【文献】
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【文献】
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【文献】
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【文献】
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【文献】
何森健ほか,希少糖の生産計画と製品化の可能性,食品と開発,2003年 1月 1日,Vol.38, No.1,pp.66-69
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
こんにゃく素材、および、希少糖の組み合わせ食品において、こんにゃく素材のあらゆる種類および形態の食品、飲料、および食品素材であって、希少糖と接触する該こんにゃく素材のpHが、2.5〜7.4の範囲にあるように調整されており、希少糖が、少なくともD-プシコースおよび/またはD-アロースを含む異性化糖であることを特徴とするこんにゃく加工飲食品。
酸性素材が、調味料、増粘物質、果汁、果実および/または野菜を破砕して裏ごししたピューレ、果実ペースト、野菜ペーストから選ばれた1種以上を含むものである請求項5に記載のこんにゃく加工飲食品。
こんにゃく加工飲食品が、希少糖入り調味素材と一定の形状に整形した着色コンニャクを単色または2以上の異なる色の組み合わせたこんにゃく素材のくみあわせからなるサラダ用こんにゃく、希少糖入りマグロ漬け液を内部にしみこませたマグロ切り身風こんにゃく、希少糖入り調味素材に漬け込んだキャビア風こんにゃく素材、たこ風こんにゃく素材、いか明太子風こんにゃく素材、スモークサーモン風こんにゃく素材、レバ刺し風こんにゃく素材、または中華くらげ風こんにゃく素材である請求項1ないし8のいずれかに記載のこんにゃく加工飲食品。
【発明を実施するための形態】
【0011】
希少糖D-プシコースは食品に含まれ、食経験を有する糖である。D-プシコースは食品加工中の加熱によってD-フルクトースから非酵素的に生成している。プシコースは加工中の高い温度、高いpH、高いフルクトース濃度、長時間の加熱によって容易に生成するため、1日に約0.2gのD-プシコースを摂取している可能性が示唆される。D-プシコースなどの希少糖を用いた食品は、低pH下では例えばD-プシコース、D-フルクトース間の転移反応が抑制されるため、希少糖の損失量を抑えることができる。本発明は、このような性質の希少糖とこんにゃくを組み合わせることを特徴とする。
本発明は、こんにゃく素材、および、希少糖を含むあらゆる種類および形態の食品、飲料、および食品素材において、希少糖と接触するこんにゃく素材のpHが、2.5〜7.4の範囲にあるように調整することによって希少糖の損失量を抑え、かつ、血糖値の上昇抑制の相乗効果を有するこんにゃく加工飲食品、好ましくは角状、糸状、丸状、粒状、板状の整形したこんにゃく加工食品に関する。
本発明は、pHが、2.5〜7.4の範囲にあるこんにゃくおよび希少糖を組み合わせたものを有効成分として含むことにより、こんにゃく加工飲食品のpHが低pHに調整される結果、希少糖が安定に維持され損失量を抑えることができ、血糖値の上昇抑制のために希少糖の一日用量を0.3〜50g/日として摂取させるための血糖値の上昇抑制効果を有するこんにゃく加工飲食品を提供することができ、かつ、こんにゃくと希少糖が単独で示すよりも優れた生理活性を発揮することができる。優れた生理活性は、微細粒状こんにゃく(pH3.7)と希少糖を含有することを特徴とする血糖値の上昇抑制効果を有するスムージー風飲食品によって裏付けされた(実施例)ことに基づき、スムージー風飲食品以外のこんにゃく加工飲食品についても、こんにゃくと希少糖が単独で示すよりも優れた生理活性を発揮することができることを見いだし本発明を完成させたものである。
本発明のこんにゃく加工飲食品は、糖尿病などの生活習慣病を予防することができる優れた飲食品に関するものである。本発明のこんにゃく加工飲食品は、飲食することに何らの障害もなく、各種の風味味付けが可能であるため、こんにゃくと希少糖を長期間の継続した摂取することが容易となり、生活習慣病の予防、治療に有用である。
また、本発明の加工食品としては、希少糖を含有するこんにゃくを板状や粒状に成形して利用することができる。例えば、野菜サラダに添加される板状あるいは粒状のこんにゃく成形品、まぐろ漬けどんぶりなどに使用されるまぐろ切り身風のこんにゃく成形品、あるいはキャビア風粒状のこんにゃく成形品などを挙げることができる。
以下に、本発明を説明するにあたり、グルコマンナン、こんにゃくマンナン、および、こんにゃくは同義語として用いている。本発明はこれらの用語に含まれる物質を使用することにより所定の効果を得ることができる。
【0012】
本発明が対象とするこんにゃく加工食品は、こんにゃく素材のあらゆる種類および形態の食品、飲料、および食品素材であって、希少糖と接触する該こんにゃく素材のpHが、2.5〜7.4の範囲にあるように調整されていることを特徴とする。例えば角状、糸状、丸状、粒状、板状の、無着色のものあるいは着色したものがある。具体的には、一定の形状に成形した希少糖入り着色コンニャクを単色または2以上の異なる色の組み合わせで包装したサラダ用こんにゃく、まぐろ漬けどんぶりに使用される希少糖入り漬け液に漬け込んだ希少糖を内部にしみこませたpHが、2.5〜7.4の範囲にあるマグロ切り身風こんにゃく、キャビア風のpHが、2.5〜7.4の範囲にある希少糖入りこんにゃくの例を挙げることができる。
本発明において、こんにゃく加工飲食品として優れた生理活性を発揮することが裏付けされたスムージー風飲食品を例に挙げて説明するが、こんにゃく加工飲食品に関係する希少糖の含有量、希少糖摂取量、血糖値上昇抑制効果、こんにゃくの中和工程、加熱条件、製造に使用される他の材料については、本発明が対象とするこんにゃく加工飲食品についても共通して適用される。
[スムージー風飲食品]
スムージーは、従来、若年層に人気がある新鮮な果物を丸ごとつぶした濃厚なフルーツ飲料である。本発明のスムージー風飲食品は、微細粒状こんにゃくを用いた新しい形態のスムージーを製造するべく、微細粒状こんにゃく、濃縮果汁、増粘剤、果実の磨細物あるいは粉砕物やその他調味料でスムージー風の粘りのあるフルーティーな調味ペーストとしたものである。
