【実施例】
【0171】
本対象事項の実施は、別段に示されていない限り、当分野の技能の範囲内である産業などにおいて慣用の技術を使用することができる。そのような技術が本明細書において十分に記載されていないならば、それらに対する豊富な参照文献を科学文献において見出すことができる。
【0172】
下記の実施例では、使用されている数(例えば量、温度など)に関して正確さを保証する努力が成されているが、変化および偏差を考慮することができ、本明細書に報告されている数において誤記がある場合には、当業者であれば、本明細書に開示されている残りの部分を考慮して正確な量を推理することができるであろう。別段に示されていない限り、温度は摂氏温度で報告されている。全ての試薬は、別段に示されていない限り市場で得た。本明細書で使用されるβ−ファルネセンを、その全体が参照によって組み込まれる米国特許第7,399,323B1号に記載されているとおりに調製する。別段に示されていない限り、β−ファルネセンをアルミナで濾過し、4−tert−ブチルカテコールを100ppmで加えた。下記の実施例は単に説明の目的のために意図されたものであり、本発明の範囲を何ら制限するものではない。
【0173】
下記の実施例では、変換率%は、反応物中のβ−ファルネセンの量に対する二量体化反応におけるβ−ファルネセンから反応生成物への変換率を指している。イソスクアレン%は、二量体化反応において得られた反応生成物の全量に対する反応生成物中のイソスクアレンの量を指す。スクアラン%は、GC−MSまたはGC−FIDによって面積%として測定した場合の、水素化反応の反応生成物の全量に対する二量体化および水素化反応の後に得られた反応生成物中のスクアランの量を指す。他%は、二量体化反応において得られた反応生成物の全量に対するイソスクアレン以外の生成物の量を指す。ある種の状況では、他%は、水素化の後にスクアランに変換することに留意する。一部の場合には、イソスクアレン分子量+2に対応する1種または複数の種がGC−MSによって観察される。スクアラン比は、β−ファルネセンの二量体化で得られる生成物を水素化した後に得られるスクアラン量とイソスクアラン量との比を指す。別段に示されていない限り、スクアラン比はGCによって決定した。
【0174】
標準的な略語および頭字語を本明細書では使用する。本明細書で使用されるある種の略語および頭字語は次のとおりである。
【0175】
IPA=イソプロピルアルコール
Pd(acac)
2=アセチルアセトン酸パラジウム(II)
PPh
3=トリフェニルホスフィン
PTol
3=トリトリルホスフィン
PBu
3=トリブチルホスフィン
PEt
3=トリエチルホスフィン
iPr
3P=トリイソプロピルホスフィン
tBuONaまたはNaO−tBu=ナトリウムtert−ブトキシド
dcpb=2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル
キサントホス=4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン
トリス−(3−MeO−Ph)
3P−トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン
dppp=1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン
dPEPhos=ビス(2−ジフェニルホスフィノフェニル)エーテル
Cy
2PPh=ジシクロヘキシル(フェニル)ホスフィン
Dppb=1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン
BINAP=2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル
Pd(cod)Cl
2=パラジウム(1,5−シクロオクタジエン)ジクロリド
Pd(dba)
2=ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム
[Pd(アリル)Cl]
2=アリルパラジウムクロリド二量体
dcpp=ビスジシクロヘキシホスフィノブタン
Et
2AlCl=ジエチルアルミニウムクロリド
Oct
3Al=トリ−n−オクチルアルミニウム
PhCy
3=トリシクロヘキシルホスフィン
Zr(OtBu)
4=ジルコニウムテトラキス(tert−ブトキシド)
iBu
3Al=トリ(イソ−ブチル)アルミニウム
Et
3Al=トリエチルアルミニウム
P(o−OMePh)
3=トリス(オルト−メトキシフェニル)ホスフィン
P(m−OMePh)
3=トリス(メタ−メトキシフェニル)ホスフィン
Ph
2PtBu=ジフェニルtert−ブチルホスフィン
Bipy=2,2’−ビピリジン
DPPE=1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン
MAO=メチルアルミノキサンまたはメチルアルミノキサン(複数)
ZrCl
4=四塩化ジルコニウム
TiCl
4=四塩化チタン
Et
2Al(OEt)=ジエチルアルミニウムエトキシド。
【0176】
(実施例1)
リガンドスクリーニング
この実施例では、前駆体としてのPd(acac)
2および表1に記載されているリガンドを使用して、β−ファルネセンをイソスクアレンに変換した。触媒前駆体およびリガンドを不活性雰囲気下でガラスライナー中で秤量し(S/C 125/1)、次いでイソプロピルアルコール(IPA)(2mL)を、続いてβ−ファルネセン(510μL、2.5mmol、[c]=1M)を加え、反応物を85℃で7時間加熱した。二量体化反応からの粗製反応生成物の水素化を、Pd/Cを使用して30bar H
2および50℃で16時間実施した。
【0177】
反応物をガスクロマトグラフィーによって分析した。次のピークが観察された:β−ファルネセンは4.1分で、かつイソスクアレンは20.1分で。表1に示されているデータは、試験されたリガンドについてのβ−ファルネセンの変換率%およびスクアランと不純物との比が包含されている。
【0178】
【表1-1】
【0179】
【表1-2】
【0180】
【表1-3】
【0181】
スクアラン比を変換率が10%超である反応、即ち、エントリー1〜8について測定した。リガンドとして2.8当量のPPh
3を使用すると、イソスクアレン78%が生成物中で観察された。水素化反応後のスクアラン比は22/1(エントリー1)であった。アルキルホスフィンリガンド、Bu
3Pおよびdcpp(ビスジシクロヘキシホスフィノブタン)は二量体化の後にそれぞれイソスクアレン70%および60%をもたらした(エントリー2および3)。いずれの場合も、水素化の後のスクアラン比は16:1超であった。
【0182】
リガンドとしてP(OPh)
3を使用すると、イソスクアレン50%が二量体化の後に、水素化反応での8対1のより低いスクアラン純度と共に観察された(エントリー4)。二座キサントホスおよびトリアリールホスフィン、トリス−(3−MeO−Ph)
3Pリガンドを用いると、イソスクアレン%はそれぞれ10%から50%の間であった。生成物を水素化すると、10対1超のスクアラン比が得られた(エントリー5〜6)。塩基性脂肪族ホスフィンリガンドPEt
3は、PPh
3で得られたのと同様のスクアラン比(エントリー7)、即ち、22/1のスクアラン比で、イソスクアレンへの選択率15%しかもたらさなかった。二座アミノ−ホスフィネートリガンド、即ちPh
2PO−(CH
2)
2−NMe
2は、4.5対1の低いスクアラン比(エントリー8)で、イソスクアレンへの選択率11%をもたらした。
【0183】
使用された他のリガンドは全て、10%未満の選択率をもたらし、スクアランの比を評定するための粗製反応物の水素化は行わなかった(エントリー9〜30)。
【0184】
これらの結果に基づき、PPh
3リガンドを追加的な研究のために選択した。
【0185】
(実施例2)
Pd(0)を生じさせるための添加剤の使用
予め形成されたPd(PPh
3)
2Cl
2触媒からPd(0)を発生させるために、無機塩基または還元剤などのいくつかの添加剤を試験した。
【0186】
実験手順:触媒を不活性雰囲気下でガラスライナー中で秤量し(S/C 125/1)、次いでIPA(2mL)を、続いてβ−ファルネセン(510μL、2.5mmol、[c]=1M)を加えた。実施例1に記載されているとおりに、二量体化および水素化反応を実施した。
【0187】
反応物をガスクロマトグラフィーによって分析した。次のピークが観察された:β−ファルネセンは4.1分で、イソスクアレンは20.1分で、不純物=13.45分。不純物は部分的に還元イソスクアレンを含んだ。試験された添加剤および結果を表2にまとめる。表2に示されているデータは、試験された添加剤についてのβ−ファルネセンの変換率%およびスクアランと不純物との比を包含する。
【0188】
【表2】
【0189】
この反応で試験された塩基のうち、NEt
3は変換をもたらさなかった一方で(エントリー1)、t−BuONaは25/1のスクアラン比で生成物への変換率33%をもたらした(エントリー2)。HCO
2H 1/NEt
3 1およびHCO
2Naなどの他の還元剤を試験したが、これらはかなりの量の部分還元イソスクアレンによって、生成物への低い選択率をもたらした(エントリー3〜4)。2つの粗製反応物を水素化すると、HCO
2H 1/NEt
3 1およびHCO
2Naについてそれぞれ2/1および26/1のスクアラン比が得られた。NaBH
4、Znダストなどの他の添加剤は何ら変換をもたらさなかった(エントリー5〜6)。結果に基づき、さらなる試験はHCO
2Na 20mol%を用いて行った。
【0190】
(実施例3)
HCO
2Na 20mol%と予め形成された触媒L
2PdCl
2との使用
実施例2(表2)に従って、ギ酸ナトリウムは予め形成されたPd(II)錯体からPd(0)を発生させた。リガンドをL
2PdCl
2としてHCO
2Na 20mol%と共に試験した。
【0191】
実験手順:触媒をガラスライナー中、不活性雰囲気下で秤量し(S/c 125/1)、IPA2mLを、続いてβ−ファルネセン(510μL mL、2.5mmol、[c]=1M)を加えた。反応物を85℃で7時間加熱した。実施例1に記載されているとおりに、水素化反応を実施した。
【0192】
反応物をガスクロマトグラフィーによって分析した。次のピークが観察された:ファルネセンは3.9分で、スクアランは15.2分で、イソスクアランは14.6分。
【0193】
(1)カップリングさせてイソスクアレンを得るステップ、続く(2)水素化してスクアランを得るステップの後に、表3の結果が示される。表3に示されているデータは、β−ファルネセンの変換率%およびスクアランと不純物との比を包含する。
【0194】
【表3】
【0195】
90および88%のβ−ファルネセン変換率が(PEt
3)
2PdCl
2および(PPh
3)
2PdCl
2についてそれぞれ得られた(エントリー1〜2)。
図1は、表3、エントリー2に記載されている反応についてのGCスペクトルを示している。26/1のスクアラン比が(PPh
3)
2PdCl
2触媒について観察された。試験された他の触媒は、より低い変換率およびスクアラン比をもたらした(エントリー3〜5)。
【0196】
(実施例4)
HCO
2Na 20mol%とその場で形成された触媒Pd(cod)Cl
2/2Lとの使用
この実施例では、Pd(cod)Cl
2を単座ホスフィンとNaHCO
2 20mol%の存在下で予め混合した(表4)。
【0197】
