(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記リモコン制御部は、前記リモコン送信部が前記リモコン記憶部に記憶されている前記送信強度で前記指令信号を送信したにも関わらず、前記リモコン受信部が前記本体からの前記受信完了信号を受信しない場合、前記リモコン送信部が送信する前記指令信号の送信強度を前記送信強度から徐々に強めるように制御し、前記リモコン受信部が前記本体からの前記受信完了信号を再度受信した時点の送信強度に、前記送信強度を更新することを特徴とする請求項1又は2記載の無線通信システム。
前記リモコン送信部が最も強い送信強度で前記指令信号を送信したにも関わらず、前記リモコン受信部が前記本体からの前記受信完了信号を受信しない場合、前記リモコン制御部は、前記リモコン記憶部にて最も弱い送信強度を前記送信強度情報として記憶させ、次回の前記リモコン送信部が送信する指令信号の送信強度を前記リモコン記憶部に記憶された前記送信強度情報の送信強度とすることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の無線通信システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、リモコンと本体との間での一対一の通信を可能とするためには、リモコンへのID番号の付与、登録モードへの切り替え、またID番号情報を本体に登録するといった一連の作業が必要であり、作業が煩雑なものとなっていた。
【0006】
本発明は前記事情に鑑みて為されたものであり、その目的は、煩雑な作業を必要とせず、リモコンと所定の本体との一対一の通信を行うことを可能とする無線通信システム及びそれを備えたトイレ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の態様の1つは、本体とリモコンを備え、前記本体と前記リモコンの間で無線信号を送受信する無線通信システムであって、 前記リモコンは、指令信号を送信するリモコン送信部と、前記リモコン送信部が送信した前記指令信号に応じて前記本体から送信されてきた受信完了信号を受信するリモコン受信部と、前記リモコン送信部と前記リモコン受信部との動作を制御し、前記指令信号の送信強度を設定するリモコン制御部と、前記指令信号の送信強度を記憶するリモコン記憶部と、を備え、前記本体は、前記指令信号を受信する本体受信部と、前記本体受信部が前記指令信号を受信すると前記受信完了信号を前記リモコンへ送信する本体送信部と、前記本体送信部と前記本体受信部との動作を制御する本体制御部と、を備え、前記リモコン制御部は、前記指令信号の送信強度を最も弱い強度から徐々に強めるように制御し、前記受信完了信号を受信した時点の送信強度を、前記リモコン記憶部にて送信強度情報として記憶させ、次回の前記リモコン送信部が送信する指令信号の送信強度を前記リモコン記憶部に記憶された送信強度情報の送信強度
とし、更に、前記本体制御部は、前記本体受信部が受信した前記指令信号の受信強度が所定の閾値より上であるか否かによって設定される適正強度情報を前記本体送信部から前記リモコン受信部に送信し、前記リモコン制御部は、前記リモコン受信部が受信した前記適正強度情報が、前記閾値より上であったことを示している場合、前記リモコン記憶部にて最も弱い送信強度を前記送信強度情報として記憶させ、次回の前記リモコン送信部が送信する指令信号の送信強度を前記リモコン記憶部に記憶された前記送信強度情報の送信強度とすることを特徴とする無線通信システムである。
【0008】
このように構成された発明においては、指令信号を送信するリモコン送信部の通信強度を最初は、最も弱い強度から徐々に強くなるように制御することで、まずは、リモコンと距離が一番近くの本体の本体受信部に指令信号が受信される。その本体が指令信号を受信すると、本体送信部から受信完了信号が送信される。そして、リモコンはリモコン受信部にて受信完了信号を受信する。この受信完了信号を受信した時点の指令信号の送信強度をリモコン制御部が記憶することで、リモコンとそのリモコンに一番近い本体との通信が可能な送信強度に設定され、一対一で通信できる。よって、その本体よりも遠い位置にある他の本体が指令信号を受信し誤動作することを防ぐことができる。また、使用者は、リモコンの操作を行うだけで、リモコンに一番近い本体に動作を行わせることができるので、登録モードへの切り替え作業等の煩わしさを感じることがない。
