(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記NFC入出力部において、近距離無線通信機能を有する情報通信端末機器と所定の通信状態を確立した場合、前記記憶部に保存してある肌水分情報と睡眠時間情報との読み出しが実行されることを特徴とする請求項1に記載の保湿用空気供給機。
前記制御装置は、「推奨睡眠時間」確認キーが操作された場合、前記記憶部に記憶した肌水分量の中で、所定量以上の肌水分量の取得時期に対応した「第1の睡眠時間」について、その入眠時刻を表示する機能を有したことを特徴とする請求項12に記載の保湿用空気供給機。
前記制御装置は、「推奨睡眠時間」確認キーが操作された場合、前記「第2の睡眠時間」について、その入眠時刻を表示する機能を有したことを特徴とする請求項17に記載の保湿用空気供給機。
【発明を実施するための形態】
【0019】
実施の形態1.
以下、
図1〜
図30を参照して、実施の形態1を説明する。
図1は、本発明の実施の形態1に係る保湿用空気供給機を適用した1つの家庭の概要図。
図2は、
図1の保湿用空気供給機を適用した1つの家庭の外部通信構成を示す概念図。
図3は、
図1の保湿用空気供給機を使用した1つの家庭の電力指令装置の構成を示すブロック図。
図4は、
図1の保湿用空気供給機の縦断面図。
図5は、
図1の保湿用空気供給機に使用する情報通信端末機器の内部構成を示すブロック図。
図6は、
図1の保湿用空気供給機の内部構成を示すブロック図。
図7は、本発明の実施の形態1に係る統合管理装置(電力指令装置)と保湿用空気供給機の制御動作を示す説明図。
図8は、情報通信端末機器と保湿用空気供給機の制御動作を示す説明
図1。
図9は、情報通信端末機器と保湿用空気供給機の制御動作を示す説明
図2。
図10は、
図1の保湿用空気供給機の制御動作を示すフローチャート
図1。
図11は、本発明の実施の形態1で使用した情報通信端末機器の制御動作を示すフローチャート
図1。
図12は、
図5の情報通信端末機器の正面
図1。
図13は、
図5の情報通信端末機器の正面
図2。
図14は、本発明の実施の形態1における統合管理装置(電力指令装置)の制御部の動作を示すフローチャート図。
図15は、
図5の情報通信端末機器の正面
図3。
図16は、
図5の情報通信端末機器の正面
図4。
図17は、
図1の保湿用空気供給機の操作部と表示画面を示す正面
図1。
図18は、
図1の保湿用空気供給機の操作部と表示画面を示す正面
図2。
図19は、
図1の保湿用空気供給機の保湿運転と、統合管理装置(電力指令装置)との間の各種指令信号、報知信号の発信・受信を時系列で示す説明図。
図20は、
図1の保湿用空気供給機の制御装置の動作を示すフローチャート図。
図21は、
図20の動作ステップを更に詳細に示したフローチャート
図1。
図22は、
図20の動作ステップを更に詳細に示したフローチャート
図2。
図23は、保湿用空気供給機の操作部と表示画面を示す正面
図3。
図24は、
図1の保湿用空気供給機の操作部と表示画面を示す正面
図4。
図25は、
図1の保湿用空気供給機の操作部と表示画面を示す正面
図5。
図26は、
図1の保湿用空気供給機の操作部と表示画面を示す正面
図6。
図27は、
図1の保湿用空気供給機の操作部と表示画面を示す正面
図7。
図28は、
図1の保湿用空気供給機の操作部と表示画面を示す正面
図8。
図29は、
図1の保湿用空気供給機の記憶部に格納される各種データの種類を示した説明図。
図30は、
図1の保湿用空気供給機の操作部と表示画面を示す正面
図9である。
【0020】
(定義)
本発明で「家電機器」EEとは、主に家庭で使用されることを想定して設計された電気機器をいい、後述する保湿用空気供給機20やキッチン内家電機器KP、TV受像機2等の映像機器、空気調和機3、空気清浄機や空気脱臭機等の空気処理機、電気ストーブ等の暖房機器、電気掃除機、電気洗濯機(乾燥機能付きを含む)、お風呂に使用される給湯機器(給湯タンク付きを含む)を含む。なお、以下の説明では、家電機器という場合には、特に断りがない限り、保湿用空気供給機20を含む。
【0021】
本発明で家電機器EEの「識別情報」とは、家電機器EEを特定するための情報で、家電機器EEに固有の情報のことであり、的確な修理や点検を行う場合に必要となる重要な情報である。例えば、具体的には、以下のようなものが識別情報に含まれるが、これらには限定されない。なお、家電機器EEについては、あとで詳しく説明する。
(1)家電機器の製造者名
(2)型名
(3)形式番号
(4)定格消費電力
(5)購入年月日(製造業者や販売業者の品質保証期間の起算日になる場合が多い)
(6)使用開始年月日(食器洗い乾燥機では、法定点検時期の起算日になる)
(7)品質保証書番号
前記(6)の法定点検とは、2009年4月1日から改正・施行された「消費者生活用製品安全法」で新設された「長期使用製品安全点検制度」による点検をいう。なお、この法律とは別の「電気用品安全法」では、技術基準省令の改正により、長期使用製品安全表示制度が創設されており、消費生活用製品のうち、特定の製品にいついては、設計上の標準使用期間と経年劣化について、消費者に対し適切な保守点検を促すように注意喚起等の表示が義務化されている。そこで、その標準使用期間の参考となるように、消費者に対して表示する「製品の製造日」や製造年月から起算した「経過年数」の情報を、家電機器EEの「識別情報」に含めても良い。
また後述する空気調和機3等の「特定家電機器」(環境改善機器)SP1であるかどうかも識別情報の一部であり、電力指令装置5と相互に無線通信を行う場合、その電力指令装置5側にこの識別情報が、特定家電機器(環境改善機器)SP1側から提供される。
【0022】
本発明で「環境情報」とは、後述する統合環境検知部9及び保湿用空気供給機20で、それぞれ検出する「環境データ」それ自体と、そのような環境データに基づいて作成した「環境評価情報」を総称したものをいい、家屋の居住快適性に影響する以下のような種類の情報を含むが、これに限定されない。
(1)温度情報
(2)湿度情報
(3)塵埃飛散度(単位容積あたり)情報
(4)花粉飛散量情報
(5)光量(可視光線量)情報・・言い換えると居住空間の明るさの情報である。
(6)騒音情報・・・居住空間の静けさの情報である。
なお、保湿用空気供給機20では、温度情報と、湿度情報に関する室内気温と室内湿度(相対湿度)の2つしか取り扱わない。
【0023】
本発明で「環境データ」とは、計測された温度や湿度等の物理的状態を示すデータそれ自体をいう。例えば気温35℃は環境データに該当する。その気温35℃に基づいて、何らかの評価基準や計算処理等を経て分類やランク付け、又はその他加工をされた情報は「環境評価情報」に該当する。例えば、「室温は高い」、「標準気温」というような情報が前記「環境評価情報」に該当する。
【0024】
本発明で「肌の乾燥注意情報」とは、空気の乾燥度が肌に与える影響度を示したものであり、例えば、代表的なものとしては、一般財団法人日本気象協会が毎日提供している情報「名称:うるおい指数」がある。この指数は、うるおい指数が5段階(0〜10、20〜30、40〜50、60〜70、80〜100)で示され、数値が低くなるほど、空気の乾燥が肌に与える影響が高いことを示している。また、そのような指数を個人で随時チェックできるように、30分おきに自動で周囲の気温と湿度を計測し、環境が及ぼす危険性を5段階のLEDライトで知らせるチェッカーも商品化され、チェッカー本体が計測したUV値と気温・湿度を、ワイヤレスで高機能型の携帯電話(情報通信端末機器)に送信する商品も存在している。これら情報をその提供者を問わず、本発明で「肌の乾燥注意情報」という。なお、「UV値」とは紫外線の強さを人体への影響を考慮しわかりやすく表した国際的な指標「UVインデックス」に準拠したものである。
【0025】
また本実施の形態1では、「環境情報の利用」とは、後述する各種家電機器EEが前記環境情報をその家電機器EEの、効率的運転又は効果的運転又は環境に配慮した運転に利用することをいい、以下のような例を含む。
(1)温度高い場合、電気炊飯器の保温機能を炊飯工程の終了に連続して動作させる。
(2)湿度の場合、家電機器EEの1種である除湿機を動作させる。または換気扇を運転開始する。空気調和機3の運転条件(目標とする室温など)を変える。さらには、保湿用空気供給機20を運転開始する。
(3)空中を浮遊するような微細な塵埃が飛量している場合、空気清浄機を動作させる。または換気扇を運転開始する。
(4)花粉飛散量の場合、空気清浄機の運転を開始する。
(5)比較的直径や長さが大きく、床に落下する土埃や衣類の埃等の場合、自走式電気掃除機を運転開始させる。
(6)光量(可視光線量)の場合、照明器具4を点灯させる。
(7)騒音の場合は、騒音がない状態から、深夜などの静寂な時間帯と判断し、ブロワーモーターの運転音や走行音が発生する自走式電気掃除機の運転や、洗濯乾燥用ドラムを回転させる電気モーターの運転音が発生する洗濯乾燥機の運転を避ける。
なお、気温と湿度の関係で、いわゆる「不快指数」を算出し、空気調和機3の運転を開始することも含む。
【0026】
本発明で「睡眠時間帯データ」とは、入眠時刻と覚醒時刻の双方を特定できるデータをいう。入眠時刻と覚醒時刻の両方のデータを含む場合に限られず、入眠時刻(睡眠開始時刻)と、その時点からの経過時間(睡眠時間)の2つを含むデータでも良い。例えば、「22時00分入眠、睡眠時間8時間」というデータも睡眠時間帯の1種である。「睡眠時間データ」とは、入眠から覚醒までの経過時間をいい、実際の入眠時刻や覚醒時刻を特定できるデータを含まないものをいう。例えば「8時間」という場合は睡眠時間データであり、「22時30分から翌朝5時30分までの7時間」という場合は、睡眠時間帯のデータになる。
【0027】
さらにまた本実施の形態1では、環境情報の利用により、以下のように居住者の利便性が向上する。
(1)居住環境を良くするために家電機器EEの使用について、アドバイス情報が出る(例えば、換気扇や空気清浄機など)。このアドバイス情報により、居住者の利便性、快適性が確保される。
(2)現在、運転中の家電機器EEが分かる。
(3)離れた居住空間の人の存在・不存在が分かる。
(4)高い温度で、かつ湿度も高い、快適ではない居住空間が分かる。
(5)室内運動をする際に、運動に不向きな居住空間が分かる。
(6)電力指令装置5から、警報を出すために、室温の上限値を設定しておけば、その設定値を超えた部屋があることを知ることが分かり、離れた部屋の環境も知ることができる。
【0028】
また居住空間内の空気に良い影響を与え、改善することができる家電機器EEを「第1の特定家電機器」(「環境改善機器」)SP1という場合がある。室内空間の快適性を維持、向上させるために、暖房用の熱を発生する電気ヒーター式ストーブや空気調和機3は環境改善機器の1種である。一方、室内空間の快適性維持・向上が本来の目的ではなく、室内空間に熱を与えてしまう電熱加熱調理器等のような家電機器EEを「第2の特定家電機器SP2」という場合がある。
さらにまた、複数の家電機器EEの中で、電力削減要請信号AS2や電力削減指令信号AS3を受信するものを「第1の家電機器」いう場合があり、またその第1の家電機器と区別するために別の家電機器を「第2の家電機器」という場合がある。
【0029】
「環境改善機器」SP1とは、居住空間内の空気の温度、湿度、質を改善する効果のあるものをいう。空気の質を向上させると有害物質や塵埃の含有量が少なく、清浄な空気となる。本発明の対象である保湿用空気供給機20は、この環境改善機器SP1の1種である。
【0030】
本発明の「睡眠判定部」23とは、睡眠センサー24から、生体情報を受信して睡眠状態を判定する機能を発揮する手段をいう。この生体情報とは、例えば居住者の就寝時(就床時)の生体の心拍、呼吸数、血圧、および体動の時間変化を示す情報であるが、これらに限定されない。
【0031】
各種の睡眠検知手段や睡眠状態の判定技術が既に提案されており、例えば日本国特許公開2007−199025号公報には、睡眠センサー付き身体装着装置及び睡眠報知制御方法が提案されている。また日本国特許公開2014−73237号公報には、対象者の呼吸から睡眠状態を推定する睡眠モニタリングシステムが提案され、日本国特許公開2014−70766号公報には、脚を具備するベッドと、脚に設置され脚に掛かる荷重を検出する荷重計と、寝室を空調する空調機と、荷重計にて検出された荷重の変動に基づき使用者の睡眠状態を判定し、使用者の睡眠状態に基づきエアコンの設定温度を決定する温度決定部と、寝室の温度が温度決定部によって決定され設定温度になるようにエアコンを制御する制御基板と、を備える、睡眠環境制御システムが提案されている。日本国特許公開2014−42773号公報では、浅い睡眠から深い睡眠へと遷移する際に最適な制御を行い、利用者に違和感を与えることなく浅い睡眠から深い睡眠へと誘導することができる睡眠環境温度制御装置が提案されている。その他として日本国特許公開2013−213642号公報では、就寝者に快適な睡眠環境を提供可能な室内環境制御システムが提案されている。
本発明の睡眠判定部には、上記したような各種方式、構成の技術が適用できる。
【0032】
本実施の形態1では、「在宅検知手段」43とは、以下のような手段を含むが、以下の実施の形態の説明では全ての手段については詳しく説明せず、代表的な手段についてのみ詳しく説明する。
(1)住宅の入口(玄関)の外側に設置された電子錠42とその電子錠に入力された暗証番号や生体情報(例えば指紋情報)から、居住者が帰宅したことを検知する手段。
(2)居住者が保持している固有の身分証やIDカード等に記録された個人特定情報を、磁気的又は光学的手段で、あるいは近距離通信やその他通信手段で電力指令装置5に直接読み込ませ、その読み込ませた情報を解読してその本人が在宅していると判定する手段。
(3)居住者が保持している携帯用電話等の情報通信端末機器25等に記録された個人特定情報を、近距離通信やその他通信手段で直接電力指令装置5に読み込ませ、その読み込ませた情報を解読してその本人が在宅していると判定する手段。
(4)個人が固有している身分証やIDカード等、情報通信端末機器25等に記録された個人特定情報を、特定の家電機器EEに読み込ませ、又は個人だけが知っているID番号やパスワードを家電機器EEに読み込ませたり、入力キーによって入力したりして、その個人特定情報やパスワードを電力指令装置5側にて解読し、読み込ませた本人が在宅していると判定する手段。
【0033】
本実施の形態1では、「居住者」とは、後述する1つの家屋に居住する者をいい、血縁関係にある親子、兄弟、姉妹等を含むが、後述する居住空間HAに所定期間だけ臨時で宿泊する訪問者や、生活を共にするその他の者を含んでいる。1つ又は複数の居住空間を1人又は数人で借用している者も含む。なお、家電機器EEを使用した場合には、居住者を「使用者」と呼び、また睡眠時間、睡眠時間帯を計測する場合には、その対象者を「睡眠者」と呼ぶ場合がある。
【0034】
本実施の形態1では、「家庭」とは、特定の管理者が管理する1つの家屋を意味しており、複数の部屋があり、複数の家族が入居している集合住宅も含む場合がある。すなわち、そのような集合住宅でも、1つの家屋の場合と同様に商用電力の上限が1つの電力遮断機器(ブレーカーBK)で一元管理されている場合は、ここでいう家庭とみなす。
【0035】
本実施の形態1において、後述する電力指令装置5の「動作情報」とは、1つの家庭に設定されている上限の総電力量を示す情報、現在使用している使用電力量を示す情報、前記総電力量と使用電力量の差を表す情報、前記電力指令装置5が制御対象にしている家電機器EEを具体的に特定する名称等の情報、当該家電機器EEの使用状態を示した情報、各家電機器EEで使用されている電力量の情報(例えば1分間の平均電力量)等をいうが、これに限定されるものではない。
【0036】
本実施の形態1において、後述する保湿空気供給機20の「記憶装置」(記憶部)とは、特に明記ない限り、制御装置33の記憶部33RとNFC記憶部31の一方又は両方をいうものとする。
【0037】
本実施の形態1において、「家電機器側の電力制限情報」とは、電力指令装置5から家電機器が受けた電力消費量に関する何らかの信号に関する情報をいい、後述する電力削減要請信号AS2、電力削減指令信号AS3の送信を指令に関する情報を含んだものをいう。それら情報には、その信号の受信時期(年月と秒単位の時刻)と信号の意味を示す情報が含まれる。例えば、誘導加熱調理器に対するある時点の電力削減指令信号AS3について「受信時刻:2014年1月15日 17時00秒 瞬間最大消費電力量を2%下げ」のような情報である。なお、この家電機器側の電力制限情報は、家電機器、例えば誘導加熱調理器では、その制御装置の記憶装置の中に時系列で記憶されており、主電源をON又はOFFしても消えない。主電源をONし、OFFしたことを1回の調理と考えて、少なくとも数回分は記憶保持されるようになっている。それを超えた分が順次自動的に消去される。
【0038】
本実施の形態1において、「家電機器側の位置情報」とは、居住空間HAの中のどの部屋に、家電機器が存在しているのかを示す情報(コード)であり、例えば居間はコード001、キッチンはコード002、寝室は003、のように事前に電力指令装置5の制御部36によってルール化されており、家電機器EEを使用して電力指令装置5の制御対象になる場合には、その家電機器の識別情報とともに当該位置情報が電力指令装置5に登録される。
【0039】
キッチンの厨房家具の中に設置されて使用されるビルト・イン式の誘導加熱調理器や、壁に固定して使用される空気調和機3のように、最初の設置位置が変化しない(非可搬式)家電機器EEの場合は、そのまま永続的に位置情報を利用できる。
【0040】
しかしながら、自走式電気掃除機や本発明の対象となる保湿用空気供給機20のように、使用者が任意の場所に持ち運び容易な(可搬式)家電機器EEの場合には、電力指令装置5と無線通信を行った場合に、その最新の位置が電力指令装置5によって割り出される。割り出された結果で、ある居住空間に保湿用空気供給機20があって保湿運転された場合には、その時の居住空間の識別コードが、その保湿用空気供給機20の保湿運転のデータ(例えば、運転開始時刻と終了時刻)と対になって、電力指令装置5の制御部36の記憶部(後述する第2の記憶部)36Bに記憶されるようになっている。言い換えると、その後に別の居住空間において、その保湿用空気供給機20を再度保湿運転すると、別の居住空間の識別コードが付されて制御部36の記憶部に記憶される。
【0041】
電力指令装置5と電気的接続又は通信セッションが確立した家電機器について、その位置を電力指令装置5側から特定する技術は色々提案されている。例えば最近のものでは、日本国特許公開2014−79036号公報には、新規に導入した家電機器と電源タップとの関係情報を管理するために、従来では家電機器の使用者が手動で情報を手動登録しなければならないという課題があったことを解決するために、電源タップに家電機器を接続した際、電源タップからは機器接続検知イベントを、また家電機器からは起動完了イベント通知を行い、2つの通知を受信した、家電機器(情報家電)管理装置は、どの情報端末が、どのコンセント口に挿されたかの候補情報をテーブルに登録する。その後、家電機器管理装置より電源タップに対し、該当コンセントに対する電源OFF指示を行い、相関関係を仮定した情報家電との通信状態をモニタする。電源OFF指示の結果、相関関係を仮定した家電機器との通信が切れたた場合には、再度、該当コンセントに対する電源ON指示を行うとともに、仮定した相関関係が正しいものとして家電機器、及び接続コンセントの登録を行う。これにより、家電機器管理装置では、人手を介さずに自動的にコンセントと家電機器との正しい接続関係を検知し、自動登録処理を行うことが可能となる技術を提案している。つまり、コンセント口を把握することで、家電機器の使用される場所の特定が可能となる。
従って、この実施の形態1の説明では、保湿用空気供給機20やその他個々の可搬性家電機器の最新の位置を把握する手段についての詳細な説明は省略する
【0042】
(全体構成)
図1は、本実施形態1の保湿用空気供給機20を使用した1つの家屋の例を示している。このような戸建ての家庭ではなく、マンション等の集合住宅であっても本発明は適用できる。
図1において、HA1は1つの家屋の居住空間(寝室)を示す。HA2は前記居住空間HA1と壁SBで仕切られた隣の居住空間(キッチン)を示す。なお、居住空間を総称する場合にはHAを符号として使用する。なお、居住空間はこの
図1には示していないが、そのほかに「居間」や「浴室」等があり、またトイレのある部屋もある。これ以外の部屋があっても良い。
【0043】
全ての居住空間HAには、家屋の外部にある電力会社の商用電源EPから例えば200Vの電力が供給されている。その電力は、電力量計300を介して家屋の内部に引き込まれている。1は前記200Vの商用電源EPにブレーカーBKを介して接続された電源線(主幹線)である。前記電源線には、テレビジョンの受像機(以下、「TV受像機」という)2、空気調和機3、照明器具4A、4B、台所用電気機器(以下、「キッチン内家電機器」という)KPがそれぞれ接続されている。なお、
図1においては、TV受像機2、空気調和機3、キッチン内家電機器KPは、それぞれ1つしか示されていないが、複数個あっても良い。また照明器具も4A、4Bの2つだけではないが、他のものは図示を省略している。
【0044】
5はブレーカーBKを介して電力が供給される電力指令装置であり、居住空間HA2(キッチン)の壁面等のように、家族が容易に接近できる場所に壁掛け状態で設置されているか、又は床面の上に置いてある。なお、その他の家電機器として、食器洗い乾燥機(図示せず)や自動洗濯衣類乾燥機(図示せず)、その他の家電機器も複数あるが、これらは後で説明する。この電力指令装置5は、1つの家庭の総電力使用量を制限するものであり、1つの家庭では、その内部にある家電機器EEの全部又は主要なものに対して電力供給を遮断し、またはその電力供給量の上限値を制限する等の動作を行う。
【0045】
本発明でいう「保湿空気供給機20」は、実施の形態1では電力指令装置5によっては電力供給を遮断され、または電力供給量の上限値を制限されない。電力指令装置5からの指令信号で通電が開始される場合はあっても、家庭内の総電力使用量がブレーカーBKの容量を超えないように電力指令装置5が監視し、必要な場合には、電力削減要請信号AS2、電力削減指令信号AS3によって保湿空気供給機20の供給電力を下げ、又は遮断するような動作をしないので、保湿空気供給機20から見た場合は、「統合管理装置」である。そこで、以下の説明では、「電力指令装置」5を「統合管理装置」5と呼ぶ場合がある。
【0046】
図1において、SLは居住空間HAの天井を構成する壁面を示す。6は、居住空間HA2の室内の気温と湿度を検出する複合センサー(温度・湿度センサー)であり、環境センサーの1種である。7は、居住空間HA1の室内気温と室内湿度を検出する温度・湿度センサーであり、環境センサーの1種である。8は、家屋の外部空間に設置された温度センサーであり、環境センサーの1種である。
【0047】
前記複合センサー6、温度センサー8、温度・湿度センサー7は、測定された温度や湿度を無線又は電気信号で後述する電力指令装置5の統合環境検知部9に送信する機能を有している。またその電源は充電された電池でも良いし、前記電源線1からの電力でも良い。またこれらセンサーの消費電力は1W(ワット)程度の小さいものであるため、前記電源線1からの電力で運転する場合でも、電力指令装置5の電力制限対象にはしていない。これら環境センサーは、所定のタイミングで電力指令装置5へ計測データを継続的に送信している。例えば、空気調和機3のある居住空間(寝室)HA2においては、10分間隔で、またキッチンでは5分間隔で気温と湿度が計測されている。
【0048】
