特許第6351031号(P6351031)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6351031
(24)【登録日】2018年6月15日
(45)【発行日】2018年7月4日
(54)【発明の名称】ワーク搬送方法
(51)【国際特許分類】
   B23Q 11/00 20060101AFI20180625BHJP
   B23Q 39/04 20060101ALI20180625BHJP
【FI】
   B23Q11/00 N
   B23Q39/04 E
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-70820(P2014-70820)
(22)【出願日】2014年3月31日
(65)【公開番号】特開2015-188998(P2015-188998A)
(43)【公開日】2015年11月2日
【審査請求日】2017年3月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002967
【氏名又は名称】ダイハツ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107423
【弁理士】
【氏名又は名称】城村 邦彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120949
【弁理士】
【氏名又は名称】熊野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100101616
【弁理士】
【氏名又は名称】白石 吉之
(72)【発明者】
【氏名】諸岡 太郎
【審査官】 中川 康文
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭63−133950(JP,U)
【文献】 実開平03−100054(JP,U)
【文献】 特開平07−148636(JP,A)
【文献】 実開平02−104942(JP,U)
【文献】 特開昭51−070580(JP,A)
【文献】 実開昭53−084774(JP,U)
【文献】 特開昭61−257747(JP,A)
【文献】 実開昭62−074945(JP,U)
【文献】 実開昭62−138545(JP,U)
【文献】 実開昭63−086955(JP,U)
【文献】 特公平01−050549(JP,B2)
【文献】 特開平04−201164(JP,A)
【文献】 実開平04−136651(JP,U)
【文献】 特開平07−124851(JP,A)
【文献】 特開平08−323592(JP,A)
【文献】 特開平10−251880(JP,A)
【文献】 特開2005−161485(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23Q 11/00−13/00
B23Q 37/00−41/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械加工を行う加工ステーションを含む複数のステーション間でワークを搬送するためにトランスファーバーを往路と復路とに往復動させる工程と、洗浄装置の洗浄ノズルから切削油剤を噴出させて前記トランスファーバーのワーク載置部から異物を除去する工程とを備えたワーク搬送方法であって、
前記トランスファーバーは、前記ワークを前記ワーク載置部に積載した状態で前記往路を移動した後に、前記ワークを前記ワーク載置部に積載していない状態で復路を移動するように構成され、
前記洗浄ノズルは、前記加工ステーションに切削油剤を供給するための配管から分岐するとともに、隣り合う前記ステーションの前記加工ステーション間に配置されており、
前記洗浄ノズルは、前記トランスファーバーが前記復路を移動する間に、前記ワークを積載していない前記ワーク載置部に切削油剤を掛けることを特徴とするワーク搬送方法
【請求項2】
前記復路を移動する前記トランスファーバーを停止させ、前記加工ステーション間で、前記ワークを積載していない前記ワーク載置部に前記切削油剤を掛ける請求項1に記載のワーク搬送方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はワーク搬送方法に関し、より詳しくは、トランスファーバーを用いたワーク搬送装置のワーク載置部から切粉や削りくずその他の異物(以下、異物と総称する)を除去することに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数の加工ステーションを所定間隔に設置した加工ラインにおいて、1本のトランスファーバーを加工ステーションに沿って配置したワーク搬送装置が記載されている。そして、このトランスファーバーをトランスファーストロークだけ往復動させることにより、各加工ステーションにおける加工が終わったワークを次の加工ステーションへ順次搬送する。
