(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
水を溜めた光透過性を有するチャンバ内に呼吸用ガスを流通させて加温加湿する呼吸用ガスの加温加湿器であって、前記チャンバの中心部に柱状体が立設状態に設けられ、前記チャンバの外部の発光部から水平方向に照射され前記柱状体を避けて前記チャンバ内を経由した照射光を前記チャンバの外部の受光部で受光することにより前記チャンバ内に溜められた水の水位を検出するセンサが備えられ、前記チャンバの周囲に該チャンバの前方を開放した状態とし、かつ前記チャンバの外周部の一部を覆うように円弧状に立設されて該チャンバ外周部から内部への外部光の入射を遮る外壁部が設けられ、前記発光部及び前記受光部は、前記外壁部の周方向の先端と前記柱状体の外周面との間を進行する外部光が前記受光部に到達することがないように配置されており、前記外壁部の前記チャンバに対向する壁面は、反射防止面とされ、前記受光部は、前記外壁部の前記チャンバに対向する壁面に設けられていることを特徴とする呼吸用ガスの加温加湿器。
前記受光部は、前記外壁部の前記チャンバと対向する壁面の周方向の一端部の背部に設けられ、該一端部に前記受光部の受光面に垂直方向に離間して配置される開口部が設けられ、前記壁面の他端を経由して前記柱状体の外周面の接線方向に進行する光の到達点及び前記開口部の内周縁を経由する前記柱状体の外周面の接線方向に進行する光の到達点が、前記受光部の設置位置からずれた位置に設定されることを特徴とする請求項1記載の呼吸用ガスの加温加湿器。
前記チャンバには、前記チャンバ内に呼吸用ガスを取り入れる吸入口と、前記チャンバ内で加湿された呼吸用ガスを外部に導き出す吹出口と、ヒータにより加熱される円柱状の加熱板と、前記チャンバ内の水に一部を浸漬させて湿潤状態に保たれるシート状加湿部材とが備えられ、前記柱状体は、前記シート状加湿部材と間隔をおいて配置され、前記チャンバの内部空間を前記シート状加湿部材が配置される加湿空間とその加湿空間に隣接する予熱空間との二重のリング状空間に区画する円筒状の仕切り板により構成されており、前記シート状加湿部材は前記加熱板に面接触するとともに、その表面に沿って前記呼吸用ガスを流通させるように配置され、前記予熱空間に前記吸入口が設けられ、前記加湿空間に前記吹出口が設けられ、前記予熱空間と前記加湿空間とは前記柱状体に設けられる連通部によって前記呼吸用ガスを前記予熱空間から前記加湿空間に流通する構成とされることを特徴とする請求項1又は2に記載の呼吸用ガスの加温加湿器。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載の加温加湿器においては、フロートの位置を目視で確認する必要があることから、使用者が常にチャンバ内の水位を監視しなければならず、使用者の負担が大きい。また、水の供給が適切になされない場合には、加湿効率が低下して呼吸用ガスを十分に加湿することができなくなる。
さらに、チャンバ内を清潔に保つために定期的に洗浄が行われるが、特許文献1や特許文献2に記載の加温加湿器のようなチャンバ内にフロートを設ける構成では、呼吸用ガスの経路内に配置される部品点数が多くなり、洗浄作業が煩雑になるという問題がある。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、安定した加湿能力を維持して連続的な運転を可能とするとともに、チャンバ内の洗浄を容易に行うことができる呼吸用ガスの加温加湿器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、水を溜めた光透過性を有するチャンバ内に呼吸用ガスを流通させて加温加湿する呼吸用ガスの加温加湿器であって、前記チャンバの中心部に柱状体が立設状態に設けられ、前記チャンバの外部の発光部から水平方向に照射され前記柱状体を避けて前記チャンバ内を経由した照射光を前記チャンバの外部の受光部で受光することにより前記チャンバ内に溜められた水の水位を検出するセンサが備えられ、前記チャンバの周囲に該チャンバ
の前方を開放した状態とし、かつ前記チャンバの外周部の一部を覆うように
