特許第6351264号(P6351264)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6351264人間の体のための支持要素およびその実現のための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6351264
(24)【登録日】2018年6月15日
(45)【発行日】2018年7月4日
(54)【発明の名称】人間の体のための支持要素およびその実現のための方法
(51)【国際特許分類】
   B62J 1/18 20060101AFI20180625BHJP
【FI】
   B62J1/18
【請求項の数】18
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-557216(P2013-557216)
(86)(22)【出願日】2012年3月9日
(65)【公表番号】特表2014-514982(P2014-514982A)
(43)【公表日】2014年6月26日
(86)【国際出願番号】IB2012051128
(87)【国際公開番号】WO2012123876
(87)【国際公開日】20120920
【審査請求日】2015年1月7日
【審判番号】不服2016-15076(P2016-15076/J1)
【審判請求日】2016年10月6日
(31)【優先権主張番号】VR2011A000052
(32)【優先日】2011年3月11日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】511227118
【氏名又は名称】セレ・ロイヤル・ソシエタ・ペル・アチオニ
【氏名又は名称原語表記】SELLE ROYAL S.P.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】サム,フェリックス・オコン
(72)【発明者】
【氏名】ビゴリン,バルバラ
(72)【発明者】
【氏名】ケッキン,クラウディオ
【合議体】
【審判長】 氏原 康宏
【審判官】 平田 信勝
【審判官】 出口 昌哉
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭62−128984(JP,U)
【文献】 特開平3−193540(JP,A)
【文献】 米国特許第4815361(US,A)
【文献】 登録実用新案第3076603(JP,U)
【文献】 特開2009−101867(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3066302(JP,U)
【文献】 特開平6−226838(JP,A)
【文献】 米国特許第5441676(US,A)
【文献】 特開2001−333831(JP,A)
【文献】 特開平5−139231(JP,A)
【文献】 実開平1−72310(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62J 1/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人間の体のための支持要素であって、軟らかくかつ撓む材料の層(3;103;203)と、外観および/または快適さの観点で異なる特性を有する少なくとも1つの表面インサート(4;104;204)とを備え、前記支持要素は前記層(3;103;203)で少なくとも部分的にコーティングされた、剛性の、半剛体の、または弾性材料のコア(2;102;202)を備え、前記少なくとも1つの表面インサート(4;104;204)はユーザに接する視認可能な表面(6;106;206)を備え、
前記視認可能な表面(6;106;206)は、前記軟らかくかつ撓む材料の層(3;103;203;)よりもサイズが小さく、前記表面インサート(4;104;204)は前記軟らかくかつ撓む材料の層(3;103;203)に埋込まれる少なくとも1つの部分(5;105;205)を備え、前記軟らかくかつ撓む材料の層(3;103;203)に埋込まれた前記少なくとも1つの部分(5;105;205)は、前記軟らかくかつ撓む材料の層(3;103;203)に埋込まれて囲まれ、前記表面インサート(4;104;204)の全周にわたる少なくとも1つの側方フラップからなり、前記側方フラップ(5;105;205)は、前記表面インサート(4;104;204)の視認可能な表面(6;106;206)から延在し、前記表面インサート(4;104;204)よりも厚みが薄いことを特徴とする、支持要素。
【請求項2】
前記表面インサート(4;104;204)は、ポリウレタンフォーム、エラストマー材料皮革、布、合成材料、金属、ゴム通気性のある材料、低摩擦係数材料、またはその組合せを備える、請求項1に記載の支持要素。
【請求項3】
前記表面インサート(4;104;204)は、インサートの上に載る際に異なる快適さ特性を有する材料から作られる、積層されるかまたは結合される複数のインサートを備える、請求項1または2に記載の支持要素。
【請求項4】
前記表面インサート(4;104;204)は外側ケーシングを備え、その内部にコルク、シリカ微小球粒子状材料、ポリスチレン粘弾性材料、ゲル、または液体ゲル位置決めされる、請求項1から3のいずれか1項に記載の支持要素。
【請求項5】
前記表面インサート(4;104;204)は熱成形によって作られる、請求項1から4のいずれか1項に記載の支持要素。
