特許第6349936号(P6349936)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6349936
(24)【登録日】2018年6月15日
(45)【発行日】2018年7月4日
(54)【発明の名称】プログラム及び保守管理装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20180625BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20180625BHJP
   B41J 29/46 20060101ALI20180625BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20180625BHJP
【FI】
   B41J29/38 Z
   G03G21/00 512
   B41J29/46 Z
   B41J29/00 Z
【請求項の数】4
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-97441(P2014-97441)
(22)【出願日】2014年5月9日
(65)【公開番号】特開2015-214054(P2015-214054A)
(43)【公開日】2015年12月3日
【審査請求日】2017年3月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】幅口 勝人
【審査官】 上田 正樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−156751(JP,A)
【文献】 特開平05−027889(JP,A)
【文献】 特開2004−086254(JP,A)
【文献】 特開2009−003561(JP,A)
【文献】 特開2005−258384(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/38
B41J 29/00
B41J 29/46
G03G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
プリンタの保守作業に対する各操作者の熟練度を記憶する熟練度記憶手段、
前記プリンタを操作している操作者の識別情報を取得する取得手段、
前記プリンタの前記保守作業を必要とする事象の予兆が検知された場合に、前記保守作業の実施を促す通知を行う通知手段であって、前記取得手段が取得した識別情報に対応する操作者の前記保守作業に対する熟練度が低いほど前記通知を実行する時期を早くすることを特徴とする通知手段、
前記保守作業に対応する熟練度ごとに、その保守作業の実施を促す通知の基準時期を補正する補正量を記憶した補正量記憶手段、
として機能させるためのプログラムであって、
前記通知手段は、保守作業の実施を促す通知の要否の判定を定期的に繰り返し実行するものであり、当該判定を実行する時点で前記プリンタを操作している操作者の識別情報を前記取得手段から入手し、当該操作者の前記保守作業に対する熟練度に対応する補正量を前記補正量記憶手段から求め、求めた補正量により、検知された予兆に対応する保守作業の実施を促す通知の基準時期を補正し、前記時点がその補正により得られた補正済み通知時期以降である場合に、前記通知を実行する、
プログラム。
【請求項2】
前記熟練度記憶手段は、複数の保守作業の各々について、当該保守作業に対する各操作者の熟練度を記憶し、
前記通知手段は、前記予兆が検知された事象に対応する保守作業に対する前記操作者の熟練度、に応じた時期に、当該保守作業を促す通知を実行する、
ことを特徴とする請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記コンピュータを、前記保守作業が実施された際に前記取得手段が取得している操作者の識別情報に基づき、前記熟練度記憶手段に記憶されている当該操作者の前記保守作業に対する熟練度を更新する更新手段、として更に機能させるための請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項4】
プリンタの保守作業に対する各操作者の熟練度を記憶する熟練度記憶手段と、
前記プリンタを操作している操作者の識別情報を取得する取得手段と、
前記プリンタの前記保守作業を必要とする事象の予兆が検知された場合に、前記保守作業の実施を促す通知を行う通知手段であって、前記取得手段が取得した識別情報に対応する操作者の前記保守作業に対する熟練度が低いほど前記通知を実行する時期を早くすることを特徴とする通知手段と、
前記保守作業に対応する熟練度ごとに、その保守作業の実施を促す通知の基準時期を補正する補正量を記憶した補正量記憶手段と、
を有し、
