特許第6349212号(P6349212)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6349212
(24)【登録日】2018年6月8日
(45)【発行日】2018年6月27日
(54)【発明の名称】結束テープ
(51)【国際特許分類】
   B65D 63/10 20060101AFI20180618BHJP
   D04H 1/435 20120101ALI20180618BHJP
   D04H 1/425 20120101ALI20180618BHJP
   B32B 5/08 20060101ALI20180618BHJP
   B32B 27/36 20060101ALI20180618BHJP
   B32B 27/00 20060101ALI20180618BHJP
   D04H 1/492 20120101ALN20180618BHJP
【FI】
   B65D63/10 M
   D04H1/435
   D04H1/425
   B32B5/08
   B32B27/36
   B32B27/00 M
   B65D63/10 L
   B65D63/10 N
   !D04H1/492
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-189043(P2014-189043)
(22)【出願日】2014年9月17日
(65)【公開番号】特開2016-60512(P2016-60512A)
(43)【公開日】2016年4月25日
【審査請求日】2017年7月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000190611
【氏名又は名称】日東シンコー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074332
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100114432
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 寛昭
(72)【発明者】
【氏名】高山 雅充
【審査官】 谷川 啓亮
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−088654(JP,A)
【文献】 実開昭51−038050(JP,U)
【文献】 特開2009−184697(JP,A)
【文献】 特開2002−369782(JP,A)
【文献】 特開平8−325885(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 61/00 − 63/18
B32B 1/00 − 43/00
D04H 1/00 − 18/04
C09J 7/00 − 7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電線を束ねるための結束テープであって、
繊維シートからなる基材層と、該基材層の少なくとも片面側に積層された粘着剤層とを有し、
前記基材層を形成している前記繊維シートの見掛け密度が0.14g/cm以上0.24g/cm以下で、目付が54g/m以上66g/m以下であり、
該繊維シートは、ポリエステル繊維とパルプ繊維とを含むウェブにウォータージェット処理が施されてなる不織布で、該ウォータージェット処理による繊維密度の偏りを有し、該繊維密度が相対的に高い高密度領域と該繊維密度が相対的に低い低密度領域とを備え、 前記ウォータージェット処理がテープ長手方向に沿って施され、前記低密度領域と前記高密度領域とがテープ長手方向に沿って延在し、且つ、前記低密度領域と前記高密度領域とがテープ幅方向に交互に備えられており、且つ、テープ側縁が前記高密度領域となっている結束テープ。
【請求項2】
ワイヤーハーネスを構成する複数の電線を束ねるためワイヤーハーネス用テープである請求項1記載の結束テープ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の電線の結束に用いられる結束テープに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、屋内配線や自動車用のワイヤーハーネスなどを構成する複数の絶縁電線どうしを束ねるための結束テープとしてビニールテープなどと呼ばれる粘着テープが広く用いられている。
該ビニールテープは、ポリ塩化ビニルシートからなる基材層と、該基材層の片面に積層された粘着剤層とを有し、通常、紙管の外周側に巻回されてテープロールの形態で市販されている。