【請求項6】
前記表面インサート(4;104;204)はゲルまたはエラストマー材料を備える、請求項1から5のいずれか1項に記載の支持要素。
【請求項7】
前記表面インサート(4;104;204)は前記層(3;103;203)とは色が異なり異なる表面仕上げを備えその外観に関して前記支持要素(1)の残余の表面に対して別化され、ロゴ、マーク、グラフィック要素、プリント転写、前記支持要素(1)を差別化するもしくはり見栄えを良くするもしくはより目立たせる他のグラフィックもしくは装飾要素、またはその組合せの特性を備えるかまたはもたらす、請求項1から6のいずれか1項に記載の支持要素。
【請求項8】
前記表面インサート(4;104;204)は、前記層(3;103;203)作られ、前記層にくっつくのに好適な材料と適合性のある材料を備える、請求項1から7のいずれか1項に記載の支持要素。
【請求項9】
前記表面インサート(4)の前記適合性のある材料は、ポリウレタン材料、熱可塑性材料の膜もしくは層、またはライマーのような適合性を持たせる材料で予め処理されて、ポリウレタンフォームから作られる前記層(3)にくっつく任意の材料を備える、請求項8に記載の支持要素。
【請求項10】
前記表面インサート(4)の前記適合性のある材料は、ポリウレタン系材料、熱可塑性ポリウレタン材料の膜もしくは層もしくはポリウレタンを含浸した材料、またはライマーのような適合性を持たせる材料で予め処理されて、エラストマー材料から作られる前記層(3)にくっつく任意の材料を備える、請求項8に記載の支持要素。
【請求項11】
前記層(3;103;203)の前記軟らかくかつ撓む材料は、ポリウレタンフォーム種、および/またはエラストマー材料、または護表面フィルムコーティングされるのである、請求項1から10のいずれか1項に記載の支持要素。
【請求項12】
前記コア(2;102;202)は、輸送の手段、公知の装置、家具用要素、およびスポーツ器具などとの結合のための手段を備える、請求項1から11のいずれか1項に記載の支持要素。
【請求項13】
前記支持要素は、自転車またはバイクまたは輸送手段のためのサドル、シート、自転車、バイク、およびスポーツ器具などのハンドルバーのための握り、アームレスト、腰支持体、ヘッドレスト、ならびにスポーツおよびレジャー器具などであり、前記支持要素にはユーザに接するのに好適な表面が設けられる、請求項1から12のいずれか1項に記載の支持要素。
【請求項14】
実質的に前記少なくとも1つの表面インサート(204)において少なくとも1つの外側カバー(209)を備える、請求項1から1のいずれか1項に記載の支持要素。
【請求項15】
軟らかくかつ撓む材料の層(3;103;203)と、外観および/または快適さの観点で異なる特性を有する少なくとも1つの表面インサート(4;104;204)とを備える、人間の体のための支持要素(1;101;201)を作るためのプロセスであって、前記支持要素は前記層(3;103;203)で少なくとも部分的にコーティングされた、剛性の、半剛体の、または弾性材料のコア(2;102;202)を備え、前記表面インサート(4;104;204)はユーザに接する視認可能な表面(6;106;206)を備え、
−ユーザに接する視認可能な表面(6;106;206)および前記表面インサート(4;104;204)の全周にわたる少なくとも1つの側方フラップからなる少なくとも1つの部分(5;105;205)を備える少なくとも1つの表面要素(4;104;204)を設ける工程を備え、前記側方フラップ(5;105;205)は、前記表面インサート(4;104;204)の視認可能な表面(6;106;206)から延在し、前記表面インサート(4;104;204)よりも厚みが薄く、
−少なくとも1つの隆起したリブ(N)を備える型の第1の片側シェル(S)を設ける工程を備え、その周は前記表面要素(4;104;204)の前記視認可能な表面(6;106;206)の周に実質的に対応し、さらに
−前記第1の片側シェル(S)の前記リブ(N)内側に前記表面要素(4;104;204)を配置することにより、その視認可能な表面(6;106;206)が前記第1の片側シェル(S)の内側表面に直接に接するようにする工程と、
−第2の片側シェルを用いて前記型を閉じる工程と、
−前記型の中に、ポリウレタンフォーム種の材料および/またはエラストマー材料注入して、軟らかくかつ撓む材料の層(3;103;203)を作る工程と、
−前記注入工程の間に前記層(3;103;203)の中に前記部分(5;105;205)を埋込んで取り囲む工程と、
記型を閉じて、前記ポリウレタンフォーム種の材料および/または前記エラストマー材料反応を可能にする工程と、
記型開く工程とを備えることを特徴とする、プロセス。
【請求項16】
真空源と連通するように前記視認可能な表面(6;106;206)を置いて、型の前記第1の片側シェル(S)の内側表面の少なくとも一部に対する前記表面(6;106;206)の接着を定める工程を備える、請求項1に記載のプロセス。
【請求項17】
前記第1の片側シェル(S)の内側に、その内側表面に直接接するように外側カバー(209)を配置する工程を備え、前記外側カバー(209)は実質的に前記少なくとも1つの表面インサート(204)に位置決めされる、請求項1または1に記載のプロセス。
【請求項18】
