特許第6349350号(P6349350)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6349350
(24)【登録日】2018年6月8日
(45)【発行日】2018年6月27日
(54)【発明の名称】口腔内歯科吸引及び分離システム
(51)【国際特許分類】
   A61C 17/00 20060101AFI20180618BHJP
【FI】
   A61C17/00 Z
【請求項の数】17
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-125196(P2016-125196)
(22)【出願日】2016年6月24日
(62)【分割の表示】特願2015-563172(P2015-563172)の分割
【原出願日】2014年4月3日
(65)【公開番号】特開2016-190064(P2016-190064A)
(43)【公開日】2016年11月10日
【審査請求日】2017年2月9日
(31)【優先権主張番号】14/100,323
(32)【優先日】2013年12月9日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515283655
【氏名又は名称】インセプト、インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】ングイエン、シエン
(72)【発明者】
【氏名】ファム、タム、ターン
【審査官】 村上 勝見
(56)【参考文献】
【文献】 特表2002−529191(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0274991(US,A1)
【文献】 米国特許第04158916(US,A)
【文献】 特開平10−262993(JP,A)
【文献】 実開昭57−103715(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯科用マウスピースであって、
外縁によって規定された形状を有する前壁と、
前記前壁の前記規定された形状に対応する形状を有する後壁であって、後壁の外縁が前記前壁の前記外縁に対応する、後壁と、
前記前壁の前記外縁を前記後壁の対応する前記外縁に接続する側壁であって、側壁の少なくとも一部は複数の穿孔を含む、側壁と、
によって規定された一つの内部開空間を有するポケットとして構成される本体部と、
前記本体部に接続され、曲げられたときに圧力を加える表面を有する口角鉤部と、
バキューム源に前記ポケットの前記内部開空間を接続する吸引コネクタ部とを含み、
前記複数の穿孔は前記一つの内部開空間と連通することを特徴とする歯科用マウスピース。
【請求項2】
前記側壁上の前記複数の穿孔は離間してメッシュを構成する請求項1に記載の歯科用マウスピース。
【請求項3】
前記前壁はさらに1以上の穿孔を含む請求項1に記載の歯科用マウスピース。
【請求項4】
前記前壁上の前記複数の穿孔は離間してメッシュを構成する請求項3に記載の歯科用マウスピース。
【請求項5】
前記後壁はさらに1以上の穿孔を含む請求項1に記載の歯科用マウスピース。
【請求項6】
前記後壁上の前記複数の穿孔は離間してメッシュを構成する請求項5に記載の歯科用マウスピース。
【請求項7】
前記前壁はさらに前記本体部の長手方向の軸に沿ったスリットを含む請求項1に記載の歯科用マウスピース。
【請求項8】
バキューム源の駆動により、前記側壁の前記複数の穿孔を通って前記ポケットの前記内部開空間へ流動物が吸引される請求項1に記載の歯科用マウスピース。
【請求項9】
前記後壁の内面から突出し前記前壁に取り付けられていないブリッジ構造をさらに含み、前記突出したブリッジ構造は、吸引時に前記前壁を前記後壁から分離された状態に保つ離間した複数の接触点として作用する複数の突起部を備える請求項1に記載の歯科用マウスピース。
【請求項10】
吸引により、前記ブリッジ構造の前記突起部の間の隙間を通って前記バキューム源へ流動物がくみ上げられる請求項9に記載の歯科用マウスピース。
【請求項11】
前記圧力は、前記口角鉤部を形成する材料の弾性にもとづく請求項1に記載の歯科用マウスピース。
【請求項12】
