特許第6349864号(P6349864)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6349864
(24)【登録日】2018年6月15日
(45)【発行日】2018年7月4日
(54)【発明の名称】車両用サンシェード装置
(51)【国際特許分類】
   B60J 7/00 20060101AFI20180625BHJP
【FI】
   B60J7/00 D
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-68341(P2014-68341)
(22)【出願日】2014年3月28日
(65)【公開番号】特開2015-189345(P2015-189345A)
(43)【公開日】2015年11月2日
【審査請求日】2017年2月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】アイシン精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】溝口 信宏
(72)【発明者】
【氏名】本村 将太
(72)【発明者】
【氏名】藤澤 智
(72)【発明者】
【氏名】國保 雄介
(72)【発明者】
【氏名】年森 まりな
【審査官】 岡▲さき▼ 潤
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−192693(JP,A)
【文献】 特開2011−136611(JP,A)
【文献】 特開2007−326444(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3172616(JP,U)
【文献】 特開2008−254647(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0314912(US,A1)
【文献】 特開2008−024037(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車室に臨む照光部を有した照明装置と、
ルーフパネルに設けられた採光部に臨む受光面を有した太陽電池と、
前記太陽電池が発電した電力を蓄電して前記照明装置に供給可能な蓄電池と、
を備えて前記採光部の下方に引き出される遮光部材を有し
前記遮光部材は、前端部に被嵌合部を有した遮光基材と、開閉操作に用いられる把持部を有して前記遮光基材に嵌合する操作部材とを備え、
前記太陽電池は、前記遮光基材に設けられ、前記照明装置及び前記蓄電池は、前記操作部材に設けられるものであって、
前記被嵌合部に前記操作部材を嵌合することにより、前記操作部材側に設けられた前記照明装置及び前記蓄電池を含む給電回路に対して前記遮光基材側に設けられた前記太陽電池が電気的に接続された
車両用サンシェード装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用サンシェード装置において、
前記遮光部材は、車両の後方側から前方側に向かって引き出されるとともに、前端部に設けられた前記照光部を有すること、を特徴とする車両用サンシェード装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の車両用サンシェード装置において、
前記蓄電池は、前記遮光部材の開閉操作に用いられる把持部の周縁に設けられること、
を特徴とする車両用サンシェード装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の車両用サンシェード装置において、
前記照明装置は、光源の異なる複数の前記照光部を備えること、
を特徴とする車両用サンシェード装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項4の何れか一項に記載の車両用サンシェード装置において、
前記照明装置は、光源の発する光を前記照光部に導く導光部材を備えること、
を特徴とする車両用サンシェード装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用サンシェード装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車両用のサンシェード装置には、例えば、特許文献1に示すように、ルーフパネルに設けられた採光部の下方に引き出される遮光部材に対して車内用の照明装置が一体に設けられたものがある。そして、例えば、特許文献2には、このような遮光部材に設けられた電装品に対する給電構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−192693号公報
【特許文献2】特開2009−292272号公報
【特許文献3】特開2007−326444号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術のような複雑な給電構造を導入することで、工数の増加や組付精度の高度化等、その組付作業が煩雑化するという問題がある。そして、これにより、生産性が低下するおそれがあることから、この点において、なお改善の余地を残すものとなっていた。