前記支持要素は単一の成形工程を通して得られる、請求項1から1のいずれか1項に記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の技術分野
本発明は人間の体のための支持要素に関する。
【0002】
より特定的には、本発明は、たとえば自転車またはバイクのような輸送の手段のためのサドル、シート、グリップ、自転車、バイク、およびスポーツ器具などのハンドルバーのためのハンドル、アームレスト、腰支持体、ヘッドレスト、スポーツおよびレジャー器具などの支持要素に関する。
【背景技術】
【0003】
現行技術
自転車およびバイクなどのような輸送の手段を製造するためなどのある製造部門で、またはたとえばさまざまな種類の装置もしくは家具要素もしくはスポーツおよびレジャー器具を製造する分野のような他の分野でも、当然、最も広範囲にわたる目的のために人体支持要素を用いる。
【0004】
たとえば、自転車およびバイクを製造する分野では、そのような支持要素は、サドルまたは手を載せるためのハンドルなどからなることができる。
【0005】
たとえば、人による作動を伴うさまざまな種類の装置、またはたとえばローイングマシン、ウェイトベンチなどのスポーツ器具を製造する分野などの他の分野では、そのような支持要素は、シート、腰支持体、ヘッドレスト、アームレスト、グリップなどからなることができ、これらは、人が、たとえば座る、手、腕もしくは頭を載せる、機械の制御を作動させるなど、快適な態様で機械と対話できるようにする。
【0006】
そのような支持要素は一般的に−たとえばサドルまたはハンドルを考えると−ポリウレタンフォームまたはエラストマー材料などの軟らかくかつ撓むことができる材料の層で部分的にまたは完全に覆われる剛性コアを備える。
【0007】
軟らかくかつ撓むことができる材料の層はまた、たとえば、皮革から、または特定的な種類の適用例に関して明らかに可変である、外観もしくは機能の観点で好適な特性を有する他の天然もしくは合成材料から作られるさらなるカバーで部分的に覆うこともできる。
【0008】
いくつかの特定的な適用例では、−それらの適用例に関して当然異なる数、形状、および機能において−支持要素の表面の残余に対して外観が異なる1つ以上の部分を表面上に有する支持要素を有する必要があることが公知である。
【0009】
外観が異なるこれらの部分を、たとえば、−たとえば異なる見かけまたは着色を用いることによって−要素それ自体の見た目をよくする目的で支持要素の中に挿入して、ユーザが対話しなければならないまたはユーザが管理もしくは操作しなければならない装置においてユーザが支持表面を瞬時に同定できるようにすることができる。
【0010】
他の適用例では、外観が異なるそのような部分は、ロゴ、図、または他の種類の情報、メッセージ、もしくはそれ以上のものの見た目をよくする目的を有することができる。
【0011】
たとえば、同一出願人に対するイタリア特許第1207441号は、サドル自体のフェルト、詰め物、および被覆を単一の機械加工工程で組立てる、サドルを作製するプロセスであって、その発泡反応の際にフェルトおよび被覆材料の両方に対して詰め物のポリウレタンが与える接着特性を活用して、こうして3つの構成要素の完全な接合を得るプロセスを記載する。
【0012】
同一出願人に対する欧州特許EP第0903321号では、弾性的に撓むことができる材料から作られる充填材を備える支持構造が装飾要素を有するように記載され、これは、透明ポリウレタンゲルの少なくとも1つの層とエラストマー発泡材料の層とを備え、可撓性のあるシート状材料から作られる被覆層で被覆され、当該充填材は、その内部におよび2つの層の間に少なくとも1つの装飾要素を備える。被覆層は、それを通して装飾要素自体が見える光学的に透明の少なくとも1つの区域を有する。
【0013】
しかしながら、この支持構造の生産工程は非常に面倒であり、ゲルを透明にするためのさらなる処理、部分的に重合されたゲルの層の上への装飾要素のその後の配置、および重合しかつ膨張させなければならないエラストマー材料層をさらにその後に置くことを要件とする。
【0014】
現行技術では、いくつかの適用例では、外観が異なる部分は、好適に配置される区域中の支持要素の表面に直接に接続される。
【0015】
他の適用例では、外観が異なるそのような部分は、所望の区域上の、支持要素の表面上への直接のタンポグラフィ(tampography)またはパッド印刷によって得られる。
【0016】
これらの公知の技術は、時間とともに最適な抵抗を有する製品が得られることを確実にするわけではない。なぜなら、それらは、たとえば、係わる人間の体の部分との繰返す接触の作用によって、または天候条件の作用によって、またはさらに他の理由によって、劣化したり、分離したり、引っ掻き傷が付いたり、ボロボロに崩れたりする傾向があるからである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
発明の目的
したがって、本発明の技術的課題は、以上で言及した、欠点のない、外観が異なる部分を有する人間の体のための支持要素を工夫することによって現行技術を改良することである。
【0018】
そのような技術的課題において、本発明の1つの目的は、支持要素の残余の部分に対して異なる機械的および機能的性質を有する部分を具備する、人間の体のための支持要素を工夫することである。
【0019】
