(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態に係る顔部マッサージ装置100について、図面を参照しながら説明する。
図1は、第1実施形態に係る顔部マッサージ装置100の構成を示す図である。
図2および
図3は、マッサージ装置10を頭部1に装着した場合の外観図である。
図2は、横から見た図であり、
図3は、正面から見た図である。
図1に示すように、顔部マッサージ装置100は、頭部1に装着するマッサージ装置10と、マッサージ装置10を制御する制御装置20とを備える。
【0015】
図2および
図3に示すように、本実施形態の顔部マッサージ装置100は、マッサージ装置10を人体の頭部1に装着して、超音波振動によって顔部2をマッサージするものである。マッサージ装置10は、頭部1に装着される可撓性装着部11と、可撓性装着部11から顔部2の異なる部位に向けて延びる複数のアーム12と、各アーム12の先端部122に回動可能に支持されて顔部2に接触する振動体13と、を備える。本実施形態では、2つのアーム12を備える場合を例示するが、アーム12は3つ以上備えていてもよく、3つ以上のアーム12のそれぞれに振動体13が支持される。
【0016】
可撓性装着部11は、略楕円状または略円状に内側(頭部1側)に湾曲(頭部1側が凹になるように湾曲)した可撓性部材である。各アーム12も、内側(顔部2側)に湾曲(顔部2側が凹になるように湾曲)している。可撓性装着部11と各アーム12は、樹脂で構成してもよく、金属で構成してもよい。可撓性装着部11に緩衝部材(クッション材など)を取り付けるようにしてもよい。可撓性装着部11が緩衝部材を介して頭部1に装着されることで、頭部1にソフトに接触しながらしっかり装着させることができ、装着感を高めることができる。なお、可撓性装着部11および各アーム12は、一部に湾曲していない部分が含まれていてもよく、湾曲の曲率が異なる部分が含まれていてもよい。
【0017】
各アーム12の先端部122には、振動体13が支持される。可撓性装着部11は、各アーム12がそれぞれスライド可能に挿入される挿入部111を備える。具体的には、可撓性装着部11の両端部にはそれぞれ、アーム12を挿入する挿入部111が設けられる。挿入部111は、可撓性装着部11の両端部に形成される挿入孔である。挿入部111には、アーム12のうち先端部122とは反対側の基端部124側が挿入されて、アーム12がスライド可能に支持される。各アーム12の基端部124には、可撓性装着部11から各アーム12が抜け出てしまうことを規制するフック125が形成されている。可撓性装着部11から各アーム12を引き出すときに、基端部124のフック125が挿入部111の挿入口に引っ掛かって、可撓性装着部11の挿入部111から各アーム12が抜け出ないようにすることができる。
【0018】
このような構成によれば、可撓性装着部11の各挿入部111から各アームを出し入れすることによって、各アーム12の長さを調整できるので、振動体13が顔部2の頬部に接触する位置を調整できる。可撓性装着部11の各挿入部111からアーム12を引き出すことによって、アーム12を長くできる。これにより、例えば
図2および
図3に示すように、口部(上唇と下唇を含む口の部分)3の両側の頬部にそれぞれ振動体13を接触させるだけで、超音波振動により歯茎の内部まで衛生的にマッサージできる。
【0019】
他方、可撓性装着部11に各アーム12を押し込むことによって、各アーム12を短くできる。
図4および
図5は、各アーム12の長さを
図2および
図3よりも短くした場合の外観図である。
図4および
図5に示すように、各アーム12を短くすることで、鼻部4の両側の頬部にそれぞれ振動体13を接触させることができるので、鼻部4のマッサージも可能である。このように、各アーム12の長さを調整することで、顔部2の広範囲に振動体13を接触させることができる。
【0020】
なお、各アーム12の長さに応じて湾曲の曲率が異なるようにしてもよい。例えば
図5の各アーム12を短くする場合は、各アーム12の曲率が小さい方が鼻部4の両側の外形に沿って各振動体13をフィットさせ易い。他方、
図3のように各アーム12を長くする場合は、各アーム12の曲率が大きい方が、口部3の両側の外形に沿って各振動体13をフィットさせ易い。
【0021】
そこで、本実施形態では、各アーム12の長さが長い場合の方が短い場合よりもが湾曲の曲率が大きくなるようにしている。具体的には
図1に示すように、各アーム12は、先端部122を有する第1アーム部12Aと、第1アーム部12Aよりも基端部124側の第2アーム部12Bとを含むように構成し、第2アーム部12Bの方が第1アーム部12Aよりも曲率が大きくなるようにしている。
【0022】
このように構成することで、顔部2のうち、各アーム12を短くして接触させる部位(例えば
図5の鼻部4の両側など可撓性装着部11から近い部位)では、可撓性装着部11から第1アーム部12Aだけが引き出されるので、アーム12の曲率が小さくなる。他方、顔部2のうち、各アーム12を長くして接触させる部位(例えば
図3の口部3の両側など可撓性装着部11から遠い部位)では、可撓性装着部11から第1アーム部12Aだけでなく第2アーム部12Bまで引き出されるので、アーム12の曲率が大きくなる。したがって、顔部2のうち可撓性装着部11から近い部位でも遠い部位でも、顔部2の外形に沿って各振動体13をフィットさせ易くなるので、顔部2と振動体13との密着性を高めることができる。
【0023】
