(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
<第1の実施形態>
以下、本発明の第1の実施形態に係るバス運行管理システムの一例について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るバス運行管理システムの一例を示す概略図である。
図1に示すように、本発明の第1の実施形態に係るバス運行管理システムは、車載器100と、通知部200と、運行管理装置600と、を備える。本実施形態において、車載器100と、通知部200とは、車両1aに搭載されており、運行管理装置600は、車両1aの外部に設置されている。なお、本発明はこれに限られず、運行管理装置600が車両1aに搭載されていてもよい。また、
図1には図示を省略するが、車両1b、1c・・・は、車両1aと同一の機能構成を有している。
本実施形態において、車両1a、1b、1c・・・は、例えばバス車両であって、大学や工場等の敷地内を循環する循環バスである。ただし、本発明はこれに限らず、車両は、自家用乗用車やタクシー、トラック、列車、モノレール等であってもよい。
また、車両1a、1b、1c・・・は、環状の走行経路を循環する車両にも限られず、環状でない走行経路を走行する車両であってもよい。
【0019】
車載器100は、複数の車両1a、1b・・・のそれぞれに搭載され、車両1a、1b・・・それぞれの位置情報を含む走行情報を取得可能な装置である。
通知部200は、例えばディスプレイモニタやスピーカー等であって、運行管理装置600から受信する車両1a、1b・・・それぞれの運転手に対して発せられる運行指示の内容を通知する。
運行管理装置600は、複数の車両1a、1b・・・の位置情報を含む走行情報を取得して、車両1a、1b・・・の運行を管理する。具体的には、運行管理装置600は、複数の車両1a、1b・・・についての相対的な運行状態を評価する機能を有している。運行管理装置600の詳細な機能構成については後述する。
【0020】
図2は、本発明の第1の実施形態に係る車載器の各構成の構成例を示すブロック図である。
図2に示すように、車載器100は、衛星信号受信部101と、位置検出部102と、記憶部103と、走行状態検出部104と、走行状態検出センサー105と、通信部106とを備える。
衛星信号受信部101は、全地球的航法衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)により、衛星から発信された信号を受信して、測位情報を出力する。
位置検出部102は、衛星信号受信部101から出力された測位情報と、予め取得した地図情報とに基づいて、車載器100(車両1a、1b・・・)の現在位置(以下、車両位置ともいう)を特定する。この位置検出部102は、例えば、マップマッチングの技術を用いて、予め記憶部103に記憶された地図上における自車両の車両位置を特定する。また、位置検出部102は、特定された車両位置を示す位置情報を、通信部106を介して運行管理装置600へと送信する。
走行状態検出センサー105は、加速度センサーと角速度センサー等を含み、位置情報以外の走行情報として、検出した速度、加速度、角速度を示す情報を、走行状態検出部104に出力する。
走行状態検出部104は、走行状態検出センサー105が検出した速度、加速度、角速度を示す走行情報を、通信部106を介して運行管理装置600(
図1)に送信する。
通信部106は、ネットワークを介して運行管理装置600と接続されている。この通信部106は、自車両の走行情報(位置情報、速度情報等)を運行管理装置600へ送信する。なお通信部106は、車両1a、1b・・・が走行する走行経路の路側に設けられた路側機(図示せず)と近距離通信を行う通信部であってもよい。この場合、通信部106は、路側機(図示せず)を介して広域ネットワークと接続された運行管理装置600へ走行情報を送信する。
【0021】
図3は、本発明の第1の実施形態に係る運行管理装置の各構成の構成例を示すブロック図である。
図3に示すように、運行管理装置600は、車両間隔演算部601と、評価部602と、運行指示出力部603と、記憶部604と、走行情報取得部605とを備える。
走行情報取得部605は、ネットワークを介して、車両1a、1b・・・それぞれに搭載された車載器100および通知部200と接続されている。そして走行情報取得部605は、複数の車両1a、1b・・・それぞれが搭載する車載器100から受信する位置情報を受信する。
車両間隔演算部601は、走行情報取得部605が受信した複数の位置情報と、予め記憶部604に記憶された地図情報に基づいて、複数の車両1a、1b・・・のそれぞれと隣り合う他の車両との車両間隔Lを算出する。車両間隔演算部601の処理の詳細については、
図4を用いて後に説明する。
【0022】
評価部602は、車両間隔演算部601が算出した車両間隔Lに基づいて、複数の車両1a、1b・・・についての相対的な運行状態を評価する。具体的には、評価部602は、所定の評価基準値を設定する評価基準設定部602aを備えている。評価部602は、評価基準設定部602aが予め設定した評価基準値である車両間隔下限値Lth1、車両間隔上限値Lth2を参照しながら、隣り合う他の車両との車両間隔Lが適切な車両間隔に維持されているか否かを判定する。そして評価部602は、その判定結果に基づいて、評価テーブル602bを用いながら、該当する車両1a、1b・・・の運転手を評価する処理を行う。例えば、評価部602は、車両1aと車両1bとの車両間隔Labが、評価基準設定部602aが予め設定した車両間隔下限値Lth1を下回った場合、若しくは、車両間隔上限値Lth2を上回った場合に、評価テーブル602bにおいて記録されている車両1a、車両1bそれぞれの運転手に対する評価点を減点する処理を行う。