【0003】
ところで、近年、ポリ塩化ビニルフィルムに代えて織布などの繊維シートによって基材層を構成させた粘着テープを結束テープとして利用することが検討されている(例えば、下記特許文献1参照)。
【0004】
このような織布が基材となっている結束テープは、前記のようなビニールテープに比べるとハサミやカッターナイフなどを用いることなく指先で摘んで引裂くだけでテープ幅方向に比較的真っ直ぐに切断することができる。
このことから結束テープは、上記のような織布を基材に採用することで手切れ性に優れ、電線の結束時における作業効率の向上を図ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−31566号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
結束テープは、ワイヤーハーネスの作製や屋内配線工事では、束ねた電線の長手方向にハーフラップさせて巻き付け位置をずらしながら所定の長さにわたって電線を結束すべく用いられたりしている。
そして、ワイヤーハーネスや屋内配線においては、図3、4に示すように、複数の電線の内の何本かを途中で分岐させる場合があり、例えば、5本の電線Wxをある程度の区間、結束テープ1xで束ねた後で、その先を二股に分かれさせて2本の電線と3本の電線とに分岐させ、改めて2本の電線、3本の電線をそれぞれ結束テープで束ねるような場合がある。
そのような場合、この分岐が広がる方向Bに力が加わると、この分岐部に巻き付けられている結束テープ1xには、テープ長手方向に向けて張力Tが加わることになり、しかも、結束テープ1xの両側縁1e1,1e2の内の一方の側縁1e1に対して特に強い張力が加わることになる。
【0007】
そのため、単に手切れ性の観点から結束テープの基材をポリ塩化ビニルシートから織布に変更しただけでは、このような張力によってテープ幅方向に向けて裂け目が生じてしまうおそれがあり、場合によっては結束テープが破断するおそれを有する。
このことから従来の結束テープは、このような予期せぬ形で破断が生じることを防止することと、良好なる手切れ性によって優れた作業性を発揮させることとを両立させることが求められているものの、そのような要望を満足させることが困難になっている。
本発明は、このような問題を解決し、使用時における作業性に優れるとともに予期せぬ破断を生じ難い結束テープを提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を解決すべく、複数の電線を束ねるための結束テープであって、繊維シートからなる基材層と、該基材層の少なくとも片面側に積層された粘着剤層とを有し、前記基材層を形成している前記繊維シートの見掛け密度が0.14g/cm以上0.24g/cm以下で、目付が54g/m以上66g/m以下であり、該繊維シートは、ポリエステル繊維とパルプ繊維とを含むウェブにウォータージェット処理が施されてなる不織布で、該ウォータージェット処理による繊維密度の偏りを有し、該繊維密度が相対的に高い高密度領域と該繊維密度が相対的に低い低密度領域とを備え、前記ウォータージェット処理がテープ長手方向に沿って施され、前記低密度領域と前記高密度領域とがテープ長手方向に沿って延在し、且つ、前記低密度領域と前記高密度領域とがテープ幅方向に交互に備えられている結束テープを提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の結束テープは、基材層が特定の繊維シートで形成されているために使用時における手切れ性(作業性)に優れるとともに予期せぬ破断を生じ難い。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】結束テープの構成を示す概略断面図。
図2】結束テープの概略平面(上面)図。
図3】複数の電線の結束に利用する際の一使用状態について示した結束テープの概略使用状態図。
図4図3の破線Xで示した部分(分岐部)を拡大して示した概略図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の好ましい実施の形態について説明する。
まず、図1、2を参照しつつ、本実施形態に係る結束テープについて説明する。
【0012】
図1は、本実施形態の結束テープの断面構造を模式的に示した断面図である。
この図にも示すように、本実施形態に係る結束テープ1は、基材層10と、該基材層10の一面側に設けられた粘着剤層20との2層構造を有している。
前記基材層10は、良好なる手切れ性を前記結束テープ1に発揮させるべく、繊維シートによって形成されている。
