(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、本発明に係る表示装置100を概念的に示した構成ブロック図であり、以下に説明する各実施形態において共通する構成である。表示装置100は、音量情報取得部120、報知情報取得部130、表示部140を含んで構成される。表示部140は、ユーザに映像を提示する表示ディスプレイ部144と表示ディスプレイ部144に表示される映像を制御する表示制御部142を含んで構成される。各構成要素の具体例は、各々の実施形態において説明する。
【0014】
本発明に係る表示装置100の第1の実施形態について、
図2から
図6を参照して説明する。第1の実施形態に係る表示装置100は、
図2に示すように、自動車内で各種情報を虚像として投影表示するHUD装置200、およびメディア再生装置400を用いて構成される。第1の実施形態におけるメディア再生装置400は、車載ナビゲーション装置、車載オーディオ装置、可搬型のナビゲーション装置やオーディオ装置等の各種携帯端末など様々な装置を対象とする。また、表示部140はHUD装置200に限らず、ナビゲーション装置等が備える表示部であってもよい。
【0015】
HUD装置200は、
図2に示すように自動車のダッシュボード530等に設置され、各種情報を主に自動車の運転者が虚像220として目視可能な位置に投影する。虚像220は、自動車のウィンドシールド510やコンバイナなどに投影される。HUD装置200は、ダッシュボード530上に設置されていてもよく、ダッシュボード530内に内蔵されていてもよい。また、HUD装置200は、自動車の天井やリアビューミラー等に設置されていてもよい。
【0016】
メディア再生装置400は、一例として自動車のダッシュボード530等に設置され、音声を含むコンテンツを再生する場合に再生音量を調整する操作入力部405を備える。操作入力部405は、ユーザが任意に再生音量を操作可能なインターフェースであり、各種スイッチやタッチパネル、音声操作などにより実現される。また、操作入力部405は、自動車のステアリングホイール520に備えられていてもよい。また、メディア再生装置400からの音声信号は、操作入力部405の操作により再生音量が調整され、スピーカ550によって出力される。
図2においては、スピーカ550の例として左スピーカ550Lおよび右スピーカ550Rとしたが、構成は任意である。
【0017】
HUD装置200は、
図3に示すように、投影制御部211、光源部212および光学部213を含んで構成される。投影制御部211は、CPU(Central Processing Unit)等により構成され、HUD装置200の入出力や構成要素の動作を制御する。具体的には、HUD装置200に入力される投影対象映像データに基づき光源部212の光量や色調、表示形態等を制御する。また、光学部213がMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラーによる光の走査によって投影映像を生成する構成を含む場合、投影制御部211はMEMSミラーの揺動を制御する。
【0018】
光源部212は、HUD装置200が投影する映像を光学的に形成する。具体例としては、光源部212がMEMSミラーを用いている場合、光源としてのレーザダイオードおよびレーザダイオードからの光を走査するMEMSミラーが含まれる。また、光源部212が液晶表示装置を用いる場合、光源としてのLED(Light Emitting Diode)、反射型または透過型の液晶パネル、偏光板等が含まれる。
【0019】
光学部213は、光源部212が生成した投影する映像を虚像220として投影するための光学素子からなり、投射レンズ等の各種レンズ、中間像フィルタや反射鏡等が含まれる。
【0020】
メディア再生装置400の例として、自動車で用いられるナビゲーション装置の例を説明する。メディア再生装置400は
図4に示すように、記憶部401、位置情報取得部402、センサ部403、H/U表示部404、操作入力部405、音声出力部406、制御部410を含んで構成される。
【0021】
記憶部401は、音声コンテンツや映像コンテンツ、地図情報や表示情報等の経路案内などに用いる各種情報を記憶し、制御部410により、記憶部401からの各種情報の読み出しや書き込みが制御される。記憶部401は、メディア再生装置400に備えられる各種記憶媒体や、各種接続または通信を用いて利用可能となる外部の記憶媒体や外部の記憶装置であってもよい。
