特許第6351305号(P6351305)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6351305
(24)【登録日】2018年6月15日
(45)【発行日】2018年7月4日
(54)【発明の名称】止着ピン材
(51)【国際特許分類】
   G09F 3/12 20060101AFI20180625BHJP
   F16B 15/02 20060101ALN20180625BHJP
   F16B 15/08 20060101ALN20180625BHJP
【FI】
   G09F3/12
   !F16B15/02 Z
   !F16B15/08 A
【請求項の数】4
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2014-42319(P2014-42319)
(22)【出願日】2014年3月5日
(65)【公開番号】特開2015-169685(P2015-169685A)
(43)【公開日】2015年9月28日
【審査請求日】2017年3月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】000134464
【氏名又は名称】株式会社トスカバノック
(74)【代理人】
【識別番号】100081570
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 彰芳
(72)【発明者】
【氏名】高橋 裕一
(72)【発明者】
【氏名】平井 智行
【審査官】 砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−310(JP,A)
【文献】 特開2002−236450(JP,A)
【文献】 実開昭47−1099(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0279100(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 3/00− 3/20
A44B 9/12
A61B 13/00−18/18
B65C 7/00
F16B 15/00−15/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性を有するプラスチックで一体成形され、全体を透明、半透明あるいは彩色を施してあり、直線状をしたファイバー部の先端にそのファイバー部の軸芯方向と略直角方向に抜け止め用の横バー部を一体に備え、その横バー部は前記したファイバー部の軸芯を境として一方を長寸とし、他方を短寸に形成してあり、前記した長寸部分の長さは短寸部分の二倍もしくは二倍よりも長く形成されており、所定のピッチをもってランナー部材に切断部を介して取り付けられたアッセンブリとなっている止着ピン材において、前記したファイバー部の後端にはパドル状部が一体に備えられていることを特徴とする止着ピン材。
【請求項2】
前記した横バー部の短寸部分の長さはその短寸部分の径の二倍もしくは二倍よりも短く形成されていることを特徴とする請求項1に記載の止着ピン材。
【請求項3】
前記したパドル状部は縦長の平板状で、その長さが横幅の二倍もしくは二倍以上で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の止着ピン材。
【請求項4】
前記したパドル状部の上部寄りには引き抜き作業時の滑り止めとなる突出部が形成されていることを特徴とする請求項1またはに記載の止着ピン材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は止着ピン材に関し、対象物内に打ち込んで沈埋させ、一定時間の経過後に引き抜くことを前提とした止着ピン材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、上記したような類の止着ピン材、例えば手術で摘出した患部を基台となるゴムパッドに止着して顕微鏡で観察したり、食肉ブロックに個体情報を入力したマイクロチップを有するタグを止着したりする際には、金属製のピン材が使用されているもので、この金属製のピン材は使用目的の終了後に引き抜くと、対象物を損傷してしまったり、作業者にとっても怪我をしてしまうリスクが伴っている。
【0003】
また、衣類等に価格や品質を表示したタグを止着(吊持)させるためのピン材として、ファイバー材の一端に抜け止め用のT字状とされる横バー部を備え、他端にも抜け止め用のパドル状部を一体に有するものが知られているが、これは、横バー部が対象物を貫通し、空中に位置されるもので、引き抜くことは前提とされておらず、対象物から外すには切断除去することとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
本件出願人は、本願発明に関し、先行する技術文献を調査したが、格別に本願発明と関連し、類似していると思われる文献は発見できなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする問題点は、従来、止着ピン材として、対象物内に沈埋させ、一定時間の経過後に引き抜くことを目的とし、しかもその引き抜き時に対象物を損壊することなく、作業者の安全性も確保することができるものは存在していなかったという点である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した問題点を解決するために、本発明に係る止着ピン材は、可撓性を有するプラスチックで一体成形され、全体を透明、半透明あるいは彩色を施してあり、直線状をしたファイバー部の先端にそのファイバー部の軸芯方向と略直角方向に抜け止め用の横バー部を一体に備え、その横バー部は前記したファイバー部の軸芯を境として一方を長寸とし、他方を短寸に形成してあり、前記した長寸部分の長さは短寸部分の二倍もしくは二倍よりも長く形成されており、所定のピッチをもってランナー部材に切断部を介して取り付けられたアッセンブリとなっている止着ピン材において、前記したファイバー部の後端にはパドル状部が一体に備えられていることを特徴としている。