実験手順:触媒をガラスライナー中、不活性雰囲気下で秤量し(S/c 125/1)、IPA2mLを、続いてβ−ファルネセン(510μL mL、2.5mmol、[c]=1M)を加えた。反応物を85℃に7時間加熱した。実施例1に記載されているとおりに、水素化反応を実施した。
【0198】
反応物をガスクロマトグラフィーによって分析した。次のピークが観察された:ファルネセンは3.9分で、スクアランは15.2分で、イソスクアランは14.6分。
【0199】
(1)カップリングさせてイソスクアレンを得るステップ、続く(2)水素化してスクアランを得るステップの後に、表4の結果が示される。表4に示されているデータは、β−ファルネセンの変換率%およびスクアランと不純物との比を包含する。
【0200】
【表4-1】
【0201】
【表4-2】
【0202】
多様なホスフィンをPd(cod)Cl
2前駆体と共に試験した。多くの場合に、β−ファルネセンの変換率80%超が観察された(エントリー1〜15)。電子リッチ(メチル置換またはNMe
2)か、嵩高でないトリアリールホスフィンリガンドは、スクアラン比20対1超をもたらした(エントリー4、6、8、11、12)。
【0203】
(実施例5)
リガンド化学量論量およびパラジウム前駆体
この実施例では、リガンド化学量論量およびパラジウム前駆体の性質を試験した。多様な量のPPh
3をPd(cod)Cl
2と共に、かつパラジウム前駆体を2当量のPPh
3と共に使用して、いくつかの反応を行った。
【0204】
実験手順:触媒をガラスライナー中、不活性雰囲気下で秤量し(S/c 125/1)、IPA 2mLを、続いてβ−ファルネセン(510μL mL、2.5mmol、[c]=1M)を加えた。反応物を85℃で7時間加熱した。実施例1に記載されているとおりに、水素化反応を実施した。
【0205】
反応物をガスクロマトグラフィーによって分析した。次のピークが観察された:ファルネサンは3.9分で、スクアランは15.2分で、およびイソスクアランは14.6分。
【0206】
(1)カップリングさせてイソスクアレンを得るステップ、続く(2)水素化してスクアランを得るステップの後に、表5の結果が示される。表5に示されているデータは、試験されたリガンド化学量論量についてのβ−ファルネセンの変換率%およびスクアランと不純物との比を包含する。
【0207】
【表5】
【0208】
少なくとも1当量のPPh
3を使用すると、高い変換率および同様のスクアラン比が得られた(エントリー2〜3)。
【0209】
この反応で試験されたパラジウム前駆体のうち、[Pd(アリル)Cl]
2、Pd(cod)Cl
2、Pd(dba)およびPd(acac)
2を用いると、変換率/選択率およびスクアラン比(23/1)に関して有用な結果が得られた。他のパラジウム前駆体では、Pd(OAc)
2を除いて、変換率は92〜98%であったが、スクアラン比はより低かった。
【0210】
(実施例6)
触媒負荷率
Pd前駆体/2当量のPPh
3/20mol%のNaHCO
2をベースとする触媒系をS/C 125/1から1000/1までの触媒負荷率で試験した。
【0211】
実験手順:触媒をガラスライナー中、不活性雰囲気下で秤量し、IPA4mLを、続いてβ−ファルネセン(510μL mL、2.5mmol、[c]=1M)を加えた。反応物を85℃で7時間加熱した。実施例1に記載されているとおりに、水素化反応を実施した。
【0212】
反応物をガスクロマトグラフィーによって分析した。次のピークが観察された:ファルネセンは3.9分で、スクアランは15.2分で、イソスクアランは14.6分。
【0213】
(1)カップリングさせてイソスクアレンを得るステップ、続く(2)水素化してスクアランを得るステップの後に、表6の結果が示される。表16に示されているデータは、試験された触媒負荷率についてのβ−ファルネセンの変換率%およびスクアランと不純物との比を包含する。
【0214】
【表6-1】
【0215】
【表6-2】
【0216】
S/C 125/1では、試験された触媒系は良好な結果をもたらした(エントリー1〜4)。しかしながら、S/C 250/1では、NaHCO
2を使用していない系は有効性が劣る一方で(エントリー5)、他の触媒系(エントリー6〜8)は、20/1超の安定なスクアラン比で良好な変換率をもたらした。S/C 500/1で、2種の触媒系、Pd(Ph
3P)
2Cl
2およびその場でのPd(cod)Cl
2+2Ph
3Pは高い変換率をもたらしたが、より低いスクアラン比が観察された。最後にS/C 1000/1では、β−ファルネセンの変換率僅か約50%が、14/1のスクアラン比で観察された。
【0217】
他のリガンドm−Tol
3Pを使用して、触媒負荷率を試験した。PPh
3リガンドのための前記の反応条件を使用した。結果を表7に示す。
【0218】
【表7-1】
【0219】
【表7-2】
【0220】
m−Tol
3Pを用いて、同様の結果が得られた。β−ファルネセンの変換率90%超が500/1のS/Cで20/1超のスクアラン比で得られた。
【0221】
触媒負荷率をギ酸塩の存在下で500/1のS/Cまでさらに低下させた。予め形成された触媒Pd(PPh
3)
2Cl
2を使用すると、イソスクアレンへの選択率に関して良好な結果が得られたので、この触媒を反応パラメーターの次の研究のために選択した。
【0222】
(実施例7)
溶媒の性質
この実施例では、数種の溶媒をβ−ファルネセンの変換率に対するその作用について試験した。ギ酸ナトリウムの溶解性を促進するために、相転移触媒(Bu
4N、Cl)を使用した。
【0223】
実験手順:触媒をガラスライナー中、不活性雰囲気下で秤量し(S/C 125/1)、溶媒2mLを、続いてβ−ファルネセン(510μL mL、2.5mmol、[c]=1M)を加えた。反応物を85℃で7時間加熱した。実施例1に記載されているとおりに、水素化反応を実施した。
【0224】
反応物をガスクロマトグラフィーによって分析した。次のピークが観察された:ファルネセンは3.9分で、スクアランは15.2分で、イソスクアランは14.6分。
【0225】
(1)カップリングさせてイソスクアレンを得るステップ、続く(2)水素化してスクアランを得るステップの後に、表8の結果が示される。表8に示されているデータは、試験された溶媒についてのβ−ファルネセンの変換率%およびスクアランと不純物との比を包含する。
【0226】
【表8-1】
【0227】
【表8-2】
【0228】
データによって実証されているとおり、プロトン性溶媒は、85%超のβ−ファルネセン変換率をもたらした(エントリー1〜3)。さらに、DMFおよびブタノンはそれぞれ、63%および13%のβ−ファルネセン変換率をもたらした(エントリー4〜5)。試験された他の溶媒では、より低いβ−ファルネセン変換率(エントリー6〜10)が観察された。スクアラン比に関して、第一級アルコールおよびIPA/H
2O混合物はそれぞれ、9/1および16/1の比をもたらした。
【0229】
表9に記載されているアルコール系溶媒も、この反応について試験された。
【0230】
実験手順:触媒をガラスライナー中、不活性雰囲気下で秤量し(S/C 125/1)、溶媒2mLを、続いてβ−ファルネセン(510μL mL、2.5mmol、[c]=1M)を加えた。反応物を85℃で7時間加熱した。実施例1に記載されているとおりに、水素化反応を実施した。
【0231】
反応物をガスクロマトグラフィーによって分析した。次のピークが観察された:ファルネセンは3.9分で、スクアランは15.2分で、イソスクアランは14.6分。
【0232】
(1)カップリングさせてイソスクアレンを得るステップ、続く(2)水素化してスクアランを得るステップの後に、表9の結果が示される。
【0233】
【表9】
【0234】
試験された溶媒のうち、n−PrOHおよびn−BuOHなどの第一級アルコールは、それぞれ5/1および12/1のスクアラン比でそれぞれ84および98%のβ−ファルネセン変換率をもたらした(エントリー1〜2)。第二級アルコール、イソプロピルアルコールは、22/1のスクアラン比で94%のβ−ファルネセン変換率をもたらした(エントリー3)。しかしながら、より障害された第二級アルコール、2−ブタノールおよび3−メチル−2−ブタノール(エントリー4〜5)では、それぞれ58%および16%のβ−ファルネセン変換率が観察された。スクアラン比はそれぞれ19/1および25/1であった。tert−BuOHは、25/1のスクアラン比で10%のβ−ファルネセン変換率をもたらした(エントリー5)。
【0235】
(実施例8)
温度
密閉環境中、より高い温度で反応を行うことを可能にするBiotage Endeavorを使用して、温度の作用を試験した。結果を表10に示す。
【0236】
実験手順:触媒をガラスライナー中、不活性雰囲気下で秤量し(S/C 125/1)、IPA2mLを、続いてβ−ファルネセン(510μL mL、2.5mmol、[c]=1M)を加えた。反応物を表10に示されているとおりに加熱した。実施例1に記載されているとおりに、水素化反応を実施した。
【0237】
反応物をガスクロマトグラフィーによって分析した。次のピークが観察された:ファルネサンは3.9分で、スクアランは15.2分で、かつイソスクアランは14.6分。
【0238】
(1)カップリングさせてイソスクアレンを得るステップ、続く(2)水素化してスクアランを得るステップの後に、表10の結果が示される。表9に示されているデータは、試験された温度についてのβ−ファルネセンの変換率%およびスクアランと不純物との比を包含する。
【0239】
【表10】
【0240】
60℃から110℃までの温度範囲をBiotage Endeavor中で試験した。より低い温度(60℃)では、11/1のスクアラン比で65%のβ−ファルネセン変換率が観察された(エントリー1)。75℃から95℃まででは、95%、98%および88%のβ−ファルネセン変換率が観察された(エントリー2〜5)。温度を110℃まで高めることによって、スクアラン比は、75℃での14/1から110℃での21/1まで上昇した(18/1比をもたらした95℃での操作を除く)。
【0241】
(実施例9)
ギ酸塩の量および基質濃度
ギ酸塩濃度および基質濃度の作用も試験した。
【0242】
実験手順:触媒をガラスライナー中、不活性雰囲気下で秤量し(S/c 125/1)、IPA2mLを、続いてβ−ファルネセン(510μL mL、2.5mmol、[c]=1M)を加えた。反応物を85℃で7時間加熱した。実施例1に記載されているとおりに、水素化反応を実施した。
【0243】
反応物をガスクロマトグラフィーによって分析した。次のピークが観察された:ファルネセンは3.9分で、スクアランは15.2分で、イソスクアランは14.6分。
【0244】
(1)カップリングさせてイソスクアレンを得るステップ、続く(2)水素化してスクアランを得るステップの後に、表11の結果が示される。表11に示されているデータは、試験された反応パラメーターについてのβ−ファルネセンの変換率%およびスクアランと不純物との比を包含する。
【0245】
【表11】
【0246】
0.75Mの基質濃度では、β−ファルネセン変換率87%およびスクアラン比20/1が得られた(エントリー1)。基質濃度を1Mおよび1.25に上げると、94%のβ−ファルネセン変換率および22/1のスクアラン比が得られた(エントリー2〜3)。
【0247】
5mol%、20mol%(ベンチマーク)および50mol%(エントリー4、2、5)を使用して、NaHCO
2の量を試験した。5mol%を使用すると、88%のβ−ファルネセン変換率および20/1のスクアラン比が得られた(エントリー4)。NaHCO
