(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明を適用した第1の実施形態の遊技機たるパチンコ機を説明する。
図1に示すように、パチンコ機1は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠10にて構成の各部を保持する構造としてある。外枠10には、左側の上下の位置に設けたヒンジ101を介して、板ガラス110が嵌め込まれた前枠(ガラス枠)11および図略の内枠が開閉可能に設けてある。尚、これら前枠11および前記内枠はシリンダ錠18により外枠10に閉鎖ロックされ、シリンダ錠18に所定の鍵を挿入し、鍵を時計回りに操作して前記内枠を開放するようになし、反時計まわりの操作により前枠11を開放する。
前枠11の板ガラス110の奥には前記内枠に保持された遊技盤2(
図2)が設けてある。
【0012】
前枠11の上部の左右両側位置にはそれぞれスピーカ112が設置してあり、これらにより遊技音が出力され、遊技者の趣向性を向上させる。また前枠11には遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ113のほか、遊技の異常を報知するLED類が設けてある。
【0013】
前枠11の下半部には上皿12と下皿13とが一体に形成してある。下皿13の右側には発射ハンドル14が設けてあり、該発射ハンドル14を時計回りに操作することにより発射装置が作動して、上皿12から供給された遊技球が遊技盤2に向けて発射される。また上皿12には賞球が払い出される。
下皿13は上皿12から溢れた賞球を受ける構成で、球抜きレバーの操作により下皿13に溜まった遊技球を遊技店に備えられた別箱(ドル箱)に移すことができる。
【0014】
本パチンコ機1は所謂CR機であって、プリペイドカードの読み書きを行うプリペイドカードユニット(CRユニット)60が隣接してある。パチンコ機1には上皿12の右側に貸出ボタン171、精算ボタン172および残高表示器173が設けてある。また上皿12の中央位置には遊技者が操作可能な遊技ボタン15と、その外周を囲むようにジョグダイヤル16が設置されている。
【0015】
図2は遊技盤2を示し、遊技盤2には外レール201と内レール202とによって囲まれた略円形の遊技領域20が形成されている。遊技領域20には、その中央部にセンターケース200が装着されている。
センターケース200は中央に演出図柄表示装置21(全体の図示は省略)のLCDパネルが配設されている。またセンターケース200には、周知のものと同様にワープ入口、ワープ樋、ステージなどが設けられている。
【0016】
センターケース200の左側位置には普通図柄(以下、単に普図という)の普図作動ゲート(普図作動口)22が設置されている。
センターケース200の直下には特別図柄(以下、単に特図という)の当否判定を実行する始動口として、常時入球(入賞)可能な第1特図始動口23A、チューリップ式普通電動役物からなる第2特図始動口23Bとが上下位置に設置されている。
【0017】
第2特図始動口23Bは普通電動役物(以下、単に普電役物という)の開放時にのみ入球(入賞)可能である。普電役物は、遊技球が作動ゲート22を通過したことに起因して実行される普図の抽選で当りとなると所定時間開放する。
【0018】
センターケース200の右側位置には、特図の大当り時に賞球の獲得に有利な特別遊技に移行する起因となる役物連続作動装置を作動する役物連続作動ゲート24が配置されている。
【0019】
第1および第2特図始動口23A,23Bの右側位置には、開閉板にて開閉される第1大入賞装置25Aと、開閉板にて開閉される第2大入賞装置25Bとが上下2段に配置されている。第1大入賞装置25Aは特図の大当りからの特別遊技において開閉する特別入賞装置であって、第1大入賞装置25A内には入賞口の他に特別遊技の継続に関する継続口210が設けられている。第2大入賞装置25Bも同様に特別遊技において開閉する特別入賞装置であって、第2大入賞装置25B内には入賞口の他に特別遊技後の特典遊技に関する特典口211が設けられている。
【0020】
また第1および第2特図始動口23A,23Bの左側位置には、複数の普通入賞口27が配置され、遊技領域20の最下部にはアウト口203が設けられている。
尚、遊技盤2の遊技領域20には、多数の遊技釘や風車が植設されている。
【0021】
遊技盤2の右下部には遊技領域20外に、特図が変動表示される特図表示装置28、普図が変動表示される普通図柄表示装置29、特図の保留記憶が表示される特図保留数表示装置281、および普図の保留記憶が表示される普図保留数表示装置291が配設されている。
【0022】
図3に示すように、パチンコ機1の裏側は、前記遊技盤2を脱着可能に取付ける内枠30が収納されている。内枠30は、前記前枠11と同様に、一方の側縁(
図3の右側)の上下位置が前記外枠10にヒンジ結合され開閉可能に設置されている。内枠30には、遊技球流下通路が形成されており、上方(上流)から球タンク31、タンクレール32、払出ユニット33が設けられ、払出ユニット33の中には払出装置が設けられている。この構成により、遊技盤20の入賞口に遊技球が入賞すれば球タンク31からタンクレール32を介して所定個数の遊技球(賞球)が払出ユニット33により払出球流下通路を通り前記上皿12に払い出される。また、本実施形態では前記賞球を払い出す払出ユニット33により前記貸出ボタン171の操作で払い出される貸球も払い出す構成としてある。
【0023】
パチンコ機1の裏側には、主制御装置40、払出制御装置41、サブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43、発射制御装置44、電源基板45が設けられている。
【0024】
主制御装置40、サブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43は遊技盤2に設けられ、払出制御装置41、発射制御装置44、電源基板45は内枠30に設けられている。
図3では発射制御装置44が描かれていないが、払出制御装置41の下に設けてある。
【0025】