本発明のさらなる目的は、より耐摩耗性が高く、かつ天候条件およびその残余表面の完全性のために潜在的に危険な他の作用に対して耐性のある部分を具備する、人間の体のための支持要素を作るためのプロセスを工夫することである。
【0020】
本発明の別の目的は、生産コストを最適化し、プロセスの効率がより高く、かつ環境に対する影響を低減することができる材料を用いる、作動可能な支持要素の残余に対して外観および機能の観点で向上した性質を有する部分を具備する、人間の体のための支持要素を作るためのプロセスを工夫することである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
そのような技術的課題およびそのような目的は、添付の請求項1に従う人間の体のための支持要素によって、および請求項20に従うそのような支持要素を作るためのプロセスによって達成される。
【0022】
発明に従う支持要素は、環境に対する影響を低減し、同時に、損傷せず、より長い使用期間と天候条件などに対するより高い耐性とを確実にすることができる、適合性が高い材料を接合する一体化プロセスによって差別化される、外観および局所化された機能性という観点で異なる方策を与えることができる、表面品質が高い表面要素からなる、外観が異なる部分を有する。
【0023】
さらに、そのような表面要素は、たとえば好ましくは、撓み、軟らかさがより大きい、または高いグリップ力すら有する区域である、ユーザが載る際の快適さの観点で異なる特性を有する区域を構成する。
【0024】
さらに、支持要素は、当該技術分野で公知のかつ利用可能な機器および技術を用いて作動可能な単一の成形工程で作られる。
【0025】
さらなる有利な特性を従属クレームに記載する。
発明の特性は、非限定的例として与える、以下の説明からおよび添付の図面表から、当業者にはより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】サドルからなる、発明に従う支持要素の平面図である。
図2図1の支持要素の背面図である。
図3図1図2の支持要素の部分断面背面図である。
図4】ハンドルからなる、発明に従う支持要素の別の実施形態の平面図である。
図5図4の支持要素の側面図である。
図6図4図5の支持要素の部分断面側面図である。
図7】発明に従う支持要素の別の実施形態の部分断面背面図である。
図8】発明に従う支持要素を作るためのプロセスの形態の工程の部分断面側面図である。
図9図1図2の支持要素のさらなる形態の部分断面背面図である。
図10図4図5の支持要素のさらなる形態の部分断面側面図である。
図11】発明に従う支持要素を作るためのプロセスのさらなる形態の工程の部分断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
発明の実施形態
添付の図1を参照して、本発明に従う人間の体のための支持要素を全体的に参照番号1で示す。支持要素1は、ユーザに接するのに好適な表面を備える。
【0028】
図1では、支持要素は、自転車およびバイクなどのためのサドルからなる。
しかしながら、発明に従う支持要素は、たとえば、限定されることなく、輸送の手段、さまざまな種類の装置、およびスポーツ器具などの分野で、人間の体の少なくとも一部が載るまたは接着する任意の他の要素からなることができることに留意すべきである。
【0029】
図3の部分断面図に図示するように、サドルからなる支持要素1は、公知の態様で、たとえば、金属、プラスチックから、または好適な特性を有する任意の他の材料から作られる、技術分野ではフェルトという名称でも公知のコア2を備える。発明のこの形態では、コア2は剛性であるが、これは半剛体または弾性である場合もあり得る。
【0030】
サドル1のコア2は、従来のかつ技術分野で公知の形状およびサイズを有する。
コア2は、輸送の手段、機械類、公知の装置(図示せず)、スポーツ器具、および家具要素などに、または発明に従う支持要素が予見される(foreseen)任意の他の手段もしくは装置に、結合するための手段を備える。
【0031】
本実施形態では、コア2は、特に、図には表わさない技術分野で公知の種類のものである自転車およびバイクなどのサドルのシートポストへの結合手段を備える。
【0032】
コア2の少なくとも1つの部分は、軟らかくかつ撓むことができる材料の1つの層3で覆われる。
【0033】
本実施形態では、コア2の上面全体は、軟らかくかつ撓むことができる材料から作られる層3で覆われる。
【0034】
他の実施形態では、コア2の唯一のまたはそれ以上の部分を、軟らかくかつ撓むことができる材料の1つの層3で覆うことができる。
【0035】
層3がそれから作られる軟らかくかつ撓むことができる材料は、ポリウレタンフォーム、エラストマー材料、同様の材料、またはその組合せからなる。
【0036】
たとえば、ポリウレタンフォームは、セルフスキニング(self-skinning)タイプのものであり得る。すなわち、これは、表面品質および耐摩耗性という観点で最適な特性を有する外側表面を形成することができる。
【0037】
軟らかくかつ撓むことができる材料から作られる層3は、噴霧、塗装によって、または目的のために好適な別の技術によって塗布される可能なさらなる保護表面フィルムによって覆うこともできる。
【0038】
軟らかくかつ撓むことができる材料から作られる層3は、支持要素1の表面または層3の残余に対して外観および/または快適さの観点で異なる特性を有する少なくとも1つの表面インサート4を備える。