【0005】
尚、例えば、特許文献3には、遮光部材に太陽電池を設ける構造が開示されている。しかしながら、車内用の照明装置を利用する状況においては、多くの場合、その太陽電池による発電もまた期待できない。
【0006】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、遮光部材に設けられた照明装置に対し、簡素な構成にて、安定的に給電することのできる車両用サンシェード装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する車両用サンシェード装置は、車室に臨む照光部を有した照明装置と、ルーフパネルに設けられた採光部に臨む受光面を有した太陽電池と、前記太陽電池が発電した電力を蓄電して前記照明装置に供給可能な蓄電池と、を備えて前記採光部の下方に引き出される遮光部材を有し、前記遮光部材は、前端部に被嵌合部を有した遮光基材と、開閉操作に用いられる把持部を有して前記遮光基材に嵌合する操作部材とを備え、前記太陽電池は、前記遮光基材に設けられ、前記照明装置及び前記蓄電池は、前記操作部材に設けられるものであって、前記被嵌合部に前記操作部材を嵌合することにより、前記操作部材側に設けられた前記照明装置及び前記蓄電池を含む給電回路に対して前記遮光基材側に設けられた前記太陽電池が電気的に接続されたものであることが好ましい。
【0008】
上記構成によれば、照明装置に対する給電を遮光部材内で完結させることができる。そして、蓄電池を備えることにより、気象条件や時間帯に依らず、その照明装置に対して安定に給電することができる。
また、照明装置、太陽電池及び蓄電池間を電気的に接続する配線の取り回し等、煩雑な接続作業を省くことができる。そして、これにより、その組立作業の効率化を図ることができる。
【0009】
上記課題を解決する車両用サンシェード装置は、前記遮光部材は、車両の後方側から前方側に向かって引き出されるとともに、前端部に設けられた前記照光部を有することが好ましい。
【0010】
上記構成によれば、その照光部を車両前方側の車室天井部に設けられた所謂マップランプとして利用することができる。そして、これにより、その車室天井部に対するマップランプの固定を廃止することで、当該マップランプが設置されていた車両前方側の位置まで、採光部を拡張することが可能になる。
【0011】
上記課題を解決する車両用サンシェード装置は、前記蓄電池は、前記遮光部材の開閉操作に用いられる把持部の周縁に設けられることが好ましい。
即ち、比較的重量のある蓄電池を把持部の周縁に設けることで、遮光部材の重心が把持部の近傍に設定される。その結果、より円滑に遮光部材の開閉操作を行うことができるようになる。
【0012】
上記課題を解決する車両用サンシェード装置は、前記照明装置は、光源の異なる複数の前記照光部を備えることが好ましい。
上記構成によれば、照光部の設計自由度が高くなる。そして、その光源の違いに基づいて、例えば、光量や色合い等、照明形態を自在に設定することができる。
【0013】
上記課題を解決する車両用サンシェード装置は、前記照明装置は、光源の発する光を前記照光部に導く導光部材を備えることが好ましい。
上記構成によれば、光源の配置自由度が高くなる。そして、その導光部材の特性を利用することによって、照明形態を自在に設定することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、遮光部材に設けられた照明装置に対し、簡素な構成にて、安定的に給電することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】車両のルーフパネルに設けられた採光部及びサンシェード装置の概略構成を模式的に示す斜視図。
図2】遮光部材の下面図(車室側)。
図3】遮光部材の平面図(採光部側)。
図4】遮光部材の分解斜視図。
図5】遮光部材の断面図(図3におけるV−V断面)。
図6】遮光部材の断面図(図3におけるVI−VI断面)。
図7】遮光部材の組立工程を示す説明図(図3におけるVI−VI断面)。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、車両用サンシェード装置の一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、車両1のルーフパネル2には、採光部3が設けられている。本実施形態の採光部3は、ルーフパネル2に形成された略矩形状のルーフ開口部4に、光透過性の素材(例えば、ガラス等)からなる透光パネル5を配置することにより形成されている。尚、本実施形態では、この透光パネル5は、図示しないサンルーフ装置により開閉可能な可動パネルとなっている。そして、本実施形態の車両1には、その採光部3の下方に遮光部材10を配置可能なサンシェード装置11が設けられている。
【0019】
