(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の側部、及び、該側部と空間を置く複数の角部を有するリング部材であって、前記側部のうちの少なくとも1つは、該側部のうちの少なくとも1つが該側部のうちの少なくとも1つの長手方向軸に沿って前記カバーとともに回転するように固定されるよう、前記カバーの前記第1の面に固定され、前記角部のうちの少なくとも1つは、該角部のうちの少なくとも1つが該角部のうちの少なくとも1つに対して接線方向の線に沿って前記カバーとともに回転するように自由であるよう、前記カバーの前記第1の面に固定され、該リング部材は前記背もたれシェル部材に固定される、リング部材を更に含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の椅子組立体。
前記背中支持面及び前記背もたれ支持構造体の少なくとも一部は、該背もたれ支持構造体の前記直立位置から前記リクライニング位置への移動中に変化する距離を間に画定する、請求項4又は5に記載の椅子組立体。
前記背もたれ支持構造体の前記上方に延びる部分は実質的に剛性であり、前記距離を画定する前記背中支持面の前記一部は、前記背もたれ支持構造体よりも大幅に低い剛性である、請求項6に記載の椅子組立体。
前記背もたれシェル部材は、或る曲率を画定する前方に湾曲する下側腰部部分を含み、前記曲率は、前記背もたれ支持構造体が前記直立位置から前記リクライニング位置に移動するにつれて増大する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の椅子支持体。
複数の側部、及び、該側部と空間を置く複数の角部を有するリング部材であって、前記側部のうちの少なくとも1つは、該側部のうちの少なくとも1つが該側部のうちの少なくとも1つの長手方向軸に沿って前記カバーとともに回転するように固定されるよう、前記カバーの前記第1の面に固定され、前記角部のうちの少なくとも1つは、該角部のうちの少なくとも1つが該角部のうちの少なくとも1つに対して接線方向の線に沿って前記カバーとともに回転するように自由であるよう、前記カバーの前記第1の面に固定され、該リング部材は前記背もたれシェル部材に固定される、リング部材を更に含む、請求項10〜12のいずれか一項に記載の椅子組立体。
前記背中支持面は、前記背もたれ支持構造体が前記直立位置から前記リクライニング位置に移動すると前記背もたれ支持構造体の少なくとも一部に対して前記背もたれリンクによって前方に移動する、請求項10〜15のいずれか一項に記載の椅子組立体。
前記椅子組立体は、前記座部支持構造体に動作可能に連結されている第1の端、及び、前記背もたれ支持構造体に動作可能に連結されている第2の端を有する制御リンクを更に備え、該制御リンクは、前記背もたれ支持構造体が前記直立位置から前記リクライニング位置に移動すると、前記背もたれ支持構造体のリクライニング速さよりも遅いリクライニング速さで前記座部支持構造体をリクライニングさせる、請求項10〜16のいずれか一項に記載の椅子組立体。
複数の側部、及び、該側部と空間を置く複数の角部を有するリング部材であって、前記側部のうちの少なくとも1つは、該側部のうちの少なくとも1つが該側部のうちの少なくとも1つの長手方向軸に沿って前記カバーとともに回転するように固定されるよう、前記カバーの前記第1の面に固定され、前記角部のうちの少なくとも1つは、該角部のうちの少なくとも1つが該角部のうちの少なくとも1つに対して接線方向の線に沿って前記カバーとともに回転するように自由であるよう、前記カバーの前記第1の面に固定され、該リング部材は前記背もたれシェル部材に固定される、リング部材を更に含む、請求項18〜20のいずれか一項に記載の椅子組立体。
前記背もたれ支持組立体は、前記背もたれ支持構造体が前記直立位置から前記リクライニング位置に移動すると、前記背もたれ支持構造体の少なくとも一部に対して前記背もたれリンクによって前方に移動する、請求項18〜20又は請求項22のいずれか一項に記載の椅子組立体。
前記背もたれシェル部材は、或る曲率を画定する前方に湾曲する下側腰部部分を含み、前記曲率は、前記背もたれ支持構造体が前記直立位置から前記リクライニング位置に移動するにつれて増大する、請求項18〜20又は請求項22及び23のいずれか一項に記載の椅子支持体。
前記背もたれ支持構造体と前記背もたれ支持組立体との間の動作可能な接続部は、前記背もたれ支持構造体への前記背もたれシェル部材の回動接続部を含む、請求項24に記載の椅子支持体。
前記座部支持構造体は前部及び後部を含み、前記背もたれ支持構造体は前部及び後部を含み、前記第1の回動点は、前記座部支持構造体の前記前部に位置し、前記第2の回動点は、前記背もたれ支持構造体の前記前部に位置する、請求項18〜20又は請求項22〜25のいずれか一項に記載の椅子組立体。
前記背もたれ支持構造体は概ねL字形であり、前記背もたれ支持構造体は、上方に延びる部分から前方に延びる下側部分を含む、請求項18〜20又は請求項22〜26のいずれか一項に記載の椅子組立体。
前記背もたれ支持構造体が前記直立位置から前記リクライニング位置に移動するときの前記座部支持構造体のリクライニング速さは、前記背もたれ支持構造体が前記直立位置から前記リクライニング位置に移動するときの前記背もたれ支持構造体のリクライニング速さよりも遅い、請求項18〜20又は請求項22〜27のいずれか一項に記載の椅子組立体。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明を具現する椅子組立体の正面斜視図である。
【
図3】下降位置及び破線の上昇位置にある椅子組立体、並びに、後退位置及び破線の延長位置にある座部組立体を示す、椅子組立体の側面図である。
【
図4】直立位置及び破線のリクライニング位置にある椅子組立体を示す椅子組立体の側面図である。
【
図8】カバー組立体及び座部組立体の底面斜視図である。
【
図12A】背もたれ組立体の分解正面斜視図である。
【
図12B】背もたれ組立体の分解後面斜視図である。
【
図15】
図10の線XV−XVに沿った上側背もたれ回動組立体の断面図である。
【
図16A】上側背もたれ回動組立体の分解後面斜視図である。
【
図16B】上側背もたれ回動組立体の分解正面斜視図である。
【
図18A】快適部材及び腰部組立体の拡大斜視図である。
【
図18B】快適部材及び腰部組立体の後面斜視図である。
【
図21】
図10の線XXI−XXIに沿った背もたれ組立体及び椅子張り組立体の側断面図である。
【
図22A】背もたれ組立体及び椅子張り組立体の段階的な組み立て図である。
【
図22B】背もたれ組立体及び椅子張り組立体の段階的な組み立て図である。
【
図22C】背もたれ組立体及び椅子張り組立体の段階的な組み立て図である。
【
図22D】背もたれ組立体及び椅子張り組立体の段階的な組み立て図である。
【
図24A】ボートクリートの一連の後面図、及びボートクリートに固定される引き紐の段階的なステップを示す図である。
【
図24B】ボートクリートの一連の後面図、及びボートクリートに固定される引き紐の段階的なステップを示す図である。
【
図24C】ボートクリートの一連の後面図、及びボートクリートに固定される引き紐の段階的なステップを示す図である。
