特許第6349318号(P6349318)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6349318
(24)【登録日】2018年6月8日
(45)【発行日】2018年7月4日
(54)【発明の名称】椎骨固定デバイスおよびシステム
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/70 20060101AFI20180625BHJP
   A61F 2/28 20060101ALI20180625BHJP
   A61F 2/44 20060101ALI20180625BHJP
【FI】
   A61B17/70
   A61F2/28
   A61F2/44
【請求項の数】17
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2015-537411(P2015-537411)
(86)(22)【出願日】2013年10月21日
(65)【公表番号】特表2015-532167(P2015-532167A)
(43)【公表日】2015年11月9日
(86)【国際出願番号】IB2013059520
(87)【国際公開番号】WO2014061005
(87)【国際公開日】20140424
【審査請求日】2016年10月20日
(31)【優先権主張番号】PI2012A000106
(32)【優先日】2012年10月19日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】515106077
【氏名又は名称】ツナミ,エス.アール.エル
(73)【特許権者】
【識別番号】515106088
【氏名又は名称】グイザーディ,ジャンカルロ
(73)【特許権者】
【識別番号】513047213
【氏名又は名称】ペトリーニ、ピエーロ
【氏名又は名称原語表記】PETRINI, Piero
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】グイザーディ,ジャンカルロ
(72)【発明者】
【氏名】ペトリーニ,ピエロ
【審査官】 後藤 健志
(56)【参考文献】
【文献】 特表2004−517672(JP,A)
【文献】 特表2004−515311(JP,A)
【文献】 特表2002−540844(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0112350(US,A1)
【文献】 特表2009−508633(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0114357(US,A1)
【文献】 国際公開第2012/105647(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0036323(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0156237(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0253395(US,A1)
【文献】 国際公開第2012/116267(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/70
A61F 2/28
A61F 2/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の脊椎部分(1)の2つの隣接する椎骨(10、20)の2つの対応する椎骨部分の間への挿入のために構成された支持要素をそれぞれ含む複数の椎骨固定デバイス(30、40、40’、5)を含む椎骨固定システムであって、前記対応する椎骨部分(12、22;13、23)が前記隣接する椎骨(10、20)の突起(12、22)および/または関節表面(13、23)を含むことで、支持が前記対応する椎骨部分(12、22;13、23)に提供され、
前記複数の椎骨固定デバイスが、
− 前記隣接する椎骨(10、20)の上部椎骨(10)の棘突起(12)の下部表面(17)と、前記隣接する椎骨(10、20)の下部椎骨(20)の棘突起(22)の上部表面(27)との間にある棘突間空間(8)への挿入のために構成された棘突間固定デバイス(40、40’)であって、前記棘突間固定デバイス(40、40’)が、前記棘突間空間(8)を塞ぐためにそれぞれ前記下部表面(17)および前記上部表面(27)に順応するように構成された上端部(47)および下端部(48)を有する、棘突間固定デバイス(40、40’)と、
− 各組の協働する小関節面(13、23)の間への挿入のために構成された一組の関節間固定デバイス(52)と、
を含み、
前記支持要素が、
− 塑性変形可能な顆粒状骨接合材料(32)と
− 側壁および2つの開口端部(35’、35”;45’、45”)を有する中空コンテナ体(31、31’、41)であって、前記中空コンテナ体(31、31’、41)が、前記顆粒状骨接合材料(32)を含むように、そして前記開口端部(35’、35”;45’、45”)を通し前記顆粒状骨接合材料(32)と両者の前記対応する椎骨部分(12、22;13、23)との直接的な接触が可能になるように配列され、前記顆粒状骨接合材料(32)が軸方向に沿って前記対応する椎骨部分(12、22;13、23)の間に連続ピラーを形成するまで、前記中空コンテナ体(31、31’、41)が、前記顆粒状骨接合材料(32)を側方に含むように、そして前記2つの開口端部の間に前記軸方向に塑性変形が可能になるように配列され、前記顆粒状骨接合材料(32)の塑性変形の後に、前記側壁が前記軸方向に沿って撓むように配列される、中空コンテナ体(31、31’、41)と
を含む、椎骨固定システム
【請求項2】
前記中空コンテナ体(31、31’、41)の側壁が、横方向に非伸縮性である、請求項1に記載の椎骨固定システム
【請求項3】
前記中空コンテナ体(41)が、一組の対称の長手方向の外殻(36’、36”;46’、46”)を含み、特に前記外殻が、各長手方向の分節に沿って連結される、請求項1に記載の椎骨固定システム
【請求項4】
前記棘突間固定デバイス(40、40’)が、6mm18mmとの間特に9mm15mmとの間に設定された高さ(L)を有する、請求項1に記載の椎骨固定システム
【請求項5】
前記棘突間固定デバイス(40、40’)が、前記隣接する椎骨(10、20)の一組の薄膜(19、29)の間にある薄膜間空間(7)を塞ぐために、前記一組の薄膜(19、29)の間に配置されるように構成された薄膜間部分(43)を含む、請求項に記載の椎骨固定システム
【請求項6】
前記棘突間固定デバイス(40’)が、前記顆粒状骨接合材料(32)を前記棘突起(12、22)の間で圧縮状態に保持するために、前記棘突起(12、22)を係合するように構成された両側拘束手段(49)を含み、
特に前記両側拘束手段が、前記固定デバイス(40’)を前記棘突起(12、22)に締着するように構成された靭帯(49)を含む、請求項1に記載の椎骨固定システム