前記通知手段は、保守作業の実施を促す通知の要否の判定を定期的に繰り返し実行するものであり、当該判定を実行する時点で前記プリンタを操作している操作者の識別情報を前記取得手段から入手し、当該操作者の前記保守作業に対する熟練度に対応する補正量を前記補正量記憶手段から求め、求めた補正量により、検知された予兆に対応する保守作業の実施を促す通知の基準時期を補正し、前記時点がその補正により得られた補正済み通知時期以降である場合に、前記通知を実行する、
保守管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム及び保守管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタにおいては、トナーや用紙等の消耗品の欠乏、感光体ドラムや内蔵ハードディスクの品質劣化、印刷画質の劣化等といった不具合が発生する前に、消耗品補充、部品交換、画質調整等の保守作業が行われる。適切なタイミングで保守作業が行われるよう、各種センサでプリンタ内の各部の状態を監視し、この監視により不具合の予兆が検知されると、警告を発して保守作業の実施を促している。警告の通知タイミングは、故障等の不具合が実際に起こる前に保守作業が行われるよう、不具合が発生すると予測される時期よりもある程度前になるように定められる。
【0003】
特許文献1に開示されたプリンタの制御部は、印刷処理部内の消耗品の内、交換すべきものがあると判断した場合、記憶領域に保存された通知先情報をもとに、消耗品警告のメッセージを消耗品を交換する管理者のPC(パーソナルコンピュータ)へ送信する。
【0004】
特許文献2に開示された印刷装置システムは、アラーム発生時の印刷装置利用者を利用者認証機能により識別し、アラームの報知済み利用者を記憶手段に記録しておき、同アラームが再度生じた際に、印刷装置利用者の認証情報と記憶手段に登録されたアラーム報知済み利用者記録とを比較し、一致する場合には、アラームの発生を回避すべく制御することにより、同一利用者に対して重複アラーム報知を回避している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−117448号公報
【特許文献2】特開2009−080629号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
保守作業に要する時間は、その保守作業を行う者がその保守作業にどれだけ熟練しているかによって異なる。しかし、従来、警告のタイミングは、誰が保守作業を担当するかによらず一律の規則で決定されている。不慣れな者が保守作業を行うことになった場合、例えば操作マニュアルを読んで作業手順を確認するなどの準備が必要となることがあり、一律の規則で決定されたタイミングで警告を通知していたのでは、保守作業が不具合発生に間に合わなくなる可能性がある。
【0007】
本発明は、各操作者の保守作業に対する熟練度度合いによらず一律なタイミングで保守作業を促す通知を行う場合と比べて、より適切なタイミングでその通知を行うことができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る発明は、コンピュータを、プリンタの保守作業に対する各操作者の熟練度を記憶する熟練度記憶手段、前記プリンタを操作している操作者の識別情報を取得する取得手段、前記プリンタの前記保守作業を必要とする事象の予兆が検知された場合に、前記保守作業の実施を促す通知を行う通知手段であって、前記取得手段が取得した識別情報に対応する操作者の前記保守作業に対する熟練度が低いほど前記通知を実行する時期を早くすることを特徴とする通知手段、前記保守作業に対応する熟練度ごとに、その保守作業の実施を促す通知の基準時期を補正する補正量を記憶した補正量記憶手段、として機能させるためのプログラムであって、前記通知手段は、保守作業の実施を促す通知の要否の判定を定期的に繰り返し実行するものであり、当該判定を実行する時点で前記プリンタを操作している操作者の識別情報を前記取得手段から入手し、当該操作者の前記保守作業に対する熟練度に対応する補正量を前記補正量記憶手段から求め、求めた補正量により、検知された予兆に対応する保守作業の実施を促す通知の基準時期を補正し、前記時点がその補正により得られた補正済み通知時期以降である場合に、前記通知を実行する、プログラムである。
【0009】
請求項2に係る発明は、前記熟練度記憶手段は、複数の保守作業の各々について、当該保守作業に対する各操作者の熟練度を記憶し、前記通知手段は、前記予兆が検知された事象に対応する保守作業に対する前記操作者の熟練度、に応じた時期に、当該保守作業を促す通知を実行する、ことを特徴とする請求項1に記載のプログラムである。
【0011】
請求項に係る発明は、前記コンピュータを、前記保守作業が実施された際に前記取得手段が取得している操作者の識別情報に基づき、前記熟練度記憶手段に記憶されている当該操作者の前記保守作業に対する熟練度を更新する更新手段、として更に機能させるための請求項1又は2に記載のプログラムである。
【0012】
