(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記特殊状態中における遊技進行結果が遊技者にとって不利となり得るものであって、遊技者が特定の操作態様のストップスイッチの操作を行った場合には、前記遊技状態書換手段により、前記遊技進行結果の書き換えが行われ、
前記特殊状態中における遊技進行結果が遊技者にとって不利となり得るものであって、前記有利な特典が貯蓄されている場合に、前記特殊状態から前記通常状態に移行すると、前記第1特典付与手段により、当該貯蓄されていた前記有利な特典を消滅させることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(第1の実施形態)
(遊技機10)
本明細書では、各説明箇所において、方向についての定義等が示されていない場合には、遊技機10の方を向いて位置している遊技者から見て、遊技機10から遊技者の手前側に向かう方向を「前」方向とし、その逆方向を「後」方向とする。また、同様に、「左」や「右」等の左右方向も、遊技者から見た場合の左方向や、右方向を意味する。同様に、各部材の説明においても、方向についての定義等が示されていない場合には、各部材を、遊技機10の所定位置に固定した状態における遊技者から見た方向を意味する。
本実施の形態に係る遊技機10としてのスロットマシンを、以下、
図1を参照しながら説明する。
【0020】
(筐体12、前扉14)
本実施の形態に係る遊技機10としてのスロットマシンは、前方向に向かって開口する正面開口を有する四角箱状の筐体12と、この筐体12の正面開口を開閉自在に覆う前扉14とを備えている。
【0021】
(回転リール62)
前扉14の上部には、薄板樹脂からなる上パネル20を備えている。この上パネル20の略中央には、3個の回転リール62(正面から向かって左側の左回転リール64、中央の中回転リール66、右側の右回転リール68)の円周上の図柄61を見ることができる透過可能な図柄表示窓部16が形成されている。この図柄表示窓部16は、3個すべての回転リール62の回転が停止した際には、縦3列横3行に配置した合計9個の図柄61を遊技者に見せるように形成されている。この図柄表示窓部16は、回転リール62の正面側に設けられて、回転リール62の回転が停止した際、後述する有効ライン86上に停止している複数の図柄61を視認するためのものである。回転リール62は、複数の図柄61を、図柄表示窓部16を介して変動表示可能なものである。
【0022】
(リールユニット60)
前記図柄表示窓部16の後方向(奥方向)には、3個の駆動モータ(図示せず)と、この各駆動モータによってそれぞれ回転させられる合計3個の前記回転リール62と、前記駆動モータ及び前記回転リール62を保持するユニットホルダ(図示せず)とを有するリールユニット60が配置されている。
【0023】
(演出装置70)
前記前扉14には、遊技者に役抽選の当選等の種々の情報を音や光や映像等で報知させる演出装置70が形成されている。この演出装置70は、前扉14に配置されているものであって、スピーカー72と、表示装置84と、演出用ランプ78とを備えている。なお、回転リール62は、通常、遊技進行のために用いられるが、遊技の進行を停止している状態において、通常の回転動作とは異なる挙動による演出(いわゆるリール演出)を示すことにより演出装置70の一種としても使用される。
【0024】
(スピーカー72)
前記スピーカー72は、前扉14の上部左右に配置された上部スピーカー74と、前扉14の下部左右に配置された下部スピーカー76とを備えている。
【0025】
(表示装置84)
前記表示装置84は、その画面に種々の映像を表示するための表示デバイスであり、動画を含んだ映像の表示を行うための液晶表示装置84を有する演出ユニットを構成するものである。
【0026】
(演出用ランプ78)
前記演出用ランプ78は、前扉14の上部に配置された上部ランプ80と、前扉14の下部の左右に配置された下部ランプ82とを備えている。
【0027】
(操作部30)
前記前扉14の下部には下パネル22が設けられている。そして、前扉14には下パネル22の上に位置して前扉14の前方向へ向けて突出する操作部30を備えている。
本実施の形態に係る遊技機10には、遊技開始の条件としてメダル投入口38からあらかじめメダルを投入して、最大50枚までクレジットメダルとして内部に貯留可能なクレジット機能(投入枚数を電子データとして電子的に記憶し管理する機能)を有している。なお、このクレジットメダルとして貯留可能な最大枚数である50枚を最大クレジットメダル数とする。
【0028】
(精算スイッチ36)
前記メダル投入口38の下には、クレジット機能によりクレジットしたメダルのすべてを払い出すための精算スイッチ36が設けられている。
【0029】
(ストップスイッチ50)
この精算スイッチ36の左側には、操作により対応する回転リール62の回転を停止させるため、3個の回転リール62のそれぞれに対応する3個のストップスイッチ50が設けられている。このストップスイッチ50は、左回転リール64を停止させるための左ストップスイッチLと、中回転リール66を停止させるための中ストップスイッチCと、右回転リール68を停止させるための右ストップスイッチRとを有している。すなわち、これらのストップスイッチ50は、複数の回転リール62それぞれに対応して設けられ、複数の回転リール62の図柄61の変動表示の開始後、遊技者の操作により回転リール62の図柄61の変動表示を個別に停止させるためのものである。
【0030】
(スタートスイッチ40)
このストップスイッチ50の左側には、メダルの投入又は後述するマックスベットスイッチ34の操作を条件に回転リール62の回転を開始させるためのスタートスイッチ40が設けられている。すなわち、このスタートスイッチ40は、遊技者の操作により回転リール62の図柄61の変動表示を開始させるためのものである。
【0031】
(マックスベットスイッチ34)
このスタートスイッチ40の上には、クレジットしたメダル数から最大投入枚数(具体的には3枚)に達するまで投入可能なメダル数を減じて3枚のメダル投入に代えるマックスベットスイッチ34が設けられている。
なお、マックスベットスイッチ34に加えて、又はマックスベットスイッチ34に代えて、クレジットしたメダル数を1枚減じて1枚のメダル投入に代えるシングルベットスイッチを設けてもよい。
【0032】
(貯留払出手段24等)
前記前扉14の下部の後方向(奥方向)には、いわゆるホッパーユニットであって、メダルを貯留することができるとともに、メダルを払い出すことができる貯留払出手段24(
図3参照)と、電源投入又は電源遮断のための操作が可能な電源スイッチを有すると共に各部品に電力を供給するための電源装置(図示せず)とが配置されている。
【0033】
(メダル払出口28等)
前記前扉14の下部には、所定の場合に貯留払出手段24からメダルが払い出されるメダル払出口28が形成されている。このメダル払出口28の下方には、メダル払出口28から払い出されたメダルを貯留するため、上方に向かって開口する皿状のメダル受け皿26が形成されている。なお、クレジットされているメダル数が最大クレジットメダル数である50枚未満の場合は、50枚に到達するまで、獲得したメダルはメダル払出口28から払い出されずにクレジットメダルの枚数に加算される。
【0034】
(遊技の流れの説明)
本実施の形態に係る遊技機10は、マックスベットスイッチ34の操作又はメダル投入により所定枚数のメダルを投入することにより遊技の開始を可能とするものである。そして、スタートスイッチ40の押下操作により、回転リール62の回転を開始させて遊技が開始されるとともに、後述するメイン制御手段200の各遊技状態に対応した抽選テーブルを用いて役抽選が行われる。そして、当該遊技機10は、各回転リール62に対応するストップスイッチ50の操作タイミング及び役抽選の結果に基づいて、回転リール62の回転を役抽選の結果に適合するように停止させる。当該遊技機10は、停止時の図柄61の組合せによって、当選した役を構成する図柄61の組合せが所定の有効なライン(所定の役の図柄61の組合せが当該ライン上に揃ったときに所定の利益が付与されるラインのことであり、以下、有効ライン86とする。)上に停止した場合に、入賞等となり、所定枚数のメダルを払い出す等の所定の利益を遊技者に付与する。これにより、1回の遊技が終了するものである。
なお、「有効ライン86」は後述の停止図柄判定手段230の判定対象となるラインを意味し、後述する小役の「入賞」等は有効ライン86上に役に対応した図柄61の組合せが揃うことを意味する。本実施の形態の有効ライン86は、左回転リール64の中段と中回転リール66の中段と右回転リール68の中段とを結んだ1本のみからなるものである。
【0035】
(図柄61)
図2に示すように、左回転リール64、中回転リール66及び右回転リール68の表面には、「R7(赤7)」、「B7(青7)」、「BR」、「BL」、「C1(チェリー)」、「WM(スイカ)」「R1(リプレイ1)」、「R2(リプレイ2)」、「B1(ベル1)」、「B2(ベル2)」の複数の種々の図柄61が形成されている。
これらの図柄61は、それぞれの絵柄がプリントされたテープを回転リール62の外周表面に貼付することで形成されている。なお、
図2の図柄61の番号(コマ番号)は、回転リール62の外周表面に物理的に付されているものではなく、仮想的な番号であって、各図柄61の停止を制御するためのプログラムで特定の図柄61を指定するためのものである。
【0036】
(制御装置100)
図3に示すように、遊技機10の内部には、遊技機10の全体の動作を制御するための制御装置100が形成されている。この制御装置100は、遊技を進行させて遊技状態を制御するメイン制御手段200と、このメイン制御手段200からの情報(コマンド)を受けて、遊技の進行に応じた演出を制御し、主に遊技内容に関する情報を遊技者に報知する演出を行うために演出状態を制御するサブ制御手段500とを備えている。
【0037】
ここで、メイン制御手段200の制御に基づくスロットマシンの作動状態を遊技状態といい、サブ制御手段500の制御に基づくスロットマシンの作動状態を演出状態というものとする。なお、メイン制御手段200とサブ制御手段500との間は、メイン制御手段200への不正操作を防止するために、メイン制御手段200からサブ制御手段500への一方向の通信により行われ、サブ制御手段500からメイン制御手段200への逆方向の通信は行われていない(すなわち双方向の通信ではない)。メイン制御手段200は、マックスベットスイッチ34、精算スイッチ36、スタートスイッチ40、ストップスイッチ50の入力を受け付け、役抽選を行い、リールユニット60及び貯留払出手段24の作動を制御する。サブ制御手段500は、メイン制御手段200から信号を入力し、表示装置84等の演出装置70の作動を制御する。サブ制御手段500の出力側には、演出装置70としてのスピーカー72、表示装置84、演出用ランプ78の各パーツが接続されている。
【0038】
なお、特に図示していないが、メイン制御手段200を有するメイン基板と、サブ制御手段500を有するサブ基板とは、それぞれ専用の基板ケースの内部に収納されている。具体的には、メイン制御手段200は、メイン基板ケースの内部に収納され、サブ制御手段500は、サブ基板ケースの内部に収納されている。そして、メイン基板ケースは、筐体12内部の奥側の上部に固定され、サブ基板ケースは、筐体12内部の正面から向かって左側に固定されている。
【0039】
メイン制御手段200及びサブ制御手段500は、CPU、ROM、RAM、I/Oポート(図示せず)を備えたマイクロコンピュータにより構成される。CPUは、タイマ割込などの割込機能を持ち、ROMに記憶されたプログラムを実行して、種々の処理を行う。ROMは、CPUが実行するプログラムや各種テーブル等の固定的なデータを記憶し、RAMは、CPUがプログラムを実行する際の一時的な記憶領域、たとえば遊技機10の状態を記憶するための記憶領域や、役抽選の抽選結果を記憶するための記憶領域として使用される。
【0040】
本実施の形態に係る遊技機10では、通常に行われるノーマル状態、一般状態が設けられている。このノーマル状態、一般状態よりも再遊技役(リプレイ役)の当選の確率が高く(或いは低く)設定されているリプレイタイム(RT)状態が設けられている。さらに、メイン制御手段200では、ボーナス移行役に入賞することにより実行されるボーナス遊技状態が設けられている(
図11参照)。これらの遊技は、メイン制御手段200により制御される。
【0041】
また、演出状態としてストップスイッチ50の押し順や当選図柄61等を報知することによって役に係る図柄61の組み合わせを有効ライン86上に揃って停止させるためのアシストをするアシストタイム(AT)状態が設けられている。
アシストタイム(AT)状態は、
図12に示すように、通常状態(非アシストタイム(AT)状態)よりも遊技者に有利な遊技となり得るように形成されている。
ここで、RT状態で行われている遊技をリプレイタイム遊技(RT遊技)、AT状態で行われている遊技をアシストタイム遊技(AT遊技)としている。
