技が4回実行される。また、各ラウンド遊技の実行中、大入賞口18は1回のみ開放され、各ラウンド遊技間に大入賞口18が閉鎖する時間(すなわち、インターバル時間)は2.0秒に設定されている。
この特別遊技におけるラウンド遊技の数は、特別図柄X1に係る特別遊技におけるラウンド遊技の数よりも少ないため、獲得可能な賞球の期待値は、特別図柄X1に係る特別遊技よりも小さくなる。
【0071】
遊技状態設定テーブル113は、特別遊技が実行された場合に、当該特別遊技の終了後の遊技状態を設定するためのものである。本形態に係るパチンコ機Pでは、特別遊技の終了後の遊技状態が、大当たりの抽選によって決定された特別図柄の種別により決定されるようになっている。
そして、本形態に係るパチンコ機Pには、図8(a)〜(c)に示すように、遊技状態設定テーブル113として、特別図柄X1が決定された場合に参照される第1状態設定テーブル113a、特別図柄X2が決定された場合に参照される第2状態設定テーブル113b、及び、特別図柄X3が決定された場合に参照される第3状態設定テーブル113cが設けられている。
【0072】
具体的には、図8(a)に示すように、特別図柄X1が決定されると、特別遊技の終了後の遊技状態が高確率遊技状態に設定されると同時に、時短遊技状態に設定される。そして、高確率遊技状態の継続回数(以下、高確回数という)が10000回に設定されるとともに、時短遊技状態の継続回数(以下、時短回数という)が10000回に設定される。すなわち、上述の特別遊技の終了後は、遊技状態が高確率時短遊技状態に設定され(高確率時短遊技状態へ移行し)、大当たりの抽選の結果が10000回導出されるまで、高確率時短遊技状態が継続する。
なお、上述の如く、本形態に係るパチンコ機Pでは、高確率遊技状態における大当たりの当選確率がおよそ1/33.3となっているため、実質的には、大当たりに再度当選するまで、高確率時短遊技状態が継続することとなる。
【0073】
また、図8(b)に示すように、特別図柄X2が決定されると、特別遊技の終了後の遊技状態が高確率遊技状態に設定されると同時に、時短遊技状態に設定される。そして、高確回数が10000回に設定されるとともに、時短回数が50回に設定される。すなわち、上述の特別遊技の終了後は、遊技状態が高確率時短遊技状態に設定され、大当たりの抽選の結果が50回導出されるまで、高確率時短遊技状態が継続する。
そして、特別図柄X2に基づく特別遊技が終了して遊技状態が高確率時短遊技状態に設定された場合、この遊技状態の継続中に大当たりに当選することなく、50回の大当たりの抽選の結果がすべてハズレとなると、時短遊技状態が非時短遊技状態に変更されるため、遊技状態は高確率非時短遊技状態に変更されることとなる。
なお、上述同様、この高確率非時短遊技状態は、大当たりに再度当選するまで継続することとなる。
【0074】
また、図8(c)に示すように、特別図柄X3が決定されると、特別遊技の終了後の遊技状態が低確率遊技状態に設定されると同時に、時短遊技状態に設定される。そして、時短回数が50回に設定される。すなわち、上述の特別遊技の終了後は、遊技状態が低確率時短遊技状態に設定され、大当たりの抽選の結果が50回導出されるまで、低確率時短遊技状態が継続する。
そして、特別図柄X3に基づく特別遊技が終了して遊技状態が低確率時短遊技状態に設定された場合、この遊技状態の継続中に大当たりに当選することなく、50回の大当たりの抽選の結果がすべてハズレとなると、時短遊技状態が非時短遊技状態に変更されるため、遊技状態は通常遊技状態に変更されることとなる。
【0075】
上述のように、本形態に係るパチンコ機Pでは、特別図柄X2又は特別図柄X3が決定された場合にはいずれも、4回のラウンド遊技が実行される特別遊技が実行され、この特別遊技が終了した後に時短回数が50回に設定されるものの、特別図柄X2が決定された場合には高確率遊技状態が設定され、特別図柄X3が決定された場合には低確率遊技状態が設定される。
したがって、本形態に係るパチンコ機Pによれば、遊技者が、決定された特別図柄の種別を認識できないようにすることで、高確率遊技状態又は低確率遊技状態のいずれが設定されているのかを把握困難とすることができ、遊技状態に対する期待感を煽ることができるのである。
【0076】
なお、上述の高確回数や時短回数は、1回の遊技状態の設定時における最大継続回数であり、上述の継続回数に到達するまでの間に大当たりに当選した場合には、再度、遊技状態が設定されるようになっている。
また、時短遊技状態及び時短回数の設定については、上述の内容に限定されるものではなく、大当たりに当選した時点の遊技状態に応じて異なった内容としてもよい。
【0077】
変動パターンコマンド決定テーブルは、上述の如く、変動パターンコマンドを決定するためのものである。
本形態に係るパチンコ機Pでは、上述のように大当たりの抽選が行われると、当該抽選の結果に基づいて変動パターンコマンドが決定される。この決定された変動パターンコマンドは、主制御基板100から副制御基板300に送信され、副制御基板300は、受信した変動パターンコマンドに基づいて、大当たりの抽選の結果を報知する変動演出の具体的な態様(たとえば、表示部21aに表示する画像等)を決定する。つまり、変動パターンコマンドは、変動演出の変動時間及び態様(すなわち、変動パターン)を決定するものである。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、変動パターンコマンドは複数種類設けられており、変動パターンコマンドごとに変動時間及び態様(変動パターン)が対応付けられている。また、各変動パターンコマンドは変動パターンコマンド決定テーブルに対応付けられている。そして、変動パターンコマンド決定テーブルごとに、決定される変動パターンコマンドの種類及び決定割合が設定されている。
【0078】
ここで、大当たりの抽選の結果を報知する変動演出は、前半部分(発展前)と後半部分(発展後)とに分けられている。そのため、本形態に係るパチンコ機Pには、図9及び図10に示すように、変動パターンコマンド決定テーブルとして、変動演出の前半部分の変動パターンに対応する変動パターンコマンド(以下、第1変動パターンコマンドという)を決定するための前半変動パターンコマンド決定テーブル114、及び、変動演出の後半部分の変動パターンに対応する変動パターンコマンド(以下、第2変動パターンコマンドという)を決定するための後半変動パターンコマンド決定テーブル115が設けられている。
【0079】
すなわち、変動パターンを決定する際には、前半変動パターンコマンド決定テーブル114に基づいて第1変動パターンコマンドが決定され、後半変動パターンコマンド決定テーブル115に基づいて第2変動パターンコマンドが決定される。
具体的には、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16に遊技球が入球すると、0〜249の数値範囲内で1個の第1変動パターン乱数が取得されるとともに、0〜249の数値範囲内で1個の第2変動パターン乱数が取得される。そして、取得された第1変動パターン乱数と前半変動パターンコマンド決定テーブル114とに基づいて、第1変動パターンコマンドが決定され、取得された第2変動パターン乱数と後半変動パターンコマンド決定テーブル115とに基づいて、第2変動パターンコマンドが決定される。
【0080】
また、本形態に係るパチンコ機Pには、図9(a)〜(c)に示すように、前半変動パターンコマンド決定テーブル114として、第1前半変動パターンコマンド決定テーブル114a、第2前半変動パターンコマンド決定テーブル114b、及び、第3前半変動パターンコマンド決定テーブル114cが設けられている。
【0081】
ここで、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、第1変動パターンコマンドを決定する際に選択(参照)される前半変動パターンコマンド決定テーブル114は、前回の特別遊技の実行契機となった特別図柄の種別(X1、X2又はX3)ごとに、予め設定されている。
具体的には、図11(a)に示すように、特別図柄の種別及び特別遊技終了後の変動回数ごとに、選択される前半変動パターンコマンド決定テーブル114を定めた第1設定テーブル116aが設けられている。そして、特別遊技の終了時に、この第1設定テーブル116aに基づいて、当該特別遊技の実行契機となった特別図柄の種別に対応付けられた前半変動パターンコマンド決定テーブル114の情報が取得されるようになっている。第1変動パターンコマンドを決定する際には、この取得された情報に基づいて、当該決定時点の変動回数に対応する前半変動パターンコマンド決定テーブル114が選択されることとなる。
【0082】
図11(a)に示すように、第1設定テーブル116aによれば、特別図柄X1、X2又はX3が決定されて特別遊技が実行された場合には、特別遊技終了後の1回目の変動時(すなわち、大当たりの抽選時)に第2前半変動パターンコマンド決定テーブル114bが選択される。
また、特別図柄X1が決定されて特別遊技が実行された場合には、特別遊技終了後の2回目以降の変動時に第3前半変動パターンコマンド決定テーブル114cが選択される。
また、特別図柄X2又はX3が決定されて特別遊技が実行された場合には、特別遊技終了後の2〜50回目の変動時に第3前半変動パターンコマンド決定テーブル114cが選択され、51回目以降の変動時に第1前半変動パターンコマンド決定テーブル114aが選択される。
【0083】
そして、図9(a)に示すように、第1前半変動パターンコマンド決定テーブル114aによれば、特別図柄Y1又はY2が決定された場合(すなわち、ハズレの場合)において、第1変動パターン乱数が0〜199であったときには、「リーチなし(0秒)」という前半部分の変動パターンが対応付けられた第1変動パターンコマンド「00H」(最後尾に「H」が付された英数字は16進数表記。以下、同様)が決定され、第1変動パターン乱数が200〜229であったときには、「リーチあり(5秒)」という前半部分の変動パターンが対応付けられた第1変動パターンコマンド「01H」が決定され、第1変動パターン乱数が230〜239であったときには、「リーチあり(10秒)」という前半部分の変動パターンが対応付けられた第1変動パターンコマンド「02H」が決定され、第1変動パターン乱数が240〜249であったときには、「リーチあり(15秒)」という前半部分の変動パターンが対応付けられた第1変動パターンコマンド「03H」が決定される。
【0084】
また、この第1前半変動パターンコマンド決定テーブル114aによれば、特別図柄X1、X2又はX3が決定された場合(すなわち、大当たりの場合)において、第1変動パターン乱数が0〜9であったときには、第1変動パターンコマンド「01H」が決定され、第1変動パターン乱数が10〜119であったときには、第1変動パターンコマンド「02H」が決定され、第1変動パターン乱数が120〜249であったときには、第1変動パターンコマンド「03H」が決定される。
【0085】
また、図9(b)に示すように、第2前半変動パターンコマンド決定テーブル114bによれば、特別図柄Y1又はY2が決定された場合(すなわち、ハズレの場合)には、取得された第1変動パターン乱数に応じて、「リーチなし(0秒)」という前半部分の変動パターンが対応付けられた第1変動パターンコマンド「30H」、「リーチあり(10秒)」という前半部分の変動パターンが対応付けられた第1変動パターンコマンド「32H」、又は、「リーチあり(15秒)」という前半部分の変動パターンが対応付けられた第1変動パターンコマンド「33H」のいずれかが決定される。
【0086】
これに対して、特別図柄X1、X2又はX3が決定された場合には、第1変動パターン乱数がいずれの値であっても(すなわち、第1変動パターン乱数が0〜249のいずれであっても)必ず、「特殊(0秒)」という態様が対応付けられた第1変動パターンコマンド「50H」が決定される。
ここで、この第2前半変動パターンコマンド決定テーブル114bは、上述の如く、特別図柄X1、X2又はX3に基づく特別遊技終了後の1回目の変動時に選択されるものである。
すなわち、本形態に係るパチンコ機Pでは、特別遊技終了後の1回目の大当たりの抽選において大当たりに当選した場合(すなわち、特別図柄X1、X2又はX3が決定された場合)には必ず、第1変動パターンコマンド「50H」が決定される。そして、この第1変動パターンコマンドと後述の第2変動パターンコマンドとに基づいて、後述の特殊変動演出を実行可能となっている。また、特別遊技終了後の1回目の大当たりの抽選においてハズレとなった場合(すなわち、特別図柄Y1又はY2が決定された場合)には、上述の特殊変動演出は実行されないようになっている。
【0087】
また、詳細については省略するが、図9(c)に示すように、第3前半変動パターン決定テーブル114cによれば、決定された特別図柄の種別及び取得された第1変動パターン乱数に応じて、「30H」、「32H」又は「33H」のいずれかの第1変動パターンコマンドが決定される。
【0088】
またここで、「リーチなし(0秒)」という前半部分の変動パターン(「00H」又は「30H」)は、変動演出の前半部分が実行されることなく、変動演出の後半部分のみが実行されるものである。すなわち、「リーチなし(0秒)」という変動パターンが決定された場合には、後半部分の変動パターンが対応付けられた第2変動パターンコマンドのみに基づいて、変動演出が実行されるようになっている。
また、「リーチあり(5秒)」という前半部分の変動パターン(「01H」)は、変動演出の前半部分の変動時間(以下、前半変動時間という)が5秒であってかつ後述のリーチ表示が行われるものであり、「リーチあり(10秒)」という前半部分の変動パターン(「02H」又は「32H」)は、前半変動時間が10秒であってかつリーチ表示が行われるものであり、「リーチあり(15秒)」という前半部分の変動パターン(「03H」又は「33H」)は、前半変動時間が15秒であってかつリーチ表示が行われるものである。すなわち、これらの変動パターンが決定された場合には、変動演出が開始されてから上述の前半変動時間が経過した後にリーチ表示がなされるという態様で、変動演出の前半部分が実行されるようになっている。
【0089】
そして、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述のように、前半変動パターンコマンド決定テーブル114に基づいて第1変動パターンコマンドが決定されると、この決定された第1変動パターンコマンド及び後半変動パターンコマンド決定テーブル115に基づいて、第2変動パターンコマンドが決定される。
本形態に係るパチンコ機Pには、図10に示すように、後半変動パターンコマンド決定テーブル115として、第1後半変動パターンコマンド決定テーブル115a、第2後半変動パターンコマンド決定テーブル115b及び第3後半変動パターンコマンド決定テーブル115cが設けられている。
【0090】
また、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、上述と同様に、特別図柄の種別及び特別遊技終了後の変動回数ごとに、選択される後半変動パターンコマンド決定テーブル115を定めた第2設定テーブル116bが設けられている(図11(b)参照)。そして、特別遊技の終了時に、この第2設定テーブル116bに基づいて、当該特別遊技の実行契機となった特別図柄の種別に対応付けられた後半変動パターンコマンド決定テーブル115の情報が取得されるようになっている。第2変動パターンコマンドを決定する際には、この取得された情報に基づいて、当該決定時点の変動回数に対応する後半変動パターンコマンド決定テーブル115が選択されることとなる。
【0091】
図11(b)に示すように、第2設定テーブル116bによれば、特別図柄X1、X2又はX3が決定されて特別遊技が実行された場合には、特別遊技終了後の1回目の変動時(すなわち、大当たりの抽選時)に第2後半変動パターンコマンド決定テーブル115bが選択される。
また、特別図柄X1が決定されて特別遊技が実行された場合には、特別遊技終了後の2回目以降の変動時に第3後半変動パターンコマンド決定テーブル115cが選択される。
また、特別図柄X2又はX3が決定されて特別遊技が実行された場合には、特別遊技終了後の2〜50回目の変動時に第3後半変動パターンコマンド決定テーブル115cが選択され、51回目以降の変動時に第1後半変動パターンコマンド決定テーブル115aが選択される。
【0092】
そして、第2変動パターンコマンドは、選択された後半変動パターンコマンド決定テーブル115、大当たりの抽選に際に決定された特別図柄の種別、上述のように決定された第1変動パターンコマンド、現時点(当該変動開始の時点)における保留数、取得された第2変動パターン乱数に基づいて、決定される。
具体的には、図10(a)に示すように、第1後半変動パターンコマンド決定テーブル115aによれば、特別図柄Y1又はY2、及び、「00H」の第1変動パターンコマンドが決定され、かつ、現時点の保留数が2以下の場合において、第2変動パターン乱数が0〜124であったときには、「ハズレ(4秒)」という後半部分の変動パターンが対応付けられた第2変動パターンコマンド「00H」が決定され、第2変動パターン乱数が125〜249であったときには、「ハズレ(8秒)」という後半部分の変動パターンが対応付けられた第2変動パターンコマンド「01H」が決定される。また、特別図柄Y1又はY2、及び、「00H」の第1変動パターンコマンドが決定され、かつ、現時点の保留数が3以上の場合には、第2変動パターン乱数がいずれの値であっても(すなわち、第2変動パターン乱数が0〜249のいずれであっても)必ず、「ハズレ(2秒)」という後半部分の変動パターンが対応付けられた第2変動パターンコマンド「02H」が決定される。
【0093】
また、特別図柄Y1又はY2、及び、「01H」の第1変動パターンコマンドが決定された場合には、現時点の保留数に関係なく、第2変動パターン乱数が0〜229であったときに、「発展なしハズレ(4秒)」という後半部分の変動パターンが対応付けられた第2変動パターンコマンド「03H」が決定され、第2変動パターン乱数が230〜249であったときに、「発展ありハズレ(30秒)」という後半部分の変動パターンが対応付けられた第2変動パターンコマンド「04H」が決定される。
【0094】
また、詳細については省略するが、特別図柄Y1又はY2、及び、「02H」又は「03H」の第1変動パターンコマンドが決定された場合、並びに、特別図柄X1、X2又はX3、及び、「01H」、「02H」又は「03H」の第1変動パターンコマンドが決定された場合においても、現時点の保留数に関係なく、取得された第2変動パターン乱数に応じて、「発展ありハズレ(30秒)」という後半部分の変動パターンが対応付けられた第2変動パターンコマンド「04H」、「発展ありハズレ(45秒)」という後半部分の変動パターンが対応付けられた第2変動パターンコマンド「05H」、「発展あり当たり(30秒)」という後半部分の変動パターンが対応付けられた第2変動パターンコマンド「07H」、「発展あり当たり(45秒)」という後半部分の変動パターンが対応付けられた第2変動パターンコマンド「08H」、又は、「発展ありハズレ(60秒)」という後半部分の変動パターンが対応付けられた第2変動パターンコマンド「09H」が決定される。