本スムージー風飲食品は、ダイエット食品として等量の水または牛乳をミックスしてスプーンで食べるか、または薄めてストローで飲むことができるし、フローズンタイプの形態とすることができる。本スムージー風飲食品は、おいしく、きれいで、フルーティーな感覚を持ち、特に腹もちがよいことからいずれの機能を発揮するにもその効果は抜群であり、ダイエットに役立つ飲食品としてのこんにゃく加工品としても利用できる。
例えば、本発明のスムージーは、微細粒状こんにゃくに糖類、濃縮果汁、増粘剤、果実の磨細物あるいは粉砕物やその他調味料を混合し加熱することに製造される。ブルーベリー風味、イチゴ風味、リンゴ風味など濃縮果汁や各種のフレーバーを使用することにより変化にとんだスムージーが製造され、また、微細粒状こんにゃくの粒径や添加量を調整することによりその舌触りなどの食感に変化をつけることができる。本発明のスムージー風飲食品には、中和されたあるいは中和されていない微細粒状こんにゃくと希少糖が含有されている。
【0013】
[微細粒状こんにゃくと希少糖の含有量]
本発明のスムージー風飲食品に含有される中和された微細粒状こんにゃくであることが好ましく、従来のスムージーにおける潰した果実と同様の食感を付与すること、および血糖値の低下効果を発揮する範囲において飲食品に含有されるものであり、飲食品全体の40〜95重量%の割合で存在させることが好ましい。上限の値よりも多く含有するとスムージー本来の粘性や食感を失ってしまうし、下限値よりも少なく含有するとスムージー本来の性状を呈さなくなるばかりか血糖値の低下効果を発揮する作用効果が低下する。さらに好ましくは、50〜85重量%の範囲がスムージーとしての食感と血糖値の低下効果を発揮するためには効果的である。
また、微細粒状こんにゃくは0.1〜3.0mmの範囲とすることで、スムージーとしての食感と血糖値の低下効果を発揮することができる。粒径が上限値よりも大きくなると舌触りや喉越しなどの食感が低下してスムージーとはいえなくなると共に飲用に困難を生じることにもなる。また、粒径が下限値よりも小さいとジュース類や牛乳などと同様のさらさらとした状態になってしまう。さらに好ましくは、微細粒状こんにゃくは0.1〜2.0mmの範囲内とするのがよい。
希少糖は、例えば、D-プシコースやD-アロースが挙げられるが、スムージー用飲食品中の希少糖含有量は、0.1から50.0重量%の範囲が好ましく、上限値よりも多くなると血糖値上昇抑制効果のさらなる向上は望めなくなるとともに経済的にも好ましくはない。さらに好ましい希少糖の含有範囲は0.1〜10.0重量%の範囲である。
【0014】
[希少糖摂取量]
D- アロースおよび/またはその誘導体、および/または、D- プシコースおよび/ またはその誘導体の投与量は、経口投与の場合は、成人に対しD-プシコースとして、一日0.3〜50gを摂取するのが好ましいが、年令、症状により適宜増減することも可能である。こんにゃくと組み合わせた形態で摂取させると、血糖値の上昇抑制効果は、摂取後約一日の間は持続する。前記一日量の希少糖は、こんにゃくと組み合わせた形態で一日に一回または適当な間隔をおいて一日2もしくは3回に分けて、希少糖の一日用量を摂取させる。
【0015】
[本発明のスムージー風飲食品の血糖値上昇抑制効果の例]
本発明のスムージー風飲食品の血糖値上昇抑制効果を実証するために試験を行った。次の5種類の試料を用意し、健康人7人がこれらを飲用した後ブドウ糖を飲用し、30分、60分および120分経過した時点での血糖値を測定した。
(A)空腹時ブドウ糖負荷試験、
(B)希少糖含有試料、
(C) 微細粒状こんにゃくおよび希少糖含有試料,
(D) 多量の微細粒状こんにゃく含有試料、
(E) 少量の微細粒状こんにゃく含有試料、
測定したデータの平均値を算出するとともに測定結果を
図1に示した。
図1に示された試験結果からは、こんにゃくを飲用することによりブドウ糖負荷試験による血糖値の上昇が抑制されるが、希少糖を同時に飲用することにより、単独では得られない優れた血糖値上昇抑制効果が得られることが判明した。すなわち、本発明の微細粒状こんにゃくと希少糖を含有するスムージー風飲食品は、優れた血糖値の上昇抑制効果を有することが実証された。
本発明は、乏しいインスリンの節約、インスリン感受性の改善、および高血糖の是正が求められる疾患、血漿グルコース濃度(血糖値)の日内異常上昇抑制により症状が改善される、あるいは発病が予防される例えば糖尿病、潜在的糖尿病状態、肥満症、高脂血症、動脈硬化症などの予防および治療を必要とするヒトに対する飲食品および健康飲食品に関するものである。
本発明の飲食品および健康飲食品は、中和されたこんにゃく加工食品と希少糖および/またはその誘導体が有効成分として含有されていることを特徴とする。
【0016】
[微細粒状こんにゃくの製造]
微細粒状こんにゃくを製造するには通常の方法により製造された成形体が使用できる。例えば、こんにゃく粉を水または温湯で混合、撹拌し糊化物とした後、アルカリ(水酸化カルシウム)でゲル化させた通常の糸状または板状のアルカリこんにゃく(pH12.0)を磨砕または破砕することにより製造される。こんにゃく粉の濃度は2〜4%程度であるが、このとき、特に物性の改善を目的としてタピオカ澱粉などを加えるか、成形体を着色するために黄、赤、緑などの着色剤を添加してもよいし、脱アルカリされたこんにゃくを使用してもよい。
【0017】
このゲル状成形体をハンマーミル、フラッシュミルなどの破砕機を用いて微細化し、さらに高圧ホモジナイザーを用いて小さくするのが良い。また、多数の成形孔を穿設した目皿を用いて、白滝または糸こんにゃくなどを成形する場合と同様に、混練装置の吐出口に設けた目皿から同時に15〜60本の線状体として湯槽に押し出して成形され、養生により凝固してから粉砕機にかけて細かく砕いてもよい。微細粒状こんにゃくの製造方式に応じて生成物の表面状態などが変化する。
【0018】
[微細粒状こんにゃくの長さまたは粒径]
微細粒状こんにゃくの長さまたは粒径に関してはその用途に応じて適宜選択でき、3mm以下、好ましくは0.1mm〜2.0mmの範囲のものが使用されるが、その形状は、円柱状、角柱状、板状、球状、外面に凹凸を有する粒状などがあげられる。食品と混合した際に粒状物としての存在を感じない摩砕物の粒径は約90μm以下であることから、100μm以上とすることが好ましい。磨砕処理の程度により大小の磨砕粒子ができるが、磨砕機の運転時間によって粒径を決めることができる。
