(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1に記載の発明のように、薬品を撮像するために、回転ローラの上に薬品を置いて薬品を回転させる方法では、断面形状が楕円形や多角形である薬品を回転させ難いため、薬品を円滑に読取りできない、すなわち撮像できない可能性がある。
【0011】
特に、注射剤が入れられた密封容器である小アンプルは、頭部が重く横置きの状態が安定しないので、回転ローラ上で回転させると振れながら回転し、撮像には適さない。
【0012】
また、回転ローラの表面がゴム製であれば、回転ローラが汚れてしまうと粘着質になってしまい、粘着質になると薬品は押し出されて回転しないので、円滑に撮像できない。
【0013】
本発明は、以上の点に鑑みて創案されたものであり、物品の読取りを円滑に行うことができる、読取機および払出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の目的を達成するために、本発明の読取機は、回転可能な第1の回転部と、該第1の回転部の回転径方向に対して略直交する方向であると共に同第1の回転部の回転中心を通る方向に延びる軸線を中心に回転可能であり、かつ、同第1の回転部との間の距離を変更可能に配置された第2の回転部と、前記第1の回転部と前記第2の回転部との間に配置された物品を読取可能な物品読取部とを備える。
【0015】
ここで、第1の回転部との間の距離を変更可能に配置された第2の回転部によって、第1の回転部との間の距離を短くして第1の回転部と第2の回転部との間に物品を挟持することができる。
【0016】
また、回転可能な第1の回転部と、第1の回転部の回転径方向に対して略直交する方向であると共に第1の回転部の回転中心を通る方向に延びる軸線を中心に回転可能な第2の回転部とによって、挟持された物品を回転させることができる。
【0017】
また、第1の回転部と第2の回転部との間に配置された物品を読取可能な物品読取部によって、第1の回転部と第2の回転部で挟持した物品を回転させながら物品を読取ることができる。
【0018】
また、本発明の読取機において、物品読取部は、物品の寸法を読取可能であり、本発明の読取機は、第1の回転部と第2の回転部との間に配置された物品の位置を調節可能な位置調節部と、物品読取部が読取った物品の寸法に基づいて、この物品の、軸線が延びる方向と略同じ方向に延びる回転中心線の位置を算出可能な回転中心算出部とを、さらに備え、位置調節部は、回転中心算出部が算出した物品の回転中心線の位置を、軸線と重なる位置に調節可能である構成とすることができる。
【0019】
この場合、様々な寸法を有する物品をそれぞれ回転させ易い位置に配置させることができる。
【0020】
さらに、本発明の読取機は、物品読取部が読取った物品の寸法に基づいて、第1の回転部と第2の回転部がこの物品を挟持可能な、第1の回転部と第2の回転部との間の距離を算出可能な距離算出部を、さらに備え、第2の回転部は、距離算出部が算出した、第1の回転部と第2の回転部との間の距離に基づいて、第1の回転部との間の距離を変更可能である
【0021】
この場合、第1の回転部と第2の回転部との間の距離が、物品の挟持に必要な距離を超えて短くなに難くなり、物品を破損し難い。
【0022】
また、上記の目的を達成するために、本発明の払出装置は、物品を配置可能な棚部と、該棚部に配置された物品を吸着可能および吸着解除可能であり、かつ、略水平方向および略鉛直方向に移動可能な吸着部と、回転可能な第1の回転部と、該第1の回転部の回転径方向に対して略直交する方向であると共に同第1の回転部の回転中心を通る方向に延びる軸線を中心に回転可能であり、かつ、同第1の回転部との間の距離を変更可能に配置された第2の回転部と、前記吸着部が物品を吸着解除して前記第1の回転部と前記第2の回転部との間に配置された同物品を読取可能な物品読取部とを有する読取機とを備える。
【0023】
ここで、棚部に配置された物品を吸着可能および吸着解除可能であり、かつ、略水平方向および略鉛直方向に移動可能な吸着部によって、物品を吸着して棚部から物品を取出し、読取機まで物品を運んだり、トレイまで物品を運んだり、棚部に物品を戻したりすることができる。