【0042】
AT遊技は、所定の開始条件を達成したときに開始可能であり、所定の終了条件を達成したときに終了可能に形成されている。具体的には、AT遊技は、役抽選の抽選結果、所定の移行役に当選した場合や、後述する移行抽選手段271により所定の移行抽選に当選した場合に開始可能であり、所定の条件を満たすことにより終了可能なものである。なお、これらの開始条件や終了条件に限定されるものではなく、他の内容の条件に設定してもよいものである。
【0043】
(メイン制御手段200)
メイン制御手段200は、役抽選手段210、リール制御手段220、停止図柄判定手段230、払出制御手段240、遊技制御手段250、カウント手段260、AT制御手段270、遊技状態書換手段280、特典付与手段290、送信手段300の各手段を有する。各手段の詳細については後述する。なお、カウント手段260、AT制御手段270、遊技状態書換手段280、及び特典付与手段290は、メイン制御手段200ではなく、サブ制御手段500が有しても良いし、又、メイン制御手段200とサブ制御手段500との両方に分けて有するようにしても良い。
【0044】
以上の構成をもって、メイン制御手段200は、役の抽選を行い、回転リール62の回転及び停止を制御し、回転リール62がすべて停止したときに停止図柄の判定を行い、遊技の進行を行う手段として機能することとなる。
メイン制御手段200は、遊技を制御するためのものであって、遊技を進行させるためのものである。以下、本実施の形態における遊技について説明する。
規定の賭け数(3枚)が設定されると、1本の有効ライン86(
図1参照)が設定される。なお、本実施の形態に係る遊技機10は、規定の賭け数として3が設定されている。賭け数を設定する方法には、メダル投入口38からメダルを投入する方法と、マックスベットスイッチ34を操作することによってクレジットメダルを賭け数として設定する方法とがある。そして、規定の賭け数(3枚)が設定されていることを条件に、スタートスイッチ40を操作すると、賭け数が確定し、役抽選手段210により、複数の役のいずれかに当選したか又はハズレかの抽選(役抽選)が行われる。また、役抽選とほぼ同時に、前回の遊技での回転リール62の回転開始時から所定の時間(本実施の形態では、4.1秒)が経過しているか否かが判定され、所定の時間が経過すると、3個すべての回転リール62の回転が開始する。
【0045】
本実施の形態では、役として、大別すると、ベル役、弱チェリー役、強チェリー役、弱スイカ役、強スイカ役、チャンス役などの小役(メダルの払い出しを伴う役や、演出状態の移行の契機となる役)、再遊技役(遊技者所有のメダルを使用することなく次回の遊技を開始可能とする役、いわゆるリプレイ役)、移行役(遊技状態の移行を伴う役)が設けられている。
【0046】
回転リール62の回転開始後、所定の条件(本実施の形態では、回転リール62を加速する処理を実行した後、所定のセンサにより回転リール62の回転位置が基準位置であることを検出すること)が成立すると、ストップスイッチ50の操作が可能な状態(停止操作可能状態)となる。
その後に、3個のストップスイッチ50のうち1個を操作すると、当該ストップスイッチ50に対応した回転リール62の回転が停止する。そして、3個すべてのストップスイッチ50の操作を終えると、3個すべての回転リール62の回転が停止する。
このとき、有効ライン86上に所定の図柄61の組合せが揃うと、当該図柄61の組合せに対応した処理が行われる。本実施の形態に係る遊技機10は、有効ライン86上に予め定められた図柄61の組合せが揃うと遊技者に利益が付与されるように形成されている。たとえば小役に対応した図柄61の組合せが有効ライン86上に揃うと、小役に対応した枚数のメダルが遊技者に対して付与される。
【0047】
役抽選の当選確率は、複数段階、本実施の形態では、6段階(設定1〜設定6)設定されており、設定1が最も低く、設定6が最も高くなるように設定されている。
また、有効ライン86上に再遊技役(リプレイ役)に対応する図柄61の組合せが揃うと、メダルの払い出しはないものの、次回の遊技において遊技者所有のメダルを使用することなく賭け数が自動的に設定され遊技を行うことができる。
【0048】
(役抽選手段210)
役抽選手段210は、当選役を決定する役抽選を実行するものである。すなわち、役抽選手段210は、メイン制御手段200が備える手段であり、スタートスイッチ40の操作を契機に、複数の役のいずれかに当選か又はハズレかの抽選(役抽選)を行うためのものである。役抽選手段210は、役に当選したか否かを決定するための抽選テーブルを、主な分類としてノーマル状態用、一般状態用、RT状態用、内部当選中状態用、ボーナス遊技状態用のそれぞれに対応して複数備えており、メイン制御手段200のROM上に記憶されている。役抽選手段210は、予め定めた抽選データと、所定範囲の整数値を繰り返してカウントするループカウンタを有する所定の乱数発生手段(乱数発生回路)が発生した乱数のうちから抽出した乱数とを比較して、当選か否かを判定する。なお、役抽選手段210による処理は、後述するステップS11(
図13参照)において行われる。
【0049】
(リール制御手段220)
リール制御手段220は、メイン制御手段200が備える手段であり、各回転リール62の回転を停止させるためのものである。リール制御手段220は、役抽選手段210の抽選結果と、各ストップスイッチ50が操作されたときの対応する回転リール62の回転位置とに基づいて、各回転リール62の回転を停止させる。なお、リール制御手段220は、必要に応じて各ストップスイッチ50が停止操作されるときの順番が所定の条件に適合しているか否かも停止させる条件にする場合がある。なお、リール制御手段220による処理は、後述するステップS12(
図13参照)において行われる。
【0050】
(停止図柄判定手段230)
停止図柄判定手段230は、メイン制御手段200が備える手段であり、すべての回転リール62が停止した際における有効ライン86上の図柄61の組合せを記憶するとともに入賞等の判定をするためのものである。なお、停止図柄判定手段230による処理は、後述するステップS13(
図13参照)において行われる。
【0051】
(払出制御手段240)
払出制御手段240は、停止図柄判定手段230の判定結果に基づいて、メダル払い出し等の所定の処理を行うためのものである。払出制御手段240は、停止図柄判定手段230の判定の結果、小役が入賞していると判定されるとメダルの払い出しを行う。なお、払出制御手段240による処理は、後述するステップS14(
図13参照)において行われる。
【0052】
(遊技制御手段250)
遊技制御手段250は、遊技状態を制御するものである。
具体的には、遊技制御手段250は、
図4に示すように、大別すると、一般遊技制御手段251、内部当選中状態制御手段255及びボーナス遊技制御手段256の各手段を有する。
【0053】
(一般遊技制御手段251)
一般遊技制御手段251は、「一般遊技状態」の進行を制御するものである。ここで、「一般遊技状態」には、
図11を用いて後述するが、「ノーマル状態」、「一般状態」及び「RT状態」を含む。
具体的には、一般遊技制御手段251は、ノーマル状態制御手段252、一般状態制御手段253及びRT制御手段254を備える。
【0054】
(ノーマル状態制御手段252)
ノーマル状態制御手段252は、「ノーマル状態」(非RT)を制御するものである。
ここで、「非RT」は、「RT」の非作動状態を意味する。「RT」は、いわゆる「リプレイタイム」の略語であり、「RT」に移行すると、再遊技に当選する抽選確率、すなわち再遊技確率が高くなる。「RT」は、「RT1」〜「RT3」の3種類があり、「RT2」が最も高確率で、次に「RT3」が高く、「RT1」が最も低く設定されている。
【0055】
(一般状態制御手段253)
一般状態制御手段253は、「一般状態」(RT1)を制御するものである。「ノーマル状態」(非RT)から「一般状態」(RT1)に移行すると、「RT」が作動し、このときの「RT1」は、「RT2」より再遊技役の当選確率が低く設定されている。
【0056】
(RT制御手段254)
RT制御手段254は、「RT状態」(RT2)を制御するものである。
「RT状態」は、いわゆる「リプレイタイム」とよばれ、再遊技役の当選確率が「一般状態」(RT1)よりも高確率に設定され、「高確率状態」(RT2)にある。
【0057】
(内部当選中状態制御手段255)
内部当選中状態制御手段255は、「内部当選中状態」(RT3)を制御するものである。
「内部当選中状態」(RT3)へは、ボーナス移行役に当選することにより移行する。
「一般状態」から「内部当選中状態」に移行すると、このときの「RT3」は、「RT1」より再遊技役の当選確率が高く設定されており、又、「RT状態」から「内部当選中状態」に移行すると、このときの「RT3」は、「RT2」より再遊技役の当選確率が低く設定されている。
【0058】
(ボーナス遊技制御手段256)
ボーナス遊技制御手段256は、「ボーナス遊技状態」を制御するものである。
「ボーナス遊技状態」は、「内部当選中状態」にボーナス移行役の図柄61を揃えることで移行し、いわゆる「BB」「RB」が連続作動し、所定の枚数、本実施の形態では、「BB」の場合は204枚、「RB」の場合は48枚を超えるメダルの払い出しで終了し、「ノーマル状態」に移行する。
【0059】
(カウント手段260)
カウント手段260は、所定の演出状態におけるゲーム数のカウントを行うものである。
具体的には、カウント手段260は、
図12を用いて後述するART通常状態におけるATゲーム数、継続抽選状態における継続ゲーム数をカウントするためのゲーム数カウンタを有している。なお、ゲーム数カウンタには、ATゲーム数をカウントするための「ATゲーム数カウンタ」と継続ゲーム数をカウントするための「継続ゲーム数カウンタ」とを有する。
【0060】
カウント手段260は、後述する移行抽選手段271が行うAT抽選に当選した後、メイン制御手段200がRT2状態へ移行すると、予め定められたART通常状態における初期ゲーム数(本実施の形態では50ゲーム数)をATゲーム数カウンタのカウント値として設定する。また、カウント手段260は、ART通常状態移行後、遊技が行われる毎に、ATゲーム数カウンタのカウント値を1ずつ減算する。
そして、ATゲーム数カウンタのカウント値が0、すなわち、ATゲーム数が0ゲームになると、後述するAT制御手段270により、ART通常状態から継続抽選状態に移行される。
【0061】
ART通常状態から継続抽選状態に移行すると、カウント手段260は、予め定められた当該継続抽選状態における初期ゲーム数(本実施の形態では10ゲーム数)を継続ゲーム数カウンタのカウント値として設定する。また、カウント手段260は、継続抽選状態移行後、遊技が行われる毎に、継続ゲーム数カウンタのカウント値を1ずつ減算する。
なお、カウント手段260がカウンタを記憶し、カウントを行う状態は上記のものに限られず、たとえば、後述するART前兆状態等においても予め定められた当該ART前兆状態における初期ゲーム数をART前兆状態のゲーム数に対応するカウント値としてゲーム数カウンタに記憶している。
なお、本実施の形態では、ART通常状態の区間をゲーム数で管理しているが、これに限定されず、メダルの払い出し枚数によりART通常状態の区間管理を行ってもよい。
【0062】
(AT制御手段270)
AT制御手段270は、「AT状態」及び「ART状態」中の「AT」を制御するためのものである。そして、後述するAT演出制御手段530を用いてストップスイッチ50の押し順を報知させる演出等を実行させる。
「AT状態」は、いわゆる「アシストタイム」が行われる演出状態であり、当該「AT状態」に移行すると、当選した小役の押し順が報知される遊技が開始され、報知された押し順に従ってストップスイッチ50を操作することで、当選した小役の図柄61の組み合わせを停止表示させることができる。このため、成立した小役に対応する所定枚数のメダルが払い出される。また、演出状態としての「AT状態」は、本実施の形態では、メイン制御手段200側で制御され、このとき、メイン制御手段200側のRT制御手段254で制御される遊技状態としての「RT状態」(RT2)に移行すると、演出状態としての「ART」状態となる。「ART」状態は、「RT状態」(再遊技確率の高確率状態)で、且つ「AT状態」の演出状態をいう。
【0063】
また、AT制御手段270は、継続抽選状態において後述するAT継続抽選手段272が行うAT継続抽選に当選せず、AT状態非継続が確定した場合に、AT状態を終了するように設定されている。
なお、AT状態の終了方法は、前記したものには限定されず、たとえば、報知された押し順に複数回従わずにストップスイッチ50を操作した場合や、特殊な役に当選した場合などにAT状態を終了するようにしても良い。
【0064】
ここで、本実施の形態においては、「AT状態」をメイン制御手段200側に配置したAT制御手段270により制御したが、これに限定されず、「AT状態」の全部又は一部をサブ制御手段500で制御させても良い。
