(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このようなクラッチ機構を設けることにより構成が複雑化する。そして、これが装置の大型化や製造コストの増大を招く一因となる可能性があることから、この点において、なお改善の余地を残すものとなっていた。
【0007】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、簡素な構成にて、ラッチ機構の円滑な動作を担保しつつ効率的にロック部材を駆動することのできるクローザ装置及び車両用ドアロック装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するクローザ装置は、アクチュエータに駆動される第1駆動ギヤと、前記第1駆動ギヤに噛合して前記アクチュエータの駆動力が伝達されることによりラッチ機構のロック部材を回動させる第2駆動ギヤと、を備えるとともに、前記第1駆動ギヤには、前記アクチュエータの駆動力に基づき回動することにより前記第2駆動ギヤに噛合しない状態から該第2駆動ギヤに噛合する状態に移行するセクターギヤが用いられたものであることが好ましい。
【0009】
上記構成によれば、ギヤ列(歯車機構)を介して効率的にラッチ機構のロック部材を駆動することができる。また、第1駆動ギヤは、アクチュエータに駆動されることにより回動して第2駆動ギヤに噛合しない状態から当該第2駆動ギヤに噛合する状態に移行する。即ち、待機状態となる通常時には、これら第1駆動ギヤと第2駆動ギヤとの間でアクチュエータのトルク伝達経路が切断された状態になっている。そして、これにより、ロック部材の自由回動を許容することで、ラッチ機構の円滑な動作を担保することができる。
【0010】
上記課題を解決するクローザ装置は、前記第1駆動ギヤ及び第2駆動ギヤは、互いの噛み合いが開始される部分のギヤ歯間隔が他の部分のギヤ歯間隔よりも広く設定されることが好ましい。
【0011】
上記構成によれば、噛み合い開始時におけるギヤ歯間の干渉を抑えることができる。そして、これより、その第1駆動ギヤと第2駆動ギヤとの円滑な噛み合いを担保して、高い信頼性及び静粛性を確保することができる。
【0012】
上記課題を解決するクローザ装置は、前記第2駆動ギヤと一体に回動することにより前記ロック部材に係合して該ロック部材を回動させるレバー部材を備えるとともに、前記レバー部材側の係合部とロック部材側の係合部との間には、前記第1駆動ギヤと前記第2駆動ギヤとが噛み合う際、前記レバー部材側の係合部が空走するような隙間が設定されることが好ましい。
【0013】
即ち、第1駆動ギヤと第2駆動ギヤとの噛み合いは、その第1駆動ギヤの回動に伴い互いに噛み合うギヤ歯が一歯ずつ増えてゆくことにより確立される。このため、噛み合い始めの段階においては、その噛合状態にある少数のギヤ歯に負荷が集中することになる。しかしながら、上記構成によれば、その第1駆動ギヤと第2駆動ギヤとの噛み合いが確立された後に、これら第1駆動ギヤ及び第2駆動ギヤを介した駆動力の伝達を開始することが可能になる。そして、これにより、特定のギヤ歯に対する負荷の集中を回避して、高い信頼性を確保することができる。
【0014】
上記課題を解決するクローザ装置は、前記第2駆動ギヤに前記駆動力が伝達されることにより前記レバー部材が回動する方向とは逆向きに該レバー部材を回動付勢する付勢部材と、前記付勢部材に付勢された前記レバー部材に当接して該レバー部材の回動を規制することにより前記第1駆動ギヤに対する前記第2駆動ギヤの噛み合いが開始される部分を所定の噛み合い開始位置に保持するストッパ部と、を備えることが好ましい。
【0015】
上記構成によれば、第1駆動ギヤと第2駆動ギヤとの噛み合いが開始される位置を一定に保つことができる。そして、これより、その第1駆動ギヤと第2駆動ギヤとの円滑な噛み合いを担保して、高い信頼性及び静粛性を確保することができる。
【0016】
上記課題を解決するクローザ装置は、前記第2駆動ギヤは、セクターギヤであることが好ましい。
上記構成によれば、第2駆動ギヤの占有スペースを抑えて高い設計自由度を確保することができる。
【0017】
上記課題を解決するクローザ装置は、前記ラッチ機構は、ストライカに対する係合溝を有したラッチと、前記ラッチに係合することにより該ラッチの回動を規制するポールと、を備えるものであって、前記第2駆動ギヤは、前記ラッチを回動させるものであることが好ましい。
【0018】
即ち、ラッチを回動させてラッチ機構をハーフラッチ状態からフルラッチ状態に移行させるクローズ動作時には、その反クローズ方向の付勢力に対抗する強い駆動力が要求される。従って、上記構成によれば、より効率的且つ確実にラッチ機構をクローズ動作させることができる。
【0019】
