(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に本発明の好適な実施形態について説明する。尚、本発明の実施の形態は下記の実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する種々の形態を採ることができ、各実施例に記載された内容を適宜組み合わせることが可能なことはいうまでもない。
[実施例1]
【0013】
図1に示すように、弾球遊技機の一種であるパチンコ機50は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠51にて構成の各部を保持する構造である。外枠51の左側上下には、ヒンジ53が設けられており、該ヒンジ53の他方側には
図3に記載する内枠70が取り付けられており、内枠70は外枠51に対して開閉可能な構成になっている。前枠52には、板ガラス61が取り外し自在に設けられており、板ガラス61の奥には
図2に記載する遊技盤1が内枠70に取り付けられている。
【0014】
前枠52の上側左右には、スピーカ66が設けられており、パチンコ機50から発生する遊技音が出力され、遊技者の趣向性を向上させる。また、遊技者の趣向性を向上させるために前枠52に遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプも複数設けられている。前枠52の下方には、上皿55と下皿63が一体に形成されている。下皿63の右側には発射ハンドル64が取り付けられており、発射ハンドル64を時計回りに回動操作することによって発射装置(図示省略)が可動して、上皿55から供給された遊技球が遊技盤1に向けて発射される。
【0015】
上皿55の上部ほぼ中央には、遊技者が操作可能な演出ボタン67が備えられており、この演出ボタン67は、周囲にジョグダイヤル68を備えたものとなっている。遊技者が所定期間中に、演出ボタン67やジョグダイヤル68を操作することで後述する演出図柄表示装置6に表示される内容が変化したり、スピーカ66より出力される遊技音が変化したりする。また、このパチンコ機50はいわゆるCR機であって、プリペイドカードの読み書き等を行うためのプリペイドカードユニット(CRユニット)56が付属しており、パチンコ機50の上皿55には、貸出ボタン57、精算ボタン58及び残高表示器59を有するCR精算表示装置が備わっている。
【0016】
図2は、本実施例のパチンコ機の遊技盤1の正面図である。なお、このパチンコ機の全体的な構成は公知技術に従っているので図示及び説明は省略する。
図2に示すように遊技盤1には、公知のガイドレール2a、2bによって囲まれた略円形の遊技領域3が設けられている。この遊技領域3には多数の遊技釘が打ち付けられている(
図2では省略)。
【0017】
遊技領域3のほぼ中央部には、センターケース5が配されている。センターケース5は、公知のものと同様に、ワープ入口、ワープ通路、ステージ、演出図柄表示装置6(液晶表示装置であり擬似図柄を表示する。)の画面を臨ませる窓等を備えている。
センターケース5の下には、第1始動口11が配置され、更にその下には、第2始動口12が配置されている。第2始動口12は開閉可能な翼片を供えた普通電動役物を備えており、この翼片が開放しないと遊技球は第2始動口12に入球できない構成となっている。センターケース5の左方にはゲート17が配置されており、ここを遊技球が通過すると普通図柄が変動し、普通図柄が当り図柄で停止すると翼片が開放される。遊技領域の右下部には、複数個のLEDからなる普通図柄表示装置7と、普通図柄保留数表示装置8と、第1特別図柄保留数表示装置18と、第2特別図柄保留数表示装置19と、7セグメント表示装置からなる第1特別図柄表示装置9と、第2特別図柄表示装置10とが配置されている。
【0018】
第2始動口12の下方にはアタッカー式の大入賞口14が配置されている。また、第1始動口11の左方には、第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33及び第4左入賞口34が設けられている。なお、この第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、第4左入賞口34が、常時、入球率が変化しない普通入賞口である。これら普通入賞口を総じて一般入賞口31ともいう。
【0019】
パチンコ遊技機50の裏面は
図3に示すとおり、前述した遊技盤1を脱着可能に取り付ける内枠70が前述した外枠51に収納されている。この内枠70には、上方から、球タンク71、タンクレール72及び払出装置73が設けられている。この構成により、遊技盤1上の入賞口に遊技球の入賞があれば球タンク71からタンクレール72を介して所定個数の遊技球を払出装置73により前述した上皿55に排出することができる。また、パチンコ機50の裏側には(
図4も参照のこと)、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83、発射制御装置84、電源基板85が設けられている。なお、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83がサブ制御装置に該当する。
【0020】
主制御装置80、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83は遊技盤1に設けられており、払出制御装置81、発射制御装置84、電源基板85が内枠70に設けられている。なお、
図3では、発射制御装置84が描かれていないが、発射制御装置84は払出制御装置81の下に設けられている。また、球タンク71の右側には、外部接続端子78が設けられており、この外部接続端子78より、遊技状態や遊技結果を示す信号が図示しないホールコンピュータに送られる。なお、従来はホールコンピュータへ信号を送信するための外部接続端子78には、盤用(遊技盤側から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)と枠用(枠側(前枠52、内枠70、外枠51)から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)の2種類を用いているが、本実施例では、一つの外部接続端子78を介してホールコンピュータへ遊技状態や遊技結果を示す信号を送信している。
【0021】
このパチンコ機50の電気的構成は、
図4のブロック図に示すとおり、主制御装置80を中心にして構成されている。なお、このブロック図には、単に信号を中継するだけのためのいわゆる中継基板及び電源回路等は記載していない。また、詳細の図示は省略するが、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83のいずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えているが、本実施例では発射制御装置84にはCPU、ROM、RAMは設けられていない。しかし、これに限るわけではなく、発射制御装置84にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
【0022】
主制御装置80には、第1始動口11に入球した遊技球を検出する第1始動口スイッチ11a、第2始動口12に入球した遊技球を検出する第2始動口スイッチ12a、普通図柄を作動させるゲート17に進入した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ17a、大入賞口14に入球した遊技球を計数するためのカウントスイッチ14a、第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、第4左入賞口34に入球した遊技球を検出する入賞口スイッチ31a等の検出信号が入力される。なお、入賞口スイッチ31aの符号は第1左入賞口31に対応しているが、前記各一般入賞口、すなわち第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、第4左入賞口34に対してそれぞれ入賞口スイッチが設けられており、各一般入賞口に遊技球が入ったことを個別に検出可能に構成されている。
【0023】
主制御装置80は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成して払出制御装置81及びサブ統合制御装置83に出力する。
また主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板90を介して接続されている第1特別図柄表示装置9、第2特別図柄表示装置10及び普通図柄表示装置7の表示、第1特別図柄保留数表示装置18、第2特別図柄保留数表示装置19、及び普通図柄保留数表示装置8の点灯を制御する。
