(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
それぞれが、電源から第1の入力を受信し、そしてその出力として被スイッチAC出力電力信号を生じるように構成された、2以上の被スイッチ逆変換器を有する逆変換器段と、
前記逆変換器段の2以上の被スイッチ逆変換器のそれぞれから被スイッチAC出力電力信号を受信し、前記被スイッチAC出力電力信号を成形し、そして、それぞれが出力として成形電力信号を生じるように結合され、基本動作周波数を有する、2以上の変換段と、
前記2以上の変換段から成形電力信号を受信し、そして前記成形電力信号をDC出力電力信号へ変換するように結合された整流器段と、
前記逆変換器段の2以上の被スイッチ逆変換器を前記被スイッチAC出力電力信号の目的周波数で動作させ、前記被スイッチAC出力電力信号を第一の振幅で生成させる第一のモードと、前記逆変換器段の2以上の被スイッチ逆変換器を前記被スイッチAC出力電力信号の目的周波数とは異なる周波数で動作させ、前記被スイッチAC出力電力信号を第二の振幅で生成させる第二のモードであって、前記第二の振幅は前記第一の振幅とは異なる、第一のモードと第二のモードで電力変換器を動作させるように結合されているコントローラ回路と、
を備える電力変換器。
前記コントローラ回路は、前記変換段の基本動作周波数または前記変換段の基本動作周波数の調波のひとつと対応するスイッチング周波数で前記逆変換器段および前記整流器段の少なくともいずれかひとつを動作させることにより、可変周波数逓倍器モードにおいて前記電力変換器を動作させる、請求項3に記載の電力変換器。
前記変換段の基本動作周波数または前記変換段の基本動作周波数の調波のひとつに対応するスイッチング周波数で前記逆変換器段および前記整流器段の少なくともいずれかひとつを動作させることは、エネルギーを増加または減少して混合するように前記逆変換器段および前記整流器段の少なくともいずれかひとつを動作させることを含む、請求項4に記載の電力変換器。
前記コントローラ回路は、可変周波数逓倍器モードにおいて前記逆変換器段および前記整流器段のすくなくともいずれかひとつを駆動するように構成されている、請求項2から5の何れか一項に記載の電力変換器。
前記コントローラ回路は、可変周波数逓倍器モードにおいて前記逆変換器段および前記整流器段の少なくともひとつを動作することにより、可変周波数逓倍器モードにおいて前記電力変換器を動作するように構成されている、請求項2から6の何れか一項に記載の電力変換器。
前記コントローラ回路は、電力が前記変換段を通り伝導される周波数を変えること無く、前記逆変換器段および前記整流器段の少なくともひとつのスイッチング周波数とデューティ比が変化するように、前記変換段の基本動作周波数または前記変換段の基本動作周波数の調波のひとつに対応するスイッチング周波数で前記逆変換器段および前記整流器段の少なくともひとつを動作するように構成されている、請求項2から11の何れか一項に記載の電力変換器。
前記変換段は、電圧レベル変換を実行し、波形成形動作を実行し、電気絶縁を提供し、またはそれらの組み合わせを提供することによりことにより出力電力信号を成形するように構成されている、請求項1から14の何れか一項に記載の電力変換器。
前記コントローラ回路は、周波数二倍動作モードを達成するために、所望の出力周波数の半分である基本動作周波数で前記逆変換器段の2以上の被スイッチ逆変換器の少なくともひとつを動作する、請求項1から15の何れか一項に記載の電力変換器。
【背景技術】
【0001】
[0001] 技術上良く知られているように、パワーエレクトロニクスはエネルギー課題に取り組むためのキーの技術である。これらの拡大した使用と結合されるパワーエレクトロニクスの性能の改良は電気消費における劇的な減少(ある推定値ではほぼ20−30%)へと導くことができる。しかし、このような電気消費を達成するには、既存のシステムよりも小さい且つ低価格でありながら増加した効率を有するシステムを要求する。このようなパワーエレクトロニクスはエネルギー消費を減少すること(負荷と電源の改良された能力と効率を経て)および電気グリッド自体の効率を改良(例えば、力率の改善を経て)することの両方が重要である。現在、グリッドーインターフェースレベルの効率は典型的には全負荷で約70−80%の範囲である。さらに、この効率は、典型的には減少した負荷では急速に落ち、平均効率は、損失と同じく、70%―90%よりも低くなる。例えば、電源は、電気製品が消費する全エネルギーの20−70%の計算を失うと推定される。同様に、乏しい力率が商業ビルにおけるエネルギー消費のほぼ2.8%に間接的に責任を負うと推定される。このため、改良されたピークおよび平均効率、より大きな採用と利用を可能にするために、改良された力率および減少した大きさ、重量および価格を有するパワーエレクトロニクスを提供することが必要である。