【0019】
[こんにゃくの中和工程]
本発明の微細粒状こんにゃくは、アルカリ成分を含む状態で使用することができるが、含まれるアルカリ成分を中和して使用することが好ましい。こんにゃくは、こんにゃくイモまたはこんにゃく精粉を原料として水酸化カルシウム、カン水などのアルカリで凝固させたものであり、通常製造されたこんにゃくのpHは10〜12である。凝固させたものは通常整形したこんにゃくであり、通常、形状が角状、糸状、丸状、粒状、板状のものであり、無着色あるいは着色したものである。無着色のものは、海藻粉を使用しない白いこんにゃく、海藻粉で着色した黒色系こんにゃくに大別される。着色した蒟蒻は調味液中には溶出しにくい油性の天然色素を練り込んだものである。例えば、こんにゃく内から水及び調味液に溶出しない天然色素として黄色(カロチン)、赤色(パプリカ、トマト)、茶色(カカオ)、黒色(イカスミ)、青色(クチナシ)および/または緑色(マリーゴールド、クチナシ)を練り込んで種々に着色したこんにゃくである。
こんにゃくはpH2.5〜7.4に中和されていることが好ましく、こんにゃく中のアルカリを中和するのに必要な酸量は所定重量のこんにゃくをホモジナイザーで磨砕し、これに微細粒状こんにゃくのアルカリ分を少なくとも中和できる量の酸性素材を混合して、その場合、有機酸を添加して、pH2.6〜7.4になるまでに要する酸量を測定して決めることができる。有機酸としては酢酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、グルコン酸などの食品添加物が主に使用されるが、調味料、果汁その他に含まれている酸性成分をも考慮することが好ましい。常温流通を可能ならしめるために製品のpHは2.5〜7.0、好ましくは5.0〜4.0になるように酸を添加し、例えば、85℃、30〜60分の加熱殺菌を行う。冷蔵、チルド、ないし冷凍で流通させるためには、pH7.4まで可能であるが、消費者にわたってからの製品の管理の問題から、pHは2.5〜7.0に調整することが好ましい。
【0020】
微細粒状こんにゃくの酸性分による中和工程は、容器内で行い、次いで個別の包装容器内に中和物を収納することにより行うことができるが、個別の包装用の容器内に微細粒状こんにゃく、有機酸、調味料、果汁などを封入した後に中和させてもよい。また、微細粒状こんにゃくを含む食品材料の全てを流通用の個別包装容器内に収納した後、加熱殺菌工程において中和させてもよい。充填する包装用の容器の素材は、ガラス製よりも耐熱性で保香性のあるプラスチック製で、硬質容器やフレキシブルなラミネート袋、さらにレトルトパウチが作業性において効率が良い。包装後の加熱処理はこんにゃくのアルカリを迅速に中和・除去することと、こんにゃく内への調味成分の浸透を早めることを目的としているが、有害菌の殺菌が同時に行われる。
【0021】
[加熱条件]
製造した微粒状こんにゃくは加熱殺菌して使用されるが、加熱処理条件によっては、こんにゃくの軟化、ゴム質化を起こすことがあるが、この現象は調味こんにゃくのpHと関連している。食感と保存性を考慮した最適加熱条件は、pH3.5〜6.0の範囲では50〜95℃、pH6.0〜9.0の範囲では100〜120℃の関係にあり、通常の処理時間は60分間以内である。この加熱処理においては、こんにゃくの形状にもよるが終了時には調味液成分がこんにゃくへ充分に浸透し調味され、加熱工程の終了時には微細粒状こんにゃくは所定のpHに中和されている。
【0022】
[スムージー風飲食品の製造に使用される他の材料]
本発明のスムージー風飲食品を製造する際には、酸性素材や増粘剤などが適宜使用される。
酸性素材は、調味料、増粘物質、果汁、果実および/または野菜を破砕して裏ごししたピューレ、果実ペースト、野菜ペーストから選ばれた1種以上を含み、微細粒状こんにゃくのアルカリ分を少なくとも中和できるようにpH値を調整するとよい。酸性素材は、食感があり、すりおろしとは違う食感を楽しめる特徴があるフレッシュミックスに、野菜本来のうまみ、色、食感、香りを残したままに、食材を仕上げることができる。また、果実および/または野菜を破砕して裏ごししたピューレ、果実ペースト、野菜ペーストなどオリジナルの 食感を作りだすことができる。
増粘物質は食品用粘性物質であれば特に制限はなく、澱粉、海藻成分など天然多糖類をはじめ公知の食品添加物としての天然ガム質成分、増粘多糖類などである。低pH食品には、広くペクチンが利用されている。ペクチンの種類は大きく分けて、高メトキシルペクチンと低メトキシルペクチンがあり、粘度、ゲル化特性により使い分けられている。微細粒状こんにゃくを使用したジャムの増粘物質としては、高メトキシルペクチンではなく、低メトキシルペクチンを用いることが好ましい。その他具体的にはキサンタンガム、タマリンドガム、グアガム、タラガム、タラビーンガム、ローカストビーンズガム、カラギーナン等を使用することができる。
【0023】
微細粒状こんにゃくの長さ、粒形や粒径を変化されることにより果実の果肉、果皮の食感を表現することもできるので、天然原料素材の一部分または全部を微細こんにゃく粒子で置き換えることもできる。また、使用する添加剤の種類によっても食感が変化する。例えば、微細粒状こんにゃく、濃縮果汁の使用量や濃縮果汁の種類と品質、さらに増粘剤の種類と量などについて検討するにあたり、最適な粘りの質を決定することができる。粘りの質は、粘弾性が中心となる複雑な物性の組み合わせからなることからそれを数値化することは難しく、粘度計、レオメーター、テクスチュロメーターなど専門機器による測定値をもってしても最適値を求めること困難である。最適な粘りの質を決定するに当たっては、結局、人間の五感による官能検査から最良と思われる結果を決定せざるを得なかった。濃縮果汁についてはイチゴ、ブルーベリー、メロンなどの利用が例示される。
調味液としては、酢酸、砂糖、ソルビトール、食塩、グルタミン酸ソーダ、乳酸カルシウム、ビーフエキス、濃口醤油、などを使用しているが、煮物、炒め物、和え物などに使用するもので、洋風、和風、中華風の調味料であればいずれのものも用いることができる。果実風味を出すためには、ブルーベリーやイチゴなどの濃縮果汁、フレーバー、果肉、粉末果汁などが利用される。
【0024】