【0013】
図2は、前記繊維シート(基材層)の側から結束テープを見た様子を示す概略図であり、この図にも示しているように、本実施形態の結束テープ1は、テープ長手方向MDに向けてストライプ模様が形成されている。
該ストライプ模様は、後段において詳述するように、繊維シートの繊維密度の粗密によって現出されているものである。
【0014】
本実施形態の結束テープ1は、前記基材層10を形成する繊維シートとして不織布が採用されている。
該不織布は、ポリエステル繊維とパルプ繊維とを含むウェブにウォータージェット処理が施されてなる不織布で、該ウォータージェットによって繊維どうしが交絡されてなるスパンレース不織布である。
そして、前記不織布は、ウォータージェット処理による繊維密度の偏りを有し、相対的に繊維密度の高い高密度領域11と該繊維密度が相対的に低い低密度領域12とが備えられている。
また、前記不織布は、前記ウォータージェット処理がテープ長手方向MDに沿って施されて形成されたもので、前記高密度領域11と前記低密度領域12とがテープ長手方向MDに沿って延在し、且つ、前記高密度領域11と前記低密度領域12とがテープ幅方向TDに交互に備えられている。
【0015】
なお、一般的なスパンレース不織布を製造する際のウォータージェット処理は、前記ウェブの幅方向に数mm以下の等間隔ピッチで前記ウェブの全幅に行き渡るように複数の噴射ノズルを配し、該噴射ノズルから高圧の水をウェブに向けて噴射しつつ、前記ウェブをその長手方向に移動させるような方法で実施される。
即ち、スパンレース不織布は、噴射ノズルから噴射される水の勢いによってウェブを構成している繊維どうしを交絡させて形成されている。
このとき、ウェブは、通常、噴射ノズルが配された箇所を通過する部位に比べてノズル間を通過する部位の方が水の当たり方が弱くなる。
このようなことから、ウォータージェット処理については、過度に高い水圧で実施すると噴射ノズルが配された箇所を通過させる部位においてウェブが水勢によって切断され、“フラワー”などと呼ばれる不具合を発生させることが従来知られている。
本実施形態の前記不織布は、このような不具合が生じてしまう条件よりも僅かに水圧を落としてウェブに対してウォータージェット処理を施したものである。
即ち、前記不織布は、噴射ノズルが配された箇所を通過させた部位とノズル間を通過させた部位とにおいて繊維密度の偏りを生じる程度の水圧でウォータージェット処理が施されたものである。
【0016】
前記低密度領域12は、噴射ノズルが配された箇所を通過させた部位に該当し、水の勢いによって繊維がテープ幅方向に押し退けられる形で形成された部位である。
前記高密度領域11は、ノズル間を通過させた部位に該当し、ノズルから噴射された水の勢いによって押し退けられた繊維が集まって低密度領域12よりも高い繊維密度となった部位である。
このことから高密度領域11は、通常、低密度領域12に比べて高強度となっている。
言い換えれば、前記低密度領域12は、通常、前記高密度領域11に比べて易変形性を有している。
【0017】
本実施形態の結束テープ1は、前述のようにこの高密度領域11及び低密度領域12が線状になってテープ長手方向MDに沿って延在している。
また、本実施形態の結束テープ1は、テープ幅方向TDにこの高密度領域11と低密度領域12とが繰り返し形成されている。
このため本実施形態の結束テープ1は、加えられた応力が低密度領域12によって吸収され易く、且つ、テープ幅方向TDに向けての応力の伝搬が前記低密度領域12によって抑制されるという機能を有する。
本実施形態の結束テープ1は、側縁が低密度領域12となっている場合、テープ長手方向MDに張力が加わっただけでは、側縁の何れかにおいて応力集中が生じてしまうことがなく、応力の局所集中による裂けの起点が形成され難い。
一方で、本実施形態の結束テープ1は、側縁の何れかの部位を指先で摘むなどして応力が集中する箇所を敢えて形成させてやると、裂けの起点が形成されることになって優れた手切れ性が発揮される。
【0018】
また、本実施形態の結束テープ1は、側縁が高密度領域11となっている場合、側縁が低密度領域12となっている場合に比べるとテープ長手方向MDに加わる張力によって応力集中を生じ易いものの前記のようにテープ幅方向TDに向けての応力の伝搬が低密度領域12によって阻止されるため、全体が均質でテープ幅方向に向けての応力の伝搬が何等抑制されない不織布で基材層を形成させた場合に比べると側縁における局所的な応力集中が抑制される。