本実施形態では、湾曲する第1アーム部12Aと第2アーム部12Bとが連続する場合を例示しているが、これに限られず、アーム12のうち第1アーム部12Aと第2アーム部12Bとの間や他の部分に湾曲しない部分が含まれていてもよい。また、可撓性装着部11からアーム12が引き出される位置や角度、顔部2に振動体13を接触させる部位などによっては、各アーム12の長さが長い場合の方が短い場合よりも湾曲の曲率が小さくなるようにしてもよい。上記の例によれば、第2アーム部12Bの方が第1アーム部12Aよりも曲率が小さくなるようにしてもよい。
【0024】
また、本実施形態では、各アーム12が、曲率の異なる2つのアーム部(第1アーム部12A、第2アーム部12B)を含む場合を例示したが、これに限られず、各アーム12が、曲率の異なる3つ以上のアーム部を含むようにしてもよい。このように、本実施形態では、各アーム12が、曲率の異なる複数のアーム部を有することで、顔部2の部位によって外形が異なっていても、その顔部2の外形に沿って各振動体13をフィットさせ易くなるので、顔部2と振動体13との密着性を高めることができる。なお、本実施形態の各アーム12は、曲率が異なる部分を含む場合を例示したが、これに限られず、各アーム12は、全体に渡って同じ曲率で湾曲していてもよく、また一部に湾曲しない部分がふくまれていてもよい。
【0025】
可撓性装着部11と各アーム12は、弾性を有しており、各振動体13を顔部2側に付勢する。可撓性装着部11と各アーム12を弾性部材で構成してもよく、可撓性装着部11と各アーム12を中空にし、その中空内に弾性部材を挿入することで、弾性を有するようにしてもよい。
【0026】
振動体13は、アーム12の先端部122に回動自在に支持される。
図6は、アーム12と振動体13との接続部の構成例を示す外観図である。
図6に示すように、振動体13のうち顔部2に接触する側の第1面13Aとは反対側の第2面13Bに、アーム12の先端部122と回動可能に接続する接続部131が配置されている。接続部131と先端部122には、支持軸131Aが挿入される軸孔131Bが形成されている。支持軸131Aが軸孔131Bに挿入される。支持軸131Aが抜け出ないように止め輪で止めるようにしてもよい。
【0027】
なお、接続部131は、上述の構成に限られない。
図6において、例えば支持軸131Aの方向をX方向(第1方向)とし、第2面13Bに平行な平面上において、X方向に交差(例えば直交)する方向をY方向(第2方向)とすると、振動体13がX方向を中心に回動し、且つY方向を中心に回動するように構成してもよい。これにより、顔部2と振動体13との密着性を高めることができる。
図6乃至
図7において、Z方向は、X−Y平面に垂直な方向であり、顔部2に対する接触方向である。
【0028】
また、アーム12の接続部131との接続する端部を、アーム12の軸回りに回動可能な構成としてもよい。これによれば、振動体13がX方向のみに回動するだけでなく、アーム12の軸回りにも回動するので、顔部2と振動体13との密着性を高めることができる。また、接続部131を自由継手(ユニバーサルジョイント)で構成してもよい。具体的には例えば、アーム12の端部に回転球面部を設け、この回転球面部を支持する支持部を接続部131に設けることで、アーム12に対して振動体13をX方向とY方向のみならずZ方向にも回動可能な構成にしてもよい。
【0029】
図1および
図2に示すように、可撓性装着部11には、インターフェース部112が設けられている。インターフェース部112には、制御装置20に接続するための接続ケーブルCを着脱可能なコネクタ113が設けられている。なお、インターフェース部112の大きさや位置は、図示した例示に限られない。
【0030】
図1に示すように、制御装置20は、略箱状のケース202を備える。ケース202の表面には、操作部204が設けられている。操作部204には、図示を省略する電源スイッチや表示部の他、マッサージの出力レベルを調整する複数のレベル調整つまみ、マッサージの開始を指示するスタートボタン、中断(終了)を指示するストップボタンなど各種の操作子が配置されている。なお、スタートボタンとストップボタンは、別々のボタンで構成してもよく、同じボタンで構成してよい。表示部には、例えばマッサージ時間の残り時間やマッサージの出力レベルなどが表示される。制御装置20には、インターフェース部205が設けられている。インターフェース部205には、上述したマッサージ装置10の接続ケーブルCを着脱可能に接続するためのコネクタ206が設けられている。
【0031】
ケース202の内部には、制御部208が設けられている。制御部208は、マッサージ装置10を制御するための電子回路である。制御部208は、操作部204からの操作に基づいて、接続ケーブルCを介して制御信号をマッサージ装置10に出力する。制御信号には、後述する振動体13の振動子143を超音波振動させるための例えば後述する
図11(c)の超音波駆動信号39a、39bなどが含まれる。なお、制御部208の具体的な構成例は後述する。
【0032】
次に、振動体13の構成例について説明する。2つの振動体13はそれぞれ、同様の構成であるため、ここでは1つの振動体13を代表して説明する。
図7は、顔部2に接触する側から見た振動体13の正面図である。
図8は、
図7に示す振動体13のVIII−VIII断面図である。
【0033】
図7および
図8に示すように、振動体13は、保持体132と振動体本体14と緩衝部材136とを備える。保持体132は、第1面13Aに開口部133を有し、第2面13Bに底部134を有するキャップ状に形成された中空の枠体である。振動体本体14と緩衝部材136は、保持体132内に保持される。具体的には、振動体本体14と後述する緩衝部材136のガイド部Fの表面136Aが開口部133から露出するように、保持体132の底部134の内側(開口部133側)に設けられる。振動体本体14は、緩衝部材141を介して底部134に固定される。ただし、緩衝部材141を設けずに、振動体本体14を底部134に固定してもよい。
