特許第6348780号(P6348780)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6348780試着が好ましくない衣類用のパッケージおよびそのパッケージを用いた展示販売方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6348780
(24)【登録日】2018年6月8日
(45)【発行日】2018年6月27日
(54)【発明の名称】試着が好ましくない衣類用のパッケージおよびそのパッケージを用いた展示販売方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/18 20060101AFI20180618BHJP
   A47F 7/00 20060101ALI20180618BHJP
   B65D 73/00 20060101ALI20180618BHJP
   A47F 7/19 20060101ALI20180618BHJP
【FI】
   B65D85/18 D
   A47F7/00 C
   B65D73/00 A
   A47F7/19 B
【請求項の数】13
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2014-126398(P2014-126398)
(22)【出願日】2014年6月19日
(65)【公開番号】特開2016-3058(P2016-3058A)
(43)【公開日】2016年1月12日
【審査請求日】2017年1月30日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 展示日:平成26年3月5日 展示会名:グンゼ総合展示会2014 Autumn & Winter Collection(平成26年グンゼ秋冬総合展示会) 開催場所:サンライズビル大阪3Fサンライズホール(大阪府大阪市中央区備後町2−6−8)
(73)【特許権者】
【識別番号】000001339
【氏名又は名称】グンゼ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100061745
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 敏雄
(74)【代理人】
【識別番号】100120341
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 幹雄
(72)【発明者】
【氏名】竹島 丈博
(72)【発明者】
【氏名】喜田 由香
【審査官】 谷川 啓亮
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3038132(JP,U)
【文献】 実開平07−018663(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3163924(JP,U)
【文献】 意匠登録第1499817(JP,S)
【文献】 特開2005−137693(JP,A)
【文献】 意匠登録第1298294(JP,S)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 85/00 − 85/28
B65D 85/575
B65D 67/00 − 79/02
B65D 81/18 − 81/30
B65D 81/38
A47F 5/00 − 8/02
A47G 25/00 − 25/92
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
試着が好ましくない衣類を展示販売するためのパッケージであって、
展示販売するときの前記衣類の平面状態の面積よりも大きな面積を有する第1の面および前記第1の面の反対側である第2の面を備えた平面状部材と、
前記第1の面とは異なる部分に設けられ、前記衣類を露出させて前記衣類の少なくとも一部を保持するための保持手段とを含み、
展示販売するときに、前記パッケージが外装袋に収納されず、前記保持手段に保持された前記衣類を触覚により直接識別でき、
展示販売するときに、購入検討者または購入希望者の視覚に触れる前記パッケージは、前記第1の面が視覚に触れるパッケージと前記第2の面が視覚に触れるパッケージとが組み合わせられる、試着が好ましくない衣類用のパッケージ。
【請求項2】
視覚を通じて購入検討者または購入希望者に購入を訴求する情報が、前記第1の面に表示されていることを特徴とする請求項1に記載の衣類用のパッケージ。
【請求項3】
展示販売する状態においては、前記第2の面側に前記衣類が前記保持手段により保持されるとともに、前記保持された衣類により隠れる領域が前記第2の面に存在し、
前記保持手段は、保持されていない部分の衣類の形状が変化することにより、前記領域が視覚により識別できるように、前記衣類の少なくとも一部を保持することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の衣類用のパッケージ。
【請求項4】
前記保持手段は、前記第2の面側に設けられたことを特徴とする、請求項3に記載のパッケージ。
【請求項5】
前記保持手段は、平面状切片であって、前記衣類を折り返した部分を前記平面状切片に係止することにより、前記衣類の一部を保持することを特徴とする、請求項4に記載のパッケージ。
【請求項6】
前記保持手段は、穴部を有する平面状切片であって、前記穴部へ前記衣類を通して係止することにより、前記衣類の一部を保持することを特徴とする、請求項4に記載のパッケ