【0095】
また、図10(b)に示すように、第2後半変動パターンコマンド決定テーブル115bによれば、特別図柄Y1又はY2、及び、「30H」の第1変動パターンコマンドが決定された場合には、現時点の保留数及び取得された第2変動パターン乱数に応じて、「ハズレ(4秒)」の変動パターンが対応付けられた第2変動パターンコマンド「30H」又は「ハズレ(2秒)」の変動パターンが対応付けられた第2変動パターンコマンド「32H」のいずれかが決定される。また、特別図柄Y1又はY2、及び、「31H」又は「32H」の第1変動パターンコマンドが決定された場合には、現時点の保留数に関係なく、取得された第2変動パターン乱数に応じて、「発展なしハズレ(4秒)」の変動パターンが対応付けられた第2変動パターンコマンド「33H」又は「発展ありハズレ(30秒)」の変動パターンが対応付けられた第2変動パターンコマンド「34H」が決定される。
【0096】
これに対して、特別図柄X1、X2又はX3、及び、「50H」の第1変動パターンコマンドが決定された場合には、現時点の保留数に関係なく、第2変動パターン乱数がいずれの値であっても(すなわち、第2変動パターン乱数が0〜249のいずれであっても)必ず、「特殊(2秒)」という態様が対応付けられた第2変動パターンコマンド「50H」が決定される。
ここで、この第2後半変動パターンコマンド決定テーブル115bは、上述の如く、特別図柄X1、X2又はX3に基づく特別遊技終了後の1回目の変動時に選択されるものである。
すなわち、本形態に係るパチンコ機Pでは、特別遊技終了後の1回目の大当たりの抽選において大当たりに当選した場合(すなわち、特別図柄X1、X2又はX3が決定された場合)には、必ず、第2変動パターンコマンド「50H」が決定される。そして、上述の第1変動パターンコマンド「50H」と第2変動パターンコマンド「50H」とに基づいて、後述の特殊変動演出が実行できるようになっている。
【0097】
また、第3後半変動パターン決定テーブル115においても、上述と同様に、第2変動パターンコマンドが決定される(図10(c)参照)。
【0098】
またここで、「ハズレ(4秒)」という後半部分の変動パターン(「00H」又は「30H」)、「ハズレ(8秒)」という後半部分の変動パターン(「01H」)、「ハズレ(2秒)」という後半部分の変動パターン(「02H」又は「32H」)は、変動演出の後半部分の変動時間(以下、後半変動時間という)がそれぞれ、4秒、8秒、2秒であって、ハズレの表示が行われるものである。そして、前半部分の変動パターンとして「リーチなし(0秒)」が決定された場合に、これらのうちのいずれかの変動パターンが決定されるようになっている。
【0099】
また、「発展なしハズレ(4秒)」という後半部分の変動パターン(「03H」又は「33H」)は、後半変動時間が4秒であって、後述のリーチ発展演出が実行されることなくハズレの表示が行われるものである。また、「発展ありハズレ(30秒)」という後半部分の変動パターン(「04H」又は「34H」)、「発展ありハズレ(45秒)」という後半部分の変動パターン(「05H」)は、後半変動時間がそれぞれ、30秒、45秒であって、リーチ発展演出が実行された後にハズレの表示が行われるものである。
また、「発展あり当たり(30秒)」という後半部分の変動パターン(「07H」)、「発展あり当たり(45秒)」という後半部分の変動パターン(「08H」又は「38H」)、「発展あり当たり(60秒)」という後半部分の変動パターン(「09H」又は「39H」)は、後半変動時間がそれぞれ、30秒、45秒、60秒であって、リーチ発展演出が実行された後に大当たりの表示が行われるものである。
すなわち、これらの変動パターンが決定された場合には、変動演出の前半部分が終了してから上述の後半変動時間が経過した後にハズレ又は大当たりの表示がなされるという態様で、変動演出の後半部分が実行されるようになっている。
【0100】
上述のように決定された第1変動パターンコマンド及び第2変動パターンコマンドは副制御基板300に送信され、第1変動パターンコマンドに基づいて変動演出の前半部分の具体的な態様が決定されるとともに、第2変動パターンコマンドに基づいて変動演出の後半部分の具体的な態様が決定される。そして、このように決定された具体的な態様により変動演出が実行される。
【0101】
また、上述の如く、第1変動パターンコマンドに対応付けられた前半変動時間は変動演出の前半部分の変動時間であり、第2変動パターンコマンドに対応付けられた後半変動時間は変動演出の後半部分の変動時間であるため、これらの合計値が、大当たりの抽選の結果を報知する変動演出全体の変動時間となる。
たとえば、決定された第1変動パターンコマンドが「00H」(前半変動時間は0秒)、第2変動パターンコマンドが「00H」(後半変動時間は4秒)であった場合には、前半変動時間及び後半変動時間の合計値4秒(=0秒+4秒)が、変動演出全体の変動時間となる。
また、上述のように決定された変動時間に基づいて、演出表示装置21では変動演出が行われるとともに、特別図柄表示装置(第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31)では特別図柄の変動表示が行われる。具体的には、遊技球が入球した始動入賞口が第1始動入賞口15の場合には、決定された変動時間の間、第1特別図柄表示装置30が点滅表示され、遊技球が入球した始動入賞口が第2始動入賞口16の場合には、決定された変動時間の間、第2特別図柄表示装置31が点滅表示される。そして、変動時間の経過後、決定された特別図柄が停止表示される。
【0102】
次に、普図遊技に関する処理について説明する。
本形態に係るパチンコ機Pでは、発射装置(図示しておらず)により発射され遊技領域12を流下する遊技球がゲート20を通過すると、第2始動入賞口16の可動片16bを作動させて当該可動片16bを開くか否かを決定する普通図柄の抽選が行われる。そして、この普通図柄の抽選によって当たりとなると、可動片16bが開き、第2始動入賞口16が開状態となるため、第2始動入賞口16への遊技球の入球が容易となる。
この普通図柄の抽選は、遊技球がゲート20を通過することを契機に取得される当たり決定乱数、及び、メインROM102に格納されており当該乱数を判定するための当たり決定乱数判定テーブル117に基づいて、行われる。
【0103】
そして、遊技球がゲート20を通過すると、上述の当たり決定乱数が取得されるとともに、当該乱数値がメインRAM103の普図保留記憶領域に4個を上限として記憶されるようになっている。具体的には、この普図保留記憶領域は、第1記憶部から第4記憶部までの計4つの記憶部から構成されており、ゲート20の通過順に、第1記憶部から記憶されるようになっている。また、既にいくつかの記憶部に当たり決定乱数が記憶されている場合には、空きの記憶部のうち最も番号の小さい記憶部に当たり決定乱数が記憶されるようになっている。そして、普図保留記憶領域に既に4個の当たり決定乱数が記憶されている場合に、遊技球がゲート20を通過しても、この通過に係る当たり決定乱数は普図保留記憶領域に記憶されない。
なお、本形態に係るパチンコ機Pにおいて、当たり決定乱数には、主制御基板100に内蔵されたハードウェア乱数を用いている。この当たり決定乱数は、一定の規則に従って更新され、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列が変更されるとともに、システムリセット毎にスタート値が変更されるようになっている。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、普図保留記憶領域に記憶されている当たり決定乱数の数(以下、普図保留数という)は、普図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶されるようになっている。
【0104】
また、当たり決定乱数判定テーブル117は、普通図柄の抽選により当たりか否かの判定を行うためのものであって、図12(a)及び(b)に示すように、非時短遊技状態(すなわち、高確率非時短遊技状態又は通常遊技状態のいずれか)において参照される非時短判定テーブル117aと、時短遊技状態(すなわち、高確率時短遊技状態又は低確率時短遊技状態のいずれか)において参照される時短判定テーブル117bと、を備えている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、遊技球がゲート20を通過すると、0〜65535の数値範囲内で1個の当たり決定乱数が取得される。そして、普通図柄の抽選を行う時点の遊技状態が非時短遊技状態であれば、非時短判定テーブル117aが選択され、取得された当たり決定乱数と選択された非時短判定テーブル117aとに基づいて普通図柄の抽選が行われる。また、普通図柄の抽選を行う時点の遊技状態が時短遊技状態であれば、時短判定テーブル117bが選択され、取得された当たり決定乱数と選択された時短判定テーブル117bとに基づいて普通図柄の抽選が行われる。
なお、特に図示していないが、本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりに当選したことにより実行される特別遊技中も、遊技球がゲート20を通過することに基づいて普通図柄の抽選が行われるようになっている。そして、特別遊技中においては、非時短判定テーブル117aが選択され、当該テーブルに基づいて普通図柄の抽選が行われる(図12(a)参照)。
【0105】
非時短判定テーブル117aによれば、当たり決定乱数が1であった場合に当たりと判定され、これ以外の当たり決定乱数(0、2〜65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この非時短判定テーブル117aにおいて当たりとなる確率は1/65536となる。
また、時短判定テーブル117bによれば、当たり決定乱数が1〜65000であった場合に当たりと判定され、これ以外の当たり決定乱数(0、65001〜65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この時短判定テーブル116bにおいて当たりとなる確率は65000/65536、すなわち、およそ99/100となる。
なお、普通図柄の抽選によって当たりとなった場合には当たり図柄が決定され、ハズレとなった場合にはハズレ図柄が決定される。
【0106】
また、本形態に係るパチンコ機Pは、普通図柄の変動パターンの決定や、可動片16bの開閉の制御を行うためのテーブルとして、普通図柄変動パターン決定テーブル118、及び、第2始動入賞口開放制御テーブル119等を備えている。
【0107】
普通図柄変動パターン決定テーブル118は、普通図柄の変動パターンを決定するためのものである。上述のように、ゲート20を遊技球が通過することにより普通図柄の抽選が行われると、この普通図柄変動パターン決定テーブル118に基づいて普通図柄の変動パターンが決定される。
本形態に係るパチンコ機Pでは、図13に示すように、遊技状態が非時短遊技状態の場合又は特別遊技中には変動時間が9秒に決定され、遊技状態が時短遊技状態の場合には変動時間が1秒に決定される。そして、変動時間が決定されると、この決定された変動時間の間、普通図柄表示装置32(図3参照)が点滅表示される。そして、普通図柄の抽選により当たりとなって当たり図柄が決定された場合には、普通図柄表示装置32が点灯し、ハズレとなってハズレ図柄が決定された場合には、普通図柄表示装置32が消灯する。
なお、本明細書においては、普通図柄表示装置32の点滅表示を「普通図柄の変動」、普通図柄表示装置32の点灯又は消灯を「普通図柄の停止表示」、「普通図柄の変動の停止」、「普通図柄の変動停止」等という。
【0108】
また、第2始動入賞口開放制御テーブル119は、第2始動入賞口16に設けられた可動片16bの作動を制御するために参照されるものである。
本形態に係るパチンコ機Pでは、普通図柄表示装置32が点灯すると、第2始動入賞口16の可動片16bが、第2始動入賞口開放制御テーブル119に定められた態様で開閉するようになっている。具体的には、遊技状態が非時短遊技状態又は特別遊技中の場合には、図14に示すように、始動入賞口ソレノイド16cが0.2秒(=0.2秒×1回)通電されるため、第2始動入賞口16の可動片16bが0.2秒開放される。また、遊技状態が時短遊技状態の場合には、図14に示すように、始動入賞口ソレノイド16cが5.8秒(=2.9秒×2回)通電されるため、第2始動入賞口16の可動片16bが合計5.8秒開放される。
【0109】
以上のように、非時短遊技状態と時短遊技状態とには、それぞれ、第2始動入賞口16を開閉するための条件が定められており、この条件の内容により、時短遊技状態においては、非時短遊技状態や特別遊技中よりも第2始動入賞口16に遊技球が入球しやすくなっている。すなわち、時短遊技状態においては、遊技球がゲート20を通過する限りにおいて、次々と普通図柄の抽選が行われ、第2始動入賞口16が頻繁に開放されるため、遊技の進行に伴う遊技球の減少を抑えながら、大当たりの抽選の機会を獲得できることとなる。
【0110】
(パチンコ機Pにおける遊技の進行の概要)
次に、上述の特図遊技、普図遊技及び特別遊技の進行について、フローチャートを用いて説明する。
まず、主制御基板100のメイン処理を説明する。
電源基板により電源が供給されると、メインCPU101にシステムリセットが発生し、メインCPU101は、図15のフローチャートに示すメイン処理を実行する。
【0111】
ステップ100において、メインCPU101は、初期化処理として、電源投入に応じて、メインROM102から起動プログラムを読み込むとともに、メインRAM103に記憶されるフラグなどを初期化したり、副制御基板300に送信する各種のコマンドを、メインRAM103に設けられた演出用伝送データ格納領域に記憶したりする。そして、次のステップ101に進む。
ステップ101において、メインCPU101は、当たり図柄乱数を更新する際に参照される当たり図柄乱数用初期値更新乱数の更新を行う。この当たり図柄乱数用初期値更新乱数は、当たり図柄乱数の初期値を決定するためのものである。すなわち、当たり図柄乱数は、更新を開始する時点の当たり図柄乱数用初期値更新乱数を初期値として更新が行われる。そして、この乱数範囲を1周すると、その時点における当たり図柄乱数用初期値更新乱数を初期値として、当たり図柄乱数の更新が継続されるようになっている。そして、次のステップ102に進む。
【0112】
ステップ102において、メインCPU101は、変動パターンを決定するための乱数(以下、変動演出乱数という)である、第1変動パターン乱数、及び、第2変動パターン乱数を更新する。そして、ステップ102の処理が終了すると、以降は、所定の割込み処理が行われるまで、ステップ101とステップ102の処理を繰り返し実行する。
【0113】
次に、主制御基板100のタイマ割込処理を説明する。
主制御基板100に設けられたリセット用クロックパルス発生回路により、所定の周期(本形態に係るパチンコ機Pでは、4ミリ秒)毎にクロックパルスが発生されることで、図16のフローチャートに示すタイマ割込処理が実行される。
【0114】
ステップ200において、メインCPU101は、各種タイマカウンタを更新するタイマ更新処理を実行する。そして、次のステップ201に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、減算タイマを採用しており、主制御基板100のタイマ割込処理が実行されるたびにタイマカウンタが1ずつ減算され、0になると減算を停止するようになっている。
ステップ201において、メインCPU101は、当たり図柄乱数の更新を行う。具体的には、乱数カウンタを「1」加算して更新し、加算した結果が乱数範囲の最大値を超えた場合には、乱数カウンタを「0」に戻し、乱数カウンタが1周した場合には、その時点の当たり図柄乱数用初期値更新乱数の値から乱数を更新する。そして、次のステップ202に進む。
【0115】
ステップ202において、メインCPU101は、ゲート検出センサ20a、第1始動入賞口検出センサ15a、第2始動入賞口検出センサ16aに入力があったか否かを判定し、これに基づいて所定の処理を行うセンサ検出時処理を実行する。そして、次のステップ203に進む。
ステップ203において、メインCPU101は、特図遊技及び特別遊技に関する制御を行うための特図関連制御処理を実行する。そして、次のステップ204に進む。
【0116】
ステップ204において、メインCPU101は、普図遊技に関する制御を行うための普図関連制御処理を実行する。そして、次のステップ205に進む。
ステップ205において、メインCPU101は、各種エラーの発生や解除に関する制御を行うためのエラー関連処理を実行する。具体的には、前扉3の開放に基づく扉開放コマンドや、受皿7の満タン状態に基づく受皿満タンコマンド等を、主制御基板100が受信した場合に、メインCPU101は、対応するエラー指定コマンド(たとえば、扉開放指定コマンド、満タン状態指定コマンド等)を生成して演出用伝送データ格納領域に記憶(セット)する。また、上述のコマンドを主制御基板100が受信しなくなった場合に、メインCPU101は、対応するエラー解除指定コマンド(たとえば、扉閉鎖指定コマンド、満タン解除指定コマンド等)を生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ206に進む。
【0117】
ステップ206において、一般入賞口検出センサ14a、第1始動入賞口検出センサ15a、第2始動入賞口検出センサ16a、大入賞口検出センサ18aからの検出信号がメインCPU101に入力された場合に、当該メインCPU101は、それぞれの検出信号に対応して設けられている賞球カウンタを更新するとともに、それぞれの検出信号に対応する払出個数指定コマンドを発射払出制御基板200に送信する。なお、発射払出制御基板200により賞球の払い出しが行われると、当該払い出しごとに主制御基板100に払い出しコマンドが送信され、メインCPU101は、当該払い出しコマンドを受信すると、賞球カウンタを減算する。そして、次のステップ207に進む。