2の量を20mol%および50mol%に増やすと、それぞれ94%のβ−ファルネセン変換率および22/1のスクアラン比が得られた(エントリー2〜5)。
【0248】
(実施例10)
触媒負荷率
この実施例では、スクアラン比に対する触媒負荷率の影響を試験した。
【0249】
実験手順:触媒をガラスライナー中、不活性雰囲気下で秤量し、溶媒2mLを、続いてβ−ファルネセン(510μL mL、2.5mmol、[c]=1M)を加えた。反応物を85℃で7時間加熱した。実施例1に記載されているとおりに、水素化反応を実施した。
【0250】
反応物をガスクロマトグラフィーによって分析した。次のピークが観察された:ファルネセンは3.9分で、スクアランは15.2分で、イソスクアランは14.6分。
【0251】
(1)カップリングさせてイソスクアレンを得るステップ、続く(2)水素化してスクアランを得るステップの後に、表3の結果が示される。表12に示されているデータは、試験された触媒負荷率についてのβ−ファルネセンの変換率%およびスクアランと不純物との比を包含する。
【0252】
【表12】
【0253】
全ての場合に、β−ファルネセン変換率は90%超であった。より高い触媒負荷率(S/C 50/1)では、変換率は90%まで低下した(エントリー5)。23/1のスクアラン比が75/1のS/Cで達成され、次いで50/1のS/Cでは20/1まで低下した。
【0254】
より高い温度でS/C 75/1の触媒負荷率を試験した。結果を表13に示す。
【0255】
実験手順:触媒をガスライナー中、不活性雰囲気下で秤量し、溶媒2mLを、続いてβ−ファルネセン(510μL mL、2.5mmol、[c]=1M)を加えた。反応物を100℃および120℃に7時間加熱した。実施例1に記載されているとおりに、水素化反応を実施した。
【0256】
【表13】
【0257】
2つの反応物は、それぞれ68%および65%のβ−ファルネセン変換率ならびに副生成物形成17%および30%を示した。スクアラン比はそれぞれ11/1および7/1であった。
【0258】
(実施例11)
他のパラメーター
特別なリガンドの付加および種々のギ酸塩源の使用などのさらなる反応パラメーターを試験した。
【0259】
実験手順:触媒をガラスライナー中、不活性雰囲気下で秤量し、IPA2mLを、続いてβ−ファルネセン(510μL mL、2.5mmol、[c]=1M)を加えた。反応物を85℃で7時間加熱した。実施例1に記載されているとおりに、水素化反応を実施した。
【0260】
反応物をガスクロマトグラフィーによって分析した。次のピークが観察された:ファルネセンは3.9分で、スクアランは15.2分で、イソスクアランは14.6分。
【0261】
(1)カップリングさせてイソスクアレンを得るステップ、続く(2)水素化してスクアランを得るステップの後に、表14の結果が示される。
【0262】
【表14】
【0263】
2当量のPPh
3を加えることによって、β−ファルネセン変換率16%が観察された(エントリー2)。スクアラン比は18/1であった。ギ酸塩源としてのギ酸カリウムは、β−ファルネセン変換率91%および20/1のスクアラン比を示した(エントリー3)。Bu
4NClまたはPEGなどの添加剤の使用は、変換率およびスクアラン比を上げなかった(エントリー4〜5)。ギ酸/アミン系は、β−ファルネセン変換率13%および1/1のスクアラン比をもたらした(エントリー6)。
図2は、表14、エントリー6に記載された反応についてのGCスペクトルを示している。NH
4HCO
2は、変換率13%および1/1のスクアラン比をもたらした(エントリー7)。最後にギ酸を用いると、β−ファルネセンの変換は観察されなかった(エントリー8)。
【0264】
(実施例12)
背景反応
ホスフィンリガンドを用いないブランク反応を使用することによって、触媒種の性質を試験した(表15)。
【0265】
実験手順:触媒をガラスライナー中、不活性雰囲気下で秤量し、IPA2mLを、続いてβ−ファルネセン(510μL mL、2.5mmol、[c]=1M)を加えた。反応物を表15に示されているとおりに85℃および120℃で7時間加熱した。実施例1に記載されているとおりに、水素化反応を実施した。
【0266】
反応物をガスクロマトグラフィーによって分析した。次のピークが観察された:ファルネセンは3.9分で、スクアランは15.2分で、イソスクアランは14.6分。
【0267】
(1)カップリングさせてイソスクアレンを得るステップ、続く(2)水素化してスクアランを得るステップの後に、表15の結果が示される。
【0268】
【表15】
【0269】
表15に示された結果によると、背景反応が明らかに存在した。この反応は、何らリガンドを伴わないPd(0)に関し、エントリー2で行われた反応のとおり、β−ファルネセン変換率25%および4対1のスクアラン比を示す(エントリー2)。120℃では、変換率は50%であり、スクアラン比は0.8対1であり、主な不純物は大量部のスクアラン誘導体になる(エントリー3)。
【0270】
(実施例13)
反応時間および遅延添加
スクアラン比に対する反応時間および添加順序の作用を試験した(表16)。
【0271】
実験手順:触媒をガスライナー中、不活性雰囲気下で秤量し、溶媒2mLを、続いてβ−ファルネセン(510μL mL、2.5mmol、[c]=1M)を加えた。反応物を85℃で、表16に示されている時間加熱した。実施例1に記載されているとおりに、水素化反応を実施した。
【0272】
反応をガスクロマトグラフィーによって分析した。次のピークが観察された:ファルネサンは3.9分で、スクアランは15.2分で、かつイソスクアランは14.6分。
【0273】
(1)カップリングさせてイソスクアレンを得るステップ、続く(2)水素化してスクアランを得るステップの後に、表16の結果が示される。
【0274】
【表16】
【0275】
1時間の反応時間で、β−ファルネセン変換率は40%であり、スクアラン比は17/1であった(エントリー1)。3時間の反応時間の場合には、β−ファルネセン変換率は50%であり、スクアラン比は18/1であった(エントリー2)。7時間の反応時間の場合には、β−ファルネセン変換率は80%であり、スクアラン比は19/1であった(エントリー3)。85℃で15分後にファルネセンを加えると、変換率は70%に、スクアラン比は18/1に低下した(エントリー4)。最後にNaHCO
2の遅い添加は、69%の変換率および21/1のスクアラン比をもたらした(エントリー5)。
【0276】
(実施例14)
ニッケル触媒
この実施例では、予め形成されたか、またはその場で発生させたニッケル触媒を試験した(表17)。
【0277】
実験手順:触媒をガスライナー中、不活性雰囲気下で秤量し(S/C 125/1)、溶媒2mLを、続いてβ−ファルネセン(510μL mL、2.5mmol、[c]=1M)を加えた。実施例1に記載されているとおりに、水素化反応を実施した。
【0278】
反応物をガスクロマトグラフィーによって分析した。次のピークが観察された:ファルネセンは4.1分で、イソスクアレンは20.1分で、部分的に還元されたイソスクアレン不純物は16分から20分の間で。
【0279】
【表17-1】
【0280】
【表17-2】
【0281】
Ni(PPh
3)
4を使用すると、変換率1〜2%が3種の異なる溶媒中で得られた(エントリー1〜3)。還元剤を用い、Ni(0)を安定化させているであろうファルネセンの存在下でNi(PPh
3)
2Cl
2から出発すると、変換率1〜3%が観察された(エントリー4〜11)。THF中でBuLiを用いてNi(acac)
2をその場で還元させ、次いでホスフィンを加えると、スクアランを伴わずに変換率16%が得られた(エントリー12)。Ni(cod)
2およびPPh
3を使用すると、変換率3%が観察された(エントリー13〜15)。Ni(cod)
2およびPEt
3を使用すると、変換率12%が観察された(エントリー16)。Ni(cod)
2およびPhPCy
2を使用すると、変換率2%が観察された(エントリー17)。Ni(cod)
2およびPCy
3を使用すると、変換率50%が観察された(エントリー18)。いくつかのシグナルがイソスクアレン領域において得られ、水素化の後に、逆の選択率が観察された(エントリー18)。
図3は、エントリー19に記載された反応についてのGCスペクトルを示している。スクアラン不純物を同定するために、これらの粗製反応物をNMRによって分析した。
図4に示されている
13C NMRは、この不純物中にCH
3−CH
2−モチーフの存在を明らかに示している。
【0282】
エントリー20を次の手順に従って調製した。磁気撹拌棒を備えた1000mL丸底フラスコに、β−ファルネセン(92.30g、451.7mmol)およびイソプロピルアルコール400mLを加えた。混合物を真空(100torr)下、室温に40分間置いた。ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)(0.8289g、3.0135mmol)およびジシクロヘキシルフェニルホスフィン(1.0818g、3.9426mmol)を迅速に秤量し、ファルネセン−IPA混合物に加えた。反応混合物を真空下に置き、N
2を加えた。反応混合物を94℃で一晩加熱した。GCMSは線状二量体への変換率約70%(面積パーセント)を示した。周囲温度にフラスコを冷却した後に、混合物を真空下で濃縮し;生じた濃縮物を短いシリカカラムで濾過し、カラムをヘキサンですすいだ。濾液を真空濃縮すると、透明で薄黄色のオイル(87.2g)が生じた。線状ファルネセン二量体(37.42g、91.22mmol)を5%Pd/C(1.1234g、3.002w/w%)によって、H
2 1000psiおよび85℃で水素化した。反応混合物をヘキサンで希釈し、短いシリカカラムで濾過し;濾液を真空濃縮すると、透明無色のオイル(35.9477g)が生じた。還元された線状二量体をKugelrohr装置で2ステップで精製した。C15を二量体/重い物質の混合物から除去するために、試料を0.35mmHgおよび165℃で蒸留した。線状二量体を底部物質から除去するために、試料を0.05mmHgおよび235℃で蒸留した。物質収支:線状二量体54.9%、C15化合物38.6%、重い物質2.8%。単離された線状二量体のGCMS分析は、C15化合物を示さず、2種の大量部の化合物:イソスクアラン(66.5%)およびスクアラン(19.6%)を示す。
【0283】
(実施例15)
比較例1
Komatsuらは米国特許第3,794,692号および米国特許第3,859,374号において、2ステップでのβ−ファルネセンからのスクアランの調製を報告している。第1ステップで、β−ファルネセンはその記載によると二量体化して、線状二量体をもたらし、これを第2ステップで水素化すると、その記載によるとスクアランが得られるという。しかしながら、‘692号および‘374号特許の発明者らは、その反応生成物の構造を確認するか、またはスクアランの存在を立証するための十分な情報を示さなかった。
【0284】
‘692号特許はその実施例3において、ビス(シクロオクタジエン)ニッケル、トリ−n−ブチルホスフィンおよびイソプロピルアルコールを用いて、ファルネセン(源、純度およびファルネセンの異性体は規定されていない)を二量体化反応させて、沸点210℃/0.3mmHgを有する反応生成物フラクションを生じさせることを報告している。‘692号特許は、反応生成物の構造はIRおよびNMRデータによって、
【0285】
【化13】
【0286】
