(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記誤組付防止部は、前記スプリング設置領域の外周に外接して設けられ前記下面よりも前記ピンの突出方向に突出している1または複数のリブを含むことを特徴とする請求項1または2に記載のエアバッグ装置。
前記スプリング設置領域に設置不能な径を有する大径ホーンスプリングが前記スプリング設置領域と前記誤組付防止部とにまたがって傾いて設置されたときに該大径ホーンスプリングが前記ピンに干渉するよう、前記スプリング設置領域と前記誤組付防止部との高さの差が設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のエアバッグ装置。
当該エアバッグ装置はさらに、箱状であって下面が前記ステアリングホイール側を向き、開口が乗員側を向いて設置されてフロントエアバッグを収容するハウジングを備え、
前記スプリング設置領域は、前記ハウジングの下面に設けられることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のエアバッグ装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
通常、特許文献1に記載されているように、エアバッグ装置には複数のホーンスプリングが設けられる。しかしながら、車種の仕様等によって、ホーンスプリングの設置箇所は様々であり、利用されるホーンスプリングのサイズも適宜変更される。場合によっては、1つのエアバッグ装置に対して、強度の異なる異径のホーンスプリングが複数設置されることもある。そのような場合、各ピンに対して設定された正しい径を有するホーンスプリングを選んで組み付ける必要がある。もし、所定のピンに対して設定とは異なる径を有するホーンスプリングを組み付けてしまった場合、エアバッグ装置はホーンスイッチ機能を正しく発揮できなくなるおそれがある。
【0006】
本発明は、このような課題に鑑み、径の異なるホーンスプリングを複数組み付ける場合であっても、誤った組付けを防止することが可能なエアバッグ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の代表的な構成は、車両のステアリングホイールに設置されるエアバッグ装置であって、コイル状のホーンスプリングと、当該エアバッグ装置のステアリングホイール側の下面に設けられ、ホーンスプリングのコイル端部が設置されるスプリング設置領域と、スプリング設置領域の中央からホーンスプリングの内側を通ってステアリングホイールへ向かって突出するピンと、スプリング設置領域に正対する方向から見てスプリング設置領域の外周に外接して設けられていて、スプリング設置領域よりもピンの突出方向に突出している誤組付防止部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
上記構成によれば、ピンの周囲のスプリング設置領域に入りきらないほどの大径を有する誤った大径ホーンスプリングは、スプリング設置領域・誤組付防止部にまたがって組み付けられる。誤組付防止部はスプリング設置領域よりもステアリングホイール側へ突出しているため、両者にまたがった大径ホーンスプリングは傾く。大径ホーンスプリングがかかる傾いた姿勢をとるため、作業者は、大径ホーンスプリングがスプリング設置領域に設置不能な誤った部品であることに容易に気付く。これによってホーンスプリングの誤った組付が防止される。
【0009】
上記のスプリング設置領域は、上記の下面から窪んで設けられていて、誤組付防止部は、スプリング設置領域の外周に外接している上記の下面の縁部を含んでよい。かかる構成によれば、窪んでいるスプリング設置領域の外周の、当該エアバッグ装置の下面の縁部が、誤組付防止部として機能する。
【0010】
上記の誤組付防止部は、スプリング設置領域の外周に外接して設けられ上記の下面よりもピンの突出方向に突出している1または複数のリブを含んでよい。かかる構成によれば、スプリング設置領域の外周のリブが誤組付防止部として機能する。あるいは、スプリング設置領域が当該エアバッグ装置の下面から窪んでいる場合は、当該エアバッグ装置の下面の縁部と、縁部からさらに突出しているリブとが、誤組付防止部として機能する。
【0011】
上記スプリング設置領域に設置不能な径を有する大径ホーンスプリングがスプリング設置領域と誤組付防止部とにまたがって傾いて設置されたときに大径ホーンスプリングがピンに干渉するよう、スプリング設置領域と誤組付防止部との高さの差が設けられているとよい。
【0012】