円弧状に立設されて該チャンバ外周部から内部への外部光の入射を遮る外壁部が設けられ、前記発光部及び前記受光部は、前記外壁部の周方向の先端と前記柱状体の外周面との間を進行する外部光が前記受光部に到達することがないように配置されており、前記外壁部の前記チャンバに対向する壁面は、反射防止面とされ
、前記受光部は、前記外壁部の前記チャンバに対向する壁面に設けられていることを特徴とする。
【0009】
チャンバ内の水の量(水位)をセンサにより管理することができ、センサの出力に応じて給水を行うことで安定した加湿能力を維持して加温加湿器の連続的な運転を確保することができる。センサはチャンバの外部に配置されており、チャンバの外部から呼吸用ガスの経路内に非接触の照射光によってチャンバ内の水位を検知する構成とされているため、チャンバ内の洗浄作業を容易に行うことができる。
【0010】
また、センサは、発光部から照射される照射光を受光部により検知する構成とされることから、受光部に照射光以外の外部からの光(外部光)が入射すると、誤検知するおそれがある。そこで、本発明の加温加湿器においては、チャンバの外部に外壁部を設けるとともに、内部の柱状体との間で外部光の進路を制限して、外部光が受光部に到達することがないように配慮されている。したがって、チャンバの取り扱い性を損なうことなく、センサの検出精度の信頼性を高めることができ、チャンバの水位を安定させて管理することが可能である。この場合、外壁部はチャンバ外周部の全周を覆うことなく、一部を覆う構成とされていることから、チャンバの着脱性が損なわれることや、使用時にチャンバ内部の環境を使用者が目視で確認できなくなること等を回避することができる。
また、外壁部のチャンバに対向する壁面が反射防止面とされていることにより、外部光が外壁部で反射して受光部に入射されることを防止でき、センサの検出精度の信頼性をより一層高めることができる。
【0011】
本発明の呼吸用ガスの加温加湿器において、前記受光部は、前記外壁部の前記チャンバに対向する壁面の周方向の一端部の背部に設けられ、該一端部に前記受光部の受光面に垂直方向に離間して配置される開口部が設けられ、前記壁面の他端を経由して前記柱状体の外周面の接線方向に進行する外部光の到達点及び前記開口部の内周縁を経由する前記柱状体の外周面の接線方向に進行する外部光の到達点が、前記受光部の設置位置からずれた位置に設定される。
いわゆるマスクとして機能する開口部を形成することにより、受光部に略垂直に入射する光だけを検知させることができるので、外部光の影響をより低減させることができる。
また、上記のように外壁部と柱状体との間を進行する外部光の到達点が受光部に到達することがないように受光部を設置することで、受光部に直接入射しようとする外部光を排除することができる。
【0013】
本発明の呼吸用ガスの加温加湿器において、前記チャンバには、前記チャンバ内に呼吸用ガスを取り入れる吸入口と、前記チャンバ内で加湿された呼吸用ガスを外部に導き出す吹出口と、ヒータにより加熱される円柱状の加熱板と、前記チャンバ内の水に一部を浸漬させて湿潤状態に保たれるシート状加湿部材とが備えられ、前記柱状体は、前記シート状加湿部材と間隔をおいて配置され、前記チャンバの内部空間を前記シート状加湿部材が配置される加湿空間とその加湿空間に隣接する予熱空間との二重のリング状空間に区画する円筒状の仕切り板により構成されており、前記シート状加湿部材は前記加熱板に面接触するとともに、その表面に沿って前記呼吸用ガスを流通させるように配置され、前記予熱空間に前記吸入口が設けられ、前記加湿空間に前記吹出口が設けられ、前記予熱空間と前記加湿空間とは前記柱状体に設けられる連通部によって前記呼吸用ガスを前記予熱空間から前記加湿空間に流通する構成とされているとよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、チャンバ内の水位をチャンバの外部に配置されたセンサにより検出して管理できることから、センサの出力に応じて給水を行うことができ、安定した加湿能力を維持して連続的な運転を確保することができる。また、チャンバの外部から呼吸用ガスの経路内に非接触の照射光によってチャンバ内の水位を検知する構成とされているので、チャンバ内の洗浄作業を容易に行うことができる。さらに、外部光の影響を低減することができることから、センサの検出精度の信頼性を高めることができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態に係る呼吸用ガスの加温加湿器について、図面を参照しながら説明する。