また、AT制御手段270は、
図3に示すように、移行抽選手段271及びAT継続抽選手段272を備えている。
【0065】
(移行抽選手段271)
移行抽選手段271は、AT状態へ移行するか否かを抽選(AT抽選)で決定するものである。
【0066】
(AT継続抽選手段272)
AT継続抽選手段272は、ATゲーム数が0ゲームとなって後述する継続抽選状態へ移行した場合に、所定の契機にAT状態が継続するか否かの抽選(以下、「AT継続抽選」ともいう。)を行うものである。そして、AT継続抽選に当選すると、当該継続抽選状態終了後においてAT状態が継続するか否かのフラグ(以下、「AT状態継続フラグ」という)がOFFからONとなり、AT状態を継続することが確定する。
ここで、「AT継続抽選」は、AT状態を継続することの期待値が異なる「第1継続抽選」と「第2継続抽選」との2種類を有する。
【0067】
AT継続抽選手段272により実行される第1継続抽選は、継続抽選状態移行時に、当該継続抽選状態における遊技進行結果、すなわちAT状態が継続するか否かを決定するために行われる。また、第1継続抽選は、継続抽選状態移行後の遊技中において、AT状態継続フラグがOFFであって、所定の役に当選しなかった場合にも行われる。
一方、AT継続抽選手段272により実行される第2継続抽選は、継続抽選状態移行後の遊技中において、AT状態継続フラグがOFFであって、所定の役に当選し、かつ、ストップスイッチ50の特定の操作態様が行われた場合に行われる。
このとき、AT継続抽選手段272が行うAT継続抽選における当選確率、すなわちAT状態が継続する確率は、上記2種類の抽選のうち、第2継続抽選が第1継続抽選よりも高確率となるように設定されている。
【0068】
そして、継続抽選状態移行後の遊技中に行われた第1継続抽選又は第2継続抽選に当選した場合は、後述する遊技状態書換手段280によりAT状態継続フラグがONに更新され、継続ゲーム数が0ゲームとなった後、AT制御手段270により、再度ART通常状態が開始される。なお、継続抽選状態移行後の遊技中に、第2継続抽選に当選した後、後述する遊技状態書換手段280によりAT状態継続フラグがOFFからONに更新されることは、特許請求の範囲に記載されている「遊技進行結果の書き換え」に対応する。
【0069】
(遊技状態書換手段280)
遊技状態書換手段280は、継続抽選状態中の所定の契機に、ストップスイッチ50の操作態様に応じて、予め取得された遊技進行結果の書き換えを行うか否かの判断及び実行を行うものである。
具体的には、遊技状態書換手段280は、継続抽選状態移行時に行われた第1継続抽選に当選せず、予め取得されたAT状態継続フラグが「OFF」であっても、当該継続抽選状態移行後の遊技中に行われた第1継続抽選又は第2継続抽選に当選した場合には、AT状態継続フラグを「ON」へと書き換えるものである。
また、遊技状態書換手段280は、AT継続抽選手段272が第2継続抽選を行うに際し、ストップスイッチ50が特定の操作態様で行われたか否かの判断を行っている。そして、AT状態継続フラグがOFFの場合に、所定の役に当選し、かつ、ストップスイッチ50の特定の操作態様が行われたと遊技状態書換手段280により判断されると、AT継続抽選手段272によって第2継続抽選が行われる。
【0070】
(特典付与手段290)
特典付与手段290は、遊技者にとって有利な特典の付与を行うか否かの判断及び実行を行うものである。
ここで、本実施の形態における特典とは、「ATゲーム数の上乗せ」である。そして、この「ATゲーム数の上乗せ」は後述する特典カウンタのカウント値に応じて付与され、特典カウンタのカウント値が「1」であれば、ATゲーム数が「10ゲーム」、「2」であれば、ATゲーム数が「20ゲーム」上乗せされることとなっている。なお、「特典」は前記のものに限られず、遊技者にとって有利となり得るものであればよい。たとえば、ATゲーム数の上乗せに変え、又はこれに加えて、継続ゲーム数の上乗せ、継続抽選状態におけるAT状態が継続する確率の向上、AT状態非継続の場合に復活抽選を行う又はAT状態から通常状態へ移行後、再度AT状態へ移行する確率の向上などとしてもよい。
【0071】
ここで、
図3に示すように、本実施の形態に係る特典付与手段290は、第1特典付与手段291を備えている。そして、本実施の形態においては、この第1特典付与手段291により、ATゲーム数の上乗せを行うか否かの判断及び実行を行っている。
第1特典付与手段291は、所定の契機に加算及び減算される特典カウンタを有している。そして、第1特典付与手段291は、所定の契機に、自ら累積的に記憶している特典カウンタのカウント値に基づいて、ATゲーム数の上乗せを行う。
【0072】
ここで、「特典カウンタ」は、本実施の形態においては、継続抽選状態において、役抽選にて所定の役、たとえば、チャンスリプレイに当選し、かつ、所定の操作態様でストップスイッチ50の停止操作が行われた場合に第1特典付与手段291により加算される。そして、その獲得した特典カウンタは、第1特典付与手段291により累積的に記憶されていく。一方、特典カウンタは、本実施の形態においては、継続抽選状態において特典カウンタを有した状態でAT状態非継続が確定した場合に第1特典付与手段291によりリセットされる。なお、特典カウンタは、AT継続抽選手段272による第2継続抽選が行われた場合に減算してもよい。これらの第1特典付与手段291による特典カウンタの加算及び減算の契機の詳細については後述する。
【0073】
なお、「特典カウンタ」は、継続抽選状態に加えてART通常状態においても、役抽選にて所定の役、たとえば、チャンスリプレイに当選し、かつ、所定の操作態様でストップスイッチ50の停止操作が行われた場合に第1特典付与手段291により加算することができる。この場合において、第1特典付与手段291が特典カウンタを有する状態で継続抽選状態に移行した場合には、以下の(1)〜(3)の処理が行われる。
(1)第1特典付与手段291は、当該貯蓄されていた特典カウンタのリセットを行う。
(2)第1特典付与手段291は、当該貯蓄されていた特典カウンタを繰り越し、移行後の継続抽選状態においてその特典カウンタを使用可能とする。すなわち、第1特典付与手段291は、ART通常状態で加算された特典カウンタに上乗せして、継続抽選状態で加算された特典カウンタの記憶を行う。
(3)第1特典付与手段291は、AT状態が継続した後のART通常状態まで当該貯蓄されていた特典カウンタの繰り越しを実行する。一方、AT状態非継続により通常状態へ移行した場合、第1特典付与手段291は、当該貯蓄されていた特典カウンタのリセット又はAT抽選当選確率向上などといった他の特典の付与を実行する。
【0074】
(送信手段300)
送信手段300は、サブ制御手段500へ信号を送信するためのものである。
【0075】
(サブ制御手段500)
サブ制御手段500は、
図3に示すように、受信手段510、通常演出制御手段520、AT演出制御手段530及びボーナス演出制御手段540の各手段を有する。各手段の詳細については後述する。なお、AT演出制御手段530は、サブ制御手段500ではなく、メイン制御手段200が有しても良い。
以上の構成をもって、サブ制御手段500は、メイン制御手段200からの信号を受けて、遊技の進行に伴う演出を行うものである。
具体的には、サブ制御手段500は、演出用ランプ78を駆動するためのLED駆動回路(図示せず)に対してLEDの点灯や消灯を規定するデータを出力したり、スピーカー72から音を出力するための音声出力回路(図示せず)に対して出力する音声を規定するデータを出力したり、表示装置84を駆動するための液晶制御基板(図示せず)に対して出力する映像データを規定するデータを出力したりする。
【0076】
(受信手段510)
受信手段510は、送信手段300からの信号を受信するものである。
【0077】
(通常演出制御手段520)
通常演出制御手段520は、遊技制御手段250及びAT制御手段270の状態により、
図12に示す通常状態の演出を制御するものである。
ここで、通常状態とは、AT制御手段270によるAT状態、ボーナス遊技制御手段256によるボーナス状態以外の状態をいう。
【0078】
(AT演出制御手段530)
AT演出制御手段530は、遊技制御手段250及びAT制御手段270の状態により、所定の遊技区間の間、通常状態より遊技者にとって有利となり得るATの演出を制御、たとえば、メイン制御手段200のAT制御手段270からストップスイッチ50の押し順を報知させるコマンドを受信した場合に当該ストップスイッチ50の押し順を報知させる演出等、を実行するものである。
【0079】
(ボーナス演出制御手段540)
ボーナス演出制御手段540は、遊技制御手段250及びAT制御手段270の状態により、
図12に示すボーナス状態(通常ボーナス状態及び特殊ボーナス状態)の演出を制御するものである。
【0080】
(役の図柄61組み合わせについて)
つぎに、
図5乃至
図10を用いて、役抽選手段210により抽選される役について説明する。
なお、役抽選手段210により抽選される役は
図5乃至
図10に示すものに限定されない。
【0081】
図5に示すように、ボーナス移行役として、第1BB乃至第4BBのBB役と、第1RBと第2RBとのRB役があり、BB役の第1BBの場合は、その図柄61組合せが、左回転リール64、中回転リール66、右回転リール68の順(以下同様)に「R7、R7、R7」であり、配当(メダル払出枚数)は0枚となっている。また、RB役の第1RBの場合は、その図柄61組み合わせが「R7、R7、BR」であり、配当(メダル払出枚数)は0枚となっている。
【0082】
図6に示すように、再遊技役(リプレイ)として、第1通常リプレイ乃至第12通常リプレイの通常リプレイ、第1昇格リプレイ乃至第24昇格リプレイの昇格リプレイ、第1転落リプレイ乃至第16転落リプレイの転落リプレイ、第1チャンスリプレイ乃至第8チャンスリプレイのチャンスリプレイがあり、その図柄61組み合わせが、第1通常リプレイ「R1、R1、R1」、第1昇格リプレイ「R1、R1、B1」、第1転落リプレイ「R1、R1、R7」、第1チャンスリプレイ「B1、BL、WM」などであり、配当(メダル払出枚数)は、無し(但し次の遊技がメダル投入無しで遊技開始可能)となっている。
【0083】
図7に示すように、小役(チェリー)として、第1弱チェリー乃至第3弱チェリーの弱チェリー、第1強チェリー乃至第16強チェリーの強チェリーがあり、その図柄61組み合わせが、第1弱チェリー「BR、C1、C1」、第1強チェリー「BR、C1、R1」などであり、配当(メダル払出枚数)は、1枚となっている。
図8に示すように、小役(スイカ役)として、第1スイカ乃至第5スイカがあり、その図柄61組み合わせが、第1スイカ「WM、WM、WM」などであり、配当は4枚となっている。
【0084】
図9に示すように、小役(ベル役)として、第1押し順ベルA乃至第2押し順ベルAの押し順ベルA(LCR正解ベル)、第1押し順ベルB乃至第4押し順ベルBの押し順ベルB(LRC正解ベル)、第1押し順ベルC乃至第4押し順ベルCの押し順ベルC(CLR正解ベル)や、第1押し順ベルDの押し順ベルD(CRL正解ベル)、第1押し順ベルE乃至第2押し順ベルEの押し順ベルE(RLC正解ベル)、第1押し順ベルF乃至第4押し順ベルFの押し順ベルF(RCL正解ベル)などがあり、その図柄61組み合わせが、第1押し順ベルA「R1、C1、WM」、第1押し順ベルB「R1、B1、R1」などであり、配当は、9枚となっている。
ここで、LCR正解ベル、LRC正解ベル、CLR正解ベル、CRL正解ベル、RLC正解ベル、RCL正解ベルは、3個のストップスイッチ50のうち、左ストップスイッチL、中ストップスイッチC、右ストップスイッチRが、名称の順番、たとえば、LCR正解ベルの場合は、左ストップスイッチL、中ストップスイッチC、右ストップスイッチRの順番に操作された場合に入賞となる役である。なお、他の押し順でストップスイッチ50が操作された場合は、ハズレか押し順ベル、転落リプレイに入賞となる。
【0085】
図10に示すように、役抽選の結果として、通常リプレイ(第1通常リプレイ乃至第12通常リプレイ)、昇格リプレイ(第1昇格リプレイ乃至第24昇格リプレイ)が同時に当選(重複して当選)するRP1や、通常リプレイ(第1通常リプレイ乃至第12通常リプレイ)、昇格リプレイ(第1昇格リプレイ乃至第24昇格リプレイ)、第1チャンスリプレイが同時に当選するRP2、通常リプレイ(第1通常リプレイ乃至第12通常リプレイ)、第1チャンスリプレイが同時に当選するCRP1、通常リプレイ(第1通常リプレイ乃至第12通常リプレイ)、第2チャンスリプレイが同時に当選するCRP2などが設けられており、押し順ベルA〜Fと同様、ストップスイッチ50の押し順で停止する図柄61が異なる。
なお、第1チャンスリプイレイ乃至第8チャンスリプレイは、他のリプレイと重複して当選する役のみで、右第一停止で入賞可能な役である。
【0086】
(
図11を用いた遊技状態の説明)
つぎに、
図11を用いて「遊技状態」について説明する。
「遊技状態」は、メイン制御手段200により管理され、