【
図24D】ボートクリートの一連の後面図、及びボートクリートに固定される引き紐の段階的なステップを示す図である。
【
図24E】ボートクリートの一連の後面図、及びボートクリートに固定される引き紐の段階的なステップを示す図である。
【
図24F】ボートクリートの一連の後面図、及びボートクリートに固定される引き紐の段階的なステップを示す図である。
【
図24G】ボートクリートの一連の後面図、及びボートクリートに固定される引き紐の段階的なステップを示す図である。
【
図24H】ボートクリートの一連の後面図、及びボートクリートに固定される引き紐の段階的なステップを示す図である。
【
図25】背もたれ組立体の代替的な実施形態の分解図である。
【
図26】背もたれ組立体の代替的な実施形態の上部の側断面図である。
【
図27】背もたれ組立体の代替的な実施形態の側部の断面図である。
【
図29】裏返しの向きのステー部材の正面図である。
【
図30】カバー部材に縫い付けられたステー部材の部分正面図である。
【
図31】メッシュ生地カバーを含む背もたれ組立体を含む、椅子組立体の代替的な実施形態の正面斜視図である。
【
図32】メッシュ生地カバーを含む背もたれ組立体を含む、椅子組立体の代替的な実施形態の後面斜視図である。
【
図33】代替的な椅子組立体の背もたれ組立体の分解正面斜視図である。
【
図34】代替的な椅子組立体の背もたれ組立体の分解後面斜視図である。
【
図35A】
図31の線XXXV−XXXVに沿った代替的な椅子組立体の背もたれ組立体の断面図である。
【
図36】座部支持プレートをその上で支持する制御入力組立体の斜視図である。
【
図37】制御入力組立体の、その内部を示すために幾つかの要素が取り除かれた状態の斜視図である。
【
図40A】背もたれ支持構造体の正面斜視図である。
【
図40B】背もたれ支持構造体の分解斜視図である。
【
図41】椅子組立体の、その複数の回動点を示す側面図である。
【
図42】制御組立体の、それに関連する複数の回動点を示す側面斜視図である。
【
図43】腰部調整部が中立の設定に設定された状態の、直立位置にある背もたれを示す椅子の断面図である。
【
図44】腰部部分が平坦な形態に調整された状態の、直立位置にある背もたれを示す椅子の断面図である。
【
図45】腰部が中立な位置に調整されてリクライニングした背もたれを示す椅子の断面図である。
【
図46】腰部が平坦な形態に調整された状態の、リクライニング位置にある椅子の断面図である。
【
図47】シェルの腰部部分が最大限に湾曲して設定されてリクライニングした背もたれを示す椅子の断面図である。
【
図49】椅子組立体の代替的な実施形態の正面斜視図である。
【
図50】椅子組立体の代替的な実施形態の正面図である。
【
図51】椅子組立体の代替的な実施形態の第1の側面図である。
【
図52】椅子組立体の代替的な実施形態の第2の側面図である。
【
図53】椅子組立体の代替的な実施形態の後面図である。
【
図54】椅子組立体の代替的な実施形態の上面図である。
【
図55】椅子組立体の代替的な実施形態の底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書における説明のために、用語「上側」、「下側」、「右」、「左」、「後方」、「前方」、「鉛直」、「水平」及びそれらの派生語は、
図1及び
図2における向きのような本発明に関連するものとする。しかし、本発明は、それとは反対に明記される場合を除いて、種々の代替的な向き及びステップの順序をとることができることを理解されたい。また、添付の図面に示されるとともに以下の明細書に記載される特定の装置及びプロセスは、添付の特許請求の範囲において規定される本発明の概念の例示的な実施形態であることが理解されたい。したがって、本明細書において開示される実施形態に関連する特定の寸法及び他の物理的な特徴は、特許請求の範囲において別途明記されない限り、限定するものとしてみなされるべきではない。
【0011】
参照符号10(
図1及び
図2)は、全体的に、本発明を具現する椅子組立体を示す。図示の例では、椅子組立体10は、支持床面13に当接するキャスター付きのベース組立体12、キャスター付きのベース組立体12によって支持される制御又は支持組立体14、制御組立体14にそれぞれ動作可能に連結されている座部組立体16及び背もたれ組立体18、並びに、一対のアーム組立体20を含む。制御組立体14(
図3)は、ベース組立体12に動作可能に連結されており、それによって、座部組立体16、背もたれ組立体18及びアーム組立体20は、完全に下降した位置Aと完全に上昇した位置Bとの間で鉛直方向に調整され、方向22に鉛直軸21を中心に回動することができる。座部組立体16は制御組立体14に動作可能に連結されており、それによって、座部組立体16(
図4)は、制御組立体14に対して、完全に後退した位置Cと完全に延長した位置Dとの間で長手方向に調整可能である。座部組立体16及び背もたれ組立体18は、制御組立体14に、及び互いに動作可能に連結されており、それによって、背もたれ組立体18は、完全に直立した位置Eと完全にリクライニングした位置Fとの間で移動可能であり、さらに、座部組立体16は、背もたれ組立体18の完全に直立した位置E及び完全にリクライニングした位置Fにそれぞれ対応する完全に直立した位置Gと完全にリクライニングした位置Hとの間で移動可能である。
【0012】
ベース組立体12は、空気圧シリンダ28を内部に受け入れる中空の中央支柱26を中心に径方向に延びるとともに離間した複数の台座アーム24を含む。各台座アーム24は、関連するキャスター組立体30によって床面13の上で支持される。ベース組立体12はマルチアームの台座組立体を含むものとして示されているが、固定支柱、マルチ脚部構成、車両座部支持組立体等を含むがこれらに限定されない、他の好適な支持構造を使用することができることが留意される。
【0013】
座部組立体16(
図5)は比較的剛性の座部支持プレート32を含み、座部支持プレート32は、前縁34、後縁36、及び、座部支持プレート32の側縁を画定するとともに前縁34と後縁36との間に延びる一対のC字形のガイドレール38を有する。座部組立体16は、側縁43でそれぞれ終端する一対の上方に曲がる側部42、前縁45、及び、後縁47で終端するとともにフラップ部分49を含む上方に曲がる後部44を有する柔軟に弾性の外側座部シェル40を更に含み、側部42及び後部44は、三次元の上方に配置される概ね凹状の形状を形成するように協働する。図示の例では、座部シェル40は、熱可塑性エラストマ(TPE)等の比較的可撓性の材料から構成され、単一の一体部品として成形される。以下で更に詳細に記載する組み立てにおいて、外側座部シェル40は、座部支持プレート32と、複数の機械的締結具によって座部支持プレート32に固定されるプラスチック製の柔軟に弾性の座部パン46との間に固定されて挟まれる。座部パン46は、上方に配置される概ね凹状の形状を形成するように協働する、前縁48、後縁50、前縁48と後縁50との間に延びる側縁52、上面54及び底面56を含む。図示の例では、座部パン46は、後縁50から前方に延びる複数の長手方向に延びるスロット58を含む。スロット58は、間に複数のフィンガ60を画定するように協働し、各フィンガ60は個々に柔軟に弾性である。座部パン46は、前縁48に近接して位置する複数の横方向の向きの細長い孔62を更に含む。孔62は、その領域において座部パン46の全体的な可撓性を高めるように協働し、具体的には、以下で更に説明するように、座部パン46の前部64が、座部パン46の後部68に対して鉛直方向66に撓むことを可能にする。座部組立体16は発泡クッション部材70を更に含み、発泡クッション部材70は、座部パン46の上面54に載り、外側座部シェル40、生地座部カバー72、及び、クッション部材70の上面76内で囲まれる。図示の例では、カバー72は、前縁73、後縁75、及び、それらの間に延びる一対の側縁77を含む。ばね支持組立体78(
