(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記接続設定変更手段は、前記携帯端末の電池消費量節約モードがオンになっている場合に、前記車両状態判別手段によって前記車両が走行していないと判別されると、前記携帯端末の無線接続設定をオフの状態とする、
ことを特徴とする請求項6に記載の車両用通信システム。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0011】
本実施形態に係る車両用通信システム1は、
図1に示すように、車載装置100と携帯端末200とを備え、両者の間で近距離無線接続を確立し、種々の通信を実行するシステムである。
【0012】
(車載装置)
車載装置100は、例えば自動二輪車である車両2に搭載された装置である。本実施形態では、車載装置100は、車両2の計器装置であり、具体的には、車両2に関する各種情報を報知する複合計器として構成されている。
【0013】
車載装置100は、
図1、
図2に示すように、計器部110と、表示部120と、BT通信部130と、BT接続操作部140と、制御部150と、制御メモリ160と、コンテンツ記憶部170と、を備える。
【0014】
計器部110は、例えばスピードメータである。計器部110は、目盛り、数値等からなる指標部(図示せず)と、この指標部を指示する指針111とを備え、両者を対比判読させることで車両2の車速を報知する。また、計器部110は、指針111を回転させるステッピングモータ(図示せず)を備える。ステッピングモータは、制御部150の制御の下で動作する。
【0015】
表示部120は、車両2に関する各種情報(以下、車両情報)を示す画像を表示するものである。表示部120は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機ELディスプレイ(OELD:Organic Electro-Luminescence Display)等からなり、制御部150の制御の下で車両情報を表示する。
【0016】
BT通信部130は、アンテナと、所定のBTプロファイルに対応したBTモジュールとから構成され、他のBT機器(本実施形態では携帯端末200)との間でBT接続(BT仕様を満たす無線通信)を行う。なお、車載装置100と携帯端末200とは既知の手法によりペアリングされており、両者の間でBT接続が可能となっているものとする。
【0017】
BT接続操作部140は、ユーザ操作に応じて、BT接続のオンとオフを切り替えるものである。BT接続操作部140は、操作内容(オン又はオフ操作)を示す信号を制御部150に供給する。BT接続操作部140の具体的な構造については、後に述べる。
【0018】
制御部150は、CPU(Central Processing Unit)、グラフィックコントローラなどから構成され、制御メモリ160に格納されている動作プログラムを実行して、車載装置100の各部の動作を制御する。制御部150は、各種ドライバを介して、計器部110、表示部120の動作を制御する。また、制御部150は、携帯端末200との間でBT接続を確立し、種々の制御を行う。なお、制御の詳細については後述する。
また、制御部150は、車載装置100の外部装置であるECU(Electronic Control Unit)21、スピーカ22、及び、操作部23の各々と電気的に接続されている。
【0019】
ECU21は、車両2の各部を制御するものであり、図示しない車内LAN(Local Area Network)を介して、制御部150と接続されている。制御部150は、ECU21から車速や残燃料などの車両情報を取得する。ECU21から取得した車両情報に基づいて、制御部150は、車速に応じた回転角でステッピングモータにより指針111を回転させたり、残燃料を表示部120に表示させたりする。
【0020】
スピーカ22は、車両2に設けられ、制御部150の制御の下で、音声コンテンツの再生音、警告音などを出力する。なお、スピーカ22は、車載装置100が備えるものであってもよいし、車両2の運転者が装着するヘルメットに収められたヘルメットスピーカ等であってもよい。例えば、ヘルメットスピーカは、車載装置100とBT通信などの近距離無線通信が可能なものである。
【0021】