【0023】
運行指示出力部603は、評価部602の評価結果に基づいて、複数の車両1a、1b・・・のそれぞれに対しその運行を指示する運行指示情報を生成し、各車両1a、1b・・・に送信する。具体的には、運行指示出力部603は、評価部602の評価結果が入力されると、該当する運転手についての評価が是正されるような運行指示情報を生成し、ネットワークを介して車両1a、1b・・・それぞれの通知部200(
図1)に送信する。この場合、通知部200は、受信した運行指示情報に基づく運行指示の内容を運転手に通知する。例えば、評価部602が、車両間隔Labが車両間隔下限値Lth1を下回ったと判定した場合に、運行指示出力部603は、先行する車両1aの通知部200に対し、走行速度を低下させる旨の運行指示を送信するとともに、後続の車両1bの通知部200に対しては、走行速度を上昇させる旨の運行指示を送信する。
【0024】
図4は、本発明の第1の実施形態に係る車両間隔演算部の処理を説明する図である。
図4に示すように、車両間隔演算部601は、車載器100から受信した車両1a、1b・・・それぞれの位置情報と、記憶部604に記憶された地図情報とに基づいて、走行経路Q上における車両1a、1b・・・の走行位置P1a、P1b・・・を特定する。そして、車両間隔演算部601は、走行位置P1a、P1b・・・に基づいて、隣り合う他の車両との車両間隔Lを算出する。例えば、車両間隔演算部601は、走行位置P1a、P1bを参照して、車両間隔Labを算出する。
なお、車両間隔演算部601は、例えば、車両間隔Labを算出するにあたり、走行経路Qにおける走行位置P1a、P1b間の道のりを車両間隔Labとして算出する。
【0025】
図5は、本発明の第1の実施形態に係る評価部の処理を説明する図である。
評価部602は、その内部に評価テーブル602bを有している。
図5に示すように、評価テーブル602bは、車両1a、1b・・・と、評価点とを関連付けて記憶する情報テーブルである。
評価部602は、上述したように、車両1a、1b・・・それぞれの相対的な運行状態を評価する。具体的には、評価部602は、車両1aと車両1bとの車両間隔Labが、車両間隔下限値Lth1を下回った場合等において、車両1aおよび車両1bの運行状態が好ましくないものと判定し、評価テーブル602bに記録されている車両1a、車両1bの評価点を減ずる処理を行う(
図5)。
なお、評価部602が行う運転手の評価の方法については上述の方法に限定されない。例えば、評価部602は、上述のような減点方式ではなく、所望する運行がなされている場合に加点する加点方式により運転手の評価を行ってもよい。
【0026】
図6は、本発明の第1の実施形態に係る運転指示出力部の処理を説明する図である。
運行指示出力部603は、上述したように、評価部602の評価結果に基づいて、車両1a、1b・・・のそれぞれに対しその運行を指示する運行指示情報を生成し、出力する。
運行指示出力部603は、例えば、評価部602において、車両1aと車両1bとの車両間隔Labが、車両間隔下限値Lth1を下回ったと判定された場合、その評価結果を参照して、「速度を上げろ」という運行指示情報を生成し、これを、先行する車両1aの通知部200(この例では、ディスプレイモニタ)に送信する。車両1aの通知部200は、この運行指示情報を受信すると、「速度を上げろ」という運行指示を表示して運転手に通知する。一方、運行指示出力部603は、上記処理と同時に、「速度を落とせ」という運行指示情報を生成し、後続の車両1bの通知部200に送信する。車両1bの通知部200は、この運行指示情報を受信して、「速度を落とせ」という運行指示を表示して運転手に通知する。
これにより、車両1aの運転手は、運行指示に従い、車両1aを加速させ、また、車両1bの運転手は、運行指示に従い、車両1bを減速させる。そうすると、車両1aと車両1bとの車両間隔Labが車両間隔下限値Lth1を下回った状態から適切な車両間隔へと回復し、車両間隔が狭まっていた運行状態が是正される。
なお、運行指示出力部603は、単に「速度を上げろ」、「速度を落とせ」という指示だけでなく、その指示の理由、運行状況等を示す情報を同時に送信してもよい。例えば、運行指示出力部603は、「前方車両との車両間隔が広がっている(狭まっている)ので、速度を上げろ(落とせ)」等と、運行指示情報を送信するようにしてもよい。
【0027】
図7は、本発明の第1の実施形態に係る運行管理装置の処理フローを示す図である。
以下、上述した機能構成を有する運行管理装置600の処理フローを、
図7を参照しながら順を追って説明する。
まず、車両間隔演算部601は、ネットワークを介して、車両1aおよび車両1bに搭載された車載器100から位置情報を受信する(ステップST101)。
次に、車両間隔演算部601は、記憶部604(
図3)に予め記憶された地図情報に基づいて、走行経路Q上における車両1a、1bの走行位置P1a、P1b(
図4)を特定する(ステップST102)。
次に、車両間隔演算部601は、特定した走行位置P1a、P1bに基づいて、車両1aと車両1bとの車両間隔Labを算出する(ステップST103)。
【0028】
評価部602は、車両間隔演算部601が算出した車両間隔Labが、評価基準設定部602aにより予め設定された車両間隔下限値Lth1と車両間隔上限値Lth2の範囲内にあるか否かを判定する処理を行う(ステップST104)。
車両間隔Labが、車両間隔下限値Lth1および車両間隔上限値Lth2の範囲内にある場合(ステップST104:YES)、評価部602は、減点処理を行うことなく処理を終了する。
一方、車両間隔Labが、車両間隔下限値Lth1および車両間隔上限値Lth2の範囲内にない場合(ステップST104:NO)は、評価部602は、評価テーブル602b(