上記課題を解決するクローザ装置は、前記第1駆動ギヤと一体に回動する押圧部材と、前記第1駆動ギヤが前記第2駆動ギヤに噛合する方向とは逆方向に回動する前記押圧部材に当接して該押圧部材に押圧されることにより前記ポールを回動させるレバー部材と、を備えることが好ましい。
【0020】
上記構成によれば、ラッチを回動させる場合(クローズ作動)と共通のギヤ列を用いてアクチュエータの駆動力に基づきポールを回動させることができる(リリース作動)。そして、これにより、簡素な構成にて、効率的にラッチ機構をクローズ動作及びリリース動作させることができる。
【0021】
上記課題を解決する車両用ドアロック装置は、上記何れかに記載のクローザ装置を備えたものであることが好ましい。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、簡素な構成にて、ラッチ機構の円滑な動作を担保しつつ効率的にロック部材を駆動することができる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、クローザ装置及び車両用ドアロック装置の一実施形態を図面に従って説明する。
図1〜
図3に示すように、車両用のドアロック装置1は、図示しない車両ドアの開閉動作に伴い相対移動するストライカ10に係合するラッチ機構20と、その係合したストライカ10を相対移動不能に拘束すべくラッチ機構20をハーフラッチ状態からフルラッチ状態へと移行させるクローザ装置30と、を備えている。
【0025】
尚、本実施形態のドアロック装置1は、図示しない車両のバックドアに設けられている。そして、車両の後方開口部に設けられたストライカ10を相対移動不能に拘束することにより、そのバックドアを全閉状態に保持することが可能になっている。
【0026】
詳述すると、本実施形態のドアロック装置1は、ストライカ入出部41を有したベースプレート42を備えている。そして、ラッチ機構20は、そのストライカ入出部41に進入したストライカ10に係合するラッチ43と、このストライカ10に係合するポール44と、を備えている。
【0027】
具体的には、ベースプレート42は、略平板状に形成された基部42aを有している。尚、本実施形態のベースプレート42は、板材を塑性加工(プレス加工)することにより形成されている。そして、ストライカ入出部41は、その基部42aの一端をスリット状に切り欠くかたちで設けられている。
【0028】
また、このベースプレート42の基部42a上には、そのストライカ入出部41を溝幅方向(
図1及び
図3中、左右方向)に挟む態様で、二本の支持軸45,46が立設されている。本実施形態では、これらの各支持軸45,46は、その基端側がベースプレート42の基部42aを貫通するかたちで回動可能に設けられている。そして、ラッチ43及びポール44は、それぞれ、これらの各支持軸45,46に固定されることにより、当該各支持軸45,46と一体に回動するように構成されている。
【0029】
さらに詳述すると、
図4〜
図10に示すように、略平板状に形成されたラッチ43には、その外周面に開口するストライカ係合溝47が形成されている。また、ラッチ43は、図示しないラッチ付勢バネ(コイルバネ)によって、各図中、反時計回り方向に回動付勢されている。更に、このラッチ43は、ベースプレート42に設けられたストッパ部(図示略)に当接することにより、上記ストライカ入出部41にストライカ係合溝47の開口端が臨む位置において、そのラッチ付勢バネの付勢力に基づく回動が規制されるようになっている。そして、本実施形態のラッチ機構20は、これにより、そのストライカ入出部41に進入したストライカ10がラッチ43のストライカ係合溝47に係合するように構成されている。
【0030】
一方、ポール44は、図示しないポール付勢バネ(捩りコイルバネ)によって、各図中、時計回り方向に回動付勢されている。また、ポール44には、そのポール付勢バネの付勢力に基づく回動によって、ラッチ43の外周面に近接する方向に移動する係合部44aが設けられている。更に、ポール44は、ストライカ係合溝47にストライカ10が係合した状態で、その係合部44aがラッチ43の外周面に係合するように構成されている。そして、本実施形態のラッチ機構20は、これにより、そのラッチ43のストライカ係合溝47にストライカ10が係合する状態を保持することが可能になっている。
【0031】
即ち、
図5及び
図6に示すように、ストライカ入出部41に進入したストライカ10は、ストライカ係合溝47に係合することにより、そのラッチ43を押圧しつつ、ストライカ入出部41内を奥側(各図中、下側から上側)に向かって相対移動する。そして、これにより、そのラッチ付勢バネの付勢力に抗して、各図中、時計回り方向にラッチ43が回動する。
【0032】