【0002】
[0002]このような改良がされるひとつのエリアは、高電圧DCまたはAC入力(即ち、グリッドースケール電圧)と低電圧DC出力間のインターフェースを電源に提供することである。これは、ACグリッドからコンピュータ、電子デバイスおよびLED発光のようなDC負荷へのエネルギーの供給を含み、電気エネルギーの大量の使用および実質的なエネルギーが現実に失われる場所の両方を含む。国内の電気エネルギー利用の28パーセントより上は、フロントエンドを備えた電源電子デバイスを含む、「雑多な多方面にわたる」負荷である。さらに、電気負荷にいくエネルギーの百分率は他の負荷の割合の2倍に増大する。全米国エネルギー消費の丁度4パーセントが大部分は乏しい平均電源効率により、電気負荷の電源損失に見出される。さらに、ほとんどの電源における力率補正の不足が正に本質的である付加的な間接(システムレベルの)損失を生じる。これはエネルギーの膨大な浪費と不要な放出の発生を示している。
【0003】
[0003]改良された電力変換器は、DC入力システムのために重要である。DC配電(通常、380V DC)は、より高い効率、力率補正のより有効な管理、配備される回復可能な電源およびエネルギーストレージを提供するので、商業ビルおよびデータセンタにおけるAC配電に対する選択肢と時々考えられている。例えば、初期の実演では、380V DC配電アーキテクチャーはデータセンタにおける208V 標準AC配電に関してほぼ15パーセントのエネルギー節約となった。これは、DC配電システムにおいて要求されるより高い配電電圧とより少ない電圧変換段に依っている。
【0004】
[0004]DC配電の効果は、少なくとも部分的には、DC−DC変換器(コンバータ)により、380V(実際には260V−410V)から照明および電子負荷に必要なより低い電圧へ変換することに依る。このようなアーキテクチャーが最初に配備されることが期待されているDC配電データセンタにおいて、380V DC電源は各「ラック」(例えば、複数の設備モジュールを設けるためのフレームまたはエンクロージャー)に置かれるDC−DC変換器を使用する12Vに変換されてサーバに電力を供給することが必要であろう。このようなアーキテクチャーにおけるコストを減少するために、例えば高効率変換器(例えば、97%且つそれ以上の効率を有する変換器)が必要となろう。
【0005】
[0005] 高電圧DCまたはAC電源から低電圧DC負荷へエネルギーを伝える高性能電力変換器は、ACグリッド(例えば、250V ACまで)と、DC配電システム(260−410V DC)と、数ボルトから数十ボルトの出力電圧に一致する入力電圧により、非常に低い平均効率で90−95%(5−10パーセントの損失)までの効率を達成している。より大きい効率、力率、そして高電圧DCまたはAC電源から低電圧DC負荷へエネルギーを伝える電力変換器の小型化を達成する技術は、高入力電圧および大きな電圧転換因子は大きな半導体スイッチと磁気鉄心の損失(例えば、変圧器およびインダクタ)を招くので、設計が困難であり、広い動作範囲の入力電圧(例えば、1.6:1またはそれ以上)と電力(例えば、10:1またはそれ以上)の場所は多くの設計技術を強いている。
【0006】
[0006]被スイッチ変換器(スイッチトコンバータ)内に高効率電力変換を達成するためのひとつの技術は、ゼロ電圧スイッチング(ZVS)を使用することを含み、そこではトランジスタ電圧は、トランジスタがオンまたはオフする時にゼロに接近するよう強いられる。ソフトスイッチングが無いと、トランジスタのスイッチング損失は、変換器の効率を減少し、そして電力密度を制限する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
[0007]不運なことに、有効なソフトスイッチング回路は特別の動作条件下で非常に高い効率を達成できるが、広く変動する入力電圧と電力レベルに渡る動作要求を考慮すると、性能は大きく低下する傾向にある。特に、従来の回路設計および制御方法では、電力が最大から減少しそして入力電圧が公称から変動するので所望の回路波形(例えば、ZVS/ZCSスイッチング、最小伝導電流等)を維持することは困難である。
【0008】
[0008]例えば、共振ソフト被スイッチ(スイッチト)逆変換器(インバータ、例えば、直列、並列、直並列、LLCコンバータ、等)を制御するひとつの技術は、変換器のスイッチング周波数を変調することにより出力電圧が負荷と入力電圧変動にかかわらず調整される、周波数制御技術である。高電圧レベルで重要なZVSスイッチングを達成するための誘導負荷の要求のために、電力は、スイッチング損失を激化するスイッチング周波数を増加することによりこのような変換器において低下される。広い周波数動作はまた、磁気構成要素およびEMIフィルタの設計をさらに困難にする。さらに共振タンクのデザインにより、変換器における循環電流は電力を戻すことなく電力変換効率を減少する。