【0039】
少なくとも1つのインサート4は、ユーザに接する視認可能な表面6を備える。
軟らかくかつ撓むことができる材料から作られる層3は、ユーザと接するのに好適な、支持要素1の表面に実質的に対応する外側表面を備える。ユーザに接するのに好適な支持要素1の表面は、少なくとも1つの表面インサート4および層3の外側表面の視認可能な表面6からなる。
【0040】
層3は少なくとも1つの表面インサート4を取囲む。
説明の残余からより明らかになるように、少なくとも1つの表面インサート4を備える支持要素1は単一の成形工程で作られる。より詳細には、サドルからなる支持要素1の本実施形態では、層3は少なくとも1つの表面インサート4を備える。
【0041】
特に、層3の外側表面は少なくとも1つの表面インサート4の存在によって不連続となる。
【0042】
表面インサート4は、ユーザに接するのに好適な支持要素1の表面に配置される。
各々の表面インサート4は、層3とは異なる色を有することができる、またはこれは異なる表面仕上げを有することができる、またはその外観に関する他の特性を有することができ、これにより支持要素1の表面の残余に対して差別化される。
【0043】
発明の1つの形態では、そのような他の特性は、支持要素1を差別化するのにまたはこれをより魅力的にするもしくは視認可能にすることができる、ロゴ、表示、グラフィック要素、プリント、スクリーン印刷、パッド印刷、転写、その組合せ、ならびにすべての他のグラフィックおよび装飾要素からなることができる。そのような特性は、支持要素1の層3の中に直接に作ることはできない。そのような特性は、表面インサート4の中に直接持たれてもよいし、またはさまざまなやり方で表面インサートによってもたらされ(conveyed)てもよい。
【0044】
表面インサート4の視認可能な表面6は、より良好なハンドルさばきのために、高いグリップ力を有することができる場合がある。
【0045】
本明細書からより明らかになるように、各々の表面インサート4は、たとえば、支持要素1の残余とは異なる特性を有する、好適に研究された人間工学的形状または表面仕上げなどの、係わる体の部分の最適かつ快適な載置を確実にするような形状も有する。
【0046】
各々の表面インサート4は、ポリウレタンフォームおよび/もしくはエラストマー材料からなることができる、またはこれは、たとえば、皮革、布、合成材料、金属、ゴム、異なる種類の三次元材料、自己造形(self-modelling)材料、蒸散材料、摩擦係数が低い材料など、その組合せ、または表面インサート4に異なる外観および/もしくは快適さの特性を与えるのに好適な他の材料などの、層3が作られるのとは異なる材料からも形成可能である。
【0047】
より特定的には、各々の表面インサート4は、層3または支持要素1の残余の表面とは、係わる体の部分を載せる際の快適さの観点でおよび外観の観点で異なる特性を有する、異なる材料から作ることができる。
【0048】
特に、少なくとも1つの表面インサート4のおかげで、各々の区域の材料を異ならせて、たとえば前立腺区域または特に敏感なユーザの体の他の区域を差別化して、支持要素1に、異なる機械的、機能的、外観、快適さなどの性質を与えることができる。
【0049】
たとえば、1つの実施形態では、各々の表面インサート4は軟らかい材料から作ることができる。
【0050】
発明の別の形態では、表面インサート4は、層3のセルフスキニングポリウレタンフォームによって形成される、皮革に対して厚みがより薄く、より大きな快適感を与える材料から作ることができる。
【0051】
発明のさらなる形態では、表面インサート4は、引っ掻きおよび衝撃に耐性のある金属材料または別の材料から作られ、たとえば、衝撃または引掻きを受ける可能性がある支持要素1の側方部分の中に配置される、またはこれにより、支持要素1を壁に対してまたは別の載置表面に対して載置することができる。こうして、表面インサート4は、支持要素1により長い寿命およびより高い品質を与える。金属材料を用いる場合、表面インサート4は、本明細書に記載のように、本発明をなすのに必要な製造要件に応えるのに好適な、可撓性特性を有する薄い金属シートから作られる。金属および/または剛性材料を用いる場合、ユーザを傷付けたりまたはユーザに対する不快の元とならないように、その端縁を丸めることが明らかである。
【0052】
表面インサート4を形成する金属または耐性のある材料または任意の他の材料は、ポリウレタンまたはエラストマー材料とともに予め過注入可能である。
【0053】
発明のまた別の形態では、表面インサート4は、特に平らな材料または摩擦の少ない材料から作られ、たとえばペダルをこぐ際にユーザの脚または体が擦れる区域に、支持要素1の側方部分にたとえば配置される。このように、表面インサート4は、ユーザを不快にしないまたはユーザのエネルギを浪費しないことが可能な、摩擦係数がより低い区域を定める。
【0054】
発明の1つの形態では、表面インサート4を、蒸散材料またはいずれの場合もそれが接するユーザの体の部分の発汗を限定する材料から作って、その快適感を向上させる。
【0055】
したがって、表面インサート4は、前立腺の区域にならびに/または坐骨区域に、ならびに/またはより大きな耐摩耗性を有する必要がある支持要素1の側方部分に、または摩擦がより小さい必要があるユーザの脚と擦れる区域に、ならびに/またはより大きな快適さおよび機能性もしくは支持要素1の残余とは異なる外観を与えるのに好適な他の位置に、配置することができる。