また、このように構成された発明においては、受信強度が閾値を超える場合は、次回の送信強度を最も弱い強度にて送信する。従って、閾値を適正に設定すれば、無駄な送信強度で指令信号を送信することを防ぐことができ、消費エネルギーの低下となる。
【0009】
また、本発明の選択的な態様においては、前記リモコン送信部は、前記リモコン記憶部に記憶された前記指令信号の送信強度情報を前記指令信号に加えて送信し、前記本体制御部は、前記送信強度情報に基づき前記受信完了信号の送信強度を、前記指令信号の送信強度とすることを特徴とする無線通信システムである。
【0010】
このように構成された発明においては、距離に応じた適当な送信強度にて受信完了信号を送信できるので消費エネルギーを無駄にしない。
【0013】
また、本発明の選択的な態様においては、前記リモコン制御部は、前記リモコン送信部が前記リモコン記憶部に記憶されている前記送信強度で前記指令信号を送信したにも関わらず、前記リモコン受信部が前記本体からの前記受信完了信号を受信しない場合、前記リモコン送信部が送信する前記指令信号の送信強度を前記送信強度から徐々に強めるように制御し、前記リモコン受信部が前記本体からの前記受信完了信号を再度受信した時点の送信強度に、前記送信強度を更新することを特徴とする無線通信システムである。
【0014】
このように構成された発明においては、リモコンから指令信号が送信されたにも関わらず、本体から受信完了信号が送信されない場合、リモコンと本体との距離の位置関係が遠くなって指令信号が届かない範囲にあるので、再度その距離に応じた適切な送信強度を設定し直す必要がある。リモコン制御部は、送信強度を今記憶している送信強度から徐々に強めるように制御し、再度受信完了信号を受信した時点の送信強度にリモコン記憶部にて記憶されている送信強度を更新することで、信号の送信強度が本体とリモコンの距離に対応した適切な送信強度に再度設定されるので、次回からの通信はリモコンと、一番近くの本体とにおいて距離に応じた送信強度にて通信ができ、その本体よりも遠い位置にある他の本体が指令信号を受信し誤動作することを防ぐことができる。
【0015】
また、本発明の選択的な態様においては、前記本体は、人体検知手段を有し、前記人体検知手段が使用者を検知した場合において、前記本体制御部は、前記本体受信部を作動させることを特徴とする無線通信システムである。
【0016】
このように構成された発明においては、使用者がいないときに、本体はリモコンからの指令信号を受信することがないので、他のブースに設置されたリモコンの指令信号による本体の誤動作を防ぐことができる。
【0017】
また、本発明の選択的な態様においては、前記リモコン送信部が最も強い送信強度で前記指令信号を送信したにも関わらず、前記リモコン受信部が前記本体からの前記受信完了信号を受信しない場合、前記リモコン制御部は、前記リモコン記憶部にて最も弱い送信強度を前記送信強度情報として記憶させ、次回の前記リモコン送信部が送信する指令信号の送信強度を前記リモコン記憶部に記憶された前記送信強度情報の送信強度とすることを特徴とする無線通信システムである。
【0018】
このように構成された発明においては、リモコンが最も強い送信強度にて送信したにも関わらず、指令信号が本体に届いていない場合は、送信強度を最も弱く設定することで、指令信号が送信可能な範囲に通信可能な本体が無い場合に、リモコンが操作されてリモコン送信部から指令信号を送信したとしても、その送信動作によって消費される電力を最小限に止めることができる。
【0019】
また、本発明のトイレ装置は、上述した無線通信システムを備えていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0020】
本発明の無線通信システムによれば、煩雑な作業を必要とせず、リモコンと所定の本体との一対一の通信を行うことが可能な無線通信システムを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0023】