さらに、本実施形態の結束テープ1は、高密度領域11が張力方向に線状となって形成されているために、この高密度領域自体も伸縮性に富んだ状態となって張力による破断を生じ難い状態になっている。
なお、本実施形態の結束テープ1は、側縁が高密度領域11となっている場合、側縁の何れかの部位を指先で摘んで裂けの起点を形成させるのに側縁が低密度領域12となっている場合に比べて力を要することになる。
しかし、本実施形態の結束テープ1は、側縁に加えた応力が、テープ幅方向に伝搬されて拡散されることが抑制されるため、指先によって加えられた応力を側縁における裂けの起点の形成に効率良く活用することができる。
即ち、本実施形態の結束テープ1は、全体的に加わる張力が局所集中し難い状態になっている一方で力を加える箇所を一カ所に集中させると切断され易い状態になっており、優れた手切れ性が発揮されるようになっている。
【0019】
なお、テープ幅方向TDにおける高密度領域11と低密度領域12との繰り返しピッチ、即ち、隣合う2つの高密度領域11の中心間距離は、前記のようなことからウォータージェット処理に用いた装置のノズル間距離に相当することになる。
そのため、本実施形態の結束テープ1の基材層10を形成させる不織布を、一般的なスパンレース不織布の製造設備によって作製させようとした場合、前記繰り返しピッチは、通常、5mm以下となる。
この不織布は、繰り返しピッチが過度に小さいと風合いが均質な不織布と近似してしまい、前記のような機能が十分に発揮されなくなるおそれがある。
従って、不織布における高密度領域11と低密度領域12との繰り返しピッチは、0.5mm以上3mm以下であることが好ましい。
【0020】
前記不織布におけるポリエステル繊維は、当該不織布に優れた強度を発揮させるのに有効な成分であり、前記パルプは、当該不織布に強度とともに優れた手切れ性を発揮させるのに有効な成分である。
前記ポリエステル繊維は、例えば、ポリエステル樹脂を溶融紡糸し、冷却して引き取り、延伸し、必要に応じて熱処理や捲縮処理を施したものを採用することができる。
前記ポリエステル繊維は、交絡性から捲縮短繊維であることが好ましい。
前記ポリエステル繊維は、単糸繊度は0.1dtex以上3dtex以下であることが好ましく、0.5dtex以上2.5dtex以下であることが好ましい。
また、前記ポリエステル繊維は、捲縮短繊維の場合、捲縮数は10山/25mm以上であることが好ましく、捲縮度は10%以上であることが好ましい。
また、前記ポリエステル繊維は、繊維長は50mm以下であることが好ましく、10mm以上30mm以下であることが特に好ましい。
【0021】
前記パルプ繊維は、針葉樹木材、広葉樹木材、麻などから得られるものを採用することができる。
前記パルプ繊維は、例えば、繊度が1dtex以上4dtex以下の繊度のものを採用することが好ましい。
また、前記パルプ繊維は、0.5mm以上4.5mm以下の繊維長を有するものが好ましい。
【0022】
前記不織布は、結束テープに対して優れた強度と手切れ性とをバランス良く発揮させる上において前記ポリエステル繊維と前記パルプ繊維とを35:65〜45:55(ポリエステル繊維:パルプ繊維)の質量割合で含有していることが好ましく、38:62〜43:57の質量割合で含有していることがより好ましい。
【0023】
不織布は、結束テープ1に優れた強度と手切れ性とをバランス良く発揮させる上において、所定範囲内の見掛け密度、及び、所定範囲内の目付を有する状態で前記基材層10を形成していることが好ましい。
即ち、本実施形態の結束テープ1は、前記不織布が0.14g/cm以上0.24g/cm以下の見掛け密度となって前記基材層10を形成していることが好ましい。
また、本実施形態の結束テープ1は、前記不織布が54g/m以上66g/m以下の目付となって前記基材層10を形成していることが好ましい。
なお、前記目付は、単位面積当たりの質量から求められ、前記見掛け密度は、前記目付の値を基材層の平均厚みで除して求められるものである。
【0024】
前記不織布は、前記ウォータージェット処理が施されたものをそのままの状態で、又は、後加工して基材層10の形成材料とすることができる。
【0025】
該基材層10とともに結束テープ1を構成する前記粘着剤層20は、特にその形成材料が限定されるものではなく、従来の結束テープに使用されているのと同様の粘着剤によって形成させることができる。
【0026】
具体的には、前記粘着剤層20は、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤などにより、10μm以上100μm以下の厚みに形成され得る。
【0027】
前記アクリル系粘着剤としては、アクリル系ポリマーを主成分とするものを用いることができる。