であると確認されたと主張しているが、この構造的な帰属を確認するデータは示されていない。同様に、その飽和炭化水素がスクアランであることを確認するためのデータは示されていない。
【0287】
‘374号特許は、その実施例5において、硝酸パラジウム、トリフェニルホスフィン、ナトリウムフェノラート、イソプロピルアルコールおよびイソプロピルエーテルを用いて、ファルネセン(源、純度およびファルネセンの異性体は規定されていない)を二量体化反応させて、線状二量体を形成することを報告しており、これは、‘692号特許の実施例3において形成されたと報告されているものと構造において同一であると主張されている。構造の帰属を確認するデータは‘374号特許において示されていない。‘374号特許の実施例5における線状二量体について報告されている沸点は、175〜180℃/0.2mmHgであり、これは、‘692号特許における同一と報告されている線状二量体についての沸点(210℃/0.3mmHg)よりも約30℃低いようである。
【0288】
Akutagawaら、Bulletin of the Chemical Society of Japan、51巻(4号)、1158〜62頁(1978年)は‘692号および‘374号特許に記載された研究の延長である。Akutagawaらは、イソプレンの線状三量体を二量体化し、その二量体化を水素化してスクアランを形成することを報告している。彼らは、線状三量体がイソプレンの触媒オリゴマー化によって生じたβ−ファルネセンおよび他の生成物の混合物を含有すると述べている。しかしながら、下記のこの比較例1に記載されているとおり、Akutagawaらによって報告されたNMRデータは、β−ファルネセンのものと一致しない。
【0289】
Akutagawaらは、硝酸パラジウム、トリフェニルホスフィンおよびナトリウムo−メトキシフェノラートを用いて、2−プロパノール中で線状三量体を二量体化して、ファルネセン二量体19を形成するとしており、このファルネセン二量体19を続いて水素化して、スクアランを生じさせるという。ファルネセン二量体19は、それぞれ‘692および‘374号特許の実施例3および5において線状二量体と報告されているものおよび本明細書に記載されているイソスクアレンと同一の構造を有する。Akutagawaらは、ファルネセン二量体19についてのNMRデータを報告している。しかしながら、この比較例1において記載されているとおり、Akutagawaらによって得られた二量体化反応生成物についての分光学的データは、生成物中におけるファルネセン二量体19(イソスクアレン)の構造を有する化合物の存在とは一致しない。Akutagawaらは、スクアランとしてのその構造を立証する水素化生成物についての分光学的データを示していない。
【0290】
Akutagawaらならびに‘374号および‘692号特許の発明者らは、構造をそれらの反応生成物に明白に帰属させられるほど十分にはその反応生成物を特性決定せず、かつ彼らが線状二量体のイソスクアレンまたはスクアランを手にしていることを決定的に実証することに失敗している。実際に、AkutagawaらのNMRデータはそれとは別に、出発物質としてのβ−ファルネセンは請求されているとおりには生じず、かつ二量体化生成物としてのイソスクアレンは請求されているとおりには生じなかったことを実証している。
【0291】
この比較例1では、線状三量体1についてAkutagawaらによって示されたNMRデータを、米国特許第7,399,323 B1号に記載されている方法によって調製された>97%の純度を有するβ−ファルネセンと比較した。
【0292】
図6Aは、四塩化炭素中におけるβ−ファルネセンについてのNMRスペクトルを示している。NMRスペクトルデータの作表を下記で、表18Aに示す:
【0293】
【表18A】
【0294】
スペクトルは両方とも四塩化炭素中で記録されているのに、その線状三量体1についてのAkutagawaらのスペクトル(彼らがβ−ファルネセンについての構造を帰属させている)は、純度97%であることが公知のβ−ファルネセンのスペクトルにマッチしない。2つのスペクトルの間の矛盾において特に注意すべきなのは、アステリスク*でマーキングされた3セットの共鳴である。この分析に基づき、Akutagawaは、β−ファルネセンを扱っていたのではないらしい。
【0295】
この比較例1では、Akutagawaら、Bulletin of the Chemical Society of Japan、51巻(4号)、1158〜62頁(1978年)による二量体化反応生成物について示されたNMRデータを、本明細書において提供される方法によって調製されたイソスクアレンと比較した。
【0296】
比較を助けるために、水素原子がナンバリングされているイソスクアレンの化学構造を下記に示す:
【0297】
【化14】
【0298】
図6Bは、四塩化炭素中における粗製イソスクアレンについてのNMRスペクトルを示している。NMRスペクトルデータの作表を下記で、表18Bに示す:
【0299】
【表18B】
【0300】
表18Aにおける比較から分かるとおり、H1およびH4/H5についてのそれぞれ6.00ppmおよび4.81ppmでのシグナルは、Akutagawaらによって示されたスペクトルデータでは失われている。加えて、Akutagawaらは、メチル一重項を1.18ppmでのみ報告しており、これはイソスクアレンの構造と一致しない。Akutagawaらによって示されたNMRスペクトルデータは、本明細書に記載されているイソスクアレンと一致しない。
【0301】
(実施例16)
ファルネセンからスクアランへの大規模変換
二量体化のためには30Lガラス反応器および水素化のためには3Lオートクレーブを使用して、キロ実験室試料を調製した。二量体化をそれぞれファルネセン5kgを使用する3つのバッチで行った。
図7は、ファルネセンから粗製スクアランのキロ実験室試料を調製するためのプロセス流れ図を示している。
【0302】
a)二量体化
撹拌機、窒素入口、還流凝縮器および蒸留ヘッドを備えた乾燥した30Lガラス反応器を窒素で十分に不活性化させ、ファルネセン5000g(純度98%、5804ml、23.968mol)および2−プロパノール14351g(18280ml)を装入した(一部の変形形態では、投与量制御反応が望ましく、ファルネセンを還流加熱前に加えず、代わりに沸騰触媒溶液に5時間かけて徐々に加える)。トリフェニルホスフィン44.38g(169.2mmol、0.706mol%)およびアセチルアセトン酸パラジウム(II)18.25g(59.9mmol、0.250mol%)を撹拌溶液に順次加えた。混合物を穏やかな還流まで加熱し(85.8℃)、7時間還流に維持した。一部の状況では、Pd鏡が反応器壁に徐々に形成し、反応混合物は暗色になる。7時間後に、GCによって分析された試料は、イソスクアレン85.4%および未反応のファルネセン8%を示した。GC a/aによって決定された収率は、ファルネセンに対して87〜89%であり、未反応のファルネセン5〜10%が残った。反応混合物を後処理することなく、水素化ステップに送った。
【0303】
b)水素化
二量体化反応混合物400gに、水素化触媒2.662g(炭に担持されている5%Pd、無水粉末、負荷率0.1mol%)を加えた。この混合物を鋼製オートクレーブ(0.7L、1.4571/316Ti)に供給し、窒素でパージし、水素50barで加圧し、120℃まで加熱した。水素圧を150barまで上げると、そのあいだに、温度は160℃(最大)に上昇する。水素取り込みが止んだら、反応器を冷却し、放圧し、窒素でパージした。触媒を濾別し、溶媒を真空中で除去した。粗製水素化収率はほぼ定量であった。
【0304】
下記のとおり、粗製生成物を薄膜蒸留(2段階)によって精製した。
【0305】
c)蒸留
2つの経路に2つの蒸発器および凝縮器からなる短経路蒸留装置で蒸留を行った。初めに、低沸点成分を1mbarの圧力および110℃の凝縮器温度で除去した(第1蒸発器/凝縮器のみを使用し、凝縮器を水道水で冷却し、蒸発温度は43℃であり、残渣を100℃で維持し、処理量は1149g/hであった)。第2経路では、第1経路の残渣を第1段階では0.042mbarの圧力および第2段階では0.005mbarの圧力で上に上げた。蒸発器温度を150℃に維持した(両方の蒸発器、蒸発温度は73℃であり、残渣を140℃に維持し、処理量は428g/hであった)。蒸留物は、スクアラン約92〜93%a/aの純度を有し、トリフェニルホスフィンに由来する検出可能な量の不純物を含有しなかった。
【0306】
d)反応器の洗浄手順
二量体化反応器中のパラジウム鏡の除去を先に記載されたとおりに塩酸中の希過酸化水素で処理することによってか、または希硝酸で処理することによって行った。初めに、反応器を1.8%の市販の界面活性剤クリーナーを含有する水で、次いで2.5%の硝酸で、次いで1.75%の苛性ソーダ溶液で煎じ出した。最後に、反応器を脱イオン水、次いでアセトンですすいで、乾燥を容易にした。
【0307】
e)パラジウムの回収
パラジウムがスクアランの全体生産コストにおける主要なコスト要因であるので、多様な回収技術を試した。下記の有機吸着剤を、残留溶解Pdを吸着するその効力についてスクリーニングした(Pd吸着の規模は、処理前後の液相のICP(誘導結合プラズマ分光測定)分析によって決定した):
シリカゲル(大きな空孔、58ミクロン、負荷率5%)は中程度から長い濾過時間をもたらし、残留溶解Pdのうちの約83%を除去した。
【0308】
セルロース(Arbocel B00−V、負荷率1%)は良好な濾過特性(シリカゲルよりもかなり早い)を示したが、残留溶解Pdのうちの約27%しか除去しなかった。
【0309】
Charcoal type Norit CA1(粉末、負荷率0.5%)は溶解Pdのうちの約79%を除去し、極めて早い濾過を示した。
【0310】
Charcoal type Norit RO0.8(顆粒、負荷率0.5%)はPdのうちの約35%しか除去せず、撹拌の間の顆粒の分解がフィルターの閉塞、即ち問題外に長い濾過時間をもたらした。
【0311】
Charcoal type Norit SX(粉末、負荷率0.5%)は中程度から長い濾過時間(シリカゲルよりもやや早い)で溶解Pdのうちの約40%を除去した。
【0312】
還元処理(ホウ水素化ナトリウムを使用)と炭との組合せは、Pd沈殿を有意に改善しなかった。
【0313】
二量体化ステップからのトリフェニルホスフィンおよびトリフェニルホスフィンオキシドは、水素化のあいだに完全に破壊されるようであり、即ち、ヘキサンからの沈殿および濾過による除去を明らかに必要としないという観察に基づき、残留溶解パラジウムを水素化のあいだに炭に堆積させて、炭上のパラジウムを選択の水素化触媒にすることができる。それというのもこの種類の触媒は、生産の後に再加工することができるためである。
【0314】
触媒として炭素に担持されているパラジウムを使用して水素化した後には、二量体化混合物の残留パラジウム含有率は、1ppmの検出限界まで低下し、これは完全な堆積を示している。
【0315】
(実施例17a)
パラジウムカルベンを用いてのファルネセンの二量体化、続く水素化
アセチルアセトン酸パラジウム(6.1mg、2×10
−5mol、ファルネセンに対して0.02mol%、5000:1の基質対触媒比)および1,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)−4,5−ジヒドロイミダゾリウムテトラフルオロボレート(95.6mg、2×10
