(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ロータヨークは、前記側壁部の一方側の端部から前記天面部の外周部に繋がり、前記天面部側ほど前記側壁部の前記開口から離れるように傾斜する傾斜部を備えている請求項1に記載のロータ。
前記シャフトの表面から径方向内側に位置する前記平面部の前記シャフト側端部までの幅と、径方向内側の前記平面部の前記シャフト側端部から前記傾斜接続部の径方向の中間位置までの幅と、前記傾斜接続部の径方向の中間位置から径方向外側の前記平面部の外周部までの幅と、がほぼ等しい請求項1又は2に記載のロータ。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という)を、添付図面に基づいて詳細に説明する。
なお、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号を付している。
【0018】
図1は、本発明に係る実施形態のロータ10を備えたファン装置1の断面図であり、以下、このファン装置1の説明と併せて本発明に係る実施形態のロータ10についても説明を行う。
【0019】
図1では、遠心ファンであるファン装置1の場合を示しているが、本発明に係るファン装置1は、遠心ファンに限定される必要はなく、例えば、軸流ファンであってもよい。
図1に示すように、ファン装置1は、ロータ10と、ステータ20と、インペラ30と、ケース40と、を備えている。
【0020】
ケース40は、中央に空気を吸込むための開口41aを有する上ケース41と、上ケース41と離間して設けられる下ケース42と、を備え、上ケース41と下ケース42の離間している部分にインペラ30が配置されている。
【0021】
そして、インペラ30がロータ10によって回転することで開口41aから空気が吸い込まれ、吸込まれた空気は、上ケース41と下ケース42の間の離間している部分から横方向に排出される。
【0022】
また、下ケース42の中央には、軸受ハウジング43が固定されており、この軸受ハウジング43の外周にステータ20が設けられている。
なお、下ケース42と軸受ハウジング43を別部品として下ケース42に軸受ハウジング43を取付けるようにしてもよいが、軸受ハウジング43をインサート部材としてインサート成形で下ケース42と一体にするようにしてもよく、また、射出成形などではじめから下ケース42と軸受ハウジング43を一体成形するようにしてもよい。
【0023】
一方、ロータ10は、シャフト11と、シャフト11の外周面のうち軸方向における一方側に固定されているブッシュ12と、ブッシュ12の外周面に固定され、シャフト11の外周面の一部を覆うカップ状のロータヨーク13と、ロータヨーク13の内側に固定されているロータマグネット14と、を含んでいる。
【0024】
そして、ステータ20がカップ状のロータヨーク13の内側に位置するようにし、シャフト11が軸受ハウジング43に設けられた一対の軸受43a、43bに回転可能に支持されることで、ステータ20に対してロータ10が回転可能になっている。
【0025】
また、ロータヨーク13の外周にインペラ30が位置するように、ロータヨーク13のフランジ部13aにインペラ30が図示しないカシメ構造でカシメ固定されている。
なお、ロータヨーク13に対するインペラ30の固定はカシメ固定に限定される必要はなく、接着固定やネジ固定など適宜の固定方法で固定を行うようにしてもよい。
【0026】
図2は、ロータ10とインペラ30だけを図示した断面図である。
図2に示すように、ロータヨーク13は、シャフト11の軸方向にほぼ平行に設けられる円筒状の側壁部131と、側壁部131の一方側(図上側)に設けられ、中央に孔13bを有する円形状の外径の天面部132と、側壁部131の一方側(図上側)の端部から天面部132の外周部に繋がり、天面部132側ほど側壁部131の開口13cから離れるように傾斜する傾斜部133と、を備えている。
【0027】
なお、傾斜部133を設けないで、側壁部131を一方側(図上側)に長くして、側壁部131を一方側(図上側)の端部と天面部132を直接つなげるようにしてもよいが、そのようにするとインペラ30の開口31とロータヨーク13との間の隙間が狭くなる。
そうすると、インペラ30への空気の取込が行い難くなることから、本実施形態のように傾斜部133を設けるようにするのが好適である。
【0028】