図1に示す本実施形態の呼吸用ガスの加温加湿器100は、例えば、自発呼吸を補助して呼吸障害を治療するためのCPAP装置等に接続されて用いられる。CPAP装置は、持続気道陽圧(CPAP:continuous positive airway pressure)と呼ばれる方式の補助換気法を用いて患者に治療を施す装置であり、ネーザルプロング、気管挿管チューブ、鼻マスク等の患者インターフェースを介して所定量の酸素と空気との混合ガスからなる呼吸用ガスを患者に供給する。そして、加温加湿器100は、患者に供給される呼吸用ガスを適度の温度及び湿度に維持するために設けられており、CPAP装置から送られる呼吸用ガスは加温加湿器100で加温加湿され、患者に供給されるようになっている。
【0017】
加温加湿器100は、
図1に示すように、制御部等が内蔵された本体1と、本体1と一体に設けられた基台2と、基台2に着脱可能に設けられたチャンバ3と、チャンバ3内に呼吸用ガスを送り込む供給用ホース4と、加温加湿後の呼吸用ガスをチャンバ3から患者インターフェースに送り出すインターフェース接続ホース5と、チャンバ3内に水を供給する給水部6とを備える。
また、加温加湿器100の基台2には、チャンバ3内に溜められた水の水位を検出するためのセンサ20(
図5参照)が設けられており、加温加湿器100の運転時にチャンバ3内の水位に応じて、給水部6から水が供給されるようになっている。その詳細は、後述する。
なお、加温加湿器100は、
図1に示すように、キャスタ71により移動自在な架台7上に載置されており、架台7とともに全体を移動可能になっている。
【0018】
基台2は、チャンバ3の下部を嵌め込むことによりチャンバ3を装着可能な凹部21が形成されており、その凹部21の中心部にほぼ円柱状のヒータ22が垂直に立設されている。そして、ヒータ22の表面は、熱伝導性の高い金属(例えば、アルミニウム)からなるヒートシンク23で気密に覆われた構成とされている。
【0019】
チャンバ3は、水を溜める容器部8とその容器部8の上部に取り付けられる蓋部9とから構成されており、容器部8と蓋部9とで構成されるチャンバ3の内部空間に呼吸用ガスを通過させることにより、呼吸用ガスを加温加湿できるようになっている。
また、チャンバ3の容器部8及び蓋部9は、例えばポリカーボネート樹脂(PC)やPMMA等のアクリル樹脂、ポリスルホン樹脂(PSU)等の光透過性を有する透明な樹脂により形成されている。
【0020】
蓋部9は、本体1に設けられるヒンジ機構部24に着脱可能に設けられるとともに、容器部8に係合するロック部25を有する構成とされている。蓋部9は、ヒンジ機構部24に装着された状態では、ヒンジ機構部24の基端部により本体1に回動自在に支持され、
図2に示すように、容器部8の上部を開閉できるようになっている。なお、蓋部9は、ヒンジ機構部24から脱離させた状態においても容器部8の上部に着脱することができる。
また、蓋部9には、
図1及び
図2に示すように、チャンバ3の内部空間に呼吸用ガスを取り込む吸入口41と、チャンバ3内で加湿された呼吸用ガスを外部に導き出す吹出口51と、チャンバ3内に加湿用の水を供給する給水口61とが設けられている。そして、吸入口41は供給用ホース4に接続され、吹出口51はインターフェース接続ホース5に接続され、吸水口61は給水部6に接続されている。
【0021】
容器部8には、
図3及び
図4に示すように、底部の中心部に熱伝導性の高い金属(例えば、アルミニウム)からなる加熱板81が設けられている。この加熱板81は、ほぼ円筒スリーブ状の胴体部の上端を天板部に一体に閉塞した形状に形成されている。そして、加熱板81の外周面81aがチャンバ3の内部空間の一部を構成しており、内部空間がリング状の空間に形成されている。また、加熱板81の胴体部の内側には、容器部8を基台2に装着する際にヒートシンク23が挿入されるようになっている。
この場合、ヒートシンク23と加熱板81とは、上方に向かうにしたがって漸次縮径するように若干のテーパ状に形成され、ヒートシンク23の外周面23aと加熱板81の内周面81bとがほぼ同じ傾斜角度に形成されていることにより、ヒートシンク23に加熱板81を嵌合したときに、加熱板81の内周面81bとヒートシンク23の外周面23aとが面接触し、ヒータ22の熱がヒートシンク23を介して加熱板81に円滑に伝えられるようになっている。