ージ。
【請求項7】
前記保持手段は、前記衣類を前記第1の面側に押圧して係止することにより、前記衣類の一部を保持することを特徴とする、請求項4〜請求項6のいずれかに記載のパッケージ。
【請求項8】
前記第1の面側から前記衣類の一部を視覚により識別できる開口部を、前記平面状部材に備えることを特微とする、請求項1〜請求項7のいずれかに記載のパッケージ。
【請求項9】
前記パッケージは、所定の形状を備え、予め定められた位置に切り欠きを有する平面材を折り曲げて形成されることを特徴とする、請求項1〜請求項8のいずれかに記載のパッケージ。
【請求項10】
前記展示販売する状態において、前記第1の面の面積に対する前記保持手段の面積が5%〜40%であることを特徴とする、請求項1〜請求項9のいずれかに記載のパッケージ。
【請求項11】
枠体から構成される自立した展示販売台の水平方向および垂直方向にそれぞれ所定数が片持ち支持された商品吊り下げ棒に、請求項1〜請求項10のいずれかに記載のパッケージを、1の商品吊り下げ棒において前記パッケージの第1の面が同じ向きになるように2以上吊り下げる、展示販売方法。
【請求項12】
前記商品吊り下げ棒に吊り下げられた前記パッケージの第1の面の全面または第2の面の全面が、前記商品吊り下げ棒の開放端側から見えるように吊り下げる、請求項11に記載の展示販売方法。
【請求項13】
前記展示販売台は複数の商品吊り下げ棒を備え、
複数の商品吊り下げ棒は、第1群と第2群とに分けられ、各群には0以上の商品吊り下げ棒を含み、
前記第1群の商品吊り下げ棒には前記パッケージの第1の面が前記商品吊り下げ棒の開放端側に向くように、かつ、前記第2群の商品吊り下げ棒には前記パッケージの第2の面が前記商品吊り下げ棒の開放端側に向くように、商品吊り下げ棒にパッケージを吊り下げる、請求項11または請求項12に記載の展示販売方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣類の展示販売(陳列販売と同義)に用いられる衣類用のパッケージに関し、特に、肌着に代表されるショーツ、アンダーシャツ、タイツ、パンティストッキング等の試着が好ましくない衣類の展示販売に好適に用いられるパッケージに関する。また、本発明はこのようなパッケージを用いた衣類の展示販売方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、衣類は、需要促進、販売促進、購入意欲喚起等のため、新素材の利用、着用性、体形補正等の各種の機能性向上や種々の改良が行われ、それらの改良がなされた衣類を展示販売するために、衣類に適したパッケージが種々工夫されている。
たとえば、ショーツ(下半身肌着であるパンツを含む)に適した販売用のパッケージとしては、商品の肌触り等を直接確認できるようにハンガーエプロン等で商品の少なくとも一部を顧客が手にとれるように吊り下げられるものが多い。このようなパッケージを、実用新案登録第3038132号公報(特許文献1)、特許第4871198号公報(特許文献2)、特許第4871199号公報(特許文献3)、実用新案登録第3132597号公報(特許文献4)が開示する。なお、このようなパッケージが適用されるショーツは、衛生上、試着することが好ましくない衣類である。
【0003】
ところで、上記した特許文献1〜4に開示されたショーツ用のパッケージでは、顧客が手にとれるように商品が吊り下げられているので、ハンガーフックに複数のパッケージを吊り下げた陳列状態においては、商品であるショーツが互いに擦れ合ってショーツの生地表面に毛玉が発生する(ピリング)という問題がある。
このような陳列により商品が劣化するという課題を解決するための方策のひとつとして、全体が包装袋または外装フィルムにより覆われたパッケージを採用することが考えられる。このようなパッケージを、特開2008−142466号公報(特許文献5)、特開2013−180796号公報(特許文献6)が開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3038132号公報
【特許文献2】特許第4871198号公報
【特許文献3】特許第4871199号公報
【特許文献4】実用新案登録第3132597号公報
【特許文献5】特開2008−142466号公報
【特許文献6】特開2013−180796号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献5〜6に開示されたような、包装袋または外装フィルムにより覆われたパッケージでは、生地表面に毛玉が発生するという問題が解決できるとしても、包装袋または外装フィルムがあるので商品の肌触り等を直接確認することができない。このような場合に、顧客が商品の全体形状または肌触り等を直接確認するために、特許文献5〜6に開示されたパッケージにおいて包装袋または外装フィルムが取り外されて商品が取り出されてしまうと(試着されたと判断されることもあり得るので)、商品価値が大きく損なわれる可能性がある。
【0006】
ここで、特許文献5の第0030段落に記載されているように、このような包装袋または外装フィルムによりパッケージを覆うことを任意的構成とした態様も考えられる。特許文献5〜6において、紙製または樹脂性のシートを折り曲げて立体的に構成されたパッケージを、包装袋または外装フィルムにより覆わない態様として、複数のパッケージを吊り下げた陳列状態とした場合には、商品自体が互いに擦れ合う面積が、小さくなったり有しなくなったりするので、生地表面に毛玉が発生するという問題を解決することができる可