スプリング設置領域と誤組付防止部との高さの差が僅かしかない場合、大径ホーンスプリングの傾きがわずかしかなく、誤組付がなされたことに作業者が気付かず、無理やり大径ホーンスプリングを組み付けてしまうおそれがある。しかし上記のように、スプリング設置領域と誤組付防止部との間に十分な高さの差を設けることで、大径ホーンスプリングの傾きが顕著になってピンに干渉するため、作業者は誤組付に確実に気付くこととなる。かかる高さの差を設定するには、誤って組み付けられる可能性のある大径ホーンスプリングを想定し、その径と長さを把握しておく必要がある。
【0013】
上記リブは、スプリング設置領域の外周に沿った円弧形状を有してよい。ピンポイントに設けられたリブよりも円弧形状のリブのほうが、大径ホーンスプリングが乗り上げやすいからである。
【0014】
上記ピンは、ホーンスプリングを貫通する長さを有するとよい。かかる長いピンによれば、大径ホーンスプリングが傾いたときに最初にピンに干渉するのは大径ホーンスプリングの先端である。すなわち、傾きの度合いが少なくても大径ホーンスプリングがピンに干渉するため、作業員が誤組付であることに気付きやすくなる。
【0015】
上記ピンは、スプリング設置領域内に、スプリング設置領域に設置されたホーンスプリングが嵌るスプリング嵌合部を有するとよい。スプリング設置領域に設置された正しいホーンスプリングを確実にエアバッグ装置に固定するためである。
【0016】
上記ホーンスプリングは、巻回されたコイル部分と、コイル部分の端からコイル部分の内側へ延びる末端部分とを有し、スプリング嵌合部は、ピンに設けられてホーンスプリングの末端部分が挿入される間隙部と、間隙部を構成する一方の内壁から他方の内壁へ向かって突出した突出部と、を含むとよい。
【0017】
当該エアバッグ装置はさらに、箱状であって下面がステアリングホイール側を向き、開口が乗員側を向いて設置されてフロントエアバッグを収容するハウジングを備え、スプリング設置領域は、ハウジングの下面に設けられるとよい。この構成によって、ホーンスプリングの誤った組付けを防止可能なフロントエアバッグ装置が好適に実施可能となる。
【0018】
本発明によるエアバッグ付ステアリングホイール装置の代表的な構成は、上記のいずれかのエアバッグ装置と、エアバッグ装置が取り付けられる車両のステアリングホイールと、ステアリングホイールに設けられてエアバッグ装置のピンが挿し込まれるピン受け孔と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、径の異なるホーンスプリングを複数組み付ける場合であっても、誤った組付けを防止することが可能なフロントエアバッグ装置を提供することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0022】
図1は、本発明の実施形態にかかるエアバッグ付ステアリングホイール装置100を例示した図である。
図1(a)では、エアバッグ付ステアリングホイール装置100の全体を例示している。なお、
図1(a)を含む以下の図面では、エアバッグ付ステアリングホイール装置100が車両に取り付けられた時を想定した方向として、不図示のステアリングコラム(シャフト)の方向をZ軸とし、このZ軸に直交する平面で、アナログ12時間時計の12時を車両前方側としたときにおける、9時から3時方向をX軸、6時から12時方向をY軸として例示する。
【0023】
図1(a)のエアバッグ付ステアリングホイール装置100は、運転者を保護するための装置であり、ステアリングホイール102と、その中央付近に取り付けられているフロントエアバッグ装置104とを含んで構成されている。このうち、フロントエアバッグ装置104は、ホーンスイッチとしても機能する。そのため、例えばフロントエアバッグ装置104とステアリングホイール102との間にはホーンスプリング142(
図2(b)参照)が設けられていて、フロントエアバッグ装置104はステアリングホイール102へ向かって押下げることが可能になっている。
【0024】
図1(b)は、
図1(a)のエアバッグ付ステアリングホイール装置100の分解図である。
図1(b)に示すステアリングホイール102には金属製の芯材が用いられていて、中央のボス領域106は金属が露出し、運転者が把持するリング部108は樹脂で覆われた構成となっている。ステアリングホイール102のうち、フロントエアバッグ装置104とは反対側である背面側には、樹脂製のステアリングカバー110が取り付けられる。
【0025】
ステアリングホイール102のボス領域106には、フロントエアバッグ装置104との連結部位として、2種類のフックが設けられている。まず、第1フックであるメインフック112a、112bは、フロントエアバッグ装置104のハウジング116に嵌合してフロントエアバッグ装置104をステアリングホイール102上に支えるフックである。このメインフック112a、112bに連結されたフロントエアバッグ装置104は、X方向およびY方向には移動不能となるものの、ホーンスイッチとして機能するためにZ方向においては多少の移動が可能になる。
【0026】