また、球タンク31の右側には、外部接続端子板38が設けてあり、外部接続端子板38により、遊技状態や遊技結果を示す信号が図示しないホールコンピュータへ送られる。尚、従来はホールコンピュータへ信号を送信するための外部接続端子板には、盤用(遊技盤側から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)と枠側(外枠10、前枠11、内枠30)から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)の2種類を用いているが、本実施形態では、ひとつの外部接続端子板38を介して遊技状態や遊技結果を示す信号をホールコンピュータへ送信する。
【0026】
図4は本パチンコ機1の電気的構成を示すブロック図で、遊技の制御を司る主制御装置40を中心に、サブ制御装置として払出制御装置41、サブ統合制御装置42および演出図柄制御装置43を具備する構成である。主制御装置40、払出制御装置41、サブ統合制御装置42および演出図柄制御装置43においては、何れもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備え、これら制御装置は何れもCPUにより、2ms周期又は4ms周期の割り込み信号に起因してROMに搭載しているメインルーチンおよびサブルーチンからなるプログラムが開始され、各種の制御が実行される。
発射制御装置44にはCPU、ROM、RAM等が設けられていない。しかしこれに限るわけではなく、発射制御装置44にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
【0027】
主制御装置40は、裏配線中継端子板530および外部接続端子板38を介して前記遊技施設のホールコンピュータ500と電気的に接続される。また主制御装置40には、裏配線中継端子板530や遊技盤中継端子板531を介して、前枠(ガラス枠)11および内枠30が開放しているか否か検出するガラス枠開放SW(スイッチ)501、内枠開放SW502、第1特図始動口23Aへの入球を検出する第1始動口SW503、第2特図始動口23Bへの入球を検出する第2始動口SW504、普図の作動ゲート22への入球を検出する普通図柄作動SW505、普通入賞口26への入球を検出する入賞口SW506、第1大入賞装置25Aへの入球を検出する第1カウントSW507、第2大入賞装置25Bへの入球を検出する第2カウントSW508、第1大入賞装置25Aの継続口210への入球を検出する継続SW509、第2大入賞装置25Bの特典口211への入球を検出する特典SW510、および役物連続作動ゲート24への入球を検出する役物連続作動SW511等の検出信号が入力される。
【0028】
また主制御装置40は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成し、払出制御装置41、サブ統合制御装置42や演出図柄制御装置43へ向けてのコマンドの出力や、図柄表示装置中継端子板533を介して特図表示装置28、特図保留数表示装置281、普通図柄表示装置29および普図保留数表示装置291の表示制御を行なう。
【0029】
更に主制御装置40は、遊技盤版中継端子板531を介して第1および第2大入賞口ソレノイド(SOL)512,513を駆動して第1および第2大入賞装置25A,25Bを開放作動せしめる。また普電役物の普電役物ソレノイド514を駆動して第2特図始動口23Bの普電役物を開閉する。
主制御装置40からの出力信号は試験信号端子にも出力される他、図柄変動や大当り等の管理用の信号が外部接続端子板38を経てホールコンピュータ500に送られる。
【0030】
主制御装置40と払出制御装置41とは双方向通信が可能である。
払出制御装置41は、裏配線中継端子板530や払出中継端子板534を介して球タンク31が空状態になったことを検出する球切れSW520、遊技球が払い出されたことを検出する払出SW522、遊技球貯留皿が満杯状態になったことを検出する満杯SW523等の検出信号が入力される。主制御装置40から送られてくるコマンドに応じて払出モータ521を稼働させて遊技球を払い出させる。また、CRユニット端子板535を介してCRユニット60と電気的に接続され、貸出要求信号に応じて払出モータ521を稼働させて貸球を払い出させる。精算表示装置173を介して球貸および精算SW171,172による貸出要求、精算要求の操作信号は、CRユニット60に入力され、プリペイドカードの残高表示はCRユニット60によって制御する。
【0031】
発射制御装置44は、発射停止SW524、発射ハンドル14に遊技者が接触(操作)していることを検出するタッチSW525等の検出信号が入力される。払出制御装置41を介して主制御装置40から送られてくるコマンド(タッチSW525の信号や遊技状況を反映している)、発射ハンドル14の回動信号および発射停止SW524の信号に基づいて発射モータ526を制御して遊技球を発射および停止させる。
【0032】
サブ統合制御装置42には、ジョグダイヤル16の操作を検出するジョグダイヤル操作検出SW551や遊技ボタン15の操作を検出するボタン操作検出SW552などの検出信号が入力される。
そしてサブ統合制御装置42は、スピーカ112を駆動して音声を出力することや、各種LEDや各種ランプ113の点灯、消灯等を制御する。更に演出図柄制御装置43へキャラクタなどを表示する擬似演出や特図の擬似図柄の表示態様のコマンドを送信する。
【0033】
演出図柄制御装置43は、LCDパネルユニットや付属ユニットと共に演出図柄表示装置21を構成している。演出図柄制御装置43は、サブ統合制御装置42から送られてくるコマンドに応じて演出図柄表示装置21のLCDパネルの表示を制御する。
【0034】
次にパチンコ機1の作動を説明する。
パチンコ機1は、普図の作動ゲート22への入球に起因して普図用の乱数値が抽出され、該乱数値に基づいて当否抽選を行い、当否抽選の結果が当りであれば、表示装置29に当選結果を確定表示して前記普電役物を開放する。これにより第2特図始動口23Bへの入賞が可能となる。
【0035】
第1特図始動口23A又は第2特図始動口23Bへの入球があると、これらに起因して特図用の乱数値が抽出され、該乱数値に基づいて特図の当否判定を行い、特図表示装置28において特図の図柄変動、演出図柄表示装置21において特図に対応する擬似演出図柄の図柄変動を開始する。
【0036】