【0024】
更に、主制御装置80は、大入賞口ソレノイド14bを制御することで大入賞口14の開閉を制御し、普通電動役物ソレノイド(
図4では普電役物ソレノイドと表記)12bを制御することで第1始動口11の開閉を制御する。主制御装置80からの出力信号は試験信号端子にも出力される他、図柄変動や大当り(特別遊技ともいう)等の管理用の信号が外部接続端子78に出力されてホールメインコンピュータ87に送られる。主制御装置80と払出制御装置81とは双方向通信が可能である。
【0025】
払出制御装置81は、主制御装置80から送られてくるコマンドに応じて払出モータ20を稼働させて賞球を払い出させる。本実施例においては、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出スイッチ21の検出信号は払出制御装置81に入力され、払出制御装置81で賞球の計数が行われる構成を用いる。この他にも主制御装置80と払出制御装置81に払出スイッチ21の検出信号が入力され、主制御装置80と払出制御装置81の双方で賞球の計数を行う構成を用いることも考えられる。
【0026】
なお、払出制御装置81はガラス枠開放スイッチ35、内枠開放スイッチ36、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23からの信号が入力され、満杯スイッチ22により下皿63が満タンであることを示す信号が入力された場合及び球切れスイッチ23により球タンクに遊技球が少ないあるいは無いことを示す信号が入力されると払出モータ20を停止させ、賞球の払出動作を停止させる。なお、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23も、その状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置81は、その信号が出力されなくなることに起因して払出モータ20の駆動を再開させる。
【0027】
また、払出制御装置81はCRユニット端子板24を介してプリペイドカードユニットと交信することで払出モータ20を作動させ、貸し球を排出する。払出された貸し球は払出スイッチ21に検出され、検出信号は払出制御装置81に入力される。なお、CRユニット端子板24は精算表示基板25とも双方向通信可能に接続されており、精算表示基板25には、遊技球の貸出しを要求するための球貸ボタン、精算を要求するための返却ボタン、残高表示器が接続されている。
【0028】
また、払出制御装置81は、外部接続端子78を介して賞球に関する情報、枠(内枠、前枠)の開閉状態を示す情報などをホールコンピュータに送信するほか、発射制御装置84に対して発射停止信号を送信する。
なお本実施例では遊技球を払い出す構成であるが、入賞等に応じて発生した遊技球を払い出さずに記憶する封入式の構成にしても良い。
【0029】
発射制御装置84は発射モータ30を制御して、遊技球を遊技領域3に遊技球を発射させる。なお、発射制御装置84には払出制御装置81以外に発射ハンドル64からの回動量信号、タッチスイッチ28からのタッチ信号、発射停止スイッチ29から発射停止信号が入力される。
回動量信号は、遊技者が発射ハンドル64を操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドル64を触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止スイッチ29を押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置84に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドル64を触っていても遊技球は発射できないようになっている。
【0030】
サブ統合制御装置83はサブ制御装置に該当し、主制御装置80から送信されてくるデータ及びコマンドを演出中継端子板65を介して受信し、それらを演出表示制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンド等は演出図柄制御装置82に送信し、音制御用及びランプ制御用は自身に含まれている各制御部位(音声制御装置及びランプ制御装置としての機能部)に分配する。そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによってスピーカからの音声出力を制御し、ランプ制御装置としての機能部はランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって各種LED、ランプ26を制御する。また、サブ統合制御装置83には、演出ボタン67およびジョグダイヤル68が接続されており、遊技者がこれら各ボタン67、68を操作した際には、その信号がサブ統合制御装置83に入力される。
【0031】
サブ統合制御装置83と演出図柄制御装置82とは双方向通信が可能である。演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置80から送信されてきたものとサブ統合制御装置83が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置6を制御して、演出図柄等の演出画像を演出図柄表示装置6に表示させる。
【0032】
メインルーチンを
図5に従って説明する。メインルーチンは、約2msec毎のハード割り込みにより定期的に実行される。本実施形態では、S10〜S65までの1回だけ実行される処理を「本処理」と称し、この本処理を実行して余った時間内に時間の許す限り繰り返し実行されるS70の処理を「残余処理」と称する。「本処理」は上記割り込みにより定期的に実行されることになる。
【0033】
マイコンによるハード割り込みが実行されると、まず正常割り込みであるか否かが判断される(S10)。この判断処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判断することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いのか否かを判断するためのものである。正常割り込みでない場合としては、電源投入時又はノイズ等によるマイコンの暴走等が考えられるが、マイコンの暴走は近年の技術の向上によりほとんど無いものと考えて良いので、たいていが電源投入時である。電源投入時にはRAMの所定領域の値が所定値と異なる値となっている。
【0034】
正常割り込みでないと判断されると(S10:no)、初期設定(例えば前記メモリの所定領域への所定値を書き込み、特別図柄及び普通図柄を初期図柄とする等のメモリの作業領域への各初期値の書き込み等)が為され(S15)、残余処理(S70)に移行する。
【0035】
正常割り込みとの肯定判断がなされると(S10:yes)、初期値乱数更新処理が実行される(S20)。この処理は、初期値乱数の値についてこの処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であり、この処理実行前の初期値乱数の値に+1するが、この処理を実行する前の乱数値が最大値である「299」のときには次回の処理で初めの値である「0」に戻り、「0」〜「299」までの300個の整数を繰り返し昇順に作成する。
【0036】
S20に続く大当り決定用乱数更新処理(S25)は、初期値乱数更新処理と同様に処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であり、最大値である「299」のときは次回の処理で初めの値である「0」に戻り、「0」〜「299」までの300個の整数を繰り返し昇順に作成する。なお、大当り決定用乱数の最初の値は、初期値乱数設定処理で設定された値となる。この値が250であったとすると、大当り決定用乱数は「250」「251」「252」・・・「299」「0」「1」・・・と更新されていく。
【0037】
なお、大当り決定用乱数が1巡(300回、更新されること)すると、そのときの前記初期値乱数の値を大当り決定用乱数の初期値にし、大当り決定用乱数は、その初期値から+1するインクリメント処理を行う。そして、再び大当り決定用乱数が1巡すると、その時の初期値乱数の値を大当り決定用乱数の初期値にする動作を行なう。つまり、この一連の動作を繰り返し続けることになる。前述の例では大当り決定用乱数が「249」になると1巡であるから、「249」の次は前記初期値乱数の値となる。仮に初期値乱数の値が「87」だったとすると、「249」「87」「88」・・・「299」「0」「1」・・・「86」と変化していき、「86」の次は新たな前記初期値乱数の値となる。大当り図柄決定用乱数更新処理(S30)は「0」〜「249」の250個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