図5)において、車両間隔が上記範囲内にない車両1a、1bを対象として、評価点を減点する処理を行う(ステップST105、
図5参照)。
【0029】
運行指示出力部603は、ステップST104における評価部602の判定結果に基づいて、減点の対象となった車両1a、1bに対し、運行状態を是正するための運行の指示を示す運行指示情報を送信する(ステップST106)。そうすると、受信した車両1a、1bの運転手がこの運行指示に従って運行し、減点の対象となっていた運行状態が是正される。
【0030】
運行管理装置600は、以上のフローチャートを他の車両1b、1c、1d・・・についての車両間隔Lbc、Lcd・・・について繰り返し、当該他の車両1b、1c、1d・・・それぞれについての評価を行う。
また、運行管理装置600は、全車両1a、1b・・・それぞれについての評価の処理フローをさらに一定周期で繰り返して、減点点数を積算していく。これにより、運行管理装置600は、運転手による運行を総合的に評価することができる。
【0031】
以上、本発明の第1の実施形態に係るバス運行管理システムは、複数のバス車両の走行情報に基づいて、当該複数の車両についての相対的な運行状態を評価することができる。これにより、バス車両による輸送サービスの運用者は、適切な輸送サービスが提供されているか否かという観点から、運転手を正確に評価することができる。
また、本実施形態に係るバス運行管理システムは、一部の車両における車両間隔が狭まるなど、適切でない運行状態となった場合には、対象となる車両の運転手に、直ちに運行の指示を与える。したがって、適切でない運行状態から早急に回復することができる。
【0032】
なお、評価部602は、適切な車両間隔から逸脱したと判定した場合(ステップST104:NO、
図5)において、直ちに減点処理(ステップST105、
図5)を実行しないようにしてもよい。具体的には、評価部602は、適切な車両間隔から逸脱したと判定した場合に、その時点から一定時間経過後、または次のバス停到着時等において、その状態が改善されていないことを判定して初めて減点処理を行うようにしてもよい。
また、この場合において、運行指示出力部603は、評価部602が、適切な車両間隔から逸脱したと判定したものの、未だ減点には至っていないことを示す表示(例えば「注意」等)を表示させてもよい。運行指示出力部603は、適切な車両間隔から逸脱した状態が一定時間継続した結果、評価部602が減点処理を行った場合には、そのことを示す表示(例えば「警告」等)を、通知部200に表示させるようにしてもよい。
一方、運行指示出力部603は、一定時間継続して上記「注意」または「警告」等の表示がない場合に、その運転手の運行を褒める旨を示す表示(例えば、「優良」等)を表示させるようにしてもよい。
【0033】
<第1の実施形態の変形例>
本発明の第1の実施形態に係るバス運行管理システムは、以下のように変形可能である。
【0034】
変形例に係る評価部602は、例えば、車両1a、1b・・・に対する評価(減点処理)を行う上で、評価項目の優先順位に基づいて評価を行ってもよい。
具体的には、当該変形例に係る評価部602は、さらに、運行状態についての評価項目の優先順位を規定する優先順位規定部を有している。
例えば、この優先順位規定部が、後方の車両との車両間隔よりも前方との車両間隔のほうを優先して評価する旨を規定していたとする。この場合、
図4に示す例において、車両1a、1b、1cのそれぞれの走行位置P1a、P1b、P1cの全てが近接した場合、車両間隔Labと車両間隔Lbcが共に車両間隔下限値Lth1を下回る場合が想定される。この場合、評価部602は、上記優先順位規定部が定める優先順位に従って、車両1bに対し、前方の車両1aとの車両間隔Labが車両間隔下限値Lth1を下回ったことのみを減点の対象とし、同時に後続の車両1cとの車両間隔Lbcが車両間隔下限値Lth1を下回ったことを評価項目に含めないようにする。
このようにすることで、評価部602は、中間に位置する車両1bの運転手が二重に減点されることを防止でき、運転手の運行を正しく評価することができる。
なお、この場合において、運行指示出力部603は、評価部602が採用する評価項目の優先順位に従い、車両1bの運転手に対して、相反する運行指示(例えば、「速度を上げろ」という指示と「速度を落とせ」という指示)を同時に送信しないようにする。
【0035】
また、第1の実施形態の別の変形例に係る評価部602は、さらに、評価(減点処理)対象とする車両を特定する評価対象特定部を有していてもよい。この変形例に係る評価対象特定部は、前方の車両との車両間隔と、後方の車両との車両間隔と、の両方を参照して、評価対象とする車両1a、1b・・・を特定する。
例えば、車両1bとその前方を走行する車両1aとの車両間隔Labが広がると同時に、その後方を走行する車両1cとの車両間隔Lbcが狭まった場合、評価対象特定部は、車両1bの走行速度が低下したものと判断し、車両1bのみを評価対象と特定する。
また、車両1bと車両1aとの車両間隔Labが狭まると同時に、車両1cとの車両間隔Lbcが広がった場合には、評価対象特定部は、車両1bの走行速度が上昇したものと判断し、同様に、車両1bのみを評価対象と特定する。
【0036】
一方、車両1bと車両1aとの車両間隔Labは適正のまま、車両1cとの車両間隔Lbcが広がった場合、若しくは狭まった場合には、車両1cが減速若しくは加速したもの判断して、車両1cのみを評価対象と特定する。
同様に、車両1bと車両1cとの車両間隔Lbcは適正のまま、車両1aとの車両間隔Labが広がった場合、若しくは狭まった場合は、車両1aが減速若しくは加速したもの判断して、車両1aのみを評価対象と特定する。
