(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記マルチプレクサの前記出力に結合されているゲート端子、供給電圧に結合されるソース端子、および、第1の電流電圧変換回路の入力に結合されているドレイン端子を有する電流スカラー・トランジスタをさらに備える、請求項1に記載の電圧レギュレータ。
第2の基準電圧に結合される第1の入力、前記電圧フィードバック信号に結合される第2の入力、および、前記無過電圧指示を供給する出力を有する過電圧検出回路をさらに備える、請求項1に記載の電圧レギュレータ。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は例として示されており、添付の図面によって限定されない。図面において、同様の参照符号は類似の要素を示す。図面内の要素は簡潔かつ明瞭にするために示されており、必ずしも原寸に比例して描かれてはいない。
【0010】
一実施形態において、電圧レギュレータは、過電流状態が発生すると電流をクランプするために電圧レギュレータのフィードバックループを開く過電流検出回路を含む。過電流検出回路は、過電流状態に応答して所定の時間にわたってフィードバックループを開く。所定の時間の後、フィードバックループは再び閉じ、検出回路は過電流状態の発生をモニタリングし続ける。フィードバックループが開かれると、電圧レギュレータはもはや電圧を調整してはいない。しかしながら、フィードバックループが開ループとして動作している間、たとえば、電流需要の突然の降下に起因して過電圧状態が発生する場合がある。それゆえ、過電圧検出回路が、過電圧状態の検出に応答して、所定の時間が満了したか否かにかかわらず、フィードバックループを閉じる。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態に応じた電圧レギュレータ10を、部分概略ブロック図形式で示す。電圧レギュレータ10は、増幅器12と、(安定トランジスタ(ballast transistor)と称される場合もある)PMOSトランジスタ14と、(電流スカラー・トランジスタ(current scalar transistor)と称される場合もある)PMOSトランジスタ16と、マルチプレクサ(MUX)22と、電圧クランプ30と、電流電圧変換器24と、最大電流基準18と、電流電圧変換器26と、過電流検出回路28と、過電圧検出回路32と、MUX制御ユニット34と、アナログタイマ36とを含む。また
図1は、調整器出力電圧VFEEDBACKに結合される負荷回路20を含む。増幅器12は、第1の電源電圧VDDを受け取るために第1の電源電圧端子に結合され、第1の基準電圧VREFを受け取るように結合される負入力、および、VFEEDBACKを受け取るように結合される正入力を有する(なお、VFEEDBACKは電圧フィードバック信号と称される場合もある)。増幅器12の出力はMUX22の第1の入力に結合される。MUX22の出力はトランジスタ14の制御電極(たとえば、ゲート端子)に結合される。トランジスタ14の第1の電流電極(たとえば、ソース端子)はVDDに結合され、トランジスタ14の第2の電流電極(たとえば、ドレイン端子)は増幅器12の正入力に結合され、VFEEDBACKを提供する。電圧クランプ30はMUX22の第2の入力に結合されている。トランジスタ16の第1の電流電極(たとえば、ソース端子)はVDDに結合され、トランジスタ16の制御電極(たとえば、ゲート端子)はトランジスタ14の制御ゲートに結合され、トランジスタ16の第2の電流電極(たとえば、ドレイン端子)は電流電圧変換器24に結合されている。最大電流基準18は電流電圧変換器26に結合されている。過電流検出回路28は、電流電圧変換器24に結合されている第1の入力と、電流電圧変換器26に結合されている第2の入力とを有し、MUX制御部34に過電流指示を供給する。過電圧検出回路は第2の基準電圧HREFを受け取るように結合され、VFEEDBACKを受け取るように結合され、MUX制御部34に無過電圧指示を提供する。アナログタイマ36が、MUX制御部34にタイマ信号を供給し、MUX制御部34は、MUX22の制御入力に選択信号を供給する。
【0012】
