特許第6351108号(P6351108)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6351108
(24)【登録日】2018年6月15日
(45)【発行日】2018年7月4日
(54)【発明の名称】非空気圧タイヤ
(51)【国際特許分類】
   B60C 7/00 20060101AFI20180625BHJP
   B60B 9/26 20060101ALN20180625BHJP
【FI】
   B60C7/00 H
   !B60B9/26
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-255374(P2014-255374)
(22)【出願日】2014年12月17日
(65)【公開番号】特開2016-113099(P2016-113099A)
(43)【公開日】2016年6月23日
【審査請求日】2017年8月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003148
【氏名又は名称】東洋ゴム工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮本 健史
【審査官】 三宅 龍平
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−178308(JP,A)
【文献】 特開2009−196603(JP,A)
【文献】 特開2011−183894(JP,A)
【文献】 特開2008−037262(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60C 7/00 − 7/28
B60B 9/00 − 9/28
B60B 1/00 − 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に環状空洞部を有する内側環状部と、
前記内側環状部の外側に同心円状に設けられた外側環状部と、
前記内側環状部から前記外側環状部へ向かって延び、中空部を有する複数のスポークと、
前記スポークと前記外側環状部とに接続された伸縮性を有する袋体と、を備え、
前記環状空洞部と前記中空部と前記袋体内部とが連通しており、これらの内部に充填材が充填されていることを特徴とする非空気圧タイヤ。
【請求項2】
前記充填材は、低弾性体であることを特徴とする請求項1に記載の非空気圧タイヤ。
【請求項3】
前記袋体は、タイヤ周方向に複数に分割されており、複数の袋体が各スポークにそれぞれ接続されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の非空気圧タイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤ内腔に空気を充填した空気入りタイヤの代わりとして使用することができる非空気圧タイヤに関するものである。
【背景技術】
【0002】
空気入りタイヤは、荷重の支持機能、接地面からの衝撃吸収能、および動力等の伝達能(加速、停止、方向転換)を有し、このため、多くの車両、特に自転車、オートバイ、自動車、トラックに採用されている。
【0003】
特に、これらの能力は自動車、その他のモーター車両の発展に大きく貢献した。更に、空気入りタイヤの衝撃吸収能は、医療機器や電子機器の運搬用カート、その他の用途でも有用である。
【0004】
従来の非空気圧タイヤとしては、例えばソリッドタイヤ、スプリングタイヤ、クッションタイヤ等が存在するが、空気入りタイヤの優れた性能を有していない。例えば、中実ゴム構造のソリッドタイヤおよびクッションタイヤは、接地部分の圧縮によって荷重を支持するが、この種のタイヤは重くて、堅く、空気入りタイヤのような衝撃吸収能はない。そのため、ソリッドタイヤおよびクッションタイヤは、乗り心地性能が重視される乗用車用には採用されていなかった。
【0005】
下記特許文献1には、耐久性、乗り心地、ノイズ性能等を向上させる目的で、内側環状部と、その内側環状部の外側に同心円状に設けられた中間環状部と、その中間環状部の外側に同心円状に設けられた外側環状部と、前記内側環状部と前記中間環状部とを連結する複数の内側連結部と、前記外側環状部と前記中間環状部とを連結する複数の外側連結部とを備え、前記内側連結部の数よりも前記外側連結部の数が多いことを特徴とする非空気圧タイヤが記載されている。
【0006】