【0056】
他の実施形態では、たとえば、各々の表面インサート4は、互いの上に配置される、または載置の快適さという観点で異なる特性を有する異なる材料から作られる、別の態様で結合される複数の要素からなることができる。たとえば、撓むことができる材料の結合は、他のより剛性のもの、または特定的な要件に関して異なるやり方で配置されるまた他の組合せによって得ることができる。
【0057】
発明の1つの形態では、表面インサート4は、軟らかい材料の中に封止される外側シェルを備えることができ、その内部に、自己造形材料、天然要素、コルク、シリカ、同様の材料、合成要素、マイクロビーズ、任意の源の粒状材料、ポリスチレン、または同様の材料、粘弾性材料、ゲル、液体ゲル、またはその組合せのうち少なくとも1つが配置される。
【0058】
外側シェルは、ポリエチレンからまたは目的のために好適な任意の材料から作ることができる。
【0059】
このように、表面インサート4は、外側シェルに含有される自己造形材料のおかげで、ユーザの体に加わる圧力を分散することができる一方で、同時にユーザの体により大きな快適感を与える。
【0060】
発明の1つの形態では、表面インサート4は、ポリウレタンゲルまたはエラストマー材料を備えることができる。
【0061】
各々の表面インサート4は、たとえば、熱成形法によって生成することができる。
発明の1つの形態では、各々の表面インサート4には、軟らかくかつ撓むことができる材料の層3の中に封入される部分5を設ける。層3の中に封入される部分5は、少なくとも1つの側方フラップ(side flap)からなる。
【0062】
発明の1つの形態では、部分5は周辺的である。
より詳細には、側方フラップ5は、明細書の残余でより詳細に説明するように、表面インサート4、特にその視認可能な表面6の全周に沿って予見される。
【0063】
さらに、側方フラップ5は表面インサート4の視認可能な表面6から突出する。
側方フラップ5は、たとえば数十ミリのかなり薄い厚みで作ることができる。
【0064】
たとえば図3に見られるように、視認可能な表面6から突出する周辺側方フラップ5は、層3と表面インサート4との間の結合を達成して、2つの部品同士の間のいずれの可能な相対的な動きも防止できるようにする。
【0065】
先に言及したようなそのような結合は、単一の成形工程で行なわれる。
そのような結合により、表面インサート4はこのように、軟らかくかつ撓むことができる材料の層3内に固定して保持されかつ固着され、これから離れることができなくなる。
【0066】
図9および図10に表わす発明のさらなる形態では、各々の表面インサート4は、たとえば、軟らかくかつ撓むことができる材料の層3の中に封入される側方フラップなどの部分5を有しない。発明のこの形態では、表面インサート4は、表面インサート4および層3をそれぞれ形成する材料同士の間の適合性界面を通して、軟らかくかつ撓むことができる材料の層3に接着する。したがって、そのような接着は、互いに対して適合性があり、これによって互いに接着する、表面インサート4および層3を形成する材料同士の間に存在する相互作用のおかげでなされる。
【0067】
非限定的な例として、ポリウレタンフォームから作られる層3が存在する場合、表面インサート4は、層3に適合し、したがってこれに接着するために、たとえば、熱可塑性材料の膜もしくは層などのポリウレタン材料から、またはたとえば目的のために好適なプライマーなどの適合性を持たせる材料で予め処理される任意の材料から作ることができる。
【0068】
一方で、エラストマー材料から作られる層3が存在する場合、表面インサート4は、層3に適合し、かつしたがって接着するために、たとえば、熱可塑性ポリウレタン材料の膜もしくは層などのポリウレタン系材料から、またはポリウレタンで含浸した材料、またはたとえば目的のために好適なプライマーなどの適合性を持たせる材料で予め処理されている任意の材料から作ることができる。
【0069】
このように、表面インサート4と層3との間の接触表面は、それらの間に、適合性および接着界面を作る。
【0070】
このように、そのような材料同士の間の結合が作り出され、そのおかげで、表面インサート4は軟らかくかつ撓むことができる材料の層3内に固定して保持されかつ固着され、これから離れることができなくなる。
【0071】
層3の外側表面と各々の表面インサート4の視認可能な表面6との接合区域において、明細書の残余でより明らかになるであろう理由のために、断面がより小さな周辺の溝(throat)7が存在し得る。
【0072】
このように想到される発明は、重要な技術的利点を達成するのを可能にする。
まず、発明に従うと、単一の成形工程で、ユーザに接する表面に、天候条件などに対する最適な耐性および使用期間を確実にする、外観の観点で異なる特性を有する表面要素を備える、人間の体を支持するための要素を作ることができる。
【0073】
さらに、発明は、単一の成形工程で、ユーザに接する表面に、機能および/または載置の快適さという観点で差別化される表面区域を備える、人間の体を支持するための要素を得て、たとえば、支持要素自体上の体のより高い特定的な圧力が存在する領域においてより大きな撓みまたは軟らかさという特性を有する区域を予見できるようにする。
【0074】
