特許第6349778号(P6349778)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6349778
(24)【登録日】2018年6月15日
(45)【発行日】2018年7月4日
(54)【発明の名称】画像転写装置および画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B29C 63/02 20060101AFI20180625BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20180625BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20180625BHJP
【FI】
   B29C63/02
   G03G21/00
   G03G15/00 552
【請求項の数】4
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2014-36122(P2014-36122)
(22)【出願日】2014年2月27日
(65)【公開番号】特開2015-160348(P2015-160348A)
(43)【公開日】2015年9月7日
【審査請求日】2017年1月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137752
【弁理士】
【氏名又は名称】亀井 岳行
(72)【発明者】
【氏名】江草 尚之
(72)【発明者】
【氏名】小林 智雄
(72)【発明者】
【氏名】鳥越 薫
【審査官】 関口 貴夫
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−283647(JP,A)
【文献】 特開2010−076153(JP,A)
【文献】 特開2011−067988(JP,A)
【文献】 特開2000−272772(JP,A)
【文献】 特開2007−148113(JP,A)
【文献】 特開平11−091977(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 63/00−63/48
G03G 21/00
G03G 21/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に画像が形成された記録材と前記記録材の表面の画像が転写される基材とが積層された積層体を挟んで搬送する一対の無端帯状の回転体と、
前記一対の無端帯状の回転体のそれぞれを支持し且つ駆動して、前記一対の無端帯状の回転体のそれぞれを回転させる駆動部材と、
前記一対の無端帯状の回転体のそれぞれを支持し、且つ、前記一対の無端帯状の回転体のそれぞれに張力を付与する張架部材と、
前記一対の無端帯状の回転体のそれぞれの回転方向に対して、前記駆動部材の下流側、且つ、前記張架部材の上流側に配置され、熱源を内蔵し、且つ、前記一対の無端帯状の回転体のそれぞれに接触し、前記一対の無端帯状の回転体を挟んで対向して配置され、互いに接近する方向に力が付与されて、搬送される前記積層体に画像を転写させる熱および圧力を作用させる転写部材と、
前記一対の無端帯状の回転体のそれぞれの幅方向外側で少なくともいずれかの前記駆動部材、張架部材および転写部材の両端に支持され、且つ、前記転写部材から前記無端帯状の回転体の脱落を防止する脱落防止部材と、
前記無端帯状の回転体の幅方向への片寄りを検出する片寄り検出部材と、
前記転写部材の一端部を前記転写部材の他端部に対して前記積層体の搬送方向に相対的に移動可能に支持し、前記転写部材を傾斜可能な片寄り補正機構であって、前記片寄り検出部材が前記無端帯状の回転体の片寄りを検出した場合に、前記無端帯状の回転体の片寄りを補正する方向に前記転写部材を傾斜させて、前記無端帯状の回転体の片寄りを補正する前記片寄り補正機構と、
を備えたことを特徴とする画像転写装置。
【請求項2】
前記転写部材の一端部を支持し且つ前記転写部材の一端部を前記転写部材の他端部に対して移動させる第1の片寄り補正部と、前記転写部材の他端部を支持し且つ前記転写部材の他端部を前記転写部材の一端部に対して移動させる第2の片寄り補正部と、を有する前記片寄り補正機構、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の画像転写装置。
【請求項3】
前記張架部材の一端部を前記張架部材の他端部に対して相対的に移動可能に支持し、前記張架部材を傾斜可能な第2の片寄り補正機構であって、前記片寄り検出部材が前記無端帯状の回転体の片寄りを検出した場合に、前記無端帯状の回転体の片寄りを補正する方向に前記張架部材を傾斜させて、前記無端帯状の回転体の片寄りを補正する前記第2の片寄り補正機構と、
を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の画像転写装置。
【請求項4】
記録材に対して画像を記録する画像の記録部と、
前記記録材に記録された画像を、基材に転写させる請求項1ないし3のいずれかに記載の画像転写装置と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像転写装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ICカード等の基材の表面にフィルムを貼り付けるラミネート装置に関し、以下の特許文献1に記載の技術が知られている。
特許文献1としての特開2005−28587号公報には、IDカードのような厚いプラスチック製のコアシート(1)の表面に、画像が形成された透過性フィルムを貼り付けるラミネート装置(30)の構成が記載されている。特許文献1のラミネート装置(30)は、テンションロール(32)およびインレットロール(38)に張架された一対のベルト(31)を有しており、画像(2,3)が形成されたフィルムと、コアシート(1)とが重ねられた積層体は、加熱加圧ロール(34)に圧接された一対のベルト(31)に挟まれて、搬送方向の下流側に搬送される際に、加熱加圧ロール(34)で加熱されて、フィルムがコアシート(1)に貼り付けられる。
特許文献1の技術では、ベルト(31)で蛇行が発生した場合、ラミネート装置(30)への積層体の搬送が停止された後に、インレットロール(38)の逆回転に伴い、ベルト(31)が逆回転されて、ベルト(31)の蛇行が解消される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−28587号公報(「0031」、「0043」〜「0053」、「0069」〜「0072」、図3図8
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、記録材から基材へ転写される画像の単位時間当たりの数量を増やすことを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記技術的課題を解決するために、請求項1に記載の発明の画像転写装置は、
表面に画像が形成された記録材と前記記録材の表面の画像が転写される基材とが積層された積層体を挟んで搬送する一対の無端帯状の回転体と、
前記一対の無端帯状の回転体のそれぞれを支持し且つ駆動して、前記一対の無端帯状の回転体のそれぞれを回転させる駆動部材と、
前記一対の無端帯状の回転体のそれぞれを支持し、且つ、前記一対の無端帯状の回転体のそれぞれに張力を付与する張架部材と、
前記一対の無端帯状の回転体のそれぞれの回転方向に対して、前記駆動部材の下流側、且つ、前記張架部材の上流側に配置され、熱源を内蔵し、且つ、前記一対の無端帯状の回転体のそれぞれに接触し、前記一対の無端帯状の回転体を挟んで対向して配置され、互いに接近する方向に力が付与されて、搬送される前記積層体に画像を転写させる熱および圧力を作用させる転写部材と、
前記一対の無端帯状の回転体のそれぞれの幅方向外側で少なくともいずれかの前記駆動部材、張架部材および転写部材の両端に支持され、且つ、前記転写部材から前記無端帯状の回転体の脱落を防止する脱落防止部材と、
前記無端帯状の回転体の幅方向への片寄りを検出する片寄り検出部材と、
前記転写部材の一端部を前記転写部材の他端部に対して前記積層体の搬送方向に相対的に移動可能に支持し、前記転写部材を傾斜可能な片寄り補正機構であって、前記片寄り検出部材が前記無端帯状の回転体の片寄りを検出した場合に、前記無端帯状の回転体の片寄りを補正する方向に前記転写部材を傾斜させて、前記無端帯状の回転体の片寄りを補正する前記片寄り補正機構と、
を備えたことを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像転写装置において、
前記転写部材の一端部を支持し且つ前記転写部材の一端部を前記転写部材の他端部に対して移動させる第1の片寄り補正部と、前記転写部材の他端部を支持し且つ前記転写部材の他端部を前記転写部材の一端部に対して移動させる第2の片寄り補正部と、を有する前記片寄り補正機構、
を備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の画像転写装置において、
前記張架部材の一端部を前記張架部材の他端部に対して相対的に移動可能に支持し、前記張架部材を傾斜可能な第2の片寄り補正機構であって、前記片寄り検出部材が前記無端帯状の回転体の片寄りを検出した場合に、前記無端帯状の回転体の片寄りを補正する方向に前記張架部材を傾斜させて、前記無端帯状の回転体の片寄りを補正する前記第2の片寄り補正機構と、