能性がある。
【0007】
しかしながら、このような態様であると、立体的に構成されたパッケージに商品全体が内包されているために、パッケージの一部分に伸縮性視認用の観察用開口部または色確認用の切欠部を備えるとしても、視覚により商品の一部分のみが確認できるにすぎない。このため、このような態様であると、商品全体の形状を直接確認したり、商品の肌触り等を直接確認したりすることができない。この場合においても、顧客が商品の全体形状または肌触り等を直接確認するために、立体的に構成されたパッケージから商品が取り出されてしまうと、商品価値が大きく損なわれる可能性がある。
【0008】
なお、上述した特許文献5〜6に開示されたパッケージを覆う包装袋または外装フィルムを、特許文献1〜4に開示されたパッケージに適用する態様も考えられる。この場合においても、商品の肌触り等を直接確認することができなくなることは容易に理解でき、顧客が商品の全体形状または肌触り等を直接確認するために包装袋または外装フィルムから商品を取り出してしまうと商品価値が大きく損なわれる可能性があることも容易に理解できる。
【0009】
また、特許文献1〜6に開示されたパッケージは、基本的にはパッケージを吊り下げて陳列販売するものであるので、複数のパッケージを積み重ねて平置きしたり立て掛けたりして陳列販売することを想定した機能性もデザインも備えていない。
さらに、特許文献1〜4に開示されたパッケージは、商品についての、(1)名称(商品名)、(2)ファッション性および/またはデザイン上の特徴、(3)機能、効能および/またはキャッチフレーズ等を、パッケージに表示して、購入検討者または購入希望者(以下ユーザと記載する場合がある)の視覚を通じてユーザの購入意欲を訴求(アピール)するための広告宣伝的機能を設けるための充分な表示領域がない。
【0010】
また、特許文献1〜6に開示されたパッケージは、展示販売時には、常にその表裏方向を一方向を向けて吊り下げられており、表面および裏面の両方をユーザに向けて展示販売するものではなく、訴求力が強いものではなかった。
本発明は、従来技術の上述の問題点に鑑みて開発されたものであり、その目的とするところは、試着が好ましくない衣類に好適に用いられ、吊り下げても平置きしても立て掛けても商品価値を損なうことがなく、商品の肌触りおよび形状等を直接確認することができる、衣類用のパッケージおよびそのパッケージを用いた展示販売方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明に係る、試着が好ましくない衣類用のパッケージは以下の技術的手段を講じている。
すなわち、本発明に係るパッケージは、展示販売するときの前記衣類の平面状態の面積よりも大きな面積を有する第1の面および前記第1の面の反対側である第2の面を備えた平面状部材と、前記第1の面とは異なる部分に設けられ、前記衣類を露出させて前記衣類の少なくとも一部を保持するための保持手段とを含む。
【0012】
好ましくは、視覚を通じて購入検討者または購入希望者に購入を訴求する情報が、前記第1の面に表示されているように構成することができる。
さらに好ましくは、展示販売する状態においては、前記第2の面側に前記衣類が前記保持手段により保持されるとともに、前記保持された衣類により隠れる領域が前記第2の面に存在し、前記保持手段は、保持されていない部分の衣類の形状が変化することにより、前記領域が視覚により識別できるように、前記衣類の少なくとも一部を保持するように構成することができる。
【0013】
さらに好ましくは、前記保持手段は、前記第2の面側に設けるように構成することができる。
さらに好ましくは、前記保持手段は、平面状切片であって、前記衣類を折り返した部分を前記平面状切片に係止することにより、前記衣類の一部を保持するように構成することができる。
【0014】
さらに好ましくは、前記保持手段は、穴部を有する平面状切片であって、前記穴部へ前
記衣類を通して係止することにより、前記衣類の一部を保持するように構成することができる。
さらに好ましくは、前記保持手段は、前記衣類を前記第1の面側に押圧して係止することにより、前記衣類の一部を保持するように構成することができる。
【0015】
さらに好ましくは、前記第1の面側から前記衣類の一部を視覚により識別できる開口部を、前記平面状部材に備えるように構成することができる。
さらに好ましくは、前記パッケージは、所定の形状を備え、予め定められた位置に切り欠きを有する平面材を折り曲げて形成されるように構成することができる。
さらに好ましくは、前記展示販売する状態において、前記第1の面の面積に対する前記保持手段の面積が5%〜40%であるように構成することができる。
【0016】
本発明の別の態様に係る展示販売方法は、上述したパッケージを用いた展示販売方法であって、枠体から構成される自立した展示販売台の水平方向および垂直方向にそれぞれ所定数が片持ち支持された商品吊り下げ棒に、上述したパッケージを、1の商品吊り下げ棒において前記パッケージの第1の面が同じ向きになるように2以上吊り下げる。
好ましくは、前記商品吊り下げ棒に吊り下げられた前記パッケージの第1の面の全面または第2の面の全面が、前記商品吊り下げ棒の開放端側から見えるように吊り下げるように構成することができる。
【0017】