図1に示すように、トイレ室10内には、衛生洗浄装置1とリモコン20とを含むトイレ装置が設置されている。またトイレ室10内には、トイレ室10内の手前側に手洗い場11が設置されている。衛生洗浄装置1は、トイレ室10内の奥側の床面上に、リモコン20は、衛生洗浄装置1横のトイレ室10壁面に設置されている。
【0024】
衛生洗浄装置1は、陶器からなる便器2と、合成樹脂などからなるケーシング3、便座4および便蓋5と、から構成されている。
【0025】
ケーシング3は、便器2の後方上面に設けられ、ケーシング3には、局部洗浄用のノズル装置(図示略)、局部乾燥装置(図示略)、制御装置(図示略)、人体検知手段38(図示略)などの電装品が内蔵されている。また、便座4および便蓋5は、ケーシング3に設けられた便座回動軸および便蓋回動軸によりケーシング3の上部に軸支されている。便座4は、便器2のボウル部の上縁部に当接した状態と、当該ボウル部の上縁部から略100°程度開いた状態との間で回動可能である。便蓋5は、便器2のボウル部の上縁部に当接した状態の便座4を覆う状態と、ボウル部の上縁部から略100°程度開いた状態との間で回動可能である。
【0026】
リモコン20は、衛生洗浄装置1横のトイレ室10の壁面(左右いずれかの壁面)で、便座4に座った使用者の肩の高さ付近の位置に着脱自在に設置されている。これにより、使用者(以下「人」ともいう)が便座4に座った状態、もしくは使用者が衛生洗浄装置1の前に立った状態で操作することができ、かつ邪魔にならない位置にリモコン20が設置される。リモコン20には、使用者により操作される複数の操作ボタン21が備えられている。複数の操作ボタン21は、例えば、大洗浄、小洗浄、肛門洗浄、ビデ洗浄、温風乾燥の機能の他、便座4、便蓋5の開閉などの様々な動作を本体に行わせるためのものである。使用者がこれらの操作ボタン21を操作することで、リモコン20は操作された操作ボタン21に対応付けられた動作を指令する指令信号S1を衛生洗浄装置1に送信し、指令信号S1を受信した衛生洗浄装置1は、操作された操作ボタン21に対応する動作を実行する。本実施形態では、リモコン20の電源は一例として電池を使用しており、操作ボタン21の指令信号S1を電波若しくは赤外線などによる無線通信により衛生洗浄装置1へ送信する。
【0027】
次に
図2に示す無線通信システムの構成について説明する。本体である衛生洗浄装置1のケーシング3の内部には、リモコン20の指令信号S1を受信して、指令信号S1に基づいた所定の動作を行う本体側通信システム30が内蔵されている。本体側通信システム30は、本体受信部32と、本体送信部34と、本体制御部36とによって構成される。本体受信部32は、リモコン20からの指令信号S1を受信し、受信した指令信号S1の受信強度を判別する。本体送信部34は、本体受信部32が指令信号S1を受信すると受信完了信号S2をリモコン20へ送信する。本体制御部36は、本体送信部34と本体受信部32との動作を制御する。本体制御部36は、後述する送信強度情報D1と同じ送信強度にて受信完了信号S2を本体送信部34から送信させる。更に、本体制御部36は、指令信号S1の受信強度が所定の受信強度の閾値を越えるか又は閾値以下かを判断し、受信強度が閾値より上であれば、「過剰強度」として、一方、受信強度が閾値以下であれば「適正強度」として、適正強度情報D2に設定する。本体制御部36は、「過剰強度」か「適正強度」のどちらか一方が設定された適正強度情報D2を受信完了信号S2に加えて、本体送信部34からリモコン送信部42に送信する。
【0028】
一般的に、例えば、電波などの無線信号の受信強度は、所定の送信強度でリモコンから指令信号が送信されると、受信する本体の距離が遠い程、受信強度は弱くなる。
【0029】
加えて、本体制御部36は、トイレ室10内にいる使用者を検知する人体検知手段38と電気的に接続され、人体検知手段38の出力する人体検知出力に基づいてトイレ室10内の使用者の有無を知ることができる。
【0030】
リモコン20の内部には、使用者によって操作ボタン21が操作されたときに、その操作ボタン21に基づく指令信号S1を衛生洗浄装置1に送信するリモコン側通信システム40が内蔵されている。リモコン側通信システム40は、リモコン送信部42と、リモコン受信部44と、リモコン制御部46と、リモコン記憶部48とで構成されている。