図11に示すように、大別すると、「一般遊技状態」と、「内部当選中状態」(RT3)と、「ボーナス遊技状態」とがある。「RT」は、いわゆる「リプレイタイム」の略語であり、「RT」に移行すると、再遊技役に当選する抽選確率、すなわち再遊技確率が高くなる。「RT」は、「RT1」〜「RT3」の3種類があり、「RT2」が最も高確率で、残る「RT1」と「RT3」とは、「RT2」より再遊技確率が低く、ほぼ等しく設定されている。
【0087】
(一般遊技状態)
「一般遊技状態」は、一般遊技制御手段251により制御され、「ノーマル状態」(非RT)と、「一般状態」(RT1)と、「RT状態」(RT2)とがある。ここで、「RT」は、いわゆる「リプレイタイム」の略語であり、「RT」に移行すると、再遊技役に当選する抽選確率、すなわち再遊技確率が高くなる。
【0088】
(ノーマル状態)
「ノーマル状態」は、ノーマル状態制御手段252により管理され、「ボーナス遊技状態」の終了後に移行する。
【0089】
(一般状態)
「一般状態」は、一般状態制御手段253により管理され、いわゆる「RT1移行図柄」の成立時に「ノーマル状態」から移行する。
すなわち、
図11の「ノーマル状態」の場合には、
図12の「AT状態」になることはないため、「押し順ベル」に当選しても、押し順が報知されず、「押し順ベル」が入賞せず、ベルこぼし目(転落リプレイ:RT1図柄)が停止表示され、「一般状態」に移行する。
なお、「ボーナス遊技状態」から、「ノーマル状態」に移行した場合は、「押し順ベル」に当選した場合も、一時的或いは意図的に押し順が報知されず、「押し順ベル」が入賞せず、ベルこぼし目(転落リプレイ:RT1図柄)が停止表示され、「一般状態」に移行する。
【0090】
(RT状態)
「RT状態」は、RT制御手段254により管理され、いわゆる「RT2移行図柄」の成立時に移行し、再遊技確率の高確率状態である。
すなわち、
図11の「RT状態」の場合には、
図12の「AT状態」になっているため、押し順が報知されるが、ATの終了条件(本実施の形態では、AT継続抽選に当選しない場合)が成立すると非ATになる。そのため、「押し順ベル」などに当選しても、押し順が報知されず、「押し順ベル」が入賞せず、ベルこぼし目(転落リプレイ:RT1図柄)が停止表示され、「一般状態」に移行する。
【0091】
(内部当選中状態)
「内部当選中状態」は、内部当選中状態制御手段255により管理され、「ノーマル状態」「一般状態」及び「RT状態」中に、ボーナス移行役に当選すると移行する。
【0092】
(ボーナス遊技状態)
「ボーナス遊技状態」は、ボーナス遊技制御手段256により管理され、「内部当選中状態」中に「ボーナス図柄」を揃えることで移行する。
「ボーナス遊技状態」には、「RBB1」と、「RBB2」とがある。ここで、「RBB1」はいわゆる「BB」が連続作動し、所定の枚数、たとえば204枚を超えるメダルの払い出しで終了する。また、「RBB2」はいわゆる「RB」が連続作動し、所定の枚数、たとえば48枚を超えるメダルの払い出しで終了する。
【0093】
(
図12を用いた演出状態の説明)
図12に示すように、演出状態は、「通常状態」と、「AT状態」、「ART状態」、「通常ボーナス状態」、「特殊ボーナス状態」とがある。
【0094】
(通常状態)
「通常状態」の演出状態としては、「通常一般状態」、「ART前兆状態」とがある。
(通常一般状態)
「通常一般状態」は、「通常状態」のうち、後述する「ART前兆状態」等の特殊な状態を除いた状態である。
「通常一般状態」では、移行抽選手段271による「AT状態」へのAT抽選等が行われている。
【0095】
(ART前兆状態)
「ART前兆状態」は、「通常状態」より遊技者にとって有利となり得る「AT状態」への移行の「前兆」となる遊技が実行される状態であり、大別すると、「AT状態」への移行が確定しているいわゆる「本前兆」と、未確定で「通常状態」に戻る可能性のあるいわゆる「ガセ前兆」との2種類がある。「ガセ前兆」の場合には所定ゲーム数を消化した後、「通常状態」へ戻る。「本前兆」の場合には、予め定められたゲーム数を消化すると、「AT状態」に移行する。
【0096】
(AT状態)
「AT状態」は、「通常状態」より遊技者にとって有利となり得る状態である。当該「AT状態」に移行すると、当選した小役の押し順が報知される遊技(AT)が開始され、報知された押し順に従ってストップスイッチ50を操作することで、当選した小役の図柄61の組み合わせを停止表示させることができる。このため、成立した小役に対応する所定枚数のメダルが払い出される。
「AT状態」の演出状態としては、「ART準備状態」と、「ART状態」とがある。
「ART準備状態」は、遊技状態が、
図11の一般状態(RT1)である場合の「AT状態」であり、RT状態(RT2)への移行図柄、たとえば「昇格リプレイ」に当選した場合には、当該「昇格リプレイ」に対応したストップスイッチ50の押し順が報知される。そして、当該報知に従ってストップスイッチ50が操作された場合には、「ART状態」に移行する。
【0097】
(ART状態)
「ART状態」の演出状態としては、「ART通常状態」、「継続抽選状態」とがある。
「ART状態」は、「通常状態」より遊技者にとって有利となり得る状態である。当該「ART状態」に移行すると、当選した小役の押し順が報知される遊技であるATと、RT2とが開始され、報知された押し順に従ってストップスイッチ50を操作することで、当選した小役の図柄61の組み合わせを停止表示させることができる。このため、成立した小役に対応する所定枚数のメダルが払い出される。
【0098】
「ART状態」は、本実施の形態では、ATゲーム数が0ゲームとなることでART通常状態から継続抽選状態へ移行し、その後、継続抽選状態においてAT状態非継続が確定した場合に「通常状態」へ戻る。
具体的には、AT継続抽選手段272によるAT継続抽選に当選しなかった場合は、ART(AT+RT)のうち、ATが終了するため、演出状態が「通常状態」へ戻り、ストップスイッチ50の押し順の報知が終了され、これに伴い、ベルこぼし目(転落リプレイ:RT1図柄)を表示した場合に、遊技状態が「一般遊技状態」へ戻る。すなわち、ベルこぼし目(転落リプレイ:RT1図柄)は、左第1停止が不正解のベル役(たとえばCLR正解ベル)に当選し、押し順「不正解」(ストップスイッチ50を左第1停止で操作)した際に停止表示される図柄61である。ATが終了しているため押し順の報知が行われず、遊技者はストップスイッチ50を左第1停止で操作するため、ベル役に当選してもベルこぼし目(転落リプレイ:RT1図柄)が停止表示され、遊技状態が「一般遊技状態」に移行する。
なお、ART状態中に、遊技者が操作を間違い、RT1図柄が停止表示された場合、遊技状態は一般遊技状態に移行するが、演出状態は継続する。そして、RT2図柄を停止表示させられる役に当選した際に、RT2図柄を停止表示させるための押し順を報知し、遊技状態をRT状態に移行させる。
【0099】
(ART通常状態)
「ART通常状態」は、「ART状態」のうち、後述する「継続抽選状態」等の特殊な状態を除いた状態である。
「ART通常状態」は、カウント手段260により、ART通常状態におけるATゲーム数が0ゲームであると判定された場合に終了し、「継続抽選状態」に移行する。
なお、ART通常状態の終了は、上述した終了契機に限定されず、メダルの払い出し枚数によりART通常状態の区間管理を行ってもよいし、報知された押し順に複数回従わずにストップスイッチ50を操作した場合や、特殊な役に当選した場合などであっても良い。
【0100】
(継続抽選状態)
「継続抽選状態」は、AT継続抽選手段272によるAT状態を継続するか否かの抽選(AT継続抽選)を行う状態であり、AT継続抽選に当選した場合は、継続抽選状態終了後、「ART通常状態」へ戻り、AT継続抽選に当選しなかった場合は、「通常状態」へ戻る。
なお、「継続抽選状態」を備えず、「ART通常状態」の最後の遊技でAT継続抽選手段272によるAT状態を継続するか否かの抽選を行うようにしても良い。
【0101】
ここで、本実施の形態における継続抽選状態とは、いわゆる「バトルゾーン」であって、遊技者が扱うキャラクターと、そのキャラクターと対戦する敵キャラクターとが戦い、遊技者が扱うキャラクターが勝利した場合にAT状態の継続が確定する、といったAT状態の継続を示唆する演出が行われる演出状態である。本実施の形態においては、AT継続抽選に当選することで遊技者が扱うキャラクターが敵キャラクターに勝利することとなっている。
そして、このバトルゾーンでは、遊技者が扱うキャラクターと敵キャラクターとが複数登場し、それらのキャラクターの対戦カードに応じて、AT状態が継続するか否かを示唆する演出が行われる。
【0102】
具体的には、本実施の形態においては、遊技者が扱うキャラクターとして、キャラクターA、キャラクターB及びキャラクターCが登場し、敵キャラクターとして、キャラクターX、キャラクターY及びキャラクターZが登場する。
上記の9通りの対戦カードのうち、(1)キャラクターA対キャラクターX、(2)キャラクターB対キャラクターY、(3)キャラクターC対キャラクターZ、となったときには、遊技者が扱うキャラクターが勝利する期待度が高い(勝利する可能性大)演出となっている。
また、上記の9通りの対戦カードのうち、(1)キャラクターA対キャラクターY、(2)キャラクターB対キャラクターZ、(3)キャラクターC対キャラクターX、となったときには、遊技者が扱うキャラクターが勝利する期待度が中程度の演出となっている。
そして、上記の9通りの対戦カードのうち、(1)キャラクターA対キャラクターZ、(2)キャラクターB対キャラクターX、(3)キャラクターC対キャラクターY、となったときには、遊技者が扱うキャラクターが勝利する期待度が低い(勝利する可能性小)演出となっている。
【0103】
また、このバトルゾーンでは、遊技者が扱うキャラクターと敵キャラクターとの攻防の進行状況により、AT状態が継続するか否かを示唆する演出も行われる。
また、このバトルは、1対1でもよいし、2対2のタッグバトルでもよいし、複数のキャラクターが一斉に戦うバトルロワイヤル形式であってもよい。なお、当該継続抽選状態において、所定の役に当選した場合、継続抽選結果が変化した場合などを契機として、他のキャラクターを乱入可能とすることで対戦形式を変化、すなわち、上記の9通りの対戦カードを変化させたりしてもよい。
また、継続抽選状態は、AT状態の継続を示唆する演出が行われる演出状態であればよく、上記のバトルには限られない。たとえば、継続抽選状態とは、遊技者が扱うキャラクターが制限時間内にダンジョン(迷路)からの脱出を目指す「脱出ゾーン」などであってもよい。この「脱出ゾーン」では、キャラクターが制限時間内にダンジョン(迷路)からの脱出できた場合にAT状態の継続が確定する、といったAT状態の継続を示唆する演出が行われる演出状態であり、継続抽選状態の残りゲーム数と迷路の進行状況からAT状態の継続を遊技者が判断可能となっている。なお、所定役に当選した場合、継続抽選結果が変化した場合などを契機として、進行状況を変化させたりしてもよい。
【0104】
この場合においては、AT継続抽選に当選することでキャラクターが制限時間(例えば、10ゲーム)内にダンジョン(迷路)から脱出することが可能となっている。なお、上記の「バトルゾーン」と「脱出ゾーン」とを組み合わせて、複数回AT継続抽選に当選することをAT状態が継続する条件としてもよい。たとえば、遊技者が扱うキャラクターを制限時間内にダンジョン(迷路)から脱出させ、かつ、ダンジョン(迷路)の出口で待ち受ける敵キャラクターに勝利することでAT状態の継続が確定する等としてもよい。
以上より、「継続抽選状態」では、遊技者は、当該継続抽選状態の演出(遊技進行結果)を確認しながら、第2継続抽選を行うのか、特典を獲得するのかを選択することができる。
つまり、演出が不利(AT状態継続の期待度小)である場合は、第2継続抽選を選択し、有利(AT状態継続の期待度大)である場合は、特典付与を選択するというように、現在行われている演出から今後の遊技進行結果を判断して選択を行うといった駆け引きが遊技性に入り込むことが可能となる。
【0105】
(通常ボーナス状態)
「通常ボーナス状態」は、「通常状態」中に
図11に示す「ボーナス遊技状態」への移行抽選(ボーナス移行役:
図5のBB役、RB役)に当選し、当該「ボーナス遊技状態」へ移行した場合の演出状態である。移行した「ボーナス遊技状態」が「RBB1」の場合(BB役当選)は「通常BB状態」、「RBB2」の場合(RB役当選)は「通常RB状態」に移行する。
「通常ボーナス状態」は、「RBB1」と「RBB2」とが、所定の枚数の払出で終了することにより、「通常状態」に戻る。
【0106】
(特殊ボーナス状態)
「特殊ボーナス状態」は、「AT状態」、「ART状態」中に
図11に示す「ボーナス遊技状態」への移行抽選(ボーナス移行役:
図5のBB役、RB役)に当選し、当該「ボーナス遊技状態」へ移行した場合の演出状態である。移行した「ボーナス遊技状態」が「RBB1」の場合(BB役当選)は「特殊BB状態」、「RBB2」の場合(RB役当選)は「特殊RB状態」に移行する。