【請求項7】
前記関節間固定デバイス(52)の側壁が円筒形を有し、特にそれが楕円形の断面を有し、より特別にはそれが円形の断面を有する、請求項1に記載の椎骨固定システム
【請求項8】
前記複数の椎骨固定デバイスが、前記2つの隣接する椎骨(10、20)の、それぞれ互いに向き合う2つの椎体(15、25)の2つの関節表面(11、21)の間に設定された椎間空間(9)への挿入のために構成された椎骨間固定デバイス(51、51’)を含み前記椎骨固定デバイス(30、51、51’)が、
− 5mm20mmとの間、特に5mm15mmとの間に設定された高さ(H”、H’”)
− 5mm15mmとの間に設定された横断寸法、特に直径、
を有する、請求項1に記載の椎骨固定システム
【請求項9】
前記関節間固定デバイス(52)が、5mm14mmとの間、特に5mm10mmとの間に設定された高さ(””)を有する、請求項1に記載の椎骨固定システム
【請求項10】
前記複数の椎骨固定デバイスが、椎骨関節固定術のためのものであり、2つの対応する横突起(14、24)の間への挿入のために構成された横突間固定デバイス(30’、30”、53)を含み前記横突間固定デバイス(30’、30”、53)が、
− 15mm45mmとの間、特に25mm40mmとの間に設定された高さ(H’)
− 5mm15mmとの間に設定された横断寸法、特に直径、
を有する、請求項1に記載の椎骨固定システム
【請求項11】
前記中空コンテナ体(31、31’、41)の側壁が、網様構造、特に交絡されたメッシュ(33)を含む網状組織を有するケージ要素を含む、請求項1に記載の椎骨固定システム
【請求項12】
前記中空コンテナ体(31、31’、41)の側壁が、
− らせん形構造
− 繊維構造
− 複合構造、
からなる群から選択される構造を有する、請求項1に記載の椎骨固定システム
【請求項13】
前記椎骨固定システムが、椎骨関節固定術のためのものであり、前記椎骨固定デバイスが、静止位置から予圧縮位置まで軸方向に予圧縮された構成にあり、ラッパーが、前記椎骨固定デバイスを前記予圧縮位置に保持するために設けられている、請求項1に記載の椎骨固定システム
【請求項14】
前記顆粒状骨接合材料(32)が、ヒトまたは動物の骨材料、特に骨バンクの骨である、請求項1に記載の椎骨固定システム
【請求項15】
前記顆粒状骨接合材料(32)が、一定量の皮質骨材料および一定量の小柱骨材料を所定の割合で含むタブレットの形態である、請求項14に記載の椎骨固定システム
【請求項16】
前記骨接合材料が、骨成長因子を含む、請求項1に記載の椎骨固定システム
【請求項17】
前記椎骨固定システムが、前記椎骨間空間(9)の内部のそれぞれ前方位置および後方位置に配置されるように構成された前方椎骨間固定デバイス(51’)および後方椎骨間固定デバイス(51)を含む、前記2つの関節表面(11、21)の間への挿入のために構成された複数の椎骨間固定デバイス(51、51’)を含み、
特に、前記隣接する椎骨(10、20)が脊椎後弯になるのを予防するために、前記前方椎骨間固定デバイス(51’)が、前記後方椎骨間固定デバイス(51)の高さ(H”)よりも高い高さ(H’”)を有し、
特に、前記椎骨固定システムが、2つの後方椎骨間固定デバイス(51)および1つの前方椎骨間固定デバイス(51’)を含む、請求項8に記載の椎骨固定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、デバイスおよび椎骨固定システム、即ち、脊椎固定のデバイスおよびシステムに関する。デバイスを移植するための手順、およびこの手順を実施するためのツールキットも、記載される。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
隣接する椎骨の固定に関しては、複数のデバイスが知られており、とりわけ、
− 椎骨の相対的位置を固定するためのロッドおよびスクリューを含む、器具を用いた固定デバイス(instrument−assisted fusion devices);
− 前方または後方または側方アプローチにより移植され得る「ケージ」型固定デバイス;
− 2つの隣接する椎骨の棘突起の間に配置させるのに適した棘突間固定デバイス、
が公知である。
【0003】
米国特許出願公開第2005/0055094号に、「Optimesh」として公知のケージ型固定デバイスが開示されている。このデバイスは、損傷を受けた椎間板を置換するために2つの椎体の間に挿入するのに適しており、繊維材料から出発して製造される閉鎖型ケージ要素を含む。このケージ要素には、顆粒状骨材料が充填されている。このデバイスの欠点は、顆粒状骨材料と椎体との固定をケージ要素の繊維材料によって行わなければならず、それゆえ固定が得られ難いことである。その上、所定の応力下にある場合、ケージ要素が破裂する可能性がある。更にデバイスは、2つの隣接する椎骨を互いに固定するため、そして初期固定を提供するために、スクリューおよびロッドを必要とし、それゆえ器具を用いた固定デバイスに属し、製造および移植がより困難である。
【0004】
ケージ型デバイスは、頸部椎間板を置換して、頸部椎間板に隣接する椎体の固定を提供するために企図された「Biocage」としても公知である。デバイスは、実質的に管状の網状ケージ要素と、ケージ要素内に配置された顆粒状骨材料と、を含む。ケージ要素は、顆粒状材料を一緒に固定された2つの椎骨の表面と接触させるように、上下が開放されている。ケージ要素は、硬質の再吸収性ポリマー、例えばPLLAによりコーティングされたPETで作製され得る。
【0005】
同じくこのタイプのデバイスは、脊椎固定の形成ができないことが非常に多い。公知の通り、実際には骨接合術では、適切な力を骨材料上に加える必要がある。ケージ要素は、硬質であるため、椎骨の負荷が、顆粒状骨材料の代わりにケージ要素に加えられる。それゆえデバイスの骨材料は、実質的に機械適応力を受けず、そのため椎骨との固定に関して刺激されない。
【0006】
それゆえこのデバイスは、硬質構造を得るために再吸収可能であるものの過剰な量であるポリマーを含むため、異物反応を惹起するという欠点を有する。
【0007】
棘突間固定デバイスは、脊椎の単独での屈伸運動を一部だけ限定する。これに対して棘突間固定デバイスは、相対的な側屈およびねじれ運動は実質的に限定しない。それゆえ、棘突間固定デバイスは、隣接する椎骨に残りの相対的運動性を託して、固定を妨害または遮断する。言い換えれば、棘突間固定デバイスの排他的使用では、固定に発展する初期固定を提供することができない。
【0008】
したがって、移植されたら2つの椎骨に骨材料の固定を機械的に刺激させて、デバイス移植直後の2つの椎骨の相対的運動性を遮断させて、固定を発展するのに必要となる初期固定を提供して先行技術の欠点を克服する、骨固定材料を含む2つの隣接する椎骨の固定のためのデバイスが求められていると感じられる。
【0009】