さらに好ましくは、前記展示販売台は複数の商品吊り下げ棒を備え、複数の商品吊り下げ棒は、第1群と第2群とに分けられ、各群には0以上の商品吊り下げ棒を含み、前記第1群の商品吊り下げ棒には前記パッケージの第1の面が前記商品吊り下げ棒の開放端側に向くように、かつ、前記第2群の商品吊り下げ棒には前記パッケージの第2の面が前記商品吊り下げ棒の開放端側に向くように、商品吊り下げ棒にパッケージを吊り下げるように構成することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明のパッケージによれば、吊り下げても平置きしても立て掛けても商品価値を損なうことがなく、商品の肌触りおよび形状等を直接確認することができる、試着が好ましくない衣類用のパッケージおよびそのパッケージを用いた展示販売方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施の形態に係る試着が好ましくない衣類用のパッケージの吊り下げ状態を示す斜視図である。
図2図1における裏面側を示す斜視図である。
図3図2においてショーツを持ち上げた状態を示す斜視図である。
図4図1のパッケージの展開状態の表面図である。
図5図1のパッケージの展開状態の裏面図である。
図6図5のパッケージにショーツを包装する手順を示す図(その1)である。
図7図5のパッケージにショーツを包装する手順を示す図(その2)である。
図8図5のパッケージにショーツを包装する手順を示す図(その3)である。
図9図5のパッケージにショーツを包装する手順を示す図(その4)である。
図10図5のパッケージにショーツを包装する手順を示す図(その5)である。
図11図5のパッケージにショーツを包装する手順を示す図(その6)である。
図12】本発明の実施の形態の第1の変形例に係る、試着が好ましくない衣類用のパッケージの展開状態の裏面図である。
図13】本発明の実施の形態の第2の変形例に係る、試着が好ましくない衣類用のパッケージの展開状態の裏面図である。
図14】本発明の実施の形態に係る展示販売方法を示す図(その1)である。
図15】本発明の実施の形態に係る展示販売方法を示す図(その2)である。
図16】本発明の実施の形態に係る展示販売方法を示す図(その3)である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態に係る試着が好ましくない衣類用のパッケージ(以下におい
て単にパッケージと記載する場合がある)100を、図面に基づき詳しく説明する。なお、試着が好ましくない衣類用のパッケージ100に包装されて展示販売される衣類は、婦人用の下半身肌着であるショーツSであるとして説明する。このパッケージ100に包装されて展示販売される衣類としては、このような婦人用のショーツSに限定されるものではなく、肌着に代表されるショーツ、アンダーシャツ、タイツ、パンティストッキング等の試着が好ましくない衣類である。また、以下においては、このショーツSを展示販売するためにパッケージ100を吊り下げた場合における上下左右方向または展開状態を示す紙面における上下左右方向を基準として説明する。なお、このパッケージ100は吊り下げて展示販売されることに限定されるものではなく、平置きされた状態または立て掛けられた状態で展示販売されても構わない。
【0021】
[パッケージ構造]
図1図3に、試着が好ましくない衣類用のパッケージ100にショーツSが装着されている吊り下げ状態の斜視図を示す。図1は表面(第1の面)から見た斜視図であって、図2は裏面(第2の面)から見た斜視図であって、図3図2においてショーツSを持ち上げた状態の斜視図である。さらに、パッケージ100の展開状態の表面(第1の面)の平面図を図4に、パッケージ100の展開状態の裏面(第2の面)の平面図を図5にそれぞれ示す。
【0022】
これらの斜視図および平面図に示すように、このパッケージ100は、展示販売するときのショーツSの平面状態の面積よりも大きな面積を有する第1の面である表面110および表面100の反対側である第2の面である裏面120を備えた平面状部材と、表面110とは異なる部分に設けられ、ショーツSを露出させてショーツSの少なくとも一部を保持するための保持機構130とを含んで構成されている。ここで、展示販売するときのショーツSの平面状態の面積とは、後述するようにショーツSが折り畳まれた状態における面積を意味しており、折り畳まれない場合にはショーツSを平面に載置した場合の面積となる。
【0023】
そして、パッケージ100に収納されたショーツSが展示販売する状態においては、裏面120側にショーツSが保持機構130により保持されるとともに、保持されたショーツSにより隠れる領域122が裏面120に存在する。この保持機構130は、保持されていない部分のショーツSの形状が変化することにより、この領域122が視覚により識別できるように、ショーツSの少なくとも一部を保持することを特徴とする。
【0024】
このようにパッケージ100は、大略的には、表面110およびその裏面120からなる正方形状の平面状部材(詳しくは後述するようにこの平面状部材は硬質の紙製または樹脂性のシート)により構成される。そして、たとえば、第1の面である表面110には着用状態を示す写真114(またはイラスト)が描かれ(さらに後述するように表面110側からショーツSの一部を視覚により識別できる開口部112をこの写真114に対応させて設けている)、第2の面である裏面120には保持機構130が設けられている。なお、表面と裏面とが逆であっても構わない。また、開口部112は、写真114に対応させて設けることに限定されるものではなく、開口部112は、表面110のいずれかの位置に表面110側からショーツSの一部を視覚により識別できるように設けられていれば構わない。