その後、特図表示装置28および演出図柄表示装置21の図柄変動を停止して特図を確定表示することで当否判定の結果を報知する。判定結果が大当りであれば、大当り図柄を決めて各表示装置28,21に大当り図柄が確定表示される。この場合、演出図柄表示装置21には特図に対応する擬似演出図柄が表示される。
そして大当り図柄が確定表示されることにより大当り遊技の開始条件を成立させる条件装置が作動し、役物連続作動ゲート24に入球(通過)することで特別遊技の実施条件が満たされたと見做し、特別遊技に移行する構成である。
【0037】
特別遊技は、第1又は第2大入賞装置25A,25Bの所定の開閉作動を1ラウンド
のラウンド遊技として大入賞装置25A,25Bの
所定の開閉動作を複数ラウンド継続可能である。ラウンドの継続は継続口210(継続手段)への入球を条件としている。本パチンコ機の特別遊技は最大15ラウンド(以下、ラウンドをRと記す)まで継続可能である。
また特別遊技終了後に、特図の当選確率を高確率状態とする確変遊技、および普図の変動時間を短縮するとともに普電役物の開放時間を延長して特図の当否判定の実施に有利な時短遊技とを付与する特典遊技を実施可能である。特典遊技の付与は特典口211(特典手段)への入球を条件としている。
【0038】
以下、作動の詳細を主制御装置40で実行されるプログラム処理に基づいて説明する。
図5は主制御装置40で実行される「メインルーチン」のフローチャートを示し、「メインルーチン」は本処理(S100〜S110,S115)と残余処理(S111)とで構成され、2ms又は4ms周期の割り込み信号に起因して開始され、最初に正常割り込みか否かを判断する(S100)。この判断はRAMの特定アドレスに特定の数値が書き込まれているか否かに基づいて行われ、ここで否定判断(S100:no)なら初期設定(S115)を実行する。前述の正常割り込みか否かを判断するための数値は、この初期設定の一環としてRAMに書き込まれる。
【0039】
正常割り込みなら(S100:yes)、初期値乱数更新処理(S101)、特図の当否判定用の乱数値である大当り決定用乱数(乱数カウンタ)の更新処理(S102)、特図の大当り図柄決定用乱数(乱数カウンタ)の更新処理(S103)、普図の当り判定用乱数(乱数カウンタ)の更新処理(S104)、特図のリーチに関するリーチ判定用乱数(乱数カウンタ)の更新処理(S105)、特図の変動パターンに関する変動パターン決定用乱数(乱数カウンタ)の更新処理(S106)、入賞確認処理(S107)、当否判定処理(S108)、各出力処理(S109)、不正監視処理(S110)を行って、次に割り込み信号が入力されるまでの残余時間内には初期乱数更新処理(S111)をループ処理する。
【0040】
次に、本発明に関わりの深い入賞確認処理(S107)、当否判定処理(S108)および各出力処理(S109)の一部のサブルーチンについて説明する。
【0041】
図6に示す「始動入賞確認処理」は主制御装置40で実行されるサブルーチンであり、この処理では、第1、第2特図始動口23A,23Bへの入賞を確認し、入賞時に抽出した各種乱数値の保留記憶処理を行う。
【0042】
「始動入賞確認処理」では、先ず第1、第2始動口SW503,504の検出信号に基づいて、第1、第2特図始動口23A,23Bに入賞があるかを確認する(S200)。入賞があれば(S200:yes)、保留記憶数が既に上限数まで達しており満杯でないか確認する(S201)。記憶可能な上限数は4個である。保留記憶が満杯でなければ(S201:yes)、S202の抽出乱数保留記憶処理において、前記入賞に起因して複数の乱数値(大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、ハズレ図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数等)を抽出し、保留記憶として記憶する。
またこの処理では、特図保留数表示装置281の点灯数を増加させると共にサブ統合制御装置42に現在の保留記憶数を送信する。
【0043】
図7ないし
図10は主制御装置40で実行される特図の「当否判定処理」のフローチャートを示す。
図7に示すように「当否判定処理」は、第1又は第2大入賞装置25A,25Bを開放させるための特別電動役物が作動中か確認し、作動していなければ(S300:no)、特図が変動中か確認し、変動中でなければ(S301:no)、特図の確定図柄が表示されているか確認する(S302)。尚、特別電動役物が作動中(S300:yes)であれば「特別遊技処理」に移行する。
【0044】
S302の処理で確定図柄が表示中でなければ(S302:no)、
図8に示すように、特図の保留記憶があるか確認する(S310)。保留記憶がなければ(S310:no)、「特別遊技処理」に移行する。保留記憶があれば(S310:yes)、記憶数を減算し、保留記憶のシフト処理を行う(S311)。該シフト処理により特図の保留記憶のうち最も古い保留記憶が当否判定の対象となる。
【0045】
次にS312の処理で、確変フラグを確認して現在の遊技状態が前記確変遊技状態であるか確認する(確変フラグが「1」であれば確変中)。確変中であれば(S312:yes)、確変時の当否判定用テーブルと前記当否判定の対象となる保留記憶の大当り決定用乱数とを対比して大当りか否か当否判定を行う(S313)。
確変中でなければ(S312:no)、通常確率(低確率)の当否判定用テーブルと前記大当り決定用乱数とを対比して大当りか否か当否判定を行う(S314)。
【0046】
続くS315の処理では、S313又はS314の処理の当否判定が大当りか否かの確認を行う(当否判定手段)。
大当りであれば(S315:yes)、S316の処理において、前記当否判定の対象となる保留記憶の大当り図柄決定用乱数に基づいて大当り図柄を決定する(図柄決定手段)。
S317の処理では、前記当否判定の対象となる保留記憶の変動パターン決定用乱数に基づいて、演出図柄表示装置21に表示される特図の大当り用の変動時間などといった変動パターンを決定する。
【0047】
変動パターンの決定後、S318で大当り設定処理を行う。この処理では、前記決定された大当り図柄に基づき、大当り遊技の開放パターンの設定を行う。例えば演出図柄表示装置21で実行される大当り遊技のオープニング演出の時間の設定、エンディング演出の時間の設定、第1および第2大入賞装置25A,25Bの開放態様等の設定がなされる。
【0048】