【0022】
位置情報取得部402は、ナビゲーション装置としてのメディア再生装置400が経路案内目的や自動車の周辺設備に対する位置を把握するために位置情報を取得するGPS(Global Positioning System)受信機である。後述する制御部410は、位置情報取得部402からのGPSデータに基づき、現在位置を緯度経度情報として算出し、経路処理等に用いる。
【0023】
センサ部403は、位置情報取得部402から取得した現在位置情報の精度を向上させるための加速度センサや傾きセンサ等の各種センサにより構成される。センサ部403が出力する値は、制御部410が取得し、各種処理に用いられる。また、センサ部403は、ナビゲーション装置としてのメディア再生装置400が備えられる車両の周辺情報を取得するセンサを備える。具体例としては、車両の周囲を撮影するカメラ、車両の周囲の障害物等を検出するミリ波や赤外線等のセンサなどである。
【0024】
H/U(Head Unit)表示部404は、ヘッドユニットとして用いられるナビゲーション装置に備えられている液晶表示装置等の表示装置であり、後述する表示処理部412の制御により、経路案内に関する情報や周辺施設情報、各種設定画面、音声コンテンツや映像コンテンツの再生画面等を表示する。
【0025】
操作入力部405は、メディア再生装置400をユーザが操作するためのユーザインターフェースであり、各種スイッチやH/U表示部404に備えられたタッチパネル、音声による入力が可能である。操作入力部405から入力された操作信号は、後述する操作処理部415により、入力された操作と処理が対応付けられ、実行される。操作入力部405は、音声コンテンツや映像コンテンツの再生音量の操作を受け付ける。
【0026】
音声出力部406は、メディア再生装置400が再生する各種コンテンツの音声を出力する。音声出力部406は、記憶部401等に記憶された各種コンテンツの再生処理に伴い、後述する音声処理部413の処理によってデコード等の処理が行われた音声信号を、
図2に示すスピーカ550に出力する。音声出力部406は、音声信号出力の増幅機能やD/A(Digital to Analog)変換機能を含んでもよい。メディア再生装置400が再生するコンテンツの例としては、記憶部401や図示しないディスクドライブ等に記憶された音声コンテンツや映像コンテンツ、図示しない放送受信部が受信するラジオ放送の音声やテレビ放送の映像および音声、図示しない通信部が受信するネットワークを介した各種コンテンツ等である。
【0027】
制御部410は、CPUやDSP(Digital Signal Processor)およびそれらの動作に用いられるRAMやROM等により構成される。制御部410のROMや記憶部401には、メディア再生装置400を動作させるための各種プログラムが記憶されている。制御部410は、これらのプログラムによって動作する機能として、経路処理部411、表示処理部412、音声処理部413、報知処理部414、操作処理部415を実現する。
【0028】
経路処理部411は、記憶部401に記憶された地図情報、操作入力部405により指定された目的地情報、および位置情報取得部402が受信した信号に基づく現在位置情報等に基づき、現在位置から目的地までの経路を生成する処理を実行する。経路処理部411により生成された経路は、H/U表示部404やHUD装置200に出力され、表示される。また、経路処理部411は、経路内の直近の交差点等の進行方向等の指示情報を生成し、H/U表示部404やHUD装置200に出力され、表示される。
【0029】
表示処理部412は、H/U表示部404およびHUD装置200へ出力する情報の表示を制御する。具体例としては、H/U表示部404およびHUD装置200における表示する情報の構成、表示内容、表示色や表示輝度、表示タイミング等を制御する。また、表示処理部412は、H/U表示部404がタッチパネルとして動作する場合、タッチ操作に連動した各種GUI(Graphical User Interface)などを表示させる。
【0030】
