特許第6349734号(P6349734)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6349734品質管理装置、品質管理方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6349734
(24)【登録日】2018年6月15日
(45)【発行日】2018年7月4日
(54)【発明の名称】品質管理装置、品質管理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/34 20060101AFI20180625BHJP
【FI】
   H05K3/34 512A
【請求項の数】17
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2014-4106(P2014-4106)
(22)【出願日】2014年1月14日
(65)【公開番号】特開2015-133406(P2015-133406A)
(43)【公開日】2015年7月23日
【審査請求日】2016年12月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085006
【弁理士】
【氏名又は名称】世良 和信
(74)【代理人】
【識別番号】100106622
【弁理士】
【氏名又は名称】和久田 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100125357
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 剛
(72)【発明者】
【氏名】田中 真由子
(72)【発明者】
【氏名】藤井 心平
(72)【発明者】
【氏名】森 弘之
【審査官】 小林 大介
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−018696(JP,A)
【文献】 特開平04−086548(JP,A)
【文献】 特開2005−286015(JP,A)
【文献】 特開2013−065809(JP,A)
【文献】 特開昭64−079874(JP,A)
【文献】 特開平06−288931(JP,A)
【文献】 特開平08−204399(JP,A)
【文献】 特開2007−180060(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 3/34
H05K 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
はんだ印刷装置によってプリント基板にはんだを印刷するはんだ印刷工程と、マウンタによってプリント基板上に電子部品を配置するマウント工程と、リフロー炉によって電子部品をはんだ接合するリフロー工程とを行う表面実装ラインを管理する品質管理装置であって、
前記電子部品または前記電子部品とプリント基板の接合個所の異なる部分において同一であるべき位置または形状に関する特徴量の不均一度を算出する不均一度算出手段と、
前記不均一度が所定の閾値以上であるか否か判定する判定手段と、
前記不均一度が前記所定の閾値以上である場合に、前記はんだ印刷装置または前記マウンタの設定パラメータを変更するか、ユーザに対して変更を提案するパラメータ変更手段と、
を備え
前記設定パラメータは、前記マウンタの所定の位置であり、
前記パラメータ変更手段は、前記特徴量の最大値と前記特徴量の最小値とのどちらか一方を与える部分に向かう方向に前記所定の位置を移動するように前記設定パラメータを変更するか変更の提案をし、
前記所定の位置は、部品吸着位置または部品装着位置である、品質管理装置。
【請求項2】
前記不均一度算出手段は、前記接合個所の異なる複数の部分から前記特徴量を算出し、これら複数の特徴量の最大値および最小値の差または比に基づいて、前記不均一度を算出する、
請求項1に記載の品質管理装置。
【請求項3】
前記不均一度算出手段は、複数種類の前記特徴量について、前記不均一度を算出し、
前記判定手段は、前記特徴量の種類ごとに異なる閾値を有しており、前記複数種類の特徴量のそれぞれに対して判定を行い、
前記パラメータ変更手段は、前記複数種類の特徴量のうち少なくともいずれかの不均一度が所定の閾値以上である場合に、前記不均一度が前記所定の閾値以上である特徴量の種類に応じて、変更すべき設定パラメータを決定する、
請求項1または2に記載の品質管理装置。
【請求項4】
前記パラメータ変更手段は、前記不均一度が前記所定の閾値以上である特徴量の種類と、変更すべき設定パラメータおよび当該設定パラメータの変更方法とを対応付けたテーブルを備える、
請求項3に記載の品質管理装置。
【請求項5】
前記特徴量は、前記電子部品の電極上面の高さ位置であり、
前記設定パラメータは、前記マウンタの部品吸着位置であり、
前記パラメータ変更手段は、前記電極上面の高さの最小値を与える部分に向かう方向に部品吸着位置を移動するように前記設定パラメータを変更するか変更の提案をする、
請求項1から4のいずれか1項に記載の品質管理装置。
【請求項6】
前記特徴量は、前記電子部品のエッジの高さ位置であり、
前記設定パラメータは、前記マウンタの部品吸着位置であり、
前記パラメータ変更手段は、前記エッジの高さの最小値を与える部分に向かう方向に部品吸着位置を移動するように前記設定パラメータを変更するか変更の提案をする、
請求項1から4のいずれか1項に記載の品質管理装置。
【請求項7】
前記特徴量は、前記電子部品の電極下面の高さ位置であり、
前記設定パラメータは、前記マウンタの部品吸着位置であり、
前記パラメータ変更手段は、前記電極下面の高さの最小値を与える部分に向かう方向に部品吸着位置を移動するように前記設定パラメータを変更するか変更の提案をする、
請求項1から4のいずれか1項に記載の品質管理装置。
【請求項8】
前記特徴量は、前記電子部品と重ならないランドの長さであるランド突出し量であり、
前記設定パラメータは、前記マウンタの部品装着位置であり、
前記パラメータ変更手段は、前記ランド突出し量の最大値を与える部分に向かう方向に部品装着位置を移動するように前記設定パラメータを変更するか変更の提案をする、
請求項1から4のいずれか1項に記載の品質管理装置。
【請求項9】
前記特徴量は、前記電子部品の電極に対するはんだのぬれ上がり高さであり、
前記設定パラメータは、前記マウンタの部品装着位置であり、
前記パラメータ変更手段は、前記ぬれ上がり高さの最小値を与える部分に向かう方向に部品装着位置を移動するように前記設定パラメータを変更するか変更の提案をする、
請求項1から4のいずれか1項に記載の品質管理装置。
【請求項10】
前記特徴量は、前記電子部品と重ならないランド上でのはんだの長さであるランドぬれ長さであり、
前記設定パラメータは、前記マウンタの部品装着位置であり、
前記パラメータ変更手段は、前記ランドぬれ長さの最大値を与える部分に向かう方向に部品装着位置を移動するように前記設定パラメータを変更するか変更の提案をする、
請求項1から4のいずれか1項に記載の品質管理装置。
【請求項11】
前記特徴量は、前記電子部品を接合するはんだのランド側のぬれ角であり、
前記設定パラメータは、前記マウンタの部品装着位置であり、
前記パラメータ変更手段は、前記ぬれ角の最大値を与える部分に向かう方向に部品装着位置を移動するように前記設定パラメータを変更するか変更の提案をする、
請求項1から4のいずれか1項に記載の品質管理装置。
【請求項12】
前記特徴量は、前記電子部品を接合するはんだの電極側のぬれ角であり、
前記設定パラメータは、前記マウンタの部品装着位置であり、
前記パラメータ変更手段は、前記ぬれ角の最大値を与える部分に向かう方向に部品装着位置を移動するように前記設定パラメータを変更するか変更の提案をする、
請求項1から4のいずれか1項に記載の品質管理装置。
【請求項13】
前記特徴量は、前記電子部品を接合するはんだのバックフィレットの長さであり、
前記設定パラメータは、前記マウンタの部品装着位置であり、
前記パラメータ変更手段は、前記バックフィレットの長さの最小値を与える部分に向かう方向に部品装着位置を移動するように前記設定パラメータを変更するか変更の提案をする、
請求項1から4のいずれか1項に記載の品質管理装置。
【請求項14】
前記パラメータ変更手段は、前記設定パラメータを変更する際、または、ユーザに対して設定パラメータの変更を提案する際に、前記不均一度が閾値以上である特徴量の種類、当該特徴量の不均一度、変更対象の設定パラメータを、ユーザに提示する、
請求項1から13のいずれか1項に記載の品質管理装置。
【請求項15】
前記パラメータ変更手段は、前記設定パラメータの変更をユーザに提案するとともに当該変更を許可するか否かをユーザに問い合わせ、ユーザから当該変更を許可する入力を受けた場合に、当該設定パラメータの変更を実施する、
請求項1から14のいずれか1項に記載の品質管理装置。
【請求項16】
はんだ印刷装置によってプリント基板にはんだを印刷するはんだ印刷工程と、マウンタによってプリント基板上に電子部品を配置するマウント工程と、リフロー炉によって電子部品をはんだ接合するリフロー工程とを行う表面実装システムを管理する品質管理システムにおける品質管理方法であって、
コンピュータが、
前記電子部品または前記電子部品とプリント基板の接合個所の異なる部分において同一であるべき位置または形状に関する特徴量の不均一度の差を算出する特徴量算出ステップと、