図5及び
図6)が座部16に固定され、鉛直方向66に撓むように座部パン46の前部64を可撓性に支持するようになっている。図示の例では、ばね支持組立体78は、発泡体を含むとともに、上方に凹状の弓状形状を画定する側部82を有する支持ハウジング80を含む。ばね支持組立体78は、支持ハウジング80の側部82間に横方向に延びるとともに、支持ハウジング80と座部パン46の前部64との間に位置する比較的剛性の取り付け部材84を更に含む。複数の機械的締結具86が、支持ハウジング80及び取り付け部材84を座部パン46の前部64に固定する。ばね支持組立体78は、取り付け部材84の対応する孔92を通して受け入れられる遠位端90、及び、座部支持プレート32に固定される近位端94をそれぞれ有する一対の片持ち梁式ばね88を更に含み、それによって、各片持ち梁式ばね88の遠位端90は鉛直方向66に撓むことができる。一対のリニア軸受96が取り付け部材84にしっかりと取り付けられてその孔92と位置合わせされ、それによって、リニア軸受96は、対応する片持ち梁式ばね88の遠位端90を摺動可能に受け入れる。動作時に、片持ち梁式ばね88は、着座した使用者が座部組立体16上で前方に回り、その前縁に下方への力を加えると、座部パン46の前部64、より包括的には座部組立体16の前部全体が鉛直方向66に撓むことを可能にするように協働する。
【0014】
図6及び
図7に最も良く示されているように、柔軟に弾性の座部シェル40及び生地座部カバー72は、椅子カバー組立体又はカバー100を形成するように協働する。具体的には、座部シェル40の側縁43及び座部カバー72の側縁77、座部シェル40の前縁45及び座部カバー72の前縁73、並びに、座部シェル40の後縁47及び座部カバー72の後縁75は、互いにそれぞれ取り付けられ、カバー100を形成し、内部に内部スペース102を画定する。
【0015】
座部シェル40のフラップ部分49は、後部44とそれぞれの側部42との間に位置する座部シェル40の角部106に沿ってそれぞれ延びる一対の角縁104を含み、それによって、フラップ部分49は開位置Iと閉位置Jとの間で移動可能である。図示の例では、フラップ部分49の各角縁104は、角縁104に沿って離間するとともに貫通する孔110をそれぞれ含む複数のタブ108を含む。角縁104のタブ108は、各側部42の角縁114に沿って離間した複数のタブ112と空間を置く。タブ112のそれぞれは、貫通する孔116を含む。
【0016】
座部シェル40は、座部シェル40の内縁121の周りに離間するとともに、Z形の断面形態をそれぞれ有する、複数の一体的に成形された連結タブ118も含む。
【0017】
組み立てにおいて、椅子カバー組立体100(
図8)は、上述したように座部シェル40及び座部カバー72から構成される。次に、座部パン46、クッション部材70及びばね支持組立体78が互いに対して配置され、フラップ49を開位置Iに位置決めすることによって椅子カバー組立体100の内部スペース102内に位置決めされ、その後、フラップ49は閉位置Jに移動される。一対の迅速接続締結具120が、L字形の本体部分124の長さに沿って離間した複数のスナップカプラ122をそれぞれ含む。組み立てにおいて、スナップカプラ122は、タブ108、112の孔110、116を通って延び、座部パン46の対応する孔126内にスナップ可能に受け入れられることで、角縁104、114を座部パン46及びフラップ部分49に閉位置Jで固定する。
【0018】
さらに組み立てにおいて、連結タブ118(
図9)が、座部パン46の対応する孔130内に位置決めされ、それによって、カバー組立体100が、座部パン46に一時的に固定されることで、カバー組立体100と座部パン46との接続及び位置合わせを維持しながらも、組み立て中の座部組立体16への更なる操作を可能にする。本明細書において用いられる場合、「一時的に固定」とは、椅子組立体10の通常の耐用年数にわたる椅子組立体10の通常の使用中に、座部パン46へのカバー組立体100のそれ自体による固定を維持することが期待されない固定として規定される。次に、支持プレート32が、複数のねじ132によって座部パン46の下面に固定されることで、連結タブ118を支持プレート32と座部パン46との間に挟み、カバー組立体100を座部パン46に恒久的に固定する。本明細書において用いられる場合、「恒久的な固定」とは、椅子組立体の通常の耐用年数にわたる椅子組立体の通常の使用中に、座部パン46へのカバー組立体100の固定を維持することが期待される固定として規定される。
【0019】
背もたれ組立体18(
図10〜
図12B)は、背もたれフレーム組立体150、及び、それによって支持される背もたれ支持組立体151を含む。背もたれフレーム組立体150は、金属等の実質的に剛性の材料から概ね構成され、横方向に延びる上部フレーム部分152、横方向に延びる底部フレーム部分154、並びに、上部フレーム部分152と底部フレーム部分154との間に延びるとともに、それらと協働して、比較的大きい上側寸法160及び比較的狭い下側寸法162を有する開口158を画定する、一対の湾曲した側部フレーム部分156を含む。
【0020】
背もたれ組立体18は、上側部分166、下側部分168、上側部分166と下側部分168との間に延びる一対の側縁170、前方に面する面172、及び後方に面する面174を有する柔軟に弾性のプラスチック製の背もたれシェル164を更に含み、上側部分166の幅は、下側部分168の幅よりも概ね大きく、下側部分168は、フレーム組立体150の後面形態に概ね従うように下方にテーパ状になっている。下側補強部材176が、背もたれシェル164の下側部分168のフック177(
図12A)に取り付けられる。補強部材176は、補強リブ180に係合して背もたれシェル164に対する下側補強部材176の左右の移動を防止する複数の突起179を含む。以下で説明するように、補強部材176は、背もたれ制御リンク600(
図42)を、回動点又は軸602において背もたれシェル164の下側部分168に回動可能に相互接続する。
【0021】
背もたれシェル164は、その上側部分166の外周の周りで離間した、複数の一体的に成形された前方及び上方に延びるフック180(