図示していないが、上記したものの他に、環境センサーの1種として、空気中の花粉の飛散量を測定する花粉センサーと、空気中の単位容積あたりの塵埃量を測定する塵埃センサーと、室内の騒音の大きさを検知する騒音センサーと、室内の明るさを検知する照度センサーとが、各居住空間内のそれぞれ適当な位置に設けてある。また前記温度・湿度センサー7の他に、室外又は家屋の外部の気温と湿度を検知する温度センサーや湿度センサーを設けても良く、花粉センサーは、室内だけではなく室外(例えば家屋の外壁表面や窓の外枠、ベランダ、屋上等)にも設置しても良い。なお、この統合環境検知部9自体は、前記電力指令装置5の本体5Aと離れた場所、あるいは別の居住空間に設置してあり、その本体5Aと無線又は有線で接続されている場合も、本発明では「電力指令装置5に備えている」と定義している。
【0049】
図1において、10は、人間が自然に発する赤外線を検知して居住空間HA1の中に人間が居るかどうかを検知できる人感知センサーである。11は、同じく人間が自然に発する赤外線を検知して居住空間HA2の中に人間が居るかどうかを検知できる人感知センサーである。なお、この他の居住空間HAにもこのような人感知センサーを設置しても良い。
【0050】
前記人感知センサー10、11は、人が居るかどうかを検出した結果を、無線又は電気信号で後述する電力指令装置5の人検知部12に送信する機能を有している。またその電源は、事前に充電された電池でも良いし、前記電源線1から分岐して供給される電力を使用しても良い。またこれらセンサーの消費電力は1W〜数W程度の小さいものであるため、前記電源線1からの電力で運転する場合でも、電力指令装置5の電力制限対象にはしていないので、所定のタイミング(例えば10秒毎)で電力指令装置9へ計測データを継続的に送信している。なお、人感知センサー10、11は、赤外線式だけに限定されず、他の方式、例えば超音波方式のものを採用しても良い。
【0051】
引き続いて
図1を説明する。13は、前記TV受像機2のチューナ(図示せず)に接続されている屋外アンテナ、14Aは、前記電力指令装置9に接続されたルーターAであり、このルーターAは、電力指令装置5を電力会社やその家屋の地域に情報を発信する地域地震情報提供機関等の外部機関15Aにインターネット等の広域通信回路網(「通信ネットワーク」又は「インターネット」と称する場合がある)16を介して接続している。
【0052】
14Bは、前記TV受像機2に接続されたルーターBであり、このルーターBは、前記TV受像機2を、前記広域通信回路網16を介して外部機関15Bに接続している。この外部機関15Bは、例えば放送番組を提供する放送局や、医療・健康管理情報・運動計測(運動管理)情報を提供する公的機関や民間会社等であるが、これら以外であっても良い。前記2つの外部機関15A、15Bは別々のものであっても良く、また同じ機関であっても良い。
【0053】
運動計測情報を提供する民間会社等とは、例えば、本格的なトレーニングプログラムを希望者へ提供し、また当該希望者が実施した各種運動(歩行、走行、ダンスやヨガ等)のデータや、それら運動した人の体組成バランス(例えば、体脂肪の率)や活動消費カロリー等の各種データを管理する組織をいう。怪我や病気で運動機能が低下した人に対し、その運動機能の改善を目的としたリハビリ情報を提供する機関も含まれている。
【0054】
図1において、20は、本発明の対象となる保湿用空気供給機であり、例えば、居住空間HA1の中に設置されたベッド(寝具)21の近くに置いて使用される。22は、その保湿用空気供給機20を置くためのサイドテーブル等の家具である。
【0055】
図1において、23は、寝具21の近くに置いて使用される睡眠判定部である。この睡眠判定部23には、1つ又は複数の睡眠センサーを有している。HMは、居住者である。
図1では居住者は寝具21の上に寝ている状態である。なお、前記睡眠センサーは、例えば、居住者HMの体(脚や指を含む)の一部に装着され、血圧や心拍、体温等を計測するようになっている。前記睡眠センサー24と睡眠判定部23との間は、無線通信や有線通信で計測データを送信するように構成されている。また生体から直接体温データ等を取得することに代えて、非接触で計測するセンサーであっても良い。さらに、睡眠判定部23に近距離無線通信機能を備えることにより、後述する近距離無線通信機能(NFC機能)を備えた情報通信端末機器25から、近距離無線通信によって直接睡眠に関する生体データを受信できるようにしても良い。
【0056】
次に
図2を参照しながら、この家庭の外部の通信環境を説明する。なお、この実施の形態1の電力指令装置5は、ルーターA14Aを介して外部機関15Aに通信ネットワークで接続されているが、一般にホーム・ゲートウエイと呼ばれる機器を使用しても良い。この場合のホーム・ゲートウエイとは、インターネット接続やデジタル放送,IP電話などの各種デジタル情報メディアと,電力指令装置5やデジタル家電機器などの端末の間に設置する家庭内用機器をいい、それら電力指令装置5等をネットワーク化して制御したり,通信・放送メディアから受け取ったりした情報をそれら電力指令装置5やデジタル家電機器に伝達する役割を担うものである。常時接続型のブロードバンド・サービスで,インターネット接続に加えてIP電話やコンテンツ配信サービスを提供している際に,事業者がこのような家庭の居住者(使用者)に貸し出すルーターを「ホーム・ゲートウエイ」と称する場合が多い。
【0057】
前記電力指令装置5は、
図1では広域通信回路網16を介して外部機関15Aに接続されていたが、実際にはこの
図2に示すように、広域通信回路網16は、16Aと16Bの2つから構成されており、また中継サーバー26と、それぞれの広域通信回路網16A、16Bを介して外部機関15AのASP(「アプリケーション・サービス・プロバイダー」のことをいう)サーバー27にアクセスする。このASPサーバー27には、後述するように各種データベースが設けられており、多数の住宅に対応して後述する各種情報を記憶するように構成されている。つまり、このASPサーバー27は、情報サーバーとしての機能を保有するので、以後、情報サーバー27と呼ぶ。
【0058】
前記情報サーバー27は、各種家電機器EEの主に制御手段及び情報提供手段として機能するもので、家電機器EEの製造業者(メーカ)、販売業者、修理業者、あるいは情報サービス提供業者等の組織が、単独で、又は2つ以上の組織が共同で設置しており、家電機器EEに関する各種サービスを、広域通信回路網16A、16Bを介して利用者に提供するものである。
【0059】
前記情報サーバー27には、このサーバーのホストコンピュータとして機能する中央演算処理装置27CPと、広域通信回路網16に接続されて情報の授受を行う通信手段である通信部27IFと、前記家電機器EEのアプリケーション・ソフトウェアを記憶し、また改善ソフトウェアを蓄積している改善ソフトウェア(対策プログラム)提供部27Sと、家電機器EEの使用者を特定する利用者特定用データベース(「使用者情報データベース」ともいう)27Uと、家電機器EEの製造業者(メーカ)が提供した技術情報を蓄積したメーカ側情報データベース27Mと、が設けられている。
【0060】
前記情報サーバー27は、一般に「Webサーバー」(以下「ウェブサーバー」という)と呼ばれているもので良い。ウェブサーバーは、HTTP(HTML文書や画像などのデータをWebサーバーとWebブラウザ間でやり取りするために使われるプロトコル)に則り、各種情報通信端末機器25、各家庭等にあり情報通信機能を備えた前記電力指令装置5、あるはその他パーソナル・コンピュータ等のような、「情報を受け取る側」の情報処理機器(クライアント)側ソフトウェアのウェブ・ブラウザに対して、HTMLやオブジェクト(画像など)の表示情報を提供するサービスプログラム及び、そのサービスが動作するサーバーコンピュータを指す。なお、ウェブ・ブラウザは、「インターネットブラウザ」、又は「WWWブラウザ」ともいい、「World Wide Web」の利用に供するブラウザである。
【0061】
前記利用者特定用データベース27Uには、利用者からの、所謂ユーザー登録により受け付けた情報として例えば情報サーバー27へのログインIDやパスワードなどの利用者固有情報、ルーターA14Aのネットワークアドレス(MACアドレス)などの設定情報、特定の家電機器EEのネットワークアドレスや種類、型名といった固有の情報(前記した「識別情報」を含む)が記憶されている。つまり、前記家電機器EEの使用者情報を、検索可能な状態で蓄積する機能を備えている。
【0062】
前記アプリケーションデータベース27Bには、居住空間の外部、例えば居住者の勤務先や外出先等の遠隔地から、電力指令装置5又は家電機器EEを遠隔制御することができるようにした制御用アプリケーション・ソフトウェアが格納・記憶されている。これにより、後述する情報通信端末機器25、例えばスマートフォンと呼ばれている端末機器から情報サーバー27にアクセスして制御用アプリケーション・ソフトウェアをダウンロード(読み込み)することにより、前記遠隔制御を実現することができる。
【0063】
情報サーバー27には、家電機器EEの特定の機種モデルに対応して、家電機器EEの動作プログラムの内容を改善した「改善ソフトウェア」が保管してあり、それを電力指令装置5が広域通信回路網16を介して入手した場合、当該改善ソフトウェアは、電力指令装置5の入出力部30C(
図3参照)を介して電力指令装置5から家電機器EE側へ提供される。なお、ここでいう「改善ソフトウェア」は、「対策ソフトウェア」と同じである。改善ソフトウェアは、1回作成されるだけではなく、必要に応じ、さらに改善したバージョン・アップ版が用意される場合がある。
【0064】
この実施の形態1でいう情報通信端末機器25とは、使用者が気軽に携帯して屋内や屋外、その他外出先等で通話やデータ(メール情報を含む)の通信を行える携帯用通信機器のことである。インターネットで情報をダウンロードしたり、メールを送信・受信したり、遠隔操作信号を発信できる機器であるが、通話できない機器でも良く、そのような携帯用通信機器を総称して情報通信端末機器25と呼んでいる。なお、小型の携帯用パーソナル・コンピュータも情報通信端末機器の一種である。
【0065】
本実施の形態1における情報通信端末機器25は、各家電機器EEの入出力部に数センチメートル程度接近させ(又は接触させても良い)、近距離通信で信号の授受をさせる機能を備えている。なお、この近距離通信とは、Near Field Communication(略称:NFC)としてとして知られている無線通信の国際規格技術のことである。
【0066】
このNFCの通信では、保湿用空気供給機20を含む家電機器EE側に、いわゆる無線タグ(NFCタグ)が埋め込まれている。当該NFCタグは、NFC用の通信制御IC(以下、「NFC制御回路」という)28(
図6参照)と、この制御回路に接続されていて、外部から所定の周波数の無線を受けると前記制御回路のための電力が発生するアンテナ29と、前記NFC制御回路に接続されているマイクロチップメモリー(以下、「NFC記憶部」31という)とから構成されている(
図6参照)。
【0067】
一方、情報通信端末機器25側では、そのNFCタグを介して家電機器EEの前記NFC記憶部31からデータを読み取る(ステータス情報を取得する)こと、さらには、逆に情報通信端末機器25側から制御データ(「制御コマンド」ともいう)を前記家電機器EEのNFC記憶部31へ送り、家電機器EEの制御装置33(「ホストコンピューター」ともいう)が、前記NFC記憶部31に記憶された前記制御コマンドに従って制御動作することができる(このような形式のNFCタグを、「アクティブ・タグ」と呼ぶ場合がある)。
【0068】
この実施の形態1のNFCは、家電機器EEの内部記憶装置にある情報を、情報通信端末機器25側で読み出す機能(このような機能のNFCタグを、「単純タグ」と呼ぶ場合がある)だけではなく、家電機器EE側の動作も情報通信端末機器25からの制御コマンドによって起動できる機能まで保有している。つまり、情報通信端末機器25は、家電機器EEからの各種情報の読み出しだけではなく、NFC記憶部31への書き込み機能を有しており、リーダーとライターの2つの機能を保有している。なお、NFCの利点は、一般的には通信で交換できるデータの形式を制限しておらず、テキストデータは勿論、動画やXMLデータ等を交換できる点にあると言われている。
【0069】
図2において、35は基地局であり、居住者が所有している情報通信端末機器25を、
図2に示すように離れた場所にある勤務先の施設34の場所で使用した場合に、情報通信端末機器25との間で通信を行う。
【0070】
図2において、広域通信回路網98Bには、中継サーバー26、広域通信回路網16Aを介して情報通信端末機器25の基地局35が接続されており、情報通信端末機器25から基地局35を介して情報サーバー27やルーターA14Aにアクセスすることができるようになっている。つまり、この家庭の居住者が所有している情報通信端末機器25を、
図2に示すように離れた場所にある勤務先の施設34から広域通信回路網16Aに接続すれば、情報サーバー27にアクセスすることができ、電力指令装置5又は電気機器EEの制御用アプリケーション・ソフトウェアをダウンロードすることにより、家庭から離れた施設34から、電気機器EEを遠隔制御することができる。
【0071】
この実施の形態1においては、情報通信端末機器25から保湿用空気供給機20を含む家電機器EE側に対する直接的な遠隔操作はできないようにしてある。これは家電機器EEの中には、電熱調理器等のように高熱を発するもの(第2の特定家電機器SP2)もあるため、家屋の外から多くの人が利用する通信回路を経由して遠隔操作することは、安全面を考慮して採用していない。その代わり、全て電力指令装置5を経由して家電機器EEの操作が可能となるようにしている。なお、家屋の内部では、情報通信端末機器25はTV受像機2のみを操作できるように制限してある。遠隔制御の内容は後で詳しく説明する。
【0072】
図3は、本実施形態1の保湿用空気供給機20が無線通信で接続された電力指令装置5や、その他各種家電機器EE等のハードウエアの構成例を示したブロック図である。この
図3において、5Aは、前記電力指令装置5の本体で、外形は箱形状をしている。この本体5Aの内部には、1つの家庭で使用できる電力使用限度の設定器(図示せず)や、家電機器EEと電力上限値(家庭内で使用できる総電力)との差を判定する比較器(図示せず)、強制的に電力を削減する場合に、削減すべき家電機器の優先順位の設定手段(図示せず)、及びこれら各構成要素を制御する制御部36が全て格納されている。
【0073】
図3において、37は、電力指令装置5の本体5Aの正面に設けた表示盤、37Aは、その表示盤37の表示画面である。38は本体5Aに内蔵された記憶装置(大容量メモリー)で、例えばDVD記録装置や各種半導体メモリー、又はハードディスクドライブ装置(HDD)等である。また、表示盤37の表面は、例えばタッチ式パネルで構成されており、電力制御や居住空間HAの気温や湿度等の環境関係の情報を表示する表示部としての機能と、画面に触れることにより使用者からの入力が行われる操作入力部39としての機能とを有している。この操作入力部39を操作することにより、電力指令装置5における前記した使用限度設定器の上限電力値や電力削減すべき家電機器の(電力供給)優先順位の設定が行える。
【0074】
図3において、30A、30B、30Cは、無線通信を行うための入出力部である。1つの入出力部30Aは、各種家電機器EEと無線通信を行うためのものである。入出力部30Bは、前記ルーター14Aと無線通信を行うためのものである。30Cは、TV受像機2と無線通信を行うためのものである。なお、各家電機器EEには、通信機能を内蔵させずに、通信用アダプター100(
図16で説明する)が1つずつ設置してある。前記通信用アダプター100は、IEEEにより策定された、広く普及している無線LAN関連規格の一つである「国際標準規格IEEE 802.11b」で定める2.4GHzのISM帯と呼ばれる周波数帯域を利用するものである。なお、この実施の形態1では、実際の使用中心周波数は2.412GHz(2412MHz)〜2.472GHzに設定されている。
【0075】
図3において、40は、NFCのための無線入出力部である。これは、前記情報通信端末機器25の無線通信部41(「無線入出力部」ともいう1)(
図5参照)が所定の距離(約10センチメートル)まで接近した場合に、情報の授受が行える通信確立状態となり(1つの通信セッションの開始となる)、情報の授受が行えるための入出力部となる。
【0076】
前記無線入出力部40は、電力指令装置9における表示盤37の操作入力部39の直ぐ近くの下方に、常時「NFC」の文字を表示して設けてある。これにより、無線入出力部40の設置位置が明確になるようにしてある。
【0077】
TV受像機2は、外部機関15Bから緊急的な情報、例えば夏場の日中において、この家庭の総電力量の上限を早急に削減(いわゆる「ピークカット対応」)して欲しいという要請情報がTV受像機2に届いた場合、あるいは緊急地震情報が気象庁や居住地域を担当する地域の防災センターや地震警報センター等から届いた場合等に、それら情報をこの居住空間HAにいる居住者が早期に知ることができる。なお、TV受像機2を視聴していない場合であっても、緊急遮断情報が発信された場合、当該情報で起動され、情報を報知するようにしたTV受像機は従来から色々提案されているので、ここでは具体的な説明を省略する。
【0078】
電力指令装置5の電力関連情報、例えばその時点における家庭内の総電力使用量や、外部から電力削減要請を受けていることを示す情報等を、前記電力指令装置5の表示画面37Aで表示するのではなく、居住者が集まっている居間等の居住空間に設置されているTV受像器2で表示させることができる。
【0079】
36は、前記したように、3つの無線通信用の入出力部30A〜30Cや、表示画面37Aを集中的に制御する制御部である。またこの制御部36は、後述するように、家電機器EEに対して、電力削減要請信号AS2、電力削減指令信号AS3の送信を指令する。保湿空気供給機20は、「第1の家電機器」ではないので、電力指令装置5の入出力部30Aから前記電力削減要請信号AS2、電力削減指令信号AS3を受信することはない。
【0080】
前記制御部36には、電力制御関係で専用の「第1の記憶部」となる第1のメモリー(図示せず)36Aを保有しており、ブレーカーBKに設定された総電力量上限値の情報や、各種家電機器EEの消費電力量を制限するための電力量上限値のデータ、さらには居住者毎に設定された電力上限値等の情報が、それぞれ記憶されている。
【0081】
また制御部36には、保湿空気供給機20の関係で専用の「第2の記憶部」となる第2のメモリー(図示せず)36Bを保有しており、睡眠判定部23によって取得された睡眠時間、時刻等の各種データやその解析結果の情報が、それを実際に取得した日付や時刻等の詳細情報と対になって時系列に記憶されている。
【0082】
さらに、この第2の記憶部36Bには、保湿空気供給機20の保湿運転中において、保湿空気供給機20が使用された居住空間における環境情報又は環境データ(例えば、気温、湿度)が、その保湿運転時間と対になって時系列で記録される。例えば、入眠時刻が23時10分であった場合、それから10分ごとに統合環境検知部9によって取得された気温と湿度の環境データが、その時刻情報と共に順次記憶され、睡眠時間帯が例えば23時10分から午前5時10分までの6時間と確定した段階、その6時間平均の気温と湿度が制御部36によって算出できるようになっている。従って環境データに基づく「環境快適度」等の「環境情報」の生成も可能となる。
【0083】
なお、前記入出力部30Aは、電力指令装置9がインターネット経由で入手した各電気機器EEの動作プログラム改善用の特定のコンピュータ・プログラムソフトウェアを、電気機器EEが読み込む(入手する)際に使用される。
【0084】
図3において、9は前記統合環境検知部である。この統合環境検知部は、前記温度・湿度センサー6、7、8で測定された温度や湿度の情報を受け取る。12は、人感知センサー10、11の人感知情報を受け取る人感知部である。
【0085】
前記統合環境検知部9には、各居住空間HAの中に、それぞれ照度センサー(図示せず)を設置している。その照度センサーは、居住空間が明るいか暗いかを見分けるためのものであり、例えば前記人感知部12が、ある居住空間HAに人がいないと判断している状況で、照度センサーが明るい状態であることを示している場合、居住者が照明器具4を点灯したままの状態であることを忘れている可能性が考えられる。そこでこのような場合は、電力指令装置5の制御部36は、その時点での総電力使用量が使用限度設定器で設定された上限値よりも十分に余裕のある少ない量であったとしても、電気エネルギーの無駄を無くすという観点から照明器具4の消灯を使用者に(表示画面37AやTV受像機2の表示画面を通じて)勧告する。その後、電力指令装置5の制御部36は消灯指令信号を当該照明器具に発する(但し、当該照明器具4を電力指令装置4の電力削減対象機器になるように、接続しておくことが必要)。
【0086】
図3において、43は在宅検知手段(「在宅検知部」ともいう)であり、前記人感知部12からの人の存在を検知しているかどうかの検知信号を受ける構成になっている。
また居住空間HAの共通した出入口である玄関(図示せず)の外側には、電気錠42が設置されており、その電子錠に入力された暗証番号や生体情報(例えば指紋情報)に基づいて、居住者が帰宅したことを検知する個人認証手段(図示せず)を備えている。この個人認証装置では居住者からのパスワードの入力に基づいて、居住者であるかどうかを判定するが、その判定結果を前記在宅検知手段43に送信する構成になっている。
【0087】
玄関のドアを電子的にロックしている前記電子錠と個人認証手段については、既に多くの構成例が提案されているので詳しく説明しないが、本実施の形態1においては、各居住者(例えば居住者A〜Dの4名)にそれぞれ固有のパスワードが割り当てられている。全ての居住者には「4桁の(共通の)数字の後に、個人別数字2文字」というルールでパスワードを決めるように指示されている。居住者Aのパスワードは「123401」、居住者Bのパスワードは「123402」、居住者Aのパスワードは「123403」となっている。なお、このパスワードは、玄関ドアの電子錠の所に設置してある10個の入力キー(テン・キー)で入力する。
【0088】
前記パスワード入力して居住空間の中に入った後、玄関から逆に外に出る際には、パスワード入力は必要ないが、前記人検知部12が、所定の時間(例えば30分間)に亘って全ての居住空間HAから人の存在を検知できない場合は、在宅検知手段43が、全ての居住者が外出しているものと判断し、それまでに入力した全ての居住者のパスワード入力記録を取り消し、在宅状態から留守状態へ検知情報を変更する。
【0089】
この後、居住者が帰宅した場合は、再度パスワード入力が必要となる。なお、玄関から外出する際に、各居住者が外出することを前記個人認証装置にインプットするようにすれば、更に在宅状態の検知は正確になる。また前記したように、パスワードの入力を省略するため、生体情報(例えば指紋情報)から、居住者が帰宅したことを検知する手段に変えたり、居住者が保持している固有の身分証やIDカード等に記録された個人特定情報を、磁気的又は光学的手段で個人認証装置に直接読み込ませたりするという方法でも良いが、詳しい説明は省略する。
【0090】
図3に示した表示盤37の表示画面37Aでは、前記睡眠判定部23が判定した睡眠時間関係のデータを、前記情報通信端末機器25は、そのNFC入出力部41を介して読み出すことができる。つまり、仮に保湿空気供給機20と電力指令装置5の入出力部30Aとの間で、無線通信ができない状況(例えば一時的な通信障害)であっても、睡眠時間関係の情報は、入出力部40を介して情報通信端末機器25のNFC入出力部41で行える。また情報通信端末機器25で睡眠時間データが取得できることから、情報通信端末機器25を家庭の外部に持ち出して、遠隔地でその睡眠時間のデータを専門家(例えば医師)に見て貰って質の良い睡眠の助言を得たり、そのデータを加工したりして、帰宅後に、保湿空気供給機20に読み込ませ、その夜の保湿運転の時間設定に利用するという便利な利用方法も可能となる。
【0091】
この実施の形態1でいうアイコンとは、前記した表示画面37Aや後述する保湿空気供給機20の表示画面101の上に表示され、特定の機能の選択が行われるものであり、図形だけではなく、文字でその特定機能を表現している場合も含む。そのアイコンにタッチすれば、そのアイコンに対応付けてある所定の入力が行える。