米国特許出願公開第2008/167686 A1号に、2つの圧縮弾性要素、特にリーフスプリングからなるコンテナを含む椎骨間スペーサデバイスが記載されている。例示的な実施形態において、コンテナは、2つの開口端部を有する。実質的には移植部位において固定するために、骨成長を促進するように適合された材料をスペーサデバイスに充填する手順も、記載される。
【0010】
WO2009/005819号には、2つの隣接する椎骨の「可動固定(mobile fusion)」を提供する、即ち、椎骨の連結を形成してそれらの間に弾性的な相対的運動性を与える、椎間デバイスが記載されている。実際に、屈伸運動、側屈運動および軸方向回転運動から選択される少なくとも2つの椎骨運動モードを可能にすることを明白に企図した例示的な実施形態が、記載されている。
【0011】
デバイスは両者とも、椎体と接触するように設計された接触部分を含み、接触部分は椎体により加えられる力に弾性的に反応する。骨成長促進材料は、接触部分を各椎体に固定する以外のことを行うことができず、デバイスを硬化することができず、それゆえ2つの椎骨を互いに固定することができない。実際には前者の場合、コンテナの圧縮運動が、初期固定、つまり2つの椎体の固定を可能にしない。後者の場合、椎体の相対的運動性が、明白に求められている。
【0012】
それゆえそのようなデバイスは両者とも、実質的には椎間板プロテーゼを具体化しており、真の意味で椎骨固定を形成するのに用いられていない。
【0013】
米国特許出願公開第2008/167686 A1号のコンテナは、骨接合材料、特に骨材料が顆粒形態で充填され得ないことも観察されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
発明の概要
それゆえ本発明の目的は、固定プロセスを刺激するために椎骨によって加えられる力を受けるように配列された、骨固定材料を含む2つの隣接する椎骨の固定を形成するためのデバイスを提供することである。
【0015】
同じく本発明の目的は、2つの椎骨の相対的運動性を遮断し、それによりスクリューおよびプレートなどの任意の初期固定手段を用いずに、2つの椎骨の迅速な固定を促進する初期固定をもたらす、固定システムを提供することである。
【0016】
同じく本発明の目的は、容易で最小限の侵襲性手順により移植され得るそのようなデバイスおよびシステムを提供することである。
【0017】
同じく本発明の目的は、容易で迅速に製造され得るそのようなデバイスおよびシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
これらおよび他の目的は、患者の脊椎部分の2つの隣接する椎骨の2つの対応する椎骨部分の間に挿入するように構成された支持要素を含む椎骨固定デバイスであって、対応する椎骨部分が隣接する椎骨の突起および/または関節表面を含み、それにより支持反応が対応する椎骨部分にもたらされ、支持要素が、軸の方向に沿って軸方向コンプライアンスであり、
それらの主な特色は、支持要素が:
− 塑性変形可能な顆粒状骨接合材料と;
− 側壁および2つの開口端部を有する中空コンテナ体と、
を含むことであり、中空コンテナ体は、開口端部を通して顆粒状骨接合材料と2つの対応する椎骨部分との直接的な接触が可能になるように顆粒状骨接合材料を含み、そしてそれによりコンテナが側方に顆粒状骨接合材料を含み、軸方向に沿った対応する椎骨部分の間に顆粒状骨接合材料が連続ピラーを形成するまで、2つの開口端部の間で軸方向の塑性変形が可能になり、側壁が顆粒状骨接合材料の塑性変形の後に軸方向に沿って生じるように配列されている、椎骨固定デバイスにより実現される。
【0019】
こうして対応する椎骨部分の負荷は、ピラーを形成する顆粒状骨材料のみに加えられ、軸方向コンプライアンスのあるコンテナ体には加えられない。これらの状態において、固定デバイスが移植されると、顆粒状骨材料は、それを挟んでいる対応する椎骨部分によって加えられる負荷を支持し、同時に骨固定プロセスを刺激する圧縮力を受け、それにより関節固定の形成が確実になる。
【0020】
その上、同軸方向にある先行技術の硬質固定デバイスとは異なり、この固定は、骨材料の顆粒性により、対応する椎骨部分により一時的に、または全身に伝達され得る脈動力および振動を若干、減弱させるように構成される。これが、椎体の安定性および患者への快適性を改善する。
【0021】
その上、そのようなデバイスでは、固定ができなかった場合に、中空コンテナ体の顆粒状骨材料および/または断片を患者の体内に分散させることができない。
【0022】
その他にも、本明細書の以後に示される通り、本発明による固定デバイスは、最小限の侵襲性技術により移植することができる。
【0023】
好ましい例示的な実施形態において、中空コンテナ体の側壁は、横方向に実質的に非伸縮性である。こうして顆粒状材料は、半径方向に拡張することができず、全体的に圧迫状態のままである。
【0024】
例示的な実施形態において、中空コンテナ体は、一組の実質的に対称の長手方向の外殻を含む。特にその外殻は、各分節に沿って長手方向に連結される。それにより、平坦な物体から出発して中空コンテナ体を作製することが容易になる。
【0025】
例示的な実施形態において、固定デバイスは、棘突間空間、即ち2つの隣接する椎骨の上部椎骨の棘突起の下部表面と、下部椎骨の棘突起の上部表面と、の間の空間に挿入されるように構成されており、固定デバイスは、棘突間空間を塞ぐするために、それぞれこれらの下部表面および上部表面に隣り合うように構成された上端部と下端部を有する。そのような固定デバイスは、本明細書では以後、棘突間固定デバイスまたは固定棘突間デバイスとして示される。
【0026】
好ましくは、棘突間固定デバイスは、6mm〜18mm、特に9mm〜15mmに設定された高さを有する。
【0027】
有利には棘突間固定デバイスは、上部および下部の隣接する椎骨の各薄膜の間に配置させるように構成された薄膜間前方部分を含む。この薄膜間前方部分により、2つの隣接する椎骨を含む脊椎部分の屈伸運動をより安全に阻害すること、およびそれらの椎骨が脊椎後弯になるのを予防することができる。 [3]
【0028】
ことによると薄膜間前方部分が設けられている、棘突間固定デバイスは、有利には先に示された一組の長手方向の外殻からなり、各長手方向の外殻は、それぞれ2つの隣接する椎骨の上部椎骨の棘突起の下部表面および下部椎骨の棘突起の上部表面、好ましくはそれぞれ上部椎骨および下部椎骨の棘突起の上面、を具備するように構成された各上部輪郭および各下部輪郭を有し、それらはそれぞれ上部椎骨および下部椎骨の薄膜を具備するように構成されていてもよい。
【0029】
有利には固定デバイスは、顆粒状骨接合材料を棘突起間で圧縮状態に保持するために、棘突起と係合するように構成された両側拘束手段を含む。
【0030】
特に両側拘束手段は、棘突間固定デバイスを棘突起に締着するように構成された靭帯を含む。
【0031】
固定デバイスの側壁は、実質的に円筒形を有する。特にこの円筒形は、実質的に楕円形の断面を、より特別にはその円筒形は、実質的に円形の断面を有する。特にそのような固定デバイスは、2つの互いに向き合う椎体関節表面の間、または2つの協働する小関節面の間、または隣接する椎骨の2つの横突起の間に挿入されるように構成される。