【0031】
リモコン制御部46は、リモコン送信部42とリモコン受信部44との動作を制御し、指令信号S1の送信強度を設定する。リモコン制御部46は、リモコン送信部42から送信される指令信号S1の送信強度を5段階に制御できる。強度1は信号が届く距離の範囲が一番狭く、強度5が一番広い。最大送信強度である強度5は、トイレ室10内に指令信号S1が届く範囲程度に設定されている。なお、送信強度の最大範囲と最小範囲は、トイレ室10の広さなどによって適宜設定される。また、送信強度は、5段階ではなく設計者の任意の段階に設定してよい。
【0032】
また、リモコン制御部46は、リモコン送信部42が最も強い送信強度(強度5)で指令信号S1を送信したにも関わらず、リモコン受信部44が衛生洗浄装置1からの受信完了信号S2を受信しない場合、リモコン記憶部48にて最も弱い送信強度(強度1)を送信強度情報D1として記憶させ、次回のリモコン送信部42が送信する指令信号S1の送信強度をリモコン記憶部48に記憶された送信強度情報D1の送信強度とする
【0033】
また、リモコン制御部46は、受信完了信号S2に加えて送信された適正強度情報D2が閾値より上であれば、リモコン記憶部48に記憶された送信強度情報を最も弱い強度に記憶する。
【0034】
リモコン送信部42は、使用者の操作に基づく指令信号S1を本体受信部32に送信する。この指令信号S1には、リモコン記憶部48に記憶された送信強度情報D1も含まれている。
【0035】
リモコン受信部44は、リモコン送信部42が送信した指令信号S1に応じて本体送信部34から送信されてきた受信完了信号S2を受信する。リモコン受信部44が受信完了信号S2を受信した場合、リモコン制御部46は、指令信号S1を送信したときの送信強度にて指令信号S1が到達する範囲内に衛生洗浄装置1があると判断し、また、リモコン受信部44が受信完了信号S2を受信しない場合、リモコン制御部46は、指令信号S1を送信したときの送信強度にて指令信号S1が到達する範囲内に衛生洗浄装置1がないと判断する。
【0036】
リモコン記憶部48は、指令信号S1の送信強度を示す送信強度情報D1を記憶する。リモコン制御部46は、リモコン記憶部48が記憶している送信強度情報D1を参照して、リモコン送信部42が送信する指令信号S1を送信強度情報D1に応じた送信強度に制御する。また、リモコン制御部46は、リモコン受信部44が受信する受信完了信号S2に加えられた適正強度情報D2に応じて、リモコン記憶部48が記憶する送信強度情報D1を修正する。
【0037】
次に
図3に示す本発明の一実施形態におけるリモコン制御部46の制御フローについて説明する。同図に示す制御フローは、リモコン20に電池等から電源が供給され、リモコン20が起動するとスタートする。
【0038】
まず、リモコン制御部46は、使用者によって操作ボタン21が操作されたかどうかを判断する(S10)。操作ボタン21が操作されていない場合(S10:N)、操作されるまでS10を実行する。操作ボタン21が操作された場合(S10:Y)、リモコン制御部46は、リモコン20の初期設定が済んでいるか否かを判断する(S12)。
【0039】
なお、本実施形態において、初期設定とは、送信強度情報D1が記憶されていないリモコン記憶部48に送信強度情報D1を記憶させることである。例えば、工場出荷時のリモコン記憶部48には、送信強度情報D1が記憶されておらず、初期設定は済んでいない状態である。
【0040】
リモコン20の初期設定が未完了の場合は(S12:N)、後述するリモコン初期設定処理の制御フローに進む(S14)。一方、初期設定済のリモコン20、つまりリモコン記憶部48に送信強度情報D1が記憶されていると(S12:Y)、後述するリモコン通常処理の制御フローに進む(S16)。
【0041】
次に
図4を用いてS14のリモコン初期設定の制御フローを説明する。このリモコン初期設定処理の制御フローもリモコン制御部46が実行する。
【0042】
まず、リモコン制御部46は、一番強度の弱い最弱送信強度である強度1を送信強度情報D1としてリモコン記憶部48に記憶させる(S18)。次に、リモコン制御部46は、リモコン記憶部48に記憶されている送信強度情報D1を指令信号S1に加え、かつ、リモコン送信部42から指令信号S1をリモコン記憶部48に記憶されている送信強度情報D1に基づいた送信強度で送信させる(S20)。