図13)も含む。中間又は腰部部分182が、背もたれシェル164の上側部分166と下側部分168との間に鉛直に位置付けられ、間に位置する複数の横方向に延びるリブ186を形成するように協働する複数の横方向に延びるスロット184を含む。スロット184は、その位置において背もたれシェル164への付加的な撓みを提供するように協働する。横方向リブ186の対は、横方向リブ186と一体的に形成されるとともにそのほぼ横方向中間点に位置付けられる鉛直方向に延びるリブ188によって連結される。鉛直方向リブ188は、横方向リブ186同士をつなぎ、背もたれ組立体18が直立位置Eからリクライニング位置Fに移動するときに背もたれシェル164がその中間部分182において撓むと、横方向リブ186間の鉛直方向の広がりを低減するように機能する。背もたれシェル164は、下側部分168と中間部分182との間に背もたれシェル164の鉛直長さに沿って長手方向に延びる複数の横方向に離間した補強リブ190を更に含む。なお、リブ190のそれぞれの深さは、中間部分182からリブ190のそれぞれに沿って更に増大し、それによって、背もたれシェル164の全体的な剛性は、リブ190の長さに沿って中間部分182から下側部分168に向かって増大する。
【0022】
背もたれシェル164は、上側背もたれ回動組立体194の一部を形成する、一対の後方に延びる一体的に成形された回動ボス192を更に含む。背もたれ回動組立体194(
図14〜
図16B)は、背もたれシェル164の回動ボス192、それぞれの回動ボス192を包含する一対のシュラウド部材196、レース部材198、及び、機械的な締結組立体200を含む。各回動ボス192は、一対の側壁202、及び、一対の側壁202を貫通する鉛直方向に細長い回動スロット206を有する後方に面する凹状の座面204を含む。各シュラウド部材196は、対応する回動ボス192を密接して収容するような形状であり、側壁202に対応する複数の側壁210、及び、鉛直方向に細長いスロットの回動スロット214が貫通するとともに、対応する回動ボス192のスロット206と位置合わせするようになっている、後方に面する凹状の支承面212を含む。レース部材198は、背もたれフレーム組立体150の上部フレーム部分152に沿って横方向に延びるとともに上部フレーム部分152に当接する中央部分216、及び、その端に位置する一対の弓状形状の支承面218を含む。具体的には、中央部分216は、第1の部分220及び第2の部分222を含み、第1の部分220は上部フレーム部分152の前面に当接し、第2の部分222は上部フレーム部分152の上面に当接する。各支承面218は、支承面218を貫通して背もたれフレーム組立体150と一体的である対応するボス部材226と位置合わせする孔224を含む。
【0023】
組み立てにおいて、シュラウド部材196は、背もたれシェル164の対応する回動ボス192の周りに位置決めされ、背もたれシェル164とレース部材198との間に動作可能に位置決めされ、それによって、支承面212は、対応する回動ボス192の座面204と支承面218との間に挟まれる。機械的な締結組立体200は、対応する回動ボス192の内面236と摺動係合する軸受ワッシャ234の円形の当接面232を固定するボルト230をそれぞれ含み、背もたれシェル164の対応するボス部材226に螺合する。動作時に、上側背もたれ回動組立体194は、背もたれ支持組立体151が、回動軸242(
図10)を中心に背もたれフレーム組立体に対して方向240(
図11)に回動することを可能にする。
【0024】
背もたれ支持組立体151は、背もたれシェル164に取り付けられているとともに腰部組立体246を摺動可能に支持する柔軟に弾性の快適部材244を更に含む。快適部材244は、上側部分248、下側部分250、一対の側部252、前面254及び後面256を含み、上側部分248、下側部分250及び側部は、内部に腰部組立体246を受け入れる孔258を形成するように協働する。
図12B及び
図17に最も良く示されているように、快適部材244は、上側部分248の外周の周りに離間するとともに後面256から後方に延びる複数の箱形のカプラ260を含む。各箱形のカプラ260は、内部スペース266を形成するように協働する一対の側壁262及び上壁264を含む。バー268が側壁262間に延び、後面256から離間している。組み立てにおいて、快適部材244は、背もたれシェル164のフック180を、フック180が対応するバー268に係合するまで箱形のカプラ260のそれぞれの内部スペース266に位置合わせするとともに鉛直方向に挿入することによって、背もたれシェル164に固定される。なお、背もたれシェル164の前面172及び快適部材244の後面256には、フック180及び箱形のカプラ260に近接する穴又は孔がなく、それによって、滑らかな前面254を与え、着座した使用者に対する快適さを高める。
【0025】
快適部材244(
図18A及び
図18B)は、後面256から後方に延びるとともに矩形の断面形態を有する、一体的に成形された長手方向に延びるスリーブ270を含む。腰部組立体246は、前横方向に凹状で前方鉛直方向に凸状の、柔軟に弾性の本体部分272、及び、本体部分272から上方に延びる一体的な支持部分274を含む。図示の例では、本体部分272は、快適部材244の孔258の輪郭及び形状に概ね従うように、その高さに沿って鉛直方向にテーパ状であるような形状である。支持部分274は、快適部材244のスリーブ270内に摺動可能に受け入れられ、それによって、腰部組立体246は、背もたれ支持組立体151の残りの部分に対して完全に下降した位置Lと完全に上昇した位置Mとの間で鉛直方向に調整可能である。歯止め部材276が、支持部分274の長さに沿って離間した複数の孔288に選択的に係合することで、腰部組立体246を完全に下降した位置Iと完全に上昇した位置Jとの間で選択された鉛直位置に解放可能に固定する。歯止め部材276(
図19A及び
図19B)はハウジング部分278を含み、ハウジング部分278は、その端に位置するとともにハウジング部分280の外面282から後方にオフセットされる係合タブ280を有する。柔軟に弾性のフィンガ284がハウジング部分280内の中央に配置され、後方に延びる歯止め286を含む。
【0026】
組み立てにおいて、歯止め部材276(
図20)は、快適部材244の上側部分248内に位置付けられる孔288内に位置決めされ、それによって、歯止め部材276のハウジング部分278の外面282は、快適部材244の前面254と同一平面上にあり、また、ハウジング部分278の係合タブ280が快適部材244の後面256に当接する。次に、腰部組立体246の支持部分274が、快適部材244のスリーブ270内に位置決めされ、それによって、スリーブ270のその内部で摺動可能であり、歯止め286は孔278と選択的に係合可能であることで、使用者が、背もたれ支持組立体151全体に対して腰部組立体246の位置を最適化することを可能にする。具体的には、腰部組立体246の本体部分272は、背もたれシェル164のそれぞれの側縁252の周りに巻き付いて側縁252に沿って案内するC字形の断面形態をそれぞれ有する、一対の外方に延びる一体的なハンドル部分290を含む。
【0027】
