特許第6348788号(P6348788)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社アルファの特許一覧

<>
  • 特許6348788-車両のハンドル装置 図000002
  • 特許6348788-車両のハンドル装置 図000003
  • 特許6348788-車両のハンドル装置 図000004
  • 特許6348788-車両のハンドル装置 図000005
  • 特許6348788-車両のハンドル装置 図000006
  • 特許6348788-車両のハンドル装置 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6348788
(24)【登録日】2018年6月8日
(45)【発行日】2018年6月27日
(54)【発明の名称】車両のハンドル装置
(51)【国際特許分類】
   E05B 79/06 20140101AFI20180618BHJP
   E05B 85/16 20140101ALI20180618BHJP
   E05B 77/36 20140101ALI20180618BHJP
   B60J 5/04 20060101ALI20180618BHJP
【FI】
   E05B79/06 C
   E05B85/16 Z
   E05B77/36
   B60J5/04 H
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-137227(P2014-137227)
(22)【出願日】2014年7月2日
(65)【公開番号】特開2016-14278(P2016-14278A)
(43)【公開日】2016年1月28日
【審査請求日】2017年5月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000170598
【氏名又は名称】株式会社アルファ
(74)【代理人】
【識別番号】100093986
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 雅男
(74)【代理人】
【識別番号】100128864
【弁理士】
【氏名又は名称】川岡 秀男
(72)【発明者】
【氏名】遠山 孝生
【審査官】 小澤 尚由
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−207694(JP,A)
【文献】 特開2015−214862(JP,A)
【文献】 特開平6−173505(JP,A)
【文献】 特開2000−226955(JP,A)
【文献】 特開2003−247356(JP,A)
【文献】 特開2008−208584(JP,A)
【文献】 特開2000−73630(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 77/00−85/28
B60J 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端に操作脚を備え、他端に形成されるヒンジ突片のハンドルベースへの係止部位を中心として初期回転位置と作動回転位置との間を回転自在な操作ハンドルを有し、該操作ハンドルの回転操作によりハンドルベースに連結され、操作脚に係止される中継レバーを回転駆動する車両のハンドル装置であって、
前記ハンドルベースには、初期回転位置にある操作ハンドルの回転端に圧接して該操作ハンドルの回転半径方向のガタツキを防止する当接片が一体に形成される車両のハンドル装置。
【請求項2】
前記操作ハンドルは、ヒンジ突片と操作脚とをハンドルベースに開設された装着開口に挿入した後、ヒンジ突片形成端側にスライドさせてハンドルベースに装着されるとともに、
前記当接片は、操作ハンドルのスライド操作時に操作ハンドルの回転端に弾発係止し、
かつ、操作ハンドルには回転中心部において当接片方向に付勢力が付与される請求項1記載の車両のハンドル装置。
【請求項3】
前記当接片は、ハンドルベースの操作脚用の装着開口周縁から該装着開口内に突出して片持梁状にヒンジ突片用の装着開口方向に延設され、先端がハンドルベースに装着された操作ハンドルの回転端に突き当てられる請求項2記載の車両のハンドル装置。
【請求項4】
前記ハンドルベースには、操作ハンドルの回転端に対峙する飾り座金が固定されるとともに、
該飾り座金には、前記当接片の変形方向を規制する規制部が設けられる請求項1、2または3記載の車両のハンドル装置。
【請求項5】
前記当接片は操作ハンドルの操作脚に圧接するとともに、