ステップ207において、メインCPU101は、パチンコ機Pの遊技状態を当該パチンコ機Pの外部に出力するための外部情報データ、第2始動入賞口16の可動片16bを開閉するための始動入賞口ソレノイドデータ、大入賞口18の開閉を制御するための大入賞口ソレノイドデータ、各種表示装置(第1特別図柄表示装置30、第2特別図柄表示装置31、普通図柄表示装置32、第1特図保留表示装置38、第2特図保留表示装置39及び普通図柄保留表示装置33)の表示データ等の作成を実行する。そして、次のステップ208に進む。
【0118】
ステップ208において、メインCPU101は、上述のステップ207で作成した各データの信号を出力するポート出力処理、及び、演出用伝送データ格納領域に記憶されたコマンドを送信するコマンド送信処理を実行する。そして、主制御基板100のタイマ割込処理を終了する。
【0119】
次に、上述したステップ202のセンサ検出時処理について、図17のフローチャートを参照して説明する。
ステップ300において、メインCPU101は、遊技球がゲート20を通過したことに基づいて、普通図柄の抽選を行うためのゲート検出時処理を実行する。そして、次のステップ301に進む。
ステップ301において、メインCPU101は、遊技球が第1始動入賞口15を通過したことに基づいて、大当たりの抽選を行うための第1始動入賞口検出時処理を実行する。そして、次のステップ302に進む。
ステップ302において、メインCPU101は、遊技球が第2始動入賞口16を通過したことに基づいて、大当たりの抽選を行うための第2始動入賞口検出時処理を実行する。そして、センサ検出時処理を終了する。
【0120】
次に、上述したステップ300のゲート検出時処理について、図18のフローチャートを参照して説明する。
ステップ400において、メインCPU101は、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、ゲート検出時処理を終了する。一方、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ401に進む。
ステップ401において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値(すなわち、現時点における普図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、ゲート検出時処理を終了する。一方、当該値が4未満であると判定した場合、次のステップ402に進む。
【0121】
ステップ402において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ403に進む。
ステップ403において、メインCPU101は、現時点の当たり決定乱数を取得して普図保留記憶領域に記憶し、ゲート検出時処理を終了する。
【0122】
次に、上述したステップ301の第1始動入賞口検出時処理について、図19のフローチャートを参照して説明する。
ステップ500において、メインCPU101は、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、第1始動入賞口検出時処理を終了する。一方、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ501に進む。
ステップ501において、メインCPU101は、第1特図保留数カウンタの値(すなわち、現時点における第1特図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、第1始動入賞口検出時処理を終了する。一方、当該値が「4」未満であると判定した場合、次のステップ502に進む。
【0123】
ステップ502において、メインCPU101は、第1特図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ503に進む。
ステップ503において、メインCPU101は、現時点の大当たり決定乱数を取得して第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ504に進む。
【0124】
ステップ504において、メインCPU101は、上述のステップ201で更新された当たり図柄乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり決定乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ505に進む。
ステップ505において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新された第1変動パターン乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり決定乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ506に進む。
【0125】
ステップ506において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新された第2変動パターン乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり決定乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。以上より、取得された大当たり決定乱数、当たり図柄乱数、第1変動パターン乱数及び第2変動パターン乱数はすべて同じ第1保留記憶領域の記憶部に記憶されることとなる。そして、次のステップ507に進む。
ステップ507において、メインCPU101は、第1特図乱数が記憶されたことを示す始動入賞コマンドを生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、第1始動入賞口検出時処理を終了する。
【0126】
次に、上述したステップの第2始動入賞口検出時処理について、図20のフローチャートを参照して説明する。
ステップ600において、メインCPU101は、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、第2始動入賞口検出時処理を終了する。一方、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ601に進む。
ステップ601において、メインCPU101は、第2特図保留数カウンタの値(すなわち、現時点における第2特図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、第2始動入賞口検出時処理を終了する。一方、当該値が「4」未満であると判定した場合、次のステップ602に進む。
【0127】
ステップ602において、メインCPU101は、第2特図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ603に進む。
ステップ603において、メインCPU101は、現時点の大当たり決定乱数を取得して第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ604に進む。
【0128】
ステップ604において、メインCPU101は、上述のステップ201で更新された当たり図柄乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり決定乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ605に進む。
ステップ605において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新された第1変動パターン乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり決定乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ606に進む。
【0129】
ステップ606において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新された第2変動パターン乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり決定乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。以上より、取得された大当たり決定乱数、当たり図柄乱数、第1変動パターン乱数及び第2変動パターン乱数はすべて同じ第2保留記憶領域の記憶部に記憶されることとなる。そして、次のステップ607に進む。
ステップ607において、メインCPU101は、第2特図乱数が記憶されたことを示す始動入賞コマンドを生成して演出用伝送データ格納領域に記憶し、第2始動入賞口検出時処理を終了する。
【0130】
次に、上述したステップ203の特図関連制御処理について、図21のフローチャートを参照して説明する。
ステップ700において、メインCPU101は、実行フェーズデータの値をロードする。この実行フェーズデータは、当該特図関連制御処理を構成する複数の機能モジュール(サブルーチン)のうちいずれを実行するかを示すものである。具体的には、この実行フェーズデータは、後述する特別図柄変動開始処理の実行を示すデータ「00」と、後述する特別図柄変動停止処理の実行を示すデータ「01」と、後述する停止後処理の実行を示すデータ「02」と、後述する特別遊技制御処理の実行を示すデータ「03」と、後述する特別遊技終了処理の実行を示すデータ「04」と、を有している。
そして、メインCPU101は、上述のステップ700でロードした実行フェーズデータの値に基づき、特別図柄変動開始処理(ステップ701)、特別図柄変動停止処理(ステップ702)、停止後処理(ステップ703)、特別遊技制御処理(ステップ704)又は特別遊技終了処理(ステップ705)のいずれかを実行する。そして、特図関連制御処理を終了する。
【0131】
次に、上述したステップ701の特別図柄変動開始処理について、図22のフローチャートを参照して説明する。
ステップ800において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別図柄変動開始処理の実行を示すデータ「00」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「00」でないと判定した場合、特別図柄変動開始処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「00」であると判定した場合、次のステップ801に進む。
ステップ801において、メインCPU101は、第2保留記憶領域の記憶部に第2特図乱数が記憶されているか否か、すなわち、第2特図保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、第2特図乱数が記憶されていると判定した場合、ステップ804に進む。一方、第2特図乱数が記憶されていないと判定した場合、次のステップ802に進む。
【0132】
ステップ802において、メインCPU101は、第1保留記憶領域の記憶部に第1特図乱数が記憶されているか否か、すなわち、第1特図保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、第1特図乱数が記憶されていると判定した場合、次のステップ803に進む。一方、第1特図乱数が記憶されていないと判定した場合、ステップ811に進む。
ステップ803において、メインCPU101は、第1特図保留数カウンタの値を「1」デクリメントするとともに、第1保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第1保留記憶領域の第1記憶部に記憶されている各乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第1保留記憶領域の第2記憶部〜第4記憶部に記憶されている各乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、第1保留記憶領域に記憶された各乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の大当たり判定処理に用いられるようになっている。そして、ステップ805に進む。
【0133】
また、上述のステップ801で第2特図乱数が記憶されていると判定した場合に進むステップ804において、メインCPU101は、第2特図保留数カウンタの値を「1」デクリメントするとともに、第2保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第2保留記憶領域の第1記憶部に記憶されている各乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第2保留記憶領域の第2記憶部〜第4記憶部に記憶されている各乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、第2保留記憶領域に記憶された各乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の大当たり判定処理に用いられるようになっている。そして、ステップ805に進む。
ステップ805において、メインCPU101は、大当たり決定乱数判定テーブル110のうち、現時点の遊技状態に対応するいずれかを選択し、選択したテーブルと、上述のステップ803又はステップ804で処理領域に記憶された大当たり決定乱数とに基づいて、大当たりの抽選の結果を導出する大当たり判定処理を実行する。そして、次のステップ806に進む。
【0134】
ステップ806において、メインCPU101は、特別図柄の種別を決定する特別図柄決定処理を実行する。具体的には、上述のステップ805における抽選の結果が大当たりであった場合には、当該抽選の判定に用いられた大当たり決定乱数がいずれの始動入賞口への遊技球の入球によるものか(すなわち、第1始動入賞口15か、又は、第2始動入賞口16か)を確認した上で、これに応じた当たり図柄乱数判定テーブル111を選択し、選択したテーブルと、上述のステップ803又はステップ804で処理領域に記憶された当たり図柄乱数とに基づいて、特別図柄の種別を決定する。一方、上述のステップ805における抽選の結果がハズレであった場合には、当該抽選の判定に用いられた大当たり決定乱数が第1始動入賞口15への遊技球の入球によるものであれば特別図柄Y1を決定し、当該抽選の判定に用いられた大当たり決定乱数が第2始動入賞口16への遊技球の入球によるものであれば特別図柄Y2を決定する。そして、決定した特別図柄に対応するデータを、メインRAM103の所定の領域に記憶する。また、この特別図柄決定処理においては、現時点の遊技状態、すなわち、特別図柄を決定した時点の遊技状態が遊技状態バッファに記憶される。そして、次のステップ807に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pの特別図柄変動開始処理では、第1特図乱数及び第2特図乱数の両方が記憶されている場合には、第1特図乱数に優先して第2特図乱数が処理されるようになっているが、これに限定されるものではなく、保留記憶領域に記憶された順に処理してもよい。
【0135】
ステップ807において、メインCPU101は、上述のステップ806で決定された特別図柄の種別を示す図柄決定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。これにより、決定された特別図柄の種別に係る情報が、変動演出の開始時に副制御基板300に送信されることとなる。そして、次のステップ808に進む。
ステップ808において、メインCPU101は、上述のステップ803又はステップ804で処理領域に記憶された第1変動パターン乱数及び第2変動パターン乱数に基づいて、変動パターンを決定する変動パターン決定処理を実行する。そして、次のステップ809に進む。
【0136】
ステップ809において、メインCPU101は、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31で特別図柄の変動表示を開始するための変動表示データをセットする。これにより、第1特図乱数に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、第1特別図柄表示装置30が点滅表示を開始し、また、第2特図乱数に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、第2特別図柄表示装置31が点滅表示を開始する。ここで、点滅表示とは、各表示装置において「−」が所定の間隔で点滅することをいうものである。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1特図乱数が第1保留記憶領域に記憶されている場合には、第1特図保留数を認識できる態様で第1特図保留表示装置38が表示され、第2特図乱数が第2保留記憶領域に記憶されている場合には、第2特図保留数を認識できる態様で第2特図保留表示装置39が表示されるようになっている。そして、第1特図乱数に基づいて上述の特別図柄の変動表示が行われる場合には、変動表示の開始と同時に、第1特図保留数が1つ減ることを示すように、第1特図保留表示装置38が表示制御され、第2特図乱数に基づいて上述の特別図柄の変動表示が行われる場合には、変動表示の開始と同時に、第2特図保留数が1つ減ることを示すように、第2特図保留表示装置39が表示制御される。
そして、次のステップ810に進む。
【0137】
ステップ810において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動停止処理が実行されるように、実行フェーズデータに「01」をセットし、特別図柄変動開始処理を終了する。
また、上述のステップ802で第1保留記憶領域に第1特図乱数が記憶されていないと判定した場合に進むステップ811において、メインCPU101は、変動表示が行われていないことに基づき、演出表示装置21においてデモ表示を行うためのデモ判定処理を実行する。具体的には、メインCPU101は特別図柄の変動表示が行われていない時間を計時するとともに、所定時間の間、特別図柄の変動表示が行われない場合に、演出表示装置21にデモ画面を表示するためのデモコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、特別変動開始処理を終了する。
【0138】
次に、上述したステップ808の変動パターン決定処理について、図23のフローチャートを参照して説明する。
ステップ900において、メインCPU101は、特別遊技終了からの変動回数(時短回数)、上述のステップ806で決定された特別図柄の種別、及び、現時点の保留数を確認し、これらの内容を所定の処理領域に記憶する。ここで、後述する如く、メインRAM103の時短回数記憶領域には、時短遊技状態が終了するまでの残りの変動回数が記憶されており、当該領域に記憶されている値に基づいて、特別遊技終了からの変動回数(すなわち、現時点が特別遊技終了後の何回目の変動であるか)を確認することができる。そして、次のステップ901に進む。