【0032】
例示的な実施形態において、固定デバイスは、2つの椎体の2つの互いに向き合う関節表面の間の椎間空間(intersomatic space)に挿入されるように構成される。この固定デバイスは、本明細書では以後、椎間椎骨固定デバイスまたは固定椎間デバイスとして示される。好ましくはこの椎骨固定椎間デバイスは、5mm〜20mm、特に5mm〜15mmに設定された高さ、および特に5mm〜15mmに設定された横断寸法、特に直径を有する。
【0033】
例示的な実施形態において、固定デバイスは、2つの隣接する椎骨の2つの協働する小関節面の間に挿入されるように構成される。そのような固定デバイスは、本明細書では以後、関節間椎骨固定デバイスまたは固定関節間デバイスとして示される。好ましくはこの固定関節間デバイスは、5mm〜14mm、特に5mm〜10mmに設定された高さを有する。これらのサイズでは、本明細書の以後に記載される椎間デバイス、より特別には複数の椎間デバイスを、2つの隣接する椎骨の椎体の間のハウジングに挿入することができる。
【0034】
例示的な実施形態において、固定デバイスは、2つの隣接する椎骨の2つの対応する横突起の間に挿入されるように構成される。そのような固定デバイスは、本明細書では以後、横突間椎骨固定デバイスまたは固定横突間デバイスとして示される。好ましくは横突間デバイスは、15mm〜45mm、特に25mm〜40mmに設定された高さ、および5〜15mmに設定された横断寸法、特に直径を有する。
【0035】
中空コンテナ体の側壁は、ケージ要素、即ち網様構造を有する要素を含むことができる。特にこのケージ要素は、交絡したメッシュを有する網状組織を有し、メッシュは、顆粒材料を含むように構成されたサイズを有する。交絡したメッシュ構造は、交絡した網状組織の細片をそれ自身に長手方向に結び付けることにより、平坦な物体から容易に製造することができる。
【0036】
代わりとして、中空コンテナ体のケージ壁は、らせん形構造を含んでいてもよい。代わりまたは追加として、中空コンテナ体は、繊維構造を含んでいてもよい。代わりまたは追加として、中空コンテナ体は、複合構造を含んでいてもよい。
【0037】
中空コンテナ体は、ポリエチレンテレフタラート、チタン、PEEK、炭素繊維またはそれらの組み合わせなどの生体適合性材料で作製されていてもよい。
【0038】
本発明による固定デバイスは、移植部位にもよるが、最小値と最大値の間に設定される、より低い高さを有する。
【0039】
あるいは固定デバイスは、静止位置から予圧縮位置まで軸方向に予圧縮された構成であり、その場合ラッパーが、固定デバイスを予圧縮位置に保持するために提供されている。 [11]
【0040】
本発明の別の態様において、先に示された目的は、先に示された特色を有する複数の椎骨固定デバイスを含む椎骨固定システムにより達成され、椎骨固定デバイスは、
− 椎間固定デバイス、即ち、2つの椎体の2つの互いに向き合う関節表面の間に挿入されるように構成されたデバイス;
− 棘突間固定デバイス、即ち、隣接する椎骨の2つの棘突起の間に挿入されるように構成されたデバイス;
− 関節間固定デバイス、即ち、隣接する椎骨の2つの協働する小関節面の間に挿入されるように構成されたデバイス;
− 横突間固定デバイス、即ち、隣接する椎骨の2つの対応する横突起の間に挿入されるように構成されたデバイス、
からなる群から選択され、特にシステムは、対応する右および左の横突起の各組の間に挿入される一組の固定デバイスを含む。 [12]
【0041】
例示的な実施形態において、システムは、棘突間固定デバイスと、少なくとも1つの椎間固定デバイスと、協働する小関節面の各組の間に挿入される一組の関節間固定デバイスと、を含む。
【0042】
本発明による固定システムにより、隣接する椎骨を互いに締着するスクリューまたは締着ロッドなどの手段を用いずに、骨固定を促進するように初期固定をもたらし得る移植片を作製することが可能になる。 [13]
【0043】
より詳細には、棘突間固定デバイスは単独で、2つの隣接する椎骨の相対的屈伸運動を少なくとも部分的に遮断することができる。椎間固定デバイスは、相対的屈伸運動を完全にブロックすることができる。好ましくは組み合わせとして用いられる、関節間固定デバイスは、2つの隣接する椎骨の相対的側屈およびねじれ運動も遮断することができる。それゆえ、本発明によるシステムは、高い接触表面を提供して、2つの隣接する椎骨の相対的運動成分を全て抑制することができる。そのような関節固定術は、周囲関節固定術(circumferential arthrodesis)、即ち、複数の異なる要素を含み、その要素のそれぞれが協働して隣接する椎骨の相対的運動の固有の自由度を排除する関節固定術と呼ぶことができる。
【0044】
こうしてシステムは、固定プロセスを確実に完了させるのに十分強い初期固定をもたらす。これに対して移植後の余分な残りの可動性は、固定を困難または不可能にさえする。これが、先行技術の固定「ケージ」デバイス中で起こり、屈伸、側屈、ねじれ運動のうちの1成分または多くても2成分を抑制する可能性がある。 [18]
【0045】
幾つかの例において、右および/または左の横突起の間に配置された補助的固定デバイスは、隣接する椎骨の相対的運動を遮断するのに有用となり得る。
【0046】
先に記載されたデバイスを含む本発明によるシステムは、デバイスが配置される椎骨部分により制御された方法で力が加えられる状態において、移植後の相対的運動の厳しい制約または全体的制約と、刺激される顆粒状骨材料の利用可能性と、の併用を可能にする。この状態は、固定のプロセス、つまり関節固定術の完遂を促す。
【0047】
好ましい例示的な実施形態において、椎骨固定システムは、少なくとも1つの前方椎間固定デバイスと、少なくとも1つの後方椎間固定デバイスと、を含み、それらは、それぞれ椎骨間空間内の前方位置および後方位置を含む位置に配置されるように構成され、特定の前方デバイスまたは各前方デバイスは、好ましくは特定の後方デバイスまたは各後方デバイスよりも。これは、2つの隣接する椎骨を含む脊椎分節を脊椎後弯にすることなく関節固定を形成するように働く。特にこの固定システムは、2つの後方椎間固定デバイスおよび1つの前方椎間固定デバイスを含む。
【0048】
本発明によるデバイスの顆粒状骨接合材料は、ヒトまたは動物の骨材料、特に骨バンクの骨であってもよい。
【0049】
有利には、この顆粒状骨接合材料は、タブレットの形態、即ち、皮質骨材料および小柱骨材料を所定の割合で含むチップの形態である。小柱骨材料は、骨固定を特に起こし易く、それゆえ小柱骨材料は、関節固定の形成を促進する。
【0050】
固定デバイスは、骨成長因子も含んでいてよい。好ましくはこれらの成長因子は、顆粒状骨接合材料および成長因子を含む充填材料にゲル材料を形成させるように構成される。例えば成長因子は、顆粒状骨接合材料に添加された髄質および/または末梢血中で提供される。