【0038】
S30に続く当り決定用乱数更新処理(S35)は、「0」〜「5」の6個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。なお、当選することとなる値の数は開放延長状態では「1」、「2」、「3」、「4」、「5」であり、通常状態(非開放延長状態)は「3」である。つまり開放延長状態では5/6の確率で当選し、通常状態では1/6の確率で当選する。この当り決定用乱数更新処理は普通図柄の抽選に使用し、その他の初期値乱数、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数は特別図柄(特図ともいう)の抽選に使用する。
【0039】
リーチ判定用乱数更新処理(S40)は、「0」〜「228」の229個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。なお、通常確率状態時で変動時間短縮機能未作動時に当選する値の数は21で、値は「0」〜「20」であり、通常確率状態時で変動時間短縮機能作動時に当選する値の数は5で、値は「0」〜「4」であり、高確率状態時に当選する値の数は6で、値は「0」〜「5」である。
【0040】
変動パターン決定用乱数更新処理(S45)は、「0」〜「1020」の1021個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。続く入賞確認処理(S50)では、第1始動口11、第2始動口12の入賞の確認及びパチンコ機50に設けられ主制御装置80に接続された各スイッチ類の入力処理が実行される。本実施例では、遊技球が第1始動口11、第2始動口12に入賞すると大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数、リーチ判定用乱数など複数の乱数を取得されるのだが、保留記憶できる数を第1始動口11と第2始動口12とで夫々4個までとしており、保留記憶が満タンである4個のときに遊技球が対応する始動口(第1始動口11又は第2始動口12)に入賞しても賞球が払出されるだけで、前記複数の乱数は保留記憶されない構成になっている。
【0041】
続いて、大当りか否かを判定する条件成立判定手段としてのS55の当否判定処理(第1特別図柄当否判定処理及び第2特別図柄当否判定処理)を行う。この当否判定処理(S55)が終了すると、続いて不正監視処理(S60)が実行される。不正監視処理(S60)は、普通入賞口(第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、第4左入賞口34)に対する不正が行われていないか監視する処理であり、所定時間内における入賞口への遊技球の入球が予め決定された規定数よりも多いか否かを判断して、多かった場合には不正と判断され、その旨を報知する処理である。つまり、不正判断手段は、主制御装置80に設けている。
【0042】
続く各出力処理(S65)では、遊技の進行に応じて主制御装置80は演出図柄制御装置82、払出制御装置81、発射制御装置84、サブ統合制御装置83、大入賞口ソレノイド14b等に対して各々出力処理を実行する。即ち、入賞確認処理(S50)により遊技盤1上の各入賞口に遊技球の入賞があることが検知されたときには賞球としての遊技球を払い出すべく払出制御装置81に賞球データを出力する処理を、遊技状態に対応したサウンドデータをサブ統合制御装置83に出力する処理を、パチンコ機50に異常があるときにはエラー中であることを報知すべく演出図柄制御装置82にエラー信号を出力する処理を各々実行する。
【0043】
本処理に続く前述の残余処理は、初期値乱数更新処理(S70)から構成されるが、前述したS20と全く同じ処理である。この処理は無限ループを形成し、次の割り込みが実行されるまで時間の許される限り繰り返し実行される。前述したS10〜S65までの本処理を実行するのに必要とされる時間は、大当り処理を実行するか否か、特別図柄の表示態様の相違等により割り込み毎に異なる。この結果、残余処理を実行する回数も割り込み毎に異なり、
図5に示された割り込み処理が1回実行されることにより初期値乱数に更新される値も一律ではなくなる。これにより、初期値乱数が大当り決定用乱数と同期する可能性は極めて小さくなる。大当り決定用乱数が1巡したときの、初期値乱数の値(0〜299の300通り)が、同程度に発生するとすれば、同期する確率はわずか1/300である。また、前述した当り決定用乱数更新処理(S35)も残余処理内において実行するよう構成しても良い。
【0044】
始動入賞確認処理(S50)の概要を
図6に示す。当処理は入賞確認処理(S50)のサブルーチンで、主制御装置80は、まず第1始動口スイッチ11aの検出信号に基づいて、第1始動口11に遊技球が入球したか否かを判断する(S100)。肯定判断なら(S100:yes)、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を該当の各カウンタから読み込んで、第1特別図柄の保留記憶(第1保留記憶または第1保留ともいう)が満杯(本実施例では4個)か否かを判断する(S105)。
【0045】
第1保留記憶が満杯でなければ(S105:no)、上記の各乱数を第1保留として記憶し、第1特別図柄保留数表示装置18の点灯態様を1増加させる(S110)。なお、第1特別図柄保留数表示装置18、第2特別図柄保留数表示装置19は、それぞれ4個のLEDの点灯または消灯させることにより保留記憶されている数を表すものである。また、S110では第1特別図柄の保留個数が更新されたことを示すコマンド(保留個数コマンド)をサブ統合制御装置83に送信し、S115に移行する。第1始動口11に遊技球が入球していない場合(S100:no)、又は第1保留が満杯の場合(S105:yes)は、そのままS115に移行する。
【0046】
始動入賞確認処理(S50)の概要を
図6に示す。当処理は入賞確認処理(S50)のサブルーチンで、主制御装置80は、まず第1始動口スイッチ11aの検出信号に基づいて、第1始動口11に遊技球が入球したか否かを判断する(S100)。肯定判断なら(S100:yes)、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を該当の各カウンタから読み込んで、第1特別図柄の保留記憶(第1保留記憶または第1保留ともいう)が満杯(本実施例では4個)か否かを判断する(S105)。
【0047】
第1保留記憶が満杯でなければ(S105:no)、上記の各乱数を第1保留として記憶し、第1特別図柄保留数表示装置18の点灯態様を1増加させる(S110)。なお、第1特別図柄保留数表示装置18、第2特別図柄保留数表示装置19は、それぞれ4個のLEDの点灯または消灯させることにより保留記憶されている数を表すものである。また、S110では第1特別図柄の保留個数が更新されたことを示すコマンド(保留個数コマンド)をサブ統合制御装置83に送信し、S115に移行する。第1始動口11に遊技球が入球していない場合(S100:no)、又は第1保留が満杯の場合(S105:yes)は、そのままS115に移行する。
S115では、第2始動口スイッチ12aの検出信号に基づいて、第2始動口12に遊技球が入球したか否かを判断する。肯定判断なら(S115:yes)、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を該当の各カウンタから読み込んで、第2特別図柄の保留記憶(第2保留記憶または第2保留ともいう)が満杯(本実施例では4個)か否かを判断する(S120)。
【0048】
第2保留記憶が満杯でなければ(S120:no)、上記の各乱数を第2保留として記憶し、第2特別図柄保留数表示装置19の点灯態様を1増加させる(S125)。また、S125では第2特別図柄の保留個数が更新されたことを示すコマンド(保留個数コマンド)をサブ統合制御装置83に送信し、当処理を終了(リターン)する。第2始動口12に遊技球が入球していない場合(S115:no)、又は第2特別図柄の保留記憶が満杯の場合(S120:yes)は、そのまま当処理を終了する。
【0049】
図7〜8に示す第1特別図柄当否判定処理では、主制御装置80は、特別電動役物が作動中か否かを大当りフラグに基づいて判断する(S150)。S150の判定が否定判断で、第1特別図柄が変動中でなく(S155:no)、確定図柄の表示中でもなければ(S160:no)、
図8のS200に移行し、第1保留記憶(上記、S110による保留記憶)があるか否かを判断する(S200)。この保留記憶があれば(S200:yes)、第1保留記憶数をデクリメントし(S205)、S210に進む。
【0050】