【0092】
図1〜
図3に示したTV受像機2の表示画面で表示できる情報と、表示盤37の表示画面37Aで表示できる情報とは、基本的に較差はない。つまり電力指令装置5の「動作情報」、統合環境検知部9の「環境情報」は、TV受像機2の表示画面でも表示盤37の表示画面37Aでも、同様に表示可能である。但し、TV受像機2では、通常20〜60インチの画面サイズであるのに対し、表示盤37の表示画面37Aの画面サイズは、10〜15インチ程度と、数分の1以下と狭いので、全く同じ内容が同じ大きさで表示される訳ではない。当然ながら表示される文字のサイズは小さくなるが、前記した居住空間の温度・湿度表示情報や各種環境情報は、何れも表示される。
【0093】
以上説明した構成により、TV受像機2の液晶表示画面と表示盤37の表示画面37Aとの間で、表示される情報の齟齬が生じないようにして、キッチンでも居間でも同じ情報を確認できるようにしている。なお、これら各種情報の表示画面37Aでの表示は、前記制御部36の表示用制御プログラムによって実行される。
【0094】
(保湿用空気供給機)
次に
図4に基づいて本発明の保湿用空気供給機20について詳細に説明する。
図4において、保湿用空気供給機20は、所定の温度(例えば40℃)の高い湿度の空気(蒸気と空気の混合物)を供給し、その高湿度の空気によって居住者が顔等の保湿効果を期待するものである。特に就寝中に用いられることを想定して設計されている。
【0095】
前記保湿用空気供給機20は、本体20A全体の周囲を囲む本体ケース49と、この本体ケース49の底面を閉鎖している底板51とによって外郭が構成されている。
【0096】
前記本体ケース49の内部には、その後部にカートリッジタンク56が支持台(図示せず)上に載置されている。そしてこのカートリッジタンク56の中に入れた水が水受け弁(図示せず)を介して、後述する高温空気生成部(ボイラー室)59の底部へパイプ(図示せず)によって供給されるようになっている。なお、カートリッジタンク56は、本体ケース49の中から容易に取り出せ、水を補給できる構造になっている。
【0097】
59は、金属製のボイラー58の中に形成された密閉空間である高温空気生成部(ボイラー室)であり、前記カートリッジタンク56から、常に一定の水位となるように水60の電熱源90(
図4参照)が装着されており、保湿運転時には、保湿用の高温蒸気を発生させるために、水60を蒸気化させることができる。44は、温度検知器であり、ボイラー58の外壁面に接触状態に固定されており、ボイラー58の温度を検知して、ボイラー室59の内部の水60が沸騰状態であるかどうかを推測するものである。なお、この温度検知器44は、
図5には図示していないが、温度検知情報は、制御装置33に一定時間間隔で入力されるようになっている。これにより、制御装置33が、ボイラー58の温度を監視するようになっている。
【0098】
55は、ファンを内蔵した電動送風機であり、本体ケース49の一部に設けた吸込み口(図示せず)から、
図4の矢印FAで示すように、居住空間HA内の空気を吸い込み、これを矢印FCに示すように搬送風(案内風)として保湿用空気供給機20の前面上部壁に貫通して形成した送風口53に送る。
【0099】
前記送風口53には、送風口53を貫通するような送風案内用のダクト54が設けてある。52は、そのダクトの末端に形成された吹出口であり、図示していないが、使用者の指等の異物が入らないようにルーバー(格子)形状になっている。この吹出口52から吹き出された40℃程度の高湿度の空気が、送風口53からの冷たい空気流によって上昇することを抑制されながら、前方(
図4の矢印X方向)へ送りだされることにより、吹出口52から70cm〜80cm程度の位置では、直径が30cm程度で、湿度が40%〜50%の適度な湿度の空間が生成される。その空間の位置に使用者の顔があれば、顔の湿度を適度に保つ効果が期待できる。なお、吹出口52から吹き出される高湿度の風の速度は、25cm/秒程度の遅いものであり、使用者にやさしい風になるように前記電動送風機55の送風量や前記高温空気生成部(ボイラー室)59の蒸気発生量が調整されている。
【0100】
50は、一端開口部が前記電動送風機55の送風出口側に、また他端開口部が前記ダクト54に連結されたダクトである。61は、前記高温空気生成部(ボイラー室)59の上部に連結されている混合室であり、その途中の背面側には、前記ダクト50の途中から分配された空気の一部分が、矢印F1に示すように導入する連通孔(図示せず)が形成されている。
【0101】
59Aは、高温空気生成部(ボイラー室)の天井面に形成した開口、54Aは、ダクト54の底壁に形成した開口であり、この開口を通じて高温空気生成部(ボイラー室)59からの高温水蒸気が導入される。54Bは、ダクト54の背面壁に形成した開口であり、この開口に前記ダクト50の前方端開口部が接続されている。
【0102】
前記本体ケース49の前面(正面)には、その上部に、液晶画面95を利用したタッチパネルが配置されているため、この液晶画面95が入力操作部71(
図6参照)を兼ねている。前記液晶画面95の下方近傍には、近接通信のためのタッチ位置を示す表示部63が設けてあり、この表示部は、近距離通信(NFC)用入出力部でもある。64は、前記近距離通信(NFC)用入出力部63を内側から光で照らすための発光ダイオード素子(LED)である。以下、この液晶画面95と表示部63の両者を総称して「表示画面」又は「タッチ式表示画面」101と呼ぶ。なお、使用者の肌の水分量を示すデータは、後述する肌水分計測部67で計測されるが、これとは別に、入力操作部71によって、使用者が肌の水分量を示すデータ(例えば、40%という数値)を直接制御装置33に入力できるようなっている。
【0103】
67は、使用者の肌の水分量を計測するセンサー部(肌水分計測部)であり、前記本体ケース49の内部に計測情報を送信できるようケーブル67Aが接続されている。なお、このケーブル端部にコネクタを設け、前記本体ケース49と着脱自在に構成しても良い。またケーブル67Aは、使用者が自分の顔の所まで肌水分計測部67を接近させて計測しやすいように、伸縮自在なものにしても良い。
【0104】
70Aは、前記本体ケース49の前壁(正面壁)に押圧操作可能に支持された主電源スイッチ70(
図6参照)の押しボタン。69は、保湿用空気供給機20のホストコンピュータとして機能する制御装置33の中核を構成するマイクロコンピューター33Aや、前記発光ダイオード素子(LED)、液晶画面55の駆動用電子回路部品33B等を実装した回路基板である。29は、無線通信用入出力部68(表示部を兼用)の一部を構成しているアンテナである。
【0105】
68Aは、電力指令装置5の入出力部30Aとの間で直接無線通信を行うための通信アンテナ部であり、前記液晶画面95の後方の空間内に水平に設置されている。この通信アンテナと送受信回路(図示せず)とによって無線通信用の入出力部68を構成している。
【0106】
(情報通信端末機器25の内部構成)
図5において、情報通信端末機器25は、液晶表示基板等から構成された表示画面73Aを有する表示部73と、使用者が操作する複数の入力キーを有する操作入力部(操作部)74と、無線インターフェース(無線入出力部)41と、姿勢検知部75と、マイクロコンピューターを内蔵した制御部76と、操作場面に応じた複数種類の合成音声を出力し、かつ必要に応じて情報通信端末機器25を振動させる小型バイブレータを内蔵した報知部87と、を備えている。このバイブレータは、前記報知部87から音声を出す(鳴動)するときに、それと同期して情報通信端末機器25自体を振動させることができ、これにより表示部73だけでは確実に使用者に対して操作状況や通知の着信等を伝えることができない状況でも、音と振動でそれを補うことができる。
【0107】
無線入出力部41は、2つの入出力部から構成され、その1つは、前記広域通信回路網(通信ネットワーク)16との間で所定の通信を行う無線入出力部41Aであり、他の1つは、前記電力指令装置5のNFC入出力部40及び保湿空気供給機20のNFC入出力部63との間で、それぞれ近距離無線通信する無線入出力部41Bである。
【0108】
前記表示部73、操作部74と、無線入出力部41、姿勢検知部75、制御部76、報知部87は、図示していないが、信号回路で相互に接続されている。前記姿勢検知部75には、ジャイロセンサーを備えており、使用者が情報通信端末機器25を(左右・前後方向に)傾ける際の姿勢を検出して、当該姿勢を示す信号を前記制御部76に出力する。
【0109】
制御部76は、大きく分けて中央演算処理装置(CPU)77と、半導体記憶素子を主体に形成された記憶部78とを備える。CPU77は、記憶部78の中にあるROM、RAM部79に格納されている制御プログラムに従って、情報通信端末機器25全体の処理を実行するものであり、処理を実行する過程で必要なデータを前記ROM、RAM部79から読み出したり、処理を実行する過程で生成したデータを、前記ROM、RAM部79に格納したりする。86は、記憶部78の一部を構成する半導体製の不揮発性メモリーである。このメモリー86には、前記無線入出力部40から読み込んだ各種情報(睡眠時間の情報を含む)を記憶させておくことができる。また、電力指令装置5から読み込んだ各種電気機器EEの運転状況を示す情報、睡眠時間の情報や、統合環境検知部9から提供された環境情報、「異常発生情報」、及び情報サーバー27から送信された情報、後述する対策ソフトウェア等が一時的に記憶・蓄積される。この「一時的」という意味は、使用者が特に消去の指令操作をしない限り保存される場合や、1ケ月又は1週間等の一定期間だけ自動的に記憶保持され、その期間経過後には自動消去される場合を指す。
【0110】
前記記憶部78には、前記アプリケーション・ソフトウェア部80が含まれ、このアプリケーション・ソフトウェア部80には、受信処理部81、送信処理部82、通信確立部83、表示制御部84、選択確定部85、メモリー86が含まれている。
【0111】
前記「異常発生情報」とは、電力指令装置5の制御部36が、家電機器EE、例えば保湿用空気供給機20から、その電熱(加熱)源90(
図4、
図6参照)の緊急停止を示す信号を受けた場合に、新たに生成する特別な情報である。この異常発生情報は、前記情報通信端末機器25と、情報サーバー27で認識される専用情報である。つまり、家庭の外部へ家電機器EEの異常発生を知らせるための情報である。この異常発生情報には、電気機器EEの個別の異常発生データ(例えば、電圧値や温度、温度上昇速度など)も含まれる。
【0112】
前記記憶部78には、保湿用空気供給機20等の家電機器EEのアプリケーション・ソフトウェアを格納することができるアプリケーション・ソフトウェア部80がある。このアプリケーション処理部80は、また電力指令装置5の表示盤37のためのアプリケーション・ソフトウェアも格納する。アプリケーション・ソフトウェア部80のソフトウェアは、情報通信端末機器25の外部からインストールされたものでもよいし、情報通信端末機器25の出荷時から記憶部78に格納されているものでもよい。つまり、情報サーバー27から送信された対策ソフトウェアプログラムも、この記憶部78に格納される。
【0113】
CPU77が上記のアプリケーション・ソフトウェア部80に従って処理を実行することによって、所定の受信処理81、送信処理部82、通信確立部83、表示制御部84、選択確定部85、の各機能が実現される。これら各部分の動作について後で説明する。
【0114】
次に
図6について説明する。この
図6は、保湿用空気供給機20における表示画面101と、近距離無線通信用入出力部63を中心に説明するブロック図である。
前記表示画面101を構成している液晶表示基板95の表示画面は、周知のドットマトリックス型液晶表示画面である。また高精細(320×240ピクセルの解像度を備えているQVGAや640×480ドット、16色の表示が可能なVGA相当)の画面を実現でき、文字を表示する場合でも多数の文字を表示することができる。前記液晶表示画面は1層だけではなく、表示情報を増やすために上下2層以上で表示するものを使用しても良い。
【0115】
(保湿用空気供給機の回路構成)
図6において、91は、前記表示画面101の駆動回路である。この駆動回路は前記制御装置33と接続されている。
駆動回路91は、表示用メモリー91A、表示コントローラー91B、インターフェース91C、電源91D、コモンドライバー91E、およびセグメントドライバー91Fを備えている。
【0116】
駆動回路91は、
図6に示している通り、電源回路92からの電力により動作し、インターフェース91Cにより制御装置33の内蔵メモリー33Rから表示用の画像情報を取得する。このメモリー33Rを、以下「第1の記憶部」と呼ぶ。
表示用メモリー91Aは、制御装置33から取得した画像情報を記憶する。
【0117】
図6において、表示コントローラー91Bは、表示用メモリー91Aに記憶された画像情報を読み出し、この画像情報に基づいて、コモンドライバー91Eおよびセグメントドライバー91Fを継続的に駆動する。コモンドライバー91Eおよびセグメントドライバー91Fは、表示画面101の各画素に対応して設けられた互いに交差する電極に電圧を印加することで液晶を駆動する。
【0118】
前記駆動回路91は、表示用メモリー91Aに記憶された画像情報を、必要な都度表示画面101に表示させる。なお、表示コントローラー91Bによって表示画面101に表示させる情報は、後述するように異常の種類や原因等が分かるように、文章化されたテキストデータも含まれる。
【0119】
図6において、28は所定の位置に配置されたNFCタグの一部を構成するNFC用の通信制御IC(NFC制御回路)である。29は、このNFC制御回路28に接続されていて、外部から所定の周波数の無線を受けるとNFC制御回路28のための電源となる誘導電力を発生させアンテナである。31は、前記NFC制御回路28に接続されているマイクロチップメモリー(前述した「NFC記憶部」と同じ)である。このメモリーを以下「第2の記憶部」と呼ぶ。
【0120】
図6において、64は、前記NFC用入出力部63を構成するアンテナ29部分の近傍を囲むように設置された発光ダイオード素子(LED)である。このLEDによって近接通信のためのタッチ位置を示す表示部63(前記近距離通信用入出力部と同じ)は、本体ケース49の前面壁(正面壁)の内側から光で照らされるので、使用者は、保湿用空気供給機20と情報通信端末機器25との間でNFC通信状態を確立させる場合に、情報通信端末機器25を接近させる位置が容易に分かる。
【0121】
前記LED64は、常時発光していなくとも良く、制御装置33によって駆動回路91の動作と連携するようになっているため、近距離通信(NFC)機能のある情報通信端末機器25等で、睡眠時間データや、詳しい異常内容と対処方法等の情報が得られる旨表示することに同期して、駆動回路35により所定タイミングで点灯される。なお、点灯から一定時間経過後、LED64を自動消灯する構成にしても良い。
【0122】
表示部駆動回路91は、制御装置33を構成するマイクロコンピューターとは別の、専用のマイクロコンピューターによって構成されているが、同じマイクロコンピューターで構成しても良い。
【0123】
図6において、93は、リアルタイム・クロックとも呼ばれている時計回路であり、後述する主電源スイッチ70に繋がる電源回路92とは別の専用電源(内蔵電池)から電源が供給され、長期間に亘って駆動されるようになっている。これは例えば電波時計でも良く、常に制御装置33から求めがあれば、現在の日にちと正確な時刻を秒単位で知らせるものである。このため、保湿用空気供給機20の製造段階で正しい日時にセットされている。従って、保湿用空気供給機20の主電源を切り、その後再度主電源を投入しても、この時計回路の時刻情報は影響受けず、常に最新の正しい時刻を制御装置33に伝える機能がある。このため、前記制御装置33の記憶装置33Rに記録される各種情報は、常に正確な時間が同時に記録されて保存されることになる。従ってNFC用入出力部63から情報通信端末機器25によって外部に読み出される異常監視データには、前記した発生時刻情報が付加されている。これにより後でデータを分析する際に、時間経過が正確に把握できる。
【0124】
前記制御装置33は、電力指令装置5に対して睡眠時間を把握するために、入眠時点の時刻データ等のような、リアルな情報の提供を求める場合がある(これは、
図7で説明する)。つまり、睡眠判定部23を利用した電力指令装置5による睡眠時間の判定結果を待つのではなく、制御装置33自ら入眠時刻、覚醒時刻等のタイミングを示す情報から実際の睡眠時間帯を把握できる機能がある。
【0125】
図6において、70Aは、前記したように主電源スイッチ70の操作ボタンであり、一度押すとスイッチは閉(ON)となり、次に押すと開(OFF)となり、以後これを繰り返す。
【0126】
図6において、45は、前記統合環境検知部9と同様に、環境データを取得する機器側環境検知部である。この機器側環境検知部45は、室内空気の温度と湿度を検出する。
46は、肌水分計測部からの計測データを分析し、肌の水分量を判定する肌情報部である
【0127】
次に
図7について説明する。
図7は、本発明の実施の形態1に係る保湿用空気供給機20と電力指令装置(統合管理装置)5との制御動作を示すタイムチャート(説明図)である。
図7は、保湿用空気供給機20の運転開始にあたり、電力指令装置5から睡眠時間のデータを取得して、保湿運転開始するという場合のものである。
【0128】
以下、各動作T1〜T13について説明する。
使用者が、保湿用空気供給機20の主電源スイッチ70をONし(T1)、「睡眠時間対応モード」ともいう「お任せモード」を選択すると、この選択結果を示す信号が保湿用空気供給機20から電力指令装置5に送信される(T2)。この送信は、前記無線通信用の入出力部68から行われる。
【0129】
電力指令装置5の制御部36は、睡眠判定部23に対して、睡眠センサー24を起動して睡眠時間のデータを取得するように指令する(T3)。すると睡眠判定部23は、睡眠センサー24を起動する。
【0130】
その後、使用者が入眠し、睡眠判定部23が「入眠状態になった」と判定した場合、その時点の時刻情報が制御部36へ報知される(T4)。制御部36は、前記入眠時刻のデータを、即時保湿用空気供給機20の無線通信用の入出力部68から制御装置33へ送信する(T5)。
【0131】
保湿用空気供給機20では、制御装置33が、その通知された時刻を記憶装置33Rに記憶させる一方、電熱源90に通電開始し、高温空気生成部(ボイラー室)59で水蒸気の発生を開始する。そして蒸気が発生する段階で電動送風機55にも通電開始して送風を開始する。これにより保湿空気の供給が開始されるので、制御装置33は保湿運転を開始したことを電力指令装置5へ通知する(T6)。なお、
図7においてT2からT5の時点までの時間Aが30分と記載しているが、この時間は、使用者が入眠するまでの時間に依存するので、毎回(入眠の都度)同じではない。この
図7の例では、お任せモードを使用者が設定し、そのあと就寝したが、入眠と判定された時点は前記お任せモードの設定から30分後であったことを示している。
【0132】
次に、保湿用空気供給機20では、制御装置33が予め決められた時間(この例では3時間=180分間で、「保湿運転時間B」)だけ、上記した保湿運転を行い、所定の時間が経過した段階で自動的に電熱源90への通電を停止し、そのあと数分して電動送風機55への通電も停止し、保湿用空気の供給を停止する。そしてこの保湿運転終了を電力指令装置5へ通知する(T7)。
【0133】
その後、使用者が覚醒し、睡眠判定部23が「覚醒状態になった」と判定した場合、その時点の時刻情報が制御部36へ報知される(T8)。制御部36は、前記覚醒時刻のデータを、即時保湿用空気供給機20の無線通信用の入出力部68から制御装置33へ送信する(T9)。この例では、入眠時点T5から覚醒時点T9までの経過時間が360分であり、睡眠時間が6時間であったことが保湿用空気供給機20の制御装置33で分かる。そのため制御部33は、このような一連のデータを記憶装置33Rと、NFC記憶部31に、それぞれ記憶させる。またこの睡眠時刻データの取得日時もセットにして記憶させておく。なお、NFC記憶部31に記憶させておくのは、この保湿用空気供給機20の主電源を切った状態でも、情報通信端末機器25がデータを読み出せるようにするためである。
【0134】
なお、一旦覚醒状態になったあと、使用者がトイレに行くため等のために、一時的に覚醒する場合があるが、その場合、入眠時刻から3時間以内は、本来の覚醒ではないと保湿用空気供給機20は見做して、そのまま保湿運転継続する。また入眠時刻から3時間超過以降、5時間以内でも、上記のような一時的な覚醒は、本来の覚醒ではないと保湿用空気供給機20は見做して、覚醒情報の判定を受けてもそのまま10分間は保湿運転継続し、10分経過後に自動的に保湿運転は停止する。しかし、途中で覚醒あった場合でも、その後30分以内にまた入眠状態になった場合には、保湿運転を自動的に再開するようにしても良い。一方、最初の覚醒時刻から3時間以内に保湿運転を制限するという基本設定をしたままであった場合には、入眠時刻から3時間超過以降は、再度入眠しても保湿運転の開始はされないようになる。なお、後述するように覚醒時刻情報を受けてから3時間経過時点で、自動的に主電源スイッチ70は制御装置33によって開放(OFF)される。
【0135】
一方、電力指令装置5では、睡眠判定部23が、T4からT8の時刻における生体データとその変化を一連のデータに集約・整理し(T10)、この結果を制御部36に報知する(T11)。制御部36は受け取った生体データや睡眠時間のデータ(入眠時刻、覚醒時刻、日時)を基礎にして睡眠時間帯のデータを作り、就寝者を示す識別コードや日時データ、保湿運転の行われた居住空間名(位置コード)等とセットにして、第2の記憶部36Bに記憶させる(T12)。そして睡眠時間判定部23に判定動作を終了するように指令する(T13)。
【0136】
以上の説明から明らかなように、この保湿用空気供給機20では、保湿用空気供給機20を起動した段階(主電源スイッチ70をONした時点)で、使用者の睡眠時間に関するデータが全くない状態であっても、最初に睡眠時間対応モード(お任せモード)を選択するだけで、実際の睡眠時間に対応してその睡眠中に保湿運転を開始し、また終了させることができる。なお、上記したように保湿運転時間Bは3時間であったので、通常では殆どの人の睡眠時間よりも短く、制御装置33の制御プログラムで規定されている標準条件通りに3時間運転しても、覚醒前に保湿運転を終了させることができる。
【0137】
次に
図8について説明する。
図8は、本発明の実施の形態1に係る電力指令装置5と保湿用空気供給機20の制御動作を示すタイムチャート(説明
図1)である。
図8は、保湿用空気供給機20の運転後、情報通信端末機器25が保湿用空気供給機20から、睡眠時間のデータを取得して、睡眠時間データを変更し、そのデータを再び保湿用空気供給機20へ記憶させ、次回の保湿運転に利用するという場合のものである。なお、保湿用空気供給機20が、電力指令装置5から睡眠時間データを取得する方法については、既に
図7で説明している。
【0138】
以下、各動作T21〜T31について説明する。なお、この動作タイミングT21〜T31は、
図7に示した動作タイミングT13に連続するものではない。
【0139】
使用者が、情報通信端末機器25を保湿用空気供給機20のNFC入出力部63に接近させると、情報通信端末機器25と保湿用空気供給機20との間の通信セッションが確立される。そのため、情報通信端末機器25から睡眠時間データの読み出し要求の信号を保湿用空気供給機20へ発信する(T21)。
【0140】
保湿用空気供給機20では、これに応えて、情報通信端末機器25に対し睡眠時間データの読み出し許可の信号を送る(T22)。保湿用空気供給機20では、制御部33が情報通信端末機器25に対し睡眠時間データの読み出し指令の信号を送る(T23)。
【0141】