該操作ハンドルの当接片の摺接面が操作ハンドルの回転中心を中心とする曲率面により形成される請求項1から4のいずれかに記載の車両のハンドル装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両のハンドル装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ハンドルベースに操作ハンドルを連結して形成されるハンドル装置としては、特許文献1に記載のものが知られている。この従来例において、操作ハンドルの一端にはハンドルベースの当接壁部に当接する円柱状の回動連結部が設けられるとともに、ハンドルベースには突設部が設けられる。
【0003】
突設部は、操作ハンドルの回動連結部を当接壁にセットすると、回動連結部を弾性的に押圧し、以後、操作ハンドルのガタツキが防止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011-38371号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述した従来例において、比較的小寸に形成される回動連結部の通過を許容し、かつ、通過後に突設部を回動連結部の装着方向、すなわち通過方向に大きな付勢力を付与するためには一般に複雑な構造を要するという問題がある。
【0006】
また、特許文献1の図3に示されたような比較的簡単な構造で回動連結部に付勢力を加えようとすると、突設部、特に円弧面の曲率、あるいは中心位置、さらには、回動連結部のセット位置の小さなズレによって所定の機能が発揮できない場合があり信頼性が低いという問題がある。
【0007】
本発明は、以上の欠点を解消すべくなされたものであって、簡単な構造でガタツキを確実に防止することのできる車両のハンドル装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば上記目的は、
一端に操作脚1を備え、他端に形成されるヒンジ突片2のハンドルベース3への係止部位を中心として初期回転位置と作動回転位置との間を回転自在な操作ハンドル4を有し、該操作ハンドル4の回転操作によりハンドルベース3に連結され、操作脚1に係止される中継レバー5を回転駆動する車両のハンドル装置であって、
前記ハンドルベース3には、初期回転位置にある操作ハンドル4の回転端に圧接して該操作ハンドル4の回転半径方向のガタツキを防止する当接片6が一体に形成される車両のハンドル装置を提供することにより達成される。
【0009】
ハンドル装置は両端にヒンジ突片2と操作脚1を備えた操作ハンドル4のヒンジ突片2側端部(以下、ヒンジ突片2側を「前方」、操作脚1側を「後方」という。)をハンドルベース3に係止させて形成されており、該係止部位を回転中心として操作ハンドル4を回転操作することによって中継レバー5を介してドア内に固定されたドアロック装置10を遠隔操作することができる。
【0010】
ハンドルベース3に一体に形成される当接片6は、操作ハンドル4の回転端に当接することによって操作ハンドル4の後方への移動を規制し、圧接状態を保持することにより操作ハンドル4のガタツキを規制する。
【0011】
当接片6と操作ハンドル4の回転端とを圧接状態に保持するためには、当接片6自体に弾性を付与して操作ハンドル4を前方に付勢してハンドルベース3との係止部位を圧接状態とすることにより、あるいは操作ハンドル4の回転中心近傍に操作ハンドル4を後方に付勢する付勢力を付与することにより実現可能である。そして、これら双方ともに、操作ハンドル4のいずれか一端に付与した付勢力により操作ハンドル4を反対端側に押し付けるもので、上述した従来例のような、付勢力を付与する一端に呼び込み方向の付勢力を付与する構造に比して、大きな弾性変形を伴う付勢力付与が可能になる。
【0012】
この結果、各所で発生する誤差を設定撓み量で吸収することができるために、ガタツキ防止の信頼性を高めることが可能になる。
【0013】
上記目的を達成するための本発明の他の態様として、
前記操作ハンドル4は、ヒンジ突片2と操作脚1とをハンドルベース3に開設された装着開口7に挿入した後、ヒンジ突片2形成端側にスライドさせてハンドルベース3に装着されるとともに、
前記当接片6は、操作ハンドル4のスライド操作時に操作ハンドル4の回転端に弾発係止し、
かつ、操作ハンドル4には回転中心部において当接片6方向に付勢力が付与される車両のハンドル装置を構成することができる。
【0014】
本態様において、操作ハンドル4の装着は、該操作ハンドル4を前方にスライドさせることによりヒンジ突片2をハンドルベース3に係止させることにより行われ、当接片6は、操作ハンドル4のスライド操作時に一旦弾性変形して操作ハンドル4の通過を許容した後、操作ハンドル4の回転端の通過とともに弾性復元し、以後、操作ハンドル4の後退移動を規制する。
【0015】
また、操作ハンドル4は回転中心側に付加される付勢力により後方に付勢されており、該操作ハンドル4の回転端が当接片6に圧接してガタツキが防止される。