【0051】
成長因子は、デバイスが用いられる時、即ち、移植片を作製する段階で添加されてもよい。
【0052】
例示的な実施形態において、デバイスは、骨接合を促進するために適合される物質、例えばタンパク質を含んでいてもよい。これにより、デバイスがもたらす骨接触および初期固定により可能になる固定よりも、かなり短時間で固定を形成することができる。
【0053】
その上、本発明は、先に記載された固定デバイスを作製する方法に関する。この方法は、本明細書では以後、2つの隣接する椎骨の固定のために先のデバイスおよびシステムを移植する手順と共に記載される。
【0054】
ここに本発明を、添付の図面を参照しながら例示的な実施形態の記載と共に示すが、それらの実施形態は、例示であり限定でない。
【図面の簡単な説明】
【0055】
図1】2つの隣接する椎骨を含む脊椎の腰椎分節の斜視図である。
図2】第一の例示的な実施形態における、椎間または関節間固定デバイスの図式的斜視図である。
図3図1の固定デバイスの中空コンテナ体の斜視図である。
図4図2の中空コンテナ体の網状組織の詳細を示す。
図5】本発明の第一の例示的な実施形態による、固定横突間デバイスの図式的斜視図である。
図6】本発明の第一の例示的な実施形態による、固定棘突間デバイスの図式的斜視図である。
図7】本発明の第二の例示的な実施形態による、固定棘突間デバイスの図式的斜視図である。
図8】2つの隣接する椎骨と共に締め付けるために配列された靭帯を有する、図7の棘突間固定デバイスの図式的斜視図である。
図9】本発明による固定デバイスと共に提供された、図5の脊椎分節の断面図である。
図10】脊椎分節が、本発明による椎間固定デバイスと共に提供された、椎体の所で作成された図5の脊椎分節の部分長手方向断面図である。
図11】本発明による棘突間固定デバイス、特に図7の固定デバイスと共に提供された、図5の脊椎分節の棘突起の部分側面図である。
図12】関節間デバイスと棘突間デバイスの組み合わせを含む、一組の横突間固定デバイスと共に提供された図10の脊椎分節の背面図である。
図13図12に示された固定デバイスおよび椎間固定デバイスと共に提供された、図5の脊椎分節の後側部斜視図である。
図14】一組の小関節面と、その間の関節間固定デバイスをより詳細に示す、図13の図の部分拡大図である。
図15】本発明によるデバイスを受け止めるように一組の隣接する椎骨を作製するための伸延デバイスの斜視図である。
図16】本発明による棘突間固定デバイスを移植するための鉗子の斜視図である。
図17】本発明による固定横突間デバイスを移植するための鉗子、および本発明による固定横突間デバイスの斜視図である。
図18】本発明による椎間固定デバイスを移植するための注入デバイスおよび関節間固定デバイスの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0056】
好ましい例示的な実施形態の説明
椎骨固定システムの例示的な実施形態を、本明細書では以後、本発明によるシステムの椎骨固定デバイスと共に記載する。
【0057】
関与する解剖学的部分を図1に示しているが、それは2つの隣接する腰椎10および20を含む対象の脊椎分節1を示す。しかし、本発明によるデバイスは、当業者に明白な改良を施すことを条件に、任意の脊椎レベルで椎骨固定を形成するのに用いることができる。
【0058】
図2、3および4を参照すると、中空コンテナ体31と、中空コンテナ体31の内部に配列された所定量の塑性変形可能な顆粒状骨接合材料32と、を含む支持要素を含む椎骨固定デバイス30が、記載されている。
【0059】
図1の例示的な実施形態において、デバイス30は、実質的に円筒形を有し、特に円形断面を有する円筒形を有する。デバイス30は、隣接する椎骨10、20(図1)の対応する部分の間、特に椎体15、25の2つの互いに向き合う関節表面11、21(図11)の間に挿入されるように構成するための高さHを有していてもよく、その高さHは、好ましくは5〜20mm、特に5〜15mmであり、円形断面の円筒形デバイスにおいて、直径は5〜15mmに設定されている。言い換えると、図2のデバイス30は、椎間固定デバイスとして用いられるように構成される。
【0060】
デバイス30は、椎骨10、20の各関節突起13’、23’(図14)の2つの協働する小関節面13、23の間に挿入されるように構成するための高さHを有していてもよく、その高さHは、好ましくは5〜14mm、特に5〜10mmに設定される。言い換えれば図2のデバイス30は、関節間固定デバイスとして用いられるように構成される。
【0061】
図3は、本発明の例示的な実施形態による骨接合材料32を含まない、図2の固定デバイス30の中空コンテナ体31の斜視図である。中空コンテナ体31は、交絡したメッシュを形成する網状組織33などの網様構造の物体から出発して製造され、それゆえ、網様構造のケージ要素を含む。網状組織33の詳細は、図4に示され、それには網33’も描かれている。
【0062】
図5に、隣接する椎骨10、20(図1および13)の2つの横突起14、24の間に挿入されるように構成するための高さまたは長さH’を有する固定デバイス30’を示している。好ましくは高さH’は、15〜45mm、特に5〜10mmに設定され、円筒形デバイスにおいて、直径は、好ましくは5〜15mmに設定される。同じく固定デバイス30’は、顆粒状骨接合材料32を含有する交絡したメッシュの網状組織を含む中空コンテナ体31を含んでいてもよい。言い換えれば図5のデバイス30’は、横突間固定デバイスとして用いられるように構成される。
【0063】
図6に、隣接する椎骨10、20(図1および13)の2つの横突起14、24の間に挿入されるように構成された別の横突間固定デバイス30”を示している。中空コンテナ体31’、即ち、中空コンテナ体31の側壁は、互いに実質的に対称である2つの外殻36’および36”を含み、本発明の例示的な実施形態においては2つの異なる外殻を含む。2つの外殻は、骨接合材料32を含む。
【0064】
更に図6に示される通り、横突間固定デバイス30”は、横突起14、24との係合のために拘束手段39も具備していてよい。拘束手段は、横突間固定デバイス30’にも設けられていてよい。拘束手段39は、デバイス30’、30”の各端部35’、35”に関して、デバイス30’、30”の端部35’、35”(図5)の異なる位置、特に直径に関して反対の位置に連結されたブランチ38’、38”を含むワイヤ38を含む。外殻が2つである中空コンテナ体の場合、ブランチ38’、38”は、中空コンテナ体31の各外殻36’、36”に連結されている。拘束手段39は、ワイヤ38の長さを調整するためにワイヤ38のためのワイヤ巻き取り体39’をさらに含み、ワイヤを締め付けるように互いに係合され得る一組の係留要素39”も含む。拘束手段39は、顆粒状骨接合材料32を横突起14、24(図1および13)の間に圧迫状態で保持するよう構成される。
【0065】