動作時に、使用者は、ハンドル部分290の一方又は双方を把持するとともにハンドル組立体290を背もたれシェル244に沿って鉛直方向に摺動させることによって、背もたれシェル244に対して腰部組立体246の相対的な鉛直位置を調整する。止めタブ292が遠位端294内に一体的に形成され、快適部材244のスリーブ270の端壁に係合するように遠位端294からオフセットされることで、快適部材244のスリーブ270に対する腰部組立体246の支持部分274の鉛直方向下方への移動を制限する。
【0028】
背もたれ組立体151は、上側部分297及び下側部分298を有するクッション部材296を更に含み、下側部分298は、背もたれシェル164及び快適部材244の全体的な形状及びテーパ状に対応するように、その垂直長さに沿ってテーパ状になっている。
【0029】
背もたれ組立体151は、背もたれシェル164、腰部支持組立体246及びクッション部材296を内部に収容する椅子カバー組立体300(
図12A及び
図12B)を更に含む。図示の例では、カバー組立体300(
図21)は、布材料を含み、そのそれぞれの側縁に沿って縫い合わせられて背もたれシェル164及びクッション部材296を内部に受け入れる第1の内部又は内側スペース308を有する第1のポケット306を形成する前側302及び後側304、並びに、後側304に縫い付けられて後側304と協働し、腰部支持組立体246を内部に受け入れる第2の内部又は内側スペース308を有する第2のポケット312を形成するフラップ部分310を含む。
【0030】
組み立てにおいて、第1のポケット306(
図22A)は、前側302及び後側304のそれぞれの側縁を、縫い付け、又はカバー組立体300が構成される材料に好適な他の手段等によって互いに取り付けることにより形成され、第1の内部スペース308を画定する。次に、フラップ部分310の縁が、その中央部312に近接して後側304に固定される。図示の例では、次に、背もたれシェル164とクッション部材296との組み合わせが、後側304に位置する孔314を介して第1のポケット306の内部スペース308に挿入される(
図22B)。椅子カバー組立体300は、クッション部材296及び快適部材244の周りで伸張され、上方に延びるフック部材324を貫通させて受け入れる複数の孔320によって快適部材244に固定される(
図23)。代替的には、カバー組立体300は、孔320が、T字形の取り付け部材322も貫通させて受け入れるように位置決めされるよう構成してもよい。図示の例では、取り付け部材322及びフック部材324は快適部材244と一体的に形成されている。各取り付け部材322には、快適部材244の後面256の凹部329内から垂直に後方に延びる第1の部分328、並びに、第1の部分328の遠位端に位置付けられるとともに互いに対向する関係で遠位端から外方に延びる一対の第2の部分330を有する、T字形の断面又はボートクリート形態が設けられる。第2の部分330のうちの一方は第1の部分328と協働し、角度の付いた係合面332を形成する。凹部329は、その外周の周りに縁334を画定する。
【0031】
カバー組立体300は、カバー組立体300の引き紐トンネル338を通って延びて取り付け部材322に固定される引き紐336によって快適部材244に更に固定される。具体的には、
図24A〜
図24Hに最も良く示されているように、引き紐336の各自由端は、結び目がないように、また、快適部材244とは別個の機械的締結具を使用することなく、関連する取り付け部材322に固定される。組み立てにおいて、引き紐336及び引き紐トンネル338は、背もたれシェル164の外周の周りに位置付けられるとともに背もたれシェル164と一体的に形成される複数のガイドフック339(
図18B)の周りで案内する。引き紐336は、関連する取り付け部材322の周りに巻き付けられ、それによって、取り付け部材322の周りの引き紐336の張力によって、凹部329に向かって角度が付いている係合面332に対して引き紐336を押しやることで、引き紐336の一部を凹部329内に押しやり、凹部329の縁334の少なくとも一部と係合させ、その結果、引き紐336と快適部材244との間の摩擦係合が高まる。
【0032】
次に、腰部組立体246が、カバー組立体300、クッション部材296及び快適部材244の組立体と位置合わせされ、それによって、腰部組立体246の本体部分272がカバー組立体300の中央部312付近に位置付けられ、腰部組立体246の支持部分274が上述したように快適部材244と連結される。次に、フラップ部分310が腰部組立体246にわたって折り重ねられることで、内部スペース350を有する第2のポケット348が生じる。フラップ部分310の遠位に位置する縁352は、フック324を貫通させて受け入れるフラップ部分310を用いて複数の孔354によって快適部材244に取り付けられる。遠位縁352も、カバー組立体300の後側304に縫い付けることができる。図示の例では、フラップ部分310の側縁356はカバー組立体300の残りの部分には取り付けられておらず、それによって、側縁356はカバー組立体300の残りの部分と協働し、腰部組立体246のハンドル部分290が
伸び出て通るスロット360を形成する。第2のポケット348は、腰部組立体246を内部で鉛直方向に調整可能であるように構成されている。カバー組立体300、クッション部材296、快適部材244及び腰部組立体246の組立体は、次に、背もたれシェル164に取り付けられる。
【0033】
参照符号18aは全体的に、背もたれ組立体の代替的な実施形態を示す。背もたれ組立体18aは前述した背もたれ組立体18と同様であるため、
図12A及び
図12B並びに
図25〜
図30において見られる同様の部分は、参照符号の数字の接尾辞「a」を除いて、同じ対応する参照符号によってそれぞれ表される。背もたれ組立体18aは、背もたれフレーム組立体150a、背もたれシェル164a及び椅子カバー組立体300aを含む。図示の例では、背もたれシェル164aは、実質的に可撓性の外周部分400、及び、外周部分400が取り付けられる実質的にあまり可撓性ではない後部402を含む。後部402は、間にスラット404を画定するように協働する、複数の横方向に延びる、鉛直方向に離間したスロット405を含む。
図26及び
図27に最も良く示されているように、外周部分400及び後部402は、背もたれシェル164aの外周の周りに延びる外方に面する開口408を形成するように協働する。後部402は、溝408の周りに離間し、後述するようにカバー組立体300aを背もたれシェル164aに固定するのに用いられる複数のリブ410を含む。
【0034】
カバー組立体300aは、布カバー412、及び、布カバー412の外周縁416の周りに延びるステー部材414を含む。布カバー412は、前面418及び後面420を含み、好ましくは、長手方向及び横方向のうちの少なくとも一方に可撓性の材料を含む。
図28に最も良く示されているように、ステー部材414は、リングであり、円形の断面形態をそれぞれ有する複数の幅狭の角部424と空間を置く矩形の断面形態をそれぞれ有する複数の幅広部分422を含む。幅広部分422のそれぞれは、その長さに沿って離間した複数の孔426を含み、後述するように、背もたれシェル164aのリブ410に係合するようになっている。ステー部材414は、
図29に示されているように裏返すことができるように、比較的可撓性のプラスチックから構成される。
【0035】