また、下記特許文献2には、回転に伴う接地圧変動を低減させる目的で、内側環状部と、その内側環状部の外側に同心円状に設けられた外側環状部と、前記内側環状部と前記外側環状部とを連結し周方向に各々が独立する複数の連結部とを有する支持構造体と、前記支持構造体の外側に設けられ、タイヤ軸方向に偏平なドーナツ形状をなす外皮部と、その外皮部の内方にて空気を充填可能に形成された中空部とを有する空気嚢と、を備える非空気圧タイヤが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−126070号公報
【特許文献2】特開2011−178308号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1及び2に記載の非空気圧タイヤは、主に接地側のスポーク(連結部)のみで荷重を支持するため、スポークへの負担が大きくなり、耐久性や乗り心地が不十分であることが分かった。
【0009】
そこで、本発明の目的は、耐久性及び乗り心地を向上できる非空気圧タイヤを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的は、下記の如き本発明により達成できる。
即ち、本発明の非空気圧タイヤは、内部に環状空洞部を有する内側環状部と、前記内側環状部の外側に同心円状に設けられた外側環状部と、前記内側環状部から前記外側環状部へ向かって延び、中空部を有する複数のスポークと、前記スポークと前記外側環状部とに接続された伸縮性を有する袋体と、を備え、前記環状空洞部と前記中空部と前記袋体内部とが連通しており、これらの内部に充填材が充填されていることを特徴とする。
【0011】
本発明の非空気圧タイヤは、内側環状部と、その内側環状部の外側に同心円状に設けられた外側環状部と、内側環状部から外側環状部へ向かって延びる複数のスポークと、スポークと外側環状部に接続された伸縮性を有する袋体と、を備えている。そして、内側環状部に設けられている環状空洞部と、スポークに設けられている中空部と、袋体内部とが連通し、これらの内部に充填材が充填されている。これにより、タイヤの接地側に荷重が負荷されると、伸縮性を有する袋体が圧縮されて、袋体内部の充填材が、スポークの中空部と内側環状部の環状空洞部とを介して接地側と反対側の袋体内部に移動し、タイヤを上方へ引っ張り上げる力を発生させる。その結果、接地側のスポークへの負担を減らして、耐久性及び乗り心地を向上できる。
【0012】
本発明にかかる非空気圧タイヤにおいて、充填材は、低弾性体であることが好ましい。
【0013】
充填材が低弾性体であれば、接地側の充填材が接地側と反対側の袋体にスムーズに移動できるため、タイヤを上方に引っ張り上げる力を効果的に発生させることができる。
【0014】
本発明にかかる非空気圧タイヤにおいて、前記袋体は、タイヤ周方向に複数に分割されており、複数の袋体が各スポークにそれぞれ接続されていてもよい。
【0015】
この構成によれば、個々の袋体に不具合が生じた場合でも問題なく走行可能である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の非空気圧タイヤの一例を示す正面図
図2図1の非空気圧タイヤの部分拡大図
図3A図2の非空気圧タイヤのA−A断面図
図3B図2の非空気圧タイヤのB−B断面図
図4】他の実施形態に係る非空気圧タイヤの正面図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、非空気圧タイヤの一例を示す正面図である。図2は、図1の非空気圧タイヤの一部を拡大した図である。また、図3Aは、図2の非空気圧タイヤのA−A断面図、図3Bは、図2の非空気圧タイヤのB−B断面図である。ここで、Oはタイヤ軸を、Hはタイヤ断面高さを、それぞれ示している。
【0018】
本発明の非空気圧タイヤTは、内側環状部1と、内側環状部1の外側に同心円状に設けられた外側環状部2と、内側環状部1から外側環状部2へ向かって延びる複数のスポーク3と、スポーク3と外側環状部2とに接続された伸縮性を有する袋体4と、を備えている。
【0019】
本実施形態では、図1に示すように、外側環状部2の外側に、外側環状部2を補強する補強層5が設けられている例を示す。また、本実施形態では、図1に示すように、補強層5の更に外側にトレッドゴム6が設けられている例を示す。補強層5、トレッドゴム6としては、従来の空気入りタイヤのベルト層、トレッドゴムと同様のものを設けることが可能である。また、トレッドパターンとして、従来の空気入りタイヤと同様のパターンを設けることが可能である。
【0020】
内側環状部1は、ユニフォミティを向上させる観点から、厚みが一定の円筒形状であることが好ましい。内側環状部1は、内部にタイヤ周方向CDに連続して形成された環状空洞部11を有する。本実施形態の環状空洞部11は、厚みが一定の円筒形状に形成されている。また、内側環状部1の内周面には、車軸やリムとの装着のために、嵌合性を保持するための凹凸等を設けるのが好ましい。