S210では保留記憶の中で最も古いものを読み込んで(その保留記憶は消去する)、確変フラグがセットされている(すなわち1)か否かを判定する。ここで確変フラグが1とは、現在のパチンコ機50が高確率遊技状態であることを意味する。肯定判断であれば(S210:yes)、読み込んだ大当り決定用乱数を確変テーブルに記録されている当り値と照合する(S215)。ここで当り値の数は10で、7〜16である。つまり当り確率は1/30となる(
図18を参照)。S210が否定判断された場合(S210:no)は、S220にて当り決定用乱数を通常テーブルに記録されている当り値と照合する。ここで当り値は7のみである。つまり当り確率は1/300となる。
【0051】
図8に戻る。S215またはS220の判定に基づき、大当りか否かを判定し(S225)、肯定判定であれば(S225:yes)、大当り図柄決定用乱数によって当り図柄を決定する(S230)。なお、本実施例のS230では、決定した図柄が、第1特別図柄の変動をハズレ図柄で停止させる図柄又は、中断させる図柄なのか判定する。これにより、第2特別図柄が大当り遊技に移行する際に、第1特別図柄の変動を強制的にハズレ図柄で停止させるのか、中断させるのかを設定する。なお、本実施例では、特別図柄の変動を強制的に中断させる図柄の集まりを第1図柄種別とし、特別図柄を強制的にハズレ図柄で停止させる図柄の集まりを第2図柄種別とする。大当たり図柄が決定すると、変動パターン決定用乱数によって変動パターンを決定する(S235)。S235の処理では演出図柄表示装置6に表示される第1特別図柄の大当り用の変動時間等の変動パターンを決定する。その後、大当り設定処理を行う(S240)。大当り設定処理とは決定した大当り図柄によって、大当り後の遊技状態(確変や開放延長の有無等)や大当り遊技にかかる情報(大当りのオープニング時間、開放パターン、大当りのエンディング時間、ラウンド数等)を設定する処理である。
【0052】
S225においてハズレと判定された場合は、S245に移行し小当りか否かを判定する(S245)。これは予め決定された小当り値が記憶されたテーブルと、大当り決定用乱数を比較する。肯定判断であれば(S225:yes)、大当り図柄決定用乱数によって小当り図柄を決定する(S250)。その後、S230と同様な処理である。その後、変動パターン決定用乱数によって変動パターンを決定し(S255)、小当り設定処理(S260)を行なってS280に合流する。否定判定であれば(S245:no)、大当り図柄決定用乱数によってハズレ図柄を決定する(S265)。その後、S230と同様の処理の処理を行う。変動パターン決定用乱数によって変動パターンを決定する(S270)し、ハズレ設定処理(S275)を行ってS280に合流する。
【0053】
S240、S260又はS275に続いては、上述の抽選結果を示すデータ、具体的には通常大当り、確変大当り、リーチ外れ(外れであるがリーチ表示有り)、リーチ表示無しの外れのいずれかを示すデータと変動時間を指定する変動パターンのデータが含まれる変動開始コマンド(表示制御コマンド)をサブ統合制御装置83に出力し(S2
80)、第2特別図柄当否判定処理を行なう。なお、S280の処理により演出図柄表示装置6では演出図柄の変動表示が開始されるが、ほぼ同時に特別図柄の変動も主制御装置80によって開始される。演出図柄表示装置6では、変動パターンに基づいた演出表示を実行し、遊技者に当りであるか外れであるかの様々な予告やリーチ演出を表示する。遊技者はこの予告やリーチ演出を見ることで、当りに対する期待度を把握することが可能となっている。
【0054】
図9〜10に示す第2特別図柄当否判定処理では、主制御装置80は、特別電動役物が作動中か否かを大当りフラグに基づいて判断する(S300)。S300の判定が否定判断で、第2特別図柄が変動中でなく(S305:no)、確定図柄の表示中でもなければ(S310:no)、
図10のS350に移行し、第2保留記憶(上記、S110による保留記憶)があるか否かを判断する(S350)。この保留記憶があれば(S350:yes)、第2保留記憶数をデクリメントし(S355)、S360に進む。
【0055】
S360では第2保留記憶を読み込んで(その保留記憶は消去する)、確変フラグがセットされている(すなわち1)か否かを判定する。肯定判断であれば(S360:yes)、読み込んだ大当り決定用乱数を確変テーブルに記録されている当り値と照合する(S365)。ここで当り値の数は10で、7〜16である。つまり当り確率は1/30となる。S360が否定判断された場合(S360:no)は、S370にて当り決定用乱数を通常テーブルに記録されている当り値と照合する。ここで当り値は7のみである。つまり当り確率は1/300となる。
【0056】
図10に戻る。S365またはS370の判定に基づき、大当りか否かを判定し(S375)、肯定判定であれば(S375:yes)、大当り図柄決定用乱数によって当り図柄を決定する(S380)。なお、本実施例のS380では、決定した図柄が、第2特別図柄の変動を強制的にハズレ図柄で停止させる図柄(第2図柄種別)又は、変動を中断させる図柄(第1図柄種別)なのか判定する。これにより、第2特別図柄が大当り遊技に移行する際に、変動をハズレ図柄で停止させるのか、中断させるのかを設定する。大当たり図柄が決定すると、大当たり図柄が決定すると、変動パターン決定用乱数によって変動パターンを決定し(S385)、大当り設定処理を行う(S390)。S385は、S240とは異なり第2特別図柄の変動パターンを決定する。
【0057】
S375においてハズレと判定された場合は、S395に移行し小当りか否かを判定する(S395)。なお、本実施例では第1特別図柄、第2特別図柄ともに小当りを搭載しているが、第2特別図柄だけ小当りを備える構成や、逆に第1特別図柄だけ備える構成も考えられる。
第2特別図柄だけに搭載する場合は、第2特別図柄は普通電動役物に備えられているため、時短が作動しないと殆ど入球しない。そのため、時短中のみしか小当りが発生しない遊技性となる。この場合、時短中によく小当り遊技が行われることから、持ち玉が減りにくい状態にすることができる。
逆に第1特別図柄だけ搭載する場合は、通常遊技状態時だけ小当りが発生する遊技性にすることができ、出玉のない確変が付与される大当り(いわゆる突確)も備えることにより、通常遊技状態だけ潜伏演出が発生する構成とすることができる。これは予め決定された小当り値が記憶されたテーブルと、大当り決定用乱数を比較する。肯定判定であれば(S395:yes)、大当り図柄決定用乱数によって小当り図柄を決定する(S400)。なお、本実施例では、小当り遊技の場合は第1図柄種別、第2図柄種別どちらでも中断するのみで、強制ハズレは行わない構成である。小当り遊技では条件装置が作動しておらず、ただ大入賞口が動作しているのみであり、小当り遊技後に遊技状態に変更は行われないためである。
無論、小当り遊技の時にも種別によって中断したり、強制的にハズレで停止する構成でもよいし、大当りの時と違って小当り遊技の時は種別での対応が逆転する構成でもよい。例えば、大当りならば中断するが、小当りなら強制的にハズレで停止を行う。また、小当りの時は全て強制的にハズレにしてもよい。
なお、本実施例のS380で決定した図柄が、第2特別図柄の変動を強制的にハズレ図柄で停止する図柄(第2図柄種別)か変動を中断する図柄(第1図柄種別)の大当たり図柄が決定すると、その後、変動パターン決定用乱数によって変動パターンを決定し(S405)、小当り設定処理(S410)を行なってS430に合流する。否定判定であれば(S395:no)、大当り図柄決定用乱数によってハズレ図柄を決定する(S415)。変動パターン決定用乱数によって変動パターンを決定する(S420)し、ハズレ設定処理(S425)を行ってS430に合流する。
【0058】
その後、上述の抽選結果を示すデータ、具体的には通常大当り、確変大当り、小当り、リーチ外れ(外れであるがリーチ表示有り)、リーチ表示無しの外れのいずれかを示すデータと変動時間を指定する変動パターンのデータが含まれる変動開始コマンド(表示制御コマンド)をサブ統合制御装置83に出力し(S430)、特別遊技処理を行なう。なお、S430の処理により演出図柄表示装置6では演出図柄の変動表示が開始されるが、ほぼ同時に第2特別図柄の変動も主制御装置80によって開始される。
【0059】
図7のS155において第1特別図柄が変動中(S155:yes)又は
図9のS305において第2特別図柄が変動中(S305:yes)と判定された場合には、
図11のS450に移行し、図柄変動時間(S235、S255、S270、S385、S405、又はS420の変動パターンに基づく)を経過したか否かを判定する。否定判断(S450:no)であれば、第1特別図柄の当否判定処理であるか否かを判定する(S460)。肯定判断(S460:yes)であれば、