ステップ901において、メインCPU101は、上述のステップ900で確認した変動回数に基づいて、対応する前半変動パターンコマンド決定テーブル114を選択する。
具体的には、後述するように、特別遊技の終了時に、第1設定テーブル116aに基づいて、当該特別遊技の実行契機となった特別図柄の種別に対応する前半変動パターンコマンド決定テーブル114の情報が取得される。そして、この取得された情報はメインRAM103の所定のテーブル情報記憶領域に記憶される。メインCPU101は、この領域に記憶されている前半変動パターンコマンド決定テーブル114の情報に基づいて、上述の変動回数に対応する前半変動パターンコマンド決定テーブル114を選択する。
そして、ステップ902に進む。
【0139】
ステップ902において、メインCPU101は、上述のステップ901で選択された前半変動パターンコマンド決定テーブル114と、上述のステップ900で所定の処理領域に記憶された特別図柄の種別と、上述のステップ803又はステップ804で処理領域に記憶された第1変動パターン乱数とに基づいて、第1変動パターンコマンドを決定し、この決定された第1変動パターンコマンドを所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ903に進む。
ステップ903において、メインCPU101は、上述のステップ902で決定された第1変動パターンコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ904に進む。
【0140】
ステップ904において、メインCPU101は、上述のステップ900で確認した遊技状態及び変動回数に基づいて、対応する後半変動パターンコマンド決定テーブル115を選択する。
具体的には、後述するように、特別遊技の終了時に、第2設定テーブル116bに基づいて、当該特別遊技の実行契機となった特別図柄の種別に対応する後半変動パターンコマンド決定テーブル115の情報が取得される。そして、この取得された情報はメインRAM103の所定のテーブル情報記憶領域に記憶される。メインCPU101は、この領域に記憶されている後半変動パターンコマンド決定テーブル115の情報に基づいて、上述の変動回数に対応する後半変動パターンコマンド決定テーブル115を選択する。
そして、ステップ905に進む。
ステップ905において、メインCPU101は、上述のステップ904で選択された後半変動パターンコマンド決定テーブル115と、上述のステップ900で所定の処理領域に記憶された特別図柄の種別及び保留数と、上述のステップ902で所定の処理領域に記憶された第1変動パターンコマンドと、上述のステップ803又はステップ804で処理領域に記憶された第2変動パターン乱数とに基づいて、第2変動パターンコマンドを決定し、この決定された第2変動パターンコマンドを所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ906に進む。
【0141】
ステップ906において、メインCPU101は、上述のステップ905で決定された第2変動パターンコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ907に進む。
ステップ907において、メインCPU101は、前半変動パターンコマンド決定テーブル114に基づいて、第1変動パターンコマンドに対応付けられた前半変動時間を決定するとともに、後半変動パターンコマンド決定テーブル115に基づいて、第2変動パターンコマンドに対応付けられた後半変動時間を決定する。そして、決定された前半変動時間及び後半変動時間の合計値(すなわち、変動演出全体の変動時間)を変動時間タイマカウンタにセットする。そして、そして、変動パターン決定処理を終了する。
【0142】
次に、上述したステップ702の特別図柄変動停止処理について、図24のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1000において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別図柄変動停止処理の実行を示すデータ「01」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「01」でないと判定した場合、特別図柄変動停止処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「01」であると判定した場合、次のステップ1001に進む。
【0143】
ステップ1001において、メインCPU101は、ステップ907で変動時間タイマカウンタにセットされた変動時間が経過したか否かを判定する。そして、当該変動時間が経過していないと判定した場合、特別図柄変動停止処理を終了する。一方、当該変動時間が経過したと判定した場合、次のステップ1002に進む。
ステップ1002において、メインCPU101は、上述のステップ806で決定された特別図柄を、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に停止表示するための停止表示データをセットし、特別図柄の停止表示を実行する。そして、次のステップ1003に進む。
【0144】
ステップ1003において、メインCPU101は、特別図柄が確定したことを示す図柄確定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1004に進む。
ステップ1004において、メインCPU101は、特別図柄を停止表示する停止表示時間を停止表示時間カウンタにセットする。そして、次のステップ1005に進む。
【0145】
ステップ1005において、メインCPU101は、特図関連制御処理において停止後処理が実行されるように、実行フェーズデータに「02」をセットする。そして、特別図柄変動停止処理を終了する。
【0146】
次に、上述したステップ703の停止後処理について、図25のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1100において、メインCPU101は、実行フェーズデータが停止後処理の実行を示すデータ「02」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「02」でないと判定した場合、停止後処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「02」であると判定した場合、次のステップ1101に進む。
ステップ1101において、メインCPU101は、上述のステップ1004で停止表示時間カウンタにセットされた停止表示時間が経過したか否かを判定する。そして、停止表示時間が経過していないと判定した場合、停止後処理を終了する。一方、停止表示時間が経過したと判定した場合、次のステップ1102に進む。
【0147】
ステップ1102において、メインCPU101は、時短回数更新処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、現時点の遊技状態が時短遊技状態であることを示す時短遊技フラグがオンとなっているか否かを判定する。そして、時短遊技フラグがオンとなっていると判定した場合、メインRAM103に設けられた時短回数記憶領域を更新する。この時短回数記憶領域には、時短遊技状態が終了するまでの残りの変動回数が記憶されている。そして、この記憶されている残りの変動回数を「1」デクリメントする。また、残りの変動回数の更新により当該残りの変動回数が「0」となった場合には、時短遊技フラグをオフにする処理も実行する。また、時短遊技フラグがオンとなっていないと判定した場合、メインCPU101は、何も処理は行わない。そして、次のステップ1103に進む。
【0148】
ステップ1103において、メインCPU101は、高確回数更新処理を行う。ここでは、メインCPU101は、現時点の遊技状態が高確率遊技状態であることを示す高遊技確フラグがオンとなっているか否かを判定する。そして、高確遊技フラグがオンとなっていると判定した場合、メインRAM103に設けられた高確回数記憶領域を更新する。この高確回数記憶領域には、高確率遊技状態が終了するまでの残りの変動回数が記憶されている。そして、この記憶されている残りの変動回数を「1」デクリメントする。また、残りの変動回数の更新により当該残りの変動回数が「0」となった場合には、高確遊技フラグをオフにする処理も実行される。また、高確遊技フラグがオンとなっていないと判定した場合、メインCPU101は、何も処理は行わない。そして、次のステップ1104に進む。
【0149】
ステップ1104において、メインCPU101は、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄であるか否かを判定する。そして、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1105に進む。一方、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1109に進む。
ステップ1105において、メインCPU101は、時短遊技フラグ及び高確遊技フラグをオフにする。そして、次のステップ1106に進む。
【0150】
ステップ1106において、メインCPU101は、特別遊技の開始時に設定される待機時間であるオープニング時間をオープニング時間タイマカウンタにセットするとともに、オープニング処理が開始されることを示すオープニングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶するそして、次のステップ1107に進む。
ステップ1107において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別遊技制御処理が実行されるように、実行フェーズデータに「03」をセットする。そして、次のステップ1108に進む。
【0151】
ステップ1108において、メインCPU101は、現時点の遊技状態を確認し、遊技状態コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。この遊技状態コマンドには、高確遊技フラグのオン又はオフの情報、時短遊技フラグのオン又はオフの情報、高確回数の情報、時短回数の情報が含まれている。そして、停止後処理を終了する。
また、上述のステップ1104で停止表示されている特別図柄が大当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合に進むステップ1109において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動開始処理が実行されるように、実行フェーズデータに「00」をセットする。そして、ステップ1108に進む。
【0152】
次に、上述したステップ704の特別遊技制御処理について、図26のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1200において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別遊技制御処理の実行を示すデータ「03」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「03」でないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「03」であると判定した場合、次のステップ1201に進む。
ステップ1201において、メインCPU101は、上述のステップ1106でオープニング時間タイマカウンタにセットされたオープニング時間が経過したか否かを判定する。そして、オープニング時間が経過していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、オープニング時間が経過したと判定した場合、次のステップ1202に進む。
【0153】
ステップ1202において、メインCPU101は、この特別遊技制御処理において全ラウンド遊技が終了した後に行われる待機処理であるエンディング処理中であるか否かを判定する。そして、エンディング処理中であると判定した場合、ステップ1210に進む。一方、エンディング処理中でないと判定した場合、次のステップ1203に進む。
ステップ1203において、メインCPU101は、大当たり図柄の種別に応じた特別電動役物作動テーブル112に基づいて、大入賞口18の開閉を行う大入賞口開閉制御処理を実行する。そして、次のステップ1204に進む。
【0154】
ステップ1204において、メインCPU101は、上述のステップ1203の大入賞口開閉制御に基づいてラウンド遊技が開始された時点であるか否かを判定する。そして、ラウンド遊技が開始された時点であると判定した場合、ステップ1205に進む。一方、ラウンド遊技が開始された時点ではないと判定した場合、ステップ1206に進む。
ステップ1205において、メインCPU101は、ラウンド遊技の開始を示すラウンド遊技開始コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1206に進む。
なお、ラウンド遊技開始コマンドは、ラウンド遊技の回数ごとに設けられており、これにより、何回目のラウンド遊技が開始されたかを副制御基板300に伝達できるようになっている。
【0155】
ステップ1206において、メインCPU101は、上述のステップ1203の大入賞口開閉制御に基づいてラウンド遊技が終了したか否かを判定する。そして、ラウンド遊技が終了していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、ラウンド遊技が終了したと判定した場合、次のステップ1207に進む。
ステップ1207において、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されているラウンド遊技数を「1」デクリメントする。そして、次のステップ1208に進む。
【0156】
ステップ1208において、メインCPU101は、上述のステップ1207でデクリメントしたラウンド遊技数が「0」であるか否かを判定する。そして、当該ラウンド遊技数が「0」でないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、当該ラウンド遊技数が「0」であると判定した場合、次のステップ1209に進む。
ステップ1209において、メインCPU101は、特別遊技の終了時に設定される待機時間であるエンディング時間(本形態では9秒)をエンディング時間タイマカウンタにセットし、エンディング処理が開始されることを示すエンディングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、特別遊技制御処理を終了する。
【0157】
また、上述のステップ1202でエンディング処理中であると判定した場合に進むステップ1210において、メインCPU101は、上述のステップ1209でエンディング時間タイマカウンタにセットしたエンディング時間が経過したか否かを判定する。そして、当該エンディング時間が経過していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、当該エンディング時間が経過したと判定した場合、次のステップ1211に進む。
ステップ1211において、メインCPU101は、特別遊技が終了したことを示す特別遊技終了コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。なお、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、この特別遊技終了コマンドに、当該時点における第1特図保留数カウンタ及び第2特図保留数カウンタの合計値(すなわち、保留記憶の数)に関する情報が含まれている。そして、次のステップ1212に進む。
【0158】
ステップ1212において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別遊技終了処理が実行されるように、実行フェーズデータに「04」をセットする。そして、特別遊技制御処理を終了する。
【0159】
次に、上述したステップ705の特別遊技終了処理について、図27のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1300において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別遊技終了処理の実行を示すデータ「04」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「04」でないと判定した場合、特別遊技終了処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「04」であると判定した場合、次のステップ1301に進む。
ステップ1301において、メインCPU101は、終了した特別遊技の実行契機となった大当たり図柄(メインRAM103の処理領域に記憶)を確認するとともに、上述の大当たり図柄に応じた遊技状態設定テーブル113に基づいて、特別遊技の終了後の遊技状態を設定する遊技状態設定処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、高確遊技フラグ、時短遊技フラグ、高確回数、時短回数を設定する。たとえば、上述の大当たり図柄が特別図柄X1であった場合には、高確遊技フラグ及び時短遊技フラグをいずれもオンとするとともに、高確回数及び時短回数のいずれにも「10000」をセットする。また、上述の大当たり図柄が特別図柄X2であった場合には、高確遊技フラグ及び時短遊技フラグをいずれもオンとするとともに、高確回数に「10000」をセットし、時短回数に「50」をセットする。また、上述の大当たり図柄が特別図柄X3であった場合には、時短遊技フラグをオンとするとともに、時短回数に「50」をセットする。そして、次のステップ1302に進む。
【0160】
ステップ1302において、メインCPU101は、特別遊技の終了後の変動時に選択される前半変動パターンコマンド決定テーブル114及び後半変動パターンコマンド決定テーブル115の情報を取得するための変動パターンコマンド決定テーブル情報取得処理を実行する。具体的には、第1設定テーブル116aを参照して、当該特別遊技の実行の契機となった特別図柄(大当たり図柄)の種別に対応付けられた前半変動パターンコマンド決定テーブル114の情報を取得するとともに、第2設定テーブル116bを参照して、当該特別遊技の実行の契機となった特別図柄(大当たり図柄)の種別に対応付けられた後半変動パターンコマンド決定テーブル115の情報を取得する。そして、取得されたこれらの情報を、メインRAM103の所定のテーブル情報記憶領域に記憶する。