【0034】
振動体本体14は、有底筒状(略円筒状)のケース142と超音波出力用の振動子143を備える。振動子143はケース142内に設けられる。ケース142は、例えばABSなどの合成樹脂により形成されている。振動子143は、例えば積層型の圧電アクチュエータであり、2つの圧電素子143A、143Bと3つの電極144A、144B、144Cとが積層されて構成される。振動子143は、2つの振動部材145A、145Bによって挟まれる。具体的には
図8に示すように、第1面13A側から第2面13B側にかけて順番に、振動部材145A、電極144A、圧電素子143A、電極144B、圧電素子143B、電極144C、振動部材145Bが積層される。圧電素子143A、143B、電極144A、144B、144Cと振動部材145A、145Bは、ボルトBによって締め付け固定される。なお、圧電素子と電極の数は、例示したものに限られない。
【0035】
圧電素子143A、143Bは、例えば円環平板状に形成され、厚み方向に分極されたセラミック圧電素子である。電極144A、144B、144Cは、円環薄板状に形成されており、電極144Aと電極144Cとは電気的に接続されて同電位となっており、電極144Bの電位は、電極144Aと電極144Cとは反対の極性になっている。電極144Aと電極144Cと電極144Bとの間には、交流電圧(例えば後述する
図11(c)の超音波駆動信号39a、39bなど)が供給される。交流電圧に応じて振動子143は、圧電素子143A、143Bの厚み方向に発生する圧電効果または逆圧電効果により伸縮することによって振動する。
【0036】
振動部材145A、145Bはそれぞれ、例えばアルミニウムなどの金属板により円形平板状に形成された剛体である。これら振動部材145A、145Bは、積層された圧電素子143A、143Bおよび電極144A、144B、144Cと一体化されている。振動部材145Aは、圧電素子143A側から第1面13Aに向けて、圧電素子143Aから離間する方向へ徐々に拡径している。振動部材145Aのうち圧電素子143Aとは反対側の面は、平面状に形成され、接着剤などを介してケース142の内側面に接着されている。このように、本実施形態の振動子143とケース142とは一体に構成されている。なお、振動部材145Aの圧電素子143A側には、ボルトBの一端部がねじ込み固定されている。他方、振動部材145Bは、円環状に形成され、ケース142に対して離間している。振動部材145Bには、ボルトBが挿通され、このボルトBの他端部に対して略面一となるようにこのボルトBによってねじ込み固定されている。こうして、振動部材145A、145Bは、ボルトBによって互いに連結されている。
【0037】
振動体本体14のうち保持体132の開口部133から露出する表面14A(ケース142のうち第1面13A側の外側表面)には、交換可能な接触板Dが設けられている。振動体本体14の表面14Aは、顔部2に接触する面であるため、接触板Dを使用後に交換できるようにすることで、衛生的な使用が可能となる。なお、接触板Dは必ずしも設けなくてもよい。接触板Dを設けない場合には、例えば振動体本体14を保持体132から取り外し可能にしてもよい。振動体本体14を取り外して顔部2に接触する表面14Aを洗浄できるようにすることで、衛生的な使用が可能となる。
【0038】
なお、本実施形態では、振動体本体14のケース142を単体で構成した場合を例示したが、これに限られず、
図8のY−Z平面(表面14Aに沿った平面)でケース142を切断して、顔部2に接触する表面14A側を含む略カップ状の前部と、表面14Aとは反対側の面を含む略カップ状の後部との2つに分けてもよい。この場合、振動子143は、振動部材145Bを介して前部に接触し、後部には接触しないように構成する。このような前部と後部とを緩衝部材を介して接続することによってケース142を構成することで、ケース142の前部の振動が後部に伝達され難くなる(逃げ難くなる)ので、前部の表面14Aの振動エネルギーの強度が保持され易くなる。したがって、マッサージ効果を高めることができる。
【0039】
図7および
図8に示すように、緩衝部材136は、振動体本体14を囲むように保持体132に保持される。緩衝部材136は、振動体本体14を挿入可能な中空部137を有する筒状(例えば円筒状)部材であり、振動体本体14のよりも突出する表面136Aを有し、顔部2への接触により表面136Aが振動体13の第2面13B側に後退して振動体本体14の顔部2への接触をガイドするガイド部Fを備える。緩衝部材136と緩衝部材141とは、弾性変形により伸縮可能な緩衝材(クッション材など)で構成される。
【0040】
ガイド部Fは、保持体132の開口部133から露出する部分である。ガイド部Fの表面136Aと振動体本体14の表面14Aは、振動体13の第1面13A(保持体132の開口部133が形成されている面)から突出しており、ガイド部Fは、振動体本体14の表面14Aよりも突出している。このように構成することで、振動体13が顔部2に接触する際には、先ず緩衝部材136のガイド部Fの表面14Aが顔部2の表面に接触してフィットし、ガイド部Fが縮むように弾性変形することで、表面136Aが振動体13の第2面13B側に後退して、振動体本体14の表面14Aが顔部2に接触する。顔部2と振動体本体14の表面14Aとの密着性を向上できる。また、緩衝部材136のガイド部Fによって、顔部2にソフトに接触しながら、振動体本体14の顔部2への接触をガイドすることができる。
【0041】