【0021】
内側環状部1のタイヤ径方向の厚みは、スポーク3及び袋体4に力を十分伝達しつつ、軽量化や耐久性の向上を図る観点から、タイヤ断面高さHの1〜20%が好ましく、2〜10%がより好ましい。
【0022】
内側環状部1の内径は、非空気圧タイヤTを装着するリムや車軸の寸法などに併せて適宜決定される。ただし、一般の空気入りタイヤの代替を想定した場合、250〜500mmが好ましく、330〜440mmがより好ましい。
【0023】
内側環状部1のタイヤ軸方向の幅は、用途、車軸の長さ等に応じて適宜決定されるが、一般の空気入りタイヤの代替を想定した場合、100〜300mmが好ましく、130〜250mmがより好ましい。
【0024】
内側環状部1の引張モジュラスは、スポーク3及び袋体4に力を十分伝達しつつ、軽量化や耐久性の向上、装着性を図る観点から、5〜180000MPaが好ましく、7〜50000MPaがより好ましい。なお、本発明における引張モジュラスは、JIS K7312に準じて引張試験を行い、10%伸び時の引張応力から算出した値である。
【0025】
外側環状部2は、ユニフォミティを向上させる観点から、厚みが一定の円筒形状であることが好ましい。外側環状部2のタイヤ径方向の厚みは、スポーク3及び袋体4に力を十分伝達しつつ、軽量化や耐久性の向上を図る観点から、タイヤ断面高さHの1〜20%が好ましく、2〜10%がより好ましい。
【0026】
外側環状部2の内径は、その用途等応じて適宜決定される。ただし、一般の空気入りタイヤの代替を想定した場合、420〜750mmが好ましく、480〜680mmがより好ましい。
【0027】
外側環状部2のタイヤ軸方向の幅は、用途等に応じて適宜決定されるが、一般の空気入りタイヤの代替を想定した場合、100〜300mmが好ましく、130〜250mmがより好ましい。
【0028】
外側環状部2の引張モジュラスは、図1に示すように外側環状部2の外周に補強層5が設けられている場合には、内側環状部1と同程度に設定できる。このような補強層5を設けない場合には、スポーク3及び袋体4に力を十分伝達しつつ、軽量化や耐久性の向上を図る観点から、5〜180000MPaが好ましく、7〜50000MPaがより好ましい。
【0029】
スポーク3は、内側環状部1と外側環状部2とを袋体4を介して連結するものであり、両者の間に適当な間隔を置いて、タイヤ周方向CDに各々が独立するように複数設けられる。
【0030】
スポーク3は、内側環状部1から外側環状部2へ向かって延び、袋体4に接続されている。スポーク3は、タイヤ径方向に延びる板状をしている。また、スポーク3は、タイヤ幅方向WDに延びている。本実施形態のスポーク3は、タイヤ幅方向WDの一方のタイヤ端から他方のタイヤ端まで連続して形成されている。
【0031】
スポーク3は、タイヤ径方向に延びる中空部31を有している。本実施形態の中空部31は、タイヤ幅方向にも延びており、板状に形成されている。
【0032】
タイヤ全体のスポーク3の数としては、車両からの荷重を十分支持しつつ、軽量化、動力伝達の向上、耐久性の向上を図る観点から、10〜80個が好ましく、40〜60個がより好ましい。
【0033】
スポーク3のタイヤ周方向CDの厚みは、内側環状部1および外側環状部2からの力を十分伝達しつつ、軽量化や耐久性の向上を図る観点から、タイヤ断面高さHの1〜30%が好ましく、1〜20%がより好ましい。また、スポーク3のタイヤ周方向CDの厚みは、耐久性を確保するため、2mm以上が好ましい。
【0034】
スポーク3のタイヤ軸方向の幅は、用途等に応じて適宜決定されるが、一般の空気入りタイヤの代替を想定した場合、100〜300mmが好ましく、130〜250mmがより好ましい。
【0035】
スポーク3の引張モジュラスは、内側環状部1からの力を十分伝達しつつ、軽量化や耐久性の向上、横剛性の向上を図る観点から、5〜50MPaが好ましく、7〜20MPaがより好ましい。
【0036】
袋体4は、タイヤ径方向内側でスポーク3に接続され、タイヤ径方向外側で外側環状部2に接続されている。袋体4は、外皮部40と、その外皮部40の内方にて充填材を充填可能に形成された袋体内部41とで構成されている。外皮部40は、伸縮性を有する材料で形成されており、袋体4は伸縮性を有している。伸縮性を有する材料としては、ゴムや樹脂などが例示される。
【0037】