動作中、電圧レギュレータ10が、増幅器12の出力がMUX22を介してトランジスタ14の制御ゲートに結合されている閉ループにおいて動作しているとき、増幅器12はVFEEDBACKを調整するためにトランジスタ14の制御ゲートの電圧を制御する。たとえば、負荷20の電流需要が増大すると、VFEEDBACKは下降し始める。VFEEDBACKの降下に基づいて、増幅器12は、トランジスタ14の制御ゲートの電圧を低下させてトランジスタ14を通って負荷20に向かう電流を増大する。しかしながら、負荷20の電流需要が最大許容電流を超えると、過電流状態が発生する。過電流状態は、たとえば、負荷20が故障しているとき、または、負荷20内に熱的不安定性が存在するときに発生する場合がある。それゆえ、負荷20によって消費される、トランジスタ14を通る電流を縮小したものを提供するトランジスタ16を通る電流が、過電流検出回路28によって絶えずモニタリングされる。縮小電流は電流電圧変換器24によって電圧に変換される。(負荷20の最大許容電流に対応する)最大基準電流18が、電流電圧変換器26によって電圧に変換される。過電流検出回路28は、電流電圧変換器24の出力を、電流電圧変換器26の出力と絶えず比較して電流電圧変換器24の出力が電流電圧変換器26の出力を超えるか否かを判定し、超えることは、過電流状態の発生を示す。過電流状態の検出に応答して、MUX制御部34は、増幅器12の出力ではなく電圧クランプ30の出力がトランジスタ14の制御電極に結合され、それによって、フィードバックループが開き、トランジスタ14の制御ゲートがクランプされるようにMUX22を制御する。クランプされている間、トランジスタ14を通る電流は制限される。示されている実施形態において、トランジスタ14の制御ゲートがクランプされると、アナログタイマ36が起動され、アナログタイマが満了すると、MUX制御部34は、フィードバックループを再び閉じ、電圧調整の継続を可能にするように、増幅器12の出力がトランジスタ14の制御ゲートに再び結合されるように、MUX22を制御する。
【0013】
フィードバックループが開いており、トランジスタ14の制御ゲートが電圧クランプ30によってクランプされているとき、負荷20の電流需要が急激に降下する過電圧状態が発生する場合がある。それゆえ、過電圧検出回路32がVFEEDBACKをモニタリングし、VFEEDBACKをHREFと比較する。一実施形態において、HREFはVREFよりもわずかに大きい。負荷20の変化に起因してVFEEDBACKがHREFを上回り、従って過電圧状態を示すと、MUX制御部34は、アナログタイマ36が満了したか否かにかかわらず、増幅器12の出力をトランジスタ14の制御ゲートに再び結合し、従ってフィードバックループを閉じて電圧レギュレータ10が再びVFEEDBACKを調整することを可能にするように、MUX22に対する制御信号を変更する。すなわち、過電圧状態が検出されると、フィードバックループは、たとえアナログタイマ36がまだ満了していない場合であっても、直ちにその検出に応答して閉じる。
【0014】
図1の動作は
図6の方法200に関連してさらに説明され得る。方法200は、ブロック202において電圧レギュレータ10の電源投入によって開始する。その後、方法200は、電圧レギュレータ10が調整中であるブロック204に進む。すなわち、電圧レギュレータ10は、MUX22が増幅器12の出力を安定トランジスタ14の制御電極に結合する閉ループにおいて動作する。その後、方法200は判断ブロック206に進み、過電流状態が存在するか否かが判定される。すなわち、(電流電圧変換器24に供給される電流によって表される)負荷20の電流需要が(最大電流基準18によって表される)最大許容電流よりも大きいことを過電流検出回路28が検出する場合、過電流状態が存在し、方法200はブロック208に進み、MUX22が電圧クランプ30を安定トランジスタ14の制御電極に結合し、アナログタイマ36が起動される。一方、判断ブロック206において過電流状態が検出されなかった場合、方法200はブロック204に戻り、電圧レギュレータ10がVFEEDBACKを調整し続ける。
【0015】
