(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記各画像形成装置の補正手段は、前記消耗品のうち最初に装着される消耗品の最終延長量を算出する際に、前記集計延長量の割合を前記直前の補正時における延長量の割合よりも多くしている請求項1に記載の消耗品管理システム。
前記各画像形成装置の補正手段は、前記消耗品のうち交換により装着される2番目以降の消耗品の最終延長量を算出する際に、前記集計延長量の割合を前記直前の補正時における延長量の割合よりも少なくし、且つ、当該集計延長量の割合を前記消耗品の交換される順番が後の順番になるにつれて段階的に少なくしている請求項1又は2に記載の消耗品管理システム。
前記管理装置の分類手段は、前記各画像形成装置の使用情報の違いにより、消耗品の残量が相対的に遅く減少すると推測される装置群から相対的に速く減少すると推測される装置群まで段階的に分けられるよう分類している請求項1乃至3のいずれかに記載の消耗品管理システム。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、この発明を実施するための形態(以下、単に「実施の形態」という)について添付の図面を参照しながら説明する。
【0017】
[実施の形態1]
図1は、実施の形態1に係る消耗品管理システム100の概要を示している。この消耗品管理システム100は、管理装置1と、その管理装置1に接続される複数の画像形成装置2を備えている。
【0018】
<消耗品システムの概要>
この消耗品システム100は、概略、各画像形成装置2において消耗品の交換時期を予測するとともにその交換時期を補正している一方で、管理装置1において各画像形成装置2の消耗品の交換時期に関する補正内容を集計しており、そして各画像形成装置2において消耗品の交換時期を最終的に補正する際に上記管理装置1で集計した情報を予め設定する割合で利用して補正するよう構成されている。
【0019】
上記管理装置1は、その装置全体の動作や各画像形成装置2における消耗品(8)の管理機能について制御する制御部12、プログラム、データ等を記憶する記憶部13、情報の送信及び受信をする通信部14、各種情報を入力及び出力(表示)する操作・表示部15等を有している。この各構成部は、
図1中において太線で示す伝送路を介して互いに接続されている。また、この各構成部のうち制御部12は、後述する分類手段及び集計管理手段の一部として機能するようになっている。
また、管理装置1は、各画像形成装置2と情報通信ネットワーク102を介して情報の送受信がそれぞれできるよう接続されている。情報通信ネットワーク102は、情報信号を双方向に送信できるものであり、無線又は有線の種類は問わない。この情報通信ネットワーク102としては、インターネットと組み合わせたコンピュータネットワークが多用されるが、この種類や組み合わせ等の構成については特に限定されない。
【0020】
上記各画像形成装置2はいずれも、その装置本体20に対して着脱自在に装着される交換可能な消耗品8を備えている。また、各画像形成装置2は、画像を形成する画像形成部3、画像形成装置全体の各動作等について制御する制御部4、プログラム、データ等を記憶する記憶部5、各種情報を入力及び表示する操作・表示部6、画像形成部3等の構成部品の状態を検出する検出部7、情報の送信及び受信をする通信部23等を有している。この各構成部のうち制御部12は、後述する予測手段、補正手段及び通信手段の一部として機能するようになっている。実際の形態1における画像形成装置2はいずれも、例えば、プリンタや複写機として構成されている。また、画像形成装置2の少なくとも一部は、通信部23を通して、図示しないパーソナルコンピュータ(PC)、原稿読取装置等の情報端末装置と接続されている。
【0021】
<各画像形成装置の構成>
各画像形成装置2における画像形成部3は、
図2に例示すように、トナーで構成される画像を最終的に被記録材の一例としての記録用紙9に形成するものである。
実施の形態1では、画像形成部3として電子写真方式を採用したものを使用している。すなわち、その画像形成部3は、
図2に示すように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の4色のトナー像をそれぞれ形成する作像装置30Y,30M,30C,30Kと、各作像装置30(Y,M,C,K)で形成されたトナー像を保持して最終的に記録用紙9に転写するベルト式の中間転写装置40と、所望のサイズ、種類等の記録用紙9(9A,9B,9C)を別々に収容して中間転写装置40にある二次転写位置まで送り出す給紙装置50と、トナー像が転写された記録用紙9を通過させてトナー像の定着を行う定着装置55を備えて構成されている。
図2における一点鎖線は、記録用紙9が搬送されて移動するときの主な搬送経路を示す。
【0022】
各作像装置30(Y,M,C,K)はいずれも、回転する感光ドラム31と、この感光ドラム31の周囲に、感光ドラム31における像保持面を所要の電位に帯電させる帯電装置32と、感光ドラム31の帯電された像保持面に画像情報(信号)に基づく光(矢付き点線)を照射して電位差のある(各色用の)静電潜像を形成する露光装置33と、その静電潜像を対応する色(Y,M,C,K)のトナーで現像して可視像であるトナー像とする現像装置34(Y,M,C,K)と、そのトナー像を中間転写装置40(の中間転写ベルト41)に転写する一次転写装置35と、転写後の感光ドラム31の像保持面に残留して付着するトナー等の不要物をかき取って除去するドラム清掃装置36とである。
【0023】
ここで、作像装置30(Y,M,C,K)における感光ドラム31は、消耗品8の一例として扱わるものであり、装置本体20に対して着脱自在に装着されている。