前記本体部の長手方向の軸に沿って前記後壁の内面から突出し、前記口角鉤部の少なくとも一部を通って伸びる安定バーをさらに含み、前記安定バーの厚さは、曲げ時に前記口角鉤部が圧力をもたらす弾性に対応する請求項11に記載の歯科用マウスピース。
【請求項13】
前記本体部は射出成形によって一体に成形される請求項1に記載の歯科用マウスピース。
【請求項14】
前記本体部を形成する材料は、可撓性があり、半透明であり、高耐熱性であり、高圧蒸気滅菌処理可能である、シリコーン系材料である請求項1に記載の歯科用マウスピース。
【請求項15】
取り外し可能な開口器をさらに含む請求項1に記載の歯科用マウスピース。
【請求項16】
前記取り外し可能な開口器は、トラップ部を含む請求項15に記載の歯科用マウスピース。
【請求項17】
前記取り外し可能な開口器は前記本体部に接続されたプラグに対応する開口部を含む請求項16に記載の歯科用マウスピース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に歯科マウスピースの分野に関する。より具体的には、本発明は、口腔内歯科用吸引及び分離マウスピースに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、様々なマウスピースが歯科の分野において歯科医療従事者、歯科衛生士、および歯科助手によって使用されている。過去、歯科患者は歯科専門家と歯科助手を含む従来2人のチームによって治療されてきた。さらに、そのチームは多くの異なる種類の歯科用機器および用具を使用して歯科治療を提供することもある。このような歯科用機器および道具は口腔内ミラー、咬合阻止器、低速吸引排出器、高速吸引排出器、ガーゼ、コットンロール、ドライアングルなどのアイテムを含む。あるアイテムはいくつかのタイプの歯科サービスの組み合わせで使用することもできるが、歯科用機器の各アイテムを異なる目的のために使用してもよい。このように、このような歯科サービスを提供しようとする歯科専門家は、歯科用機器の複数のアイテムを使用する必要がある。したがって、歯科助手の重要な役割は、さまざまな機器や道具のこれらの複数のアイテムの使用を調整する際に歯科専門家を支援することである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、より効率的で快適で安全な方法で歯科患者に歯科サービスを提供する改善されたシステム及び方法に対する必要性が当該技術分野に存在する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の実施の形態は、歯科処置時にチェアサイドでハンズフリーの吸引・分離により歯科スタッフを支援するために高吸引歯科用アダプタに取り付けられるマウスピースを含んでもよい。このようなマウスピースは、本体部、口角鉤部、及び吸引コネクタ部を含んでもよい。いくつかの実施の形態では、本体部、口角鉤部、及び吸引コネクタ部(及びそのサブ部分)は、好ましくは、射出成形によって一体に成形してもよい。典型的な実施の形態では、マウスピースは、可撓性があり、半透明で、射出成形に向いており、高耐熱性で、高圧蒸気滅菌処理(オートクレーブ)可能である材料で作ってもよい。このような材料にはシリコーンが含まれる。マウスピースを高い耐熱性及び高圧蒸気滅菌処理可能な材料で作ることができるため、そのようなマウスピースは再利用可能である。
【0005】
本体部は、前壁、後壁、および前壁と後壁の間にある側壁で構成された囲まれたポケットを備えていてもよい。側壁は穿孔されて、複数の穿孔を有してよい。このような複数の穿孔は、メッシュを構成してもよい。前壁および後壁の上に付加的な穿孔を配置してもよい。本体部はさらに、前壁上に長手方向の中心軸に沿ったスリットを含んでもよい。このような開口部(例えば、穿孔とスリット)により、患者の口から開口部を介して内部に、さらに吸引源に向かって吸引コネクタ部へと空気、流動物、および小片(ゴミ)を吸引することができる。マウスピースは、可撓性があり弾力性のある材料(例えば、シリコーン)で形成されているため、患者の口の中に置かれたとき、口の形状に適合するようにマウスピースを曲げることができる。正しく配置されると、吸引コネクタ部が患者の口の片側から突出する一方、本体が患者の口の奥に対して位置し、口角鉤部が患者の口の反対側で患者の頬を押圧する。