本実施形態の袋体4は、両端が閉塞された円筒状に形成されている。外皮部40の厚みは、軽量化や耐久性の向上を図る観点から、0.01〜4mmが好ましく、0.1〜2mmがより好ましい。また、袋体4のタイヤ軸方向の幅は、トレッド幅−30mm〜トレッド幅同等が好ましく、トレッド幅同等が最も好ましい。また、袋体4のタイヤ周方向CDの幅は、5〜100mmが好ましく、10〜30mmがより好ましい。
【0038】
環状空洞部11と中空部31と袋体内部41とは、連通している。これら環状空洞部11、中空部31、袋体内部41の内部には、充填材が充填されており、充填材は、これらの内部を移動可能である。環状空洞部11、中空部31、袋体内部41の内部は、充填材で完全に満たされているのが好ましい。
【0039】
本発明によれば、タイヤの接地側に荷重が負荷されると、伸縮性を有する袋体4が圧縮されて、袋体内部41の充填材がスポーク3の中空部31と内側環状部1の環状空洞部11とを介して接地側と反対側の袋体4の袋体内部41に移動する。これにより、接地側と反対側の袋体4が膨らんで外側環状部2を外側に押すような力が生じ、タイヤを上方へ引っ張り上げる力を発生させる。その結果、接地側のスポークへの負担を減らして、耐久性及び乗り心地を向上できる。
【0040】
充填材としては、低弾性体を用いることが好ましい。ここで、低弾性体とは、粘度が0〜1500Pa・sのものをいう。粘度は、JIS Z8803に準じて測定した値である。低弾性体としては、気体、液体、ジェル状物質等が挙げられる。気体としては、空気、窒素、ヘリウムなどが例示されるが、気圧保持性の観点から、窒素が好ましい。液体としては、水、エチレングリコール、グリセリン、エタノール、油などが例示されるが、安全性の観点から、水が好ましい。また、ジェル状物質としては、パンクシール剤、オイル、吸水性ポリマーなどが例示されるが、耐久性や弾性性能の観点から、パンクシール剤が好ましい。
【0041】
内側環状部1、外側環状部2、スポーク3、及び袋体4は、弾性材料で成形される。本発明における弾性材料とは、JIS K7312に準じて引張試験を行い、10%伸び時の引張応力から算出した引張モジュラスが、100MPa以下のものを指す。本発明の弾性材料としては、十分な耐久性を得ながら、適度な剛性を付与する観点から、好ましくは引張モジュラスが5〜100MPaであり、より好ましくは7〜50MPaである。母材として用いられる弾性材料としては、熱可塑性エラストマー、架橋ゴム、その他の樹脂が挙げられる。
【0042】
熱可塑性エラストマーとしては、ポリエステルエラストマー、ポリオレフィンエラストマー、ポリアミドエラストマー、ポリスチレンエラストマー、ポリ塩化ビニルエラストマー、ポリウレタンエラストマー等が例示される。架橋ゴム材料を構成するゴム材料としては、天然ゴムの他、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IIR)、ニトリルゴム(NBR)、水素添加ニトリルゴム(水添NBR)、クロロプレンゴム(CR)、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、フッ素ゴム、シリコンゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム等の合成ゴムが例示される。これらのゴム材料は必要に応じて2種以上を併用してもよい。
【0043】
その他の樹脂としては、熱可塑性樹脂、又は熱硬化性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などが挙げられ、熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコン樹脂、ポリイミド樹脂、メラミン樹脂などが挙げられる。
【0044】
上記の弾性材料のうち、成形・加工性やコストの観点から、好ましくは、ポリウレタン樹脂が用いられる。なお、弾性材料としては、発泡材料を使用してもよく、上記の熱可塑性エラストマー、架橋ゴム、その他の樹脂を発泡させたもの使用可能である。
【0045】
内側環状部1、外側環状部2、スポーク3、及び袋体4は、補強繊維により補強されていることが好ましい。例えば、外側環状部2を補強繊維により補強することで、外側環状部2とベルト層などとの接着も十分となる。
【0046】
補強繊維としては、長繊維、短繊維、織布、不織布などの補強繊維が挙げられるが、長繊維を使用する形態として、タイヤ軸方向に配列される繊維とタイヤ周方向に配列される繊維とから構成されるネット状繊維集合体を使用するのが好ましい。
【0047】
補強繊維の種類としては、例えば、レーヨンコード、ナイロン−6,6等のポリアミドコード、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルコード、アラミドコード、ガラス繊維コード、カーボンファイバー、スチールコード等が挙げられる。