この消耗品8とする感光ドラム31については、単独で着脱される構成であってもよいが、実施の形態1では感光ドラム31と感光ドラム31以外の構成部品である例えば帯電装置32及びドラム清掃装置36とを一体の構造にしたうえで着脱する構成にしている。感光ドラム31は、接地処理される円筒又は円柱状の導電性基材の周面に、感光材料からなる感光層(光導電性層)を有する像保持面を形成したものである。この感光ドラム31は、感光層の膜厚が、帯電による負荷やドラム清掃装置36の清掃ブレードとの摩擦などの要因により経時的に減少し、ある一定の膜厚まで減少するとかぶり等の画質不良を誘発する原因になるため、所望の時期に新品の感光ドラム31に交換する必要がある。
また、現像装置34(Y,M,C,K)には、現像動作により現像剤が減少するため、補給用の4色(Y,M,C,K)の現像剤(トナーなど)を収納する現像剤収納容器37(Y,M,C,K)から、図示しない補給装置を通して補給用の現像剤が補給される。現像剤収納容器37は、装置本体20に対して着脱自在に取り付けられている。
【0024】
中間転写装置40は、感光ドラム31と一次転写装置35の間となる一次転写位置を通過しながら矢印で示す方向に回転する中間転写ベルト41と、中間転写ベルト41をその内面から所望の状態に保持して回転自在に支持する複数の支持ロール42a〜42fと、支持ロール42dに支持されている中間転写ベルト41に所定の圧力で接触して回転する二次転写ロール44と、二次転写ロール44を通過した後に中間転写ベルト41の外周面に残留して付着するトナー等の不要物を除去するベルト清掃装置46とで主に構成されている。
【0025】
給紙装置50は、画像形成装置2の装置本体20の外部に引き出すことができるように取り付けられ、所望のサイズ、種類等の記録用紙9(本例では3種の記録用紙9A,9B,9C)を積載した状態で個別に収容する複数の用紙収容体51A,51B,51Cと、所望の用紙収容体51から記録用紙9A(9B,9C)を1枚ずつ送り出す送出装置52とで主に構成されている。用紙収容体51A,51B,51Cは、トレイ形式のものであり、重力方向にほぼ沿う上下方向にずれた状態で配置されている。給紙装置50から送り出された記録用紙9は、複数の搬送ロール対53a〜53eや搬送ガイド材で構成される供給搬送路を通して二次転写位置にまで搬送される。
【0026】
定着装置55は、筐体56の内部に、矢印で示す方向に回転するとともに表面温度が所定の温度に保持されるように加熱手段によって加熱されるロール形態又はベルト形態からなる加熱回転体57と、この加熱回転体57の軸方向にほぼ沿う状態で所要の圧力で接触して従動回転するロール形態又はベルト形態からなる加圧用回転体58とを設置したものである。定着装置55でトナー像の定着が終了して画像が形成された記録用紙9は、複数の搬送ロール対や搬送ガイド材で構成される排出搬送路を通して図示しない排出収容部に搬送されて収容される。
【0027】
図2における符号24は制御部4に相当する制御装置、符号25は操作・表示部6に相当する操作パネル装置を示す。操作パネル装置25は、テンキー、選択ボタン、タッチパネル等で構成さる入力装置25a、液晶ディスプレー等で構成される表示装置25b等を備えている。検出部7は、用途に応じた各種のセンサ、測定器、カウンタ等で構成されている。
【0028】
制御装置24(制御部4)は、演算処理装置、記憶素子及び装置、制御装置、入出力装置等で構成されるものであり、その記憶素子(ROM等)に格納される制御プログラム及びデータ等に基づいて所要の制御動作を実行するようになっている。
図1に示す記憶部5は、制御装置24における記憶素子及び装置(ROM,RAMなど)で構成される。制御装置24は、制御対象となる画像形成部3、記憶部5、操作・表示部6、送信部23等と接続されており、これにより制御動作に必要な制御信号を送信している。また、制御装置24は、画像形成装置2の各状態や消耗品8の状態を検出する検出部7等にも接続されており、これにより制御動作に必要な制御情報を入手している。
【0029】
そして、画像形成装置2の制御装置24は、消耗品8の一例である感光ドラム31の残量の減少推測情報と閾値に基づいて感光ドラム31の交換時期を予測する予測手段(予測部)26や、予め設定された時期(設定時期)が到来した際に予測手段26で用いる感光ドラム31の残量の減少推測情報をその残量の現状推測情報との差異が解消されるよう遅延させて感光ドラム31の交換時期を延長させる補正を行う補正手段(補正部)27や、各画像形成装置2の使用情報と予測手段26で予測された交換時期と補正手段27で補正した交換時期の延長量を管理装置2に送信する送信手段28として、それぞれ機能するよう構成されている。この各手段26〜28の機能は、その各手段のための動作プログラムにそれぞれ基づいて制御装置24が作動することにより発揮される。
【0030】
予測手段26は、感光ドラム31の残量として、感光ドラム31における感光層(機能分離型感光層の場合は樹脂等からなる電荷輸送層部分)の残りの膜厚(残膜厚)を適用している。また、予測手段26で用いる減少推測情報とは、感光ドラム31の残量が減少する状態(推移)を推測した情報である。この減少推測情報は、補正手段27の補正動作において消耗品の減少情報の基準(情報)として使用される。
【0031】
予測手段26では、この減少推測情報として、例えば、感光ドラム31の初期(未使用)段階における膜厚(初期膜厚)から、感光ドラム31の回転数:sに最大摩耗係数:kを乗じた値(k・s)を減じて得られる値を「残量(残膜厚)」として算出するときの情報を適用している。最大摩耗係数は、実験等により予め定められるものであり、膜厚が最大(最悪)の速さで摩耗すると想定される状態を感光ドラム31の回転数の増加に応じて表現する場合に用いる係数である。また、このときの減少推測情報における感光ドラム31の回転数は、検出部7の一部としての回転数計測器により計測(カウント)している。この減少推測情報は、感光ドラム31の残膜厚がその感光ドラム31の回転数の増加に反比例して減少するため、
図3に例示されるように、右肩下がりの直線(実線)として表される。