さらに、多様な色に着色した微細粒状こんにゃくを使用すれば、カラフルで遊び心のあるヘルシー食品が期待できる。微細粒状こんにゃくを素材として利用した食品は低カロリーでヘルシー感覚を発揮する新製品を開発でき、スムージー風飲食品をしての範囲が広がることになる。
【0025】
[希少糖]
本発明のこんにゃく加工飲食品には、D−アロースまたはD−プシコースあるいはそれらの混合物を使用することが好ましい。こんにゃく加工飲食品中には成人の摂取量である一日量0.3〜50gを摂取することができる範囲内で希少糖が含有される。例えば、スムージー風の飲食品での希少糖の含有量は、0 .1 〜10.0重量% 、好ましくは1.0〜5.0重量% 、より好ましくは1.0〜2.0重量%の範囲である。0.1重量% 未満であると、成人の摂取量である一日量0.3〜50gを摂取するのが困難であり、血糖上昇抑制効果が十分ではなくなる。また、10重量%を越えると過剰摂取となることが多くなり好ましくない。これらの希少糖の水溶液は、無色透明でにおいはなく甘みを有している。したがって、スムージー風飲食品に添加しても外観上あるいは味を損なうことはない。希少糖の成分としては、フラクトースの割合が20〜80重量部、グルコースとプシコースの合計の割合が80〜20重量部程度で、プシコースがグルコースおよびプシコースの合計を100重量部とした場合、5重量部以上、好ましくは10重量部以上の比率の砂糖の甘味度と味質に近く肥満などの生活習慣病を予防する甘味料(特許文献10)を使用することができる。該甘味料として、希少糖含有シロップ(商品名:レアシュガースイート:糖含組成は、ブドウ糖38%以上、果糖25%以上、希少糖約15%(そのうちD-プシコース5%以上))が市販されている。希少糖が、異性化糖との混合物であり、D-グルコース、D-フラクトース、または異性化糖のうち1種、あるいは2種以上を0.005mol/l以上のアルカリにより異性化することで得られる、D-グルコースおよびD-フラクトース以外の糖の含有率が60質量%未満の希少糖含有異性化糖である、
【0026】
希少糖とは、自然界に微量にしか存在しない単糖および糖アルコールと定義づけることができる。 六炭糖(ヘキソース)については、アルドースの場合はL-アロース、L-グロース、L-グルコース、L-ガラクトース、L-アルトロース、L-イドース、L-マンノース、L-タロース、D-タロース、D-マンノース、D-イドース、D-アルトロース、D-ガラクトース、D-グルコース、D-グロース、D-アロースの16種類、ケトースの場合はL-プシコース、L-ソルボース、L-フルクトース、L-タガトース、D-タガトース、D-フルクトース、D-ソルボース、D-プシコースの8種類が存在し、自然界に多量に存在する単糖は、D-グルコース、D-フラクトース、D-ガラクトース、D-マンノース、D-リボース、D-キシロース、L-アラビノースの7種類あり、それ以外の単糖は全て希少糖である。
D-プシコースあるいはD−アロースは天然に微量ではあるが存在する単糖であって、これら希少糖がヒトに対する毒性を有するとの報告はなく、動物に対する毒性は低いと考えられる。
【0027】
[D-プシコース]
D-プシコースは希少糖のうち、現在大量生産ができている希少糖である。D-プシコースは、希少糖に属するケトヘキソースに分類されるプシコースのD体であり六炭糖(C6H12O6)である。D-プシコース甘味は上品で爽やかで、サッカリンのような苦みや渋みを伴う不快感はなく、むしろフラクトースの甘味に類似している。甘味度は蔗糖の約70%である。
D-プシコースに関しては、現在フラクトースを酵素(エピメラーゼ)で処理して得られる製法が一般的であるが、天然物から抽出される。D-プシコースを製造するに際しては、精製酵素を使っても良いし、該酵素を生産する微生物でも良い。さらにケトヘキソース3−エピメラーゼは、フラクトースなどのケトヘキソースの3位のOHを異性化する酵素で、D-タガトース3−エピメラーゼやD-プシコース3−エピメラーゼを用いる方法も知られている。また、精製酵素または該酵素生産微生物を固定化した固定化酵素または固定化微生物を使用しても良い。
D−プシコースの誘導体について説明する。
ある出発化合物から分子の構造を化学反応により変換した化合物を出発化合物の誘導体と呼称する。D−プシコースを含む六炭糖の誘導体には、糖アルコール(単糖類を還元すると、アルデヒド基およびケトン基はアルコール基となり、炭素原子と同数の多価アルコールとなる)や、ウロン酸(単糖類のアルコール基が酸化したもので、天然ではD−グルクロン酸、ガラクチュロン酸、マンヌロン酸が知られている)、アミノ糖(糖分子のOH基がNH2基で置換されたもの、グルコサミン、コンドロサミン、配糖体などがある)などが一般的であるが、それらに限定されるものではない。
【0028】
[D-アロース]
D-アロースの生産はD-プシコースをL-ラムノースイソメラーゼを用いて異性化し、その混合物からD-アロースを分離することで生産可能であるL-ラムノースイソメラーゼを用いてD-プシコースから希少糖D-アロースを大量生産することができる。D-アロースとD-プシコースの混合物を製造するには、L-ラムノースイソメラーゼをD-プシコースに作用させ異性化反応して、D-プシコースおよびD-アロースの混合物を調製する方法が有利に実施できる。D-プシコースとD-アロースを分離することなく混合液として得ることができる。
すなわち、本発明のこんにゃく加工飲食品は、D−プシコースがD−プシコースおよび/またはその誘導体であり、D−プシコースの誘導体が、D−プシコースのアルデヒド基がアルコール基となった糖アルコール、D−プシコースのアルコール基が酸化したウロン酸、D−プシコースのアルコール基がNH2基で置換されたアミノ糖から選ばれるD−プシコース誘導体であることを特徴とする。また、D−アロースがD−アロースおよび/またはその誘導体であり、D−アロースの誘導体が、D−アロースのアルデヒド基がアルコール基となった糖アルコール、D−アロースのアルコール基が酸化したウロン酸、D−アロースのアルコール基がNH2基で置換されたアミノ糖から選ばれるD−アロース誘導体であることを特徴とする。
以下に本発明のスムージー風飲食品について実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明がこれらの実施例により限定されるものではない。D−アロースがD−アロースおよび/またはその誘導体であり、D−アロースの誘導体が、D−アロースのアルデヒド基がアルコール基となった糖アルコール、D−アロースのアルコール基が酸化したウロン酸、D−アロースのアルコール基がNH2基で置換されたアミノ糖から選ばれるD−アロース誘導体である。