一方、ロータヨーク13内にステータ20(図示せず)が配置されることを考えると、傾斜部133の傾斜角度を小さくすることが難しい。
このため、傾斜部133を延長するようにして傾斜部133がブッシュ12に固定されるようにすることも可能であるが、そうすると、天面部132を設ける場合に比べ、ロータヨーク13がシャフト11の軸方向に長いものとなってしまいファン装置1が大型化してしまうため好ましくない。
したがって、ロータヨーク13は、側壁部131、天面部132及び傾斜部133を備えるものが好ましい。
【0029】
また、天面部132は、シャフト11の軸方向にほぼ直交する複数の円環状の平面部132a、132bと、その複数の平面部132a、132bの間を繋ぐ傾斜接続部132cと、を備えており、平面部132a、132b及び傾斜接続部132cからなる天面部132は段差形状になっている。
【0030】
より具体的には、天面部132は、平面部132a、132bが、シャフト11に近い側ほど側壁部131の他方側(図下側)の開口13cから離れる側に位置するとともに、径方向内側に位置する平面部132aに向かって側壁部131の開口13cから離れるように傾斜している傾斜接続部132cが、径方向外側に位置する平面部132bの内周部から径方向内側に位置する平面部132aの外周部を繋ぐ構成になっている。
【0031】
ただし、天面部132に設けられる平面部の数は、本実施形態のように、2つに限定される必要はなく、天面部132の径方向の大きさに応じて多くしてもよい。
また、平面部132a、132bの間を繋ぐ部分は、本実施形態のように、傾斜した傾斜接続部132cとする必要はなく、例えば、
図7に示すように、平面部132aの外周部の径方向の位置と平面部132bの内周部の径方向の位置を合わせるようにして、平面部132aと平面部132bとの間をシャフト11の軸方向にほぼ平行に延びる接続部132dで接続するようにしてもよい。
【0032】
図3を参照しながら、以上のようなロータヨーク13の形状とすることでロータヨーク13の振動が抑制できることについて説明する。
図3は、本実施形態のロータヨーク13の場合と比較を行うための断面図である。
【0033】
図3に示すロータヨーク15は、先に示した従来技術のロータヨーク(金属製ハブ)と同じ構造の場合を示しており、側壁部151、天面部152及び傾斜部153を備える点では、本実施形態のロータヨーク13と同じである。
【0034】
しかしながら、
図3に示すロータヨーク15は、天面部152が1つの平面部で構成されており、本実施形態のロータヨーク13のように複数の平面部132a、132bを設け、平面部132bよりも平面部132aを側壁部131の開口13cから離れる側に位置させるようにした段差形状でない点が異なる。
なお、
図2と
図3は、ロータヨークの形状以外の点では同じである。
【0035】
ここで、
図3に示すインペラ30を回転させるようにロータ110を回転させると、インペラ30が送り出す空気やインペラ30の重量などの関係から、回転軸方向(図上下方向)で見た位置で、インペラ30のほぼ中央の位置に、矢印Aで示すように、遠心力のために回転軸に直交する方向の力がかかることになる。
【0036】
そして、ロータヨーク15の側壁部151に対しては、
図3に矢印Aで示すとおり、その力は、主に回転軸に直交する方向だけの力として作用するが、側壁部151が回転軸に直交する方向に引っ張られる力は、傾斜部153及び天面部152に対しては、力のかかる方向が、そのままの状態で伝達されず、回転軸方向の力の成分も有する状態で傾斜部153及び天面部152に対して伝達される。
【0037】
そして、最も回転軸方向の力が強く作用するのは、その力の方向に直交する平面になっている天面部152の部分に対してであり、取付精度の影響で触れ回りがある場合には、天面部152を振動させるような不規則な回転軸方向の力が加わることになり、この結果、ロータヨーク15自体が振動を起こすことになる。
【0038】
一方、
図2を参照して説明した本実施形態のロータヨーク13の天面部132のように、段差構造である場合には、回転軸方向の力に対して曲げ強度が高くなる構造となっているため、振動の発生も抑制されることになる。
この結果、ロータヨーク13の振動の発生源となる天面部132での振動の発生が抑制されるため、ロータヨーク13自体の振動を抑制することができる。
【0039】