図3は、感光ドラム31の残膜厚と経過時間の関係と、感光ドラム31の交換時期の予測内容を示している。
【0032】
また、予測手段26で用いる閾値は、減少推測情報が感光ドラム31を交換すべき時期に到達したことを判別するために用いる値である。この閾値は、例えば、感光ドラム31の残膜厚が画質不良の発生する要因になるおそれのない(要因になる手前の)残膜厚であって、感光ドラム31を新品と交換する準備を始めるべき時期も考慮した残膜厚に相当する値に設定するとよい。このため、この閾値は、画質不良が発生する要因になるおそれのあると予測される最小限界の残膜厚(寿命膜厚)よりも厚めの残膜厚であって、交換準備作業時間も見込んで正常な画像形成動作が可能であると予測される残膜厚に相当する値に設定される。
【0033】
このような予測手段26では、上述した残量の減少推測情報である感光ドラム31の残膜厚が閾値に達した時期を、感光ドラム31の交換時期として予測する。この予測動作について
図3を用いて説明すると、例えば減少推測情報である感光ドラム31の残膜厚が閾値に達した時期(Tm:理論上の最速の交換時期)が交換時期として予測されることになる。この予測手段26の予測動作は、予め設定する予測時期が到来する毎に実行される。また、その予測時期は、補正手段27で設定される上記設定時期を少なくとも含む時期に設定することが好ましい。その予測時期として、具体的には、消耗品8(感光ドラム31)の使用初期から本来の寿命までの期間を5〜10等分したときの各時期や、感光ドラム31の累積の回転数が50,000回転に達する毎の時期や、感光ドラム31における感光層が所定膜厚(例えば2μm)だけ摩耗する毎の時期や、画像形成を枚数する記録用紙9の累積の枚数が所定枚数(例えば1,000枚)に達する毎の時期等が挙げられる。
【0034】
補正手段27における上記設定時期は、感光ドラム31の交換時期を補正すべきと考えられる所要の時期に設定される。この設定時期としては、例えば、感光ドラム31の膜厚が初期の膜厚から閾値の膜厚に至るまでの所要期間を、膜厚が一定の量だけ減少するときの時期で分割したときの時期に設定される。
図3には、上記設定時期として、その設定時期をチェックポイント(CP)と称したうえで、感光ドラム31の膜厚が初期の膜厚から閾値の膜厚に至るまでの期間を一定の膜厚が減少するときを想定して分割したときに5回の時期(CP1〜CP5)になる場合を想定して例示している。さらに具体的に例示すれば、初期の膜厚が30μm、閾値の膜厚が19μmであると仮定した場合、減少する一定の膜厚を2μmとすると、このときの設定時期は、感光ドラム31の残膜厚が閾値の(残)膜厚になる直前までが設定可能になるため、計5回の設定時期(CP1〜CP5)となる。
【0035】
補正手段27における現状推測情報は、感光ドラム31の残量の現状を、前記減少推測情報の場合とは異なる測定値から別途推測した情報である。実施の形態1では、この現状推測情報として、その残量を計測する時期(計測時期:mP)が到来した時点で、感光ドラム31の像保持面を一定の帯電用電圧を供給する帯電装置32により帯電させ、そのときの像保持面における電荷量を計測した後、その計測時点で計測した電荷量を初期膜厚のときに予め測定した初期電荷量との対比関係から、その時点での感光ドラム31の膜厚(残膜厚)として推測して求める情報を適用している。この場合、上記計測時期(mP)としては、例えば、設定時期(CP)の到来時又は計測時期(mP)の到来時を開始時期としたときの画像形成枚数の累積値が予め設定する累積枚数になる時点が設定される。この計測時期(mP)は、上記設定時期(CP)よりも相当短い間隔の時期になる。計測時期(mP)は、例えば、画像形成の累積枚数が500枚〜1000枚の範囲で設定することができる。また、上記電荷量については、例えば、各感光ドラム31の周囲に検出器7の一部として設置される電荷量測定器により測定される。
【0036】
このような補正手段27では、後述する補正動作を除いて、基本的に以下の補正が行われる。
すなわち、上記設定時期(例えば上記各チェックポイント:CP)が到来する度に、
図4に拡大して例示するように、予測手段26で用いる感光ドラム31の残量の減少推測情報を計測する動作を一時的に停止させる。減少推測情報を計測する動作とは、例えば、前記例示した感光ドラム31の回転数を計測して残膜厚を算出する動作である。
しかる後、その各チックポイントにおける感光ドラム31の減少推測膜厚(情報)と、計測時期(mP)が到来する度に別途推測される感光ドラム31の現状推測膜厚(情報)とを、その計測時期の到来時にその都度比較する。
図4における丸印は、各計測時期(mP)において計測される現状推測膜厚(情報)を示す。
この比較は、現状推測膜厚が減少推測膜厚を下回った関係になった時点になるまで繰り返される。そして、この比較の結果、現状推測膜厚が減少推測膜厚を下回った関係になった時点(
図3の例では5回目の計測時期:mP5)で、予測手段26において用いる感光ドラム31の残量の減少推測情報を計測する動作を(上記停止を解除して)再開する。
この際、減少推測情報の計測動作が停止されてから再開されるまでの経過時間を計測し、その停止していた時間を「各設定時期の到来毎における交換時期の延長量」として算出する。
図3における符号α、βなどで示す経過時間が、減少推測情報の計測動作の停止時間、すなわち各設定時期の到来毎における交換時期の延長量に相当する。
【0037】
このように補正手段27では、設定時期の到来時ごとに、感光ドラム31の残量の減少推測情報(の計測動作)をその残量の現状推測情報との差(ずれ)が解消される(現状推測膜厚が減少推測膜厚を下回る関係になる)まで停止させて遅延させることにより、感光ドラム31の交換時期を延長させるという補正を行っている。また、
図4(