単一の成形工程を有する結果、費用および生産時間という観点で明らかな利点が得られ、材料同士の間のより高い適合性も生じる。
【0075】
さらに、そのような工程は、当業者には既に利用可能な本質的に公知でかつ従来のものである機器によって得ることができる。
【0076】
発明に従う支持要素の別の実施形態を図4図5図6に図示する。
この実施形態では、同じ部分を示すのに、100を加算した以前の実施形態と同じ参照番号を用いている。
【0077】
この実施形態では、支持要素は、自転車およびバイクなどの輸送の手段ならびに/またはスポーツ器具のハンドルバーのためのハンドル101からなる。
【0078】
ハンドル101はコア102を備える。そのようなコア102は剛性または半剛体または弾性であり得る。
【0079】
コア102は、たとえば、プラスチック材料、金属材料から、またはこの種の適用例に好適な特性を有する任意の他の材料から作られる。
【0080】
非限定的な実施形態では、コア102はチューブの形態である。そのようなコア102は、スリーブの形態であり得る。
【0081】
さらなる非限定的な実施形態では、コア102は、たとえば、おそらくは軟らかい、または目的のために好適な任意の材料の吹付け塗装によって作られる被覆層を通って作られる。
【0082】
コア102は、支持要素101の残余の部分から差別化される剛性の区域を規定する。
コア102は、当該技術分野で公知でかつ本発明の目的ではない固着手段の助けによって、たとえば自転車および/またはスポーツ器具のハンドルバーに結合されるのに好適である。
【0083】
コア102は、外側表面の少なくとも1つの部分について、軟らかくかつ撓むことができる材料の層103で覆われ、その特性は先の実施形態の説明で図示している。
【0084】
この実施形態では、コア102は、おそらくは、固着リングまたは他の公知の手段によってハンドルバーに固着するのに機能的であり得る端セクション108を除き、層103で完全に覆われる。その結果、層103も、本実施形態の場合のように、たとえばわずかに凸状の、基部で閉じた実質的にチューブ状の形状を有する。
【0085】
ハンドル101は、カバー層103の残余の部分とは外観および/または快適さの観点で異なる特性を有する表面インサート104も備える。
【0086】
表面インサート104は、図示するように、楕円形状を有することができる、または、この理由のために本発明の保護範囲から逸脱することなく異なる形状を有することができる。
【0087】
表面インサート104は手の掌の残余の区域の中に予見することができるか、または、これは、この理由のために本発明の保護範囲から逸脱することなく、ユーザに接する異なる区域の中に予見することができる。
【0088】
さらに、同じハンドルの上に多数の表面インサート104が存在することを予見することができる。
【0089】
外観の観点、ならびに機能性および載置の快適さの観点の両方、ならびに生産技術の観点でのハンドル101の表面インサート104の具体的な特性は、既に説明した技術的効果および利点を有する先の実施形態に関して説明したのと同じである。
【0090】
本発明に従う支持要素のまた別の実施形態を図7の部分断面に表わす。
この実施形態では、100を加算した先の実施形態と同じ参照番号を用いて同じ部分を示す。
【0091】
この実施形態は図1図3の実施形態と同じである。すなわち、一例として、支持要素201はサドルからなる。支持要素201は外側カバー209を備える。
【0092】
外側カバー209は、表面インサート204のうち少なくとも1つに、および/または、おそらくはそれらの近くに実質的に位置決めされる。
【0093】
この実施形態では、支持要素201は、たとえば図1図3の実施形態に対してより個人向けにすることができる表面特性を有する。というのも、少なくとも1つの表面インサート204、およびおそらくは少なくとも1つの表面インサート204の近くに配置される、軟らかくかつ撓むことができる材料から作られる層203の少なくとも一部が特定的な適用例に最も好適な材料で覆われるからである。
【0094】
たとえば、外側カバー209は、皮革、天然または合成布などから作ることができる。外側カバー209は、透明な材料から作ることができる。
【0095】
明細書の残余で、本発明の1つの形態に従う人間の体のための支持要素を作るためのプロセスをその主な工程で説明する。
【0096】
プロセス工程は、絶対的に一般的な態様で、すなわち、特定的な場合がその中に存在する、たとえばハンドルから作られる支持要素の特定的な種類に拘わらず、適用される。
【0097】
プロセスはまず、少なくとも1つの表面インサート104を設ける工程を備える。
表面インサート104は、先に言及したように、たとえば、熱成形によって作ることができる。
【0098】
特定的な適用例に関して好適な数の表面インサート104が一旦挿入されると、プロセスは、そのような表面インサート104を型の第1の片側シェルSの内部に配置する工程を備える。
【0099】
型は、当該技術分野で典型的に公知の種類のものである。表面インサート104の視認可能な表面106は、型の第1の片側シェルSの内側表面に直接に接する。
【0100】
表面インサート104は、型の第1の片側シェルSの内側表面の中に予見される突出するリブNに収納される。
【0101】
そのようなリブNの周は、表面インサート104の視認可能な表面106の周と実質的に対応する。