また、このとき、ポール44の係合部44aは、ポール付勢バネの付勢力に基づきラッチ43の外周面に押し当てられた状態で、見かけ上、その当接するラッチ43の外周面上を摺動する。そして、本実施形態のラッチ機構20は、これにより、その外周面に形成されたラッチ43側の係合部43aにポール44側の係合部44aが係合することで、ラッチ43の回動が規制されるようになっている。
【0033】
具体的には、本実施形態では、このラッチ43側の係合部43aは、ストライカ係合溝47の開口端、詳しくは、そのストライカ10が係合することにより押圧される側(各図中、上側)の側壁面に設定されている。そして、本実施形態のラッチ機構20は、これにより、そのラッチ付勢バネによる付勢方向、つまりはストライカ係合溝47からストライカ10が排出される方向の回動を規制することで、そのラッチ43にストライカ10が係合する状態を保持する構成になっている(ハーフラッチ状態)。
【0034】
また、本実施形態のドアロック装置1は、このようにラッチ機構20がハーフラッチ状態となった場合には、当該ラッチ機構20をクローズ動作させるべく、そのクローザ装置30が作動するように構成されている。
【0035】
即ち、
図7及び
図8に示すように、本実施形態のラッチ機構20は、クローザ装置30に駆動されることにより、そのハーフラッチ状態に対応する回動位置(
図6参照、ハーフラッチ位置Ph)からラッチ付勢バネの付勢力に抗してラッチ43がクローズ方向(各図中、時計回り方向)に回動するように構成されている。また、ポール44は、ラッチ43の周面に形成された第2の係合部43bに係合することにより、そのクローズ方向に回動した位置(
図8参照、フルラッチ位置Pf)において、ラッチ付勢バネの付勢力に基づくラッチ43の回動を規制するように構成されている。そして、本実施形態のラッチ機構20は、これにより、そのラッチ43のストライカ係合溝47に係合するストライカ10を相対移動不能に拘束するフルラッチ状態に移行する構成になっている。
【0036】
更に、本実施形態のドアロック装置1は、例えば、図示しない開動作スイッチに対する操作入力等に基づいて、そのラッチ機構20をリリース動作させるべく、クローザ装置30が作動するように構成されている。
【0037】
即ち、
図9及び
図10に示すように、本実施形態のラッチ機構20は、クローザ装置30に駆動されることにより、そのポール44がポール付勢バネの付勢力に抗して、各図中、反時計回り方向に回動するように構成されている(リリース位置Pr)。また、ラッチ43は、これによりポール44との係合による回動規制が解除されることで、そのラッチ付勢バネの付勢力に基づいて、反クローズ方向に回動する(
図10中、反時計回り方向)。そして、本実施形態のラッチ機構20は、これによりストライカ10の拘束を解除し、当該ストライカ10をストライカ係合溝47から排出することで、
図4に示されるようなアンロック状態に復帰するように構成されている。
【0038】
(クローザ装置)
次に、本実施形態のドアロック装置1に設けられたクローザ装置30について説明する。
【0039】
図1〜
図3に示すように、本実施形態のクローザ装置30は、モータ50を駆動源とするアクチュエータ51と、そのアクチュエータ51の回転を減速する減速機構52と、を備えている。
【0040】
詳述すると、本実施形態のドアロック装置1は、上記のようにラッチ機構20のロック部材を構成するラッチ43及びポール44の各支持軸45,46とともにベースプレート42の基部42a上に立設された二本の支持軸55,56を備えている。尚、本実施形態では、各支持軸55,56の基端部は、ベースプレート42の基部42aに対して相対回転不能に固定されている。また、これらの各支持軸55,56には、それぞれ減速ギヤ(61,62)が軸支されている。そして、本実施形態の減速機構52は、その支持軸55に軸支された第1減速ギヤ61側に、アクチュエータ51の出力ギヤ(図示略、ピニオン又はウォーム)が噛合されるようになっている。
【0041】
具体的には、本実施形態では、支持軸55には、その第1減速ギヤ61と一体に回動するピニオンギヤ63が支持されている。尚、本実施形態では、このピニオンギヤ63は、両者の間に介在されるスペーサ64とともに第1減速ギヤ61と一体に形成されている。また、第2減速ギヤ62は、このピニオンギヤ63に噛合する状態で支持軸56に支持されている。そして、本実施形態の減速機構52は、その図示しないアクチュエータ51の出力ギヤと第1減速ギヤ61との間のギヤ比、及びピニオンギヤ63と第2減速ギヤ62とのギヤ比に基づいて、そのアクチュエータ51の回転を減速する構成になっている。
【0042】
また、本実施形態のクローザ装置30は、減速機構52を介してアクチュエータ51に駆動される第1駆動ギヤ71と、この第1駆動ギヤ71に噛合することにより回動する第2駆動ギヤ72を備えている。本実施形態では、第1駆動ギヤ71は、減速機構52の最終ギヤを構成する第2減速ギヤ62と一体に形成されている。そして、第2駆動ギヤ72は、ラッチ43の支持軸45に軸支されたラッチレバー73と一体に形成されている。