【0009】
[0009]固定周波数でブリッジ変換器に適用できる代わりの方法は、多重逆変換器(インバータ)レッグの相対タイミングが制御電力に対して変調される、移相(位相シフト)制御である。しかし、移相制御を使用する従来の全ブリッジ共振変換器は、出力電力を減少するために2つのレッグが異なる位相であるのでスイッチングの時間に2つの逆変換器のレッグ間の非対称電流レベルを受ける。この結果、進み変換器レッグにおけるトランジスタが大きな電流でターンオフを開始する。また、位相の相違は増加するので、遅れ変換器レッグにおけるトランジスタはZVSターンオン能力を失う。これらの要因は余分の損失になり、部分負荷により低い変換効率へと導き、結局、乏しい設計変更となる。
【0010】
[0010]非対称のクランプモード制御および非対称のパルス幅制御のような、他の固定周波数制御技術がまた、発展してきた。しかし、これらの技術はまた、出力電力が減少するのでゼロ電圧スイッチング(ZVS)能力を失う。そこで、それらはまた、広い負荷範囲にまたがる高効率を維持しない。広い入力電圧および電力範囲にわたり動作する時に減少した損失を提供でき、大きな降下電圧変換を提供できる回路設計および関連する制御に対する明らかな要請がある。
【0011】
[0011]周波数逓倍回路が極めて高い周波数RFアプリケーションにおいて使用でき、時には被スイッチモード逆変換器および電力増幅器において使用される。周波数逓倍逆変換器の出力電力は要求されるデバイス定格に関して本質的に低いので、周波数逓倍回路は典型的にはDC−DC変換器においては使用されない。
【課題を解決するための手段】
【0012】
[0012]本趣旨に従うと、以下に述べられるシステムおよび技術は、電源からDC電力を受け取るために構成された2以上の被スイッチ(スイッチト)逆変換器を有する逆変換器段を含み、被スイッチAC出力電力信号を生成する。変換段が前記逆変換器段から前記被スイッチAC出力電力信号を受信するために結合され、前記出力電力信号を成形し、成形電力信号を生成し、前記変換段は基本動作周波数を有する。2以上の被スイッチ逆変換器を有する整流器段が前記成形電力信号を受信するように結合され、そして前記成形電力信号をDC出力信号へ変換する。コントローラ回路は可変周波数逓倍モードにおいて前記逆変換器および/または整流器を動作するように構成されている。
【0013】
[0013]この特定の配列により、可変周波数逓倍(VFX)電力変換器が提供される。基本スイッチ周波数モードおよび調波スイッチ周波数モードの両方で動作できる逆変換器段および/または整流器段を有する電力変換器を提供することにより、VFX電力変換器は、広い負荷範囲に跨る先行技術の電力変換器の効率特性よりも高い、同じ負荷範囲に跨る効率特性を備えて提供される。さらに、一実施形態において、広い入力電圧および電力範囲において動作する時に、以下に述べられるVFX変換器は、同じ広い入力電圧および電力範囲に渡って動作する先行技術電力変換器の損失特性と比較して減少される損失特性を備えて提供される。さらになお、一実施形態において、以下に述べられるVFX変換器はまた、先行技術の電力変換器の降下電圧変換と比較して比較的大きい降下電圧変換を提供できる。
【0014】
[0014]別の実施形態において、DC−DC電力変換器は、その入力においてDC電力を受け、その出力において被スイッチ(スイッチト)AC出力電力信号を生じるように構成された2以上の被スイッチ(スイッチト)逆変換器を備えた逆変換器段を含む。変換段は、逆変換器段出力から被スイッチ出力電力信号を受信し、そしてこの出力電力信号を成形してその出力に成形電力信号を生じる。2以上の被スイッチ逆変換器を有する整流器段はその入力に成形電力信号を受信し、そしてその出力に成形電力信号をDC出力電力信号に変換する。コントローラ回路は、可変周波数逓倍モードにおいて電力変換器を動作するように結合され、逆変換器段または整流器段における被スイッチ逆変換器の少なくともひとつは、電力変換器により生成された基本周波数の調波である周波数を有する出力信号となる周波数またはデューティサイクルでスイッチされる。いくつかの実施形態において、逆変換器段と整流器段の両方における被スイッチ逆変換器の少なくともひとつは、調波周波数またはデューティサイクルでスイッチされる。
【0015】