緩衝部材136は、全体が緩衝材で構成されていてもよく、また振動体本体14の表面14Aが顔部2に接触できる程度にガイド部Fが弾性変形できれば、ガイド部F以外の部分に緩衝材でない部分(弾性変形しない部分)が含まれていてもよい。また、緩衝部材136の中空部137の内壁と振動体本体14とを固着しないことで、振動体本体14の振動が緩衝部材136によって減衰されることを抑制できる。また、緩衝部材136の中空部137の内壁と振動体本体14との間に隙間を設けてもよい。この構成によれば、緩衝部材136が縮むことによって、縮む方向に垂直な肉厚方向に膨張しても、それを上記隙間で吸収できる。また、緩衝部材136と保持体132との間にコイルばねなどの伸縮可能な弾性体を設けるようにしてもよい。この構成よれば、振動体13が顔部2に接触したときに、緩衝部材136の表面136Aが後退し易くなるので、振動体本体14の表面14Aを顔部2に接触させ易くなる。
【0042】
図9Aおよび
図9Bは、振動体13の第1面13Aが顔部2に接触する際の作用説明図である。
図9Aは、振動体13の第1面13Aが顔部2に接触する前の状態を示す図であり、
図9Aは、振動体13の第1面13Aが顔部2に接触した後の状態を示す図である。
図9Aに示すように、振動体13の第1面13Aが顔部2に接触する前は、緩衝部材136の表面136Aと振動体本体14の表面14Aは、振動体13の第1面13Aから突出している。このときには、緩衝部材136の表面136Aの方が振動体本体14の表面14Aよりも、第1面13Aから突出する部分が大きい。
【0043】
そして、振動体13の第1面13Aが顔部2に接触する際には、先ず緩衝部材136の表面14Aが接触する。さらに振動体13の第1面13Aが顔部2に押し当てられると、
図9Bに示すように緩衝部材136が顔部2の形に弾性変形して、振動体本体14の表面14Aが顔部2に接触する。このとき、振動体本体14が顔部2に押しつけられることで、緩衝部材141が縮んで、振動体本体14も第2面13B側に移動して、振動体本体14の表面14Aが顔部2に密着する。こうして、顔部2と振動体本体14の表面14Aとの密着性を向上できる。
【0044】
また、本実施形態の緩衝部材136は、振動体本体14の回りを囲むように配置されるから、先に振動体本体14の周囲の緩衝部材136のガイド部Fの表面136Aが顔部2と接触し、ガイド部Fの表面136Aが略均等に後退し、振動体本体14が顔部2に接触する。したがって、緩衝部材136がない場合に比較して、振動体本体14が顔部2の表面に略垂直に押し付けられるようにすることができる。このように、本実施形態の緩衝部材136は、振動体本体14が顔部2の表面に対して略垂直に押し付けられるためのガイドの役割を果たすことができる。振動体本体14が顔部2の表面に対して略垂直になるほど超音波振動も伝わり易くなるので、マッサージ効果を高めることができる。また、緩衝部材136と緩衝部材141は、同じ部材で構成してもよく、異なる部材で構成してもよい。異なる部材で構成する場合には、緩衝部材136の部材は、緩衝部材141よりも縮み易い部材で構成するようにしてもよい。このようにすることによって、緩衝部材136の方が大きく縮むので、振動体本体14が顔部2に接触し易くなる。
【0045】
本実施形態では
図8の実線で示すように、緩衝部材136の表面136Aを、Y−Z平面(振動体本体14の表面14A)に沿った平坦面にしている。このため、
図9Bに示すように、緩衝部材136の表面136Aが顔部2に押し当てられると、緩衝部材136の一部が外側に押しつぶされて、保持体132の開口部133から第1面13A側に膨らんではみ出し部Pとなってはみ出るようになる。これにより、振動体本体14を顔部2にソフトに接触させることができ、振動体本体14と顔部2と密着性を高めることができる。ただし、緩衝部材136のはみ出し部Pが多くなり過ぎると、緩衝部材136の反発力が大きくなり、振動体本体14の表面14Aが顔部2から離れる方向に働いてしまう虞もある。このため、緩衝部材136のはみ出し部Pが多くなり過ぎないように、顔部2に振動体13が接触しない状態において、保持体132の開口部133から突出する緩衝部材136の表面136Aの位置を調整することが好ましい。
【0046】
なお、緩衝部材136の表面136Aは、必ずしも振動体本体14の表面14Aに沿った平坦面でなくてもよい。例えば
図8の点線で示すように、緩衝部材136の表面136Aは、Z方向の平面視で保持体132の開口部133の内周面から振動体本体14にかけて、開口部133から突出する部分が少なくなるように傾斜する傾斜面であってもよい。緩衝部材136の表面136Aを傾斜面とすることで、緩衝部材136のはみ出し部Pを小さくなるので、緩衝部材136の反発力を抑えることができ、顔部2と振動体本体14との密着性を高めることができる。また、振動体本体14の表面14Aの傾斜面は平面であっても、曲面であってもよい。振動体本体14の表面14Aを曲面とすることで、平坦面とする場合に比較して、顔部2と振動体本体14との密着性を一層高めることができる。
【0047】
図10は、制御装置20の制御部208の構成例を示すブロック図である。
図11は、
図10の制御部208によって生成される信号波形を示す図である。制御部208は、例えばCPU(Central Processing Unit)またはFPGA(Field Programmable Gate Array)等の処理回路を備える。後述する制御部208の各構成要素は、物理的な回路で構成してもよく、CPUが実行可能なプログラムで構成してもよい。制御装置20は、コンセントを介して商用電源(図示略)に接続され、商用電源からの電力で起動する。また、制御装置20にバッテリを設けて、バッテリによる電力で起動するようにしてもよい。