【0029】
本発明のこんにゃく加工飲食品の製造方法は、こんにゃく素材に希少糖を含有させる方法を除いては、出願前公知のpHが、2.5〜7.4の範囲にあるこんにゃくの製造方法が用いられる。
(1)水酸化カルシウムを用いて凝固することにより得たこんにゃくをこんにゃく中の該アルカリを中和するのに必要な量の有機酸と香味を付与する調味液に漬け込んで、中和と調味液成分の浸透を図る。調味液はこんにゃくのpHを2.5〜7.4になるように調整したものである。必要量の希少糖はこんにゃく原料に混合してもよいし、調味液に混合してこんにゃくに浸透させてもよい(特許文献11参照)。
(2)2.5〜7.4の範囲にある希少糖入りこんにゃくの着色方法は、例えば、こんにゃく原料に麦類の表皮部分を焙煎した粉と、黒色および赤橙色の色調の天然色素を併せて練り込んで黒色系に着色してもよいし(特許文献12参照)、動植物から色素を油溶性の状態で取り出し、それに乳化剤を加えて水中に小さい粒状に分散させた状態の天然色素を練り込んで着色してもよい(特許文献13参照)。
(3)本発明のこんにゃく加工飲食品は、こんにゃく、でん粉、グルテンおよび小麦粉からなる原料粉を用いて水に加えて撹拌しこんにゃく糊とし、それに水酸化カルシウムを加えて練り、この状態で目皿を通過させて湯浴中で加熱することで固化成形させた麺状のこんにゃくとして製造したpH10〜12のこんにゃく麺を酸性の調味料と組み合わせてpHを9〜3に調整したものであり、ならびに、レトルトパウチ内でレトルト処理したものであることを特徴とするこんにゃく麺のレトルトパウチ食品であってよく、こんにゃく麺に希少糖を混合した原料粉および/またはこんにゃく糊を用いてもよい。酸性の調味料に希少糖を混合して、希少糖量を調整ないし補強してもよい(特許文献14)。
(4)こんにゃく粉と、グルタミン酸ナトリウム、イノシン酸ナトリウム、グアニル酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム、肉エキス、魚エキス、貝エキス、および野菜エキスよりなる群より選ばれ、少なくともイノシン酸ナトリウムおよびコハク酸ナトリウムを含む2種以上の調味料からなるうま味を呈する調味料、塩味を呈する調味料および甘味を呈する調味料の各調味料を溶解した湯を混和撹拌してこんにゃく糊とし、水酸化カルシウムを加えて、ゲル化させ、pH11以上の常温流通の調味こんにゃくを得、それを脱アルカリをすることなくそのアルカリが残存した状態でさらにおでん煮汁で5〜10分間煮込み、おでん味がしみ込んで食することができるおでんこんにゃくとすることを特徴とする、長時間加熱することなく、調味料を練り込んでいない通常のこんにゃくと比べて短時間加熱でおでんこんにゃくに味をしみ込ませる方法において、必要量の希少糖はこんにゃく原料に混合してもよいし、調味液に混合してこんにゃくに浸透させてもよい(特許文献15参照)。
【0030】
本発明のこんにゃく加工飲食品は、血糖値の上昇抑制のために希少糖の一日用量を0.3〜50g/日としてこんにゃくとともに摂取させるためのものである。飲食品全体に対して、こんにゃく40〜95重量%および希少糖0.1〜10.0重量%を含む形態で希少糖の一日用量をこんにゃくとともに摂取させるためのものである。希少糖の一日用量を一日一回以上でこんにゃくとともに摂取させるためのものである。また、血糖値の上昇抑制効果を有するこんにゃく加工飲食品を収納した容器入り飲食品であり、一容器に、一日に必要な摂取量である0.3〜50gの希少糖をこんにゃくとともに含有する。
本発明の詳細を実施例で説明する。本発明はこれらの実施例によって何ら限定されない。
【実施例1】
【0031】
[微細粒状こんにゃくと希少糖を用いたスムージーの製造]
ブルーベリーの濃縮果汁と還元水あめ、砂糖などの甘味剤料、リンゴ酸などの酸味料、キサンタンガムなどの増粘剤と水を混合した表1に示す組成の調味液を作成し、粒径0.1mm〜1mmの微細粒状こんにゃく1kgに、pHが3.0の調味料を300g混合し、さらに、D−プシコースを固形分として70.0g添加した後、高速かくはん装置に入れ5秒間混合した。これを、ポリプロピレン製の容器に入れ120℃で15分間加熱した。製造したスムージー風の加工食品のpHは3.7であり糖度は11.4%であった。各原料素材の成分、種類、配合割合の詳細は表1に示した。
この製品には約5重量%のD−プシコースが含まれていて、100g飲食することにより約5gのD−プシコースを摂取することができる。この製品を10人のパネラーによりテストした結果、スムージーとしての食感を有することが確認された。
【0032】
【表1】
【実施例2】
【0033】
実施例1と同様にしてブルーベリースムージー風飲食品を製造した。調味液の組成を表2に示す。D−プシコースを15g添加して、約1重量%のD−プシコースを含むブルーベリースムージー風飲食品を製造した。このスムージー風飲食品を試食した10人のパネラーが全員スムージーとしての良好な風味、食感を有していると判定した。
【0034】
【表2】
【実施例3】
【0035】
実施例1と同様にして、表3に記載の組成を有する調味液において、D−プシコースに変えてD−プシコースとD−アロースの混合物からなる希少糖を70g添加してストロベリースムージーを製造した。製品は10人のパネラー全員がスムージーとして良好であると判定した。
【0036】
【表3】
【実施例4】
【0037】
血糖値の上昇抑制効果を有するこんにゃく加工飲食品として、スムージー風飲食品の血糖値上昇抑制効果を実証するために試験を行った。
この試験は、7名の下記の除外基準に該当しない健常ボランティア(男性2名、女性5名)の協力を得て実施した。
<除外基準>
(1)D−プシコースの成分に薬物アレルギーのある患者
(2)1型糖尿病患者
(3)糖尿病性ケトアシドーシス(血糖が高すぎることで、血液が酸性となり、口渇感、多飲、倦怠感、体重減少などの悪化した糖尿病症状がみられる。さらに進行すると血圧低下、頻脈、意識障害などが起こる)の経験がある患者
(4)重度の腎障害、肝障害、心疾患のある患者、あるいはその他の重篤な合併症があり、主治医の判断により対象として不適当と判断された患者