[0015]この特定の配列において、多重動作モードを可能とする電力変換器が提供される。基本のスイッチング周波数を使用して逆変換器をスイッチングすることにより、電力変換器は、最大出力電圧(または電力)モードを提供するよう動作する。調波のスイッチング周波数を使用して逆変換器をスイッチングすることにより、電力変換器はより低い電力動作モードに入る。逆変換器段と整流器段の何れかまたは両方は、電力変換器の所望の全ての動作モードを達成するために多重モードで動作できることが理解されたい。
【0016】
[0016]前述の特徴は、次の図面の記述からより十分に理解され得る。図面は、開示された技術を説明し且つ理解することを意図している。全ての可能な実施形態を例示し且つ記述することは時には実際的ではなくまたは不可能であるから、提供される図面は1以上の例示的な実施形態を描いている。従って、図面は、ここに記述される趣旨の範囲、システム、回路および技術に制限することを意図するものではなく、制限するものとして構成されているものではない。図面中の同じ番号は同じ要素を示している。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[0031]VFX電力変換器の概念、システムおよび技術を述べる前に、いくつかの予備的な概念および用語が説明される。先行技術の電力変換器と比較して比較的高い効率を有する可変周波数逓倍(VFX)電力変換器(時には以下では「電力変換器」またはさらに簡単に「変換器」として参照される)を提供するための概念、システムおよび技術が図に関連して以下に説明される。以下に使用されるように、用語「電気グリッド」(またはさらに簡単には「グリッド」)は供給者から消費者へ
電気的に配達するための相互接続されたネットワークを参照しており、任意の特定の物理的レイアウトまたは幅を示唆するものと受け取るべきではない。このため、以下に使用されるように、用語「グリッド」は、完全に陸地の電気ネットワーク、
広域伝送ネットワークを参照でき、またはローカルのユーティリティーの伝送グリッドまたは配電グリッドのようなサブネットワークを記述するために使用できる。
【0019】
[0032]
図1を参照すると、可変周波数逓倍(VFX)電力変換器(コンバータ)100がここに示され、逆変換器(インバータ)段102に対応する第1の段、変換段108に対応する第2の段、整流器段112に対応する第3の段を備えた3つの段を含む。
【0020】
[0033]一実施形態において、逆変換器段102は、その入力にDC入力信号104を受け、そしてその出力に中間AC出力信号106を提供する。変換段108は、その入力にAC出力信号106を受信し、そして電圧変換、電気的絶縁、波形成形等を提供することを含むがこれに制限されない1以上の方法でAC出力信号106を変換または動作してその出力にAC出力信号110を提供する。整流器段112は、その入力にAC出力信号110を受信し、そしてデータセンタ内のサーバのような電子デバイスまたは他のDC負荷に電力を提供することを含むがこれに制限されない各種の方法で利用に適したDC出力信号114へAC出力信号110を変換する。
【0021】
[0034]コントローラ回路116は、逆変換器段102および/または整流器段112に結合されている。コントローラ回路116は、逆変換段102および/または整流器段112のスイッチング動作を制御するように構成されている。以下に議論されるように、逆変換器段102は、DC入力信号104をAC出力信号106へ変換するよう共同作用的に動作可能な1以上のスイッチを含む。同様に、整流器段112は、AC信号110をDC出力信号114へ戻し変換するよう共同作用的に動作可能な1以上のスイッチを含む。コントローラ回路116はこれらのスイッチの動作およびタイミングを制御するように結合されている。
【0022】
[0035]コントローラ回路116は、入力信号104の電力または電圧および出力信号114の所望の出力電力または電圧に依存して、各種の周波数で逆変換器段102および/または整流器段112を制御することができる。DC/DC変換器が示されているが、入力および/または出力ポートに整流および/または逆変換段の追加により、変換器100はまた、AC/DC、DC/ACまたはAC/AC変換器として機能することができる。
【0023】
[0036]変換器100はまた、電圧の広い動作範囲(例えば、大きな降下変換のような大きな変換率、および要求された変換率における大きな変動)および電力の広い動作範囲を通して動作可能である。特に、動作周波数、デューティサイクル、および/または逆変換器102および/または整流器112の他のタイミングを変化することにより、変換器100が異なる入力電圧または電力、出力電圧または電力等で動作している時に、コントローラ116は、変換器100の動作モードを変更して変換器100の効率を増加することができる。実際、変換器100は動作モードをコントローラ116の「シフトギヤ」に変えて異なる入力および出力電圧を補償し、変換器100の高効率動作が維持され得る範囲に増加できる。