ブロック308においてアナログタイマ36が起動すると、方法は判断ブロック210に進み、過電圧状態が存在するか否かが判定される。すなわち、調整器出力電圧VFEEDBACKが最大許容電圧(HREFによって表される)よりも大きいことを過電圧検出回路32が検出する場合、過電圧状態が存在し、方法200はブロック204に進み、MUX22が増幅器12の出力を再びトランジスタ14の制御電極に結合する。これによってフィードバックループが閉じ、電圧レギュレータが再びVFEEDBACKを調整することが可能になる。一方、判断ブロック210において過電圧状態が検出されなかった場合、方法200は判断ブロック212に進み、タイマが満了したか否かが判定される。そうである場合、方法200はブロック204に戻り、電圧レギュレータが再びVFEEDBACKを調整する。しかしながら、タイマがまだ満了していない場合、方法200は判断ブロック210に戻り、過電圧状態が存在するか否かをチェックし続ける。タイマ36が満了する前の任意の時点において、過電圧状態が検出されると、方法200は、タイマ36が満了するのを待つことなくフィードバックループが閉じられるブロック204に直ちに戻る。過電圧状態が検出されない場合、方法200はタイマ36が満了するときにブロック204に戻る。
【0016】
図2〜
図5は、さまざまな実施形態に応じた、
図1の電圧レギュレータ10のさまざまな部分のさらなる詳細を部分概略ブロック図形式で示す。
図2は、一実施形態に応じた、増幅器12と、MUX22と、トランジスタ14および16と、電流電圧変換器24および過電流検出回路28のさらなる詳細とを示す。MUX22の制御入力に供給される信号が、ILIMIT_ONとラベリングされている。ILIMIT_ONがネゲートされるとき(たとえば、ローの論理レベル)、MUX22は増幅器12の出力をトランジスタ14の制御電極に結合し、ILIMIT_ONがアサートされるとき(たとえば、ハイの論理レベル)、MUX22は(電圧クランプ30によって出力される電圧制限信号を表す)vlimitをトランジスタ14の制御電極に結合する。トランジスタ16の第2の電流電極は抵抗器42および40の各々の第1の端子に結合されている。抵抗器42の第2の端子は第2の電源電圧(たとえば、グランド)に結合され、抵抗器40の第2の端子は過電流検出回路28に結合されている。
【0017】
なお
図2を参照すると、過電流検出回路28は、電流源48および54と、PMOSトランジスタ44および46と、NMOSトランジスタ50、52、および56と、インバータ58とを含む。電流源48の第1の端子はVDDに結合され、電流源48の第2の端子はトランジスタ44および46の第1の電流電極に結合されている。トランジスタ44の制御電極は抵抗器40の第2の端子に結合されている。トランジスタ44の第2の電流電極はトランジスタ50の第1の電流電極およびトランジスタ50の制御電極に結合されている。トランジスタ46の制御電極は(電流電圧変換器26の出力電圧に対応する)NVREFを受け取るように結合されている。トランジスタ46の第2の電流電極はトランジスタ52の第1の電流電極およびトランジスタ56の制御電極に結合されている。トランジスタ50の制御電極はトランジスタ52の制御電極に結合されている。トランジスタ50、52、および56の各々の第2の電流電極はグランドに結合されている。電流源54の第1の端子はVDDに結合され、電流源54の第2の端子はトランジスタ56の第1の電流電極およびインバータ58の入力に結合されている。インバータ58の出力は過電流指示信号を供給し、該過電流指示信号は、アサートされるとき、過電流状態の発生を示す。過電流指示信号はMUX制御部34に供給される。
【0018】
動作時、トランジスタ44の制御ゲートに結合されている抵抗器40の第2の端子は、電流電圧変換器24の出力を供給し、従って、トランジスタ16(従って、トランジスタ14)を通る電流を表す電圧を提供する。この電圧は、トランジスタ44、46、50、および52によって形成される比較器によってNVREF(最大許容電流を表す)と比較される。NVREFがトランジスタ44の制御電極における電圧よりも大きい場合、低電圧信号がトランジスタ56に供給され、結果としてトランジスタ56は非導電性になる。それゆえ、インバータ58の入力はハイの論理レベルにプルアップされ、過電流指示信号がネゲートされ(たとえば、ローの論理レベルにある)、過電流状態が存在しないことが示される。一方、トランジスタ44の制御電極における電圧がNVREFよりも大きい場合、高電圧信号がトランジスタ56に供給され、従ってトランジスタ56はオンになる。この場合、インバータ58の入力はローの論理レベルにプルされ、過電流指示信号がアサートされ(たとえば、ハイの論理レベルにある)、過電流状態が検出されたことが示される。