詳述すると、ルーフ開口部4の内側には、その車幅方向両端部4a,4bの周縁部において車両前後方向に延びる左右一対のガイドレール12が設けられている。また、遮光部材10は、図示しない複数の保持部材(シュー)を介して、これらのガイドレール12に支持されている。そして、本実施形態のサンシェード装置11は、その延伸方向に沿うようにガイドレール12上を各保持部材が摺動することにより、当該各保持部材に支持された遮光部材10が、上記採光部3の下方に引き出され、及びその採光領域外に戻されるようになっている。
【0020】
図2図4に示すように、本実施形態のサンシェード装置11において、遮光部材10は、略矩形平板状に形成された遮光パネル20の一端に、把持部21aを有した操作部材21を固定することにより形成されている。具体的には、本実施形態の遮光部材10は、手動操作によって、車両1の後方側から前方側に向かって引き出される(図1参照)。そして、その開閉操作に用いられる操作部材21は、遮光基材となる遮光パネル20の前端部20aに設けられている。
【0021】
さらに詳述すると、図4及び図5に示すように、本実施形態の遮光パネル20は、その前端部20aに被嵌合部となる嵌合孔22を有している。そして、操作部材21は、この嵌合孔22に嵌合することにより、その遮光パネル20の前端部20aに固定されるようになっている。
【0022】
また、図2及び図5に示すように、本実施形態の遮光部材10には、車室(図示略)に臨む意匠面(下面)10a側に照光部23を有した照明装置25が設けられている。具体的には、この照明装置25は、上記操作部材21に設けられている。即ち、遮光パネル20の前端部20aに設けられた操作部材21は、遮光部材10が採光部3の下方に引き出されることによって、車室の前方側に配置される。そして、本実施形態では、これにより、その操作部材21に設けられた照明装置25を所謂マップランプとして利用することが可能となっている。
【0023】
詳述すると、図2及び図4に示すように、本実施形態の操作部材21は、車幅方向(図2中、左右方向)に延在する長尺略平板状の外形を有している。尚、遮光パネル20に設けられた嵌合孔22もまた、この遮光部材10の形状に対応する長孔形状となっている。そして、遮光部材10の開閉操作に用いられる把持部21aは、その車幅方向に延びる操作部材21の長手方向中央部分に設けられている。
【0024】
本実施形態の操作部材21において、上記照明装置25の照光部23は、この把持部21aの車幅方向両側に設けられている。具体的には、把持部21aの近傍には、当該把持部21aを車幅方向に挟む対称位置に、左右一対の主照光部23aが設けられている。そして、これら主照光部23aの近傍には、それぞれ、操作部材21の車幅方向中央部から外側に向かって延びる左右一対の補助照光部23bが設けられている。
【0025】
また、図4及び図5に示すように、本実施形態の操作部材21は、そのルーフパネル2に望む裏面側(採光部3側、遮光部材10の裏面10b側)に複数の光源30を保持する。具体的には、各主照光部23aの裏面(上方)側には、それぞれ、その駆動回路(図示略)が実装された回路基板31及び発光体(LED)32が一体に設けられた主光源30aが設けられている。そして、本実施形態の照明装置25は、これにより、これら各主光源30aの発する光に基づいて各主照光部23aが車室内を照らすように構成されている。
【0026】
一方、各補助照光部23bの裏面(上方)側には、それぞれ、当該補助照光部23bの延伸方向に沿うようにして導光部材33が設けられている。本実施形態では、この導光部材33は、各補助照光部23bの形状に合わせて略コ字状に湾曲した略棒状の外形を有している。また、この導光部材33は、光透過性の樹脂(例えば、ポリカーボネート等)を用いることにより、その端面に入力された光を周面から照射するように構成されている。そして、本実施形態の照明装置25は、これら各導光部材33の長手方向端部に設けられた複数(本実施形態では、合計4つ)の補助光源30bを備えている。
【0027】
即ち、各補助光源30bの発する光は、各導光部材33を介して各補助照光部23bに導かれる。そして、本実施形態の照明装置25は、これにより、その車幅方向に延びる長手方向全域に亘って各補助照光部23bが車室内を照らすように構成されている。
【0028】
尚、本実施形態では、上記各主照光部23a及び各補助照光部23bには、それぞれ、特性の異なる樹脂レンズが用いられている。また、各補助光源30bの出力は、各主光源30aの出力よりも低く抑えられている。そして、本実施形態の照明装置25は、これにより、そのマップランプとして利用可能な各主照光部23aの周縁を各補助照光部23bが修飾する構成となっている。
【0029】
また、図3図5に示すように、本実施形態の遮光部材10には、上記のようにルーフパネル2に設けられた採光部3に臨む受光面35sを有した太陽電池35が設けられている。そして、遮光部材10には、更に、その太陽電池35が発電した電力を蓄電して上記照明装置25に供給可能な蓄電池36が設けられている。