【0102】
このように、表面インサート104の挿入の際、側方フラップ105は、明細書の残余でより詳細に説明する効果により、型の内側に向けてわずかに折り曲げられる。
【0103】
この段階で、プロセスは、真空源に連通して、表面インサート104の視認可能な表面106を置く工程を予見する。
【0104】
これは、さらに説明せずかつ図には表わさない、当該技術分野で公知の種類の真空源に連通して置かれる、第1の片側シェルS中の穴Fの存在のおかげで得られる。
【0105】
このように、表面インサート104の視認可能な表面106の、第1の片側シェルSの内側表面への最適な接着が、偶発的な動きまたは変位のおそれなしに得られる。
【0106】
型の全内側表面がそのような真空源と連通される先行技術に対して、型の内側表面のみを少なくとも1つの表面インサート104の視認可能な表面106で真空源に連通させられることは、局所化された態様で要素を位置決めするという技術的利点を与える。このように、真空中に保持しなければならない要素が必ずしも型の全内側表面に対応するわけではないが、これを、そのいくつかの部分にのみ限定して、したがってそのような少なくとも1つの要素の特定的な局所化を得ることが可能である。
【0107】
その後、図には表わさない第2の片側シェルを用いて型を閉じる。
次に、型の中に、ポリウレタンフォーム種および/またはエラストマー材料などの材料を注入して、こうして軟らかくかつ撓むことができる材料の層103を得る工程が存在する。
【0108】
その後、図には表わさない同じ型の雄側を用いて型を閉じる。
そのような材料の型の内部への注入手法(modalities)は当該技術分野で公知であり、さらなる説明は行なわれない。
【0109】
この工程は、図8に概略的に表わされ、ここでは、得られる支持要素は図4図6のもののようなハンドルからなる。
【0110】
図8に見られるように、材料の注入は表面インサート104との最適な結合を達成し、これにより、注入される材料は、その内側表面の周りにおよび側方フラップ105の周りに排他的に配置されるが、インサート自体と型の第1の片側シェルSの表面との間には配置されない。
【0111】
この区域中の材料の浸透は実際、部分またはリブNで折り曲げられる側方フラップ105の存在によって妨げられる。フラップ105に対する材料の圧力は実際、いかなる漏れも防止する完全な密封閉止を行なう。したがって、注入された層103の材料は、リブNに対して部分または側方フラップ105を押圧し、気密閉止する。
【0112】
リブNは、部分または側方フラップ105を折り曲げる。折り曲げは、層103の材料が注入される区域に向けてなされる。
【0113】
リブNは、注入される層103の材料のためのある種の堤防を作り出し、これは、表面インサート104の内側表面の周りおよび部分または側方フラップ105の周りに排他的に配置されるが、表面インサート4自体と型の第1の片側シェルSの表面との間には配置されない。
【0114】
さらに、側方フラップ105の周りへの層103の材料の配置により、フォーム内での表面インサート104の最適な固着が決まる。
【0115】
ポリウレタンフォームの場合は型の内部に注入された材料が重合する、またはエラストマー材料の場合は反応して架橋するかもしくは硬化して固まり、すると雄側および両側のシェル(the half-shells)を開いて最終的な製品を得る工程が存在する。
【0116】
理解されるように、層103の表面と表面インサート104の視認可能な表面106との間の周辺の溝107は実際、型の第1の片側シェル中のリブNの存在によって決まる。
【0117】
たとえば側方フラップなどの、軟らかくかつ撓むことができる材料の層103の中に封入される部分105が存在しない、図11に概略的に図示する発明のさらなる形態では、人間の体のための支持要素を作るためのプロセスは、以上言及した工程を予見する。しかしながら、上述したものとは異なり、発明のこの形態では、表面インサート104は、それぞれ表面インサート104および層103を形成する材料の適合性のおかげで、軟らかくかつ撓むことができる材料から作られる層103に接着するが、これは、前述のように、側方フラップ105が型に対して内向きにわずかに折り曲げられ、注入された材料の中に封入されるからではない。
【0118】
発明のこの形態では、材料と層103および表面インサート104との間の接着によって作り出される、前述のような適合性および接着界面の存在のおかげで得られる結合は、層103内での表面インサート104の最適な固着を規定し、これから離れることができなくなる。
【0119】
表面インサート104に対応する区域の中への注入材料の浸透は、リブNが存在する場合は、リブの存在によって妨げられる。
【0120】
プロセスの別の実施形態では、型の中に予見される1つ以上のリブNに層3を形成する材料の注入工程の前に、少なくとも1つの表面インサート204で実質的にその内側表面と直接に接する型の第1の片側シェルSの内側に外側カバー209を配置する工程が存在することも予見することができる。
【0121】
このように、発明が、提案された目的をどのように達成するかが説明された。
本発明は、好ましい実施形態に従って説明されたが、以下の請求項が与える保護から逸脱することなく、均等な変形が想到可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11