【0025】
この裏面120には、保持機構130により保持されたショーツSにより隠れる領域122が存在し、保持されていない部分のショーツSの形状が変化することにより、隠れていた領域122が視覚により識別できるように構成されている。この領域122ならびに第1の面110に設けられた領域116および第2の面120に設けられた領域124A、124B、126には、商品の効果等を含む商品説明が記載されることが好ましい。商品説明の一例としては、展示商品する商品であるショーツSについての、商品名、素材、サイズ、色、特徴、機能、取扱注意事項、製造販売元および価格情報等がある。さらに、このパッケージ100においては、ショーツSを小さく折り畳んで包装していないので、展示販売するときのショーツSの平面状態の面積が比較的大きいために大きな表示領域を備えることができるので、多くの商品情報を表示できる点で好ましい。
【0026】
特に、領域122は、購入検討者または購入希望者が、ショーツSを持ち上げることによりショーツSの形状が変化して、隠れていた情報が視覚により識別できるように構成されているので、このショーツSに興味を持って手に取ったユーザが購入を決心するように、ユーザに対して大きく訴求できる情報(たとえば、ユーザはこのショーツSを手に取って触感を識別しているので肌触りについての情報、ユーザはこのショーツSを手に取って購入を迷っているとも言えるので購入を決定づけるこのショーツSの最大の特徴についての情報等)を記載することが好ましい。
【0027】
ここで、本実施の形態に係るパッケージ100においては、保持機構130が裏面120側に設けられているが本発明はこれに限定されるものではなく、一般的なハンガーと、表面110および裏面120を備えた平面状部材とを組み合わせたような態様であっても(すなわち、保持機構であるハンガーが必ずしも裏面側に設けられるものではなく平面状部材の上面側に設けられる)構わない。
【0028】
さらに、保持機構130は、平面状切片であって、ショーツSを折り返した部分を平面状切片に係止することにより、ショーツSの一部を保持するように構成されているが、本発明はこれに限定されるものではない。たとえば、保持機構として、穴部を有する平面状切片として、この穴部へショーツSを通して係止することにより、ショーツSの一部を保持するようにしても構わない。
【0029】
また、この保持機構130は、押圧切片132を備え、後述するように押圧切片132によりショーツSが表面110側に押圧して係止される。
また、このパッケージ100においては、表面110側からショーツSの一部を視覚により識別できる開口部112を、平面状部材に備える。この開口部112を通してショーツSの一部が見えることにより表面110側からショーツSの色彩、柄または編み組織等を識別することができる。
【0030】
この開口部113の面積は、表面110の面積に対して、好ましくは10%未満、より好ましくは5%未満であれば、後述する展示販売の形態において、ショーツSどうしが互いに擦れ合ってショーツの生地表面に毛玉が発生するおそれが少ない点で好ましい。さらに好ましくは、開口部113の位置が保持機構130に対応する位置に設けられていることが、ショーツSどうしがたがいに擦れ合ってショーツの生地表面に毛玉が発生するおそれがない点で好ましい。
【0031】
そして、図4および図5に示すように、このパッケージ100は、所定の形状を備え、予め定められた位置に切り欠きを有する平面材である硬質の紙製または樹脂性のシートを折り曲げ、その過程でショーツSを折り畳むとともに係止切片136(136A、136B)にショーツSを係止して引っ掛けて、保持切片134の切込部134C、134Dに封止切片138(138A、138B)の嵌合部138C、138Dを嵌合させることにより、パッケージ100が図1図3に示す形状に形成される。
【0032】
なお、展示販売する状態において、表面110の面積に対する保持機構130の面積が5%〜40%であることが好ましく、10〜30%であることがより好ましい。このように5%〜40%であると、図2に示すように、展示販売状態のショーツSの少なくとも半分以上(50%以上)を視覚により認識することができる点で好ましい。また、5%未満ではショーツSの保持が不十分になり、ユーザーがショーツSを手にとった時にパッケージ100からはずれるおそれがある。
【0033】
ここで、このパッケージ100は、吊り下げ用のフック140を備えるが、このフックに代えてパッケージ100を吊り下げることができるようにパッケージ100に穴部を設けるだけであっても構わない。さらに、このパッケージ100は平置きしたり立て掛けたりして展示販売することにも適しているので、このような吊り下げ用のフック140および穴部を備えなくても構わない。
【0034】
以下において、このパッケージ100の構造について、図4および図5に示す展開状態のパッケージ100を参照して、さらに詳しく説明する。なお、このパッケージ100は、開口部112の左右方向の位置、デザインのために設けられた写真114、商品説明のために設けられた領域116、および係止切片136に設けられた切込136C、136
Dの上下方向の向き、を除いて図面上で左右対称の形状を備える。
【0035】
このパッケージ100は、略正方形の形状を備えた表面110(この表面110の反対側が裏面120である)と、この表面110から図面上で左右方向に延設された封止切片138(138A、138B)と、この表面110から図面上で上方向に延設された保持切片134と、この保持切片134から図面上でさらに上方向に延設された押圧切片132と、を備える。