組み立てにおいて、ステー部材414は、カバー412が幅広部分422とともに回転するように固定され、また、カバー412が幅狭の角部424の長手方向軸に対して接線方向の線に沿って幅狭の角部424とともに回転するように固定されないよう、カバー412の後面420に固定される。この例では、ステー部材414(
図30)は、幅広部分422を通って幅狭の角部424の周りに延びる縫い合わせパターンによってカバー412の周縁416の周りに縫い付けられる。カバー412及びステー部材414のカバー組立体300aは、背もたれシェル164aと位置合わせされ、カバー412の周縁416は、ステー部材414が裏返されるように背もたれシェル164aの周りに巻き付けられる。ステー部材414は溝408内に挿入され、それによって、背もたれシェル164aの周りで伸張される布カバー412の張力によって、ステー部材414が溝408内に確実に係合したままとなる。背もたれシェル164のリブ410が、ステー部材414の対応する孔426に係合することで、ステー部材414を溝408内に更に固定する。なお、カバー412をステー部材414に取り付ける縫い付けパターンによって、ステー部材414の幅狭の角部424がカバー412に対して自由に回転することを可能にすることで、所与の生地パターンの集まり又は過伸張等の、カバー412の角部付近の美的な異常が生じることを減らす。
【0036】
参照符号10a(
図31及び
図32)は、全体的に本発明の別の実施形態を示す。椅子組立体10bは前述した椅子組立体10と同様であるため、
図1〜
図30及び
図31〜
図34において見られる同様の部分は、参照符号の数字の接尾辞「b」を除いて、
それぞれ同じ対応する参照符号によっ
て表される。椅子組立体10bは、前述したような椅子組立体10と構成及び組み立てが同様であり、最も注目すべき例外は背もたれ組立体18bの構造である。
【0037】
図31〜
図34に最も良く示されているように、背もたれ組立体18bは、背もたれフレーム組立体150b、背もたれシェル部材500、横部材502、及びメッシュ生地の椅子カバー504を含む。背もたれシェル部材500は、横方向に延びる上部508、横方向に延びる底部510、及び、上部508と底部510との間に延びるとともに上部508及び底部510間に開口スペース514を画定するようにそれらと協働する一対の長手方向に延びる側部512を含む。図示の例では、背もたれシェル部材500は、成形プラスチックを含み、側部512及び全体的な背もたれシェル部材500が横方向516に実質的に剛性であり、前後方向518に比較的可撓性であるように構成されている。背もたれシェル部材500は、上部508と底部510との間の離間した位置において側部512間に延びる横方向部分520を更に含む。横方向部分520は一体的に成形される回動ボス192bを含む。図示の例では、背もたれシェル部材500は単一の一体部品として成形される。
【0038】
横部材502は、背もたれフレーム組立体150bを横切って横方向に延び、背もたれフレーム組立体150bに固定される。図示の例では、横部材502は、椅子組立体10の前述した支承面218及び回動ボス192と同様に回動ボス192bと協働する弓状の支承面218bを含み、それによって、背もたれシェル部材500の腰部領域は、背もたれフレーム組立体150bが、背もたれシェル164に関して本明細書において記載したものと同様に直立位置とリクライニング位置との間で移動すると、前後方向518に撓む。
【0039】
カバー504は、長手方向526ではなく横方向524に実質的にあまり柔軟ではない熱可塑性の編物材料又は織物材料を含む。好ましくは、カバー504は、少なくとも3:1、より好ましくは少なくとも10:1の長手方向伸展性対横方向伸展性を有する。組み立てにおいて、リング又はステー部材414b(
図35)が、前面530に対向し外縁532に近接してカバー504の後面528に取り付けられる。次に、リング414b及びカバー504の外縁532が背もたれシェル部材500の周りに巻き付けられ、周方向外方に開口するとともに、背もたれシェル部材500の上部508、底部510及び側部512に沿って長手方向に延びるチャネル534に挿入される。図示の例では、リング部材414bは、複数の外周方向に離間したタブ550及び起伏552を含み、一方で、チャネル534は、それぞれ空間を置いて互いに係合する、複数の外周方向に離間した起伏554及びタブ556を含むことで、背もたれ支持組立体151bに丸みを帯びた縁の美的な見た目を与えるように協働する。なお、図示の例では、カバー504の内方に延びる外周方向リップ部分535が、カバー504の主な使用者支持部分537まで180°延びる。リップ部分535は好ましくは、使用者支持部分537の90°〜180°の間に延びる。
【0040】
座部組立体16及び背もたれ組立体18は、制御組立体14(
図36)及び制御入力組立体604に動作可能に連結されて制御組立体14及び制御入力組立体604によって制御される。制御組立体14(
図37〜
図39)は、互いに一体的に形成されて上方に開口する内部スペース616を形成するように協働する、前壁608、後壁610、一対の側壁612及び底壁614を含む、ハウジング又はベース構造体又は接地構造体606を含む。底壁614は、シリンダ組立体28(
図3)を貫通させて受け入れるように内部に中央に配置される孔618を含む。ベース構造体606は、上側かつ前方の回動点620、下側かつ前方の回動点622、及び上側かつ後方の回動点624を更に画定し、制御組立体14は、座部組立体16を支持する座部支持構造体626を更に含む。図示の例では、座部支持構造体626は、上側かつ前方の回動点620を中心とした回動のために回動軸632によってベース構造体606に回動可能に固定される、前方に位置する回動孔630をそれぞれ含む一対の前方に延びるアーム部分628を含む概ねU字形の平面的な形状の形態を有する。座部支持構造体626は、アーム部分628間に横方向に延びるとともに、アーム部分628と協働して、ベース構造体606が受け入れられる内部スペース636を形成する後部634を更に含む。後部634は、アーム組立体20へ
取り付けられる一対の後方に延びるアーム取り付け部分638を含む。座部支持構造体626は、制御入力組立体604が取り付けられる、制御入力組立体取り付け部分640を更に含む。座部支持構造体626は、協働して回動点644を画定する一対のブシュ組立体642を更に含む。
【0041】
制御組立体14は、概ねU字形の平面図形態を有するとともに、回動孔650をそれぞれ含んで回動軸652によってベース構造体606に回動可能に連結される、一対の前方に延びるアーム部分648を含む、背もたれ支持構造体646を更に含み、それによって、背もたれ支持構造体646は下側かつ前方の回動点672を中心として回動する。背もたれ支持構造体646は、ベース構造体606を内部に受け入れる内部スペース656を画定するようにアーム部分648と協働する後部654を含む。背もたれ支持構造体646は、その長さに沿って位置付けられるとともに回動点660を画定するように協働する一対の回動孔658を更に含む。なお、特定の場合、背もたれフレーム組立体150の少なくとも一部を背もたれ支持構造体646の一部として含めることができる。