【0024】
また、第1の回転部との間の距離を変更可能に配置された第2の回転部によって、第1の回転部との間の距離を短くして第1の回転部と第2の回転部との間に物品を挟持することができる。
【0025】
また、回転可能な第1の回転部と、第1の回転部の回転径方向に対して略直交する方向であると共に第1の回転部の回転中心を通る方向に延びる軸線を中心に回転可能な第2の回転部とによって、挟持された物品を回転させることができる。
【0026】
また、吸着部が物品を吸着解除して第1の回転部と第2の回転部との間に配置されたこの物品を読取可能な物品読取部によって、第1の回転部と第2の回転部で挟持した物品を回転させながら物品を読取ることができる。
【0027】
また、本発明の払出装置において、棚部は複数の物品配置領域に区分けされており、本発明の払出装置は、物品配置領域の位置に関する情報である物品配置領域位置情報と物品読取部が読取った物品に関する情報である物品情報とを互いに関連付けて記録可能な物品情報記録部と、物品読取部が物品を読取った場合に、この物品が配置されていた物品配置領域と同じ物品配置領域にて吸着部にこの物品を吸着解除させる制御が可能な制御部とを、さらに備える構成とすることができる。
【0028】
この場合、何の物品を、棚部のどの領域に配置したかを把握していなくても、棚部の物品配置領域に物品を配置するだけで、物品情報と物品配置領域位置情報とを関連付けて記録し、何の物品を、棚部のどの領域に配置したかを把握することができる。
【0029】
また、本発明の払出装置において、平面形状を有し、かつ、略水平方向に対して傾斜していると共に一方側が他方側より略鉛直方向下方側に位置する底部と、底部の平面から、この平面に対して略直交する方向であると共に鉛直斜め上方向へ突出した支持部とを、棚部は有し、軸線は、支持部の突出方向と略同じ方向に延びている構成とすることができる。
【0030】
この場合、吸着部の、棚部に対する角度と読取部に対する角度が略同じになるので、物品を棚部から取出して読取機に配置したり、逆に物品を読取機から取出して棚部に配置したりし易い。
【0031】
また、本発明の払出装置において、物品配置領域それぞれにおける支持部の、底部の他方側に位置する面の略中央部には、この面とは反対側に向けて凹んでいると共にこの支持部の突出方向と略同じ方向に突出長さと略同じ長さに延びた凹部が形成された構成とすることができる。
【0032】
この場合、物品を物品配置領域に配置すると、重力によって自然に物品の軸心位置と凹部とが重なり、物品の軸心を吸着し易くなる。
【0033】
また、本発明の払出装置において、第1の回転部および前記第2の回転部が略水平方向に対して傾斜しており、読取機は、第1の回転部と第2の回転部との間に配置された物品の位置を調節可能であり、かつ、第1の回転部の略鉛直方向下方側と第2の回転部の略鉛直方向下方側とを結ぶ面を横切って、軸線へ向けて移動可能な位置調節部を有する構成とすることができる。
【0034】
この場合、第1の回転部の略鉛直方向下方側と第2の回転部の略鉛直方向下方側とを結ぶ面を横切って、軸線へ向けて移動可能な位置調節部が存在するので、第1の回転部と第2の回転部との間に配置された物品は、重力によって自然と位置調節部の方へ移動し、位置調節部に支持される。
【発明の効果】
【0035】
本発明に係る読取機は、物品の読取りを円滑に行うことができる。
本発明に係る払出装置は、物品の読取りを円滑に行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明し、本発明の理解に供する。
図1は、本発明を適用した読取機の一例を示す概略図である。
図1に示す本発明の読取機1は、回転可能な第1の回転部2を備える。
図1に示すように、第1の回転部2は円盤形状を有する。
【0038】
また、本発明の読取機1は、第2の回転部3を備える。ここで、第2の回転部3は、円柱形状を有する。
【0039】
また、
図1に示すように、第1の回転部2と第2の回転部3は互いに一定の距離離れて対向している。
【0040】
また、第2の回転部3は、第1の回転部2の回転径方向に対して略直交する方向であると共に第1の回転部2の回転中心を通る方向に延びる軸線6を中心に回転可能である。
また、第1の回転部2も軸線6を中心に回転可能である。
【0041】
また、第2の回転部3は、第1の回転部2との間の距離を変更可能に配置されている。
すなわち、
図1に示す本発明の読取機1は、第1の回転部2および第2の回転部3を回転させるための駆動モータなどが内蔵された駆動体15を備える。
【0042】
また、駆動体15の外側表面には、軸線6が延びる方向と略同じ方向に延びる、平面形状のスライド用部材7が、軸線6が延びる方向と略同じ方向にスライド可能に取付けられている。
また、スライド用部材7は、軸線6が延びる方向と略同じ方向における任意の位置において、自然落下しない程度に固定することができる。
【0043】
また、スライド用部材7には、スライド用部材7が延びる方向と略同じ方向に延びる、平面形状の縦方向部材8が取付けられている。
【0044】
また、縦方向部材8には、軸線6が延びる方向に対して略直交する方向および縦方向部材8が延びる方向に対して略直交する方向に延びる、平面形状の横方向部材9が取付けられている。
【0045】
また、
図1に示すように、横方向部材9は縦方向部材8の一方側へ突出して縦方向部材8に取付けられている。
【0046】
また、
図1に示すように、横方向部材9の突出した側の、略鉛直方向下側面には第2の回転部3が回転可能に取付けられている。
【0047】
また、スライド用部材7が駆動体15の外側表面上を、軸線6が延びる方向と略同じ方向にスライドできるので、スライド用部材7に取付けられた縦方向部材8や、縦方向部材8に取付けられた横方向部材9や、横方向部材9に取付けられた第2の回転部3も軸線6が延びる方向と略同じ方向に移動することができる。
【0048】
従って、第2の回転部3は、第1の回転部2との間の距離を変更できる。
また、第1の回転部2は、第2の回転部3との間の距離を変更可能に配置されることもできる。
【0049】
また、第2の回転部3には、第2の回転部3と薬品26との接触を検知可能な接触センサー3Aが取付けられている。
ここで、薬品は物品の一例であり、薬剤が収容された容器を意味する。
【0050】
また、本発明の読取機1は、第1の回転部2と第2の回転部3との間に配置された薬品26の位置を調節可能な位置調節部4を備える。
【0051】
また、位置調節部4の、軸線6へ向いた面には窪みが形成されている。この窪みは、軸線6とは反対側に向けて凹んでおり、かつ、軸線6が延びる方向と略同じ方向に延びている。
【0052】
また、本発明の読取機1は、第1の回転部2と第2の回転部3との間に配置された薬品26を読取可能な画像センサーカメラ5を備える。
【0053】
ここで、画像センサーカメラは物品読取部の一例である。
また、画像センサーカメラ5は、薬品26の寸法例えば幅や高さを読取可能である。
【0054】
また、本発明の読取機1は、第1の回転部2と第2の回転部3との間に配置された薬品26に光を照射する、第1の照明具10および第2の照明具11を備える。
【0055】
また、本発明の読取機1は、回転中心算出部12を備える。
ここで、回転中心算出部12は、画像センサーカメラ5が読取った薬品26の寸法に基づいて、軸線6が延びる方向と略同じ方向に延びる薬品26の回転中心線の位置を算出可能である。
【0056】
また、位置調節部4は、回転中心算出部12が算出した薬品26の回転中心線の位置を、軸線6と重なる位置に調節可能である。
【0057】
また、本発明の読取機1は、距離算出部13を備える。
ここで、距離算出部13は、画像センサーカメラ5が読取った薬品26の寸法に基づいて、第1の回転部2と第2の回転部3が薬品26を挟持可能な、第1の回転部2と第2の回転部3との間の距離を算出可能である。
【0058】
ここで、本発明の読取機は、必ずしも位置調節部および回転中心算出部を備えていなくてもよい。
しかし、本発明の読取機が、位置調節部および回転中心算出部を備えていれば、様々な寸法を有する薬品すなわち物品を、それぞれ回転させ易い位置に配置させることができるので好ましい。
【0059】
また、本発明の読取機は、必ずしも距離算出部を備えていなくてもよい。
しかし、本発明の読取機が距離算出部を備えていれば、第1の回転部と第2の回転部との間の距離を、物品の挟持に必要な距離を超えて短くするようなことがなく、物品を破損し難いので好ましい。
【0060】
図2は、本発明を適用した払出装置の一例を示す概略図である。
図2に示す本発明の払出装置21は、薬品26が配置された棚部22を備える。
【0061】
ここで棚部22は段構造になっており、各段は、略水平方向に延びており、かつ、複数の薬品配置領域(カセット)に区分けされている。
【0062】
また、棚部22は、底部22Aと、支持部22Bとを有する。
ここで、底部22Aは、平面形状を有し、かつ、略水平方向に対して傾斜していると共に一方側が他方側より略鉛直方向下方側に位置する。
【0063】
また、支持部22Bは、底部22Aの平面から、この平面に対して略直交する方向であると共に鉛直斜め上方向へ突出している。
【0064】
また、本発明の払出装置21は、本発明の読取機1を備えており、軸線6は、支持部22Bの突出方向と略同じ方向に延びている。
【0065】
また、棚部22の薬品配置領域それぞれにおける支持部22Bには、凹部22Cが形成されている。
ここで、凹部22Cは、薬品配置領域それぞれにおける支持部22Bの、底部22Aの他方側に位置する面の略中央部に形成されている。
また、凹部22Cは、この面とは反対側に向けて凹んでいると共に支持部22Bの突出方向と略同じ方向に、突出長さと略同じ長さに延びている。
【0066】
また、凹部22Cが延びる方向に対して略直交する方向の、凹部22Cの面形状は略V字形状である。
【0067】
また、本発明の払出装置21は、吸着部23を備える。
ここで、吸着部23は、棚部22に配置された薬品26を吸着可能および吸着解除可能であり、かつ、略水平方向および略鉛直方向に移動可能である。
【0068】
また、本発明の払出装置21は、略鉛直方向に延びた鉛直方向レール部材27と、略水平方向に延びた水平方向レール部材28とを備える。
ここで、水平方向レール部材28の一端は、鉛直方向レール部材27が延びる方向すなわち略鉛直方向に移動可能に、鉛直方向レール部材27に取付けられている。
【0069】
また、吸着部23は、水平方向レール部材28が延びる方向すなわち略水平方向に移動可能に、水平方向レール部材28に取付けられている。
【0070】
従って、吸着部23は、略水平方向および略鉛直方向に移動可能である。
【0071】
また、吸着部23は、この吸着部23が略水平方向に向いた位置と、この吸着部23が略鉛直方向下方に向いた位置との間を揺動可能すなわちスイング可能である。
また、吸着部23は、図示していない伸縮可能なアームを有しており、アームの先端部で薬品26を吸着および吸着解除する。
【0072】
また、本発明の払出装置21は、本発明の読取機1を備える。
本発明の読取機1について、すでに説明した内容については、ここでの説明を省略する。
【0073】
また、画像センサーカメラ5は、吸着部23が薬品26を吸着解除して第1の回転部2と第2の回転部3との間に配置された同じ薬品26を読取る。
【0074】
また、第1の回転部2および第2の回転部3は略水平方向に対して傾斜している。
【0075】
また、位置調節部4は、第1の回転部2の略鉛直方向下方側と第2の回転部3の略鉛直方向下方側とを結ぶ面を横切って、軸線6へ向けて移動可能である。
【0076】
また、本発明の払出装置21は、薬品情報データベース25を備える。
ここで、薬品情報データベース25は、薬品配置領域の位置に関する情報である薬品配置領域位置情報と、画像センサーカメラ5が読取った薬品26に関する情報である薬品情報とを互いに関連付けて記録可能である。
【0077】
また、薬品配置領域位置情報は、具体的には例えば、薬品配置領域の位置を、棚部22の上から若しくは下からの段数と、左から若しくは右からの列数とで特定した情報である。
また、薬品情報は、具体的には例えば、薬品を識別できる情報(薬品名、剤型など)、使用期限である。
また、薬品情報データベースは物品情報記録部の一例である。
【0078】
すなわち、薬品情報データベース25は、例えばA薬品が、上から3段目かつ左から7番目の薬品配置領域に配置されているという情報や、B薬品が、最下段かつ右から2番目の薬品配置領域に配置されているという情報を記録している。
【0079】
また、本発明の払出装置21は、制御部24を備える。
ここで、制御部24は、画像センサーカメラ5が薬品26を読取った場合に、薬品26が配置されていた薬品配置領域と同じ薬品配置領域にて、吸着部23に薬品26を吸着解除させる制御が可能である。
【0080】
また、第1の回転部2および第2の回転部3は略水平方向に対して傾斜しており、かつ、第1の回転部2および第2の回転部3それぞれの一方側が他方側より略鉛直方向下方側に位置している。
【0081】
また、位置調節部4は、第1の回転部2および第2の回転部3それぞれの略鉛直方向下方側に位置する一方側に配置されており、かつ、軸線6と略直交する方向に移動可能である。
【0082】
また、本発明の払出装置21は、吸着部23の略鉛直方向下方側に、着脱可能に配置されたトレイ29を備える。
また、図示していないが、トレイ29は無端コンベアの一方側すなわち吸着部23に面した側に載置されている。
【0083】
ここで、本発明の払出装置は、必ずしも薬品情報データベースすなわち物品情報記録部および制御部を備えていなくてもよい。
【0084】
しかし、本発明の払出装置が、物品情報記録部および制御部を備えていれば、何の物品を、棚部のどの領域に配置したかを把握していなくても、棚部の物品配置領域に物品を配置するだけで、物品情報と物品配置領域位置情報とを関連付けて記録し、何の物品を、棚部のどの領域に配置したかを把握することができるので好ましい。
【0085】
また、軸線は、必ずしも支持部の突出方向と略同じ方向に延びていなくてもよい。
しかし、軸線が支持部の突出方向と略同じ方向に延びていれば、吸着部の、棚部に対する角度と読取機に対する角度が略同じになるので、物品を棚部から取出して読取機に配置したり、逆に物品を読取機から取出して棚部に配置したりし易くなり、好ましい。
【0086】
また、必ずしも支持部に凹部が形成されていなくてもよい。
しかし、支持部に凹部が形成されていれば、支持部は略水平方向に対して傾斜して突出しているので、物品を物品配置領域に配置すると、重力によって自然に物品の軸心位置と凹部とが重なり、物品の軸心を吸着し易くなるので好ましい。
【0087】
また、必ずしも位置調節部は、第1の回転部の略鉛直方向下方側と第2の回転部の略鉛直方向下方側とを結ぶ面を横切って、軸線へ向けて移動可能でなくてもよい。
【0088】
しかし、位置調節部がこのように移動可能であれば、すなわちこのように移動可能な位置に配置されていれば、第1の回転部と第2の回転部との間に配置された物品は、重力によって自然と位置調節部の方へ移動し、位置調節部に支持されることになり、好ましい。
【0089】
次に、薬品の読取り手順の一例を説明する。
図3は、本発明を適用した読取機に薬品を仮置きした状態の一例を示す概略図(a)と、本発明を適用した読取機が薬品を回転できる状態の一例を示す概略図(b)である。
【0090】
棚部22の薬品配置領域(カセット)それぞれに、薬品26をランダムに置いていく。
【0091】
そして、吸着部23が、例えば棚部22の上から3段目かつ左から7番目の薬品配置領域に配置された薬品26を吸着する。
【0092】
この時点では、何の薬品を、棚部のどの領域に配置したかは把握されていない。
また、制御部24は、このときの薬品配置領域位置情報を一時的に記憶する。
【0093】
次に、吸着部23は、薬品26を吸着した状態で略水平方向および略鉛直方向に移動し、吸着部23が第1の回転部2と第2の回転部3との間の空間へ向いた位置で移動を停止する。
【0094】
さらに、吸着部23は、図示していないが、薬品26を先端部で吸着したアームを、本発明の読取機1の第1の回転部2と第2の回転部3との間の空間へ向けて伸ばす。
そして、薬品26が第1の回転部2と第2の回転部3との間に位置したときに、吸着を解除する。
【0095】
吸着部23は、薬品26の吸着を解除するとアームを収縮するが、停止した位置でそのまま待機する。
【0096】
ここで、本発明の読取機1の位置調節部4は、第1の回転部2の略鉛直方向下方側と第2の回転部3の略鉛直方向下方側とを結ぶ面を横切って、軸線6へ向けて移動可能である、すなわちこのように移動可能な位置に配置されているので、吸着が解除された薬品26は、
図3(a)に示すように重力によって自然と位置調節部4の方へ移動し、位置調節部4に支持される。
【0097】
そして、画像センサーカメラ5が、第1の回転部2と第2の回転部3との間に配置された薬品26の幅(外径)と高さを読取る。
【0098】
さらに、回転中心算出部12が、画像センサーカメラ5が読取った薬品26の幅に基づいて、軸線6が延びる方向と略同じ方向に延びる薬品26の回転中心線14の位置を算出する。
【0099】
また、距離算出部13が、画像センサーカメラ5が読取った薬品26の高さに基づいて、第1の回転部2と第2の回転部3が薬品26を挟持可能な、第1の回転部2と第2の回転部3との間の距離を算出する。
【0100】
次に、
図3(b)に示すように、位置調節部4が位置調節方向30すなわち軸線6へ近づく方向へ動いて薬品26を押し、回転中心算出部12が算出した薬品26の回転中心線14の位置を、軸線6と重なる位置に調節する。
【0101】
そして、第2の回転部3が、距離算出部13が算出した第1の回転部2と第2の回転部3との間の距離に基づいて、第1の回転部2との間の距離を変更する。
【0102】
図3(b)に示す例では、スライド用部材7が、距離変更方向31すなわち第2の回転部3が第1の回転部2に近づく方向へスライド(滑走)し、スライド用部材7に、縦方向部材8および横方向部材9を介して取付けられた第2の回転部3も第1の回転部2へ近づくので、第1の回転部2と第2の回転部3との間の距離は短くなる。
【0103】
また、画像センサーカメラ5が読取った薬品26の高さに基づいて、距離算出部13が、第1の回転部2と第2の回転部3が薬品26を挟持可能な、第1の回転部2と第2の回転部3との間の距離を算出し、その距離に基づいて第1の回転部2と第2の回転部3との間の距離が変更される、すなわち第2の回転部3が第1の回転部2へ近づくのであるが、第2の回転部3と薬品26との接触を接触センサー3Aが検知すると、スライド用部材7のスライドは停止し、第2の回転部3はそれ以上、第1の回転部2へ近づかなくなる。
【0104】
こうして、薬品26は第1の回転部2と第2の回転部3とで挟持された状態となる。
【0105】
次に、第1の回転部2と第2の回転部3が、互いに同じ方向へ軸線6を中心に回転し、軸線6と薬品26の回転中心線14とが重なっているので、薬品26も同じく軸線6を中心に回転する。
【0106】
また、このとき、第1の照明具10および第2の照明具11が薬品26に光を照射する。
【0107】
そして、画像センサーカメラ5が、回転している薬品26を読取る。すなわち、薬品26の外側表面に貼付されたラベルに示された文字や記号を読取る。
すなわち、画像センサーカメラ5は薬品26の、薬品名「A薬品」、剤型、使用期限などの薬品情報を読取ることになる。
【0108】
また、制御部24は、一時的に薬品26すなわちA薬品が配置されていた薬品配置領域位置情報を記憶しているので、薬品情報データベース25は、このA薬品の薬品配置領域位置情報と、画像センサーカメラ5が読取ったA薬品の薬品情報とを互いに関連付けて記録する。
【0109】
そして、画像センサーカメラ5による読取りが終わると、第1の回転部2と第2の回転部3の回転を停止する。
【0110】
次に、スライド用部材7が、第2の回転部3が第1の回転部2から離れる方向へスライドし、第1の回転部2と第2の回転部3との間の距離は長くなる。
その結果、第1の回転部2と第2の回転部3とでA薬品を挟持した状態が解除される。
【0111】
挟持状態が解除されると、A薬品は、再び重力によって自然と位置調節部4の方へ移動し、位置調節部4に支持される。
【0112】
そして、待機していた吸着部23がアームをA薬品へ向けて伸ばし、アームの先端部でA薬品を吸着する。
【0113】
また、制御部24は、一時的にA薬品が配置されていた薬品配置領域の位置情報を記憶しているので、画像センサーカメラ5による読取りが終わり、吸着部23がA薬品を吸着すると、制御部24は、A薬品が配置されていた薬品配置領域と同じ薬品配置領域において、吸着部23にA薬品を吸着解除させる制御を行う。
【0114】
すなわち、吸着部23は、A薬品を吸着した状態で略水平方向および略鉛直方向に移動し、A薬品が配置されていた、棚部22の上から3段目かつ左から7番目の薬品配置領域において、A薬品を吸着解除し、A薬品を再び同じ薬品配置領域に配置する。
【0115】
この場合、薬品情報データベース25は、棚部22の上から3段目かつ左から7番目という薬品配置領域位置情報と、画像センサーカメラ5が読取ったA薬品の薬品情報とを互いに関連付けて記録する。
【0116】
また、画像センサーカメラ5は薬品26の使用期限を読取るので、使用期限が切れたか否かが判明する。
【0117】
また、使用期限が切れた薬品26は、吸着部23に吸着される。
次に、吸着部23は、使用期限が切れた薬品26を吸着した状態で、吸着部23の略鉛直方向下方側に配置されたトレイ29へ接近し、スイングしてトレイ29へ向く。
【0118】
そして、吸着部23は、使用期限が切れた薬品26を先端部で吸着したアームを、トレイ29へ向けて伸ばし、吸着を解除する。
吸着を解除された使用期限切れの薬品26は、トレイ29へ収容される。
【0119】
トレイ29は、図示していない無端コンベアの吸着部23に面した側に載置されているので、薬品26を収容したトレイ29は、無端コンベアによって別の場所へ移動される。
【0120】
以上のように、本発明の読取機は、第1の回転部との間の距離を変更可能に配置された第2の回転部を備えているので、第1の回転部との間の距離を短くして第1の回転部と第2の回転部との間に薬品すなわち物品を挟持することができる。
【0121】
また、本発明の読取機は、回転可能な第1の回転部と、第1の回転部の回転径方向に対して略直交する方向であると共に第1の回転部の回転中心を通る方向に延びる軸線を中心に回転可能な第2の回転部を備えているので、挟持された物品を回転させることができる。
【0122】
また、本発明の読取機は、第1の回転部と第2の回転部との間に配置された物品を読取可能な画像センサーカメラすなわち物品読取部を備えているので、第1の回転部と第2の回転部で挟持した物品を回転させながら物品を読取ることができる。
【0123】
従って、物品が回転しない、若しくは回転し難いということがなく、よって、本発明の読取機は、物品の読取りを円滑に行うことができる。
【0124】
また、本発明の読取機は、物品を挟持して回転させながら物品を読取るので、回転ローラ上に物品を載せて回転させながら物品を読取る従来の装置では回転させ難かった、回転中心線に対して略直交する方向における断面形状が楕円形や多角形の物品も簡単に読取ることができる。
【0125】
また、本発明の払出装置は、本発明の読取機を備えているので、物品の読取りを円滑に行うことができる。
【0126】
また、本発明の払出装置は、物品読取部が物品を読取った場合に、この物品が配置されていた物品配置領域と同じ物品配置領域にて吸着部にこの物品を吸着解除させる制御が可能な制御部を備えているので、読取られた物品を再び、棚部の同じ物品配置領域へ戻すことができ、一つの物品について複数の物品配置領域を用意する必要がなく、省スペース化を実現できる。
【解決手段】読取機1は、回転可能な第1の回転部2と第2の回転部3を備える。第2の回転部3は、軸線6を中心に回転可能である。第2の回転部3は、軸線6が延びる方向と略同じ方向にスライド可能なスライド用部材7に、縦方向部材8と横方向部材9を介して取付けられているので、第2の回転部3は、第1の回転部2との間の距離を変更できる。読取機1は、吸着部が薬品26を吸着解除して第1の回転部2と第2の回転部3との間に配置された薬品26を読取可能な画像センサーカメラ5を備える。第1の回転部2と第2の回転部3とで挟持された薬品26を、第1の回転部2と第2の回転部3の回転によって回転させながら画像センサーカメラ5が、回転している薬品26を読取る。