なお、前記アクリル系ポリマーとしては、その出発物質が(メタ)アクリル酸アルキルエステル及びカルボキシル基含有不飽和単量体であるものを挙げることができる。
該(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ノルマルプロピルアクリレート、ノルマルプロピルメタクリレート、イソプロピルアクリレート、イソプロピルメタクリレート、ノルマルブチルアクリレート、ノルマルブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、セカンダリーブチルアクリレート、セカンダリーブチルメタクリレート、ターシャリーブチルアクリレート、ターシャリーブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ノルマルオクチルアクリレート、ノルマルオクチルメタクリレート、イソオクチルアクリレート、イソオクチルメタクリレート、ノルマルノニルアクリレート、ノルマルノニルメタクリレート、イソノニルアクリレート、イソノニルメタクリレート等が挙げられる。
【0028】
また、前記カルボキシル基含有不飽和単量体としては、前記の(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能なものであれば特に限定されるものではなく、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸等の内の1種以上とすることができる。
【0029】
前記アクリル系ポリマーは、上記に例示したような(メタ)アクリル酸アルキルエステルやカルボキシル基含有不飽和モノマー以外に他のモノマーを含む共重合体とすることもできる。
上記例示以外のモノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等の水酸基含有モノマー;(メタ)アクリルアミド、アクリロイルモルフォリン、(メタ)アクリロニトリル等の含窒素(メタ)アクリレート;酢酸ビニル、スチレン、塩化ビニリテン、プロピオン酸ビニル等があげられる。
【0030】
なかでも、アクリル系ポリマーは、ブチルアクリレートとアクリル酸との共重合体であることが好ましい。
また、アクリル系ポリマーをブチルアクリレートとアクリル酸との共重合体とする場合、ブチルアクリレートは、アクリル酸との合計に占める割合が80質量%以上99質量%以下となるようにアクリル系ポリマーの形成に利用することが好ましく、90質量%以上98質量%以下となるようにアクリル系ポリマーの形成に用いることが好ましい。
【0031】
本実施形態の粘着剤層をアクリル系粘着剤によって形成させる場合、該アクリル系粘着剤は、不織布への積層時において低分子量成分が不織布を透過して“裏抜け”を生じることを防止する上において、前記アクリル系ポリマーを架橋状態で含有していることが好ましい。
このアクリル系ポリマーどうしを架橋するには、例えば、活性エネルギー線(紫外線や電子線など)を照射する方法が採用可能である。
また、アクリル系ポリマーどうしの架橋には、任意の架橋剤を利用し得る。
このような架橋剤としては、例えば、エポキシ系架橋剤、多官能イソシアネート系架橋剤、メラミン樹脂系架橋剤、金属塩系架橋剤、金属キレート系架橋剤、アミノ樹脂系架橋剤、過酸化物系架橋剤などが挙げられる。
【0032】
前記ゴム系粘着剤としては、例えば、天然ゴム、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、前記スチレン系ブロック共重合体の水素添加物(SIPS、SEBS)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ポリイソプレンゴム(IR)、ポリイソブチレン(PIB)、ブチルゴム(IIR)などの内の1種以上からなるゴム成分に、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、石油系樹脂などの内の1種以上からなる粘着付与剤を適宜配合したものなどが挙げられる。
【0033】
前記シリコーン系粘着剤としては、例えば、シリコーンゴムにシリコーンレジンやシリコーンオイルを適宜配合したものが挙げられる。
【0034】
前記ウレタン系粘着剤としては、例えば、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオールなどのポリオールと、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)などのポリイソシアネートとを反応させてなるものが挙げられる。