【0043】
具体的には、本実施形態のラッチレバー73は、略平板状の外形を有して支持軸45に軸支されることによりラッチ43と平行に配置される連結部73aを備えている。また、この連結部73aの周縁部には、周方向に並ぶ複数のギヤ歯74が形成されている。そして、本実施形態のラッチレバー73は、これにより、その連結部73aと第2駆動ギヤ72として機能するセクターギヤ75とが一体に形成された構成になっている。
【0044】
更に、このラッチレバー73は、その連結部73aの周縁部から支持軸45の延伸方向に沿ってラッチ43側に延びるレバー部73bを備えている。そして、本実施形態のラッチ43には、このレバー部73bに対する係合部43dが設けられている。
【0045】
即ち、ラッチレバー73は、第2駆動ギヤ72に歯合する第1駆動ギヤ71を介してアクチュエータ51の駆動力が伝達されることにより回動する。そして、本実施形態のクローザ装置30は、そのラッチレバー73がラッチ43を回動させることにより、ラッチ機構20をクローズ動作させる構成になっている。
【0046】
さらに詳述すると、
図11〜
図16に示すように、本実施形態の第1駆動ギヤ71には、そのギヤ歯76が形成された周方向範囲において第2駆動ギヤ72に噛合するセクターギヤ77が用いられている。そして、この第1駆動ギヤ71の初期位置P0は、その第2駆動ギヤ72と歯合しない回動位置に設定されている。
【0047】
即ち、本実施形態のクローザ装置30は、待機状態となる通常時には、これら第1駆動ギヤ71と第2駆動ギヤ72との間でアクチュエータ51のトルク伝達経路が切断された状態となるように構成されている。そして、これにより、ラッチ43の自由回動を許容することで、ラッチ機構20の円滑な動作を担保する。詳しくは、そのアンラッチ状態からハーフラッチ状態への移行、及びフルラッチ状態からアンラッチ状態への移行が円滑に行われるようになっている。
【0048】
また、
図11〜
図13に示すように、本実施形態のクローザ装置30は、ラッチ43に対するストライカ10の係合によりラッチ機構20がハーフラッチ状態に移行した後のクローズ作動時には、その減速機構52の最終ギヤを構成する第2減速ギヤ62が、各図中、反時計回り方向(第1方向)に回動するように構成されている。即ち、この第2減速ギヤ62と一体に第1駆動ギヤ71が回動して第2駆動ギヤに噛合しない状態から当該第2駆動ギヤ72に噛合する状態に移行することにより、そのクローズ作動時におけるアクチュエータ51のトルク伝達経路が確立される。そして、本実施形態のクローザ装置30は、これにより第2駆動ギヤ72に伝達される駆動力に基づいて、その第2駆動ギヤ72と一体に形成されたラッチレバー73がクローズ方向(各図中、時計回り方向)に回動する構成になっている。
【0049】
ここで、
図12及び
図14に示すように、本実施形態の第1駆動ギヤ71及び第2駆動ギヤ72は、それぞれ、その互いの噛み合いが開始される部分におけるギヤ歯間隔α1,β1が、その他の部分のギヤ歯間隔α0,β0よりも広く設定されている。具体的には、第1駆動ギヤ71を構成するセクターギヤ77は、その噛み合い開始端を構成する第1ギヤ歯76aと第2ギヤ歯76bとの間が、第2ギヤ歯76bと第3ギヤ歯76cとの間、及びそれ以降の各ギヤ歯76c〜76eの間よりも大きく開いたギヤ形状を有している。同様に、第2駆動ギヤ72を構成するセクターギヤ75もまた、その噛み合い開始端を構成する第1ギヤ歯74aと第2ギヤ歯74bとの間が、第2ギヤ歯74bと第3ギヤ歯74cとの間、及びそれ以降の各ギヤ歯74c〜74eの間よりも大きく開いたギヤ形状を有している。そして、本実施形態のクローザ装置30は、これにより、その第1駆動ギヤ71と第2駆動ギヤ72との噛み合いが開始される際、それぞれのギヤ歯74,76が干渉しないように構成されている。
【0050】
また、本実施形態のラッチレバー73は、そのラッチ43の支持軸45に対して相対回動可能に設けられている。そして、本実施形態のクローザ装置30は、
図12に示されるような第2駆動ギヤ72に対する第1駆動ギヤ71の噛み合いが開始される回動位置(噛み合い開始位置P1)においては、そのラッチレバー73のレバー部73bがラッチ43の係合部43dに対して係合しないように構成されている。
【0051】
具体的には、本実施形態のラッチレバー73は、その支持軸45の延伸方向に延びるレバー部73bが、ラッチ43の径方向外側に配置されるように構成されている。また、ラッチ43の係合部43dは、そのラッチ43の周縁部分から径方向外側に突出する態様で設けられている。そして、本実施形態のクローザ装置30は、
図12に示すように、第1駆動ギヤ71が噛み合い開始位置P1にある場合にはおいては、そのラッチレバー73側の係合部を構成するレバー部73bとラッチ43側の係合部43dとの間に周方向の隙間Xが形成される構成になっている。
【0052】
即ち、本実施形態のクローザ装置30は、第1駆動ギヤ71と第2駆動ギヤ72とが噛み合う際、この隙間Xの存在によって、その第2駆動ギヤ72と一体に形成されたラッチレバー73のレバー部73bがラッチ43の係合部43dに係合することなく空走するようになっている。
【0053】
具体的には、この隙間Xは、
図13に示すように、第1駆動ギヤ71と第2駆動ギヤ72との間が、それぞれ複数のギヤ歯74,76で噛み合う状態となる回動位置(噛み合い確立位置P2)において消失する。つまりは、その空走するラッチレバー73のレバー部73bがラッチ43の係合部43dに当接するように設定されている。更に、このラッチ43の係合部43dに当接したラッチレバー73のレバー部73bは、そのラッチ43の係合部43dを周方向に押圧する。そして、本実施形態のクローザ装置30は、これにより、その第1駆動ギヤ71と第2駆動ギヤ72との間の安定的な噛み合いが確立された状態で、アクチュエータ51の駆動力によりラッチ43をクローズ方向に回動させることが可能となっている。
【0054】
また、
図15及び
図16に示すように、本実施形態のクローザ装置30は、ラッチ機構20がフルラッチ状態となった場合、つまり当該ラッチ機構20のクローズ動作が完了した場合には、その第2減速ギヤ62及び第1駆動ギヤ71の回動方向が反転(同図中、時計回り方向に回動)するように構成されている。そして、これにより、その第1駆動ギヤ71の回動位置をラッチ機構20のクローズ動作が完了したクローズ完了位置P3(
図15参照)から第2駆動ギヤ72に歯合しない初期位置P0(
図16参照)に復帰させることで、そのクローズ作動を終了する構成になっている。
【0055】
即ち、フルラッチ状態においては、そのポール44との係合関係に基づいてラッチ付勢バネの付勢力に基づくラッチ43の回動が規制されている(
図8参照)。また、ラッチレバー73のレバー部73bは、そのラッチレバー73がクローズ方向に回動する場合にのみ、ラッチ43の係合部43dを押圧する構成になっている。そして、本実施形態のドアロック装置1は、これにより、その第1駆動ギヤ71の反転回動に伴いラッチレバー73が反クローズ方向(同図中、反時計回り方向)に回動した後においても、そのラッチ機構20がフルラッチ状態で保持されるようになっている。
【0056】
また、本実施形態のラッチレバー73は、
図2、
図3、及び
図14に示すように、レバー付勢バネ78(捩りコイルバネ)の付勢力に基づいて、反クローズ方向に回動付勢されている。具体的には、本実施形態のクローザ装置30は、そのベースプレート42の基部42a上にハウジング79を保持する構成となっている。そして、レバー付勢バネ78を含む各付勢バネ(ラッチ用及びポール用)は、それぞれ、このハウジング79に保持されている。
【0057】
更に、本実施形態では、このハウジング79には、そのレバー付勢バネ78に付勢されたラッチレバー73に当接することにより当該ラッチレバー73の回動を規制するストッパ部80が設けられている。そして、本実施形態のクローザ装置30は、これにより、その第1駆動ギヤ71と第2駆動ギヤ72とが歯合しない状態となった場合に、当該第2駆動ギヤ72の噛み合い開始端(第1ギヤ歯74a)を所定の噛み合い開始位置P1´に保持する構成になっている。
【0058】
また、
図1、
図2、及び
図17〜
図19に示すように、本実施形態のクローザ装置30は、第1駆動ギヤ71と一体に回動する押圧ピン81と、この押圧ピン81に押圧されることにより回動するオープンレバー82と、を備えている。
【0059】
本実施形態の押圧ピン81は、支持軸56の延伸方向に沿って延びる軸形状を有して第2減速ギヤ62に固定されている。また、オープンレバー82は、第2減速ギヤ62の支持軸56に軸支されている。更に、本実施形態では、これらの押圧ピン81及びオープンレバー82は、支持軸56の延伸方向において第1駆動ギヤ71を構成するセクターギヤ77の反対側、即ち
図1及び
図2中、第2減速ギヤ62よりも上側に配置されている。そして、本実施形態のクローザ装置30は、上記クローズ作動時に第1駆動ギヤ71と第2駆動ギヤ72と噛合する第1方向とは逆向きの第2方向(
図17〜
図19中、時計回り方向)に第2減速ギヤ62が回動することによって、その押圧部材としての押圧ピン81がオープンレバー82を押圧するように構成されている。
【0060】
具体的には、オープンレバー82は、支持軸56に基端側が軸支された略L字平板形状を有している。尚、本実施形態のオープンレバー82は、板材を塑性加工(プレス加工)することにより形成されている。また、このオープンレバー82の先端部分には、折曲加工により押圧部82aが形成されている。そして、押圧ピン81との当接部82bは、その押圧ピン81の軸形状(円柱形状)に合わせて湾曲した円弧形状を有している。
【0061】
また、本実施形態では、ポール44の支持軸46には、そのポール44と一体に回動するリフトレバー84が設けられている。本実施形態のリフトレバー84は、その先端側が支持軸46の軸線方向に沿って延びるように当該支持軸46に固定される断面略L字状のレバー本体84aと、このレバー本体84aの側方に延びる当接部84bと、を備えている。尚、このリフトレバー84もまた、板材を塑性加工(プレス加工)することにより形成されている。そして、本実施形態のクローザ装置30は、そのオープンレバー82の押圧部82aがリフトレバー84の当接部84bを押圧してポール44を回動させることにより、そのラッチ機構20をリリース動作させる構成になっている。
【0062】
詳述すると、
図17〜
図19に示すように、本実施形態の押圧ピン81は、第1駆動ギヤ71を構成するセクターギヤ77の第1ギヤ歯74aとの間に支持軸56を挟む位置、即ち周方向に略180°離間する位置において第2減速ギヤ62に固定されている。そして、この押圧ピン81の初期位置P0´は、第2減速ギヤ62の支持軸56に軸支されたオープンレバー82に当接しない回動位置に設定されている。
【0063】
即ち、本実施形態のクローザ装置30は、待機状態となる通常時(
図11参照)には、これら押圧ピン81とオープンレバー82との間でアクチュエータ51のトルク伝達経路が切断された状態となるように構成されている。そして、これにより、ポール44の自由回動を許容することで、ラッチ機構20の円滑な動作を担保する構成になっている。
【0064】
また、本実施形態のクローザ装置30は、例えば、開動作スイッチ(図示略)に対する操作入力等、開動作要求に基づくリリース作動時には、その減速機構52の最終ギヤを構成する第2減速ギヤ62が第2方向(各図中、反時計回り方向)に回動するように構成されている。そして、
図18に示すように、本実施形態の押圧ピン81は、これにより、第1駆動ギヤ71とともに第2減速ギヤ62と一体回動することで、オープンレバー82の当接部82bに当接するようになっている(当接位置P4)。
【0065】
即ち、本実施形態では、このように押圧ピン81がオープンレバー82に当接して当該オープンレバー82を押圧する状態に移行することで、そのリリース作動時におけるアクチュエータ51のトルク伝達経路が確立される。そして、
図19に示すように、本実施形態のクローザ装置30は、これにより押圧ピン81と一体に回動するオープンレバー82がリフトレバー84を押圧することで、その支持軸56を介して当該リフトレバー84に連結されたポール44をラッチ43から離間する方向(リリース方向、同図中、反時計回り方向)に回動させる構成になっている。
【0066】
また、本実施形態のクローザ装置30は、そのラッチ43とポール44との係合が解除されることによりラッチ機構20がアンラッチ状態となった場合、つまり当該ラッチ機構20のリリース動作が完了した場合には、その第2減速ギヤ62及び押圧ピン81の回動方向が反転(同図中、反時計回り方向に回動)するように構成されている。そして、これにより、上述のクローズ作動時と同様、その押圧ピン81の回動位置をラッチ機構20のリリース動作が完了したリリース完了位置P5から初期位置P0´に復帰させることで、そのリリース作動を終了する構成になっている。
【0067】
尚、
図2及び
図3に示すように、本実施形態のオープンレバー82は、支持軸56に嵌挿された捩りコイルバネ85の付勢力により回動付勢されている。また、このオープンレバー82は、図示しないストッパに当接することによって、その捩りコイルバネ85の付勢力に基づく回動が規制されるようになっている。そして、本実施形態のクローザ装置30は、これにより、そのオープンレバー82に対する押圧ピン81の当接位置P4(
図18参照)が一定となるように構成されている。
【0068】
さらに詳述すると、
図1に示すように、本実施形態のクローザ装置30は、アクチュエータ51のモータ50に駆動電力を供給するECU90を備えている。また、このECU90には、複数の位置センサ91が接続されている。尚、本実施形態では、これらの各位置センサ91には、例えば、スイッチ式のセンサ(リミットスイッチ等)が用いられている。更に、このECU90には、例えば、開動作スイッチ(図示略)が操作された場合等、そのラッチ機構20によるストライカ10の拘束を解除すべき旨を示すリリース信号S2が入力されるようになっている。そして、本実施形態のECU90は、これら各位置センサ91の出力信号S1及びリリース信号S2に基づいて、その駆動電力を供給するモータ50の回転、つまりは、アクチュエータ51の作動を制御するように構成されている。
【0069】
例えば、本実施形態のECU90は、各位置センサ91の出力信号S1に基づいて、ラッチ43の回動位置がハーフラッチ状態に対応するハーフラッチ位置Phにあること(
図6参照)、及びフルラッチ状態に対応するフルラッチ位置Pfにあることを検出する(
図8参照)。そして、ポール44の回動位置が、そのフルラッチ状態にあるラッチ43との係合が解除されるリリース位置Prにあることを検出する(
図10参照)。
【0070】
また、本実施形態のECU90は、減速機構52の最終ギヤを構成する第2減速ギヤ62の回動位置を監視する。即ち、本実施形態では、この第2減速ギヤ62が、第1駆動ギヤ71を構成するセクターギヤ77及び押圧部材としての押圧ピン81と一体に回動するアクティブギヤ95として機能する。そして、ECU90は、このアクティブギヤ95の回動位置が、第1駆動ギヤ71及び押圧ピン81の初期位置(P0,P0´)に対応する中立位置Pnにあることを検出する(
図11、
図16及び
図17参照)。
【0071】
そして、本実施形態のECU90は、上記のように検出されるラッチ状態及びアクティブギヤ位置、並びにリリース信号S2に示される開動作要求に基づいて、ラッチ機構20をクローズ動作及びリリース動作させるべく、アクチュエータ51の作動を制御する構成になっている。
【0072】
さらに詳述すると、
図20のフローチャートに示すように、ECU90は、ラッチ43がハーフラッチ位置Phにあることを検出した場合(ステップ101:YES)には、ラッチ機構20をクローズ動作させるべく、アクティブギヤ95が第1方向に回動するように、そのアクチュエータ51の作動を制御する(クローズ制御、ステップ102)。また、ECU90は、このクローズ制御の実行時には、ラッチ43がフルラッチ位置Pfに到達したか否かを判定する(ステップ103)。そして、ラッチ43がフルラッチ位置Pfにあることを検出した場合(ステップ103:YES)には、アクティブギヤ95の回動方向を反転させて中立位置Pnに復帰させるべく、そのアクチュエータ51の作動を制御する(復帰制御、ステップ104)。
【0073】
即ち、この復帰制御の実行時、ECU90は、その反転回動するアクティブギヤ95が中立位置Pnまで到達したか否かを監視する(ステップ105)。そして、アクティブギヤ95が中立位置Pnに復帰したことを検出した場合(ステップ105:YES)には、そのアクチュエータ51の作動を停止する(ステップ106)。
【0074】
また、ECU90は、リリース信号S2に基づき開動作要求の発生を検知した場合(ステップ107:YES)には、ラッチ機構20をリリース動作させるべく、アクティブギヤ95が第2方向に回動するように、そのアクチュエータ51の作動を制御する(リリース制御、ステップ108)。更に、ECU90は、このリリース制御の実行時には、ポール44がリリース位置Prに到達したか否かを監視する(ステップ109)。そして、ポール44がリリース位置Prにあることを検出した場合(ステップ109:YES)には、上記クローズ制御の実行時と同様、ステップ104〜ステップ106の処理を実行することにより、そのアクティブギヤ95を中立位置Pnに復帰させるべくアクチュエータ51の作動を制御する。
【0075】
以上、本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)クローザ装置30は、アクチュエータ51に駆動される第1駆動ギヤ71と、この第1駆動ギヤ71に噛合してアクチュエータ51の駆動力が伝達されることによりラッチ機構20を構成するロック部材としてのラッチ43を回動させる第2駆動ギヤ72と、を備える。そして、その第1駆動ギヤ71には、アクチュエータ51の駆動力に基づき回動することにより第2駆動ギヤ72に噛合しない状態から当該第2駆動ギヤ72に噛合する状態に移行するセクターギヤ77が用いられる。
【0076】
上記構成によれば、ギヤ列(歯車機構)を介して効率的にラッチ機構20のロック部材を駆動することができる。特に、ラッチ43を回動させてラッチ機構20をハーフラッチ状態からフルラッチ状態に移行させるクローズ動作時には、その反クローズ方向の付勢力に対抗する強い駆動力が要求される。従って、上記構成によりラッチ43を回動させることで、より効率的に且つ確実にラッチ機構20をクローズ動作させることができる。更に、第1駆動ギヤ71は、アクチュエータ51に駆動されることにより回動して第2駆動ギヤに噛合しない状態から当該第2駆動ギヤ72に噛合する状態に移行する。即ち、待機状態となる通常時には、これら第1駆動ギヤ71と第2駆動ギヤ72との間でアクチュエータ51のトルク伝達経路が切断された状態になっている。そして、これにより、ラッチ43の自由回動を許容することで、ラッチ機構20の円滑な動作を担保することができる。
【0077】