図7に、隣接する椎骨10、20(図1および13)の2つの棘突起12、22を通して挿入されるように構成された固定デバイス40を示す。
【0066】
棘突間デバイス40は、2つの棘突起12、22の間に配置されるように構成された後部42を含む。より詳細には棘突間デバイス40は、棘突間関節固定を形成するよう2つの棘突起12、22の間の棘突間空間8を塞ぐために、それぞれ2つの棘突起12、22の下部表面17および上部表面27(図1)に対してゆとりのある上部47および下部48を含む。
【0067】
示された例示的な実施形態において、棘突間デバイス40は、互いに実質的に対称であり長手方向に連結された、左外殻46’および右外殻46”からなる中空コンテナ体41を含む。中空コンテナ体41は、交絡したメッシュの網状組織33などの網様構造の物体から出発して製造されてもよい。この外殻が2つである例示的な実施形態において、各外殻46’、46”は、それぞれ2つの棘突起12、22の下部表面17および上部表面27(図1)に対してゆとりのある各上部輪郭47および各下部輪郭48を有する。
【0068】
図7の例示的な実施形態において、固定デバイス40は、前部、即ち隣接する椎骨10、20の薄膜19、29の間に挿入されるように構成された薄膜間部分43を含んでいてもよい。この挿入は、図11に示されており、それは以下に記載される、デバイス40の本体と類似の中空コンテナ体41を含むデバイス40’(図8)に関する。
【0069】
図8の棘突間固定デバイス40’は、図7のデバイス40と同じ構造を有し、同じく棘突起12、22に係合するための拘束手段49を含む。この場合、拘束手段は、2つの隣接する椎骨10、20と共に締め付けるように配列された靭帯49を含み、それゆえ顆粒状骨接合材料32を圧縮状態で保持するために、棘突起12、22と共に両側拘束手段として働く。より詳細には薄膜間部分40は、薄膜間関節固定を形成するよう2つの薄膜19、29(図11)の間の薄膜間空間7を塞ぐために、それぞれ薄膜19、29の下部表面および上部表面に対してゆとりのある上部輪郭47’および下部輪郭48’を含む。図7の外殻が2つの例示的な実施形態において、各外殻46’、46’’は、各上部輪郭47’および下部輪郭48’を有する。拘束手段49は、上述の利点を有するデバイス40’の側方伸長を含むことにも寄与する。
【0070】
有利には棘突間固定デバイス40、40’は、好ましく6mm〜18mm、特に9mm〜15mmに設定されたサイズ、特に高さL(図13)を有する。
【0071】
先に記載された図に示されたデバイス30、30’、30”、40、40’において、高さH、H’、H”、H’”、Lは、椎骨の寸法を考慮して選択され、それらは患者の体格、および隣接する椎骨10、20の脊椎レベルに依存する。
【0072】
図2〜8に示された通り、固定デバイスの中空コンテナ体31、31’、41は、開口上端部の上部35’、45’および開口下端部35”、45”を有する。示された例示的な実施形態において、開口部は、コンテナ体31、31’、41の端部全体に及ぶ。こうして図10〜13に示された通り、移植後に中空コンテナ体31、31’、41中に含まれる顆粒状骨接合材料32が、開口端部35、45’、45”を通して対応する椎骨部分の表面11、21;12,22;13,23;14,24と接触するように配列される。
【0073】
デバイス30、30’、30”、40、40’の中空コンテナ体31、31’、41は、顆粒状骨接合材料(32)を側方に含む側壁(図3、5)を有する。中空コンテナ体31、31’、41の側壁は、椎骨固定デバイス30、30’、30”、40、40’上で作用する軸力の作用の下で軸方向コンプライアンスである。例示的な実施形態において、側壁は、半径方向、つまり円周方向にも実質的に非伸縮性である。この特色は、例えば図3、4に示された、交絡したメッシュ33’の網状組織33などの網様構造の物体から出発して中空コンテナ体31、31’、41を作製することにより、得ることができる。交絡したメッシュの網状組織33は、交絡接触点33”により画定されるメッシュ33’を含み、そのサイズは、椎骨表面により骨接合材料32に加えられる圧迫により生じる、中空コンテナ体31、31’、41を半径方向に拡大する傾向のある放射力37の作用の下で、網状組織が実質的に非伸縮性になるように選択される。網様構造の代わりに、異なる構造、例えばらせん形構造に加え、繊維および複合構造が可能であり、それらは図には示されていないが、当業者に容易により使用され得る。選択された構造にかかわらず、中空コンテナ体31、31’、41は、生体適合性材料、特にポリエチレンテレフタラート、チタン、PEEK、炭素繊維などの非生体吸収性材料で作製されている。
【0074】
本発明による固定デバイス30、30’、30”、40、40’の顆粒状骨接合材料32は、ヒトの骨または動物の骨であってもよい。特に顆粒状骨接合材料は、皮質骨材料および小柱骨材料の両方を所定の割合で含むタブレット、即ち皮質海綿チップを含んでいてもよい。特に、顆粒状骨接合材料は、プロテーゼが移植された患者から外移植された大腿骨頭から得られてもよい。特に、提供されたヒトの骨材料を用いてもよく、または骨バンクの骨材料を用いることもできる。
【0075】
本発明による固定デバイス30、30’、30”、40、40’の充填材料は、成長因子(図示しない)も含んでいてもよく、それは例えば顆粒状骨接合材料32に添加された髄質および/または末梢血中に含まれる。これらの成長因子は、骨接合を支援する他に、顆粒状骨接合材料32のジェル状充填を形成することができる。成長因子の添加は、デバイスを利用する時、即ち、移植片を作製する段階でも実施することができる。
【0076】
図9〜14を参照すると、椎骨固定システムが、本発明により記載される。椎骨固定システムは、棘突間固定デバイス40’、一組の関節間デバイス52および1つまたは好ましくはより多くの椎間デバイス51、51’を含む。関節間デバイス52および椎間デバイス51、51’は、それぞれ先に記載されたデバイス30およびデバイス30’または30”の形状を有していてもよい。
【0077】
図9、10および13に、隣接する椎骨10、20(図1および13)の椎体15、25の互いに向き合う関節表面11、21の間の椎間板16(図1)の髄核の椎骨間空間9、典型的にはゾーン16’の中に配列された、使用時の椎間デバイス51、51’を示している。椎間デバイス51、51’は、移植の前に実施される2つの隣接する椎骨10、20の伸延により、関節表面11、21からの圧縮力を受けるように配列される。こうして顆粒状骨材料32(図2)は、患者の位置および運動に応じして変動し得る関節表面からの圧縮力を受ける。連続ピラーが形成されるまで、これらの圧縮力が顆粒状骨接合材料32と椎骨間表面11、21との固定を刺激する。図9の例示的な実施形態において、2つの後方椎間デバイス51および前方椎間デバイス51’が提供される。後方デバイス51は、椎弓7の付近に配置され、前方デバイス51は、椎弓7からより遠くに配列される。圧縮に対する棘突間デバイス40’の反応をより効果的に請け負うため、そして椎骨10、20を含む脊椎分節が脊椎後弯になるのをより効果的に予防するために、図10に示された通り、前方デバイス51’の高さH’”は、後方デバイス51の高さH”よりも高くてもよい。