【0035】
これらの粘着剤によって形成される前記粘着剤層20には、任意の添加剤を含有させ得る。
該添加剤としては、例えば、軟化剤、粘着付与剤、表面潤滑剤、レベリング剤、酸化防止剤、腐食防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、耐熱安定剤、重合禁止剤、シランカップリンング剤、滑剤、無機または有機の充填剤、金属粉、顔料などが挙げられる。
前記粘着付与剤としては、例えば、脂肪族系共重合体、芳香族系共重合体、脂肪族・芳香族系共重合体系や脂環式系共重合体等の石油系樹脂、クマロン−インデン系樹脂、テルぺン系樹脂、テルぺンフェノール系樹脂、重合ロジン等のロジン系樹脂、(アルキル)フェノール系樹脂、キシレン系樹脂またはこれらの水添物などが挙げられる。
【0036】
本実施形態の結束テープ1は、例えば、前記不織布に対して粘着剤を直接塗布する直接法や、一旦、別のシートに塗布した粘着剤を不織布に転写する転写法により形成させることができる。
不織布や別のシートへの粘着剤の塗布は、例えば、ロールコート法、スプレーコート法、グラビアコート法、リバースコート法、ロッドコート法、バーコート法、ダイコート法、キスコート法、リバースキスコート法、エアナイフコート法などによって実施することができる。
【0037】
本実施形態の結束テープは、図3、4に示すように、複数の電線Wxが一括して束ねられる箇所とこの複数の電線Wxが小分けされて束ねられる箇所とが形成され、電線Wxの二股分岐が形成されるような場合に、この分岐部に巻きつけられて利用されるのに適しているといえる。
即ち、分岐が広がる方向Bに向けて電線Wxに応力Fが加わると、この分岐部に巻き付けられている結束テープ1xには、テープ長手方向に向けて張力Tが加わる。
しかも、張力Tは、結束テープの幅方向における両側縁1e1,1e2の内の一方の側縁1e1に特に強く作用する。
前記張力Tは、主として高密度領域11の抗張力と拮抗することになるが、本実施形態における前記高密度領域11は、張力Tが加わる方向に向けて細長い線状になっているので、伸縮性を発揮させ易い。
そして張力Tが強く作用する側縁1e1に最も近い位置に設けられた高密度領域11は、テープ幅方向内側に低密度領域12が形成されているので比較的自由に伸縮できる。
従って、本実施形態の結束テープは、前記側縁1e1において応力集中が生じ難い。
一方で、本実施形態の結束テープは、指先などで側縁1e1を摘んでせん断力を与えた場合には、側縁1e1に最も近い位置に設けられた高密度領域11を比較的弱い力で切断し得ることから、手で容易に切断することができる。
即ち、本実施形態の結束テープは、張力などの作用によって予期せぬ形での破断が生じ難いものの意図的な切断に対しては容易に切断され得る。
【0038】
自動車用のワイヤーハーネスは、自動車に組み込まれる際に狭小箇所に押し込まれることになるが、その際に各所に曲げ伸ばしを伴う変形が加えられる。
そして、一般にワイヤーハーネスは、多数の分岐部を有しているため、自動車に組み込まれる際に分岐部に巻き付けられた結束テープが強い張力を受ける可能性が高い。
このようなことから本実施形態に係る結束テープは、その効果を顕著に発揮させ得る点において、ワイヤーハーネスを構成する複数の電線を束ねるためワイヤーハーネス用テープとして用いられることが好ましい。
なお、当然ながら本実施形態の結束テープは、その用途がワイヤーハーネス用に限定されるわけではない。
【0039】
本実施形態においては、前記粘着剤層20を前記基材層10の片面に直接積層させた2層構成の結束テープ1を例示しているが、本発明の結束テープは、上記のような2層構成のものに限定されるものではない。
本発明の結束テープは、例えば、基材層の手切れ性に実質的な悪影響を与えないような第3の層を備えていても良い。
本発明の結束テープは、この第3の層を粘着剤層と基材層との間に配したり、粘着剤層に接する側とは逆側となる基材層の背面側に配したりしてもよく、要すれば、4層以上の積層構造としてもよい。
また、結束テープは、粘着剤層が1層のみである必要はなく、例えば、一面側と他面側との両方の表層部に粘着剤層が配され、この2層の粘着剤層の間の中間層として前記のような基材層を配した両面粘着性を有する結束テープ(両面粘着テープ)についても本発明の意図する範囲のものである。
【0040】
また、本発明の結束テープは上記例示以外にも種々の態様を採用することができる。
【符号の説明】
【0041】
1:結束テープ、10:基材層、11:高密度領域、12:低密度領域、20:粘着剤層
図1
図2
図3
図4