を備えたことを特徴とする。
【0008】
前記技術的課題を解決するために、請求項4に記載の発明の画像形成装置は、
記録材に対して画像を記録する画像の記録部と、
前記記録材に記録された画像を、基材に転写させる請求項1ないし3のいずれかに記載の画像転写装置と、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1,4に記載の発明によれば、本発明の構成を有しない場合と比べて、記録材から基材へ転写される画像の単位時間当たりの数量を増やすことができる。
請求項2に記載の発明によれば、回転部材の両端に、第1の片寄り補正部および第2の片寄り補正部を設けない場合に比べて、片寄りの補正能力を向上させることができる。
請求項3に記載の発明によれば、回転部材に第2の片寄り補正機構を設けない場合に比べて、片寄りの補正能力を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
図2図2は実施例1の画像形成装置の要部拡大説明図である。
図3図3は実施例1記録材の説明図であり、図3Aは実施例1の記録材の説明図、図3Bは記録材の変更例の説明図である。
図4図4は実施例1の画像転写装置の本体部の要部説明図である。
図5図5は実施例1の画像転写装置の本体部を上方から見た要部説明図である。
図6図6は実施例1の画像転写装置の本体部を前方から見た要部拡大説明図である。
図7図7は実施例1の画像形成装置の制御部が備えている各機能をブロック図で示した図である。
図8図8は実施例1の無端帯状の回転体の説明図であり、図8Aは2つの片寄りの検出部材の間に無端帯状の回転体が位置した状態の説明図、図8Bは無端帯状の回転体が前方に片寄った状態の説明図、図8Cは無端帯状の回転体が後方に片寄った状態の説明図である。
図9図9は実施例1の前側の偏心部材の状態説明図であり、図9Aは前側の偏心部材が初期位置に移動した場合の状態説明図、図9Bは前側の偏心部材が第1の補正位置に移動した場合の状態説明図、図9Cは前側の偏心部材が第2の補正位置に移動した場合の状態説明図である。
図10図10は実施例1の回転軸の説明図であり、図10Aは基準位置に移動した状態の回転軸の説明図、図10Bは第1の片寄り補正位置に移動した状態の回転軸の説明図、図10Cは第2の片寄り補正位置に移動した状態の回転軸の説明図である。
図11図11は実施例1の片寄り補正処理のフローチャートの説明図である。
図12図12は実施例1の基材の両面に画像が印刷される場合の説明図であり、図12Aは一面目の画像が転写された記録材が積載部に積載された状態の説明図、図12B図12Aに示す状態から基材が積載された状態の説明図、図12C図12Bに示す状態からさらに二面目の画像が記録された記録材が積載された状態の説明図である。
図13図13は実施例1の画像が転写された基材の説明図である。
図14図14は実施例1の無端帯状の回転体の片寄り補正の説明図であり、図14Aは基準位置に移動した状態の回転部材の要部説明図、図14Bは第1の片寄り補正位置に回転部材が移動した状態の接触部分の要部説明図である。
図15図15は実施例2の回転軸の説明図であり、図15Aは基準位置に移動した状態の回転軸の説明図であって、実施例1の図10Aに対応する図、図15Bは片寄り補正位置に移動した状態の回転軸の説明図であって、実施例1の図10Bに対応する図、図15Cは片寄り補正位置に移動した状態の回転軸の説明図であって、実施例1の図10Cに対応する図である。
図16図16は実施例2の画像形成装置の制御部が備えている各機能をブロック図で示した図であり、実施例1の図7に対応する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例(以下、実施例と記載する)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
【実施例1】
【0012】
図1は実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
図1において、本発明の実施例1の画像形成装置の一例であるプリンタUは、装置本体の一例としてのプリンタ本体U1を備えている。前記プリンタUには電気的に、画像情報の送信装置の一例としてのパーソナルコンピュータPCが接続されている。プリンタUの制御部Cには、パーソナルコンピュータPCから送信された画像情報が入力可能に構成されている。
前記制御部Cは、パーソナルコンピュータPCから入力された画像情報を、潜像形成用のイエローY、マゼンタM、シアンC、黒Kの画像情報に変換する。制御部Cは、変換した画像情報を、予め設定された時期に書込回路DLに出力する。
なお、制御部Cは、画像が単色画像、いわゆる、モノクロの場合は、黒Kのみの画像情報を書込回路DLに出力する。
【0013】
前記書込回路DLは、入力された画像情報に応じた信号を、予め設定された時期に、各色毎に配置された露光装置の一例としてのLEDヘッドLHy,LHm,LHc,LHkに出力する。なお、実施例1では、LEDヘッドLHy〜LHkは、発光素子の一例としてのLEDが画像の幅方向に沿って線状に配列されたLEDアレイにより構成されている。LEDヘッドLHy〜LHkは、入力された信号に応じて、LEDが発光する。したがって、LEDヘッドLHy〜LHkは、入力された信号に応じた書込光を出力する。
【0014】
図2は実施例1の画像形成装置の要部拡大説明図である。
図1図2において、各LEDヘッドLHy〜LHkの上方には、像保持体の一例としての感光体PRy,PRm,PRc,PRkが配置されている。
各感光体PRy,PRm,PRc,PRkの回転方向に対して、LEDヘッドLHy〜LHkの上流側には、帯電器の一例としての帯電ロールCRy,CRm,CRc,CRkが、感光体PRy〜PRkに接触して配置されている。感光体PRy〜PRkの回転方向に対して、LEDヘッドLHy〜LHkの下流側には、現像装置Gy,Gm,Gc,Gkが配置されている。感光体PRy〜PRkの回転方向に対して、現像装置Gy〜Gkの下流側には、1次転写器の一例としての1次転写ロールT1y,T1m,T1c,T1kが配置されている。感光体PRy〜PRkの回転方向に対して、1次転写ロールT1y〜T1kの下流側には、像保持体の清掃器の一例としての感光体クリーナCLy,CLm,CLc,CLkが配置されている。
【0015】
前記Y色の感光体PRy、帯電ロールCRy、LEDヘッドLHy、現像装置Gy、1次転写ロールT1y、感光体クリーナCLyにより、可視像の一例としてのトナー像を形成する実施例1のY色の可視像の形成装置の一例としてのY色の作像部Uyが構成されている。同様に、各感光体PRm,PRc,PRk、帯電ロールCRm,CRc,CRk、LEDヘッドLHm,LHc,LHk、現像装置Gm,Gc,Gk、1次転写ロールT1m,T1c,T1k、感光体クリーナCLm,CLc,CLkにより、前記M,C,K色の作像部Um,Uc,Ukが構成されている。
【0016】
前記感光体PRy〜PRkの上方には、中間転写装置の一例としてのベルトモジュールBMが配置されている。ベルトモジュールBMは、中間転写体の一例として、無端帯状の中間転写ベルトBを有する。中間転写ベルトBは、駆動部材の一例としてのベルト駆動ロールRdと、張架部材の一例としてのテンションロールRtと、片寄りを補正する部材の一例としてのウォーキングロールRwと、従動部材の一例としてのアイドラロールRfと、2次転写領域の対向部材の一例としてのバックアップロールT2aと、1次転写ロールT1y,T1m,T1c,T1kと、により回転可能に支持されている。
【0017】
前記中間転写ベルトBを挟んでバックアップロールT2aに対向する位置には、2次転写部材の一例としての2次転写ロールT2bが配置されている。実施例1では、バックアップロールT2aは接地され、2次転写ロールT2bには電源回路Eからトナーの帯電極性と逆極性の2次転写電圧が印加される。バックアップロールT2aおよび2次転写ロールT2bにより、実施例1の2次転写器T2が構成されている。また、2次転写ロールT2bと中間転写ベルトBとが接触する領域により2次転写領域Q4が形成される。
中間転写ベルトBの回転方向に対して、2次転写領域Q4の下流側には、中間転写体の清掃器の一例として、ベルトクリーナCLbが配置されている。
前記1次転写ロールT1y〜T1k、中間転写ベルトBおよび2次転写器T2等により、実施例1の転写装置T1+T2+Bが構成されている。また、作像部Uy〜Ukおよび転写装置T1+T2+Bとにより、実施例1の画像の記録部Uy〜Uk+T1+T2+Bが構成されている。
【0018】
図1において、作像部Uy〜Ukの下方には、案内部材の一例としての左右一対のガイドレールGRが4段設けられている。各ガイドレールGRには、媒体の収容部の一例としての給紙トレイTR1〜TR4が前後方向に出入可能に支持されている。給紙トレイTR1〜TR4には、媒体の一例としての記録シートSが収容される。
給紙トレイTR1〜TR4の右上方には、取出部材の一例としてのピックアップロールRpが配置されている。記録シートSの搬送方向に対して、ピックアップロールRpの下流側には、捌き部材の一例としてのさばきロールRsが配置されている。記録シートSの搬送方向に対して、捌きロールRsの下流側には、媒体の搬送路の一例として、上方に延びる給紙路SH1が形成されている。給紙路SH1には、搬送部材の一例としての複数の搬送ロールRaが配置されている。
【0019】
給紙路SH1には、2次転写領域Q4の上流側に、搬送時期の調節部材の一例としてのレジロールRrが配置されている。