【0078】
図9および11〜13に、隣接する椎骨10、20の棘突起12、22の間の棘突間空間8の内部に配列された棘突間固定デバイス40’を示している。棘突間固定デバイス40’は、その後部42が移植前に実施される2つの隣接する椎骨10、20の伸延に応答して、下部棘突起22の上部表面27から、そして上部棘突起12の下部表面17から圧縮力を受けるように、配列される。
【0079】
図11の例示的な実施形態において、棘突間固定デバイス40’もまた、前部43が下部椎骨20の薄膜29の上部表面から、そして上部椎骨10の薄膜19の下部表面から圧縮力を受けるように、配列される。棘突間固定デバイス40’を棘突起12、22に締め付け得る人工靭帯49が、圧縮力を増加させるように構成されていてもよい。こうして顆粒状骨材料32(図8)は、患者の位置および運動に応じて変動する実質的な圧縮力を受ける。連続ピラーが対応する椎骨部分の間に形成されるまで、この圧縮力が、顆粒状骨接合材料32と棘突起12、22の表面17、27との固定、そしてこの実施形態においては薄膜19、29の表面との固定を刺激する。好ましくは棘突起12、22の表面17、27は、小柱骨材料を顆粒材料32に暴露される。これは、棘突起の表面17、27の、そしてデバイス40’の実施形態では薄膜19、29の表面の皮質骨材料を、例えば、通常の骨切削用カッターで予め除去することにより可能になる。
【0080】
図9〜13には、本発明による単一固定デバイス、詳細には椎間デバイス51、51’、関節間デバイス52、棘突間デバイス40’および横突間デバイス53、を含む移植片も示している。与えられたタイプのデバイスは、独立して移植することができ、そして/またはそれらは、他のデバイスに関して異なる構造を有していてもよい。言い換えれば、例えば本発明による椎間デバイス51、51’は、有利には、棘突間デバイス40’とは異なる本発明による棘突間デバイスと共に移植されてもよく、またはそうでなくてもよい。同様に、本発明による棘突間デバイス40’は、有利には、図13の固定椎間デバイス51、51’とは異なる本発明による少なくとも1つの椎間デバイスと共に移植されてもよく、またはそうでなくてもよい。
【0081】
図12〜14に示された通り、各関節間固定デバイス52は、協働する小関節面の各組み合わせ、即ち隣接する椎骨10、20の互いに係合する小関節面の各組み合わせの、小関節面13、23の間に配置される。この場合でも、関節間デバイス52は、小関節面13、23からの圧縮力を受けるように配列される。こうして顆粒状骨材料32(図2)は、患者の位置および運動に応じて変動する実質的な圧縮力を受ける。連続ピラーが形成されるまで、これらの圧縮力が顆粒状骨接合材料32と小関節面13、23との固定を刺激して、それらの相互の摺動を遮断し、それにより2つの隣接する椎骨10、20の側屈およびねじれ運動を予防する。
【0082】
図14に、固定デバイス52が提供された関節突起13’、23’の領域5の詳細を示す。明瞭にするために、図13に示された固定デバイス51、52を、図14では省略している。協働する小関節面13、23の間にデバイス52を配置させるには、小関節面13、23の間に予め作製されたハウジングが必要であり、それは小関節面13、23の隣接する椎骨10、20の関節突起13’、23’の端部にある結合組織および骨材料の一部を除去することにより得られる。
【0083】
図12、13を参照すると、本発明による固定デバイスは、椎間デバイス、関節間デバイスおよび棘突間デバイスに加え、一組の横突間デバイス53を含み得る。各横突間デバイス53は、隣接する椎骨10、20の一組の右または左の横突起の2つの横突起14、24の間に配置される。典型的には補助的デバイスである横突間デバイス53は、図5または図6に示される通り作製されてもよい。図5において中空コンテナ体31は、連続した管状本体であるが、図6においては中空コンテナ体31は、接合線の所で互いに接合され得る2つの半量部分からなる連続した管状本体である。この場合でも、横突間デバイス53は、横突起14、24からの実質的な圧縮力を受けるように配列される。こうして顆粒状骨材料32(図5、6)は、患者の位置および運動に応じて変動する実質的な圧縮力を受ける。連続ピラーが形成されるまで、圧縮力が顆粒状骨接合材料32と横突起14、24との固定を刺激して、2つの隣接する椎骨10、20の相対的運動を遮断すること、および初期固定を支援することができる。
【0084】
図15〜18に、固定デバイスを移植するためのツールキットをしている。
【0085】
図15に、少なくとも1つの椎間デバイス51、51’を椎骨間空間8(図13)の中に導入して配置させる前に隣接する椎骨10、20を伸延させて、椎間板16の髄核を置換するための伸延デバイス60を示している。伸延デバイス60は、逆動作鉗子の構造を有し、2つの半量部分61の作業平面を画定するように、蝶番点62の所で互いに連結された2つの実質的に直線状の半量部分61を含む。伸延デバイス60の各半量部分61は、ハンドル部分63および作業部分64を含む。作業部分64は、作業平面に対して実質的に直交した2つの挿入部分65を全体的に含む。隣接する椎骨10、20を予め伸延させるために、伸延デバイスを、伸延デバイス60のハンドル部分63に開離力を加えることにより離された棘突起12、22(図1)の間に配置させる。
【0086】
図16に、棘突間固定デバイス40または40’を棘突間空間8(図1)に配置させるための鉗子70を示している。鉗子70は、正動作鉗子の構造を有し、2つの半量部分71の作業平面を画定するように、蝶番点72の所で互いに連結された2つの実質的に直線状の半量部分71を含む。鉗子70の各半量部分71は、ハンドル部分73および作業部分74を含む。作業部分74は、顆粒状骨接合材料32に軸上圧縮を加えてそれを保持するために、棘突間固定デバイス40または40’を含むように構成された2つの平坦なグリップデバイス75を全体的に含む。平坦なグリップデバイスは、棘突間空間8の中に挿入するように、そしてこの空間内で固定デバイス40または40’を開放するように構成される。
【0087】
図17に、横突間固定デバイス30または30’(図2、5)を各隣接する椎骨10、20の2つの横突起14、24(図1)の間の空間に配置させるための鉗子90を示している。鉗子90は、正動作鉗子の構造を有し、2つの半量部分91の作業平面を画定するように、蝶番点92の所で互いに連結された2つの実質的に直線状の半量部分91を含む。鉗子90の各半量部分91は、ハンドル部分93および作業部分94を含む。作業部分94は、棘突間固定デバイス30または30’を含むように構成された2つの湾曲したグリップデバイス95、特に円筒形デバイスを全体的に含む。
【0088】