このようにすれば、評価部602は、前方または後方の他の車両との車両間隔を適正に保ちながら運転する運転手を減点の対象としないので、運転手の評価に実際の過失の度合いを反映させることができる。
【0037】
また、上述の変形例に係る評価対象特定部は、走行状態検出部104から車両1a、1b・・・それぞれについての走行情報である速度情報・加速度情報を取得し、これに基づいて評価対象を特定してもよい。具体的には、評価部602が、車両1aと車両1bとの車両間隔Labが車両間隔下限値Lth1を下回ったと判定した場合において、上記評価対象特定部は、車両1a、車両1bそれぞれの速度情報を参照する。そして、各車両1a、1bそれぞれの速度va、vbのうちいずれか一方が、予め規定された適正速度vrefを大幅に上回るか、または下回る場合において、その車両のみを評価対象(減点の対象)とする。
このようにすることで、評価部602は、適正速度vrefを大きく外れて運転する運転手のみを減点する評価を行うので、運転手の評価に実際の過失の度合いを一層反映させることができる。
【0038】
第1の実施形態のさらに別の変形例に係る評価部602は、走行経路Q(
図4)の地点ごとに定められた経路情報と、その地点における走行情報と、に基づいて、車両1a、1b・・・の運行状態を評価してもよい。
具体的に説明すると、記憶部604に記憶された地図情報には、さらに、走行経路Qの地点ごとの“交差点の位置”、“カーブの曲率”、“道路の幅員”、“踏切やハンプの位置”等の詳細な経路情報が記憶されている。
一方、評価部602は、各車両1a、1b・・・の位置情報を参照し、その位置における経路情報を取得するとともに、その経路情報ごとに規定される適正走行情報(適正速度情報、適正加速度情報、適正角速度情報)を取得する適正走行情報取得部を備える。そして評価部602は、走行状態検出部104から現在の走行情報(速度情報、加速度情報、角速度情報)を取得し、これと上記適正走行情報とに基づいて、車両1a、1b・・・の運行状態を評価する。
【0039】
例えば、ある車両(車両1a)が走行経路Qのある地点におけるカーブ区間を走行中の場合、上記適正走行情報取得部は、その地点における“カーブの曲率”から規定される適正な角速度を示す適正角速度情報を取得する。そして、評価部602は、走行時に走行状態検出部104が取得した角速度情報と、上記適正走行情報取得部が取得した適正角速度情報を参照し、カーブ区間を走行中の車両1aの角速度が、そのカーブの曲率から規定される適正な角速度を上回っていた場合に、その運行が適切でないとして、運転手の評価を減ずる処理を行う。同様に、評価部602は、車両1aのハンプ走行中の速度が、ハンプ走行時に規定される適正な速度を上回っていた場合に、車両1aの運転手の評価点を減ずる処理を行う。
このようにすることで、評価部602は、走行経路の地点ごと(交差点、踏切、ハンプ等)に規定された適正な運行状態に基づいて運転手を評価するので、運転手の運転マナーを詳細かつ精度よく評価することができる。
また、この変形例に係る評価部602は、さらに、上述した評価対象特定部を備えており、車両間隔が適正な車両間隔から外れた場合であっても、その際に走行中の経路の状況によっては評価対象(減点の対象)としないようにしてもよい。例えば、車両1bが狭隘道路やハンプが配置された箇所を走行中のためやむを得ず速度を減速させた結果、車両1aとの車両間隔Labが広がった場合には、評価対象特定部が、車両1a、1bを評価対象から外す処理を行ってもよい。
【0040】
また、第1の実施形態のさらに別の変形例に係る評価部602は、走行経路Q(
図4)のうち予め定められた所定の区間ごとに、異なる車両間隔下限値Lth1、車両間隔上限値Lth2を設定してもよい。
例えば、走行経路Qが分岐路を有していて、さらにその分岐路のそれぞれを走る車両1a、1b・・・が合流する場合、合流前の経路における適正な車両間隔と、合流後の経路における適正な車両間隔と、は相違したものとなる。すなわち、合流後の経路では、単位距離当たりに存在する車両1a、1b・・・の車両数が増加するので、この区間における車両間隔は必然的に狭くなる。したがってこの場合、評価基準設定部602aは、合流後の経路(区間)を走行する車両1a、1b・・・については、分岐路の区間において設定する車両間隔下限値Lth1、車両間隔上限値Lth2よりも値を引き下げた車両間隔下限値Lth1’、車両間隔上限値Lth2’を設定する処理を行う。
このようにすることで、評価部602は、走行する区間の状況に合わせて適切に評価基準を変更するので、運転手の評価を精度よく実施することができる。
なお、評価基準設定部602aは、走行経路Qの区間のみならず、走行時の時間帯と関連付けて車両間隔下限値Lth1、車両間隔上限値Lth2を設定してもよい。これにより、評価部602は、時間帯に伴って車両1a、1b・・・の配車数が変化する場合に、その運行台数の変化に合わせて適切に判定基準を変更することができる。
【0041】
また、第1の実施形態のさらに別の変形例に係る評価部602は、予め定められた運行ダイヤに基づいて運行しているか否かを判断し、これに基づいて、車両1a、1b・・・の運行状態を評価してもよい。
具体的には、当該変形例に係る評価部602は、上述の評価対象特定部に加え、さらに、予め定められた運行ダイヤが記憶された運行ダイヤ情報記憶部と、現在時刻を計時する計時部と、を備える。ここで、運行ダイヤ情報記憶部は、運行ダイヤ情報として、停留所の位置を示す位置情報と、各停留所への到着予定時刻と、を関連付けて記憶している。
上記評価対象特定部は、停留所の位置を示す位置情報と、各停留所への到着予定時刻と、を参照し、自車両が運行ダイヤを遵守するために、現時刻において自車両が存在すべき走行経路上の位置(目標位置)を特定する。