【0048】
本発明では、補強繊維を用いる補強の他、粒状フィラーによる補強や、金属リング等による補強を行うことが可能である。粒状フィラーとしては、カーボンブラック、シリカ、アルミナ等のセラミックス、その他の無機フィラーなどが挙げられる。
【0049】
[他の実施形態]
(1)前述の実施形態では、袋体4が、タイヤ周方向CDに複数に分割されており、複数の袋体4が各スポーク3にそれぞれ接続されている例を示したが、袋体4の配置はこれに限定されない。複数のスポーク3を1つの袋体4に接続するようにしてもよい。また、袋体4は、図4に示すように、タイヤ周方向CDに連続して、全体として円環状にしてもよい。この場合、袋体4の内部には、円環状の袋体内部41が形成されている。この構成によれば、袋体内部41の容積が大きく、充填材の量も多くなるため、タイヤを上方へ引っ張り上げる力を大きくできる。
【0050】
(2)前述の実施形態では、袋体4が、両端が閉塞された円筒状に形成されているが、袋体4の形状はこれに限定されず、両端が閉塞された角筒状等でもよい。
【0051】
(3)前述の実施形態では、袋体4が、タイヤ幅方向WDに1つだけ設けられているが、タイヤ幅方向WDに複数設けられてもよい。この場合、スポーク3もタイヤ幅方向WDに複数設けられ、袋体4が各スポーク3にそれぞれ接続される。
【0052】
(4)本発明の他の実施形態として、内部に環状空洞部を有する内側環状部と、前記内側環状部の外側に同心円状に設けられた中間環状部と、前記中間環状部の外側に同心円状に設けられた外側環状部と、前記内側環状部から前記中間環状部まで延び、中空部を有する内側スポークと、前記中間環状部から前記外側環状部へ向かって延び、中空部を有する複数の外側スポークと、前記外側スポークと前記外側環状部とに接続された伸縮性を有する袋体と、を備え、前記環状空洞部と前記内側スポーク及び外側スポークの中空部と前記袋体内部とが連通しており、これらの内部に充填材が充填されているものでもよい。
【実施例】
【0053】
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明する。なお、実施例等における評価項目は下記のようにして測定を行った。
【0054】
耐久性
直径1.7mmのドラムを備えた室内ドラム試験機を使用し、試験速度を80km/hとし、タイヤ負荷荷重をJIS規定の85%から始め、規定時間ごとに荷重を上げていき、最終的に140%で走行させた。故障が生じるまでの走行距離を測定し、比較例1を100としたときの指数で示し、この値が大きいほど耐久性が優れる。
【0055】
乗り心地
2名乗車でテストコースにおける乗り心地について総合的に官能評価した。比較例1を100としたときの指数で示し、この値が大きいほど乗り心地が優れる。
【0056】
実施例1
図1に示すような内部に環状空洞部を有する内側環状部と、内側環状部の外側に同心円状に設けられた外側環状部と、内側環状部から外側環状部へ向かって延び、中空部を有する複数のスポークと、スポークと外側環状部とに接続された伸縮性を有する袋体と、を備え、環状空洞部と中空部と袋体内部とが連通しており、これらの内部に充填材が充填されているものを実施例1とした。評価結果を表1に示す。
【0057】
実施例2
図4に示すような内部に環状空洞部を有する内側環状部と、内側環状部の外側に同心円状に設けられた外側環状部と、内側環状部から外側環状部へ向かって延び、中空部を有する複数のスポークと、スポークと外側環状部とに接続された伸縮性を有する袋体と、を備え、環状空洞部と中空部と袋体内部とが連通しており、これらの内部に充填材が充填されているものを実施例2とした。評価結果を表1に示す。
【0058】
比較例1
内側環状部と、その内側環状部の外側に同心円状に設けられた中間環状部と、その中間環状部の外側に同心円状に設けられた外側環状部と、内側環状部と中間環状部とを連結する複数の内側連結部と、外側環状部と中間環状部とを連結する複数の外側連結部とを備え、内側連結部の数よりも外側連結部の数が多くしたもの(特許文献1に記載の発明)を比較例1とした。より具体的には、外側連結部の数を内側連結部の数の2倍とした。評価結果を表1に示す。
【0059】
【表1】
【0060】
表1の結果から以下のことが分かる。実施例1及び2の非空気圧タイヤは、比較例1と比較して、耐久性及び乗り心地を向上できた。
【符号の説明】
【0061】
1 内側環状部
2 外側環状部
3 スポーク
4 袋体
11 環状空洞部
31 中空部
41 袋体内部
T 非空気圧タイヤ
図1
図2
図3A
図3B
図4