【0019】
図3は、一実施形態に応じた、過電圧検出回路32のさらなる詳細を示す。過電圧検出回路32は、電流源62および63と、PMOSトランジスタ60および64と、NMOSトランジスタ60、68、および70と、インバータ72とを含む。電流源62の第1の端子はVDDに結合され、電流源62の第2の端子はトランジスタ60および64の第1の電流電極に結合されている。トランジスタ60の制御電極は(最大許容可能電圧を表す)HREFを受け取るように結合されている。トランジスタ60の第2の電流電極はトランジスタ66の第1の電流電極およびトランジスタ66の制御電極に結合されている。トランジスタ64の制御電極は(電圧レギュレータ10の出力電圧に対応する)VFEEDBACKを受け取るように結合されている。トランジスタ64の第2の電流電極はトランジスタ68の第1の電流電極およびトランジスタ70の制御電極に結合されている。トランジスタ66の制御電極はトランジスタ68の制御電極に結合されている。トランジスタ66、68、および70の各々の第2の電流電極はグランドに結合されている。電流源63の第1の端子はVDDに結合され、電流源63の第2の端子はトランジスタ70の第1の電流電極およびインバータ72の入力に結合されている。インバータ72の出力は無過電圧指示信号を供給し、該無過電圧指示信号は、アサートされるとき、過電圧状態が検出されていないことを示す。無過電圧指示信号はMUX制御部34に供給される。
【0020】
動作時、(最大許容可能電圧を表す)HREFはトランジスタ60、64、66、および68によって形成される比較器によってVFEEDBACKと比較される。VFEEDBACKがHREFよりも大きい場合、低電圧信号がトランジスタ70に供給され、結果としてトランジスタ70は非導電性になる。それゆえ、インバータ72の入力はハイの論理レベルにプルアップされ、無過電圧指示信号がネゲートされ(たとえば、ローの論理レベルにある)、過電圧状態が存在することが示される。一方、HREFがVFEEDBACKよりも大きい場合、高電圧信号がトランジスタ70に提供され、結果としてトランジスタ70はオンになる。この場合、インバータ72の入力はローの論理レベルにプルされ、無過電圧指示信号がアサートされ(たとえば、ハイの論理レベルにある)、過電圧状態が存在しないことが示される。
【0021】
図4は、一実施形態に応じた、MUX制御部34およびアナログタイマ36のさらなる詳細を示す。示されている実施形態において、MUX制御部34はアナログタイマ36を含む。
図4は、PMOSトランジスタ74、76、78、80、および82と、電流源75と、NMOSトランジスタ84、86、88、および90と、キャパシタ92と、インバータ94とを含む。トランジスタ74の第1の電流電極はVDDに結合され、トランジスタ74の第2の電流電極はトランジスタ74の制御電極および電流源75の第1の端子に結合されている。電流源75の第2の端子はグランドに結合されている。トランジスタ76の第1の端子はVDDに結合され、トランジスタ76の制御電極はトランジスタ74の制御電極に結合されている。トランジスタ76の第2の端子はトランジスタ78の第1の端子に結合され、トランジスタ78の制御電極はトランジスタ74の制御電極に結合され、トランジスタ78の第2の端子はトランジスタ80の第1の電流電極に結合されている。トランジスタ80の制御電極はトランジスタ74の制御電極に結合され、トランジスタ80の第2の電流電極は回路ノード85に結合されている。トランジスタ82の第1の電流電極はVDDに結合され、トランジスタ82の制御電極は無過電圧指示を受信するように結合され、トランジスタ82の第2の電流電極はノード85に結合されている。トランジスタ84の第1の電流電極はノード85に結合され、トランジスタ84の制御電極は過電流指示を受信するように結合され、トランジスタ80の第2の電流電極はトランジスタ86の第1の電流電極に結合されている。