ところで、段差構造を設けていない場合と段差を設けた場合とを比較すれば、段差を設ける位置などに関わらず、段差を設ける構造とした方が振動を抑えられるものと考えられる。
しかしながら、段差を設ける位置を適切な位置にすることで、より一層の振動抑制効果が得られるものと考えられる。
【0040】
そこで、計算機シミュレーションによって、適切な段差を設ける位置を調べたので、その結果について以下説明する。
図4は、平面部132a、132bの幅と振動との関係を調べる計算機シミュレーションの内容を説明するための図である。
図4(a)は計算条件を説明するためのロータ10の断面図であり、
図4(b)は計算機シミュレーションの結果を示す表である。
【0041】
図4(a)に示すように、ロータヨーク13の天面部132において、平面部132a、132bの幅を変えるようにして振動の発生状態がどのように変わるのかについて確認する計算機シミュレーションを行った。
【0042】
具体的には、
図4(a)の径方向外側の平面部132bの外周部の位置を固定とし、また、天面部132の中央の孔13bの直径を固定とした上で、平面部132aと平面部132bの径方向の幅を変更した3つのパターンについて振動状態を求めることを行っている。
なお、3つのパターンのいずれの場合でも傾斜接続部132cは同じ形状とし、振動状態はファン装置1の状態における振動状態である。
【0043】
図4(b)の(1)に示す1つ目のパターンは、
図4(a)に示す天面部132の全体幅D1を9としたときに、幅aと幅bが、それぞれ3と6となるように平面部132bの幅を小さくし、一方、平面部132aの幅を大きくしたものである。
なお、平面部132b側の幅aと平面部132a側の幅bとの境目は、傾斜接続部132cの中間位置としている。
【0044】
図4(b)の(2)に示す2つ目のパターンは、幅aと幅bが、それぞれ4.5と4.5となるように平面部132aの幅と平面部132bの幅を等しくしたものである。
そして、
図4(b)の(3)に示す3つ目のパターンは、幅aと幅bが、それぞれ6と3となるように平面部132bの幅を大きくし、一方、平面部132aの幅を小さくしたものである。
【0045】
つまり、(2)の幅aと幅bの比が1:1となる場合を基準に、幅aと幅bの比が1:2((1)の条件)の場合と2:1((3)の条件)の場合を比較できるようにしている。
なお、振動は揺れに伴う加減速の状態として示されるため、計算機シミュレーションにおける加速度が大きいほど振動が激しく、加速度が小さいほど振動が小さいことを意味する。
【0046】
図4(b)に示すように、(1)、(2)及び(3)のそれぞれの条件の加速度(振動)は、1.2m/s
2、0.8m/s
2及び1.2m/s
2になっており、幅aと幅bとが等しい場合、つまり、平面部132aと平面部132bの径方向の幅を等しくし、径方向内側の平面部132aのシャフト11側端部である天面部132の孔13bの縁部から傾斜接続部132cの径方向の中間位置までの幅bと傾斜接続部132cの径方向の中間位置から径方向外側の平面部132bの外周部までの幅aが等しい場合が最も振動が抑制されている結果になっている。
【0047】
これは、回転軸方向の力の影響を受けやすい平面部132a、132bの幅を双方ともに最も小さくできるのが平面部132aと平面部132bの幅を等しくすることができるときであるためであると考えられる。
つまり、(1)の条件では、平面部132bの幅は小さくなるものの、平面部132aの幅が大きくなり、逆に、(3)の条件では、平面部132aの幅は小さくできるものの、平面部132bの幅が大きくなるため、この幅が大きくなる平面部が振動の要因となっているものと考えられる。
【0048】
このことから、本実施形態のように、2つの平面部132a、132bに限らず、より多くの平面部を設けるようにする場合にも、それぞれの平面部の幅を均一に小さくできることが好ましいと考えられることから、より多くの平面部を設ける場合であっても、それら平面部の幅は、ほぼ等しい幅にすることが好ましいと考えられる。
つまり、2つ以上設けられる複数の平面部における各々の外周縁と内周縁との距離がほぼ等しいことが好ましい。
【0049】
一方、ロータヨーク13内に配置されるステータ20(図示せず)の関係で平面部132bの外周部を、よりシャフト11側に近づけることは難しいものの、天面部132の孔13bを大きくすることで天面部132自体の幅を小さくすることが可能である。
