(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、使用される頻度の高い色領域の把握を容易にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る情報処理装置は、複数の画素の各々における色値を含む画像データを一または複数のページについて取得する第1取得手段と、前記複数の画素の少なくとも一部の画素について、予め定められた色空間において当該画素が属する色領域を前記色値から特定する特定手段と前記特定手段により特定された色領域が予め定められた色領域の組み合わせであるページ数を送信する送信手段とを有する。
【0006】
請求項2に係る情報処理装置は、請求項1に記載の構成において、前記複数の画素の少なくとも一部の画素の色値を、色相を有する色空間に変換する変換手段を有し、前記特定手段は、前記複数の画素の少なくとも一部の画素について、前記色空間において当該画素が属する色領域を特定することを特徴とする。
【0007】
請求項3に係る情報処理システムは、第1の情報処理装置と、第2の情報処理装置とを有し、前記第1の情報処理装置は、複数の画素の各々における色値を含む画像データを一または複数のページについて取得する第1取得手段と、前記複数の画素の少なくとも一部の画素について、予め定められた色空間において当該画素が属する色領域を前記色値から特定する特定手段と、前記特定手段により特定された色領域が予め定められた色領域の組み合わせであるページ数を前記第2の情報処理装置に送信する送信手段とを有し、前記第2の情報処理装置は、前記ページ数を記録する記録手段と、前記記録手段により記録されたページ数を用いて得られる情報を出力する出力手段とを有する。
【0008】
請求項4に係る情報処理システムは、請求項3に記載の構成において、前記第2の情報処理装置は、使用される色の数が互いに異なる複数の印刷モードで印刷されたページ数を、当該印刷モードごとに取得する第2取得手段と、前記記録手段により記録されたページ数を用いて、前記複数の印刷モードのうちの少なくとも一の印刷モードに対応するページ数を算出する算出手段とを有し、前記出力手段は、前記第2取得手段により取得されたページ数と、前記算出手段により算出されたページ数との比較結果を含む情報を出力することを特徴とする。
【0009】
請求項5に係る情報処理装置は、複数の画素の各々における色値を含む画像データを一または複数のページについて取得する第1取得手段と、前記複数の画素の少なくとも一部の画素について、予め定められた色空間において当該画素が属する色領域を前記色値から特定する特定手段と、前記特定手段により特定された色領域が予め定められた色領域の組み合わせであるページ数を記録する記録手段とを有する。
【0010】
請求項6に係るプログラムは、コンピュータに、複数の画素の各々における色値を含む画像データを一または複数のページについて取得するステップと、前記複数の画素の少なくとも一部の画素について、予め定められた色空間において当該画素が属する色領域を前記色値から特定するステップと、特定された色領域が予め定められた色領域の組み合わせであるページ数を記録するステップとを実行させる。
【発明の効果】
【0011】
請求項1、5及び6に係る発明によれば、色領域を特定しない場合と比べて、使用される頻度の高い色領域が容易に把握される。
請求項2に係る発明によれば、色相を有する色空間に変換しない場合と比べて、色領域が容易に特定される。
請求項3に係る発明によれば、予め定められた色領域の組み合わせを含むページ数を用いて得られる情報が出力される。
請求項4に係る発明によれば、複数の印刷モードで印刷されたページ数と、予め定められた色領域の組み合わせを含むページ数を用いて算出されたページ数との比較結果を含む情報が出力される。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、本発明の一実施形態に係る情報処理システム1の全体構成を示す図である。情報処理システム1は、画像形成装置10において印刷されたページの数とページごとの色の特徴とを管理し、印刷の品質とコストとのバランスを調整するためのシステムである。情報処理システム1は、複数台の画像形成装置10(第1の情報処理装置の一例)とサーバ装置20(第2の情報処理装置の一例)とを有する。画像形成装置10は、複写機、プリンタ、スキャナ、およびファクシミリとして機能する装置である。画像形成装置10は、パーソナルコンピュータなどの図示せぬ外部装置と通信回線を介して接続される。サーバ装置20は、情報処理システム1を管理する装置である。サーバ装置20は、複数台の画像形成装置10において印刷されたページの数とページごとの色の特徴とを管理する。複数台の画像形成装置10とサーバ装置20とは、インターネットなどの通信回線Nを介して相互に接続されている。