「特殊ボーナス状態」に移行した場合は、「AT状態」、「ART状態」は中断し、「RBB1」と「RBB2」とが、所定の枚数の払出で終了することにより、「AT状態」、「ART状態」に戻る。
【0107】
(
図13を用いた遊技の基本的な流れの説明)
図13に示すフローチャートに基づいて、メイン制御手段200が1回の遊技毎に実行する一般的な遊技制御処理について説明する。
ステップS10において、メイン制御手段200により、スタートスイッチ40の操作があったか否かの判定が行われる。ここで、スタートスイッチ40の操作があったと判定されると、メイン制御手段200により、賭け数の設定が不可能な状態とされる。その後、次のステップS11に進む。一方、スタートスイッチ40の操作がないと判定されると、再度ステップS10となる。
【0108】
なお、このステップS10の前提として、賭け数設定処理が行われている。この賭け数設定処理では、賭け数として規定の賭け数が設定されたか否かが判定されるものである。具体的には、メイン制御手段200により、当該遊技の賭け数として設定されているメダルの枚数が規定の賭け数(3枚)に達しているか否かの判定が行われる。
ステップS11において、役抽選手段210により、役抽選処理が行われる。また、このとき、役抽選の結果がメイン制御手段200からサブ制御手段500へ送信される。役抽選処理が終了すると、次のステップS12に進む。
ステップS12において、リールユニット60における回転リール62の回転変動処理が行われる。回転リール62が所定の回転速度に達した後、メイン制御手段200により、回転中の回転リール62に対応するストップスイッチ50の操作があった場合に、リール制御手段220により、各回転リール62の回転が停止させられる。このときのストップスイッチ50(左ストップスイッチL、中ストップスイッチC、右ストップスイッチR)の当選役に対応する押し順は、メイン制御手段200に形成された所定の記憶領域に記憶されると共に、その後の処理にて読み出される。
また、すべての停止操作終了後、メイン制御手段200の送信手段300からサブ制御手段500の受信手段510へ全回転リール62の回転停止情報が送信される。そして、すべての回転リール62の回転変動処理が終了すると、次のステップS13に進む。
【0109】
ステップS13において、停止図柄判定手段230により、有効ライン86上の図柄61の組合せに対して所定の役の図柄61の組合せが揃っているか否かの入賞等の判定処理が行われる。ここで、入賞等の判定処理の判定結果のデータは、メイン制御手段200からサブ制御手段500へ送信される。そして、判定処理が終わると、次のステップS14に進む。
ステップS14において、払出制御手段240により、停止図柄判定手段230の判定結果に対応した払出処理等が行われる。なお、判定結果、払出が不要な場合には、払出処理は行われない。そして、当該処理が終了する。
【0110】
(
図14を用いたART通常状態の基本的な流れの説明)
図14に示すフローチャートに基づいて、ART通常状態中の遊技で実行する処理について説明する。
ステップS20において、スタートスイッチ40の操作が行われた後、役抽選手段210により、役抽選が行われる。また、このとき、役抽選の結果がメイン制御手段200からサブ制御手段500へ送信される。その後、次のステップS21に進む。
【0111】
ステップS21において、カウント手段260により、ART通常状態におけるATゲーム数カウンタの更新が行われる。具体的には、ART通常状態移行時に設定されたATゲーム数から、遊技が行われる毎に、カウント手段260のATゲーム数カウンタのカウント値が1ずつ減算される。その後、次のステップS22に進む。
ステップS22において、カウント手段260により、ART通常状態におけるATゲーム数が0ゲームより大きいか否かが判定される。ここで、カウント手段260により、ATゲーム数が0ゲームより大きいと判定されると、再度ステップS20に戻る。一方、カウント手段260により、ATゲーム数が0ゲームであると判定されると、結果がメイン制御手段200からサブ制御手段500へ送信され、継続抽選状態へ移行して当該処理を終了する。
【0112】
(
図15及び
図16を用いた継続抽選状態の基本的な流れの説明)
図15及び
図16に示すフローチャートに基づいて、継続抽選状態の遊技で実行する処理について説明する。
図15に示すように、ステップS30において、継続抽選状態移行時に予め定められた当該継続抽選状態におけるゲーム数(本実施の形態では10ゲーム)が固定値として付与され、カウント手段260により当該固定値が継続ゲーム数カウンタのカウント値として設定される。その後、次のステップS31に進む。
ステップS31において、AT継続抽選手段272により、第1継続抽選が行われる。その後、次のステップS32に進む。
【0113】
ステップS32において、AT制御手段270により、ステップS31で行われた第1継続抽選結果に基づいて、当該継続抽選状態におけるAT状態継続フラグの設定が行われる。すなわち、第1継続抽選に当選していた場合には、AT状態継続フラグがONに設定される。一方、第1継続抽選に非当選の場合には、AT状態継続フラグがOFFに設定される。その後、次のステップS33に進む。
ステップS33において、スタートスイッチ40の操作が行われた後、役抽選手段210により、役抽選が行われる。また、このとき、役抽選の結果がメイン制御手段200からサブ制御手段500へ送信される。その後、次のステップS34に進む。
【0114】
ステップS34において、AT制御手段270により、当該継続抽選状態におけるAT状態継続フラグがONであるか否かが判定される。ここで、AT制御手段270により、AT状態継続フラグがONであると判定されると、ステップS41に進む。一方、AT制御手段270により、AT状態継続フラグがONでない判定されると、次のステップS35に進む。
ステップS35において、ステップS33において行われた役抽選手段210による役抽選にて、チャンスリプレイに当選したか否かが判定される。ここで、役抽選手段210により、チャンスリプレイに当選したと判定されると、次のステップS36に進む。一方、役抽選手段210により、チャンスリプレイに当選していないと判定された場合には、ステップS39に進む。
なお、チャンスリプレイに当選した場合、遊技者が当選したことを認識できるよう報知する。
【0115】
ステップS36において、遊技状態書換手段280により、遊技者がストップスイッチ50の停止操作を第1操作態様で行ったか否かが判定される。ここで、遊技状態書換手段280により、遊技者がストップスイッチ50の停止操作を第1操作態様で行ったと判定されると、ステップS38に進む。一方、遊技状態書換手段280により、遊技者がストップスイッチ50の停止操作を第1操作態様で行っていないと判定された場合には、次のステップS37に進む。ここで、本実施の形態においては、「第1操作態様」とは、「右第1停止」でストップスイッチ50の停止操作を開始することを意味する。
【0116】
ステップS37において、第1特典付与手段291により特典カウンタが1つ加算され、当該加算された特典カウンタが第1特典付与手段291により記憶される。その後、ステップS39に進む。
ステップS38において、AT継続抽選手段272により、第2継続抽選が行われる。その後、ステップS40に進む。
ステップS39において、AT継続抽選手段272により、第1継続抽選が行われる。その後、次のステップS40に進む。
なお、「チャンスリプレイ」は、「右第一停止」でストップスイッチ50を操作した場合のみ入賞可能であり、かつ「チャンスリプレイ」は、ストップスイッチ50の操作タイミングによっては入賞させることができないものとし、入賞した場合のみ第2継続抽選が行われるようにしてもよい。また、チャンスリプレイが入賞しない場合は第2継続抽選を行い、入賞した場合は、AT状態継続フラグをONにするようにしてもよい。
【0117】
図16に示すように、ステップS40において、ステップS38又はステップS39において行われたAT継続抽選結果に基づいて、遊技状態書換手段280により、当該継続抽選状態におけるAT状態継続フラグの更新が行われる。すなわち、第1継続抽選又は第2継続抽選に当選した場合には、遊技状態書換手段280により、AT状態継続フラグがOFFからONへ更新される。その後、ステップS44に進む。なお、言うまでもないが、第1継続抽選又は第2継続抽選に非当選の場合には、AT状態継続フラグは更新されず、OFFのままである。
ステップS41において、ステップS33において行われた役抽選手段210による役抽選にて、チャンスリプレイに当選したか否かが判定される。ここで、役抽選手段210により、チャンスリプレイに当選したと判定されると、次のステップS42に進む。一方、役抽選手段210により、チャンスリプレイに当選していないと判定された場合には、ステップS44に進む。
なお、チャンスリプレイに当選した場合、遊技者が当選したことを認識できるよう報知する。
【0118】
ステップS42において、第1特典付与手段291により、遊技者がストップスイッチ50の停止操作を第2操作態様で行ったか否かが判定される。ここで、第1特典付与手段291により、遊技者がストップスイッチ50の停止操作を第2操作態様で行ったと判定されると、次のステップS43に進む。一方、第1特典付与手段291により、遊技者がストップスイッチ50の停止操作を第2操作態様で行っていないと判定された場合には、ステップS44に進む。
このとき、「第2操作態様」とは、本実施の形態においては「左第1停止」でストップスイッチ50の停止操作を開始することを意味する。
なお、「第1操作態様」と、「第2操作態様」とを異なる態様にしてもよい。すなわち、「第1操作態様」を「左第1停止」として、「第2操作態様」を「右第1停止」としてもよい。
また、役抽選にてチャンスリプレイに当選した場合において、「中第1停止」として遊技者がストップスイッチ50の停止操作を行った場合には、AT制御手段270により、次回の選択肢における「第1操作態様」及び「第2操作態様」を決定(たとえば、次回は「第1操作態様」が「左第1停止」となり、「第2操作態様」が「右第1停止」となる)するための抽選が行われる。
【0119】
ステップS43において、第1特典付与手段291により特典カウンタが1つ加算され、当該加算された特典カウンタが第1特典付与手段291により記憶される。その後、次のステップS44に進む。
ステップS44において、カウント手段260により、継続抽選状態移行時に設定された継続ゲーム数から、カウント手段260の継続ゲーム数カウンタのカウント値が1ずつ減算される。その後、次のステップS45に進む。
ステップS45において、カウント手段260により、継続抽選状態における継続ゲーム数が0ゲームより大きいか否かが判定される。ここで、カウント手段260により、継続ゲーム数が0ゲームより大きくないと判定されると、次のステップS46に進む。一方、カウント手段260により、継続ゲーム数が0ゲームより大きいと判定されると、再度ステップS33に戻る。
【0120】
ステップS46において、AT制御手段270により、AT状態を継続することが確定したか否かの判定が行われる。ここで、AT制御手段270により、AT状態を継続することが確定したと判定されると、ステップS48に進む。一方、AT制御手段270により、AT状態を継続することが確定していないと判定されると、次のステップS47に進む。
ステップS47において、第1特典付与手段291により、累積的に記憶している特典カウンタのカウント値のリセットを実行する。すなわち、第1特典付与手段291は、継続抽選状態においてAT状態非継続が確定した場合には、当該継続抽選状態で獲得したATゲーム数の上乗せのリセットを行う。その後、通常状態へ移行して当該処理を終了する。
ステップS48において、第1特典付与手段291により、累積的に記憶している特典カウンタのカウント値に基づいて、次回のART通常状態において付与されるATゲーム数の上乗せゲーム数が設定される。その後、ART通常状態へ移行して当該処理を終了する。
【0121】
(第2の実施形態)
以下、
図17、
図18及び
図19を用いて、本実施の形態に係る第2の実施形態を説明する。この第2の実施形態は、継続抽選状態においてAT状態の非継続が確定した場合には、特典カウンタがリセットされる第1の実施形態と異なり、特典カウンタのカウント値に応じた復活抽選が実行されることを特徴とする。そして、第1の実施形態と重複する部分は説明を省略し、第2の実施形態における特徴点を中心に説明する。
【0122】
(特典付与手段290)
特典付与手段290は、遊技者にとって有利な特典の付与を行うか否かの判断及び実行を行うものである。
ここで、本実施の形態における特典とは、「ATゲーム数の上乗せ」及び「復活抽選の実行」である。そして、この復活抽選は特典カウンタのカウント値に応じて実行される。具体的には、特典カウンタのカウント値が「1〜3」であれば、復活抽選の当選確率が「低」、「4〜6」であれば、復活抽選の当選確率が「中」、「7〜9」であれば、復活抽選の当選確率が「高」、「10以上」であれば、復活抽選の当選が「確定」となっている。なお、特典カウンタのカウント値の多少で復活抽選の当選確率を変動させずに、特典カウンタのカウント値の数だけ復活抽選を行ってもよい。