次に、情報通信端末機器25が、保湿用空気供給機20側のNFCタグを介してNFC記憶部31に記憶させてある睡眠時間データの読み出す(T24)。情報通信端末機器25では、入手した睡眠時間データを記憶部78に一時的に記憶させ(T25)、またそのデータを表示部73に表示させ(T26)、さらにデータの一部を変更(例えば覚醒時刻を1時間早め、睡眠時間を全体として1時間短縮)し(T27)、その最終データを再び記憶部78に記憶させる(T25の時点のデータに上書き)(T28)。
【0142】
情報通信端末機器25では、今度は逆に保湿用空気供給機20に対して、変更した睡眠時間データを記憶させるため、書き込み要求の信号を送る(T29)。これに応答して保湿用空気供給機20から書き込み許可の信号が届く(T30)。そこで情報通信端末機器25に一時的に記憶してある睡眠時間データを書き込む指令を送る(T31)。
なお、上記した各動作タイミングT21〜T24、T29〜T31は、情報通信端末機器25と保湿用空気供給機20との間の通信セッションが確立されている期間中に行われる。また保湿用空気供給機20の主電源スイッチ70はOFFにしておいたまま、上記の動作T21〜T31を実施できる。
【0143】
次に、
図9について説明する。
図9は、本発明の実施の形態1に係る保湿用空気供給機20の制御動作を、情報通信端末機器25との関係で説明するタイムチャート(説明
図2)である。
【0144】
図9は、保湿用空気供給機20の運転開始の直前で、情報通信端末機器25から睡眠時間データを取得して、保湿運転を開始する、という事例である。なお、情報通信端末機器25が睡眠時間データを取得することについては、既に説明したので、説明を省略する。
【0145】
以下、各動作T41〜T49について説明する。なお、この動作T41〜T49は、
図8に示した動作T31に連続したものではない。
まず、使用者が保湿用空気供給機20の主電源スイッチ70をONし(T41)、「睡眠時間対応モード」(お任せモード)を選択する(T42)。もし、保湿用空気供給機20に適当な睡眠時間データがないことが制御装置33によって判明すると、制御装置33は、睡眠時間データの取得を勧告する。そこで使用者が保湿運転の開始前に、自分の睡眠時間を情報通信端末機器25から取得しようと考えた場合、その情報通信端末機器25をNFC入出力部63経由で読み込ませるために、そのNFC入出力部63に情報通信端末機器25を接近させる(この時点では、LED64によってNFC入出力部63の位置が、明瞭に表示される)。
【0146】
情報通信端末機器25と保湿用空気供給機20との通信セッションが確立すると、情報通信端末機器25から、睡眠時間の書き込み要求信号が出される(T43)。すると、保湿用空気供給機20は、情報通信端末機器25が事前に認識した所定の端末機器であると認識し、睡眠時間データの書き込み許可信号を出す(T44)。
【0147】
情報通信端末機器25は、睡眠時間データの書き込み指令信号を出す(T45)。そして情報通信端末機器25の記憶部78に一時的に記憶させてある睡眠時間データが読み出され、保湿用空気供給機20に送信される(情報通信端末機器25の記憶部78に一時的に記憶させてある睡眠時間データは、そのまま残存し、自動的に消える訳ではない)。
【0148】
情報通信端末機器25からの睡眠時間データが読み込まれると、情報通信端末機器25と保湿用空気供給機20との通信セッションは、不要になるので、情報通信端末機器25を遠ざけることで、通信セッションが終了する。
【0149】
情報通信端末機器25において、睡眠時間データはNFC記憶部31にまず記憶され、これと同じデータは制御装置33の記憶装置33Rに移される。そこで制御装置33は、この睡眠時間データを表示画面101に表示する(T46)。
【0150】
使用者が表示画面101を見て、睡眠時間の確認をし、それを修正する場合には、その修正入力を待ち、使用者からの最終的な運転開始の指令を待つ(T47)。
【0151】
そして運転開始の指令があった場合、制御装置33は最終的に設定された睡眠時間のデータを基礎にして、その睡眠時間の中における保湿運転の開始時刻や終了時刻を計算する(T48)。例えば、現在の時刻が、22時10分であり、睡眠時間のデータで示された入眠時刻が23時10分であった場合、保湿運転開始まで60分間あることが分かるので、例えば入眠と同じタイミングで保湿運転開始する場合には、電熱源90に通電開始して、高温空気生成部(ボイラー室)59から高温の水蒸気が発生するまでに10分間必要であることが分かっている場合、23時00分に通電開始すれば良いことが分かる。
【0152】
なお、実際には、高温空気生成部(ボイラー室)59内部に蒸気が充満するためにも若干時間が必要であるので、23時よりも早い時点で電熱源90に通電開始する。そして制御部33の動作プログラムによって決められた所定の保湿運転(例えば180分間)の終了時間まで経過時間のカウントダウンを行う(T49)。なお、使用者が上記した所定の保湿運転(例えば180分間)を変更して運転条件確定させた場合は、その変更後の時間と前記睡眠時間との比較が(T48ステップで)行われる。
【0153】
一般に、入眠した時間から早い段階は、眠りの質が良いと言われているので、この実施の形態1では、できるだけ入眠の時点からあまり遅れないタイミングで保湿運転を開始するようにしている。例えば、入眠の時点から遅くとも30分のタイミングで電熱源90に通電開始されるようにしている。そして電動送風機55は、入眠の時点から遅くとも35分のタイミングで通電開始される。なお、電熱源90への通電開始タイミングと電動送風機55への通電開始タイミング(時間差)は、常に5分間を維持するように設定されている。
【0154】
次に
図10について説明する。
図10は、本発明の実施の形態1に係る保湿用空気供給機の基本的な制御動作を示すフローチャート
図1である。
【0155】
以下、スタート(S1)から終了(S16)までの各動作ステップについて説明する。最初に主電源スイッチ70をONする(S2)と、制御部33は、カートリッジタンク56の水量をチェックし、また温度検知器44の検知温度をチェックして異常がないかどうか判定する。そして表示画面101を起動する(S3)。
【0156】
次に、記憶部33Rの中に保存されている睡眠時間データと、前回までの肌の水分量データとを一時的に読み込む(S4)。なお、ここでいう「前回」とは、前回の保湿運転を終えて、主電源スイッチ70をOFFにする前までの期間をいう。過去分は例えば30日や3ケ月等、使用者が事前に設定できるようになっているが、あまり古いデータを読み出すと、気温や室内や屋外の空気の湿度等の環境も変化し、参考にならない場合があるので、適当な期間だけに絞ってデータの読み出し量も少なくすると良い。
【0157】
そしてその表示画面101において、使用者に、「睡眠時間対応モード」(お任せモード)のタッチキー(アイコン)102と、「手動モード」のタッチキー(アイコン)103と、「肌水分対応モード」のタッチキー(アイコン)105、の3つを同時に表示して、この何れか1つを選択するように表示する(S5)。なお、この場面の表示画面101の表示内容については、
図17で説明する。
【0158】
そして運転モードを選択するステップ(S5)において、使用者が「手動モード」を選択した場合には、次のステップ(S6)に進み、使用者は運転時間を設定する。この場合の運転時間とは、タイマーを使用した「自動開始・自動停止」動作を行う場合も含む。そのため、例えば、現在時刻が22時00分であった場合、直ちに保湿運転開始して3時間後に終了させるパターンと、23時15分に運転開始させ、その3時間後(4時間後やその他時間でも良い)に自動停止させるパターン、の2つの選択肢がある。なお、使用者が「肌水分対応モード」を選択した場合には、
図20のステップ(S20)に進むが、これについては後で説明する。
【0159】
使用者が運転時間を設定した場合、次のステップ(S7)に進み、保湿運転開始の指令を使用者が与えた場合には、次のステップ(S8)に進み、電熱源90に通電開始され、保湿運転が開始される。
【0160】
そして規定の所定時間又は使用者が事前に設定した時間が経過した段階、又は使用者が途中で停止指令を与えた場合には、次のステップ(S9)の条件成立し、運転は終了する(S16)。
【0161】
次に、前記ステップ(S5)で、「睡眠時間対応モード」(お任せモード)を選択した場合、ステップ(S10)に進み、そのステップで、適当な睡眠時間データが無い場合には、次のステップ(S11)に進む。そしてここでは、表示画面101において、使用者の睡眠時間データを読み込ませることを勧告する。適当な睡眠時間データが無い場合とは、例えば、使用者は合致しているが、取得したデータが1年以上も古い場合や、対象者が異なるデータであった場合である。なお、睡眠時間データを取得する前に、対象者(被計測者)の識別のために居住者別のコード番号を電力指令装置5にインプットするか、あるいは、取得されているデータを読み出して、識別コードを追加したり、居住者別のデータベースに編成したりする等の処理をしておくと良い。
【0162】
使用者が、睡眠時間データの取得を希望しない場合には、ステップ(S5)に戻り、「手動モード」の選択ができる。一方、睡眠時間データの取得を希望する場合には、ステップ(S5)で説明したように、「睡眠時間対応モード」(お任せモード)のタッチキー(アイコン)102にタッチすれば良い。
【0163】
すると、次のステップ(S13)に進み、制御部33は、電力指令装置5から最新の睡眠時間データを読み込む動作を行う。そのため、電力指令装置5と通信セッションを確立させ、最新の睡眠時間データを読み込む(S13)。そして通信セッションを解除し、読み込んだ睡眠時間データを記憶装置33Rに記憶させる(S14)。なお、さらにNFC記憶部31にもそのデータと同じデータを、コピーして移す処理をしておいても良い。
【0164】
次に、入手した睡眠時間データを基礎にして、その睡眠時間の中で、どういうタイミングで運転を開始し、終了すべきか計算する(S14)。そして電熱源90の通電開始時刻等の計算を行い、全体の運転スケジュールを決定する(S15)。そして使用者からの運転開始の指令を待つため、前記ステップ(S7)に戻る。なお、前記ステップ(S10)で睡眠時間データがある場合には、このステップ(S15)に直接進む。
【0165】
前記ステップS13では、電力指令装置5から睡眠時間のデータを取得したが、電力指令装置5から睡眠時間のデータが取得できない場合(睡眠時間のデータが無い場合、又は何らかの無線通信の障害が発生し、睡眠時間データが保湿用空気供給機20に迅速に到着しない場合を含む)、制御装置33は、電力指令装置5からの睡眠時間のデータ取得を取り消し、代わりに情報通信端末機器25からの睡眠時間データの取得を表示画面101で使用者に勧告する(同時に、音声ガイド装置でも報知する)。そして、前述したように、情報通信端末機器25と保湿用空気供給機20との通信セッションを確立させ、睡眠時間の取得動作をさせる。
【0166】
保湿運転中においては、物理的、電気的な異常状態の有無の監視が制御装置33によって実施されている。さらに制御装置33は、温度検出素子(図示せず)から温度情報を得て、本体ケース49の内部にある主要な部分、電気部品等が異常な高温度になっていないかどうかを監視している。例えば前記高温空気生成部(ボイラー室)59は、前記カートリッジタンク56から、常に一定の水位となるように水60が供給されるが、何らかの原因でその高温空気生成部59の温度が所定の温度を超えた場合には、制御装置33は異常状態と認定し、電熱源90(
図6参照)の通電を遮断する。
【0167】
そして、このような異常の初期状態から緊急停止までの期間における保湿用空気供給機20の主要な部分の電気的、物理的(一例として前記した高温空気生成部59の温度)の変化状況を示す(異常監視)情報が、制御装置33の記憶部33Rの中に格納される。なお、記憶部33Rに記憶される異常監視情報は、主電源スイッチ70を入れた時点から取得開始され、保湿運転を完全に停止するまでの電気的、物理的変化の履歴が反映されたものとなる。そしてその異常監視情報は、前記主電源スイッチ70を切ったあとでも自動的には消去されず、前記記憶装置33Rに保存され続けることになる。
【0168】
次に
図11に基づいて、情報通信端末機器25が異常監視データを保湿用空気供給機20から取得する動作について説明する。なお、異常監視データだけではなく、保湿用空気供給機20が電力指令装置5から取得したデータ(例えば、睡眠時間データ)を取得する場合も、基本的にこの
図11に示すように情報通信端末機器25は動作する。
【0169】
図11は、情報通信端末機器25の処理ステップを示すものである。ここで示されるステップを実行するような制御プログラムが前記中央演算処理装置(CPU)77に最初から格納されている。なお、
図11の説明において、符号「SV」は、処理のステップを示すものである。また保湿用空気供給機20では、保湿運転の途中で、何らかの異常が発生したため、使用者が表示部101に表示された表示内容見て、異常内容を確認する場合を想定して以下説明する。その表示内容とは、例えば、「異常が検知されたため、緊急停止しました。詳細は、NFC表示部にNFC機能付きの携帯電話等の端末機器を接近させると情報入手できます」という説明の文字情報である。なお、同時に音声ガイド装置(図示せず)によって報知しても良い。
【0170】
先に起動しておいた情報通信端末機器25を保湿用空気供給機20のNFC用入出力部63に接近させる。すると、情報通信端末機器25は、記憶部76に格納されているアプリケーション・ソフトウェア部80を起動することによって処理が開始される。
SV1において、情報通信端末機器25の通信確立部83は、情報通信端末機器25と保湿用空気供給機20の間にNFC通信セッションが確立されることを監視している。NFC通信は、13.56MHz帯の電波を利用した近距離無線通信である。
【0171】
使用者が情報通信端末機器25を、保湿用空気供給機20のNFC用入出力部63に近づけ、接近させる(例えば5cmまで)と、通信確立部83は、NFC通信セッションを確立する。
【0172】
NFC通信セッションが確立されると、通信確立部83はステップSV1でYESと判断して、ステップSV2に進む。ステップSV2では、送信処理部82は、SV1で確立されたNFC通信セッションを用いて、保湿用空気供給機20の異常監視データや識別情報の提供を要求するための情報を保湿用空気供給機20に送信する(SV2)。この要求情報は、
図6に示したNFC記憶部31に一時的に記憶される。
【0173】
続いて、ステップSV3では、情報通信端末機器25は、ステップSV1で確立されたNFC通信セッションを用いて、保湿用空気供給機20から、使用者が表示を希望する情報を選択するための「専用の表示画面」を情報通信端末機器25の表示部73に表示する情報を受信する。この情報は、
図11では「表示メニュー用の情報」と記載している。ここでいう「表示メニュー」とは、異常発生時においては、少なくとも次の3つの情報群をいう。
(1)識別情報(製品識別情報)
(2)異常内容情報(異常内容を解説した詳細情報)
(3)アドバイス情報(製品の正しい使用方法や異常時の対処方法等を解説した情報)
前記「専用の表示画面」とは、例えば
図12、
図13に示したものである。
【0174】
表示メニュー用情報を受信すると、受信処理部81が受信内容を確認し、ステップSV4において、制御部76は、情報通信端末機器25を鳴動させる。これにより、使用者に受信(ここでは表示メニュー用情報の受信)が終了した旨が報知される。この直後に、情報通信端末機器25はSV1で確立されたNFC通信セッションを用いてMACアドレスを保湿用空気供給機20に送信する。このMACアドレスを保湿用空気供給機20が受信することにより、以後の通信で連続性・関連性が担保するために保湿用空気供給機20側において通信機器の識別に利用される。
【0175】
前記ステップSV4の時点での報知により、使用者は、情報通信端末機器25を保湿用空気供給機20から遠ざけてよいことを知る。仮にこれを知らない場合でも、ステップSV6では、情報通信端末機器25の表示部73に、表示メニュー用情報の受信が完了し、通信は一旦中断するため、「保湿用空気供給機20から遠ざけるように」との表示が出るので、使用者の無用の混乱は回避される。これら表示部73の画面処理は表示制御部84で実行する。
【0176】
情報通信端末機器25を保湿用空気供給機20からから遠ざけ、表示部73が見やすいよう自分の手元近くに移動させて、以後の操作を行うことができる。これにより、情報通信端末機器25と保湿用空気供給機20との間の距離が、互いに電波が届く距離より大きくなると、S1で確立されたNFC通信セッションが中断される(SV7)。なお、ここまでを第1のNFC通信セッションと定義すれば、このステップSV7の段階は第1のNFC通信セッションの完了と言える。
【0177】
仮にステップSV7で、NFC通信セッションが前記したようにSV7で中断しないままになった場合は、ステップSV6の処理に戻り、使用者はNFC通信を一旦中断するように勧告される。
【0178】
次に、ステップSV8において、制御部76は、保湿用空気供給機20を鳴動させる。これにより、使用者にはNFCが中断した旨が報知される。
表示制御部84は、ステップSV3で受信された表示メニュー用情報に含まれるテキストデータを用いて、所定の選択画面を生成する(SV9)。つまり、使用者が情報通信端末機器25の表示部73で最初に確認する内容は、
図13に示すような「専用の表示画面」であり、表示を希望する情報の種類を3つの中から1つだけ選択することができるものである。なお、このステップSV9における情報の種類の選択方法については複数あるので、
図13と
図14の説明の際に詳しく述べる。
【0179】
SV9において、例えば「異常内容情報表示」を選択した場合、この選択結果を保湿用空気供給機20にインプットする前には、NFC通信セッションを確立する必要がある。そこで前記したように、使用者が情報通信端末機器25を、保湿用空気供給機20の前面壁61のNFC用入出力部63に近づけ、通信確立部83が、NFC通信セッションの確立を確認した場合、通信確立部83はSV10でYESと判断して、SV11に進む。
【0180】
この後、情報通信端末機器25は、ステップSV11で確立されたNFC通信セッションを用いてMACアドレスを再び保湿用空気供給機20に送信する。このMACアドレスを保湿用空気供給機20が再度受信することにより、保湿用空気供給機20では前回との通信の関連性が確認される。また同時に、情報通信端末機器25はSV9において選択した「異常内容情報表示」という表示指令を保湿用空気供給機20に送信する(SV11)。
【0181】
続いて、ステップSV12では、情報通信端末機器25は、ステップSV10で確立されたNFC通信セッションを用いて、保湿用空気供給機20から、使用者が表示を指定した「異常内容」に関する情報を受信する。
【0182】
この異常内容に関する情報を受信すると、受信処理部81が受信内容を確認し、ステップSV13において、制御部76は、情報通信端末機器25を鳴動させる。これにより、使用者に指定した情報を受信(ここでは「異常内容情報」の受信)が終了した旨が報知される。
【0183】
その後、制御部76は表示部73に、NFC通信セッションは切断することを表示し、使用者が所定時間内に新たな操作入力をしない限り、NFC通信セッションを自動的に遮断して一連の処理を終了する。なお、使用者が受信した前記「異常内容情報」は、情報通信端末機器25の記憶部80のメモリー86に記憶されるので、使用者は後日その内容を再び読み出して表示部73に表示させることができる。またその「異常内容情報」は、情報通信端末機器25の通信機能を使って広域通信回路網16経由で保湿用空気供給機20の販売会社や修理業者のサーバー等に送信することもできるし、情報通信端末機器25を修理業者等の所まで持参して、当該業者のところで異常監視データの内容を見せることができる。また、そのような場合、保湿用空気供給機20の識別情報も記録されているので、修理業者等に正確な識別情報を伝達できる。
【0184】
異常監視データには、後述する各種運転情報信号L1〜L11、対象機器登録信号AS1、家電機器の総電力量を下げる要請信号(予告信号)AS2、電力削減指令信号AS3を含ませている。そのため、実際の異常を示すデータ(例えば、温度や電圧値)の計測タイミングと、例えば運転情報信号L1〜L7の送信タイミング等を時間的に対応付けてあるので、異常発生後の原因分析が容易になる。
【0185】
なお、情報通信端末機器25が、ステップSV11において「異常内容情報表示」という表示指令を保湿用空気供給機20に送信した場合、前記表示指令は保湿用空気供給機20のNFC記憶部31に一旦記録され、その表示指令を受けてNFC制御回路28では、制御装置33の記憶装置33Rに記憶している異常監視データをNFC制御回路28側へ送信するような(異常管理)データ送信命令を出す。
【0186】
前記NFC制御回路28のデータ送信命令を監視していた保湿用空気供給機20の制御装置33が、前記NFC制御回路28の送信命令を受けて動作する。つまり、情報通信端末機器25側から制御データ(データ送信命令という制御コマンド)を前記家電機器EEの一種である保湿用空気供給機20のNFC記憶部31へ送り、当該保湿用空気供給機20の制御装置33(「ホストコンピューター」機能を有する)が、前記NFC記憶部31に記憶された前記制御コマンドに従って制御動作するものである。但し、後述する
図14のフローチャート図では、セキュリティの面から、電力指令装置5側から保湿用空気供給機20へ、情報通信端末機器25での異常監視データ取得を許可するステップ(SY11)があると説明しており、そのような指令が第1の通信手段8A経由で保湿用空気供給機20へ届いた後で、情報通信端末機器25が異常監視データを読み出せるようにしている。
保湿用空気供給機20が主電源を切られ、あるいは保湿運転が終了又は一時停止している期間中でも、使用者が情報通信端末機器25を、保湿用空気供給機20のNFC用入出力部63に接近させれば、その都度NFC通信をできるようにするために、前記ステップ(SY11)は削除しても良い。
【0187】
次に情報通信端末機器25が異常監視データを保湿用空気供給機20から取得する場面での表示部73の表示内容について、
図12と
図13を参照しながら説明する。
図12は、情報通信端末機器25の表示部73の表示内容を示すものである。ここで示される表示部73の表示内容は、
図11のステップSV9の段階におけるものである。
【0188】
図12に示している通り、表示部73には表示を希望する情報の種類を、3つの項目の中から1つ選択するように求める画面を生成している。
この
図12において、111は異常発生を知らせる文字情報、112は、使用者に表示すべき情報の種類を選択するように促す操作誘導情報、113Aは「製品識別情報表示」という表示をした選択情報、113Bは「異常内容情報表示」という表示をした選択情報、113Cは「アドバイス情報表示」という文字が表示された選択情報である。
【0189】
この
図12の表示画面で、例えば「異常内容情報表示」を選択する場合は、2つの方法がある。
第1の方法:
操作入力部74に設けた4つの方向の選択キー(タッチ式又は押しボタン式)を使用し、例えば、選択項目を下方向に順次選ぶには、下方向指定選択キー114Bを押せば良い。最初は「製品識別情報表示」の項が選択されるように、その文字情報113Aがハイライト表示等で強調された表示になっていた場合、前記した下方向指定選択キー114Bを1回押せば、「異常内容情報表示」の項が選択され、その文字情報113Bがハイライト表示等で強調された表示になる。下方向指定選択キー114Bを更に1回押せば、更に下方に表示されている「アドバイス情報表示」の項が選択され、その文字情報113Cがハイライト表示等で強調された表示になる。さらに1回下方向指定選択キー114Bを1回押せば、最初に戻って「製品識別情報表示」の項が選択され、「製品識別情報表示」の文字情報113Aがハイライト表示等で強調された表示になる。以後もこのように下方向指定選択キー114Bを押せば、選択項目が巡回する。なお、同じように上方向指定選択キー114A、右方向指定選択キー114C、左方向指定選択キー114Dも操作入力部74に設けてある。なお、選択を確定するには、操作入力部74中央部にある確定キー(タッチ式又は押しボタン式)115を押せば良い。この確定キー115を押した段階で、