また、前記最上段の給紙トレイTR1の右方には、手差し部の一例としての手差しトレイTR0が設置されている。前記手差しトレイTR0には、手差し用の給紙部材の一例としての手差し用の給紙ロールRp0が配置されている。
【0020】
シートSの搬送方向に対して、2次転写領域Q4の下流側には、定着装置Fが配置されている。定着装置Fは、加熱用の定着部材の一例としての加熱ロールFhと、加圧用の定着部材の一例としての加圧ロールFpと、を有する。加熱ロールFhと加圧ロールFpとの接触領域により定着領域Q5が構成されている。
定着装置Fの上方には、搬送路の一例としての排紙路SH3が配置されている。排紙路SH3は、媒体の排出部の一例として、プリンタ本体U1の上面に形成された排紙トレイTRhに向けて延びる。排紙路SH3の下流端の排出口SH3aには、媒体の搬送部材の一例としての排紙ロールRhが配置されている。
【0021】
(プリンタの機能の説明)
前記構成を備えた実施例1のプリンタUでは、パーソナルコンピュータPCから画像情報がプリンタUに入力されると、制御部CがY,M,C,Kの画像情報に変換する。変換された画像情報は、書込回路DLに出力される。書込回路DLは、入力された画像情報に応じて、LEDヘッドLHy〜LHkが制御されて書込光が出力される。
各感光体PRy〜PRkは、画像形成が開始されると回転駆動する。帯電ロールCRy〜CRkには、電源回路Eから帯電電圧が印加される。したがって、感光体PRy〜PRkの表面は、帯電ロールCRy〜CRkにより帯電される。帯電された感光体PRy〜PRkは、書込位置Q1y,Q1m,Q1c,Q1kにおいて、LEDヘッドLHy〜LHkからの書込光により、表面に静電潜像が形成される。感光体PRy〜PRkの静電潜像は、現像領域Q2y,Q2m,Q2c,Q2kにおいて、現像装置Gy,Gm,Gc,Gkにより可視像の一例としてのトナー像に現像される。
【0022】
現像されたトナー像は、中間転写体の一例としての中間転写ベルトBに接触する1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kに搬送される。1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kにおいて中間転写ベルトBの裏面側に配置された1次転写ロールT1y〜T1kには、制御部Cにより制御される電源回路Eから予め設定された時期にトナーの帯電極性と逆極性の1次転写電圧が印加される。したがって、各感光体PRy〜PRk上のトナー像は前記1次転写ロールT1y〜T1kにより中間転写ベルトBに転写される。なお、多色のトナー像の場合、上流側の1次転写領域で中間転写ベルトBに転写されたトナー像に重ねて、下流側のトナー像が転写される。
1次転写後の感光体PRy〜PRkの残留物、付着物は、感光体クリーナCLy〜CLkにより清掃される。清掃された感光体PRy〜PRk表面は、帯電ロールCRy〜CRkにより再帯電される。
1次転写領域Q3y〜Q3kで1次転写ロールT1y〜T1kにより中間転写ベルトB上に転写された単色または多色のトナー像は、2次転写領域Q4に搬送される。
【0023】
画像が記録されるシートSは、使用される給紙トレイTR1〜TR4のピックアップロールRpにより、取り出される。ピックアップロールRpで取り出されたシートSは、複数枚のシートSが重ねて取り出された場合、捌きロールRsにより1枚ずつに分離される。捌きロールRsで分離されたシートSは、搬送ロールRaにより給紙路SH1を搬送される。給紙路SH1を搬送されたシートSは、レジロールRsに送られる。
手差しトレイTR0に収容されたシートSが使用される場合、手差し用の給紙ロールRp0は、手差しトレイTR0に積載されたシートSを、手差し搬送路SH0を介して、レジロールRrに送る。
【0024】
レジロールRrは、中間転写ベルトBに形成されたトナー像が2次転写領域Q4に搬送される時期を合わせて、シートSを2次転写領域Q4に搬送する。2次転写ロールT2bには、電源回路Eによりトナーの帯電極性と逆極性の2次転写電圧が印加される。したがって、中間転写ベルトB上のトナー像は、中間転写ベルトBからシートSに転写される。
2次転写後の前記中間転写ベルトBは、中間転写体清掃器の一例としてのベルトクリーナCLbにより清掃される。
前記トナー像が2次転写された記録シートSは、定着領域Q5を通過する際に加熱定着される。
画像が定着された記録シートSは、排紙路SH3を搬送される。後述する中継ユニットU2が排紙トレイTRhに設置されていない場合には、排紙路SH3を搬送されたシートSは、排紙ロールRhにより排紙トレイTRhに排出される。
【0025】
(中継ユニットU2の説明)
図1において、実施例1の前記プリンタUの排紙トレイTRhには、媒体の搬送装置の一例としての中継ユニットU2が着脱可能に支持されている。
中継ユニットU2の内部には、媒体の搬送路の一例としての中継路SH5が形成されている。中継路SH5は、プリンタ本体U1のシート排出口SH3aに接続される一端側に、排紙ロールRhから排出された記録シートSが搬入される搬入口1を有する。中継路SH5上には、媒体の搬送部材の一例としての中継ロールRa2が配置されている。中継路SH5は、シートSの搬送方向の下流端に、後処理装置向けの排出口2が形成されている。
【0026】
(画像転写装置の丁合装置の説明)
図1において、プリンタUの左方には、画像転写装置U3が配置されている。実施例1の画像転写装置U3は、積層部の一例として、中継ユニットU2に隣接して配置された丁合装置U3aを有する。
丁合装置U3aの右側の下部には、第2の媒体の収容部の一例としてのカードトレイ6が支持されている。カードトレイ6には、基材の一例であって、第2の媒体の一例としてのカード基材7が積載されている。前記カード基材7には、情報の記憶媒体の一例としての図示しないICチップが内蔵されている。実施例1のICチップは、無線通信が可能なチップ、いわゆるICタグにより構成されている。したがって、ICチップを介して、非接触で情報の送受信が可能に構成されている。なお、実施例1のICチップには、カード基材7の構成材料等の種類やカード基材7の大きさ等の媒体の情報が予め記憶されている。
【0027】
丁合装置U3aは、上部に、第2の媒体の排出部の一例としての第2の排紙トレイ8が形成されている。
また、丁合装置U3aの内部には、カードトレイの左方に対応する位置に、積載部の本体の一例としてのコンパイルトレイ9が支持されている。実施例1のコンパイルトレイ9には、カード基材7や、プリンタ本体U1でトナー像が形成されたシートSが積載可能である。
【0028】
図3は実施例1の記録材の説明図であり、図3Aは実施例1の記録材の説明図、図3Bは記録材の変更例の説明図である。
ここで、実施例1では、シートSとして、媒体の一例であって記録材の一例としての転写フィルム、MOEフィルム:Marking on Everythingフィルムが使用可能である。図3Aにおいて、実施例1の転写フィルム10は、膜状の基材層10aを有する。基材層10aの表面には、受像層10bが支持されている。受像層10bの表面が、画像が記録される記録面となる。なお、基材層10aは、例えば、厚さが80μmのPETフィルムにより構成可能である。また、受像層10bは、例えば、厚さが数μmの従来公知のトナー受像層により構成可能である。なお、トナー受像層は、例えば、特許第4013658号公報や特許第4019921号公報等に記載された従来公知の構成を使用可能であるため、詳細な説明は省略する。
なお、図3Bに示すように、基材層10aと受像層10bとの間に、保護層10cを有する転写フィルム10′を使用することも可能である。
【0029】
また、丁合装置U3aには、中継ユニットU2側に、中継路SH5の排出口2に接続される丁合用の搬入口11が形成されている。丁合装置U3aの内部には、丁合用の搬入口11から左方に延びる搬送路12が形成されている。搬送路12は、排出用の搬送路の一例であって反転用の搬送路の一例として、上方の第2の排紙トレイ8に向けて延びる排出路12aを有する。排出路12aの下流端には、第2の排紙トレイ8に対応して、排紙部材の一例としての排紙ロールRh2が配置されている。また、搬送路12は、媒体の搬送路の一例として、排出路12aから分岐してコンパイルトレイ9に向けて延びる積載路12bを有する。前記排出路12aと積載路12bとが分岐する位置には、媒体の搬送方向を切り替える部材の一例としてのゲート13が配置されている。また、搬送路12は、媒体の搬送路の一例として、カードトレイ6からコンパイルトレイ9に向けて延びて積載路12bに合流する基材の給紙路12cを有する。
搬送路12上には、媒体の搬送部材の一例としての複数の搬送ロールRa3が配置されている。また、カードトレイ6の左上方には、各給紙トレイTR1〜TR4に設けられたピックアップロールRpや捌きロールRsと同様に構成されたピックアップロールRpおよび捌きロールRsが配置されている。
【0030】
実施例1のコンパイルトレイ9は、媒体の搬送方向の下流側である左方に行くに連れて上方に傾斜している。
コンパイルトレイ9の右端には、停止部材の一例として、上方に延びるストッパ16が支持されている。なお、実施例1のストッパ16は、コンパイルトレイ9に積載されるシートSの搬送方向の長さに応じて、搬送方向に沿って移動可能に支持されている。前記ストッパ16は、図示しないモータやギア等の駆動機構により、搬送方向に沿った位置が制御可能に構成されている。ストッパ16は、コンパイルトレイ9に積載されたシートSの搬送方向の後端に接触してシートSの後端を揃える。なお、実施例1のストッパ16は、シートSが積載された状態で搬送方向の下流側に向けて移動することで、シートSを下流側に搬送する機能も有する。