トランジスタ86の制御電極はトランジスタ84の制御電極に結合されて過電流指示を受信し、トランジスタ86の第2の電流電極はトランジスタ88の第1の電流電極に結合されている。トランジスタ88の制御電極は無過電圧指示を受信するように結合され、トランジスタ88の第2の電流電極はグランドに結合されている。トランジスタ90の第1の電流電極はVDDに結合され、トランジスタ90の制御電極はノード85に結合され、トランジスタ90の第2の電流電極はトランジスタ84の第2の電流電極に結合されている。キャパシタ92の第1の端子はノード85に結合され、キャパシタ92の第2の端子はグランドに結合されている。インバータ94の入力はノード85に結合され、インバータ94の出力は、
図2に示すように、MUX22の制御入力にILIM_ONを提供する。
【0022】
動作時、
図2を参照して説明したようにILIMIT_ONがアサートされるとき、MUX22は電圧クランプ30をトランジスタ14の制御電極に結合する。ILIM_ONがネゲートされるとき、MUX22は増幅器12の出力をトランジスタ14の制御電極に結合する。
図4から分かるように、過電流状態がない(過電流状態指示がネゲートされる、たとえば、ローの論理レベルであることを意味する)限り、トランジスタ84および86はオフである。さらに、過電流状態がなく、従って電圧レギュレータ10のフィードバックループが閉じており、VFEEDBACKが調整されているとき、過電圧状態はない(無過電圧信号がアサートされている、たとえば、ハイの論理レベルであることを意味する)。それゆえ、トランジスタ82はオフであり、回路ノード85はトランジスタ80、78、および76を介してハイの論理レベルにプルアップされる。インバータ94の出力はローの論理レベルであり、従って、ILIM_ONがネゲートされ、増幅器12の出力はトランジスタ14の制御電極に結合され、VFEEDBACKは電圧レギュレータ10によって調整されている。
【0023】
なお
図4を参照して、過電流状態が検出されると、過電流検出回路28によって供給される過電流指示がアサートされ、従ってトランジスタ84および86がオンになる。また、最初に、過電流状態が検出されるとき、過電圧状態はまだ検出されておらず、それゆえ、トランジスタ88もオンになる(無過電圧指示がアサートされるため)。それゆえ、ノード85はプルダウンされ、それによって、インバータ94の出力がハイの論理レベルになり、従ってILIM_ONがアサートされる。ILIM_ONがアサートされると、MUX22は電圧クランプ30をトランジスタ14の制御電極に結合する。過電圧状態が発生していないと仮定すると、トランジスタ76、78、80、およびキャパシタ92を通じて作成される回線経路は、ノード85が、当該回線経路によって決定される所定の時間にわたって、再びプルアップされるようにする。インバータ94のトリップ点に達すると、ILIM_ONは再びネゲートされて、電圧レギュレータ10がVFEEDBACKの調整に戻ることが可能になる。それゆえ、トランジスタ76、78、80、およびキャパシタ92はアナログタイマ36を形成し、それによって、過電流状態が検出されて過電流指示がアサートされると、回線経路がイネーブルされてノード85のプルアップが開始されることに留意されたい。ノード85がインバータ94のトリップ点に達すると、アナログタイマは実質的に満了する。
【0024】
しかしながら、過電圧状態が発生した場合、過電圧検出回路32が無過電圧指示をネゲートし、その結果、トランジスタ82がオンになってトランジスタ88がオフになる。それゆえ、過電流状態が検出された後でアナログタイマ36が満了する前に過電圧状態が発生した場合、トランジスタ88をオフしてトランジスタ82をオンすることによって、(トランジスタ80、78、および76がより大きいトランジスタ82によってバイパスされるため)ノード85は迅速にプルアップされ、ノード85がトリップ点に達すると直ちにILIM_ONがネゲートされる。すなわち、ノード85はもはやアナログタイマを提供するより遅い経路によって制御されない。それゆえ、過電流状態が存在しないとき、または過電流状態が検出された後であるがタイマが満了する前に過電圧状態が発生したとき、ILIM_ONがネゲートされるのに応答して、MUX22が増幅器12の出力をトランジスタ14の制御電極に結合することに留意されたい。過電流状態が存在し、タイマが満了しておらず、かつ過電圧状態が発生していないとき、ILIM_ONがアサートされるのに応答して、MUX22は電圧クランプ30をトランジスタ14の制御電極に結合する。