音声処理部413は、メディア再生装置400が出力するための音声を処理する。具体例としては、メディア再生装置400が再生する各種コンテンツに含まれる音声データのデコード処理、音質変更処理、音量変更処理等である。
【0031】
報知処理部414は、ユーザに対して報知すべき情報を報知する処理を行う。具体例としては、センサ部403として備えられている車両の周囲を撮影するカメラまたは車両の周囲の障害物等を検出するミリ波や赤外線等のセンサ等の出力を解析し、車両の周辺に存在する他の車両との距離や、歩行者、自転車または他の物体との距離が所定未満となった場合に、H/U表示部404またはHUD装置200による報知表示が行われるよう、表示処理部412に報知表示指示を行う。他の例としては、センサ部403として備えられている車両の周囲を撮影するカメラの出力を解析し、走行中の車両と画像処理によって抽出したセンターラインとの距離が急速に近いづいた場合や、センターラインを超えて走行している場合、H/U表示部404またはHUD装置200による報知表示が行われるよう、表示処理部412に報知表示指示を行う。
【0032】
報知処理部414は、報知対象となる情報を、図示しない通信部を用いてITS(Intelligent Transport System)用の路側装置より取得してもよい。
【0033】
報知処理部414は、上述した報知指示をスピーカ550から出力される音声による報知としてもよい。または報知表示に加えて音声による報知を併用してもよい。これらの場合は、音声による報知が行われるよう、音声処理部413に報知音出力指示を行う。
【0034】
操作処理部415は、操作入力部405の操作を受け付ける処理を行う。操作処理部415は、操作入力部405がスイッチやタッチパネルである場合は、それらの操作結果に基づく信号を受信し、対応する操作処理へ受け渡す。操作入力部405が音声入力である場合は、操作入力部405が備えるマイクロフォンからの音声信号をD/A変換し、音素解析等の処理を行い、その結果に基づき対応操作処理へ受け渡す。具体例としては、メディア再生装置400が音声コンテンツまたは音声を含む映像コンテンツを再生しているときに、操作入力部405に再生音量変更の操作が行われたときは、操作処理部415による音量操作処理が行われたことの判断および操作量に基づき、音声処理部413は再生音量を操作に応じて変更する。
【0035】
第1の実施形態としての表示装置100は、操作入力部405および操作処理部415が、音量情報取得部120として機能する。また、センサ部403および報知処理部414が、報知情報取得部130として機能する。また、表示部140を構成する表示制御部142は表示処理部412が対応し、表示ディスプレイ部144は、H/U表示部404およびHUD装置200が対応する。
【0036】
次に、第1の実施形態に係る表示装置100の動作例を説明する。
図5に示す動作例は、表示装置100が備えられている車両が動作しているとともに、表示装置100を構成するメディア再生装置400が音声情報を含むコンテンツの再生を行っていることを前提とする。
【0037】
車両が動作している場合、センサ部403に含まれる車外情報を取得するカメラやセンサ等のデバイスは逐次動作し、報知処理部414は報知対象となる条件の検出を逐次行う。また、音声情報を含むコンテンツの再生が行われているときは、音声処理部413は操作入力部405による音量操作を逐次受け付けている。
【0038】
このような状態において、報知処理部414が報知対象情報があると判断した場合(ステップS101:Yes)、報知処理部414は報知処理を開始する(ステップS102)。ここで実行される報知処理とは、ユーザである運転者に危険な周辺状況や車両の状況を、映像または音声により報知するものである。具体例としては、前後の他の車両との車間距離が危険と判断される程度近い距離となった場合、H/U表示部404またはHUD装置200に対して危険であることを示す表示を行う。または、走行中の車両がセンターラインに急激に近づいた場合やセンターラインを超えて場合に、
H/U表示部404またはHUD装置200に対して危険であることを示す表示を行うとともに、音声により危険であることを報知する。
【0039】
図6は、ステップS102において実行される報知の例であり、HUD装置200が投影する虚像220に報知表示されている例である。
【0040】