【0123】
図17に示すように、本実施の形態に係る特典付与手段290は、第1特典付与手段291と第2特典付与手段292とを備えている。そして、本実施の形態においては、第1特典付与手段291によりATゲーム数の上乗せを行うか否かの判断及び実行が行われ、一方、第2特典付与手段292により特典としての復活抽選が実行される。
また、特典付与手段290は、所定の契機に加算及び減算される特典カウンタを有している。そして、第1特典付与手段291は、所定の契機に、累積的に記憶している特典カウンタのカウント値に基づいて、ATゲーム数の上乗せを行う。また、第2特典付与手段292は、所定の契機に、累積的に記憶している特典カウンタのカウント値に基づいて、復活抽選を実行する。この第2特典付与手段292が実行する復活抽選の契機の詳細については後述する。
【0124】
(
図18及び
図19に示した継続抽選状態の基本的な流れの説明)
以下、
図18及び
図19に示すフローチャートに基づいて、第2の実施形態に係る継続抽選状態の遊技で実行する処理について説明する。なお、第1の実施形態と重複する部分は説明を省略し、第2の実施形態における特徴点を中心に説明する。
図18におけるステップS50〜S59の処理は、
図15におけるステップS30〜S39の処理と同様であり、
図19におけるステップS60〜S66の処理は、
図16におけるステップS40〜S46の処理と同様であることから説明を省略する。
【0125】
図19に示すように、ステップS67において、第2特典付与手段292により、特典カウンタが0より大きいか否かが判定される。ここで、第2特典付与手段292により、特典カウンタが0より大きいと判定されると、次のステップS68に進む。一方、第2特典付与手段292により、特典カウンタが0より大きくないと判定されると、通常状態へ移行して当該処理を終了する。
ステップS68において、第2特典付与手段292により、復活抽選が実行される。その後、ステップS69に進む。
ステップS69において、第2特典付与手段292により、ステップS68において実行された復活抽選に当選したか否かが判定される。ここで、第2特典付与手段292により、復活抽選に当選したと判定されると、ART通常状態へ移行して当該処理を終了する。一方、第2特典付与手段292により、復活抽選に当選していないと判定された場合には、通常状態へ移行して当該処理を終了する。
ステップS70において、第1特典付与手段291により、累積的に記憶している特典カウンタのカウント値に基づいて、次回のART通常状態において付与されるATゲーム数の上乗せゲーム数が設定される。その後、ART通常状態へ移行して当該処理を終了する。
【0126】
(第3の実施形態)
以下、
図17、
図20、
図21及び
図22を用いて、本実施の形態に係る第3の実施形態を説明する。この第3の実施形態は、継続抽選状態においてAT状態の非継続が確定した場合には、特典カウンタがリセットされる第1の実施形態と異なり、特典カウンタのカウント値に応じて、通常状態移行後に後述するチャンスゾーンが開始されることを特徴とする。そして、第1、第2の実施形態と重複する部分は説明を省略し、第3の実施形態における特徴点を中心に説明する。
【0127】
(
図20を用いた演出状態の説明)
図20に示すように、本実施の形態における演出状態は、「通常状態」と、「AT状態」、「ART状態」、「通常ボーナス状態」、「特殊ボーナス状態」とがある。
(通常状態)
本実施の形態における「通常状態」の演出状態としては、「通常一般状態」、「チャンスゾーン」、「ART前兆状態」とがある。
【0128】
(チャンスゾーン)
「チャンスゾーン」は、
図17に示す移行抽選手段271によるAT抽選が実行され、「AT状態」への移行を期待させる演出状態である。そして、この「チャンスゾーン」中に、移行抽選手段271によるAT抽選に当選して「AT状態」への移行が決定した場合には、「ART前兆状態」に移行し、「AT状態」への移行が決定しなかった場合には「通常一般状態」に移行する。なお、「通常一般状態」から「チャンスゾーン」へは、役抽選手段210による役抽選にて、所定の役に当選することが移行の条件となっている。
「チャンスゾーン」に移行すると、「通常一般状態」と比較して、「AT状態」への移行確率、すなわち、移行抽選手段271によるAT抽選の当選確率が高くなる。なお、「チャンスゾーン」では、「通常一般状態」と比較して、AT抽選の当選確率が向上することに変え、又はこれ加えて、AT抽選が行われる機会が多くなることとしてもよい。
ここで、本実施の形態におけるチャンスゾーンは、3つのモードを有している。具体的には、キャラクターAが登場してAT状態への移行の期待値が「中」のαモードと、キャラクターBが登場してAT状態への移行の期待値が「高」のβモードと、キャラクターCが登場してAT状態への移行が「確定」のγモードとを有している。なお、「通常一般状態」においては、AT状態への移行の期待値が「低」となっている。
【0129】
(特典付与手段290)
特典付与手段290は、遊技者にとって有利な特典の付与を行うか否かの判断及び実行を行うものである。
ここで、本実施の形態における特典とは、「ATゲーム数の上乗せ」及び「AT状態への移行確率の向上」である。すなわち、「AT状態への移行確率の向上」とは、AT状態の非継続が確定して通常状態へ移行した場合に、特典カウンタを有していれば、通常状態移行後に行われる演出状態がチャンスゾーンで開始されるというものである。そして、この通常状態移行後に行われる演出状態は特典カウンタのカウント値に応じて付与される。具体的には、特典カウンタのカウント値が「0」であれば、「通常一般状態」で遊技が開始され、「1〜3」であれば、チャンスゾーンのうち「αモード」で遊技が開始され、「4〜6」であれば、チャンスゾーンのうち「βモード」で遊技が開始され、「7以上」であれば、チャンスゾーンのうち「γモード」で遊技が開始されることとなっている。
【0130】
ここで、
図17に示すように、本実施の形態に係る特典付与手段290は、第1特典付与手段291と第2特典付与手段292とを備えている。そして、本実施の形態においては、第1特典付与手段291により、ATゲーム数の上乗せを行うか否かの判断及び実行が行われる。一方、本実施の形態においては、第2特典付与手段292により、特典カウンタのカウント値に基づいて、AT状態から通常状態移行後に開始されるチャンスゾーンのモードが決定される。
また、特典付与手段290は、所定の契機に加算及び減算される特典カウンタを有している。そして、第1特典付与手段291は、所定の契機に、累積的に記憶している特典カウンタのカウント値に基づいて、ATゲーム数の上乗せを行う。また、第2特典付与手段292は、所定の契機に、累積的に記憶している特典カウンタのカウント値に基づいて、AT状態から通常状態移行後に開始されるチャンスゾーンのモードを決定する。この第2特典付与手段292が行うAT状態から通常状態移行後に開始されるチャンスゾーンのモードの決定の契機の詳細については後述する。
【0131】
(
図21及び
図22に示した継続抽選状態の基本的な流れの説明)
以下、
図21及び
図22に示すフローチャートに基づいて、第3の実施形態に係る継続抽選状態の遊技で実行する処理について説明する。なお、第1、第2の実施形態と重複する部分は説明を省略し、第3の実施形態における特徴点を中心に説明する。
図21におけるステップS71〜S80の処理は、
図15におけるステップS30〜S39の処理と同様であり、
図22におけるステップS81〜S87の処理は、
図16におけるステップS40〜S46の処理と同様であることから説明を省略する。
【0132】
図22に示すように、ステップS88において、第2特典付与手段292により、累積的に記憶している特典カウンタのカウント値に基づいて、次回の通常状態に対する特典、すなわち、AT状態から通常状態移行後に開始されるチャンスゾーンのモードが決定される。その後、通常状態へ移行して当該処理を終了する。
ステップS89において、第1特典付与手段291により、累積的に記憶している特典カウンタのカウント値に基づいて、次回のART通常状態において付与されるATゲーム数の上乗せゲーム数が設定される。その後、ART通常状態へ移行して当該処理を終了する。
なお、チャンスゾーンのモードを1つとして、特典カウンタのカウント値に基づいて、チャンスモードへの移行しやすさを変更してもよいし、チャンスゾーンではなくAT状態移行の高確率状態を複数備え、特典カウンタのカウント値に基づいて、移行する高確率状態を変更したり、AT状態移行の高確率状態を1つとして、特典カウンタのカウント値に基づいて、高確率状態への移行しやすさを変更したりしてもよい。
【0133】
(第4の実施形態)
以下、
図23、
図24、
図25及び
図26を用いて、本実施の形態に係る第4の実施形態を説明する。この第4の実施形態は、第1、第2及び第3の実施形態と異なり、ART通常状態においても、特典カウンタを減算して通常行われる抽選よりも有利な抽選を行い得る機会を設けたことを特徴とする。そして、第1、第2及び第3の実施形態と重複する部分は説明を省略し、第4の実施形態における特徴点を中心に説明する。なお、本実施の形態におけるメイン制御手段200及びサブ制御手段500は
図23に示した構成を備えている。
【0134】
(メイン制御手段200)
図23に示すように、メイン制御手段200は、役抽選手段210、リール制御手段220、停止図柄判定手段230、払出制御手段240、遊技制御手段250、カウント手段260、AT制御手段270、遊技状態書換手段280、特典付与手段290、送信手段300、上乗せ抽選手段310の各手段を有する。各手段の詳細については後述する。なお、カウント手段260、AT制御手段270、遊技状態書換手段280、特典付与手段290及び上乗せ抽選手段310は、メイン制御手段200ではなく、サブ制御手段500が有しても良いし、又、メイン制御手段200とサブ制御手段500との両方に分けて有するようにしても良い。
【0135】
(上乗せ抽選手段310)
上乗せ抽選手段310は、ART通常状態におけるゲーム数の上乗せ、すなわち加算されるATゲーム数を抽選で決定するものである。
上乗せ抽選手段310は、抽選値と、所定範囲の整数値を繰り返してカウントするループカウンタを有する所定の乱数発生手段(乱数発生回路)が発生した乱数のうちから抽出した乱数とを比較して、所定回数の上乗せに当選したか否かを判定する。
そして、本実施の形態における上乗せ抽選手段310は、所定の契機に、「第1上乗せ抽選」を行う。詳細については後述する。
【0136】
(特典付与手段290)
特典付与手段290は、遊技者にとって有利な特典の付与を行うか否かの判断及び実行を行うものである。
ここで、本実施の形態における特典とは、「ATゲーム数の上乗せ」である。具体的には、この「ATゲーム数の上乗せ」は、上乗せ抽選手段310により行われる「第1上乗せ抽選」よりも上乗せ抽選の当選確率及び獲得可能なゲーム数が多い「第2上乗せ抽選」が行われることを意味する。
なお、「第2上乗せ抽選」が特許請求の範囲に記載されている「特典」に対応する。
【0137】
また、
図23に示すように、本実施の形態に係る特典付与手段290は、第1特典付与手段291を備えている。そして、本実施の形態においては、この第1特典付与手段291により、ATゲーム数の上乗せ、すなわち第2上乗せ抽選を行うか否かの判断及び実行を行っている。
第1特典付与手段291は、所定の契機に加算及び減算される特典カウンタを有している。そして、第1特典付与手段291は、所定の契機に、自ら累積的に記憶している特典カウンタのカウント値を用いて、第2上乗せ抽選を行う。
【0138】
ここで、「特典カウンタ」は、本実施の形態においては、ART通常状態及び継続抽選状態において、役抽選にて所定の役、たとえば、チャンスリプレイに当選すると第1特典付与手段291により加算される。そして、その獲得した特典カウンタは、第1特典付与手段291により累積的に記憶されていく。一方、特典カウンタは、本実施の形態においては、AT継続抽選手段272による第2継続抽選が行われた場合及び第1特典付与手段291による第2上乗せ抽選が行われる毎に1ずつ減算される。
具体的には、本実施の形態における特典カウンタは、チャンスリプレイに当選することで加算され、遊技者が第2継続抽選又は第2上乗せ抽選を受けることを選択、すなわち、遊技者が特典カウンタを使用する操作を行った場合に減算されることとなっている。
ここで、「特典カウンタを使用する操作」とは、たとえば、ストップスイッチ50の停止操作を予め定められた操作態様(右、中、左の順で停止操作)で行ったり、スタートスイッチ40を所定回数押下操作したりすることなどをいう。
【0139】
(カウント手段260)
本実施の形態に係るカウント手段260は、上記第1、第2及び第3の実施形態で示した構成に加えて、上乗せ抽選手段310又は第1特典付与手段291によりART通常状態のATゲーム数の上乗せが決定された場合は、当該決定されたゲーム数がATゲーム数カウンタに加算され、累積的に記憶されるように設定されている。