【0030】
詳述すると、本実施形態の太陽電池35は、遮光パネル20に保持されることにより、遮光部材10の裏面10b側に配置されている。そして、採光部3の下方に遮光部材10が引き出されることによって、その受光面35sが採光部3に臨む位置に配置されるようになっている。
【0031】
一方、本実施形形態の蓄電池36は、略円柱状の外形を有している。また、本実施形態では、この蓄電池36は、上記照明装置25の各光源30とともに、操作部材21の裏面側に保持されている。具体的には、蓄電池36は、操作部材21の長手方向中央部(車幅方向中央部)に設けられた把持部21aの周縁、詳しくは、その長手方向に沿うようにして当該把持部21aの車両前方側となる位置に配置されている。そして、本実施形態の遮光部材10は、上記のように遮光パネル20の嵌合孔22に対して操作部材21を嵌合することにより、当該操作部材21に設けられた照明装置25及び蓄電池36を含む給電回路(40)に対して、遮光パネル20に設けられた太陽電池35が電気的に接続されるように構成されている。
【0032】
さらに詳述すると、図6及び図7に示すように、本実施形態の遮光部材10において、太陽電池35は、その出力端子35aが嵌合孔22内に突出する態様で遮光パネル20に保持されている。また、操作部材21は、遮光部材10の意匠面10a側から遮光パネル20の嵌合孔22に組み付けられる。尚、上記導光部材33が設けられた位置には、遮光部材10の裏面10b側からカバー部材37が組み付けられるようになっている。そして、本実施形態では、その嵌合孔22内における太陽電池35の出力端子35aが配置された位置に、操作部材21に設けられた給電回路40の接続端子40aが配置されている。
【0033】
即ち、嵌合孔22内に操作部材21が挿入されることで、その給電回路40の接続端子40aが太陽電池35の出力端子35aに接触する。そして、本実施形態の遮光部材10は、これにより、その遮光部材10に保持された照明装置25、太陽電池35、及び蓄電池36間の電気的な接続作業が完了するように構成されている。
【0034】
以上、本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)サンシェード装置11は、ルーフパネル2に設けられた採光部3の下方に引き出される遮光部材10を備える。そして、遮光部材10には、車室に臨む意匠面10a側に照光部23を有した照明装置25と、採光部3に臨む受光面35sを有した太陽電池35と、この太陽電池35が発電した電力を蓄電して照明装置25に供給可能な蓄電池36とが設けられる。
【0035】
上記構成によれば、照明装置25に対する給電を遮光部材10内で完結させることができる。そして、蓄電池36を備えることにより、気象条件や時間帯に依らず、その照明装置25に対して安定に給電することができる。
【0036】
(2)遮光部材10は、車両1の後方側から前方側に向かって引き出される。そして、照明装置25は、その前端部20aに設けられた照光部23を有する。このような構成を採用することで、その照光部23を車両前方側の車室天井部に設けられた所謂マップランプとして利用することができる。そして、これにより、その車室天井部に対するマップランプの固定を廃止することで、当該マップランプが設置されていた車両前方側の位置まで、採光部3を拡張することが可能になる。
【0037】
(3)遮光部材10は、開閉操作に用いられる把持部21aを有した操作部材21を備える。そして、蓄電池36は、この把持部21aの周縁に設けられる。即ち、比較的重量のある蓄電池36を把持部21aの周縁に設けることで、遮光部材10の重心が把持部21aの近傍に設定される。その結果、より円滑に遮光部材10の開閉操作を行うことができるようになる。
【0038】
(4)照明装置25は、主光源30aの発する光に基づいて車室内を照らす主照光部23aと、補助光源30bの発する光に基づいて車室内を照らす補助照光部23bと、を備える。即ち、複数の照光部23を備えることで、当該照光部23の設計自由度を高めることができる。そして、その光源30の違いに基づいて、例えば、光量や色合い等、照明形態を自在に設定することができる。
【0039】
(5)照明装置25は、光源30(補助光源30b)の発する光を照光部23(補助照光部23b)に導く導光部材33を備える。このような構成を採用することで、光源30の配置自由度が高くなる。そして、その導光部材33の特性を利用することによって、照明形態を自在に設定することができる。
【0040】
(6)操作部材21は、遮光パネル20に設けられた嵌合孔22に嵌合することにより当該遮光パネル20に固定される。また、太陽電池35は、遮光パネル20に設けられ、照明装置25及び蓄電池36は、操作部材21に設けられる。そして、遮光部材10は、その遮光パネル20の嵌合孔22に操作部材21を嵌合することにより、当該操作部材21側に設けられた照明装置25及び蓄電池36を含む給電回路40に対して遮光パネル20側に設けられた太陽電池35が電気的に接続されるように構成される。