第2フックであるZフック111a、111bは、主に、不測の事態の際にフロントエアバッグ装置104の脱落を防ぐために設けられた部位である。Zフック111a、111bは、ハウジング116の下面119へ向かって延びている。Zフック111a、111bは、例えばエアバッグ114(
図2(a)参照)の作動時など、フロントエアバッグ装置104が万が一ステアリングホイール102から外れる方向(Z軸方向に一致)へ移動した場合にハウジング116に引っ掛かる。これによってZフック111a、111bは、フロントエアバッグ装置104のステアリングホイール102からの脱落を防ぐ。
【0027】
図2は、
図1(b)のフロントエアバッグ装置104の概要を例示した図である。
図2(a)は、
図1(b)のフロントエアバッグ装置104の分解図である。
図2(a)に例示したように、フロントエアバッグ装置104には、折り畳まれたエアバッグ114を内部に収容するハウジング116と、このハウジング116を塞ぐカバー118とが含まれている。これらハウジング116およびカバー118は合成樹脂で構成されている。
【0028】
図2(b)は、
図2(a)のハウジング116の下面119側の斜視図である。まず、ハウジング116の基部117は、全体的に箱状となっていて、下面119がステアリングホイール102側を向き、開口121(
図2(a)参照)が乗員側を向いて設置される。基部117の下面119のほぼ中央には孔115が設けられていて、この孔115にはガス発生装置であるインフレータ(図示省略)が取り付けられる。その他、基部117の下面119にはホーンスイッチ用の端子(図示省略)なども取り付けられる。
【0029】
本実施形態では、基部117の下面119の3箇所にピン(第1ピン140a、140b、および第2ピン140c)が設けられている。各ピンはそれぞれ、ステアリングホイール102に向かって突出していて、ステアリングホイール102(
図1(b)参照)のピン受け孔144a〜144cに挿し込まれる。各ピンは、それぞれ2つの部位に分割された構造になっていて、中心側へわずかにたわむことができ、これによってピン受け孔144a等への挿込みやすさが確保されている。また、各ピンの先端の外径部分にはテーパ面146が設けられていて、このテーパ面146によってもピン受け孔140a等に挿し込みやすくなっている。
【0030】
3つのピンには大きさの異なる2種類のピンが含まれていて、同じ大きさの第1ピン140a、140bが計2つと、第1ピン140a等に比べて径が若干太い第2ピン140cが1つ設けられている。各ピンはそれぞれ、コイル状のホーンスプリング(第1ホーンスプリング142a、142bと、これらよりも径の太い第2ホーンスプリング142c)の内側を通って、ステアリングホイール102へ向かって突出している。これら各ピンをステアリングホイール102(
図1(b)参照)のピン受け孔144a〜144cに挿し込むことで、フロントエアバッグ装置104はステアリングホイール102上にホーンスプリング142を介して弾性的に取り付けられる。
【0031】
なお、第1ピン140a、140bおよび第2ピン140cは分割された構造であってたわむことができるため、ピン受け孔144a〜144c(
図1(b)参照)に挿し込まれた後において走行中等の振動を吸収することができる。さらには、第1ピン140a、140bおよび第2ピン140cがたわめることで、これら各ピンのピン受け孔140a等に対する寸法公差(形状の許容差)を広げ、成型精度を求めることなく各ピンとピン受け孔140a等との形状を合わせることも可能になっている。なお、各ピンの分割の個数に制限は無く、例えば各ピンは3つ以上の部位に分割することも可能である。
【0032】
基部117の下面119には、2箇所に棒状のスプリング120a、120bが取り付けられている。このスプリング120a、120bは、前述した不測の事態の際にZフック111a、111bが引っ掛かる部位である。スプリング120a、120bは、金属製の棒を所定形状に曲げて形成されていて、弾性を有していてたわむことができる。これらスプリング120a、120bは、普段の状態においてはZフック111a、111bとは接触しない。なお、スプリング120a、120bは、棒状だけでなく板状などとしても実現できる。
【0033】
スプリング120a、120bの端部122a、122bの近傍には、ステアリングホイール102(
図1(b)参照)のメインフック112a、112bが直接嵌合するフックタブ124a、124bが設けられている。フックタブ124a、124bは同じ構成であるため、フックタブ124bを例に挙げてその構造を説明する。フックタブ124bは基部117の側面部分の所定箇所に設けられていて、ステアリングホイール102側へ向かって板状に延びている。フックタブ124bは、ステアリングホイール102側に自由端125を有し、根元に基部117とつながる固定端126を有している。