(2)第1駆動ギヤ71及び第2駆動ギヤ72は、互いの噛み合いが開始される部分のギヤ歯間隔α1,β1が他の部分のギヤ歯間隔α0,β0よりも広く設定される。このような構成を採用することで、その噛み合い開始時におけるギヤ歯74,76同士の干渉を抑えることができる。そして、これより、その第1駆動ギヤ71と第2駆動ギヤ72との円滑な噛み合いを担保して、高い信頼性及び静粛性を確保することができる。
【0078】
(3)クローザ装置30は、ラッチ43の支持軸45に軸支されたレバー部材としてのラッチレバー73を備える。また、このラッチレバー73は、第2駆動ギヤ72と一体に回動することによりラッチ43に係合して当該ラッチ43を回動させる。そして、そのラッチレバー73の係合部を構成するレバー部73bとラッチ43側の係合部43dとの間には、第1駆動ギヤ71と第2駆動ギヤ72とが噛み合う際、ラッチレバー73側のレバー部73bが空走するような隙間Xが設定される。
【0079】
即ち、第1駆動ギヤ71と第2駆動ギヤ72との噛み合いは、その第1駆動ギヤ71の回動に伴い互いに噛み合うギヤ歯が一歯ずつ増えてゆくことにより確立される。このため、噛み合い始めの段階においては、その噛合状態にある少数のギヤ歯に負荷が集中することになる。しかしながら、上記構成によれば、その第1駆動ギヤ71と第2駆動ギヤ72との噛み合いが確立された後に、これら第1駆動ギヤ71及び第2駆動ギヤ72を介した駆動力の伝達を開始することが可能になる。そして、これにより、特定のギヤ歯に対する負荷の集中を回避して、高い信頼性を確保することができる。
【0080】
(4)クローザ装置30は、第2駆動ギヤ72にアクチュエータ51の駆動力が伝達されることによりラッチレバー73が回動する方向とは逆向きとなる方向、即ち反クローズ方向に当該ラッチレバー73を回動付勢する付勢部材としてのレバー付勢バネ78を備える。そして、クローザ装置30は、その回動付勢されたラッチレバー73に当接して当該ラッチレバー73の回動を規制することにより第1駆動ギヤ71に対する第2駆動ギヤ72の噛み合いが開始される部分(第1ギヤ歯74a)を所定の噛み合い開始位置P1´に保持するストッパ部80を備える。
【0081】
上記構成によれば、第1駆動ギヤ71と第2駆動ギヤ72との噛み合いが開始される位置(P1,P1´)を一定に保つことができる。そして、これより、その第1駆動ギヤ71と第2駆動ギヤ72との円滑な噛み合いを担保して、高い信頼性及び静粛性を確保することができる。
【0082】
(5)第2駆動ギヤ72には、セクターギヤ75が用いられる。これにより、第2駆動ギヤ72の占有スペースを抑えて高い設計自由度を確保することができる。
(6)クローザ装置30は、第1駆動ギヤ71と一体に回動する押圧部材としての押圧ピン81と、第1駆動ギヤ71が第2駆動ギヤ72に噛合する方向(第1方向)とは逆方向(第2方向)に回動する押圧ピン81に当接して当該押圧ピン81に押圧されることによりポール44を回動させるレバー部材としてのオープンレバー82と、を備える。
【0083】
上記構成によれば、ラッチ43を回動させる場合(クローズ作動)と共通のギヤ列を用いてアクチュエータ51の駆動力に基づきポール44を回動させることができる(リリース作動)。そして、これにより、簡素な構成にて、効率的にラッチ機構20をクローズ動作及びリリース動作させることができる。
【0084】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態は、車両のバックドアに設けられたドアロック装置1に具体化したが、その他のドアに用いられるドアロック装置に適用してもよい。
【0085】
・上記実施形態では、第1駆動ギヤ71は、減速機構52を介してアクチュエータ51に駆動されることとしたが、アクチュエータ51から第1駆動ギヤ71までのトルク伝達経路は任意に変更してもよい。
【0086】
・上記実施形態では、第2駆動ギヤ72は、相対回動可能にラッチ43の支持軸45に軸支されるラッチレバー73と一体に形成されたセクターギヤ75であることとした。しかし、これに限らず、第2駆動ギヤ72は、セクターギヤ75でなくともよく、全周に亘ってギヤ歯を有する通常のギヤであってもよい。また、必ずしもラッチレバー73と一体に形成されたものでなくともよい。そして、その第2駆動ギヤ72がラッチ43の支持軸45に直接固定されることにより当該ラッチ43と一体に回動する構成であってもよい。
【0087】
・上記実施形態では、第2駆動ギヤ72は、第1駆動ギヤ71に噛合することにより伝達されるアクチュエータ51の駆動力に基づきロック部材としてのラッチ43を回動させることとしたが、この第2駆動ギヤ72がポール44を回動させる構成であってもよい。
【0088】
・上記実施形態では、押圧部材として軸状をなす押圧ピン81を用いることとしたが、その押圧部材の形状は、任意に変更してもよい。そして、レバー部材としてのオープンレバー82、及びポール44の支持軸46に設けられたリフトレバー84の形状についてもまた、任意に変更してもよい。