【0043】
次に、リモコン制御部46は、衛生洗浄装置1の本体送信部34から送信される受信完了信号S2をリモコン受信部44にて受信したかどうかを判断する(S22)。
【0044】
リモコン受信部44が受信完了信号S2を受信している場合は(S22:Y)、リモコン制御部46は、受信した時点の送信強度を送信強度情報D1としてリモコン記憶部48に記憶させる(S24)。すなわち、リモコン制御部46は、その送信強度情報D1が示す送信強度が、衛生洗浄装置1との通信に最適な強度と判断する。これにより、リモコン制御部46は、次回の指令信号S1の送信強度を送信強度情報D1に基づいて設定することになる。
【0045】
一方、リモコン受信部44が受信完了信号S2を受信していない場合は(S22:N)、リモコン制御部46は、所定時間、例えば10msec経過したかどうかを判断する(S26)。所定時間が経過していなければ(S26:N)、リモコン制御部46は、前回送信した指令信号S1の送信強度にて再度指令信号S1を送信するため、S20に戻る。つまり、リモコン制御部46は、再度、指令信号S1を送信させる。このように所定時間を設定し、指令信号S1を複数回送信することで、衛生洗浄装置1が指令信号S1を確実に受信できるようにしている。なお、リモコン制御部46は、リモコン20と衛生洗浄装置1との通信のタイムラグを考慮して、リモコン送信部42から指令信号S1が送信されて、つまりS20が実行されて、本体受信部32が指令信号S1を受信してから、本体送信部34が受信完了信号S2を送信するまでの間待機し、S22を実行する。後述するS42の処理も同様である。
【0046】
所定時間が経過した場合(S26:Y)、リモコン制御部46は、送信強度が一番強いかどうかを判断する。本実施例では送信強度が強度5かどうかを判断する(S28)。
【0047】
送信強度が一番強い場合は(S28:Y)、リモコン制御部46は、一番強い強度であっても受信完了信号S2がリモコン受信部44にて受信されないので、指令信号S1が届く範囲に衛生洗浄装置1が存在しないと判断し、リモコン記憶部48に最弱である送信強度の強度1を送信強度情報D1として記憶させる。(S30)。これにより、通信可能な衛生洗浄装置1が無い場合に、仮にリモコン20が操作されてリモコン送信部42から指令信号S1を送信したとしても、その送信動作によって消費される電力を最小限に止めることができる。
【0048】
送信強度が一番強い設定でない場合は(S28:N)、リモコン制御部46は、リモコン記憶部48にて記憶された送信強度では、衛生洗浄装置1に指令信号S1を届かせることができないと判断し、リモコン記憶部48の記憶された送信強度から強度を1段階上げて送信強度情報D1を更新し(S32)、リモコン記憶部48の記憶された送信強度から強度を1段階上げて指令信号S1を送信させるため、処理をS20に戻す。
【0049】
リモコン制御部46が上記のように制御フローを処理することで、指令信号S1の送信強度を最も弱い強度から徐々に強めるように制御し、受信完了信号S2を受信した時点の送信強度をリモコン記憶部48にて送信強度情報D1として記憶し、次回の指令信号S1の送信強度を送信強度情報D1とすることができる。具体的には、S18にてリモコン記憶部48に記憶された強度1の指令信号S1を所定時間複数回送信する間に、リモコン受信部44にて受信完了信号S2の受信が無ければ、次は送信強度を強度2に上げて、指令信号S1を所定時間複数回送信する。強度2にて指令信号S1を送信しても、リモコン受信部44にて受信完了信号S2の受信が無ければ、強度3に上げて指令信号S1を所定時間複数回送信する。徐々に送信強度を強度1から強度5まで上げていき、強度5の指令信号S1においても、リモコン受信部44にて受信完了信号S2の受信が無ければ、リモコン制御部46は、リモコン20の送信範囲内に衛生洗浄装置1は、存在しないと判断し、リモコン記憶部48に強度1を記憶させる。リモコン受信部44が強度3にて受信完了信号S2を受信した場合は、その時点の送信強度である強度3を送信強度情報D1としてリモコン記憶部48が記憶する。このように送信強度を設定することで、リモコン20とリモコン20に一番近い衛生洗浄装置1との通信が可能な送信強度に設定され、リモコン20と衛生洗浄装置1は、一対一で通信できる。よって、一番近い衛生洗浄装置1よりも遠い位置にある他の衛生洗浄装置1には、指令信号S1が届かないので、指令信号S1を他の衛生洗浄装置1が受信し、誤動作することを防ぐことができる。また、指令信号S1の送信強度が最適化されるので、送信に係る省電力が実現される。