【0042】
制御組立体14は、回動点644を中心に回動するように一対の回動ピン668によって座部支持構造体626に回動可能に連結される第1の端
664、及び、回動点660を中心に回動するように一対の回動ピン672によって背もたれ支持構造体646の対応する回動孔658に回動可能に連結される第2の端670をそれぞれ有する、複数の制御リンク
662を更に含む。動作時に、制御リンク
662は、動き、具体的には、椅子組立体が後述するようにリクライニング位置に移動するときの背もたれ支持構造体646に対する座部支持構造体626のリクライニング速さを制御する。
【0043】
図40A及び
図40Bに最も良く示されているように、背もたれフレーム組立体150の底部フレーム部分154が、迅速接続構成674を介して背もたれ支持構造体646に接続されるように構成されている。背もたれ支持構造体646の各アーム部分648は、その近位端678に位置する取り付け孔676を含む。図示の例では、迅速接続構成674は、内部にアーム部分648の後部654及び近位端678を受け入れるチャネル682を間に画定するように協働する、一対の前方に延びるカプラ部分680を含むよう、背もたれフレーム組立体150の底部フレーム部分154の構成を含む。各カプラ部分680は、対応する孔676と位置合わせされるとともに対応する孔676内に受け入れられる下方に延びるボス684を含む。次に、ねじ686等の機械的締結具を、ボス684にねじ込むことで、背もたれフレーム組立体150を制御組立体14に迅速接続することを可能にする。
【0044】
図41に最も良く示されているように、ベース構造体606、座部支持構造体626、背もたれ支持構造体646及び制御リンク662は、座部組立体16、背もたれ組立体18及びアーム組立体20を支持する四節回転機構組立体を形成するように協働する。参照を容易にするために、制御組立体14の四節回転機構組立体に関連付けられる関連する回動組立体は以下のように称される:第1の回動点620としての、ベース構造体606とベース支持構造体626との間の上側かつ前方の回動点620;第2の回動点622としての、ベース構造体606と背もたれ支持構造体646との間の下側かつ前方の回動点622;第3の回動点644としての、制御リンク662の第1の端664と座部支持構造体626との間の回動点644;及び、第4の回動点660としての、制御リンク662の第2の端670と背もたれ支持構造体646との間の回動点660。さらに、
図41は、破線でリクライニング位置に示されている椅子組立体10の構成要素を示しており、リクライニング位置にある椅子の参照符号は「'」を付して示される。
【0045】
動作時に、制御組立体14の四節回転機構組立体は、背もたれ組立体18が直立位置Eからリクライニング位置Fに移動すると、座部組立体16を直立位置Gからリクライニング位置Hにリクライニングさせるように協働する。具体的には、制御リンク662は、背もたれ支持構造体646が第2の回動点622を中心に回動すると、座部支持構造体626を第1の回動点620を中心に回転させるように構成されているとともに、座部支持構造体626及び背もたれ支持構造体646に連結されている。好ましくは、座部支持構造体646は、第2の回動点
622を中心とする背もたれ支持構造体646の回転の速さの約1/3〜約2/3で第1の回動点620を中心に回転し、より好ましくは、座部支持構造体は、第2の回動点
622を中心とする背もたれ支持構造体646の回転の速さの約半分で第1の回動点
620を中心に回転し、最も好ましくは、座部組立体16は、完全に直立した位置Gから完全にリクライニングした位置Hに約9°の角度βだけリクライニングし、一方で、背もたれ組立体18は、完全に直立した位置Eから完全にリクライニングした位置Fに約18°の角度αだけリクライニングする。
【0046】
図41に最も良く示されているように、第1の回動点
620は、椅子組立体10が完全に直立した位置にあるときは第2の回動点
622の上及び前方に位置し、椅子組立体10がリクライニングすると、椅子組立体10が完全にリクライニングした位置にあるときは、ベース構造体606は支持床面13に対して固定されたままである。第3の回動点644は、椅子組立体10のリクライニング移動を通じて第1の回動点
620の相対的な鉛直高さの後ろ及び下方に留まる。さらに、第1の回動点
620と第2の回動点
622との間の距離は、椅子組立体10のリクライニング移動を通じて、第3の回動点644と第4の回動点660との間の距離よりも長いことが留意される。
図42に最も良く示されているように、制御リンク662の長手方向に延びる中心線軸688は、椅子組立体10が完全に直立した位置にあるときは座部支持構造体626と鋭角αを形成し、椅子組立体10が完全にリクライニングした位置にあるときは鋭角α'を形成する。なお、制御リンク662の中心線軸688は、椅子組立体10がその完全に直立した位置と完全にリクライニングした位置との間で移動するときに、座部支持構造体626との直交する位置合わせを通過して回転しない。
【0047】
図43を更に参照すると、背もたれ制御リンク600は、第5の回動点689において座部支持構造体626に回動可能に接続されている前端687を含む。背もたれ制御リンク600の後端690が、第6の回動点692において背もたれシェル164の下側部分168に接続される。第6の回動点692は任意選択的であり、背もたれ制御リンク600及び背もたれシェル164は互いに堅く固定することができる。また、回動点692は、第1の回転方向及び/又は第2の回転方向への背もたれシェル164に対する背もたれ制御リンク600の回転を制限する停止特徴部を含むことができる。例えば、
図43を参照すると、回動点692は、制御リンク600に対する背もたれシェル164の下側部分168の時計回りの回転を可能にする停止特徴部を含むことができる。これは、寸法D1を低減する傾向にある後方/水平の力が背もたれシェル164の腰部部分に印加される場合に、腰部がより平坦になることを可能にする。しかし、停止特徴部は、制御リンク600に対する反時計回り方向(
図43)への背もたれシェル164の下側部分168の回転を防止するように構成することができる。これによって、使用者が背もたれ組立体18の上側部分に対して押圧することによって椅子をリクライニングするときに、リンク600及び背もたれシェル164の下側部分168が同じ角速度で回転する。
【0048】
カムリンク694も回動点又は軸689を中心に回転するように座部支持構造体626に回動可能に接続される。カムリンク694は、背もたれ支持構造体646に形成される上方に面するカム面698に摺動可能に係合する湾曲した下側カム面696を有する。一対のねじりばね700(
図48)が、背もたれ制御リンク600及びカムリンク694を、角度φを増す傾向にある方法で回転可能に付勢する(
図43)。ねじりばね700は、制御リンク600を反時計回り方向(
図43)に回転させると同時にカムリンク694を時計回り方向(
図43)に回転させる傾向にある力を生成する。したがって、ねじりばね700は、背もたれ制御リンク600とカムリンク694との間の角度φを増す傾向にある。座部支持構造体626の止め部702が、背もたれ制御リンク600の反時計回りの回転を