前記特徴量の不均一度が所定の閾値以上であるか否か判定する判定ステップと、
前記特徴量の不均一度が前記所定の閾値以上である場合に、前記はんだ印刷装置または前記マウンタの設定パラメータを変更するか、ユーザに対して変更を提案するパラメータ変更ステップと、
を実行し、
前記設定パラメータは、前記マウンタの所定の位置であり、
前記パラメータ変更ステップでは、前記特徴量の最大値と前記特徴量の最小値とのどちらか一方を与える部分に向かう方向に前記所定の位置を移動するように前記設定パラメータを変更するか変更の提案をし、
前記所定の位置は、部品吸着位置または部品装着位置である、品質管理方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面実装ラインの検査および管理を行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
プリント基板の実装は、プリント基板の表面にチップ部品などの電子部品を直接はんだ付けする表面実装技術(SMT:Surface Mount Technology、面実装技術ともいう)の登場と、電子部品の小型化によって飛躍的に向上した。表面実装では、プリント基板の電極部(ランド)にペースト状のはんだ(はんだペースト)をスクリーン印刷し、マウンタで電子部品をプリント基板上に装着して、リフロー炉と一般に呼ばれる高温炉内で加熱することにより、はんだペーストを溶着させ、電子部品をプリント基板表面にはんだ付けする。
【0003】
表面実装ラインの各工程における異常を検知するために、工程中で種々の検査が行われる。特許文献1は、はんだ印刷検査におけるはんだ面積等の計測値と、リフロー後検査の良不良から、はんだ印刷検査において良品と判定すべきはんだ面積等の教示データを自動的に変更することを開示する。特許文献1によれば、前工程での検査パラメータを適切に調整して、リフロー後の不良につながる場合だけを前工程における不良と判定できるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-43009号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の技術は、良不良の判定を目的としており、はんだ印刷工程やマウント工程などの前工程における変動要因のうち、リフロー工程後に不良(品質基準を満たさない)と判定されないものは検知できない。すなわち、リフロー工程後に不良が発生するような状態になって初めて前工程の検査で不良と判断される。また、特許文献1では、不
良が発生した場合に、不良の要因が何であるかを特定することは困難である。
【0006】
表面実装ラインにおいては、不良が発生するよりも前に、不良に発展する可能性のある事象(不良の予兆)を検知して、その事象の発生要因を取り除くように実装条件を修正することが好ましいが、特許文献1の手法では、不良の予兆を検出することができない。また、不良発生後においても前工程のどの設定パラメータを修正すればよいのかも分からない。
【0007】
本発明は上記課題を考慮してなされたものであり、リフロー工程後の検査に基づいて、不良につながるようなはんだ印刷工程および部品実装工程における変動要因を特定しはんだ印刷工程やマウント工程における設定パラメータを是正可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、リフロー後の検査結果に基づいて不良の予兆を検知し、不良の予兆が検知された場合にはその要因を是正するようにはんだ印刷工程または部品実装工程における設定パラメータを変更する。具体的には、リフロー処理後の実装基板について、異なる部分において同一であるべき検査項目(特徴量)の不均一度が所定
値以上であれば不良の予兆が生じていると判断し、検査項目に応じてはんだ印刷工程または部品実装工程の設定パラメータを変更する。
【0009】
より詳細には、本発明の一態様は、はんだ印刷装置によってプリント基板にはんだを印
刷するはんだ印刷工程と、マウンタによってプリント基板上に電子部品を配置するマウント工程と、リフロー炉によって電子部品をはんだ接合するリフロー工程とを行う表面実装システムを管理する品質管理装置であって、前記電子部品または前記電子部品とプリント基板の接合個所の異なる部分において同一であるべき位置または形状に関する特徴量の不均一度を算出する不均一度算出手段と、前記特徴量の不均一度が所定の閾値以上であるか否か判定する判定手段と、前記特徴量の不均一度が前記所定の閾値以上である場合に、前記はんだ印刷装置または前記マウンタの設定パラメータを変更するか、ユーザに対して変更を提案するパラメータ変更手段と、を備え、前記設定パラメータは、前記マウンタの所定の位置であり、前記パラメータ変更手段は、前記特徴量の最大値と前記特徴量の最小値とのどちらか一方を与える部分に向かう方向に前記所定の位置を移動するように前記設定パラメータを変更するか変更の提案をし、前記所定の位置は、部品吸着位置または部品装着位置である、ことを特徴とする。
【0010】
このような構成によれば、リフロー工程後の検査から不良の予兆を検知し、不良の予兆の原因となるはんだ印刷工程やマウント工程における要因(不良予兆要因)を特定し、はんだ印刷装置やマウンタの設定パラメータを変更できる。はんだ印刷装置やマウンタでは、経年劣化や環境変化などの種々の変動要因が、不良予兆要因となり得る。また、リフロー工程後の検査に基づいてはんだ印刷装置やマウンタの設定パラメータを変更しているので、はんだ印刷検査やマウント検査では特定できない不良予兆要因を特定し修正可能となる。このようにはんだ印刷工程やマウント工程における変動要因のうち不良につながるような要因を、実際に不良が発生する前に検知し、その変動要因を取り除くように設定パラメータが変更されるので、不良の発生を未然に防止できるとともに、製造ラインを停止させる可能性を最小化できる。
【0011】
不均一度は、実装基板中の異なる複数の部分における特徴量についての最大値と最小値の差または比に基づいて算出すればよい。最大値や最小値は、特徴量全体の中から最大や最小となるものとして求めてもよいが、グループ毎(例えば、列状に並ぶ部分を1つのグ
ループとする)に特徴量の平均値を取り平均値の最大値や最小値として求めてもよい。なお、最大値および最小値の差や比を、その他の計測値(例えば、部品高さの不均一度を算出する場合は、部品の厚さなど)を用いて正規化してもよい。また、差や比以外にも分散などのばらつきを表す統計量を不均一度として算出してもよい。
【0012】
本発明において、不均一度算出手段は、複数種類の特徴量についてその不均一度を算出することが好ましい。そして、判定手段は、複数種類の特徴量それぞれについて、独自の閾値を用いて上記の判定を行う。また、パラメータ変更手段は、複数種類の特徴量のうち少なくともいずれかの不均一度が、その特徴量に対応する閾値以上である場合に、その特徴量に応じて、設定パラメータの変更をはんだ印刷装置やマウンタに対して指示することも好ましい。このために、パラメータ変更手段は、複数種類の特徴量それぞれに対応付けて、変更すべき設定パラメータ項目とその設定パラメータ項目をどのように変更すべきかを記憶しておけばよい。なお、特徴量の算出個所は、複数種類の特徴量ごとに異なっていてよい。
【0013】
このような構成によれば、リフロー工程後の複数の検査項目について、はんだ印刷工程やマウント工程における不良予兆要因を特定し、設定パラメータを修正することができる。
【0014】
本発明において、パラメータ変更手段が設定パラメータを変更する際、または、ユーザに対して設定パラメータの変更を提案する際に、不均一度が閾値以上であった特徴量の種類、当該特徴量の不均一度、変更対象の設定パラメータを、ユーザに提示する、ことも好ましい。どのような不良予兆事象が発生しどのような設定パラメータが変更されるかをユ
ーザが容易に把握できるためである。
【0015】
また本発明において、パラメータ変更手段は、前記設定パラメータの変更をユーザに提案するとともに当該変更を許可するか否かをユーザに問合せ、ユーザから当該変更を許可する入力を受けた場合に、当該設定パラメータの変更を実施する、ことが好ましい。ユーザによる確認を受けてから、設定パラメータの変更を行えるためである。
【0017】
本発明における特徴量として、電子部品の電極上面の高さ位置を採用し、変更すべき設定パラメータとしてマウンタの部品吸着位置を採用することができる。マウンタの吸着ノズルによる吸着位置が本来の位置からずれると、ずれた方向と反対側が自重により下がって電子部品が斜めにマウントされる場合がある。したがって、電子部品の電極上面の高さの不均一度が許容範囲よりも大きければ、パラメータ変更手段は、電極上面の高さの最小値を与える部分に向かう方向にマウンタの部品吸着位置を移動するように設定パラメータを変更することが好ましい。
【0018】
本発明における特徴量として、電子部品のエッジ部分の高さ位置を採用し、変更すべき設定パラメータとしてマウンタの部品吸着位置を採用することができる。マウンタの吸着ノズルによる吸着位置が本来の位置からずれると、ずれた方向と反対側が自重により下がって電子部品が斜めにマウントされる場合がある。したがって、電子部品のエッジ部分の高さの不均一度が許容範囲よりも大きければ、パラメータ変更手段は、エッジの高さの最小値を与える部分に向かう方向にマウンタの部品吸着位置を移動するように設定パラメータを変更することが好ましい。