図3)における二点鎖線は、予測手段26における減少推測情報の計測動作が停止させられて再開された後の(補正後の)減少推測情報(の推移状態)を示している。この二点鎖線で示す補正後の減少推測情報は、基準とする減少推測情報(実線)を単に経過時間にそって所要量だけ平行にシフトさせたものであるため、その直線の傾きは、基準とする減少推測情報の傾きと同じである。
なお、補正手段27は、その設定時期(CP)が感光ドラム31の交換時期が到来する直前の設定時期(CP5)である場合は、後述する補正を行う。
【0038】
送信手段28は、上述した各画像形成装置2の使用情報と、上述した予測された交換時期及び補正した交換時期の延長量に関する情報を、通信部23を通して管理装置2に送信するようになっている。送信手段28の送信時期は、例えば以下のように設定される。すなわち、交換時期が到来したことを予測した情報については、少なくともその予測した時点が通信時期になる。また、使用情報と交換時期の延長量については、少なくとも補正手段27における設定時期(CP)の到来時(実際には補正動作が終了した時点)が通信時期になる。
【0039】
各画像形成装置2の使用情報としては、例えば、消耗品8の残量の減少(速度)に影響を及ぼす情報が採用される。実施の形態1では、その使用情報として、使用環境、要求される一連の画像形成動作単位(ジョブ)のサイズ、画像密度、使用する記録用紙9の種類、及び給紙装置50の使用するトレイの位置、の計5つの情報を採用している。
この使用情報のうち使用環境は、装置本体20内の温度環境(30℃以上の高温、20℃を超え30℃未満の範囲内の常温、20℃以下の低温に分けられる情報)が使用される。この使用環境は、装置本体20内に設置される検出部7の一部になる温度計により測定される。また、ジョブサイズは、異なるジョブが断続して要求される断続・通常のジョブか、異なるジョブが連続して要求される連続のジョブかに分けた情報が使用される。画像密度は、画像信号における濃度情報であるエリアカバレッジ(Cin)が15%以上の高密度、同Cinが3%を超え15%未満の範囲内の中密度、同Cinが3%以下の低密度に分けられた情報が使用される。記録用紙の種類(用紙種)は、普通紙か、厚紙(坪量が150gsm以上の用紙)かに分けた情報が使用される。トレイは、重力方向に沿う上下方向にずれて配置される複数のトレイ(例えばトレイ51A〜51C)のうちで1段目(最上段)のトレイ(51A)か、2段目以下(最上段よりも下方)のトレイ(51B,51C)かに分けた情報が使用される。
これらの使用情報は、送信時期の到来時に送信手段28から送信する際に、送信手段28においてその都度集計され、使用項目ごとのいずれの情報結果になるかが判別される。使用情報は、その判別された結果が送信される。
【0040】
各画像形成装置2の記憶部4には、上述した画像形成装置2ごとの使用情報や、感光ドラム31ごとの残量の減少推測情報及び現状推測情報をはじめとし、検出部7の検出情報なども記憶される。
【0041】
<管理装置の構成>
一方、管理装置1における制御部12は、画像形成装置2における制御装置4とほぼ同様に、演算処理装置、記憶素子及び装置、制御装置、入出力装置等で構成されるものであり、その記憶素子(ROM等)に格納される制御プログラム及びデータ等に基づいて所要の制御動作を実行するようになっている。制御部12は、制御対象となる記憶部13、通信部14、操作・表示部15等に接続されており、これにより制御動作に必要な制御信号を送信している。管理装置1における記憶部13は、制御部12における記憶素子及び装置(ROM,RAM,磁気ディスク装置など)で構成される。
【0042】
そして、管理装置1における制御部12は、複数の画像形成装置2を、その各画像形成装置2の送信手段28から送信される使用情報に応じて分けられる複数の装置群のいずれかに分類する分類手段(分類部)16や、各画像形成装置2の送信手段28から送信される交換時期の延長量を分類手段16で分類された装置群別に集計して装置群別の集計延長量として管理する集計管理手段17の一部(集計部)として、それぞれ機能するよう構成されている。この各手段16〜17の機能は、その各手段の動作のための動作プログラムにそれぞれ基づいて制御部12が作動することにより発揮される。
【0043】
分類手段16は、管理装置1に接続されている複数の画像形成装置2をその使用情報の違いに基づいて複数の装置群(グループ)のいずれかに分類する。また、上記装置群の数は、各画像形成装置2から収集する使用情報の量(数)に応じて変動する。実施の形態1では、使用情報として前述した5つの情報を収集することにより、例えば、
図5に例示する6つのグループ(A〜F)に分類するよう構成している。分類の仕方については任意に設定することができる。その分類の仕方としては、例えば、感光ドラム31の膜厚の減少に対する影響力の大きい使用情報から先に判別して分類するという構成が挙げられる。
ちなみに、分類手段16における分類については、原則として、同じ規格仕様の感光ドラム31が装着されている複数の画像形成装置2の使用情報を収集して行われる。しかし、例えば交換時期の予測を精度よく行ううえで参考になる関係にある場合には、規格仕様が少し異なっている感光ドラム31が装着されている他の画像形成装置の使用情報も併せて収集して分類することも可能である。
【0044】
また、分類手段16は、この分類した結果を記憶部13に分割される領域の1つの分類管理部18に記憶させる。分類管理部18の管理は、例えば、
図6に例示するように、各グループに対して分類された画像形成装置2の種別(識別情報など)を対応付けるかたち(テーブル形式)で整理して行われる。
図6における符号M1,M2,・・・は、分類された画像形成装置2の種別を示している。
【0045】