図11に示したSV9の処理が終わる。
【0190】
第2の方法:
操作入力部74に設けた4つの方向の選択キー114A〜114Dを一切使用せずに、情報通信端末機器25を水平面にした段階から、左右又は水平に傾ける動作で「製品識別情報表示」の項から「アドバイス情報表示」の項まで選択できる。前記したように、情報通信端末機器25には、姿勢検知部75を内蔵しているので、使用者が情報通信端末機器25を傾ける際の姿勢(より具体的には回転角度)を検出して、当該姿勢を示す信号を制御部76に出力する。従って、例えば下方向指定選択キー114Bを1回押すのと同様にするには、情報通信端末機器25の表示部73が最も上で、下方向指定選択キー114Bが最も下になるように傾斜させれば良い。そして所望の項が選択された段階で前記確定キー115を押せば良い。この確定キー115を押した段階で、
図11に示したSV9の処理が終わる。
【0191】
次に
図13について説明する。
図13は、保湿用空気供給機20から情報通信端末機器25で異常監視データを表示させた場面を示している。
図14において、116は異常の内容を知らせる文字情報、117Aは、異常発生個所を示した文字情報、117Bは異常の原因を示した文字情報である。118は、使用者にこの製品(保湿用空気供給機20)の異常について修理や点検の依頼先の情報を表示するかどうか使用者に判断を求める選択情報である。この118の項を選択して更に詳しい情報を求める場合には、前記右方向指定選択キー114Cを1回押せば良い。この
図13には示していないが、保湿用空気供給機20を販売した時点で、製造業者がNFC記憶部31に書き込んでおいた連絡先の所在地、電話番号等の文字情報が表示部73にて表示できる。
【0192】
前記した「識別情報」は、保湿用空気供給機20に固有の情報のことであり、的確な修理や点検を行う場合に必要となる重要な情報であるから、前記NFC記憶部31に記録しておくことが望ましいが、前記制御装置33の記憶装置33Rに「識別情報」を記憶させておくことでも良い。あるいは双方に重複して記憶させておくことでも良い。例えば、工場の製造段階で識別情報が確定する製造年月や製品(シリアル)番号、保証書番号等は、記憶装置33Rに記憶させ、製品の販売時点で確定する販売日、販売業者名等の識別情報については販売店や設置業者が、NFC用入出力部63を介して後から情報を書き込んでも良い。
【0193】
保湿用空気供給機20や空気調和機3は、電力指令装置5の本体5Aとの間で、無線信号によって電力削減指令や運転状態報知等の通信を行っている。前記保湿用空気供給機20からの異常監視データや識別情報は、入出力部68と入出力部30Aとの間の無線通信を利用して、電力指令装置5の本体5A側へ送信され、最終的には当該本体5Aの中にある記憶装置38に記録させる。
【0194】
保湿用空気供給機20の異常監視データの容量が大きく、情報通信端末機器25が近距離無線通信(NFC)によって当該データを読み込むまでに時間を要することが懸念される場合にも、迅速に異常監視データを保湿用空気供給機20から取り出すことができる。そして記憶装置38に保存した異常監視データは、操作入力部39からの操作によって、表示盤37の表示画面37Aに表示させることができる。そのため、使用者は、手元に適当な情報通信端末機器25がない場合でも、前記表示盤37を利用して異常の内容や推定原因、その他アドバイスを確認することができる。
【0195】
同様に、識別情報も本体5A側へ送信し、記憶装置38に記憶させておけば良い。このようにすることで、仮に数年前に保湿用空気供給機20を購入し、既に取扱説明書や保証書等の物的な書面、資料が手元に無い場合であっても、使用者はその保湿用空気供給機20に異常が発生した段階で、異常の内容や識別情報を確認し、販売店やメーカ(製造業者やその委託を受けた業者等)に修理や点検を依頼する場合でも、的確に保湿用空気供給機20に関する事実関係を伝達でき、早期に的確な対応をすることを可能にし、使用者だけではなく、販売店やメーカ側においても利便性が向上する。
【0196】
保湿用空気供給機20等の家電機器EEの識別情報は、異常監視データとは異なり、常に変化するものではないので、1回だけ記憶装置38に記憶できれば良い。従って、異常発生の都度、必ずしも識別情報を取得する必要はないが、古い記録の中から探す労力を減らすためには、異常が発生した場合に識別情報を保湿用空気供給機20側から提供することが望ましい。
【0197】
次に、
図12に示した場面で、前記「アドバイス情報表示」という文字が表示された選択情報113Cを選択した場合について、
図13を参照しながら説明する。この選択情報113Cを選択すると、情報通信端末機器25は、その無線入出力部40によって、前記情報サーバー27に接続し、保湿用空気供給機20から取得した、異常監視データを含む異常発生情報を、前記情報サーバー27に送信し、異常発生原因の解明や異常発生に対するメーカ側情報データベース27Mからの参考情報を求めることができる。
【0198】
上記のように保湿用空気供給機20から情報通信端末機器25が異常監視データを直接受け取り、情報サーバー27にその異常監視データを転送する方法では、保湿用空気供給機20の周囲の環境データ(例えば、居住空間HAの気温や湿度情報)や電力指令装置5から、他の家電機器EEに対して実施していた電力制限動作等の情報が情報サーバー27に伝達できない。そこで、これを解決する方法として、電力指令装置5が異常監視データを、前記「異常発生データ」に変更(データ充実化)して、情報サーバー27に送る方法も実施できるように構成している。これについては、次の
図14を参照しながら説明する。
【0199】
図14は、電力指令装置5の制御部36の動作を示すフローチャート図である。
保湿用空気供給機20の保湿運転が緊急停止した情報が、入出力部68と入出力部30ACを介して電力指令装置5の制御部36に届く(SY1)(
図3参照)と、制御部36は、使用者が情報通信端末機器25を介して外部に異常監視データの送信を設定しているかどうかを判定する(SY2)。
【0200】
情報通信端末機器25を介して異常監視データを送信するように事前に設定してあった場合、制御部36は、保湿用空気供給機20に対して、情報通信端末機器25が異常監視データを取得し、外部へ送信することを通知する(SY10)。これに続いて、保湿用空気供給機20に対して、その制御装置33が把握している異常監視データを、情報通信端末機器25がNFC通信で読み取ることを許可するように指令する(SY11)。これ以降は、前記したように、情報通信端末機器25が異常監視データを直接受け取り、情報サーバー27にその異常監視データを転送することができる。なお、前記したように、保湿用空気供給機20から、いつでも情報通信端末機器25がNFC通信で異常監視データや識別情報を読み取ることができるよう、前記2つのステップ(SY10)、(SY11)は省略しても良い。
【0201】
一方、前記ステップSY2において、異常監視データを情報通信端末機器25経由で送信するよう事前に設定してない場合には、制御部36は、統合環境検知部9に対して、最新の環境情報を取得するように指令し、統合環境検知部9は、保湿用空気供給機20が設置されている寝室等の気温や湿度等の環境情報を取得して、制御部36に送信する(SY3)。
【0202】
次に、制御部36は、保湿用空気供給機20が設置されている寝室等において、他に運転中の家電機器がある場合、その運転情報を取得する。例えば、空気調和機3が運転中であり、消費電力は1300Wであること、また運転開始から120分経過していること、電力指令装置5からは何の電力制限指令も出されていないこと、等の情報が取得される(SY4)。このような情報取得は、前記電力指令装置5に対して、各家電機器EEの設置位置の情報が登録されているため、可能となっている。同じ居住空間における家電機器は、電力指令装置5側の制御部36に保存されている「設置位置情報」を検索することで直ぐに分かる。
【0203】
次に、制御部36は、保湿用空気供給機20から受信した異常監視データに、環境データをセットにして情報サーバー27に対して、異常発生情報を送信するための指令を出す。このデータ送信時には、前記した「同一居住空間における、他の家電機器EE等の運転情報」も送信する(SY5)。つまり、単なる異常を監視していて計測、取得されたデータそれだけではなく、異常が発生したことを電気機器側が一次判定したことを示す特別な識別コードも含め、「異常発生情報」としている。なお、異常発生情報が、1度の通信で送信できない場合には、複数回に分割して自動的に送信するようにしておいても良い。
【0204】
次に、制御部36は、情報サーバー27に送信した異常監視データ等の異常発生情報を、記憶装置38の内部に、識別情報とセットにして記憶させる。これにより、上記情報サーバー27への送信が、何らかの通信異常で失敗した場合でも、後日また電力指令装置5としてデータを取り出し、再送信することができる。
【0205】
次に、制御部36は、居間のTV受像機2が既に起動されているかどうかを判定する(SY12)。寝室で保湿用空気供給機20を使用中に、その使用者(就寝者)がその寝室から離れて別の部屋(居住空間)に行っていることは想定し難いが、可能性としてはゼロではないので、居間にあるTV受像機2で、保湿用空気供給機20の使用者や他の居住者へ、異常の発生を報知した方が安全性向上する。このためにこの処理(SY12)がある。但し、保湿用空気供給機20の異常発生タイミングが、深夜(23時)から早朝(午前5時)の間である場合には、突然居間のTV受像機2が起動されて画像や音声で報知されると、安眠妨害や他の居住者の不安感を招くおそれがあるので、上記のSY12の処理を受けて、TV受像機75を起動するという後述の処理(SY7)は、深夜から早朝の間は省略される。
【0206】
次に、制御部36は、TV受像機2が既に起動されていた場合、その表示画面において、異常発生を警報文字やアニメーション等で速やかに報知する(SY8)。
【0207】
もしこのステップ(SY12)でTV受像機2が起動していない場合は、電力指令装置5の制御部36は、TV受像機2に、起動要請信号を送り、TV受像機2を起動する(SY7)。そして異常発生を警報文字やアニメーション等で速やかに報知する(SY8)。
【0208】
次に、制御部36は、保湿用空気供給機20から受信した異常監視データと、環境データとをセットにして、異常発生情報を(情報サーバー27に向けて)送信するよう、入出力部30Bへ指令を出す。またこのデータ送信時には、前記した「同一居住空間における、他の家電機器EE等の運転情報」も送信する(SY9)。以上で電力指令装置5により情報サーバー27への異常発生情報の送信動作を終える。
【0209】
この
図14に説明した機能は、例えば子供や高齢者が自宅の寝室で保湿用空気供給機20を使用中に、もし異常が発生した場合でも、その異常の発生を子供の親や高齢者の介護者等が保有している情報通信端末機器25で確認でき、またその就寝場所と離れた居住空間のTV受像機2でも知ることができるので、居住者の安全性や安心感を増大させることができる。
【0210】
次に
図15について説明する。
図15は、保湿用空気供給機20の保湿運転が終了した後、例えば前日の23時に保湿用空気供給機20を使用開始し、翌日の朝6時に使用を終了し、その朝7時に情報通信端末機器25でその保湿運転の結果を確認した場合の表示画面73の表示内容を示している。
【0211】
この場面の情報通信端末機器25は、
図11にて説明したNFC通信セッションの確立により、保湿用空気供給機20のNFC記憶部31に予め記憶されていた直前の(昨夜から今朝まで)保湿運転データを読み取った状態である。
【0212】
図15において、120は保湿運転の終了確認する画面であることを知らせる文字情報である。この
図15に示している通り、表示部73には表示を希望する情報の種類を、3つの項目の中から1つ選択するように求める画面を生成している。121は、選択を促す文字情報である。
【0213】
この
図15において選択できる3つの情報とは、睡眠時間について情報と、保湿運転の結果に関する情報と、アドバイス情報である。
122Aは、「睡眠情報表示」という表示をした選択情報、122Bは、「保湿運転結果表示」という表示をした選択情報、122Cは、「アドバイス情報表示」という表示をした選択情報である。
【0214】
図15において、「保湿運転結果表示」という表示をした選択情報122Bを入力操作部74で選択した場合、
図16の画面表示に変化する。
図16において、124は保湿運転の結果を表示する画面であることを知らせる文字情報である。
【0215】
125Aは、保湿運転開始された時刻を示した情報、125Bは、保湿運転を終了した時刻を示した情報、126は、昨夜の保湿運転で使用者への助言内容を示した情報である。
【0216】
図17は、保湿用空気供給機20の前記表示画面101の表示例を示したものである。 主電源スイッチ70をONさせた場合、最初に
図17の画面が表示される。つまり、この
図17は、前記した
図10のフローチャート図でいう「ステップS4」の場面の(最初の)表示画面である。
【0217】
図17から明らかなように、表示画面101には、運転モードの選択用として、左側部分に「睡眠時間対応モード」(お任せモード)のタッチキー(「アイコン」ともいう)102が表示され、中央には肌の水分量を考慮し、睡眠時間との関係も考慮した保湿運転を行う「肌水分対応モード」のタッチキー(アイコン)105が表示される。
【0218】
表示画面101の右側部分には「手動モード」のタッチキー(アイコン)103が表示される。表示画面101は、使用者が指などを触れることで静電容量が変化し、入力できる接触式の入力キーを採用したタッチ式表示画面である。このため、前記タッチキー(アイコン)102、103,105の表示部分に、使用者が軽く触れることで制御装置33に対する有効な入力信号が発生するものである。
【0219】
前記タッチキー(アイコン)102、103、105を表示した前記表示画面101の表面には、当該タッチキーの入力機能を示す文字や図形などが印刷や刻印等で何ら表示されていないが、これらキーの下方の液晶画面95には、それらタッチキーの操作場面毎に、キーの入力機能を示す文字や図形をその都度表示する構成し、その表示画面101に触れた場合、その触れた位置にあるキーが選択されたことになる。
【0220】
130は、使用者に運転モードの選択を促すことを文字で知らせる(運転モードの)選択表示部である。この選択表示部130は、入力キー機能は有していないので、この選択表示部130にタッチしても制御装置33には何の入力もされない。
【0221】
131は、ヘルプモードキーであり、使用者がこれに触れると、その場面で使用者の操作に参考になる情報が表示されるとともに、別途設けた音声ガイド装置(図示せず)によって、正しい操作方法が音声で報知される。なお、何度もこのキーを押した場合、この表示画面102の見方や操作方法が、模式図と文字で表示画面101全体に表示される。
【0222】
132は、インフォーメーション・キーであり、これにタッチした場合、その都度、保湿運転の条件を設定するために参考になる情報や、上手に保湿運転する注意点などを詳しく表示画面101に文字で表示する。
【0223】
133は、最も新しい(最近の)使用時の睡眠時間帯を示す時間帯表示部であり、
図17の例では、昨夜保湿運転されたので、「昨夜の睡眠時間帯」という表示になっている。
134は、同じく最も新しい使用時の睡眠時の平均気温と湿度を示す環境情報表示部である。このような環境情報は、1つは機器側環境検知部45からの環境データによるものであり、もう1つは、統合環境検知部9の検知データを統合管理装置5が分析して、保湿用空気供給機20へ提供した情報である。なお、後者については、
図19で説明する。
【0224】
135は、同じく新しい使用時(睡眠時)に、空気調和機3が使用されていたかどうかを示す空調運転表示部である。この情報も電力指令装置5が保湿用空気供給機20に提供したものである。
【0225】
図17において、63は、表示画面101の直ぐしたの位置に配置した前記表示部であり、近距離通信用入出力部を兼ねている。190は、第1の発明の特徴部の1つである操作キーであり、この操作キーのある部分は、操作部71に含まれている。
前記操作キーは、押しボタン式のキーであり、押されることによって所定の電気信号を発し、制御装置33に対して当該信号が入力される。この操作キー190は、保湿運転の開始前に操作した場合、前記記憶部33Rに記憶させた肌の水分量情報と過去の保湿運転時に取得した睡眠時間情報とを、前記表示画面101に同時に表示することを指令する機能があり、詳しくは
図30で説明する。
【0226】
図18は、保湿用空気供給機20の前記表示画面101の表示例を示したものである。
図17に示した「睡眠時間対応モード」(お任せモード)のタッチキー(アイコン)102を選択した場合には、この
図18の画面が表示される。
【0227】
136は、保湿運転の時間情報である。昨夜は3時間運転されたことが
図18から分かる。
135Aは、空調詳細情報であり、最も新しい(最近の保湿用空気供給機20の)使用時、空気調和機3の運転条件(この場合、目標の室温)が25℃で、風速は「弱」に設定されていたことが分かる。
【0228】
137は、統合環境検知部9が取得した気温や室温から電力指令装置5の制御部36が算出した快適度(快適性)の情報である。不快指数等の他の指標を表示しても良いし、使用者が予め快適度の評価レベルを定義して、電力指令装置5に記憶させておき、それに基づいて算定する者でも良い。なお、この快適度(快適性)の情報は、電力指令装置5の制御部36で算出したものを用いず、保湿空気供給機20の制御装置33で算出したものを用いても良い。但し、保湿空気供給機20を使用していない場合は、通常は前記主電源スイッチ70が開放されており、そのような開放時には快適度(快適性)の情報は算出できない。
【0229】
137Aは、気温と湿度のデータから、前記電力指令装置6や保湿空気供給機20によって算出される星形の快適度マークで、快適度(快適性)の情報の1種である。
ところで、日本では、気温と湿度で算出する不快指数という指標がある。例えば、気温29℃、湿度70%では、不快指数80である。この不快指数が75を越えると人口の10%が不快に感じ、80を越えると全員が不快になると言われている。
【0230】
そこで、前記快適度マーク137Aを2段階で表示する場合は、不快指数75未満は2つ、不快指数75以上は1つ、と定義して表示させるようにしても良い。つまり、快適度マーク137Aが多いほど快適性が高いということになる。なお、統合管理装置5の表示盤37の表示画面37Aにおいても、このマーク137Aは、各居住空間にそれぞれ表示され、居住空間の環境状況を示す有力な情報の1つとして利用される。
【0231】
なお、室温が30度以上で、湿度75%を超えた場合、不快指数は80を超え、室内に居ても熱中症になる危険性がある。特に、熱中症の発症現場を見ると、65歳以上の男性、女性とも室内が圧倒的に多いということが分かっている(参考文献:日本の環境省の「熱中症環境保健マニュアル」:2011年5月改訂版)。
【0232】
そこで、統合環境検知部9は、気温29℃で、湿度70%になった時点で「第1次警報」レベルの信号を前記制御部36に送り、室温が30度以上で、湿度75%を超えた場合時点で「第2次警報」レベルの信号を制御部36に対して送る。制御部36は、人検知部12が何らかの居住者等の人の存在を検知している居住空間が、前記「第1次警報」を出された場合は、以下に示す「第1次警報」を出すための処理を行う。
対策1:統合管理装置5の表示盤37の表示画面37Aで警報出す。
対策2:TV受像機2を視聴している状態であれば、その表示画面に文字で警報出す。
【0233】
前記対策1、対策2の動作指令を出してから5分以内に、気温29℃未満か、湿度70%未満に改善されない場合は、当該居住空間にいる人が暑さを体感していない場合も想定されるので、この場合は、制御部36は次に示す「第2次警報」を出すための処理をする。
対策3:当該居住空間にある環境改善機器の内、冷房能力(気温上昇抑制効果)のある空気調和機2を強制的に運転開始する(例えば、その時の室内目標温度は27℃)。
そしてこれら第1次警報と第2次警報を出したかどうかを前記環境詳細情報136(
図18参照)に含めて表示しても良い。
【0234】
この実施の形態1で、空気調和機3が居住空間にある場合とは、居住空間の内部に装置自体があることは勿論含む。また居住空間の外部に装置自体があっても良いが、処理された空気が居住空間内へ供給される場合も含むものである。空気調和機3が居住空間に無い場合又は電源コードのプラグが接続口から抜かれている等、運転不能であることが分かった場合は、他の環境改善機器(後述するが、例えば換気装置や空気清浄機等)を運転開始する。
【0235】
熱中症を防止するために室内の空気を対流させることも効果があることは知られている。そこで本発明の実施の形態1では、居住空間の外にいる居住者に対して、環境状態が健康上で危険であることを報知する。具体的には報知情報は、電力指令装置5の入出力部30B(
図3参照)からルーター14Aを介して屋外の広域通信回路網16に通信で送られ、屋外にいる別の居住者の情報通信端末機器25に届くようにする。
【0236】
屋外にいる居住者が遠隔操作で電力制御装置5を経由して空気調和機3の運転を行うようにするが、これが出来ない場合には、近親者や介護ヘルパー派遣事務所などに連絡して直接居住空間に出向いて貰うこともできる(この場合、玄関の電子錠の開錠方法は、居住者Bがその訪問者に伝える)。つまり、前記制御部36は、前記第2次警報信号を受けてから所定時間内に気温と湿度が第1の所定値未満の状態に改善しない場合、居住空間の外にいる居住者に対して、環境状態が危険であることを報知する。この構成であるから、環境改善機器の使用に不慣れな高齢者や子供が1人で部屋にいる場合でも、その環境を前記検知部9が見守り、屋内居住空間での安全性を高めることが期待できる。
【0237】
また、統合環境検知部9は、「第1次警報」を出したかどうかに関係なく、室温が30度以上で、湿度75%を超えた場合時点で直ちに「第2次警報」を制御部36に対して出す。制御部36は、人検知部12が何らかの居住者等の人の存在を検知している居住空間が、前記「第2次警報」を出された場合は、前記した対策3の処理を指令する。対策3を指令してから以後1分経過毎に統合環境検知部9は、当該警報を出した居住空間の最新環境条件を計測して監視する。
【0238】
上記のように強制的に運転開始された空気調和機3等の環境改善機器は、居住空間の環境条件が、居住者の定めた所定の条件になった場合には、制御部36が指令を出し、環境改善機器の運転を自動停止させる。あるいは環境改善機器の運転を30分継続したら、自動停止させることでも良い。必要以上に運転すると省エネの観点から好ましくないからである。
【0239】
138は、最も新しい使用時(昨夜の睡眠時)の運転条件で、保湿運転することを選ぶ「睡眠時間対応モード」の中の第1モードのタッチキー(アイコン)である。なお、この場合、睡眠時間帯(入眠時刻と覚醒時刻)の情報もそのまま使用され、実際に使用者の睡眠時間は計測しない。
【0240】
139は、昨夜の睡眠時間帯情報等を参考にしたが、結果的に過去の保湿運転の条件や過去の睡眠時間対応運転の実績等に従わず、使用者が任意に決めた条件で保湿運転することを選ぶ手動モードのタッチキー(アイコン)である。
図17における「手動モード」のタッチキー(アイコン)103を押した場合と同じになり、使用者が任意に決めた条件で保湿運転したい場合には、このアイコン139を選ぶ。なお、このタッチキー(アイコン)139と、
図17に示した「手動モード」のタッチキー(アイコン)103との相違点は、後者を選んだ場合には、
図18の表示画面101が表示されないことである。
【0241】
140は、次の表示工程を進むタッチキー(アイコン)、141は、逆に前の工程の表示画面まで戻るように指令するタッチキー(アイコン)である。