【0048】
図10に示すように、制御部208は、処理モジュール25を備える。処理モジュール25は、例えば内蔵するタイマ(図示略)によってマッサージ時間を管理したり、各種信号を生成したりするものである。処理モジュール25は、信号線28と駆動信号線29a、29bとを介して変調器31a、31bに電気的に接続されており、制御信号線33a、33bを介して増幅器34a、34bに電気的に接続されている。処理モジュール25は、例えば20kHz乃至200kHz、好ましくは30kHz程度の体内で長波長となる超音波の振動エネルギーであるキャリア波36(
図11(a))を、信号線28を介して変調器31a、31bに出力する。このように超音波を長波長とすることで、減衰を少なくできるので、超音波を高出力にしなくても十分なマッサージ効果を顔部2に与えることができる。したがって、顔部2に対する刺激を少なくしながらも、十分な超音波振動を顔部2に伝えることができる。
【0049】
処理モジュール25は、駆動信号線29a、29bを介して変調器31a、31bを制御することで、パルス状の変調波37(
図11(b))によってキャリア波36を変調し、その立ち上がり及び立ち下がりを緩和する。処理モジュール25は、制御信号線33a、33bを介して増幅器34a、34bを制御することで、変調されたキャリア波36を増幅(昇圧)することによって、各振動体13の駆動用の超音波駆動信号39a、39b(
図11(c))をそれぞれ生成する。
【0050】
超音波駆動信号39a、39bは、インターフェース部205のコネクタ206から接続ケーブルCに出力される。接続ケーブルCに出力された超音波駆動信号39a、39bは、マッサージ装置10のインターフェース部112のコネクタ113から入力されて、各振動体13の振動子143に供給される。なお、操作部204のレベル調整部(図示略)の操作によって外部から超音波駆動信号39a、39bの出力を調整できるようになっている。
【0051】
図11(b)に示すように、本実施形態の変調波37は、滑らかな曲線状に形成されている。すなわち、変調波37は、0Vから徐々に出力が増加し、傾斜が徐々に増加した後、最大値近傍で保持し、その後徐々に減少してなだらかに0Vに減少する。したがって、このような変調波37によって生成された超音波駆動信号39a、39bで各振動体13を駆動すると、各振動体13の超音波振動は、例えば矩形波やパルス波などの変節点を有する変調波によって変調した場合のような衝撃波が生じることがないので、人体に強い違和感を与えない、穏やかな振動となる。
【0052】
また、超音波駆動信号39a、39b(
図11(c))は、変調された穏やかな超音波振動を交互に所定間隔T1(例えば1.5秒)で、この所定間隔T1よりも短い所定継続時間T2(例えば0.3〜0.5秒)ずつ出力するように生成され、各振動体13が、互いに超音波駆動の駆動期間が重ならないように、換言すれば一方が超音波を出力しているときは他方が超音波を出力しないように駆動されるように構成されている。このような超音波駆動信号39a、39bを交互に出力することで、各振動体13の振動子143は、所定間隔T1で交互に駆動する。これにより、各振動体13の振動子143によって発生する超音波振動エネルギーが重なり合ってばらつくことを抑制できる。常に所定の強度の超音波振動エネルギーで顔部2の異なる部位を交互にマッサージ可能なので、使用者への負担を軽減できる。また、本実施形態では、口部3や鼻部4の左右から超音波振動エネルギー(超音波マッサージ振動を加えることができるので、歯茎や鼻部などの深部まで血流を促進させることができる。
【0053】
次に、本実施形態に係る顔部マッサージ装置100の動作について説明する。
図1に示すように、使用者は、マッサージ装置10を接続ケーブルCで制御装置20に予め接続しておく。例えば
図2および
図3に示すように歯茎をマッサージする場合には、可撓性装着部11からアーム12を引き出すことによって、各アーム12を長くする。そして、可撓性装着部11を頭部1に装着すると、各アーム12が顔部2に向けて延出するので、各アーム12に支持される各振動体13を、顔部2のうち口部3の両側の頬部に配置する。可撓性装着部11および各アーム12は、各振動体13を顔部2側に付勢するので、各振動体13のうち振動体本体14の表面14Aが口部3の両側に密着する。このとき、顔部2の形に合わせて、各振動体13が回動して緩衝部材136が弾性変形するので、振動体本体14の表面14Aが口部3の両側の表面に適度な圧力で、ソフトに面接触(密着)される。したがって、各振動体13と口部3の両側の表面との密着性を高めることができ、各振動体13の振動体本体14の表面14Aを、顔部2の表面を介して歯茎や顎骨に密着させることができる。
【0054】
この状態で、スタートボタンを操作することにより、商用電源またはバッテリにより供給された電力によって、
図10に示す制御部208の処理モジュール25により生成された超音波駆動信号39a、39bが、接続ケーブルCを介して各振動体13に所定のマッサージ時間(例えば20分間、10分間など)供給される。
【0055】
具体的には、信号線28を介して変調器31a、31bへと出力されたキャリア波36(
図11(a))が変調波37(
図11(b))により変調されて、立ち上がりと立ち下がりとが緩和された超音波駆動信号39a、39b(
図11(c))となる。超音波駆動信号39a、39bは、接続ケーブルCを介してマッサージ装置10の各振動体13に供給される。これにより、振動子143が超音波振動し、各振動体13の振動体本体14の表面14Aから、歯茎や顎骨に超音波振動が伝達する。
【0056】