【0031】
コンパイルトレイ9の左右方向の中央部には、整合部材の一例としてのタンパ17が支持されている。前記タンパ17は、前後方向に移動可能に支持されている。したがって、タンパ17は、コンパイルトレイ9に積載されたシートSの前後方向の両端に接触、離間して、シートSの前後方向の端を揃える。
コンパイルトレイ9の左端には、仮留め装置18が支持されている。仮留め装置18は、コンパイルトレイ9の上方および下方に、可動部の一例としてのアーム18aが回転中心18bを中心として回転可能に支持されている。アーム18aの先端には、加熱部18cが支持されている。実施例1の仮留め装置18は、前後方向に対して、予め設定された間隔を空けて2箇所配置されている。
したがって、仮留め装置18は、コンパイルトレイ9に積載されたシートSを仮留めする場合、図1の実線で示す状態から破線で示す状態に移動して、各加熱部18cがシートSに熱を加える。したがって、シートSは、熱が加わった前後2箇所が融着される。よって、実施例1の仮留め装置18では、積層されたカード基材7と転写フィルム10の前後2箇所を仮留めした積層体19を形成可能である。
【0032】
前記コンパイルトレイ9の左方には、読取部の一例としてのエンコード部20が配置されている。実施例1のエンコード部20は、搬送部材の一例として、無端帯状の搬送ベルト20aを有する。搬送ベルト20aの上方には、読取部材の一例としてのカードリーダ20bが配置されている。カードリーダ20bは、カード基材7に内蔵されたICチップの情報を、非接触の無線通信で送受信する。したがって、カードリーダ20bは、ICチップに記憶された情報を無線通信で読み取り可能である。
【0033】
(実施例1の転写部の説明)
図4は実施例1の画像転写装置の本体部の要部説明図である。
図5は実施例1の画像転写装置の本体部を上方から見た要部説明図である。
図1において、丁合装置U3aの左側には、転写装置の本体部U3bが支持されている。転写装置の本体部U3bには、積層体19も搬送される媒体の搬送方向の上流端に、清掃部材の一例としてのクリーニングロール21が配置されている。
【0034】
図4、5において、クリーニングロール21に対して、媒体の搬送方向の下流側には、転写部31が配置されている。実施例1の転写部31は、無端帯状の回転体の一例として、上下一対の転写ベルト32,32を有する。なお、実施例1の転写ベルト32,32は、金属で構成されている。
各転写ベルト32の内周には、媒体の搬送方向に対して、最上流部の位置に、駆動部材の一例としての上下一対の駆動ロール33が配置されている。実施例1の駆動ロール33は、上下方向に間隔をあけて配置されており、駆動ロール33の位置で転写ベルト32どうしは接触しないように構成されている。また、実施例1では、駆動ロール33の後方に、駆動源の一例としての搬送モータM2が配置されている。そして、搬送モータM2の回転は、図示しない歯車列を介して、搬送モータM2の回転が駆動ロール33に伝達可能に構成されている。
【0035】
媒体の搬送方向に対して、駆動ロール33の下流側には、回転部材の一例であって、転写部材の一例としての上下一対のヒートロール34が配置されている。実施例1のヒートロール34は、転写ベルト32を挟んで予め設定された圧力で押されている。したがって、ヒートロール34の位置で、転写ベルト32どうしが接触する。また、各ヒートロール34の内部には、加熱部材の一例であって第1の熱源の一例としてのヒーター34aが支持されている。
なお、実施例1では、ヒートロール34に対向する位置を積層体19が通過する際に、転写フィルム10に形成されたトナー像がカード基材7の表面に転写されるように、ヒーター34aの温度が設定されている。
【0036】
実施例1では、90℃程度で溶けて、転写フィルム10からカード基材7に転写されるトナーが使用される。よって、実施例1の構成では、一例として、トナーが溶ける温度である90℃に対して、十分な余裕、いわゆる、マージンを持って、積層体19の温度が110℃前後になるように設定されている。なお、実施例1では、ヒーター34aの温度に対して、実験等により、積層体19の温度が20℃程度低くなったことに対応させて、ヒーター34aの温度は130℃に設定されている。
媒体の搬送方向に対して、ヒートロール34の下流側には、支持部材の一例としての上下一対の支持ロール36が配置されている。実施例1の支持ロール36は、転写ベルト32を挟んで予め設定された圧力で押されている。したがって、ヒートロール34の位置から支持ロール36の位置までの間で転写ベルト32どうしが接触する。
【0037】
媒体の搬送方向に対して、支持ロール36の下流側には、回転部材の一例としての上下一対のテンションロール37が配置されている。実施例1のテンションロール37は、上下方向に間隔をあけて配置されており、テンションロール37の位置で転写ベルト32どうしは接触しないように構成されている。また、実施例1のテンションロール37は、弾性体の一例としてのバネ37aで、転写ベルト32に張力が作用する方向に押されている。
なお、実施例1では、テンションロール37が転写ベルト32を押す力は、ヒートロール34が転写ベルト32を押す力に比べて、小さく設定されている。実施例1では、一例として、ヒートロール34は500kgf、テンションロール37は40kgfに、バネの力が予め設定されている。
【0038】
媒体の搬送方向に対して、ヒートロール34と支持ロール36との間には、冷却部の一例としての冷却装置41が配置されている。実施例1の冷却装置41は、転写ベルト32の内周面に接触する接触部41aを有する。
接触部41aには、放熱部の一例としてのヒートシンク41bが形成されている。また、冷却装置41は、吹付部材の一例としてのファン41cを有する。ファン41cは、転写動作の実行中に、ヒートシンク41bに向けて冷却用の空気を吹き付ける。
【0039】
なお、実施例1では、駆動ロール33、ヒートロール34、支持ロール36およびテンションロール37に、転写ベルト32が張架されている。また、図5において、各ロール33,34,36,37の前後両端部には、張架された転写ベルト32の前後方向の外側の位置に、脱落防止部材の一例としてのフランジ43が設けられている。実施例1のフランジ43は、円板状に形成されている。なお、実施例1のフランジ43の径は、各ロール33,34,36,37の径よりも大径に形成されている。
【0040】
図6は実施例1の画像転写装置の本体部を前方から見た要部拡大説明図である。
図5図6において、ヒートロール34の前後方向の外側は、軸の支持部材の一例として、前後一対の可動プレート51,51′が配置されている。各可動プレート51,51′は、左右方向に延びる板状に形成されている。
前側の可動プレート51の左端部には、ヒートロール34の回転軸34bが回転可能に支持されている。前側の可動プレート51の右上端部および右下端部には、上下一対の被案内支持孔52が形成されている。実施例1の被案内支持孔52は、左右方向に延びる長孔状に形成されている。また、前側の可動プレート51の右部には、被案内支持孔52に挟まれた上下方向の中央の位置に、被接触開口53が形成されている。実施例1の被接触開口53は、四角形状に形成されている。
なお、後側の可動プレート51′は、前側の可動プレート51と前後対象に構成されている。すなわち、後側の可動プレート51′は、被案内支持孔52′、被接触開口53′を有する。
【0041】
図5において、各可動プレート51,51′の前後方向の外側には、案内支持部材一例として、前後一対の付勢プレート61,61′が配置されている。各付勢プレート61,61′は、左右方向に延びる板状に形成されている。前側の付勢プレート61の右上端部および右下端部には、被案内支持孔52に対応する位置に、上下一対のガイドピン62が支持されている。実施例1のガイドピン62は、後方に延びる棒状に形成されている。実施例1の構成では、ガイドピン62が被案内支持孔52を貫通した状態で、前側の可動プレート51を支持している。したがって、前側の付勢プレート61に対して、前側の可動プレート51が左右方向に移動可能に支持されている。
【0042】
また、前側の付勢プレート61の前面には、被接触開口53に対向する位置に、偏り補正用の駆動源の一例として、前側のカムモータM3が支持されている。前側のカムモータM3は、駆動源の回転軸の一例としての前側のカム軸67を有する。前側のカム軸67は、前側の付勢プレート61を貫通して、後方に延びる棒状に形成されている。前側のカム軸67の後端には、被接触開口53の内側の位置に、偏心部材の一例としての前側のカム68が支持されている。
実施例1の前側のカム68は円形状に形成されている。前側のカム68は、前側のカム68の円の中心からずれた位置で、前側のカム軸67に支持されている。なお、実施例1では、前側のカム68は被接触開口53に収容されている。また、前側のカム68の直径は、被接触開口53の右内縁53aと左内縁53bとの間隔に対応する長さに設定されている。
【0043】
また、前側の付勢プレート61の左端は、付勢部材の一例としての付勢バネ71の一端が支持されている。付勢バネ71の他端は、転写装置の本体部U3bの転写装置の内枠体U3cに支持されている。実施例1では、付勢バネ71は、弾性バネにより構成されている。したがって、付勢バネ71は、前側の付勢プレート61を左側に付勢する。