そこで、そのようにすることで振動の抑制効果が得られるのかについても計算機シミュレーションを行ったので、その結果について、
図5を参照しながら説明する。
【0050】
図5は、天面部132の中央の孔13bの直径の変化と振動との関係を調べる計算機シミュレーションの内容を説明するための図である。
図5(a)は計算条件を説明するためのロータ10の断面図であり、
図5(b)は計算機シミュレーションの結果を示す表である。
【0051】
先ほどの計算機シミュレーションと同様に、径方向外側の平面部132bの外周部の位置を固定としており、その上で、孔13bの直径を変えるようにして振動状態の変化を確認する計算機シミュレーションになっている。
先ほどの結果から、振動を抑制するためには、平面部132a、132bの幅は、等しいことが有利であることがわかっているので、本計算機シミュレーションでは、3つのパターンのいずれにおいても幅aと幅bが同じ幅になるようにしている。
なお、3つのパターンのいずれの場合でも傾斜接続部132cは同じ形状とし、振動状態はファン装置1の状態における振動状態である。
【0052】
したがって、
図5(b)の(1)に示す1つ目のパターンは、
図5(a)に示すシャフト11の表面から平面部132bの外周部、つまり、天面部132の最外部までの全体幅D2を13.5としたときに、シャフト11の表面から径方向内側に位置する平面部132aのシャフト11側端部までの幅cを3.5とした上で、幅a及び幅bを同じ幅である5としたものになっている。
【0053】
同様に、
図5(b)の(2)に示す2つ目のパターンは、幅cを(1)の条件より大きめの4.5とした上で幅a及び幅bを同じ幅である4.5としている。
さらに、
図5(b)の(3)に示す3つ目のパターンでは、幅cを(2)の条件より大きめの5.5とした上で幅a及び幅bを同じ幅である4としている。
【0054】
図5(b)に示すように、(1)と(2)の条件での加速度(振動)の状態を見ると、(1)の条件では加速度(振動)が1.1m/s
2であるのに対して(2)の条件では加速度(振動)が0.8m/s
2になっており、天面部132の孔13bの直径を大きくし、幅cを大きくした場合、つまり、天面部132の幅である幅aと幅bとを足した幅が小さく、平面部132a、132bの幅が小さい方が振動抑制に効果的であることが伺える。
【0055】
しかしながら、(2)と(3)の条件での加速度(振動)の状態を見ると、(3)の条件での加速度(振動)が1.0m/s
2になっており、(2)の条件のときよりも大きいことから、天面部132の孔13bの直径が大きくなりすぎると、平面部132a、132bの幅自体は小さくなっているにも関わらず、振動抑制の効果が得られなくなっていく傾向があることがわかる。
【0056】
これは、天面部132の孔13bを大きくすると、複雑な形状であるブッシュ12が大型化することによるものと思われ、総合的に見ると、幅a、b及びcのいずれもがほぼ同じ幅になっている状態が振動抑制の点で見て好適なものになっている。
【0057】
したがって、シャフト11の表面から径方向内側に位置する平面部132aのシャフト11側端部までの幅cと、径方向内側の平面部132aのシャフト11側端部から傾斜接続部132cの径方向の中間位置までの幅bと、傾斜接続部132cの径方向の中間位置から径方向外側の平面部132bの外周部までの幅aと、がほぼ等しいことが振動抑制の点では好ましいと考えられる。
【0058】
以上のような結果を踏まえて、天面部132に段差構造を設けたものと段差構造を設けていないものとを作製し、ファン装置における振動を測定する実験を行った結果について以下で説明する。
【0059】
図6は、比較例のファン装置と実施例のファン装置1のロータヨークFの違いを説明するためのロータの断面図である。
図6に示すように、実施例のファン装置1のロータヨークFは天面部が実線で示すように段差構造になっており、比較例のファン装置のロータヨークFは、その段差構造を点線で示すようにして段差構造がない天面部の状態になっている。
そして、実施例の天面部132の幅はH1とされ、比較例の天面部の幅はH2とされており、
図6を見るとわかるように、天面部の幅で見れば、実施例の方が幅が広くなっているが段差構造とすることで平面部となる部分で見れば、実施例の方は2つの平面部に分割された状態になっているため、個別の平面部の幅で見れば、実施例の方が大幅に幅が削減されたものになっている。