【0025】
図5は、一実施形態に応じた、電流電圧変換器26および電圧クランプ30のさらなる詳細を示す。
図5は、PMOSトランジスタ104、110、112、122、および114と、NMOSトランジスタ126および124と、キャパシタ102、106、および120と、抵抗器109、116、および118とを含む。キャパシタ102の第1の端子はVDDに結合され、キャパシタ102の第2の端子はVLIMIT(MUX22を通じてトランジスタ14の制御電極に選択的に結合される電圧クランプ30の出力を表す)に結合されている。トランジスタ104の第1の電流電極はVDDに結合され、トランジスタ104の第2の電流電極はキャパシタ102の第2の端子に結合され、トランジスタ104の制御電極はトランジスタ104の第2の電流電極に結合されている。トランジスタ108の第1の電流電極はVDDに結合され、トランジスタ108の第2の電流電極はトランジスタ122の第1の電流電極に結合されている。トランジスタ122の第2の電流電極はトランジスタ122の制御電極およびトランジスタ124の第1の電流電極に結合されている。トランジスタ124の第2の電流電極はグランドに結合されている。トランジスタ126の第1の電流電極はトランジスタ104の第2の電流電極に結合され、トランジスタ126の第2の電流電極はグランドに結合されている。トランジスタ124の制御電極はトランジスタ124の第1の電流電極およびトランジスタ126の制御電極に結合されている。キャパシタ106の第1の端子はVDDに結合され、キャパシタ106の第2の端子はトランジスタ108の制御電極に結合されている。抵抗器109の第1の端子はトランジスタ108の制御電極に結合されている。トランジスタ110の第1の電流電極はVDDに結合され、トランジスタ110の制御電極は抵抗器109の第2の端子に結合され、トランジスタ110の第2の電流電極はトランジスタ114の第1の電流電極に結合されている。トランジスタ114の制御電極はトランジスタ122の制御電極に結合され、トランジスタ114の第2の電流電極は抵抗器118の第1の端子および抵抗器116の第1の端子に結合されている。抵抗器118の第2の端子はグランドに結合されている。抵抗器116の第2の端子は過電流検出回路28に出力NVREFを供給する。キャパシタ120の第1の端子は抵抗器116の第2の端子に結合され、キャパシタ120の第2の端子はグランドに結合されている。トランジスタ112の第1の電流電極はVDDに結合され、トランジスタ112の第2の電流電極は(最大電流基準18から受け取られる電流に対応する)IREFを受け取るように結合されている。トランジスタ112の制御電極はトランジスタ112の第2の電流電極およびトランジスタ110の制御電極に結合されている。
【0026】
動作時、トランジスタ112の第2の電流電極に供給される最大電流基準IREFはトランジスタ110によってミラーリングされ、トランジスタ114に提供される。トランジスタ114、抵抗器116および118、ならびにキャパシタ120は電流電圧変換器26として動作し、従って、トランジスタ114に供給される最大電流基準を電圧NVREFに変換する。キャパシタ106および抵抗器109によってフィルタリングされている、最大電流をスケーリングしたものが、トランジスタ122およびトランジスタ124を通じて供給されて、トランジスタ126によってミラーリングされる。MUX22によってVLIMITがトランジスタ14の制御電極に結合されるとき、トランジスタ14を通る電流はトランジスタ104を通る電流によって固定される。このようにして、トランジスタ14を通る電流はクランプされる。示されている実施形態において、最大電流基準18によって提供される同じIREFが過電流検出回路28および電圧クランプ30の両方によって使用される。
【0027】