操作部23は、操作ボタン、操作キー、タッチパネル等を備え、車両2の所定位置に配設されるものである。操作部23は、ユーザの操作に応答して、操作内容を示す信号を制御部150に供給する。例えば、操作部23は、表示部120の表示内容を切り替える操作や、スピーカ音量の調整操作などに用いられる。なお、操作部23は、車載装置100に備えられていてもよい。
【0022】
制御メモリ160は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等から構成され、制御部150を構成するCPUのワークエリア、CPUが実行する動作プログラムを記憶するプログラムエリア、データエリア等として機能する。プログラムエリアには、計器部110や表示部120の動作を制御するプログラムや、後述するBT接続確立処理(
図5(a))及びBT接続設定報知処理(
図6)を行うためのプログラムP1等の動作プログラムが記憶される。データエリアには、図示するように、ペアリング済みの他のBT機器(本実施形態では携帯端末200)と共通の識別コードであるリンクキーLK等が記憶される。
【0023】
コンテンツ記憶部170は、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等から構成され、車載装置100で再生する各種コンテンツ(音声コンテンツ、動画コンテンツ等)を記憶する。
【0024】
(携帯端末)
携帯端末200は、例えばスマートフォンからなり、いわゆる携帯電話の機能、BT接続の機能等を備える。また、携帯端末200は、BT接続のオン・オフを設定する機能(BT接続設定機能)と、電池消費量節約モードがオンとなった場合に、自機のバッテリの消費を抑えて動作(省電力で動作)する機能を有する。携帯端末200は、車両用通信システム1において、ユーザ(車両2の運転者)に携帯されて、車両2の搭乗時に使用される。
【0025】
携帯端末200は、
図1、
図3に示すように、表示部210と、操作部220と、BT通信部230と、通信部240と、スピーカ250と、センサ部260と、制御部270と、制御メモリ280と、不揮発性メモリ290と、を備える。
【0026】
表示部210は、液晶ディスプレイ(LCD)、有機ELディスプレイ(OELD)等から構成され、制御部270の制御の下で所定の画像を表示する。
【0027】
操作部220は、ユーザの操作に応答して、操作内容を示す信号を制御部270に供給する。本実施形態に係る操作部220は、タッチパネル(タッチスクリーン)から構成され、表示部210と一体となっている。携帯端末200は、操作部220からのユーザ操作により、BT接続設定のオン・オフが切り替え可能となっている。BT接続設定がオン時にはBT接続確立処理が実行される一方、オフ時には同処理が実行されない。また、操作部220からのユーザ操作により、電池消費量節約モードのオン・オフが切り替え可能となっている。
【0028】
BT通信部230は、アンテナと、車載装置100と共通するBTプロファイルに対応したBTモジュールとから構成され、他のBT機器(本実施形態では車載装置100)との間でBT接続を行う。
【0029】
通信部240は、インターネット通信を行うための構成であり、WAN(Wide Area Network)に直接アクセスできる通信モジュール、WANにアクセス可能な外部装置(モバイルルータなど)や公衆無線LAN(Local Area Network)のアクセスポイント等と通信するための通信モジュールなどから構成される。
【0030】
スピーカ250は、携帯電話の機能で通話する際のスピーカであり、通話音の他、警告音などを出力する。
【0031】
センサ部260は、携帯端末200の位置情報を取得するGPS(Global Positioning System)センサ、携帯端末200の加速度を検出する加速度センサ、携帯端末200の角速度を検出するジャイロセンサ等を備える。本実施形態では、携帯端末200は、制御部270の制御の下でGPSセンサが取得した位置情報に基づいてカーナビゲーション情報を表示部210に表示したり、加速度センサ、ジャイロセンサ等からの情報により車両2が走行しているか否かを判別したりする。
【0032】
制御部270は、CPUなどから構成され、制御メモリ280に格納されている動作プログラムを実行して、携帯端末200の各部の動作を制御する。なお、制御部270は、少なくとも一部がASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの専用回路によって構成されていてもよい。これは、車載装置100の制御部150についても同様である。
【0033】