そして、評価部602が、車両1aと車両1bとの車両間隔Labが車両間隔下限値Lth1を下回ったと判定した場合、上記評価対象特定部は、車両1a、車両1bそれぞれの位置情報が示す現在位置と、上記目標位置とを比較する。そして、各車両1a、1bそれぞれの目標位置のうち、いずれか一方の現在位置が、目標位置から大幅に外れている場合、その車両のみを評価対象(減点の対象)とする。
このようにすることで、車両1a、1b・・・の運転手が、運行ダイヤを遵守していたにもかかわらず適切でない車両間隔となった場合に、その運転手の過失ではないものと判断して、減点しないようにすることができる。これにより、輸送サービスの運用者は、運転手による車両の運行を一層精度よく評価することができる。
【0042】
また、第1の実施形態に係る運行管理装置600は、運行指示出力部603を備えるものとして説明したが、他の変形例に係る運行管理装置600は、必ずしも運行指示出力部603を備えていなくともよい。この場合、運行管理装置600は、運行指示の生成および送信処理(
図7:ステップST106)は行わず、評価部602の処理に基づき、車両1a、1b・・・それぞれの相対的な運行状態の評価のみを行う。
【0043】
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態に係るバス運行管理システムの一例について図面を参照して説明する。
図8は、本発明の第2の実施形態に係るバス運行管理システムの一例を示す概略図である。
図8に示すように、本発明の第2の実施形態に係るバス運行管理システムは、車載器100と、通知部200と、運行管理装置600と、交通情報システム700と、を備える。
なお、本実施形態において、車両1a、1b・・・に搭載される車載器100、通知部200は、第1の実施形態と同一の機能構成であるため、その説明を省略する。
【0044】
交通情報システム700は、例えば、走行経路上の複数箇所に設置された交通情報取得手段(例えば、車両の通過を検知するセンサーや監視カメラ等)により取得される交通情報を収集するとともに、渋滞区間を示す渋滞情報を生成し、ネットワークに送信する。
【0045】
図9は、本発明の第2の実施形態に係る運行管理装置の各構成の構成例を示すブロック図である。
図9に示すように、本実施形態に係る運行管理装置600は、車両間隔演算部601と、評価部602と、運行指示出力部603と、記憶部604と、走行情報取得部605と、渋滞情報取得部606と、を備える。
ここで、車両間隔演算部601、記憶部604および走行情報取得部605は、第1の実施形態と同一の機能構成であるため、説明を省略する。
渋滞情報取得部606は、ネットワークを介して交通情報システム700(
図8)から渋滞情報を受信する。渋滞情報取得部606は、受信した渋滞情報を、記憶部604に予め記憶された地図情報に反映させ、車両1a、1b・・・の走行経路上に渋滞区間を設定する。
本実施形態に係る運行管理装置600は、この渋滞情報取得部606を備えるとともに、評価部602が、渋滞情報取得部606によって取得された渋滞情報に基づいて、車両1a、1b・・・の相対的な運行状態の評価を行う点で、第1の実施形態と異なる。
【0046】
図10は、本発明の第2の実施形態に係る評価部の処理を説明する図である。
本実施形態に係る運行管理装置600の評価部602は、渋滞情報取得部606が取得した渋滞情報と、車両間隔演算部601が算出した車両間隔と、に基づいて相対的な運行状態を評価する。具体的には、評価部602は、評価対象(減点の対象)とする車両を特定する評価対象特定部602cを備えている。そして、この評価対象特定部602cは、渋滞情報取得部606が渋滞情報に基づいて特定した渋滞区間Rに含まれる車両1a、1b・・・を評価対象から外し、それ以外の車両1a、1b・・・を評価対象と特定する処理を行う。
例えば、
図10に示すように、車両間隔演算部601が、車両1a〜1eの走行経路上における走行位置P1a〜P1eを特定したとする。一方、渋滞情報取得部606は、交通情報システム700から渋滞情報を受信するとともに、地図情報に基づいて、走行経路Q上に渋滞区間Rを特定する。
【0047】
図10に示す例において、評価対象特定部602cは、走行位置P1a〜P1eのうち、走行位置P1a、P1b、P1cが渋滞区間Rに含まれていることを識別する。そして、評価対象特定部602cは、渋滞区間を走行中の車両1a、1b、1cについては、車両間隔Lに基づく評価対象とはせず、渋滞区間を走行していない車両1d、1e間の車両間隔Ldeのみを評価対象と特定する処理を行う。これにより、評価部602は、渋滞区間中を走行しているために車両間隔を調整できない状況にある車両1a、1b・・・に対しては、車両間隔Lが適切な車両間隔となっていない場合であっても評価点を減点しない。
したがって評価部602は、運転手の過失に基づく運行状態のみを減点の対象とするので、運転手を精度よく評価することができる。
なお、運行指示出力部603は、評価部602の評価の対象となっていない車両1a、1b・・・に対しては、運行指示を送信しない。
【0048】
図11は、本発明の第2の実施形態に係る運行管理装置の処理フローを示す図である。
この図において、第1の実施形態に係る運行管理装置600の処理フロー(
図7)と同一の処理ステップについては、同一の符号を付して説明を省略する。
【0049】
本実施形態に係る運行管理装置600では、車両間隔演算部601の処理(ステップST101〜103)を行った後に、まず渋滞情報取得部606が、交通情報システム700から渋滞情報を受信する。そして、渋滞情報取得部606は、受信した渋滞情報に基づいて、走行経路Q上における渋滞区間Rを特定する(ステップST107)。
【0050】