集計管理手段17は、管理装置1に接続されている複数の画像形成装置2からそれぞれ送信される消耗品8である感光ドラム31の交換時期に関する延長量を、分類手段16で分類されたグループ別に集計する。集計管理手段17(の集計部)では、各画像形成装置2の交換時期の延長量(α、βなど)について、その各画像形成装置2が分類されたグループ別に平均値として集計した後、その集計した結果(グループ別の延長量の平均値)をグループ別の「集計延長量」として管理するようになっている。上記グループ別の平均値は、例えば、各グループの延長量の合計値を各グループに分類された画像形成装置2の数でそれぞれ除して求められる値である。これにより、管理すべき複数ある感光ドラム31の交換時期の延長量(補正情報)について、使用条件が似た感光ドラム31どうし(同じグループに仕分けされた感光ドラムどうし)の補正情報が有効に集められる(データベース化される)ことになる。
ちなみに、集計管理手段17の集計管理についても、原則として、同じ規格仕様の感光ドラム31が装着されている複数の画像形成装置2の使用情報に基づいて分類されたグループの延長量に関して行われる。このため、規格仕様が異なる感光ドラム31を装着する他の複数の画像形成装置がある場合は、その画像形成装置の使用情報に基づいて分類されるグループの延長量に関して別途集計管理が行われることになる。
【0046】
また、集計管理手段17(の集計部)は、最終的に、この集計された集計延長量を記憶部13に領域分割される集計管理部19に記憶させる。集計管理部19での管理は、例えば、
図6に例示するように、各グループに対して集計延長量を対応付けるかたち(テーブル形式)で整理して行われる。
図6における符号ea,eb,ec,・・・,efは、各グループ(A〜F)の集計延長量(情報)である。
【0047】
<消耗品管理システムの管理動作>
この消耗品管理システム100では、消耗品8である感光ドラム31の交換時期の管理に関して、上述した各画像形成装置2の動作や管理装置1の動作に加えて、次の動作が行われる。
すなわち、各画像形成装置2の補正手段27においては、消耗品8である感光ドラム31の交換時期の延長量のうち交換時期が到来する直前の補正時における延長量(α5、β5、・・・)と、管理装置1の集計管理手段17(19)で管理される該当するグループ別の集計延長量(ea〜ef)とを予め設定する割合で合計した値を、最終延長量(FE)として算出する動作が行われる。また、各画像形成装置2の予測手段26においては、最終的には、消耗品8である感光ドラム31の交換時期を、補正手段27で補正される最終延長量(FE)を含む各延長量(α1〜α5、β1〜β5、・・・)のすべてを付加して予測することになる。
【0048】
上記補正手段27の最終延長量の算出動作により、各画像形成装置2における感光ドラム31の交換時期の延長補正が、画像形成装置5ごとに単独で得られる延長量の情報に基づいて行われるのに止まらず、最後に管理装置1で収集された他の画像形成装置2のグループ別の集計延長量を加味して行われることになる。これにより、各画像形成装置2における感光ドラム31の交換時期の延長補正は、他の画像形成装置2のグループ別の集計延長量を加味して行う分だけ、客観性を含ませて行われる。
また、上記予測手段26の最終延長量を付加した予測動作により、各画像形成装置2における感光ドラム31の交換時期の予測が、画像形成装置5ごとに単独で得られる延長量の情報だけを含めて行われるのに止まらず、管理装置1で収集された他の画像形成装置2のグループ別の集計延長量を加味して求めた最終延長量も付加して行われることになる。これにより、各画像形成装置2における感光ドラム31の交換時期の予測は、他の画像形成装置2のグループ別の集計延長量を加味した最終延長量も付加して行う分だけ、客観性を含ませて精度よく行われる。
【0049】
ここで、上記交換時期が到来する直前の補正時とは、補正手段27における設定時期(CP)のうち各設定時期における感光ドラム31の残量(推測残膜厚)が閾値における残量(推測残膜厚)に最も近い関係になるときの設定時期である。例えば
図3に例示した設定時期としてのチェックポイント(CP)の場合は、5回目のチェックポイント(CP5)が交換時期の到来直前の補正時になる。
【0050】
また、補正手段27において最終延長量(FE)を算出する際に、交換時期が到来する直前の補正時における延長量(α5、β5、・・・)と加味する該当グループの集計延長量(ea〜ef)との採用割合については、例えば、
図7に示すような割合に設定されている。
図7に示す採用割合の例は、各画像形成装置2に新品として最初に装着される1番目の感光ドラム31の場合には、集計延長量(e)の割合(r2)を直前の補正時における延長量(α5、β5など)の割合(r1)よりも多くするという構成になっている。これにより、1番目の感光ドラム31の最終延長量(FE)を算出する際は、同じグループの(換言すれば使用状況が似ている)他の画像形成装置2における感光ドラム31の各延長量を集計した集計延長量(e)を比較的多めに採用することになるので、その最終延長量について客観的な情報を取り込みつつ求めることができる。
また
図7に示す採用割合の例は、各画像形成装置2に交換によって新品として2番目以降に装着される2番目以降の感光ドラム31の場合には、集計延長量(e)の割合(r2)を直前の補正時における延長量(α5、β5など)の割合(r1)よりも少なくし、しかも集計延長量(e)の割合を感光ドラム331の交換される順番が後の順番になるにつれて段階的に少なくするという構成になっている。これにより、2番目以降の感光ドラム31の最終延長量(FE)を算出する際は、画像形成装置2ごとの感光ドラム31の延長量を比較的多めに採用することになるので、その最終延長量について各画像形成装置2の固体差の違いを優先して考慮し、しかも交換の順番が後の順番になるにつれて次第に重視しながら求められことになる。
なお、この例では、特に4番目以降の感光ドラム31の場合には、集計延長量(e)の採用割合を0%に設定しており、専ら各画像形成装置2の補正手段28の延長補正のみで(直前の補正時で算出する延長量のみに基づいて)最終延長量を算出し、その最終延長量を含む各延長量を加味して感光ドラム31の交換時期を最終的に予測するように構成している。
【0051】
以下、消耗品管理システム100の管理動作について時系列的に説明する。