なお、後側の付勢プレート61′は、前側の付勢プレート61と前後対象に構成されている。すなわち、後側の付勢プレート61′は、ガイドピン62′、カムモータM3′、後側のカム軸67′、後側のカム68′および付勢バネ71′を有する。
なお、実施例1では、前記符号51〜71,M3を付した部材等により、第1の片寄り補正部KH1が構成されており、前記51′〜71′,M3′を付した部材等により、第2の片寄り補正部KH2が構成されている。また、第1の片寄り補正部KH1および第2の片寄り補正部KH2により、片寄り補正機構KH3が構成されている。
【0044】
図5において、媒体の搬送方向に対して、テンションロール37の下流側には、片寄りの検出部材の一例として、前側のベルトセンサSN1および後側のベルトセンサSN2が配置されている。なお、実施例1では、転写ベルト32の前後方向の幅Lに対して、前後方向の外側の位置に、前側のベルトセンサSN1と後側のベルトセンサSN2との間隔Lの方が長く設定されている。
また、媒体の搬送方向に対して、転写ベルト32の下流側には、排出部材の一例としての排出ロール76が配置されている。
転写装置の本体部U3bの左側面には、媒体の収容部の一例としての第3の排出トレイ77が支持されている。第3の排出トレイ77には、排出ロール76で搬送された積層体19が排出される。
【0045】
(実施例1の制御部Cの説明)
図7は実施例1の画像形成装置の制御部が備えている各機能をブロック図で示した図である。
図7において、プリンタUの制御部Cは、外部との信号の入出力等を行う入出力インターフェースI/Oを有する。また、制御部Cは、必要な処理を行うためのプログラムおよび情報等が記憶されたROM:リードオンリーメモリを有する。また、制御部Cは、必要なデータを一時的に記憶するためのRAM:ランダムアクセスメモリを有する。また、制御部Cは、ROM等に記憶されたプログラムに応じた処理を行うCPU:中央演算処理装置を有する。したがって、実施例1の制御部Cは、小型の情報処理装置、いわゆるマイクロコンピュータにより構成されている。よって、制御部Cは、ROM等に記憶されたプログラムを実行することにより種々の機能を実現することができる。
【0046】
(プリンタ本体U1の制御部Cに接続された信号出力要素)
前記プリンタ本体U1の制御部Cは、操作部UIや、ベルトセンサSN1,SN2等の信号出力要素からの出力信号が入力されている。
操作部UIは、電源の投入部の一例としての電源ボタンUI1や、表示部の一例としての表示パネルUI2、数字入力部UI3、矢印入力部UI4等を備えている。
前側のベルトセンサSN1と、後側のベルトセンサSN2とは、転写ベルト32の前端と後端とを検出する。
【0047】
(プリンタ本体U1の制御部Cに接続された被制御要素)
プリンタ本体U1の制御部Cは、駆動源の駆動回路D1や、搬送部材の駆動回路D2、片寄り補正用の駆動回路D3、電源回路E、その他の図示しない制御要素に接続されている。制御部Cは、各回路D1〜D3,E等へ、それらの制御信号を出力している。
D1:駆動源の駆動回路
駆動源の駆動回路D1は、駆動源の一例としてのメインモータM1を介して、感光体PRy〜PRkや中間転写ベルトB等を回転駆動する。
D2:搬送部材の駆動回路
搬送部材の駆動回路D2は、搬送モータM2を介して、駆動ロール33を駆動し、転写ベルト32を駆動する。
D3:片寄り補正用の駆動回路
片寄り補正用の駆動回路D3は、カムモータM3,M3′を介して、カム68,68′を駆動する。
【0048】
E:電源回路
前記電源回路Eは、帯電用の電源回路Ea、現像用の電源回路Eb、転写用の電源回路Ec、定着用の電源回路Ed、画像転写装置用の電源回路Ee等を有している。
Ea:帯電用の電源回路
帯電用の電源回路Eaは、帯電ロールCRy〜CRkそれぞれに感光体PRy〜PRk表面を帯電させるための帯電電圧を印加する。
Eb:現像用の電源回路
現像用の電源回路Ebは、現像装置Gy〜Gkの現像ロールに現像電圧を印加する。
Ec:転写用の電源回路
転写用の電源回路Ecは、1次転写ロールT1y〜T1kや2次転写ロールT2bに転写電圧を印加する。
Ed:定着用の電源回路
定着用の電源回路Edは、定着装置Fの加熱ロールFhにヒーター加熱用の電力を供給する。
Ee:画像転写装置用の電源回路
画像転写装置用の電源回路Eeは、画像転写装置U3のヒートロール34に電力を供給する。
【0049】
(制御部Cの機能)
制御部Cは、前記信号入力要素の出力信号に応じて、前記各被制御要素の動作を制御するためのプログラムにより、次の機能実現手段を有している。
C1:ジョブ制御手段
画像形成動作の制御手段の一例としてのジョブ制御手段C1は、前記パーソナルコンピュータPC等から送信された印刷情報に応じて、帯電ロールCRy〜CRk、1次転写ロールT1y〜T1k、2次転写ロールT2b、定着装置F等の動作を制御して、画像形成動作の一例としてのジョブを実行する。
【0050】
C2:片寄りの補正手段
片寄りの補正手段C2は、片寄りの判別手段C2Aおよび偏心部材の回転制御手段の一例としてのカムの回転制御手段C2Bを有する。実施例1の片寄りの補正手段C2では、ヒートロール34に張架された転写ベルト32で、片寄りが発生した場合に、転写ベルト32が片寄った方向に応じて、片寄りを補正する方向にヒートロール34を傾斜させ、転写ベルト32の片寄りを補正する。
【0051】
図8は実施例1の無端帯状の回転体の説明図であり、図8Aは2つの片寄りの検出部材の間に無端帯状の回転体が位置した状態の説明図、図8Bは無端帯状の回転体が前方に片寄った状態の説明図、図8Cは無端帯状の回転体が後方に片寄った状態の説明図である。
C2A:片寄りの判別手段
片寄りの判別手段C2Aは、ベルトセンサSN1,SN2の検出結果に基づいて、転写ベルト32が前方または後方に片寄っているか、あるいは、片寄っていないかを検出する。
実施例1の片寄りの判別手段C2Aでは、図8Aに示すように、ベルトセンサSN1,SN2のいずれも転写ベルト32を非検出の場合に、転写ベルト32は片寄っていないと判別する。すなわち、転写ベルト32は、ベルトセンサSN1,SN2の間に位置していると判別する。図8Bに示すように、前側のベルトセンサSN1に転写ベルト32が検出された場合に、転写ベルト32が前方に片寄ったと判別する。また、図8Cに示すように、後側のベルトセンサSN2に転写ベルト32が検出された場合に、転写ベルト32が後方に片寄ったと判別する。
【0052】
図9は実施例1の前側の偏心部材の状態説明図であり、図9Aは前側の偏心部材が初期位置に移動した場合の状態説明図、図9Bは前側の偏心部材が第1の補正位置に移動した場合の状態説明図、図9Cは前側の偏心部材が第2の補正位置に移動した場合の状態説明図である。
図10は実施例1の回転軸の説明図であり、図10Aは基準位置に移動した状態の回転軸の説明図、図10Bは第1の片寄り補正位置に移動した状態の回転軸の説明図、図10Cは第2の片寄り補正位置に移動した状態の回転軸の説明図である。
C2B:カムの回転制御手段
カムの回転制御手段C2Bは、カムモータM3,M3′の回転を制御して、カム68,68′の回転を制御する。
【0053】
実施例1のカムの回転制御手段C2Bでは、前記片寄りの判別手段C2Aに基づいて、転写ベルト32が前方に片寄ったと判別された場合に、前側のカムモータM3を正回転させて、図9Bに示すように、前側のカム68を正回転させると共に、後側のカムモータM3′を逆回転させて、後側のカム68′を逆回転させる。したがって、前側のカム68が前側のプレート51の左内縁53bを押して、前側のプレート51は、媒体の搬送方向の下流側の第1の補正位置に移動し、後側のカム68′が後側のプレート51′の右内縁53a′を押して、後側のプレート51′は、媒体の搬送方向の上流側の第2の補正位置に移動する。
よって、図10Bに示すように、各プレート51,51′に支持されたヒートロール34は、前方にいくに連れて媒体の搬送方向の下流側に傾斜した第1の片寄り補正位置に移動する。したがって、第1の片寄り補正位置に移動したヒートロール34は、前方に片寄った転写ベルト32を後方に移動させる。
【0054】
また、転写ベルト32が後方に片寄ったと判別された場合に、実施例1のカムの回転制御手段C2Bは、前側のカムモータM3を逆回転させて、図9Cに示すように、前側のカム68を第2の補正位置に移動させると共に、後側のカムモータM3′を正回転させて、後側のカム68′を第1の補正位置に移動させる。したがって、実施例1のカムの回転制御手段C2Bは、媒体の搬送方向に対して、前側のプレート51を上流側に移動させると共に、後側のプレート51′を下流側に移動させる。よって、図10Cに示すように、各プレート51,51′に支持されたヒートロール34は、前方にいくに連れて媒体の搬送方向の上流側に傾斜した第2の片寄り補正位置に移動する。したがって、第2の片寄り補正位置に移動したヒートロール34は、後方に片寄った転写ベルト32を前方に移動させる。
【0055】
また、転写ベルト32は片寄っていないと判別された場合に、カムモータM3,M3′を回転させて、図9Aに示すように、第1の補正位置と第2の補正位置との間の位置としての初期位置にカム68,68′を移動させる。したがって、転写ベルト32がベルトセンサSN1,SN2の間に位置する場合には、図10Aに示すように、前後方向に対して、ヒートロール34が傾斜しない基準位置に、ヒートロール34が移動する。
【0056】