142は、便利情報表示画面であることを示す文字情報である。
【0242】
図17、18において、前記NFC用入出力部63は、破線で示した枠になっているが、これはNFC用アンテナ29の位置を模式的に示したもので、アンテナ29の大きさは、この点線の枠で示した形状とは異なっている。NFC用アンテナ29は直接目視できないため、発光ダイオード素子(LED)64が点灯していない状態でもNFC入出力部63のアンテナ29の位置が分かるように、本体ケース49の前壁(正面壁)61の表面には、文字と図形で、NFC用入出力部63のアンテナ29の位置を示してある。この
図17、18の例では「近距離通信 TOUCH」と文字で表示している。
【0243】
次に
図19について説明する。
図19において、L1〜L10が、保湿用空気供給機20から統合管理装置5に送信される運転情報信号である。L1は、主電源投入(ON)を示す信号、AS1は、信号L1を受けて通信対象機器として登録したことの報知信号、L2は、保湿用空気供給機20の表示画面101が起動されたことを示す信号である。
【0244】
L3は、保湿用空気供給機20から睡眠時間データの提供求める信号と、その後入手した時点で確認のために送信する受領報知信号である。
【0245】
L4は、運転モード、すなわち、睡眠時間対応モード(お任せモード)と、手動モードのどちらを選択したのかを報知する信号、L5は、睡眠時間が設定されたことを示す信号、L5は、保湿用空気供給機20の運転開始する予告信号である。
【0246】
KSは、前記予告信号L5に応答して、統合管理装置5から運転開始を許可するという信号である。
L6は、電熱源90に通電が開始されて実際に蒸気発生動作を開始したことを示す信号、L7は、前記信号L6の後(例えば5分後)に、電動送風機55に通電開始したことを示す信号であり、実質的にはこのL6の段階から、高温の蒸気に空気が混合され、40℃程度の高湿度の風が吹き出されて保湿運転が開始となる。
【0247】
L8は、電熱源90への通電停止したことを示す信号、L9は電動送風機55と、表示画面101への通電を停止したことを示す信号、L10は表示画面101の通電停止を示す信号、L11は、主電源スイッチ70を遮断(OFF)したことを示す信号である。
【0248】
図17と
図18では、表示画面101において、環境情報表示部134や空調運転表示部135、空調詳細情報135Aが設けられる旨を説明したが、統合管理装置5の制御部36は、保湿用空気供給機20が停止されることを運転情報信号L9で知った段階で、それまでに蓄積していた環境情報に基づき、保湿運転期間中に空気調和機3が運転されていたかどうかを、保湿用空気供給機20へ送信する(
図19に示す報知信号EV)。
【0249】
また、空気調和機3が保湿運転期間中に運転されていたかどうかに関係なく、少なくとも前記運転情報信号L7からL9までの期間中、つまり実質的に保湿運転が行われていた期間中の平均気温、湿度等のデータを、制御部36は保湿用空気供給機20へ送信する。この平均気温等のデータは、統合環境検知部9から制御部36が取得した環境データに基づく。すなわち、第2の記憶部36Bには、保湿空気供給機20の保湿運転中に、その保湿空気供給機20が使用された居住空間の環境データ(例えば、気温、室温)が、その保湿運転時間と対になって時系列で記録されており、この環境データが居住者に利用されるようになっている。なお、平均気温や湿度ではなく、例えば1時間置きの計測データも良い。さらに、入眠時と覚醒時の2つの時点の気温と湿度を計測して送信しても良い。このようにすれば、睡眠中の環境変化の分析を、時系列に把握でき、より正確な分析が簡単に行えることになる。
【0250】
L10は、表示画面101への通電が停止された場合に出される運転情報信号である。
統合管理装置5には、前記信号L1〜L11の受信時刻が秒単位まで記憶されている。またその他信号AS1、LM、KSについても同様である。
【0251】
保湿用空気供給機20は、統合管理装置5によって消費電力の上限値が制限される対象製品になっていないが、仮に対象製品にした場合には、前記運転情報信号L5の後、又は少なくともL6の後で、統合管理装置(電力指令装置)5から電力削減要請信号AS2又は電力削減指令信号AS3が発せられる場合がある。
【0252】
電力削減要請信号AS2とは、速やかに電力を下げて欲しいと電力指令装置9が促す信号であり、この信号から所定時間以内に総電力量が下がらない場合には強制的に電力を下げる。そのため、前記した電力削減要請信号AS2を発してから所定時間内(例えば、数秒〜10秒以内)に電力削減指令信号AS3が発せられる。電力削減要請信号AS2が発せられてから所定時間内に保湿用空気供給機20やその他家電機器EEの何れかが電力を自発的に下げたことにより、十分な余裕電力が確保された場合、前記電力削減要請信号AS2は撤回される場合があり得る。
【0253】
前記電力指令装置5は、各家電機器EEからの要求電力の合計電力値と、ブレーカーBKの上限容量(1つとは限らない。使用者が複数設定する場合がある)との両者を比較し、合計電力が上限容量を超える可能性があれば、その超過量を削減するように、要求電力超過量判定手段(図示せず)から所定の指令出力を行う。もし超過量がなければ(すなわち、超過量が0)、その要求電力を発信してきた家電機器EEに対して、その要求電力と同じ使用可能電力を当該家電機器に返信する。また超過量の出力があれば、この合計電力の超過量と予め定めた優先順位に従って、使用電力の削減幅と対象となる家電機器を決定し、その関係する家電機器には、電力削減幅を指令するように構成している。
【0254】
なお、電力削減対象の家電機器として登録されていない家電機器は「未登録機器」と呼ぶが、この「未登録機器」の電力使用量も想定して、電力指令装置5は、電力削減量を決定する。
【0255】
統合管理装置(電力指令装置)5は、
図1で説明したように、家屋の外部の電力会社やその他の外部機関15Aのサーバーに接続されている。このため、例えば官公庁やその地域の電力会社などから、電力逼迫情報などが送信された場合、その情報は統合管理装置5の制御部36に送信され、また前記表示盤37に表示され、居住者へ注意喚起と電力削減の勧告を行う。但し、電力逼迫情報とは、前述したように、各家庭の使用電力を強制的に下げる指令と、強制的ではなく任意で下げて欲しいという要請レベルの指令の少なくとも2種類があるので、強制的に下げる指令の場合は、前記制御部36が、電力を使用している家電機器の中から適当なものを選定し、電力削減の指令を出すため、家電機器EEの電力が強制的に削減される場合もある。
【0256】
居住者は、任意の時点で電力指令装置5の電力制限値を複数の中から選択できる。例えば、広域通信回路網16から電力逼迫情報などを受信した場合、その旨表示盤37で表示されるので(また音声ガイド装置でも報知される)、これを見て自発的に上限値を下げるような設定操作をすることができる。
【0257】
また、実施の形態1で示した保湿用空気供給機20等の家電機器EEは、家屋の外部にある通信ネットワーク(広域通信回路網)16と直接接続されていない。それら家電機器EEは、統合管理装置(電力指令装置)5を介して通信ネットワーク16と接続されているので、通信ネットワーク16を通じて外部から保湿用空気供給機20等が不正な遠隔操作をされるリスクを大幅に低減できる。すなわち、一般的に、キッチン内家電機器KPや寝室や居間等で使用される家電機器は、高性能のファイアーウォール、情報処理デバイスを内蔵しておらず、十分なセキュリティ機能を備えていないものが多い。このため通信ネットワークを通じて外部から冷蔵庫等のキッチン内家電機器KPに不正侵入され、他人の情報端末機器やコンピュータ等への攻撃の踏み台として使われていたという事例が最近社会問題になっている。セキュリティ専門機関等は、ボットネット(BOTNET)型マルウェア(MALWARE)を使って他人のコンピュータを操るのと同じ手口で、家庭用のルーターや家電機器が不正に操られていると危険性を指摘している。
【0258】
これに対して、この実施の形態1では、保湿用空気供給機20等の家電機器EE単体では、通信ネットワーク16への直接的な通信は行えず、統合管理装置(電力指令装置)5を介するか、あるいは情報通信端末機器25を介しての情報授受ができるだけである。このため、この実施の形態1は、セキュリティ対策の面でも有利であり、居住者が安心して日常の生活ができる居住空間を提供できる。
【0259】
また、実施の形態1で示した統合管理装置(電力指令装置)5は、通信ネットワーク16を介して情報サーバー27や外部機関15A、15Bと接続されているので、通信ネットワーク16を通じて外部から、環境情報の1つである花粉飛散量情報や、紫外線光量情報(UV値)、肌の乾燥注意情報等を、随時取得できる。このため、これら各種情報を保湿用空気供給機20に提供し、前記表示画面101で表示させて、使用者の保湿運転の開始要否や、その運転条件の設定に利用することができる。
さらに、それら情報は、高機能型の携帯電話(情報通信端末機器25)に送信することもできるし、NFC入出力部40を介して情報通信端末機器25にも提供できる。逆に、情報通信端末機器25でそれら情報を取得し、統合管理装置(電力指令装置)5や保湿用空気供給機20に読み込ませることも可能であり、このような連携によって使用者の利便性が向上する。
【0260】
次に
図20について説明する。
図20は、本発明の実施の形態1に係る保湿用空気供給機を、「肌水分対応モード」で運転する場合の基本的な制御動作を示すフローチャート図である。このフローチャートは、
図10のフローチャートのステップ(S5)から連続したものである。
【0261】
以下、スタート(S20)から終了(S44)までの各動作ステップについて説明する。最初に「肌水分対応モード」が選択されると、制御装置33は、今回の運転開始にあたり、環境情報の1つである肌の乾燥注意情報を新しく取得しているかどうかを判定する(S21)。この肌の乾燥注意情報は、その時点における保湿用空気供給機20の使用地域(少なくとも都道府県単位)で公表されているので、その最新情報を統合管理装置5から取得する(S45)。なお、使用者が情報通信端末機器25に読み込んだ乾燥注意情報を、前記NFC入出力部63経由で読み込ませても良い。(S21)。なお、保湿用空気供給機20を、事前に「環境情報自動読み込み」と設定しておけば、上記ステップ(S21)の段階までに、乾燥注意情報は自動的に読み込まれ、記憶部33Rに一時的に格納されるので、次のステップ(S22)へ進む。事前に「環境情報自動読み込み」と設定していない場合は、このステップ(S21)の段階で、使用者へ環境情報を取得するように音声ガイドで報知される。
【0262】
一方、保湿用空気供給機20には、機器側環境検知部45もあるので、使用者が保湿用空気供給機20を寝室で使用する場合には、その寝室の気温と湿度のデータが上記ステップ(S21)の段階までに、自動的に取得され、記憶部33Rに一時的に格納されている。
【0263】
次のステップ(S22)では、今回の保湿運転のために肌の水分量の最新データが記憶部33Rの中に書き込まれてあるかどうかを判定する。例えば、使用者が何らかの計測手段で情報通信端末機器25に肌の水分量データを読み込ませてある場合には、そのデータを、前記NFC入出力部63経由で読み込ませることができる。また統合管理装置5側で肌の水分量を計測し、それを統合管理装置5から保湿用空気供給機20へ送信し、その入出力部68経由で取得しても良い。
【0264】
ステップ(S22)で、肌の水分量データが記憶部33Rの中にあると判定された場合には、ステップ(S26)に進む。一方、データが無いと判定された場合には、新たに肌の水分量データを取得するかどうかを判断する(S23)。使用者が肌の水分量データが無い状態で保湿運転を開始したい場合は、取得しない方の「No」に進み、制御装置33は、標準的な保湿空気供給能力で運転されるように前記電熱源90と電動送風機55の制御条件を設定する。例えば電熱源90に対する210Wの電力印加を間欠的(ON−OFF)にし、結果的に通電率50%で蒸気が発生するようにする。このステップ(S23)の場面では、表示画面101の内容は、例えば
図23の通りである。
【0265】
ステップ(S23)で、肌の水分量データを新たに取得して運転したい場合には、次のステップ(S24)に進む。
ステップ(S24)では、肌情報部46のセンサー部(肌水分計測部)67を使用者の顔に接触させて水分量を計測する。そして次のステップ(S25)では、取得した肌の水分量のデータが、記憶部33Rの中に格納される。なお、この格納時に、時計回路93からの日時情報が一緒に記憶される。
【0266】
ステップ(S26)では、記憶部33Rに記憶されている肌の水分量(V1)が、所定の基準値(VS)と同等か、又はそれ以下であるかどうかの判定が行われる。例えば、水分の量の基準値を20%に設定し、これと同じかそれ以下である場合、つまり肌の乾燥度が大きい場合には、このステップ(S26)は「Yes」となり、次のステップ(S28)に進む。
【0267】
ステップ(S28)では、制御装置33は、保湿空気供給能力を増大させた状態で運転するように前記電熱源90と電動送風機55の制御条件を設定する。例えば電熱源90に対し210Wの電力を連続的に供給するように通電条件を設定する。
【0268】
次のステップ(S29)では、表示画面101において、過去の保湿運転時の肌の水分量データや、保湿運転のトータル時間等を表示させるかどうか使用者が選択する。
【0269】
ステップ(S29)で「Yes」の場合は、次のステップ(S30)では、表示画面101において、過去の保湿運転時の肌の水分量データや、保湿運転のトータル時間等を表示させる動作が行われる。このステップ(S30)の場面では、表示画面101の内容は、例えば
図24の通りである。
【0270】
次のステップ(S30)では、使用者が睡眠時間の入力をする必要がある。その場合の入力用の表示画面101の内容は、例えば
図26の通りである。そして睡眠時間の入力を終えると、最後に最終確認の表示画面に切り替わり(
図27)、運転開始の指令を与えるアイコン174が表示される。そして保湿運転の開始指令を待つステップ(S31)に進む
【0271】
そこで、そのアイコン174にタッチして選択すると、運転開始指令があったという処理となり、この後は、入眠情報の到来を待つ(S32)。一方、機器側環境検知部45は、この時点での室内空気の温度と湿度を計測し、その計測結果を制御装置33に送信するので、制御装置33の記憶部33Rには、保湿運転の開始時点での、最新の気温と、湿度のデータが記録される。
【0272】
そして入眠情報が睡眠判定部23から届くと、直ちに電熱源90に対して通電を開始し、急速にボイラー室59を加熱する(S33)。ボイラー室49が加熱されて水60は沸騰して蒸気を発生させる。
【0273】
そこで、温度検知器44が沸騰状態を検知して制御装置33に沸騰温度に到来したことを示す信号を送信するので、制御装置33は、電動送風機55を駆動する(S34)。このため、室内から空気が吸い込まれ、その空気と水蒸気が混合して高湿度で低温度(使用者の顔の周辺で40℃程度)の温風が吹き出される。
【0274】
そして保湿運転開始(この実施の形態1では、電動送風機55の運転開始時点を起点)から所定時間(通常は3時間)経過するかどうかの判定が、例えば1分置きに繰り返し行われる(S36)。なお、表示画面101は、睡眠開始後は使用者が見ることは殆どないので、省エネの観点で停止しても良い(S35)。
【0275】
そして保湿運転開始から所定時間(通常は3時間)経過した場合、次のステップ(S37)に進み、電熱源90への通電は停止する(ここで、保湿運転は終了)。但し、電熱源90が停止してもボイラー室59の中にはまだ高温蒸気が残っており、またボイラー室59の蓄熱効果もあり、直ぐには水蒸気の発生が停止する訳ではないので、数分間程度は、吹出口52から温風が供給される。
【0276】
そして保湿運転終了から数分後、所定電動送風機55の運転は停止する(S38)。すると制御装置33は、今回の保湿運転で使用した肌の水分量のデータ、入眠時刻、保湿運転開始時点の環境データ(少なくとも気温と湿度)を記憶部33Rの中に格納する。なお、時計回路93からリアルタイムの時刻情報を入手して、秒単位まで分かるように日時情報も付加して記憶部33Rの中に、前記した肌の水分量のデータ、入眠時刻等のデータと組(セット)にして記憶させる(S39)。
【0277】
そして保湿運転開始してから数時間後(少なくとも3時間を超えた時点)、使用者が覚醒すると、睡眠判定部23から所定の信号が制御装置33に届くので、ステップ(S40)では、覚醒ありと判定され、次のステップ(S41)に進む。
【0278】
ステップ(S41)では、保湿運転終了してからの保湿効果を確かめる意味で、肌の水分量の取得を表示画面101で推奨する(S41)。この保湿用空気供給機20以外の水分量計測機器で計測し、その水分量計測データを情報通信端末機器25に移し、情報通信端末機器25から保湿用空気供給機20へデータを読み込ませても良いが、この実施の形態1の保湿用空気供給機20には、肌水分計測部67があるので、それで計測することを推奨している。具体的には、
図30に示すような表示画面101の内容になる。
【0279】
ステップ(S41)で、肌の水分量の計測を実施した場合には、その計測結果のデータは記憶部33Rの中に記憶させる(S42)。なお、この場合、前記した肌の水分量のデータ、入眠時刻等のデータと組(セット)にして記憶させる。これは次回の保湿運転開始時に、それら関連データ、情報を一括して記憶部33Rから読み出すためである。
【0280】
この後、表示画面101は駆動回路91によって自動的に停止され(S43)、一連の動作は終了する(S44)。
【0281】
次に
図21について説明する。
図21は、
図20のフローチャート図を更に詳しく分解して説明するフローチャートであり、この
図21は、
図20のフローチャートのステップ(S39)から連続したものである。
【0282】
使用者が覚醒すると(運転後、記憶モードを設定するかどうか判断を求めるステップ(S40A)に進む。事前に「運転後、記憶モード」を設定してあった場合には、次のステップ(S41)に進み、ステップ(S35)で停止していた表示画面101を起動し、肌の水分量の取得を表示画面101で推奨する(S41)。
【0283】
肌の水分量の計測を実施して水分量の計測データを取得したかどうかの判定が行われ(S41B)、計測が行われて計測データを取得した場合(S41C)、その計測結果のデータが記憶部33Rの中に記憶させる(S42)。この場合、前記した肌の水分量のデータ、入眠時刻等のデータと組(セット)にして記憶させる。
【0284】
この後、表示画面101は駆動回路91によって自動的に停止され(S43)、一連の動作は終了する(S44)。
【0285】
この
図21の動作フローチャートから明らかなように、この実施の形態1の保湿用空気供給機は、第4の発明を以下の構成で実施している。
すなわち、ここまでに説明した保湿用空気供給機20は、
空気流を発生させる電動送風機55を内蔵し、高湿度空気の吹出口52を形成した本体20Aと、
水蒸気又は水の微粒子を電気的エネルギーで発生させる気化手段である電熱源90と、
使用者が運転条件を入力する操作部71と、
前記操作部の入力結果を表示する表示画面101と、
保湿運転の開始前に使用者の肌水分量の情報を取得する肌情報部46と、
使用者の睡眠時間情報を取得し、前記肌情報部46から取得した肌の水分量情報とともに憶する記憶部33Rと、
前記操作部71と前記記憶部33Rからの情報に従って前記電動送風機55と前記電熱源90とを制御する制御装置33と、
使用者によって閉じられ、閉じられた場合に前記制御装置33に対して電源が供給される主電源スイッチ70と、を備え、
前記操作部71には、保湿運転の開始前に前記操作部71から所定の操作入力がされた場合、前記制御装置33は、前記記憶部33Rに記憶させた肌の水分量情報と過去の保湿運転時に取得した睡眠時間情報とを、前記表示画面101に同時に表示し、
前記制御装置33は、保湿運転が終了した後で前記主電源スイッチ70が開放されるまでの間に、使用者に肌の水分量の計測を推奨する報知(
図21のステップS41、
図28参照)を自動的に行う構成である。
【0286】
この構成であるから、保湿運転後にその保湿効果を確認する意味で、あまり時間を置かずに使用者の肌の水分量を計測することを使用者に促すことができ、次に保湿運転をする場合でも保湿運転の効果を見る参考データにも成り得る。しかも自動的に表示画面101で使用者に水分量の計測を知らせるため、使用者が忘れてもその都度自動的に注意喚起され、利便性を向上させることができる。
【0287】
次に
図22について説明する。
図21は、
図20のフローチャート図を少し改良した変形例を示すものであり、この
図22は、
図20のフローチャートのステップ(S39)から連続したものである。
【0288】
この
図22のフローチャート図に示す動作で特徴的なところは、ステップ(S41A)である。このステップでは、肌の水分量の計測を実施し、その計測結果が良好であった場合(例えば、肌の水分量40%)、そのデータに付帯データを付けて、後日使用者が過去のデータを検索して抽出できるようにしたものであり、この見出しを付けることを「ブックマーク」(「しおり」を付ける)と呼ぶ。
【0289】
次に
図23〜
図28について順次説明する。これら図は前記表示画面101の変遷を示すものである。
図23は、
図20におけるステップ(S23)の場面の表示画面101の例である。前記したようにこの表示画面101では、保湿運転のために新たに肌の水分量データを取得するかどうかを判断するものである。
【0290】
図23において、143は保湿運転の開始前のデータ取得の確認であることを示す文字情報で、肌の水分量のデータが無い状態で保湿運転を開始するかどうかの判断を使用者に求める文字情報144を表示している。
145は、肌の水分量のデータを取得する場合には、「計測キー」というタッチキー(アイコン)146を選択するように誘導する文字情報、147は、例外的に肌の水分量のデータを取得しないで保湿運転を開始したい場合には、「確認キー」というタッチキー(アイコン)148を選択するように誘導する文字情報である。このアイコン148を選択すると、
図20のステップ(S26)へ進む。肌の水分量は、基準時よりも低いという処理が行われ、ステップ(S27)に進むことになる。
【0291】
前記アイコン148は、第1の発明でいう確認操作キーの1つであり、保湿運転の最終チェックの表示画面(
図27)を表示させるアイコン159も、第1の発明でいう確認操作キーの1つである。
【0292】
図24は、
図20におけるステップ(S30)の場面の表示画面101の例である。
149は、保湿運転の開始前のデータ取得の確認であることを示す文字情報で、前回の使用時までに保湿用空気供給機20で取得している肌の水分量のデータと、睡眠時間のデータが過去3回分表示された例である。
【0293】
図24において、150は、肌の水分量を示す表示部の見出し用文字情報、151は、睡眠時間のデータを示す表示部の見出し用文字情報、152は、室内空気の湿度のデータを示す表示部の見出し用文字情報である。
153は、前回のデータを示す表示部の見出し用文字情報で、肌の水分量は40%であることを文字情報154で示しており、また睡眠時間は420分(7時間)であることを文字情報155で示しており、さらに、相対湿度は35%であったことを文字情報156で示している。
【0294】
図24において、157は、最初の表示画面101(
図17参照)に戻すことを指令するアイコン、158は、1つ前の表示画面101に切り替えるタッチキー(アイコン)であり、前記アイコン141(
図18参照)と同じ機能である。159は、次の表示画面101に切り替えることを指令するアイコンで、前記アイコン140(
図18参照)と同じ機能である。160は、この表示画面101の段階で、使用者に操作入力について参考になる情報を文字で表示するアドバイス部である。例えば、「前回とは、昨夜のことである」とか、「3日前よりも古いデータも表示させることは可能である」等のアドバイスを文字で表示する。
【0295】
次に