請求項に係る発明は、プリンタの保守作業に対する各操作者の熟練度を記憶する熟練度記憶手段と、前記プリンタを操作している操作者の識別情報を取得する取得手段と、前記プリンタの前記保守作業を必要とする事象の予兆が検知された場合に、前記保守作業の実施を促す通知を行う通知手段であって、前記取得手段が取得した識別情報に対応する操作者の前記保守作業に対する熟練度が低いほど前記通知を実行する時期を早くすることを特徴とする通知手段と、前記保守作業に対応する熟練度ごとに、その保守作業の実施を促す通知の基準時期を補正する補正量を記憶した補正量記憶手段と、を有し、前記通知手段は、保守作業の実施を促す通知の要否の判定を定期的に繰り返し実行するものであり、当該判定を実行する時点で前記プリンタを操作している操作者の識別情報を前記取得手段から入手し、当該操作者の前記保守作業に対する熟練度に対応する補正量を前記補正量記憶手段から求め、求めた補正量により、検知された予兆に対応する保守作業の実施を促す通知の基準時期を補正し、前記時点がその補正により得られた補正済み通知時期以降である場合に、前記通知を実行する、保守管理装置である。
【発明の効果】
【0013】
請求項1又はに係る発明によれば、各操作者の保守作業に対する熟練度度合いによらず一律なタイミングで保守作業を促す通知を行う場合と比べて、より適切なタイミングでその通知を行うことができると共に、保守作業を促す通知を行うか否かを判定する時点でプリンタを操作している操作者の熟練度に応じて、その操作者に対して通知を行うか否かを判定することができる。
【0014】
請求項2に係る発明によれば、複数の保守作業の各々についての操作者の熟練度に応じたタイミングで通知を行うことができる。
【0016】
請求項に係る発明によれば、熟練度記憶手段に記憶された操作者の保守作業に対する熟練度を自動的に更新することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】実施形態の保守管理部を有するプリンタの構成例を示す図である。
図2】熟練度情報の情報内容の一例を示す図である。
図3】熟練度情報の設定画面の一例を示す図である。
図4】通知時期補正情報の情報内容の一例を示す図である。
図5】予兆通知時期の補正について説明するための図である。
図6】予兆通知部の処理手順の一例を示す図である。
図7】変形例における予兆通知部の、予兆検知時の処理手順の一例を示す図である。
図8】変形例における予兆通知部の、予兆通知の判定時の処理手順の一例を示す図である。
図9】変形例における予兆通知の判定の仕方について説明するための図である。
図10】変形例における予兆通知の判定の仕方について説明するための図である。
図11】第2の変形例における、保守管理部を有するプリンタの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1に、本実施形態の保守管理部100を有するプリンタ10の、保守作業のための通知(警告)処理に関する部分の機能構成の一例を示す。印刷機構や印刷・複写等の処理の制御機構等といった、保守作業についての通知処理に直接関係のない部分は図示を省略している。
【0019】
1つの例として、プリンタ10は、プリントサービス提供業者が保有する業務用のプリンタであるとして説明する。業務用のプリンタの場合、印刷作業を適切に進めるために、操作者(オペレータ)がプリンタ10の運転状況を監視することが一般的である。
【0020】
図1の例では、プリンタ10は、保守管理部100、操作者認証部120、表示制御部130を有する。
【0021】
操作者認証部120は、プリンタ10を操作する操作者を認証する機構である。操作者認証部120は、例えばパスワード認証、ICカード認証、生体認証等の公知の認証方式のいずれか1以上を用いて操作者を認証する。プリンタ10を操作しようとする場合、操作者は、操作者認証部120に対して認証情報を入力する(ユーザ識別情報及びパスワードを入力する、ICカードをかざすなど)。入力された認証情報が正しい場合、認証成功となる。認証成功の時点から操作者解除の条件が満たされるまでの期間、操作者認証部120は、認証が成功した操作者のユーザ識別情報を、現在プリンタ10を操作している操作者を示す情報として保持する。認証が成功した操作者は、プリンタ10に対して、その操作者に設定された操作権限の範囲内の操作が実行可能となる。なお、操作者解除の条件には、例えば操作者が操作権限解除(ログアウト)の明示的な指示を入力すること、あらかじめ定められたタイムアウト時間にわたってプリンタ10に対する操作指示が入力されないこと、等がある。
【0022】
表示制御部130は、プリンタ10が備えるユーザインタフェース用の画面の表示を制御する機構である。本実施形態との関係では、表示制御部130は、予兆通知部106が生成した予兆通知情報を画面表示するための制御を実行する。
【0023】