【0006】
本体はさらに後壁の内面に突出したブリッジ構造を含んでもよい。このようなブリッジ構造は、頂部と谷部を有する波形で内面から突出していてもよい。頂部は、吸引中に前壁を後壁から分離された状態に保つために前壁と接触する複数の接触点を与える。一方、谷部は、ブリッジ構造を通って空気、流動物、および小片を吸引することを可能にする隙間を与える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1A】取り外し可能な開口器を有する典型的なマウスピースの斜視図である。
図1B図1Aの典型的なマウスピースおよび取り外し可能な開口器の上面図である。
図1C図1Aの典型的なマウスピースおよび取り外し可能な開口器の底面図である。
図1D図1Aの典型的なマウスピースおよび取り外し可能な開口器の側面図である。
図1E図1Aの典型的なマウスピースおよび取り外し可能な開口器の断面図である。
図2A】取り外し可能な開口器が取り外された図1Aの典型的なマウスピースの斜視図である。
図2B図2Aの典型的なマウスピースの上面図である。
図2C図2Aの例示的なマウスピースの底面図である。
図2D図2Aの例示的なマウスピースの側面図である。
図2E図2Aの例示的なマウスピースの断面図である。
図3A】典型的な開口器の正面図である。
図3B図3Aの典型的な開口器の背面図である。
図3C図3Aの典型的な開口器の底面図である。
図3D図3Aの典型的な開口器の斜視図である。
図3E図3Aの典型的な開口器の側面図である。
図3F図3Aの典型的な開口器の上面図である。
図4】典型的なマウスピースにおける典型的なメッシュ側面の拡大図である。
図5】典型的なマウスピースにおける内部ブリッジの拡大図である。
図6A】典型的なマウスピースにおける典型的な補強バーの拡大図である。
図6B図6Aの例示的な補強バーの断面図である。
図7A】典型的なマウスピースにおける典型的な口角鉤部の拡大図である。
図7B図7Aの典型的な口角鉤部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施の形態は、本体部、口角鉤部、及び吸引コネクタ部を含むマウスピースを提供する。いくつかの実施の形態では、本体部、口角鉤部、及び吸引コネクタ部(及びそのサブ部分)は、好ましくは、射出成形によって一体に成形してもよい。典型的な実施の形態では、マウスピースは、可撓性があり、半透明で、射出成形に向いており、高耐熱性で、高圧蒸気滅菌処理(オートクレーブ)可能である材料から作ってもよい。このような材料にはシリコーンが含まれる。マウスピースを高い耐熱性及び高圧蒸気滅菌処理可能な材料で作ることができるため、そのようなマウスピースは再利用可能である。
【0009】
図1A図1Eは、取り付け可能開口器(マウス・プロップ)160を有する典型的なマウスピースの様々な図である。図2A図2Eは、取り付け可能開口器160が取り外された図1Aの典型的なマウスピースの様々な図である。このようなマウスピースは、本体部110、吸引コネクタ部120、および口角鉤(チーク・リトラクタ)部130を含んでもよい。
【0010】
本体部110は、メッシュまたは穿孔140、安定バー150、開スリット170、および内部ブリッジ180を含んでもよい。本体部110は、一端で吸引コネクタ部120に、他端で口角鉤部130に接続されてもよい。このような口角鉤部130は、患者の頬を押圧し、患者の頬を患者の歯から後退させるように構成されてもよい。患者の口の中に置かれたとき、吸引コネクタ部120が患者の口の片側から突出する一方、本体部110は患者の口の奥に対して位置し、口角鉤部130が患者の口の反対側にある患者の頬を後退させてもよい。マウスピースを形成するために使用される材料には可撓性があるため、マウスピースは患者の口の中に置かれたときに曲がることが可能である。しかしながら、この材料は十分に弾性があるため、口角鉤部が患者の頬の内側に対して押圧し、その圧力は頬を患者の歯から離れさせるのに十分である。
【0011】
典型的な本体部110は、口の中に配置されたとき、口の正面に面する前壁(例えば、スリット170がある側)と、口の奥に面する後壁を含んでもよい。これら二つの壁は上壁と下壁においてつながり、少なくとも部分的に封入される本体を形成してもよい。