【0036】
封止切片138Aおよび封止切片138Bには、それぞれ、ショーツSの折り畳んだ場合の厚みに対応したマチ部138E、138Fおよび保持切片134の切込部134C、134Dに嵌合される嵌合部138C、138Dを備える。なお、このマチ部138E、138Fの幅は、表面110と裏面120との間に設けられたマチ部134A、134Bの幅と対応しており、このパッケージ100の厚みを形成する。また、フック140は、これらのマチ部134A、134Bの間であって表面110と裏面120との境界に設けられた長穴142に、その下部片144が係止されて設けられている。
【0037】
さらに、保持切片134から図面上で左右方向に係止切片136(136A、136B)が延設される。これらの係止切片136Aおよび係止切片136Bには、それぞれ、互いに嵌合されて接合される接合切込部136C、136Dを備える。
[包装方法および展示販売方法]
以上のような構造を備える本実施の形態に係るパッケージ100を使用したショーツSの包装方法および展示販売方法を説明する。
【0038】
まず、図5図11を参照して、パッケージ100を使用したショーツSの包装方法を説明する。図5に示す展開状態のパッケージ100において、図6に示すように、押圧切片132を保持切片134側へ折り返す。これにより、裏面120側から見て、図6に示すように、押圧切片132と保持切片134とは谷折りになる。
次に、図7に示すように、ショーツSの腰のゴムベルト付近が封止切片138付近の高さ位置になるように、脚部を上方向にして載置する。このとき、このショーツの前後方向(腹部側および臀部側)は、いずれであっても構わないが、図7に示す状態は腹部側が見える状態であって、この状態で包装すると図2および図3に示すように陳列販売時において臀部側が見えるようになり臀部側のデザインを見えやすくすることができて好ましく、図7に示す状態とは逆に臀部側が見える状態で包装すると陳列販売時において腹部側が見えるようになり腹部側のデザインを見えやすくすることができて好ましい。
【0039】
次に、図7に示す矢示R(1)方向にショーツSを一点鎖線で折り畳むと、図8に示す状態になる。このようにショーツSを一点鎖線で折り畳むことにより、陳列販売時のショーツSの幅(左右方向長さ)が表面110(および裏面120)の幅よりも短くなる。
次に、図9に示すように、係止切片136Aおよび係止切片136Bを保持切片134側(押圧切片132側でもある)へ折り返す。これにより、裏面120側から見て、図9に示すように、保持切片134と係止切片136とは谷折りになる。そして、接合切込部136C、136Dを互いに嵌合させて係止切片136Aと係止切片136Bとを接合させることにより係止切片136を形成する。このように係止切片136を形成することにより、ショーツSは、保持切片134と係止切片136とにより挟持された状態となる。
【0040】
次に、保持切片134と係止切片136とにより挟持された状態のショーツSとともに保持切片134を裏面120側へ(図9に示す矢示R(2)方向に)ひっくり返すと、図10に示す状態になる。これにより、裏面120側から見て、図10に示すように、保持切片134と裏面120とはマチ部134A、134Bにより形成されたマチを備えた谷折りになる。
【0041】
次に、図11に示すように、封止切片138Aおよび封止切片138Bを保持切片134側へ折り返す。これにより、裏面120側から見て、図11に示すように、封止切片138と保持切片134とは谷折りになる。そして、嵌合部138C、138Dを、それぞれ保持切片134の切込部134C、134Dに嵌合されることによりパッケージ100が完成する。裏面120側から見て、図11に示すように、封止切片138と保持切片134とはマチ部138E、138Fにより形成されたマチを備えた谷折りになる。
【0042】
このようにして、図4または図5に示す展開状態のパッケージ100が図1図3に示す立体状態に形成される。この立体状態において、ショーツSは、押圧切片132により係止切片136側(保持切片134側でもある)へ押圧されるともに保持切片134と係止切片136とにより挟持されて係止されており、このように挟持されたショーツS自体と、押圧切片132および係止切片136とが、封止切片138と保持切片134とにより封止されている。このように、押圧切片132が係止切片136側へショーツSを押圧するために、係止切片136に係止されたショーツSがずり落ちることを抑制することができる。
【0043】
また、このパッケージ100からショーツSを取り出そうとすると、少なくとも、保持切片134の切込部134C、134Dに嵌合されている封止切片138の嵌合部138C、138Dを抜く必要があり、場合によっては、さらに、互いに嵌合されている係止切片136の接合切込部136C、136Dを開放する必要がある。
このように、少なくとも封止切片138の嵌合部138C、138Dを抜かなければ、ショーツSをパッケージ100から取り出すことができないので、パッケージからショーツSを容易には取り出せない。このようにショーツSをパッケージ100から容易に取り出せないことは、試着されにくいことを意味しており、試着が好ましくないショーツSに好適である。
【0044】
さらには、この封止切片138の嵌合部138C、138Dに嵌合されている保持切片134の切込部134C、134Dの部分を、図11に示すように、接着テープTで封止したり、開封防止テープ(一度剥がすと開封の後が一目でわかるという犯罪、事故防止のための特殊機能テープ)で封止したりすることも好ましい。