【0003】
トランスファーバーのワーク載置部には、ワークを位置決めするための位置決めピンが設けてあり、各加工ステーションでは、トランスファーバーのワーク載置部とNC加工機側の治具装置との間で、ワークの受け渡しが行われる。各加工ステーションのNC加工機は、トランスファーバーから受け取ったワークを治具装置により固定した状態で、加工を実行する。
【0004】
特許文献2には、加工ステーションにおいてワークを所定の加工位置に位置決め固定する場合、トランスファー装置と別にワーク固定機構を設ける必要をなくし、加工ステーションの構造を簡素化することが記載されている。すなわち、ワークを搬送するための搬送機構を複数の加工ステーション間に個別に配置し、各搬送機構にワークを加工ステーションの加工位置に位置決め固定するための固定部材を設置する。そして、搬送機構によりワークを搬送する過程において、固定部材によりワークを加工ステーションにおける治具に下方から押し付けて、所定の加工位置に位置決め固定する。
【0005】
各搬送機構において、昇降用モータによりトランスファーバーが昇降バーと一体的に昇降する。それとともに、移動用モータにより、トランスファーバーが昇降バー上の第一位置と第二位置との間で相対的に往復移動する。これにより、加工ステーションに位置する加工後のワークが、トランスファーバー上の第一支持部材に支持されて、下流側の中間ステーションに搬出される。それと同時に、上流側の中間ステーションに位置する加工前のワークが、トランスファーバー上の第二支持部材に支持されて、加工ステーションに搬入される。
【0006】
このワークの搬送過程において、トランスファーバーが第二位置から第三位置まで後退したとき、固定部材によりワークが治具の下方から同治具に押し付けられて、所定の加工位置に位置決め固定される。このため、各加工ステーションにおいて、トランスファー装置とは別にワークを位置決め固定するためのワーク固定機構を付加する必要がなく、加工ステーションの構造を簡素化することができる。
【0007】
特に、各加工ステーションにおいて治具の位置決めピンが下向きに設置されている。そして、ワークはトランスファーバー上の固定部材により単に押し上げられるだけで、治具の下方から同治具に押し付けられて、位置決めピンに係合することにより、位置決め固定される。このため、ワークの位置決め固定を、特別な専用のワーク固定機構を設けることなく、簡単な構成で容易かつ確実に行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開昭61−257747号公報(図2
【特許文献2】特開平08−323592号公報(図2図6
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
加工ステーションにおける工作機械が大量の切粉が生じるようなNC加工機である場合、トランスファーバーが往復動する際、とりわけワークを載置していない戻り動作の時、ワーク載置部の位置決めピン上に切粉が落下することがある。また、シリンダブロックのような鋳造ワークの場合、内部に鋳物砂が残っている場合もある。位置決めピン上に切粉が付着したり、さらに堆積したりすると、位置決めピンによる位置決め機能が損なわれ、ワークを正しい姿勢で位置決めして載置することができなくなるという問題がある。
【0010】
かかる問題点について、特許文献1、2に記載された従来の技術では、何ら対策が講じられていない。なお、特許文献2のものは、位置決めピンが下向きに設置してあり、上向きに開口したワークのロケート孔に挿入するようになっている。とはいえ、ワークを加工ステーションの治具に下から押さえ付ける働きをする固定部材は、皿ばねを介してトランスファーバー上に揺動可能に取り付けてある。したがって、固定部材上やその周囲に異物が堆積すると、支持ロッドと支持孔の円滑なスライドを妨げたり、皿ばねの弾性変形を妨げたりして、固定部材を治具に対して押さえ付ける際にワークに無理な力がかかるおそれがある。
【0011】