【0041】
上記構成によれば、照明装置25、太陽電池35及び蓄電池36間を電気的に接続する配線の取り回し等、煩雑な接続作業を省くことができる。そして、これにより、その組立作業の効率化を図ることができる。
【0042】
(7)照明装置25は、主照光部23aの周縁を修飾する補助照光部23bを備える。これにより、その意匠性に関する設計自由度を高めることができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
【0043】
・上記実施形態では、採光部3は、ルーフ開口部4に可動式の透光パネル5を設けてなることとした。しかし、これに限らず、採光部3は、ルーフ開口部4に対して透光パネル5が固定されたものであってもよい。そして、そのルーフ開口部4に非透光性の可動パネルが設けられた構成についてもまた、これを排除しない。
【0044】
・上記実施形態では、遮光部材10は、平板状に形成された遮光パネル20を遮光基材とすることとしたが、巻き取り可能な遮光シートを遮光基材とする構成であってもよい。
・ガイドレール12の延伸方向は、必ずしも車両前後方向でなくともよく、車幅方向であってもよい。そして、遮光部材10の引き出し方向についてもまた、必ずしも車両1の後方側から前方側に向うものでなくともよい。
【0045】
・上記実施形態では、操作部材21を操作することで手動により遮光部材10が開閉動作する構成としたが、例えばモータ等の駆動力に基づいて遮光部材10が開閉動作する構成であってもよい。
【0046】
・上記実施形態では、照光部23は、主照光部23aと、この主照光部23aの周縁を修飾する補助照光部23bと、を備えることとした。そして、これら主照光部23a及び補助照光部23bが、操作部材21、詳しくは、その車幅方向中央部に設けられた把持部21aの両側に設けられることとした。しかし、これに限らず、照明装置25が備える照光部23の種類は、一種類でも3種類以上であってもよい。そして、その配置や数についてもまた、任意に変更してもよい。
【0047】
例えば、照光部23は、必ずしも操作部材21に設けなくともよく、遮光基材としての遮光パネル20に設けてもよい。また、補助照光部23bは、主照光部23aの周縁を修飾するものでなくともよい。そして、複数種類の補助照光部23bを備える構成であってもよい。
【0048】
・また、上記実施形態では、照明装置25は、主照光部23a用に設けられた主光源30aと、補助照光部23b用に設けられた補助光源30bと、を備える。そして、補助光源30bの発する光については、導光部材33を介して補助照光部23bに導くこととした。しかし、これに限らず、光源30の種類や数、及び配置等は、任意に変更してもよい。例えば、一つの光源30の発する光を導光部材によって複数の照光部23に導く構成であってもよい。また、導光部材を備えない構成であってもよい。更に、LED以外の発光体32を用いてもよい。そして、一つの照光部23に対して複数の光源30が設けられた構成であってもよい。
【0049】
・上記実施形態では、主照光部23a及び補助照光部23bには、それぞれ、特性の異なる樹脂レンズが用いられることとした。しかし、これに限らず、照光部23の構成については、任意に変更してもよい。例えば、レンズの素材は、樹脂に限らない。また、主照光部23a及び補助照光部23bを構成する各レンズに顕著な特性がなくともよい。更に、導光部材33についてもまた、例えば、光ファイバーを用いる等、任意に変更してもよい。そして、発光体32が直接的に照光部23を構成するものであってもよい。
【0050】
・上記実施形態では、太陽電池35は、遮光パネル20に設けられ、照明装置25及び蓄電池36は、操作部材21に設けられることとしたが、これらの配置は任意に変更してもよい。例えば、蓄電池36は、必ずしも把持部21aの周縁に設けなくともよい。そして、これら照明装置25、太陽電池35及び蓄電池36の電気的な接続構造についてもまた、任意に変更してもよい。
【0051】
次に、以上の実施形態から把握することのできる技術的思想を記載する。
(イ)前記照明装置は、主照明部の周縁を修飾する補助照明部を備えること、を特徴とする車両用サンシェード装置。これにより、その意匠性に関する設計自由度を高めることができる。
【符号の説明】
【0052】
1…車両、2…ルーフパネル、3…採光部、4…ルーフ開口部、5…透光パネル、10…遮光部材、10a…意匠面、10b…裏面、11…サンシェード装置、12…ガイドレール、20…遮光パネル(遮光基材)、20a…前端部、21…操作部材、21a…把持部、22…嵌合孔(被嵌合部)、23…照光部、23a…主照光部、23b…補助照光部、25…照明装置、30…光源、30a…主光源、30b…補助光源、31…回路基板、32…発光体、33…導光部材、35…太陽電池、35a…出力端子、35s…受光面、36…蓄電池、40…給電回路、40a…接続端子。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7