【0140】
(
図24を用いたART通常状態の基本的な流れの説明)
図24に示すフローチャートに基づいて、ART通常状態中の遊技で実行する処理について説明する。
ステップS90において、スタートスイッチ40の操作が行われた後、役抽選手段210により、役抽選が行われる。また、このとき、役抽選の結果がメイン制御手段200からサブ制御手段500へ送信される。その後、次のステップS91に進む。
ステップS91において、第1特典付与手段291により、特典カウンタが0より大きいか否かが判定される。ここで、第1特典付与手段291により、特典カウンタが0より大きいと判定されると、次のステップS92に進む。一方、第1特典付与手段291により、特典カウンタが0より大きくないと判定されると、ステップS95に進む。
なお、特典カウンタは、チャンスリプレイの当選により、加算され、遊技者により特典カウンタを使用する操作が行われると減算される。
また、特典カウンタのカウント値が1以上の場合には、遊技者がその旨を認識できるように報知することが望ましい。
【0141】
ステップS92において、第1特典付与手段291により、特典カウンタを使用する操作が遊技者により行われたか否かが判定される。ここで、第1特典付与手段291により、特典カウンタを使用する操作が遊技者により行われたと判定されると、次のステップS93に進む。一方、第1特典付与手段291により、特典カウンタを使用する操作が遊技者により行われていないと判定されると、ステップS95に進む。
ステップS93において、第1特典付与手段291により、累積的に記憶されている特典カウンタが1ずつ減算される。その後、次のステップS94に進む。
【0142】
ステップS94において、第1特典付与手段291により、第2上乗せ抽選が行われる。その後、ステップS96に進む。
ステップS95において、上乗せ抽選手段310により、第1上乗せ抽選が行われる。その後、次のステップS96に進む。
ステップS96において、ステップS94又はステップS95において行われた上乗せ抽選結果に基づいて、カウント手段260により、ATゲーム数カウンタの更新処理が行われる。すなわち、第1上乗せ抽選又は第2上乗せ抽選に当選した場合には、当該獲得したゲーム数がATゲーム数カウンタに加算される。その後、次のステップS97に進む。
【0143】
ステップS97において、カウント手段260により、ART通常状態におけるATゲーム数が0ゲームより大きいか否かが判定される。ここで、カウント手段260により、ATゲーム数が0ゲームより大きいと判定されると、再度ステップS90に戻る。一方、カウント手段260により、ATゲーム数が0ゲームより大きくないと判定されると、継続抽選状態へ移行して当該処理を終了する。
【0144】
(
図25及び
図26を用いた継続抽選状態の基本的な流れの説明)
図25及び
図26に示すフローチャートに基づいて、継続抽選状態中の遊技で実行する処理について説明する。なお、継続抽選状態においても、
図24を用いて説明したART通常状態と同様に、特典カウンタのカウント値が1以上の場合には、遊技者がその旨を認識できるように報知することが望ましい。
図25に示すように、ステップS100において、スタートスイッチ40の操作が行われた後、役抽選手段210により、役抽選が行われる。また、このとき、役抽選の結果がメイン制御手段200からサブ制御手段500へ送信される。その後、次のステップS101に進む。
【0145】
ステップS101において、AT制御手段270により、当該継続抽選状態におけるAT状態継続フラグがONであるか否かが判定される。ここで、AT制御手段270により、AT状態継続フラグがONであると判定されると、ステップS108に進む。一方、AT制御手段270により、AT状態継続フラグがONではないと判定されると、次のステップS102に進む。
ステップS102において、第1特典付与手段291により、特典カウンタが0より大きいか否かが判定される。ここで、第1特典付与手段291により、特典カウンタが0より大きいと判定されると、次のステップS103に進む。一方、第1特典付与手段291により、特典カウンタが0より大きくないと判定されると、ステップS106に進む。
【0146】
ステップS103において、遊技状態書換手段280により、特典カウンタを使用する操作が遊技者により行われたか否かが判定される。ここで、遊技状態書換手段280により、特典カウンタを使用する操作が遊技者により行われたと判定されると、次のステップS104に進む。一方、遊技状態書換手段280により、特典カウンタを使用する操作が遊技者により行われていないと判定されると、ステップS106に進む。
ステップS104において、第1特典付与手段291により、累積的に記憶されている特典カウンタが1ずつ減算される。その後、次のステップS105に進む。
【0147】
ステップS105において、AT継続抽選手段272により、第2継続抽選が行われる。その後、ステップS107に進む。
ステップS106において、AT継続抽選手段272により、第1継続抽選が行われる。その後、次のステップS107に進む。
図26に示すように、ステップS107において、ステップS105又はステップS106において行われたAT継続抽選結果に基づいて、遊技状態書換手段280により、当該継続抽選状態におけるAT状態継続フラグの更新が行われる。すなわち、第1継続抽選又は第2継続抽選に当選した場合には、遊技状態書換手段280により、AT状態継続フラグがOFFからONへ更新される。その後、ステップS114に進む。なお、言うまでもないが、第1継続抽選又は第2継続抽選に非当選の場合には、AT状態継続フラグは更新されず、OFFのままである。
ステップS108において、第1特典付与手段291により、特典カウンタが0より大きいか否かが判定される。ここで、第1特典付与手段291により、特典カウンタが0より大きいと判定されると、次のステップS109に進む。一方、第1特典付与手段291により、特典カウンタが0より大きくないと判定されると、ステップS112に進む。
【0148】
ステップS109において、第1特典付与手段291により、特典カウンタを使用する操作が遊技者により行われたか否かが判定される。ここで、第1特典付与手段291により、特典カウンタを使用する操作が遊技者により行われたと判定されると、次のステップS110に進む。一方、第1特典付与手段291により、特典カウンタを使用する操作が遊技者により行われていないと判定されると、ステップS112に進む。
ステップS110において、第1特典付与手段291により、累積的に記憶されている特典カウンタが1ずつ減算される。その後、次のステップS111に進む。
【0149】
ステップS111において、第1特典付与手段291により、第2上乗せ抽選が行われる。その後、ステップS113に進む。
ステップS112において、上乗せ抽選手段310により、第1上乗せ抽選が行われる。その後、次のステップS113に進む。
ステップS113において、ステップS111又はステップS112において行われた上乗せ抽選結果に基づいて、カウント手段260により、ATゲーム数カウンタの更新処理が行われる。すなわち、第1上乗せ抽選又は第2上乗せ抽選に当選した場合には、当該獲得したゲーム数がATゲーム数カウンタに加算される。その後、次のステップS114に進む。
【0150】
ステップS114において、カウント手段260により、継続抽選状態移行時に設定された継続ゲーム数から、カウント手段260の継続ゲーム数カウンタのカウント値が1ずつ減算される。その後、次のステップS115に進む。
ステップS115において、カウント手段260により、継続抽選状態における継続ゲーム数が0ゲームより大きいか否かが判定される。ここで、カウント手段260により、継続ゲーム数が0ゲームより大きくないと判定されると、次のステップS115に進む。一方、カウント手段260により、継続ゲーム数が0ゲームより大きいと判定されると、再度ステップS100に戻る。
ステップS116において、AT制御手段270により、AT状態を継続することが確定したか否かの判定が行われる。ここで、AT制御手段270により、AT状態を継続することが確定したと判定されると、ART通常状態へ移行して当該処理を終了する。一方、AT制御手段270により、AT状態を継続することが確定していないと判定されると、通常状態へ移行して当該処理を終了する。
なお、本実施の形態においても、通常状態への移行時に、特典カウンタのカウント値が1以上の場合には、第2及び第3の実施形態と同様の処理を行うことが可能である。
本実施の形態では、第1の実施形態乃至第3の実施形態と同様、継続抽選状態では、AT状態が継続するか否かを示唆する演出が行われている。そのため、遊技者は、当該継続抽選状態の演出(遊技進行結果)を確認しながら、第2継続抽選を行うのか、第2上乗せ抽選(特典)を行うのかを選択することができる。
つまり、演出が不利(AT状態継続の期待度小)である場合は、第2継続抽選を選択し、有利(AT状態継続の期待度大)である場合は、第2上乗せ抽選(特典)を選択するというように、現在行われている演出から今後の遊技進行結果を判断して選択を行うといった駆け引きが遊技性に入り込むことが可能となる。
なお、「特典カウンタを使用する操作」の操作態様は、第2上乗せ抽選を行う場合と第2継続抽選を行う場合とでは、異なる。
【0151】
(変形例)
以下、
図20、
図23、
図27、
図28及び
図29を用いて上記第1、第2、第3及び第4の実施形態に係る変形例を説明する。この変形例は、継続抽選状態ではなくART前兆状態において、特典カウンタを減算して遊技者にとって有利な抽選を行い得たり、特典カウンタのカウント値に応じて上乗せゲーム数が付与されたりするものである。そして、上記実施形態と重複する部分は説明を省略し、変形例における特徴点を中心に説明する。
【0152】
(遊技制御手段250)
図23に示す、遊技制御手段250は、遊技状態又は演出状態を制御するものである。
具体的には、本形態における遊技制御手段250は、
図29に示すように、大別すると、一般遊技制御手段251、内部当選中状態制御手段255、ボーナス遊技制御手段256及びART前兆状態制御手段257の各手段を有する。
【0153】
(ART前兆状態制御手段257)
ART前兆状態制御手段257は、「ART前兆状態」(
図20参照)を制御するものである。
ART前兆状態制御手段257は、ART前兆状態移行時に当該ART前兆状態が本前兆か又はガセ前兆かに応じて、当該ART前兆状態終了後においてART準備状態へ移行するか否かのフラグ(以下、「本前兆フラグ」という)をOFF又はONに設定する。そして、ART前兆状態制御手段257は、ART前兆状態におけるゲーム数(本形態では10ゲーム)消化後に本前兆フラグがONであると判定した場合には、演出状態をART準備状態へ移行させる。なお、ART前兆状態移行後における当初の本前兆フラグは、AT抽選に当選したゲームにおける役抽選結果に基づいても、ART前兆状態移行時にフラグ決定抽選を行い、その抽選結果に基づいてもよい。また、「通常一般状態」や「チャンスゾーン」等のART前兆状態へ移行する前の演出状態に基づいて、ART前兆状態移行後における当初の本前兆フラグを決定してもよい。
【0154】
(遊技状態書換手段280)
図23に示す、遊技状態書換手段280は、ART前兆状態中の所定の契機に、ストップスイッチ50の操作態様に応じて、予め取得された遊技進行結果の書き換えを行うか否かの判断及び実行を行うものである。
具体的には、遊技状態書換手段280は、当該ART前兆状態がガセ前兆であっても、当該ART前兆状態移行後の遊技中に遊技状態書換手段280により行われる書換抽選に当選した場合には、ガセ前兆から本前兆へと演出状態の書き換えを行う。すなわち、ART前兆状態移行時における本前兆フラグがOFFであっても、遊技状態書換手段280により行われる書換抽選に当選した場合には、本前兆フラグがONとなり、ART準備状態への移行が決定する。
【0155】
(
図27及び
図28を用いたART前兆状態の基本的な流れの説明)
図27及び
図28に示すフローチャートに基づいて、ART前兆状態中の遊技で実行する処理について説明する。
図27に示すように、ステップS120において、スタートスイッチ40の操作が行われた後、役抽選手段210により、役抽選が行われる。また、このとき、役抽選の結果がメイン制御手段200からサブ制御手段500へ送信される。その後、次のステップS121に進む。
【0156】
ステップS121において、ART前兆状態制御手段257により、当該ART前兆状態における本前兆フラグがONであるか否かが判定される。ここで、ART前兆状態制御手段257により、本前兆フラグがONであると判定されると、ステップS127に進む。一方、ART前兆状態制御手段257により、本前兆フラグがONでないと判定されると、次のステップS122に進む。