【0014】
図2は、情報処理システム1の機能的構成を示すブロック図である。画像形成装置10は、第1取得手段11と、変換手段12と、特定手段13と、第1記録手段14と、送信手段15とを有する。第1取得手段11は、複数の画素の各々における色値を含む画像データを一または複数のページについて取得する。第1取得手段11が取得する画像データに含まれる色値は、色相を有しない色空間(例えば、RGB色空間)における色値である。変換手段12は、複数の画素の少なくとも一部の画素の色値を、色相を有する色空間に変換する。特定手段13は、複数の画素の少なくとも一部の画素について、色相を有する色空間において当該画素が属する色領域を特定する。なお、「色領域」とは、色相を有する色空間における成分の値に応じて複数の領域に区分けしたときの各領域を表す。
【0015】
図3は、色領域を説明する図である。
図3は、色相を有する色空間の一例としてHSV色空間(色相(Hue)、彩度(Saturation)、明度(Value)から成る色空間)において色領域が定義される例を示している。
図3は、HSV色空間において明度が一定の面を示している。
図3に示すHSV色空間では、円の中心cを原点とする極座標系を用いて、原点からの距離rにより彩度を、基準軸aからの偏角θにより色相を表現している。彩度が相対的に低い領域(円の中心に近い領域)はグレイの色領域が割り当てられている。彩度が相対的に高い領域は、色相に応じて色領域が定義されている。この例では、時計周りの方向に、色領域が赤、黄赤、黄、黄緑、緑、青緑、青、青紫、紫、赤紫の順に変化する。
【0016】
再び
図2を参照する。第1記録手段14は、特定手段13により特定された色領域が予め定められた色領域の組み合わせを含むページ数を記録する。送信手段15は、第1記録手段14により記録されたページ数をサーバ装置20に送信する。
【0017】
サーバ装置20は、第2記録手段21と、算出手段22と、第2取得手段23と、出力手段24とを有する。第2記録手段21は、画像形成装置10により送信されたページ数を記録する。算出手段22は、第2記録手段21により記録されたページ数を用いて、使用される色の数が互いに異なる複数の印刷モードのうちの少なくとも一の印刷モードに対応するページ数を算出する。第2取得手段23は、複数の印刷モードで印刷されたページ数を、当該印刷モードごとに取得する。出力手段24は、算出手段22により算出されたページ数と、第2取得手段23により取得されたページ数との比較結果を含む情報を出力する。
【0018】
図4は、画像形成装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。同図に示したように、画像形成装置10は、制御部101と、記憶部102と、操作部103と、表示部104と、画像読取部105と、画像形成部106と、通信部107と、画像処理部108とを備える。また、画像形成装置10の各部は、バス109に接続されており、このバス109を介して各種データの授受を行う。
【0019】
制御部101は、画像形成装置10の各部の動作を制御する手段である。制御部101は、CPU(Central Processing Unit)などの演算処理装置と、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などの記憶媒体(主記憶装置)とを備える。CPUは、ROMおよび記憶部102に記憶されているプログラムを読み出し、RAMを作業エリアにしてプログラムを実行する。制御部101は、このようにプログラムを実行することにより、用紙に画像を形成すること(印刷すること)、原稿から画像を読み取って画像データを生成すること、通信回線を介して他の装置と通信を行うことなどを実現する。
【0020】
記憶部102は、データを記憶する手段である。記憶部102は、ハードディスク、フラッシュメモリなどの記憶媒体(補助記憶装置)を備え、通信部107で受信したデータや画像形成装置10で生成されたデータなどを記憶する。また、記憶部102は、いわゆるメモリーカードやUSBメモリなどの着脱可能な記憶媒体(リムーバブルメディア)と、その記憶媒体にデータを読み書きする手段とを含んでもよい。記憶部102は、後述する記録プログラムを記憶する。
【0021】
操作部103は、ユーザの操作を受け付ける手段である。操作部103は、操作子(ボタン、キーなど)を備え、押下された操作子に応じた制御信号を制御部101に供給する。また、操作部103は、表示部104と、表示部104の表示面に重ねて設けられたセンサとを備え、押圧した位置に応じた制御信号を制御部101に供給するタッチパネルによって構成されてもよい。
【0022】