虚像220の表示内容は、H/U表示部404の表示内容とは異なり、ユーザが前方視認に対して少ない視線移動により虚像220を視認可能なため、主に走行中に頻繁に確認する必要のある情報が表示される。
【0041】
走行路表示部221は、実際に車両が走行している道路の形態を示し、道路幅やカーブの形態等をユーザに提示する。走行路表示部221の表示は、位置情報取得部402から取得した現在位置情報および記憶部401に記憶されている地図情報を用いて表示される。時刻表示部222は、現在時刻を表示する。燃料表示部223は、燃料の残量や蓄電量を表示する。予定進行方向表示部224は、経路処理部411が生成した経路に基づき、曲がることが適切である交差点までの距離および進行方向を表示する。速度表示部225は、現在の走行速度を表示する。
【0042】
ステップS102において報知処理が実行された場合、虚像220に報知表示部226が表示される。
図6の表示例の場合、報知表示部226は前方または後方の他の車両との車間が狭くなり危険であることを示している。
【0043】
図5に戻り、ステップS102で報知処理が開始され、報知処理が実行されている間に、音声処理部413は操作入力部405により所定の音量変更操作が受け付けられたか否かを判断する(ステップS103)。ここでいう所定の音量変更操作とは、予め設定された所定の第1の閾値未満の音量から第1の閾値以上の音量へ上昇させる操作が行われた場合である。また、所定の音量変更操作の他の例としては、音量変更操作前の音量から音量変更操作が行われた後の音量までの第1の音量差が所定の音量差以上の音量上昇である場合である。
【0044】
ユーザが音量が変更された音声に意識が集中してしまい、報知表示への注意が散漫になってしまうような音量変更は、音量を上昇させた場合に限らず、音量を下降させた場合においても同様である。この場合の所定の音量変更操作とは、予め設定された所定の第2の閾値以上の音量から第2の閾値未満への音量へ下降させる操作が行われた場合である。また、所定の音量変更操作の他の例としては、音量変更操作前の音量から音量変更操作が行われた後の音量までの第2の音量差が所定の音量差以上の音量下降である場合である。
【0045】
音量を上昇させる音量変更と、音量を下降させる音量変更の条件として、第1の閾値として設定される音量は、第2の閾値として設定される音量より大きい音量が設定される。また、第1の音量差と第2の音量差は、同一の音量差であってもよく異なる音量差であってもよい。
【0046】
ステップS103において、所定の音量変更操作が受け付けられたと判断された場合(ステップS103:Yes)、表示処理部412は、ステップS102の報知処理で表示した報知表示部226の表示を、ユーザの目につきやすいように目立つ表示に変更する(ステップS104)。
【0047】
ステップS104で実行される報知表示部226の変更の具体例としては、報知表示部226の表示サイズを大きく表示する、目立つ色調で表示する、点滅させるなど様々な表示形態が適用可能である。
【0048】
ステップS103において、所定の音量変更操作が受け付けられていないと判断された場合(ステップS103:No)、報知処理部414は報知処理を終了するか否かを判断する(ステップS111)。ステップS111で判断される報知終了のタイミングの具体例としては、報知対象となる危険な状態ではなくなったタイミングである。
【0049】
ステップS111において、報知終了と判断された場合(ステップS111:Yes)、本処理を終了する。報知終了しないと判断された場合(ステップS111:No)、ステップS103の処理に戻る。
【0050】
ステップS101からステップS104の処理は、報知処理の実行中に音量変更操作が受付けられた場合の処理である。他の実行タイミングとしては音量変更操作中または音量変更操作から所定時間内に報知処理が開始された場合である。この場合、ステップS101において報知対象情報が無いと判断した場合(ステップS101:No)であっても、音声処理部413は操作入力部405により所定の音量変更操作が受け付けられたか否かを判断する(ステップS105)。
【0051】
ステップS105において、所定の音量変更操作が受け付けられたと判断された場合(ステップS105:Yes)、音声処理部413は、ステップS105の音量変更操作から所定時間が経過したか否かを判断する(ステップS106)。ここでいう所定時間とは、具体例としては約5秒から10秒程度が適切であり、音量変更された音声にユーザが意識を向けてしまう時間長を含むことが好ましい。