(片寄り補正処理のフローチャートの説明)
図11は実施例1の片寄り補正処理のフローチャートの説明図である。
図11のフローチャートの各ステップSTの処理は、前記プリンタUの制御部Cに記憶されたプログラムに従って行われる。また、この処理はプリンタUの他の各種処理と並行して実行される。
図11に示すフローチャートはプリンタUの電源投入により開始される。
図11のST1において、ジョブが開始されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST2に進み、ノー(N)の場合はST1を繰り返す。
ST2において、以下の(1)、(2)の処理を実行し、ST3に進む。
(1)前側のカム68を初期位置に移動させる。
(2)後側のカム68′を初期位置に移動させる。
【0057】
ST3において、前側のベルトセンサSN1は、転写ベルト32の前端を検出したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST4に進み、ノー(N)の場合はST5に進む。
ST4において、以下の(1)、(2)の処理を実行し、ST7に進む。
(1)前側のカム68を第1の補正位置に移動させる。
(2)後側のカム68′を第2の補正位置に移動させる。
ST5において、後側のベルトセンサSN2は、転写ベルト32の後端を検出したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST6に進み、ノー(N)の場合はST7に進む。
ST6において、以下の(1)、(2)の処理を実行し、ST7に進む。
(1)前側のカム68を第2の補正位置に移動させる。
(2)後側のカム68′を第1の補正位置に移動させる。
ST7において、ジョブが終了したか否かを判別する。ノー(N)の場合はST3に戻り、イエス(Y)の場合はST1に戻る。
【0058】
(実施例1の作用)
実施例1のプリンタUでは、中継ユニットU2や画像転写装置U3が装着された場合において、普通紙等のシートSに画像が印刷されて排出される場合、プリンタ本体U1で画像が印刷されて中継ユニットU2に搬入されたシートSは、第2の排紙トレイ8に排出される。
また、カード基材7の片面または両面に画像が記録される場合、給紙トレイTR1〜TR4に収容された転写フィルム10の受像層10bに、プリンタ本体U1で印刷される。受像層10bに印刷が行われた転写フィルム10は、中継ユニットU2を介して、丁合装置U3aに搬入される。
【0059】
図12は実施例1の基材の両面に画像が印刷される場合の説明図であり、図12Aは一面目の画像が転写された記録材が積載部に積載された状態の説明図、図12B図12Aに示す状態から基材が積載された状態の説明図、図12C図12Bに示す状態からさらに二面目の画像が記録された記録材が積載された状態の説明図である。
図12Aにおいて、カード基材7の両面に画像を記録される場合、まず、カード基材7の下面側の画像が記録された転写フィルム10が、ゲート13に案内されて、排出路12aに搬送される。転写フィルム10の後端がゲート13を通過すると、排出ロールRh2が逆回転し、転写フィルム10が排出路12aを逆方向に搬送、いわゆる、スイッチバックされる。そして、ゲート13に案内されて、転写フィルム10が積載路12bに搬送される。よって、転写フィルム10は、受像層10bが上面となる状態で、コンパイルトレイ9に収容される。
【0060】
次に、図12Bに示すように、カードトレイ6からカード基材7が送り出される。カードトレイ6から送り出されたカード基材7は、転写フィルム10の上方に重ねて積載される。
次に、カード基材7の上面側の画像が印刷された転写フィルム10が丁合装置U3aに搬入される場合、図12Cに示すように、ゲート13が切り替わる。そして、転写フィルム10がゲート13に案内されて、排出路12aを通過せずに積載路12bを搬送される。したがって、カード基材7の上面側の画像が印刷された転写フィルム10は、受像層10bが下方に向き且つ受像層10bがカード基材7の上面に対面した状態で、コンパイルトレイ9に積載される。
なお、カード基材7の一方の面にのみ画像が記録される場合には、記録される面に対応して、上側または下側のいずれか一方の転写フィルム10のみコンパイルトレイ9に搬入される。
【0061】
コンパイルトレイ9に、カード基材7と転写フィルム10が積載されると、仮留め装置18が作動して、カード基材7と転写フィルム10の左端部が、前後2箇所で加熱されて仮留めされる。したがって、カード基材7と転写フィルム10とが、仮留めされた一体的な積層体19となる。
積層体19は、媒体の搬送方向の下流側に配置されたエンコード部20に搬送される。実施例1のエンコード部20では、積層体19が一旦停止して、カードリーダ20bがICチップに記憶された情報を読み取る。エンコード部20を通過した積層体19は、媒体の搬送方向の下流側に配置された転写装置の本体部U3bに搬送される。
【0062】
図13は実施例1の画像が転写された基材の説明図である。
図3図13において、転写装置の本体部U3bに搬送された積層体19は、クリーニングロール21に接触して、表面が清掃される。クリーニングロール21に清掃された積層体19は、転写装置31に搬送される。転写装置31では、積層体19は、ヒートロール34に積層体19が挟まれて加圧されると共に加熱される。よって、転写フィルム10に定着されたトナー81が加熱されて溶ける。よって、トナー81は、転写フィルム10からカード基材7に移行可能な状態となる。このとき、カード基材7は、カード基材7のガラス転位温度以上に温められて、軟化している。したがって、ヒートロール34からトナー81が圧力を受けると、図12に示すように、軟化したカード基材7にトナーの一部が埋め込まれる形で、カード基材7側に移行する。よって、受像層10bに印刷された画像がカード基材7の表面に転写される。
【0063】
画像がカード基材7の表面に転写された積層体19は、冷却装置41に搬送される。そして、転写ベルト32,32を介して、冷却装置41が積層体19を、ガラス転位温度以下まで冷却する。
冷却装置41を通過した積層体19は、排出ロール76に搬送される。そして、排出ロール76は、積層体19を第3の排出トレイ77に排出する。
排出トレイ77に排出された積層体19は、転写フィルム10が剥されると、カード基材7の一面または両面に画像が転写されたカードが得られる。
【0064】
実施例1の転写部31では、転写ベルト32,32を支持する各ロール33,34,36,37どうしの相対的な平行度の関係に応じて、転写ベルト32,32の回転時に、転写ベルト32,32が前後方向に片寄ってしまう場合がある。これに対して、実施例1では、各ロール33,34,36,37の前後の両端部に、片寄った転写ベルト32,32が脱落することを防止するフランジ43が支持されている。
また、実施例1の転写ベルト32,32は、樹脂よりも熱伝導率が高い金属で構成されており、樹脂製の転写ベルトを使用した構成よりも、冷却装置41が積層体19を冷却する際に、効率的に積層体19を冷却することが可能である。
【0065】
しかし、金属製の転写ベルト32,32を使用する構成では、転写ベルト32,32で前後方向の片寄りが発生した場合、転写ベルト32,32の端とフランジ43とが擦れて磨耗してしまう。転写ベルト32,32が磨耗すると、転写ベルト32,32の幅が短くなって、積層体19の搬送に悪影響が出たり、転写ベルト32,32の寿命が短くなる問題がある。また、転写ベルト32,32の磨耗時に、金属粉等の磨耗粉が発生してしまう恐れもあった。磨耗粉が発生すると、転写ベルト32,32の表面に磨耗粉が付着してしまう場合がある。そして、ヒートロール34に積層体19が挟まれた際に、転写ベルト32,32に付着した磨耗粉が積層体19に押し付けられてしまい、磨耗粉が軟化したカード基材7に凹みや傷を付けてしまう恐れがあった。
【0066】
特許文献1の構成では、ベルト(31)が前後方向に片寄った場合、ベルト(31)を逆回転させて、ベルト(31)の片寄りが補正される。
しかし、この構成では、転写ベルト32の片寄りを補正する際に、転写部31への積層体19の搬送を停止して、転写ベルト32を逆回転させる必要がある。受像層10bに印刷された画像をカード基材7の表面に転写する転写動作が行えない。よって、転写ベルト32を逆回転させると、単位時間当たりに、転写フィルム10からカード基材7転写される画像の数量が減って、生産性が低下してしまう問題があった。
【0067】
これに対して、実施例1の構成では、転写ベルト32が前後方向に片寄った場合、転写ベルト32を回転させながら、転写ベルト32の片寄りに応じて、ヒートロール34を、図10Bおよび図10Cに示す各片寄り補正位置に移動可能である。したがって、転写ベルト32は回転しつつ、片寄った方向とは逆方向に移動して、転写ベルト32の片寄りが補正される。よって、実施例1の構成では、転写ベルト32で積層体19の転写および搬送をしつつ、片寄りを補正することが可能である。
したがって、ベルトの片寄りの補正をする際に、転写動作を行えない特許文献1の構成に対して、実施例1の構成では、転写ベルト32の片寄りを補正する際も、転写動作を行うことが可能である。よって、特許文献1の構成に比べて、転写フィルム10からカード基材7へ転写される単位時間当たりの数量を増やし、生産性の低下を低減することが可能である。
【0068】