【0016】
この場合、
前記当接片6は、ハンドルベース3の操作脚1用の装着開口7周縁から該装着開口7内に突出して片持梁状にヒンジ突片2用の装着開口7方向に延設され、先端がハンドルベース3に装着された操作ハンドル4の回転端に突き当てられるように形成することができる。
【0017】
また、上記目的を達成するための本発明の他の態様として、
前記ハンドルベース3には、操作ハンドル4の回転端に対峙する飾り座金8が固定されるとともに、
該飾り座金8には、前記当接片6の変形方向を規制する規制部9が設けられる車両のハンドル装置を構成することができる。
【0018】
ハンドル装置が一端の回転中心周りに操作ハンドル4を回転操作するように構成される場合、操作ハンドルの端部における意匠的処理のために、操作ハンドル4の回転端に対峙するように飾り座金8を固定することがある。また、操作ハンドル4のハンドルベース3への装着が操作脚1をハンドルベース3の装着開口7に挿入した後、操作ハンドル4のスライド操作により行われるハンドル装置にあっては、スライド操作した後に操作ハンドル4の回転端近傍に露出する装着開口7を閉塞するために、操作ハンドル4の回転端に対峙するように飾り座金8が固定される。
【0019】
上記飾り座金8に規制部9を設ける本態様において、当接片6が付勢力付与手段となる場合には、規制部9が当接片6の弾性変形方向を規制することにより付勢力の作用方向を限定することが可能になるために、効率的に操作ハンドル4に前方への付勢力を付与することが可能になり、かつ、不要な方向への撓みによる当接片6の破壊を効果的に防止することができる。
【0020】
また、前端部に付勢力を付与する場合、規制部9は当接片6の補強部材として機能し、さらに、当接片6が操作ハンドル4のスライド操作に伴って弾性変形するように構成される場合、当接片6の変形方向を規制することにより当接片6の破壊を効果的に防止することが可能になる。
【0021】
さらに、上記目的を達成するための本発明の他の態様として、
前記当接片6は操作ハンドル4の操作脚1に圧接するとともに、
該操作ハンドル4の当接片6の摺接面が操作ハンドル4の回転中心を中心とする曲率面により形成される車両のハンドル装置を構成することができる。
【0022】
当接片6の被押圧部は操作ハンドル4の回転端であれば適宜箇所に設定することが可能であるが、被押圧部を外観構成面として通常メッキ等の表面処理が施される本体部4aの終端面を避け、本体部4aからドア内に突出するように設けられる操作脚1に設定すると、弾性押圧部の摺接によるメッキ剥離、あるいはメッキ面を摺接することによる軋み感、または異音発生を防止することができる。
【0023】
また、操作脚1を操作ハンドル4の回転中心を中心とする曲率面により形成すると、操作ハンドル4の操作全行程において被押圧部からの付勢力が付与されるために、操作ハンドル4の操作途中におけるガタツキを防止することが可能になる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、操作ハンドルの回転端に付勢力を付与するために、誤差等に対する許容度が高くなるために、ガタツキを確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明を示す図で、(a)はドアに固定した状態を示す正面図、(b)は側面図である。
図2】飾り座金を取り外した状態のハンドル装置を示す図で、(a)は正面図、(b)は(a)の要部拡大図である。
図3】ハンドル装置を示す図で、(a)は断面図、(b)は(a)の要部拡大図である。
図4】飾り座金を示す図で、(a)は表面から見た斜視図、(b)は裏面方向から見た斜視図である。
図5】操作ハンドルの装着状態を示す図で、(a)は操作脚を装着開口に挿入した状態を示す図3(a)の4A-4A線断面図、(b)は操作脚が当接片に当接した状態を示す(a)に対応する図である。
図6】操作ハンドルの装着状態を示す図で、(a)は装着を完了した状態を示す図5(a)に対応する図、(b)は飾り座金を装着した状態を示す図5(a)に対応する図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1に示すように、車両のハンドル装置は、ハンドルベース3に操作ハンドル4を連結して形成される。操作ハンドル4は細長形状の本体部4aを備え、前端を図1の左側に位置する車両先頭方向に向けた水平姿勢でドアに取り付けられ、操作ハンドル4の後端に隣接して飾り座金8が配置される。
【0027】
操作ハンドル4の支持体であるハンドルベース3のドア表面への露出を防止するために、ハンドルベース3はドアパネル11の背面から固定され、操作ハンドル4は、予め取り付けられたハンドルベース3にドア表面側から連結される。
【0028】