S315の処理において、大当りでなくハズレであれば(S315:no)、S319の処理において、演出図柄表示装置21に表示される特図のハズレ用の変動時間などといった変動パターンを決定する。続くハズレ設定処理(S320)では、遊技状態が確変、時短であれば、これらの継続期間をカウントする前記確変カウンタおよび時短カウンタを減算する。
【0049】
S318又はS320の各設定処理の後、S321の処理では、特図表示装置28の図柄変動開始制御を行い、サブ統合制御装置42へ図柄の変動開始コマンド、図柄指定コマンドを送信し、「特別遊技処理」へ移行する。変動開始コマンド、図柄指定コマンドには特図の変動パターン、特図の当否判定の判定結果などが含まれる。
【0050】
前記
図7のS301の処理で特図の変動中のときは(S301:yes)、
図9に示すように、図柄の変動時間が経過したことを確認すると(S330:yes)、確定図柄表示処理(S331)において、特図表示装置28の特図の変動表示を終了させる制御を行い、サブ統合制御装置42および演出図柄制御装置43へ擬似図柄の変動表示および演出表示を終了させるように図柄確定コマンドを送信し、「特別遊技処理」へ移行する。
【0051】
前記
図7のS302の処理で特図の確定図柄を表示中であれば(S302:yes)、
図10のS340の処理に移行して、確定図柄表示時間が終了したか確認する。確定図柄表示時間が終了していなければ(S340:no)、「特別遊技処理」へ移行する。
一方、確定図柄表示時間が終了したことを確認すると(S340:yes)、確定図柄表示終了の処理(S341)により特図表示装置28の特図の確定図柄表示を終了させる制御を行い、サブ統合制御装置42へ特図に対応する擬似図柄の確定表示を終了させるようにコマンドを送信する。
【0052】
続いて特図の図柄が大当りになる組合せであるか確認し(S342)、大当りになる組合せであったときは(S342:yes)、確変フラグが「1」であれば(S343:yes)、確変フラグに「0」をセットする(S344)。次に、時短フラグが「1」であれば(S345:yes)、時短フラグに「0」をセットする(S346)。これらの処理により大当り遊技(特別遊技)中での遊技状態を通常状態にリセットする。
【0053】
S347の処理では条件装置の作動を開始させる。S348の処理では役物連続作動ゲート24への入球を確認し、入球が有れば役物連続作動装置の作動を開始させる。条件装置は大当り遊技で役物連続作動装置の作動に必要な装置であり、役物連続作動装置は特別電動役物を連続して作動させる装置である。
そして大当り開始演出処理(S349)によりサブ統合制御装置42へ大当り演出を開始させるようにコマンドを送信し、「特別遊技処理」に移行する。
【0054】
S342の処理で、大当りになる組合せでなければ(S342:no)、確変フラグが「1」であるか確認し(S350)、確変フラグが「1」であれば(S350:yes)、前記確変カウンタ(確変回数)が「0」あるか否かを確認する(S351)。「0」であれば(S351:yes)、確変フラグを「0」にセットする(S352)。
続く処理で時短フラグが「1」であるか確認し(S353)、時短フラグが「1」であれば(S353:yes)、前記時短カウンタ(時短回数)が「0」あるか否かを確認する(S354)。「0」であれば(S354:yes)、時短フラグを「0」にセットする(S355)。
続くS356の状態指定コマンド送信処理では、遊技状態を示す確変フラグや時短フラグの情報等を含む状態指定コマンドを、サブ統合制御装置42へ送信する。その後、「特別遊技処理」に移行する。
【0055】
このように「当否判定処理」では、主制御装置40からサブ統合制御装置42へ向けて複数のコマンドが送信される。前記S321の処理の変動開始コマンドにより演出図柄表示装置21の図柄変動が開始され、この場合、変動開始コマンドとともに変動パターン指定、第1又は第2特図の保留指定、更に少し間隔をおいて図柄指定(特図指定)および機種情報指定等のコマンドがサブ統合制御装置42へ送信される。
【0056】
図柄変動中、前記S331の図柄確定コマンド(停止指定)により図柄変動が停止して特図が確定表示される。該確定表示中には、S356の状態指定コマンドにより遊技状態を示す確変フラグや時短フラグの情報等がサブ統合制御装置42へ送られる。尚、状態指定コマンドは特図の確定表示時に送信されれば良く、本当否判定処理では、実質的に確定表示の終了時にサブ統合制御装置42へ送信される。
【0057】
「特別遊技処理」は、
図11に示すように、先ずS400の処理において、役物連続作動装置が作動中か確認し(S400)、作動中であれば(S400:yes)、S401の処理で第1又は第2大入賞装置25A,25Bが開放中か確認する。
S401の処理で第1又は第2大入賞装置25A,25Bが開放中でなければ(S401:no)、インターバル中か確認し(S402)、インターバル中でなければ(S402:no)、大当り終了演出中か確認し(S403)、大当り終了演出中でなければ(S403:no)、大当り開始演出時間が経過したか確認し(S404)、大当り開始演出時間が経過していれば(S404:yes)、S405の大入賞口開放処理において、最初の1R目は第1大入賞装置25Aを開放して、リターンする。第1大入賞装置25Aの開放中に継続口210への入球が可能となり、継続口210が有効となる。
【0058】
前記S401の処理で第1又は第2大入賞装置25A,25Bが開放中であれば(S401:yes)、
図12に示すように、S410の処理において第1又は第2大入賞装置25A,25Bへの入賞があったか否かの確認を行い、入賞があれば(S410:yes)、特別遊技が次のラウンドへ継続することを示す継続フラグが「1(継続)」であるか否かを確認する(S411)。継続フラグが「1」でなければ(S411:no)、継続口210への入賞があったか否かを確認し(S412)、入賞があれば(S412:yes)、継続フラグに「1」をセットする(S413)。
【0059】
次に、第1又は第2大入賞装置25A,25Bに規定入賞数(9個)の入賞があったか否かの確認(S414)、又は第1又は第2大入賞装置25A,25Bの開放時間が終了したか否かの確認(S415)を行い、いずれか確認できれば大入賞装置25A,25Bを閉鎖する(S416)。