【0024】
[0037]一実施形態において、コントローラ116は、電力が変換段108を通り伝達される主周波数を変えることなしに、変換器100の動作モードを変えることができる。換言すれば、コントローラ116は、逆変換器104の基本周波数の整数倍である調波周波数で逆変換器104を動作でき、および/または変換段108または整流器段112の基本周波数の整数倍の調波周波数である周波数で変換段108を動作できる。整流器段112の動作周波数を変えることにより、変換器100はまた、望ましいアプリケーションにおいて整流器段112を介して自然な降下電圧変換を提供でき、変換段108に関連した負荷量および電力損失を減少できる。
【0025】
[0038]
図2を参照すると、上述された変換器100と同じまたは同様の変換器100bは多重逆変換器回路(2つの例示の逆変換回路200と202が
図2の例示の実施形態に示されている)を備えた逆変換器段102を含む。2つの逆変換回路が示されているが、逆変換器段102は、設計に要求されるか所望の性能特性に合うような1、2またはそれ以上の逆変換器回路を含むことができる。当業者は、ここの記載を読んだ後では、逆変換器段102に含まれる逆変換器の数の選択方法を理解できるであろう。同様に、整流器段112は多重整流器回路204と206を含む。2つの整流器回路が示されているが、整流器段112は、所望の1、2またはそれ以上の整流器回路を含むことができる。当業者はまた、ここの記載を読んだ後では、整流器段112に含まれる整流器の数の選択方法を理解できるであろう。
【0026】
[0039]逆変換器回路200と202、および整流器回路204と206は、以下に議論されるように、制御端子を有する内部スイッチング素子(またはさらに簡単には「スイッチ」)を含む。幾つかの実施形態において、これらのスイッチは、1以上の電界効果トランジスタ(FET)により実現される。コントローラ116は、スイッチの動作を制御するためにスイッチング素子制御端子(例えば、FETのゲート)に結合できる。実施形態において、コントローラ116は、逆変換器202のスイッチング動作から独立して逆変換器200のスイッチング動作を制御でき、そして整流器206のスイッチング動作と独立して整流器204のスイッチング動作を制御できる。例えば、コントローラ116は、ひとつの周波数またはデューティサイクルで逆変換器200を動作でき、同時に別の周波数および/またはデューティサイクルで逆変換器202を動作することができる。勿論、コントローラ116は、所望ならば、同じ周波数およびデューティサイクルで逆変換器200と202を動作することができる。同じ概念が整流器204と206に適用され、コントローラ116は互いから独立して整流器204と206を動作できる。
【0027】
[0040]変換段108は、いわゆるインピーダンス制御ネットワーク(ICN)を含む。しかし、他の種類の変換段がまた、デュアル・アクティブ・ブリッジシステムにおいて使用されるような共振変換ネットワークおよび/または誘導変圧器ネットワークを含んで使用され得る。変換段108は、動作範囲を跨るトランジスタの瞬時のゼロ電圧スイッチング(ZVS)とゼロ近似の電流スイッチング(ZCS)を維持して応力とスイッチング損失を減少する(および理想的に最小化する)ために動作波形を成形し、そして高効率と電力密度の両方を備えて実現されるように変換器100bを動作可能にする。例示の変換器100bは、インピーダンス制御ネットワークを内蔵するものとして示されているが、可変周波数逓倍コントローラ116、逆変換段102、および/または整流器段112は、直列共振変換器、並列共振変換器、直列/並列共振変換器、LLC変換器、およびブリッジ変換器および関連する変形(さらに複雑な逆変換器または整流器構造)を含む他の共振および非共振電力変換器、ダブルエンディド(double-ended)順方向変換器等を含んでいる、他の変換器システムに含まれ得ることが理解されるであろう。
【0028】
[0041]逆変換器回路200と202は、
図2の例示的実施形態において並列構成に結合されて示されているが、逆変換器段102内の逆変換器回路は、直列、並列、または直列と並列接続の組み合わせで結合できることを理解されたい。同様に、整流器段112内の整流器回路は、直列、並列、または直列と並列接続の組み合わせで結合できる。
【0029】
[0042]上述したように、変換器100と100bは、逆変換器および/または整流器の周波数逓倍動作モードを使用し、入力電力または電圧、および出力電力または電圧の広い動作範囲に渡って高効率性能を維持する。
【0030】