制御メモリ280は、ROM、RAM、フラッシュメモリ等から構成され、制御部270を構成するCPUのワークエリア、CPUが実行する動作プログラムを記憶するプログラムエリア、データエリア等として機能する。プログラムエリアには、通常の通話処理を実行するためのプログラムや、後述するBT接続確立処理(
図5(b))及びBT接続設定変更処理(
図7)を行うためのプログラムP2等の動作プログラムが記憶される。データエリアには、図示するように、車載装置100と共通のリンクキーLK等が記憶される。このように、車載装置100と携帯端末200とはペアリングされ、両者には共通のリンクキーLKが記憶されている。
【0034】
不揮発性メモリ290は、フラッシュメモリ等から構成され、電話番号、発信着信履歴等の各種データや各種コンテンツを記憶する。
【0035】
(BT接続操作部の構造)
次に、BT接続操作部140の構造を説明する。
BT接続操作部140は、
図4に断面で示すように、透光弾性部141と、タクタイルスイッチ142と、第1光源143及び第2光源144(発光素子の一例)と、を備える。
【0036】
透光弾性部141は、透光性を有するシリコンゴム等からなり、車載装置100の筐体101の表側(
図4で上側)に嵌め込まれて、固定されている。透光弾性部141は、ユーザに押圧操作される部分である。
【0037】
タクタイルスイッチ142は、車載装置100の筐体101内に収容された回路基板(プリント回路板)102の基板表側に実装されている。この回路基板102は、制御部150、制御メモリ160等が実装されるものである。タクタイルスイッチ142は、基板法線方向において、透光弾性部141と対向した位置に設けられている。透光弾性部141が押圧操作されるとタクタイルスイッチ142が押され、オンまたはオフの状態に切り替わる。タクタイルスイッチ142は、操作内容(オン又はオフ操作)を示す信号を制御部150に供給する。
【0038】
第1光源143及び第2光源144は、回路基板102のタクタイルスイッチ142の周囲に実装されている。第1光源143及び第2光源144は、例えば、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)から構成され、互いに異なる色で発光する。本実施形態では、第1光源143は青色に発光し、第2光源144は赤色に発光する。
第1光源143及び第2光源144は、制御部150の制御下で所定の発光パターンで発光する。発光パターンとしては、両光源のいずれかを単色で発光させたり、双方を発光させて混色光を表現したり、所定の期間内で点灯を継続させたり、所定のタイミングや周期で点滅させたりする等がある。
【0039】
車載装置100の筐体101内であって、回路基板102の表側には、ケース体103が設けられている。このケース体103は、例えば、所定の樹脂から白色に形成されている。ケース体103の一部には、第1光源143、第2光源144が発した光を透光弾性部141へと効率良く導くライトボックス103aが形成されている。これにより、第1光源143、第2光源144が発光すると、透光弾性部141が光源の発光色で照らされる。
【0040】
BT接続操作部140が、第1光源143、第2光源144の光により、どのように点灯するかは任意であるが、車載装置100の動作の理解を容易にするため、以下のように点灯するものとする。
(1)BT接続が確立している場合、BT接続操作部140は、第1光源143の光により青色に点灯する。(2)BT接続確立処理中は、BT接続操作部140は、第1光源143の光により青色に点滅する。(3)所定の報知、警告をユーザに行う場合、BT接続操作部140は、第2光源144の光により赤色に点灯又は点滅する。
【0041】
ここからは、上記構成を有する車両用通信システム1の動作を説明する。
車載装置100、携帯端末200は、それぞれ、一般的な動作を行うことが可能であるが、以下の説明では、
図5(a)、(b)〜
図7を参照して、本実施形態に特有の処理について説明する。
【0042】
(BT接続確立処理)
車両2のイグニッションのオンに伴って、車載装置100に動作電力の供給が開始され、車載装置100の各部は動作を開始する。動作を開始すると、制御部150は、BT接続操作部140の状態を監視し、BT接続操作部140がオンとなっていれば、
図5(a)に示すBT接続確立処理を開始する。制御部150はこの処理を開始すると共に、第1光源143を点滅させ(つまり、BT接続操作部140が青色に点滅する)、現在、BT接続確立処理中である旨をユーザに報知する。