そして、この加熱板81の外周面81aに、シート状加湿部材11を有するタワーユニット10が着脱可能に取り付けられるようになっている(
図6参照)。
【0022】
タワーユニット10は、
図6に示すように、シート状加湿部材11をほぼ円筒状に支持する枠体12と、シート状加湿部材11の周囲に間隔をあけて設けられる円筒状の仕切り板13との二つの部品を組み合せて構成されている。そして、枠体12と仕切り板13とは、ポリプロピレン等の樹脂により形成されている。
枠体12は、タワーユニット10の長さ方向の両端に配置される円環部を4本の板状部で繋いだ形状とされており、板状部の間を塞ぐようにシート状加湿部材11が取り付けられることにより、シート状加湿部材11がほぼ円筒状に保持されている。この場合、加熱板81が若干のテーパ状に形成されていることから、この加熱板81の外周面81aにシート状加湿部材11を緊密接触できるように、枠体12の板状部及びシート状加湿部材11も加熱板81と同様に、上方に向かうにしたがって漸次縮径するように傾斜を設けた若干のテーパ状に形成されている。
【0023】
また、仕切り板13は、枠体12の外側を覆う円筒状に形成されており、枠体12と仕切り板13とは、タワーユニット10の両端部で接続されている。
そして、タワーユニット10を容器部8の加熱板81に取り付けた状態では、シート状加湿部材11が加熱板81の外周面81aに面接触するように配置されるとともに、仕切り板13によりチャンバ3の内部空間を内側と外側との二重のリング状空間に区画する。したがって、チャンバ3の内部空間は、シート状加湿部材11が配置される内側の加湿空間31と、その加湿空間31に隣接する予熱空間32とに区画されることとなる。
【0024】
また、仕切り板13の下部には、予熱空間32と加湿空間31とを連通する連通部33が設けられており、この連通部33は、水面下に配置される下側連通部34と、この下側連通部34よりも上側に配置され水面wに近接して水面上に開口した上側連通部35とにより構成されている。そして、容器部8内の水は、下側連通部34により、予熱空間32と加湿空間31との間で流通可能とされ、予熱空間32と加湿空間31とに水が同じ水位で貯留される。
この場合、タワーユニット10の下端部が水に浸漬するとともに、加熱板81の下端部も水に浸漬して設けられるが、タワーユニット10及び加熱板81の大部分は水面上に露出して設けられる。このため、加熱板81によってチャンバ3内の水を加熱することができるとともに、チャンバ3内の空間を温めることができ、チャンバ3の内部空間の湿度を高めることができる。
【0025】
そして、蓋部9に設けられた吸入口41及び給水口61は、予熱空間32に接続されている。一方、吹出口51は加湿空間31に接続されており、吸入口41から取り込まれた呼吸用ガスは、連通部33を介して予熱空間32から加湿空間31へと移動し、吹出口51から取り出されるようになっている。
【0026】
シート状加湿部材11は、例えばレーヨンやポリエステル、綿などの天然素材により形成された不織布等の吸水性及び通気性に優れた材料が用いられる。このシート状加湿部材11は、前述したようにタワーユニット10を加熱板81に取り付けた状態において、下端部が容器部8内の水に浸漬した状態とされる。これにより、シート状加湿部材11が毛細管現象によって水を吸い上げてシート全域にわたって水が浸透し、水を含んだ湿潤状態が保たれる。
なお、シート状加湿部材11は、枠体12に接着することにより取り付けることができるが、予め枠体12の成形時に金型内にシート状加湿部材11を挿入しておくことで、枠体12と一体化して設けることもできる。
【0027】
チャンバ3内に水を供給する給水部6は、給水用バッグ62と、この給水用バッグ62とチャンバ3とを接続する給水ホース63と、給水用バッグ62内の水を送水する送水ポンプ64とを備える。
給水ホース63は、チャンバ3の蓋部9に設けられた給水口61に接続されており、後述するセンサ20の出力結果を受け、チャンバ3内に貯留された水の水位に応じて、給水用バッグ62からチャンバ3内に水が供給されるようになっている。
また、図示は省略するが、加温加湿器100には、チャンバ3内に呼吸用ガスを送り込むためのガス供給機(例えば、CPAP装置)が接続される。
【0028】
センサ20は、
図5に示すように、一対の発光部26と受光部27とからなるユニットにより構成されており、発光部26から水平方向(チャンバ3の水面wと平行)に照射された照射光Lを、その発光部26と同じ高さに配置された対となる受光部27で受光することにより、チャンバ3内に溜められた水の水位を検出するものである。
【0029】
発光部26には、例えば赤外線領域の波長光を発光するLED光源が用いられる。なお、光源の波長域はこれに限定されるものではなく、他の領域の光源を使用することも可能である。
また、受光部27には、発光部26の光源の波長域に対応する感度を有する各種のフォトダイオードが用いられる。そして、発光部26及び受光部27は、
図5に示すように、基台2に立設され、チャンバ3の周囲にチャンバ3の外周部の一部を覆うようにして形成された半円弧状の外壁部29に取り付けられている。
【0030】
本実施形態の加温加湿器100においては、センサ20は、
図7(a)及び(b)に示すように、一対の発光部26と受光部27とからなるユニットを3組備える構成とされており、各ユニットを構成する発光部26と受光部27とは、チャンバ3の容器部8の外側に、その容器部8を挟むように配置されている。
そして、各発光部26は、
図7(a)に示すように、基板26B上に高さ方向に間隔をあけて均等に配置されている。また、各受光部27も基板27B上に、発光部26と同様の間隔をあけて高さ方向に均等に並べられており、ユニットごとに発光部26と受光部27とが同じ高さになるように配置されている。そして、受光部27は、各ユニットの発光部26から照射された照射光Lの照射方向に対してチャンバ3に貯留された水を経由することで屈折した方向に進行する照射光L1を、受光可能な位置に設けられている。
【0031】
すなわち、照射光Lの光路よりもチャンバ3内に貯留された水の水位がセンサ20の取り付け高さよりも高い位置にある場合は、発光部26から照射された照射光Lがチャンバ3内の水を経由することにより屈折して進行方向が曲げられるので、受光部27は、この屈折した照射光L1を受光可能な位置に設けられている。したがって、チャンバ3内の水位がセンサ20の取り付け高さよりも低い場合は、照射光Lはチャンバ3内の水のない空間部を経由して略直進することとなり、その略直進する照射光L2を受光部27で検出することができなくなる。
このように、センサ20は、発光部26から照射された照射光Lを受光部27で検出できるか否かで、チャンバ3内の水位がセンサ20の取り付け高さよりも高いか低いかを検出することができるようになっている。
【0032】
また、センサ20は、複数のユニットからなる受光部27と発光部26とを備えていることから、ユニットごとに異なる水位を検出することができるようになっている。したがって、各ユニットの検出結果によってチャンバ3内の水位がどのレベルにあるかを細かく検出することができる。
例えば、最も下側に配置された受光部27aと発光部26aとからなるユニットが照射光Lを検出しているが、中央に配置された発光部26bと受光部27bとからなるユニットが照射光Lを検出できない状態であれば、チャンバ3内の水位は、下側のユニットと中央のユニットとの間の高さにあることがわかる。また、下側のユニット及び中央のユニットが照射光Lを検出しているが、発光部26cと受光部27cとからなる上側のユニットが照射光Lを検出できない状態であれば、チャンバ3内の水位は、中央のユニットと上側のユニットとの間の高さにあることがわかる。したがって、これら3段階の高さに配置されたユニットの検出結果に基づき、チャンバ3内の水位を細かく検出することができるようになっている。
そして、センサ20の検出結果(受光部27a〜27cの検出結果)に基づいてチャンバ3内の水位が判定され、チャンバ3内の水位が標準位置よりも下側であると判定されると、給水部6から水が自動給水されるようになっている。
【0033】
また、センサ20は、各ユニットの発光部26a〜26cの照射タイミングをずらして照射光Lを照射する構成とされており、隣接する受光部27a〜27cのそれぞれが異なる高さの照射光Lを拾って誤認識することが防止される。このため、ユニットごとに安定した検出を行うことができ、チャンバ3内の水位を正確に把握することができるようになっている。
【0034】
また、上述したように、チャンバ3の外周部の一部は外壁部29で覆われており、この外壁部29で覆われたチャンバ3の外周部においては、チャンバ3に外部から入射する光(外部光)を遮ることができる。そして、発光部26及び受光部27は、外壁部29の周方向の先端と仕切り板13の外周面との間を進行する外部光が、受光部26に到達することが無いように配置されている。
具体的には、受光部27は、
図5に示すように、外壁部29のチャンバ3と対向する壁面29aの一端部(一端29tの近辺)の背部に設けられ、その一端部に受光部27の受光面27aに垂直方向に離間して配置される開口部28が設けられている。この開口部28は、発光部26から照射される照射光Lではなく、チャンバ3の外部から照射される外部光が受光部27に入り込むことがないように、マスクとして機能する。これにより、受光部27に散乱光や斜め方向から入射する外部光を遮断することができる。
そして、壁面29aの他端29sを経由して仕切り板13の外周面の接線方向に進行する外部光(破線S1)の到達点、及び開口部28の内周縁を経由して仕切り板13の外周面の接線方向に進行する外部光(破線S2)の到達点が、受光部27の設置位置からずれた位置となるように設定される。
これにより、発光部26及び受光部27は、破線S1〜S3で示すように、外壁部29の壁面29aと仕切り板13の外周面との間を進行する外部光が、受光部27に到達することがないように配置され、受光部27に直接入射しようとする外部光を排除することができ、予定された照射光L以外の光が受光部27に直接入射することが防止される。
【0035】
さらに、外壁部29のチャンバ3に対向する壁面29aは反射防止面とされており、壁面29aに到達する外部光等の予定された照射光L以外の光を遮断し、これらの光が壁面29aで反射して受光部27に入り込むことを防止している。
外壁部29の壁面29aは、例えば光の反射率が低く遮光性能を有する植毛紙を貼り付けたり、艶消し塗装を施したりすることによって反射防止面とされる。
また、発光部26と受光部27とを間欠駆動しておき、各発光部26の発光タイミングと各受光部27の受光タイミングとを一致させることによっても、外部光の影響を低減することができる。
【0036】
次に、加温加湿器100の動作について説明する。
チャンバ3内に呼吸用ガスを供給する前に、給水用バッグ62からチャンバ3内に給水を行う。これにより、シート状加湿部材11の下端部が水面下に浸漬され、シート状加湿部材11が水を吸い上げて湿潤状態となる。そして、この状態でガス供給機を駆動することにより、呼吸用ガスを吸入口41からチャンバ3内に供給する。
【0037】
呼吸用ガスは、まず予熱空間32に導入され、この予熱空間32に取り込まれた呼吸用ガスは、仕切り板13の上側連通部35に向かって下向きに流れる。この予熱空間32を通過する際に、呼吸用ガスは予備的に加温されるとともに、チャンバ3内の水面w等から予熱空間32内に蒸発している水蒸気により予備的に加湿される。そして、仕切り板13の上側連通部35を通過して加湿空間31へと移動する際に、呼吸用ガスは水面に近接する上側連通部35を通ることで、水面wに接触して加湿が促進される。
加湿空間31に取り込まれた呼吸用ガスは、流れの向きを上向きに変えて上部の吹出口51に向かって流れる。この際、呼吸用ガスは、加熱板81によって温められた湿潤状態のシート状加湿部材11の表面をなぞるようにその表面に沿って流れることにより、シート状加湿部材11に含まれる水分を気化させ、その水蒸気が取り込まれることで加湿される。そして、加湿された呼吸用ガスは、吹出口51から外部へと取り出される。
【0038】
なお、シート状加湿部材11は、呼吸用ガスを加湿することで水分が奪われる形となるが、シート状加湿部材11の下端部を水面下に浸漬させているので、呼吸用ガスを加湿すると同時に水を吸い上げて湿潤状態が保たれる。このため、呼吸用ガスを連続して加湿することができる。
また、チャンバ3内の水が消費されることに伴い水位が低下するが、加温加湿器100においては、センサ20の出力結果(受光部27の検出結果)に基づいてチャンバ3内の水位が判定されるようになっており、チャンバ3内の水位が標準位置よりも下側であると判定されると、給水部6から水が自動給水されるようになっている。
したがって、センサ20の出力に応じて給水を行うことでチャンバ3内の水位を所定の範囲内で管理することができ、安定した加湿能力を維持して加温加湿器100の連続的な運転を確保することができる。
具体的には、センサ20の中央の高さに配置される発光部26bと受光部27bとからなるユニットにおいて、照射光Lが検出されない状態となると水が供給され、照射光Lが検出されると水の供給が停止されるようになっている。
【0039】
なお、センサの下側のユニット(発光部26a及び受光部27a)で信号が出力されなくなった場合は、チャンバ3内の水位が「低水位」と判定される。また、最も上側のユニット(発光部26c及び受光部27c)の信号が検出された場合は、チャンバ3内の水位が「高水位」と判定される。そして、「低水位」又は「高水位」と判定された場合は、警報を出すように設定されており、安全性の向上を図るとともに使用者の管理の手間を省くことができるようになっている。
【0040】
また、上記実施形態においては、センサ20の受光部27をチャンバ3に貯留された水を経由することで屈折した方向に進行する照射光L1を捉える位置に配置する構成としたが、受光部27をチャンバ3内の空間部を略直進する照射光L2を受光可能な位置に設ける構成とすることもできる。
この場合、チャンバ3内の水位がセンサ20の取り付け高さよりも低い場合に、受光部27で照射光Lを検出することができるが、水位がセンサ20の取り付け高さよりも高い場合は、照射光Lがチャンバ3内の水を経由する際に屈折して進行方向が曲げられるために受光部27で照射光Lを検出することができなくなる。したがって、この場合においても、上記実施形態の加温加湿器100と同様に、照射光Lを受光部27で検出できるか否かで、チャンバ3内の水位がセンサ20の取り付け高さよりも高いか低いかを検出することができる。
なお、反射方式では、チャンバ3の傷や汚れにより誤検出のおそれがあるが、屈折透過方式では、その誤検出のおそれが少ない。
【0041】
また、センサ20を構成する各ユニットの発光部26と受光部27とを、隣接するユニットごとに照射方向が逆向きとなるように交互に配置する構成とすることもできる。
隣接するユニットの発光部26が照射する照射光の照射方向が逆向きになっているので、隣接するユニットの照射光を受光部27で誤認識するおそれがなく、チャンバ3内の水位の検出をより正確に行うことができる。
【0042】
このように、本実施形態の加温加湿器100によれば、チャンバ3内の水位をセンサ20により管理することができ、センサ20の出力に応じて給水を行うことで安定した加湿能力を維持して加温加湿器100の連続的な運転を確保することができる。
また、チャンバ3内の清浄化のために、チャンバ3を洗浄することが定期的に行われるが、本実施形態の加温加湿器100においては、センサ20はチャンバ3の外部に配置されており、チャンバ3の外部から呼吸用ガスの経路内に非接触の照射光Lによってチャンバ3内の水位を検知する構成とされているため、チャンバ3内の洗浄作業を容易に行うことができる。
【0043】
また、本実施形態の加温加湿器100においては、チャンバ3の周囲を全周覆うことなく、チャンバ3の外部に外壁部29を設けるとともに、内部の仕切り板13(柱状体)との間で外部光の進路を制限して、外部光が受光部27に到達することがないように配慮されている。
したがって、チャンバ3の取り扱い性を損なうことなく、受光部27に外部光が入射することによる誤認識を防止でき、センサ20の検出精度の信頼性を高めることができるので、チャンバ3内の水位を安定させて管理することができる。
この場合、外壁部29は、半円弧状に設けられチャンバ3の外周部の一部を覆う構成とされていることから、加温加湿器100の前方が開放状態とされる。したがって、チャンバ3を洗浄する際に、チャンバ3(容器部8及び蓋部9)の基台2への着脱を容易に行うことができる。また、使用時にチャンバ3の内部環境を使用者が目視で確認することもできるようになっており、加温加湿器100の取り扱い性を向上させることができる。
【0044】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。