[0043]ひとつの実施形態において、変換器100と100bは、逆変換器および/または整流器の追加の動作モードを使用し、減少した出力電圧および/または出力電力条件または高入力電圧条件に関係するように、動作範囲を増加する。この文脈では、周波数逓倍が変換器の有効動作範囲を拡張し、そしてその性能を改善(例えば、低電力且つ低出力電圧)するために使用できる。
【0031】
[0044]この概念を例示するために、
図3は、逆変換回路200および202と同じか類似している、例示的な逆変換回路300を示している。逆変換回路300は、入力電圧V
IN,TOTは積重ね(スタック)コンデンサ302と304に跨る2つの公称上等しい値V
DC(ここにV
DCは約0.5V
IN,TOTに公称では等しい)に分配されるので積重ね(スタック)ブリッジ逆変換器として参照される。コンデンサ304と306に跨る電圧は、受動的に、またはスイッチ308−314の動作を制御できる、コントローラ116による能動制御を通して維持できる。
図3に示されるエネルギー貯蔵およびスイッチング素子構成要素(半導体素子でもよい)は、合計バス電圧の半分に理想的には割り当てられる。逆変換器出力電圧V
Oが負荷ネットワークへの入力(例えば、変換段108への入力)を表す素子302に跨って示されている。2つの半ブリッジ(並列入力ポートを備えた)を含む従来の全ブリッジ逆変換器構成がまた使用できる。逆向きに駆動されることに注意されたい(即ち、AC電流に関して適正なタイミングにより、端子316に入力電圧を提供し、端子318に出力電力信号を生成する)。この構成はまた積重ね(スタック)ブリッジ整流器として動作できる。
【0032】
[0045]動作において、入力電圧V
inは、0.5V
IN,TOT(即ち、V
DC=0.5V
IN,TOT)に対応する電圧レベルV
DCを有して理想的に提供される各半ブリッジにより、2つに分離される。並列した入力を備えた2つの半ブリッジを含む従来の全ブリッジ逆変換器がまた使用できることに気が付かれたい。構成された半ブリッジ逆変換器の基本スイッチング期間を制御することにより、底部半分320と頂部半分322ブリッジ逆変換器のデューティ比D
1とD
2と、それらの間の時間遅れΔtに加えて、逆変換回路300は、負荷ネットワーク(図示されていない)を駆動するために必要とされる周波数f
0(動作期間T
0=1/f
0)で所望の特性を有する出力波形V
0(t)を生成できる。逆変換器システムは、逆変換器基本スイッチング周波数f
A=1/T
A(即ち、積重ね(スタック)ブリッジ逆変換器が周波数逓倍器として動作されるように)の倍数(即ち、調波)である出力周波数f
0を合成するように制御される。さらに、動作点の適当な選択により、ソフトスイッチングと他の所望の動作特性を保持しながら、動作においていわゆる「ギヤシフト」を提供する、逓倍率を変えることができる。
【0033】
[0046]ここで
図4を参照すると、
図3の逆変換器回路300の半ブリッジ320または322のひとつのフーリエ解析を例示するグラフである。このグラフは、デューティ比Dにより動作期間T
A当たり1パルスで動作する半ブリッジのひとつの出力を例示している。波形は、時間遅れが無く、時間に等しいものとして示されている。付加的な遅れΔtが追加できる。
【0034】
[0047]構成された半ブリッジが、
図4に例示されるように、一様な動作波形をもちデューティ比D
1と期間T
Aで動作されるならば、半ブリッジ出力電圧波形は次のフーリエ級数のように表される。
【0037】
[0049]
図5を参照し、デューティ比の関数(2・V
dc√πの最大に正規化されている)としてこの波形の基本および調波の振幅が示されている。半ブリッジ逆変換器のデューティ比、遅れおよびスイッチング期間は、異なる動作モードに展開するために選択できる。
【0038】
[0050]半ブリッジ間の半サイクルの遅れΔt=0.5と理想的なデューティ比D
1=D
2=0.5により、所望の出力周波数(例えば、T
A=T
0)で逆変換器を動作させることは、
図6Aに示すような出力波形になる。これは、「基本モード」動作としてこの出願に参照されている、当業者が利用する通常の逆変換器動作である。しかし、半ブリッジ逆変換器が所望の出力(例えば、T
A=2・T
0;D
1=0.25;D
2=0.75;そしてΔt=0)の半分である基本周波数で動作されるならば、「周波数二倍器」動作モードが達成されて
図2Bの出力波形V
Oを生じる。この動作点は、基本の半ブリッジ波形をキャンセルし、その第2の調波(
図5を参照)を増強する。結局、
図6Bの出力波形は、
図6Aの出力波形として同じ周波数f
0であるが半分の出力振幅を有することができ、そしてレート(ゲーティングおよびスイッチング損失)の半分でスイッチングする個別のトランジスタを備える。負荷付ネットワーク(例えば、f