−4mol)を、撹拌棒を備えた乾燥100ml丸底フラスコに加えた。次いで、無水イソプロパノール中5%のナトリウムイソプロポキシド15mlおよびファルネセン25.3ml(20.4g、0.10mol)を窒素下、室温で加えた。隔膜をオーブン乾燥させた還流凝縮器に代え、反応混合物を窒素下、90℃で24時間撹拌した。
【0316】
反応物を室温に冷却し、ヘキサン中5%の酢酸エチル75mlを加えた。丸底フラスコをヘキサン中5%の酢酸エチル25mlで2回すすいだ。合わせた体積をシリカパッド(10g)で濾過し、シリカパッドをさらなるヘキサン中5%の酢酸エチル375mlで洗浄した。合わせた有機層を回転蒸発によって濃縮して、薄黄色のオイル20.1gを得た。
【0317】
ファルネセン二量体(10.1g)の混合物を、試薬グレードのヘプタン300mlおよび炭素に担持されている5%Pd 0.2gを含有する1LのParr水素化容器に入れた。混合物を真空下に半時間置いた。次いで、混合物を1000psi、80℃で16時間水素化した。反応器を30℃に冷却し、内容物をセライトで濾過して、触媒を除去した。減圧下で溶媒を除去して、透明な液体10.1gを得た。Kugelrohrを介しての2ステップ蒸留で、痕跡量のC−15物質(160℃、0.01torr)、C−30二量体6.4g(235℃、0.08torr)ならびに非蒸留残渣として三量体および四量体3.4gを得た。二量体フラクションおよび三量体/四量体フラクションは両方とも透明な液体であり、後者のフラクションの方がやや粘稠性であるが、流動性であった。2ステップ(二量体化および水素化)にわたる二量体フラクションの蒸留収率は62%であった。
【0318】
主な二量体生成物(水素化の後)は、先行する実施例で合成されたスクアランおよびイソスクアランについて観察されたものと同じ保持時間(GC−FID同時注入)および断片化パターン(GC/MS)を有した。この実験におけるスクアランとイソスクアランとの比は、9:1(GC−FIDによって)であった。
【0319】
(実施例17b)
パラジウムカルベンを用いてのファルネセンの二量体化、続く水素化
アセチルアセトン酸パラジウム(122mg、4×10
−4mol、ファルネセンに対して0.02mol%、5000:1の基質対触媒比)および1,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)−4,5−ジヒドロイミダゾリウムテトラフルオロボレート(606mg、1.27×10
−3mol)を、撹拌棒を備えた乾燥2リットル丸底フラスコに加えた。次いで、無水イソプロパノール中5%のナトリウムイソプロポキシド300mlおよびファルネセン408g(2mol)を窒素下、室温で加えた。隔膜をオーブン乾燥させた還流凝縮器に代え、反応混合物を窒素下、90℃で6.5時間撹拌した。
【0320】
反応物を室温に冷却し、シリカ濾過を実施例17aに記載されているとおりに行った。濾液に、等体積のヘプタンを加え、生じた混合物を2つのバッチで1リットルParr容器中、炭素に担持されている5%Pd 2重量%を用いて、1000psiで16時間、85℃で水素化した。セライトで濾過した後に、Kugelrohrを介しての2ステップ蒸留によって、C−15物質6.3グラム(160℃、0.01torr)、C−30二量体376g(235℃、0.08torr)ならびに非蒸留として三量体および四量体22gを得た。2ステップ(二量体化および水素化)にわたる二量体フラクションの蒸留収率は89%であった。
【0321】
主な二量体生成物(水素化の後)は、先行する実施例で合成されたスクアランおよびイソスクアランについて観察されたものと同じ保持時間(GC−FID同時注入)および断片化パターン(GC/MS)を有した。この実験におけるスクアランとイソスクアランとの比は、6.3:1(GC−FIDによって)であった。実施例17aと比較すると分かるとおり、より短い反応時間は、より高い全体二量体収率、より低いスクアラン:イソスクアラン比および三量体−四量体の形成の低下をもたらす。
【0322】
(実施例17c)
パラジウムカルベンを用いてのファルネセンの二量体化、続く水素化
アセチルアセトン酸パラジウム(3.0mg、1×10
−5mol、ファルネセンに対して0.01mol%、10000:1の基質対触媒比)および1,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)イミダゾリウムクロリド(4.2mg、1×10
−5mol)を、撹拌棒を備えた乾燥100ml丸底フラスコに加えた。次いで、無水イソプロパノール中5%のナトリウムイソプロポキシド15mlおよびファルネセン25.3ml(20.4g、0.10mol)を窒素下、室温で加えた。隔膜をオーブン乾燥させた還流凝縮器に代え、反応混合物を窒素下、85℃で16時間撹拌した。GC/MSは、残留ファルネセン2.5%を示した。
【0323】
反応物を室温に冷却し、ヘキサン中5%の酢酸エチル75mlを加えた。混合物をシリカパッド(10g)で濾過し、シリカパッドをさらなるヘキサン中5%の酢酸エチル120mlで洗浄した。合わせた有機層を回転蒸発によって濃縮して、薄黄色のオイル20.6gを得た。
【0324】
ファルネセン二量体(7.50g)の混合物を、試薬グレードのヘプタン30mlおよび炭素に担持されている10%Pd 75mgを含有する75mLのParr水素化容器に入れた。次いで、混合物を300psi、80℃で16時間水素化した。反応器を30℃に冷却し、内容物をセライトで濾過して、触媒を除去した。
【0325】
主な二量体生成物(水素化の後)は、先行する実施例で合成されたスクアランおよびイソスクアランについて観察されたものと同じ保持時間(GC−FID同時注入)および断片化パターン(GC/MS)を有した。この実施例におけるスクアランとイソスクアランとの比は、5:1(GC−FIDによって)であった。ファルネサン/二量体/三量体/四量体の比はそれぞれ2.9/90.1/7.0/0であった(GPCによる)。
【0326】
(実施例17d)
パラジウムカルベンを用いてのファルネセンの二量体化、続く水素化
1,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)イミダゾール−2−イリデン(1,4−ナフトキノン)パラジウム(0)二量体(13.0mg、1×10
−5mol、ファルネセンに対して0.01mol%、基質と触媒との比10000:1)を、撹拌棒を備えた乾燥している100ml丸底フラスコに加えた。次いで、無水イソプロパノール中5%のナトリウムイソプロポキシド15mlおよびファルネセン25.3ml(20.4g、0.10mol)を窒素下で、室温において加えた。隔膜をオーブン乾燥させた還流凝縮器に代え、反応混合物を窒素下、85℃で16時間撹拌した。GC/MSは、ファルネセンから二量体への完全な変換を示した。
【0327】
反応物を室温に冷却し、ヘキサン中5%の酢酸エチル75mlを加えた。混合物をシリカパッド(10g)で濾過し、シリカパッドをさらなるヘキサン中5%の酢酸エチル120mlで洗浄した。合わせた有機層を回転蒸発によって濃縮して、薄黄色のオイル19.9gを得た。
【0328】
ファルネセン二量体(7.50g)の混合物を、試薬グレードのヘプタン30mlおよび炭素に担持されている10%Pd 75mgを含有する75mLのParr水素化容器に入れた。次いで、混合物を300psi、80℃で16時間水素化した。反応器を30℃に冷却し、内容物をセライトで濾過して、触媒を除去した。
【0329】
主な二量体生成物(水素化の後)は、先行する実施例で合成されたスクアランおよびイソスクアランについて観察されたものと同じ保持時間(GC−FID同時注入)および断片化パターン(GC/MS)を有した。この実験におけるスクアランとイソスクアランとの比は5:1であった(GC−FIDによる)。ファルネサン/二量体/三量体/四量体の比はそれぞれ0.8/90.8/2.7/5.8であった(GPCによる)。
【0330】
(実施例18)
使用せず。
【0331】
(実施例19a〜19y)
ジルコニウムまたはチタン触媒を使用してのβ−ファルネセンの二量体化
実施例19a〜19yではそれぞれ、Amyrisβ−ファルネセンを高真空管路で脱ガスし、次いで使用前に、グローブボックス内で活性化アルミナで濾過し、全ての反応をグローブボックス内で実施した。
【0332】
(実施例19a)
固体PPh3(0.063mg、0.240mmol)をグローブボックス内のバイアルに秤量した。PPh3を無水トルエン2.406mLで希釈した。Zr(OtBu)
4(Strem Chemicals,Inc.、Newburyport、MAから入手可能)(84mg、0.219mmol)をピペットを介して加えた。この混合物をグローブボックスフリーザー中で−40℃で15分間冷却した。この混合物に、ヘプタン中1.0MのEt
2AlCl溶液3.942mL(3.942mmol)(Sigma Aldrich、St.Louis、MOから入手可能)を加えた。混合物を約30分間加温した。この混合物の535マイクロLアリコット(ファルネセンに対して0.002mol当量)をファルネセン(4.972g、24.33mmol;−40℃に予め冷却)に混合しながら加えた。この混合物を100℃に加熱し、その温度で24時間撹拌した。24時間後に、混合物を冷却し、グローブボックスから取り出した。トルエンを加え、続いてHCl水溶液で希釈した。混合物をK
2CO
3で乾燥させ、中性アルミナの小さなプラグで濾過して、触媒残渣をいずれも除去し、過剰のトルエンで洗浄した。
【0333】
この混合物に、0.2重量パーセントPd/C水素化触媒を加えた。必要な場合には、混合物をヘプタンでさらに希釈し、水素化のためにParrボンベに移した。混合物をバッチ反応器中、圧力約1000psiで一晩水素化した。水素化の後に、混合物を中性アルミナのプラグで濾過した。
【0334】
粗製生成物を真空下、2段階蒸留で蒸留した。165℃、1Torr真空での第1段階で軽い分子量フラクション(ファルネサンおよび炭素15個以下を有する他の炭化水素)を、かつ215〜265℃、1torr真空での第2段階で二量体フラクション(C30化合物)をより重い物質(三量体および四量体)から単離した。二量体収率をGPCによって測定した。スクアラン、イソスクアランおよびネオスクアランの相対量を、水素化の後にGC−MSによって決定した。結果をエントリー1、表19として示す。
【0335】
(実施例19b)
固体PPh3(0.065mg、0.248mmol)をグローブボックス内のバイアルに秤量した。これを無水トルエン2.388mLで希釈した。Zr(OtBu)
4(88μL、0.225mmol)をピペットを介して加えて、Zr(OtBu)
4中0.091Mの溶液にした。この混合物をグローブボックスフリーザー中、−40℃で15分間冷却した。ファルネセン(5.721g、28.03mmol)を20mLバイアルに秤量し、−40℃に冷却した。ファルネセンをフリーザーから取り出した。これに、ヘプタン中1.0MのEt
2AlCl溶液0.929mL(0.929mmol)を加えた。この混合物に、Zr(OtBu)
4/PPh3溶液567μLアリコットを加えた。次いで、20mLバイアルを90℃に加熱し、その温度で18時間撹拌し続けた。18時間後に、混合物を冷却し、グローブボックスから取り出した。トルエンを、続いて希HCl水溶液を加えた。混合物をK
2CO
3で乾燥させ、中性アルミナの小さなプラグで濾過して、触媒残渣をいずれも除去し、過剰のトルエンで洗浄した。実施例19aにおいてのとおりに、反応生成物を水素化し、蒸留した。結果は、実施例19aにおいてのものと同様であった。
【0336】
(実施例19c)