図43に示されている位置に制限する。この力は、制御リンク600を反時計回り方向に付勢し、停止特徴部に入れることもできる。
【0049】
上記で説明したように、背もたれシェル164は、特に剛性の背もたれフレーム構造体150と比較して可撓性である。同様に上記で説明したように、背もたれフレーム構造体150は背もたれ支持構造体646に堅く接続され、したがって、背もたれ支持構造体646とともに回動する。ねじりばね700によって生成される力は、背もたれシェル164の下側部分168に対して上方に押圧する。背もたれシェル構造体164のスロット184は、背もたれシェル164の腰部支持部分182において付加的な可撓性を生じる。ねじりばね700によって生成される力はまた、背もたれシェル164の腰部部分182を前方に曲げさせる傾向にあり、それによって、腰部部分182は、腰部部分182に隣接する領域よりも大きい曲率を有する。
【0050】
上記で説明したように、腰部組立体246の位置は鉛直方向に調整可能である。腰部組立体246の鉛直方向の調整によって、椅子の背もたれをリクライニングする間に背もたれシェル164が撓む/湾曲するやり方も調整される。
図43では、腰部組立体182は、中間又は中立位置に調整されており、それによって、背もたれシェル164の腰部部分246の曲率も中間又は中立にある。
図44を更に参照すると、腰部組立体246の鉛直位置が調整される場合、角度φが減り、腰部領域182の曲率が低下する。
図44に示されているように、これによって、角度
φ1も大きくもなり、背もたれシェル164の全体的な形状が比較的平坦になる。
【0051】
図45を更に参照すると、腰部組立体246の高さが中間のレベルに設定される(すなわち
図43と同じ)であり、使用者が背もたれに寄り掛かる場合、リンク及び構造体606、626、646、662並びに回動点620、622、644、660によって画定される四節回転機構は、
図43の形態から
図45の形態に(上述したように)シフトする。これによって更に、回動点689とカム面698との間の距離が増大する。これによって、角度φが約49.5°(
図43)から約59.9°(
図45)に増える。ばねが開位置に向かって回転すると、ばねに蓄えられたエネルギーの幾らかが背もたれシェル164に伝達されることで、背もたれシェル164の腰部部分168の曲率の程度が大きくなる。このように、背もたれ制御リンク600、カムリンク694及びねじりばね700は、使用者が椅子の背もたれに寄り掛かると、使用者の背中の曲率を減らすように腰部部分182のより大きい曲率を提供する。
【0052】
また、椅子が
図43の位置から
図45の位置に傾くと、腰部部分182と座部16との間の距離Dが174mmから234mmに増大する。背もたれシェル164の腰部部分182と背もたれフレーム構造体150との間の寸法D1も、背もたれが
図43の位置から
図45の位置に傾くと増大する。したがって、距離Dは幾分増大するが、背もたれシェル164の腰部部分182がリクライニング中に背もたれフレーム150に対して前方にシフトするため、寸法D1の増大によって寸法Dの増大を低減する。
【0053】
図43を再び参照すると、着座した使用者706の脊柱704は、使用者が直立姿勢で着座すると、第1の量だけ腰部領域708において前方に湾曲する傾向にある。使用者が
図43の位置から
図45の位置に背もたれに寄り掛かると、腰部領域708の曲率は増大する傾向にあり、使用者の脊柱704も、使用者の大腿骨712に対して股関節710の周りで幾分回転する。寸法Dの増大、及び、背もたれシェル164の腰部領域又は部分182の曲率の増大は同時に、使用者の股関節710及び大腿骨712が座部16上で滑らず、使用者の脊柱704の腰部領域708の曲率にも対応することを確実にする。
【0054】
上記で説明したように、
図44は、シェル164の腰部領域182が平坦な位置に調整された状態の、直立位置にある椅子の背もたれを示している。椅子の背もたれが
図44の位置から
図46の位置に傾けられると、背もたれ制御リンク600及びカムリンク694の双方が時計回り方向に回転する。しかし、カムリンク694は幾分より速い速さで回転し、したがって、角度φは31.4°から35.9°に変化する。距離Dは、202mmから265mmに変化し、角度
φ1は24.2°から24.1°に変化する。
【0055】
図47を更に参照すると、椅子の背もたれがリクライニングし、腰部の調整が高く設定されている場合、角度φは93.6°であり、距離Dは202mmである。
【0056】
したがって、背もたれシェル164は、シートの背もたれが後方に傾くにつれて湾曲する。しかし、直立からリクライニング位置への腰部領域182の曲率の増大は、曲率が最初により高いレベルに調整される場合にはかなり大きくなる。これは、使用者の背中が直立に着座するときに最初は比較的平坦な状態にある場合に使用者がリクライニングすると、使用者の背中の曲率が大きくは増大しないことを考慮するものである。言い換えると、使用者の背中は、直立姿勢にあるときに比較的真っ直ぐである場合、曲率の程度が直立位置からリクライニング位置に幾分増大するにもかかわらず、リクライニングするときでさえも比較的平坦なままである。逆に、使用者の背中が直立姿勢にあるときにかなり湾曲している場合、腰部領域の曲率は、使用者の背中が最初に比較的平坦である場合の曲率の増大に対して、使用者がリクライニングするにつれてより大きく増大する。
【0057】
一対のばね組立体714(
図37〜
図39)が、背もたれ組立体18をリクライニング位置Fから直立位置Eに向かって付勢する。
図39に最も良く示されているように、各ばね組立体714は、第1の端718及び第2の端720を有する円筒形状のハウジング716を含む。各ばね組立体714は、圧縮コイルばね722、第1のカプラ724及び第2のカプラ726を更に含む。図示の例では、第1のカプラはハウジング716の第1の端718に固定され、一方で、第2のカプラ726は、コイルばね722を通って延びるロッド部材728に固定されている。ワッシャ730がロッド部材728の遠位端に固定されてコイルばね722の端に当接し、一方で、コイルばね722の反対端はハウジング716の第2の端720に当接する。第1のカプラ724は、回動点734を中心に回動するように回動ピン732によって背もたれ支持構造体646に回動可能に固定され、回動ピン732は背もたれ支持構造体646の回動孔736内に受け入れられ、一方で、第2のカプラ726は、回動点742を中心に回動するように軸740によってモーメントアームシフト組立体738に回動可能に連結される。モーメントアームシフト組立体738は、付勢又はばね組立体714を低張力設定から高張力設定に移動させるようになっており、付勢組立体714によって背もたれ組立体18に加えられる力は、低張力設定に対して増大する。
【0058】
上記の記載では、概念が開示されるときに
この概念から逸脱することなく本発明に対して変更を行うことができることが当業者には容易に理解されるであろう。そのような変更は、以下の特許請求の範囲においてそれらの文言によって別途明記されない限り、それらの特許請求の範囲に含まれるものとみなされるべきである。