【0012】
「上」とは、患者の口の中に置かれたとき、口の屋根に当接する側を指すためにここでは使用され、「下」とは、患者の口の床面に当接する側を指すために使用される。上側および下側を同じように形成してもよく、それにより、マウスピースは、新しい向きにおいて上側が下側として現れる、あるいはその逆になるように向きを変更することが可能である。使用時に、本体部110の各辺は、口の上部および口/舌の底部を保護し、分離する働きをしてもよい。また、本体部110は、落下する小片(ゴミ)から口の奥(例えば、咽喉及び気道)を保護する働きをしてもよい。
【0013】
マウスピースの本体部110の大部分は、その根元が一般に患者の口の口腔内形状に適合する直線の矢じりまたは盾として成形される。大人と子どもの異なる大きさの口に対して、異なるサイズのマウスピースを提供してもよい。矢じりの根元側の部分は、本体の残りの部分よりも厚い壁で形成されてもよい。このように厚くすることによりさらなる安定性を提供することができる。
【0014】
また、マウスピースの本体部110は、口腔からの水、唾液、およびゴミの吸引を補助するために前方壁および後方壁の上側および下側の辺に沿って分布する複数の孔140を含んでもよい。いくつかの実施の形態では、孔の集合が、上側および下側の縁の壁に沿ったメッシュを形成してもよい。図4は、典型的なマウスピースにおける典型的なメッシュ壁の拡大図である。
【0015】
口角鉤部130に接続する矢じりの狭い端部において、本体部110は、矩形状の部分を含んでもよい。矩形部は矢じりの根元よりも狭く、矩形部はさらに補強バー(または安定バー)150(以下でさらに詳細に説明する)を含んでもよく、矩形部は、本体部110のポケットの内部へのスリット170(以下でさらに詳細に説明する)と少なくとも部分的に交差してもよい。
【0016】
安定バー150は、突起物さもなければ厚くなった領域であってもよく、これは矩形部分の安定性を強化し、この領域を患者の口の口腔内後部形状に成形するのに役立つ。図6Aは、典型的なマウスピースの典型的な安定バー150の拡大図である。図6Bは、図6Aの口角鉤部における典型的な補強バーの断面図である。
【0017】
いくつかの実施の形態では、内部の矩形状の補強または安定バー150は、内部の波状ブリッジ構造180に遠位で配置され、本体と矩形部の後面の内側の両方に取り付けられてもよい。配置されたマウスピースが最も後方の下顎歯の舌側から始まり、最も後方の歯の先端側の周囲、さらに最も後方の下顎歯の前方側までを包む領域にこのような安定バー150を配置してもよく、これにより、マウスピースを患者の口の一般的な口腔内形状に成形するのを助けることができる。
【0018】
マウスピースの様々な実施の形態はさらに、その前面に本体のおよそ三分の二に亘る長手方向の開スリット170を含んでもよい。スリット170は本体の中心に沿って矩形部および矢じりのほとんどを横切るものであり、このようなスリット170は、水や唾液、ゴミを捕獲し、吸引するのを助けるだけでなく、クリーニングやメンテナンスの手助けにもなる。
【0019】
また、マウスピースの本体は、吸引中に前面と後面が分離した状態にとどまることを確実にするために、内面にブリッジ構造180を含んでもよい。図1Eは、ブリッジ構造180が図示されたマウスピースの断面図である。図5は、本体部の周囲壁のないブリッジ構造180の拡大図である。このようなブリッジ構造180は、前壁と後壁の間の距離(例えば1ミリメートル以内)に一般的に対応する波状突起として形成されてもよく、その波の頂部において実質的にその距離全体まで上がり、その谷部において実質的に表面と同一平面まで落ちる。いくつかの実施の形態では、ブリッジ構造180は、マウスピースの本体部110の中央に配置されてもよい。ブリッジ構造180の波と波の間のギャップ(または谷)は、吸引コネクタ部120および最終的には中央の吸引バキュームに水と唾液を吸引駆動で転送するのを助ける。いくつかの実施の形態では、ブリッジ構造180は、ロゴ(例えば、矢じりまたはシールド)の形状に従ってもよい。
【0020】