0での誘導負荷を備えた)は、正に基本モードにおいて、各遷移で個々のトランジスタに対しソフトスイッチングの機会を与える。この方法で操作されると、逆変換器は逓倍率(この場合は1および2)を変えることで周波数逓倍器として動作する。可変周波数逓倍器(VFX)動作により提供される柔軟性は、他のシステム動作特性を保存しながら、電力および電圧において広い範囲に効率的に及ぶために貴重である。
【0039】
[0051]
図7を参照すると、上述した変換器回路と同じか類似している、共振変換器回路700は、また積重ねられている一対の積重ね(スタック)ブリッジ702と704を含む。これは、高電圧入力用の低電圧装置を利用する利益がある。多くのオプションにおいて、この回路は有効動作範囲を拡張するための逓倍器モード(周波数二倍器および四倍器モードを含む)と同様に、基本モードにおいて動作できる。
【0040】
[0052]
図8Aと8Bを参照すると、変換器700の動作を表す波形が示されている。波形802aと802bは、変換器の整流された出力電流を表している。点線804aと804bは、変換器の平均出力電流を表している。波形806aと806bは、ひとつの逆変換器スイッチを跨る電圧を示し、正弦波形808aと808bは、コンバイナー・ネットワークの関連するブランチを通る電流を示している。
図8Aと8Bは、変換器700の2つの動作モードを例示している。
図8Aにおいて、全ての4つの半ブリッジ逆変換器スイッチングは、500kHzで50%デューティ比でスイッチングし、
図8Bにおいて、2つの逆変換器は、25パーセントデューティ比でスイッチングし、そして他の2つは250kHzで75パーセントデューティ比でスイッチングする。第2のモードは、例えば、波形802aと804aに比較して波形802bと804bの減少した高さにより理解されるように、低出力電力で高効率の維持を助ける電圧の自動的降下を提供する。
【0041】
[0053]上記例示は、インピーダンス制御ネットワーク(ICN)変換器システムに適用される場合に拡張できる。ICNは、スイッチ数を減少し、および/または追加の逓倍器動作モードを達成するために使用できる。
【0042】
[0054] 例えば
図9を参照すると、ICN変換器900(上述した変換器回路と同じまたは類似してもよい)は、逆変換器902と904を含む。逆変換器902と904は、
図1のコントローラ116のような、コントローラによりVFX構成において動作できる。換言すれば、逆変換器902と904は、基本周波数とデューティサイクル比(即ち、基本モードにおいて)、または基本周波数とデューティサイクルの倍数である周波数とデューティサイクルで動作できる。逆変換器902と904は、コントローラ116により同じ周波数で動作でき、または異なる周波数で動作できる。
【0043】
[0055]基本モードにおいて、半ブリッジ逆変換器902と904は、前に述べたように、D=0.5の移相制御のもとで所望の周波数f
0で動作する。逓倍器モードにおいて、コントローラ116は、所望の出力周波数(第2の調波成分を最大化する、D
1=0.25とD
2=0.75により)の半分で半ブリッジ逆変換器を動作する。この場合、半ブリッジ逆変換器の基本出力成分の部分相殺が達成される(ICN制御要求により)。これは、ICNネットワーク906のフィルタリング性質により実行されて不所望の基本成分を減衰する。動作において、f
0/2における出力の周波数成分は、逓倍器モードにおけるシステムの動作範囲を通じて無視できる影響を有する。このため、逆変換器の周波数および/またはデューティサイクルを変えることにより、回路は、より低い出力電力、スイッチング損失、および広い範囲の入力電圧と電力および出力電圧と電力におよぶ電導損失で動作できる。
【0044】
[0056]また逓倍器動作モードを実現することが可能である。例えば、基本および二倍モードに加え、例えば
図7に示される変換器700が、f
0より下の成分に軽減するために直接の相殺とフィルタリングの組み合わせを使用し、周波数四倍モード(基本周波数の1/4で動作される各半ブリッジにより)においてコントローラ116により動作できる。代わりに、頂部ブリッジ702と底部ブリッジ704は互いに関して移相され、移相ブリッジであるが各積重ねブリッジ用の基本および二倍モード間のモードを切り換える追加の能力を備えて等価な波形を提供する。
【0045】
[0057]周波数とデューティサイクルおよび/または変換器のオンとオフをバーストすることに替えてまたはそれに加えて、逆変換器間の移相を制御することにより変換器の出力電力を制御することをまた可能にする。この場合、無損失コンバイナ(例えば、
図1の変換段)は、
図9に示すように、逆変換器の近似抵抗負荷をなお維持するインピーダンス制御ネットワークを形成する、抵抗圧縮ネットワークにより議論される。このコンバイナRCNインピーダンス制御ネットワークにより、2つの逆変換器によりみられるサセプタンスは、