表示部104は、情報を表示する手段である。表示部104は、表示装置として例えば液晶ディスプレイを有する。表示部104は、制御部101の制御の下、画像形成装置10を操作するためのメニュー画面を表示する。
【0023】
画像読取部105は、原稿を読み取って画像データに変換する手段である。画像読取部105は、原稿を光学的に読み取り、読み取った原稿の画像を表す画像データを生成する画像読取装置を備えている。画像読取部105は、生成した画像データを画像処理部108に供給する。
【0024】
画像形成部106は、用紙に画像を形成する手段である。画像形成部106は、電子写真方式によって用紙にトナー像を形成する画像形成機構を具備している。なお、画像形成機構は、電子写真方式に限らず、インクジェット方式などの他の記録方式が用いられてもよい。
【0025】
通信部107は、データを送受信する手段である。通信部107は、通信回線Nに接続されており、サーバ装置20および他の画像形成装置10と通信を行う通信インタフェースとして機能する。
【0026】
画像処理部108は、画像データに対して画像処理を実行する手段である。ここでいう画像処理とは、例えば、色補正や階調補正である。画像形成装置10においてプリント機能が実行される場合、画像処理部108は、画像処理が施された画像データを画像形成部106に供給する。
【0027】
図4において、ページごとの色の特徴を記録するための記録プログラムを実行している制御部101により制御されている通信部107および画像読取部105は、第1取得手段11の一例である。記録プログラムを実行している制御部101は、変換手段12、特定手段13、および第1記録手段14の一例である。記録プログラムを実行している制御されている通信部107は、送信手段15の一例である。
【0028】
図5は、サーバ装置20のハードウェア構成を示すブロック図である。同図に示したように、サーバ装置20は、制御部201と、記憶部202と、操作部203と、表示部204と、通信部205とを備える。また、サーバ装置20の各部は、バス206に接続されており、このバス206を介して各種データの授受を行う。
【0029】
制御部201は、サーバ装置20の各部の動作を制御する手段である。制御部201は、CPUなどの演算処理装置と、ROM、RAMなどの記憶媒体(主記憶装置)とを備える。記憶部202は、データを記憶する手段である。記憶部202は、ハードディスク、フラッシュメモリなどの記憶媒体(補助記憶装置)を備え、通信部205で受信したデータを記憶する。記憶部202は、後述する管理プログラムを記憶する。操作部203は、ユーザの操作を受け付ける手段である。
【0030】
操作部203は、操作子(キーボード、マウスなど)を備え、押下された操作子に応じた制御信号を制御部201に供給する。表示部204は、情報を表示する手段である。表示部204は、表示装置として例えば液晶ディスプレイを有する。通信部205は、データを送受信する手段である。通信部205は、通信回線Nに接続されており、画像形成装置10と通信を行う通信インタフェースとして機能する。
【0031】
図5において、画像形成装置10において印刷されたページごとの色の特徴を管理するための管理プログラムを実行している制御部201は、第2記録手段21および算出手段22の一例である。管理プログラムを実行している制御部201により制御されている通信部205は、第2取得手段23の一例である。管理プログラムを実行している制御部201により制御されている表示部204は、出力手段24の一例である。
【0032】
図6は、印刷が実行されたページの色の特徴を画像形成装置10が記録する処理を示すフローチャートである。以下の処理は、画像形成装置10に印刷を実行させるための指示(複写機能またはプリント機能などを利用するための指示)が入力されたことを契機として開始される。複写機能を利用するための指示(以下、「複写指示」という)は、例えば、画像読取部105の決められた位置に原稿を置いた状態で、ユーザが操作部103を操作することにより入力される。プリント機能を利用するための指示(以下、「プリント指示」という)の入力は、例えば、画像形成装置10と通信回線を介して接続された外部装置の操作部をユーザが操作することにより入力される。なお、画像形成装置10が印刷を実行する処理は、
図6に示した処理とは別に行われる。
【0033】
ステップSA1において、制御部101は、一または複数のページ分の画像データを取得する。具体的には、複写指示が入力された場合、制御部101は、原稿から画像を読み取って画像データを生成する。プリント指示が入力された場合、制御部101は、外部装置から画像データを取得する。画像データには、複数の画素の各々におけるRGB値(色値の一例)が含まれている。制御部101は、取得した画像データをRAMに記憶する。
【0034】