【0052】
ステップS105において、所定の音量変更操作が受け付けられていないと判断された場合(ステップS105:No)、ステップS101の処理に戻る。
【0053】
ステップS106において、音量変更操作から所定時間が経過していないと判断された場合(ステップS106:No)、報知処理部414は報知対象情報があるか否かを判断する(ステップS107)。つまり、報知対象情報の有無判断が逐次実行されている状態において、所定の音量変更操作から所定時間内に報知対象情報が生じた場合を検出する。ステップS106において、音量変更操作から所定時間が経過したと判断された場合(ステップS106:Yes)、ステップS101の処理に戻る。
【0054】
ステップS107において、報知対象情報があると判断された場合(ステップS107:Yes)、報知処理部414は報知処理を開始する(ステップS108)。このとき、表示処理部412は、報知表示部226の表示を、ユーザの目につきやすいように目立つ表示として表示する。ステップS107において、報知対象情報が無いと判断された場合(ステップS107:No)、ステップS106の処理に戻る。
【0055】
ステップS104の処理またはステップS108の処理後、音声処理部413は、ステップS103またはステップS105の音量変更操作から所定時間が経過したか否かを判断する(ステップS109)。ここで判断される所定時間とは、ステップS106で判断される所定時間と同一である。ステップS109において、音量変更から所定時間経過したと判断された場合(ステップS109:Yes)、ステップS104またはステップS108で開始された報知処理の変更された報知表示を通常の表示に戻す(ステップS110)。ステップS109において、音量変更から所定時間経過していないと判断された場合(ステップS109:No)、ステップS109の処理に戻る。
【0056】
上記のような処理の流れによる、具体的な音量変更タイミングと報知表示変更のタイミング例を
図7により説明する。
図7により説明する例は、音量を上昇させる場合の例であるが、音量を下降させる場合であっても同様である。
【0057】
図7の縦軸は音量レベルであり、ユーザが操作入力部405を操作することにより、レベル0からレベルMAXまで任意に変更できる。横軸は時間軸である。
【0058】
ユーザが操作入力部405を操作し、時刻t
0から音量を上昇させる操作を行い、音量が実線で示されるように上昇しているとき、報知処理部414が報知対象情報があると判断し(ステップS101:Yes)、時刻t
1より報知表示を開始する(ステップS102)。報知表示が継続している間の時刻t
2に音量が第1の閾値を越えた場合(ステップS103:Yes)、表示処理部412は時刻t
2から時刻t
3までの期間aの間、ユーザの目につきやすいように報知表示を目立つ表示に変更する(ステップS104、ステップS109、ステップS110)。
【0059】
時間t
3で、表示処理部412は、報知表示部226の表示を通常の表示に戻す(ステップS110)。このときの音量レベルは第1の閾値以上であっても、ユーザが音量の変更により報知への注意が散漫になってしまう場合に、報知表示部226にユーザの注意を引く目的は達成される。
【0060】
この例においては、報知表示が戻った後の時刻t
4で報知表示を終了している(ステップS111:Yes)が、期間aの終了前に報知表示が終了した場合、報知表示が変更された状態であっても報知表示の終了タイミングで報知表示を終了する。
【0061】
さらに、他の例としてユーザが操作入力部405を操作し、時刻t
5から所定以上の音量増加量で音量を増加させた場合(ステップS105:Yes)、音量変更から所定時間内であれば(ステップS106:No)、時刻t
6で報知対象情報があると判断した場合(ステップS107:Yes)、報知処理部414は報知処理を開始するとともに表示処理部412は時刻t
6から時刻t
7までの期間aの間、ユーザの目につきやすいように報知表示を目立つ表示に変更する(ステップS108、ステップS109、ステップS110)。
【0062】