そしてS417の処理で再度、継続フラグが「1」であるか否かを確認し、継続フラグが「1」であれば(S417:yes)、特別遊技を継続するようにラウンド回数を加算し(S418)、継続フラグを「0」にリセットし(S419)、大当りインターバル処理を実行して(S420)、リターンする。大当りインターバル処理では、サブ統合制御装置42へ大当りのインターバル演出を開始させるようにコマンドを送信する。
【0060】
前記S417の処理で継続フラグが「1」でなければ(S417:no)、
図13に示すS423の処理に移行して、大当り終了演出の処理を実行し、この処理でサブ統合制御装置42に大当り終了コマンドを送信し、大当り遊技を終了する。
【0061】
図11のS402の処理でインターバル中であれば(S402:yes)、
図13に示すように、S421の処理で大当りインターバル時間が経過したか確認し、経過していれば(S421:yes)、最終ラウンド(15R)であるかどうか確認し(S422)、最終ラウンドであれば、(S422:yes)、大当り終了演出の処理(S423)を実行し、この処理でサブ統合制御装置42に大当り終了コマンドを送信し、大当り遊技を終了してリターンする。
【0062】
一方、前記S422の処理で最終ラウンドでなければ(S422:no)、前回のラウンドが14Rであったか否かを確認し(S424)、14Rでなければ(S424:no)、S425の処理において第1大入賞装置25Aを開放する。
【0063】
一方、前記S424の処理で14Rであれば(S424:yes)、S426の処理において最終ラウンド(15R)として第2大入賞装置25Bの開放処理を実行してリターンする。第2大入賞装置25Bの開放中に特典口211への入球が可能となり、特典口211が有効となる。
【0064】
前記
図13のS403の処理で大当り終了演出中であれば(S403:yes)、
図14に示すように、大当り終了演出時間の終了時間が経過したか確認し(S430)、経過していれば(S430:yes)、役物連続作動装置の作動を停止する処理(S431)を実行し、条件装置の作動を停止する処理(S432)を実行する。
【0065】
続くS433の処理において、特典口211への入球があったか否かを確認し、特別遊技終了後に確変遊技に移行するか否かを確認する(S423)。特典口211への入球の確認は、入球時に入球フラッグ等をセットし、該入球フラグを確認することが望ましい。
確変遊技に移行するのであれば(S433:yes)、確変設定処理(S424)および確変フラグに「1」をセットする処理(S435)を行う。
【0066】
次にS436において、特典口211への入球により特別遊技終了後に時短遊技に移行するか否かを確認し、時短遊技に移行される場合(S436:yes)は、時短設定処理(S437)および時短フラグに「1」をセットする処理(S438)を行う。
【0067】
その後、サブ統合制御装置42へ大当り遊技終了のコマンドを送信するとともに(S439)、状態指定コマンドとして前記開放延長遊技状態へ移行するか否かの情報をサブ統合制御装置42等へ送信する(S440)。その後にリターンする。
【0068】
本パチンコ機は、特図の当否判定で大当りとなると、遊技者は遊技盤の右側へ向けて遊技球を発射する右打ちを行い、役物連続作動ゲート24への入球により特別遊技が開始される。この場合、遊技者は大当りの獲得によりほっとして、発射を停止することで特別遊技が開始を遅らせることができ、この間に休息をとることができる。
【0069】
特別遊技では最大15Rの遊技が可能である。特別遊技の1Rから14Rでは、第1大入賞装置25Aが開放され、各ラウンドに継続口210への入球により次のラウンドが実施される。従って、遊技者の次のラウンドへの期待感と、特別遊技が終わってしまうのではないかといったスリル感を向上することができる。この場合、次のラウンドへの継続となると、
図15(a)に示すように、演出図柄表示装置21において特別遊技の継続を示すことが望ましい。例えば、表示画面にラウンド数表示700、メインキャラクタである笑顔の「くまの達吉」701、継続確定の表示702、および大当り図柄等703を表示する。
【0070】
特別遊技の最終の15Rでは第2大入賞装置25Bを開放して、特典口211を有効としている。この場合、
図15(b)に示すように、演出図柄表示装置21において確変、時短といった特典遊技の獲得を促すことが望ましい。例えば、表示画面にラウンド数表示、メインキャラクタの「くまの達吉」701、特典口211への入球を促す表示704、および大当り図柄703等を表示する。
そして特典口211への入球により、特別遊技終了後に確変遊技、時短遊技が付与される。この場合、
図15(c)に示すように、演出図柄表示装置21において、例えば、表示画面にラウンド数表示700、メインキャラクタの光輝く笑顔の「くまの達吉」701、特典遊技獲得の表示705、および大当り図柄703等を表示する。
【0071】
このように本パチンコ機1によれば、特別遊技中に継続口210に入球させ、継続条件を達成していかないと特典口211が有効になる最終の15Rに到達することができず、また最終の15Rに到達できても特典口211へ入球させることができなければ特典が付与されないため、遊技者は特別遊技による賞球の獲得を確保するとともに、ラウンド継続と特典獲得を目指しながら遊技をすることができ、遊技者の期待感とスリル感を向上し、遊技の興趣を豊かにできる。
また、継続口210を備えた第1大入賞装置25Aと特典口211を備えた第2大入賞装置25Bを別々に設けることにより、遊技者はどちらが開放するかで、継続を狙うか特典を狙うかといった遊技目的を明確にして遊技を楽しむことができる。
【0072】
本パチンコ機1は、特別遊技において1Rから14Rでは第1大入賞装置25Aを開放し、15Rでは第2大入賞装置25Bを開放する開放パターンとしたが、これに限らず、例えば、1Rから8Rおよび10Rから15Rに第1大入賞装置25Aを開放し、9Rに第2大入賞装置25Bを開放する開放パターンとしてもよい。この場合、特典口211には、特典の付与は勿論、特別遊技継続の機能を持たせる。
また大当り時に決定された大当り図柄に応じて前者の開放パターンと後者の開放パターンとを切替えるように構成してもよい(開放パターン設定手段)。更に大当り図柄に応じて開放パターンを変化させる構成において、ラウンドごとに大入賞装置の開放時間を変化させて、例えば第1大入賞装置の開放時間を短くして最終ラウンドまでの継続が困難な開放パターンや、第2大入賞装置の開放時間を短くして特典の獲得に困難な開放パターンを設けた構成としてもよい。