保守管理部100は、保守作業を必要とする不具合の予兆を検知し、検知した予兆に応じた保守作業を操作者に促す通知処理を行う。保守管理部100は、予兆情報収集部102、操作者情報取得部104、予兆通知部106、記憶部110、熟練度設定部116及び補正情報設定部118を有する。
【0024】
予兆情報収集部102は、プリンタ10の動作を制御する制御部(図示省略)から、保守作業が必要となる不具合の予兆の判定材料となる各種の情報を収集する。収集する情報には、例えば、用紙やトナーの残量情報、感光体ドラムの使用時間、画質調整処理後の印刷出力枚数等がある。制御部は、プリンタ10の各部に設けられたセンサや印刷処理の遂行状況等からそれらの情報を収集し、更新している。予兆情報収集部102は、例えば予兆の判定タイミングが到来するごとに、制御部からそれら判定材料の情報を収集する。予兆の判定タイミングは、例えばあらかじめ定められた判定周期ごとに到来する。
【0025】
操作者情報取得部104は、操作者認証部120から、プリンタ10を操作している操作者の識別情報を取得する。この取得は、例えば予兆の判定タイミングが到来するごとに行われる。
【0026】
予兆通知部106は、予兆情報収集部102が収集した情報に基づいて、不具合発生の予兆を検知する。例えば、トナーの残量が閾値(あらかじめ設定されている)以下となることは、トナー切れという不具合の予兆であり、感光体ドラムの使用時間が閾値以上になることは、感光体ドラムの性能が所望レベル以下になるという不具合の予兆である。
【0027】
また予兆通知部106は、予兆を検知した場合に、その予兆に対応する保守作業を促す通知(警告)のための処理を行う。通知の時期(タイミング)は、基本的には、検知された予兆の種類(言い換えれば、その予兆に対処するための保守作業の種類)に応じて決定される。また、プリンタ10の使用状況を計算に入れて、通知の時期を決定してもよい。例えば、トナーの残量が閾値まで減った場合、直近のプリンタ10の使用状況でその閾値の量のトナーがいつ頃なくなるかが予測でき、その予測値からトナー切れの警告を発すべき時期が決定できる。このような予兆の種類(及びプリンタの使用状況)に応じた予兆通知の時期の決定は、従来も行われていることである。本実施形態では、このように保守作業の種類(及びプリンタ10の使用状況)から決定される基準の予兆通知時期を、保守作業を行う操作者のその保守作業に対する熟練度に応じて補正する。
【0028】
予兆通知時期の補正のために、予兆通知部106は、記憶部110に記憶された熟練度情報112及び通知時期補正情報114を参照する。熟練度情報112は、各操作者の、プリンタ10に対する各種の保守作業に対する熟練度を表す情報である。通知時期補正情報114は、予兆通知時期の補正量を、保守作業ごとかつ熟練度ごとに規定する情報である。この実施形態では、熟練度情報112は熟練度設定部116が提供する設定用のユーザインタフェース画面を介して、通知時期補正情報114は補正情報設定部118が提供する設定用のユーザインタフェースを介して、それぞれシステム管理者等のユーザから入力される。なお、それらユーザインタフェース画面は、表示制御部130によりプリンタ10の操作画面上に表示される。
【0029】
図2に熟練度情報112の情報内容の一例を示す。図2に例示した熟練度情報は、「用紙交換」、「トナー補充」、「部品交換」(感光体ドラムその他の交換部品の交換)、「ドラム清掃」、「色調整」といった各種保守作業のそれぞれにつき、各操作者の熟練度を示している。この例では、熟練度はSK1、SK2、SK3の3段階であり、この順に熟練度が高くなっていく。例えばある保守作業について熟練度がSK2の操作者はSK1の操作者よりもその保守作業により熟練している。例えば、図2の例では、ユーザID(識別情報)が「B」である操作者は、「用紙交換」、「トナー補充」及び「ドラム清掃」については熟練度がSK2であり、「部品交換」及び「色調整」については熟練度がSK1である。なお、図2に例示した保守作業の分類はあくまで一例に過ぎない。
【0030】
保守作業に対する熟練度は、例えば、その保守作業を実行するに際して操作者が操作マニュアルの参照を必要とする度合いに応じて定めることができる。具体的には、例えば、保守作業の内容を熟知しているので操作マニュアルを参照せずに保守作業が行える場合が最高レベルのSK3、保守作業の内容をほぼ知っているが一部知らない箇所や細部の確認等のために操作マニュアルの参照が必要となる場合があり得る場合が中位レベルのSK2、保守作業の内容をほとんど知らないので操作マニュアルの参照が必須である場合が最低レベルのSK1、と熟練度の段階を設定する等である。また、別の例として、保守作業の経験回数に応じて熟練度を定めてもよい。例えば、或る保守作業に対する操作者の熟練度を、操作者がその保守作業を行った回数が5回未満の場合はSK1、5〜9回行ったことがある場合はSK2、10回以上行ったことがある場合はSK3と定める等である。
【0031】
例えばシステム管理者がアンケート等により各操作者の各保守作業に対する熟練度を調査し、その調査結果に従って、熟練度設定部116を用いて各操作者の各保守作業に対する熟練度を熟練度情報112に対して登録する。