そして、次のステップ1303に進む。
ステップ1303において、メインCPU101は、上述のステップ1301で設定された遊技状態に応じて、遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。この遊技状態指定コマンドには、ステップ1301で設定された高確遊技フラグのオン又はオフの情報、時短遊技フラグのオン又はオフの情報、高確回数の情報、時短回数の情報、当該特別遊技の実行契機となった特別図柄(大当たり図柄)の種別が含まれている。そして、次のステップ1304に進む。
ステップ1304において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動開始処理が実行されるように、実行フェーズデータに「00」をセットする。そして、特別遊技終了処理を終了する。
【0161】
次に、上述したステップ204の普図関連制御処理について、図28のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1400において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータの値をロードする。この普図実行フェーズデータは、当該普図関連制御処理を構成する複数の機能モジュール(サブルーチン)のうちいずれを実行するかを示すものである。具体的には、この普図実行フェーズデータは、後述する普通図柄変動開始処理の実行を示すデータ「10」と、後述する普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ「11」と、後述する普通図柄停止後処理の実行を示すデータ「12」と、後述する可動片制御処理の実行を示すデータ「13」と、を有している。
そして、メインCPU101は、上述のステップ1400でロードした普図実行フェーズデータの値に基づき、普通図柄変動開始処理(ステップ1401)、普通図柄変動停止処理(ステップ1402)、普通図柄停止後処理(ステップ1403)又は可動片制御終了処理(ステップ1404)のいずれかを実行する。そして、普図関連制御処理を終了する。
【0162】
次に、上述したステップ1401の普通図柄変動開始処理について、図29のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1500において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄変動開始処理の実行を示す「10」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「10」でないと判定した場合、普通図柄変動開始処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「10」と判定した場合、次のステップ1501に進む。
ステップ1501において、メインCPU101は、普図保留記憶領域に当たり決定乱数が記憶されているか否か、すなわち、普図保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、普図保留数カウンタが「1」以上でない(すなわち、「0」)と判定した場合、普通図柄変動開始処理を終了する。一方、普図保留数カウンタが「1」以上であると判定した場合、次のステップ1502に進む。
【0163】
ステップ1502において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値を「1」デクリメントする。そして、次のステップ1503に進む。
ステップ1503において、メインCPU101は、普図保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第1記憶部に記憶されている当たり決定乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第2記憶部〜第4記憶部に記憶されている当たり決定乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、普図保留記憶領域に記憶された当たり決定乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の当選判定処理に用いられるようになっている。そして、ステップ1504に進む。
【0164】
ステップ1504において、メインCPU101は、現時点の遊技状態に対応する当たり決定乱数判定テーブル117(非時短判定テーブル117a又は時短判定テーブル117bのいずれか)を選択し、当該選択したテーブルと、上述のステップ1503で処理領域に記憶された当たり決定乱数とに基づいて、普通図柄の抽選の結果を導出する当選判定処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、現在の遊技状態が非時短遊技状態又は特別遊技中である場合には、非時短判定テーブル117aを参照して、処理領域に記憶された当たり決定乱数を判定する。これに対して、現在の遊技状態が時短遊技状態である場合には、時短判定テーブル117bを参照して、処理領域に記憶された当たり決定乱数を判定する。そして、次のステップ1505に進む。
ステップ1505において、メインCPU101は、上述のステップ1504における当選判定処理の結果が当たりであるか否かを判定する。そして、当たりであると判定した場合、次のステップ1506に進む。一方、当たりでない(すなわち、ハズレ)と判定した場合、ステップ1507に進む。
【0165】
ステップ1506において、メインCPU101は、当たり図柄データをメインRAM103の所定の処理領域に記憶する。そして、ステップ1508に進む。
また、上述のステップ1505で当選判定処理の結果が当たりでない(すなわち、ハズレ)と判定した場合に進むステップ1507において、メインCPU101は、ハズレ図柄データをメインRAM103の所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ1508に進む。
【0166】
ステップ1508において、メインCPU101は、現時点の遊技状態が非時短遊技状態、時短遊技状態、又は、特別遊技中のいずれであるかを確認するとともに、普通図柄変動パターン決定テーブル118を参照して、現時点の遊技状態に応じた普通図柄の変動時間を普図変動時間タイマカウンタにセットする。具体的には、メインCPU101は、現時点の遊技状態が非時短遊技状態又は特別遊技中である場合には、普図変動時間カウンタに「9秒」をセットし、時短遊技状態である場合には、普図変動時間カウンタに「1秒」をセットする。そして、次のステップ1509に進む。
ステップ1509において、メインCPU101は、普通図柄の変動表示が開始されることを示す普図遊技開始コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1510に進む。
【0167】
ステップ1510において、メインCPU101は、普通図柄の変動表示を開始するための変動表示データをセットする。これにより、普通図柄の変動表示が行われる場合には、普通図柄表示装置32が点滅表示を開始する。また、本形態に係るパチンコ機Pでは、当たり決定乱数が普図保留記憶領域に記憶されている場合には、普図保留数を認識できる態様で普通図柄保留表示装置33が表示されるようになっている。そして、普通図柄の変動表示が行われる場合には、当該変動表示の開始と同時に、普図保留数が1つ減ることを示すように、普通図柄保留表示装置33が表示制御される。そして、次のステップ1511に進む。
【0168】
ステップ1511において、メインCPU101は、現時点の遊技状態を変動開始時の遊技状態として遊技状態バッファに記憶する。そして、次のステップ1512に進む。
ステップ1512において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動停止処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「11」をセットする。そして、普通図柄変動開始処理を終了する。
【0169】
次に、上述したステップ1402の普通図柄変動停止処理について、図30のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1600において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ「11」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「11」でないと判定した場合、普通図柄変動停止処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「11」であると判定した場合、次のステップ1601に進む。
ステップ1601において、メインCPU101は、ステップ1508で普図変動時間タイマカウンタにセットされた普通図柄の変動時間が経過したか否かを判定する。そして、当該変動時間が経過していないと判定した場合、普通図柄変動停止処理を終了する。一方、当該変動時間が経過したと判定した場合、次のステップ1602に進む。
【0170】
ステップ1602において、メインCPU101は、普通図柄を普通図柄表示装置32に停止表示するための停止表示データをセットし、普通図柄の停止表示を実行する。そして、次のステップ1603に進む。
ステップ1603において、メインCPU101は、普通図柄を停止表示する停止表示時間を普図停止表示時間カウンタにセットする。そして、次のステップ1604に進む。
【0171】
ステップ1604において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄停止後処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「12」をセットする。そして、普通図柄変動停止処理を終了する。
【0172】
次に、上述したステップ1403の普通図柄停止後処理について、図31のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1700において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄停止後処理の実行を示すデータ「12」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「12」でないと判定した場合、普通図柄停止後処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「12」であると判定した場合、次のステップ1701に進む。
ステップ1701において、メインCPU101は、上述のステップ1603で普図停止表示時間カウンタにセットされた停止表示時間が経過したか否かを判定する。そして、当該停止表示時間が経過していないと判定した場合、普通図柄停止後処理を終了する。一方、当該停止表示時間が経過したと判定した場合、次のステップ1702に進む。
【0173】
ステップ1702において、メインCPU101は、停止表示されている普通図柄が当たり図柄であるか否かを判定する。そして、停止表示されている普通図柄が当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1703に進む。一方、停止表示されている普通図柄が当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1704に進む。
ステップ1703において、メインCPU101は、普図関連制御処理において可動片制御処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「13」をセットする。そして、普通図柄停止後処理を終了する。
【0174】
また、上述のステップ1702で停止表示されている普通図柄が当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合に進むステップ1704において、メインCPU101は、普通図柄の変動表示に伴う処理が終了したことを示す普図遊技終了コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。なお、普図遊技終了コマンドには、普通図柄の抽選の結果(当たり又はハズレ)、現時点における普図保留数カウンタの値に関する情報も含まれている。そして、次のステップ1705に進む。
ステップ1705において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「10」をセットする。そして、普通図柄停止後処理を終了する。
【0175】
次に、上述したステップ1404の可動片制御処理について、図32のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1800において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが可動片制御処理の実行を示すデータ「13」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「13」でないと判定した場合、可動片制御処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「13」であると判定した場合、次のステップ1801に進む。
ステップ1801において、メインCPU101は、可動片16bが作動制御中であるか否か、すなわち、始動入賞口ソレノイド16cが通電されているか否かを判定する。そして、可動片16bが作動制御中であると判定した場合、ステップ1804に進む。一方、可動片16bが作動制御中でないと判定した場合、次のステップ1802に進む。
【0176】
ステップ1802において、メインCPU101は、普通図柄の変動開始時の遊技状態が、非時短遊技状態、時短遊技状態、又は、特別遊技中のいずれであったかを確認する。そして、次のステップ1803に進む。
ステップ1803において、メインCPU101は、第2始動入賞口開放制御テーブル119を参照し、上述のステップ1802で確認した遊技状態に応じて、始動入賞口ソレノイド16cの通電制御データ(開放データ)として、通電回数(開放回数)及び通電時間(開放時間)をセットする。そして、可動片制御処理を終了する。
【0177】
また、上述のステップ1801で可動片16bが作動制御中であると判定した場合に進むステップ1804において、メインCPU101は、上述のステップ1803でセットされた通電時間(開放時間)を経過したか否かを判定する。そして、通電時間(開放時間)を経過していないと判定した場合、可動片制御処理を終了する。一方、通電時間(開放時間)を経過したと判定した場合、次のステップ1805に進む。
ステップ1805において、メインCPU101は、可動片16bの作動の停止、すなわち、始動入賞口ソレノイド16cの通電の停止を実行する。そして、次のステップ1806に進む。
【0178】
ステップ1806において、メインCPU101は、普図遊技終了コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1807に進む。
ステップ1807において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「10」をセットする。そして、可動片制御処理を終了する。
【0179】
(パチンコ機Pにおける演出の概要)
上述の如く、主制御基板100において各種処理が実行されることにより、特図遊技及び普図遊技、並びに、特別遊技が進行することとなる。そして、これら遊技の進行中には、主制御基板100から種々のコマンドを副制御基板300に送信し、このコマンドを副制御基板300が受信することにより、当該副制御基板300において、遊技の進行に伴う演出の制御が行われる。
以下では、特別図柄の変動表示中に実行され、大当たりの抽選の結果を報知する変動演出、特別遊技の終了付近において行われた普通図柄の抽選の結果を特定の態様で報知する特定演出としての普図抽選特定演出、及び、特別遊技終了後の1回目の大当たりの抽選において大当たりに当選した場合に、その旨を特別な態様で報知する特別演出としての大当たり当選特定演出について説明する。
【0180】
(変動演出の概要)
本形態に係るパチンコ機Pで実行される変動演出では、演出表示装置21に表示される背景画像に重ねて、演出図柄50(ダミー図柄)の変動表示が行われる。そして、変動表示した後に停止表示された演出図柄50の組み合わせ(停止表示態様)により、大当たりの抽選の結果が遊技者に報知されるようになっている。
具体的には、特別図柄の変動表示の開始とともに、すべての演出図柄50が停止表示された状態から、すべての演出図柄50の変動表示が開始される(図33(a)〜(b)及び図34(a)〜(b)参照)。なお、図中の下向き矢印は、演出図柄50が上方から下方へ向けてスクロールする表示がなされていることを示す。
その後、左側に位置する演出図柄50(以下、第1停止図柄という)、右側に位置する演出図柄50(以下、第2停止図柄という)、中央に位置する演出図柄50(以下、第3停止図柄)という順番で停止表示される(図33(c)〜(e)及び図34(c)〜(e)参照)。
【0181】
そして、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合には、すべての演出図柄50が同一の図柄で停止表示される(図34(e)参照)。すなわち、すべての演出図柄50が同一の図柄で停止表示されることにより、大当たりの抽選の結果が大当たりであることが報知される。
これに対して、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合には、すべての演出図柄50が同一の図柄で停止表示されることはない(図33(e)参照)。すなわち、少なくとも一の演出図柄50が他の演出図柄50とは異なる図柄で停止表示されることにより、大当たりの抽選の結果がハズレであることが報知される。
【0182】
また、第3停止図柄は、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に特別図柄が停止表示するのとほぼ同時に停止表示されるようになっている。これにより、演出図柄50の停止表示に先んじて、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に特別図柄が停止表示され、特別図柄の種別で大当たりの抽選の結果が把握されてしまうことを防止している。