(5)現在、感染症の患者。手術を受けた患者、または予定している患者。
(6)妊娠中または授乳中の患者
(7)他の臨床試験に参加中の患者
(8)その他、試験責任医師または試験分担医師が本試験の対象として不適当と判断した患者
【0038】
[検査方法]
検査に以下の手順によった。
(1)前夜9時以降に絶食をして翌日午前8時半に集合。
(2)75gグルコース負荷試験開始前30分に、以下のものを飲用する。
A:何も飲まない(無添加)
B:D−プシコース5gを50mlの水に溶解したもの
C:マンナンスムージ(こんにゃく含有82.5%)+D−プシコース5g
D:マンナンスムージ(こんにゃく含有82.5%)
E: マンナンスムージ(こんにゃく含有41.25%)
(3)30分後に採血(0分値)
(4)採決後直ぐにD−グルコース75g入り飲料を摂る。
(5)その後30分(30分値)、60分(60分値)、120分(120分値)に採血する。
(6)血清分離後に、血糖値を測定する。
【0039】
[検査結果の解析]
参加者全員が正常な耐糖能を示したため、全データを使用して解析を行った。
図1に示すように、A〜Eの5グループの採血結果を比較検討し、以下のことが判明した。
・A群(無添加群、通常のOGTTのみ)が30分値、60分値、120分値ともに他の群に比べて高かった。
・B群(D−プシコース5gを前投与)はA群に比べて一定程度(5〜10mg/dl)の血糖抑制効果があった。
・C群(マンナンスムージ[こんにゃく含有82.5%]+D−プシコース5gを前投与)は、全体を通じて血糖値の上昇が最も低かった。
・D群(マンナンスムージ[こんにゃく含有82.5%]単独を前投与)は、A群に比べて30分値および120分値で低かった。
・E群(マンナンスムージ[こんにゃく含有41.25%]単独を前投与)は、C群に次いで血糖低下作用を示した。
この試験により、D−プシコースもマンナンスムージも一定の血糖上昇抑制効果があると考えられた。
【0040】
75gグルコース負荷試験について、A群、B群、D群は、午前中に実施し、C群とE群は午後に実施した。また、マンナンスムージについては、一定程度のカロリーがあることから、全てを同条件で比較する目的で、各々の測定においての0分値を、30分値、60分値、120分値から引くことで、30分、60分、120分での0分に比較した変化値を比較検討した。その結果を
図2に示す。これにより以下のことが判明した。
・A群(無添加群、通常のOGTTのみ)が30分値、60分値、120分値ともに他の群に比べて高かった。
・B群(D−プシコース5gを前投与)はA群に比べて一定程度(5〜10mg/dl)の血糖抑制効果があった。
・C群(マンナンスムージ[こんにゃく含有82.5%]+D−プシコース5gを前投与)は、30分値および60分値において、最も血糖値上昇抑制が大きく、A群に比べ12mg/dl、14mg/dl低値を示した。全体を通じて血糖値の上昇が最も低かった。
・D群(マンナンスムージ[こんにゃく含有82.5%]単独を前投与)は、30分値、60分値、120分値ともにA群に比べて低値を示した。
・E群(マンナンスムージ[こんにゃく含有41.25%]単独を前投与)は、30分値、60分値においてA群に比べて5〜10mg/dl程度の抑制を示した。
【0041】
[考察結果]
上記投与試験により以下のことが判明した。
(1)D−プシコース5g摂取により血糖上昇抑制効果が認められた。
(2)マンナンスムージ[こんにゃく含有82.5%]単独、マンナンスムージ[こんにゃく含有41.25%]単独でも一定の効果が認められた。
(3)マンナンスムージ[こんにゃく含有82.5%]+D−プシコース5gの併用が最も血糖上昇抑制効果が大きく、両者の相加的な効果が期待できる可能性が示された。
測定したデータの平均値を算出すると共に、データの初発点(経過時間0分での血糖値を0とする)を合わせたグラフを
図2に示した。
図2に示された試験結果からは、マンナンスムージーを飲用することによりブドウ糖負荷試験による血糖値の上昇が抑制されるが、希少糖を同時に飲用することにより、単独では得られない優れた血糖値上昇抑制効果が得られることが判明した。
すなわち、本発明の微細粒状こんにゃくと希少糖を含有するスムージー風飲食品は、血糖値の上昇抑制効果を有することが実証された。また、血糖値の上昇抑制効果は飲用後から約一日の間持続することが別の試験結果から判明している。
【実施例5】
【0042】
グルコース負荷試験に対するマンナンスムージーと希少糖含有シロップ(レアシュガースウィート:RSS)の効果について解析した。
実施例4でD-プシコースとマンナンスムージーを組み合わせることにより、相乗的な血糖上昇抑制効果が得られることを、ヒト試験において示した。実施例5ではD-プシコースの替りに、希少糖含有シロップ(レアシュガースウィート:RSS)を用いて既に製品化したRSS入りマンナンスムージーを用いることにより、D-プシコースのみの場合と同様の効果が得られるかどうかについて検証した。
[対象]5名の下記の除外基準に該当しない健常ボランティア(男性2名、女性3名)の協力を得て実施した。
<除外基準>
(1) D−プシコースの成分に薬物アレルギーのある患者
(2) 1型糖尿病患者
(3) 糖尿病性ケトアシドーシス(血糖が高すぎることで、血液が酸性となり、口渇感、多飲、倦怠感、体重減少などの悪化した糖尿病症状がみられる。さらに進行すると血圧低下、頻脈、意識障害などが起こる)の経験がある患者
(4) 重度の腎障害、肝障害、心疾患のある患者、あるいはその他の重篤な合併症があり、主治医の判断により対象として不適当と判断された患者
(5) 現在、感染症の患者。手術を受けた患者、または予定している患者。
(6) 妊娠中又は授乳中の患者
(7) 他の臨床試験に参加中の患者
(8) その他、試験責任医師又は試験分担医師が本試験の対象として不適当と判断した患者
【0043】
[実施場所]
香川大学医学部附属病院臨床検査部
[方法]
(1) 前夜9時以降は絶食し翌日9時に集合。
(2) 次のように75gグルコース負荷試験(OGTT)を実施した。
I: 75gグルコース含有トレランGのみを飲んだ場合
II: 75gグルコース含有トレランG服用前30分にRSS入りマンナンスムージー100g(D-プシコース0.3g以上、D-グルコース2.0g以上、D-フラクトース1.3g以上、こんにゃく含有82.5gを含む)を飲んだ場合