【0050】
次に
図5を用いてリモコン通常処理の制御フローを説明する。使用者によって、操作ボタン21が押され、リモコン記憶部48に送信強度が記憶されていたら、リモコン通常処理の制御フローが開始される。このようなリモコン通常処理の制御フローは、リモコン制御部46により行われる。
【0051】
まず、リモコン制御部46は、リモコン記憶部48に記憶されている送信強度情報D1を指令信号S1に加えて、かつ、リモコン送信部42から指令信号S1をリモコン記憶部48に記憶されている送信強度情報D1に基づいた送信強度で送信させる(S40)。次に、リモコン制御部46は、衛生洗浄装置1の本体送信部34から送信される受信完了信号S2をリモコン受信部44にて受信したかどうかを判断する(S42)。
【0052】
リモコン制御部46は、リモコン受信部44が受信完了信号S2を受信している場合は(S42:Y)、受信完了信号S2に加えられた適正強度情報D2を確認し(S45)、指令信号S1の受信強度が閾値より上であることを示す「過剰強度」であれば(S45:Y)、リモコン制御部46は、リモコン20と衛生洗浄装置1との間の送信強度が最適でない判断し、送信強度を強度1に更新し処理を終了する(S48)。適正な受信強度に閾値を設定した場合、指令信号S1の送信強度が、過剰であることがわかり、送信強度を最弱とすることで、過剰な送信強度で、指令信号S1を送信し続けることを防止できる。
【0053】
一方、閾値以下であれば(S45:N)、リモコン受信部44が指令信号S1を受信した時点の送信強度を送信強度情報D1としてリモコン記憶部48に記憶させる(S43)。
【0054】
一方、リモコン制御部46は、リモコン受信部44が受信完了信号S2を受信していない場合は(S42:N)、所定時間が経過したかどうかを判断する(S44)。
【0055】
所定時間が経過していなければ(S44:N)、リモコン制御部46は、処理をS40に戻す。所定時間を設定し経過するまでの間、繰り返しS40を実行する。このように、指令信号S1を所定時間複数回送信することで、衛生洗浄装置1が指令信号S1をより確実に受信できるようにしている。一方、所定時間が経過した場合は(S44:Y)、送信強度情報D1に送信強度が設定された指令信号S1の届く範囲に衛生洗浄装置1がないと判断して、S46に進む。
【0056】
S46において、リモコン制御部46は、送信強度が一番強いかどうかを判断する(S46)。本実施例のようにリモコン送信部42から送信される指令信号S1の送信強度が5段階で制御できる場合は、送信強度が強度5か否かを判断する。
【0057】
送信強度が一番強い場合は(S46:Y)、リモコン制御部46は、一番強い強度においても、指令信号S1を送信できる範囲に衛生洗浄装置1が存在しないと判断し、送信強度を強度1に更新し処理を終了する(S48)。これにより、通信可能な衛生洗浄装置1が無い場合に、仮にリモコン20が操作されてリモコン送信部42から指令信号S1を送信したとしても、その送信動作によって消費される電力を最小限に止めることができる。
【0058】
一方、送信強度が強度4以下の場合は(S46:N)、リモコン制御部46は、リモコン記憶部48にて記憶された送信強度では、衛生洗浄装置1に指令信号S1を届かせることができないと判断し、リモコン記憶部48にて記憶された送信強度から1段階上げて更新し(S50)、処理をS40に戻す。
【0059】
リモコン20の初期設定処理フローが終わり、所定の衛生洗浄装置1と通信が可能となったリモコン20において、リモコン記憶部48に記憶された送信強度にて指令信号S1を送信しても衛生洗浄装置1から受信完了信号S2が送信されない場合、リモコン20と衛生洗浄装置1との位置関係がリモコン20の初期設定時より遠くなり指令信号S1が届かない場所であると考えられる。そのため、再度その位置関係に応じた適切な送信強度をリモコン記憶部48に設定し直す必要がある。