【0043】
まず、制御部150は、BT通信部130を介して、携帯端末200にBT接続の要求を送信する(ステップA11)。
【0044】
一方、携帯端末200の制御部270は、自機のBT接続設定がオンの状態であり、且つ、車載装置100からの接続要求をBT通信部230で受信すると、
図5(b)に示すBT接続確立処理を開始する。
【0045】
まず、制御部270は、制御メモリ280に格納されているリンクキーLKに基づいて、BT接続要求を送信した車載装置100が、BT接続が認められた装置であるか否かを判別する(ステップB11)。即ち、BT接続要求を送信した装置を認証する。
【0046】
BT接続要求を送信した車載装置100が、BT接続が認められた装置ではないと判別した場合(ステップB11;No)、制御部270は、今回の処理を終了する。
【0047】
一方、BT接続要求を送信した車載装置100が、BT接続が認められた装置であると判別した場合(ステップB11;Yes)、制御部270は、接続要求に対する応答を送信する(ステップB12)。これにより、車載装置100の制御部150が携帯端末200からの応答を受信する(ステップA12;Yes)。
以後、車載装置100の制御部150と携帯端末200の制御部270とは、BT通信部130とBT通信部230を介してネゴシエーションを行って(ステップA13、B13)、車載装置100と携帯端末200の間でBT接続を確立する。BT接続が確立されると、車載装置100の制御部150は、第1光源143を点滅状態から、点灯状態に変化させ、BT接続操作部140を青色に点灯させることで、BT接続が確立された旨をユーザに報知する。
【0048】
車載装置100において、携帯端末200からの応答が所定時間内になかった場合(ステップA12;No)、携帯端末200側のBT接続設定がオフであると想定される。この場合、制御部150は、携帯端末200側のBT接続設定がオフであると判別し、その旨を通知する(ステップA14)。
具体的には、制御部150は、第2光源144を点灯又は点滅させ、BT接続操作部140を赤色で点灯又は点滅させることで、携帯端末200のBT接続設定がオフである旨を通知する。
【0049】
なお、BT接続設定がオフであると判別した場合、制御部150は、スピーカ22を駆動し、所定のブザー音を鳴らすことで、BT接続設定がオフである旨を通知するようにしてもよいし、より具体的に、「携帯端末のBT接続設定がオフになっています」等のメッセージを音声で通知するようにしてもよい。また、制御部150は、表示部120に「携帯端末のBT接続設定がオフになっています」等のメッセージを表示させてもよい。
【0050】
以後は、BT接続を介した通常の処理が行われる。例えば、車両用通信システム1では、携帯端末200が通信部240を介して外部の任意のサーバに接続して、交通情報等を取得し、車載装置100の表示部120に表示したり、スピーカ22から音声を出力してナビゲートしたりすることが可能である。
【0051】
次に、BT接続を確立後に、車載装置100と携帯端末200とが実行する処理を説明する。まず、車載装置100の制御部150が実行するBT接続設定報知処理を、
図6を参照して説明する。
【0052】
(BT接続設定報知処理)
BT接続が確立すると、制御部150は、車両2が走行中であるか否かを判別する(ステップA21)。具体的には、制御部150は、内蔵されたタイマで計時を行い、車両2のECU21から車速パルスが所定時間内に供給されなかった場合は、車両2が走行中でないと判別し(ステップA21;No)、携帯端末200のBT接続設定をオフにすることを促す(ステップA22)。一方、制御部150は、ECU21から車速パルスが所定時間内に供給された場合は、車両2が走行中であると判別し(ステップA21;Yes)、待機する。
【0053】
ステップA22の処理では、制御部150は、第2光源144を点灯又は
点滅させ、BT接続操作部140を赤色で点灯又は点滅させることで、ユーザに携帯端末200のBT接続設定をオフにすることを促す。ここでの第2光源144の発光パターンは、前述のステップA14の処理における発光パターンと異なっている方が好ましい。
【0054】