また、実施例1の構成では、転写ベルト32の片寄りの補正に伴い、転写ベルト32,32の端とフランジ43との接触頻度が低下される。よって、転写ベルト32等が擦れて摩耗してしまうことが低減される。したがって、転写ベルト32,32の幅が短くなってしまうことを低減可能であり、積層体19の搬送への悪影響や、転写ベルト32,32の寿命が短くなってしまうことが低減可能である。また、磨耗粉の発生を低減することが可能であり、発生した磨耗粉が軟化したカード基板7に、へこみや傷を付けてしまうことを低減することが可能である。
【0069】
また、実施例1の構成では、ヒートロール34の回転軸34bの両端部が回転可能に支持されており、可動プレート51,51′の媒体の搬送方向の移動に伴い、ヒートロール34が傾斜する。
仮に、実施例1の構成において、ヒートロール34のどちらか一端のみを、可動プレート51,51′で移動させた場合、ヒートロール34の傾斜可能な範囲がほぼ半分になってしまう。したがって、ヒートロール34の片寄りの補正能力が低下して、転写ベルト32の片寄りが補正しきれない恐れがある。
これに対して、実施例1の構成では、ヒートロール34の両端の可動プレート51,51′が移動可能である。よって、転写ベルト32の片寄りを確実に補正することが可能である。
【0070】
図14は実施例1の無端帯状の回転体の片寄り補正の説明図であり、図14Aは基準位置に移動した状態の回転部材の要部説明図、図14Bは第1の片寄り補正位置に回転部材が移動した状態の接触部分の要部説明図である。
図14Aにおいて、転写ベルト32の内面には、回転部材01が接触して摩擦力が作用する。摩擦力は回転部材01が転写ベルト32を押す力、いわゆる、垂直効力に応じて大きくなる。ここで、転写ベルト32が回転した場合、転写ベルト32の内面に接触する回転部材01の摩擦が回転抵抗、いわゆる、ブレーキとなる。
【0071】
図14Bにおいて、回転部材01が前記第1の片寄り補正位置に移動すると、傾斜した回転部材01の軸方向に沿って、回転部材01と転写ベルト32との接触部分02が転写ベルト32の幅方向に対して傾斜する。
ここで、媒体の搬送方向に対して、接触部分02の上流側では、転写ベルト32の幅方向の前端側と後端側との移動速度03は同一である。転写ベルト32が接触部分02に差し掛かると、転写ベルト32の後端側は、回転部材01のブレーキで移動速度が低下する。
よって、転写ベルト32の幅方向の前端側の移動速度03と後端側の移動速度03′との間で速度差が発生して、転写ベルト32は矢印04で示す後方に移動する。
【0072】
この場合、摩擦力、すなわち、回転部材01が転写ベルト32を押す力が大きい方がブレーキが強くかかり、速度差が大きくなる。そして、速度差が大きい方が、転写ベルト32が転写ベルト32の幅方向に移動し易く、転写ベルト32の片寄りを補正する能力が高い。よって、転写ベルト32を押す力が弱い回転部材01に比べて、押す力が強い回転部材01の方が転写ベルト32の片寄りを補正する能力が高く、転写ベルト32を押す力が強い回転部材01で片寄りの補正を行うことが望ましい。
実施例1の構成では、転写ベルト32を張架する各ロール33,34,36,37のうち、転写ベルト32を押す力が最も強いヒートロール34で、転写ベルト32の片寄りの補正を行っている。したがって、転写ベルト32を張架する他のロール33,36,37で転写ベルト32の片寄りの補正を行う構成に比べて、実施例1の構成では、転写ベルト32の片寄りの補正能力を向上させることが可能である。
【0073】
また、実施例1では、駆動ロール33の上流側に、配置されたテンションロール37ではなく、下流側に配置されたヒートロール34で片寄りの補正が行われている。さらに、ヒートロール34では、ヒートロール34に転写ベルト32が巻き付く角度が、テンションロール37に比べて、小さくなっている。
ここで、駆動ロール33の駆動に伴って、駆動ロール33の上流側では、転写ベルト32が引っ張られて、張った状態になる一方で、駆動ロール33よりも下流側では、転写ベルト32が上流側から押し込まれて、緩み易い。
【0074】
よって、駆動ロール33よりも上流側のテンションロール37では、転写ベルト32が密着し易く、駆動ロール33よりも下流側のヒートロール34では、転写ベルト32の密着が緩み易い。また、テンションロール37では、転写ベルト32の巻付角が大きく、ヒートロール34では、巻付角が小さくなっている。
したがって、テンションロール37で片寄りの補正を行う場合、テンションロール37が少しでも傾斜すると、密着し、巻付角の大きな転写ベルト32は、速やかに応答して、片寄りを補正する方向に急速に移動し易い。すなわち、テンションロール37で片寄りの補正を行うと応答性が高過ぎる。
【0075】
転写ベルト32が急速に移動すると、転写ベルト32,32に挟まれた積層体19で、カード基材7と転写フィルム10とがずれてしまう場合がある。よって、トナー81がずれた状態でカード基材7に定着されてしまい、カード基材7に定着される画像の画質が低下してしまう問題があった。
【0076】
これに対して、実施例1の構成では、テンションロール37に比べて、転写ベルト32の密着性が低く、巻付角が小さいヒートロール34で、転写ベルト32の片寄りの補正を行っている。よって、ヒートロール34を傾斜させた場合に、転写ベルト32の応答は、比較的に遅い。したがって、テンションロール37で、転写ベルト32の片寄りの補正を行う構成に比べて、実施例1の構成では、片寄りの補正を行う際に、カード基材7と転写フィルム10とのずれの発生を低減することが可能である。よって、カード基材7に定着される画像の画質を向上させることが可能である。
【実施例2】
【0077】
次に、本発明の実施例2の説明をするが、この実施例2の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施例2は、下記の点で前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成されている。
【0078】
(実施例2の転写部の説明)
図15は実施例2の回転軸の説明図であり、図15Aは基準位置に移動した状態の回転軸の説明図であって、実施例1の図10Aに対応する図、図15Bは第3の片寄り補正位置に移動した状態の回転軸の説明図であって、実施例1の図10Bに対応する図、図15Cは第4の片寄り補正位置に移動した状態の回転軸の説明図であって、実施例1の図10Cに対応する図である。
図15Aにおいて、実施例2の転写部31′では、片寄り補正部材の一例としてのテンションロール37に対して、実施例1のヒートロール34を傾斜させる構成と同様の機構が設けられている。すなわち、符号51〜71,M3,51′〜71′,M3′を付した部材等により構成された第2の片寄り補正機構KH3′がテンションロール37にも設けられている。
また、実施例2の構成では、テンションロール37,37どうしを接触および離間させる接離方向に対して移動可能に、可動プレート51,51′が付勢プレート61,61′に支持されている。
【0079】
(実施例2の制御部の説明)
図16は実施例2の画像形成装置の制御部が備えている各機能をブロック図で示した図であり、実施例1の図7に対応する説明図である。
(制御部Cの機能)
また、実施例2の制御部Cは、実施例1のカムの回転制御手段C2Bに加えて、第2のカムの回転制御手段C2B′を有している。
なお、前記制御部Cのその他の構成要素については、実施例1と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0080】
C2B′:第2のカムの回転制御手段
第2のカムの回転制御手段C2B′は、第2の片寄り補正機構KH3′のカムモータM3,M3′の回転を制御して、カム68,68′の回転を制御する。
【0081】
実施例2の第2のカムの回転制御手段C2B′では、前記片寄りの判別手段C2Aに基づいて、転写ベルト32が前方に片寄ったと判別された場合に、第2の片寄り補正機構KH3′で、前側のカムモータM3を正回転させて、前側のカム68を第1の補正位置に移動させると共に、後側のカムモータM3′を逆回転させて、後側のカム68′を第2の補正位置に移動させる。したがって、カム68,68′の移動に応じて、図15Bに示すように、前方に行くに連れて上方に傾斜する第3の片寄り補正位置に、テンションロール37を移動させる。
よって、第3の片寄り補正位置に移動したテンションロール37は、前方に片寄った転写ベルト32を後方に移動させる。
【0082】
また、転写ベルト32が後方に片寄ったと判別された場合に、実施例2の第2のカムの回転制御手段C2B′は、第2の片寄り補正機構KH3′で、前側のカムモータM3を逆回転させて、前側のカム68を第2の補正位置に移動させると共に、後側のカムモータM3′を正回転させて、後側のカム68′を第1の補正位置に移動させる。
したがって、カム68,68′の移動に応じて、図15Cに示すように、前方に行くに連れて下方に傾斜する第4の片寄り補正位置に、テンションロール37を移動させる。
よって、第4の片寄り補正位置に移動したテンションロール37は、後方に片寄った転写ベルト32を前方に移動させる。
【0083】
また、転写ベルト32は片寄っていないと判別された場合に、実施例2の第2のカムの回転制御手段C2B′は、第2の片寄り補正機構KH3′で、カムモータM3,M3′を回転させて、初期位置にカム68,68′を移動させる。よって、転写ベルト32がベルトセンサSN1,SN2の間に位置する場合には、図15Aに示すように、テンションロール37を基準位置に移動させる。
【0084】
(実施例2のプリンタUの処理の流れの説明)