以上説明したとおり、本実施形態の顔部マッサージ装置100によれば、可撓性装着部11を頭部1に装着することで、各アーム12の先端部122に支持される振動体13が顔部2に接触し、振動体13の振動子143が超音波振動することで、顔部2の異なる部位を超音波マッサージすることができる。したがって、使用者はマッサージ装置10を手で保持しなくても、マッサージが可能であるから、使用者の負担を軽減できるので、使い勝手を向上でき、マッサージ効果も高めることができる。
【0057】
また、本実施形態によれば、振動体13を超音波振動させてマッサージするので、例えば
図2および
図3のように、顔部2のうち口部3の両側の頬部の表面に振動体13を接触させるだけで、歯茎や顎骨などの内部まで超音波振動エネルギーが浸透する。したがって、振動体13を口部に直接押し当てなくても、歯茎の内部まで血行を良くすることができ、マッサージ効果を高めることができる。したがって、歯茎などの血行不良が要因と考えられている、例えば額関節症の予防や改善、歯槽膿漏を含む歯周病の予防や改善などに、本実施形態の顔部マッサージ装置100を用いることができる。
【0058】
また、アーム12の長さを調整できるので、
図4および
図5のように、例えば鼻部4の両側の頬部に振動体13を接触させることもできる。このように鼻部4の両側に振動体13を接触させるだけで、鼻部の内部まで超音波振動エネルギーを浸透する。これにより、鼻部4の血行を良くすることができ、マッサージ効果を高めることができる。したがって、例えば鼻部4の血行不良が原因と考えられている、蓄膿症や鼻づまりなどの予防や改善にも効果的である。このように、本態様によれば、使い勝手を向上しつつ、衛生的に顔部2をマッサージできる。
【0059】
なお、本実施形態では、可撓性装着部11を、1つの可撓性部材で構成した場合を例示したが、複数の可撓性部材で構成するようにしてもよい。
図12および
図13は、可撓性装着部11の変形例を示す図である。
図12に示す可撓性装着部11は、2つの可撓性部材11A、11Bで構成される。可撓性部材11A、11Bはそれぞれ、略楕円状または略円状の湾曲した部材である。可撓性部材11Aの構成は、可撓性装着部11と同様であるので、詳細な説明を省略する。可撓性部材11Bは、可撓性部材11Aに回動可能に接続されている。
【0060】
具体的には、可撓性部材11Bは、頭部1に装着する1つの装着部114と、2つのスライダ部115とを備える。各スライダ部115はそれぞれ、その基端側が装着部114にスライド可能に挿入されて支持される。これにより、各スライダ部115の長さを調整できる。各スライダ部115の先端側は、可撓性部材11Aの接続部116に、回動可能に接続されている。接続部116は、頭部1の左右の方向に沿った軸117を備え、可撓性部材11Bは、可撓性部材11Aに対して軸117の回りに回動可能である。
【0061】
本変形例の可撓性装着部11によれば、可撓性部材11Aと可撓性部材11Bを頭部1の別の異なる部位に装着可能である。例えば
図12に示すように、各スライダ部115の長さを調整しつつ、可撓性部材11Bを可撓性部材11Aの前方に装着することができる。また、
図13に示すように、各スライダ部115の長さを調整しつつ、可撓性部材11Bを可撓性部材11Aの後方に装着することもできる。このような変形例の構成によれば、可撓性部材11Aだけを装着する場合よりも、各振動体13をしっかり固定することができる。例えば振動子143に加えて、音楽振動用の振動子や低周波振動用の振動子を、各振動体13に設けることも可能であるが、そのようにすると、各振動体13の重量が増加する。本変形例によれば、各振動体13の重量が増加しても、可撓性部材11A、11Bで各振動体13をしっかり支持することができる。
【0062】
また、本実施形態の制御部208では、超音波駆動信号を出力して、各振動体13の振動子143を超音波振動させる場合を例示したが、これに限られず、例えば制御部208から超音波駆動信号に音楽駆動信号を重畳した駆動信号を出力して、各振動体13の振動子143を振動させるようにしてもよい。超音波駆動信号に音楽駆動信号を重畳することで、各振動体13の振動子143による振動が顎骨や頬骨など顔部2の骨にも伝わるため、骨伝導によって音楽を聴くことができる。これにより、癒し効果の高いモーツアルトなどの曲を、骨伝導によって、超音波マッサージをしながら聴くことで脳波のアルファ波が増加し、ストレス疲労のバロメータとなる唾液アミラーゼ活性が減少し、血圧及び心拍数も下がる傾向になる。
【0063】
図14および
図15は、超音波駆動信号と音楽駆動信号とを重畳した駆動信号を出力可能な制御部208の変形例を示す図である。
図14は、制御部208の変形例の構成を示すブロック図である。
図15は、
図14の制御部208によって生成される信号波形を示す図である。
図14において、超音波駆動信号を生成するための構成については、
図10と同様であるため、詳細な説明を省略する。また
図15(a)、(b)、(c)はそれぞれ、
図11(a)、(b)、(c)と同様の波形である。
図14の制御部208は、超音波駆動信号を生成するための処理モジュール25に加えて、音楽駆動信号を生成するための音楽モジュール26と、超音波駆動信号と音楽駆動信号を重畳するミックス回路27を備える。
【0064】
音楽モジュール26は、例えば複数の所定の音楽が予め記憶されており、処理モジュール25により生成された制御用の信号が音楽制御信号線35を介して伝達されることで選曲及びリピートなどがコントロールされる。この音楽モジュール26は、各音楽信号線41を介して音楽増幅手段としての音楽駆動回路42a、42bに電気的に接続されている。そして、音楽モジュール26は、記憶した音楽や音声などのオーディオ信号を、各音楽信号線41を介して音楽駆動回路42a、42bに出力する。