なお、車両2が走行中でないと判別した場合、制御部150は、スピーカ22を駆動し、所定のブザー音を鳴らすことで、携帯端末200のBT接続設定をオフにすることを促すようにしてもよいし、より具体的に、「電池消費量を抑えるため、携帯端末のBT接続設定をオフにすることを推奨します」等のメッセージを音声で通知するようにしてもよい。また、制御部150は、表示部120に「電池消費量を抑えるため、携帯端末のBT接続設定をオフにすることを推奨します」等のメッセージを表示させてもよい。
【0055】
ステップA22の処理を実行すると、制御部150は、今回の処理を終了する。
【0056】
続いて、BT接続を確立後に、携帯端末200が実行するBT接続設定変更処理を、
図7を参照して説明する。
【0057】
(BT接続設定変更処理)
BT接続が確立すると、携帯端末200の制御部270は、自機の電池消費量節約モードがオンであるか否かを判別する(ステップB21)。電池消費量節約モードがオフである場合(ステップB21;No)、制御部270は、今回の処理を終了する。
【0058】
一方、電池消費量節約モードがオンである場合(ステップB21;Yes)、制御部270は、車両2が走行中であるか否かを判別する(ステップB22)。具体的には、制御部270は、センサ部260を構成する加速度センサから取得した加速度が所定の閾値を超えた場合に、車両2が走行中であると判別する。
【0059】
なお、車両2が走行中であるかの判別は、GPSセンサから取得した位置情報に基づいて行ってもよい。例えば、制御部270は、GPSセンサからの位置情報に基づいて、所定時間内に携帯端末200が所定距離移動した場合に、車両2が走行中であると判別してもよい。また、ジャイロセンサから取得した角速度が所定の閾値を超えた場合に、制御部270は、車両2が走行中であると判別してもよい。
【0060】
車両2が走行中であると判別した場合(ステップB22;Yes)、制御部270は、自機のBT接続設定をオンに保ち(ステップB23)、処理をステップB21に戻す。一方、車両2が走行中でないと判別した場合(ステップB22;No)、制御部270は、自機のBT接続設定をオフにし(ステップB24)、処理をステップB21に戻す。
制御部270は、以上の処理を、例えば携帯端末装置200の電源がオフされるまで繰り返し実行する。
【0061】
以上に説明した車載装置100は、携帯端末200と無線通信を行うためのBT通信部130(無線通信部の一例)と、携帯端末200との無線接続を許可するか否かの操作を受け付けるBT接続操作部140(無線接続操作部の一例)と、制御部150と、を備える。
制御部150は、(1)BT接続操作部140が無線接続の許可操作を受け付けると、BT通信部130を介して携帯端末200にBT接続を要求する制御手段、(2)携帯端末200のBT接続設定がオンとなっているか否かを判別する判別手段、(3)BT接続操作部140が許可操作を受け付け、且つ、判別手段が携帯端末200のBT接続設定がオフであると判別した場合に、携帯端末200のBT接続設定がオフになっていることをBT接続操作部140の点灯等により通知する通知手段、として機能する。
このようにしたから、ユーザ(主に車両2の運転者)に、車両走行前に携帯端末200との間で無線通信が接続されていないことを気付かせることができる。これにより、走行中に無線通信が接続されていないことに気付き、わざわざ車両2を停止させて携帯端末200の無線接続設定をオンさせるという煩雑な手順を回避できるため、ユーザフレンドリである。
【0062】
また、制御部150は、(4)車両2が走行中であるか否かを判別する走行状態判別手段、(5)走行状態判別手段によって車両2が走行中でないと判別されると、携帯端末200のBT接続設定をオフさせることを促す情報をBT接続操作部140の点灯等により報知する報知手段、として機能する。
これにより、ユーザが無線通信をあまり使用しない場面として想定される車両2の停止時に、携帯端末200の無線接続設定をオフさせることを促すことができ、これにユーザが応じれば、携帯端末200のバッテリの消費を抑制することができる。
なお、走行状態判別手段として機能する制御部150は、車両2のECU21から供給される車速パルスに基づいて、車両2が停止状態であるか否かを判別するのが好適である。
【0063】
また、車載装置100と携帯端末200とを備える車両用通信システム1において、携帯端末200の制御部270は、(1)車両2が走行しているか否かを判別する車両状態判別手段、(2)車両状態判別手段によって車両2が走行していると判別されると、携帯端末200のBT接続設定をオンの状態とし、車両状態判別手段によって車両2が走行していないと判別されると、携帯端末200のBT接続設定をオフの状態とする接続設定変更手段、として機能する。