それゆえ、これまでで、過電流状態および過電圧状態から負荷を保護するためにどのように検出回路の使用を使用することができるかが諒解され得る。さらに、過電流状態が発生すると、(アナログタイマ36によって決定されるような)所定の時間にわたって安定トランジスタをクランプすることによって、負荷20に供給される平均的な全体の電流が、所定の時間にわたってクランプを維持するためにタイマを使用すること無しにクランプを提供するよりも低いレベルに維持されることができる。また、回路をさらに保護するために、安定トランジスタがクランプされている所定の時間において、過電圧状態のモニタリングを実行することができ、それによって、過電圧状態が発生するのに応答して、所定の時間が満了する前に、フィードバックループが即座に閉じることができる。
【0028】
「アサート」または「セット」および「ネゲート」(または「アサート停止」もしくは「クリア」)という用語は、本明細書においては、信号、ステータスビット、または類似の装置をそれぞれ、その論理的に真または論理的に偽の状態にレンダリングすることを指す場合に使用される。論理的に真の状態が「1」の論理レベルである場合、論理的に偽の状態は「0」の論理レベルである。そして、論理的に真の状態が「0」の論理レベルである場合、論理的に偽の状態は「1」の論理レベルである。
【0029】
本発明を実装する装置は、大部分について、当業者に既知の電子コンポーネントおよび回路から成っているため、本発明の基礎となる概念の理解および評価のために、ならびに本発明の教示を分かりにくくせず当該教示から注意を逸らさせないために、回路の詳細は上記で例示されているように必要と考えられる範囲を超えては説明されない。
【0030】
本発明は特定の導電型または電位の極性に関して記載されているが、当業者には導電型および電位の極性は逆になってもよいことが理解される。
さらに、本明細書および特許請求の範囲における「正面」、「裏」、「上部」、「底」、「上」、「下」などの用語は、存在する場合、説明を目的として使用されており、必ずしも永久的な相対位置を記述するために使用されてはいない。このように使用される用語は、本明細書に記載されている本発明の実施形態がたとえば、本明細書において例示または他の様態で記載されている以外の方向で動作することが可能であるように、適切な状況下で置き換え可能であることが理解される。
【0031】
本明細書において、具体的な実施形態を参照して本発明を説明したが、添付の特許請求の範囲に明記されているような本発明の範囲から逸脱することなくさまざまな改変および変更を為すことができる。たとえば、電圧レギュレータ10の各ブロックは異なる回路実施態様を使用して実行されてもよい。従って、本明細書および図面は限定的な意味ではなく例示とみなされるべきであり、すべてのこのような改変が本発明の範囲内に含まれることが意図されている。本明細書において具体的な実施形態に関して記載されているいかなる利益、利点、または問題に対する解決策も、任意のまたはすべての請求項の重要な、必要とされる、または基本的な特徴または要素として解釈されるようには意図されていない。
【0032】
本明細書において使用される場合、「結合されている」という用語は、直接結合または機械的結合に限定されるようには意図されていない。
別途記載されない限り、「第1の」および「第2の」のような用語は、そのような用語が説明する要素間で適宜区別するように使用される。従って、これらの用語は必ずしも、このような要素の時間的なまたは他の優先順位付けを示すようには意図されていない。
【0033】
以下は本発明のさまざまな実施形態である。
項目1は、電圧レギュレータであって、該電圧レギュレータは、第1の基準電圧に結合される第1の入力、および電圧フィードバック信号に結合される第2の入力を有する増幅器と、増幅器の出力に結合される第1の入力、電圧クランプ信号に結合される第2の入力、および制御入力を有するマルチプレクサと、過電流指示に結合される第1の入力、無過電圧指示に結合される第2の入力、タイマ信号に結合される第3の入力、およびマルチプレクサの制御入力に結合される出力を有する制御回路とを含む。項目2は、項目1の電圧レギュレータを含み、増幅器の第2の入力に結合される負荷回路をさらに含む。項目3は、項目2の電圧レギュレータを含み、マルチプレクサの出力に結合されるゲート端子、供給電圧に結合されるソース端子、ならびに、負荷回路および増幅器の第2の入力に結合されるドレイン端子を有する安定トランジスタをさらに含む。