【0073】
次に本発明を適用した第2の実施形態のパチンコ機について説明する。本パチンコ機は、
図16に示すように、遊技盤2Aの遊技領域20に単一の大入賞装置25が設けられ、大入賞装置25の内部には特別入球口212(入球手段)が設けられており、特別遊技において、通常(1Rから14R)は特別入球口212を特別遊技が継続するための継続口(継続手段)として用い、最終ラウンドでは特別入球口212を特典が付与されるための特典口(特典手段)として用いる構成としている。尚、該構成以外は第1の実施形態のパチンコ機と同一の基本構成を有する。以下、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。また図において同一部材は同一符号で示し、それらの説明を省略する。
【0074】
本パチンコ機は、特図の当否判定で大当りとなった後に自動的に条件装置および役物連続作動装置が作動して特別遊技を生起する構成である。遊技盤2Aの遊技領域20にはセンターケース200の右側位置に普図の作動ゲート22が設けられている。また普図の作動ゲート22の下方位置には普電役物により開閉する第2特図始動口23Bが設けられている。
【0075】
図17は本パチンコ機の電気的な構成を示すブロック図であり、主制御装置40は、特別遊技において、大入賞口ソレノイド(SOL)512を駆動制御して大入賞装置25を開閉作動させる。また特別入球口212への入球を検出する特別入球口SW515から検出信号を受信する。
【0076】
本パチンコ機は前記第1の実施形態と同様に「当否判定処理」(
図7〜
図10)を実行し、判定結果が大当りであれば「特別遊技処理」(
図11、
図12、
図18、
図14)を実行する。この場合、「特別遊技処理」の前記S402の処理において、大当りのインターバル中であれば(S402:yes)、
図18に示すように、S450の処理で大当りインターバル時間が経過したか確認し、経過していれば(S450:yes)、最終ラウンド(15R)であるかどうか確認し(S451)、最終ラウンドであれば、(S451:yes)、大当り終了演出の処理(S452)を実行し、この処理でサブ統合制御装置42に大当り終了コマンドを送信し、大当り遊技を終了してリターンする。
【0077】
一方、前記S451の処理で最終ラウンドでなければ(S451:no)、S453の処理において大入賞装置25を開放する。
【0078】
特別入球口212の役割を継続口と特定口とに切替える制御は
図19に示す「切替処理」(切替手段)により実行される。この処理では先ず、特別遊技中であるか否かを確認し(S500)、特別遊技中であれば(S500:yes)、遊技が最終ラウンド(15R)であるか否かを確認する(S501)。そして、遊技が最終ラウンド(15R)でなければ(S501:no)、特別入球口212を継続口として用いる(S502)。
一方、遊技が最終ラウンド(15R)であれば(S501:yes)、特別入球口212を特典口へと切替える(S503)。
【0079】
本パチンコ機によれば、特別遊技の1Rから14Rでは、特別入球口212が継続口として用いられ、特別入球口212への入球により次のラウンドが実施される。従って、遊技者の次のラウンドへの期待感と、特別遊技が終わってしまうのではないかといったスリル感を向上することができる。
特別遊技の最終の15Rでは特別入球口212が特典口に切替えられ、特別入球口212への入球により、特別遊技終了後に確変遊技、時短遊技が付与される。
【0080】
このように本パチンコ機1によれば、特別遊技中に継続口の役割をなす特別入球口212に入球させ、継続条件を達成していかないと特別入球口212
が特典口に
切替えられる最終の15Rに到達することができず、また最終の15Rに到達できても特典口の役割をなす特別入球口212へ入球させることができなければ特典が付与されないため、遊技者は特別遊技による賞球の獲得を確保するとともに、ラウンド継続と特典獲得を目指しながら遊技をすることができ、遊技者の期待感とスリル感を向上し、遊技の興趣を豊かにできる。
また、1つの特別入球口212が継続口にも特典口にもなり、遊技者としては目的が異なっても狙う場所は一定なので、混乱することなく遊技を楽しむことができる。
【0081】
本パチンコ機は、特別遊技において1Rから14Rでは特別入球口212が継続口として用いられ、15Rでは特別入球口212を特典口に切替える切替パターンとしたが、これに限らず、例えば、1Rから8Rおよび10Rから15Rにおいて特別入球口212を継続口とし、9Rに特別入球口212を特典口とする切替パターンとしてもよい。この場合、9Rに特別入球口212には、特典の付与は勿論、特別遊技継続の機能を持たせる。
また大当り時に決定された大当り図柄に応じて前者の切替パターンと後者の切替パターンとを設定可能に構成してもよい。更に大当り図柄に応じて大入賞装置25の開放パターンを変え、ラウンドごとに大入賞装置の開放時間を変化させて、例えば大入賞装置の開放時間を短くして最終ラウンドまでの継続が困難な開放パターンや、特典の獲得に困難な開放パターンを設けた構成としてもよい。
【0082】
次に本発明を適用した第3の実施形態のパチンコ機について説明する。本パチンコ機は、
図20に示すように、遊技盤2Bの遊技領域20に単一の大入賞装置25が設けられ、大入賞装置25の内部には、特別遊技が継続するための継続口210(継続手段)と、最終ラウンドで入球が有効とされ特典が付与されるための特典口211(特典手段)とが設けられた構成としている。尚、該構成以外は第2の実施形態のパチンコ機と同一の基本構成を有し、以下、相違点を中心に説明する。
【0083】
本パチンコ機は、特図の当否判定で大当りとなった後に自動的に条件装置および役物連続作動装置が作動して特別遊技を生起する構成である。遊技盤2Bの遊技領域20にはセンターケース200の右側位置に普図の作動ゲート22が設けられている。また普図の作動ゲート22の下方位置には普電役物により開閉する第2特図始動口23Bが設けられている。
大入賞装置25内にはその開口部の底面の左右両側位置に、継続口210と特典口211とがそれぞれ設けられている。
【0084】