ステップSA2において、制御部101は、取得した画像データについて、各RGB値の出現頻度を特定する。具体的には、制御部101は、取得された画像データのページごとに各RGB値の出現頻度を特定する。制御部101は、各RGB値の出現頻度を示す情報(以下、「頻度情報」という)をページごとにRAMに記憶する。
【0035】
図7は、あるページにおける頻度情報を示す図である。
図7に示す頻度情報では、出現頻度の高いRGB値から降順に出現頻度が示されている。RGB値における3つの値は、赤、緑、および青の階調を示す。この例で、階調は、0から255までの256段階で表されている。
図7では、あるページに、RGB値が(0,0,255)である画素が510画素、(10,10,255)である画素が420画素、(100,100,100)である画素が200画素、・・・、(22,60,235)である画素が100画素含まれている。
【0036】
再び
図6を参照する。ステップSA3において、制御部101は、頻度情報に含まれたRGB値を、HSV色空間におけるHSV値に変換する。制御部101は、例えば、出現頻度が予め定められた閾値以上であるRGB値をHSV値に変換する。制御部101は、予め定められた式を利用して、RGB値をHSV値に変換する。制御部101は、変換後のHSV値の一覧(以下、「HSV値一覧」という)をページごとにRAMに記憶する。
【0037】
図8は、あるページにおけるHSV値一覧を示す図である。
図8は、
図7に示した頻度情報から生成されたHSV値一覧を示している。この例で、色相は、0°から360°の範囲で表されている。彩度および明度は、0から100の範囲で表されている。
図8では、RGB値(0,0,255)がHSV値(240,100,100)に、RGB値(10,10,255)がHSV値(240,96,100)に、RGB値(100,100,100)がHSV値(0,0,39)に、・・・RGB値(22,60,235)がHSV値(229,90,92)に変換されている。なお、色領域については後述する。
【0038】
再び
図6を参照する。ステップSA4において、制御部101は、HSV値一覧に含まれるHSV値の各々に対応する色領域を特定する。記憶部102には、HSV値(色相、彩度、明度の各成分の値)と色領域との対応関係が定義されたデータが記憶部102に記憶されている。制御部101は、このデータを参照することにより色領域を特定する。制御部101は、特定された色領域を、HSV値一覧におけるHSV値に対応付けて記憶する。
【0039】
再び
図8を参照する。
図8では、HSV値(240,100,100)と(240,96,100)の色領域が「青」、HSV値(0,0,39)の色領域が「グレイ」、HSV値(229,90,92)の色領域が「赤」と特定されている。
【0040】
再び
図6を参照する。ステップSA5において、制御部101は、ページ全体に占める色領域の割合が予め定められた割合を超える色領域を抽出する。具体的には、色領域毎にHSV値の出現頻度の総和を算出し、ページ全体の画素数に対する当該総和の割合が予め定められた割合以上である色領域を抽出する。なお、ページ全体の画素数を示す情報は、画像データに含まれている。制御部101は、抽出された色領域を示す情報(以下、「抽出色情報」という)をページごとにRAMに記憶する。
【0041】
ステップSA6において、制御部101は、抽出色情報が示す色領域が予め定められた色領域の組み合わせであるページ数を算出する。記憶部102には、色領域の組み合わせが一または複数記憶されている。制御部101は、抽出色情報が示す色領域が記憶部102に記憶された色領域の組み合わせに該当するか否かをページごとに判断し、該当するページ数を組み合わせごとに数える。例えば、青とグレイが色領域の組み合わせとして記憶部102に記憶されている場合、抽出色情報が示す色領域が青とグレイであるページは、当該組み合わせに該当するページとして数えられる。また、この例で、抽出色情報が示す色領域に青とグレイ以外の色領域が含まれるページ(例えば、抽出色情報が示す色領域が赤と青とグレイであるページ)、並びに、抽出色情報が示す色領域が青およびグレイのいずれか一方であるページは、当該組み合わせに該当しないため、当該組み合わせのページ数に算入されない。ステップSA7において、制御部101は、色領域の組み合わせごとに、当該組み合わせに該当するページ数を記憶部102に記録する。
【0042】
図9は、色領域の組み合わせごとにページ数が記録される例を示す図である。色領域の組み合わせには、例えば、2つの色領域が含まれる。
