【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば上記目的は、
車両への衝撃を検出する衝撃検出部1と、
車両の外壁部に配置される解錠用操作部2と、
リクエスト信号に応答した電子キー3から送信される認証用IDに対する認証動作を行う認証部4と、
前記認証部4における認証成立を条件にドアを解錠状態に移行させるドア制御部5とを有し、
前記ドア制御部5は、車内の電子キー3を認証部4における認証対象から除外した認証動作によりドアの解錠状態への移行を判定する通常運用モードと、
前記衝撃検出部1における所定値を超える衝撃の検出を条件に移行し、移行後、前記解錠用操作部2への操作、および車内外いずれかの認証可能な電子キー3の存在を条件にドアを解錠状態に移行させる非常解錠モードとを有する車両のドア制御装置を提供することにより達成される。
【0008】
本発明において、ドア制御部5は通常運用モードと非常解錠モードとの2種類のモードを有しており、通常運用モードにおいては、車外の電子キー3のみを対象としてリクエスト信号が送信され、これに応答して電子キー3から送信された認証用IDに対する認証部4での認証成立を条件に解錠状態への移行が行われる。
【0009】
通常運用モードにおいて車内の電子キー3を認証対象としない本発明において、乗員の意思に反する外部から操作による解錠を確実に防止することが可能になる。
【0010】
上記リクエスト信号の送信は、車外に配置された解錠操作部への操作をトリガとして実行するように構成することができる。
【0011】
これに対し、所定の大きさを超える衝撃が車両に加えられると、ドア制御部5は非常解錠モードに移行し、車内外のいずれかに認証可能な電子キー3があり、かつ、解錠用操作部2が操作されることを条件にドアを解錠状態に移行させる。
【0012】
事故等が発生して車内に救助すべき運転者等がいる場合、電子キー3も車内にあると考えられるために、車外の第三者が解錠用操作部2を操作するだけでドアの施錠状態を解除してドアを開放し、運転者を救出することが可能になる。
【0013】
さらに、本発明において、衝撃負荷時の解錠用操作部2への操作による解錠動作は、車内外いずれかの電子キー3の存在を条件とするために、無人の車両に衝撃を与えてドアを解錠状態に移行させる手口による盗難を確実に防ぐことができる。
【0014】
なお、本発明において、ドアの解錠状態への移行とは、ドアの閉扉状態を保持するためにドアに設けられるラッチ部へのハンドル装置等によるラッチ解除操作を規制するためのロック状態の解除に加え、電動式ラッチ装置におけるラッチ部の解除動作をも含むものである。
【0015】
上記目的を達成するための本発明の他の態様として、
前記ドア制御部5は、非常解錠モードへの移行後、車内を通信領域とするリクエスト信号を送信して取得した認証用IDに対する認証部4での認証成立を室内での認証可能な電子キー3の存在条件充足とする車両のドア制御装置を構成することができる。
【0016】
車内に認証可能な電子キー3があるか否かの判定は、例えば、乗車時の車内交信エリア内での認証成立によりセットされ、車内へのキー閉じ込め防止機能をクリアした降車検出によりリセットするフラグを設定する等の適宜の手段を利用して行うことができる。
【0017】
これに対し、非常解錠モードへの移行後に改めて車内を通信エリアとするリクエスト信号を送信し、車内の電子キー3の存在を判定する本態様において、判定精度を高めることが可能になる。
【0018】
また、上記目的を達成するための本発明の他の態様として、
車両への衝撃を検出する衝撃検出部1と、
車両の外壁部に配置される解錠用操作部2と、
電子キー3へのリクエスト信号に応答して該電子キー3から送信される認証用IDに対する認証動作を行う認証部4と、
前記認証部4における認証成立を条件にドアを解錠状態に移行させるドア制御部5とを有し、
前記ドア制御部5は、電子キー3に対する認証動作によりドアの解錠状態への移行を判定する通常運用モードと、
前記衝撃検出部1における所定値を超える衝撃の検出を条件に移行し、移行後、車内乗員の存在、および前記解錠用操作部2への操作を条件にドアを解錠状態に移行させる非常解錠モードとを有する車両のドア制御装置を構成することができる。
【0019】
本態様において、非常時には車内乗員の検出を条件として解錠状態への移行が可能になるために、外部からの乗員の救出が可能になり、かつ、車両に衝撃力を与えてドアを不正に解錠することも防止できる。
【0020】
車内乗員の検出は、ヒトセンサ等の他に、座席ベルト非装着時警報装置の重量センサ等、種々の周知の手段を利用することができる。
【0021】
さらに、上記目的を達成するための本発明の他の態様として、
非常解錠モードを解消して通常運用モードへの復帰操作可能な車両のドア制御装置を構成した場合、暴行等を目的とする車内への侵入を確実に防止することが可能になる。
【0022】
乗員による解消操作は、車内に配置されたロックボタン等の操作により行うことが可能であるが、前記非常解錠モードの解消操作が電子キー3への操作により実行可能に構成することも可能であり、この場合、解消操作用の操作ボタンを新たに電子キー3に設定したり、あるいは通常のロックボタンを兼用することができる。