【0183】
本形態に係るパチンコ機Pには、変動演出の態様として、第1停止図柄と第2停止図柄とが異なる図柄で停止表示されるリーチなし変動パターン、及び、第1停止図柄と第2停止図柄とが同一の図柄で停止表示される(いわゆるリーチ表示が行われる)リーチ変動パターンが設けられている。そして、これらの変動演出の態様はそれぞれ複数の態様を有しており、各態様には、変動の仕方や演出図柄50の表示内容等が種々設定されている。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、特に図示していないが、リーチ表示後に演出表示装置21に所定の発展演出画像等を表示するリーチ発展演出が実行され、その後大当たりの抽選の結果を報知する発展あり変動パターン、リーチ表示後にリーチ発展演出が実行されることなく、大当たりの抽選の結果を報知する発展なし変動パターンが設けられている。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、特別遊技終了後の1回目の大当たりの抽選において大当たりの当選した場合には、上述の変動演出の態様とは異なる特殊な態様(たとえば、演出図柄50の変動表示は行われず、所定の動画のみが表示されるような態様)での表示が行われる特殊変動演出を実行するようになっている。
また、大当たりに対する遊技者の期待感を高めるべく、演出図柄50の変動表示中に演出表示装置21の背景画像に重ねて所定の表示を行うカットイン演出等を実行するようにしてもよい。
【0184】
また、これらの演出においては、画像の表示のみならず、画像の表示に併せて、音声出力装置10(スピーカ)から所定のBGMや音声等を出力してもよいし、演出照明装置23(ランプ)を所定の点灯パターンや色で発光させてもよい。また、発展演出画像の表示中の所定の期間内に、演出操作装置9(操作ダイヤル9a、操作ボタン9b)が操作されることにより、他の画像が表示されるようにしてもよい。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、演出図柄50の変動表示が開始されてからリーチ表示の有無が報知されるまでが、変動演出の前半部分に相当し、リーチ表示の有無が報知されてから第3停止図柄が停止表示されるまで(すなわち、演出図柄50の変動が終了するまで)が、変動演出の後半部分に相当する。
【0185】
また、特に図示していないが、本形態に係るパチンコ機Pでは、副制御基板300のサブROM302に、変動演出の態様を決定するための種々の演出決定テーブルが記憶されている。そして、副制御基板300のサブCPU301は、所定の条件に応じた演出決定テーブルを選択するとともに、当該選択された演出決定テーブルと、主制御基板100のメインCPU101から受信した第1変動パターンコマンド、第2変動パターンコマンド、及び、任意で用いられる演出乱数に基づいて、変動演出の態様を決定する。
そして、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、第1変動パターンコマンドに基づいて変動演出の前半部分の態様が決定され、第2変動パターンコマンドに基づいて変動演出の後半部分の態様(リーチ発展演出の有無等)が決定されるようになっている。
そして、上述のように決定された態様に基づいた変動演出が、演出表示装置21において実行されることとなる。
【0186】
(普図抽選特定演出、大当たり当選特定演出の概要)
普図抽選特定演出は、上述の如く、特別遊技の終了付近において行われた普通図柄の抽選の結果を特定の態様で報知するものである。
上述の如く、本形態に係るパチンコ機Pでは、特別遊技中に遊技球がゲート20を通過した場合にも普通図柄の抽選が行われ、この抽選の結果が当たりである場合には、当たり図柄が停止表示された後、可動片16bが開き第2始動入賞口16が開状態となる。そのため、特別遊技における全ラウンド遊技が終了してから特別遊技が終了するまで(大当たりの抽選が開始されるまで)のエンディング期間中(すなわち、特別遊技のエンディング処理中)や、特別遊技の終了直後にも第2始動入賞口16が開状態となる場合がある。
そこで、本形態に係るパチンコ機Pでは、特別遊技のエンディング処理中や特別遊技の終了直後に生じる第2始動入賞口16の開状態を、まるで上述の特別遊技に連続した所定の利益(第2始動入賞口16への入球に基づく賞球)を獲得可能な区間(以下、エクストララウンドという)であるかのように遊技者に認識させるべく、特別遊技の終了前後の付近において、普通図柄の抽選に基づいて普通図柄が停止表示された場合に、当該抽選の結果を特定の態様(まるでエクストララウンドの実行の可否が決定されたように見える態様)で報知するようにしている。
【0187】
また、大当たり当選特定演出は、上述の如く、特別遊技終了後の1回目の大当たりの抽選において大当たりに当選した場合に、その旨を特定の態様で報知するものである。
たとえば、特別遊技の終了時において第1特図乱数や第2特図乱数が保留記憶領域に記憶されていた場合には、特別遊技の終了直後に大当たりの抽選が行われる。そこで、本形態に係るパチンコ機Pでは、このような特別遊技終了後における1回目の大当たりの抽選の結果が大当たりとなった場合に、これにより実行される特別遊技を、まるで今まで実行されていた特別遊技に連続した所定の利益(大入賞口18への入球に基づく賞球)を獲得可能な区間(以下、スーパーエクストララウンドという)であるかのように遊技者に認識させるべく、大当たりに当選した旨を特定の態様(まるでスーパーエクストララウンドの実行が決定されたように見える態様)で報知するようにしている。
【0188】
以下、普図抽選特定演出及び大当たり当選特定演出について、より詳細に説明する。
本形態に係るパチンコ機Pでは、まず、普図抽選特定演出及び大当たり当選特定演出を実行する前段階として、特別遊技における最終ラウンド中(特別図柄X1に基づく特別遊技の場合には8ラウンド中、特別図柄X2又はX3に基づく特別遊技の場合には4ラウンド中)に、演出表示装置21において、エクストララウンドの獲得を遊技者にチャレンジさせるチャレンジ演出の開始告知表示が行われる(図35(a)参照)。この表示により、遊技者に対して、まるでエクストララウンドが本当に存在しているかのような印象を抱かせることができるようになっている。
また、最終ラウンドが終了し、エンディング処理が開始されると、演出表示装置21において、扉の画像が表示されるとともに、この扉を開放させるべく操作ボタン9bの長押しを遊技者に促す表示が行われるチャレンジ演出が開始される(図35(b)参照)。
【0189】
その後、普通図柄が停止表示されて普通図柄の抽選の結果が表示されることに基づき、演出表示装置21において、当該抽選の結果に基づいた普図抽選特定演出が実行されることとなる。
具体的には、普通図柄の抽選の結果が当たりの場合には、普通図柄の停止表示に伴って、可動片16bが開放されるとともに、演出表示装置21において、扉が開放された旨の画像及び「エクストララウンド!」という文字画像が表示される(図35(c)参照)。これにより、遊技者に対して、まるで本当にエクストララウンドの実行が決定されたかのように認識させることができるのである。
これに対して、普通図柄の抽選の結果がハズレの場合には、普通図柄の停止表示に伴って、演出表示装置21において、扉が閉じたままの旨の画像及び「エクストララウンドならず!」という文字画像が表示される(図35(d)参照)。なお、抽選の結果がハズレであるため、可動片16bは開放されない。これにより、遊技者に対して、まるで本当にエクストララウンドが実行されない旨が決定されたかのように認識させることができるのである。
また、この普図抽選特定演出は、上述のチャレンジ演出が終了した後に当該チャレンジ演出に引き続き実行されるようになっている。そのため、チャレンジ演出において操作ボタン9bを長押しさせることで、遊技者に対して、あたかも操作ボタン9bの長押しによりエクストララウンドの実行の可否が決定されたような印象を与えることができる。
【0190】
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、1回の特別遊技にあたり、エンディング処理終了時までに(すなわち、エンディング期間中に)普通図柄の変動が停止した場合、エンディング処理中から継続している普通図柄の変動がエンディング処理終了後(すなわち、特別遊技終了後)に停止した場合、普図記憶領域に当たり決定乱数が記憶(保留)されていたことにより、上述のエンディング処理終了後の普通図柄の変動停止に引き続いて開始された普通図柄の変動が停止した場合に、普図抽選特定演出を実行できるようになっている。
そして、本形態に係るパチンコ機Pでは、エンディング処理終了時までに普通図柄が停止した場合に当たりに対応する普図抽選特定演出が実行されると、その後、エンディング処理中から継続している普通図柄の変動がエンディング処理終了後に停止した場合や、エンディング処理終了後の普通図柄の停止に引き続いて開始された普通図柄の変動が停止した場合には、普図抽選特定演出が実行されないようになっている。また、エンディング処理中から継続している普通図柄の変動がエンディング処理終了後に停止した場合に当たりに対応する普図抽選特定演出が実行されると、その後、エンディング処理終了後の普通図柄の停止に引き続いて開始された普通図柄の変動が停止した場合には、普図抽選特定演出が実行されないようになっている。
すなわち、1回の特別遊技において、当たりに対応する普図抽選特定演出が実行されると、その後、同特別遊技において普通図柄の変動が行われ、当該変動が停止したとしても普図抽選特定演出は実行されない。なお、ハズレに対応する普図抽選特定演出が実行された場合には、その後も普図抽選特定演出が実行される。
【0191】
また、エンディング処理が終了(すなわち、特別遊技が終了)した後に1回目の大当たりの抽選が行われ、当該抽選の結果が大当たりとなった場合には、特別図柄の変動停止に基づいて特別遊技が開始されるが、演出表示装置21においては、特別図柄の変動に伴って上述の特殊変動演出が行われた後、大当たり当選特定演出が実行される。
具体的には、演出表示装置21において、「スーパーエクストララウンド!」という文字画像が表示される(図35(e)参照)。これにより、遊技者に対して、まるで本当にスーパーエクストララウンドの実行が決定されたかのように認識させることができる。
なお、この大当たり当選特定演出は、特別遊技の終了時に保留記憶領域に記憶されていた第1特図乱数や第2特図乱数に基づいて特別遊技の終了直後に1回目の大当たりの当選が行われ大当たりとなった場合や、後述するように特別遊技の終了後(エンディング処理の終了後)に継続しているチャレンジ演出や普図抽選特定演出の実行中に特別遊技終了後1回目の大当たりの抽選が行われ大当たりとなった場合に、実行されるようになっている。そして、上述の演出が実行されていないときに特別遊技終了後1回目の大当たりの抽選が行われ大当たりとなった場合には、大当たり当選特定演出は実行されず、特殊変動演出が行われた後、通常の態様で大当たりに当選した旨が報知されるようになっている。
【0192】
次に、普図抽選特定演出及び大当たり当選特定演出の実行の流れについて、場合を分けて説明する。
(1)エンディング処理中に普通図柄の変動が停止した場合(普通図柄の抽選の結果は当たり)(図36(a)参照)
本形態に係るパチンコ機Pでは、特別遊技中における普通図柄の変動時間は9秒に設定されており(図13参照)、エンディング処理が行われる時間であるエンディング時間も9秒に設定されている。したがって、たとえば、エンディング処理の開始と同時に普通図柄の変動が開始された場合や、最終ラウンドの終了時点において普通図柄が変動している場合等、エンディング処理開始時に普通図柄が変動している場合に、エンディング処理中に普通図柄の変動が停止することとなる。
ここで、上述のように、エンディング処理が開始されると、これに併せてチャレンジ演出が開始されるようになっている。また、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、エンディング処理の開始とともに開始されるチャレンジ演出は、実行時間として、常にエンディング時間と同一の9秒が設定されるようになっている。なお、このチャレンジ演出の実行時間は、常に同一の時間が設定されるようにするのではなく、エンディング処理の開始から普通図柄の変動が停止するまでの時間を算出し、当該時間をチャレンジ演出の実行時間として設定するようにしてもよい。
そして、エンディング処理中に普通図柄の変動が停止すると、普通図柄の抽選の結果が当たりであるため、可動片16bが開放されるとともに、実行中のチャレンジ演出が終了して当たりに対応する普図抽選特定演出が実行される。この普図抽選特定演出はエンディング処理が終了するまで実行される。
また、エンディング処理が終了(すなわち、特別遊技が終了)すると、この時点で第1特図乱数又は第2特図乱数が保留記憶領域に記憶されていた場合には特別遊技終了後1回目の大当たりの抽選が行われる。この抽選の結果が大当たりであった場合には、実行中の普図特定演出が終了して特殊変動演出が実行された後、大当たり当選特定演出が実行される。一方、上述の抽選の結果がハズレであった場合には、実行中の普図特定演出が終了して、通常通り、変動演出が実行される。
なお、普通図柄の変動が停止する前に第1特図乱数又は第2特図乱数が保留記憶領域に記憶されていた場合(すなわち、普通図柄の変動停止前に特別遊技終了後1回目の大当たり抽選の当否の判定ができる場合)には、普図抽選特定演出を実行する前に上述の乱数に基づいて大当たりの当選の可否を判定し、大当たりに当選すると判定されたときには上述の普図抽選特定演出を実行することなく、エンディング処理が終了するまでチャレンジ演出を実行した後に、特殊変動演出及び大当たり当選特定演出を実行するようにしてもよい。
【0193】
(2)エンディング処理中に普通図柄の変動が停止し(普通図柄の抽選の結果はハズレ)、その後、普通図柄の変動が開始されなかった場合(図36(b)参照)
具体的には、ハズレの抽選の結果に基づく普通図柄の変動がエンディング処理中に停止し、当該時点において当たり決定乱数が普図保留記憶領域に記憶されておらず、かつ、エンディング処理終了まで遊技球がゲート20を通過しなかった場合である。
この場合も、上述の(1)と同様に、エンディング処理の開始に併せてチャレンジ演出が開始される。そして、エンディング処理中に普通図柄の変動が停止すると、普通図柄の抽選の結果がハズレであるため、実行中のチャレンジ演出が終了してハズレに対応する普図抽選特定演出が実行される。ここで、普通図柄の変動停止時点において当たり決定乱数が普図保留記憶領域に記憶されておらず、さらに、その後エンディング処理が終了するまで遊技球がゲート20を通過しなかった場合には、新たな普通図柄の抽選及び普通図柄の変動は行われず、上述の普図抽選特定演出がエンディング処理の終了まで実行されるようになっている。
なお、特別遊技終了後1回目の大当たりの抽選に基づく演出(大当たり当選特定演出、変動演出)については、上述の(1)と同様に実行される。また、この場合には、ハズレに対応する普図抽選特定演出が実行されていることから、当該普図抽選特定演出を終了して特殊変動演出及び大当たり当選特定演出を実行する前に、所定のつなぎ画像(たとえば、エクストララウンドの非実行から一転してスーパーエクストララウンドの実行が決定されることを示唆するような画像)を表示するようにしてもよい。
また、普通図柄の変動が停止する前に、特別遊技終了後1回目の大当たり抽選において大当たりに当選すると判定できる場合には、上述の(1)と同様の処理を行ってもよい。
【0194】
(3)エンディング処理中から継続している普通図柄の変動がエンディング処理終了後に停止した場合(普通図柄の抽選の結果は当たり)
本形態に係るパチンコ機Pでは、エンディング処理中に普通図柄の変動が開始された場合に、当該普通図柄の変動がエンディング処理終了後に停止することとなる。以下、エンディング処理開始時には普通図柄の変動は行われていなかったものの、エンディング処理が開始されてから終了するまでの間に遊技球がゲート20を通過して普通図柄の変動が開始された場合、ハズレの抽選の結果に基づく普通図柄の変動がエンディング処理中に停止し、この停止時点で普図保留記憶領域に記憶されていた当たり決定乱数に基づいて普通図柄の変動が開始された場合、ハズレの抽選の結果に基づく普通図柄の変動がエンディング処理中に停止し、この停止時点で当たり決定乱数は普図保留記憶領域に記憶されていなかったものの、エンディング処理が終了するまでに遊技球がゲート20を通過したことに基づいて普通図柄の変動が開始された場合について、それぞれ説明する。
【0195】
(3−1)エンディング処理開始時には普通図柄の変動は行われていなかったものの、エンディング処理が開始されてから終了するまでの間に遊技球がゲート20を通過して普通図柄の変動が開始された場合(図37参照)
本形態に係るパチンコ機Pでは、エンディング処理の開始時に普通図柄が変動している場合、変動していない場合のいずれであっても、エンディング処理の開始に併せてチャレンジ演出が開始されるようになっている。したがって、この場合においても、エンディング処理の開始とともにチャレンジ演出が開始される。
そして、エンディング処理が開始されてから終了するまでの間に遊技球がゲート20を通過すると、普通図柄の変動が開始される。その後、特別遊技中における普通図柄の変動時間である9秒が経過すると普通図柄の変動が停止するが、この場合においては、エンディング処理終了後に普通図柄の変動が停止するため、エンディング処理が終了してから普通図柄の変動が停止するまでの間、チャレンジ演出の実行が延長されるようになっている。そして、普通図柄の変動が停止すると、普通図柄の抽選の結果が当たりであるため、実行中のチャレンジ演出が終了した後、当たりに対応する普図抽選特定演出が所定時間実行される。
【0196】
また、エンディング処理が終了(特別遊技が終了)した時点で第1特図乱数又は第2特図乱数が保留記憶領域に記憶されていることにより、又は、エンディング処理が終了してから上述の普図抽選特定演出の実行が終了するまでに第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16に遊技球が入球することにより、特別遊技終了後1回目の大当たりの抽選が行われ、この抽選の結果が大当たりであった場合には、特殊変動演出及び大当たり当選特定演出が実行される。ここで、普通図柄の変動が停止して当たりに対応する普図抽選特定演出が実行される前に上述の大当たりの抽選が行われた場合には、当たりに対応する普図抽選特定演出を実行せずに、特殊変動演出及び大当たり当選特定演出が実行されるようになっている。これに対して、普通図柄の変動が停止して当たりに対応する普図抽選特定演出が実行されている間に上述の大当たりの抽選が行われた場合には、実行中の普図抽選特定演出が終了して、特殊変動演出及び大当たり当選特定演出が実行されるようになっている。
