特許第6350141号(P6350141)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6350141
(24)【登録日】2018年6月15日
(45)【発行日】2018年7月4日
(54)【発明の名称】紙葉類搬送装置及び紙葉類取扱装置
(51)【国際特許分類】
   G07D 9/00 20060101AFI20180625BHJP
【FI】
   G07D9/00 416C
【請求項の数】12
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2014-181524(P2014-181524)
(22)【出願日】2014年9月5日
(65)【公開番号】特開2016-57688(P2016-57688A)
(43)【公開日】2016年4月21日
【審査請求日】2017年5月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082740
【弁理士】
【氏名又は名称】田辺 恵基
(72)【発明者】
【氏名】岩▲崎▼ 悟
(72)【発明者】
【氏名】高田 敦
(72)【発明者】
【氏名】若林 円
【審査官】 望月 寛
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−242608(JP,A)
【文献】 特開2009−205252(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07D 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の搬送路幅を空けて対向する互いに平行なガイド面の間に紙葉類の搬送路が形成され、前記搬送路幅を空けて対向する互いに平行な接続対象搬送路ガイド面により前記紙葉類の搬送路が形成された一対の接続側搬送ガイドの端部と前記紙葉類の搬送方向の一端部が嵌合する一対の搬送ガイドと、
前記一対の搬送ガイドを、前記一対の接続側搬送ガイドの位置に応じて、前記搬送路幅を保ちつつ前記ガイド面の互いの平行を保ったまま回動可能に支持する支持部と
を有し、
前記一対の搬送ガイドは、前記紙葉類の一方の面をガイドする一面搬送ガイドと前記紙葉類の他方の面をガイドする他面搬送ガイドとの間であり且つ前記搬送方向のほぼ中央部に位置する軸を中心に回動する
紙葉類搬送装置。
【請求項2】
前記一対の搬送ガイドは、前記一面搬送ガイドと前記他面搬送ガイドとが一体に形成されている
請求項1に記載の紙葉類搬送装置。
【請求項3】
前記一対の搬送ガイドは、前記搬送方向の一端部が一の前記接続側搬送ガイドと嵌合し、前記搬送方向の他端部が他の前記接続側搬送ガイドと嵌合する
請求項2に記載の紙葉類搬送装置。
【請求項4】
前記一対の搬送ガイド及び前記支持部を具える紙葉類搬送部を複数有し、
前記紙葉類搬送部は、所定の一方向及び当該一方向とは逆の他方向へ移動可能な他の紙葉類搬送装置に前記一方向に沿って順次配置される複数の前記接続側搬送ガイドに対応させて、前記一方向に沿って順次配置され、
前記一対の搬送ガイドは、複数の前記紙葉類搬送部毎に互いに独立して回動する
請求項3に記載の紙葉類搬送装置。
【請求項5】
前記一方向及び前記他方向における前記一対の搬送ガイドと前記接続側搬送ガイドとの位置が合うよう、前記紙葉類搬送装置と前記他の紙葉類搬送装置との位置合わせをする位置出し部
をさらに有する請求項4に記載の紙葉類搬送装置。
【請求項6】
前記位置出し部は、前記紙葉類搬送装置に対し前記他の紙葉類搬送装置が位置決めされた状態において前記一方向又は前記他方向に沿って所定以上の力が加わった際、前記紙葉類搬送装置に対し前記他の紙葉類搬送装置をスライドさせる
請求項5に記載の紙葉類搬送装置。
【請求項7】
前記紙葉類搬送部には、前記他の紙葉類搬送装置に向かって付勢された位置出し部材が設けられ、
前記他の前記紙葉類搬送装置における、前記位置出し部材と対向する箇所には、前記位置出し部材が係合する窪みが形成されている
請求項6に記載の紙葉類搬送装置。
【請求項8】
前記位置出し部材は、前記他の紙葉類搬送装置に向かう方向とは逆方向に移動可能で回動可能なローラであり、
前記窪みは、前記ローラが嵌り込む窪みである
請求項7に記載の紙葉類搬送装置。
【請求項9】
前記位置出し部材は、前記他の紙葉類搬送装置に向かう方向とは逆方向に移動可能な突起であり、
前記窪みは、前記突起が嵌り込む窪みである
請求項7に記載の紙葉類搬送装置。
【請求項10】
前記紙葉類搬送部には、第1の磁石が設けられ、
前記他の前記紙葉類搬送装置における、前記第1の磁石と対向する箇所には、前記第1の磁石と吸着する第2の磁石が設けられている
請求項6に記載の紙葉類搬送装置。
【請求項11】
前記支持部は、前記一対の搬送ガイドを、前記一対の接続側搬送ガイドの位置に応じて、前記一方向及び前記他方向に沿って移動可能に支持する
請求項4に記載の紙葉類搬送装置。
【請求項12】
所定の搬送路幅を空けて対向する互いに平行な接続対象搬送路ガイド面により紙葉類の搬送路が形成された一対の接続側搬送ガイドと、
前記搬送路幅を空けて対向する互いに平行なガイド面の間に前記紙葉類の搬送路が形成され、前記一対の接続側搬送ガイドの端部と前記紙葉類の搬送方向の一端部が嵌合する一対の搬送ガイドと、
前記一対の搬送ガイドを、前記一対の接続側搬送ガイドの位置に応じて、前記搬送路幅を保ちつつ一対の前記ガイド面の互いの平行を保ったまま回動可能に支持する支持部と
を有し、
前記一対の搬送ガイドは、前記紙葉類の一方の面をガイドする一面搬送ガイドと前記紙葉類の他方の面をガイドする他面搬送ガイドとの間であり且つ前記搬送方向のほぼ中央部に位置する軸を中心に回動する
紙葉類取扱装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は紙葉類搬送装置及び紙葉類取扱装置に関し、例えば、紙幣の入金及び出金の取引を行う現金自動取引装置(ATM:Automatic Teller Machine)及び当該現金自動取引装置に設けられた紙幣搬送部に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来の現金自動取引装置は、紙幣を収納する複数の収納庫を装填する収納庫装填ケースが装置筐体の下側に配置されると共に、当該収納庫装填ケースの上側に、収納庫に紙幣を振り分ける振分搬送部が配置され、装置筐体に対し収納庫装填ケースと振分搬送部とが前後に移動して引出及び収納可能なように構成されている。
【0003】
このような現金自動取引装置では、収納庫装填ケースと振分搬送部との間に、収納庫装填ケースと振分搬送部との位置ずれに追従させて回動する紙幣ガイドにより構成される受渡搬送部を設けることにより、収納庫装填ケースと振分搬送部との位置ずれに拘らずに収納庫装填ケースと振分搬送部とを接続し、紙幣を搬送させるものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−205252号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような現金自動取引装置においては、収納庫装填ケースと振分搬送部との位置ずれに拘らず互いの搬送路を的確に接続し、より一層安定的に紙幣を搬送させ信頼性を高めることが望まれている。
【0006】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、信頼性を高め得る紙葉類搬送装置及び紙葉類取扱装置を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる課題を解決するため本発明の紙葉類搬送装置においては、所定の搬送路幅を空けて対向する互いに平行なガイド面の間に紙葉類の搬送路が形成され、搬送路幅を空けて対向する互いに平行な接続対象搬送路ガイド面により紙葉類の搬送路が形成された一対の接続側搬送ガイドの端部と紙葉類の搬送方向の一端部が嵌合する一対の搬送ガイドと、一対の搬送ガイドを、一対の接続側搬送ガイドの位置に応じて、搬送路幅を保ちつつガイド面の互いの平行を保ったまま回動可能に支持する支持部とを設け、一対の搬送ガイドは、紙葉類の一方の面をガイドする一面搬送ガイドと紙葉類の他方の面をガイドする他面搬送ガイドとの間であり且つ搬送方向のほぼ中央部に位置する軸を中心に回動するようにした。
【0008】
この紙葉類搬送装置は、搬送路に対する接続対象搬送路の位置ずれにより、一対の搬送ガイドを傾けた姿勢で一対の接続側搬送ガイドと嵌合させても、搬送路と接続対象搬送路とを互いに搬送路幅を変化させずに接続することにより、搬送路の搬送路幅が接続対象搬送路よりも狭くなることと、接続部分内に段差や凹みが形成されることとを確実に防止することができる。
【0009】
また本発明の紙葉類取扱装置においては、所定の搬送路幅を空けて対向する互いに平行な接続対象搬送路ガイド面により紙葉類の搬送路が形成された一対の接続側搬送ガイドと、搬送路幅を空けて対向する互いに平行なガイド面の間に紙葉類の搬送路が形成され、一対の接続側搬送ガイドの端部と紙葉類の搬送方向の一端部が嵌合する一対の搬送ガイドと、一対の搬送ガイドを、一対の接続側搬送ガイドの位置に応じて、搬送路幅を保ちつつガイド面の互いの平行を保ったまま回動可能に支持する支持部とを設け、一対の搬送ガイドは、紙葉類の一方の面をガイドする一面搬送ガイドと紙葉類の他方の面をガイドする他面搬送ガイドとの間であり且つ搬送方向のほぼ中央部に位置する軸を中心に回動するようにした。
【0010】
この紙葉類取扱装置は、搬送路に対する接続対象搬送路の位置ずれにより、一対の搬送ガイドを傾けた姿勢で一対の接続側搬送ガイドと嵌合させても、搬送路と接続対象搬送路とを互いに搬送路幅を変化させずに接続することにより、搬送路の搬送路幅が接続対象搬送路よりも狭くなることと、接続部分内に段差や凹みが形成されることとを確実に防止することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、搬送路に対する接続対象搬送路の位置ずれにより、一対の搬送ガイドを傾けた姿勢で一対の接続側搬送ガイドと嵌合させても、搬送路と接続対象搬送路とを互いに搬送路幅を変化させずに接続することにより、搬送路の搬送路幅が接続対象搬送路よりも狭くなることと、接続部分内に段差や凹みが形成されることとを確実に防止することができる。かくして本発明は、信頼性を高め得る紙葉類搬送装置及び紙葉類取扱装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】現金自動取引装置の外観構成を示す斜視図である。
図2】現金自動取引装置の内部構成を示す左側面図である。
図3】第1の実施の形態による上部ユニット引出状態及び収納庫装填ケース引出状態の現金自動取引装置の構成を示す左側面図である。
図4】第1の実施の形態による現金自動取引装置の内部構成を示す斜視図である。
図5】第1の実施の形態による連結部の構成を示す斜視図である。
図6】第1の実施の形態による受渡搬送部の構成を示し、(A)は左側面図、(B)は正面図である。
図7】第1の実施の形態による受渡搬送部の構成を示し、(A)は平面図、(B)は(A)のA−A矢視断面図である。
図8】第1の実施の形態による位置決め部の構成(1)を示す左側面図である。
図9】第1の実施の形態による可動ガイドの構成(1)を示す左側面図である。
図10】第1の実施の形態による位置決め部の構成(2)を示す左側面図である。
図11】第1の実施の形態による可動ガイドの構成(2)を示す左側面図である。
図12】第1の実施の形態による位置決め部の構成(3)を示す左側面図である。
図13】第1の実施の形態による可動ガイドの構成(3)を示す左側面図である。
図14】第1の実施の形態による位置決め部の構成(4)を示す左側面図である。
図15】第2の実施の形態による位置決め部の構成を示す左側面図である。
図16】他の実施の形態による位置決め部の構成(1)を示す左側面図である。
図17】他の実施の形態による位置決め部の構成(2)を示す左側面図である。
図18】他の実施による上部ユニット引出状態及び収納庫装填ケース引出状態の現金自動取引装置の構成を示す左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、発明を実施するための形態(以下実施の形態とする)について、図面を用いて説明する。
【0014】
[1.第1の実施の形態]
[1−1.現金自動取引装置の構成]
図1に外観を示すように、現金自動取引装置1は、箱状の装置筐体2を中心に構成されており、例えば金融機関等に設置され、顧客との間で入金取引や出金取引等の現金に関する取引を行う。以下では、現金自動取引装置1のうち利用者が対峙する側を前側とし、その反対を後側とし、当該前側に対峙した利用者から見て左、右、上及び下をそれぞれ左側、右側、上側及び下側として説明する。
【0015】
装置筐体2の前上端部には、前面よりも後面側に凹むように略L字状に形成されたフロントパネル3が設けられている。フロントパネル3において上方向に向くほぼ水平な上向パネル3Aには、取引に際して操作画面を表示するLCD(Liquid Crystal Display)と、取引の種類の選択、暗証番号や取引金額等を入力するタッチパネルとが一体化された操作表示部4が左寄りに設けられている。また上向パネル3Aには、長方形の紙幣を投入され又は取り出される紙幣投入取出部5が右寄りに設けられている。一方、フロントパネル3において前方向に向くほぼ垂直な前向パネル3Bには、取引の際に通帳を挿入され又は当該通帳や取引明細書を排出する通帳挿入排出口7が左寄りに設けられている。また前向パネル3Bには、取引の際にキャッシュカードやクレジットカード等の種々のカードを挿入され又は排出するカード挿入排出口8が右寄りに設けられている。
【0016】
現金自動取引装置1は、かかる構成のもと、操作表示部4に操作画面を表示すると共に、顧客による操作表示部4の表面へのタッチ操作に応じて操作画面を適宜切り換えて表示する。これにより現金自動取引装置1は、紙幣の預け入れのような入金や払い出しのような出金等の所望の取引の手順を操作画面を介して顧客に案内する。よって現金自動取引装置1は、顧客に対し、案内に従って通帳挿入排出口7やカード挿入排出口8に通帳やカードを挿入させ、また紙幣投入取出部5に入金用の紙幣を投入させる。また現金自動取引装置1は、顧客に対し、案内に従って通帳挿入排出口7やカード挿入排出口8から排出した通帳や取引明細書、カードを受け取らせ、紙幣投入取出部5から出金用の紙幣を取り出させる。このようにして現金自動取引装置1は、顧客が所望する紙幣の入金や出金等の取引を行う。
【0017】
[1−2.現金自動取引装置の内部構成]
図2に示すように現金自動取引装置1の装置筐体2内には、当該現金自動取引装置1全体を統括制御する制御部10が収納されると共に、当該制御部10の制御のもと、紙幣の入金処理及び出金処理等を行う紙幣処理機11が収納されている。紙幣処理機11は、下部ユニット12及び上部ユニット13を有し、当該下部ユニット12に上部ユニット13が載上されている。
【0018】
下部ユニット12は、比較的厚い複数の金属板を組み合わせるようにして略箱型に形成された金庫筐体15を有し、当該金庫筐体15が装置筐体2内に固設されている。また金庫筐体15内には、上端部が開放された略箱型の収納庫装填ケース16が収納されている。収納庫装填ケース16は、図4に示す右側板16R、左側板16L、後板16B、前板16F及び底板(図示せず)により囲まれ上面が開口し、底面に図示しない複数の仕切板が前から後にかけて所定の間隔で順に植設され、これら複数の仕切板により底面が前から後にかけて順に複数の収納庫装填位置に区切られている。なお図4は、金庫筐体15の左側板を図示せず省略している。収納庫装填ケース16は、最も前側の収納庫装填位置に、破損している紙幣や折れ曲がっている紙幣等のような異常な紙幣を収納するリジェクト庫19が着脱可能に装填されている。また収納庫装填ケース16は、最も前側の収納庫装填位置を除く他の複数箇所の収納庫装填位置に、それぞれ入金用及び出金用の紙幣を金種別に収納する複数(例えば5個)の紙幣収納庫20乃至24が着脱可能に装填されている。
【0019】
リジェクト庫19は、上端部内に、搬送ガイドやローラ等の複数種類の搬送路形成部品を有する収納庫搬送部19Aが一体に設けられている。収納庫搬送部19Aは、複数種類の搬送路形成部品により、リジェクト庫19内にリジェクト紙幣を取り込むように搬送する収納庫搬送路19AXを形成している。
【0020】
紙幣収納庫20乃至24には、それぞれ上端部内に、搬送ガイドやローラ、ローラ駆動モータ等の複数種類の搬送路形成部品を有する収納庫搬送部20A乃至24Aが一体に設けられている。収納庫搬送部20A乃至24Aは、複数種類の搬送路形成部品により、紙幣収納庫20乃至24内に紙幣を取り込み、また紙幣収納庫20乃至24内から紙幣を繰り出すように搬送する収納庫搬送路20AX乃至24AXを形成している。
【0021】
上部ユニット13は、上部筐体25及び振分搬送部26を有し、当該上部筐体25の下面に振分搬送部26が取り付けられている。
【0022】
上部筐体25内には、上向パネル3Aに対向させて上述の紙幣投入取出部5が配置され、当該紙幣投入取出部5の後ろ斜下に鑑別部28が配置されると共に、紙幣投入取出部5及び鑑別部28の後側に一時保留部29が配置されている。また上部筐体25内には、鑑別部28の後側と紙幣投入取出部5及び一時保留部29とを接続し、鑑別部28の前側と紙幣投入取出部5とを接続する上部筐体搬送路25Aが設けられている。上部筐体搬送路25Aは、図示しないローラやベルト等により、図中太線で示す搬送路に沿って長方形の紙幣を短手方向に搬送する。
【0023】
振分搬送部26は、図4に示すように右側板27R、左側板27L、後板27B、前板27F、天板27T及び底板(図示せず)により構成された振分搬送部筐体27を有し、複数種類の搬送路形成部品により、リジェクト紙幣や正常な紙幣を、搬送先を適宜切り換えてリジェクト庫19や紙幣収納庫20乃至24へ振り分けるように搬送する振分搬送路26Aを形成している。振分搬送路26Aは、2箇所の上端部が上部筐体搬送路25Aの下端部に接続されている。
【0024】
また下部ユニット12において金庫筐体15の天板である金庫天板15Tには、振分搬送部26と収納庫搬送部19A乃至24Aとを連結する連結部30が設けられている。図5に示すように、連結部30は、例えば略長方形状の1枚の金属板を加工して、金庫天板15Tの大きさとほほ同じ大きさに形成された連結筐体31を有している。連結筐体31は、中央部分に前後に長い略長方形の平板状の取付部31Aが設けられている。
【0025】
金庫筐体15の金庫天板15Tには、収納庫搬送部19A乃至24Aに対応させて、図4に示すように左右に長い略長方形状の連結孔部15TAが穿設されている。また連結筐体31は、取付部31Aに、金庫天板15Tの連結孔部15TAに対応する、左右に長い長方形状の取付孔部31AAが穿設されている。これにより連結部30は、連結筐体31の取付孔部31AAを金庫天板15Tの連結孔部15TAに対向させた状態で金庫天板15Tに取り付けられている。
【0026】
さらに連結部30は、それぞれ搬送ガイドやローラ等の複数種類の搬送路形成部品を有する紙葉類搬送部としての受渡搬送部33乃至38を有している。連結部30は、連結筐体31に対し受渡搬送部33乃至38が、対応する取付孔部31AAを介して金庫天板15Tの連結孔部15TAに1個ずつ挿入するようにして取り付けられている。
【0027】
取付孔部31AAの左右端面からは、それぞれ受渡搬送部33乃至38の後述する左側板42L及び右側板42Rに沿う板状の左側ブラケット32L及び右側ブラケット32Rが下方向に向かって設けられている。
【0028】
ここで、金庫天板15Tの連結孔部15TAに挿入された受渡搬送部33は、複数種類の搬送路形成部品により、リジェクト紙幣を振分搬送路26Aから収納庫搬送路19AXへ受け渡すように一方向に搬送する受渡搬送路33A(図2)を形成している。受渡搬送路33Aは、上端部が振分搬送路26Aの複数箇所の下端部のうち対応する最も前の1箇所の下端部に接続される。また受渡搬送路33Aは、下端部が収納庫搬送路19AXの上端部に接続される。
【0029】
また金庫天板15Tの連結孔部15TAに挿入された受渡搬送部34乃至38は、それぞれ複数種類の搬送路形成部品により、紙幣を振分搬送路26Aから対応する収納庫搬送路20AX乃至24AXへ受け渡し、また対応する収納庫搬送路20AX乃至24AXから振分搬送路26Aへ受け渡すように双方向に搬送する受渡搬送路34A乃至38A(図2)を形成している。受渡搬送路34A乃至38Aは、それぞれ上端部が振分搬送路26Aの対応する下端部に接続される。また受渡搬送路34A乃至38Aは、それぞれ下端部が対応する収納庫搬送路20AX乃至24AXの上端部に接続される。
【0030】
かかる構成において現金自動取引装置1は、紙幣の入金処理時、顧客により紙幣投入取出部5に入金用の紙幣が投入されると、当該紙幣投入取出部5から紙幣を1枚ずつ繰り出し、上部筐体搬送路25Aを介して鑑別部28へ搬送して、当該鑑別部28においてその紙幣の金種や状態等を鑑別させる。現金自動取引装置1は、鑑別部28から正常であると鑑別されて繰り出された紙幣については、上部筐体搬送路25Aを介して一時保留部29へ搬送して一時的に保持させることにより、当該紙幣の入金を保留する。一方で現金自動取引装置1は、鑑別部28から破損や折れ等により異常であると鑑別されて繰り出された紙幣については、リジェクト紙幣として上部筐体搬送路25Aを介して紙幣投入取出部5へ搬送することにより、顧客に当該紙幣投入取出部5から取り出させるようにして返却する。
【0031】
現金自動取引装置1は、紙幣投入取出部5内に投入された入金用の紙幣が鑑別部28において全て鑑別されると、正常であると鑑別された紙幣の総額(すなわち、入金の金額)を、操作表示部4を介して顧客に提示する。その結果現金自動取引装置1は、入金の金額を確認した顧客により操作表示部4を介して紙幣の入金が指示されると、一時的に保持していた紙幣を一時保留部29から1枚ずつ繰り出し上部筐体搬送路25Aを介して鑑別部28へ搬送して、当該鑑別部28において再びその紙幣の金種や状態等を鑑別させる。現金自動取引装置1は、鑑別部28から正常であると鑑別されて繰り出された紙幣については、上部筐体搬送路25A、振分搬送路26A及び受渡搬送路34A乃至38Aを順次介して当該紙幣の金種に応じた紙幣収納庫20乃至24へ搬送し、収納庫搬送路20AX乃至24AXを介して内部に収納させる。現金自動取引装置1は、この際、鑑別部28から異常であると鑑別されて繰り出された紙幣については、リジェクト紙幣として上部筐体搬送路25A、振分搬送路26A及び受渡搬送路33Aを順次介してリジェクト庫19へ搬送し、収納庫搬送路19AXを介して内部に収納させる。
【0032】
一方で現金自動取引装置1は、紙幣の出金処理時、顧客により操作表示部4を介して出金の金額が指定されると、紙幣収納庫20乃至24の内部から収納庫搬送路20AX乃至24AXを介して、当該顧客により指定された金額分の紙幣を1枚ずつ繰り出す。現金自動取引装置1は、紙幣収納庫20乃至24から1枚ずつ繰り出した紙幣を、受渡搬送路34A乃至38A、振分搬送路26A及び上部筐体搬送路25Aを順次介して鑑別部28へ搬送して、当該鑑別部28において紙幣の金種や状態等を鑑別させる。現金自動取引装置1は、鑑別部28から正常であると鑑別されて繰り出された紙幣については、上部筐体搬送路25Aを介して紙幣投入取出部5へ搬送する。一方で現金自動取引装置1は、この際、鑑別部28から異常であると鑑別されて繰り出された紙幣については、リジェクト紙幣として上部筐体搬送路25A、振分搬送路26A及び受渡搬送路33Aを順次介してリジェクト庫19へ搬送し、収納庫搬送路19AXを介して内部に収納させて、その後の出金処理には用いないようにする。現金自動取引装置1は、出金用に指定された金額分の紙幣を紙幣投入取出部5に搬送し終えると、出金用に指定された金額分の紙幣を当該紙幣投入取出部5から顧客に取り出させるようにして引き渡す。
【0033】
ところで装置筐体2は、前面を覆う装置筐体前扉2Aが図示しないヒンジ部を介して開閉可能に設けられている。また金庫筐体15は、当該金庫筐体15を形成する複数の金属板のうち前板となる金属板が金庫筐体前扉15Bとして図示しないヒンジ部を介して開閉可能に設けられている。
【0034】
上部ユニット13は、図3に示すように上側スライドレール40を介して装置筐体2に取り付けられている。上側スライドレール40は、前後方向に延長されたレール状の部品や複数のローラ等(図示せず)の組み合わせにより構成されており、装置筐体2に対し上部ユニット13を前方向又は後方向へ直線的に且つ円滑に移動させる。
【0035】
現金自動取引装置1は、顧客との間で取引処理が行われる場合や保守作業が行われない場合、図2に示したように上部ユニット13を装置筐体2の内部に収納することにより、当該上部ユニット13の各部や紙幣等を保護する。以下ではこれを上部ユニット収納状態と呼ぶ。一方現金自動取引装置1は、保守作業者により保守作業が行われる場合、図3に示すように装置筐体前扉2Aを開き上部ユニット13を前方(引出方向)へ移動させて、当該上部ユニット13を装置筐体2の外部に引き出した状態とする。以下ではこれを上部ユニット引出状態とも呼ぶ。
【0036】
収納庫装填ケース16は、下側スライドレール41を介して金庫筐体15に取り付けられている。下側スライドレール41は、前後方向に延長されたレール状の部品や複数のローラ等(図示せず)の組み合わせにより構成されており、金庫筐体15に対し収納庫装填ケース16を前方向又は後方向へ直線的に且つ円滑に移動させる。
【0037】
現金自動取引装置1は、顧客との間で取引処理が行われる場合や保守作業が行われない場合、図2に示したように収納庫装填ケース16を金庫筐体15の内部に収納することにより、当該収納庫装填ケース16の各部や紙幣等を保護する。以下ではこれを収納庫装填ケース収納状態と呼ぶ。一方現金自動取引装置1は、保守作業者により保守作業が行われる場合、図3に示すように装置筐体前扉2A及び金庫筐体前扉15B(図示せず)を開き収納庫装填ケース16を前方(引出方向)へ移動させて、当該収納庫装填ケース16を装置筐体2の外部に引き出した状態とする。以下ではこれを収納庫装填ケース引出状態とも呼ぶ。なお図3は、上部ユニット引出状態であり且つ収納庫装填ケース引出状態を示している。
【0038】
また現金自動取引装置1は、収納している紙幣が規定枚数以下に減った又は空となった紙幣収納庫20乃至24を金庫筐体15の外部(装置筐体2の前側)で収納庫装填ケース16から保守作業者に引き抜かせ、また収納庫装填ケース16に、複数の紙幣を補充した紙幣収納庫20乃至24を装填させる。
【0039】
ここで連結部30は、図3に示すように、受渡搬送部33乃至38において振分搬送部26との搬送路接続部分である可動ガイド58を金庫天板15Tの上側に突出させている。また振分搬送部筐体27は、振分搬送部26における受渡搬送部33乃至38との搬送路接続部分である振分搬送部固定ガイド54を右側板27R及び左側板27Lにおける水平方向に沿う下端よりも下側に突出させている。よって連結部30は、上部ユニット収納状態では、受渡搬送部33乃至38の上に振分搬送部26の対応する搬送路接続部分を位置させる。これにより連結部30は、受渡搬送路33A乃至38Aの上端部をそれぞれ振分搬送路26Aの対応する下端部に接続する。
【0040】
そして上部ユニット13は、装置筐体2内から引き出された場合、受渡搬送部33乃至38の上から振分搬送部26が前側に移動することで、受渡搬送路33A乃至38Aの上端部から振分搬送路26Aの対応する下端部を全て切り離す。また連結部30は、上部ユニット13が後方(収納方向)へ移動されて装置筐体2内に上部ユニット13が収納されると、再び受渡搬送部33乃至38の上に振分搬送部26の対応する搬送路接続部分を位置させる。これにより連結部30は、受渡搬送路33A乃至38Aの上端部をそれぞれ振分搬送路26Aの対応する下端部に再び接続する。以下では引出方向及び収納方向をまとめてスライド方向とも呼ぶ。
【0041】
一方連結部30は、受渡搬送部33乃至38において収納庫搬送部19A乃至24Aとの搬送路接続部分である可動ガイド58を金庫天板15Tの下側(すなわち金庫筐体15内)に突出させている。また収納庫装填ケース16は、収納庫搬送部19A乃至24Aにおける受渡搬送部33乃至38との搬送路接続部分である収納庫固定ガイド56を右側板16R及び左側板16Lにおける水平方向に沿う上端よりも上側に突出させている。よって連結部30は、収納庫装填ケース収納状態では、受渡搬送部33乃至38の下に対応する収納庫搬送部19A乃至24Aの搬送路接続部分を位置させる。これにより連結部30は、受渡搬送路33A乃至38Aの下端部を対応する収納庫搬送路19AX乃至24AXの上端部に接続する。
【0042】
そして収納庫装填ケース16は、金庫筐体15内から引き出された場合、受渡搬送部33乃至38の下からリジェクト庫19及び紙幣収納庫20乃至24が前側に移動することで、受渡搬送路33A乃至38Aの下端部から対応する収納庫搬送路19AX乃至24AXの上端部を全て切り離す。また連結部30は、収納庫装填ケース16が後方(収納方向)へ移動されて金庫筐体15内に収納庫装填ケース16が収納されると、再び受渡搬送部33乃至38の下に対応する収納庫搬送部19A乃至24Aの搬送路接続部分を位置させる。これにより連結部30は、受渡搬送路33A乃至38Aの下端部を対応する収納庫搬送路19AX乃至24AXの上端部に再び接続する。
【0043】
[1−3.連結部の構成]
連結部30は、図5について上述したように連結筐体31に受渡搬送部33乃至38が後方向に沿って順に取り付けられている。受渡搬送部33乃至38は基本的には同様に構成されているため、以下では受渡搬送部34の構成について説明する。
【0044】
図5乃至図7に示すように受渡搬送部34には、平板状の金属板である左側板42L、右側板42R、後側板42B及び前側板42Fが組み合わされ内部に空間を有する受渡搬送部筐体42が設けられている。受渡搬送部筐体42は、前側板42F及び後側板42Bの左右方向の長さが、紙幣の搬送方向に直交する長手方向の長さよりも長く、且つ取付孔部31AAの左右方向の長さよりも短く形成されている。また受渡搬送部筐体42は、右側板42R及び左側板42Lの前後方向の長さが、取付孔部31AAの前後方向の長さよりも短く形成されている。
【0045】
左側板42Lからは円筒形状の受渡搬送部筐体左側シャフト44Lが左方に向かって突出し、左側ブラケット32Lに穿設された左側ブラケット孔部32LHを貫通している。また右側板42Rからは円筒形状の受渡搬送部筐体右側シャフト44Rが受渡搬送部筐体左側シャフト44Lの延長線上を右方に向かって突出し、右側ブラケット32Rに穿設された右側ブラケット孔部32RH(図示せず)を貫通している。以下では受渡搬送部筐体左側シャフト44L及び受渡搬送部筐体右側シャフト44Rをまとめて受渡搬送部筐体シャフト44とも呼ぶ。受渡搬送部筐体シャフト44及び受渡搬送部筐体42により、可動ガイド58を支持する可動ガイド支持部60が形成されている。図8に示すように左側ブラケット孔部32LHは、上下方向の高さが受渡搬送部筐体左側シャフト44Lとほぼ同一に形成され、前後方向の幅が受渡搬送部筐体左側シャフト44Lよりも広く形成されている。右側ブラケット孔部32RH(図示せず)は、上下方向の高さが受渡搬送部筐体右側シャフト44Rとほぼ同一に形成され、前後方向の幅が受渡搬送部筐体右側シャフト44Rよりも広く形成されている。これにより左側ブラケット32L及び右側ブラケット32Rは、受渡搬送部筐体左側シャフト44L及び受渡搬送部筐体右側シャフト44Rを、上下方向の移動を規制しつつ、前後方向への移動を許容し、左右方向と平行にして左側ブラケット孔部32LH及び右側ブラケット孔部32RHそれぞれの内部を自在に左右側面視で時計回り及び反時計回りに回動させるよう支持している。
【0046】
受渡搬送部34(図4)におけるスライド方向と直交する方向の端部である左端部及び右端部には、当該受渡搬送部34に対し振分搬送部26(上部ユニット13)及び収納庫装填ケース16を位置決めする左側位置出し部45L及び右側位置出し部45Rがそれぞれ設けられている。左側位置出し部45Lと右側位置出し部45Rとはほぼ同様に構成されているため、以下では左側位置出し部45Lについて主に説明する。左側位置出し部45Lは、受渡搬送部34に対し振分搬送部26(上部ユニット13)を位置決めする位置出し部材としての上側位置出し部45Tと、受渡搬送部34に対し収納庫装填ケース16を位置決めする位置出し部材としての下側位置出し部45Dとにより構成されている。上側位置出し部45Tは、受渡搬送部34の上側付勢部46Tと振分搬送部筐体27の振分搬送部筐体窪み27Cとにより構成され、下側位置出し部45Dは、受渡搬送部34の下側付勢部46Dと収納庫装填ケース16の収納庫装填ケース窪み16Cとにより構成されている。
【0047】
図6及び図7に示すように上側付勢部46Tは、上側支持部47T、上側位置出しローラ48T、上側位置出しローラシャフト49T及び上側スプリング50Tにより構成されている。左側板42Lからは、板状の上側支持部47Tが左方に向かって突出し、左端部において左右方向に間隔を開けてシャフト支持板51Tが立設している。シャフト支持板51Tには、延伸方向(上下方向)に沿って長尺に上側支持部孔51HTが穿設されている。上側位置出しローラ48Tは、上側位置出しローラシャフト49Tが上側支持部孔51HTに挿入され、当該上側位置出しローラシャフト49Tが上側支持部孔51HTの内部を上下方向に摺動することにより、振分搬送部筐体27に対し離接する方向へ移動可能であり、且つ側面視において上側位置出しローラシャフト49Tを中心に回転自在に構成されている。上側位置出しローラシャフト49Tの左右端部には、圧縮スプリングである上側スプリング50Tの上端が取り付けられており、当該上側スプリング50Tは、自然状態よりも縮められた状態で下端がシャフト支持板51Tに取り付けられている。このため上側スプリング50Tは、縮められた状態から自然状態に開いて戻ろうとする反発力により、上側位置出しローラシャフト49T及び上側位置出しローラ48Tを振分搬送部筐体27に向かう上方向へ付勢する。下側付勢部46Dは、上側付勢部46Tに対し受渡搬送部筐体左側シャフト44Lを中心として点対称に構成されているためその説明を省略するが、下側位置出しローラ48Dが、収納庫装填ケース16に向かう上方向へ下側スプリング50Dにより付勢されつつ、下側支持部47Dから立設するシャフト支持板51Dに穿設された下側支持部孔51HDを下側位置出しローラシャフト49Dが摺動することにより収納庫装填ケース16に対し離接する方向へ移動可能であり、且つ側面視において下側位置出しローラシャフト49を中心に回転自在に構成されている。
【0048】
上部ユニット収納状態における、振分搬送部筐体27(図8)の左側板27L及び右側板27Rの下端面において上側位置出しローラ48Tと対向する箇所には、側面視で三角形状の切り欠きであり当該上側位置出しローラ48Tが嵌り込む振分搬送部筐体窪み27Cが形成されている。また収納庫装填ケース収納状態における、収納庫装填ケース16の左側板16L及び右側板16Rの上端面において下側位置出しローラ48Dと対向する箇所には、側面視で三角形状の切り欠きであり当該下側位置出しローラ48Dが嵌り込む収納庫装填ケース窪み16Cが形成されている。
【0049】
受渡搬送部34は、上側位置出しローラ48Tを振分搬送部筐体窪み27Cの下端面に押し付けることにより、当該受渡搬送部34に対し振分搬送部26(上部ユニット13)を位置決めする。また受渡搬送部34は、下側位置出しローラ48Dを収納庫装填ケース窪み16Cの上端面に押し付けることにより、当該受渡搬送部34に対し収納庫装填ケース16を位置決めする。
【0050】
また受渡搬送部34は、上側位置出しローラ48Tが振分搬送部筐体窪み27Cに嵌り込んだ状態において、上部ユニット13に対しスライド方向に沿って所定以上の力が加わった場合、上側スプリング50Tを圧縮し上側位置出しローラ48Tを振分搬送部筐体27から離隔する方向へ移動させることにより、当該上側位置出しローラ48Tを振分搬送部筐体窪み27Cから外し、左側板27L及び右側板27Rの下端面に当接させる。さらに受渡搬送部34は、下側位置出しローラ48Dが収納庫装填ケース窪み16Cに嵌り込んだ状態において、収納庫装填ケース16に対しスライド方向に沿って所定以上の力が加わった場合、下側スプリング50Dを圧縮し下側位置出しローラ48Dを収納庫装填ケース16から離隔する方向へ移動させることにより、当該下側位置出しローラ48Dを収納庫装填ケース窪み16Cから外し、左側板16L及び右側板16Rの上端面に当接させる。
【0051】
このように連結部30(図4)は、受渡搬送部33乃至38それぞれの上側位置出しローラ48Tを、対応する振分搬送部筐体窪み27Cに係合することにより、上部ユニット収納状態において連結部30に対し振分搬送部26(上部ユニット13)を位置決めする。また連結部30は、受渡搬送部33乃至38それぞれの下側位置出しローラ48Dを、対応する収納庫装填ケース窪み16Cに係合することにより、収納庫装填ケース収納状態において連結部30に対し収納庫装填ケース16を位置決めする。
【0052】
ここで、上側スプリング50Tの反発力、上側位置出しローラ48Tの直径、左側板27L及び右側板27Rの下端面に対する振分搬送部筐体窪み27Cの切り欠きの角度、切り欠きの大きさは、保守作業者が上部ユニット13を移動させる力により、振分搬送部筐体窪み27Cから上側位置出しローラ48Tが外れるように設定されている。また下側スプリング50Dの反発力、下側位置出しローラ48Dの直径、左側板16L及び右側板16Rの上端面に対する収納庫装填ケース窪み16Cの切り欠きの角度、切り欠きの大きさは、保守作業者が収納庫装填ケース16を移動させる力により、収納庫装填ケース窪み16Cから下側位置出しローラ48Dが外れるように設定されている。
【0053】
一方連結部30は、当該連結部30に対し振分搬送部26(上部ユニット13)が位置決めされた状態において一方向としての引出方向に沿って所定以上の力が振分搬送部26に加わった際、連結部30に対し振分搬送部26(上部ユニット13)を引出方向にスライドさせ、上部ユニット引出状態とする。また連結部30は、当該連結部30に対し収納庫装填ケース16が位置決めされた状態において引出方向に沿って所定以上の力が収納庫装填ケース16に加わった際、連結部30に対し収納庫装填ケース16を引出方向にスライドさせ、収納庫装填ケース引出状態とする。
【0054】
また一方連結部30は、上部ユニット引出状態において他方向としての収納方向に沿って所定以上の力が振分搬送部26に加わった際、連結部30に対し振分搬送部26(上部ユニット13)を収納方向にスライドさせ、受渡搬送部33乃至38それぞれの上側位置出しローラ48Tを対応する振分搬送部筐体窪み27Cに係合することにより、上部ユニット収納状態とする。また連結部30は、収納庫装填ケース引出状態において収納方向に沿って所定以上の力が収納庫装填ケース16に加わった際、連結部30に対し収納庫装填ケース16を収納方向にスライドさせ、受渡搬送部33乃至38それぞれの下側位置出しローラ48Dを対応する収納庫装填ケース窪み16Cに係合することにより、収納庫装填ケース収納状態とする。
【0055】
[1−4.受渡搬送部の構成]
図8及び図9に示すように振分搬送部26は、受渡搬送部34との搬送路接続部分に一対の振分搬送部前側固定ガイド54F及び振分搬送部後側固定ガイド54Bが、スライド方向に沿って所定の間隔で並べて固設されると共に、紙幣を挟持して搬送するローラ等が配置されている。以下では、振分搬送部前側固定ガイド54Fと振分搬送部後側固定ガイド54Bとをまとめて一対の接続側搬送ガイドとしての振分搬送部固定ガイド54とも呼ぶ。振分搬送部26は、振分搬送部前側固定ガイド54Fにおける後側の面である振分搬送部前側ガイド面54SFと、振分搬送部後側固定ガイド54Bにおいて振分搬送部前側ガイド面54SFと平行に対向する振分搬送部後側ガイド面54SBとの間に、これらの間隔を長さW1の搬送路幅とする紙幣搬送路を形成している。これにより振分搬送部後側固定ガイド54Bは紙幣の後面側をガイドし、振分搬送部前側固定ガイド54Fは紙幣の前面側をガイドしている。この振分搬送部後側固定ガイド54B及び振分搬送部前側固定ガイド54Fは、下側に向けられた先端部が図7(B)に示すように櫛歯状に形成され、振分搬送部筐体27の左側板27L及び右側板27Rにおける下端よりも下側に突出している。以下では、振分搬送部前側ガイド面54SFと振分搬送部後側ガイド面54SBとをまとめて接続対象搬送路ガイド面としての振分搬送部ガイド面54Sとも呼ぶ。
【0056】
図8及び図9に示すように収納庫装填ケース16は、受渡搬送部34との搬送路接続部分に一対の収納庫前側固定ガイド56F及び収納庫後側固定ガイド56Bが、スライド方向に沿って所定の間隔で並べて固設されると共に、紙幣を挟持して搬送するローラ等が配置されている。以下では、収納庫前側固定ガイド56Fと収納庫後側固定ガイド56Bとをまとめて一対の接続側搬送ガイドとしての収納庫固定ガイド56とも呼ぶ。収納庫装填ケース16は、収納庫前側固定ガイド56Fにおける後側の面である収納庫前側ガイド面56SFと、収納庫後側固定ガイド56Bにおいて収納庫前側ガイド面56SFと平行に対向する収納庫後側ガイド面56SBとの間に、これらの間隔を長さW1と同等の長さである長さW2の搬送路幅とする紙幣搬送路を形成している。これにより収納庫後側固定ガイド56Bは紙幣の後面側をガイドし、収納庫前側固定ガイド56Fは紙幣の前面側をガイドしている。この収納庫後側固定ガイド56B及び収納庫前側固定ガイド56Fは、上側に向けられた先端部が図7(B)に示すように櫛歯状に形成され、収納庫装填ケース16の右側板16R及び左側板16Lにおける上端よりも上側に突出している。以下では、収納庫前側ガイド面56SFと収納庫後側ガイド面56SBとをまとめて接続対象搬送路ガイド面としての収納庫ガイド面56Sとも呼ぶ。
【0057】
図8及び図9に示すように受渡搬送部34は、振分搬送部26及び収納庫装填ケース16との搬送路接続部分に側面視台形状の一対の前側可動ガイド58F及び後側可動ガイド58Bが、スライド方向に沿って所定の間隔で並べてそれぞれ前側板42F及び後側板42Bに固設されている。また一面搬送ガイドとしての前側可動ガイド58F及び他面搬送ガイドとしての後側可動ガイド58Bは、左側板42L及び右側板42Rにも固定されている。以下では、前側可動ガイド58Fと後側可動ガイド58Bとをまとめて一対の可動ガイド58とも呼ぶ。受渡搬送部34は、前側可動ガイド58Fにおける後側の面である前側ガイド面58SFと、後側可動ガイド58Bにおいて前側ガイド面58SFと平行に対向する後側ガイド面58SBとの間に、これらの間隔を搬送路幅とする受渡搬送路34Aを形成している。これにより後側可動ガイド58Bは紙幣の後面側をガイドし、前側可動ガイド58Fは紙幣の前面側をガイドしている。図7(B)に示すようにこの後側可動ガイド58B及び前側可動ガイド58Fは、上側に向けられた先端部が櫛歯状に形成され、金庫天板15Tの上側に突出することにより、それぞれ振分搬送部後側固定ガイド54B及び振分搬送部前側固定ガイド54Fと噛み合っている。また後側可動ガイド58B及び前側可動ガイド58Fは、下側に向けられた先端部が櫛歯状に形成され、金庫天板15Tの下側(すなわち金庫筐体15内)に突出することにより、それぞれ収納庫後側固定ガイド56B及び収納庫前側固定ガイド56Fと噛み合っている。
【0058】
図9に示すように可動ガイド58における搬送路幅は、振分搬送部固定ガイド54と噛み合う上端部と、中央部と、収納庫固定ガイド56と噛み合う下端部との何れにおいても同様の長さW3となっている。可動ガイド58の搬送路幅である長さW3は、振分搬送部固定ガイド54の搬送路幅である長さW1と、収納庫固定ガイド56の搬送路幅である長さW2と同等となっている。すなわち受渡搬送路34Aの搬送路幅は、搬送方向(上下方向)の一端から他端に亘って、振分搬送路26A及び収納庫搬送路20AXの搬送路幅と同等に形成されている。
【0059】
ここで、上述した受渡搬送部筐体シャフト44は、前側可動ガイド58Fと後側可動ガイド58Bとの間であり、且つ振分搬送部固定ガイド54から収納庫固定ガイド56に向かい紙幣が搬送される上下方向のほぼ中央部に回転軸が位置している。
【0060】
このように前側可動ガイド58Fと後側可動ガイド58Bとは、受渡搬送部筐体42を介し一体化しているため、前側板42F及び後側板42Bが受渡搬送部筐体シャフト44を軸として回動すると、互いの位置関係を保ったまま、すなわち振分搬送路26A及び収納庫搬送路20AXと同等の搬送路幅での平行関係を保ったまま受渡搬送部筐体シャフト44を軸として回動する。因みに受渡搬送部34には、前側可動ガイド58F及び後側可動ガイド58Bが所定角度以上に回動しないよう規制する図示しない部材が設けられている。
【0061】
[1−5.動作及び効果]
以上の構成において、現金自動取引装置1は、図8に示すように振分搬送部26、連結部30及び収納庫装填ケース16が互いに位置ずれなく配置されている場合、可動ガイド58を垂直な姿勢にして、これらの上端部を振分搬送部固定ガイド54に、下端部を収納庫固定ガイド56にそれぞれ嵌合して、受渡搬送路33A乃至38Aを振分搬送路26A、収納庫搬送路19AX乃至24AXにそれぞれ接続する。
【0062】
一方図10及び図11に示すように例えば振分搬送部26が前方向へ、収納庫装填ケース16が後方向へ、それぞれ正常な位置に対し例えば3mm程度位置ずれした場合、振分搬送部筐体窪み27Cから上側位置出しローラ48Tが外れない範囲において振分搬送部筐体窪み27Cに上側位置出しローラ48Tが嵌まり続けるように、且つ収納庫装填ケース窪み16Cから下側位置出しローラ48Dが外れない範囲において収納庫装填ケース窪み16Cに下側位置出しローラ48Dが嵌まり続けるように、振分搬送部筐体窪み27C及び収納庫装填ケース窪み16Cの位置に応じた角度だけ前側板42F及び後側板42Bが受渡搬送部筐体シャフト44を軸として左側面視で時計回りに回動する。
【0063】
このため現金自動取引装置1は、振分搬送部26が連結部30の真上よりも前側へずれている場合か、又は収納庫装填ケース16が連結部30の真下よりも後側へずれている場合は、可動ガイド58を、上端から下端に亘って前側ガイド面58SFと後側ガイド面58SBとの平行を保ち且つ搬送路幅を保ちつつ、受渡搬送部筐体シャフト44を軸に上端部が前方へ傾く姿勢にして、これらの上端部を振分搬送部固定ガイド54に、下端部を収納庫固定ガイド56にそれぞれ嵌合して、受渡搬送路33A乃至38Aを振分搬送路26A及び収納庫搬送路19AX乃至24AXにそれぞれ接続する。
【0064】
一方図12及び図13に示すように例えば振分搬送部26が後方向へ、収納庫装填ケース16が前方向へ、それぞれ正常な位置に対し例えば3mm程度位置ずれした場合、振分搬送部筐体窪み27Cから上側位置出しローラ48Tが外れない範囲において振分搬送部筐体窪み27Cに上側位置出しローラ48Tが嵌まり続けるように、且つ収納庫装填ケース窪み16Cから下側位置出しローラ48Dが外れない範囲において収納庫装填ケース窪み16Cに下側位置出しローラ48Dが嵌まり続けるように、振分搬送部筐体窪み27C及び収納庫装填ケース窪み16Cの位置に応じた角度だけ前側板42F及び後側板42Bが受渡搬送部筐体シャフト44を軸として左側面視で反時計回りに回動する。
【0065】
このため現金自動取引装置1は、振分搬送部26が連結部30の真上よりも後側へずれている場合か、又は収納庫装填ケース16が連結部30の真下よりも前側へずれている場合は、可動ガイド58を、上端から下端に亘って前側ガイド面58SFと後側ガイド面58SBとの平行を保ち且つ搬送路幅を保ちつつ、受渡搬送部筐体シャフト44を軸に上端部が後方へ傾く姿勢にして、これらの上端部を振分搬送部固定ガイド54に、下端部を収納庫固定ガイド56にそれぞれ嵌合して、受渡搬送路33A乃至38Aを振分搬送路26Aと収納庫搬送路19AX乃至24AXとにそれぞれ接続する。
【0066】
また図14に示すように例えば振分搬送部26と収納庫装填ケース16とが共に前方向へ、それぞれ正常な位置に対し位置ずれした場合、振分搬送部筐体窪み27Cから上側位置出しローラ48Tが外れない範囲において振分搬送部筐体窪み27Cに上側位置出しローラ48Tが嵌まり続けるように、且つ収納庫装填ケース窪み16Cから下側位置出しローラ48Dが外れない範囲において収納庫装填ケース窪み16Cに下側位置出しローラ48Dが嵌まり続けるように、受渡搬送部筐体左側シャフト44Lが左側ブラケット孔部32LH内部を、受渡搬送部筐体右側シャフト44R(図示せず)が右側ブラケット孔部32RH(図示せず)内部をそれぞれ前方向へ摺動することにより、前側板42F及び後側板42Bが前方向へ移動する。
【0067】
このため現金自動取引装置1は、振分搬送部26が連結部30の真上よりも前側へ、且つ収納庫装填ケース16が連結部30の真下よりも前側へずれている場合は、可動ガイド58を、上端から下端に亘って前側ガイド面58SFと後側ガイド面58SBとの平行を保ち且つ搬送路幅を保ちつつ前方向へ平行移動させて、上端部を振分搬送部固定ガイド54に、下端部を収納庫固定ガイド56にそれぞれ嵌合して、受渡搬送路33A乃至38Aを振分搬送路26Aと収納庫搬送路19AX乃至24AXとにそれぞれ接続する。以上は振分搬送部26と収納庫装填ケース16とが共に前方向へ位置ずれした場合について説明したが、振分搬送部26と収納庫装填ケース16とが共に後方向へ位置ずれした場合は、受渡搬送部筐体左側シャフト44Lが左側ブラケット孔部32LH内部を、受渡搬送部筐体右側シャフト44R(図示せず)が右側ブラケット孔部32RH(図示せず)内部をそれぞれ後方向へ摺動することにより、可動ガイド58が後方向へ移動する。
【0068】
このようにして現金自動取引装置1は、上部ユニット収納状態及び収納庫装填ケース収納状態において、連結部30に対する振分搬送部26及び収納庫装填ケース16の位置ずれに拘らずに、前側可動ガイド58F及び後側可動ガイド58Bの搬送路幅と前側ガイド面58SF及び後側可動ガイド58Bの平行関係とを保ったまま、受渡搬送路33A乃至38Aを振分搬送路26A及び収納庫搬送路19AX乃至24AXにそれぞれ接続することができる。
【0069】
よって現金自動取引装置1は、受渡搬送部33乃至38の可動ガイド58を前側や後側へ傾けた姿勢で振分搬送部26の対応する振分搬送部固定ガイド54と嵌合させても、その嵌合により接続される受渡搬送路33A乃至38Aの上端部と振分搬送路26Aの下端部との接続部分内に、当該可動ガイド58の先端部や振分搬送部固定ガイド54の下端部が入り込んで段差や凹みが形成されることを確実に防止することができる。また現金自動取引装置1は、受渡搬送部33乃至38の可動ガイド58を前側や後側へ傾けた姿勢で収納庫搬送部19A乃至24Aの対応する収納庫固定ガイド56と嵌合させても、その嵌合により接続される受渡搬送路33A乃至38Aの下端部と収納庫搬送路19AX乃至24AXの上端部との接続部分内に、当該可動ガイド58の先端部や収納庫固定ガイド56の上端部が入り込んで段差や凹みが形成されることを確実に防止することができる。
【0070】
そして現金自動取引装置1は、このように受渡搬送路33A乃至38Aの上端部と振分搬送路26Aの下端部と、受渡搬送路33A乃至38Aの下端部と収納庫搬送路19AX乃至24AXの上端部とを、接続部分内に段差や凹みが無いように接続し、且つ振分搬送路26Aの下端部との接続部分から収納庫搬送路19AX乃至24AXの上端部との接続部分までに亘って、振分搬送路26A及び収納庫搬送路20AXと同等の搬送路幅を保ち且つ前側ガイド面58SF及び後側可動ガイド58Bを平行に保つことで、実際に当該振分搬送路26A及び受渡搬送路33A乃至38Aを順次介して紙幣を搬送する場合、その接続部分で紙幣が詰まり、また破損することをほぼ確実に防止することができる。
【0071】
また現金自動取引装置1は、複数の受渡搬送部33乃至38それぞれにおける可動ガイド58が互いに独立して回動するようにした。これにより現金自動取引装置1は、振分搬送路26Aの複数の下端部と、それぞれ対応する受渡搬送路33A乃至38Aとの位置ずれの量や方向にばらつきがあっても、振分搬送路26Aの複数の下端部に対して、それぞれ対応する受渡搬送路33A乃至38Aの上端部を個別に精度良く位置決めして接続することができる。
【0072】
また現金自動取引装置1では、このように振分搬送路26Aの複数の下端部と、収納庫搬送路19AX乃至24AXの複数の上端部とに対して、それぞれ対応する受渡搬送路33A乃至38Aの端部を個別に精度良く位置決めして接続することができる。これにより現金自動取引装置1は、現金自動取引装置1を工場で組み立てる際や設置場所での上部ユニット13の交換の際に、当該上部ユニット13の前後方向に対する位置の調整の要求精度を、可動ガイド58の回転による位置決めでカバーできる程度まで下げることもできる。また現金自動取引装置1は、収納庫装填ケース16からリジェクト庫19又は紙幣収納庫20乃至24を交換して当該収納庫装填ケース16を収納する際に、当該収納庫装填ケース16の前後方向に対する位置の調整の要求精度を、可動ガイド58の回転による位置決めでカバーできる程度まで下げることもできる。
【0073】
そして現金自動取引装置1では、現金自動取引装置1を工場で組み立てる際や設置場所での上部ユニット13の交換の際に、当該上部ユニット13の前後方向に対する位置の調整の要求精度を下げれば、その分、上部ユニット13の前後方向に対する位置を調整する作業を簡略化することができる。また現金自動取引装置1では、収納庫装填ケース16からリジェクト庫19又は紙幣収納庫20乃至24を交換して当該収納庫装填ケース16を収納する際に、当該収納庫装填ケース16の前後方向に対する位置の調整の要求精度を下げれば、その分、収納庫装填ケース16の前後方向に対する位置を調整する作業を簡略化することができる。
【0074】
ここで、特開2013−242608号公報に示す現金自動取引装置のように、前側可動ガイド及び後側可動ガイドを互いの根元部の一面を対向させて回動可能に設けると共に、当該前側可動ガイド及び後側可動ガイドを連結板を介して連結して互いの一面を平行にしたまま回動可能にするものがある。このような構成の場合、前側可動ガイド及び後側可動ガイドが傾くと、互いの平行関係は保つものの、搬送路幅が振分搬送路及び収納庫搬送路よりも狭くなってしまう。
【0075】
これに対し現金自動取引装置1は、前側可動ガイド58Fと後側可動ガイド58Bとを受渡搬送部筐体42を介し一体化し、側面視で前側可動ガイド58Fと後側可動ガイド58Bとの間であり且つ上下方向のほぼ中央部に位置する受渡搬送部筐体シャフト44を軸として回動させるようにした。これにより現金自動取引装置1は、振分搬送路26A及び収納庫搬送路19AX乃至24AXと同等の搬送路幅で前側ガイド面58SFと後側ガイド面58SBとの平行関係を保ったまま可動ガイド58を傾けることができる。
【0076】
また特開2013−242608号公報に示す現金自動取引装置のように、受渡搬送部筐体に、左右方向に受部が受渡搬送部毎に所定間隔でずれるよう可動ガイドと連結され上部ユニット引出状態において引出方向に回動する回転制御レバーを取り付けると共に、振分搬送部筐体に、左右方向に押付部が受部の間隔と同じ間隔でずれるよう押付アームを設け、振分搬送部を有する上部ユニットの収納時に保守作業者に装置筐体内に押し込まれるだけで、その押し込みによる振分搬送部の移動により、当該振分搬送部の複数の押付アームの押付部をそれぞれ対応する回転制御レバーの受部に押し付けて、可動ガイドを、振分搬送部固定ガイドの位置に応じた角度まで一括して回動させるものがある。
【0077】
しかしながらこの場合、受渡搬送部の個数が多いほど左右方向の空間が必要となるため、現金自動取引装置が大型化してしまう。また保守時に受渡搬送部を交換する際に、複数の取付孔部のうちの保守対象となっている受渡搬送部を固定する取付孔部に応じた回転制御レバーが設けられた受渡搬送部を固定しないと、受渡搬送部が破損してしまう可能性がある。
【0078】
これに対し本実施の形態の現金自動取引装置1は、受渡搬送部33乃至38毎に左右方向の位置がずれることなく、全ての受渡搬送部33乃至38に対しスライド方向に沿った位置に振分搬送部筐体窪み27C及び上側位置出しローラ48Tが設けられている。このため現金自動取引装置1は、左右方向に大きな空間を必要とせず、装置が大型化することを抑止できる。また現金自動取引装置1は、保守時に受渡搬送部33乃至38を交換しても、全ての受渡搬送部33乃至38の上側位置出し部45Tが同様に構成されているため、受渡搬送部33乃至38が破損してしまう可能性をなくすことができる。
【0079】
以上の構成によれば、現金自動取引装置1は、所定の搬送路幅を空けて対向する互いに平行な一対の接続対象搬送路ガイド面である振分搬送部前側ガイド面54SF及び振分搬送部後側ガイド面54SBと収納庫前側ガイド面56SF及び収納庫後側ガイド面56SBとによりそれぞれ紙葉類としての紙幣の搬送路が形成された一対の接続側搬送ガイドである振分搬送部固定ガイド54と収納庫固定ガイド56と、振分搬送部固定ガイド54及び収納庫固定ガイド56の搬送路幅と同等の搬送路幅を空けて対向する互いに平行なガイド面である前側ガイド面58SF及び後側ガイド面58SBの間に紙幣の搬送路が形成され、振分搬送部固定ガイド54及び収納庫固定ガイド56の端部と紙幣の搬送方向の一端部が嵌合する一対の搬送ガイドである可動ガイド58と、可動ガイド58を振分搬送部固定ガイド54及び収納庫固定ガイド56の位置に応じて、搬送路幅を保ちつつ前側ガイド面58SF及び後側ガイド面58SBの互いの平行を保ったまま回動可能に支持する支持部である可動ガイド支持部60とを設けるようにした。
【0080】
これにより現金自動取引装置1は、受渡搬送路33A乃至38Aに対する振分搬送路26A又は収納庫搬送路19AX乃至24AXの位置ずれにより、前側可動ガイド58F及び後側可動ガイド58Bを前側や後側へ傾けた姿勢で振分搬送部固定ガイド54及び収納庫固定ガイド56と嵌合させても、振分搬送路26A、受渡搬送路33A乃至38A及び収納庫搬送路19AX乃至24AXを、互いに搬送路幅を変化させずに接続することにより、受渡搬送路33A乃至38Aの搬送路幅が振分搬送路26A及び収納庫搬送路19AX乃至24AXよりも狭くなることと、接続部分内に段差や凹みが形成されることとを確実に防止することができる。
【0081】
[2.第2の実施の形態]
[2−1.現金自動取引装置の構成]
図1及び図2に示すように、第2の実施の形態による現金自動取引装置101は、第1の実施の形態による現金自動取引装置1と比較して、振分搬送部126、連結部130の受渡搬送部133乃至138及び収納庫装填ケース116が、振分搬送部26、連結部30の受渡搬送部33乃至38及び収納庫装填ケース16と相違するものの、それ以外は同様に構成されている。
【0082】
[2−2.連結部の構成]
連結部130は、連結筐体31(図示せず)に受渡搬送部133乃至138が後方向に沿って順に取り付けられている。受渡搬送部133乃至138は基本的には同様に構成されているため、以下では受渡搬送部134の構成について説明する。図15に示すように上側位置出し部145Tは、振分搬送部126の上側付勢部146Tと、受渡搬送部134における左側ブラケット132Lのブラケット上側窪み132TCとにより構成され、下側位置出し部145Dは、収納庫装填ケース116の下側付勢部146Dと、受渡搬送部134における左側ブラケット132Lのブラケット下側窪み132DCとにより構成されている。
【0083】
上側付勢部146Tは、上側支持部(図示せず)、上側位置出しローラ148T、上側位置出しローラシャフト149T及び上側スプリング(図示せず)により構成されている。上側位置出しローラ148Tは、受渡搬送部筐体42に向かう下方向へ図示しない上側スプリングにより付勢されつつ、上側位置出しローラシャフト149Tが振分搬送部筐体127に穿設された図示しない上側支持部孔に対し摺動可能に支持されて受渡搬送部筐体42に対し離接する方向へ移動可能であり、且つ側面視において上側位置出しローラシャフト149Tを中心に回転自在に構成されている。下側付勢部146Dは、上側付勢部146Tに対し受渡搬送部筐体シャフト44を中心として点対称に構成されているためその説明を省略するが、下側位置出しローラ148Dが、受渡搬送部筐体42に向かう上方向へ付勢されつつ、受渡搬送部筐体42に対し離接する方向へ移動可能であり、且つ側面視において下側位置出しローラシャフト149Dを中心に回転自在に構成されている。
【0084】
受渡搬送部133乃至138は、上側位置出しローラ148Tをブラケット上側窪み132TCの上端面に押し付けることにより、当該受渡搬送部133乃至138に対し振分搬送部126を位置決めする。また受渡搬送部133乃至138は、下側位置出しローラ148Dをブラケット下側窪み132DCの下端面に押し付けることにより、当該受渡搬送部133乃至138に対し収納庫装填ケース116を位置決めする。
【0085】
また受渡搬送部133乃至138は、上側位置出しローラ148Tがブラケット上側窪み132TCに嵌り込んだ状態において、上部ユニット13に対しスライド方向に沿って所定以上の力が加わった場合、上側スプリング(図示せず)を圧縮し上側位置出しローラ148Tを受渡搬送部筐体42から離隔する方向へ移動させることにより、当該上側位置出しローラ148Tをブラケット上側窪み132TCから外し、金庫天板15Tの上端面に当接させる。さらに受渡搬送部133乃至138は、下側位置出しローラ148Dがブラケット下側窪み132DCに嵌り込んだ状態において、収納庫装填ケース116に対しスライド方向に沿って所定以上の力が加わった場合、下側スプリング(図示せず)を圧縮し下側位置出しローラ148Dを受渡搬送部筐体42から離隔する方向へ移動させることにより、当該下側位置出しローラ148Dをブラケット下側窪み132DCから外し、金庫天板15Tの下端面に当接させる。
【0086】
このように連結部130は、受渡搬送部133乃至138それぞれのブラケット上側窪み132TCに、対応する上側位置出しローラ148Tを係合させることにより、上部ユニット収納状態において連結部130に対し振分搬送部126を位置決めする。また連結部130は、受渡搬送部133乃至138それぞれのブラケット下側窪み132DCに、対応する下側位置出しローラ148Dを係合させることにより、収納庫装填ケース収納状態において連結部130に対し収納庫装填ケース116を位置決めする。
【0087】
ところで一般的に、金庫筐体15の表面は、振分搬送部筐体127及び収納庫装填ケース116の表面よりもざらついていることが多い。現金自動取引装置101においては、振分搬送部126及び収納庫装填ケース116の出し入れの際、上側位置出しローラ148T及び下側位置出しローラ148Dが金庫筐体15の表面に接触しつつ転がるため、現金自動取引装置1のように上側位置出しローラ48T及び下側位置出しローラ48Dが振分搬送部筐体27及び収納庫装填ケース16の表面に接触しつつ転がる場合よりも、上側位置出しローラ148T及び下側位置出しローラ148Dの消耗が早い可能性がある。
【0088】
また、現金自動取引装置1のように受渡搬送部筐体42に設けられた上側位置出しローラ48Tを振分搬送部筐体27に、受渡搬送部筐体42に設けられた下側位置出しローラ48Dを収納庫装填ケース16にそれぞれ当接させる場合と比べて、現金自動取引装置101は、振分搬送部筐体127に設けられた上側位置出しローラ148Tをブラケット上側窪み132TCに、収納庫装填ケース116に設けられた下側位置出しローラ148Dをブラケット下側窪み132DCに当接させるため、受渡搬送部筐体シャフト44に対する上側位置出しローラ148Tとブラケット上側窪み132TCとの接触点との距離と、下側位置出しローラ148Dとブラケット下側窪み132DCとの接触点との距離は、現金自動取引装置1における上側位置出しローラ48Tと振分搬送部筐体窪み27Cとの接触点との距離と、下側位置出しローラ48Dと収納庫装填ケース窪み16Cとの接触点との距離よりも短くなる。すなわち現金自動取引装置101においては、現金自動取引装置1よりも受渡搬送部筐体42の回転中心(受渡搬送部筐体シャフト44)に近い位置で、可動ガイド58の回動角度を設定することになる。このため現金自動取引装置101よりも現金自動取引装置1の方が、受渡搬送部筐体42の回転中心から遠い位置で可動ガイド58の回動角度を設定することができるため、可動ガイド58の回動角度の誤差を小さくし、可動ガイド58を、振分搬送部固定ガイド54及び収納庫固定ガイド56の位置まで正確に回動させることができる。
【0089】
[3.他の実施の形態]
[3−1.他の実施の形態1]
なお上述した第1の実施の形態においては、上側位置出し部45Tにおいて、上側位置出しローラ48Tを振分搬送部筐体窪み27Cに嵌合させる場合について述べた。本発明はこれに限らず、図16に示す上側位置出し部245Tのように、上端部が振分搬送部筐体窪み27Cに嵌合する側面視ホームベース形状であり、圧縮スプリングにより振分搬送部筐体27に向かう上方向へ付勢され、当該振分搬送部筐体27から離隔する方向へ移動可能な上側位置出し突起61Tを設けても良い。下側位置出し部245Dについても、受渡搬送部筐体シャフト44を中心に上側位置出し部245Tと点対称に構成された下側位置出し突起61Dを設けて良い。
【0090】
[3−2.他の実施の形態2]
また図17に示す上側位置出し部345Tのように、振分搬送部後側固定ガイド54B及び振分搬送部前側固定ガイド54Fの下端部における櫛歯形状の先端部と、後側可動ガイド58B及び前側可動ガイド58Fの櫛歯形状のうち振分搬送部後側固定ガイド54B及び振分搬送部前側固定ガイド54Fの先端部と対向する箇所とに互いに吸着する上側磁石62Tを設け、収納庫後側固定ガイド56B及び収納庫前側固定ガイド56Fの上端部における櫛歯形状の先端部と、後側可動ガイド58B及び前側可動ガイド58Fの櫛歯形状のうち収納庫後側固定ガイド56B及び収納庫前側固定ガイド56Fの先端部と対向する箇所とに互いに吸着する下側磁石62Dを設けても良い。
【0091】
[3−3.他の実施の形態3]
また上述した実施の形態においては、装置筐体2の前面を覆う装置筐体前扉2Aと、金庫筐体15の前面を覆う金庫筐体前扉15Bとを開閉可能に設け、装置筐体前扉2Aを開放した際に上部ユニット13を、装置筐体前扉2A及び金庫筐体前扉15Bを開放した際に収納庫装填ケース16を、引出方向としての前方向に引き出し可能にする場合について述べた。本発明はこれに限らず、図18に示す現金自動取引装置201のように、装置筐体2の後面を覆う装置筐体後扉2Bと、金庫筐体15の後面を覆う金庫筐体後扉(図示せず)とを開閉可能に設け、装置筐体後扉2Bを開放した際に上部ユニット13を、装置筐体後扉2B及び金庫筐体後扉を開放した際に収納庫装填ケース16を、引出方向としての後方向に引き出し可能にしても良い。又は、装置筐体前扉2A及び装置筐体後扉2Bの両方と、金庫筐体前扉15B及び金庫筐体後扉の両方とが設けられた現金自動取引装置に対し本発明を適用しても良い。
【0092】
ところで通常、現金自動取引装置は設置される環境に応じて、装置筐体前扉か装置筐体後扉かの何れかが設けられた装置筐体が選択され、金庫筐体前扉か金庫筐体後扉かの何れかが設けられた金庫筐体が選択される。
【0093】
ここで、上述したように特開2013−242608号公報に示す現金自動取引装置のように、受渡搬送部筐体に、左右方向に受部が受渡搬送部毎に所定間隔でずれるよう可動ガイドと連結され上部ユニット引出状態において引出方向に回動する回転制御レバーを取り付けると共に、振分搬送部筐体に、左右方向に押付部が受部の間隔と同じ間隔でずれるよう押付アームを設け、振分搬送部を有する上部ユニットの収納時に保守作業者に装置筐体内に押し込まれるだけで、その押し込みによる振分搬送部の移動により、当該振分搬送部の複数の押付アームの押付部を、それぞれ対応する回転制御レバーの受部に押し付けて可動ガイドを、振分搬送部固定ガイドの位置に応じた角度まで一括して回転させるものがある。
【0094】
このためこのような現金自動取引装置では、上部ユニット引出状態において引出方向に回動している回転制御レバーを、上部ユニットの収納時に回動させるため、装置筐体前扉が設けられている現金自動取引装置(以下では前開き現金自動取引装置とも呼ぶ)に対しては、前開き現金自動取引装置専用の回転制御レバーが取り付けられた受渡搬送部を用意し、装置筐体後扉が設けられている現金自動取引装置(以下では後開き現金自動取引装置とも呼ぶ)に対しては、後開き現金自動取引装置専用の回転制御レバーが取り付けられた受渡搬送部を用意する必要がある。すなわち上部ユニットの引出方向に応じた専用設計の受渡搬送部を用意する必要がある。
【0095】
これに対し第1の実施の形態の現金自動取引装置1は、位置出し部45の機構の構成を前後対称に設け、振分搬送部筐体窪み27Cに上側位置出しローラ48Tが嵌り込むことにより、位置出しを行うようにした。このため現金自動取引装置1は、前開き現金自動取引装置と後開き現金自動取引装置との何れに対しても一種類の受渡搬送部を設けるだけでよく、上部ユニットの引出方向に応じた専用設計の受渡搬送部を用意する必要がない。
【0096】
[3−4.他の実施の形態4]
さらに上述した第1の実施の形態においては、位置出し部45として、上側位置出し部45Tと下側位置出し部45Dとの両方を設ける場合について述べた。本発明はこれに限らず、上側位置出し部45Tか下側位置出し部45Dかの何れか一方のみを設けても良い。第2の実施の形態においても同様である。
【0097】
[3−5.他の実施の形態5]
さらに上述した第1の実施の形態においては、左側位置出し部45Lと右側位置出し部45Rとの両方を設ける場合について述べた。本発明はこれに限らず、左側位置出し部45Lか右側位置出し部45Rかの何れか一方のみを設けても良い。第2の実施の形態においても同様である。
【0098】
[3−6.他の実施の形態6]
さらに上述した第1の実施の形態においては、収納庫装填ケース16に設けた収納庫装填ケース窪み16Cに下側位置出しローラ48Dを嵌合させる場合について述べた。本発明はこれに限らず、リジェクト庫19及び紙幣収納庫20乃至24に設けた窪みに下側位置出しローラ48Dを嵌合させても良い。
【0099】
[3−7.他の実施の形態7]
さらに上述した実施の形態においては、互いに一体化して形成された前側可動ガイド58Fと後側可動ガイド58Bとが、受渡搬送部筐体シャフト44を軸に回動する場合について述べた。本発明はこれに限らず、要は、前側ガイド面58SFと後側ガイド面58SBとの平行関係及び搬送路幅を保ちつつ回動する構成であれば良い。
【0100】
[3−8.他の実施の形態8]
さらに上述した第1の実施の形態においては、振分搬送部26の複数の搬送路接続部分にそれぞれ振分搬送部固定ガイド54を固設し、複数の受渡搬送部33乃至38に搬送路幅と前側可動ガイド58F及び後側可動ガイド58Bとの平行関係とを保ちつつ回動可能な可動ガイドを設けるようにした場合について述べた。本発明はこれに限らず、振分搬送部26の複数の搬送路接続部分に、それぞれ搬送路幅と振分搬送部前側固定ガイド及び振分搬送部後側固定ガイドとの平行関係とを保ちつつ回動可能な振分搬送部固定ガイドを設け、複数の受渡搬送部33乃至38に前側可動ガイド58F及び後側可動ガイド58Bに換えて一対の搬送ガイドを固設するようにしても良い。可動ガイド58と収納庫固定ガイド56とについても同様である。
【0101】
[3−9.他の実施の形態9]
さらに上述した実施の形態においては、現金を取引する現金自動取引装置1及び101において、媒体としての紙幣を搬送する場合に本発明を適用する場合について述べた。本発明はこれに限らず、例えば商品券や金券、入場券等のような薄い紙状の媒体を搬送する種々の装置に本発明を適用しても良い。また、例えば紙幣を入出する紙幣入出金機や紙幣を所定枚数毎に施封する施封小束支払機等、紙幣や硬貨の取引に関する種々の処理を行う複数種類の装置の組み合わせにより構成された現金処理装置に本発明を適用してもよい。
【0102】
[3−10.他の実施の形態10]
さらに上述した実施の形態においては、搬送ガイドとしての可動ガイド58と、支持部としての可動ガイド支持部60とによって、紙葉類搬送装置としての連結部30を構成する場合について述べた。本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる搬送ガイドと、支持部とによって、紙葉類搬送装置を構成しても良い。
【0103】
[3−11.他の実施の形態11]
さらに上述した実施の形態においては、接続側搬送ガイドとしての振分搬送部固定ガイド54及び収納庫固定ガイド56と、搬送ガイドとしての可動ガイド58と、支持部としての可動ガイド支持部60とによって、紙葉類取扱装置としての現金自動取引装置1を構成する場合について述べた。本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる接続側搬送ガイドと、搬送ガイドと、支持部とによって、現金自動取引装置1を構成しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0104】
本発明は、紙幣、切符、チケット、コピー用紙、葉書、有価証券等の紙葉類を搬送する紙葉類搬送装置と、紙葉類搬送装置によって搬送される紙幣、切符、チケット、コピー用紙、葉書、有価証券等の紙葉類を取り扱う紙葉類取扱装置とに利用することができる。
【符号の説明】
【0105】
1、101、201……現金自動取引装置、2……装置筐体、2A……装置筐体前扉、2B……装置筐体後扉、3……フロントパネル、3A……上向パネル、3B……前向パネル4……操作表示部、5……紙幣投入取出部、7……通帳挿入排出口、8……カード挿入排出口、10……制御部、11……紙幣処理機、12……下部ユニット、13……上部ユニット、15……金庫筐体、15T……金庫天板、15TA……連結孔部、15B……金庫筐体前扉、16、116……収納庫装填ケース、16R……右側板、16L……左側板、16B……後板、16F……前板、16C……収納庫装填ケース窪み、19……リジェクト庫、20〜24……紙幣収納庫、19A〜24A……収納庫搬送部、19AX〜24AX……収納庫搬送路、25……上部筐体、25A……上部筐体搬送路、26、126……振分搬送部、26A……振分搬送路、27、127……振分搬送部筐体、27R……右側板、27L……左側板、27B……後板、27F……前板、27T……天板、27C……振分搬送部筐体窪み、28……鑑別部、29……一時保留部、30、130……連結部、31……連結筐体、31A……取付部、31AA……取付孔部、32L、132L……左側ブラケット、32LH……左側ブラケット孔部、32R……右側ブラケット、32RH……右側ブラケット孔部、132TC……ブラケット上側窪み、132DC……ブラケット下側窪み、33〜38、133〜138……受渡搬送部、33A〜38A……受渡搬送路、40……上側スライドレール、41……下側スライドレール、42……受渡搬送部筐体、42L……左側板、42R……右側板、42B……後側板、42F……前側板、44L……受渡搬送部筐体左側シャフト、44R……受渡搬送部筐体右側シャフト、44……受渡搬送部筐体シャフト、45、145……位置出し部、45L……左側位置出し部、45R……右側位置出し部、45T、145T、245T、345T……上側位置出し部、45D、145D、245D、345D……下側位置出し部、46T、146T……上側付勢部、46D、146D……下側付勢部、47T……上側支持部、48T、148T……上側位置出しローラ、49T、149T……上側位置出しローラシャフト、50T……上側スプリング、51T……シャフト支持板、51HT……上側支持部孔、47D……下側支持部、48D、148D……下側位置出しローラ、49D、149D……下側位置出しローラシャフト、50D……下側スプリング、51D……シャフト支持板、51HD……下側支持部孔、54F……振分搬送部前側固定ガイド、54B……振分搬送部後側固定ガイド、54……振分搬送部固定ガイド54SF……振分搬送部前側ガイド面、54SB……振分搬送部後側ガイド面、54S……振分搬送部ガイド面、56F……収納庫前側固定ガイド、56B……収納庫後側固定ガイド、56……収納庫固定ガイド、56SF……収納庫前側ガイド面、56SF……収納庫後側ガイド面、56……収納庫ガイド面、58F……前側可動ガイド、58SF……前側ガイド面、58B……後側可動ガイド、58SB……後側ガイド面、58……可動ガイド、60……可動ガイド支持部、61T……上側位置出し突起、61D……下側位置出し突起、62T……上側磁石、62D……下側磁石。
図1
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