【0019】
本発明における特徴量として、電子部品の電極下面の高さ位置を採用し、変更すべき設定パラメータとしてマウンタの部品吸着位置を採用することができる。マウンタの吸着ノズルによる吸着位置が本来の位置からずれると、ずれた方向と反対側が自重により下がって電子部品が斜めにマウントされる場合がある。したがって、電子部品の電極下面の高さの不均一度が許容範囲よりも大きければ、パラメータ変更手段は、電極下面の高さの最小値を与える部分に向かう方向にマウンタの部品吸着位置を移動するように設定パラメータを変更することが好ましい。
【0020】
本発明における特徴量として、電子部品と重ならないランドの長さ(ランド突出し量と呼ぶ)を採用し、変更すべき設定パラメータとしてマウンタの部品装着位置を採用することができる。マウンタによる電子部品の装着位置が本来の位置からずれると、ずれた方向のランド突出し量が小さくなる。したがって、ランド突出し量の不均一度が許容範囲よりも大きければ、パラメータ変更手段は、ランド突出し量の最大値を与える部分に向かう方向にマウンタの部品装着位置を移動するように設定パラメータを変更することが好ましい。
【0021】
本発明における特徴量として、電子部品の電極に対するはんだのぬれ上がり高さ位置を採用し、変更すべき設定パラメータとしてマウンタの部品装着位置を採用することができる。マウンタによる電子部品の装着位置が本来の位置からずれると、ずれた方向では電極と接触するはんだの量が増えるため、はんだのぬれ上がり高さは高くなる。したがって、電子部品の電極に対するはんだのぬれ上がり高さの不均一度が許容範囲よりも大きければ、パラメータ変更手段は、ぬれ上がり高さの最小値を与える部分に向かう方向にマウンタの部品装着位置を移動するように設定パラメータを変更することが好ましい。
【0022】
本発明における特徴量として、電子部品と重ならないランド上でのはんだの長さ(ランドぬれ長さと呼ぶ)を採用し、変更すべき設定パラメータとしてマウンタの部品装着位置を採用することができる。マウンタによる電子部品の装着位置が本来の位置からずれると、ずれた方向のランドぬれ長さが小さくなる。したがって、ランドぬれ長さの不均一度が許容範囲よりも大きければ、パラメータ変更手段は、ランドぬれ長さの最大値を与える部分に向かう方向にマウンタの部品装着位置を移動するように設定パラメータを変更することが好ましい。
【0023】
本発明における特徴量として、電子部品と接合するはんだのランド側のぬれ角を採用し、変更すべき設定パラメータとしてマウンタの部品装着位置を採用することができる。マウンタによる電子部品の装着位置が本来の位置からずれると、ずれた方向のランド側ぬれ角が小さくなる。したがって、ランド側のはんだぬれ角の不均一度が許容範囲よりも大きければ、パラメータ変更手段は、ランド側ぬれ角の最大値を与える部分に向かう方向にマウンタの部品装着位置を移動するように設定パラメータを変更することが好ましい。
【0024】
本発明における特徴量として、電子部品と接合するはんだの電極側のぬれ角を採用し、変更すべき設定パラメータとしてマウンタの部品装着位置を採用することができる。マウンタによる電子部品の装着位置が本来の位置からずれると、ずれた方向の電極側ぬれ角が小さくなる。したがって、電極側のはんだぬれ角の不均一度が許容範囲よりも大きければ、パラメータ変更手段は、電極側ぬれ角の最大値を与える部分に向かう方向にマウンタの部品装着位置を移動するように設定パラメータを変更することが好ましい。
【0025】
本発明における特徴量として、電子部品と接合するはんだのバックフィレットの長さを採用し、変更すべき設定パラメータとしてマウンタの部品装着位置を採用することができる。マウンタによる電子部品の装着位置が本来の位置からずれると、ずれた方向のバックフィレット長さが大きくなる。したがって、バックフィレット長さの不均一度が許容範囲よりも大きければ、パラメータ変更手段は、バックフィレット長さの最小値を与える部分に向かう方向にマウンタの部品装着位置を移動するように設定パラメータを変更することが好ましい。
【0026】
なお、マウンタの部品吸着位置や部品装着位置の移動方向に関して、「特徴量の最小値(最大値)を与える部分に向かう方向」とは、「特徴量の最大値(最小値)を与える部分から最小値(最大値)を与える部分に向かう方向」であってもよいし、所定の方向(例えば、互いに直交する4方向)のうちから、「特徴量の最大値(最小値)を与える部分から最小値(最大値)を与える部分に向かう方向」に基づいて決定される方向であってもよい。例えば、所定の方向のうち「特徴量の最大値(最小値)を与える部分から最小値(最大値)を与える部分に向かう方向」に最も近い方向を移動方向としてもよい。あるいは、電極等が部品の端部に列状に設けられている場合は、「特徴量の最大値(最小値)を与える部分から最小値(最大値)を与える部分に向かう方向」であって、上記の列と垂直な方向を移動方向としてもよい。
【0027】
なお、本発明は、上記手段の少なくとも一部を有する品質管理装置として捉えることができる。また、本発明は、はんだ印刷装置およびマウンタを制御する生産管理装置と、上記品質管理装置とを備える表面実装検査管理システムとして捉えることができる。また、本発明は上記処理の少なくとも一部を有する品質管理方法、またはその方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム、あるいは当該コンピュータプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体として捉えることもできる。上記構成および処理の各々は技術的な矛盾が生じない限り互いに組み合わせて本発明を構成することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、リフロー工程後の検査に基づいて、不良につながるようなはんだ印刷工程および部品実装工程における変動要因を特定し、その変動要因をなくすようにはんだ印刷工程やマウント工程における設定パラメータを是正可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】表面実装ラインにおける生産設備および品質管理システムの構成概要を示す図。
図2】実施形態にかかる検査管理システムの機能ブロック図。
図3】第1の実施形態における不均一度・実装条件対応テーブルの例を示す図。
図4】実施形態にかかる検査管理システムの処理の流れを示すフローチャート。
図5】電極上面高さアンバランスを説明する図。
図6】部品本体エッジ高さアンバランスを説明する図。
図7】電極下面高さアンバランスを説明する図。
図8】ランド突出し量アンバランスを説明する図。
図9】電極ぬれ上がり高さアンバランスを説明する図。
図10】ランドぬれ長さアンバランスを説明する図。
図11】ランドぬれ角アンバランスを説明する図。
図12】電極ぬれ角アンバランスを説明する図。
図13】バックフィレット長さアンバランスを説明する図。
図14】印刷ずれによって生じるアンバランスを説明する図。
図15】第2の実施形態における不均一度・実装条件対応テーブルの例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0031】
[第1の実施形態]
<システム構成>
図1は、プリント基板の表面実装ラインにおける生産設備及び品質管理システムの構成例を模式的に示している。表面実装(Surface Mount Technology:SMT)とはプリント基板の表面に電子部品をはんだ付けする技術であり、表面実装ラインは、主として、はんだ印刷〜部品のマウント〜リフロー(はんだの溶着)の三つの工程から構成される。
【0032】
図1に示すように、表面実装ラインでは、生産設備として、上流側から順に、はんだ印刷装置X1、マウンタX2、リフロー炉X3が設けられる。はんだ印刷装置X1は、スクリーン印刷によってプリント基板上の電極部(ランドと呼ばれる)にペースト状のはんだを印刷する装置である。マウンタX2は、基板に実装すべき電子部品をピックアップし、該当箇所のはんだペーストの上に部品を載置するための装置であり、チップマウンタとも呼ばれる。リフロー炉X3は、はんだペーストを加熱溶融した後、冷却を行い、電子部品を基板上にはんだ接合するための加熱装置である。これらの生産設備X1〜X3は、ネットワーク(LAN)を介して生産設備管理装置X4に接続されている。生産設備管理装置X4は、生産設備X1〜X3の管理や統括制御を担うシステムであり、各生産設備の動作を定義する実装プログラム(動作手順、製造条件、設定パラメータなどを含む)、各生産設備のログデータなどを記憶、管理、出力する機能などを有している。また、生産設備管理装置X4は、作業者又は他の装置から実装プログラムの変更指示を受け付けると、該当する生産設備に設定されている実装プログラムの更新処理を行う機能も有する。
【0033】
また、表面実装ラインには、はんだ印刷〜部品のマウント〜リフローの各工程の出口で基板の状態を検査し、不良あるいは不良のおそれを自動で検出する、品質管理システムYが設置されている。品質管理システムYは、良品と不良品の自動仕分けの他、検査結果やその分析結果に基づき各生産設備の動作にフィードバックする機能(例えば、実装プログラムの変更など)も有している。図1に示すように、本実施形態の品質管理システムYは、はんだ印刷検査装置Y1、部品検査装置Y2、外観検査装置Y3、X線検査装置Y4の4種類の検査装置と、検査管理装置Y5、分析装置Y6、作業端末Y7などから構成される。