項目4は、項目1の電圧レギュレータを含み、マルチプレクサの出力に結合されるゲート端子、供給電圧に結合されるソース端子、および、第1の電流電圧変換回路の入力に結合されるドレイン端子を有する電流スカラー・トランジスタをさらに含む。項目5は、項目4の電圧レギュレータを含み、スケーリングされた電流を過電流検出回路に提供するように構成されている第1の電流電圧変換回路をさらに含み、過電流検出回路は過電流指示を出力する。項目6は、項目5の電圧レギュレータを含み、最大基準電流源に結合される入力、および過電流検出回路に結合される出力を有する第2の電流−電圧変換器回路をさらに含む。項目7は、項目6の電圧レギュレータを含み、過電流検出回路(28)は比較器回路を含む。項目8は、項目1の電圧レギュレータを含み、第2の基準電圧に結合されている第1の入力、電圧フィードバック信号に結合される第2の入力、および、無過電圧指示を提供する出力を有する過電圧検出回路をさらに含む。項目9は、項目8の電圧レギュレータを含み、過電圧検出回路は比較器回路を含む。項目10は、項目1の電圧レギュレータを含み、タイマ信号を提供するように構成されるアナログタイマ回路をさらに含み、過電流状態が検出され、過電圧状態が検出されないとき、電圧レギュレータによって出力される電流は、タイマ信号が満了するまで制限される。
【0034】
項目11は、電圧レギュレータであって、過電流指示に結合される第1の入力、無過電圧指示に結合される第2の入力、タイマ信号に結合される第3の入力、および、制御信号を供給するように結合される出力を有する調整器制御回路と、増幅器出力信号に結合される第1の入力、電圧制限信号に結合される第2の入力、および制御信号に結合される制御入力を有するマルチプレクサとを含み、過電流状態が存在せず、且つ過電圧状態が存在する場合、マルチプレクサは、増幅器出力信号を出力し、過電流状態が存在し、且つ過電圧状態が存在しない場合にタイマ信号が満了していないとき、マルチプレクサは、電圧制限信号を出力する、電圧レギュレータを含む。項目12は、項目11の電圧レギュレータを含み、マルチプレクサは、過電圧状態が存在せず、且つタイマ信号が満了しているときに増幅器出力信号を出力する。項目13は、項目11の電圧レギュレータを含み、第1の入力において基準電圧を受け取り、第2の入力においてフィードバック電圧を受け取り、増幅器出力信号を出力するように結合されている増幅器をさらに含み、フィードバック電圧は負荷に結合されている調整器供給電圧に基づく。項目14は、項目13の電圧レギュレータを含み、第2の基準電圧をフィードバック電圧と比較し、過電圧状態が存在するかを示すための無過電圧指示をセットするように構成されている過電圧検出回路をさらに含む。項目15は、項目11の電圧レギュレータを含み、スケーリングされた電流を最大電流と比較し、過電流状態が存在するかを示すための過電流指示をセットするように構成されている過電流検出回路をさらに含む。項目16は、項目15の電圧レギュレータを含み、過電流指示および無過電圧指示を受信し、選択された時間にわたって満了していないタイマ信号を出力するように結合されているアナログタイマ回路をさらに含む。項目17は、項目11の電圧レギュレータを含み、マルチプレクサの出力に結合されているゲート端子、供給電圧に結合されるソース端子、および、負荷回路に結合されているドレイン端子を有する安定トランジスタをさらに含む。項目18は、項目11の電圧レギュレータを含み、マルチプレクサの出力に結合されているゲート端子、供給電圧に結合されるソース端子、および、第1の電流電圧変換回路の入力に結合されているドレイン端子を有する電流スカラー・トランジスタをさらに含む。
【0035】
項目19は、電圧を調整する方法であって、該方法は、負荷デバイスによって必要とされている電流が最大電流よりも大きいとき、負荷デバイスに供給される電流を制限すること、タイマを起動することを含み、負荷デバイスに供給されている電圧が最大電圧以下であるとき、負荷デバイスが最大電流よりも大きい電流量を引き込むことが再び可能になる前にタイマが満了するまで待機することを含む。項目20は、項目19の方法を含み、負荷デバイスに供給されている電圧が最大電圧よりも大きいとき、調整された電圧を負荷デバイスに供給することをさらに含む。