図18に、隣接する椎骨10、20の椎体15、25の間の椎骨間または椎間空間9の中に固定椎間デバイス51、51’(図2、5)を配置させるため、そして隣接する椎骨10、20(図13、14)の椎体15、25の小関節面13、23の間に固定関節間デバイス52を配置させるための、注入デバイス80を示している。注入デバイス80は、一方の操縦端部82’にある蝶番点82の所で互いに連結された2つの半量部分81からなる。2つの半量部分81は、椎間または関節間固定デバイス51、51’、52を摺動自在に受け止めて保持するように構成されたハウジング83を画定する。椎間または関節間固定デバイス51、51’、52を注入デバイス80に沿って操縦端部82’の反対側の1つの開放端部85まで摺動させて、椎間空間9の中、そして小関節面13、23の間のハウジングの中に配置されるように構成させるために、穴(図示しない)が、直線状ガイドデバイス84、特にキルシュナーワイヤー84を移動させるために操縦端部82’に提供されている。
【0089】
本発明による固定デバイス30、30’、40、40’、51、51’、52、53を作製する手順は、
− 所定の形状およびサイズを有する中空コンテナ体31、31’41(図3〜6)を下準備するステップ;
− 一定量の顆粒状骨接合材料32、特に一定量の顆粒状骨材料を下準備するステップ;
− ことによると顆粒状骨接合材料32に圧縮力を加えることにより、中空コンテナ体31、31’、41に顆粒状骨接合材料32を充填するステップ。顆粒状骨接合材料32の量、および中空コンテナ体31、31’、41に充填する方法は、骨が最初のステップにおいて移植片を再吸収するステップを受けて特定のねじれを起こすことを考慮することにより、選択される;
− 有利には添加剤を顆粒状骨接合材料32に添加するステップ、特に有効成分および/または骨成長因子(図示しない)を添加して骨接合を促進するステップ;
− 真空下、滅菌袋(図示しない)内で固定デバイス30、30’、40、40’、51、51’、52、53を配列するステップ、
を含んでいてもよい。
【0090】
既に記載された通り、本発明による固定デバイス30、30’、40、40’、51、51’、52、53は、予圧縮状態で製造されてもよい。言い換えれば、作製手順において、中空コンテナ体31、31’、41および骨接合材料32を含む固定デバイスを静止位置または形態から予圧縮位置または形態にするステップが、提供されてもよい。固定デバイス30、30’、40、40’、51、51’、52、53が、軸方向に予圧縮された側壁を予圧縮状態で保持するように構成された、ラッパー(図示しない)、例えば上述の真空下での滅菌袋、の中に含まれるステップも提供されてよい。
【0091】
本明細書では以後、本発明による椎骨固定システムのデバイス30、30’、40、40’、51、51’、52、53を移植するための手順を記載する。
【0092】
これらの椎骨固定デバイスは、内側または横からのアプローチにより移植されてもよい。より詳細には、少なくとも1つの椎間デバイス51、51’、一組の関節間デバイス52および棘突間デバイス40または40’を含むシステムを移植するための手順は、
− 2つの隣接する椎骨10、20(図1)を含む脊椎分節で第一の皮膚アクセスを形成するステップ;
− 第一の皮膚アクセスにより2つの椎骨10、20の間の棘突間空間8を覆う黄色靭帯(図示しない)を切断して局所的に除去するステップ;
− 2つの椎骨10、20の間の椎間板16を表出させるために、2つの椎骨10、20の間の脊髄18の一部を移動させるステップ;
− 椎間板16の核を除去するステップ;
− 第一の皮膚アクセスにより椎間デバイス51、51’または複数の椎間デバイス51、51’を椎間板16の核と同じ場所に導入して配置させるステップ;
− 各関節突起13’、23’の2つの協働する小関節面13、23の間に第一の関節間デバイス52を導入して配置させるステップ;
− 棘突間デバイス40、40’を導入して配置させるステップ;
− 第二の皮膚アクセスを形成させるステップ;
− 第二の皮膚アクセスにより第二の関節間デバイス52を導入して配置させるステップ、
を含む。
【0093】
別法として、関節固定のためのそのようなシステムを移植するための別の手順において、アクセスサイドは、棘突間デバイス40、40’を導入して配置させるのに用いられず、
− 約4〜5cmの内側後方アクセスを形成させるステップ;
− 内側後方アクセスにより椎骨10、20の間の棘突間空間8を覆う黄色靭帯(図示しない)を切断して局所的に除去するステップ;
− 椎骨10、20の間の椎間板16を表出するために硬膜嚢(図示しない)を移動させるステップ;
− 椎間板16を穿通するステップ;
− 椎間板16の核を外すステップ;
− 例えば2つの隣接する椎骨10、20の椎体15、25の関節表面11、21の間の椎間空間9の中で後方に配列される2つのデバイス51と、前面に配列されるデバイス51’と、の3つの椎間デバイス51、51’を含み得る、少なくとも1つの椎間デバイスを導入して配置させるステップ;
− 2つの協働する小関節面13、23の表面を作製するステップ。そのような作製のステップは、表面の組織、特に軟骨を除去することを含んでいてもよい。これは、従来のツールにより容易に実施され得る;
− 協働する小関節面13、23の間に関節間デバイス52を配置させるステップ;
− 硬膜嚢の位置を戻すステップ;
− 棘突起の小柱骨材料を露出させるために、棘突起12、22の表面を作製するステップ;
− 棘突間デバイス40、40’を導入して配置させるステップ;
− ことによると人工靭帯49により棘突間デバイス40、40’をブロックするステップ、
を含む。
【0094】
こうして2つの隣接する椎骨10、20の周囲関節固定術は、有利には約4〜5cmの長さを有し得て最小限の侵襲性手術を可能にする開口部により得られる。
【0095】
関節表面13、23を作製するステップは、表面の組織、特に軟骨を除去することを含んでいてもよい。これは、従来のツールにより容易に実施され得る。
【0096】
本発明による固定システムを移植するための手順は、デバイスが配置されたら顆粒状骨接合材料に加えられる圧縮力を増強するために、各デバイスを静止位置から予圧縮位置に圧縮するステップを含んでいてもよい。
【0097】
本発明による固定デバイス、およびその作製および移植の手順の特定の例示的な実施形態の前述の記述により、概念としての本発明が全て明らかにされ、その結果、他者が、現行の知識を適用することで、更なる検査を行わず、そして本発明から離れずに、様々な適用例において特定の例示的な実施形態を改良および/または適合させることができ、したがってそのような適合および改良は、特定の実施形態の均等物と見なされなければならない。本明細書に記載された異なる機能を理解するための手段および材料は、この理由から、本発明の分野を逸脱せず異なる性質を有する可能性がある。本明細書で用いられる表現法または用語法が限定ではなく記述を目的としていることが、理解されなければならない。
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