【0065】
処理モジュール25は、オーディオ信号を音楽駆動回路42a、42bにより増幅してステレオの音楽駆動信号43a、43b(
図15(d))をそれぞれ生成して出力する。
図15(d)においては説明の便宜上、音楽駆動信号43a、43bを拡大して示しているが、実際の振幅は、例えば超音波駆動信号39a、39bの1/10程度である。なお、音楽モジュール26に記憶される音楽は、任意の楽曲や音声などが可能であるが、例えば聴覚刺激と癒しの刺激とを有する、血行促進用の高周波成分を多量に含んだものが好ましい。また、例えば音楽モジュール26に音楽を記憶する代わりに、音楽プレイヤーや携帯音源などの外部音源機器を接続して、これら外部音源機器からの任意のオーディオ信号を、音楽駆動回路42a、42bを介して音楽駆動信号43a、43b(
図15(d))としてもよい。
【0066】
ミックス回路27は、増幅器34a、34b及び音楽駆動回路42a、42bと電気的に接続され、超音波駆動信号39a、39b(
図15(c))と左側及び右側の音楽駆動信号43a、43b(
図15(d))とをそれぞれ例えば抵抗器などによりミックスした駆動信号44a、44b(
図15(e))をコネクタ206から出力して振動体13に供給するものである。すなわち、この駆動信号44a、44bは、キャリア波36(
図15(a))が変調波37(
図15(b))により立ち上がりと立ち下がりが緩和されるように変調された超音波駆動信号39a、39b(
図15(c))をステレオの音楽駆動信号43a、43b(
図15(d))に対して所定間隔T1で交互に間欠的に重畳したものである。
【0067】
超音波駆動信号と音楽駆動信号とを重畳した駆動信号44a、44bは、インターフェース部205のコネクタ206から接続ケーブルCに出力される。接続ケーブルCに出力された超音波駆動信号39a、39bは、マッサージ装置10のインターフェース部112のコネクタ113から入力されて、各振動体13の振動子143に供給される。超音波駆動信号39a、39b(
図11(c))による振動子143が超音波振動する。これにより、振動子143が超音波振動すると共に音楽振動し、各振動体13の振動体本体14の表面14Aから、歯茎や顎骨に超音波振動が伝達する。このように、超音波駆動信号と音楽駆動信号とを重畳した駆動信号によって各振動体13の振動子143を駆動すれば、超音波振動によるマッサージだけでなく、音楽振動によるマッサージも可能となるので、音楽振動との相乗効果によって、マッサージ効果を高めることができる。なお、
図14の変形例では、ミックス回路27を制御装置20内に設ける場合を例示したが、これに限られず、可撓性装着部11に設けるようにしてもよい。
【0068】
また、
図14の変形例の制御部208は、音楽駆動信号を超音波駆動信号に重畳した駆動信号を生成する場合を例示したが、これに限られず、例えば低周波駆動信号を超音波駆動信号に重畳した駆動信号を生成するようにしてもよい。低周波駆動信号を超音波駆動信号に重畳した駆動信号によって各振動体13の振動子143を駆動すれば、超音波振動によって顔部2の内部までマッサージすることができると共に、低周波駆動信号によって顔部2の表面もマッサージすることができるので、これらの相乗効果によってマッサージ効果を高めることができる。なお、音楽駆動信号と低周波駆動信号の両方を超音波駆動信号に重畳できるように、制御部208を構成してもよい。
【0069】
操作部204には、音楽駆動信号と低周波駆動信号の一方または両方をオンオフするボタンを設けるようにしてもよい。制御部208は、音楽駆動信号のボタンがオンの場合は、超音波駆動信号に音楽駆動信号を重畳し、また低周波駆動信号のボタンがオンの場合は、超音波駆動信号に低周波駆動信号を重畳する。また制御部208は、音楽駆動信号のボタンと低周波駆動信号のボタンがオンの場合は、超音波駆動信号に音楽駆動信号と低周波駆動信号の両方を超音波駆動信号に重畳する。
【0070】
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態について説明する。以下に例示する各形態において実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。第2実施形態では、インターネットなどの通信網Nに接続可能な顔部マッサージシステム200について説明する。
図16は、第2実施形態の顔部マッサージシステム200の構成を説明するための図である。
図17は、第2実施形態のマッサージ装置10を頭部1に装着した場合の外観図である。
図18は、
図17に示す撮像装置50の構成例を説明するための図である。
【0071】
図16に示すように、第2実施形態の顔部マッサージシステム200は、顔部マッサージ装置100と、端末装置としての情報端末装置62および携帯端末装置64を備える。情報端末装置62は、パーソナルコンピュータなどであり、携帯端末装置64は、スマートフォンなどである。顔部マッサージ装置100は、マッサージ装置10と制御装置20とを備え、マッサージ装置10は、制御装置20に接続ケーブルCによって接続される。
図16の制御装置20は、
図1の制御装置20のインターフェース部205は、インターネットなどの通信網(ネットワーク)Nに有線または無線で接続するための通信部として機能する。
図16の制御装置20のインターフェース部205には、通信網Nと接続するためのネットワークケーブルLのコネクタ207が設けられている。情報端末装置62および携帯端末装置64も同様に、通信網(ネットワーク)Nに有線または無線で接続するための通信部(図示略)が設けられている。したがって、本実施形態の制御装置20は、通信網Nに接続される情報端末装置62または携帯端末装置64との通信が可能である。