図9では、青とグレイの組み合わせ、緑とグレイの組み合わせ、および、赤とグレイの組み合わせが記憶部102に記憶されている例を示している。この例で、青とグレイの組み合わせに該当するページ数は、10ページである。緑とグレイの組み合わせに該当するページ数は、20ページである。赤とグレイの組み合わせに該当するページ数は、300ページである。抽出色情報が示す色領域が予め定められた色領域の組み合わせであるページは、当該ページ内で特定の色領域の出現頻度が他の色領域の出現頻度に比べて高い傾向にあることを示している。このようなページは、フルカラー印刷(画像形成装置10が備えるトナーまたはインクの全色を使用した印刷)に替えて特定色での印刷(画像形成装置10が備えるトナーまたはインクのうち一部の色を使用した印刷(例えば、2色印刷)であって、以下「特定色印刷」という)が行われた場合であっても、用紙に形成される画像の品質への影響が少ない傾向にある。したがって、抽出色情報が示す色領域が予め定められた色領域の組み合わせであるページ数が画像形成装置10に記憶されることにより、用紙に形成された画像の色領域の傾向がページ単位で把握される。色領域の傾向は、例えば、使用される色の数が互いに異なる複数の印刷モードの中から、用紙に画像を形成するのに適した印刷モードを特定するために用いられる。
【0043】
図10は、情報処理システム1において行われる処理を示すシーケンスチャートである。以下の処理は、サーバ装置20が、画像形成装置10により記録された色領域の組み合わせごとのページ数(以下、「組み合わせ別ページ数」という)を集計し、集計結果を用いて得られた情報を出力するために行われる。なお、以下の処理は、情報処理システム1に含まれる画像形成装置10の各々とサーバ装置20とにより行われる。
【0044】
ステップSB1において、サーバ装置20の制御部201は、組み合わせ別ページ数を画像形成装置10に送信させるための要求(以下、「第1送信要求」という)を画像形成装置10の各々に送信する。第1送信要求は、例えば、定期的なタイミングで画像形成装置10に送信される。ステップSB2において、画像形成装置10の制御部101は、記憶部102に記憶された組み合わせ別ページ数をサーバ装置20に送信する。ステップSB3において、制御部201は、画像形成装置10の各々から取得された組み合わせ別ページ数を集計する。制御部201は、集計後の組み合わせ別ページ数を記憶部202に記憶する。
【0045】
ステップSB4において、制御部201は、複数の印刷モードの各々で印刷されたページ数であって、印刷モードごとに区別されたページ数(以下、「モード別ページ数」という)を送信させるための要求(以下、「第2送信要求」という)を画像形成装置10の各々に送信する。第2送信要求は、例えば、定期的なタイミングで画像形成装置10に送信される。ステップSB5において、制御部101は、モード別ページ数をサーバ装置20に送信する。具体的には、制御部101は、画像形成装置10において印刷が実行される度に、モード別ページ数を記憶部102に記憶している。制御部101は、記憶部102に記憶されたモード別ページ数をサーバ装置20に送信する。ステップSB6において、制御部201は、画像形成装置10の各々から取得されたモード別ページ数を集計する。制御部201は、集計後のモード別ページ数を記憶部202に記憶する。
【0046】
図11は、集計後のモード別ページ数を示す図である。
図11では、フルカラー印刷、2色印刷、またはモノクロ印刷で印刷されたページ数が集計されている。この例で、フルカラー印刷がされたページ数は500ページ、2色印刷がされたページ数は20ページ、モノクロ印刷がされたページ数は750ページである。
【0047】
ステップSB7において、制御部201は、記憶部202に記憶された集計後の組み合わせ別ページ数を用いて、複数の印刷モードのうちの少なくとも一の印刷モードに対応するページ数(以下、「対応ページ数」という)を算出する。対応ページ数は、ある印刷モードで印刷した場合に、用紙に形成される画像の品質がある品質を上回るページ数を表す。制御部201は、例えば、2つの色領域の組み合わせについての組み合わせ別ページ数を累計することにより、2色印刷に対応する対応ページ数を算出する。別の例で、3つの色領域の組み合わせが記憶部102に記憶されている場合、制御部201は、当該3つの色領域の組み合わせについての組み合わせ別ページ数を累計することにより、フルカラー印刷に対応する対応ページ数を算出する。なお、モノクロ印刷に対応する対応ページ数は、抽出色情報が示す色領域がグレイであるページ数を累計することにより算出される。モノクロ印刷に対応する対応ページ数が算出される場合には、抽出色情報が示す色領域がグレイであるページ数を画像形成装置10が記憶し、サーバ装置20が当該ページ数を画像形成装置10から取得する。制御部201は、算出された対応ページ数をRAMに記憶する。
【0048】