実施例2の第2の片寄り補正機構KH3′に関する片寄り補正処理は、図11に示す実施例1の片寄り補正処理と同様であるため、詳細な説明を省略する。
すなわち、実施例2の第2の片寄り補正機構KH3′に関する片寄り補正処理では、図11において、片寄り補正機構KH3のカム68,68′を移動させる片寄り補正処理において、第2の片寄り補正機構KH3′のカム68,68′を移動させる点が異なる。
【0085】
(実施例2の作用)
実施例2の転写部31′では、転写ベルト32が前後方向に片寄った場合、転写ベルト32の片寄った方向に応じて、ヒートロール34が各片寄り補正位置に移動されると共に、テンションロール37も同じ片寄り補正位置に移動される。したがって、実施例2の構成では、ヒートロール34と、テンションロール37の2箇所で片寄りの補正が行われる。
よって、ヒートロール34のみで片寄りの補正をする実施例1の構成に比べて、実施例2の構成では、転写ベルト32の片寄りの補正能力が向上する。したがって、ヒートロール34のみでは、転写ベルト32の片寄りが十分に補正しきれない場合にも対応可能である。よって、転写ベルト32の端とフランジ43との接触頻度がさらに低下され、転写ベルト32の寿命が短くなってしまうこと等を、さらに低減することが可能である。
【0086】
なお、実施例2では、ヒートロール34を移動させるカムモータM3,M3′に比べて、テンションロール37を移動させるカムモータM3,M3′の方が、回転速度が遅く設定されている。したがって、片寄りの補正を行う際に、ヒートロール34に比べて、テンションロール37が傾斜する速度が遅く、転写ベルト32が急速に移動してしまうことが低減されている。
よって、ヒートロール34とテンションロール37とが同じ速度で傾斜する構成に比べて、実施例2の構成では、カード基材7に転写される画像の画質の低下を低減することが可能である。
【0087】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H015)を下記に例示する。
(H01)前記実施例において、画像形成装置の一例としてプリンタUを例示したが、これに限定されず、複写機、FAX、あるいはこれら複数の機能を備えた複合機等に適用可能である。また、電子写真方式の画像形成装置に限定されず、インクジェット記録方式やサーマルヘッド方式などをはじめリソグラフ等の印刷機等任意の画像形成方式の画像形成装置に適用可能である。さらに、多色現像の画像形成装置に限定されず、単色、いわゆるモノクロの画像形成装置により構成することも可能であり、いわゆるタンデム式の画像形成装置に限定されず、ロータリ式等の画像形成装置にも適用可能である。
【0088】
(H02)前記実施例において、シートSの前端を仮留めする機能を有する丁合装置U3aの構成を例示したが、これに限定されない。例えば、ロールで挟む等でシート基材7と転写フィルム10とがずれ難い構成を採用して、シートSの前端を仮留めする機能を省略することも可能である。また、丁合装置U3aを省略して、最初から転写フィルム10とシート基材7とが積層された状態で中継ユニットU2から送り出される構成も可能である。
(H03)前記実施例において、転写ベルト32の片寄りを補正する際に、転写ベルト32が片寄った方向に応じて、テンションロール37や、ヒートロール34を傾斜させて、転写ベルト32の片寄りを補正する構成を例示したが、これに限定されない。例えば、テンションロール37や、ヒートロール34に代えて、駆動ロール33や、支持ロール36を傾斜させて、転写ベルト32の片寄りを補正する構成も可能である。なお、転写ベルト32を張架するロール33,34,36,37のうち、他のロールに比べて、バネ力や、ニップ圧の大きなロールで、転写ベルト32の片寄りを補正することが好適である。
【0089】
(H04)前記実施例において、転写ベルト32の片寄りを補正する際に、転写ベルト32が片寄った方向に応じて、前方または後方に行くに連れて、媒体の搬送方向の上流側または下流側にヒートロール34を傾斜させる構成や、前方または後方に行くに連れて上下方向にテンションロール37を傾斜させる構成を例示したが、これに限定されない。
例えば、転写ベルト32が片寄った方向に応じて、前方または後方に行くに連れて、上方または下方にヒートロール34を傾斜させる構成や、前方または後方に行くに連れて、媒体の搬送方向の上流側または下流側にテンションロール37を傾斜させる構成も可能である。また、ヒートロール34やテンションロール37を傾斜させる角度は、設計や仕様に基づいて任意に設定可能である。
【0090】
(H05)前記実施例において、片寄り補正部材の一例としてのテンションロール37や、ヒートロール34の前後両端部を移動させて、ロール34,37を傾斜させる構成が望ましいが、ロール34,37の前後方向の両端のうち、どちらか一方のみを移動させて、ロール34,37を傾斜させる構成とすることも可能である。
(H06)前記実施例において、回転部材の一例として、4本のロール33,34,36,37で転写ベルト32を張架する構成を例示したが、これに限定されず、例えば、2本または3本、あるいは、5本以上の回転部材で転写ベルト32を張架する構成も可能である。
【0091】
(H07)前記実施例において、冷却部の一例として、転写ベルト32に接触するヒートシンク41bを有する構成を例示したが、これに限定されない。例えば、ヒートシンク41bに代えて、一対のロール状の冷却ロールを使用した構成とすることも可能である。
また、冷却ロールを使用した上で、転写ベルト32の片寄りを補正する際に、冷却ロールを傾斜させて、転写ベルト32の片寄りを補正する構成も可能である。
(H08)前記実施例において、媒体の搬送方向に対して、テンションロール37の下流側に、片寄りの検出部材の一例のベルトセンサSN1,SN2を2つ配置する構成を例示したが、これに限定されず、設計や仕様に応じて、任意の個数の片寄り検出部材を任意の場所に設置可能である。他にも、フランジ43を回転軸37aの軸方向に移動させる構成として、フランジ43が転写ベルト32に押されて移動することを検知して、片寄りを検出する等、任意の構成の片寄りが検知可能なセンサを採用可能である。
【0092】
(H09)前記実施例において、無端帯状の回転体の一例として、上下一対の転写ベルト32,32を例示したが、これに限定されず、例えば、上側の転写ベルトと下側の転写ベルトとの間で、ベルトの周長や、張架するロールの本数が異なる等、対をなさない転写ベルトを用いた構成に適用することも可能である。
(H010)前記実施例において、各転写ベルト32,32に対して、片寄りの補正を行う構成が望ましいが、これに限定されず、一対の転写ベルト32,32のうち、どちらか一方のみで片寄りの補正を行う構成も可能である。
【0093】
(H011)前記実施例において、上下一対の転写ベルト32,32に、それぞれ駆動ロール33,33を設けた構成を例示したが、これに限定されず、一方の転写ベルト32の回転に伴い、他方の転写ベルト32を従動回転させる構成も可能である。
(H012)前記実施例において、ベルトセンサSN1,SN2の検出結果に基づいて、ヒートロール34とテンションロール37とを、各片寄り補正位置に移動させる構成を例示したが、これに限定されない。例えば、ヒートロール34用のベルトセンサと、テンションロール37用のベルトセンサとを別々に設けて、各ベルトセンサの検出結果に応じて、ヒートロール34とテンションロール37とを別個に各片寄り位置に移動させる構成も可能である。
【0094】
(H013)前記実施例において、上下の転写ベルト32のそれぞれに、ベルトセンサSN1,SN2を設けて、転写ベルト32の片寄りを検出し、各転写ベルト32で個別に片寄りを補正する構成を例示したが、これに限定されない。例えば、どちらか一方の転写ベルト32のみにベルトセンサを設けて、ベルトセンサで片寄りが検知された場合に、上下両方の片寄り補正機構KH3,KH3′で連動または同期して、片寄りを補正する構成も可能である。
(H014)前記実施例2において、ヒートロール34とテンションロール37とにより片寄りの補正を行う構成を例示したが、これに限定されない。例えば、転写ベルト32,32どうしの間に積層体19が挟まれている場合には、ヒートロール34のみで片寄りの補正を行い、転写ベルト32,32どうしの間に積層体19が挟まれていない場合に、ヒートロール34とテンションロール37との両方で片寄りの補正を行う構成も可能である。
【0095】
(H015)前記実施例において、ヒートロール34を移動させるカムモータM3,M3′に比べて、テンションロール37を移動させるカムモータM3,M3′の方が、回転速度を遅く設定する構成を例示したが、これに限定されない。例えば、カム68,68′の形状やモータの回転量を変えて、片寄りの補正時にヒートロール34が傾斜する量よりも、テンションロール37が傾斜する量を小さく設定することも可能である。
【符号の説明】
【0096】
7…基材、
10…記録材、
19…積層体、
31,31′…転写部、
32…無端帯状の回転体、
33…駆動部材、
34…転写部材、回転部材、
34a…加熱部材、
37…回転部材、
43…脱落防止部材、
KH1…第1の片寄り補正部、
KH2…第2の片寄り補正部、
KH3…片寄り補正機構、
KH3′…第2の片寄り補正機構、
SN1,SN2…片寄り検出部材、
U…画像形成装置、
U3…画像転写装置、
Uy〜Uk+T1+T2+B…画像の記録部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16