【0060】
そして、このようなロータヨークF以外の点については、同じ構成として比較例用のファン装置と実施例用のファン装置1を作製し、振動状態を測定したところ、比較例のファン装置では加速度(振動)が3.6m/S
2であったが、実施例のファン装置1では加速度(振動)が0.5m/S
2まで低減されていることが確認できた。
【0061】
一方、
図3に示す従来の構造と比較して、
図2に示すように段差構造を設けるようにすると、インペラ30の開口31とロータヨーク13との間の隙間を大きくとることができることから、空気の吸込み口が大きくなり、排風量を増加する効果も得られる。
【0062】
ところで、
図3を参照して説明したように、天面部152に対して回転軸方向の力がかかることが振動の要因と考えられることから、天面部152に対して回転軸方向の力が加わり難くすることが、より好ましいと考えられる。
【0063】
そのためには、
図3を参照して説明すると、天面部152のシャフト11の軸方向で見た位置を、矢印Aと同じ位置にすれば、天面部152に主に回転軸方向の力だけがかかる状態にすることが可能である。
ただし、実際には、ロータヨーク15内にステータ20(図示せず)が位置するので矢印Aと同じ位置にまで天面部152を下げることは難しい。
【0064】
しかしながら、ステータ20(図示せず)に接触しない範囲でできるだけ天面部152をステータ20に近付けることで矢印Aの位置に天面部152を近付けた状態とすることが好ましいと考えられる。
【0065】
そこで、
図8を参照して以下で説明するように、ブッシュ12を構成し、ロータ10をステータ20(図示せず)のコイル(図示せず)にできるだけ近付けて配置できるようにするのがよい。
なお、ここではコイルに近づけると記載しているが、これはコイルが一般的にステータ20の中で最も天面部132側に位置するためである。
このため、コイルが最も天面部132側に位置しない場合も考慮すれば、ロータ10をステータ20(図示せず)にできるだけ近付けて配置できるようにするのがよいことになる。
【0066】
図8に示すように、ブッシュ12には、天面部132を受ける鍔部12aが設けられており、鍔部12aと平面部132aを挟んで反対側のブッシュ12のカシメ部12bによって平面部132aが挟持されることでロータヨーク13がブッシュ12に固定されている。
【0067】
この鍔部12aの外径が径方向内側の平面部132aの外径以下であるようにするとともに、鍔部12aの天面部132を受ける受面12abの反対側に位置する裏面12aaが、径方向外側に位置する平面部132bの側壁部131の開口13c側を向く内面132baとほぼ面一とされるようにする。
より具体的に説明すると、鍔部12aの裏面12aaが、点線で示すように、平面部132bの内面132baよりもステータ20(図示せず)側にはみ出すことがないようにする。
【0068】
例えば、点線で示すように、鍔部12aの裏面12aaがステータ20(図示せず)側に出ている場合には、この鍔部12aの裏面12aaがステータ20に接触しない位置までしかロータ10をステータ20側に近づけることができない。
一方、実線で示すように、鍔部12aの裏面12aaが平面部132bの内面132baとほぼ面一になっている場合には、その差W分だけ、さらに、ロータ10をステータ20に近づけることができ、天面部132をステータ20(図示せず)に近づけることができる。
そうすると、上述したように、天面部132にかかる回転軸方向の力を軽減することができるので、振動の発生を抑制できる。
【0069】
なお、鍔部12aの裏面12aaの位置が、さらに、平面部132bの内面132baよりもステータ20(図示せず)から離れる側(図上側)に位置するようにしても、平面部132bの内面132baがステータ20(図示せず)に接触しない位置までしかロータ10をステータ20に近づけることができず、逆に、鍔部12aの厚みが減少して振動発生の要因となる可能性がある。
したがって、上述のように、鍔部12aの裏面12aaは、径方向外側に位置する平面部132bの内面132baとほぼ面一とされるのが好ましい。
【0070】
以上、本発明を実施形態に基づき説明したが、本発明は実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能であり、そのことは当業者にとって特許請求の範囲の記載から明らかである。