ステップSB8において、制御部201は、モード別ページ数と対応ページ数とを比較する。具体的には、モード別ページ数が示す各印刷モードのページ数のうち、ステップSB7において対応ページ数が算出された印刷モードのページ数と、当該対応ページ数との差を算出する。ステップSB9において、制御部201は、モード別ページ数と対応ページ数との比較結果を含む情報を出力する。制御部201は、例えば、2色印刷に対応する対応ページ数が、モード別ページ数の当該印刷に対応するページ数を上回る場合には、フルカラー印刷に替えて2色印刷を利用することを勧めるメッセージを表示部204に表示する。なお、制御部201は、フルカラー印刷に替えて2色印刷を利用した場合における印刷コストの削減量、またはフルカラー印刷の枚数の削減量を示す情報などを表示部204に表示してもよい。
【0049】
以上の処理により、組み合わせ別ページ数がサーバ装置20により集計され、集計結果を用いて得られた情報が出力される。したがって、情報処理システム1を管理する管理者がこの情報を確認することにより、印刷コストの削減の検討、および印刷の品質とコストとのバランスの調整などがされる。
【0050】
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。以下、変形例をいくつか説明する。以下で説明する変形例のうち、2つ以上のものが組み合わされて用いられてもよい。
【0051】
第1の情報処理装置は、画像形成装置10に限らない。例えば、画像形成装置10と通信回線を介して接続されたコンピュータが
図6に示した処理を行ってもよい。また、第2の情報処理装置は、サーバ装置20に限らない。例えば、複数台の画像形成装置10の中の一の画像形成装置10が組み合わせ別ページ数を集計し、集計結果を用いて得られた情報を出力してもよい。さらに、画像形成装置10の各々が、自ら記録した組み合わせ別ページ数を用いて得られた情報を出力してもよい。
【0052】
画像形成装置10が利用する色空間は、RGB色空間およびHSV色空間に限らない。例えば、YMC色空間、またはYMCK色空間が変換前または変換後の色空間として利用されてもよい。別の例で、画像形成装置10は、RGB色空間を変換せずに、RGB色空間においてRGB値の各々に対応する色領域を特定してもよい。
【0053】
色領域を特定するために用いられる色空間は、HSV色空間に限らない。例えば、HLS色空間(色相(Hue)、輝度(Luminance)、彩度(Saturation)から成る色空間)などの、色相を有する他の色空間を用いて色領域が特定されてもよい。
【0054】
色領域は、色相、彩度、明度の各成分の値により定義される場合に限らない。色領域は、色相、彩度、明度のうちの一部の成分の値により定義されてもよい。また、色領域は、実施形態に例示したものに限らない。
【0055】
色領域の組み合わせは、
図9に示した組み合わせに限らない。また、色領域の組み合わせには、3つ以上の色領域が含まれていてもよい。
【0056】
本発明において実行される処理は、
図6および
図10に示した処理に限らない。例えば、ステップSA2において、制御部101は、画像データの一部について、各RGB値の出現頻度を特定してもよい。具体例として、制御部101は、画像データに含まれる複数の画素を予め定められた間隔で間引いて、RGB値の出現頻度を特定してもよい。別の例で、ステップSA3において、制御部101は、頻度情報に含まれたRGB値の全てをHSV値に変換してもよい。さらに別の例で、ステップSA5の処理は行われなくてもよい。この場合、ステップSA6において、制御部101は、HSV値一覧に含まれる色領域が予め定められた色領域の組み合わせであるページ数を算出する。
【0057】
サーバ装置20が出力する情報は、モード別ページ数と対応ページ数との比較結果を含む情報に限らない。サーバ装置20は、例えば、組み合わせ別ページ数の集計結果自体を表示部204に表示してもよい。
【0058】
情報処理システム1において用いられる各装置のハードウェア構成は、
図4および
図5に示した構成に限らない。
図6および
図10に示した処理が実行されれば、各装置はどのようなハードウェア構成であってもよい。
【0059】
実施形態において、画像形成装置10において実行される記録プログラム、およびサーバ装置20によって実行される管理プログラムは、磁気記憶媒体(磁気テープ、磁気ディスク(HDD、FD(Flexible Disk))など)、光記憶媒体(光ディスク(CD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk))など)、光磁気記憶媒体、半導体メモリ(フラッシュROMなど)などのコンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記憶した状態で提供されてもよい。また、これらのプログラムは、インターネットなどのネットワーク経由でダウンロードされてもよい。