吸引コネクタ部120は楕円形状であってもよく、また、本体部110に取り付けてもよい。吸引コネクタ部120は、本体部110よりも厚い壁で形成され、高吸引バキュームアダプタに取り付けられ、口腔から水、唾液、およびゴミを除去するために外部アダプタに転送するのを補助するように構成されてもよい。吸引コネクタ部120はまた、所望の深さまで当該アダプタにマウスピースをスライドさせるのを補助するための内部留め具を含んでもよい。吸引コネクタ部120はさらに外部の凹の切り欠き領域210を有してもよい。この切り欠き領域210は取り外し可能なストラップに対応しており、ストラップが所定の位置にあるとき、ストラップの外壁とコネクタ部の残りの部分が同一平面になるように構成される。
【0021】
口角鉤部130は、本体部110に取り付けることができるハンマーヘッド先端領域として図示されている。図7Aは、典型的なマウスピースでの典型的な口角鉤部130の拡大図である。図7Bは、図7Aの典型的な口角鉤部130の断面図である。
【0022】
図1A図1E(開口器160付き)および図2A図2E(開口器160無しで図示)に示すようにマウスピースは開口器160と共に使用してもよい。図3A図3Eは典型的な開口器160の様々な拡大図である。患者の口腔および歯を開けたままにするために使用される開口器160に取り外し可能ストラップ310を取り付けてもよい。この点で、吸引コネクタ部120はさらに吸引コネクタ部120の後方側から突出する外部プラグ220(図2C)を有してもよい。このようなプラグ220は、開口器160の開口部に対応し、開口部に接続するように機能してもよい。開口器160は開口部にプラグ220が存在することによって補強されてもよく、これによって、より破砕耐性があり、ほぼ非圧縮であり、安定した開口器160がもたらされる。いくつかの実施の形態では、吸引コネクタ部120はさらに切欠部230(例えばそれをロゴとして成形してもよい)を有し、切欠部230が外部の高吸引バキュームアダプタ上の対応する突起(たとえばそれもまたロゴとして成形してもよい)との連結を追加で提供してもよい。
【0023】
開口器160は、吸引コネクタ部の周囲に対応する弾性ストラップをもたせて一体的に厚いシリコーン材料の射出成形により作られてもよい。開口器160は、マウスピースの吸引コネクタ部120の外部の矩形オス型プラグ220にぴったりと合うように設計された、内部の矩形メス型スロットを有する。開口器は、様々な大きさの口のために様々なサイズで作られてもよい。開口器及びマウスピースは互いに着脱可能であるため、特定の患者の口に対する必要に応じて、各々を様々なサイズで混合して合わせることができる。
【0024】
ここに記載されるマウスピースは、一体成形の高圧蒸気滅菌処理(オートクレーブ)可能で高吸引のバキュームアダプタとともに使用することができる。このような高吸引バキューム本体アダプタは単一の均質な材料で作られてもよい。そのようなバキュームアダプタは、単一レバー設計であり、水、唾液、およびゴミを口腔から外部バキューム源へ除去するのを制御する際、現在のすべての高吸引バキューム吸引器及び唾液エジェクタと同様に機能することができる。単一レバーは、少なくとも部分的に囲まれた本体から吸引コネクタ部内の単一の大きな排気管を通して水、唾液、およびゴミを除去するのを制御するように設計されてもよい。
【0025】
様々な実施の形態を説明したが、これらの実施の形態は例としてのみ提示されており、限定するものではないことが理解されるべきである。説明は、本明細書に記載された特定の形態に本発明の範囲を限定するものではない。したがって、好ましい実施の形態の広さおよび範囲は、上述の例示的な実施の形態のいずれによっても限定されるべきではない。なお、上記の説明は例示であって制限的なものではないことを理解すべきである。反対に、本説明は、添付の特許請求の範囲によって定義され、そうでなければ当業者によって理解されるように、本発明の趣旨および範囲に含まれるような代替、修正、および均等物を包含することを意図する。従って、本発明の範囲は上記の説明を参照して決定されるべきではなく、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物の全範囲を参照して決定されるべきである。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B