【0034】
はんだ印刷検査装置Y1は、はんだ印刷装置X1から搬出された基板に対し、はんだペーストの印刷状態を検査するための装置である。はんだ印刷検査装置Y1では、基板上に印刷されたはんだペーストを2次元ないし3次元的に計測し、その計測結果から各種の検査項目について正常値(許容範囲)か否かの判定を行う。検査項目としては、例えば、はんだの体積・面積・高さ・位置ずれ・形状などがある。はんだペーストの2次元計測には、イメージセンサ(カメラ)などを用いることができ、3次元計測には、レーザ変位計や、位相シフト法、空間コード化法、光切断法などを利用することができる。
【0035】
部品検査装置Y2は、マウンタX2から搬出された基板に対し、電子部品の配置状態を検査するための装置である。部品検査装置Y2では、はんだペーストの上に載置された部品(部品本体、電極(リード)など部品の一部でもよい)を2次元ないし3次元的に計測し、その計測結果から各種の検査項目について正常値(許容範囲)か否かの判定を行う。検査項目としては、例えば、部品の位置ずれ、角度(回転)ずれ、欠品(部品が配置されていないこと)、部品違い(異なる部品が配置されていること)、極性違い(部品側と基板側の電極の極性が異なること)、表裏反転(部品が裏向きに配置されていること)、部品高さなどがある。はんだ印刷検査と同様、電子部品の2次元計測には、イメージセンサ(カメラ)などを用いることができ、3次元計測には、レーザ変位計や、位相シフト法、空間コード化法、光切断法などを利用することができる。
【0036】
外観検査装置Y3は、リフロー炉X3から搬出された基板に対し、はんだ付けの状態を検査するための装置である。外観検査装置Y3では、リフロー後のはんだ部分を2次元ないし3次元的に計測し、その計測結果から各種の検査項目について正常値(許容範囲)か否かの判定を行う。検査項目としては、部品検査と同じ項目に加え、はんだフィレット形状の良否なども含まれる。はんだの形状計測には、上述したレーザ変位計、位相シフト法、空間コード化法、光切断法などの他、いわゆるカラーハイライト方式(R、G、Bの照明を異なる入射角ではんだ面に当て、各色の反射光を天頂カメラで撮影することで、はんだの3次元形状を2次元の色相情報として検出する方法)を用いることができる。
【0037】
X線検査装置Y4は、X線像を用いて基板のはんだ付けの状態を検査するための装置である。例えば、BGA(Ball Grid Array)、CSP(Chip Size Package)などのパッケージ部品や多層基板の場合には、はんだ接合部が部品や基板の下に隠れているため、外観検査装置Y3では(つまり外観画像では)はんだの状態を検査することができない。X線検査装置Y4は、このような外観検査の弱点を補完するための装置である。X線検査装置Y4の検査項目としては、例えば、部品の位置ずれ、はんだ高さ、はんだ体積、はんだボール径、バックフィレットの長さ、はんだ接合の良否などがある。なお、X線像としては、X線透過画像を用いてもよいし、CT(Computed Tomography)画像を用いることも好
ましい。
【0038】
これらの検査装置Y1〜Y4は、ネットワーク(LAN)を介して検査管理装置Y5に接続されている。検査管理装置Y5は、検査装置Y1〜Y4の管理や統括制御を担うシス
テムであり、各検査装置Y1〜Y4の動作を定義する検査プログラム(検査手順、検査条件、設定パラメータなど)や、各検査装置Y1〜Y4で得られた検査結果やログデータなどを記憶、管理、出力する機能などを有している。
【0039】
分析装置Y6は、検査管理装置Y5に集約された各検査装置Y1〜Y4の検査結果(各工程の検査結果)を分析することで、不良の予測、不良の要因推定などを行う機能や、必要に応じて各生産設備X1〜X3へのフィードバック(実装プログラムの変更など)を行う機能などを有するシステムである。
【0040】
作業端末Y7は、生産設備X1〜X3の状態、各検査装置Y1〜Y4の検査結果、分析装置Y6の分析結果などの情報を表示する機能、生産設備管理装置X5や検査管理装置Y5に対し実装プログラムや検査プログラムの変更(編集)を行う機能、表面実装ライン全体の動作状況を確認する機能などを有するシステムである。
【0041】
生産設備管理装置X4、検査管理装置Y5、分析装置Y6はいずれも、CPU(中央演算処理装置)、主記憶装置(メモリ)、補助記憶装置(ハードディスクなど)、入力装置(キーボード、マウス、コントローラ、タッチパネルなど)、表示装置などを具備する汎用的なコンピュータシステムにより構成可能である。これらの装置X4、Y5、Y6は別々の装置としてもよいが、一つのコンピュータシステムにこれらの装置X4、Y5、Y6の全ての機能を実装することも可能であるし、生産設備X1〜X3や検査装置Y1〜Y4のいずれかの装置が具備するコンピュータに、これらの装置X4、Y5、Y6の機能の全部又は一部を実装することも可能である。また、図1では、生産設備と品質管理システムのネットワークを分けているが、相互にデータ通信が可能であればどのような構成のネットワークを用いてもよい。
【0042】
<品質管理システム>
本実施形態にかかる品質管理システムについて、より詳細に説明する。本実施形態にかかる品質管理システムは、リフロー工程後の実装基板からはんだ形状等を測定し、その結果に基づいてマウンタX2の不良予兆を検知して、生産設備管理装置X4を介してマウンタX2の設定パラメータ(実装条件)の変更を指示する。図2は、本実施形態にかかる品質管理システムの機能ブロック図である。これらの機能ブロックは、分析装置Y6においてコンピュータがプログラムを実行することによって実現されるが、品質管理システムYのその他の装置が協働してこれらの機能を実現してもよい。なお、図2には上記の機能を実現するための機能ブロックのみを示しており、表面実装ラインの品質管理を行うためのその他の機能については省略している。
【0043】
外観検査画像・X線画像取得部10(以下単に、画像取得部10とも称する)は、外観検査装置Y3が撮影する外観画像およびX線検査装置Y4が撮影するX線画像を取得する機能部である。
【0044】
不均一度算出部20は、画像取得部10が取得した外観画像やX線画像から、複数の検査項目についての不均一度を算出する機能部である。不均一度算出部20は、リフロー処理後の実装基板の異なる部分において正常であれば同一となるべき位置や形状に関する特徴量の不均一度(アンバランス度)を算出する。電子部品あるいは電子部品とプリント基板の接合部(はんだペーストやランドを含む)に同一形状の構成要素が複数ある場合、これらの位置や形状などは同一であるべきであるが、表面実装ライン上の変動要因によって不均一さが生じてしまう場合がある。詳細は後述するが、例えば、電子部品の電極上面の高さ位置は、本来は異なる部分において同一の高さとなるべきであるが、変動要因によって異なる高さとなる場合がある。したがって、不均一度算出部20は、電子部品の電極上面の高さ位置を異なる複数の部分について求め、最大値と最小値の差や比などを特徴量の
不均一度として算出する。不均一度算出部20は、後述するような複数の検査項目のそれぞれについて、このような不均一度を算出する。
【0045】
なお、特徴量の不均一度は、複数の異なる部分における特徴量の最大値と最小値の差や比以外に、差や比を電子部品のその他の特徴量(例えば、電極厚さや電極先端間距離など)を用いて正規化した値であってもよい。あるいは、複数の異なる部分における特徴量の分散や標準偏差などを、不均一度として採用してもよい。検査項目ごとの具体的な不均一度の算出方法については後述する。
【0046】
ここでは、不均一度算出部20が、外観画像やX線画像などから特徴量を算出して不均一度を算出するものとして説明したが、分析装置Y6で不均一度が取得できればその実現方法は任意の変形が可能である。例えば、検査管理装置Y5あるいは外観検査装置Y3やX線検査装置Y4が特徴量および不均一度を算出して、算出された不均一度を分析装置Y6が取得してもよい。また、検査管理装置Y5あるいは外観検査装置Y3およびX線検査装置Y4が特徴量を算出して、分析装置Y6が特徴量から不均一度を算出してもよい。
【0047】
判定部30は、不均一度算出部20によって算出された不均一度が、許容範囲内に収まっているか否かを判定する機能部である。なお、不均一度の「許容範囲」は、製品における不良の予兆となる事象を検知するためのものであり、製品の良不良を判定する品質基準とは異なるものである。つまり、不均一度が許容範囲外であっても製品が不良と判定されるわけではない。不良の予兆となる事象(不良予兆事象)とは、そのまま放置すると不良が発生する蓋然性が高い事象である。許容範囲の閾値は、不均一度・実装条件対応テーブル50(以下単に、テーブル50とも称する)にあらかじめ格納されており、不均一度算出部20は、検査項目ごとに許容範囲の閾値を取得して、計測値がこの閾値以上であるか否かを判定する。
【0048】
実装条件変更部40は、不均一度が許容範囲を超えると判定部30によって判定された場合に、マウンタX2の実装条件を変更するように生産設備管理装置X4に対して指示する機能部である。テーブル50には、検査項目ごとに、不均一度が許容範囲外である場合に、どの実装条件をどのように修正すべきかが格納されている。実装条件変更部40は、不均一度が許容範囲を超える検査項目について、テーブル50を参照して、どの実装条件をどのように修正するか決定し、生産設備管理装置X4に対して指示をする。なお、不均一度が許容範囲を超えた場合に即座にマウンタX2の実装条件を変更するように指示してもよいが、所定の頻度以上で不均一度が許容範囲を超えた場合に実装条件を変更するように構成しても構わない。
【0049】
不均一度・実装条件対応テーブル50には、検査項目ごとに、不均一度の許容範囲を表す閾値、不均一度が許容範囲外である場合に修正する実装条件、およびその実装条件をどのように修正するかを格納するテーブルである。テーブル50の一例を、図3に示す。ここでは、外観検査やX線検査に基づいて、マウンタの実装条件を修正するので、検査項目ごとに、許容範囲を定める閾値と、許容範囲外の場合にマウンタのどの実装条件をどのように修正するかが格納されている。
【0050】
なお、図3に示す修正対象のマウンタX2の実装条件のうち「部品吸着位置」は、吸着ノズルを用いて部品をリールから取り出す際の、吸着ノズルの位置を決定するパラメータである。一方、「部品装着位置」は吸着ノズルを用いて取り出した部品をプリント基板上に配置する際の、吸着ノズルの位置を決定するパラメータである。
【0051】
このようにテーブル50を用いて、検査項目と、当該項目の不均一度が許容範囲外の場合に変更すべきマウンタの実装条件(ここでは、部品吸着位置と部品装着位置)を対応付
けて記憶しておくことで、リフロー工程後の外観検査やX線検査の結果(不良の予兆事象)に基づいて、マウンタX2の実装条件を適切なものにすることができる。
【0052】
<検査処理フロー>
図4は、本実施形態における品質管理システムにおける処理の流れを示すフローチャートである。まず、画像取得部10が、外観検査装置Y3の外観検査画像やX線検査装置Y4のX線検査画像を取得する(S1)。そして、不均一度算出部20が、外観検査画像やX線検査画像から、テーブル50(図3)に示した検査項目についての不均一度を算出する(S2)。詳細は後述するが、実装基板の複数の個所について検査項目の特徴量を求め、その最大値と最小値の差などから不均一度が算出される。判定部30は、このようにして算出した不均一度が、テーブル50に検査項目と対応付けて格納されている閾値との比較を行う(S3)。不均一度が閾値より小さければ(S3−NO)、正常と判断して、特段の処理は行わない。一方、不均一度が閾値以上であれば(S3−YES)、実装条件変更部40は、テーブル50を参照して、検査項目に対応するマウンタX2の実装条件を変更するように、生産設備管理装置X4に対して指示を送信する(S4)。なお、テーブル50には、検査項目に応じて、マウンタX2のどの実装条件をどのように修正すべきかが格納されているので、実装条件変更部40は、テーブル50を参照して、実装条件の変更方法を決定する。
【0053】
図4のフローチャートにおけるステップS2〜S4の処理は、複数の検査項目のそれぞれについて実施される。図4では、検査項目ごとにステップS2〜S4の処理がそれぞれ実行されるように示しているが、各検査項目に対して並列にステップS2〜S4の処理を行ってもよいし、各検査項目に対してステップS2の処理を行ってからステップS3,S4の処理も行うようにしてもよい。
【0054】
<検査項目の詳細>
以下、本実施形態にかかる品質管理システムにおいて検査の対象とするそれぞれの検査項目について、詳細に説明する。なお、品質管理システムにおいて、以下の全ての検査項目を対象として検査を行う必要はなく、一部の検査項目のみを対象として検査を行っても構わない。
【0055】
(1.電極上面高さアンバランス)
電子部品の電極上面が水平であり、かつ、プリント基板に水平に配置およびはんだ接合される場合には、電子部品の電極上面の高さは本来同じ高さとなるべきである。したがって、電極上面の高さを特徴量として算出し、その不均一度を検査項目とすることができる。
【0056】
図5は、電極上面高さアンバランスの算出方法を説明する図である。図5は、チップ部品である電子部品Pが傾いてプリント基板B上に配置された状態で、はんだ接合されている場合を示している。電子部品Pが傾いているので、電子部品Pの電極51の上面の高さ52が、場所によって異なる高さとなっている。電極上面高さアンバランスを算出する場合は、不均一度算出部20は、外観検査やX線検査の結果を用いて、電極上面の複数の異なる部分において、その高さを求める。高さを算出する場所の数は、2以上であれば任意であってよく、具体的には不良予兆の検出精度と処理時間の要件を考慮して決定すればよい。
【0057】
なお、電極上面の高さとして、図5に示すように、電極の先端部分(電子部品本体から離れた方の端部)の高さを算出することが好ましいが、電極上面のその他の部分の高さを算出してもよい。
【0058】
このようにして求められた電極上面高さに基づいて、電極上面高さアンバランスU1を以下の式を用いて求めることができる。
U1=Max(電極上面高さ)−Min(電極上面高さ)
なお、MaxおよびMinは、同一の電子部品の複数の異なる部分における、括弧内の計測値の最大値および最小値をそれぞれ意味する。なお、最大値や最小値を算出する際に、例えば電極のグループごとに特徴量の平均値を取り、その平均値における最大値や最小値を採用するようにしてもよい。この際、列状に並んでいる一群の電極を1つのグループとしてその中で特徴量の平均値を求めることが考えられる。このようにすれば、特異値を最大値や最小値とすることを防止でき、列全体の傾向としての最大や最小をとることができる。
【0059】
なお、電極上面高さアンバランスU1は、電極上面高さの不均一度を表しさえすれば、上記以外の算出式にしたがって求めても構わない。例えば、次のように、電子部品の大きさ(例えば、図5に示すような、電極厚さ53や電極先端間距離54)を用いて正規化しても良い。
U1=(Max(電極上面高さ)−Min(電極上面高さ))/(電極厚さ)
U1=(Max(電極上面高さ)−Min(電極上面高さ))/(電極先端間距離)
この場合、電極厚さや電極先端間距離は、部品に関連付けてあらかじめ記憶しておいてもよいし、検査画像から算出してもよい。
【0060】
また、電極上面高さの最大値と最小値の比を電極上面高さアンバランスU1としてもよい。
U1=Max(電極上面高さ)/Min(電極上面高さ)
これら以外にも、複数の部分における電極上面高さの分散や標準偏差など、値のばらつきを表す統計量を電極上面高さアンバランスU1としてもよい。
【0061】
電子部品Pが傾いた状態で基板Bに配置されるのは、マウンタX2の吸着ノズルの吸着位置に変動が生じて電子部品中心からずれているためと考えられる。吸着位置が中心からずれることで、電子部品が自重により斜めになり、ずれた方向の電極上面高さが高くなり、ずれと反対方向の電極上面高さが低くなる。したがって、電極上面高さの最大値を与える個所から電極上面高さの最小値を与える個所に向かう方向に、マウンタX2の吸着ノズルの吸着位置を修正することが好ましい。このような、電極上面高さの不均一度が許容範囲外の場合の修正すべきマウンタX2の実装条件と修正方法は、テーブル50(図4)に格納されている。なお、吸着位置の変更量は、固定値としてもよいし、電極上面高さアンバランスの値に応じて決定するようにしてもよい。
【0062】
(2.部品本体エッジ高さアンバランス)
電子部品の上面が水平であり、かつ、プリント基板に水平に配置およびはんだ接合される場合には、電子部品本体の上面の高さは本来同じ高さとなるべきである。したがって、部品本体上面の高さを特徴量として算出し、その不均一度を検査項目とすることができる。特に部品本体上面のエッジ部分での高さを算出し、その不均一度を検査項目とすることが好ましい。
【0063】
図6は、部品本体エッジ高さアンバランスの算出方法を説明する図である。図6は、リード部品である電子部品Pが傾いてプリント基板B上に配置された状態で、はんだ接合されている場合を示している。電子部品Pが傾いているので、電子部品Pの上面の高さ61が場所によって異なる高さとなっている。電子部品上面のエッジ間の高さの差が最大になることから、電子部品上面の高さの不均一度として、部品本体上面のエッジ高さの不均一度を算出することが好ましい。部品本体エッジ高さアンバランスを算出する場合は、不均一度算出部20は、外観検査やX線検査の結果を用いて、電子部品本体のエッジ上の複数
の異なる部分において、その高さを求める。高さを算出する場所の数は、2以上であれば任意であってよく、具体的には不良予兆の検出精度と処理時間の要件を考慮して決定すればよい。
【0064】
このようにして求められた部品本体エッジ高さに基づいて、部品本体エッジ高さアンバランスU2を以下の式を用いて求めることができる。
U2=Max(部品本体エッジ高さ)−Min(部品本体エッジ高さ)
【0065】
なお、部品本体エッジ高さアンバランスU2は、部品本体上面のエッジ高さの不均一度を表しさえすれば、上記以外の算出式にしたがって求めても構わない。例えば、次のように、電子部品の大きさ(例えば、図6に示すような、部品本体の幅62)を用いて正規化しても良い。
U2=(Max(部品本体エッジ高さ)−Min(部品本体エッジ高さ))/(部品本体幅)
この場合、部品本体の幅は、部品に関連付けてあらかじめ記憶しておいてもよいし、検査画像から算出してもよい。
【0066】
また、部品本体エッジ高さの最大値と最小値の比を部品本体エッジ高さアンバランスU2としてもよい。
U2=Max(部品本体エッジ高さ)/Min(部品本体エッジ高さ)
これら以外にも、複数の部分における部品本体エッジ高さの分散や標準偏差など、値のばらつきを表す統計量を部品本体エッジ高さアンバランスU2としてもよい。
【0067】
電子部品Pが傾いた状態で基板Bに配置されるのは、マウンタX2の吸着ノズルの吸着位置に変動が生じて電子部品中心からずれているためと考えられる。吸着位置が中心からずれることで、電子部品が自重により斜めになり、ずれた方向の部品本体エッジ高さが高くなり、ずれと反対方向の部品本体エッジ高さが低くなる。したがって、部品本体エッジ高さの最大値を与える個所から部品本体エッジ高さの最大値を与える個所に向かう方向に、マウンタX2の吸着ノズルの吸着位置を修正することが好ましい。このような、部品本体エッジ高さの不均一度が許容範囲外の場合の、修正すべきマウンタX2の実装条件と修正方法は、テーブル50(図4)に格納されている。なお、吸着位置の変更量は、固定値としてもよいし、部品本体エッジ高さアンバランスの値に応じて決定するようにしてもよい。
【0068】
(3.電極下面高さアンバランス)
電子部品の電極下面が水平であり、かつ、プリント基板に水平に配置およびはんだ接合される場合には、電子部品の電極下面の高さは本来同じ高さとなるべきである。したがって、電極下面の高さ71を特徴量として算出し、その不均一度を検査項目とすることができる。電極下面高さアンバランスは、チップ部品に対して好適に採用できる検査項目である。
【0069】
図7は、電極下面高さアンバランスの算出方法を説明する図である。電極下面高さアンバランスは、電極の上面ではなく下面の高さ71を用いる点を除けば「1.電極上面高さアンバランス」と同様であるので、簡単に説明する。電極下面ははんだ接合されているので、X線画像に基づいてその高さを求めることが望ましい。
【0070】
電極下面高さアンバランスU3は、電極上面高さアンバランスU1と同様に、以下のような式を用いて求めることができる。
U3=(Max(電極下面高さ)−Min(電極下面高さ))/(電極厚さ)
U3=(Max(電極下面高さ)−Min(電極下面高さ))/(電極先端間距離)
U3=Max(電極下面高さ)/Min(電極下面高さ)
【0071】
電極下面高さアンバランスU3が許容範囲外の場合は、電極上面高さアンバランスU1のときと同様に、電極下面高さの最大値を与える個所から電極下面高さの最小値を与える個所に向かう方向に、マウンタX2の吸着ノズルの吸着位置を修正すればよい。
【0072】
(4.ランド突出し量アンバランス)
電子部品が正しい装着位置に配置された場合は、同一形状の端子およびランド部分では、ランド突出し量は等しくなるべきである。したがって、ランド突出し量を特徴量として算出し、その不均一度を検査項目とすることができる。
【0073】
図8は、チップ部品である電子部品Pがプリント基板Bの目標位置から図面左方向にずれて配置された状態で、はんだ接合されている場合を示している。電子部品Pがずれて配置されているので、ランド突出し量81が場所によって異なる長さとなっている。なお、ランド突出し量とは、プリント基板B上のランドのうち電子部品Pと重ならないランドの長さである。電子部品Pがリード部品である場合には、ランドのうち部品本体ともリードとも重ならない部分のランドの長さが相当する。ある場所でのランド突出し量を求めるために、不均一度算出部20は、外観検査やX線検査の結果を用いて、電極上面のエッジ位置82とランドの端部位置83とを求める。そして、これらの間の距離としてランド突出し量81が求められる。
【0074】
このようにして求められたランド突出し量に基づいて、ランド突出し量アンバランスU4を以下の式を用いて求めることができる。
U4=Max(ランド突出し量)−Min(ランド突出し量)
【0075】
なお、ランド突出し量アンバランスU4は、ランド突出し量の不均一度を表しさえすれば、上記以外の算出式にしたがって求めても構わない。例えば、次のように、ランドの大きさ(例えば、図8に示すような、ランド長さ84)を用いて正規化しても良い。
U4=(Max(ランド突出し量)−Min(ランド突出し量))/(ランド長さ)
この場合、プリント基板のランド長さは、電子部品に関連付けてあらかじめ記憶しておいてもよいし、検査画像から算出してもよい。
【0076】
また、ランド突出し量の最大値と最小値の比をランド突出し量アンバランスU4としてもよい。
U4=Max(ランド突出し量)/Min(ランド突出し量)
これら以外にも、複数の部分におけるランド突出し量の分散や標準偏差など、値のばらつきを表す統計量をランド突出し量アンバランスU4としてもよい。
【0077】
電子部品Pが目標位置からずれて基板Bに配置されるのは、マウンタX2によって電子部品Pを基板Bに実装する際の、吸着ノズルによるマウント位置(装着位置)に変動が生じて目標位置からずれているためと考えられる。部品装着位置がずれることで、ずれた方向のランド突出し量が短くなり、ずれと反対方向のランド突出し量が長くなる。したがって、ランド突出し量の最小値を与える個所からランド突出し量の最大値を与える個所に向かう方向に、マウンタX2の吸着ノズルによる部品装着位置を修正することが好ましい。このような、ランド突出し量の不均一度が許容範囲外の場合の、修正すべきマウンタX2の実装条件と修正方法は、テーブル50(図4)に格納されている。なお、装着位置の変更量は、固定値としてもよいし、ランド突出し量アンバランスの値に応じて決定するようにしてもよい。
【0078】
(5.電極ぬれ上がり高さアンバランス)
電子部品が正しい装着位置に配置された場合は、同一形状の端子部分では、電極側のはんだのぬれ上がり高さは等しくなるべきである。したがって、電極側のはんだのぬれ上がり高さを特徴量として算出し、その不均一度を検査項目とすることができる。
【0079】
図9は、チップ部品である電子部品Pがプリント基板Bの目標位置から図面左方向にずれて配置された状態で、はんだ接合されている場合を示している。電子部品Pがずれて配置されているので、電極と重なるはんだペーストの量に差異が生じ、したがって電極に対するはんだのぬれ上がり高さ91(電極ぬれ上がり高さ)にも差異が生じる。図に示すように、電極と重なるはんだペーストの量が多いほど、電極ぬれ上がり高さは高くなる。
ある場所での電極ぬれ上がり高さを求めるために、不均一度算出部20は、外観検査やX線検査の結果を用いて、電極上面のエッジ位置を求め、その場所でのはんだの高さを求めればよい。
【0080】
電極ぬれ上がり高さアンバランスU5は、上記のようにして求めた電極ぬれ上がり高さに基づいて、以下の式を用いて求めることができる。
U5=Max(電極ぬれ上がり高さ)−Min(電極ぬれ上がり高さ)
【0081】
なお、電極ぬれ上がり高さアンバランスU5は、電極ぬれ上がり高さの不均一度を表しさえすれば、上記以外の算出式にしたがって求めても構わない。例えば、次のように、電子部品の大きさ(例えば、電極厚さ)を用いて正規化しても良い。
U5=(Max(電極ぬれ上がり高さ)−Min(電極ぬれ上がり高さ))/(電極厚さ)
この場合、電子部品の電極厚さは、電子部品に関連付けてあらかじめ記憶しておいてもよいし、検査画像から算出してもよい。
【0082】
また、電極ぬれ上がり高さの最大値と最小値の比を電極ぬれ上がり高さアンバランスU5としてもよい。
U5=Max(電極ぬれ上がり高さ)/Min(電極ぬれ上がり高さ)
これら以外にも、複数の部分における電極ぬれ上がり高さの分散や標準偏差など、値のばらつきを表す統計量を電極ぬれ上がり高さアンバランスU5としてもよい。
【0083】
電子部品Pが目標位置からずれて基板Bに配置されるのは、マウンタX2によって電子部品Pを基板Bに実装する際の、吸着ノズルによるマウント位置(装着位置)に変動が生じて目標位置からずれているためと考えられる。部品装着位置がずれることで、ずれた方向の電極ぬれ上がり高さが大きくなり、ずれと反対方向の電極ぬれ上がり高さが小さくなる。したがって、電極ぬれ上がり高さの最大値を与える個所から電極ぬれ上がり高さの最小値を与える個所に向かう方向に、マウンタX2の吸着ノズルによる部品装着位置を修正することが好ましい。このような、電極ぬれ上がり高さの不均一度が許容範囲外の場合の、修正すべきマウンタX2の実装条件と修正方法は、テーブル50(図4)に格納されている。なお、装着位置の変更量は、固定値としてもよいし、電極ぬれ上がり高さアンバランスU5の値に応じて決定するようにしてもよい。
【0084】
(6.ランドぬれ長さアンバランス)
電子部品が正しい装着位置に配置された場合は、同一形状の端子およびランド部分では、ランド上でのはんだのぬれ長さは等しくなるべきである。したがって、ランド上でのぬれ長さを特徴量として算出し、その不均一度を検査項目とすることができる。
【0085】
図10は、チップ部品である電子部品Pがプリント基板Bの目標位置から図面左方向にずれて配置された状態で、はんだ接合されている場合を示している。電子部品Pがずれて配置されているので、ランド側のはんだのぬれ長さ101(ランドぬれ長さ)が場所によ
って異なる長さとなっている。ある場所でのランドぬれ長さを求めるために、不均一度算出部20は、外観検査やX線検査の結果を用いて、電極上面のエッジ位置とランド上でのはんだの端部位置とを求める。そして、その差分からランドぬれ長さが求められる。
【0086】
このようにして求めたランドぬれ長さに基づいて、ランドぬれ長さアンバランスU6を以下の式を用いて求めることができる。
U6=Max(ランドぬれ長さ)−Min(ランドぬれ長さ)
【0087】
なお、ランドぬれ長さアンバランスU6は、ランドぬれ長さの不均一度を表しさえすれば、上記以外の算出式にしたがって求めても構わない。例えば、次のように、ランドの大きさ(例えば、図10に示すような、ランド長さ102)を用いて正規化しても良い。
U6=(Max(ランドぬれ長さ)−Min(ランドぬれ長さ))/(ランド長さ)
この場合、プリント基板のランド長さは、電子部品に関連付けてあらかじめ記憶しておいてもよいし、検査画像から算出してもよい。
【0088】
また、ランドぬれ長さの最大値と最小値の比をランドぬれ長さアンバランスU6としてもよい。
U6=Max(ランドぬれ長さ)/Min(ランドぬれ長さ)
これら以外にも、複数の部分におけるランドぬれ長さの分散や標準偏差など、値のばらつきを表す統計量をランドぬれ長さアンバランスU6としてもよい。
【0089】
電子部品Pが目標位置からずれて基板Bに配置されるのは、マウンタX2によって電子部品Pを基板Bに実装する際の、吸着ノズルによるマウント位置(装着位置)に変動が生じて目標位置からずれているためと考えられる。部品装着位置がずれることで、ずれた方向のランドぬれ長さが短くなり、ずれと反対方向のランドぬれ長さが長くなる。したがって、ランドぬれ長さの最小値を与える個所から、ランドぬれ長さの最大値を与える個所に向けて、マウンタX2の吸着ノズルによる部品装着位置を修正することが好ましい。このような、ランドぬれ長さの不均一度が許容範囲外の場合の、修正すべきマウンタX2の実装条件と修正方法は、テーブル50(図4)に格納されている。なお、装着位置の変更量は、固定値としてもよいし、ランドぬれ長さアンバランスU6の値に応じて決定するようにしてもよい。
【0090】
(7.ランドぬれ角アンバランス)
電子部品が正しい装着位置に配置された場合は、同一形状の端子およびランド部分では、ランド上でのはんだのぬれ角は等しくなるべきである。したがって、ランド上でのぬれ角を特徴量として算出し、その不均一度を検査項目とすることができる。
【0091】
図11は、チップ部品である電子部品Pがプリント基板Bの目標位置から図面左方向にずれて配置された状態で、はんだ接合されている場合を示している。電子部品Pがずれて配置されているので、ランド側のはんだのぬれ角111(ランドぬれ角)が場所によって異なる角度となっている。ある場所でのランドぬれ角を求めるために、不均一度算出部20は、外観検査やX線検査の結果を用いて、ランド上でのはんだの端部位置付近での高さ分布(勾配)を求めればよい。
【0092】
このようにして求めたランドぬれ角に基づいて、ランドぬれ角アンバランスU7を以下の式を用いて求めることができる。
U7=Max(ランドぬれ角)−Min(ランドぬれ角)
【0093】
なお、ランドぬれ角アンバランスU7は、ランドぬれ角の不均一度を表しさえすれば、上記以外の算出式にしたがって求めても構わない。例えば、ランドぬれ角の最大値と最小
値の比をランドぬれ角アンバランスU7としてもよい。
U7=Max(ランドぬれ角)/Min(ランドぬれ角)
これら以外にも、複数の部分におけるランドぬれ角の分散や標準偏差など、値のばらつきを表す統計量をランドぬれ角アンバランスU7としてもよい。
【0094】
電子部品Pが目標位置からずれて基板Bに配置されるのは、マウンタX2によって電子部品Pを基板Bに実装する際の、吸着ノズルによるマウント位置(装着位置)に変動が生じて目標位置からずれているためと考えられる。部品装着位置がずれることで、ずれた方向のランドぬれ角が小さくなり、ずれと反対方向のランドぬれ角が大きくなる。したがって、ランドぬれ角の最小値を与える個所からランドぬれ角の最大値を与える個所に向かう方向に、マウンタX2の吸着ノズルによる部品装着位置を修正することが好ましい。このような、ランドぬれ角の不均一度が許容範囲外の場合の、修正すべきマウンタX2の実装条件と修正方法は、テーブル50(図4)に格納されている。なお、装着位置の変更量は、固定値としてもよいし、ランドぬれ角アンバランスU9の値に応じて決定するようにしてもよい。
【0095】
(8.電極ぬれ角アンバランス)
電子部品が正しい装着位置に配置された場合は、同一形状の端子およびランド部分では、電極側でのはんだのぬれ角は等しくなるべきである。したがって、電極上でのぬれ角を特徴量として算出し、その不均一度を検査項目とすることができる。
【0096】
図12は、チップ部品である電子部品Pがプリント基板Bの目標位置から図面左方向にずれて配置された状態で、はんだ接合されている場合を示している。電子部品Pがずれて配置されているので、電極側のはんだのぬれ角111(電極ぬれ角)が場所によって異なる角度となっている。ある場所での電極ぬれ角を求めるために、不均一度算出部20は、外観検査やX線検査の結果を用いて、電極と接合するはんだの端部位置付近での高さ分布(勾配)を求めればよい。
【0097】
このようにして求めた電極ぬれ角に基づいて、電極ぬれ角アンバランスU8を以下の式を用いて求めることができる。
U8=Max(電極ぬれ角)−Min(電極ぬれ角)
【0098】
なお、電極ぬれ角アンバランスU8は、電極ぬれ角の不均一度を表しさえすれば、上記以外の算出式にしたがって求めても構わない。例えば、電極ぬれ角の最大値と最小値の比を電極ぬれ角アンバランスU8としてもよい。
U8=Max(電極ぬれ角)/Min(電極ぬれ角)
これら以外にも、複数の部分における電極ぬれ角の分散や標準偏差など、値のばらつきを表す統計量を電極ぬれ角アンバランスU8としてもよい。
【0099】
電子部品Pが目標位置からずれて基板Bに配置されるのは、マウンタX2によって電子部品Pを基板Bに実装する際の、吸着ノズルによるマウント位置(装着位置)に変動が生じて目標位置からずれているためと考えられる。部品装着位置がずれることで、ずれた方向の電極ぬれ角が小さくなり、ずれと反対方向の電極ぬれ角が大きくなる。したがって、電極ぬれ角の最小値を与える個所から電極ぬれ角の最大値を与える個所に向かい方向に、マウンタX2の吸着ノズルによる部品装着位置を修正することが好ましい。このような、電極ぬれ角の不均一度が許容範囲外の場合の、修正すべきマウンタX2の実装条件と修正方法は、テーブル50(図4)に格納されている。なお、装着位置の変更量は、固定値としてもよいし、電極ぬれ角アンバランスU8の値に応じて決定するようにしてもよい。
【0100】
(9.バックフィレット長さアンバランス)
電子部品が正しい装着位置に配置された場合は、同一形状の端子およびランド部分では、バックフィレットの長さは等しくなるべきである。したがって、バックフィレットの長さを特徴量として算出し、その不均一度を検査項目とすることができる。
【0101】
図13は、リード部品である電子部品Pがプリント基板Bの目標位置から図面左方向にずれて配置された状態で、はんだ接合されている場合を示している。電子部品Pがずれて配置されているので、電極の下側のフィレットの長さ131(バックフィレット長さ)が場所によって異なる長さとなっている。ある場所でのバックフィレット長さを求めるために、不均一度算出部20は、X線画像から、バックフィレットのランド側の先端位置と電極側の先端位置とを求め、その差を求めればよい。
【0102】
このようにして求めたバックフィレット長さに基づいて、バックフィレット長さアンバランスU9を以下の式を用いて求めることができる。
U9=Max(バックフィレット長さ)−Min(バックフィレット長さ)
【0103】
なお、バックフィレット長さアンバランスU9は、バックフィレット長さの不均一度を表しさえすれば、上記以外の算出式にしたがって求めても構わない。例えば、次のように、ランドの大きさ(例えば、図13に示すような、ランド長さ132)を用いて正規化しても良い。
U9=(Max(バックフィレット長さ)−Min(バックフィレット長さ))/(ランド長さ)
この場合、プリント基板のランド長さは、電子部品に関連付けてあらかじめ記憶しておいてもよいし、検査画像から算出してもよい。
【0104】
また、バックフィレット長さの最大値と最小値の比をバックフィレット長さアンバランスU9としてもよい。
U9=Max(バックフィレット長さ)/Min(バックフィレット長さ)
これら以外にも、複数の部分におけるバックフィレット長さの分散や標準偏差など、値のばらつきを表す統計量をバックフィレット長さアンバランスU9としてもよい。
【0105】
電子部品Pが目標位置からずれて基板Bに配置されるのは、マウンタX2によって電子部品Pを基板Bに実装する際の、吸着ノズルによるマウント位置(装着位置)に変動が生じて目標位置からずれているためと考えられる。部品装着位置がずれることで、ずれた方向のバックフィレット長さが長くなり、ずれと反対方向のバックフィレット長さが短くなる。したがって、バックフィレット長さの最大値を与える個所からバックフィレット長さの最小値を与える個所に向かい方向に、マウンタX2の吸着ノズルによる部品装着位置を修正することが好ましい。このような、バックフィレット長さの不均一度が許容範囲外の場合の、修正すべきマウンタX2の実装条件と修正方法は、テーブル50(図4)に格納されている。なお、装着位置の変更量は、固定値としてもよいし、バックフィレット長さアンバランスU9の値に応じて決定するようにしてもよい。
【0106】
<本実施形態の有利な効果>