ステップS122において、ステップS120において行われた役抽選手段210による役抽選にて、チャンスリプレイに当選したか否かが判定される。ここで、役抽選手段210により、チャンスリプレイに当選したと判定されると、次のステップS123に進む。一方、役抽選手段210により、チャンスリプレイに当選していないと判定された場合には、ステップS126に進む。
なお、チャンスリプレイに当選した場合、遊技者が当選したことを認識できるよう報知する。
【0157】
ステップS123において、遊技状態書換手段280により、遊技者がストップスイッチ50の停止操作を第1操作態様で行ったか否かが判定される。ここで、遊技状態書換手段280により、遊技者がストップスイッチ50の停止操作を第1操作態様で行ったと判定されると、ステップS125に進む。一方、遊技状態書換手段280により、遊技者がストップスイッチ50の停止操作を第1操作態様で行っていないと判定された場合には、次のステップS124に進む。
ステップS124において、第1特典付与手段291により特典カウンタが1つ加算され、当該加算された特典カウンタが第1特典付与手段291により記憶される。その後、ステップS126に進む。
ステップS125において、遊技状態書換手段280により、書換抽選が行われる。その後、次のステップS126に進む。
【0158】
図28に示すように、ステップS126において、ステップS125において行われた書換抽選結果に基づいて、遊技状態書換手段280により、当該ART前兆状態における本前兆フラグの更新が行われる。すなわち、書換抽選に当選した場合には、遊技状態書換手段280により、本前兆フラグがOFFからONへ更新される。その後、ステップS130に進む。なお、言うまでもないが、書換抽選に非当選の場合には、本前兆フラグは更新されず、OFFのままである。
ステップS127において、ステップS120において行われた役抽選手段210による役抽選にて、チャンスリプレイに当選したか否かが判定される。ここで、役抽選手段210により、チャンスリプレイに当選したと判定されると、次のステップS128に進む。一方、役抽選手段210により、チャンスリプレイに当選していないと判定された場合には、ステップS130に進む。
なお、チャンスリプレイに当選した場合、遊技者が当選したことを認識できるよう報知する。
【0159】
ステップS128において、第1特典付与手段291により、遊技者がストップスイッチ50の停止操作を第2操作態様で行ったか否かが判定される。ここで、第1特典付与手段291により、遊技者がストップスイッチ50の停止操作を第2操作態様で行ったと判定されると、次のステップS129に進む。一方、第1特典付与手段291により、遊技者がストップスイッチ50の停止操作を第2操作態様で行っていないと判定された場合には、ステップS130に進む。
ステップS129において、第1特典付与手段291により特典カウンタが1つ加算され、当該加算された特典カウンタが第1特典付与手段291により記憶される。その後、次のステップS130に進む。
ステップS130において、カウント手段260により、ART前兆状態移行時に設定されたゲーム数から、カウント手段260のART前兆状態におけるゲーム数に対応したゲーム数カウンタのカウント値が1ずつ減算される。その後、次のステップS131に進む。
ステップS131において、カウント手段260により、ART前兆状態におけるゲーム数が0ゲームより大きいか否かが判定される。ここで、カウント手段260により、ART前兆状態におけるゲーム数が0ゲームより大きくないと判定されると、次のステップS132に進む。一方、カウント手段260により、ART前兆状態におけるゲーム数が0ゲームより大きいと判定されると、再度ステップS120に戻る。
【0160】
ステップS132において、ART前兆状態制御手段257により、ART準備状態への移行が確定したか否かの判定が行われる。ここで、ART前兆状態制御手段257により、ART準備状態への移行が確定したと判定されると、ステップS134に進む。一方、ART前兆状態制御手段257により、ART準備状態への移行が確定していないと判定されると、次のステップS133に進む。
ステップS133において、第1特典付与手段291により、累積的に記憶している特典カウンタのカウント値のリセットを実行する。すなわち、第1特典付与手段291は、ART前兆状態においてART準備状態への移行が確定しない場合には、当該ART前兆状態で獲得したATゲーム数の上乗せのリセットを行う。その後、通常一般状態へ移行して当該処理を終了する。
本形態では、第1の実施形態乃至第4の実施形態と同様、ART前兆状態では、ART状態に移行するか否かを示唆する演出が行われている。そのため、遊技者は、当該ART前兆状態の演出(遊技進行結果)を確認しながら、書換抽選を行うのか、特典を獲得するのかを選択することができる。
つまり、演出が不利(ガセ前兆)である場合は、書換抽選を選択し、有利(本前兆)である場合は、特典付与を選択するというように、現在行われている演出から今後の遊技進行結果を判断して選択を行うといった駆け引きが遊技性に入り込むことが可能となる。
【0161】
なお、ステップS133における処理は上記のものに限られない。たとえば、上記第2及び第3の実施形態のように第2特典付与手段292をさらに設けて、特典カウンタのカウント値に基づいて、AT状態への移行をかけての復活抽選を行っても(
図19、S67参照)、ART前兆状態の終了後に、チャンスゾーンへ移行することを決定(
図22、S87参照)してもよい。
ステップS134において、第1特典付与手段291により、累積的に記憶している特典カウンタのカウント値に基づいて、移行後のART準備状態から移行するART通常状態において付与されるATゲーム数の上乗せゲーム数が設定される。その後、ART準備状態へ移行して当該処理を終了する。
なお、本形態で示した「ART前兆状態」における構成については、上記のように個別でも実現可能であるとともに、上記実施形態に示した「継続抽選状態」の構成と本形態における「ART前兆状態」の構成とを組み合わせて実現するなど、各実施の形態を組合せたり、一部変形をして組合せたりすることも可能である。
【0162】
(総括)
上記の第1、第2、第3及び第4の実施形態は、継続抽選状態中の所定の契機にストップスイッチ50の操作態様に応じて、通常よりも有利な条件の抽選を行うことを決定する遊技状態書換手段280と、継続抽選状態中の所定の契機にストップスイッチ50の操作態様に応じて、遊技者にとって有利な特典を付与する特典付与手段290とを備えている。
具体的には、遊技状態書換手段280は、継続抽選状態において、継続抽選状態移行時におけるAT状態継続フラグがOFFであっても、役抽選にて所定の役、たとえば、チャンスリプレイに当選し、かつ、第1操作態様でストップスイッチ50が停止操作されたと判定した場合には、AT状態の継続が高確率で当選する第2継続抽選の実行を決定する。そして、遊技状態書換手段280は、第2継続抽選に当選した場合には、AT状態継続フラグをOFFからONに書き換える。その結果、AT状態の継続が確定する。一方、遊技状態書換手段280により、第1操作態様でストップスイッチ50が停止操作されていないと判定された場合であっても、特典付与手段290によってATゲーム数の上乗せ等の特典が付与される。
そのため、当初はAT状態の継続が確定していないと遊技者が判定した場合でも、自らの操作態様によりAT状態の継続の確定や、ATゲーム数の上乗せ等を獲得できるため、遊技者の関心を維持することができ、期待感あふれる遊技とすることができる。
具体的には、継続抽選状態では、AT状態の継続を示唆する演出が行われるため、遊技者は、当該演出がAT状態の継続が確定していると判定すれば、第2操作態様でストップスイッチ50を停止操作して特典カウンタを獲得でき、一方、当該演出がAT状態の継続が確定していないと判定すれば、第1操作態様でストップスイッチ50を停止操作して第2継続抽選を受けることを選択できる。そのため、遊技者に現在、AT状態の継続が確定しているか否かを判定させた上で、ストップスイッチ50の操作態様を決定させることができるため、遊技の幅が広がり、興趣を高めることができる。
【0163】
また、特典付与手段290は、継続抽選状態において、継続抽選状態移行時におけるAT状態継続フラグがONであっても、役抽選にて所定の役、たとえば、チャンスリプレイに当選し、かつ、第2操作態様でストップスイッチ50が停止操作されたと判定した場合には、遊技者にATゲーム数の上乗せ等の特典の付与を行う。
そのため、遊技者はさらなる利益を獲得しようと試みることで一層、遊技者の好奇心を刺激できるため、遊技者の興味を維持でき、期待感あふれる遊技とすることができる。
【0164】
さらに、特典付与手段290は、継続抽選状態において、最終的にAT状態継続フラグがOFF、すなわち、AT状態の非継続が確定しており、かつ、特典カウンタを有する場合に、様々な利益又は不利益を遊技者に与えることができる。
遊技者に利益と与える場合としては、特典付与手段290が備える第2特典付与手段292により特典カウンタのカウント値に応じて、復活抽選の実行や通常状態移行後にチャンスゾーンが開始されるといったものである。
そのため、遊技者に利益となる場合、すなわち復活抽選の実行や通常状態移行後にチャンスゾーンが開始される場合には、AT状態が終了しても次回のAT状態へのチャンスが獲得できるため、遊技者の興味を維持することができ、興趣を高めることができる。
一方、遊技者に不利益と与える場合としては、特典付与手段290が備える第1特典付与手段291により特典カウンタのリセットが行われることで、付与され得たATゲーム数の上乗せがなくなるといったものである。
そのため、遊技者に不利益となる場合、すなわちATゲーム数の上乗せがリセットされる場合にはAT状態を継続させることでそれを回避すべく、遊技者に継続抽選状態中の遊技進行に一喜一憂させることができるため、継続抽選状態に対する遊技者の興味を維持でき、期待や関心を継続することができる。
【0165】
また、上記の第4の実施形態では、遊技者に特典カウンタの使用可否の判断を行わせることができる抽選、すなわち、AT継続抽選手段272が行う第2継続抽選と、第1特典付与手段291が行う第2上乗せ抽選との2種類が設けられている。これらの抽選は、通常行われる第1継続抽選及び第1上乗せ抽選と比べて、AT継続抽選の当選確率が高い、上乗せゲーム数を多く獲得できる、などといった「通常よりも有利な抽選」である。さらに、第1、第2及び第3の実施形態と異なり、継続抽選状態に加えてART通常状態においても遊技者に特典カウンタの使用可否の判断を行わせることができる抽選、具体的には、第2上乗せ抽選が設けられている。
そのため、遊技者にとっては、特典カウンタを減算して通常よりも有利な抽選が受けられる機会が増えたこととなり、「現在の特典カウンタをART通常状態又は継続抽選状態のどちらで使用するのが得策なのか」等のように、遊技者を選択させることができるので、遊技者の興味を維持でき、期待感あふれる遊技とすることができる。
【0166】
さらに、本発明は、上記の第1、第2、第3及び第4の実施形態と変形例とを組み合わせること、すなわち、継続抽選状態とともに、又はこれに加えてART前兆状態においても適用可能である。そのため、遊技内容を変化に富んだものにすることができ、遊技が単調となることを避けることができて飽きさせずに興味を維持させることができる。
なお、上記の実施の形態又は変形例では、特典カウンタは所定の契機に「1」加算されることとしたが、所定の重複当選グループ(
図10参照)によって特典カウンタの加算数を変化させることとしてもよい。たとえば、CRP1〜3では、特典カウンタが「1」加算、CRP4〜6では、特典カウンタが「2」加算、CRP7、8では、特典カウンタが「3」加算されることとしてもよい。
なお、第2継続抽選の当選確率を所定の重複当選グループ(
図10参照)によって変化させてもよい。たとえば、CRP1〜4では、第2継続抽選、すなわち、AT継続抽選の当選確率が「高」、CRP4〜8では、第2継続抽選、すなわち、AT継続抽選の当選が「確定」、などとしてもよい。
【0167】
なお、ART前兆状態及び継続抽選状態において、表示装置84上に制限時間等を表示させることとし、本前兆フラグ又はAT状態継続フラグがOFFとONの場合とで時間の経過等を変化させ、遊技者に現在の演出状態が本前兆若しくはガセ前兆又はAT状態の継続若しくはAT状態の非継続であることを示唆することとしてもよい。
なお、第2の実施形態において、第2特典付与手段292により付与される特典は、「復活抽選の実行」に限られず、特典カウンタのカウント値に応じて、「継続ゲーム数」を付与し、継続抽選状態を再開させることとしてもよい。
なお、第3の実施形態において、第2特典付与手段292により付与される特典は、「AT状態への移行確率の向上」に限られない。たとえば、所定のゲーム数の間は、所定の重複当選グループ(
図10参照)のうち、特典カウンタが「2」以上加算されるCRP4〜8の当選確率を向上させることとしてもよい。
なお、第4の実施形態において、遊技者の操作態様により特典カウンタを「2」以上減算させることを可能とし、特典カウンタを「2」減算した場合には、第2上乗せ抽選に加えて、第1上乗せ抽選を受けられることとしてもよい。