β−ファルネセン(5.259g、25.7mmol)をグローブボックス内でバイアルに秤量した。これに、ヘプタン中1.0MのEt
2AlCl溶液1.542mL(1.542mmol)を加えた。この混合物に、固体ZrCl
4(Strem Chemicalsから入手可能)(30mg、0.129mmol)を加えた。この混合物を120℃に加熱した。24時間後に、全てのファルネセンが消費された。混合物を冷却し、グローブボックスから取り出した。トルエンを、続いて希HCl水溶液を加えた。混合物をK
2CO
3で乾燥させ、中性アルミナの小さなプラグで濾過して、触媒残渣をいずれも除去し、過剰のトルエンで洗浄した。実施例19aにおいてのとおりに、反応生成物を水素化し、蒸留した。結果は、エントリー3、表19のとおり示される。
【0337】
(実施例19d〜19i)
種々の触媒系を実施例19d〜19iにおいて試験した。実施例19aにおいてのとおり、ジルコニウム触媒:リガンド:アルキルアルミニウム助触媒の量のモル比を1:1.1:18として使用して反応を実施した。ジルコニウム触媒:β−ファルネセンのモル比は0.002:1であった。実施例19iでは、チタン触媒:アルキルアルミニウム助触媒のモル比は0.8:1であり、β−ファルネセン:チタン触媒のモル比は500:1であった。反応時間および触媒を表19のエントリー4〜9に示されているとおりに変動させた。
【0338】
(実施例19j〜19q)
種々のリガンドを実施例19j〜19qにおいて試験した。実施例19aにおいてのとおり、ジルコニウム触媒:リガンド:アルキルアルミニウム助触媒の量のモル比を1:1.1:18として使用して反応を実施した。ジルコニウム触媒:ファルネセンのモル比は0.002:1であった。反応時間および触媒を表19のエントリー10〜17に示されているとおりに変動させた。
【0339】
(実施例19r〜19y)
ZrCl
4を使用する触媒系を実施例19r〜19yにおいて試験した。実施例19bにおいてのとおり、ジルコニウム触媒:アルキルアルミニウム助触媒のモル比を1:12として使用して反応を実施したが、但し、実施例19x(エントリー24)では、ジルコニウム触媒:アルキルアルミニウム助触媒は1:18であり、実施例19y(エントリー25)では、ジルコニウム触媒:アルキルアルミニウム助触媒は1:6であった。反応時間および触媒系を表19のエントリー18〜25に示されているとおりに変動させた。
【0340】
【表19-1】
【0341】
【表19-2】
【0342】
表19に示されている実施例のあるものは、かなりの量の四量体および三量体を示した。例えば実施例19aは、GPCによって決定すると、合わせて反応生成物の42%を構成している三量体および四量体を示した。実施例19bは、合わせて反応生成物の46%を構成している三量体および四量体を示した。実施例19hは、合わせて反応生成物の66%を構成している三量体および四量体を示した。実施例19iは、合わせて反応生成物の60%を構成している三量体および四量体と、反応生成物の9%を構成する四量体より大きなオリゴマーを示した。実施例19rは、合わせて反応生成物の43%を構成している三量体および四量体と、四量体より大きなオリゴマー31%を示した。実施例19s〜19tは、三量体および四量体合わせて63%を示した。実施例19uは、三量体および四量体合わせて92%を示した。実施例19vは、三量体および四量体合わせて29%を示した。実施例19xおよび19yは、それぞれ三量体および四量体合わせて93%および91%を示した。
【0343】
図18A〜18Bは、実施例1〜14および19a〜19yで得られたスクアラン:イソスクアラン比およびイソスクアラン:スクアラン比のグラフ編集を示している。分かるとおり、パラジウム触媒反応(実施例1〜14)では、約1から26までの範囲のスクアラン:イソスクアラン比(および対応する0.04から約1までの範囲のイソスクアラン:スクアラン比)が得られる。ニッケル触媒反応、実施例14では、約0.2〜0.25のスクアラン:イソスクアラン比(および対応する約4から5までのイソスクアラン:スクアラン比)が得られる。チーグラー−ナッタ触媒反応、実施例19a〜19yでは、約0.01から約0.15までのスクアラン:イソスクアラン比(および対応する約7から60までのイソスクアラン:スクアラン比)が得られる。
【0344】
(実施例20〜22および比較例2〜3)
本明細書に記載されているスクアラン組成物とサメ油に由来するスクアランおよび植物油に由来するスクアランとの比較
サメ油に由来するスクアランおよびオリーブ油に由来するスクアランをそれぞれ、GC−MS分析および
13C NMR分光法によって、本明細書に記載されているとおりのスクアランおよびイソスクアランを含む代表的な試料と比較する。表20は、実施例20〜22および比較例1および2についての詳細を示している:
【0345】
【表20】
【0346】
実施例20および21では、次の典型的な実験手順を使用した。2−プロパノール18Lを撹拌されている30Lジャケット付き容器に加え、続いてβ−ファルネセン6.25kg、トリフェニルホスフィン36.2gおよびアセチルアセトン酸パラジウム(II)25gを加えた。次いで、混合物を80℃で19時間加熱した。GCMSは線状二量体とファルネセンとの比92:8を8時間後に示す。反応物を室温に冷却し、次いで反応器から排出させ、次いでNorit CA−1活性化炭素で濾過し、これを追加のイソプロパノール4Lで洗浄した。合わせたイソプロパノール濾液を紙で濾過し、次いで真空濃縮すると、粗製二量体が黄色のオイルとして得られた。水素化をバッチ様式、1L反応器中、次の典型的な条件で実施した:二量体各1リットルに、活性化HTC Ni 500 RP 1.2触媒400g(Johnson Matthey、Pasadena、TXから入手可能)を加えた。反応器を500psigまで加圧し、水素取り込みが止むまで、反応を100℃〜160℃で実施した。触媒をシリカまたはアルミナカラムで濾過することによって除去し、溶媒を蒸発によって除去した。次いで、薄膜蒸留装置を使用して、単離された炭化水素を次のとおり蒸留した:炭化水素を約160℃〜173℃で25Torrの真空下において、ファルネサンおよび他の低分子量種を第1経路で除去した。続いて、炭化水素を230℃で1Torrの真空下において、所望の生成物を第2経路で留去した。
【0347】
スクアランの試料を炭素−NMR(
13C−NMR)分光法によって評定して、分子構造内における炭素−炭素結合の特性を確立した。個々の炭素原子に結合している水素原子および炭素原子の数は、電子密度および結合の長さに影響を及ぼす。イソスクアランは、エチル炭素(−CH2−)に結合しているメチル(−CH
3)基を有し、これは、市販のスクアラン生成物では観察されないイソスクアランに独特なスペクトルを生じさせる。
【0348】
水素炎イオン化検出を伴うガスクロマトグラフィー(GC−FID)を使用することによって、スクアランの試料を制御された蒸発条件下での特徴的な沸点について評定する。この技術は、スクアランおよびイソスクアランを同様の分子量の炭化水素から分離することができ、炭化水素が燃焼しているあいだに測定される電流の変化に基づき、純度の定量測定をもたらす。
【0349】
ガスクロマトグラフィーによって初めにスクアランとイソスクアランとを分離し、次いで、化合物を四極子型質量分光光度計(GC−MS)で高圧電子に掛けることによって、スクアランの試料を特徴的な分子イオン断片についてさらに評定する。スクアランおよびイソスクアランの両方ともが、実験式C
30H
62、分子量422原子質量単位(amu)を有する。イソスクアランはエチル(−C
2H
5、mw29amu)の特徴的な喪失を示し、これは393m/z(質量/電荷)を有するイオン断片をもたらす。断片化パターンは、National Institute of Standards and Technology(NIST)質量スペクトル参考ライブラリと一致している。
【0350】
スクアラン(C
30H
62、分子量422amu)についての化学構造は下式のとおりである。
【0351】
【化15】
【0352】
イソスクアラン(C
30H
62、分子量422amu)についての化学構造は下式のとおりである:
【0353】
【化16】
【0354】
物質および方法
Amyris Squalane、Lot PPD063010、純度91%(w/w)スクアラン(実施例21);Amyris Squalane、Lot PPD110410、純度85%(w/w)スクアラン(実施例20);Amyris Isosqualane SJS−429−59−D2(実施例22)、産業用、純度約80%イソスクアラン(純度はGC−FIDによる面積%);Squalane、サメ肝油由来、JEdwards International、Lot 536、製造者純度99.7%(比較例2);Squalane、オリーブ油由来、JEdwards International、Lot 1275、製造者純度92%(比較例3)。
【0355】
Agilent 5973質量分析検出器(GC−MS)を備えたGas Chromatograph、Agilent 6890。分析カラムはAgilent P/N 19091Z−005、HP−1、50m×0.20mm、0.10フィルム、100%ジメチル−ポリシロキサン固定相である。
【0356】
水素炎イオン化検出器(GC−FID)を備えたGas Chromatograph、Agilent 7890。分析カラムは、GC−MS分析のために使用されたものと同一であり、Agilent P/N 19091Z−005、HP−1、50m×0.20mm、0.10フィルム、100%ジメチルポリシロキサン固定相である。GC−FIDを使用して、純度を重量%として次のとおりに決定することができる:公知の量のテトラデカンをGC−FID応答を校正するための内部標準として使用する。その純度を決定すべき試料をヘキサン中で希釈し、アリコットをGC−FIDによって分析する。定量は、99%以上の純度を有するスクアランの公知の分析参照標準、例えば下記で記載されるとおりのJedwards,International製の99.7%の純度を有する公知のスクアラン標準についてのGC保持時間とマッチングさせることによって同定されるスクアランのピーク面積に基づく。
【0357】
質量分析では、スクアランのアリコットをヘキサン中で0.2%(v/v)まで希釈し、ガスクロマトグラフィー系に注入する(50:1の分割比)。150℃から270℃への炉の傾斜を使用して、即ち、加熱速度を250℃までは25℃/分で制御し、次いで270℃までは2℃/分に減速して、近似する沸点および僅かな構造的差違に基づき、イソスクアランおよびスクアランを分離する。分析物をその保持時間および質量スペクトルによって同定する。系は、100(完全なマッチング)から0(マッチングなし)までの範囲のマッチランキングを割り当てるピークおよびパターンマッチングアルゴリズムに基づき、分析物の質量スペクトルとNISTライブラリにおいて証明済みのスペクトルとのマッチングを可能にするスペクトルのライブラリを備えている。一致する保持時間を示し、90超のスペクトルマッチ特性値を有する分析物は、同一である非常に高い可能性を有する。近い数の間での僅かな差違は、無意味とみなす。Amyrisスクアランは典型的には、スクアランについてのNIST質量スペクトル(Library Revision 08)と比較した場合に、>94のマッチ特性を示す。
13C−NMR分析では、化合物(スクアランまたはイソスクアラン)のアリコットをCDCl