また、このようにパッケージ100に包装されたショーツSにおける、展示販売するときのショーツSの平面状態の面積とは、ショーツSが折り畳まれた状態における面積であって、図9に示す高さH×幅Wにより算出される面積となる。
【0045】
次に、図1図3を参照して、パッケージ100を使用したショーツSの展示販売方法を説明する。パッケージ100は、図1図3に示すように、販売店の陳列棚の商品吊り下げ棒にフック140が吊り下げられて、購入希望者はショーツSの一部を触れることできるように展示販売される。また、複数のパッケージ100が商品吊り下げ棒に吊り下げられて展示販売される場合には、パッケージ100の表裏が同じ向きになるように吊り下げられる。そして、展示販売するときのショーツSの平面状態の面積(高さH×幅W)よりも大きな面積を表面110(および裏面120)が有する。これらにより、複数のパッケージ100が商品吊り下げ棒に吊り下げられて展示販売されても、ショーツSどうしが互いに擦れ合ってショーツSの生地表面に毛玉が発生するという問題が発生しない。
【0046】
なお、複数のパッケージ100が平置きされたり立て掛けられたりして展示販売される場合には、パッケージ100の表裏が同じ向きになるように重ねて平置きされたり立て掛けられたりする。このように複数のパッケージ100が平置きまたは立て掛けられて展示販売された場合にも、上記した同じ理由により、ショーツSどうしが互いに擦れ合ってショーツSの生地表面に毛玉が発生するという問題が発生しない。
【0047】
ユーザは、図1または図2に示すように吊り下げられて展示されたパッケージ100を見る。このとき、興味を示したユーザは、図3に示すように、ショーツSを触って肌触り等の触感を確かめる。このように、ユーザがショーツSを触るときに、保持機構130以外の部分は自由に形状を変化させることができ、たとえば、ショーツSを持ち上げることもできる。ショーツSを持ち上げると(ショーツSを手に取って触感を識別していると)、図3に示すように隠れていた領域122がユーザの視覚に認識される。この領域122には、たとえば、肌触りについての情報を記載しておくことにより、触覚により識別される肌触りと、視覚により識別される肌触りについての情報とにより、ユーザに対して商品価値を大きく訴求することができる。
【0048】
なお、図1に示すように展示販売されているとき、表面110を上にして平置きされて展示販売されているとき、および、表面110を表にして立て掛けられて展示販売されているときには、開口部112からショーツSの一部がユーザに見えることにより表面11
0側からショーツSの色彩、柄または編み組織等を識別することができる点で好ましい。
以上のようにして、本実施の形態に係るパッケージ100によると、試着が好ましくない衣類(一例としてショーツ)に好適に用いられ、吊り下げても平置きしても立て掛けても商品価値を損なうことがなく、商品の肌触りおよび形状等を直接確認することができる。
【0049】
[変形例に係るパッケージ]
以下において、このパッケージの変形例について説明する。
図12に、第1の変形例に係るパッケージ200の展開状態の裏面図を示す。この図12は上述した図5に対応する。このパッケージ200は、図5に示す係止切片136A、136Bに代えて、図12に示す係止切片236(236A、236B)を備える。この係止切片236A、236Bは、それぞれ、ショーツSを係止する側にギザギザ形状の滑り防止部238(238A、238B)を備える。このため、係止切片236に係止されたショーツSがずり落ちることをさらに抑制することができる。
【0050】
さらに、図13に、第2の変形例に係るパッケージ300の展開状態の裏面図を示す。この図13も上述した図5に対応する。このパッケージ300は、図5に示す係止切片136A、136Bに代えて、図13に示す係止切片336(336A、336B)を備える。この係止切片336A、336Bは、それぞれ、ショーツSを押圧する押圧部338(338A、338B)を備える。これらの押圧部338A、338Bは、それぞれ、係止切片336A、336B側へ折り返されて、裏面120側から見て、係止切片336と押圧部338とは谷折りになる。このため、押圧切片132と同じく(押圧方向は表裏逆方向であるが)、押圧部338A、338Bが保持切片134側(押圧切片132側でもある)へショーツSを押圧するために、係止切片336に係止されたショーツSがずり落ちることをさらに抑制することができる。
【0051】
ここで、第2の変形例において、押圧部338A、338Bは、図13に点線で示すように下側のみに設けても、上下両側に設けても、構わない。さらに、第1の変形例と第2の変形例とを組み合わせて、係止切片の下側に滑り防止部を、係止切片の上側に押圧部338を、それぞれ設けるようにしても構わない。
[上述したパッケージを用いた展示販売方法]
上述したパッケージ100、200、300を用いた、本発明に係る展示販売方法について図14図16を参照して以下に説明する。図14図16におけるパッケージの符号は100のみ付している。
【0052】
図14および図15には、複数の商品吊り下げ棒402を備えた展示販売台400を、図16には、複数の商品吊り下げ棒502を備えた(展示販売台400とは別の枠体を備えた)展示販売台500を、それぞれ示す。パッケージ100、200、300のフック140が商品吊り下げ棒402、502に係止されて、パッケージ100、200、300が展示販売台400、500に吊り下げられる。