(3) その後30分(30分値)、60分(60分値)、120分(120分値)に採血する。
(4) 血清分離後に、血糖値を測定する。
【0044】
[マンナンスムージー組成]
・こんにゃく82.5%
・レアーシュガースイート5.5%以上(内D-プシコース0.3%以上)
・果汁パウダー1.2%
・その他食品添加物(pH調整剤、増粘剤(キサンタンガム、加工澱粉)、香料、甘味料(スクラロース)、乳酸カルシウム、酸化防止剤(V.C)、天然色素)2.4%
・水8.4%
【0045】
[結果]
糖負荷試験ではNo1-4は正常型、No5は耐糖能異常(IGT)を示していたが、糖尿病型はいなかった。
I:75gグルコース飲料のみを飲んだ場合(午前中に実施)
表4にその結果を示す。
【表4】
II:75gグルコース含有トレランG服用30分前にRSS入りマンナンスムージーを飲んだ場合
表5にその結果を示す。
【表5】
【0046】
血糖値の変動の実測値を
図3に、血糖値の変動を0点補正をした結果を
図4に示す。
IおよびIIの採血結果を比較検討し、以下のことが判明した。
・I群(通常の75gブドウ糖負荷試験のみ)が30分値、60分値、120分値ともにRSS入りマンナンスムージーを75gブドウ糖と一緒に摂取したII群に比べて明らかに高かった。
・特に30分および60分値において大きな差を認めた。120分値においてはI群が未だ食前の血糖値に復帰していないのに比べて、II群では食前のレベルに戻っていた。
・OGTTで耐糖能異常を示した症例においてもRSS入りマンナンスムージー服用後には2時間値が正常になっており、糖負荷後の高血糖を抑制していた。
【0047】
[考察]
本研究により以下のことが判明した。
1. RSS入りマンナンスムージーを75gブドウ糖服用前に摂取することにより、30分値、60分値、120分値の全てにおいて、75gブドウ糖のみ摂取した場合に比べて明かに糖負荷後の血糖上昇抑制効果が認められた。
2. RSS入りマンナンスムージー100gの摂取により、ブドウ糖2.0g以上、果糖1.3g以上、その他の成分13.9gを余分に摂取したことになるが、それでも血糖値の上昇が抑制された。これは、RSS入りマンナンスムージーに含有されている、こんにゃく成分(含有82.5g※)およびRSS5.5g中に含まれるD-プシコース(含有0.3g以上)など希少糖を中心とする成分が相乗的な効果を及ぼしたものと解釈できる。
3.耐糖能異常者においてRSS入りマンナンスムージー100gの摂取することで、食後血糖値が抑制されていた。食後高血糖は糖尿病における動脈硬化性疾患の発生の最重要なリスクファクターである。したがってRSS入りマンナンスムージー100gを服用することで、食後高血糖が抑制できれば、糖尿病治療の新たなアポローチとして注目される。
4.これらの結果は予想以上の効果であり、これまでに報告が無く新規性がある結果と思われる。
5.今後は、RSS入りマンナンスムージーを用いたヒト長期試験(3ヶ月)を継続して実施し、より詳細な検証を行う予定であり、すでに香川大学倫理委員会の承認を得て開始している。
※ こんにゃく芋の中に約10%グルコマンナンが含まれており、グルコース:マンノース=5:8がβ-1,4-結合したものである。本品では芋をさらに加工した精製を使用している。こんにゃく成分中の正確なマンノースやグルコースの含有量を調べるのは困難である。
【実施例6】
【0048】
以下の実施例で、希少糖入りこんにゃくからなる他の飲食品の例を挙げるが、これらの飲食品も上記のスムージーと同様の生理効果が発揮される。
【0049】
[サラダ用こんにゃくの製造1]
リンゴ酸、乳酸カルシウム、アスコルビン酸ナトリウムなどの酸味料と水、さらに希少糖含有シロップを混合した表6に示すpHが3.0の調味液を作製し、この調味液300gと40×15×2mmの板状に成形したこんにゃく1kgと混合した後、高速かくはん装置に入れ5秒間混合した。これを、調味液とともにポリプロピレン製の容器に入れ120℃で15分間加熱した。製造した板状の加工食品のpHは3.7であった。この製品には希少糖を含む調味液が浸透していた。
この板状こんにゃく加工食品をそのまま、あるいは任意形状に切断してカット野菜に加えて野菜サラダを作製した。
【0050】
【表6】
【0051】
[サラダ用こんにゃくの製造2]
D−アロースを10kgとこんにゃく粉3kgに湯(40〜50℃)100 Lを加え、ゆっくりと混合・撹拌して糊状とし、2時間放置後、こんにゃく糊に1.7%の水酸化カルシウム液10 Lを加えて、均一になるように練り、ゲル化させながら型箱に入れ、沸騰させた湯で、加熱凝固させて、D−アロースを約9重量%含有する凝固こんにゃくを製造した。その後、凝固したこんにゃくを厚さ2mm、横15mm、縦40mmからなる長方形の板状に切断して多数個の板状こんにゃくを得た。この板状こんにゃくを調味液とともに容器に収納し、温度120℃、20分間の操作を行った。また、凝固こんにゃくを製造する際に、赤、黄、緑などの各種の色素を添加することにより色彩の異なる着色をした希少糖入りの板状こんにゃくとした。こうして製造した色彩の異なる板状こんにゃくを適宜混ぜ合わせて調味液とともにポリプロピレン容器に収納し、加熱処理した。
調味液の成分はイノシン酸ナトリウム0.1%、グルタミン酸ナトリウム1.0%、コハク酸ナトリウム0.4%、還元水飴20.0%、食塩2.3%、リンゴ酸1.0%でありそのpH値は3.7であった。
【0052】
[サラダ用こんにゃくの製造3]
D−プシコースを5kg、こんにゃく粉3kgに湯(40〜50℃)100 Lを加え、ゆっくりと混合・撹拌して糊状とし、2時間放置後、こんにゃく糊に1.7%の水酸化カルシウム液10 Lを加えて、均一になるように練り、ゲル化させながら型箱に入れ、沸騰させた湯で、加熱凝固させて、D−プシコースを約4.5重量%含有する強固こんにゃくを製造した。その後、凝固したこんにゃくを厚さ2mm、横15mm、縦40mmからなる長方形の板状に切断して多数個の板状こんにゃくを得た。この板状こんにゃくを5kgと酸性調味液10kgを密封した真空斜軸ニーダーからなる真空缶の中で混合し、撹拌しながら真空度0.07〜0.08Mpa、温度70℃、1時間の操作を行った。酸性調味液の成分はイノシン酸ナトリウム0.1%、グルタミン酸ナトリウム1.0%、コハク酸ナトリウム0.4%、還元水飴20.0%、食塩2.3%、リンゴ酸1.0%でありそのpH値は3.7であった。