本実施形態によれば、リフロー工程後の外観検査やX線検査によるはんだ形状等に基づいて、マウンタ(実装装置)に起因する不良の予兆を検知し、不良が生じる前にマウンタの設定パラメータを修正できる。したがって、不良の発生を未然に防止することができる。また、設定パラメータの調整のために製造ラインを停止させる事態を最小限にすることができる。
【0107】
なお、上記の実施形態で説明した不均一度(アンバランス)のそれぞれは、それ自体では不良と判断する必要がない検査項目であるため、従来の品質検査システムでは計測の対
象とされていなかった。本実施形態では、上記のような不均一度を不良の予兆と捉え、その発生要因となるマウンタの設定パラメータおよび当該設定パラメータの修正方法をあらかじめ記憶しておくことで、不良の予兆の段階でマウンタの設定パラメータを修正できる。
【0108】
[第2の実施形態]
上記第1の実施形態では、リフロー工程後の実装基板からはんだ形状等を測定し、その結果に基づいてマウンタX2の不良予兆を検知して、マウンタX2の設定パラメータ(実装条件)を変更していた。本実施形態では、リフロー工程後の実装基板のはんだ形状等から、はんだ印刷装置X1の不良予兆を検知して、はんだ印刷装置X1の設定パラメータ(印刷条件)を変更する。
【0109】
まず、はんだ印刷工程における印刷ずれによって生じるリフロー工程後の不均一について説明する。図14(a)に示すように、基板Bに対してはんだの印刷ずれが発生した状況を想定する。図14(a)では、本来はランド141の位置に合わせて印刷されるべきはんだペースト142が図面右方向にずれて印刷されている。なお、印刷ずれは、マスクと基板の位置がずれることによって発生するものである。この状態で、マウント工程において、図14(b)に示すように基板に対して正しい位置に部品Pが置かれると、電極の端面より外側にあるはんだの量(体積)143a,143bが異なるので、リフロー工程後のはんだ形状に差が生じる。図14(b)に示すように、はんだの印刷位置がずれた方向の電極側において、はんだの量が多くなる。
【0110】
図14(c)に示すように、電極の端面より外側にあるはんだの量が多い側では、ランドぬれ角度、電極ぬれ角度が大きくなる。また、ぬれ拡がる面積が広くなるので、電極ぬれ上がり高さが低くなる。したがって、ランドぬれ角度が小さい方、電極ぬれ角度が小さい方、電極ぬれ上がり高さが高い方に、マスクのセット位置すなわちはんだの印刷位置(パラメータは、マスクオフセット)をずらせば、はんだの印刷位置を適正な状態にすることができる。
【0111】
また、印刷のずれにより電極の下面とはんだの接触面積144a,144bが異なるようになる。はんだとの接触面積が広い電極は、図14(d)に示すように、接触面積が狭い電極よりも、はんだにより強く引き込まれて部品が浮くことがある。すなわち、はんだの印刷ずれが生じた側の電極の高さ(電極上面高さ、部品本体エッジ高さ、電極下面高さ)が高くなる不均一が生じる。したがって、電極上面高さ、部品本体エッジ高さ、電極下面高さが低い方向にマスクのセット位置をずらせば、はんだの印刷位置を適正な状態にすることができる。
【0112】
本実施形態にかかる品質管理システムでは、上記の知見に基づいて、リフロー工程後のはんだ形状等のアンバランスに基づいて、はんだ印刷工程のパラメータを変更する。本実施形態にかかる品質管理システムの機能ブロックは第1の実施形態(図2)と基本的に同様であり、検査項目および修正する設定パラメータが異なる。図15は、本実施形態におけるテーブル50の一例を示す。テーブル50には、検査項目ごとに、不均一度の許容範囲を表す閾値、不均一度が許容範囲外である場合に修正する印刷条件、およびその印刷条件(マスクオフセット)をどのように修正するかを格納するテーブルである。
【0113】
なお、電極上面高さアンバランス、部品本体エッジ高さアンバランス、電極下面高さアンバランス、電極ぬれ上がり高さアンバランス、ランドぬれ角アンバランス、電極ぬれ角アンバランスについては、図5図6図7図9図11図12を参照してそれぞれ説明しているので、ここでは説明を繰り返さない。
【0114】
本実施形態においても、図4のフローチャートに示すように、外観検査画像やX線検査画像を取得して、不均一度算出部20が上記の検査項目について不均一度を算出する。そして、算出された不均一度がテーブル50に格納された閾値よりも小さければ正常と判断し特段の処理は行わず、閾値以上である場合には、テーブル50を参照して検索目に対応するはんだ印刷装置X1の印刷条件を変更するように、生産設備管理装置X4に対して指示を送信する。
【0115】
本実施形態によれば、リフロー工程後の外観検査やX線検査によるはんだ形状等に基づいて、はんだ印刷装置に起因する不良の予兆を検知し、不良が生じる前にはんだ印刷装置の設定パラメータを修正できる。したがって、不良の発生を未然に防止することができる。また、設定パラメータの調整のために製造ラインを停止させる事態を最小限にすることができる。
【0116】
<その他>
上記の実施形態の説明は、本発明を例示的に説明するものに過ぎず、本発明は上記の具体的な形態には限定されない。本発明は、その技術的思想の範囲内で種々の変形が可能である。
【0117】
上記の実施形態の説明では、外観検査やX線検査による電子部品の位置やはんだの形状等の検査項目の不均一度に基づいて、マウンタの部品吸着位置および部品装着位置の設定パラメータを変更する例を説明した。しかしながら、不均一度が許容範囲外の場合に変更すべき設定パラメータは、上記以外にも、マウンタにおける、部品装着の際の押し込み量、装着速度などの設定パラメータを変更するようにしてもよい。また、はんだ印刷装置における、はんだ印刷位置、はんだ量、印刷圧力、印刷速度などの設定パラメータを変更するようにしてもよい。
【0118】
また上記の実施形態の説明では、部品吸着位置、部品装着位置、印刷位置の修正方向は、各種の特徴量が最大値(最小値)を与える個所から最小値(最大値)を与える個所に向かう方向として説明したが、修正方向はこの方向に限る必要はない。例えば、特徴量が最大値(最小値)を与える個所から最小値(最大値)を与える個所に向かう方向に基づいて決定される方向(例えば、あらかじめ定められた複数の修正方向のうち、上記方向に最も近い方向など)としてもよい。あるいは、列をグループとしてグループ内での特徴量の平均値を求めている場合には、最大値(最小値)を与えるグループ(列)から最小値(最大値)を与えるグループ(列)に向かう、上記列と垂直な方向を修正方向としてもよい。
【0119】
また、上記の実施形態の説明では、不均一度が許容範囲外の場合に自動的に設定パラメータを変更するように説明しているが、設定パラメータの変更をユーザに提案するだけにし、実際のパラメータ変更はユーザに任せるようにしてもよい。あるいは、設定パラメータの変更をユーザに提案するとともに、この変更を許可するか否かをユーザに問い合せる表示を行い、ユーザから変更を許可する旨の入力を受け付けた場合に、品質管理装置が設定パラメータの変更を、生産設備管理装置に対して行うようにしてもよい。設定パラメータの変更をユーザに提案する際には、不均一度が閾値以上である特徴量(検査項目)の種類、その不均一度、変更対象の設定パラメータをユーザに提示することが好ましい。このような詳細の提示は、品質管理装置が自動的に設定パラメータの変更を実行する場合にも好ましい。
【0120】
また、上記の第1の実施形態および第2の実施形態を組み合わせることもできる。すなわち、リフロー工程後のはんだ形状等の不均一度に基づいて、はんだ印刷装置およびマウンタの設定パラメータを変更するように構成することができる。この場合、あるアンバランス(例えば、電極上面高さアンバランス)が閾値以上の場合に、はんだ印刷装置とマウ
ンタの両方の設定パラメータを変更するようにしてもよいし、いずれか一方の設定パラメータのみを変更するようにしてもよい。また、閾値以上となる不均一度の組合せに応じて変更する設定パラメータを決定してもよい。例えば、電極上面高さアンバランスと電極ぬれ角アンバランスのいずれか一方のみが閾値以上となる場合にはマウンタの設定パラメータのみを変更するが、両方の不均一度が閾値以上となる場合にははんだ印刷装置の設定パラメータを変更するようにしてもよい。
【0121】
また、上記の実施形態では、不均一度に基づいて実装条件を変更する機能を分析装置Y6のみで実現するものとして説明しているが、これらの機能は品質管理システムYの各装置によって分担されて実現されてもよい。例えば、分析装置Y6が不均一度や特徴量を算出する代わりに、外観検査装置Y3、X線検査装置Y4、検査管理装置Y5のいずれかまたはこれらの協働によって不均一度や特徴量を算出するようにしてもよい。同様に、判定処理や実装条件の変更指示も任意の装置によって行ってよい。すなわち、システム全体として、上記で説明した機能が実現されればよく、その具体的な態様は特に限定されない。
【符号の説明】
【0122】
X1・・はんだ印刷装置 X2・・マウンタ X3・・リフロー炉
X4・・生産設備管理装置
Y1・・はんだ印刷検査装置 Y2・・部品検査装置 Y3・・外観検査装置
Y4・・X線検査装置 Y5・・検査管理装置 Y6・・分析装置 Y7・・作業端末
10・・外観検査画像・X線検査画像取得部
20・・不均一度算出部
30・・判定部
40・・実装条件変更部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15