次に、評価対象特定部602cは、車両間隔演算部601が特定した車両1a、1bの走行位置P1a、P1bを示す位置情報に基づいて、車両1a、1bが渋滞区間Rに含まれているか否かを判定する(ステップST108)。ここで車両1a、1bのいずれかが渋滞区間Rに含まれていた場合(ステップST108:YES)には、評価部602および運行指示出力部603は、以降の評価処理(ステップST104、105)および運行指示の送信(ステップST106)を行うことなく車両1a、1bについての評価処理を終了する。
一方、車両1a、1bがともに渋滞区間Rに含まれていなかった場合(ステップST108:NO)には、評価部602および運行指示出力部603は、ステップST104〜106の処理において、車両1a、1bを対象として各処理ステップを実行する。
なお、運行管理装置600は、同様の処理を、他の車両1b、1c、1d・・・の車両間隔Lbc、Lcd・・・についても実行する。
【0051】
以上、本発明の第2の実施形態に係るバス運行管理システムは、運転手の評価を減点すべき事由が発生した場合において、それが運転手の過失に基づいたものではない場合には、減点しないようにすることができる。これにより、輸送サービスの運用者は、運転手による車両の運行を一層精度よく評価することができる。
【0052】
なお、上述の第2の実施形態に係る運行管理装置600は、渋滞区間Rに含まれる車両1a、1b・・・を評価対象としないものとして説明したが、他の実施形態に係る運行管理装置600は、このような方法に限定されない。例えば、第2の実施形態の変形例に係る運行管理装置600は、渋滞中にある車両については、その渋滞の混雑の度合いに応じて減点数を軽減して評価を行うこととしてもよい。
【0053】
<第3の実施形態>
次に、本発明の第3の実施形態に係るバス運行管理システムの一例について図面を参照して説明する。
図12は、本発明の第3の実施形態に係るバス運行管理システムの一例を示す概略図である。
図12に示すように、本発明の第3の実施形態に係るバス運行管理システムは、車載器100と、通知部200と、乗車口検出器300と、降車口検出器400と、混雑状況監視サーバ500と、運行管理装置600と、を備える。
なお、本実施形態において、車両1a、1b・・・に搭載される車載器100、通知部200は、第1の実施形態と同一の機能構成であるため、その説明を省略する。
【0054】
乗車口検出器300は、乗車口を通過するものを検出し、検出した回数を示す情報を出力する。言い換えると、乗車口検出器300は、乗車口から乗り込んだ人を検出し、カウントした乗車人数を示す情報(以下、乗車人数情報)を出力する。
降車口検出器400は、降車口を通過するものを検出し、検出した回数を示す情報を出力する。言い換えると、降車口検出器400は、降車口から降りた人を検出し、カウントした降車人数を示す情報(以下、降車人数情報)を出力する。
混雑状況監視サーバ500は、車両1aの乗客数を示す混雑情報を取得して、この混雑情報を運行管理装置600に送信する。具体的には、混雑状況監視サーバ500は、ネットワークを介して、乗車口検出器300の検出結果である乗車人数情報と、降車口検出器400の検出結果である降車人数情報とを受信する。そして混雑状況監視サーバ500は、受信した乗車人数情報と降車人数情報とに基づき、車両1a内の乗車人数を算出し、車両1aについての混雑情報を取得する。
なお、図示を省略するが、乗車口検出器300、降車口検出器400は、他の車両1b、1c・・・にも備えられている。混雑状況監視サーバ500は、これら他の車両1b、1c・・・それぞれについても同様に混雑情報を取得する。
【0055】
図13は、本発明の第3の実施形態に係る運行管理装置の各構成の構成例を示すブロック図である。
図13に示すように、本実施形態に係る運行管理装置600は、車両間隔演算部601と、評価部602と、運行指示出力部603と、記憶部604と、走行情報取得部605と、混雑情報取得部607と、を備える。
ここで、車両間隔演算部601、記憶部604および走行情報取得部605は、第1の実施形態と同一の機能構成であるため、説明を省略する。
混雑情報取得部607は、混雑状況監視サーバ500(
図12)から、車両1a、1b・・・ごとの乗客数を示す混雑情報を受信して取得する。
本実施形態に係る運行管理装置600は、この混雑情報取得部607を備えるとともに、評価部602が、混雑情報取得部607によって取得された混雑情報に基づいて、車両1a、1b・・・の相対的な運行状態の評価を行う点で、第1、第2の実施形態と異なる。
【0056】
図14は、本発明の第3の実施形態に係る評価部の処理を説明する図である。
本実施形態に係る運行管理装置600の評価部602は、混雑情報取得部607が取得した混雑情報と、車両間隔演算部601が算出した車両間隔と、に基づいて相対的な運行状態を評価する。具体的には、本実施形態に係る評価基準設定部602aは、混雑情報取得部607が取得した混雑情報に基づいて、車両間隔下限値Lth1および車両間隔上限値Lth2の値を変更する。
【0057】
例えば、
図14(a)に示すように、先行する車両1aと後続の車両1bとの乗客数の差が小さくほぼ均等である場合、評価基準設定部602aは、所定の車両間隔下限値Lth1と車両間隔上限値Lth2とを設定して評価を行う。
一方、
図14(b)に示すように、先行する車両1aの乗客数paが後続の車両1bの乗客数pbを大きく上回るような運行状態になった場合、評価基準設定部602aは、乗客数paと乗客数pbとの差異が予め定めた混雑差閾値pthを上回ったことを検知する。そして、評価基準設定部602aは、
図14(a)の運行状態で設定していた車両間隔下限値Lth1、車両間隔上限値Lth2よりも値を引き下げた車両間隔下限値Lth1’、車両間隔上限値Lth2’を設定する。言い換えると、評価部602は、先行車両(車両1a)との乗客数に大きな差異が生じているにも関わらず、後続車両(車両1b)の運転手が先行車両との車両間隔を狭めようとしない場合には、当該後続車両(車両1b)の運転手の評価点を減ずる処理を行う。