図25は、
図24において、アイコン159が選択(タッチ)された場合に表示される表示画面の内容を示している。
図25において、161は、保湿用空気供給機20が今回取得した肌の水分量と過去2回の水分量のデータとを対比させる形式で表示して、睡眠時間の入力を促す文字情報である。
162は、今回のデータを示す表示部の見出し用文字情報で、肌の水分量は40%であることを文字情報163で示しており、また睡眠時間はまだ未入力であることを示す文字情報164で示しており、さらに、現時点での相対湿度は35%であることを文字情報165で示している。なお、アドバイス部160では、「今回の肌の水分量は40%であって、これは良好なレベルである」旨を解説している。
【0296】
次に
図26は、
図25において、アイコン159が選択(タッチ)された場合に表示される表示画面の内容を示している。
図26において、166は睡眠時間の入力専用画面であることを示す文字情報、167は、希望者が想定する睡眠時間を入力することを促す文字情報である。
168は、前回の保湿運転時に計測された睡眠時間(420分)が7時間であることを示した文字情報である。使用者はこの時間を増やしたい場合には、時間加算用のタッチキー(アイコン)169を押す。1回タッチすると10分間増える。逆に時間を減らす場合には、減算用のタッチキー(アイコン)170にタッチする。1回タッチすると10分間減算される。なお、この文字情報168で表示される時間を、使用者が固定することができるようにしても良い。例えば、毎日の睡眠時間を8時間にしたいと意図している使用者は、8時間を入力し、それを毎回表示することを指令する入力キー、アイコンを表示画面101に表示しても良い。
【0297】
次に
図27は、
図26において、アイコン159が選択(タッチ)された場合に表示される表示画面の内容を示している。
図27において、171は睡眠時間の入力が完了したので、このまま運転開始するかどうかの最終確認を求める文字情報、172は、運転開始するかどうかの確認を促す文字情報である。
173は、今回の入力された睡眠時間は420分であることを示す文字情報である。
174は、この表示画面101の状態で保湿運転を開始することを指令するタッチキー(アイコン)である。
【0298】
次に
図28について説明する。
図28は、
図20の動作フローチャートにおけるステップ(S41)で表示される表示画面101の内容の1例を示している。
図28において、175は、保湿運転は既に終了しており、このまま電源を切るかどうかの最終確認を求める文字情報である。
【0299】
176は、保湿運転後の使用者の肌の水分量計測データが無いが、そのまま電源を切るかどうかの判断を促す文字情報である。なお、統合管理装置5の睡眠時間部23から、覚醒したことを示す最初の時刻情報を制御装置33が受けてから、3時間経過時点で主電源スイッチ70は自動的に開放(OFF)となる。このため、長期間主電源スイッチ70をONにしたままという状態は回避される。
【0300】
図28において、177は、肌の水分量のデータを取得する場合には、「計測キー」というタッチキー(アイコン)179を選択するように誘導する文字情報、178は、例外的に肌の水分量のデータを取得しないで電源を切りたい場合には、「確認キー」というタッチキー(アイコン)180を選択するように誘導する文字情報である。この表示画面101が現れる時点は、使用者が睡眠状態から覚醒した後であるため、この表示画面101が現れる時点では、使用者は外出や仕事のために準備している段階である可能性が高い。そのため、肌の水分量のデータを取得する時間的余裕がない場合があるので、そのまま主電源スイッチ70を切ることができるように、タッチキー(アイコン)180を表示させている。
【0301】
図28において、タッチキー(アイコン)179を選択し、その後所定時間内(例えば3分以内)に、センサー部(肌水分計測部)67を計測する使用者の顔(肌)に軽く接触させれば、制御装置33が肌情報部46に、最新の水分量を計測させ、その計測結果を記憶部33Rに格納する。なお、この場合、この水分量のデータは、その直前の入眠時刻や覚醒時刻等のデータと組(セット)にして記憶させる。これは次回の保湿運転開始時に、それら関連データ、情報を一括して記憶部33Rから読み出すためである。
【0302】
図28において、181は、情報通信端末機器25を誘導する文字情報である。これは、肌の水分量のデータを、他の計測機器(図示せず)で計測し、その計測データを情報通信端末機器25に移した場合、言い換えると情報通信端末機器25で肌の水分量のデータを取得したことにより、情報通信端末機器25から保湿用空気供給機20に肌の水分量のデータを移すことを希望する場合において、情報通信端末機器25を誘導するための表示
【0303】
図17と
図19について述べたが、統合管理装置5の制御部36は、保湿用空気供給機20が停止されることを運転情報信号L9で知った段階で、それまでに蓄積していた環境情報に基づき、保湿運転期間中に空気調和機3が運転されていたかどうかを、保湿用空気供給機20へ送信する(
図19に示す報知信号EV)。
【0304】
また、空気調和機3が保湿運転期間中に運転されていたかどうかに関係なく、実質的に保湿運転が行われていた期間中の平均気温、湿度等のデータあるいは所定時間毎の計測データを、保湿用空気供給機20は統合管理装置5から取得している。そのため、電動送風機55が停止する時点では、制御装置33には気温と湿度の最新データが蓄積されることになる。つまり、統合管理装置5から保湿用空気供給機20に提供された気温、湿度のデータと、機器側環境検知部45で取得した室内空気の温度と湿度のデータとは、1回の保湿運転の環境データとして記憶部33Rにセットにして格納される。
【0305】
次に
図29について説明する。
図29は記憶部33Rに格納される各種データの種類を示した例である。
図29において、182は、記憶部33Rに格納される際の運転履歴番号(シリアル番号)である。最初の保湿運転は第1番(#001)が付され、以降は#002、#003と進む。
【0306】
183は、運転開始日時のデータ格納欄である。なお、回路構成は具体的に説明していなかったが、保湿用空気供給機20自体において所定時間後に運転開始をすることを予約設定できる。この予約設定した場合には、その予約時刻になると自動的に運転開始されるので、その運転開始の時刻情報が格納される。またこの実施の形態1では実施していないが、統合管理装置5によって遠隔操作で運転開始するようにした場合には、そのような運転開始の日時データもこの欄に記録される。
【0307】
184は、肌の水分量のデータの格納欄である。どのような計測手段によって計測されたかどうかに関係なく、保湿運転のために記憶装置33Rで取得したものがここに格納される。
【0308】
185は、睡眠時間のデータの格納欄である。統合管理装置5の睡眠判定部23で検知した入眠時刻、覚醒時刻等のデータから計算される睡眠時間が、分単位で記録される。
【0309】
186は、入眠時刻のデータの格納欄である。統合管理装置5の睡眠判定部23で検知した実際の入眠時刻のデータが記録される。なお、覚醒時刻は記録されていないが、入眠時刻と睡眠時間から覚醒時刻は計算できる。但し、睡眠期間中に、就寝者の意思とは関係なく何度も一時的に覚醒し、入眠、覚醒を繰り返すような場合には、最後の覚醒時刻を記憶し、睡眠時間のデータの格納欄185の睡眠時間は、複数の入眠から一時的な覚醒まで時間を積分して算出し記録するようにしても良い。
【0310】
187は、保湿運転の終了後に取得した肌の水分量に関する計測のデータの格納欄である。なお、保湿用空気供給機20自体の肌水分計測部67で取得したデータと、外部から読み込ませたデータとを区別できるように識別コードを付けておいても良い。例えば、情報通信端末機器25から取得したデータと、統合管理装置5から入出力部68経由で取得したデータと、肌水分計測部67で取得したデータとの3種類を特定できるように識別コードを付ける。
【0311】
188は、室内気温と湿度の計測データ格納部である。前述したように、統合管理装置5から保湿用空気供給機20に提供された気温、湿度のデータと、機器側環境検知部45で取得した室内空気の温度と湿度のデータとは、1回の保湿運転の環境データとして記憶部33Rにセットにして格納されるが、この
図29に示した気温、湿度は、電動送風機55が停止した時点の気温と湿度の例である。保湿運転開始時点と終了時点、覚醒時点等、記憶容量に余裕があれば、更に細かくデータ蓄積しても良い。
【0312】
図29において、睡眠時間のデータの格納欄185、入眠時刻のデータの格納欄186、保湿運転の終了後に取得した肌の水分量に関する計測データの格納欄187にそれぞれ付けられた○印は、使用者が設定した条件を満たしたデータであることを示している識別マーク(ブックマーク)189である。このブックマーク189とは、
図22のフローチャート図のステップ(S41A)でも説明したが、例えば、肌の水分量の計測を実施し、その計測結果が良好であった場合(例えば、肌の水分量40%)、そのデータに付帯データを付けて、後日使用者が過去のデータを検索して抽出できるようにしたものである。この
図29の例では、使用者が「睡眠時間7時間=420分以上」、「入眠時刻:23時以前」、「水分量:40%以上」という条件設定をしたため、データ格納時にブックマークが付けられたが、データ格納後に、使用者が入力操作部71を兼ねた表示画面101から、所定の条件を付けたものを検索し、検索して抽出されたデータに事後的に付けても良い。これにより、例えば、水分量40%以上で、睡眠時間7時間以上の運転履歴は、#001と#008の2つのケースがあることが分かり、その2つの過去の例から、入眠時刻は遅くとも22時35分であったことが記憶部33Rのデータを、制御装置33が集計処理して分かる。このため、使用者は運転履歴が蓄積されて来た段階で、その中から保湿運転の効果が良かったと思える運転履歴だけを残し、他の運転履歴のデータを消去する操作を実施しても良い。
【0313】
次に
図30を説明する。
図30は、操作部71の全体を示す正面図であり、その操作部には、表示画面101と、近距離通信用入出力部を兼ねた表示部63と、第1の発明の特徴部の1つである操作キー190と、をそれぞれ備えている。その操作キー190は、また第2の発明の特徴の1つである「推奨睡眠時間確認キー」を兼ねている。
【0314】
図17で説明したように、保湿用空気供給機20の主電源スイッチ70をONさせた場合、最初に
図17の画面が表示される。その
図17の表示画面101の下方にある前記操作キー190は、押しボタン式のキーであり、表示画面101の内容や進行度合いに関係なく、何時でも押すことができるので、
図17の段階でも押すことは可能である。
【0315】
操作キー190を押した場合、それまでの操作画面から一挙に
図30の状態へ切り替わる。つまり、操作キー190を押すと、制御装置33は、記憶部33Rにその時点で記憶してある各種データの内、最新のものを表示画面101に表示させる。
【0316】
図30において、191は、保湿運転の開始前のデータ取得の確認であることを示す文字情報で、この表示画面101を表示する直前の時点までに保湿用空気供給機20で取得している肌の水分量のデータと、睡眠時間のデータが過去2回分表示された例である。
【0317】
図30において、150は、前記した見出し用文字情報、151は、睡眠時間の見出し用文字情報、152は、湿度の見出し用文字情報である。
192は、運転を開始するかどうかの判断を使用者に求めている文字情報で、昨夜の睡眠時間から変更して睡眠時間を設定できることも説明している。
193は、
図24の(前回のデータの)見出し用文字情報153と同様に、昨夜の水分量や睡眠時間等であることを示す見出し用文字情報である。
【0318】
194は、
図25の(今回のデータを示す表示部の)見出し用文字情報162と同様に、今回の水分量や睡眠時間等を表示する部分であることを示す見出し用文字情報である。ここでは、肌の水分量は40%であることを文字情報195で示しており、また睡眠時間はまだ未確定であることを示す文字情報196で示しており、さらに、現時点での相対湿度は35%であることを文字情報197で示している。
【0319】
この
図30における睡眠時間を示す文字情報196は、直前の使用時に取得された肌の水分量(40%)の場合の睡眠時間のデータを「初期値」(この場合、420分)として表示し、これを使用者が、長短調節用アイコン198で調節するという方法を採用している。但し、直前の使用時(例えば、昨夜)の肌の水分量が30%であり、睡眠時間も300分(6時間)であった場合、使用者が考えている目標の水分量(例えば40%)と睡眠時間(例えば420分)を満たしていない場合には、
図29で説明したように、使用者が 第1条件:「睡眠時間7時間=420分以上」
第2条件:「入眠時刻:23時以前」
第3条件:「水分量:40%以上」
という(推奨)条件の1つ又は複数を設定してあれば、少なくともこの条件1〜3の中の何れか1つ、又はこれら第1条件〜第3条件の組み合わせの中から選択するので、条件1〜条件3が「AND条件」で設定されていた場合には、睡眠時間は「420分」が最初に表示される。
具体的には、
図29に示したものが過去の全ての取得データであったとした場合、水分量40%に最も近い「40.1%」が計測された「運転履歴番号#001」の睡眠時間「420分」が選択される。この#001の運転履歴が仮に無かったとした場合には、40%に次に近い「運転履歴番号#008」の睡眠時間「445分」が採用される。
【0320】
なお、推奨睡眠時間確認キー190を押した場合、前記制御部33は、前記記憶部33Rに記憶した複数回分の肌水分量の中で、所定量(例えば40%)以上の肌水分量で、かつ睡眠時間が所定値(例えば、420分)よりも長い「第2の睡眠時間」の組合せとなる情報を抽出する機能を有しているので、
図29においては、運転履歴番号#001と#008の2つの計測データが抽出される。
このため、保湿運転の開始前の段階で、前記「第2の睡眠時間」の候補として、運転履歴番号#001の440分と、運転履歴番号#008の445分、の2つが選定される。制御部33では、その内、短い方の440分を第2の睡眠時間として選定し、
図30に示す表示画面101に推奨時間として表示している。この場合、長い方の445分を最終選定するような設定にしても良い(その設定を使用者ができることが望ましい)。
【0321】
図30において、199は、長短調節用アイコン198で、時間を短くする場合にタッチするアイコン、200は逆に時間を長くする場合にタッチするアイコンである。なお、1つのアイコンに触れたまま、左右に指を動かすことで、その指の動きを表示画面101に配置してあるタッチ式入力電極(図示せず)が検知して、睡眠時間の加算・減算の信号を発生させるように変更しても良い。なお、174は、
図27に示した運転開始の指令を与えるアイコン174と同じものである。
【0322】
(実施の形態1の総括)
以上説明した通り、実施の形態1における保湿用空気供給機20は、第1の発明の構成として以下の構成を備えている。
すなわち、空気流を発生させる電動送風機55を内蔵し、高湿度空気の吹出口52を形成した本体20Aと、
水蒸気又は水の微粒子を電気的エネルギーで発生させる気化手段となる電熱源90と、
使用者が運転条件を入力する操作部71と、
前記操作部の入力結果を表示する表示画面101と、
保湿運転の開始前に使用者の肌水分量の情報を取得する肌情報部46と、
使用者の睡眠時間情報を取得し、前記肌情報部から取得した肌の水分量情報とともに憶する記憶部33Rと、
前記操作部71と前記記憶部33Rからの情報に従って前記送風機55と前記電熱源90を制御する制御装置33と、を備え、
前記操作部71には、保湿運転の開始前に操作した場合、前記記憶部33Rに記憶させた肌の水分量情報と過去の保湿運転時に取得した睡眠時間情報とを、前記表示画面101に同時に表示することを指令する操作キー148、159、190を具備したことを特徴とするものである。
【0323】
このため、実施の形態1の保湿用空気供給機によれば、その表示画面101を操作して保湿運転を行う前の最新の肌の水分量と睡眠時間の長短を一挙に確認できる。これにより肌の水分量の改善のために、保湿運転の時間や保湿用空気の供給量(強弱)を設定する際に、参考になり、利便性が向上する。
【0324】
更に、実施の形態1における保湿用空気供給機20は、次の構成の第2の発明を実施している。
すなわち、空気流を発生させる電動送風機55を内蔵し、高湿度空気の吹出口52を形成した本体20Aと、
水蒸気又は水の微粒子を電気的エネルギーで発生させる気化手段となる電熱源90と、
使用者が運転条件を入力する操作部71と、
前記操作部の入力結果を表示する表示画面101と、
保湿運転を1回終えた後の使用者の肌水分量の情報を取得する肌情報部46と、
使用者の睡眠時間情報を取得し、前記肌情報部46から取得した肌の水分量情報とともに憶する記憶部33Rと、
現在時刻情報を発信する時計回路93と、
前記操作部71と前記記憶部33Rからの情報に従って前記送風機55と前記電熱源90を制御する制御装置33と、を備え、
前記制御装置33は、前記記憶部33Rに記憶した複数回分の肌水分量の中で、所定量以上の肌水分量(例えば40%)が取得された運転時期に対応した「第1の睡眠時間」(例えば
図29の運転履歴番号#001の「420分」)を抽出する機能を有し、
前記操作部71には、保湿運転の開始前の段階で、前記「第1の睡眠時間」の情報を表示することを指令する推奨睡眠時間確認キー190を具備したことを特徴とするものである。
【0325】
この第2の発明の保湿用空気供給機によれば、過去の肌の水分量と睡眠時間の記憶データの中から、肌の水分量が推奨基準(例えば、40%以上)を満たした日の睡眠時間を表示させることができるため、保湿運転の時間を設定する際に、参考にでき、利便性が向上することを期待できる。
【0326】
以上説明した通り、実施の形態1における保湿用空気供給機20は、第3の発明を以下の構成で実施している。
すなわち、
空気流を発生させる電動送風機55を内蔵し、高湿度空気の吹出口52を形成した本体20Aと、
水蒸気又は水の微粒子を電気的エネルギーで発生させる気化手段としての電熱源90と、
使用者が運転条件を入力する操作部71と、
前記操作部の入力結果を表示する表示画面101と、
保湿運転を1回終えた後の使用者の肌水分量の情報を取得する肌情報部46と、
使用者の睡眠時間情報を取得し、前記肌情報部46から取得した肌の水分量情報とともに憶する記憶部33Rと、
現在時刻情報を発信する時計回路93と、
前記操作部71と前記記憶部33Rからの情報に従って前記送風機55と前記電熱源90を制御する制御装置33と、を備え、
前記制御装置33は、前記記憶部33Rに記憶した複数回分の肌水分量の中で、所定量(例えば40%)以上の肌水分量で、かつ睡眠時間が所定値(例えば、420分)よりも長い「第2の睡眠時間」の組合せとなる情報を抽出する機能を有し、
前記操作部には、保湿運転の開始前の段階で、前記「第2の睡眠時間」の情報を、保湿運転の推奨時間として表示することを指令する「推奨睡眠時間」確認キー190を具備したことを特徴とするものである。
【0327】
この第3の発明の保湿用空気供給機20によれば、過去の肌の水分量と睡眠時間の記憶データの中から、肌の水分量の良かった日(例えば40%以上の日)で、しかも睡眠時間が長かった日(例えば420分以上)の組み合わせからピックアップした「推奨睡眠時間」を表示させることができるため、保湿運転の時間を設定する際に、参考にでき、利便性が大幅に向上することを期待できる。
【0328】
この実施の形態1における家電機器EEの運転管理システムは、
保湿用空気供給機20を含む複数の家電機器EEと個々に通信を行い、それら家電機器を個々に制御して家庭内の総電力量を制御する電力指令装置(統合管理装置)5と、
保湿用空気供給機20と近距離無線通信するNFC通信部40を備えた情報通信端末機器25と、を備え、
前記電力指令装置5には、就寝者の睡眠時間を計測するため睡眠センサー24からの生体情報を受信して睡眠状態を判定する睡眠判定部23と、睡眠判定部で取得した睡眠時間データを記憶する記憶装置36Bと、を有し、
前記保湿用空気供給機20には、前記NFC通信部40と通信状態が確立できる機器側通信部63と、この機器側通信部63から読み込まれたデータを記憶する機器側記憶部31、33Rと、運転を制御する制御装置33と、保湿運転の開始前の段階で、前記「第2の睡眠時間」の情報を、保湿運転の推奨時間として表示することを指令する推奨睡眠時間確認キー190と、を有し、
前記情報通信端末機器25は、前記電力指令装置5の記憶装置36Bに記憶された睡眠時間データを、前記NFC通信部40を介して読み出し、当該データを前記保湿用空気供給機20の機器側記憶部31、33Rに前記NFC通信部40を介して送信し、
前記保湿用空気供給機20の制御装置33は、前記機器側通信部63から受信した前記睡眠時間のデータを前記機器側記憶部31、33Rに記憶させ、
さらに前記保湿用空気供給機20の制御装置33は、前記機器側記憶部31、33Rに記憶させた睡眠時間帯に、前記保湿運転の時間帯が重なるように保湿運転のタイミングを自動的に合わせる構成である。
【0329】
この実施の形態1の家電機器の運転管理システムによれば、家電機器EEを集中制御する電力指令装置5を利用して、効果的な保湿運転を行わせることができる。すなわち、スマートフォン等の情報通信端末機器25を利用して、前記電力指令装置5で取得している睡眠時間データを保湿用空気供給機20へ提供するから、保湿用空気供給機20では、睡眠時間のデータに基づいて保湿運転時間を決めることができ、使用者が睡眠している間に効果的に保湿運転を行える。このため、家庭内の総電力量を制御するという本来機能の電力指令装置5について、その利用価値を向上させることも期待できる。
また過去の睡眠時間のデータから、推奨睡眠時間を表示させることができるため、保湿運転の時間を設定する際に、参考にでき、利便性が大幅に向上する。
【0330】
なお、
図29の説明から分かるように、「睡眠時間7時間=420分以上」で「入眠時刻:23時以前」、「水分量:40%以上」という3つの条件で記憶部33Rの中のデータを検索すると、運転履歴番号#001と#008の2つのケースから、これら2つの実例では、入眠時刻は遅くとも22時35分であることが分かるので、これを利用して入眠時刻が迫っていることを報知することも可能である。例えば、音又は光の少なくとも何れか1つの方法で警報を出す警報部を更に追加し、前記制御装置33が、前記時計回路93からの時刻情報と、「第1の睡眠時間」の入眠時刻情報(例えば、前記した22時35分)とを比較し、その入眠時刻(22時35分)又はそれよりも使用者が設定した所定時間前(例えば、30分前)に到達した時点(つまり、22時05分)で、前記警報部に対して警報を発する指令信号を出すように動作プログラムを構成すれば良い。このような構成によって、保湿用空気供給機20を運転開始する前に(主電源スイッチ70をONにしておく必要があるが)、保湿用空気供給機20から就寝する時刻になったことが自動的に報知され、肌の健康に良い睡眠を取得できること繋がるという効果が期待できる。
【0331】
また、保湿用空気供給機20に、前記記憶部33Rに格納された各種データ(
図29参照)を、前記統合管理装置5に送信する構成にしても良い。この場合、統合管理装置5は、TV受像機2に対してそのような各種データを送信し、TV受像機2で使用者やその家族が確認できるようにしても良い。この場合、
図29に示しているように、記憶部33Rで格納しているデータには、睡眠時間や水分量の計測データの他に、室内気温と湿度の計測データも一緒に記憶されている。統合管理装置5から保湿用空気供給機20に提供された気温、湿度のデータと、機器側環境検知部45で取得した室内空気の温度と湿度のデータとは、1回の保湿運転の環境データとして記憶部33Rにセットにして格納されるので、上記のように統合管理装置5の液晶表示画面37AやTV受像機2の表示画面において、睡眠時間や水分量の計測データを見る場合にも、その睡眠や計測に影響を与える可能性のある環境データを確認でき、より詳しい分析や判断ができる。
【0332】
実施の形態2.