3中に約5〜10mg/mLで溶かす。試料をNMR分光計で400〜4000スキャンで分析する。化学シフトと類似の化学的環境にある炭素との比較に基づき、ピークを帰属させる。
【0358】
定量純度分析(例えば重量%)では、スクアラン約100ミリグラムのアリコットを秤量し、ヘキサンで希釈する。公知の量のテトラデカンを、GC−FID応答を校正するための内部標準として加える。混合物をヘキサン中で約0.02%(w/v)のスクアランの最終濃度までさらに希釈し、アリコットをガスクロマトグラフィー系に注入する(50:1の分割比)。沸点に基づき、60℃から320℃までの炉の傾斜を使用して、他の炭化水素からスクアランを分離する。定量は、スクアランの公知の分析参照標準でのGC保持時間とマッチングすることによって同定されるスクアランのピーク面積に基づく。
【0359】
分析結果
サメ油に由来する市販のスクアラン(試料SJS429−86−001)についての
13C−NMRスペクトルを
図9Aおよび11A〜11Fに示す。オリーブ油に由来する市販のスクアラン(試料SJS429−86−002)についての
13C−NMRスペクトルを
図9Bおよび
図11A〜11Fに示す。Amyrisスクアラン、lot PPD110410についての13C−NMRスペクトルを
図10および
図11A〜11Fに示す。Amyrisスクアラン、Lot PPD063010についての
13C−NMRスペクトルを
図11A〜11Fに示す。イソスクアラン異性体に独特であるスペクトルピークを同定するために、イソスクアランの分析標準を合成し、精製し、GC−MSによってC
30H
62、分子量422amuと一致する質量スペクトルパターンを有することを確認した。このイソスクアラン分析標準SJS−429−59−D3についての
13C−NMRスペクトルを
図8および
図11A〜11Fに示す。
【0360】
Amyrisイソスクアラン SJS−429−59−D3は、オリーブ油およびサメスクアランと比較すると、多くの独特のピークを有する。39、37.5、33.5、26、24ppmでのピークは、サメまたはオリーブ油スクアランには見られない。サメ油およびオリーブ油スクアランにおける27.5ppmでのピークは、イソスクアランには存在しない。Amyrisイソスクアラン SJS−429−59−D3は
図11E〜11Fにおいて最も明らかに示されているとおり、約11ppmに別個のピークを示し;このピークは、
図8において矢印によって示されているとおり、エチル分岐上のメチル基に帰属させることができる。
図11E〜11Fに示されているとおり、それぞれ85重量%および91重量%の純度を有するAmyrisスクアラン Lots PPD110410およびPPD0603010はそれぞれ、約11ppmにピークの存在を示しており、このことによって、Amyrisスクアラン生成物におけるイソスクアランの構造的帰属が確認される。
【0361】
Amyrisスクアランにおける11ppmでのピークの存在は、Amyrisスクアラン中にイソスクアランが存在することの決定的な証拠を示している。オリーブ油およびサメスクアラン中にこのピークが存在しないことは、イソスクアランがこれらのスクアラン試料中では検出されないことを示している。
【0362】
実施例20、21、22ならびに比較例2および3についてのガスクロマトグラフィーを質量分析データと共に
図12、13A、13B、14A〜14B、15A〜15B、16A〜16Bおよび17A〜17Bに示す。Amyris Squalane(Lot PPD063010、実施例21;Lot PPD110410、実施例20)、Amyris Isosqualane(SJS−429−59−D2、実施例22)および市販のスクアラン(サメ油由来、比較例2;およびオリーブ油由来、比較例3)についての全イオンクロマトグラム(TIC)トレースが
図12では重ね合わされている。スクアランについての保持時間は、全ての生成物で一致するが、しかしながら、Amyrisスクアラン生成物、Lots PPD110410およびPPD063010のみは、イソスクアランSJS−429−59−D2の分析標準と一致するイソスクアランピークを示す。イソスクアランは、Amyrisスクアラン Lot PPD063010(トレース4)およびAmyris Lot PPD010410(トレース1)およびイソスクアランSJS−429−59−D3についての分析標準(トレース5)に存在する。イソスクアランはサメ油由来のスクアラン(トレース2)またはオリーブ油由来のスクアラン(トレース3)中には存在しない。イソスクアラン標準SJS−429−59−D2(実施例22)についての全イオンクロマトグラムおよび質量スペクトルが
図13Aおよび13Bに示されている。
図13Aおよび13Bに見られるとおり、10.13分で溶離される特徴的な質量スペクトルがイソスクアラン分析標準について示されている。サメ油スクアラン(比較例2)についての全イオンクロマトグラムおよび質量スペクトルが
図14Aおよび14Bに示されている。
図14Aおよび14Bに見られるとおり、イソスクアランについての特徴的な質量スペクトルはサメ油スクアランには、存在するならばイソスクアランが溶離するであろう10.13分の保持時間に存在しない。オリーブ油スクアラン(比較例3)についての全イオンクロマトグラムおよび質量スペクトルが
図15Aおよび15Bに示されている。
図15Aおよび15Bに見られるとおり、イソスクアランについての特徴的な質量スペクトルはサメ油スクアランには、存在するならばイソスクアランが溶離するであろう10.13分の保持時間に存在しない。Amyrisスクアラン lot PPD063010(実施例21)についての全イオンクロマトグラムおよび質量スペクトルが
図16Aおよび16Bに示されている。
図16Aおよび16Bに見られるとおり、イソスクアランについての特徴的な質量スペクトルがAmyris Squalane実施例21には、イソスクアランが溶離するその保持時間に存在する。
図16Bでは、例えばエチル基の喪失に関するm/z=393での特徴的な同位体断片を実証するために、スペクトルが拡張された尺度で示されている。Amyrisスクアラン lot PPD110410(実施例20)についての全イオンクロマトグラムおよび質量スペクトルが
図17Aおよび17Bに示されている。
図17Aおよび17Bに見られるとおり、イソスクアランについての特徴的な質量スペクトルはAmyris Squalane実施例20には、イソスクアランが溶離する保持時間に存在する。
図17Bでは、例えばエチル基の喪失に関するm/z=393での特徴的な同位体断片を実証するために、スペクトルが拡張された尺度で示されている。
【0363】
イソスクアラン分析標準についてのTICおよび質量スペクトルが
図13A〜13Bには示されている。ほぼm/z=393で、特徴的なスペクトルが得られる。ガスクロマトグラム痕跡をイソスクアランについて特徴的な保持時間でスキャンした場合に、イソスクアランに特徴的なスペクトルは、市販のスクアランの試料中には存在しない。サメ油スクアランについてのTICおよび質量スペクトルが
図14A〜14Bに示されており、オリーブ油スクアランについては、
図15A〜15Bに示されている。
【0364】
AmyrisスクアランについてのTICおよび質量スペクトルは一貫して、特徴的な保持時間および特徴的なm/z断片にイソスクアランの存在を示している。イソスクアランが、Amyris Lot PPD063010について
図16A〜16Bで、かつAmyris Lot PPD110410について
図17A〜17Bで確認されている。
【0365】
化学分析の3種のオルトゴナル法から示されたデータは、スクアランの独特の異性体がAmyrisスクアラン中には存在し、動物製品由来(サメ油)または植物材料由来(オリーブ油)の市販のスクアランの試料中では検出されないことを示している。炭素−13 NMRスペクトルは、約11ppmに別個のピークの存在を示し、このことによって、Amyris製品の2つのロット中のイソスクアランと一致する、エチル炭素(−CH2−)に結合しているメチル(−CH
3)基の構造的帰属が確認される。ガスクロマトグラムは、イソスクアラン分析標準およびAmyris製品ロットについて一致する保持時間を示す一方で、イソスクアランは、他の市販のスクアランでは検出されない。最後に質量スペクトルは、Amyris製品lotにおいてイソスクアランについてm/z=393で特徴的な質量/電荷断片を示し、これは、他の市販のスクアランでは検出されない。
【0366】
(実施例23)
作動液組成物
スクアラン89%およびイソスクアラン4%(GC−FIDを使用して面積%として測定)を含むAmyrisスクアラン基油811.4g、SPECTRASYN(商標)8ポリアルファオレフィン(PAO)液811.6g(ExxonMobil Chemical Company,Houston、TXから入手可能)、LUBRIZOL 5703添加剤17.1g(Lubrizol,Corp.,Wickliffe、OHから入手可能)、作動潤滑剤用のVISCOPLEX(登録商標)8−219粘度指数向上剤210.0g(Evonik RohMax USA、Inc.,Horsham、PAから入手可能)およびESTEREX(商標)A41 アジピン酸エステル合成液7.5g(ExxonMobil Chemical Company,Houston、TXから入手可能)を使用して、作動液として使用するために適した潤滑剤組成物をブレンドした。実施例20および21の手順に従って、Amyrisスクアラン基油を調製したが、これは100℃で4.16cStの動粘度を有した。混合物を80℃に30分間加熱し、SCIENTIFIC INDUSTRIES VORTEX GENIE2を使用して1〜2秒間ボルテックス処理し、完成潤滑剤配合物を形成した。生じた潤滑剤配合物は、ASTM D2983によると−40℃で12440cPsの低温粘度を有し、ASTM D97によると−54℃の流動点を有することが測定された。
【0367】
(実施例24a〜24g)
Pd(acac)
2前駆体を使用してのβ−ファルネセンの二量体化の例
実施例24a〜24gは、アセチルアセトン酸パラジウム(II)をトリフェニルホスフィンと共にイソプロパノール中で使用してβ−ファルネセンの二量体化を触媒する追加の非限定的例を説明している。これらの実施例は、400:1から2000:1までの範囲の基質と触媒との比を使用し、リガンド:触媒比を2.0から2.8まで変動させ、かつ全溶液(ファルネセン体積+イソプロパノール体積)中でのβ−ファルネセンのモル濃度(M)を1Mから3.1Mまで変動させる反応を説明している。結果の一部を表21にまとめる。
【0368】
(実施例24a)
(0.05mol%Pd;molリガンド/mol Pd=2.8;イソプロパノール中1.15Mのβ−ファルネセン)
ガス分散管を使用して窒素を散布することによって、この反応で使用されるイソプロパノールを30分間脱ガスした。アセチルアセトン酸パラジウム(II)(0.206g、0.67mmol)およびトリフェニルホスフィン(0.496g、1.89mmol)を、還流凝縮器、内部温度計および磁気撹拌棒を備えた不活性化丸底フラスコ中の脱ガスされたイソプロパノール(842ml)に加えた。窒素下で約20分間撹拌した後に、β−ファルネセン(276g、1.35mol)を加え、磁気撹拌しながら窒素下で、混合物を85℃に加熱した。触媒/リガンドおよびファルネセンを加えた後に、短時間の窒素散布ステップも実施した。24時間後の反応混合物のGC−FID分析は、残留β−ファルネセンが全反応混合物のうちの18%であることを示した。イソプロパノールのうちのほとんどを回転蒸発器でストリッピングし、残渣をヘキサン中5%の酢酸エチルに入れ、シリカゲルパッドで濾過した。溶媒を真空除去し、残渣を2×体積のヘプタンに入れ、その後、Parr圧力反応器中、850psiおよび85℃で、炭素に担持されている10重量%Pd1重量%を使用して16時間水素化した。冷却した後に、触媒溶液をセライトで濾過し、溶媒を真空除去した。GC−FIDは、スクアランがC−30フラクション(14.5〜17.4分の間で溶離するピーク)のうちの93.4%であることを示した。スクアラン/イソスクアラン比は20.5:1であった。