図9のS300へと移行する。否定判断(S460:no)であれば、特別遊技処理を行う。
肯定判断(S450:yes)であれば対応した特別図柄の確定図柄表示処理(S455)を行なってから、第1特別図柄の当否判定処理であるか否かを判定する(S460)。肯定判断(S460:yes)であれば、
図9のS300へと移行する。否定判断(S460:no)であれば、特別遊技処理を行う。確定図柄表示処理では、確定図柄を表示する旨のコマンド(図柄確定コマンド)をサブ統合制御装置83に出力するとともに、特別図柄表示装置9,10にコマンドを出力して確定図柄にて停止させる。
【0060】
図7のS160又は
図9のS310において確定図柄を表示中と判定された場合には、
図12のS500に移行し、確定図柄の表示時間が終了したか否かを判定する。否定判定の場合(S500:no)は、第1特別図柄の当否判定処理であるか否かを判定する(S610)。肯定判断(S610:yes)であれば、
図9のS300へと移行する。否定判断(S610:no)であれば、特別遊技処理を行う。肯定判定(S500:yes)の場合は、確定図柄の表示を終了し(S505)、確定表示された特別図柄が大当りになる図柄か否かを判定する(S510)。肯定判断された場合(S510:yes)は、S515の特別図柄変動制御処理に移行する。本実施例では、「一方の特別図柄」とは、第1特別図柄と第2特別図柄の何れかの特別図柄において、先に変動を実行する特別図柄をいい、「他方の特別図柄」とは、第1特別図柄と第2特別図柄の特別図柄において、一方の特別図柄の後に、変動を実行する特別図柄をいう。
【0061】
図13は、特別図柄変動終了処理のフローチャートを示す。
図13のS650において、第1特別図柄及び第2特別図柄のどちらか他方の特別図柄が変動中であるか否かを判定する。否定判定の場合には(S650:no)、そのまま終了(リターン)となる。肯定判定の場合には(S650:yes)、他方の特別図柄が変動中断図柄(第1図柄種別)であるか否かを判定する(S655)。肯定判定の場合には(S655:yes)、S660に移行する。否定判定の場合には(S655:no)、S665に移行する。
S660の処理では、変動中の他方の特別図柄の変動を中断する。この場合、他方の特別図柄の当否判定が大当り、小当り又はハズレに係らず、強制的に中断する。なお、主制御装置80からサブ統合制御装置83へと他方の特別図柄の変動中断指定コマンドが送信され、その後終了となる。
S665では、他方の特別図柄が、変動停止図柄(第2図柄種別)であるか否かを判断する。否定判断(S665:no)の場合には、そのまま終了となる。肯定判断の場合には(S670:yes)、変動中の他方の特別図柄をハズレ図柄で停止する。この場合、他方の特別図柄が大当り、小当り又は外れに係らず、強制的に破棄して終了する。
【0062】
S515の処理後、S520において確変フラグが1か否かを判定する(S520)。確変フラグが1であれば(S520:yes)、S525にて確変フラグを0にし、S530に移行する。確変フラグが1でなければ(S520:no)、そのままS530に移行する。S530では、時短フラグが1か否かを判定する。時短フラグが1であれば(S530:yes)、S535にて時短フラグを0にし、S540に移行する。時短フラグが1でなければ(S535:no)、そのままS540に移行する。
【0063】
S540では条件装置作動開始処理により、大当りフラグをセットする。続くS545にて役物連続作動装置を作動させ、S550にて大当り開始演出処理を行なう。大当り開始演出処理では、大当り遊技を開始するコマンド及び大当り遊技に係る情報(大当りのオープニング時間、開放パターン、大当りのエンディング時間、ラウンド数等)をサブ統合制御装置83に送信する。大当り開始演出処理が終了すると、第1特別図柄の当否判定処理であるか否かを判定する(S610)。肯定判断(S610:yes)であれば、
図9のS300へと移行する。否定判断(S610:no)であれば、特別遊技処理を行う。
【0064】
S510で、確定表示させた特別図柄が大当りになる表示でないと判定された場合は、確変フラグが1か否かを判定し、1であれば(S555:yes)、確変回数が0か否かを判定する(S560)。確変回数が0であれば(S560:yes)、S565にて確変フラグを0にしてS570に進む。確変フラグが1でないとき(S555:no)又は確変回数が0ではないとき(S560:no)はそのままS570に移行する。
S570では、時短フラグが1か否かを判定し、1であれば(S570:yes)、時短回数が0か否かを判定する(S575)。時短回数が0であれば(S575:yes)、S580にて時短フラグを0にしてS585に進む。時短フラグが1でないとき(S570:no)又は時短回数が0ではないとき(S575:no)はそのままS585に移行する。
【0065】
S585では、現在の遊技状態が確変中であるか否か、時短中であるか否か等の状態を示す状態指定コマンドをサブ統合制御装置83に送信し、S590に移行する。S590では、小当りになる組み合わせか否かを判定し、肯定判断であれば(S590:yes)、S595に移行する。なお、S595の特別図柄変動処理は、S515の特別図柄変動処理と同様の構成となっている。
その後、S600では特別電動役物作動開始処理を実行し、続くS605で小当り開始演出処理を行うと、第1特別図柄の当否判定処理であるか否かを判定する(S610)。肯定判断(S610:yes)であれば、
図9のS300へと移行する。否定判断(S610:no)であれば、特別遊技処理を行う。否定判断であれば(S590:no)、第1特別図柄の当否判定処理であるか否かを判定する(S610)。肯定判断(S610:yes)であれば、
図9のS300へと移行する。否定判断(S610:no)であれば、特別遊技処理を行う。
【0066】
図14に示す特別遊技処理では、主制御装置80は、役物連続作動装置が作動中か否かを大当りフラグに基づいて判断する(S700)。役物連続作動装置が作動中でない場合(S700:no)は、そのまま本処理を終了(リターン)する。役物連続作動装置が作動中なら(S700:yes)、大入賞口14が開放中か否かを判断する(S705)。大入賞口14の開放中ではない場合は(S705:no)、ラウンド間のインターバル中により大入賞口14が閉鎖しているのか判断する(S710)。インターバル中でもない場合は(S710:no)、大当り終了演出中であるか判断する(S715)。これも否定判断の場合は(S715:no)、今から大当り遊技を開始する演出に要する時間が経過したか否かを判定する(S720)。大当り開始演出時間が経過した場合は(S720:yes)、大入賞口開放処理(S725)を行なって本処理を終了する。
【0067】
S705で大入賞口14が開放中であると判定された場合は、
図14のS750に進み、大入賞口14に10個入賞したか否かを判定する。なお、本実施例では10個だが、9個、8個でもよく、特に限定するものではない。また、本実施例において、発射ハンドル64を操作して、遊技盤1の正面に設けられている第2始動口12側に打ち出した場合には、遊技球が大入賞口14への入球できない構成となっている。しかし、第2始動口12側に打ち出した場合に、大入賞口14へ入球してもよい。
大入賞口14に10個入賞した場合(S750:yes)にはS760に進み、大入賞口閉鎖処理を行う。そして大当りインターバル処理(S765)を行なって、特別遊技処理を終了する。大入賞口14に10個入賞していない場合(S750:no)にはS755に進み、大入賞口14の開放時間が終了したか否かを判定する。本実施例では、15ラウンドでの大当りの場合は各ラウンドの最大開放時間は30秒に設定している。無論、この秒数に限定するものではない。開放時間が終了した場合(S755:yes)には、S760に合流し、終了していない場合(S755:no)は特別遊技処理を終了する。
【0068】
図14のS710でインターバル中であると判定された場合は、
図15のS770に進み、大当りインターバル時間が経過したか否かを判定する。インターバル時間が経過している場合(S770:yes)は、直前に大入賞口14が開いていたのが最終ラウンドか否かを判定する(S775)。最終ラウンドであれば(S775:yes)、大当り終了演出処理(S780)を行い、特別遊技処理を終了する。最終ラウンドでなければ(S785:no)、再び大入賞口14を開放する処理(S785)を行い、特別遊技処理を終了する。なお、大当りインターバル時間が経過していないと判定された場合(S770:no)には、そのまま特別遊技処理を終了する。なお、大入賞口14を開放・閉鎖する処理においては、サブ統合制御装置83にも信号を送信する。サブ統合制御装置83は、その信号に基づいて、現在のラウンドを把握し、該ラウンドに応じた演出を行なう。
【0069】