また同時に、運行指示出力部603は、この運行状態に対する評価結果に基づいて、後続車両(車両1b)に対し、速度を上げる旨の運行指示情報を送信して、運転手に、車間距離Labをより狭めるように促す。
【0058】
一般的に、一の車両(車両1a)の乗車人数が増加すると、乗客の降車口までの移動に時間がかかったり、無理に乗り込もうとする乗客がなかなか乗り込めなかったりして発車時刻が遅れ、ますます運行が遅延する。つまり、遅延している車両(車両1a)が、混雑中の車両内に利用者を乗せようとする限り、乗車人数の不均衡が是正されないばかりでなく、それが原因で、後継車両(車両1b)との間隔が狭まってしまう。
ここで、混雑している先行車両(車両1a)の後方に、短い車両間隔Labを維持しながら後続車両(車両1b)が続いて走行することで、先行車両(車両1a)の運転手は、停留所で乗車しようとする利用者に対し、後続車両(車両1b)を利用するように誘導することができる。すなわち、車両1aが所定の定員基準を超過している場合は、新たな利用者の乗車を拒否し、後継車両(車両1b)に乗車することを促す。このとき、後継車両(車両1b)が、短い車両間隔ですばやく到着すれば、利用者の不満は生じない。
そうすると、利用者は、乗客数の少ない後続車両(車両1b)を選択して乗車するので、車両1a、1b・・・ごとの混雑状態が均一化され、全体の運行状態が改善される。
またこの場合、運行指示出力部603は、評価部602の上記評価結果に基づいて、車両1bの通知部200に速度を上げる運行指示を送信するとともに、車両1aの通知部200には、乗車しようとする利用者を後続の車両に誘導する旨の指示を送信してもよい。これにより、先行車両の運転手は、後続車両への誘導を行うタイミングを正確に認知することができる。
【0059】
図15は、本発明の第3の実施形態に係る運行管理装置の処理フローを示す図である。
この図において、第1の実施形態に係る運行管理装置600の処理フロー(
図7)と同一の処理ステップについては、同一の符号を付して説明を省略する。
【0060】
本実施形態に係る運行管理装置600では、車両間隔演算部601の処理(ステップST101〜103)を行った後に、まず混雑情報取得部607が、混雑状況監視サーバ500から車両1a、1bについての乗客の混雑情報を取得する(ステップST109)。
次に、評価基準設定部602aは、混雑情報取得部607が取得した混雑情報に基づいて、車両間隔の判定を行うための車両間隔下限値Lth1および車両間隔上限値Lth2の値を設定する(ステップST110)。具体的には、
図14を用いて説明したように、評価基準設定部602aは、乗客数paと乗客数pbとの差異が予め定めた混雑差閾値pthを上回った場合には、車両間隔下限値Lth1および車両間隔上限値Lth2の値を、通常時よりも引き下げた値に設定する。
そして評価部602および運行指示出力部603は、ステップST104〜106の処理において、車両1a、1bを対象として、ステップST110で設定した車両間隔下限値Lth1、車両間隔上限値Lth2に基づいて各処理ステップを実行する。
なお、運行管理装置600は、同様の処理を、他の車両1b、1c、1d・・・の車両間隔Lbc、Lcd・・・についても実行する。
【0061】
以上、本発明の第3の実施形態に係るバス運行管理システムは、車両1a、1b・・・それぞれの乗客数の差異に応じて、当該差異が生じた車両同士の車両間隔が狭められるように誘導する。これにより、各車両1a、1b・・・の運転手は、隣り合う他の車両との乗客数に一定以上の差異が生じた場合に、その車両間隔を狭め、車両1a、1b・・・ごとの乗客数を均一化するように運行させることができる。
【0062】
<第4の実施形態>
次に、本発明の第4の実施形態に係るバス運行管理システムの一例について図面を参照して説明する。
本発明の第4の実施形態に係るバス運行管理システムの一例を示す概略図は、第1の実施形態と同一であるため図示を省略する。
【0063】
図16は、本発明の第4の実施形態に係る運行管理装置の各構成の構成例を示すブロック図である。
図16に示すように、本実施形態に係る運行管理装置600は、車両間隔演算部601と、評価部602と、運行指示出力部603と、記憶部604と、走行情報取得部605と、適正配車数演算部608と、を備える。
ここで、車両間隔演算部601、記憶部604および走行情報取得部605は、第1の実施形態と同一の機能構成であるため、説明を省略する。
適正配車数演算部608は、評価部602の評価結果に基づいて、車両1a、1b・・・が走行する経路における適正配車数を決定する。具体的には、適正配車数演算部608は、複数の車両に渡り車両間隔が適正でない区間が存在している場合に、その区間における車両間隔を適正なものとするための配車数(適正配車数)を算出する処理を行う。
本実施形態に係る運行管理装置600は、この適正配車数演算部608を備えるとともに、運行指示出力部603が、適正配車数演算部608によって取得された適正配車数情報に基づいて、車両1a、1b・・・へ運行指示を送信する点で、第1〜第3の実施形態と異なる。
【0064】
図17は、本発明の第4の実施形態に係る適正配車数演算部の処理を説明する図である。
例えば、走行経路Qのある区間において、車両1a、1b、1cの3台が走行中で、車両1dが待機中であったとする。この場合、車両間隔演算部601は、車両1a、1b、1c、1dそれぞれから受信する位置情報に基づいて、走行経路Q上における走行位置P1a、P1b、P1c、P1dを特定するとともに、走行中の車両1a、1b、1cの各車両間隔Lab、Lbcを算出し、評価部602へ出力する。