図31〜
図35は、本発明の実施の形態2を示すもので、
図31は、本発明の実施の形態2に係る保湿用空気供給機に使用される通信アダプターと、電力指令装置5の全体構成を示すブロック図である。
図32は、
図31の保湿用空気供給機の操作部と表示画面を示す正面
図1。
図33は、
図31の保湿用空気供給機の操作部と表示画面を示す正面
図2。
図34は、
図31の保湿用空気供給機の操作部と表示画面を示す正面
図3。
図35は、
図31の保湿用空気供給機の操作部と表示画面を示す正面
図4である。図中、前記実施の形態1のものと同一又は相当部分には同一符号を付してある。
【0333】
図31における電力指令装置5は、実施の形態1のものと基本的構成は同じである。但し、電力指令装置5の制御部36と、保湿用空気供給機20含む家電機器EEとの間は、直接情報の授受ができず、介在物として別個の通信アダプターを使用している点が大きく異なっている。また、保湿用空気供給機20は、「第1の家電機器」と定義されており、電力指令装置5から電力削減指令信号AS3等を受ける可能性がある点で、実施の形態1とは大きく異なっている、
【0334】
前記「通信アダプター」とは、個々の家電機器とその電源との間に設けられる通信制御機器をいう。例えばここでいう通信アダプターとは、特開2010−288388号公報に示されるような通信アダプターをいい、電源プラグとコンセントを有し、そのコンセントに通電を制御すべき電気機器を接続する。そして電力指令信号を通信アダプターが無線や有線通信手段によって受け取ると、制御すべき家電機器の電源供給を制限し、又は遮断する。このように既存の家電機器に通信アダプターを接続し、その通信アダプターに電力制御装置5から電力指令信号を送り、その信号によって通信アダプターが家電機器を制御するので、既存の家電機器にも通信アダプターを電源側に介在させることで、電力指令装置5によって電力を集中制御できる利点が得られる。
【0335】
201は、通信アダプターである。この通信アダプターは、電力指令装置5の入出力部30Aに無線で接続される入出力部202と、通信アダプター201自身の制御を行う制御部203と、通信アダプター201が制御対象とする保湿用空気供給機20の通電制御を行うための制御プログラム及び制御用データを格納したプログラム格納部204と、保湿用空気供給機20の制御装置33に所定の信号ケーブルで接続された入出力部(インターフェース部)205と、により構成されている。
【0336】
前記通信アダプター201は、保湿用空気供給機20とは別に直接電源線(主幹線)1に接続され、その電源線から電力を得る方式で良いが、保湿用空気供給機20の電源回路92に、コネクタ等の接続手段で接続し、電力を得る方式でも良い。電源線1に直接接続したものでは、保湿用空気供給機20の主電源を切断しても、常に通信アダプター201には電力が供給されるから、保湿用空気供給機20の運転中、主電源切断中の何れにあっても電力指令装置5との通信を実行することができる。
【0337】
この
図31の実施の形態2では、保湿用空気供給機20以外の家電機器EEにも、それぞれ前記通信アダプター201と同様な構成のアダプター(図示せず)が設置されている。このため、1つの家庭内、居住空間等で複数の通信アダプター201が同時に使用されることから、各通信アダプター201には、各通信アダプター固有の識別番号(通信アダプターID)が付けられており、電力指令装置5の側から見て、通信相手の特定の通信アダプター201だけを識別できるようになっている。
【0338】
1つの通信アダプター201は、保湿用空気供給機20の本体20Aの外郭となる本体ケース(箱体)に直接固定し、又はそのような本体と信号用ケーブル等で接続し、その本体の近傍に設置されて使用されるようになっている。またこの通信アダプター201があることから、実施の形態1における保湿用空気供給機20で備えていた無線通信用の入出力部68は不要となっている。
【0339】
実施の形態2においては、実施の形態1のように、保湿用空気供給機20に異常が発生したことが制御装置33によって判定されると、直ちに保湿用空気供給機20の動作を緊急停止し、電熱源90の緊急停止を示す信号を、前記通信アダプター201から電力指令装置5に送信し、その後、制御装置33で保湿運転中に連続的に取得していた監視データが、通信アダプター201から電力指令装置5に送信される。
【0340】
この実施の形態2によれば、通信アダプター201が、電力指令装置5との間で各種信号を授受できる。
しかも、保湿用空気供給機20の中に、前記した通信アダプター201のような機能を組み込んで製造する必要がないので、保湿用空気供給機20自体のコストを低く抑えることができる。つまり、この通信アダプター201は、保湿用空気供給機20の特定モデル専用に設計されたものでなくとも良く、他の家電機器EEにも(前記プログラム格納部204の記憶内容を入れ替えること等で)広く利用することができるので、多数の家電機器EEを使用する1つの家庭でも、全体の設置費用を抑制できるという効果もある。
【0341】
次に
図32について説明する。主電源スイッチ70をONさせた場合、最初に
図32の画面が表示される。この図は、実施の形態1における
図23に相当する。
図32において、206は、保湿用空気供給機20の運転条件を迅速にできるようにした「クイック設定」と表示されたアイコンである。このアイコンをタッチして運転モードを選ぶと、
図33〜
図35のように表示画面が切り替わって、肌の水分量データの中で、良いデータが得られたときの保湿運転時間を推奨する。
【0342】
図32において、210は、情報通信端末機器25を誘導する文字情報である。これは、実施の形態1の
図28に示した文字情報181と同じ目的で設けたものである。つまり、情報通信端末機器25に肌の水分量を計測したデータがあり、それを情報通信端末機器25から保湿用空気供給機20に移すことを希望する場合において、情報通信端末機器25を誘導するための表示情報である。これにより外部機器である情報通信端末機器25から、肌の水分量の計測データを取り込む作業を簡単にすることができる。
【0343】
図32において、209は、肌の水分量を計測したデータが電力指令装置5にある場合、その電力指令装置5から水分量データを読み込むように操作を誘導する文字情報である。電力指令装置5に肌の水分量を計測したデータがある場合とは、2つの場合が考えられる。1つは、肌の水分量を計測する計測機器が居住空間HA内部にあり、それで取得したデータを、電力指令装置5に有線又は無線通信で送信した場合である。もう1つは、居住空間の外部、例えば職場や公共機関、商店、医院等で計測したデータを、一旦情報サーバー27に送り、それを帰宅後に電力指令装置5から広域通信回路網16経由して入手した場合である。208はアイコンである。
【0344】
図32において、アイコン208にタッチした場合、保湿用空気供給機20から電力指令装置5に対してデータ送信の要求信号が送信され、これに応じて電力指令装置5から通信アダプター201を経由して、保湿用空気供給機20に肌の水分量の計測データが送信される。
【0345】
保湿用空気供給機20に肌の水分量の計測データが届くと、表示画面101の表示内容は大きく変化し、
図34に示すように、肌の水分量の計測データや保湿運転の推奨時間等の情報が表示画面101に一覧状態で表示される。
【0346】
図34において、211は、保湿用空気供給機20の運転条件を設定する画面であることを示す文字情報、212は、運転時間の入力を促す文字情報である。
213は、今回の肌の水分計測データを示した文字情報、214は、昨日の保湿運転時の計測データとの比較結果を示す参考情報、215は、昨日の保湿運転時の湿度計測データとの比較結果を示す参考情報である。
【0347】
図34において、217は、保湿用空気供給機20の標準的な運転時間を示す文字情報、218は、肌の水分量の計測結果が標準値よりも悪いため、保湿用空気供給機20の運転時間を、標準的な運転時間(3時間)よりも長く(4時間に)設定するように推奨した推奨時間情報であり、ここで表示された時間を使用者が長くしたい場合には、時間加算用のタッチキー(アイコン)219を押す。1回タッチすると10分間増える。逆に時間を短くする場合には、減算用のタッチキー(アイコン)220にタッチする。1回タッチすると10分間減算される。
【0348】
図34において、221は、一定の期間(例えば10日間)における肌の水分計測データの良いものを表示させるアイコンである。このアイコン221を選択すると、
図35に示すような表示画面101に切り替わる。
【0349】
図35において、222は、過去10日間のデータを参考情報として示し、運転時間の入力を促す文字情報である。223は、過去10日間で最も良かった肌の水分計測データを示した文字情報で、この
図35では水分量45%であることが分かる。224は、その最も良かった肌の水分計測データが取得された時の運転時間を示す参考情報である。つまり4時間の保湿運転を行った後で計測された肌の水分計測値の45%という実績が、過去10日間の最も良いデータであることが分かる。言い換えると、良好な水分量が得られると期待される「適正運転時間」はこの
図35の例では4時間であることが分かる。
【0350】
図35において、225は、過去10日間で最も良かった肌の水分計測データが取得された時の入眠時刻を示す参考情報である。この場合は、22時10分に入眠した場合であることが分かるので、これら情報から使用者は、今回使用する場合の運転時間や就寝時間等を保湿運転開始前に把握できる。
【0351】
(実施の形態2の総括)
以上説明した通り、実施の形態2における保湿用空気供給機20でも実施の形態1と同様に、表示画面101を操作して保湿運転を行う前の最新の肌の水分量と睡眠時間の長短を一挙に確認できる。これにより肌の水分量の改善のために、保湿運転の時間や保湿用空気の供給量(強弱)を設定する際に、参考になり、利便性が向上する。
【0352】
更に、実施の形態2における保湿用空気供給機20でも実施の形態1と同様に、保湿運転の開始前の段階で、「第1の睡眠時間」の情報を表示することを指令する推奨睡眠時間確認キー190を具備しているから、過去の肌の水分量と睡眠時間の記憶データの中から、肌の水分量が推奨基準(例えば、40%以上)を満たした日の睡眠時間を表示させることができ、保湿運転の時間を設定する際に、参考にでき、利便性が向上する。
【0353】
更に、実施の形態2における保湿用空気供給機20でも実施の形態1と同様に、過去の保湿運転時に取得された所定期間における複数回分の肌水分量の中で、最も良いレベルの水分量が取得されたときの運転時間の情報を抽出する機能を有している。
【0354】
この実施の形態2における保湿用空気供給機20は、第5の発明を以下の構成で実施している。
すなわち、空気流を発生させる電動送風機55を内蔵し、高湿度空気の吹出口52を形成した本体20Aと、
水蒸気又は水の微粒子を電気的エネルギーで発生させる気化手段としての電熱源90と、
使用者が運転条件を入力する操作部71と、
前記操作部の入力結果を表示する表示画面101と、
保湿運転を1回終えた後の使用者の肌水分量の情報を取得する肌情報部46と、
前記肌情報部46から取得した肌の水分量情報を記憶する記憶部33Rと、
現在時刻情報を発信する時計回路93と、
前記操作部71と前記記憶部33Rからの情報に従って前記送風機55と前記電熱源90を制御する制御装置33と、を備え、
前記制御装置33は、前記記憶部33Rに記憶した過去の所定期間における複数回分の肌水分量の中で、最良のレベルを取得した水分量と、その水分量が得られた時の保湿運転時の運転時間である「適正運転時間」の組合せとなる情報を抽出する機能を有し、
前記操作部には、保湿運転の開始前の段階で、前記「適正運転時間」の情報を、保湿運転の推奨時間として表示することを指令するアイコン221を具備したことを特徴とするものである。
【0355】
この第5の発明の保湿用空気供給機20によれば、過去の肌の水分量と睡眠時間、運転時間の記憶データの中から、肌の水分量の良かった日(例えば40%以上の日)の水分量と、運転時間との組み合わせからピックアップした「適正運転時間」を表示させることができるため、保湿運転の時間を設定する際に、参考にでき、利便性が大幅に向上することを期待できる。
【0356】
実施の形態3.
図36〜
図37は、本発明の実施の形態3を示すもので、
図36は、保湿用空気供給機の内部構成を示すブロック図、
図37は、その保湿用空気供給機の制御装置の動作を示すフローチャート図である。図中、前記実施の形態1のものと同一又は相当部分には同一符号を付してある。
【0357】
この実施の形態3の特徴とするところは、保湿運転を終えた後の使用者の睡眠防止や肌の水分量計測の動作の簡略化等を図ったところにある。
次に
図36について説明する。
図36は、保湿用空気供給機20の内部構成を示すブロック図であり、実施の形態1(
図6)の構成と異なるところは、照度センサー230を設けた点にある。この照度センサーは、保湿用空気供給機20の本体20Aを構成する本体ケース49から外側の室内の明るさを検知するものであり、本体20Aの天井面等に設置してある。
【0358】
照度センサー230は、室内の明るさを検知して、所定の明るさ(閾値)以上の明るさである場合と、その閾値未満の明るさである場合に、異なる検知信号を制御装置33に送る動作をする。そのため、検知信号を受けた制御装置33側では、寝室等の居住空間HAの中が明るいかどうかを判定できるとともに、明るい状態から暗い状態になったこと、逆に暗い状態から明るい状態になったことが判定できる。後者の状態は、通常は居住者が就寝状態から起床したことを推定できる。
【0359】
図36において、231は、睡眠判定部である。この睡眠判定部は、実施の形態1における睡眠判定部23と同様に、睡眠センサー(図示せず)から、保湿用空気供給機20の使用者(就寝者)の生体情報を受信して睡眠状態を判定する機能がある。入眠状態を検知した場合、及び覚醒状態を検知した場合に、所定の検知信号を制御装置33に送る。
【0360】
次に
図37について説明する。
図37は、実施の形態1における
図21のフローチャート図に関連している。すなわち、この実施の形態3では、
図21のフローチャート図のステップを一部改良している。
【0361】
具体的には、
図37において、覚醒信号があったかどうかの判断ステップ(S40)から後のステップ(S40a、S40b、S40c、S40d、S40e)が異なっている。
【0362】
覚醒信号があったかどうかの判断ステップ(S40)で、「Yes」となった場合には次のステップ(S40a)に進む。このステップでは、入眠情報を取得した時点(
図20のステップS32参照)からの経過時間が、5時間以内かどうかの判定を行う。入眠時点から3時間で覚醒した場合には、本来の覚醒ではなく、トイレに行くため等の生理的理由で一時的に覚醒した場合が濃厚である。5時間経過した場合は、使用者の意思に従った本来の起床であることが想定されるので、5時間経過している場合には「No」判定となり、ステップ(S40)に進む。
【0363】
ステップ(S40a)で、「Yes」となった場合には次のステップ(S40b)に進む。このステップでは、保湿運転の開始前に使用者が入力した睡眠時間(例えば7時間)から、入眠時点(ステップS32)の時刻からの経過時間を計算し、すでに2時間経過していれば、入眠から5時間以内であるので「Yes」となる。つまり、使用者が就寝してから使用者が希望した睡眠時間よりも1時間以上も前で覚醒した場合には、これもステップ(S40a)と同じで、本来の覚醒ではなく、使用者(就寝者)の意思に反した覚醒である可能性が高い。そこで、このステップ(S40b)で「Yes」の場合には、次のステップ(S40c)に進む。
【0364】
このステップ(S40c)では、入眠状態を示す信号が得られたかどうか判断し、当該信号がない場合には、次のステップ(S40d)で30分間待つ。この30分間の待機時間は、使用者(就寝者)が、トイレに行くため等の生理的理由で一時的に覚醒した場合ならば、30分以内に再び就寝しているであろうとの判断から設定している。なお、30分の起点は、前記ステップ(S40)での覚醒信号の到着時点からである。
【0365】
このステップ(S40d)で、30分間間の間に入眠状態の信号がなかった場合には、次のステップ(S40e)に進む。このステップでは、前記照度センサー230から検知信号の状態で、使用者(就寝者)が本格的に起きている状態になったのかどうかを判定する。
【0366】
照度センサー230は、例えば、覚醒信号があったかどうかの判断ステップ(S40)の前の室内の明るさと、ステップ(S40d)の明るさを比較し、後者の方が明るい場合には、制御装置33において、そのような2つの時点での明るさの変化を検知できる。つまり、通常の場合であれば、夜間に就寝しているので、居住者が就寝状態から起床したことが、明るさの変化で推定できる。なお、この照度変化の判断ステップ(S40d)は、省略しても良い。例えば、時計回路93からの時刻情報を利用し、既に明るい朝や昼になっている場合には、照度変化の判断ステップ(S40d)をスキップさせることで良い。
【0367】
前記ステップ(S40e)で「Yes」の判断になった場合に、
図21のフローチャート図で説明したように、記憶モードを設定するかどうか判断を求めるステップ(S40A)に進む。以後は、
図21で説明した動作ステップと同じである。
【0368】
この
図37の動作フローチャートから明らかなように、この実施の形態3の保湿用空気供給機は、覚醒信号があったかどうかの判断ステップ(S40)で、「Yes」となった場合でも、そのままステップ(S41)には進まない。
ステップ(S41)は、前述したように、保湿運転終了してからの保湿効果を確かめる意味で、肌の水分量の取得を表示画面101で推奨するため、表示画面101を起動して所定の表示を行い、使用者に肌の水分量の計測やデータ保存の操作を推奨するものである。しかしながら、上記したように覚醒信号があったという事実だけで完全に起きたと断定すると、使用者の就寝を妨げ、また本来の睡眠に戻ることを妨げるおそれがある。
これに対してこの実施の形態4では、そのような本来の使用者の意思に反した覚醒、意図しない覚醒等の、いわゆるノイズを除去して、使用者の睡眠を妨げることを抑制できるという効果が期待できる。
【0369】
この実施の形態3において説明した保湿用空気供給機20は、第6の発明を以下の構成で実施している。
すなわち。空気流を発生させる電動送風機55を内蔵し、高湿度空気の吹出口52を形成した本体20Aと、
水蒸気又は水の微粒子を電気的エネルギーで発生させる気化手段である電熱源90と、
使用者が運転条件を入力する操作部71と、
前記操作部の入力結果を表示する表示画面101と、
保湿運転の開始前に使用者の肌水分量の情報を取得する肌情報部46と、
使用者の睡眠状態を判定する睡眠判定部231と、
使用者の睡眠時間情報を取得し、前記肌情報部46から取得した肌の水分量情報とともに憶する記憶部33Rと、
前記操作部71と前記記憶部33Rからの情報に従って前記電動送風機55と前記電熱源90とを制御する制御装置33と、
使用者によって閉じられ、閉じられた場合に前記制御装置33に対して電源が供給される主電源スイッチ70と、を備え、
前記操作部71には、保湿運転の開始前に前記操作部71から所定の操作入力がされた場合、前記制御装置33は、前記記憶部33Rに記憶させた肌の水分量情報と過去の保湿運転時に取得した睡眠時間情報とを、前記表示画面101に同時に表示し、
前記制御装置33は、睡眠判定部231から使用者の覚醒信号を受けた場合、所定の判定条件(
図37の5つのステップS40a、S40b、S40c、S40d、S40eの1つ又は複数の組み合わせで良い)を満たした場合に、保湿運転が終了した後で前記主電源スイッチ70が開放されるまでの間に、使用者に肌の水分量の計測を推奨する報知(
図37のステップS41参照)を自動的に行う構成である。
【0370】
この構成であるから、保湿運転後にその保湿効果を確認する意味で、あまり時間を置かずに使用者の肌の水分量を計測することを使用者に促すことができる。しかも単純に覚醒状態を検知しただけでは、そのような計測動作を使用者へ報知せず、使用者の睡眠を妨げず、使用者へ報知するので、利便性を向上させることができる。
【0371】
前記した実施の形態1〜3では、居住空間HAの快適性の具体的指標について述べなかったが、初期設定を、気温26℃、湿度50%未満に快適の範囲を、デフォルト値として設定しておく案がある。
【0372】
一般的に、快適な環境を絶対的な数値で表現することは難しい。例えば快適性とは、ASHRAE(アメリカ暖房冷凍空調学会 1996年)によると、「環境条件への満足度を表す知覚の状態」と定義している。つまり、今よりも暑くなっても寒くなっても不快感をもたらすような環境条件を意味していると言える。このため、居住者が受ける印象は、必ずしも常に環境から受ける感じに対応している訳ではなく、居住者の気分や、体験、体調等でも変化する。
【0373】
そこで一般に「快適な室内環境(気候)」とはどのような状態であるのか、定義を述べると、例えばIEA(国際エネルギー機関)では、室内(部屋)における状態を次のように定義している。
(1)室内気温:冬においては20℃前後であること。
夏においては28℃前後であること。
(2)部屋の水平温度:一様であること。
(3)部屋の上下の温度差:3℃〜4℃以下であること。
【0374】
一方、家庭内の部屋やオフィスの空気調和機での設定温度は夏の冷房時で28℃、冬の暖房時で20度が、省エネルギーの観点から日本では推奨されているが、実際に人が快適と感じる室温は25℃前後であるとも一般に言われている。
【0375】
従って、
図18の表示画面101において、統合環境検知部9が取得した気温や室温から電力指令装置5の制御部36が算出した快適度(快適性)の情報137を表示する場合には、家屋のある地域や居住者の年齢や性別等の種類のような、多様な前提条件で快適性の判断が変わる可能性があるので、居住者が例えば、快適性の「気温」を、適宜調整できるようにすると更に良い。また電力指令装置5に電波時計等を内蔵させ、季節に応じて前記気温を自動的に変化させるようにしても良い。さらには、具体的には、居住者が快適と感じた段階で、TV受像機2や電力指令装置5又は情報通信端末機器25、保湿用空気供給機20で、快適と感じた時点を特定する信号を電力指令装置5に入力し、電力指令装置5がその入力受付時の環境情報(気温や湿度など)を、以後の快適性判定の基礎データに用いるようにしても良い。このような居住者の快適性に関係する情報の蓄積で電力指令装置5による快適性判定は、更に居住者の認識、感覚にも近いものにできる。
【0376】
この実施の形態1〜3は、電熱源90を用いて蒸気を発生させるタイプの保湿用空気供給機20であったが、高湿度の空気を供給するものであれば、他の方式を採用しても良い。
【0377】
また以上の実施の形態1〜3は、大気中での放電により空気から生成する正イオンと負イオンを同時に肌表面に照射して肌表面の水分量を増加させる方式の保湿空気供給機にも同様に適用可能である。このような方式は、例えば、日本国特許公開2011−98187号(特許第4790068号)公報、同じく特許公開2011−200722号(特許第5285749号)公報にて提案されている。
【0378】
それらの先行技術文献によれば、イオン発生素子を使用して発生させた正負イオンを、低速の気流に載せて使用者に照射するとともに、肌表面に照射するイオン濃度を所定値以上に高めることにより、正負イオンが反応して生成する水が肌に潤いを与えると共に、肌の弾力を向上させることが可能になる。また、イオン発生手段から供給されるイオンを吹出口から放出する際、イオン濃度が高くなるように吹出口イオン検出器を備えることにより、イオン濃度を高めながらも吹出し速度を低速に保つように制御している。具体的には、イオン吹出口から放出された空気は、距離が遠くなるに従って含有するイオン数は急激に減少する。また、吹出し風速にも影響されるので実験により吹出し風速を決定してあり、望ましい実験例として、人の顔表面で正イオン濃度と負イオン濃度を、それぞれ7,000個以上(1立方センチメートルあたり)となるようにイオン発生量と風速とが調節されている。
【0379】
つまり、正イオンと負イオンを同時に肌表面に照射して肌表面の水分量を増加させる方式の保湿空気供給機(先行技術文献では「美容器具」と称している)でも、正イオンと負イオンを含む空気を、使用者の顔の位置まで、所定のイオン濃度維持したまま、低速度で吹き付けることが必須である。このため、本発明は、このような正・負イオン方式においても高い効果が期待できる。
【0380】
また以上の実施の形態1〜3については、睡眠者の睡眠時間帯(例えば連続6時間)の中で、保湿運転を連続的(例えば3時間)に行うことを説明したが、睡眠時間帯の中で、保湿運転を間欠的に行っても良い。例えば、入眠から1時間は、連続的に使用者の顔の周囲における雰囲気の(目標の)湿度が55%〜65%になるように、高湿度空気を供給し、その後30分間は保湿運転休止し、その後また1時間は同様な目標湿度になるように運転する、という複数工程を数回繰り返すことでも良い。なお、このように肌に湿度を、目標65%から55%の間で、揺らぎ制御することで保湿効果が高まることは、日本国特許公開2004−294058号公報の加湿器で提案されている。それによれば、目標湿度65%で30分間維持し、その後15〜60分加湿は休止し、この15〜60分間の間に湿度が50%に下がった時点で、再び加湿開始し、目標湿度65%になった時点でそのまま30分維持するという実例が紹介されている。本発明の実施にあたり、このような技術を組み合わせることも有益である。
【0381】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の実質的な範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図されている。