【0032】
図3に熟練度設定部116が提供する設定画面の一例を示す。例示する設定画面に示される入力欄のうち「オペレータ名」欄は、操作者の名前を入力する欄である。操作者の名前は、その操作者のユーザIDに対応づけられている。この欄を、各操作者のユーザID又は名前等を選択肢として示したプルダウンメニューとし、この中から設定者(システム管理者等)が熟練度設定対象の操作者を選択するようにしてもよい。「説明」欄は、図示省略した操作者一覧において、当該操作者の説明情報として表示する記述を入力する欄である。「作業内容」欄は、保守作業の種類を入力する欄であり、図示例では保守作業の種類を列挙したプルダウンメニューとなっている。「スキルレベル」欄は、「作業内容」欄で選択された保守作業に対する熟練度を入力する欄であり、図示例では、プルダウンメニューに示される選択肢から熟練度を選択する方式を採用している。図示例では、プルダウンメニュー内の熟練度の選択肢を、「マニュアル参照不要(10回以上経験あり)」等のように熟練度の判断の目安の記述の形で示すことで、対象の操作者に対して設定すべき熟練度がどれであるのかを分かりやすくしている。
【0033】
この画面で設定対象の操作者の「オペレータ名」を入力し、熟練度を設定する保守作業の種類(「作業内容」)を選択すると、その操作者のその保守作業に対する熟練度が既に設定済みであれば、その熟練度が「スキルレベル」欄に表示される。その操作者の熟練度を表示された値から変更したい場合には、「スキルレベル」欄のプルダウンメニューから所望の熟練度を選択し、その欄の下の「変更」ボタンをマウス等で「押下」操作すればよい。選択された「作業内容」に対して熟練度が未設定の場合は、「スキルレベル」欄のプルダウンメニューから所望の値を選択し、「登録」ボタンを押下すればよい。また、選択された「作業内容」に対応する既設定の熟練度を削除したい場合は、「削除」ボタンを押下すればよい。「登録」ボタン等の下に示される表は、「オペレータ名」欄に示される操作者に対して設定されている各保守作業の熟練度の一覧である。設定者は、この一覧表で当該操作者についての設定内容を確認し、その設定内容が適切であれば、「OK」ボタンを押下することで、その設定内容を確定する。これにより、その設定内容が熟練度情報112に反映される。
【0034】
次に、図4を参照して、通知時期補正情報114の一例を説明する。この例では、通知時期補正情報114は、保守作業(「用紙交換」、「トナー補充」等)ごとかつ熟練度ごとに、当該保守作業についての予兆の通知(すなわちその保守作業を促す通知)時期の、その熟練度に対応する補正量を規定している。補正量の値の正負は、保守作業の種類(及びプリンタ10の使用状況等)により決まる基準の予兆通知時期を、より早い方向(正)、遅い方向(負)へと補正することを意味する。例えば、「用紙交換」の熟練度が「SK1」についての補正量「+1.0」は、予兆通知時期を「用紙交換」についての基準の予兆交換時期よりも1.0時間前に補正することを示す。熟練度「SK1」は最低レベルの熟練度合いであり、この例ではその場合に基準の予兆通知時期よりも1時間前の時点で予兆の通知を行うのである。なお、補正量「0」は、基準の予兆補正時期をそのまま用いることを意味する。
【0035】
次に、図5を参照して、基準の予兆通知時期とこれを熟練度に応じて補正することにより得られる実際の予兆通知時期の関係を例示する。
【0036】
まず、図示した時間軸の左端近傍にある予兆検知時点で、ある保守作業を必要とする不具合事象の予兆が検知されたとする。この場合、その予兆検知時点から、その予兆に対応する保守作業の種類(及びプリンタ10の使用状況)に応じて定まる長さの期間だけ後の時点が、その予兆に対応する不具合事象が発生時期と予測される。例えば、感光体ドラムの使用時間(又はそのドラムを用いて印刷した枚数)が閾値に達した場合、プリンタ10の使用状況(プリンタ10で1日に何枚程度印刷するか等)で、その感光体ドラムの品質が保証できる最大使用時間までの残り時間(又は残りの印刷可能枚数)が計算され、予兆検知時点にその時間を加算した時点が、感光体ドラムの品質が保証できなくなる事態(印刷画質が許容レベル以下になる可能性が高い事態)の発生予測時期として求められる。又、基準の予兆通知時期をその不具合の発生予測時期よりどのぐらい前とするかも、保守作業の種類に応じて決まる。不具合の発生予測時期を算出するのにプリンタ10の使用状況を考慮に入れる場合は、基準の予兆通知時期をその不具合の発生予測時期よりどのぐらい前とするかについても、プリンタ10の使用状況を考慮に入れる。このように決定される基準の予兆通知時期を、操作者の当該保守作業に対する熟練度に応じて補正する。熟練度が例えば平均よりも低い場合は基準の予兆通知時期よりも早い時期(補正量が正)が補正値として決定され、熟練度が平均より高い場合は基準の予兆通知時期よりも遅い時期(補正量が負)が補正値として決定される。