【0052】
消耗品管理システム100では、消耗品8である感光ドラム31の交換時期を管理する際に、各画像形成装置2と管理装置1との間で、
図8に示すような情報の送受信が行われる。また、各画像形成装置2における感光ドラム31の交換時期の予測は、
図3に概念的に示すように各画像形成装置2の使用状況に違いにより互いに異なった内容になる。
【0053】
まず、各画像形成装置2においては、前述したように予測手段26により消耗品8である感光ドラム31の交換時期が予測される。1つの画像形成装置2に複数の感光ドラム31が装着されている場合は、その各感光ドラム31の交換時期が個々に予測される。
【0054】
また、各画像形成装置2においては、
図3に示すように、補正手段27の補正動作を行うべき設定時期(CP1〜CP5)がそれぞれ到来すると、その設定時期の到来時ごとに、各補正手段27が前述したように感光ドラム31の交換時期の延長補正を行う。
【0055】
図3には、使用状況が異なる画像形成装置2にそれぞれ装着されている同じ規格仕様の感光ドラム31の減少推測情報が、補正手段27の補正動作により変化しながらそれぞれ推移することが示されている。つまり、一方の感光ドラム31の減少推測情報は、各設定時期(CP1〜CP5)の到来時ごとに、補正手段27の補正動作により交換時期が延長量α(α1〜α5)として補正されながら推移している。また、他方の感光ドラム31の減少推測情報は、各設定時期(CP1〜CP5)の到来時ごとに、補正手段27の補正動作により交換時期が延長量β(β1〜β5)として補正されながら推移している。
ちなみに、この2つの感光ドラム31の関係は、交換時期の延長量が「α<β」という大小関係にあるため、交換時期が延長量αとして延長補正される感光ドラム31の方はその残量が比較的速く減少する傾向にある感光ドラムの例に該当し、交換時期が延長量βとして延長補正される感光ドラム31の方はその残量が比較的遅く減少する傾向にある感光ドラムの例に該当するという関係にある。
【0056】
ここで、
図3に示す例では、例えば、感光ドラム31の初期膜厚を30μm、閾値の残膜厚を19μm、設定時期(CP1〜CP5)を感光ドラム31の膜厚が2μm減少すると予測される時期、計測時期(mP1〜mCP6)を画像形成の累積枚数が500枚になる時期にそれぞれ設定していると想定する。
【0057】
この場合、感光ドラム31の膜厚が2μm減少すると予測される時期は、感光ドラム31の回転数:sに最大摩耗係数:kを乗じた値が2μm増えるときの感光ドラム31の回転数(cs)を予め求めておき、その回転数(cs)に達した時点を設定時期(CP)と判断する。
また、各設定時期(CP)が到来したときには、計測時期(mP)が到来するごとに前述した感光ドラム31の電荷量を計測し、感光ドラム31の初期膜厚時の初期電荷量との関係から現状推測膜厚を比例計算により求める。例えば、初期膜厚が30μmのときの初期電荷量が3000Cであり、最初の計測時期(mP1)に測定した電荷量が2950Cであった場合には、そのときの現状推測膜厚xはx=30×(2950/3000)=29.5μmとして求められる。
【0058】
そして、最初の設定時期(CP1)における減少推測膜厚は28(=30−2)μmであるため、上記最初の計測時期(mP1)での現状推測膜厚x:29.5μmは、
図4に例示するように設定時期(CP1)における減少推測膜厚を上回っている関係になる。また、5回目の計測時期(mP5)での電荷量が2780Cであった場合、そのときの現状推測膜厚xは27.8μmとなる。このときは5回目の計測時期(mP5)での現状推測膜厚x:27.8μmが、
図4に例示するように設定時期(CP1)における減少推測膜厚;28μmを下回った関係になる。
この際、設定時期(CP1)の到来時から5回目の計測時期(mP5)に至るまでが減少推測情報の計測動作が停止した(遅延させた)期間となり、この停止した期間の経過時間が設定時期(CP1)における交換時期の延長量(α1又はβ1)となる。
【0059】
さらに、各画像形成装置2においては、
図8に示すように、補正手段27における設定時期(CP1〜CP5)がそれぞれ到来する毎に、各通信手段28が各画像形成装置2の各設定時期(CP1〜CP5)にそれぞれ集計した使用情報と消耗品8である感光ドラム31の交換時期の延長量(α、βなど)に関する情報とを、管理装置1に対して個々に送信する。なお、各画像形成装置2では、この2つの情報の送信以外にも、予測手段26が感光ドラム31の交換時期の到来を予測すると、その予測された時点でその交換時期の予測情報を通信手段28を通して管理装置1に送信する。
【0060】
一方、管理装置1においては、
図8に示すように、補正手段27における設定時期(CP1〜CP5)がそれぞれ到来して、各画像形成装置2の通信手段28から各画像形成装置2の使用情報と感光ドラム31の交換時期の延長量(α、βなど)がそれぞれ送信される度に、以下の動作が行われる。
【0061】
すなわち、管理装置1の分類手段16が、各画像形成装置2をその各使用情報に基づいてグループA〜Fのいずれかに分類し(
図5)、その分類結果を記憶部13の分類管理部18に記憶させて管理する(
図8、
図6)。また、管理装置1の集計管理部(集計部)17が各延長量(α、βなど)をグループA〜Fごとに集計して集計延長量(e)を求め、その集計結果(集計延長量)を記憶部13の集計管理部19にグループ別に記憶させて管理する(
図8、
図6)。
【0062】
ここで、
図5に示す例では、管理装置1の分類手段16が使用情報として前掲した例の使用環境、ジョブサイズ、画像密度、用紙種及びトレイの各情報をこの順に判別して6つのグループA〜Fのいずれかに分類するようになっている。
【0063】
使用環境については、低温の場合が高温・常温の場合よりも感光ドラム31の膜厚が早く減少する傾向にある。ジョブサイズについては、連続の場合が断続・通常の場合よりも感光ドラム31の膜厚が早く減少する傾向にある。画像密度については、高密度・中密度の場合が低密度の場合よりも感光ドラム31の膜厚が早く減少する傾向にある。用紙種については、普通紙の場合が厚紙の場合よりも感光ドラム31の膜厚が早く減少する傾向にある。トレイについては、1段目の場合が2段目以下の場合よりも感光ドラム31の膜厚が早く減少する傾向にある。
この結果、
図5に例示する分類は、消耗品の残量が相対的に遅く減少すると推測されるグループ(A)から相対的に速く減少すると推測されるグループ(F)まで段階的に(残量がA〜Fの順に次第に速くなるように)分けられるよう分類されている。これにより、使用状況が似た画像形成装置2における感光ドラム31の交換時期の延長情報を効率良く利用して、各画像形成装置2の感光ドラム31ごとの交換時期を精度よく予測することが可能になる。
【0064】
続いて、各画像形成装置2においては、
図8に示すように、補正手段27における設定時期(CP1〜CP5)の最終(交換時期の到来直前)の設定時期(CP5)が到来すると、各送信手段28が4回目の設定時期(CP1)から5回目の設定時期(CP5)までの各画像形成装置2の集計した使用情報を管理装置1にそれぞれ送信する。
【0065】
これに対して、管理装置1では、
図8に示すように、分類手段16が上記送信された使用情報に基づいて各画像形成装置2をグループA〜Fのいずれかに分類して管理する。また、管理装置1では、設定時期(CP5)で分類されたグループ(A〜F)に該当するグループの集計延長量(ea〜efのいずれか)を、最終延長量(FE)の算出する必要がある画像形成装置2に通信部14を通して送信する。
【0066】
そして、最終の設定時期(CP5)が到来した画像形成装置2においては、
図3や
図8に示すように、その補正手段27が、前述したように感光ドラム31の交換時期の延長補正を行って延長量(α5又はβ5など)を算出したうえで、管理装置1から送信される当該画像形成装置2の分類された該当するグループの集計延長量(ea〜efのいずれか)を予め設定した割合(
図7)で合計して最終延長量(EF)を算出する。最終延長量(EF)の算出は、例えば
図3に例示する交換時期が延長量αとして延長補正される感光ドラム31の場合を例にすると、その最終延長量(EFf)は「EFf=α5・r1+ef・r2」として求められる。1回目の感光ドラム31の交換時期に関する最終延長量(EF)を算出する際の割合は、
図7に示すように、例えばr1=40%、r2=60%に設定されている。
【0067】
続いて、最終の設定時期(CP5)が到来して最終延長量(EF)まで算出された画像形成装置2においては、予測手段26が、1回目〜4回目の設定時期(CP1〜CP4)で延長補正された各補正量(α1〜α4又はβ1〜β4など)と最終の設定時期(CP5)で延長補正等により求められた最終延長量(EF)を含めて、感光ドラム31の交換時期の予測を行う。
【0068】
この結果、
図3に示す例に基づいて説明すると、交換時期が延長量αとして延長補正される感光ドラム31の交換時期については、最終的に基準とする減少推測情報(実線の直線)を設定時期(CP1〜CP4)までの各延長量α1、α2、α3及びα4と最終延長量(EFf=α5・r1+ef・r2)とを合算した量だけ経過時間の方向にシフトした情報(二点鎖線の直線)が、閾値に到達したときの時期(T1e)となる。
また、交換時期が延長量βとして延長補正される感光ドラム31の交換時期については、最終的に基準とする減少推測情報(実線の直線)を設定時期(CP1〜CP4)までの各延長量β1、β2、β3及びβ4と最終延長量(EFa=β5・r1+ea・r2)とを合算した量だけ経過時間の方向にシフトした情報(二点鎖線の直線)が、閾値に到達したときの時期(T2e)となる。
【0069】
この際、前者の(交換時期が延長量αとして延長補正される)感光ドラム31の交換時期は、基準とする減少推測情報が閾値に到達したときの最速の時期(Tm)に比べると、経過時間Ef(=T1e−Tm)だけ延長されたこと(結果)になる。また、後者の(交換時期が延長量βとして延長補正される)感光ドラム31の交換時期は、基準とする減少推測情報が閾値に到達したときの最速の時期(Tm)に比べると、経過時間Ea(=T2e−Tm)だけ延長されたことになる。
【0070】
前者の感光ドラム31の交換時期に関する延長結果(効果)は、
図3に示すように、特に最終の設定時期(CP5)における延長補正時に同じグループの集計延長量(ef)を予め設定する割合(r2)で加味していることにより、その集計延長量(ef)を加味しない場合の交換時期(T1)に比べて更に(T1e−T1の時間だけ)延長されることになる。この延長される分だけ交換時期の予測が更に精度よく行われることになる。
また、後者の感光ドラム31の交換時期に関する延長結果(効果)も、
図3に示すように、特に最終の設定時期(CP5)における延長補正時に同じグループの集計延長量(ea)を予め設定する割合(r2)で加味していることにより、その集計延長量(ea)を加味しない場合の交換時期(T2)に比べて更に(T1e−T2の時間だけ)延長されることになる。この場合も、その延長される分だけ交換時期の予測が更に精度よく行われることになる。
これにより、特に1番目の感光ドラム31の交換時期を予測する場合には、同じグループの集計延長量を多めに加味する分だけ客観性が高まり、その予測を精度よく行うことができる。
【0071】
最後に、各画像形成装置2においては、
図8に示すように、その各通信手段28が消耗品8の感光ドラム31の交換時期を予測した結果(交換予測時期:T1e,T2eなど)を管理装置1に送信する。また、各画像形成装置2では、その各予測手段26が各画像形成装置2における交換時期の延長結果を算出し、また、各通信手段28がその交換時期の延長結果についても管理装置1に送信する。
【0072】
これに対し、管理装置1では、
図8に示すように、画像形成装置2から送信される感光ドラム31の交換時期の予測結果を、記憶部13に領域分割される画像形成装置の管理部に画像形成装置単位で記憶させて管理する。また、管理装置1では、画像形成装置2から送信される感光ドラム31の交換時期の延長結果(E)についても、記憶部13の上記画像形成装置の管理部に画像形成装置単位で記憶させて管理する。
【0073】
ここで、管理装置1の記憶部13における画像形成装置の管理部では、例えば、
図9に示すように、画像形成装置2単位で装着される感光ドラム31ごとのライフ期間や延長結果が管理される。
図9において、画像形成装置M1は、例えば管理装置1の分類手段16で分類したグループA(膜厚が相対的に遅く減少するグループ)に分けられた画像形成装置に該当し、感光ドラム31の延長結果が比較的多く得られ、そのライフ(寿命)期間も相対的に長くされた例を示している。また、画像形成装置M2は、例えば管理装置1の分類手段16で分類したグループF(膜厚が相対的に速く減少するグループ)に分けられた画像形成装置に該当し、感光ドラム31の延長結果が比較的少なめになり(しかし、僅かながらでも延長補正されており)、ライフ期間も僅かながら長くなった例を示している。
【0074】
そして、各画像形成装置2では、その各補正手段27でそれぞれ延長補正した後の残量の減少推測情報が各閾値に達すると、例えば操作・操作部6に感光ドラム31の消耗品8の交換作業を促すメッセージ等の警告内容が表示される。次いで、その警告内容が表示された画像形成装置2の使用者は、その警告をきっかけにして寿命(厳密には交換時期)に達した感光ドラム31の消耗品8を新品のものに交換する作業を行うことになる。
【0075】
<交換による2番目以降の感光ドラムに関する管理動作>
また、消耗品8である感光ドラム31が新品に交換された後の画像形成装置2にあっては、前述した消耗品の交換時期に関する予測動作及び補正動作が同様に繰り返されるとともに、管理装置1との間で前述した消耗品管理システム100の管理動作が同様に繰り返される。
【0076】
さらに、消耗品8の感光ドラム31が交換された後の画像形成装置2のうち最終の設定時期(CP5)が再び到来した画像形成装置2においては、その補正手段27が、前述したように感光ドラム31の交換時期の延長補正を行って延長量(α5又はβ5など)を算出したうえで、管理装置1から送信される当該画像形成装置2の分類された該当するグループの集計延長量(ea〜efのいずれか)を予め設定した割合(
図7)で合計して最終延長量(EF)を算出する。この2回目の感光ドラム31の交換時期に関する最終延長量(EF)の算出は、例えば
図3に例示する交換時期が延長量αとして延長補正される感光ドラム31の場合を例にすると、その最終延長量(EFf)は「EFf=α5・r1+ef・r2」として求められる。
【0077】
このときの最終延長量(EF)を算出する際の割合は、
図7に示すように、例えばr1=60%、r2=40%に設定されている。つまり、この割合は、1回目の感光ドラム31の最終延長量を算出するときの割合に比べて、管理装置1で集計して管理されている加味すべき該当グループの集計補正量の採用割合(r2)を、画像形成装置2側で交換時期の到来直前の補正時に得られる延長量の採用割合(r1)よりも少なくした設定になっており、画像形成装置2の固体差(画像形成装置特有の残量推移事情など)を多めに考慮するようになっている。
【0078】
続いて、最終の設定時期(CP5)が到来して最終延長量(EF)まで算出された画像形成装置2においては、予測手段26が、1回目〜4回目の設定時期(CP1〜CP4)で延長補正された各補正量(α1〜α4又はβ1〜β4など)と最終の設定時期(CP5)で延長補正等により求められた最終延長量(EF)を含めて、感光ドラム31の交換時期の予測を行う。
この2番目以降の感光ドラム31の交換時期に関する予測は、その各感光ドラム31が装着されている画像形成装置2の固定差を次第に多く考慮しながら行うことになるので(
図7の割合の推移を参照)、各画像形成装置2の固体差に適合して更に精度よく行われるようになる。
【0079】
これ以降の管理動作は、前述した第1回目の感光ドラムに対する管理動作と同様に行われる。
【0080】
以上のような管理動作が行われる消耗品管理システム100によれば、複数の画像形成装置2に装着されている交換可能な同じ消耗品8である感光ドラム31の交換時期をその各画像形成装置2の個体差や使用状況の違いに関係なく同じ基準で予測して管理する場合に比べると、上述したように各画像形成装置2(ひいては消耗品8)の使用状況を考慮した補正情報を利用したり、各画像形成装置2の固定差による補正情報も尊重しながら消耗品8の交換時期に関する管理を行っているので、各画像形成装置2の消耗品8の交換時期を精度よく予測することが可能になる。
【0081】
[他の実施の形態]
消耗品8としては、感光ドラム31以外のものであってもよい。他の消耗品8の例としては、上述した消耗品管理システム100による交換時期の管理(より精度の高い交換時期の予測)を適用することが可能なものであれば特に限定されず、例えば、定着装置55(ベルト形態の加熱回転体又は加圧回転体)、中間転写装置40(中間転写ベルト41など)、現像装置34(現像剤収納容器37を含む)などが挙げられる。
【0082】
また、消耗品8の残量については、感光ドラム31の残膜厚を例示したが、消耗品8の種類に適した構成要素を採用すればよい。しかも、残量の減少推測情報や現状推測情報についても、消耗品8の種類に適した推測情報を適用することができる。
【0083】
さらに画像形成装置は、交換可能で交換時期の管理が必要な消耗品が装着されるものであれば、その種類(形式)等について特に限定されない。例えば、画像形成装置2としては、中間転写装置40を使用しないものや、単色画像を形成するものであってもよい。また、画像形成装置としては、トナー像を形成する電子写真記録方式を採用するものに限らず、他の画像記録方式(インク像を形成する方式など)を採用するものであってもよい。