図21は電気的構成のブロック図を示し、主制御装置40は、特別遊技において、大入賞口ソレノイド(SOL)512を駆動制御して大入賞装置25を開閉作動させる。また継続口210への入球を検出する継続SW509から検出信号を受信する一方、特典口211への入球を検出する特典SW510から検出信号を受信する。
【0085】
本パチンコ機は前記第2の実施形態と同様に主制御装置40により「当否判定処理」(
図7〜
図10)を実行し、判定結果が大当りであれば「特別遊技処理」(
図11、
図12、
図18、
図14)を実行する。
【0086】
主制御装置40は
図22に示す「有効処理」を実行することにより特別遊技の最終ラウンド(15R)において特典口211への入球を有効としている。この処理では先ず、特別遊技中であるか否かを確認し(S600)、特別遊技中であれば(S600:yes)、遊技が最終ラウンド(15R)であるか否かを確認する(S601)。そして、遊技が最終ラウンド(15R)でなければ(S601:no)、継続口210への入球を有効とする(S602)。
一方、遊技が最終ラウンド(15R)であれば(S601:yes)、特典口211への入球を有効とする(S603)。
【0087】
本パチンコ機によれば、大入賞装置25内に継続口210と特典口211とを個別に設け、特別遊技の1Rから14Rでは、継続口210が有効とされ、継続口210への入球により次のラウンドが実施される。従って、遊技者の次のラウンドへの期待感と、特別遊技が終わってしまうのではないかといったスリル感を向上することができる。
特別遊技の最終の15Rでは特典口211が有効とされ、特典口211への入球により特別遊技終了後に確変遊技、時短遊技が付与される。
【0088】
このように本パチンコ機1によれば、特別遊技中に継続口210に入球させ、継続条件を達成していかないと特典口211が有効になる最終の15Rに到達することができず、また最終の15Rに到達できても特典口211へ入球させることができなければ特典が付与されないため、遊技者は特別遊技による賞球の獲得を確保するとともに、ラウンド継続と特典獲得を目指しながら遊技をすることができ、遊技者の期待感とスリル感を向上し、遊技の興趣を豊かにできる。
また、継続口210と特典口211が別々に配置されており、特典口211を有効にした時に継続口210と同時に有効にすることができる。
【0089】
本パチンコ機は、特別遊技において1Rから14Rでは継続口210が有効とされ、15Rでは特典口211が有効とされる有効パターンとしたが、これに限らず、例えば、1Rから8Rおよび10Rから15Rにおいて継続口210が有効とされ、9Rに特典口211を有効とする有効パターンとしてもよい。この場合、9Rでは特典口211は勿論、継続口210も有効とする。
また大当り時に決定された大当り図柄に応じて前者の有効パターンと後者の有効パターンとを設定可能に構成してもよい。更に大当り図柄に応じて大入賞装置25の開放パターンを変え、ラウンドごとに大入賞装置の開放時間を変化させて、例えば大入賞装置の開放時間を短くして最終ラウンドまでの継続が困難な開放パターンや、特典の獲得に困難な開放パターンを設けた構成としてもよい。
【0090】
また大入賞装置内に継続口と特典口とを個別に設けたパチンコ機において、大入賞装置の内部に、特典口を塞ぐ蓋部材(閉鎖手段)を開閉可能に設け、特典口が有効でないラウンドでは特典口を閉鎖し、遊技なラウンドにのみ特典口を開放するように構成としてもよい。
これによれば、特典口が有効でないラウンドでは、特典口への入球ができないように閉鎖できるので、遊技球が継続口へ入球しやすくなる。また特典口の有効ラウンドにおいても、例えば大当り時の大当り図柄に応じて一時的に特典口を閉じたり、開いたりすることで、特典遊技の獲得の容易性、困難性を設けることができ、遊技性を高めることができる(閉鎖パターン設定手段)。
【0091】
更に大入賞装置内に継続口と特典口とを個別に設けたパチンコ機において、大入賞装置の内部に、遊技球を継続口へ案内する位置と特典口へ案内する位置とに変位可能で、特典口が有効なラウンドでは特典口へ、そうでないラウンドでは継続口へと遊技球を振分可能な振分部材(振分手段)を設ける構成としてもよい。
これによれば、特典口が有効でないラウンドでは、継続口へ遊技球を振分け、遊技球が継続口へ入球しやすくなる。また、特典口の有効ラウンドにおいても、例えば大当り時の大当り図柄に応じて遊技球を特典口へ振分けたり、振分けしない状態を設けることで(振分パターン設定手段)、特典遊技の獲得の容易性、困難性を設けることができ、遊技性を高めることができる。
【0092】
次に本発明を適用した第4の実施形態のパチンコ機について説明する。本パチンコ機は、前記第2の実施形態と同様に大入賞装置の内部に特別入球口を備え、特別入球口を継続口又は特典口とに切替可能とするとともに、特別入球口を後述する条件装置としての用途も備えた構成である。
【0093】
図23は本パチンコ機の遊技盤2Cの正面図で、遊技領域20の中央には図柄表示装置21を備えた大入賞装置26が設けられている。また大入賞装置26の上部の左右両側には普通入賞口27が、下部の左右両側には第1特図始動口23Aがそれぞれ配設されている。更に大入賞装置26の下方位置には普図作動ゲート22、第2特図始動口23Bが設置され、遊技領域の最下部にはアウト球口203が設けられている。
【0094】
図24に示すように、大入賞装置26は内部が上下二段に仕切られ、上段部260の左右両側には左右一対の開閉可能は羽根部材261が設けられている。そして羽根部材261の開放により遊技球が入球可能である。
上段部260にはその中央と左右両側にそれぞれ、中央口262、左口263および右口264が設けられ、これらのいずれかにより羽根部材261の開放時に入球した遊技球を受け入れる。また上段部260には中央口262に、一定速度で回転して遊技球を中央口262、左口263および右口264へと振分け可能な振分部材265が設けられている。振分部材265は中央口262への入球を容易とする状態、中央口262への入球を困難として左口263への入球を容易とする状態、中央口262への入球を困難として右口264への入球を容易とする状態とに切替え可能である。
【0095】
そして中央口262へ取り込まれた遊技球は、中央口262の直下の送出口より下段部266の中央へ送り出され、下段部266の中央に配設された特別入球口212へ入球容易となる。