【0037】
上述の図4の例では、熟練度に応じた補正量の大きさを、予兆通知時期をどれだけの時間早めるか又は遅くするかという絶対的な時間の長さの形で設定していた。しかし、これは一例に過ぎない。この代わりに、補正量の大きさを、不具合事象の発生予測時期と基準の予兆通知時期との間の時間差に対する相対的な割合で設定するなど、別の形で設定してもよい。
【0038】
次に、図6を参照して、本実施形態における予兆通知部106の処理手順の一例を説明する。この手順では、予兆通知部106は、判定タイミングが到来することに、予兆情報収集部102が収集した情報から不具合の予兆を検知する(S10)。S10で予兆を検知しなかった場合は、次の判定タイミングまで待ち、再びS10を実行する。S10で予兆を検知した場合、どの不具合の予兆を検知したかにより、その予兆(不具合)への対処に必要な保守作業が決まる。また、予兆を検知した時刻とその保守作業の種類(及びプリンタ10の使用状況)から、基準の予兆通知時期を計算する(S12)。次に、操作者情報取得部104によりプリンタ10の現在の操作者の識別情報を取得する(S14)。次に、取得した現在の操作者の熟練度を熟練度情報112から調べる(S16)。現在の操作者の熟練度が熟練度情報112内にあれば、その熟練度の値を取得し(S18)、S12で特定した保守作業の種類とその熟練度とのペアに対応する補正量を通知時期補正情報114から取得する(S20)。次に、S20で取得した補正量を用いて、S12で求めた基準の予兆通知時期を補正する(S22)。そして、補正した予兆通知時期をS12で特定した保守作業の種類と対応付けて、通知スケジュール(図示省略)に登録する(S24)。この後、その通知スケジュールに登録された予兆通知時期が到来すると、その予兆通知時期に対応する保守作業の実行を促す予兆通知を発する。この通知は、例えば、その保守作業を促すメッセージを、表示制御部130を介してプリンタ10の画面に表示することで行えばよい。画面表示されるメッセージには、例えば保守作業の対象箇所や作業内容を説明する模式図が含まれてもよい。
【0039】
なお、S14で求めた現在の操作者の熟練度が熟練度情報112から見つからない場合は、S18〜S22は飛ばし、S24にて、基準の予兆通知時期(S12で求めたもの)を保守作業の種類と対応づけて通知スケジュールに登録する。
【0040】
図6の手順では、予兆通知時期を通知スケジュールに登録し、通知スケジュール内の予兆通知時期の到来を監視したが、予兆通知時期の到来検知はこのような方式に限らず、タイマーを用いる方式等の他の方式を用いてもよい。
【0041】
次に、図7及び図8を参照して、予兆通知部106の処理の変形例を説明する。上述の図6の処理手順では、予兆を検知した時点で予兆通知時期が決定(すなわちプリンタ10を操作している操作者の熟練度に応じて補正)される。したがって、予兆通知時期までの間にプリンタ10の操作者が変わってしまうと、変わった後の操作者の熟練度からみてその予兆通知時期が適切でなくなる場合がある。そこで、図7及び図8の処理では、現にプリンタ10を操作している操作者にとって適切な時期に予兆通知を行えるようにするため、予兆の検知と予兆通知時期の決定のタイミングを分離する。
【0042】
図7は、予兆検知時の処理を示す。この手順では、S10で予兆を検知した時点では、S12で求めた基準の予兆通知時期(熟練度による補正は未適用)と保守作業の種類とを通知スケジュールに登録する(S24a)。
【0043】
図8は、予兆通知の判定処理を示す。この判定処理は、例えば1秒ごとなど、定期的に繰り返される。この判定処理では、予兆通知部106は、まず操作者情報取得部104を介して操作者認証部120から現在のプリンタ10の操作者のユーザIDを取得する(S30)。次に、取得した現在の操作者の熟練度を熟練度情報112から調べる(S32)。現在の操作者の熟練度が熟練度情報112内にあれば、その熟練度の値を取得し(S34)、保守作業の種類の各々について、その保守作業種類とその熟練度とのペアに対応する補正量を通知時期補正情報114から取得する(S36)。次に、通知スケジュールに登録されている各予兆通知時期を、それぞれ、当該予兆通知時期に対応する保守作業種類に対応する補正量(S36で取得したもの)を用いて補正する(S38)。なお、S32で現在の操作者の熟練度が熟練度情報112から見つからない場合は、S34〜S38は飛ばす(すなわち予兆通知時期の補正は行わない)。
【0044】
S36及びS38では、処理の対象を、通知スケジュールに登録された基準の予兆通知時期が、現在時刻からみて前後(すなわち正負の各方向)に補正量の最大値以内の範囲に属するという条件を満たす予兆のみに限定してもよい。ここで、補正量の最大値は、すべての保守作業に対応する補正量のうちの最大値である。この最大値は、正、負の補正量についてそれぞれ別々であってもよいし、正負両方向についての補正量の絶対値の最大値1つを用いてもよい。S36では、その条件に合致する予兆通知時期(基準)を通知スケジュールから求め、求めた予兆通知時期に対応する保守作業についてのみ、補正量を取得する。そしてS38では、その条件に合致する予兆通知時期のみについて、S36で取得した、対応する補正量を用いて補正を行う。