【0053】
これらの展示販売台400、500は、大略的には、枠体から構成される自立した展示販売台の水平方向および垂直方向にそれぞれ所定数の商品吊り下げ棒402、502が片持ち支持されている。
より詳しくは、展示販売台400においては、枠体は四辺形平面形状であって、商品吊り下げ棒402が、四辺形の表裏平面の少なくとも1つの平面に、水平方向および垂直方向にそれぞれ所定数設けられている。
【0054】
また、より詳しくは、展示販売台500においては、枠体は略多角柱形状(ここでは六角柱形状)であって、商品吊り下げ棒502が、略多角柱の少なくとも1つの側面に、水平方向および垂直方向にそれぞれ所定数設けられている。
そして、パッケージ100、200、300を吊り下げた場合の平面状部材の水平方向の略長さをLとした場合、または、平面状部材の水平方向の略長さおよび垂直方向の略長さをLとした場合において、側面または平面の水平方向の略長さが、Lの整数倍にパッケージ100、200、300の吊り下げ余裕を加算した長さであることが好ましい。このようにすると、商品吊り下げ棒が2本以上の場合(1本であることは実際上可能性は低い
)においてパッケージ100、200、300が重なり合わず、第1の面である表面110の全面または第2の面である裏面120の全面を、商品吊り下げ棒402、502の開放端側からユーザが見ることができる。
【0055】
このように商品吊り下げ棒402、502に吊り下げられたパッケージ100、200、300の第1の面の全面が、商品吊り下げ棒402、502の開放端側から見えるので、第1の面に表示された視覚を通じて購入検討者または購入希望者(ユーザ)に購入を訴求する情報がユーザにしっかり見えるために、ユーザの視覚を通じて、ショーツSの露出した部分にユーザが触れたいように訴求することができたり、ショーツSを手にとるようにユーザに促すことができて、商品販売実績を向上させることができる。このような情報であって、第1の面に表示される情報は以下のようなものである。
【0056】
ショーツSの平面状態の面積よりも大きな面積を有する第1の面である表面110には、販売商品であるショーツSの着用状態を表した写真、商品名、ファッション性、デザイン上の特徴、機能、効能、キャッチフレーズ等、ユーザの視覚を通じてユーザに商品力を訴求して、商品を手にとるように促すための各種情報である。なお、これらの情報の表示方法については、図1で示している写真114、領域116に限定されるものではなく、写真、イラスト図、デザイン図、キャッチフレーズ等の文字、模様、記号等の単独またはそれらの適宜の組み合わせで表示されるものである。
【0057】
このような展示販売台400、500を用いて、図14図16に示すように、1の商品吊り下げ棒402、502においてパッケージ100、200、300の第1の面である表面が同じ向きになるように2以上吊り下げられる。このようにすると、ショーツSとショーツSとの間にはその面積よりも大きい面積を有する第1の面が存在するために、商品であるショーツSが互いに擦れ合うことがなく、ショーツSの生地表面に毛玉が発生する(ピリング)ことがない。
【0058】
さらに、図14に示すように、展示販売台400、500が備える複数の商品吊り下げ棒402、502は、第1群と第2群とに分けられ、各群には0以上の商品吊り下げ棒を含むようにして、第1群の商品吊り下げ棒402、502にはパッケージ100、200、300の第1の面である表面110が商品吊り下げ棒402、502の開放端側に向くように、かつ、第2群の商品吊り下げ棒402、502にはパッケージの第2の面である裏面120が商品吊り下げ棒402、502の開放端側に向くように、商品吊り下げ棒402、502にパッケージ100、200、300が吊り下げられるようにすることも好ましい。
【0059】
このように、パッケージ100、200、300の第1の面である表面110と第2の面である裏面120とを同時にユーザに向けて展示販売すると、ユーザは、表面110に記載された写真、キャッチフレーズ等の各種情報と裏面120に保持された商品の実物とを同時に見ることができ、ユーザがより多くの情報を視覚的に得ることができ、商品を手にとることを、さらに促すことができる。
【0060】
このように、展示販売時において、展示販売台400、500の一面において、パッケージ100,200、300は、(1)表裏両方の組合せ、(2)表面のみで揃える、(3)裏面のみで揃えるの三態様があるが、上述したように(1)表裏両方の組合せは、(2)および(3)に比較して、ユーザにより多くの情報を視覚的に与えることができる点で、特に好ましい。
【0061】
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明は、試着が好ましくない衣類のパッケージおよびそのパッケージを用いた展示販売方法に好適であり、吊り下げても平置きしても立て掛けても商品価値を損なうことがなく、商品の肌触りおよび形状等を直接確認することができる点で特に好適である。
【符号の説明】
【0063】
100 試着が好ましくない衣類用のパッケージ(パッケージ)
110 表面(第1の面)
112 開口部
120 裏面(第2の面)
130 保持機構(保持手段)
132 押圧切片
134 保持切片
136(136A、136B) 係止切片
138(138A、138B) 封止切片
140 フック
S ショーツ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図16