一方、上段部260の左右の口263,264へ取り込まれた遊技球は、左右の口263,264直下の送出口より下段部266の左右位置へ送り出される。下段部266の左右位置へ送り出された遊技球や、特別入球口212へ入らなかった遊技球は特別入球口212の左右両側の取入口より遊技盤の裏面側へ取込まれる。
【0096】
図25は本パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。本パチンコ機の電気的構成の基本構成は前記第2の実施形態のそれとほぼ同一の構成であり、主制御装置40は振分モータ516を制御して振分部材265を回転駆動させる。
【0097】
本パチンコ機の遊技作動を説明する。前記第2の実施形態では特別図柄の当否判定により大当りかハズレかの判定がなされたが、本パチンコ機は特図の当否判定の結果が大当り、小当り、ハズレのいずれかとなるように構成されている。
大当りは特別遊技に移行して、各ラウンドにおいて継続口をなす特別入球口212へ入球することにより特別遊技が15Rまで継続可能とされ、15Rでは特別入球口212が特典口に切替えられて、特別入球口212への入球により特別遊技終了後に特典が付与される。
【0098】
小当りでは、小当り遊技に移行して例えば大入賞装置26が2R程度開放される。この間、特別入球口212は条件装置の役割をなし、小当り遊技中に特別入球口212へ遊技球が入球すると、条件装置および連続役物作動装置が作動して、特別遊技に移行する。そして特別遊技に移行すると、各ラウンドにおいて継続口をなす特別入球口212へ入球することにより特別遊技が15Rまで継続可能とされ、15Rでは特別入球口212が特典口に切替えられて、特別入球口212への入球により特別遊技終了後に特典が付与される。
尚、本パチンコ機の当選確率は、例えば、大当りの当選確率が200分の1(確変時20分の1)であり、小当りの当選確率が200分の199とされている。よって大半の特図の当否判定結果が小当りとなり、小当りから大当りに移行させることができるか否かといった遊技性を付与している。
【0099】
本パチンコ機によれば、第2の実施形態と同様に大入賞装置の内部に特別入球口を設けて、これを継続口又は特典口とに切替える構成としたので、第2の実施形態と同様な作用効果が得られる。更に、振分部材265を設けることにより、特別入球口212へ入球するか否か、即ち特別遊技が継続できるか否か又は特典が獲得できるか否かといったスリル感、更には小当りから大当りに移行するか否かと行ったスリル感を向上し、以って遊技を豊かにできる。
また本パチンコ機は、大当り図柄に応じて振分部材265の作動を制御せしめ、特別入球口212への入球を容易にしたり困難にしたりすることにより、特別遊技の継続が困難なラウンドや、特典の獲得が困難なラウンドを設けることができ、遊技の面白味が増す。
【0100】
次に本発明を適用した第5の実施形態のパチンコ機について説明する。本パチンコ機は、前記第4の実施形態のパチンコ機と同一の基本構成を備え、かつ大入賞装置内に、条件装置をなす特別入球口と、第3の実施形態と同様に継続口と特典口とを個別に設けた構成である。
【0101】
図26に示すように、遊技盤2Dの中央に設けられた大入賞装置26Aには下段部の中央に条件装置をなす特別入球口212が配設され、その左側に継続口210が、右側に特典口211が配設されている。
【0102】
本パチンコ機の電気的構成は
図27に示すように、第4の実施形態の基本構成とほぼ同一の構成であり、主制御装置40には、条件装置としての特別入球口への入球を検出する条件装置作動SW517の検出信号、継続口210への入球を検出する継続SW509の検出信号、特典口211への入球を検出する特典SW510の検出信号が入力され、主制御装置40は振分モータ516を制御して振分部材265を回転駆動させる。
【0103】
本パチンコ機は第4の実施形態と同様に特図の当否判定の結果が大当り、小当り、ハズレのいずれかとなるように構成されている。
大当りは特別遊技に移行して、各ラウンドにおいて継続口210へ入球することにより特別遊技が15Rまで継続可能とされ、15Rでは特典口211への入球により特別遊技終了後に特典が付与される。
【0104】
小当りでは、小当り遊技に移行して例えば大入賞装置26が2R程度開放される。この間、特別入球口212は条件装置の役割をなし、小当り遊技中に特別入球口212へ遊技球が入球すると、条件装置および連続役物作動装置が作動して、特別遊技に移行する。そして特別遊技に移行すると、各ラウンドにおいて継続口212へ入球することにより特別遊技が15Rまで継続可能とされ、15Rでは特典口211への入球により特別遊技終了後に特典が付与される。
尚、本パチンコ機の当選確率は、例えば、大当りの当選確率が200分の1(確変時20分の1)であり、小当りの当選確率が200分の199とされている。よって大半の特図の当否判定結果が小当りとなり、小当りから大当りに移行させることができるか否かといった遊技性を付与している。
【0105】
本パチンコ機によれば、第3の実施形態と同様に大入賞装置の内部に継続口と特典口をそれぞれ個別に設けたので、第3の実施形態と同様な作用効果が得られる。更に、振分部材265を設けることにより、特別遊技が継続できるか否か、又は特典が獲得できるか否かといったスリル感、更には小当りから大当りに移行するか否かと行ったスリル感を向上し、以って遊技を豊かにできる。
尚、本実施形態では、特別入球口、継続口、特典口を別々に設けているので、各々入賞率が異なることになる。
これにより、機種によっては特別入球口に入り易いが継続口、特典口には入賞困難な遊技構成にしたり、特典口だけ入賞困難としたり、各入球口の配置によって多様な遊技性を持たせることができる。
また本パチンコ機は、大当り図柄に応じて振分部材265の作動を制御せしめ、継続口210、特典口211、特別入球口212、への入球を容易にしたり困難にしたりすることにより、特別遊技の継続が困難なラウンドや、特典の獲得が困難なラウンドを設けることができ、遊技の面白味が増す。
【0106】
本発明は前記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でさまざまに実施できることは勿論である。例えば、パチンコ機台内に所定数の遊技球が封入され、封入された遊技球を遊技盤の遊技領域に向けて発射するとともに、発射された遊技球を回収し、回収した遊技球を再度発射することで内部の所定数の遊技球を循環的に使用して遊技を行う封入式パチンコ機に適用してもよい。