本発明の課題は、複数の加工ステーションに沿って往復動が可能で複数のステーション間でワークの搬送をするためのトランスファーバーを用いたワーク搬送装置において、トランスファーバーのワーク載置部から異物を除去して位置決め機能を保全することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題は、本発明によれば、機械加工を行う加工ステーションを含む複数のステーション間でワークを搬送するために往復動するトランスファーバーのワーク載置部から洗浄装置で異物を除去することによって解決される。トランスファーバーは、ワークをワーク載置部に載置した状態で往路を移動した後に、ワークをワーク載置部に積載することなく復路を移動する。
【0013】
たとえば、洗浄装置はワーク載置部に向けて切削油剤を噴出させる洗浄ノズルを有し、トランスファーバーがNC加工機に対してワークを渡した後、つまりワークを積載していないワーク載置部に切削油剤を掛けて切粉を押し流す。洗浄ノズルは、加工ステーションに切削油剤を供給するための配管から分岐するとともに、隣り合うステーションの加工ステーション間に配置される。この洗浄ノズルは、トランスファーバーが復路を移動する間に、ワークを積載していないワーク載置部に切削油剤を掛けるように構成される。一般に、加工ステーションのNC加工機には切削油剤を供給するためのノズルや、廃油を排出するための通路などが設けてある。したがって、その切削油剤を利用することにより、別途、追加の装置を設ける必要がなく、設備の簡素化を図ることができる。
【0014】
NC加工機にワークを引き渡したトランスファーバーは、加工ステーションで加工が行われている間に、トランスファーストロークだけ復帰して次のワーク受け渡しに備えて待機する。かかる待機時には、加工ステーションと加工ステーションの間に移動して、加工ステーションにおけるNC加工機から落下してくる切粉を避けるようにしている。したがって、この待機時に、ワーク載置部に切削油剤を掛けるのが望ましい。
【0015】
本発明では、復路を移動するトランスファーバーを停止させ、加工ステーション間でワークを積載していないワーク載置部に切削油剤を掛けてもよい。加工ステーションにおける加工中は、トランスファーバーのワーク載置部は加工ステーションのNC加工機から離れた、切粉の落下が少ない位置にある。したがって、加工中にトランスファーバーをストップさせて洗浄装置を作動させることで、切粉その他の異物を確実に除去することができる。あるいは、トランスファーバーの往復動作中を含めて常時、切削油剤を噴出させてもよい。使用後の切削油剤は、回収して切粉を分離した後再利用することができる。
【0016】
なお、圧搾エアーを利用して異物を吹き飛ばすことも考えられるが、エアーの噴出する音が騒音の原因となる場合があり、また、切粉や削りくずばかりでなく塵埃を散乱させて作業環境を悪化させるという問題がある。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、洗浄装置によって、トランスファーバーのワーク載置部が清浄に保たれるため、切粉その他の異物に起因してワークの位置決め不良が起こる心配がない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施の形態を説明するための加工設備の立面図である。
図2】平面図である。
図3】側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面に従って本発明の実施の形態を説明する。
【0020】
まず、図1及び図2を参照すると、整列した4つの加工ステーションS1〜S4が配置してあり、各加工ステーションS1〜S4には工作機械としてたとえばNC加工機M1〜M4が設置してある。加工ステーションの数はワークWによって、つまり、ワークWに施すべき機械加工によって異なる。ここで、機械加工には、主として切粉や削りくずが発生するものが含まれ、具体例を挙げるならば、旋削、ミーリング、ブローチ、ボーリングといった切削加工のほか、研削加工も含まれる。
【0021】
図3から分かるように、各加工ステーションS1〜S4では、NC加工機M1〜M4に対応して、治具装置C1〜C4が設置してあり、治具装置C1〜C4によりワークWをクランプした状態で、NC加工機M1〜M4による加工が行なわれる。
【0022】
また、第一加工ステーションS1の上流側にはワーク搬入ステーションS0が設置してあり、第四加工ステーションS4の下流側にはワーク搬出ステーションS5が設置してある。ワーク搬入ステーションS0にはワークローダ6が設置してあり、加工前のワークWを搬入するようになっている。ワーク搬出ステーションS5にはワークアンローダ8が設置してあり、加工を終えたワークWを搬出するようになっている。