図14のS715で大当りの終了演出中であると判定された場合は、
図16のS800に進み、大当り終了演出時間が経過したか否かを判定する。大当り終了演出時間が経過した場合には(S800:yes)、役物連続作動装置の作動を停止し(S805)、条件装置の作動を停止する(S810)。そして、S240及びS390で取得した次回の遊技状態で確変に移行するか否かを判定する(S815)。確変に移行する場合(S815:yes)は、確変回数を設定し(S820)、確変フラグを1に設定し(S825)、S830に移行する。確変フラグを1にすると本実施例では特別図柄の当選確率が向上する。確変に移行しない場合(S815:no)はそのままS830に移行する。なお、確変回数は10000回が設定され、実質的に次回の大当りまでの確変の継続を保証する。
【0070】
S830では、次回の遊技状態で時短に移行するか否かを判定する。時短に移行する場合(S830:yes)は、時短回数を設定し(S835)、時短フラグを1に設定し(S840)、大当り終了コマンドをサブ統合制御装置83に送信する処理(S845)を行ない、状態指定コマンドをサブ統合制御装置83に送信(S850)し、特別遊技処理を終了する。
S835で設定する時短回数は、通常大当りでは100回であるが、確変大当りにおいては10000回が設定され、実質的に次回の大当りまでの時短の継続を保証する。時短フラグを1にすると本実施例では特別図柄の平均変動時間短縮、普通図柄の平均変動時間短縮、普通電動役物の開放時間を延長する開放延長機能をセットする。時短に移行しない場合(S830:no)はS845に直行する。
【0071】
S855では、第1特別図柄及び第2特別図柄の何れかで、他方の特別図柄が変動中断中であるか否かを判定する。変動中断中でないと判定された場合には(S855:no)、特別遊技処理が終了となる。他方の特別図柄が中断中であると判定された場合には(S860:yes)、他方の特別図柄の変動中断中を解除し、変動を再開する(S860)。そして、主制御装置80はサブ統合制御装置83に対して他方の特別図柄の演出図柄の変動再開させるために、変動再開コマンドを送信する。
【0072】
図17〜
図26を用いて、第1特別図柄及び第2特別図柄の同時変動による多様な演出態様について説明する。
まず、
図17は、通常時の演出図柄表示装置6において演出図柄が同時変動されている様子を示す。
第1始動口11へ遊技球が入球すると、
図17に示すように、演出図柄表示装置6の第1表示領域96の第1左演出図柄90、第1中演出図柄91及び第1右演出図柄92の変動が開始される。また、第2始動口12へ遊技球が入球すると、第2表示表域97の第2左演出図柄93、第2中演出図柄94及び第2右演出図柄95の変動が開始される。本実施例では、第1表示領域96の演出図柄及び第2表示領域97の演出図柄は、同時変動が可能な構成となっており、第1特別図柄の平均変動時間は、第2特別図柄の平均変動時間よりも短く構成されている。なお、第1表示領域96には、演出用キャラクタ98の「熊の達吉」が表示されている。
【0073】
図18は、第1特別図柄が大当り遊技に移行する図柄が表示される前に、第2特別図柄でハズレ停止又は変動中断行うのか演出態様の一例である。
第1始動口11及び第2始動口12への遊技球の入球により、第1演出図柄及び第2演出図柄は、同時変動する。その後、遊技を進めると、第1表示領域96は、第1表示領域96の第1左演出図柄90と第1右演出図柄92が「3」で停止し、第1中演出図柄91のみが変動していることから、大当り遊技が発生しそうなリーチ状態となっている。
その際に、本実施例の第2特別図柄が
図10のS380、S400及びS415で第1図柄種別又は第2図柄種別に決定されている場合には、第2表示領域97の第2左演出図柄93、第2中演出図柄94及び第2右演出図柄95は変動停止するか、変動中断するのか遊技者の期待を煽るような演出表示が行われる。このまま、強制的にハズレ図柄で停止してしまう場合には、第2特別図柄は第2図柄種別に設定されていたことになる。また、変動中断してしまう場合には、第1図柄種別に設定されていたことになる。
【0074】
図18に示す演出態様にすることで、第2特別図柄が変動中断し、その変動が再開された場合には、大当り遊技に移行する可能性が残ることになる。しかし、第2特別図柄の変動停止し、強制的にハズレ図柄であった場合には、今回の変動での大当り遊技に移行する可能性は無くなるため、遊技者に第1表示領域96の第1左演出図柄90、第1中演出図柄91及び第1右演出図柄92が同じ数字で停止するか否かのリーチ状態を楽しませつつ、同時に、第2表示領域97の第2左演出図柄93、第2中演出図柄94及び第2右演出図柄95がハズレ図柄で変動停止するのか、変動中断するのかを期待させながら、演出を行うことができる。
【0075】
図18では、第1特別図柄及び第2特別図柄が第1図柄種別又は第2図柄種別に設定されているかによる演出態様の一例を示した。
第1実施例の演出態様の変形例の一つとして、第1特別図柄及び第2特別図柄が、第1図柄種別の大当り図柄又は、第2図柄種別の大当り図柄が設定される構成にすることで、
図18とは異なった演出態様にすることが可能となる。
例えば、第1特別図柄に基づく大当り遊技が発生した際に、第2特別図柄が第1図柄種別の大当り図柄であった場合には、一旦、第2特別図柄の変動を中断するが第1特別図柄に基づく大当り遊技終了後に、第2特別図柄の変動が再開し、大当り遊技が発生する。また、第2特別図柄が第2図柄種別の大当り図柄の変動である場合には、第2特別図柄の変動は、強制的にハズレ図柄で変動停止する。これにより、第2特別図柄に基づく大当り遊技が強制的に破棄されることになってしまう。
【0076】
このような構成にすることで、遊技者は第1特別図柄に基づく大当り遊技が発生しそうな時には、そのまま大当り遊技が発生することを願いつつ、第2特別図柄の変動が中断して第2特別図柄でも大当り遊技を発生することを強く願うことになるため、遊技者は多角的に遊技を楽しむことができる。
【0077】
図19は、第1特別図柄に基づく大当り遊技中における第2特別図柄が第1図柄種別の大当り図柄又はハズレ図柄を用いた演出態様を示す。
図19に示す本実施例の一例は、第1特別図柄及び第2特別図柄は、夫々の変動を中断する第1図柄種別の大当り図柄又はハズレ図柄が設定され、第2図柄種別の大当り図柄又はハズレ図柄も設定されている。例えば、第1特別図柄で大当り遊技が発生した場合に、第2特別図柄が第1図柄種別に設定されていた場合には、特別大当り遊技演出を行う。この特別大当り遊技演出とは、第1特別図柄に基づく大当り遊技中に、第2特別図柄の変動が中断中の場合でも、演出図柄表示装置6における第1特別図柄に基づく大当り遊技の演出による擬似的に第2左演出図柄93、第2中演出図柄94及び第2右演出図柄95の変動表示によるリーチ演出のことである。なお、
図10のS385、S405及びS420で決定される変動パターンに基づいて第2左演出図柄93、第2中演出図柄94及び第2右演出図柄95が変動されている構成とはなっておらず、中断中の第2特別図柄の第2左演出図柄93、第2中演出図柄94及び第2右演出図柄95を用いて、リーチ演出を行っている。遊技者の誤認を与えることになりかねないので、第2特別図柄の変動が中断していることを確認するために、第4図柄102が設けられている。なお、第4図柄102は、第4左演出図柄104が第1特別図柄の変動中断中であることを示すものとなっている。第4中演出図柄105は、第2特別図柄の変動中断を示すものとなっている。第4右演出図柄106が、大当り演出を示すものとなっている。なお、第4図柄102は遊技機の状態を示すものでもあるため、演出図柄によって隠れることがなく、常に状態を把握することができるようにすることが考えられる。
また、演出表示上で表示するだけでなく、センターケース5上に専用の表示装置を備えたり、遊技盤上に表示装置を備えたり、状態報知装置上に備える事が考えられる。このようすれば、常に状態を正確に把握することができるようになる。また、中断中の第2特別図柄を用いて第2左演出図柄93、第2中演出図柄94及び第2右演出図柄95を行うのではなく、第2特別図柄の擬似図柄により演出を行う構成してもよい。
【0078】
このような演出態様とすることで、第1特別図柄に基づく大当り遊技中に、中断中である第2特別図柄が第1図柄種別の大当り図柄又はハズレ図柄の場合には、特別大当り遊技の演出を開始する。これにより、遊技者は、第1特別図柄に基づく大当り遊技中であるにも係らず、第2特別図柄の擬似演出で第1特別図柄に基づく大当り遊技終了後に、第2特別図柄に基づく大当り遊技が発生するか否かを期待することができる。
【0079】
ここで第1実施例の構成・状態と、本発明の構成要件との対応関係を示す。