この場合の所定の音量増加量とは、所定時間内に行われる所定の音量増加であり、例えば単位時間として1秒内に、音量0から音量MAXを100%とすると、50%以上の音量増加が行われた場合などである。
【0063】
このような所定以上の音量増加が行われた場合は、
図7に示すように上昇させた音量が第1の閾値未満であっても、報知表示を変更する。または、所定以上の音量増加に加えて上昇させた音量が第1の閾値を超えることを、報知表示を変更する条件としてもよい。
【0064】
第1の実施形態に係る表示装置100による表示方法および表示装置100が実行する表示プログラムにおいては、ステップS103およびステップS105が、音量情報取得ステップに対応する。また、ステップS101およびステップS107が、報知情報取得ステップに対応する。また、ステップS104からステップS110、およびステップS108からステップS110が、表示変更ステップに対応する。
【0065】
このような処理を行うことにより、本発明に係る表示装置100は、音量変更情報に基づいて報知表示をユーザの目につきやすいように表示形態を変更する。このため、ユーザは、音量が変更された音声出力に意識が集中してしまった場合であっても、報知表示に気付くことができる。
【0066】
次に、本発明に係る表示装置100の第2の実施形態について、
図8から
図10を用いて説明する。第2の実施形態に係る表示装置100の説明は、第1の実施形態に係る表示装置100の説明と共通する部分についての説明は省略する。
【0067】
第2の実施形態に係る表示装置100も、第1の実施形態に係る表示装置100同様に、自動車内で各種情報を虚像として投影表示するHUD装置200、およびメディア再生装置400を用いて構成される。異なる点としては、
図8に示すように、表示装置100に、運転支援情報取得部150が備えられている点である。
【0068】
運転支援情報取得部150は、表示装置100が備えられている自動車に運転支援機能が備えられている場合に、運転支援が実行されているか否かの情報を取得する。ここでいう運転支援とは、ユーザの運転操作に対して限定的に行う支援や、全面的に行う支援のいずれも対象とする。部分的に行う運転支援の例としては、オートクルーズ機能等であり、全面的に行う運転支援の例としては、自動走行等である。
【0069】
運転支援情報取得部150は、これらの運転支援に関する情報を、例えば車載ネットワークであるCAN(Controller Area Network)などから取得する。したがって、メディア再生装置400の構成において、
図9に示すように、CAN接続部407および制御部410の機能としてのCANデータ処理部416に相当する。
【0070】
CAN接続部407は、CANに接続するためのインターフェースである。CANデータ処理部416は、CAN接続部407を介してCAN情報を目的に応じて取得し、用いるための処理を行う。また、CANデータ処理部416は、取得したCANデータに基づき、運転支援が実行されているか否かを判断する。
【0071】
図10に示す動作例は、ステップS103において、所定の音量変更操作が受け付けられたと判断された場合(ステップS103:Yes)、CANデータ処理部416は、運転支援が実行されているか否かを判断する(ステップS201)。ステップS201において、運転支援が実行されていると判断された場合(ステップS201:Yes)、表示処理部412は、ステップS102の報知処理で表示した報知表示部226の表示を、ユーザの目につきやすいように目立つ表示に変更する(ステップS104)。運転支援が実行されていないと判断された場合(ステップS201:No)、ステップS111の処理を実行する。
【0072】
同様に、ステップS107において、報知対象情報があると判断された場合(ステップS107:Yes)、CANデータ処理部416は、運転支援が実行されているか否かを判断する(ステップS202)。ステップS202において、運転支援が実行されていると判断された場合(ステップS202:Yes)、報知処理部414は報知処理を開始する(ステップS108)。このとき、表示処理部412は、報知表示部226の表示を、ユーザの目につきやすいように目立つ表示として表示する。ステップS202において、運転支援が実行されていないと判断された場合(ステップS202:No)、報知処理部414は報知処理を開始する(ステップS203)。このとき、表示処理部412は、報知表示部226の表示を、通常の表示形態として表示する。