【0072】
図16および
図17に示す第2実施形態のマッサージ装置10は、
図2に示すマッサージ装置10に、顔部2を撮像する撮像装置50を設けたものである。撮像装置50は、可撓性装着部11に回動可能に設けられた支持部502に支持される。具体的には、支持部502の基端部は、可撓性装着部11の接続部504に、回動可能に接続されている。接続部504は、頭部1の左右の方向に沿った軸505を備え、支持部502は、可撓性装着部11に対して軸117の回りに回動可能である。
【0073】
他方、支持部502の先端部には、撮像装置50が回転可能に支持されている。具体的には、支持部502の先端部は、撮像装置50の接続部506に、回動可能に接続されている。接続部506は、頭部1の左右の方向に沿った軸507を備え、撮像装置50は、支持部502に対して軸507の回りに回動可能である。支持部502は、撮像装置50が顔部2に対向する位置と顔部2から待避する位置(例えば
図17に点線で示す頭部1の後方の位置)との間で回動する。
【0074】
図17の構成によれば、撮像装置50を使用する場合には、顔部2に対向する位置(例えば
図17に実線の位置)まで支持部502を回動することによって、顔部2を撮像できる。
図17では、口部3の周辺や口内を撮像範囲にする場合である。また、撮像装置50を使用しない場合には、顔部2から待避する位置まで支持部502を回動することで、邪魔にならない位置に移動できるので、使い勝手が良好である。なお、待避する位置は、邪魔にならない位置であれば、
図17に点線で示す位置に限られない。また、支持部502を伸縮可能にしてもよい。支持部502を伸縮可能とすることで、顔部2から遠ざけたり、近づけたりすることができるので、撮像範囲を調整できる。
【0075】
図18に示すように、撮像装置50には、箱状のケース51を備える。ケース51は、CCDカメラなどの撮像部52と、撮像部52の回りに設けられる光源54とを備える。
図18では、4つの光源54を撮像部52の回りに均等に配置した場合を例示しているが、光源54の数と大きさは、図示したものに限られない。例えば光源54は1つでもよい。本実施形態の制御装置20は、撮像装置50で撮像した画像を、通信網Nを介して情報端末装置62や携帯端末装置64に送信することができる。これにより、撮像装置50で撮像した画像を、情報端末装置62や携帯端末装置64の表示部(ディスプレイ)Gに表示させることができる。したがって、例えばマッサージ装置10を使用する使用者とは離れた場所にいる医師や看護師などが、情報端末装置62などで使用者の顔部2の撮像画像を見ながら、振動体13の最適な位置や超音波振動の強度をアドバイスすることも可能となる。
【0076】
なお、
図18に示すように、ケース51には、マイクMを設けるようにしてもよい。マイクMによって音声や周囲の音を集音することができる。マイクMによって取得された音は、音データとして撮像画像とともに、通信網Nを介して情報端末装置62や携帯端末装置64に送信できる。したがって、例えばマッサージ装置10を使用する使用者とは離れた場所にいる医師や看護師などが、情報端末装置62などで使用者の顔部2の撮像画像を見て、使用者による音声を聞きながら、振動体13の最適な位置や超音波振動の強度をアドバイスすることも可能となる。
【0077】
本実施形態の情報端末装置62または携帯端末装置64は、通信網Nを介して、顔部マッサージ装置100の制御装置20に、マッサージ装置10を制御する制御信号を送信可能である。制御信号には、超音波振動の強度を変えるための制御信号、マッサージ装置10をオンオフするための制御信号なども含まれる。このような構成によれば、マッサージ装置10の制御装置20は、通信網Nに接続された情報端末装置62または携帯端末装置64に顔部2の撮像画像を送信でき、情報端末装置62または携帯端末装置64は、通信網を介して制御装置20に、マッサージ装置10を制御する制御信号を送信することができる。したがって、例えばマッサージ装置10を使用する使用者とは離れた場所にいる医師や看護師などが、情報端末装置62などで使用者の顔部2の撮像画像を見ながら、振動子143の超音波振動の強度などを制御する制御信号を、情報端末装置62などから制御装置20へ送信することで、マッサージ装置10を制御できる。また、情報端末装置62などが、使用者の顔部2の撮像画像に応じて超音波振動の強度などを制御する制御信号を、情報端末装置62などから制御装置20へ自動的に送信することも可能となる。
【0078】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0079】
例えば上記実施形態においては、マッサージ装置10のアーム12として、2つのアーム12を備える場合を例示したが、アーム12は3つ以上備えていてもよく、3つ以上のアーム12のそれぞれに振動体13が支持される。これによれば、顔部2の異なる3以上の部位も同時に超音波振動でマッサージ可能である。例えば4つのアーム12を備え、それぞれのアーム12で振動体13を支持するように構成することで、
図3のような口部3の両側と
図5のような鼻部4の両側に振動体13をそれぞれ接触させることもできる。したがって、歯茎と鼻部4を同時に超音波振動によってマッサージできる。
【解決手段】頭部1に装着される可撓性装着部11と、可撓性装着部11から顔部2の異なる部位に向けて延びる複数のアーム12と、各アーム12の先端部122に回動可能に支持されて顔部2に接触する振動体13と、各振動体13に設けられ、超音波が変調波により立ち上がりと立ち下がりが緩和されるように変調された超音波駆動信号の供給により超音波振動する振動子143と、を備える顔部マッサージ装置。