【0023】
加工ステーションS1〜S4は等間隔に配置してあり、その間隔を符号Lで示してある。ワーク搬入ステーションS0と第一加工ステーションS1との間、第四加工ステーションS4とワーク搬出ステーションS5との間も同じ間隔Lとなっている。
【0024】
図1(A)に白抜き矢印2で示すように、ワークWは、第一加工ステーションS1から第四加工ステーションS4へ、順次搬送される。このワーク搬送を担うのがトランスファーバー10である。トランスファーバー10は直線状で、加工ステーションS1〜S4の間隔Lに対応した間隔で配置した複数のワーク載置部12を有する。
【0025】
トランスファーバー10は長手方向に往復動するようになっており、そのストロークは加工ステーションS1〜S4の間隔Lと同じである。図示は省略したが、トランスファーバー10を往復動させるための駆動機構としては、流体圧シリンダやボールねじなどのなかから選択して採用することができる。
【0026】
図1(A)は、トランスファーバー10が同図の右側のストロークエンドに達した状態を示しており、このとき、トランスファーバー10は、ワーク搬入ステーションS0から第四加工ステーションS4まで延びている。この状態から、同図の左側に向けてトランスファーストロークLだけ移動すると左側のストロークエンドに達し、そのとき、トランスファーバー10は、第一加工ステーションS1からワーク搬出ステーションS5まで延びている。
【0027】
また、図1(A)は、トランスファーバー10上の最も下流側のワークWをワークアンローダ8に引き渡した後、トランスファーバー10が図の右側に移動した状態を表している。つまり、このとき、ワークアンローダ8が作動してワークWを搬出する過程にあり、かつ、ワークローダ6が作動してワークWを搬入する過程にある。
【0028】
ここでは、合計5つのワーク載置部12があり、図1(A)の右端のワーク載置部12がワーク搬入ステーションS0に対応する位置にあるとき、他の4つのワーク載置部12はそれぞれ加工ステーションS1〜S4に対応する位置にある。その状態からトランスファーバー10が図1(A)の左側に移動して、左端のワーク載置部12がワーク搬出ステーションS5に対応する位置にあるとき、他の4つのワーク載置部12はそれぞれ加工ステーションS1〜S4に対応する位置にある。
【0029】
トランスファーバー10の各ワーク載置部12には位置決めピン14が設けてある。図示するように、位置決めピン14は上向きに立設してあり、ワーク載置部12にワークWを載せたとき、ワークWのロケータ孔(図示省略)に進入してワークWの位置決めをするように設定してある。
【0030】
トランスファーバー10の下方には複数のレバー18が配置してある。図1(B)に示すように、各レバー18は略「く」の字形で、「く」の字の屈曲部を静止部材に固定した支持ピン16により回転可能に支持されている。便宜上、「く」の字の上部を上アーム18a、下部を下アーム18bと呼ぶこととする。上アーム18aの端部にはローラ20が回転自在に取り付けてある。下アーム18bの端部はロッド22で連結されている(図1(A))。
【0031】
したがって、ロッド22を進退させることにより、レバー18が支持ピン16を中心として回動する。ロッド22を進退させるための駆動機構としては、流体圧シリンダやボールねじなどのなかから選択して採用することができる。
【0032】
レバー18は、ロッド22の進退に応じて、図1(B)に実線で示すように上アーム18aが直立した第一の姿勢と、図1(B)に二点鎖線で示すように上アーム18aが斜めに傾いた第二の姿勢をとる。レバー18が第一の姿勢をとると、ローラ20を介してトランスファーバー10を押し上げる。レバー18が第二の姿勢をとると、ローラ20がトランスファーバー10から退避して、トランスファーバー10を下降させる。
【0033】
トランスファーバー10の往復動によって、トランスファーバー10上のワーク載置部12をステーションS0〜S5間で順次搬送するようになっている。
【0034】
隣り合ったステーションS0〜S5間に、洗浄ノズル24が設置してある。洗浄ノズル24は洗浄装置を構成するもので、たとえばNC加工機M1〜M4用の切削油剤を供給するための配管から分岐させたものを利用することができる。洗浄ノズル24は、トランスファーバー8のワーク載置部10の移動経路に向けて、上方から又は斜め上から切削油剤を掛けることができるように、噴出口の向きや位置を設定する。切削油剤の種類は問わないが、防錆の観点からは水溶性のものよりも不水溶性のものが好ましい。また、使用後の潤滑油剤は、回収して異物を除去した後再利用することもできる。