【0073】
このような処理を行うことにより、本発明に係る表示装置100は、運転支援時に音量変更情報に基づいて報知表示をユーザの目につきやすいように表示形態を変更する。このため、ユーザは、通常の運転時よりコンテンツの音声出力に意識が集中しやすい運転支援時に、音量の変更によりさらに音声出力に意識が集中してしまった場合であっても、報知表示に気付くことができる。
【0074】
以上、本発明の表示装置100を、自動車内で用いる装置として説明したが、本発明は自動車内で用いる表示装置に限らず有用である。次に、本発明に係る表示装置100の第3の実施形態について、
図11から
図14を用いて説明する。第3の実施形態に係る表示装置100の説明は、第1の実施形態に係る表示装置100の説明と共通する部分についての説明は省略する。
【0075】
図11は、本発明の表示装置100を構成するHMD装置600およびメディア再生装置620を模式的に示した図である。HMD装置600は、ユーザの頭部に装着される眼鏡型のものやゴーグル型の装置であり、メディア再生装置620は、HMD装置600に各種情報を出力できるものであれば、携帯型やHMD装置600と一体型など、どのような形態であってもよい。
【0076】
HMD装置600は、HMD投射部610、ハーフミラー611、眼鏡レンズ部640、眼鏡テンプル部650等を含んで構成される。メディア再生装置620は、操作入力部624を備え、ユーザに音声信号を出力するためのイヤホン660(左イヤホン660L、右イヤホン660R)が接続される。イヤホン660は、メディア再生装置620に接続される任意のヘッドホンや小型のスピーカであってもよい。また、HMD装置600と一体型であってもよい。
【0077】
メディア再生装置620は、再生するコンテンツに音声信号が含まれている場合は、イヤホン660に音声信号を出力するとともに、再生するコンテンツに映像信号が含まれている場合は、HMD投射部610に映像信号を出力する。
【0078】
HMD投射部610は、入力された映像信号に基づいた映像光をハーフミラー611に投影し、HMD装置600を装着したユーザは、眼鏡レンズ部640を介してハーフミラー611で反射された映像を見ることができる。
【0079】
図12は、HMD投射部610の構成ブロック図である。HMD投射部610は、光源部612、光学部613、センサ部614を備える。
【0080】
光源部612は、ユーザに提示するための映像光を生成する。具体例としては、提示するための映像を構成する液晶パネル、および液晶パネルに構成された映像を投射するための光源であるLED素子等により構成される。光学部613は、光源部612が生成した映像光をハーフミラー611へ導くための光路を生成する光学部品であり、映像光を拡大または縮小するレンズや、反射鏡等により構成される。
【0081】
センサ部614は、一または複数のセンサによって構成される。具体的には、現在位置情報を取得するGPS受信部、HMD装置600の向きや移動方向を検出する加速度センサや方位センサを備える。また、センサ部614は、HMD装置600を装着したユーザの前方等を撮影するカメラであってもよい。
【0082】
メディア再生装置は、上述したように携帯型やHMD装置600と一体型などの形態であり、
図13に示すように、記憶部621、操作入力部623、音声出力部624、制御部630を含んで構成される。
【0083】
記憶部621は、記憶部401と同様の構成であり、音声コンテンツや映像コンテンツを記憶する。操作入力部623は、操作入力部405と同様の構成であり、メディア再生装置620が再生するコンテンツの再生音量の調整操作を受け付ける。
【0084】
音声出力部624は、音声出力部406と同様の構成であり、メディア再生装置620が再生する各種コンテンツの音声を出力する。音声出力部624は、後述する音声処理部632の処理によってデコード等の処理が行われた音声信号を、
図11に示すイヤホン660に出力する。
【0085】
制御部630は、制御部410と同様の構成であり、RAM等に記憶されているプログラムによって動作する機能として、表示処理部631、音声処理部632、報知処理部633、操作処理部634を実現する。表示処理部631は、表示処理部412と同様の機能を備え、HMD投射部610へ出力する情報の表示を制御する。音声処理部632は、音声処理部413と同様の機能を備える。