【0060】
リモコン制御部46がリモコン通常処理の制御フローを行うことで、リモコン初期設定フローにおいてリモコン記憶部48に記憶された送信強度情報D1の示す送信強度から、リモコン送信部42が送信する指令信号S1の送信強度を徐々に強めるように制御し、リモコン受信部44が衛生洗浄装置1からの受信完了信号S2を再度受信した時点の送信強度に更新することができる。従って、リモコン20の初期設定処理が終わった後に、リモコン20と衛生洗浄装置1との距離が遠くなっても、指令信号S1の送信強度が衛生洗浄装置1とリモコン20の距離に対応した適切な送信強度に再度設定され通信でき、その衛生洗浄装置1よりも遠い位置にある他の衛生洗浄装置1が指令信号S1を受信し誤動作することを防ぐことができる。また、指令信号S1の送信強度が最適化されるので、送信に係る省電力が実現される。
【0061】
次に
図6を用いて本発明の一実施形態における衛生洗浄装置1の制御フローについて説明する。衛生洗浄装置1に外部電源等から電源が供給され、衛生洗浄装置1が起動すると制御フローがスタートする。まず、本体制御部36は、本体受信部32が、指令信号S1を受信したかどうかを判断する(S62)。指令信号S1の受信が無い場合は(S62:N)、処理はS62に戻る。指令信号S1の受信が有った場合(S62:Y)、本体制御部36は、受信完了信号S2を、本体送信部34から送信させる。(S64)。このような衛生洗浄装置1の制御フローは、本体制御部36により行われる。
【0062】
次に
図7を用いて本発明の他の実施形態における衛生洗浄装置1の制御フローについて説明する。
図6と同様に、衛生洗浄装置1に外部電源等から電源が供給され、衛生洗浄装置1が起動すると制御フローがスタートする。まず、本体制御部36は、本体受信部32の受信強度の閾値を設定する(S70)。実施例では、受信強度の閾値を強度1に設定する。受信強度1は衛生洗浄装置1が指令信号S1を受信可能な最も弱い受信強度である。なお、受信強度の閾値は、トイレ室10の広さなどに基づき、使用者によって適宜設定される。
【0063】
次に、本体制御部36は、衛生洗浄装置1に内蔵される人体検知手段38によって使用者がトイレ室10内にいるかどうかを判断する(S71)。使用者がトイレ室10内にいない場合(S71:N)、本体制御部36は処理をS71に戻す。使用者がトイレ室10内にいる場合(S71:Y)、つまり人体検知手段38による人体感知が有った場合、本体受信部32を作動させ、指令信号S1を本体受信部32にて受信したかどうかを判断する(S72)。つまり、このS71における人体感知の有無の判断は、衛生洗浄装置1の作動状態において人体検知手段38により常時行われている。指令信号S1の受信が無い場合は(S72:N)、処理をS71に戻す。指令信号S1の受信が有った場合(S72:Y)、本体制御部36は、指令信号S1の受信強度が閾値より上であるか否かを判断する(S73)。本体制御部36は、受信強度が閾値より上である場合(S73:Y)、適正強度情報D2に「過剰強度」という情報を設定する(S74)。一方、受信強度が閾値以下である場合(S73:N)、適正強度情報D2に「適正強度」という情報を設定する(S76)。そして、本体制御部36は、適正強度情報D2を受信完了信号S2に加えて、本体送信部34からリモコン受信部44へ受信完了信号S2を送信する。(S78)
【0064】
人体検知手段38が使用者を検知している時のみ本体受信部32を作動させることで、使用者がいないときに、本体である衛生洗浄装置1はリモコン20からの指令信号S1を受信することがないので、他のブースに設置されたリモコンの指令信号による衛生洗浄装置1の誤動作を防ぐことができる。また指令信号S1が届く範囲における最適な送信強度と受信完了信号S2を同じ送信強度とすることで、本体制御部36は、本体送信部34から受信完了信号S2を最低限の消費エネルギーにて送信させることができるので、エネルギーを節約できる。
【0065】
以上本発明の実施形態を詳述したがこれはあくまで一例示であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。