【0034】
フックタブ124bの側面には、Z方向にわたって切り欠かれた嵌合部128が設けられている。この嵌合部128は、メインフック112b(
図1(b)参照)が嵌合する部位である。嵌合部128がZ方向にわたって設けられていることで、フロントエアバッグ装置104がホーンスイッチとして機能する際に、嵌合部128内をメインフック112bが移動することが可能になっている。そして、メインフック112bが嵌合部128の自由端125側の端に引っ掛かることで、フロントエアバッグ装置104はステアリングホイール102からの脱落が防止される。
【0035】
フックタブ124bは、ハウジング116が樹脂製であるために、フックタブ124bも可撓性を有していて、固定端126付近を軸にして、基部117の中心側へ向かってたわんで傾くことができる。フックタブ124bは、このように傾くことで、嵌合部128へのメインフック112bの連結と解除とを可能にしている。そしてさらに、フックタブ124bは、フロントエアバッグ装置104をステアリングホイール102から取り外す際に、スプリング120bを押し曲げて第2フックから外す操作を仲介する役割も担っている。
【0036】
フロントエアバッグ装置104をステアリングホイール102から取り外す際の操作について説明する。
図3は、
図1(a)のA−A断面図である。上記のフックタブ124bは、1つの傾き動作によってメインフック112bの嵌合部128への嵌合とZフック111bのスプリング120bへの引っ掛かりとを共に解除することが可能になっている。
【0037】
図3に例示するように、ステアリングホイール102のうち、フックタブ124a、124bが重なる位置には、開口部132a、132bが設けられている。また、ステアリングカバー110には、開口部134a、134bが形成されている。これら開口部は、フックタブ124a、124bを外部から視認可能にするための間隙もしくは開口である。フロントエアバッグ装置104を取り外す際、まず、例えば開口部132bに工具180を挿し込み、この工具180でフックタブ124bをたわませて傾けさせる。この操作により、フックタブ124bがメインフック112bから外れ、またフックタブ124bがさらにスプリング120bを押し曲げてZフック111bを避けることで、フロントエアバッグ装置104はステアリングホイール102から取り外すことが可能になる。
【0038】
ところで、本実施形態のフロントエアバッグ装置104には、
図2(b)を参照して説明したように、ハウジング116の下面119に2種類の太さのピン(第1ピン140a、140bおよび第2ピン140c)およびホーンスプリング(第1ホーンスプリング142a、142bおよび第2ホーンスプリング142c)を設置している。この構成はフロントエアバッグ装置104のホーンスイッチとしての仕様に応じたものである。この構成に付随して、本実施形態ではさらに、径の異なるホーンスプリングを複数組み付ける場合であってもホーンスプリングの誤った組付けが防止できる対策を施している。以下、第1ピン140a、140bおよび第2ピン140c付近の構成を中心に、本実施形態のエアバッグ付ステアリングホイール装置100の構成要素についてさらに説明する。
【0039】
図4は、
図2(b)のハウジング116の下面119を別方向から例示した図である。
図4(a)は、基部117の下面119を正対方向から例示している。
図4(b)は
図4(a)の一部拡大図である。
図4(a)に例示するように、2つの第1ピン140a、140bは、互いに同様の構成であり、それぞれハウジング116の下面119において、車両前側(図中上側)における左右両端に設けられている。そして、1つの第2ピン140cは、第1ピン140a等よりも若干太い構成となっていて、下面119上における車両後側(図中下側)の中央に設けられている。これら3箇所に各ピンを設けることで、フロントエアバッグ装置104をなるべく少ない個数のピンでステアリングホイール102上に取り付けることが可能になっている。なお、ピンの個数および種類の数に制限はなく、例えばピンを4つ以上設けることや3種類以上の太さのピンを設けることも可能である。
【0040】
各ピンを代表して、第1ピン140bを挙げて説明を行う。
図4(b)に例示するように、第1ピン140bの周囲には、スプリング設置領域151が設けられている。同図のようにスプリング設置領域151に正対する方向から見たときスプリング設置領域151の外周に外接するように、2つのリブ152a、152bが設けられている。
図5は
図4(a)の第1ピン140bの各断面図であって、
図5(a)は
図4(a)の第1ピン140bのB−B断面図である。
図5(b)は
図5(a)のC部を拡大した拡大図である。