【0086】
報知処理部633は、報知処理部414と同様の機能を備える。具体例としては、センサ部614としてのGPS受信部により取得した現在位置情報に基づき、ユーザの周辺に報知対象が存在する場合、表示処理部631に報知表示指示を行う。また、センサ部614としてのカメラが撮影した画像を解析することにより報知対象の存在を検出し、表示処理部631に報知表示指示を行う。報知対象の例としては、進行方向の階段や工事区画、ユーザに接近する車両等である。
【0087】
操作処理部634は、操作処理部415と同様の機能を備え、操作入力部624の操作を受け付ける処理を行う。具体例としては、メディア再生装置620が音声コンテンツまたは音声を含む映像コンテンツを再生しているときに、操作入力部624に再生音量変更の操作が行われたときは、操作処理部634による音量操作処理が行われたことの判断および操作量に基づき、音声処理部632は再生音量を操作に応じて変更する。
【0088】
第3の実施形態としての表示装置100は、操作入力部623および操作処理部634が、音量情報取得部120として機能する。また、センサ部614および報知処理部633が、報知情報取得部130として機能する。また、表示部140を構成する表示制御部142は表示処理部631が対応し、表示ディスプレイ部144は、HMD装置600が対応する。
【0089】
第3の実施形態に係る表示装置100の動作例は、
図5に示す第1の実施形態に係る表示装置100の動作例と同様である。
【0090】
図14は、ステップS102において実行される報知の例であり、HMD装置600が投影する虚像641に報知表示されている例である。虚像641には、一例として時刻表示部642、行先表示部643、施設情報表示部644、コンテンツ表示部645が表示される。また、ステップS102およびステップS108においては、報知表示部646が表示される。
【0091】
時刻表示部642は、現在時刻等を表示する。行先表示部643は、行先が予め設定され、行先案内処理が動作している場合は、記憶部621に記憶されている地図情報に基づいて、眼鏡レンズ部640を介して視認する実風景の道路上や交差点上に行先を示す矢印を表示する。また、行先表示部643は、行先の設定が行われていない場合や行先設定の機能を有していない場合は、地図情報に基づいて、眼鏡レンズ部640を介して視認する実風景の道路上や交差点上の進行方向の選択肢等を示す矢印を表示する。
【0092】
施設情報表示部644は、眼鏡レンズ部640を介して視認する実風景の施設に対して、その施設に関連する情報を表示する。具体的には、店舗名や店舗のURL、口コミ情報等である。コンテンツ表示部645は、メディア再生装置620が再生したコンテンツの再生画面を表示する。コンテンツ表示部645は、施設情報表示部644のURL等に基づくWeb画面であってもよい。
【0093】
報知表示部646は、報知処理部633の指示によって表示される。
図14の例においては、HMD装置600の現在位置情報とHMD装置600を装着したユーザの移動方向および記憶部621に記憶されている地図情報に基づき、進行方向に報知対象としての階段が存在することを示している。
【0094】
報知表示部646が表示されるときに、ステップS104またはステップS108のように音量変更に基づく報知表示の変更を行う場合、表示処理部631は、報知表示部646の表示を、ユーザの目につきやすいように目立つ表示に変更する。
【0095】
報知表示部646の表示位置は、
図14に示すように、コンテンツ表示部645に重畳する位置に表示してもよい。また、通常の報知時には報知表示部646をコンテンツ表示部645に重畳しない位置に表示させ、音量変更に基づく報知表示を変更した場合に、報知表示部646をコンテンツ表示部645に重畳する位置に表示してもよい。
【0096】
このような処理を行うことにより、本発明に係る表示装置100は、音量変更情報に基づいて報知表示をユーザの目につきやすいように表示形態を変更する。このため、ユーザは、HMD装置600を装着している場合における音量変更により、音声出力に意識が集中してしまった場合であっても、報知表示に気付くことができる。