図2、3に示すように、ハンドルベース3は合成樹脂材を射出成形して形成され、前端部と後端部に装着開口7が開設される。また、ハンドルベース3の後端部には、回転中心(C5)周りに回転自在な中継レバー5が連結される。
【0029】
一方、操作ハンドル4は、本体部4aの前端にヒンジ突片2を、後端に操作脚1を有し、図3(b)に示すように、ヒンジ突片2に形成されるヒンジ凹部2aにハンドルベース3から突出するヒンジ突部3aを嵌合させて連結される。連結状態で操作ハンドル4は、嵌合位置を回転中心(C4)として、図3(a)に示す初期回転位置から矢印方向(A)に回転操作することができる。
【0030】
また、操作ハンドル4は、ハンドルベース3への連結状態においてヒンジ突片2の先端に突設される圧接突部2bがハンドルベース3の装着開口7の壁面に形成される弾性変形脚3bを押し付けており、該弾性変形脚3bの弾性復元力による後方への付勢力を得ている。
【0031】
さらに、操作ハンドル4の操作脚1の下端には係止段部1aが形成されており、ハンドルベース3への装着状態において上記中継レバー5の作動アーム5aが係止する。
【0032】
したがってこの実施の形態において、操作ハンドル4を回転中心(C4)周りに初期回転位置から作動回転位置まで回転操作すると、操作脚1の係止段部1aに係止している中継レバー5が回転中心(C5)周りに回転する。図2に示すように、中継レバー5には一端がドアロック装置10に連結されるケーブル装置12の他端が連結されており、中継レバー5の回転に伴ってドアロック装置10が遠隔操作される。
【0033】
上記操作ハンドル4のハンドルベース3への装着は、ヒンジ突片2と操作脚1とをハンドルベース3に開設された装着開口7に挿入した後、操作ハンドル4全体を前方にスライドさせて行われ、ハンドルベース3には、装着された操作ハンドル4の後方への移動を規制するための当接片6が一体形成される。
【0034】
図2、3に示すように、当接片6は、操作脚1用の装着開口7の周縁から該装着開口7内方に張り出し、前方に向けて片持梁状に延設される。また、当接片6の装着開口7内への突出部の後端縁には、ガイド用の傾斜面6aが形成される。
【0035】
一方、操作ハンドル4の操作脚1の後端面には、図5(a)に示すように、装着開口7に操作ハンドル4の操作脚1を挿入した際に当接片6の傾斜面6aに正対する張り出し部1bが設けられており、挿入後操作ハンドル4全体を前方にスライドさせると、図5(b)に示すように、張り出し部1bが傾斜面に当接する。
【0036】
この後、さらに、操作ハンドル4を前方にスライドさせると、前方へのスライドを規制していた当接片6はスライド操作力により一旦弾性変形して操作脚1の通過を許容した後、弾性復元し、図6(a)に示すように、操作脚1の後端面に対峙する。
【0037】
上述したように、ハンドルベース3に装着した状態で操作ハンドル4には弾性変形脚3bにより後方への付勢力が付与されており、この付勢力により操作脚1は当接片6の先端に突き当て状に圧接し、初期回転位置における操作ハンドル4のガタツキが規制される。
【0038】
また、操作ハンドル4の操作脚1の後端面は、図3(a)に示すように、操作ハンドル4の回転中心を中心とする円弧面(半径R)により形成されており、初期回転位置から操作ハンドル4を回転操作した際も同様に後方への移動が規制される。
【0039】
さらに、上述したように操作ハンドル4の後端面には飾り座金8が適宜手段で取り付けられる。図4に示すように、飾り座金8は装着開口7内での操作ハンドル4のスライド操作により操作ハンドル4の後端に露出する装着開口7を閉塞するように配置され、装着開口7内に嵌合する嵌合部8aと、装着後にドアパネル11の表面に露出する装飾頭部8bとを有し、装飾頭部8bの前端面に規制部9が設けられる。
【0040】
規制部9は、上記当接片6間の間隔にほぼ等しい幅方向寸法を有する平板形状に形成される。
【0041】
したがってこの実施の形態において、操作ハンドル4を装着した後、飾り座金8を固定すると、図6(b)に示すように、飾り座金8の規制部9が当接片6間に入り込んで当接片6の図6(b)における矢印B6方向の移動を規制する。この結果、操作ハンドル4に後方への引き抜き力が負荷された場合であっても、当接片6が矢印B6方向に変形し、破壊することを確実に防止することができる。
【0042】
なお、図1以下に示した実施の形態において、飾り座金8は装飾品として単一の機能を有する場合が示されているが、ドアロック装置の施解錠を制御するシリンダ錠を保持するケーシングとして構成することもできる。
【符号の説明】
【0043】
1 操作脚
2 ヒンジ突片
3 ハンドルベース
4 操作ハンドル
5 中継レバー
6 当接片
7 装着開口
8 飾り座金
9 規制部
図1
図2
図3
図4
図5
図6