本発明の「第1始動口」が第1始動口11に相当し、「第2始動口」が第2始動口12に相当し、「当否判定手段」が当否判定処理(S55)に相当し、「第1特別図柄」が第1特別図柄に相当し、「第2特別図柄」が第2特別図柄に相当し、「図柄決定手段」がS230、S250、S265、S380、S400及びS415に相当し、「変動時間決定手段」がS235、S255、S270、S385、S405及びS420に相当し、「大当り遊技実行手段」が特別遊技処理に相当し、「演出表示手段」が演出図柄表示装置6に相当し、「変動制御手段」が特別図柄変動処理(S515、S605)に相当し、「第1図柄種別」が第1図柄種別に相当し、「第2図柄種別」が第2図柄種別に相当する。
[実施例2]
【0080】
本発明の第2実施例について
図20〜
図22を用いて説明する。なお、本実施例は第1実施例と共通点が多いため、異なる点を重点的に説明する。
図20が示す当処理は第2実施例の入賞確認処理(S50)のサブルーチンで、主制御装置80は、まず第1始動口スイッチ11aの検出信号に基づいて、第1始動口11に遊技球が入球したか否かを判断する(S900)。肯定判断なら(S900:yes)、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を該当の各カウンタから読み込んで、第1特別図柄の保留記憶(第1保留記憶または第1保留ともいう)が満杯(本実施例では4個)か否かを判断する(S905)。
【0081】
第1保留記憶が満杯でなければ(S905:no)、上記の各乱数を第1保留として記憶し、第1特別図柄保留数表示装置18の点灯態様を1増加させる(S910)。なお、第1特別図柄保留数表示装置18、第2特別図柄保留数表示装置19は、それぞれ4個のLEDの点灯または消灯させることにより保留記憶されている数を表すものである。また、S110では第1特別図柄の保留個数が更新されたことを示すコマンド(保留個数コマンド)をサブ統合制御装置83に送信し、S915に移行する。第1始動口11に遊技球が入球していない場合(S900:no)、又は第1保留が満杯の場合(S905:yes)は、そのままS920に移行する。
【0082】
S915の第1先読み判定処理では、第1特別図柄の保留記憶に記憶された当否判定用乱数が大当りに対応するものか否かを判定する。肯定判定の場合には、主制御装置80からサブ統合制御装置83へ、肯定判定を示す先読み判定コマンドが送信される。否定判定の場合には、主制御装置80からサブ統合制御装置83へ、ハズレ判定を示す先読み判定コマンドが送信される。S915の処理後にS920へと移行する。なお、先読み判定コマンドは、前述した保留個数コマンドと合体して1つのコマンドとして送信する構成でも良い。送信タイミングが同一であり、保留図柄で演出を行う場合は関連性も高いため好適である。
【0083】
続いて、第2始動口スイッチ12aの検出信号に基づいて、第2始動口12に遊技球が入球したか否かを判断する(S920)。肯定判断なら(S920:yes)、第2特別図柄の保留記憶(第2保留記憶または第2保留ともいう)が満杯(本実施例では4個)か否かを判断する(S925)。
【0084】
第2保留記憶が満杯でなければ(S925:no)、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を該当の各カウンタから読み込んで、上記の各乱数を第2保留として記憶し、第2特別図柄保留数表示装置18の点灯態様を1増加させる(S930)。また、S930では第1特別図柄の保留個数が更新されたことを示すコマンド(保留個数コマンド)をサブ統合制御装置83に送信し、S935に移行する。第2始動口12に遊技球が入球していない場合(S920:no)、又は第2保留が満杯の場合(S925:yes)は、そのまま終了となる。
【0085】
S935の第2先読み判定処理では、第2特別図柄の保留記憶に記憶された当否判定用乱数が大当りに対応するものか否かを判定する。肯定判定の場合には、主制御装置80からサブ統合制御装置83へ肯定判定を示す先読み判定コマンドが送信される。否定判定の場合には、主制御装置80からサブ統合制御装置83へハズレ判定を示す先読み判定コマンドが送信される。S935の処理後に終了となる。
【0086】
サブ統合制御装置83のCPUが実行する先読み演出決定処理を
図21に示す。本処理は先読み図柄指定コマンドを主制御装置80から受信すると起動(S950:yes)し、先読み演出実行処理(S955)を行なう。また、肯定判定を示す先読み判定コマンド又は、ハズレ判定を示す先読み判定コマンドを主制御装置80から受信しない場合には(S950:no)、リターンとなる。
【0087】
図22に示すのは、第1特別図柄に基づく大当り遊技中に、第2特別図柄が変動中断中であった場合における第2先読み判定処理を用いた演出態様の一例である。
本実施例の一例は、第1実施例と同様に、第1特別図柄及び第2特別図柄は同時変動する構成となっている。
図22に示すように、第1始動口11への遊技球の入球に起因して大当り遊技が発生し、第1特別図柄に基づく大当り遊技中に、第2特別図柄が、
図10のS380、S400又はS415において、変動を中断する図柄で設定されていた場合には、サブ統合制御装置83は記憶していた第2先読み判定処理(S935)の判定結果を参照する。これにより、第2保留記憶についての先読み演出を行う。具体的には、
図22の左下に表示されている第2保留記憶に対応する保留図柄107、108、109、110を用いる。なお、保留図柄108は第2先読み判定処理(S935)の判定結果から、肯定判定を示す保留図柄である場合には、
図22に示すように黒色となる構成となっている。また、ハズレ判定を示す保留図柄である場合には、白色となる構成となっている。無論、100%の精度で告知する必要はなく、図柄の種類を増やして信頼度を異ならせたり、保留図柄が更新される際に図柄が変化したり、多様な演出が考えられる。
また、変化する場合には、最初は信頼度の低い図柄で表示を開始し、更新される度に信頼度の高い(大当りの期待度の高い)図柄に変化していけば、例え信頼度の低い図柄が表示されたとしても、後に信頼度の高い図柄に変わるかもしれないという期待感が持たせることが可能となる。
その後、第2実施例のサブ統合制御装置83がS930で記憶されている第2保留記憶から大当りに対応するものである場合には、第2特別図柄が変動中断している状態ではあるが演出図柄表示装置6において、第2特別図柄に基づく大当り遊技に移行することを示唆する演出表示がされる。
【0088】
以上の遊技機によれば、第1実施例の効果を奏するだけでなく、中断中の第2特別図柄の図柄変動で大当り遊技に移行する場合や、中断中の第2特別図柄の図柄変動で大当り遊技には移行しなかったが、
図22に示すように第2保留記憶に対応する保留図柄108で大当りの保留記憶されていた変動で大当り遊技に移行する場合など、多様な大当り遊技に移行するパターンを対象とする演出表示を行うことができる。
【0089】
ここで第2実施例の構成・状態と、本発明の構成要件との対応関係を示す。
「先読み判定手段」が第1先読み判定処理(S915)及び第2先読み判定処理(S935)に相当する。
[実施例3]
【0090】
図23を用いて、第1特別図柄に基づく大当り遊技発生中に、第2特別図柄が第2図柄種別に設定されていた場合の擬似中断中演出を行う演出態様について説明する。
本実施例の一例は、第1実施例と同様に、第1特別図柄及び第2特別図柄は同時変動する構成となっている。第3実施例では、第1始動口11への遊技球の入球に起因して大当り遊技が発生し、第1特別図柄に基づく大当り遊技中に、第2特別図柄が、
図10のS380、S400又はS415において、第2図柄種別に設定されていた場合には、第2特別図柄の変動はハズレ図柄で停止するが、演出図柄表示装置6では、第2特別図柄の変動に基づく第2左演出図柄93、第2左演出図柄94及び第2左演出図柄95が変動しているかのように、擬似的な演出図柄の変動を演出表示する。
なお、主制御装置80は、サブ統合制御装置83に演出図柄表示装置6で擬似的な演出図柄の変動を開始させるために中断中演出コマンドを送信する構成も考えられる。これに伴い、主制御装置80の管理で擬似中断中演出を実施するか否かを決定することができるためである。無論、演出上のことなのでサブ統合制御装置83の実施の可否を決定する構成の方が望ましい。
これにより、第1特別図柄に基づく大当り遊技が終了するまで、第2左演出図柄93、第2左演出図柄94及び第2左演出図柄95の変動が停止しなかった場合には、
図23(b)に示すように、第2特別図柄が第1図柄種別で設定されているような演出表示を行う。また、第1特別図柄に基づく大当り遊技中に、第2左演出図柄93、第2左演出図柄94及び第2左演出図柄95の変動が停止した場合には、
図23(c)に示すように、第2特別図柄は第2図柄種別に設定されていた演出表示を行う。
【0091】