【0045】
そして、S38で補正した予兆通知時期の中に、現在時刻以前のものがあるかどうかを判定する(S40)。S40の判定結果がYesの場合、補正した予兆通知時期が現在時刻以前である保守作業について、その保守作業の実行を促す予兆通知を発する(S42)。仮に、S40で補正後の予兆通知時期が現在時刻以前である保守作業が複数見つかった場合には、S42ではそれら見つかった複数の保守作業について予兆通知を発する。S42で予兆通知を発した場合、その通知の対象である予兆の情報は通知スケジュールから削除する。S40の判定結果がNoの場合は、予兆通知は行わず、図8の判定処理を終了する。
【0046】
以上に説明した図8の手順の判定について、図9及び図10を参照して詳しく説明する。
【0047】
まず図9に示すように、通知スケジュールに登録されている基準の予兆通知時期が現在時刻より後の予兆について考える。図には、現在時刻以後のA、B、C、Dの4つの予兆(保守作業種類と基準の予兆通知時期とのペア)が示されている。そのうち予兆A、B、Cは、登録された予兆通知時期(基準)が現在時刻から正方向の補正量の最大値の範囲内に含まれており、これら各予兆について、それぞれ保守作業の種類に応じた補正量で補正を行う。補正により予兆Aの予兆通知時期は基準値よりも早い時期へと変更され、補正後の予兆通知時期は現在時刻より前になったとする。一方、予兆B及びCについては、補正後の予兆通知時期は依然として現在時刻より後であったとする。この場合、予兆通知部106は、予兆Aについてのみ予兆通知を行う。
【0048】
次に、図10に示すように、通知スケジュールに登録されている基準の予兆通知時期が現在時刻より前の予兆について考える。図には、現在時刻以前の2つの予兆E,Fが示されている。これら予兆E,Fは、登録された予兆通知時期(基準)が現在時刻から負方向の補正量の最大値の範囲内に含まれており、これら各予兆について保守作業の種類に応じた補正量で補正を行う。補正により予兆Eの予兆通知時期は基準値よりも遅い時期へと変更されたが、補正後の予兆通知時期は現在時刻より前であるとする。一方、予兆Fについては、補正後の予兆通知時期は現在時刻より後になったとする。この場合、予兆通知部106は、予兆Eについて予兆通知を行い、予兆Fについては予兆通知を行わない。
【0049】
以上に説明したように、この変形例で、予兆の検知時点では最終的な予兆通知時期を決めず、図8の判定処理を実行するタイミングで各予兆通知時期を補正し、補正後の予兆通知時期を過ぎているかどうかを判定する。したがって、その判定処理を行っている時点でのプリンタ10の操作者にとって通知すべき予兆を通知することができる。
【0050】
次に、第2の変形例について説明する。上記実施形態では、熟練度情報112は、システム管理者等のユーザが入力した。したがって、各操作者が経験を積み、熟練度が向上した場合、システム管理者等がその向上を熟練度情報112に反映させる必要があった。これに対し、第2の変形例では、誰が保守作業を行ったのかを記録し、その記録に従って熟練度情報112の更新を自動的に実行する。
【0051】
図11に、第2の変形例の装置構成の例を示す。この例では、保守管理部100は、保守履歴記録部119を有する。保守履歴記録部119は、保守作業が行われたことを検知すると、操作者情報取得部104を介して操作者認証部120からそのときプリンタ10を操作している操作者のユーザIDを取得し、取得したユーザIDと、実行された保守作業の種類の情報と、その時の日時の情報とを含む保守履歴情報を記録する。
【0052】
ここで、保守作業が行われたことは、例えば次のようにして検知すればよい。すなわち、予兆通知部106が表示制御部130を介してプリンタ10のユーザインタフェース画面上に保守作業を促すメッセージを表示すると、操作者が保守作業の必要性に気づき、画面表示等を参考に、プリンタ10のカバーを開いたり用紙トレイを引き出したりして、保守作業の対象箇所にアクセスする。プリンタ10の制御部は、カバー等が開かれるとそれをセンサで検知する。開かれたカバー等が、通知した予兆に対応する保守作業の作業対象箇所に対応したものであれば、その保守作業が開始されたと判断できる。その後、そのカバー等が閉じられると、プリンタ10の制御部は、プリンタ10内の各部の状態を確認し、通知した予兆に対応する保守作業が済んだかどうかを判定する。例えば、通知した予兆に対応する保守作業の対象箇所の状態が、予兆が検知される状態より改善されていることがセンサの検出信号等から分かれば、保守作業が済んだと判定できる。このようにして保守作業が済んだと判定された場合、保守履歴記録部119は、その時点の日時、その保守作業の種類、及びその時の操作者のユーザIDを含む保守履歴情報を記録する。