また、凝固こんにゃくを製造する際に、赤、黄、緑などの各種の色素を添加することにより色彩の異なる着色板状こんにゃくを製造し、上記と同様にして調味液中で加熱処理した。 こうして製造した色彩の異なる板状こんにゃくを適宜混ぜ合わせて調味液とともにポリプロピレン容器に収納した。色彩が異なるサラダ用こんにゃくを収納した容器の外観を
図5に示す。
【0053】
[まぐろ漬けどんぶり用こんにゃくの製造]
まぐろ漬けどんぶり用のマグロの切り身と同様の味と食感を有するこんにゃく片を製造した。まぐろ漬けどんぶり用こんにゃくを収納した容器の外観を
図6に示す。
D−プシコースを5kgとこんにゃく粉3kg、着色料に湯(40〜50℃)100 Lを加え、ゆっくりと混合・撹拌して糊状とし、2時間放置後、こんにゃく糊に1.7%の水酸化カルシウム液10 Lを加えて、均一になるように練り、ゲル化させながら型箱に入れ、沸騰させた湯で、加熱凝固させて凝固こんにゃくを製造した。その後、凝固こんにゃくから、厚さ7mm、横30mm、縦45mmからなり、その横端部から20mmの中央付近から斜めに縦方向に厚みが減少するように切断されている長方形の板状こんにゃくに成形した。この板状こんにゃくの断面形状を
図7に示す。この板状こんにゃく10片を、表7に示す調味液とともに120×150mmのポリプロピレン容器内に封入して120℃で15分間加熱することにより、まぐろ漬けどんぶり用こんにゃくを製造した。
このこんにゃく成形品は、縦方向の約中間部から端部に向かった斜めに厚さを減少させることによりマグロの切り身と同様の食感を呈することができる。例えば、まぐろ切り身風のこんにゃくは、厚み5〜8mm、縦40〜50mm、横25〜35mmの板状となし、その中央部付近から縦方向にかけて順次厚みを減少させることが好ましい。この形状は、官能検査により、マグロの食感を与えるが、こんにゃくの食感を感じないという官能結果を得ている。
【0054】
【表7】
【0055】
[キャビア風こんにゃくの製造]
D−プシコースを5kg、こんにゃく粉3kgと黒色の着色料の混合物に湯(40〜50℃)100 Lを加え、ゆっくりと混合・撹拌して糊状とし、2時間放置後、こんにゃく糊に1.7%の水酸化カルシウム液10 Lを加えて、均一になるように練り、ゲル化させながら多数の細孔より押し出して細孔出口で切断することにより微粒状となし、これを沸騰させた湯で、加熱凝固させて、黒色の凝固こんにゃく粒を製造した。
このこんにゃく粒子を表8に記載の調味液とともに120×150mmのポリプロピレン容器内に封入して120℃で15分間加熱することにより、キャビア風こんにゃく粒を製造した。封入されたキャビア風こんにゃく粒の外観を
図8に示す。
【0056】
【表8】
【実施例7】
【0057】
[たこわさび風こんにゃくの製造]
こんにゃく粉に水を加えて混合・撹拌して得たこんにゃく糊に水酸化カルシウムを加えて均一に練ることによりゲル化させながら多数の細孔より押し出し細孔出口で切断することにより約5mm〜20mmの球状となしたこんにゃく1kgを、表9に記載の西洋わさびと希少糖を含有する調味液300g中に浸漬し、120℃で15分間加熱することによりタコわさび風こんにゃくを製造した。加熱処理後のたこ風こんにゃくはpH値が4.08、糖分7.6%、塩分1.8%であった。調味液がからまった完成品の外観の写真に基づき作成した図面を
図9に示す。
【0058】
【表9】
【0059】
[いか明太子風こんにゃくの製造]
こんにゃく粉に水を加えて混合・撹拌して得たこんにゃく糊に水酸化カルシウムを加えて均一に練ることによりゲル化さて、約5mm×5mm×50〜70mmの角柱状に成形したこんにゃく1kgと、表10に記載のいかこんにゃく調味料300gを混合して120℃で20分間加熱処理することによりいか風こんにゃくを製造した。
次に、水酸化カルシウムによりゲル化したこんにゃくを0.1mm〜3mmの径に磨砕した後、この磨砕したこんにゃく1kgと表11に記載の希少糖を含有する明太子風こんにゃく調味料300gを混合して、120℃で15分間加熱処理することにより明太子風こんにゃくを製造した。
こうして製造したいか風こんにゃく1重量部に対して明太子風こんにゃく0.4重量部を混合していか明太子風こんにゃくを製造した。加熱処理後のいか明太子風こんにゃくは、pH値が4.00、糖度8.2%、塩分1.9%であった。調味料のからまった完成品の外観の写真に基づき作成した図面を
図10に示す。
【0060】
【表10】
【0061】
【表11】
【0062】
[スモークサーモン風こんにゃくの製造]
こんにゃく粉に水を加えて混合・撹拌して得たこんにゃく糊に水酸化カルシウムを加えて均一に練ることによりゲル化さて、約25mm×3mm×50〜70mmの板状に成形したこんにゃく1kgと、表12に記載の希少糖を含有する調味料300gを混合して120℃で15分間加熱処理することによりスモークサーモン風こんにゃくを製造した。処理後のスモークサーモン風こんにゃくはpH値が4.03、糖度9.8、塩分2.0%であった。調味料がからまった完成品の外観の写真に基づき作成した図面を
図11に示す。
【0063】
【表12】
【0064】
[レバ刺し風こんにゃくの製造]
こんにゃく粉に水を加えて混合・撹拌して得たこんにゃく糊に水酸化カルシウムを加えて均一に練ることによりゲル化さて、約35mm×5mm×30〜70mmの板状に成形したこんにゃく1kgと、表13に記載の希少糖を含有する調味料300gを混合して120℃で15分間加熱処理することによりレバ刺し風こんにゃくを製造した。処理後のレバ刺し風こんにゃくはpH値が4.27、糖度8.8、塩分1.8%であった。調味料がからまった完成品の外観の写真に基づき作成した図面を
図12に示す。
【0065】
【表13】
【0066】
[中華くらげ風こんにゃくの製造]
こんにゃく粉に水を加えて混合・撹拌して得たこんにゃく糊に水酸化カルシウムを加えて均一に練ることによりゲル化さて、約5mm×1.5mm×50〜70mmの板状に成形したこんにゃく1kgと、表14に記載の希少糖を含有する調味料300gを混合して120℃で15分間加熱処理することにより中華くらげ風こんにゃくを製造した。
調味液のpH値は3.52、糖度36.0%、塩分8.4%であった。完成した中華くらげ風こんにゃくは、pH値が4.22、糖分9.4%、塩分1.9%であった。調味料がからまった完成品の外観の写真に基づき作成した図面を
図13に示す。
【0067】
【表14】