以上の遊技機によれば、演出図柄表示装置6の擬似的な第2左演出図柄93、第2左演出図柄94及び第2左演出図柄95の中断中の演出表示を行うことで、遊技者に第2特別図柄が第1図柄種別に設定されている可能性があることを期待させることができる。これに伴い、第1特別図柄の大当り遊技終了後に、第2特別図柄に基づく大当り遊技に移行するのではないかという期待感を持たせることができる。
[実施例4]
【0092】
本発明の第4実施例について
図24を用いて説明する。
第1実施例と同様に、第1特別図柄及び第2特別図柄は同時変動する構成となっている。第1始動口11への遊技球に入球すると、第1表示領域96の第1左演出図柄90、第1中演出図柄91及び第1右演出図柄92が変動し、第2始動口12への遊技球に入球すると、第2表示領域97の第1左演出図柄93、第1中演出図柄94及び第1右演出図柄95が変動する。第4実施例では、第1特別図柄が、
図8のS230、S250又はS265において、第1図柄種別又は第2図柄種別のいずれかに設定されている。第2特別図柄は、
図10のS380、S4000又はS415において、第1図柄種別又は第2図柄種別のいずれかに設定されている。なお、主制御装置80からサブ統合制御装置83に対して、第1特別図柄及び第2特別図柄が変動停止する図柄又は、変動中断する図柄のいずれに該当するかを示す変動図柄コマンドが送信されている。サブ統合制御装置83は、主制御装置80からの変動図柄コマンドに基づいて、演出図柄表示装置6の第1表示領域96及び第2表示領域97に、第1図柄種別又は第2図柄種別であることを識別可能とする第1識別表示112と第2識別表示113を表示する構成となっている。なお、S910に記憶された第1特別図柄及び第2特別図柄が第1図柄種別で設定されていた場合には、第1識別表示112又は、第2識別表示113がAとなっており、第2図柄種別である場合には第1識別表示112又は第2識別表示113がBとなっている。なお、本実施例では変動図柄コマンドにて種別の指定をする構成で示したが、図柄指定コマンドでも考えられる。
図柄指定コマンドならば、変動図柄コマンドと同様のタイミングでサブ統合制御装置83に指示ができ、遊技機の設計上、変動図柄コマンドより図柄指定コマンドの方が、数が少ないようならば図柄指定コマンドにて種別の情報も送ったほうが、それだけ情報量を抑えることができる。どちらの方が、数が少ないかで選択決定すればよい。
【0093】
以上の遊技機によれば、第1特別図柄及び第2特別図柄が、第1図柄種別又は第1図柄種別に設定されているかを識別可能とする演出表示は、第1識別表示112と第2識別表示113となっている。これにより、遊技者は第1特別図柄及び第2特別図柄が変動中の際に、第1図柄種別又は第2図柄種別に設定されているかを把握しながら、第1特別図柄及び第2特別図柄の図柄変動の成り行きを楽しむことができる。
【0094】
ここで第1実施例の構成・状態と、本発明の構成要件との対応関係を示す。
本発明の本発明の「第1始動口」が第1始動口11に相当し、「第2始動口」が第2始動口12に相当し、「当否判定手段」が当否判定処理(S55)に相当し、「第1特別図柄」が第1特別図柄に相当し、「第2特別図柄」が第2特別図柄に相当し、「図柄決定手段」がS230、S250、S265、S380、S400及びS415に相当し、「変動時間決定手段」がS235、S255、S270、S385、S405及びS420に相当し、「大当り遊技実行手段」が特別遊技処理に相当し、「演出表示手段」が演出図柄表示装置6に相当し、「変動制御手段」が特別図柄変動処理(S515、S605)に相当し、「第1図柄種別」が第1図柄種別に相当し、「第2図柄種別」が第2図柄種別に相当する。
[実施例5]
【0095】
本発明の第5実施例について
図25〜
図27を用いて説明する。なお、本実施例は第1実施例、第2実施例及び第4実施例と共通点が多いため、異なる点を重点的に説明する。
第5実施例の始動入賞確認処理(S50)の概要は、第2実施例の始動入賞確認処理(S50)と共通点が多いため、相違点である第1先読み判定処理(S915)及び第2先読み判定処理(S935)について説明する。
【0096】
第5実施例の第1先読み判定処理(S915)の概要を
図25に示す。
まず、S910で記憶された第1特別図柄が、変動中断図柄(第1図柄種別)であるか否かを判定する(S1000)。肯定判断の場合には(S1000:yes)、主制御装置80からサブ統合制御装置83へ先読み中断図柄指定コマンドの送信処理を行う(S1005)。否定判断の場合には(S1000:no)、主制御装置80からサブ統合制御装置83へ先読み停止図柄指定コマンドの送信処理を行う(S1010)。なお、本実施例の先読み中断図柄指定コマンドは、第1図柄種別を示す先読み判定コマンドという別の表現を使用してもよい。また、先読み停止図柄指定コマンドは、第2図柄種別を示す先読み判定コマンドという別の表現を使用してもよい。
【0097】
第5実施例の第2先読み判定処理(S935)の概要を
図26に示す。
まず、S930で記憶された第2特別図柄が、変動中断図柄(第1図柄種別)であるか否かを判定する(S1050)。肯定判断の場合には(S1050:yes)、主制御装置80からサブ統合制御装置83へ先読み中断図柄指定コマンドの送信処理を行う(S1055)。否定判断の場合には(S1050:no)、主制御装置80からサブ統合制御装置83へ先読み停止図柄指定コマンドの送信処理を行う(S1060)。
【0098】
第5実施例において、
図21に示すサブ統合制御装置83のCPUが実行する先読み演出決定処理において、先読み中断図柄指定コマンド又は先読み停止図柄指定コマンドを主制御装置80から受信すると起動(S950:yes)し、先読み演出実行処理(S955)を行なう。また、先読み中断図柄指定コマンド又は先読み停止図柄指定コマンドを主制御装置80から受信しない場合には(S950:no)、リターンとなる。
【0099】
図27は、第1特別図柄と第2特別図柄の保留記憶に係る先読み判定内容を参照して、第1図柄種別第2図柄種別による図柄変動かを、事前に示唆する演出態様の一例である。
第1始動口11への遊技球に入球すると、第1表示領域96の第1左演出図柄90、第1中演出図柄91及び第1右演出図柄92が変動し、第2始動口12への遊技球に入球すると、第2表示領域97の第1左演出図柄93、第1中演出図柄94及び第1右演出図柄95が変動する。第1特別図柄の第1保留記憶に対応する保留図柄が
図27の第1表示領域96の右上に位置している。左から保留図柄114、115、116、117が並んでいる。また、第2特別図柄の第2保留記憶に対応する保留図柄が
図27の第2表示領域96の右下に位置している。左から保留図柄107、108、109、110が並んでいる。なお、第1表示領域96及び第2表示領域97の保留図柄は、S910に記憶された第1特別図柄及び第2特別図柄が第1図柄種別である場合には、保留図柄Aを表示し、第2図柄種別である場合には保留図柄Bを表示する構成となっている。また、あえて保留図柄に保留図柄A及び保留図柄Bを表示しない構成であってもよい。この場合、保留図柄が更新される際に、保留図柄A又は保留図柄Bに変化する構成としてもよい。また、先読み判定コマンド以外にも、保留記憶指定コマンドで指定することが考えられる。
保留記憶指定コマンドならば、上記先読み判定コマンドと同様の送信タイミングであるから同様の用い方が可能になる。しかし、先読み判定コマンドの場合、機種によっては特定の遊技状態時に先読み判定コマンドを送信できない構成もあるため(特1,特2(普電に設けられる)の構成で特2が優先変動する機種の場合、普電の開放延長機能が作動している時は特1の先読み判定内容をサブ統合制御装置83に送信することは禁止している。遊技者の遊技内容に変化を与える可能性があり、遊技の結果に影響を与えるためである。)、そのような場合、種別情報を送ることができなくなる恐れがあるため、保留記憶指定コマンドで送るほうが全ての状態で遅れる利点がある。状態によって先読み判定コマンド、保留記憶指定コマンドを使い分ける構成も考えられる。
【0100】
以上の遊技機によれば、
図25の第1先読み判定処理及び
図26の第2先読み判定処理により、第1特別図柄及び第2特別図柄の保留記憶に対応する保留図柄から第1図柄種別又は第2図柄種別であることを事前に示唆することができる。これにより、例えば、遊技者が、第1特別図柄及び第2特別図柄に基づく大当り遊技が移行するか否かの場合において、事前に第1図柄種別か、第2図柄種別かを把握することができるため、変動が中断する図柄であった時には、大当り遊技が移行することに期待することができる。
【0101】
ここで第5実施例の構成・状態と、本発明の構成要件との対応関係を示す。
「先読み判定手段」が第1先読み判定処理(S915)及び第2先読み判定処理(S935)に相当する。