【0035】
次に、上述の構成の動作について述べる。
【0036】
まず、図1に示すように、ワーク搬入ステーションS0で、加工前のワークWを、トランスファーバー10の同図の右端のワーク載置部12に載置する。この状態で、白抜き矢印2で示すように、トランスファーバー10を同図の左側に向けてトランスファーストロークLだけ移動させる。すると、ワーク搬入ステーションS0で受け取ったワークWは第一加工ステーションS1に搬送され、同様に、第一〜第三加工ステーションS1〜S3での加工を終えたワークWは順次、第二〜第四加工ステーションS2〜S4へ搬送される。また、第四加工ステーションS4での加工を終えたワークWはワーク搬出ステーションS5へ搬送され、そこでワークアンローダ6によって搬出される。
【0037】
各加工ステーションS1〜S4では、治具装置C1〜C4が、トランスファーバー10のワーク載置部12からワークWを受け取ってクランプする。そうして、加工機M1〜M4によるワークWの加工が同時に行われる。
【0038】
加工機M1〜M4による加工が行なわれている間に、進出していたロッド22が後退してレバー18の上アーム18aを傾け、それによりトランスファーバー10を下降させて、ワーク載置部12の位置決めピン14をワークWから退出させる。その状態で、白抜き矢印4で示すように、今度は上記と逆向きにトランスファーバー10をトランスファーストロークLだけ移動させる。これにより、ワーク載置部12が、ワーク搬入ステーションS0並びに第一〜第四加工ステーションS1〜S4に対応する位置に復帰する。そこで、ロッド22を再び進出させてレバー18の上アーム18aを直立させることにより、トランスファーバー10が上昇して図1に示す位置に復帰する。
【0039】
上述のトランスファーバー10の動きは、白抜き矢印2で示す軸方向移動(往路)と、下降動作と、白抜き矢印4で示す軸方向移動(復路)と、上昇動作とからなる矩形のサイクルを描く。このように、トランスファーバー10の上昇、下降と往復動によるワークWの搬送動作が繰り返され、ワークWが順次加工されながら次工程へ送られる。
【0040】
トランスファーバー10が下降して復帰する際に、加工ステーション間に設置した洗浄ノズル24から、トランスファーバー10に向けて、とりわけワーク載置部12に向けて、切削油剤を噴出させる。これにより、ワーク載置部12に切粉や削りくずその他の異物があった場合でも、洗浄ノズル24から噴出した切削油剤によって押し流され、洗浄が行われる。
【0041】
切削油剤の噴出を間欠的に行わせる場合、たとえばタイマーによってバルブの開閉を制御するほか、トランスファーバー10の移動経路の上方に切削油剤をためるタンクを設置して、ワーク載置部12が到来したときにタンク内の切削油剤を一気に落下させるようにしてもよい。あるいは、切削油剤は常時噴出させるようにしてもよく、その場合、特別な制御を必要とすることなく、ワーク載置部12が洗浄ノズル24付近を通過する間に切削油剤の噴出による洗浄を受けることになる。
【0042】
洗浄効果を高めるため、トランスファーバー10の往復動のうち、ワークWを積載していない復路(4)で一旦停止させ、その間にワーク載置部12に十分な切削油剤が掛かるようにしてもよい。加工ステーションS1〜S4における加工機M1〜M4の運転を中断することなく、トランスファーバー10の動きを一時的に停止させるだけであるため、加工サイクルタイムに影響を与えることはない。
【0043】
以上、添付図面に従って本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、ここに述べ、かつ図示した実施の形態に限らず、特許請求の範囲を逸脱することなく種々の変形を加えて実施をすることができる。
【符号の説明】
【0044】
2 往路
4 復路
6 ワークローダ
8 ワークアンローダ
10 トランスファーバー
12 ワーク載置部
14 位置決めピン
16 支持ピン
18 レバー
18a 上アーム
18b 下アーム
20 ローラ
22 ロッド
24 洗浄ノズル
1〜C4 治具装置
1〜M4 NC加工機(NC加工機械)
0 ワーク搬入ステーション
1〜S4 加工ステーション
5 ワーク搬出ステーション
図1
図2
図3