図5(b)に例示するように、第1ホーンスプリング142bは、巻回されたコイル部分143と、コイル部分143の端からコイル部分の内側へ延びる末端部分156とを有する。第1ホーンスプリング142bは外径Φ1を有する。スプリング設置領域151には、第1ホーンスプリング142bのコイル端部が設置される。
【0041】
図5(b)に例示するように、スプリング設置領域151は、周囲より窪んでいる。すなわちスプリング設置領域151は、ハウジング116の下面119よりも窪んでいる。
【0042】
第1ピン140bの付け根付近であって間隙部153内には、突出部154が設けられている。突出部154は、間隙部153を構成する一方の内壁から他方の内壁へ向かって突出している。この間隙部153および突出部154がスプリング嵌合部として機能する。すなわち、第1ホーンスプリング142bの末端部分156が間隙部153に挿入され、突出部154を乗り越えてその下側にはまることで、第1ホーンスプリング142bは第1ピン140bから脱落しなくなる。このように、スプリング設置領域151に設置された正しい第1ホーンスプリング142bは、確実にエアバッグ装置104に固定される。
【0043】
図5(c)は、
図4の第1ピン140bのD−D断面図である。
図5(c)に例示するように、リブ152a、152bはスプリング設置領域151の縁から立ち上がるように設けられていて、第1ホーンスプリング142bをその外径側から支えることが可能になっている。
【0044】
図6は
図4の第2ピン140cのE−E断面図である。
図6に例示するように、第2ピン140cの周囲にも、窪んだスプリング設置領域159がある。第2ホーンスプリング142cは、第1ホーンスプリング142bの外径Φ1(
図5(b))よりも大きな外径Φ2を有する。第2ピン140cの周囲の2つのリブ160a、160bは、スプリング設置領域159に外接するように設けられている。リブ160a、160bは、スプリング設置領域159の端から立ち上がるように設けられていて、第2ホーンスプリング142cをその外径側から支えている。
【0045】
ここで、再び
図4(a)を参照する。第2ホーンスプリング142cは、ハウジング116の車両後方側にてその中央側の一点でハウジング116を支えるコイルスプリングであり、そのために第1ホーンスプリング142bよりも外径が大きく弾性力も強い構成となっている。しかしながら、第2ホーンスプリング142cは第1ホーンスプリング142bと見比べて外観に極端な違いがあるわけではないため、不注意等が重なることで第2ホーンスプリング142cを第1ピン140bにはめようとしてしまう場合もある。その場合に、上述したリブ152a、152bおよびスプリング設置領域151が機能する。
【0046】
図7は、
図6の第2ホーンスプリング142cを
図5の第1ピン140bに設置した場合を例示した図である。
図7(a)は、
図5(c)の第1ピン140bに対応している。
図7(a)に例示するように、第1ピン140bの周囲にリブ152a、152bが設けられていることで、第2ホーンスプリング142cを第1ピン140bに誤って組みつけようとした場合、径の大きな第2ホーンスプリング142cではスプリング設置領域151に入りきらず、第1リブ152a、152bに干渉する。
図7(a)では、この干渉の結果、第2ホーンスプリング142cがスプリング設置領域151と第1リブ152bとにまたがって組み付けられ、傾いている様子を例示している。このように第1リブ152a、152bが誤組付防止部として機能し、第2ホーンスプリング142cが傾いた姿勢をとるため、作業者は、第2ホーンスプリング142cがスプリング設置領域151に設置不能な誤った部品であることに容易に気付く。仮にスプリング設置領域151とハウジング116の下面119との間に高低差が無くても、第1リブ152a、152bとスプリング設置領域151との間には高低差が生じるため、第1リブ152a、152bは誤組付防止部として機能する。
【0047】
図7(a)に例示するように、第1ピン140bは、第2ホーンスプリング142cや第1ホーンスプリング142bを貫通する長さを有する。かかる長い第1ピン140bによれば、第2ホーンスプリング142cのような大径のホーンスプリングが傾いたときに最初にピンに干渉するのは第2ホーンスプリング142cの先端である。すなわち、傾きの度合いが比較的少なくても第2ホーンスプリング142cが第1ピン140bに干渉し、作業員が誤組付であることに気付きやすくなる。
【0048】
図7(b)は、
図5(a)の第1ピン140bに対応した図である。
図7(b)からも、第2ホーンスプリング142cが斜めの姿勢になっていることが分かる。
図7(c)は、
図7(b)のG部拡大図である。