【0369】
(実施例24b)
(Pd 0.25mol%;molリガンド/mol Pd=2.8;イソプロパノール中1Mのβ−ファルネセン)
ガス分散管を使用して窒素を散布することによって、この反応で使用されるイソプロパノールを30分間脱ガスした。アセチルアセトン酸パラジウム(II)(0.894g、2.93mmol)およびトリフェニルホスフィン(2.156g、8.2mmol)を、還流凝縮器、内部温度計および磁気撹拌棒を備えた不活性化丸底フラスコ中のイソプロパノール(881ml)に加えた。窒素下で約20分間撹拌した後に、β−ファルネセン(Amyris、Inc.、240g、1.174mol)を加え、磁気撹拌しながら窒素下で、混合物を85℃に加熱した。触媒/リガンドおよびファルネセンを加えた後に、短時間の窒素散布ステップも実施した。23時間後の反応混合物のGC−FID分析は、残留ファルネセンが全体のうちの1%未満であることを示した。溶液を50℃に冷却したら、Carbon Norit(10g)を加え、その温度で1時間、混合物を撹拌した。混合物を冷却し、セライトで濾過し、パッドをイソプロパノール10mlで洗浄した。Pricat Ni 61/15P(触媒重量はイソプロパノール中1MのFene溶液0.5重量/重量%であった)を使用して、Parr圧力反応器中、350psiおよび150℃で16時間、生成物混合物を水素化した。冷却後に、触媒溶液をセライトで濾過し、濾液のイソプロパノールを蒸発させて、透明な液体を得た。GC−FIDは、スクアランがC−30フラクション(14.5〜17.4分の間で溶離するピーク)のうちの93.6%であることを示した。スクアラン/イソスクアラン比は22.4:1であった。
【0370】
(実施例24c)
(Pd0.12mol%;molリガンド/mol Pd=2;イソプロパノール中2.3Mのβ−ファルネセン)
ガス分散管を使用して窒素を散布することによって、この反応で使用されるイソプロパノールを30分間脱ガスした。アセチルアセトン酸パラジウム(II)(0.731g、2.4mmol)およびトリフェニルホスフィン(1.259g、4.8mmol)を、還流凝縮器、内部温度計および磁気撹拌棒を備えた不活性化丸底フラスコ中のイソプロパノール(372ml)に加えた。窒素下で約20分間撹拌した後に、β−ファルネセン(408.6g、2.0mol)を加え、磁気撹拌しながら窒素下で、混合物を85℃に加熱した。触媒/リガンドおよびファルネセンを加えた後に、短時間の窒素散布ステップも実施した。22時間後の反応混合物のGC−FID分析は、残留ファルネセンが全体のうちの2%であることを示した。溶液を50℃に冷却したら、Carbon Norit(10g)を加え、その温度で1時間、混合物を撹拌した。混合物を冷却し、セライトで濾過し、パッドをイソプロパノール10mlで洗浄した。Pricat Ni 61/15P(触媒重量はイソプロパノール中2.3Mのβ−ファルネセン溶液1.2重量/重量%であった)を使用して、Parr圧力反応器中、350psiおよび150℃で16時間、生成物混合物を水素化した。冷却後に、触媒溶液をセライトで濾過し、濾液のIPAを蒸発させて、透明な液体を得た。GC−FIDは、スクアランがC−30フラクション(14.5〜17.4分の間で溶離するピーク)のうちの92.1%であることを示した。スクアラン/イソスクアラン比は20.5:1であった。
【0371】
(実施例24d)
(Pd0.15mol%;molリガンド/mol Pd=2;イソプロパノール中1.8Mのβ−ファルネセン)
ガス分散管を使用して窒素を散布することによって、この反応で使用されるイソプロパノールを30分間脱ガスした。アセチルアセトン酸パラジウム(II)(0.914g、3mmol)およびトリフェニルホスフィン(1.574g、6mmol)を、還流凝縮器、内部温度計および磁気撹拌棒を備えた不活性化丸底フラスコ中のイソプロパノール(624ml)に加えた。窒素下で約20分間撹拌した後に、β−ファルネセン(408.6g、2.0mol)を加え、磁気撹拌しながら窒素下で、混合物を85℃に加熱した。触媒/リガンドおよびファルネセンを加えた後に、短時間の窒素散布ステップも実施した。14時間後の反応混合物のGC−FID分析は、残留ファルネセンが全体のうちの1%未満であることを示した。溶液を50℃に冷却したら、Carbon Norit(10g)を加え、その温度で1時間、混合物を撹拌した。混合物を冷却し、セライトで濾過し、パッドをIPA10mlで洗浄した。Pricat Ni 61/15P(触媒重量はイソプロパノール中1.8Mのファルネセン溶液0.9重量/重量%であった)を使用して、Parr圧力反応器中、350psiおよび150℃で16時間、生成物混合物を水素化した。冷却後に、触媒溶液をセライトで濾過し、濾液のイソプロパノールを蒸発させて、透明な液体を得た。GC−FIDは、スクアランがC−30フラクション(14.5〜17.4分の間で溶離するピーク)のうちの93.5%であることを示した。スクアラン/イソスクアラン比は21.6:1であった。
【0372】
(実施例24e)
(Pd0.075mol%;molリガンド/mol Pd=2.8;イソプロパノール中2.5Mのβ−ファルネセン)
ガス分散管を使用して窒素を散布することによって、この反応で使用されるイソプロパノールを30分間脱ガスした。アセチルアセトン酸パラジウム(II)(0.457g、1.5mmol)およびトリフェニルホスフィン(1.102g、4.2mmol)を、還流凝縮器、内部温度計および磁気撹拌棒を備えた不活性化丸底フラスコ中のイソプロパノール(624ml)に加えた。窒素下で約20分間撹拌した後に、ファルネセン(408.6g、2.0mol)を加え、磁気撹拌しながら窒素下で、混合物を85℃に加熱した。触媒/リガンドおよびファルネセンを加えた後に、短時間の窒素散布ステップも実施した。56時間後の反応混合物のGC−FID分析は、残留ファルネセンが全体のうちの4%であることを示した。溶液を50℃に冷却したら、Carbon Norit(10g)を加え、その温度で1時間、混合物を撹拌した。混合物を冷却し、セライトで濾過し、パッドをIPA10mlで洗浄した。Pricat Ni 61/15P(触媒重量はイソプロパノール中2.5Mのβ−ファルネセン溶液1.25重量/重量%であった)を使用して、Parr圧力反応器中、350psiおよび150℃で16時間、生成物混合物を水素化した。冷却後に、触媒溶液をセライトで濾過し、濾液のイソプロパノールを蒸発させて、透明な液体を得た。GC−FIDは、スクアランがC−30フラクション(14.5〜17.4分の間で溶離するピーク)のうちの90.8%であることを示した。スクアラン/イソスクアラン比は19.5:1であった。
【0373】
(実施例24f)
(Pd0.12mol%;molリガンド/mol Pd=2.0;イソプロパノール中3.1Mのβ−ファルネセン)
ガス分散管を使用して窒素を散布することによって、この反応で使用されるイソプロパノールを30分間脱ガスした。アセチルアセトン酸パラジウム(II)(0.731g、2.4mmol)およびトリフェニルホスフィン(1.259g、4.8mmol)を、還流凝縮器、内部温度計および磁気撹拌棒を備えた不活性化丸底フラスコ中のイソプロパノール(149ml)に加えた。窒素下で約20分間撹拌した後に、β−ファルネセン(408.6g、2.0mol)を加え、磁気撹拌しながら窒素下で、混合物を85℃に加熱した。触媒/リガンドおよびβ−ファルネセンを加えた後に、短時間の窒素散布ステップも実施した。16時間後の反応混合物のGC−FID分析は、残留β−ファルネセンが全反応混合物のうちの3%未満であることを示した。溶液を50℃に冷却したら、Carbon Norit(10g)を加え、その温度で1時間、混合物を撹拌した。混合物を冷却し、セライトで濾過し、パッドをイソプロパノール10mlで洗浄した。Pricat Ni 61/15P(触媒重量はイソプロパノール中約3Mのβ−ファルネセン溶液1.5重量/重量%であった)を使用して、Parr圧力反応器中、350psiおよび150℃で、生成物混合物を水素化した。冷却後に、触媒溶液をセライトで濾過し、濾液のイソプロパノールを蒸発させて、透明な液体(419g)を得た。GC−FIDは、スクアランが全体のうちの86.2%であり、C−30フラクション(14.5〜17.4分の間で溶離するピーク)のうちの93.5%であることを示した。スクアラン/イソスクアラン比は23.2:1であった。Kugelrohrを介しての蒸留によって、3つのフラクション:1)160℃および0.1torrで蒸留されるC−15フラクション(単量体);2)230℃および0.1torrでC−30(二量体)および3)蒸留されずに残るC−45(三量体)が得られた。C−30フラクションは、無色のオイル367g(収率87%)を含有した。
【0374】
(実施例24g)
(Pd0.1mol%;molリガンド/mol Pd=2.8;イソプロパノール中3.1Mのβ−ファルネセン)
ガス分散管を使用して窒素を散布することによって、この反応で使用されるイソプロパノールを30分間脱ガスした。アセチルアセトン酸パラジウム(II)(0.610g、2mmol)およびトリフェニルホスフィン(1.469g、5.6mmol)を、還流凝縮器、内部温度計および磁気撹拌棒を備えた不活性化丸底フラスコ中のイソプロパノール(624ml)に加えた。窒素下で約20分間撹拌した後に、ファルネセン(408.6g、2.0mol)を加え、磁気撹拌しながら窒素下で、混合物を85℃に加熱した。触媒/リガンドおよびβ−ファルネセンを加えた後に、短時間の窒素散布ステップも実施した。33時間後の反応混合物のGC−FID分析は、残留ファルネセンが全体のうちの2%であることを示した。溶液を50℃に冷却したら、Carbon Norit(10g)を加え、その温度で1時間、混合物を撹拌した。混合物を冷却し、セライトで濾過し、パッドをイソプロパノール10mlで洗浄した。Pricat Ni 61/15P(触媒重量はイソプロパノール中3.1Mのファルネセン溶液1.55重量/重量%であった)を使用して、Parr圧力反応器中、350psiおよび150℃で16時間、生成物混合物を水素化した。冷却後に、触媒溶液をセライトで濾過し、濾液のイソプロパノールを蒸発させて、透明な液体を得た。GC−FIDは、スクアランがC−30フラクション(14.5〜17.4分の間で溶離するピーク)のうちの92.6%であることを示した。スクアラン/イソスクアラン比は21.8:1であった。
【0375】
【表21】
【0376】
本明細書中で述べられている刊行物および特許出願は全て、あたかもそれぞれ個々の刊行物または特許出願が具体的かつ個別に参照によって組み込まれていると示されているのと同じように、参照によって本明細書に組み込まれる。理解を明瞭にすることを目的とする説明および例によって、前述はある程度詳細に記載されているが、添付の請求項の意図および範囲から逸脱することなく、ある種の変化および変更をそれらに加えることができることは、本明細書の教示を考慮すれば、当業者には容易に分かるであろう。