このように、ユーザが無線通信をあまり使用しない場面として想定される車両2の停止時に、携帯端末200の無線接続設定を自動的にオフするようにしたから、携帯端末200のバッテリの消費を抑制することができる。
【0064】
なお、本発明は、以上の実施形態及び図面によって限定されるものではない。本発明の要旨を変更しない範囲で、適宜、実施形態及び図面に変更(構成要素の削除も含む)を加えることが可能である。以下に変形の一例を示す。
【0065】
(変形例)
以上の説明では、車両2が自動二輪車である例を示したが、車両2は乗用車、トラックなどであってもよい。また、車載装置100は、アナログ計器である計器部110を備えず、表示部120の表示画像により計器として機能してもよい。さらには、車載装置100は、計器に限られず、車載のカーナビゲーション装置やマルチディスプレイ装置であってもよい。また、携帯端末200はスマートフォンに限られない。携帯端末200は、タブレットPC、PDA(Personal Digital Assistant)、通信機能を備えたデジタルカメラなどであってもよい。
【0066】
以上の説明では、車載装置100と携帯端末200とがBT仕様を満たす無線通信を行う例を示したが、UWB(Ultra Wide Band)、Z−Wave、ZigBee等の他の近距離無線通信規格に準拠する通信も可能である。また、車載装置100と携帯端末200とは、無線接続に加え、USB(Universal Serial Bus)などを介して有線接続が可能に構成されていてもよい。ただし、車両用通信システム1は、車載装置100と携帯端末200との有線接続が一般的に想定されない自動二輪車搭乗時に特に好適である。自動二輪車搭乗時では、携帯端末200の充電が困難であり、バッテリ消費が懸念されるためである。
【0067】
また、車載装置100、携帯端末200は、
図5(a)、(b)に示すBT接続確立処理のみを実行してもよい。ただし、これに併せて、車載装置100が
図6に示すBT接続設定報知処理を実行し、携帯端末200が
図7に示すBT接続設定変更処理を実行したほうが、よりユーザフレンドリである。また、
図6に示すBT接続設定報知処理において、車載装置100が加速度センサやGPSセンサなどを備え、これらからの情報に基づいて、制御部150は、車両2が走行中であるか否か判別するようにしてもよい。また、
図7に示すBT接続設定変更処理において、携帯端末200は、電池消費量節約モードがオン・オフにかかわらず、車両2が走行中と判別すればBT接続設定をオンとし、走行中でないと判別すればBT接続設定をオフするようにしてもよい。
【0068】
また、以上の説明では、車載装置100の動作の理解を容易にするため、BT接続操作部140をBT接続確立時などに青色に点灯・点滅させ、所定の報知・警告時に赤色に点灯・点滅させた例を示したが、発光パターンは、これに限られない。例えば、両光源を共に発光させてBT接続操作部140を混色光で点灯させてもよいし、赤・青以外の色で発光する光源を用いても良い。また、光源は1又は複数であればよい。
【0069】
また、BT接続操作部140は、筐体101外部にあってもよい。車両2のハンドル付近など、ユーザが操作しやすい箇所に適宜配置することが可能である。また、透光弾性部141は、透光性を有するシリコンゴム以外で構成することも可能である。透光弾性部141は、部分的にでも透光性を有していればよく、例えばエチレンプロピレンゴム(EPDM)などから構成されていてもよい。
【0070】
また、BT通信部130は、筐体101外部にあってもよい。例えば、車内LANと接続されるゲートウェイ(G/W)を設けて、G/Wの中にBT通信部130を内蔵することにより、車載装置100と携帯端末200とのBT接続を実現可能としてもよい。
【0071】
また、プログラムP1、P2は、予め制御メモリ160、280に記憶されているものとしたが、着脱自在の記録媒体により配布・提供されてもよい。また、プログラムP1、P2は、車載装置100、携帯端末200と接続された他の機器からダウンロードされるものであってもよい。また、車載装置100、携帯端末200は、他の機器と電気通信ネットワークなどを介して各種データの交換を行うことによりプログラムP1、P2に従う各処理を実行してもよい。
【0072】
以上の説明では、本発明の理解を容易にするために、重要でない公知の技術的事項の説明を適宜省略した。