【0053】
熟練度設定部116aは、例えば保守履歴記録部119が新たな保守履歴を記録するごと、あるいは定期的な更新タイミングごとに、保守履歴の情報群に基づいて、熟練度情報112の更新処理を行う。
【0054】
例えば、保守作業の経験回数が増えるにつれて熟練度が向上するという考え方を採用する場合、熟練度設定部116aの処理は例えば以下のようなものとなる。すなわち、熟練度設定部116aは、操作者と保守作業の組み合わせ毎に、その操作者がその保守作業を経験した回数を示すカウンタを管理しており、新たな保守作業が実行された場合、その保守作業とこれを実行した操作者の組合せに対応するカウンタの値を1増やす。増えたカウンタ値が、その保守作業についての現在の熟練度に対応する経験回数の範囲の上限を超えた場合、熟練度設定部116aは、熟練度情報112内のその保守作業についてのその操作者の熟練度を1レベル上げる。例えば、ユーザAがトナー補充を行ったことが検知され、これによりユーザAのトナー補充の回数が、熟練度SK2に該当する上限回数9回を越え、1レベル上の熟練度SK3に該当する10回に達した場合、熟練度設定部116aは、熟練度情報112内のユーザAのトナー補充の熟練度をSK3に上げる。
【0055】
このような処理はあくまで一例に過ぎない。この代わりに、例えば更新処理のタイミングが到来するごとに、熟練度設定部116aが保守履歴情報群から、操作者ごとに、その操作者が各保守作業を実行した回数をそれぞれ集計し、それら集計結果から、その操作者の各保守作業に対する熟練度をそれぞれ判定し、この判定の結果に基づいて熟練度情報112を更新するようにしてもよい。
【0056】
以上の例は、保守作業の経験回数から熟練度を判定するものであったが、これはあくまで一例にすぎない。別の例として、例えば、保守作業に要した時間に基づいて熟練度を判定する方式がある。保守作業に要した時間が短いほど、熟練度が高いと考えられる。ここで、プリンタ10のカバー等が開かれた時刻から、カバー等が閉じられて保守作業が済んだと判定した時刻までを、保守作業に要した時間と判定すればよい。この方式では、例えば、保守作業の種類ごとに、熟練度と保守作業に要した時間の範囲との対応関係の情報をあらかじめ作成しておき、その情報を参照して保守作業に要した時間に対応する熟練度を判定する。例えば、トナー補充についてトナー補充に要する時間が10分を超える場合SK1、5分〜10分の場合SK2、5分未満である場合SK3という対応関係が設定されている場合、操作者がトナー補充の作業に8分を要したとすれば、熟練度はSK2と判定される。
【0057】
以上に示した実施形態及び変形例では、保守管理部100がプリンタ10内に内蔵されていたが、これはあくまで一例に過ぎない。プリンタ10に対してローカルエリアネットワーク等のネットワークや通信ケーブルを介して接続されたコンピュータ上に、保守管理部100を構築してもよい。
【0058】
以上に例示した保守管理部100は、例えば、プリンタ内蔵のコンピュータや汎用のコンピュータに当該装置の各機能モジュールの処理を表すプログラムを実行させることにより実現してもよい。ここで言うコンピュータは、例えば、ハードウエアとして、CPU等のマイクロプロセッサ、ランダムアクセスメモリ(RAM)およびリードオンリメモリ(ROM)等のメモリ(一次記憶)、HDD(ハードディスクドライブ)やSSD(ソリッドステートドライブ)、フラッシュメモリ等の二次記憶を制御する二次記憶コントローラ、各種I/O(入出力)インタフェース、無線又は有線のネットワークとの接続のための制御を行うネットワークインタフェース等が、たとえばバスを介して接続された回路構成を有する。また、そのバスに対し、例えばI/Oインタフェース経由で、CDやDVD、ブルーレイディスクなどの可搬型ディスク記録媒体に対する読み取り及び/又は書き込みのためのディスクドライブ、フラッシュメモリなどの各種規格の可搬型の不揮発性記録媒体に対する読み取り及び/又は書き込みのためのメモリリーダライタ、などが接続されてもよい。上に例示した各機能モジュールの処理内容が記述されたプログラムがCDやDVD等の記録媒体を経由して、又はネットワーク等の通信手段経由で、フラッシュメモリ等の二次記憶装置に保存され、コンピュータにインストールされる。二次記憶装置に記憶されたプログラムがRAMに読み出されCPU等のマイクロプロセッサにより実行されることにより、上に例示した機能モジュール群が実現される。
【符号の説明】
【0059】
10 プリンタ、100 保守管理部、102 予兆情報収集部、104 操作者情報取得部、106 予兆通知部、110 記憶部、112 熟練度情報、114 通知時期補正情報、116,116a 熟練度設定部、118 補正情報設定部、119 保守履歴記録部、120 操作者認証部、130 表示制御部。
図1
図2
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図10
図11