図7(a)に例示するように、第2ホーンスプリング142cが斜めの姿勢になることで、第2ホーンスプリング142cの端部162は突出部154にはまらない。したがって、その際の違和感によっても、作業員は誤作業であることに気づくことができる。
【0049】
また、スプリング設置領域151が周囲(ハウジング116の下面119)よりも窪んでいることだけでも、第2ホーンスプリング142cの誤った組付けの防止のために有効である。すなわち、仮に第1リブ152a、152bが無くても、窪んだスプリング設置領域151の縁部164が誤組付防止部として機能する。
図5(b)等に例示したように、第1ピン140bに正しく第1ホーンスプリング142bを組み付けた場合には、第1ホーンスプリング142bはスプリング設置領域151に適正にはまる。しかし、
図7(c)に例示するように、第1ピン140bに対して、誤って径の大きな第2ホーンスプリング142cを組み付けた場合には、その第2ホーンスプリング142cは縁部164に接触する。したがって、縁部164によっても姿勢が斜めになり、作業員に誤作業であることを気づかせることができる。
【0050】
なお、
図6(a)に例示したように、第2ピン140cの根元では、第2ピン140cの基礎部分166の外径が拡大して設けられている。これにより、仮に第2ピン140cに
図5(a)の第1ホーンスプリング142bを設置しようとした場合、第2ホーンスプリング142cよりも外径の小さい第1ホーンスプリング142bでは基礎部分166に干渉してスプリング設置領域159にまで到達せず、姿勢が不安定となるため、作業員は誤作業に気づくことができる。
【0051】
以上のように、当該エアバッグ付ステアリングホイール装置100では、リブ152a、152b等およびスプリング設置領域151等によって、作業員に対して各ホーンスプリングの設置作業が正しい作業であるか否かを感覚的に報せることができる。これによって、フロントエアバッグ装置104上に径の異なる複数のホーンスプリングを組み付ける場合であっても、ホーンスプリングの誤った組付けを防止することが可能になっている。
【0052】
図8は本発明の第2の実施形態を例示する
図4(b)に対応する図である。
図8では、
図4(b)に例示したものと同様の要素については同一の参照符号を付して説明を省略し、
図4(b)と異なる点のみ説明する。
図8の第2の実施形態では、スプリング設置領域151の外周に沿った円弧形状のリブ152cを用いている。ピンポイントに設けられた
図4(b)のリブ152a、152bよりも円弧形状のリブ152cのほうが、第2ホーンスプリング142cのような大径のホーンスプリングが乗り上げやすいからである。
【0053】
図9は本発明の第3の実施形態を例示する
図7(a)に対応する模式図である。
図9では、模式的に、第2のホーンスプリング142cを長方形で示している。
図9は
図7(a)と同様に、スプリング設置領域151に設置不能な外径Φ2を有する第2ホーンスプリング142cが傾いた状態を例示している。ただし
図9では、
図7(a)のリブ152a、152bよりも長く、スプリング設置領域151との高低差Hが大きいリブ152d、152eを用いている。これにより、スプリング設置領域151と152eとにまたがって傾いて設置された第2ホーンスプリング142cは、第1ピン140bに点182にて干渉する。
【0054】
仮にスプリング設置領域151とリブなどの誤組付防止部との高低差が僅かしかない場合には、第2ホーンスプリング142cのような大径のホーンスプリングの傾きがわずかしか生じない。かかる場合、誤組付がなされたことに作業者が気付かず、無理やり大径の第2ホーンスプリング142cをスプリング設置領域151に組み付けてしまうおそれがある。しかし本実施形態のように、スプリング設置領域151とリブ152d、152eとの間に十分な高低差Hを設けることで、
図9のように大径の第2ホーンスプリング142cの傾きが顕著になって第1ピン140bに干渉するため、作業者は誤組付に確実に気付くこととなる。かかる高低差Hを設定するには、誤って組み付けられる可能性のある第2ホーンスプリング142cを予め想定し、その外径Φ2と長さLとを把握してリブ152d、152eを形成すればよい。
【0055】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、以上に述べた実施形態は、本発明の好ましい例であって、これ以外の実施態様も、各種の方法で実施または遂行できる。特に本願明細書中に限定される主旨の記載がない限り、この発明は、添付図面に示した詳細な部品の形状、大きさ、および構成配置等に制約されるものではない。また、本願明細書の中に用いられた表現および用語は、説明を目的としたもので、特に限定される主旨の記載がない限り、それに限定されるものではない。
【0056】
したがって、当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。