図10に示すように、出力電力の関数として一定であり、公称入力および出力電圧に対し負で(即ち誘導)且つ任意に小さくされ得る。入力および出力電圧はその公称値から変わるので、サセプタンスは僅かに変わるが、コンバイナRCNインピーダンス制御ネットワーク無しの変動よりも非常に小さい。ここで、逆変換器によりみられるアドミタンスは、公称入力および出力電圧で全出力電力範囲に渡って全く導電性であり、入力および出力電圧における適切な広い変動を通じて主に導電性にされている。
【0046】
[0058]VFX逆変換器段を備えた追加の動作モードのアベイラビリティは、広い入力および出力電力範囲に渡って有効な動作を動作可能にする。さらに、より低い合成された駆動電圧は逓倍器モードにおいて使用され得るので、この技術は、増加した入力電圧範囲または出力電圧範囲に跨って効率よく動作するように適用できる。
【0047】
[0059]
図10を参照すると、上述の逆変換器はここではDCからACへ変換するものとして示されているが、逆変換器構成はまた、もし後方向に駆動されるならばACからDCへ変換する(即ち、VFX整流器を形成する)ように使用できることまたが理解されよう。逆変換器の可変周波数逓倍作用から生じる動作モードの変化は、このためDC−DC変換器の整流器部分に適用できる。VFX逆変換器構成および整流器構成は、なお広い動作範囲を得るために共に対となる(例えば、二重能動ブリッジまたは積重ねブリッジまたは二重積重ねブリッジ構成において、または
図10のようなICN変換システムにおいて)ことができる。これは、異なる動作モードにおいて逆変換器部分および整流器部分を動作することにより達成できる。
【0048】
[0060]例えば、
図10における変換器回路1000は、逆変換器段と整流器段を含む。逆変換器段は、逆変換器1006と逆変換器1008を備えた積重ね逆変換器構成を含む。整流器段は、逆変換器1010と逆変換器1012を含む。一実施形態において、コントローラ(例えば、
図1のコントローラ116)は、上述したように、基本周波数とデューティサイクル、または基本周波数とデューティサイクルの倍数で逆変換器段の逆変換器1006と1008を動作できる。コントローラはまた、上述したように、同じモードまたは互いに異なるモードで逆変換器1006と1008を動作できる。
【0049】
[0061]同様に、コントローラは、上述したように、基本周波数とデューティサイクル、または基本周波数とデューティサイクルの倍数で整流器段の逆変換器1010と1012を動作できる。コントローラはまた、上述したように、同じモードまたは互いに異なるモードで逆変換器1006と1008を動作できる。
【0050】
[0062]一実施形態において、整流器段は、
図11に示されるような半ブリッジ整流器として実現でき、追加の電圧降下を提供して
図11Aの関連する波形により変換段における負荷量を減少する。
【0051】
[0063]
図12Aと12Bは、
図11の等価な半ブリッジ整流器に比較して追加的な2段階降下のファクターを提供できる、被スイッチコンデンサ整流器を例示している。これは、低電圧デバイス(即ち、出力電圧に対してのみ定格されている)とゲート駆動回路により達成される。
図12Aと12Bに関連する波形の種類が
図12Cに例示されている。
【0052】
[0064]いくつかの例示的な実施形態において、逆変換構成と整流器構成の動作モードは、自然の電圧または電力降下を提供できる。
図8Aと8Bに関して上述したように、基本周波数および/またはデューティサイクル以外の周波数および/またはデューティサイクルで1以上の逆変換器を動作することは、逆変換器の出力に電圧降下を生じる。このため、コントローラ回路は、基本動作モード以外の可変周波数逓倍器モードにおいて1以上の逆変換器を動作することにより、逆変換器1006と1008を備えた整流器段の出力電圧を降下することができる。
【0053】
[0065]実施形態において、コントローラは、可変周波数モードにおける逆変換器段における1以上の逆変換器、および/または可変周波数モードにおける整流器段における1以上の逆変換器を動作することができる。そうすることにより、変換器回路は、所望のアプリケーションに応じて、広い範囲の入力電圧と電力そして出力電圧と電力を通じて高い効率を達成することができる。
【0054】
[0066]この特許の主題である各種の概念、構成および技術を例示する助けになる好適な実施形態を述べてきたが、当業者にはこれらの概念、構成および技術を含む他の実施形態が使用できることは明らかであろう。従って、本特許の範囲は、既述の実施形態に制限されるべきではなく、請求項の趣旨および範囲によってのみ制限されるべきであることが提示される。ここに引用される全ての参照は、全体として参照によりここに含まれている。