【0065】
ここで、車両間隔Lab、Lbcがともに適正な車両間隔を大きく上回っていたとする。このとき評価部602は、車両間隔Lab、Lbcがともに車両間隔上限値Lth2を上回っていると判定して、車両1a、1b、1cの運転手の評価を下げる処理を行う。
一方、適正配車数演算部608は、評価部602の上記評価結果および走行位置P1a、P1b、P1cを示す位置情報に基づいて、適正な車両間隔を上回っている車両1a、1b、1cが走行中の区間である車両間隔増大区間Sの区間長LSを特定する(
図17)。そして、適正配車数演算部608は、車両間隔増大区間Sの区間長LSに基づいて、車両間隔増大区間Sにおける車両間隔が適正となる配車数を算出する。
【0066】
例えば、適正配車数演算部608は、車両間隔増大区間Sの区間長LSを、予め規定された所定の適正車両間隔Lref(Lrefは、Lth1≦Lref≦Lth2を満たす数値)で除する演算処理を行った結果、車両間隔増大区間S(車両1aと車両1cの間)の適正配車数を“2台”と算出したとする。このとき、運行指示出力部603は、現時点の車両間隔増大区間Sにおける配車数が1台であることと、適正配車数演算部608が算出した適正配車数が2台であることを参酌して、待機中の車両1d(
図17)に出動指示を送信する処理を行う。
これにより、車両間隔増大区間Sにおいて待機中であった車両1dが運行に加わり、車両間隔増大区間Sにおける配車数が1台増加する。その結果、車両間隔増大区間Sにおいて開きすぎていた車両間隔が狭まって適正な車両間隔に近づく。
この場合、第1の実施形態において運行指示出力部603が、車両1b、1cに加速する運行指示を送信して車両間隔Lab、Lbcを狭めるよりも、より迅速に車両間隔増大区間Sにおける車両間隔を適正な間隔へ調整することが可能となる。
【0067】
また、適正配車数演算部608は、上記の例とは逆に、複数の車両に渡って車両間隔が減少した区間(車両間隔減少区間S’)においてその適正配車数を算出する。そしてこの場合、運行指示出力部603は、車両間隔減少区間S’における配車数が適正配車数となるように、車両間隔減少区間S’を走行中の車両1a、1b・・・の何れかに対し、運行を休止して待機する旨の指示を送信する。その結果、車両間隔減少区間S’において狭まっていた車両間隔が広がって適正な車両間隔に近づく。
【0068】
図18は、本発明の第4の実施形態に係る運行管理装置の処理フローを示す図である。
この処理フローは、例として、運行管理装置600が
図7に示す第1の実施形態に係る処理フローを全ての車両1a、1b・・・について行った後に、続いて実行する処理フローとして説明する。
【0069】
適正配車数演算部608は、評価部602がステップST104の判定処理を全ての車両1a、1b・・・について行った後、その評価結果に基づき、連続する複数の車両間隔Lが車両間隔上限値Lth2を上回っていることを抽出することで、車両間隔増大区間S(
図17)を特定する(ステップST111)。
次に、適正配車数演算部608は、ステップST111で特定した車両間隔増大区間Sの区間長LSを算出する(ステップST112)。具体的には、適正配車数演算部608は、車両間隔増大区間Sの最前にいる車両1aと、最後尾にいる車両1cとの位置情報に基づいて、車両間隔増大区間Sの区間長LSを算出する。
そして、適正配車数演算部608は、区間長LSを所定の適正車両間隔Lrefで除する演算処理を行うことで、適正配車数を算出する(ステップST113)。
【0070】
そして、運行指示出力部603は、適正配車数演算部608からステップST113にて算出された適正配車数を取得すると、その車両間隔増大区間Sに配車される配車数が適正配車数となるように、待機中の車両1a、1b・・・に運行を開始すべき旨の運行指示(出動指示)を送信する(ステップST114)。
【0071】
なお、適正配車数演算部608は、ステップST111にて、連続する複数の車両間隔Lが車両間隔下限値Lth1を下回っていることを抽出することで、車両間隔減少区間S’を特定してもよい。この場合、運行指示出力部603は、ステップST114にて、当該車両間隔減少区間S’に配車される配車数が適正配車数となるように、車両間隔減少区間S’を走行中の車両1a、1b・・・に運行を休止すべき旨の運行指示(待機指示)を送信する。
【0072】
以上、本発明の第4の実施形態に係るバス運行管理システムは、複数の車両に渡って車両間隔が増大または減少している区間が存在する場合に、その区間における適正配車数を算出するとともに、その適正配車数となるように、車両1a、1b・・・に対し、出動または待機を示す運行指示を送信する。このようにすることで、バス運行管理システムは、複数の車両に渡って車両間隔が適正な間隔から外れた場合において、より迅速に適正な車両間隔に復帰させることができる。
【0073】
なお、上述の第1〜第4の実施形態に係る運行管理システムは、それぞれの実施形態において説明した各機能の一部又は全部を有する態様で用いられてもよい。例えば、他の実施形態に係る運行管理装置600は、渋滞情報取得部606と、混雑情報取得部607と、適正配車数演算部608と、のいずれか二つ以上を同時に備えていてもよい。
【0074】
なお、本発明における運行管理装置600の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより工程を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0075】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【0076】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものとする。