特許第6349225号(P6349225)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6349225
(24)【登録日】2018年6月8日
(45)【発行日】2018年6月27日
(54)【発明の名称】材料輸送供給装置及び材料輸送供給方法
(51)【国際特許分類】
   B65G 51/02 20060101AFI20180618BHJP
   B65G 53/24 20060101ALI20180618BHJP
   B29C 31/06 20060101ALI20180618BHJP
【FI】
   B65G51/02 H
   B65G53/24
   B29C31/06
【請求項の数】6
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-211286(P2014-211286)
(22)【出願日】2014年10月16日
(65)【公開番号】特開2016-78976(P2016-78976A)
(43)【公開日】2016年5月16日
【審査請求日】2017年9月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000146054
【氏名又は名称】株式会社松井製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002686
【氏名又は名称】協明国際特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100087664
【弁理士】
【氏名又は名称】中井 宏行
(74)【代理人】
【識別番号】100143926
【弁理士】
【氏名又は名称】奥村 公敏
(72)【発明者】
【氏名】花岡 一成
(72)【発明者】
【氏名】上田 亨
【審査官】 土田 嘉一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−20296(JP,A)
【文献】 特開2011−131978(JP,A)
【文献】 特開2012−176599(JP,A)
【文献】 米国特許第4957176(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 51/02
B65G 53/24
B29C 31/06
B29C 45/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気輸送される成形材料を捕集し、成形機に供給する捕集供給部と、
輸送元から前記捕集供給部に成形材料を空気輸送する空気輸送機と、
所定の成形終了予定信号を生成する信号生成部と、
所定のプログラムに従って、前記成形終了予定信号を受信した後の成形終了までに前記成形機において必要とされる成形材料の必要量を算出し、この必要量から前記捕集供給部及び前記成形機の加熱筒内における成形材料の待機量を減算して得られた残り必要量に応じた空気輸送を前記空気輸送機に実行させ、以降の空気輸送を停止させる制御部と、
を備えていることを特徴とする材料輸送供給装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記捕集供給部には、前記加熱筒に接続される投入部と、該投入部における材料レベルが所定レベルまで低下したことを検出する材料センサーと、前記輸送元から空気輸送された成形材料を計量する計量器を備え前記投入部に向けて成形材料を供給する計量ホッパーと、が設けられており、
前記制御部は、前記材料センサーから材料要求信号が出力された際には、予め格納された前記加熱筒内を含む前記材料センサーの検出レベル以下のセンサー以下待機量に、前記計量ホッパーにおけるホッパー待機量を加えて前記待機量を算出することを特徴とする材料輸送供給装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記成形機は、射出成形機とされており、
前記制御部は、前記成形終了予定信号としての残ショット数の入力を受け付けた後における前記材料センサーから材料要求信号が出力されるまでのショット数を、前記残ショット数から減算して得られた残り必要ショット数と前記射出成形機における1ショット量とに基づいて前記必要量を算出することを特徴とする材料輸送供給装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項において、
前記輸送元には、前記捕集供給部に向けて空気輸送される成形材料の一バッチ輸送量の調整が可能とされた排出部が設けられていることを特徴とする材料輸送供給装置。
【請求項5】
請求項4において、
前記制御部は、前記残り必要量を予め設定された一バッチ輸送量で除して得た商に相当する回数のバッチ空気輸送を前記一バッチ輸送量で実行させ、余りに相当する余り一バッチ輸送量となるように前記排出部を調整して余り一バッチ空気輸送を実行させることを特徴とする材料輸送供給装置。
【請求項6】
輸送元から空気輸送される成形材料を、捕集供給部において捕集し、成形機に供給する材料輸送供給方法であって、
所定の成形終了予定信号の後の成形終了までに成形機において必要とされる成形材料の必要量を算出し、この必要量から前記捕集供給部及び前記成形機の加熱筒内における成形材料の待機量を減算して得られた残り必要量に応じた空気輸送を空気輸送機に実行させ、以降の空気輸送を停止することを特徴とする材料輸送供給方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、輸送元からの成形材料を成形機に供給する材料輸送供給装置及び材料輸送供給方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、輸送元から空気輸送される成形材料を、捕集器等において捕集し、その下方側に設けられた投入管や貯留タンク等の投入部を介して成形機に向けて供給する材料輸送供給装置が知られている。このような材料輸送供給装置では、成形機において成形材料が消費されるに従い、その上流側に設けられた投入部における材料レベルが低下すれば、空気輸送機によって捕集器に向けて空気輸送がなされ投入部に成形材料が補給される構成とされている。このようなものでは、成形終了時に、捕集器や投入部等に比較的に多くの成形材料が残材として残るという問題があった。
例えば、下記特許文献1には、複数種の粉粒体材料をそれぞれに貯留する複数の材料供給機からの粉粒体材料を計量機において計量し、貯留部等を介して成形機に供給する材料配合供給装置が開示されている。この材料配合供給装置は、計量機から貯留部上流側までの材料と貯留部における材料センサーの検出レベル以下の材料とからなる待機量を、成形終了予定信号を受信した後の成形終了までに成形機において必要とされる材料の必要量から減算して残り必要量を算出し、この残り必要量に応じた回数のバッチ計量を計量機において実行させ、以降の計量動作を停止する構成とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−20296号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載された材料配合供給装置では、貯留部における材料センサーの検出レベル以下の材料については減少させることができるが、貯留部の下流側、つまり、成形機内に投入されている材料については考慮がなされておらず、更なる改善が望まれる。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、成形終了時における残材を減少し得る材料輸送供給装置及び材料輸送供給方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明に係る材料輸送供給装置は、空気輸送される成形材料を捕集し、成形機に供給する捕集供給部と、輸送元から前記捕集供給部に成形材料を空気輸送する空気輸送機と、所定の成形終了予定信号を生成する信号生成部と、所定のプログラムに従って、前記成形終了予定信号を受信した後の成形終了までに前記成形機において必要とされる成形材料の必要量を算出し、この必要量から前記捕集供給部及び前記成形機の加熱筒内における成形材料の待機量を減算して得られた残り必要量に応じた空気輸送を前記空気輸送機に実行させ、以降の空気輸送を停止させる制御部と、を備えていることを特徴とする。
【0007】
本発明においては、前記捕集供給部に、前記加熱筒に接続される投入部と、該投入部における材料レベルが所定レベルまで低下したことを検出する材料センサーと、前記輸送元から空気輸送された成形材料を計量する計量器を備え前記投入部に向けて成形材料を供給する計量ホッパーと、を設け、前記制御部が、前記材料センサーから材料要求信号が出力された際には、予め格納された前記加熱筒内を含む前記材料センサーの検出レベル以下のセンサー以下待機量に、前記計量ホッパーにおけるホッパー待機量を加えて前記待機量を算出する構成としてもよい。
また、本発明においては、前記成形機を、射出成形機とし、前記制御部が、前記成形終了予定信号としての残ショット数の入力を受け付けた後における前記材料センサーから材料要求信号が出力されるまでのショット数を、前記残ショット数から減算して得られた残り必要ショット数と前記射出成形機における1ショット量とに基づいて前記必要量を算出する構成としてもよい。
また、本発明においては、前記輸送元に、前記捕集供給部に向けて空気輸送される成形材料の一バッチ輸送量の調整が可能とされた排出部を設けてもよい。
また、本発明においては、前記制御部が、前記残り必要量を予め設定された一バッチ輸送量で除して得た商に相当する回数のバッチ空気輸送を前記一バッチ輸送量で実行させ、余りに相当する余り一バッチ輸送量となるように前記排出部を調整して余り一バッチ空気輸送を実行させる構成としてもよい。
【0008】
また、前記目的を達成するために、本発明に係る材料輸送供給方法は、輸送元から空気輸送される成形材料を、捕集供給部において捕集し、成形機に供給する材料輸送供給方法であって、所定の成形終了予定信号の後の成形終了までに成形機において必要とされる成形材料の必要量を算出し、この必要量から前記捕集供給部及び前記成形機の加熱筒内における成形材料の待機量を減算して得られた残り必要量に応じた空気輸送を空気輸送機に実行させ、以降の空気輸送を停止することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る材料輸送供給装置及び材料輸送供給方法は、上述のような構成としたことで、成形終了時における残材を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係る材料輸送供給装置の一例を模式的に示す概略システム構成図である。
図2】同材料輸送供給装置の概略制御ブロック図である。
図3】(a)、(b)は、同材料輸送供給装置を用いて実行される基本動作の一例としての本発明の一実施形態に係る材料輸送供給方法の一例を模式的に示す概略フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1図3は、本実施形態に係る材料輸送供給装置及び材料輸送供給方法の一例を模式的に示す図である。
なお、図1では、輸送空気や成形材料等が通過する経路となる管路(配管)の一部を、実線にて模式的に示している。
【0012】
本実施形態に係る材料輸送供給装置1は、図1に示すように、輸送元2からの成形材料を捕集し、供給先としての成形機5に向けて供給する構成とされている。この材料輸送供給装置1は、空気輸送される成形材料を捕集し、成形機5に供給する捕集供給部20と、輸送元2から捕集供給部20に成形材料を空気輸送する空気輸送機10と、各部を所定のプログラムに従って制御する制御部16(図2参照)を有した制御盤15と、を備えている。
ここに、上記成形材料は、各種成形品の原料となるもので、例えば、合成樹脂成形品の原料としては、ナチュラル材(バージン材)や粉砕材、マスターバッチ材、各種添加剤等が挙げられる。また、上記成形材料としては、例えば、粉体・粒体状の樹脂ペレットや、繊維状の樹脂繊維片等でもよく、また、ガラス繊維や炭素繊維等の強化繊維を含んだ構成としてもよい。
【0013】
輸送元2は、図例では、成形材料を乾燥する乾燥ホッパー2とされている。この乾燥ホッパー2は、成形材料を貯留するホッパー本体に、成形材料を補給する捕集器や成形材料を加熱する加熱手段等を設けた構成とされている。なお、輸送元2としては、乾燥ホッパー2に限られず、材料タンクや、複数種の材料を所定割合で配合する配合ホッパー等としてもよい。また、これら各種ホッパーの下流側に設けられる一時貯留部を輸送元2としてもよい。また、単一の輸送元2に限られず、例えば、相異なる材料をそれぞれに貯留する複数の輸送元2を、捕集供給部20に材料輸送管4を介して接続する態様としてもよい。
また、この輸送元2の下端部には、排出部3が設けられている。この排出部3に、捕集供給部20に接続される材料輸送管4が接続されている。
【0014】
本実施形態では、この排出部3を、後記する捕集供給部20に向けて空気輸送される成形材料の一バッチ輸送量の調整が可能とされたものとしている。このような排出部3としては、後記する制御部16に信号線等を介して接続されて排出制御(作動制御乃至は開閉制御)可能とされたものであればどのようなものでもよい。例えば、弁体の開時間を調整することで、一バッチ輸送量の調整が可能とされたものや、切出部の単位時間当たりの回転数を調整することで、一バッチ輸送量の調整が可能とされたもの、容量を調整することで、一バッチ輸送量の調整が可能とされたもの等としてもよい。このような排出部3としては、輸送元2の排出管に対して直交方向に移動される弁体を備えたスライドダンパーや、同排出管に対して軸方向に移動される弁体を備えたプッシュダンパー、ローターを備えたロータリーフィーダー、スクリューを備えたスクリューフィーダー、周面に材料を収容する凹部(マス部)が設けられた回転体を備えたマスフィーダー等としてもよい。さらには、排出部3としては、容量調整可能とされた容器(計量マス)を輸送元2の排出管に対してスライドさせて排出させる構成とした計量マスダンパーとしてもよい。
【0015】
成形機5は、本実施形態では、射出成形機5とされている。この射出成形機5は、加熱筒(シリンダー)6の基端側に、本実施形態に係る材料輸送供給装置1からの成形材料が投入される材料投入口7を設けた構成とされている。また、加熱筒6内には、材料投入口7を介して投入された成形材料を、加熱筒6の先端側(ノズル側)へ移送するスクリュー8が設けられている。また、図示は省略しているが、加熱筒6の周囲には、バンドヒーター等の加熱部が設けられている。また、スクリュー8の基端側には、スクリュー8を回転させるモーターや、スクリュー8を前進させる油圧シリンダー等が設けられている。なお、射出成形機5としては、スクリュー式のものに限られず、プランジャー式とされたものとしてもよく、どのようなものでもよい。
【0016】
このような射出成形機5においては、スクリュー8を作動させ、適宜の成形サイクル、つまり、計量、射出、保圧、冷却等が実行される。本実施形態では、図2に示すように、本実施形態に係る材料輸送供給装置1が備える制御部16と射出成形機5とを信号線等を介して接続し、制御部16において、射出成形機5からの少なくとも射出信号の受信を可能としている。つまりは、当該材料輸送供給装置1において、射出成形機5のショット数の積算等が可能とされている。
また、加熱筒6の先端部のノズルは、金型9の固定型と可動型とによって形成されるキャビティー等に連通され、加熱筒6で溶融(可塑化)された成形材料(溶融樹脂)がノズルから金型9のキャビティーに射出されて充填され、成形品が逐次、成形される。なお、成形機5としては、このような射出成形機に限られず、押出成形機や圧縮成形機等の他の成形機としてもよい。
【0017】
空気輸送機10は、空気吸引源としての吸引ブロワー11と、この吸引ブロワー11の吸込側に設けられた集塵ユニット12と、集塵ユニット12の吸込側に設けられ、後記する捕集供給部20に接続される空気吸引管14が接続される接続部13と、を備えている。
吸引ブロワー11は、羽根車等の回転体や該回転体を回転駆動する駆動モーター等を備え、図2に示すように、制御部16に信号線等を介して接続されている。
集塵ユニット12は、吸引ブロワー11に向かう吸引空気に含まれる微粉や塵埃等を捕捉する構成とされている。この集塵ユニット12の集塵手段としては、サイクロン式フィルターやバグフィルター等を採用するようにしてもよい。なお、この集塵ユニット12の上流側の空気吸引管14の適所等に、空気吸引管14内の圧力を検出する圧力センサーや圧力ゲージ等の圧力計を設けるようにしてもよい。
【0018】
捕集供給部20は、空気輸送される成形材料を捕集する捕集部22と、射出成形機5に向けて成形材料を供給する供給部としての投入部28と、を備えている。この捕集供給部20は、射出成形機5の材料投入口7に連通するように、射出成形機5上に設置される構成とされている。
また、本実施形態では、捕集供給部20に、投入部28における材料レベルが所定レベルまで低下したことを検出する材料センサー29と、輸送元2から空気輸送された成形材料を計量する計量器27を備え投入部28に向けて成形材料を供給する計量ホッパー25と、を設けている。これら計量器27及び材料センサー29は、図2に示すように、制御部16に信号線等を介して接続されている。
また、本実施形態では、捕集供給部20に、計量ホッパー25を収容するケーシング21を設け、計量器27を、このケーシング21に対して計量ホッパー25を支持する構成とし、計量ホッパー25に貯留された成形材料の質量を検出する構成としている。また、このケーシング21の上端部に、捕集部22を設け、ケーシング21の下端部に、投入部28を設けた構成としている。
【0019】
ケーシング21は、軸方向を上下方向に沿わせた筒形状とされ、また、下端部に逆錐状部を有したホッパー形状とされている。なお、このケーシング21の筒状部の側周面に、後記する計量ホッパー25等のメンテナンスのための開口及びこの開口を開閉する扉を設けた構成としてもよい。
また、本実施形態では、このケーシング21の下端部の投入部28を、射出成形機5の材料投入口7に接続される管状のシュート部としている。この投入部28に設けられた材料センサー29としては、材料要求(材料無)信号を出力する種々のレベル計としてもよく、例えば、静電容量式等の非接触式センサーや、リミットスイッチ等を有した接触式センサー等としてもよい。なお、捕集供給部20の供給部(投入部)28としては、このように、計量ホッパー25から排出された成形材料を言わば垂れ流し状に供給する構成とされたものに限られず、適宜の開閉機構や切出部等が設けられたものとしてもよい。また、投入部28としては、管状とされたものに限られず、ホッパー状とされたものとしてもよい。
【0020】
捕集部22は、ケーシング21の上端側に設けられた蓋部材等に固定されている。図例では、この捕集部22を、ケーシング21の蓋部材の上方側に露出するように設けられた捕集ホッパー23と、この捕集ホッパー23の下端側に連なるように設けられ、ケーシング21に収容された投入ホッパー24と、を備えた構成としている。
【0021】
捕集ホッパー23は、上記した空気輸送機10及び輸送元2に接続され、吸引空気によって空気輸送される輸送元2からの成形材料を吸引空気から分離させて捕集する構成とされている。この捕集ホッパー23には、空気吸引管14が接続される吸引接続部23aと、材料輸送管4が接続される材料導入接続部23bと、が設けられている。また、捕集ホッパー23には、吸引接続部23aに向かう輸送空気から成形材料を分離させる分離部23cが設けられている。このような分離部23cとしては、成形材料と輸送空気とを分離可能なものであればどのようなものでもよいが、輸送空気に加えて粉塵を通過させる一方、原料となる成形材料の通過を阻止するパンチングメタルや網状(メッシュ状)の多孔板状体等からなるものとしてもよい。また、このような分離部23cを設けずに、いわゆるサイクロン式にて輸送空気から成形材料を分離させる構造とされたものとしてもよい。
【0022】
投入ホッパー24は、捕集ホッパー23の下端側に連通するように設けられ、下端部に下端の排出口を開閉するダンパー24aを設けた構成とされている。図例では、排出口を開閉する蓋体を吊下部材によって吊り下げ支持させた構成としたダンパー24aを例示している。このダンパー24aは、空気輸送機10が駆動されれば、捕集部22内が負圧となり、蓋体が持ち上げられて排出口を閉鎖する一方、空気輸送機10が停止されれば、捕集ホッパー23において捕集した成形材料の荷重によって蓋体が移動し排出口を開放する構成とされている。つまりは、捕集部22においては、成形材料が待機されることなく、後記するようにバッチ空気輸送されて捕集した成形材料を計量ホッパー25に向けて排出する構成とされている。
なお、捕集供給部20の捕集部22としては、このような捕集ホッパー23と投入ホッパー24とを備えたものに限られず、捕集ホッパー23のみを備えたものとしてもよい。この場合は、捕集ホッパー23の下端側の排出管の排出口を開閉する適宜の開閉機構を設けるようにしてもよい。
【0023】
計量ホッパー25は、投入ホッパー24から排出された成形材料を貯留して計量し、下流側の投入部28に向けて排出する構成とされている。図例では、計量ホッパー25の上端を、投入ホッパー24から排出された成形材料の受け入れが可能なように開放させた形状としている。
また、この計量ホッパー25の下端部には、成形材料を排出する排出部26が設けられている。この排出部26は、図2に示すように、制御部16に信号線等を介して接続されている。
図例では、排出部26を、吊下部材によって吊り下げ支持され自重によって排出口を閉鎖する板状の蓋体26aと、この蓋体26aを開放させる駆動部26bと、を備えた構成としている。なお、計量ホッパー25の排出口を開閉する開閉機構としては、このような構成に限られず、上記した輸送元2の排出部3と同様、種々の構成とされたものの採用が可能である。また、開閉機構に代えて、排出部26として、計量ホッパー25に貯留された成形材料を切り出す切出部を設けた構成としてもよい。この場合は、計量ホッパー25を、いわゆるロスインウェイト型(質量減算型)の計量ホッパーとして把握するようにしてもよい。
【0024】
計量器27は、計量ホッパー25を保持し、この計量ホッパー25の質量を検出することで、計量ホッパー25内に貯留された成形材料の質量を検出する構成とされている。つまり、計量ホッパー25に成形材料が貯留されていない状態の計量器27の検出値が貯留量ゼロとなる。この計量器27において計量されたバッチ空気輸送毎の成形材料の質量は、後記する制御盤15に設けられた記憶部17に格納される。
図例では、この計量器27を、ケーシング21に固定されたロードセルとしている。なお、ケーシング21の側周壁には、計量ホッパー25を保持するロードセル27に固定された保持部の挿通が可能で、ロードセル27の変形を伴い上下動する保持部の上下動を許容する挿通孔等が設けられている。
【0025】
なお、計量器27としては、図例のような片持ち状に計量ホッパー25を支持するものに限られない。例えば、ケーシング21を横断するように設けられた支持フレームを、計量ホッパー25を貫通させるように設け、この支持フレームに支持される被支持フレームを計量ホッパー25に設け、この被支持フレームと支持フレームとの間に計量器27を設けたような態様としてもよい。または、計量ホッパー25に上方側に延びるように引掛部を設け、この引掛部を引っ掛け保持するフック部を計量器27に設けたような態様としてもよい。その他、計量器27及び計量ホッパー25を支持する態様としては、種々の態様とされたものとしてもよい。
【0026】
制御盤15には、図2に示すように、例えば、CPU等からなり、計時手段や演算処理部等を有し、上記した各部を予め設定された所定のプログラムに従って制御する制御部16と、この制御部16に信号線等を介してそれぞれに接続された表示操作部18及び記憶部17と、が設けられている。この制御盤15は、図1に示すように、捕集供給部20のケーシング21に固定されている。なお、このような態様に代えて、例えば、空気輸送機10に制御盤15を設けたり、または、制御盤15を、これら捕集供給部20や空気輸送機10とは別途に設置されるものとしてもよい。
【0027】
制御部16は、所定のプログラムに従って、成形終了予定信号を受信した後の成形終了までに射出成形機5において必要とされる成形材料の必要量を算出し、この必要量から捕集供給部20及び射出成形機5の加熱筒6内における成形材料の待機量を減算して得られた残り必要量に応じた空気輸送を空気輸送機10に実行させ、以降の空気輸送を停止させる輸送制御を実行する。本実施形態では、制御部16は、材料センサー29から材料要求信号が出力された際には、予め格納された加熱筒6内を含む材料センサー29の検出レベル以下のセンサー以下待機量に、計量ホッパー25におけるホッパー待機量を加えて待機量を算出する構成とされている。また、本実施形態では、制御部16は、成形終了予定信号としての残ショット数の入力を受け付けた後における材料センサー29から材料要求信号が出力されるまでのショット数を、残ショット数から減算して得られた残り必要ショット数と射出成形機5における1ショット量とに基づいて必要量を算出する構成とされている。
【0028】
表示操作部18は、例えば、操作パネル等からなり、各種設定操作や、後記する事前設定入力項目などが設定、入力されたり、各種設定条件や、各種運転モードなどを表示したりする構成とされている。また、本実施形態では、この表示操作部18に、所定の成形終了予定信号を生成する信号生成部としての残ショット数入力部19を設けている。なお、残ショット数入力部19は、所望の残ショット数の入力が可能とされたものでもよく、または、予め設定された単一若しくは複数の残ショット数スイッチ等からなるものとしてもよい。
記憶部17は、各種メモリ等から構成されており、表示操作部18の操作により設定、入力された各種事前設定入力項目等の設定条件や入力値、後記するような基本動作等を実行するための制御プログラムなどの各種プログラム、予め設定された各種動作条件や各種データテーブル等が格納される。
【0029】
次に、図3を参照して、本実施形態に係る材料輸送供給装置1において実行される基本動作の一例としての本実施形態に係る材料輸送供給方法の一例について説明する。
まず、当該材料輸送供給装置1の起動後等に、輸送制御に先立ち必要となる事前設定入力項目の入力を受け付ける。
本実施形態では、図3(a)に示すように、加熱筒6内を含む材料センサー29の検出レベル以下の成形材料の待機量としてのセンサー以下待機量を、事前設定入力項目として表示操作部18を介して入力させ、記憶部17に格納させる構成としている。また、適宜、必要に応じて、輸送元2から一バッチ空気輸送で輸送される成形材料の一バッチ輸送量と、射出成形機5において1ショット当たりに射出される成形材料の1ショット量と、を、事前設定入力項目として表示操作部18を介して入力させ、記憶部17に格納させるようにしてもよい。
【0030】
センサー以下待機量は、例えば、射出成形機5の加熱筒6内の成形材料が略空になるように適宜、必要に応じてパージし、次いで、少なくとも材料センサー29の検出レベルを上回るように、予め計量した所定量の成形材料を供給して加熱筒6内に成形材料を充填させる。そして、材料センサー29から材料要求信号が出力されるまで加熱筒6のノズルから成形材料を射出させ、この射出量を計量して、上記所定量から減算することで、センサー以下待機量をユーザー等によって算出し、この算出されたセンサー以下待機量が表示操作部18を介して入力されるものとしてもよい。
または、投入部28における材料センサー29の検出レベル以下の貯留容量及び加熱筒6の貯留容量と成形材料の嵩密度(見掛け比重)とから算出するようにしてもよい。これら各貯留容量は、予め設定して記憶部17に格納させておいてもよく、表示操作部18を介して事前設定入力項目として入力させるようにしてもよい。また、成形材料の嵩密度も同様に、事前設定入力項目として表示操作部18を介して入力させるようにしてもよい。そして、これら貯留容量と嵩密度とから制御部16によってセンサー以下待機量が算出されるものとしてもよく、若しくは、ユーザー等によって算出されたセンサー以下待機量が表示操作部18を介して入力されるものとしてもよい。
【0031】
一バッチ輸送量は、輸送元2から一バッチ空気輸送で捕集供給部20に輸送される成形材料を、適宜、計量して表示操作部18を介して入力されるものとしてもよい。この場合、例えば、輸送元2側の排出部3を、計量マスダンパー等としてもよい。
本実施形態では、捕集供給部20に、計量ホッパー25を設けているので、この計量ホッパー25の計量器27の計量値に基づいて一バッチ輸送量が設定されるものとしてもよい。この場合は、一バッチ輸送量の設定を、事前設定入力項目としないようにしてもよい。
また、例えば、直前の一バッチ空気輸送の際の計量ホッパー25の計量器27の計量値を一バッチ輸送量としたり、過去(直近)数回のバッチ空気輸送毎の計量ホッパー25の計量器27の計量値の平均値を一バッチ輸送量としたりしてもよく、その他、種々の移動平均値を一バッチ輸送量としてもよい。また、後記するように所定の輸送回数制御を実行する際には、バッチ空気輸送毎の計量ホッパー25の計量器27の計量値を、一バッチ輸送量としてもよい。
【0032】
1ショット量は、例えば、射出成形機5において成形された1ショット分の成形品に基づいて、ユーザー等によって表示操作部18を介して入力されるものとしてもよい。または、1ショット量は、射出成形機5から出力されるデータ等に基づいて設定されるものとしてもよい。この場合は、1ショット量の設定を、事前設定入力項目としないようにしてもよい。
なお、これら事前設定入力項目の入力が、当該材料輸送供給装置1の起動後になされない場合には、エラーメッセージ等を適宜、表示させたりすることで出力し、入力を促すようにしてもよい。
【0033】
また、適宜、成形準備が整うように初期準備運転を実行するようにしてもよい。
つまり、材料センサー29から材料要求信号が出力されていれば、空気輸送機10の吸引ブロワー11を起動し、輸送元2の排出部3を作動制御して所定の一バッチ空気輸送を実行する。この一バッチ空気輸送は、連続的になされるものでもよく、間欠的になされるものでもよい。また、排出部3を開閉機構とした場合には、一バッチ空気輸送を実行する際に、所定の排出時間が経過するまで開放させるようにしてもよい。また、この一バッチ空気輸送を実行する際には、所定の輸送時間が経過するまで空気輸送機10の吸引ブロワー11を作動させるようにしてもよい。この輸送時間は、排出部3を閉鎖させた後に、材料輸送管4内の成形材料の略全量が捕集供給部20に輸送されるように、排出時間に適宜の遅延時間を加えた時間としてもよい。また、この一バッチ空気輸送の実行は、材料センサー29からの材料要求信号が消えるまで繰り返し実行するようにしてもよい。
【0034】
また、捕集供給部20においては、材料センサー29からの材料要求信号が消えるまでは、一バッチ空気輸送された成形材料を捕集部22において捕集し、計量ホッパー25において、その空気輸送された成形材料を計量すれば、排出部26を開放させ、投入部28に向けて成形材料の供給がなされる。そして、材料センサー29からの材料要求信号が消えれば、計量ホッパー25において一バッチ空気輸送分の成形材料を待機させておくようにしてもよい。つまり、次に、材料センサー29から材料要求信号が出力されれば、計量ホッパー25において待機されている成形材料を投入部28に向けて供給し、一バッチ空気輸送を実行させ、再び材料センサー29から材料要求信号が出力されるまで計量ホッパー25において成形材料を待機させるようにしてもよい。なお、このような態様に代えて、捕集部22及び計量ホッパー25に成形材料を待機させることなく、材料センサー29からの材料要求信号に基づいて、一バッチ空気輸送を実行する構成としてもよい。
【0035】
また、射出成形機5において適宜、捨て打ちや成形品が良品となるまで試し打ちを行うようにしてもよい。
なお、上記した事前設定入力項目の入力は、初期準備運転を実行する前になされるものでもよく、初期準備運転実行中や初期準備運転実行後になされるものでもよい。
上記初期準備運転の後、射出成形機5において逐次、成形品を成形する定常運転がなされる。
射出成形機5では、捕集供給部20から供給された成形材料を消費しながら所定の1ショット量及びショットサイクルで、成形品を逐次、成形する。また、射出成形機5における成形材料の消費に伴い、捕集供給部20の投入部28における材料レベルが低下し、材料センサー29から材料要求信号が出力されれば、上記のように、計量ホッパー25の排出部26を開放させ、また、一バッチ空気輸送を実行させる。
【0036】
そして、図3(b)に示すように、残ショット数入力部19を介して成形終了予定信号としての残ショット数の入力を受け付け(ステップ100)、材料センサー29から材料要求信号が出力されれば(ステップ101)、残ショット数の入力から材料要求信号が出力されるまでのショット数を、残ショット数から減算して残り必要ショット数を算出する。残ショット数の入力から材料要求信号が出力されるまでのショット数は、射出成形機5から出力される射出信号に基づいてカウントするようにしてもよい。
例えば、入力された残ショット数が150ショットで、この残ショット数入力後における材料センサー29から材料要求信号が出力されるまでのショット数が10ショットであったとすれば、残り必要ショット数は、140ショットとなる。
【0037】
そして、この残り必要ショット数と1ショット量とから必要量を算出する(ステップ102)。例えば、上記のように残り必要ショット数が140ショットで、1ショット量が10gであったとすれば、必要量は、1400gとなる。
また、材料センサー29から材料要求信号が出力されれば、センサー以下待機量に、計量ホッパー25におけるホッパー待機量を加えて待機量を算出する(ステップ102)。例えば、センサー以下待機量が500gで、ホッパー待機量が200gであったとすれば、待機量は、700gとなる。なお、上記した残ショット数は、必要量が待機量を上回るように設定されるものとしてもよい。または、必要量及び待機量を算出し、必要量が待機量を下回れば、以降の空気輸送を停止させるようにしてもよい。
そして、必要量から待機量を減算して残り必要量を算出する(ステップ103)。つまり、上記のように、必要量が1400gで、待機量が700gであったとすれば、残り必要量は、700gとなる。
【0038】
そして、残り必要量を一バッチ輸送量で除し、残り回数(商)と回数余り(余り一バッチ輸送量)とを算出する(ステップ104)。つまり、上記のように、残り必要量が700gで、一バッチ輸送量が、例えば、200gであったとすれば、残り回数は、3回となり、余り一バッチ輸送量は、100gとなる。
そして、残り回数に応じた回数(3回)のバッチ空気輸送を実行させ、余りに相当する余り一バッチ輸送量となるように、輸送元2の排出部3を調整して余り一バッチ空気輸送を実行させ、以降の空気輸送を停止させる(ステップ105)。つまり、残り必要量を算出した後、所定回数(3回+余り1回)の空気輸送を実行すれば、材料センサー29からの材料要求信号の出力がなされても、以降の空気輸送を実行しない構成としている。
この際、本実施形態では、捕集供給部20に計量ホッパー25を設けているので、残り回数に応じた回数のバッチ空気輸送を実行させた際におけるバッチ空気輸送毎の計量ホッパー25において計量される値を上記残り必要量から減算し、上記余り一バッチ輸送量を補正するようにしてもよい。
【0039】
また、余り一バッチ空気輸送を実行する際の輸送元2の排出部3の調整は、上記したような排出時間を調整することで行うようにしてもよい。つまりは、一バッチ輸送量となるように一バッチ空気輸送を実行させる際における上記した排出時間を、余り一バッチ輸送量に応じた時間となるように調整するようにしてもよい。例えば、上記のように、一バッチ輸送量が、200gとなるように一バッチ空気輸送を実行させる際における排出時間が、4秒であれば、100gの余り一バッチ輸送量に応じた時間(例えば、2秒)となるように、排出時間を調整するようにしてもよい。
なお、余り一バッチ輸送量は、ショートフィードとならないように、また、残材が多くならないように、適宜、安全率を乗じた値としてもよい。
また、余り一バッチ空気輸送は、成形終了間際に行う態様に限られず、例えば、算出された後に直ちに行うような態様等としてもよい。
また、上記基本動作は、一例であり、種々の変形が可能である。
【0040】
本実施形態に係る材料輸送供給装置1及びこれを用いて実行される材料輸送供給方法は、上述のような構成としたことで、成形終了時における残材を減少させることができる。
つまり、所定の成形終了予定信号の後の成形終了までに成形機(射出成形機)5において必要とされる成形材料の必要量を算出し、この必要量から捕集供給部20及び射出成形機5の加熱筒6内における成形材料の待機量を減算して得られた残り必要量に応じた空気輸送を空気輸送機10に実行させ、以降の空気輸送を停止するようにしている。従って、成形終了時に、捕集供給部20及び射出成形機5の加熱筒6内を概ね空の状態にすることができ、成形終了時における残材を減少させることができる。
【0041】
また、本実施形態では、予め格納された加熱筒6内を含む材料センサー29の検出レベル以下のセンサー以下待機量に、計量ホッパー25におけるホッパー待機量を加えて待機量を算出する構成としている。従って、一バッチ空気輸送によって捕集した成形材料を、計量ホッパー25の計量器27によって計量することができるので、一バッチ空気輸送によって輸送される輸送量にばらつきがあるような場合にも、比較的に正確な待機量を算出することができる。これにより、輸送元2側の態様(排出部3等の態様)が種々の態様である場合にも柔軟に対応することができ、汎用性を極めて向上させることができる。
【0042】
また、本実施形態では、成形終了予定信号としての残ショット数の入力を受け付けた後における材料センサー29から材料要求信号が出力されるまでのショット数を、残ショット数から減算して得られた残り必要ショット数と射出成形機5における1ショット量とに基づいて必要量を算出するようにしている。従って、比較的に正確な必要量を得ることができる。
また、本実施形態では、材料センサー29から材料要求信号が出力された時点における待機量を、上記必要量から減算して残り必要量を算出するようにしている。従って、比較的に正確な残り必要量が得られ、この残り必要量に応じた空気輸送を空気輸送機に実行させ、以降の空気輸送を停止させることで、比較的に確実にかつ安全に捕集供給部20及び射出成形機5の加熱筒6内を概ね空の状態にすることができる。
【0043】
また、本実施形態では、輸送元2に、捕集供給部20に向けて空気輸送される成形材料の一バッチ輸送量の調整が可能とされた排出部3を設けている。従って、一バッチ空気輸送毎の輸送量のばらつきを小さくすることができ、つまりは、概ね定量的に成形材料を輸送させることができる。これにより、残り必要量に応じた空気輸送を空気輸送機10に実行させ、以降の空気輸送を停止させた際に、比較的に確実にかつ安全に捕集供給部20及び射出成形機5の加熱筒6内を概ね空の状態にすることができる。また、例えば、捕集供給部20に計量ホッパー25を設けていないような場合でも、比較的に正確な待機量を得るようなこともできる。
【0044】
また、本実施形態では、残り必要量を予め設定された一バッチ輸送量で除して得た商に相当する回数のバッチ空気輸送を一バッチ輸送量で実行させ、余りに相当する余り一バッチ輸送量となるように輸送元2の排出部3を調整して余り一バッチ空気輸送を実行させるようにしている。従って、例えば、残り必要量を予め設定された一バッチ輸送量で除して得た値を切り上げた回数のバッチ空気輸送を一バッチ輸送量で実行させるようなものと比べて、成形終了時における残材をより確実に減少させることができる。
【0045】
なお、このような残り回数と回数余りとを算出する態様に代えて、残り必要量を算出した後におけるバッチ空気輸送毎の計量ホッパー25において計量される値を残り必要量から減算していき、減算された残り必要量が一バッチ輸送量(計量ホッパー25において計量される値に基づいて上記のように設定された一バッチ輸送量)を下回った時点における値を、余り一バッチ輸送量とし、そして、この余り一バッチ輸送量となるように余り一バッチ空気輸送を実行させ、以降の空気輸送を停止させるような態様としてもよい。
また、このような余り一バッチ空気輸送を実行させずに、残り必要量を算出した後に、残り必要量を上回るように、所定のバッチ空気輸送を繰り返し実行させ、以降の空気輸送を停止させるような態様としてもよい。この場合、バッチ空気輸送毎の一バッチ輸送量自体を比較的に小さくするような態様としてもよい。また、この場合は、輸送元2の排出部3を、一バッチ輸送量の調整が可能とされたものとしないようにしてもよく、また、制御部16によって制御されないものとしてもよい。
【0046】
また、成形終了予定信号を生成する信号生成部としては、残ショット数入力部に限られず、例えば、成形終了予定スイッチ等としてもよい。この場合は、例えば、成形終了予定スイッチの操作後に成形する成形量が予め設定されたものとしてもよい。さらには、このように、ユーザーの操作によって成形終了予定信号が生成される態様に限られず、例えば、射出成形機5の成形品の排出側に、残り成形量を検出する検出手段(例えば、残りトレーの枚数検出や、排出成形品の量を検出するセンサー等)等を設け、この残り成形量検出手段からの出力信号を、成形終了予定信号として制御部16において受信して、上記同様に、輸送回数制御を実行するようにしてもよい。
また、本実施形態では、捕集供給部20に、バッチ空気輸送された成形材料を計量する計量ホッパー25を設けた構成としているが、このような態様に代えて、一バッチ輸送量が概ね定量的となるような構成とし、この一バッチ輸送量を予め格納させておき、この一バッチ輸送量とセンサー以下待機量とに基づいて待機量を算出するような態様としてもよい。
【0047】
また、成形終了予定信号を受信することなく強制的に停止された場合における待機量(残材)を減少すべく、例えば、捕集供給部20における成形機5への供給可能能力が、成形機5における成形材料の処理能力よりも過剰であり、かつ捕集供給部20(投入部28)における成形材料の貯留レベルを所定基準まで低下可能なときには、貯留レベルが、処理能力に見合ったレベルとなるように、貯留レベルを低下させるように更新して、空気輸送を実行させるような構成としてもよい。つまりは、投入部28における平均的な待機量を減少させる構成としてもよい。
また、成形機5における成形材料の処理能力と、輸送元2から捕集供給部20に単位時間当たりに輸送される成形材料の輸送能力とを比較し、空気輸送機10における吸引ブロワー11の駆動モーターの回転数を変更制御することで、輸送能力を、処理能力に見合った所定の輸送能力となるように更新して、空気輸送を実行させるような構成としてもよい。つまりは、輸送風量を低下させることで、一バッチ輸送量を減少させるような構成としてもよい。この場合、上記のように余り一バッチ輸送量となるように輸送元2の排出部3を調整して余り一バッチ空気輸送を実行させる態様に代えて、余り一バッチ輸送量となるように輸送風量を調整して余り一バッチ空気輸送を実行させる態様としてもよい。
【符号の説明】
【0048】
1 材料輸送供給装置
2 乾燥ホッパー(輸送元)
3 排出部
5 射出成形機(成形機)
6 加熱筒
10 空気輸送機
16 制御部
19 残ショット数入力部(信号生成部)
20 捕集供給部
25 計量ホッパー
27 計量器
28 投入部
29 材料センサー
図1
図2
図3