また、上述の抽選の結果がハズレであった場合には、通常通り、変動演出が実行される。
【0197】
(3−2)ハズレの抽選の結果に基づく普通図柄の変動がエンディング処理中に停止し、この停止時点で普図保留記憶領域に記憶されていた当たり決定乱数に基づいて普通図柄の変動が開始された場合(図38参照)
この場合にも、エンディング処理の開始とともにチャレンジ演出が開始される。その後、変動中であった普通図柄がエンディング処理中に停止表示されるが、この時点で普図保留記憶領域に当たり決定乱数が記憶(保留)されていた場合には、上述の普通図柄の変動停止後すぐに、記憶されていた当たり決定乱数に基づく普通図柄の抽選が行われ、新たに普通図柄の変動が開始される。
そして、このように普通図柄の変動が開始された場合には、普図抽選特定演出を実行することなく、継続してチャレンジ演出が実行されるようになっている。その後、特別遊技中における普通図柄の変動時間である9秒が経過すると普通図柄の変動が停止するが、この場合も上述の(3−1)と同様に、エンディング処理終了後に普通図柄の変動が停止するため、エンディング処理が終了してから普通図柄の変動が停止するまでの間、チャレンジ演出の実行が延長されるようになっている。そして、上述の(3−1)と同様に、普通図柄の変動が停止すると、実行中のチャレンジ演出が終了した後、当たりに対応する普図抽選特定演出が所定時間実行される。
なお、特別遊技終了後1回目の大当たりの抽選に基づく演出(特殊変動演出及び大当たり当選特定演出、変動演出)についても、上述の(3−1)と同様に実行される。
【0198】
(3−3)ハズレの抽選の結果に基づく普通図柄の変動がエンディング処理中に停止し、この停止時点で当たり決定乱数は普図保留記憶領域に記憶されていなかったものの、エンディング処理が終了するまでに遊技球がゲート20を通過したことに基づいて普通図柄の変動が開始された場合(図39参照)
この場合にも、エンディング処理の開始とともにチャレンジ演出が開始される。その後、変動中であった普通図柄がエンディング処理中に停止表示されるが、この時点で普図保留記憶領域に当たり決定乱数が記憶(保留)されていないため、上述の普通図柄の変動停止に伴い、実行中のチャレンジ演出が終了した後、ハズレに対応する普図抽選特定演出が実行される。この普図抽選特定演出は、エンディング処理が終了するまで実行可能となるような実行時間が設定される。
そして、上述の普通図柄の変動の停止後、エンディング処理が終了するまでの間に遊技球がゲート20を通過すると、普通図柄の変動が開始されるとともに、実行中の普図抽選特定演出が終了した後、再度のチャレンジ演出が実行される。なお、このチャレンジ演出は、実行時間として、特別遊技中における普通図柄の変動時間である9秒が設定される。
その後、上述の(3−1)や(3−2)と同様に、普通図柄の変動が停止すると、実行中のチャレンジ演出が終了した後、当たりに対応する普図抽選特定演出が所定時間実行される。
なお、特別遊技終了後1回目の大当たりの抽選に基づく演出(大当たり当選特定演出、変動演出)についても、上述の(3−1)や(3−2)と同様に実行される。
【0199】
(4)エンディング処理中から継続している普通図柄の変動がエンディング処理終了後に停止し(普通図柄の抽選の結果はハズレ)、この停止時点で当たり決定乱数は普図保留記憶領域に記憶されていなかった場合(図40参照)
この場合には、エンディング処理中に実行されていたチャレンジ演出が、エンディング処理終了後も継続し、普通図柄の変動が停止するまで実行されることとなる。そして、普通図柄の変動が停止すると、普通図柄の抽選の結果がハズレであるため、実行中のチャレンジ演出が終了した後、ハズレに対応する普図抽選特定演出が所定時間実行される。
なお、特別遊技終了後1回目の大当たりの抽選に基づく演出(特殊変動演出及び大当たり当選特定演出、変動演出)については、上述の(3−1)、(3−2)、(3−3)と同様に実行される。また、この場合も(2)と同様に、ハズレに対応する普図抽選特定演出を終了して特殊変動演出及び大当たり当選特定演出を実行する前に、所定のつなぎ画像を表示するようにしてもよい。
【0200】
(5)エンディング処理中から継続している普通図柄の変動がエンディング処理終了後に停止し(普通図柄の抽選の結果はハズレ)、この停止時点で当たり決定乱数が普図保留記憶領域に記憶されていた場合(図41参照)
この場合も(4)と同様に、エンディング処理中に実行されていたチャレンジ演出が、エンディング処理終了後も継続し、普通図柄の変動が停止するまで実行されることとなる。
そして、変動中であった普通図柄が停止表示されるが、この時点で普図保留記憶領域に当たり決定乱数が記憶(保留)されていた場合には、上述の普通図柄の変動停止後すぐに、記憶されていた当たり決定乱数に基づく普通図柄の抽選が行われ、新たに普通図柄の変動が開始される。そして、このように普通図柄の変動が開始された場合には、上述の(3−2)と同様に、普図抽選特定演出を実行することなく、チャレンジ演出が延長されるようになっている。なお、このチャレンジ演出は、上述の普通図柄の変動が停止するまで実行可能とすべく、実行時間として、開始された普通図柄の変動時間(時短遊技中に開始された変動であるため1秒)が設定される。
その後、時短遊技中における普通図柄の変動時間である1秒が経過して普通図柄の変動が停止すると、実行中のチャレンジ演出が終了した後、普通図柄の抽選の結果が当たりの場合には当たりに対応する普図抽選特定演出が所定時間実行され、ハズレの場合にはハズレに対応する普図抽選特定演出が所定時間実行される。
なお、特別遊技終了後1回目の大当たりの抽選に基づく演出(特殊変動演出及び大当たり当選特定演出、変動演出)については、上述の(4)と同様に実行される。
【0201】
(6)エンディング処理開始時には普通図柄の変動は行われておらず、そのままエンディング処理終了まで普通図柄の変動が開始されなかった場合(図42参照)
この場合にも、エンディング処理の開始に併せてチャレンジ演出が開始され、このチャレンジ演出はエンディング処理の終了まで実行される。そして、エンディング処理が終了すると、実行中のチャレンジ演出が終了した後、普通図柄は変動していなかったものの、ハズレに対応する普図抽選特定演出が所定時間実行されるようになっている。
なお、特別遊技終了後1回目の大当たりの抽選に基づく演出(特殊変動演出及び大当たり当選特定演出、変動演出)については、上述の(4)と同様に実行される。また、普通図柄の変動が停止する前に、特別遊技終了後1回目の大当たり抽選において大当たりに当選すると判定できる場合には、上述の(1)や(2)と同様の処理を行ってもよい。
【0202】
以上のように、本形態に係るパチンコ機Pによれば、特別遊技の終了近辺において行われた普通図柄の抽選の結果を、まるで特別遊技に連続した特別なラウンド遊技の実行の可否が決定されたかのように遊技者に認識させることができる態様で報知するようになっている。したがって、普通図柄の抽選の結果が1回の特別遊技において獲得できる利益(出球数)に影響を与えるような印象を遊技者に抱かせることができ、普通図柄の抽選に対する興趣を高めることができるのである。
また、本形態に係るパチンコ機Pによれば、特別遊技終了後における1回目の大当たりの抽選の結果が大当たりとなった場合に、この旨を、まるで今まで実行されていた特別遊技に連続した特殊なラウンド遊技の実行が決定されたかのように遊技者に認識させることができる態様で報知するようになっている。すなわち、実際には新たに特別遊技が開始されたのであるものの、遊技者に対しては、前回の特別遊技に付随して大入賞口18が開放されたかのような印象を抱かせることができるため、遊技者の興趣を高めることができるのである。
【0203】
次に、上述のような各種演出を実行するための副制御基板300における制御処理について説明する。
まず、副制御基板300のメイン処理について、図43に示すフローチャートを参照して説明する。
ステップ2000において、電源投入に応じて、サブROM302からメイン処理プログラムを読み込むとともに、サブRAM303に記憶されるフラグなどの初期化、設定処理を実行する。そして、次のステップ2001に進む。
ステップ2001において、サブCPU301は、各演出乱数を更新する処理を行うとともに、以後は、割込処理が行われるまでステップ2001の処理を繰り返し実行する。なお、演出乱数は複数種類設けられており、ここでは、それぞれの演出乱数が非同期的に更新されている。
【0204】
次に、副制御基板300のタイマ割込処理について、図44に示すフローチャートを参照して説明する。
副制御基板300には、所定の周期(4ミリ秒)でクロックパルスを発生するリセット用クロックパルス発生回路(特に図示しておらず)が設けられている。そして、このリセット用クロックパルス発生回路によるクロックパルスの発生により、サブCPU301は
タイマ割込処理プログラムを読み込んで、図44に示すタイマ割込処理を開始する。
【0205】
ステップ2100において、サブCPU301は、副制御基板300で用いられる各種タイマカウンタの更新処理を実行する。そして、次のステップ2101に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、減算タイマを採用しており、副制御基板300のタイマ割込処理が実行されるたびにタイマカウンタが1ずつ減算され、0になると減算を停止するようになっている。
ステップ2101において、サブCPU301は、サブRAM303の受信バッファに格納されているコマンドを解析するとともに、受信したコマンドに応じた種々の処理を実行する。具体的には、副制御基板300においては、主制御基板100からコマンドが送信されると、コマンド受信割込処理が行われ、主制御基板100から送信されたコマンドが受信バッファに格納される。そして、サブCPU301は、コマンド受信割込処理によって受信バッファに格納されたコマンドを解析する。そして、次のステップ2102に進む。
【0206】
ステップ2102において、サブCPU301は、演出操作装置制御処理を実行する。具体的には、サブCPU301は、実行中の演出進行状況に応じて、演出操作装置9の操作(操作ダイヤル9aの回転操作、操作ボタン9bの押下操作)の受け付け可否を判定するとともに、演出操作装置9の操作を検出するセンサ(回転操作検出センサ9c、押下操作検出センサ9d)の信号の有無をチェックする。そして、当該センサからの信号が入力されたときに、演出操作装置9の操作受け付け中であった場合には、演出操作装置9が操作されたことを、画像制御基板(特に図示しておらず)や音声制御基板(特に図示しておらず)に送信すべく、送信バッファにコマンドを格納する。そして、次のステップ2103に進む。
【0207】
ステップ2103において、サブCPU301は、サブRAM303の送信バッファにセットされているコマンドを、画像制御基板(特に図示しておらず)、音声制御基板(特に図示しておらず)、電飾制御基板(特に図示しておらず)へ送信する。そして、副制御基板300のタイマ割込処理を終了する。
【0208】
次に、上述したステップ2101のコマンド解析処理のうち、エンディングコマンドを受信した場合に実行されるエンディングコマンド受信処理について、図45のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、エンディングコマンドは、主制御基板100において、特別遊技制御処理のステップ1209で記憶された後、ステップ208の出力制御処理によって副制御基板300に送信される。
【0209】
ステップ2200において、サブCPU301は、当たりに対応する普図抽選特定演出が実行された旨を示す普図当たりフラグ、及び、ハズレに対応する普図抽選特定演出が実行された旨を示す普図ハズレフラグをオフにする。そして、次のステップ2201に進む。
ステップ2201において、サブCPU301は、チャレンジ演出の実行時間として、エンディング時間と同一の9秒をチャレンジ演出実行タイマカウンタにセットする。これにより、エンディング処理が開始されてからエンディング処理が終了するまでの間(9秒間)、チャレンジ演出を実行できることとなる。そして、次のステップ2202に進む。
【0210】
ステップ2202において、サブCPU301は、チャレンジ演出を実行するためのチャレンジ演出コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされたチャレンジ演出コマンドは、上述のステップ2103において、画像制御基板(特に図示しておらず)、音声制御基板(特に図示しておらず)、電飾制御基板(特に図示しておらず)へ送信されるとともに、これらの制御基板において、受信したチャレンジ演出コマンドに基づき、チャレンジ演出の実行についての各種処理が行われることとなる。そして、次のステップ2203に進む。
ステップ2203において、サブCPU301は、エンディング処理の実行中であることを示すエンディングフラグをオンにする。そして、次のステップ2204に進む。
ステップ2204において、サブCPU301は、チャレンジ演出の実行中であることを示すチャレンジ演出フラグをオンにする。そして、エンディングコマンド受信処理を終了する。
【0211】
次に、上述したステップ2101のコマンド解析処理のうち、普図遊技開始コマンドを受信した場合に実行される普図遊技開始コマンド受信処理について、図46のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、普図遊技開始コマンドは、主制御基板100において、普通図柄変動開始処理のステップ1509で記憶された後、ステップ208の出力制御処理によって副制御基板300に送信される。
【0212】
ステップ2300において、サブCPU301は、普図当たりフラグがオンであるか否かを判定する。そして、普図当たりフラグがオンであると判定した場合、ステップ2311に進む。一方、普図当たりフラグがオンでない(すなわち、普図当たりフラグがオフである)と判定した場合、次のステップ2301に進む。
ステップ2301において、サブCPU301は、特別遊技の実行中であることを示す特別遊技中フラグがオンであるか否かを判定する。そして、特別遊技中フラグがオンでない(すなわち、特別遊技中フラグがオフである)と判定した場合、ステップ2309に進む。一方、特別遊技中フラグがオンであると判定した場合、次のステップ2302に進む。なお、特に図示していないが、特別遊技中フラグは、主制御基板100から送信されたオープニングコマンドを副制御基板300が受信することにより、オンとなる。
【0213】
ステップ2302において、サブCPU301は、エンディングフラグがオンであるか否かを判定する。そして、エンディングフラグがオンでない(すなわち、エンディングフラグがオフである)と判定した場合、ステップ2311に進む。一方、エンディングフラグがオンであると判定した場合、次のステップ2303に進む。
ステップ2303において、サブCPU301は、チャレンジ演出フラグがオンであるか否かを判定する。そして、チャレンジ演出フラグがオンでない(すなわち、チャレンジ演出フラグがオフである)と判定した場合、ステップ2306に進む。一方、チャレンジ演出フラグがオンであると判定した場合、次のステップ2304に進む。
【0214】
ステップ2304において、サブCPU301は、チャレンジ演出の延長時間を算出する。本形態に係るパチンコ機Pでは、エンディング処理の実行中かつチャレンジ演出の実行中に普通図柄の変動が開始された場合に、このステップ2304に進むようになっている。この場合には、エンディング処理の終了後に普通図柄の変動が停止するため、実行中のチャレンジ演出を、エンディング処理の終了後も普通図柄の変動が停止するまで延長させるべく、サブCPU301は、チャレンジ演出の延長時間を算出する。具体的には、サブCPU301は、エンディング時間の値(9秒)と、普通図柄の変動が開始された時点におけるチャレンジ演出実行タイマカウンタの値との差を算出する。そして、次のステップ2305に進む。
ステップ2305において、サブCPU301は、上述のステップ2304で算出されたチャレンジ演出の延長時間を、チャレンジ演出実行タイマカウンタに加算する。そして、ステップ2311に進む。なお、ここでは、算出されたチャレンジ演出の延長時間をチャレンジ演出実行タイマカウンタに加算するようにしたが、これに限定されるものではなく、再度、エンディング時間(9秒)をチャレンジ演出実行タイマカウンタにセットするようにしてもよい。
【0215】
また、上述のステップ2303でチャレンジ演出フラグがオフであると判定した場合に進むステップ2306において、サブCPU301は、チャレンジ演出の実行時間として、エンディング時間と同一の9秒をチャレンジ演出実行タイマカウンタにセットする。本形態に係るパチンコ機Pでは、エンディング処理の実行中かつチャレンジ演出の非実行中に普通図柄の変動が開始された場合に、このステップ2306に進むようになっている。この場合には、この後に開始されるチャレンジ演出を普通図柄の変動が停止するまで実行可能とすべく、サブCPU301は、上述のようにチャレンジ演出実行タイマカウンタをセットする。そして、次のステップ2307に進む。
ステップ2307において、サブCPU301は、チャレンジ演出を実行するためのチャレンジ演出コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされたチャレンジ演出コマンドは、上述のステップ2103において、画像制御基板(特に図示しておらず)、音声制御基板(特に図示しておらず)、電飾制御基板(特に図示しておらず)へ送信されるとともに、これらの制御基板において、受信したチャレンジ演出コマンドに基づき、チャレンジ演出の実行についての各種処理が行われることとなる。そして、次のステップ2308に進む。
【0216】
ステップ2308において、サブCPU301は、チャレンジ演出フラグをオンにする。そして、ステップ2311に進む。
また、上述のステップ2301で特別遊技中フラグがオフであると判定した場合に進むステップ2309において、サブCPU301は、チャレンジ演出フラグがオンであるか否かを判定する。そして、チャレンジ演出フラグがオンない(すなわち、チャレンジ演出フラグがオフである)と判定した場合、ステップ2311に進む。一方、チャレンジ演出フラグがオンであると判定した場合、次のステップ2310に進む。
【0217】
ステップ2310において、サブCPU301は、時短遊技状態における普通図柄の変動時間である1秒をチャレンジ演出実行タイマカウンタにセットする。本形態に係るパチンコ機Pでは、エンディング処理の終了後において普通図柄の変動が停止した後すぐに新たな普通図柄の変動が開始される場合、すなわち、上述の停止時点で当たり決定乱数が普図保留記憶領域に記憶されていた場合に、このステップ2310に進むようになっている。この場合には、実行中のチャレンジ演出を新たに開始される普通図柄の変動が停止するまで実行可能とすべく、サブCPU301は、上述のようにチャレンジ演出実行タイマカウンタをセットする。そして、次のステップ2311に進む。
ステップ2311において、サブCPU301は、普通図柄の変動中であることを示す普図遊技中フラグをオンにする。そして、普図遊技開始コマンド受信処理を終了する。
【0218】
次に、上述したステップ2101のコマンド解析処理のうち、普図遊技終了コマンドを受信した場合に実行される普図遊技終了コマンド受信処理について、図47のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、普図遊技終了コマンドは、主制御基板100において、普通図柄停止後処理のステップ1704で記憶された後、ステップ208の出力制御処理によって副制御基板300に送信される。
【0219】
ステップ2400において、サブCPU301は、チャレンジ演出フラグがオンであるか否かを判定する。そして、チャレンジ演出フラグがオンでない(すなわち、チャレンジ演出フラグがオフである)と判定した場合、ステップ2408に進む。一方、チャレンジ演出フラグがオンであると判定した場合、次のステップ2401に進む。
ステップ2401において、サブCPU301は、普図保留数が1以上であるか否かを判定する。なお、普図保留数の情報は、主制御基板100から受信した普図遊技終了コマンドに含まれているため、これに基づいて上述の判定を行うことができるようになっている。そして、普図保留数が1以上であると判定した場合、ステップ2408に進む。一方、普図保留数が1以上でない(すなわち、0である)と判定した場合、次のステップ2402に進む。
【0220】
ステップ2402において、サブCPU301は、普通図柄の抽選の結果が当たりであるか否かを判定する。なお、普通図柄の抽選の結果は、主制御基板100から受信した普図遊技終了コマンドに含まれているため、これに基づいて上述の判定を行うことができるようになっている。そして、普通図柄の抽選の結果が当たりでない(すなわち、ハズレである)と判定した場合、ステップ2405に進む。一方、普通図柄の抽選の結果が当たりであると判定した場合、次のステップ2403に進む。
ステップ2403において、サブCPU301は、当たりに対応する普図抽選特定演出を実行するための当たり普図抽選特定演出コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた当たり普図抽選特定演出コマンドは、上述のステップ2103において、画像制御基板(特に図示しておらず)、音声制御基板(特に図示しておらず)、電飾制御基板(特に図示しておらず)へ送信されるとともに、これらの制御基板において、受信した当たり普図抽選特定演出コマンドに基づき、当たりに対応する普図抽選特定演出の実行についての各種処理が行われることとなる。そして、ステップ2404に進む。
【0221】
ステップ2404において、サブCPU301は、普図当たりフラグをオンにする。そして、ステップ2407に進む。
また、上述のステップ2402で普通図柄の抽選の結果がハズレであると判定した場合に進むステップ2405において、サブCPU301は、ハズレに対応する普図抽選特定演出を実行するためのハズレ普図抽選特定演出コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされたハズレ普図抽選特定演出コマンドは、上述のステップ2103において、画像制御基板(特に図示しておらず)、音声制御基板(特に図示しておらず)、電飾制御基板(特に図示しておらず)へ送信されるとともに、これらの制御基板において、受信したハズレ普図抽選特定演出コマンドに基づき、ハズレに対応する普図抽選特定演出の実行についての各種処理が行われることとなる。そして、ステップ2406に進む。
【0222】
ステップ2406において、サブCPU301は、普図ハズレフラグをオンにする。そして、次のステップ2407に進む。
ステップ2407において、サブCPU301は、チャレンジ演出フラグをオフにする。そして、次のステップ2408に進む。
ステップ2408において、サブCPU301は、普図遊技中フラグをオフにする。そして、普図遊技終了コマンド受信処理を終了する。
【0223】
次に、上述したステップ2101のコマンド解析処理のうち、特別遊技終了コマンドを受信した場合に実行される特別遊技終了コマンド受信処理について、図48のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、特別遊技終了コマンドは、主制御基板100において、特別遊技制御処理のステップ1211で記憶された後、ステップ208の出力制御処理によって副制御基板300に送信される。
【0224】
ステップ2500において、サブCPU301は、チャレンジ演出フラグがオンであるか否かを判定する。そして、チャレンジ演出フラグがオンでない(すなわち、オフである)と判定した場合、ステップ2504に進む。一方、チャレンジ演出フラグがオンであると判定した場合、次のステップ2501に進む。
ステップ2501において、サブCPU301は、普図遊技中フラグがオンであるか否かを判定する。そして、普図遊技中フラグがオンであると判定した場合、ステップ2504に進む。一方、普図遊技中フラグがオンでない(すなわち、オフである)と判定した場合、次のステップ2502に進む。
【0225】
ステップ2502において、サブCPU301は、ハズレ普図抽選特定演出コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされたハズレ普図抽選特定演出コマンドは、上述のステップ2103において、画像制御基板(特に図示しておらず)、音声制御基板(特に図示しておらず)、電飾制御基板(特に図示しておらず)へ送信されるとともに、これらの制御基板において、受信したハズレ普図抽選特定演出コマンドに基づき、ハズレに対応する普図抽選特定演出の実行についての各種処理が行われることとなる。そして、ステップ2503に進む。
ステップ2503において、サブCPU301は、チャレンジ演出フラグをオフにする。そして、次のステップ2504に進む。
【0226】
ステップ2504において、サブCPU301は、特別遊技中フラグをオフにする。そして、特別遊技終了コマンド受信処理を終了する。
【0227】
次に、上述したステップ2101のコマンド解析処理のうち、第1変動パターンコマンドを受信した場合に実行される第1変動パターンコマンド受信処理について、図49のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、第1変動パターンコマンドは、主制御基板100において、変動パターン決定処理のステップ903で記憶された後、ステップ208の出力制御処理によって副制御基板300に送信される。
【0228】
ステップ2600において、サブCPU301は、受信した第1変動パターンコマンドが「50H」であるか否か、すなわち、特別遊技終了後1回目の大当たりの抽選の結果が大当たりであるか否かを判定する。そして、「50H」であると判定した場合、ステップ2605に進む。一方、「50H」でないと判定した場合、次のステップ2601に進む。
ステップ2601において、サブCPU301は、上述のステップ2001で更新された所定の演出乱数(前半態様決定乱数)を取得する。そして、次のステップ2602に進む。
【0229】
ステップ2602において、サブCPU301は、現時点における遊技状態等に応じた演出決定テーブルを選択する。そして、次のステップ2603に進む。
ステップ2603において、サブCPU301は、上述のステップ2602で選択した演出決定テーブル、上述の第1変動パターンコマンド、及び、上述のステップ2601で取得した演出乱数に基づいて、変動演出の前半部分の態様を決定する。そして、次のステップ2604に進む。
【0230】
ステップ2604において、サブCPU301は、上述のステップ2603で決定した変動演出の前半部分の態様に対応する前半変動演出実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた前半変動演出実行コマンドは、上述のステップ2103において、画像制御基板(特に図示しておらず)、音声制御基板(特に図示しておらず)、電飾制御基板(特に図示しておらず)へ送信されるとともに、これらの制御基板において、受信した前半変動演出実行コマンドに対応する演出(変動演出の前半部分)が実行されることとなる。そして、第1変動パターンコマンド受信処理を終了する。
また、上述のステップ2600で受信した第1変動パターンコマンドが「50H」であると判定した場合に進むステップ2605において、サブCPU301は、大当たり当選特定演出実行処理を実行する。そして、第1変動パターンコマンド受信処理を終了する。
【0231】
次に、上述したステップ2605の大当たり当選特定演出実行処理について、図50のフローチャートを参照して説明する。
ステップ2700において、サブCPU301は、特別遊技終了時の第1特図保留数カウンタ及び第2特図保留数カウンタの合計値(保留記憶の数)が1以上であったか否かを判定する。なお、第1特図保留数カウンタ及び第2特図保留数カウンタの合計値(保留記憶の数)の情報は、主制御基板100から受信した特別遊技終了コマンドに含まれているため、これに基づいて上述の判定を行うことができるようになっている。そして、1以上であったと判定した場合、ステップ2704に進む。一方、1以上でなかった(すなわち、0であった)と判定した場合、次のステップ2701に進む。
ステップ2701において、サブCPU301は、チャレンジ演出フラグ、普図当たりフラグ又は普図ハズレフラグのいずれかがオンであるか否かを判定する。そして、いずれかがオンであると判定した場合、ステップ2704に進む。一方、いずれもオンでない(すなわち、オフである)と判定した場合、次のステップ2702に進む。
【0232】
ステップ2702において、サブCPU301は、変動演出の前半部分及び後半部分に関して所定の態様を決定する。本形態に係るパチンコ機Pでは、特別遊技終了後におけるチャレンジ演出又は普図抽選特定演出の実行終了後に、特別遊技終了後1回目の大当たりの抽選が行われた場合に、このステップ2702に進むようになっている。この場合には、第1変動パターンコマンド「50H」及び第2変動パターンコマンド「50H」に基づく変動時間(2秒)に対応して、変動演出の前半部分及び後半部分について所定の態様が決定されることとなる。そして、次のステップ2703に進む。
ステップ2703において、サブCPU301は、上述のステップ2702で決定した変動演出の前半部分の態様に対応する前半変動演出実行コマンド、及び、変動演出の後半部分の態様に対応する後半変動演出実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた前半変動演出実行コマンド及び後半変動演出実行コマンドは、上述のステップ2103において、画像制御基板(特に図示しておらず)、音声制御基板(特に図示しておらず)、電飾制御基板(特に図示しておらず)へ送信されるとともに、これらの制御基板において、受信した前半変動演出実行コマンド及び後半変動演出実行コマンドに対応する変動演出が実行されることとなる。そして、大当たり当選特定演出実行処理を終了する。
【0233】
また、上述のステップ2700で特別遊技終了時の第1特図保留数カウンタ及び第2特図保留数カウンタの合計値が1以上であったと判定した場合、又は、上述のステップ2701でチャレンジ演出フラグ、普図当たりフラグ又は普図ハズレフラグのいずれかがオンであると判定した場合に進むステップ2704において、サブCPU301は、特殊変動演出を実行するための特殊変動演出実行コマンド、及び、大当たり当選特定演出を実行するための大当たり当選特定演出実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた特殊変動演出実行コマンド及び大当たり当選特定演出実行コマンドは、上述のステップ2103において、画像制御基板(特に図示しておらず)、音声制御基板(特に図示しておらず)、電飾制御基板(特に図示しておらず)へ送信されるとともに、これらの制御基板において、受信した特殊変動演出実行コマンド及び大当たり当選特定演出実行コマンドに基づき、特殊変動演出及び大当たり当選特定演出の実行についての各種処理が行われることとなる。そして、大当たり当選特定演出実行処理が終了する。
【0234】
次に、上述したステップ2101のコマンド解析処理のうち、第2変動パターンコマンドを受信した場合に実行される第1変動パターンコマンド受信処理について、図51のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、第2変動パターンコマンドは、主制御基板100において、変動パターン決定処理のステップ906で記憶された後、ステップ208の出力制御処理によって副制御基板300に送信される。
【0235】
ステップ2800において、サブCPU301は、受信した第2変動パターンコマンドが「50H」であるか否か、すなわち、特別遊技終了後1回目の大当たりの抽選の結果が大当たりであるか否かを判定する。そして、「50H」であると判定した場合、第2変動パターンコマンド受信処理を終了する。一方、「50H」でないと判定した場合、次のステップ2801に進む。
ステップ2801において、サブCPU301は、上述のステップ2001で更新された所定の演出乱数(後半態様決定乱数)を取得する。そして、次のステップ2802に進む。
【0236】
ステップ2802において、サブCPU301は、現時点における遊技状態等に応じた演出決定テーブルを選択する。そして、次のステップ2803に進む。
ステップ2803において、サブCPU301は、上述のステップ2802で選択した演出決定テーブル、上述の第2変動パターンコマンド、及び、上述のステップ2801で取得した演出乱数に基づいて、変動演出の後半部分の態様を決定する。そして、次のステップ2804に進む。
【0237】
ステップ2804において、サブCPU301は、上述のステップ2803で決定した変動演出の後半部分の態様に対応する後半変動演出実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた後半変動演出実行コマンドは、上述のステップ2103において、画像制御基板(特に図示しておらず)、音声制御基板(特に図示しておらず)、電飾制御基板(特に図示しておらず)へ送信されるとともに、これらの制御基板において、受信した後半変動演出実行コマンドに対応する演出(変動演出の後半部分)が実行されることとなる。そして、第2変動パターンコマンド受信処理を終了する。
【0238】
最後に、上述の実施の形態の変形例について説明する。
上述の実施の形態では、エンディング処理の終了後に普通図柄の変動が停止し、この時点で当たり決定乱数が普図保留記憶領域に記憶されていた場合には、チャレンジ演出を延長するようになっていたが、このチャレンジ演出の延長は1回のみ行ってもよいし、当たり決定乱数の記憶数(保留数)が0となるまで行ってもよい。
当たり決定乱数の記憶数が0となるまでチャレンジ演出の延長を行うことにより、当たりに対応する普図抽選特定演出が実行される可能性が高くなるため、普通図柄の抽選に対する興趣をさらに高めることができるのである。
【0239】
また、上述の実施の形態では、当たりに対応する普図抽選特定演出が実行された後は、普図抽選特定演出は行われないようになっていたが、これに限定されるものではなく、上述の演出が実行された後、普通図柄の抽選の結果が当たりとなった場合には、再度、当たりに対応する普図抽選特定演出を実行してもよい。
これにより、特別遊技に連続して、エクストララウンドが何回も実行されているような印象を遊技者に与えることができるため、普通図柄の抽選に対する興趣をさらに高めることができるのである。
【0240】
また、上述の実施の形態では、特別遊技終了後には時短遊技状態(高確率時短遊技状態又は低確率時短遊技状態)が設定されるようになっていたが、これに限定されるものではなく、非時短遊技状態(高確率非時短遊技状態又は通常状態)が設定されるようにしてもよい。
また、変動演出の態様については、第1変動パターンコマンドに基づいて変動演出の前半部分の態様を決定し、第2変動パターンコマンドに基づいて変動演出の後半部分の態様を決定するのではなく、第2変動パターンコマンドに基づいて変動演出の前半部分の態様を決定し、第1変動パターンコマンドに基づいて変動演出の後半部分の態様を決定するようにしてもよい。また、変動演出は、前半部分と後半部分とに分けるのではなく、より多くの部分に分けて、第1変動パターンコマンドや第2変動パターンコマンドに基づいて、それぞれの部分の態様を決定するようにしてもよい。また、変動演出の態様は、第1変動パターンコマンド及び第2変動パターンコマンドのみならず、他のコマンドに基づいて決定してもよい。また、第1変動パターンコマンド又は第2変動パターンコマンドのいずれかのみに基づいて決定してもよい。
また、上述の変形例は、可能な範囲で互いに組み合わせて構成することもできる。
【0241】
なお、上述の実施の形態におけるステップ1504の処理を実行するメインCPU101は、本発明の可動決定手段に相当する。また、上述の実施の形態におけるステップ1508、ステップ1510、ステップ1601〜ステップ1602の処理を実行するメインCPU101は、本発明の普通図柄変動手段に相当する。また、上述の実施の形態におけるステップ1801〜ステップ1805の処理を実行するメインCPU101、及び、始動入賞口ソレノイド16cは、本発明の可動制御手段に相当する。また、上述の実施の形態におけるステップ805の処理を実行するメインCPU101は、本発明の特別遊技実行決定手段に相当する。また、上述の実施の形態におけるステップ1201〜ステップ1208の処理を実行するメインCPU101は、本発明の特別遊技実行手段に相当する。また、上述の実施の形態におけるステップ2403、ステップ2405の処理を実行するサブCPU301、画像制御基板、演出表示装置21は、本発明の特定演出実行手段に相当する。また、上述の実施の形態におけるステップ2704の処理を実行するサブCPU301、画像制御基板、演出表示装置21は、本発明の特別演出実行手段に相当する。
【符号の説明】
【0242】
P パチンコ機
21 演出表示装置
100 主制御基板
101 メインCPU
102 メインROM
103 メインRAM
300 副制御基板
301 サブCPU
302 サブROM
303 サブRAM
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43
図44
図45
図46
図47
図48
図49
図50
図51