【0007】
また、本発明に係る止着ピン材は、前記した横バー部の短寸部分の長さはその短寸部分の径の二倍もしくは二倍よりも短く形成されていることを特徴としている。
【0008】
さらに、本発明に係る止着ピン材は、前記したパドル状部は縦長の平板状で、その長さが横幅の二倍もしくは二倍以上で形成されていることを特徴とし、前記したパドル状部の上部寄りには引き抜き作業時の滑り止めとなる突出部が形成されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る止着ピン材は、上記のように構成されている。そのため、装着ツールのスリットを形成した中空ニードルを通ってピストンで対象物に打ち込まれた止着ピン材は横バー部の長寸部分が初期状態に復元することなく対象物内に、ファイバー材の軸芯方向に沿って留まり、その変形によって止着される。また、これを引き抜く際には、長寸部分が略直線状となっているので大きな抵抗もなく作業をすることができ、対象物を損壊させてしまう虞もなく、素材が可撓性を有するプラスチックのため、作業者が怪我をしてしまう虞もないものとなっている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明を実施した止着ピン材を示す斜視図である。
図2】側面図である。
図3】正面図である。
図4】ツールに装着前のアッセンブリ状態を示す斜視図である。
図5】止着ピン材がツールから送り出される状態の斜視図である。
図6】止着ピン材の使用状態の一例を示す斜視図である。
図7】対象物内での沈埋固定状態を示す部分断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図面として示し、実施例で説明したように構成したことで実現した。
【実施例1】
【0012】
次に、本発明の好ましい実施の一例を図面を参照して説明する。図中1は本発明を実施した止着ピン材を示しており、この止着ピン材1は全体を可撓性を有するプラスチックで成形されている。この止着ピン材1は略直線状としたファイバー部2を有しており、そのファイバー部2の先端に、ファイバー部2の軸芯方向と略直角方向に抜け止めを目的とした横バー部3が一体に備えられている。この横バー部3の形成方向は、後述する平板状としたパドル状部4の幅方向に沿うものとなっている。
【0013】
また、横バー部3は、ファイバー部2の軸芯線を境として長寸部分3aと短寸部分3bが直線上で対向して構成されている。横バー部3の径はファイバー部2の径と略同様となっており、長寸部分3aの長さAは短寸部分の長さBの二倍もしくは二倍よりも長く形成され、短寸部分3bの長さBはその径Cの二倍もしくは二倍よりも短く形成されたものとなっている。尚、ファイバー部2と横バー部3の連接個所にはファイバー部2に補強部分が形成されて横バー部3の連接個所における折損を防止している。
【0014】
一方、前記したファイバー部2の後端にはパドル状部4が一体に備えられている。このパドル状部4は縦長の平板状のものとされ、その縦長さは横幅の二倍もしくは二倍以上とされている。このパドル状部4は後述する止着ピン材1を対象物から引き抜く際の把持部となるもので、その引き抜き作業が行ない易いよう中央部分近傍には横幅を狭くした括れ部4aを形成し、指の掛かりを補助する。
【0015】
このパドル状部4の基端にはコア部4bを備えた抑止部4cが形成されており、止着ピン材1が対象物に打ち込まれた際に、その対象物あるいは被止着物を抑え、ファイバー部2及び横バー部3の対象物内における位置保持もしくは被止着物の位置保持を安定させる。
【0016】
さらに、このパドル状部4の上方寄りには円柱状に構成され、その両外側面が、パドル状部4の長手方向と直交して突出する突出部4dが設けられ、パドル状部4を把持して止着ピン材1を対象物から引き抜く際の滑り止めとされている。
【0017】
そして、この止着ピン材1は対象物によって、あるいは使用目的によって透明、半透明あるいは適宜な彩色を施して目視による区別を行なうようにすることもできる。
【0018】
この止着ピン材1はアッセンブリ状態として使用に供される。このアッセンブリ5は一本の直線状をしたランナーバー6に、所定の本数が所定のピッチをもって同一方向を向いて取り付けられている。この取り付けは、横バー部3の下方でファイバー部2の軸芯方向に沿って接続部7が、横バー部3との境に切断部8を介してなされている。
【0019】
このアッセンブ5によって対象物に止着ピン材1を装着するには既知の装着ツール9が使用される。この装着ツール9は先端にスリット10を長手方向に沿って形成したニードル11が設けられており、セットされたアッセンブリ5からトリガー12を引くことで止着ピン材1、1‥を順次送り機構でピッチごとに送り、カッターで切断部8を切断して、止着ピン材1を単体としてニードル11内に送り、ピストンで短寸部分3の端面を押すことで(図中4中の矢印P方向)、二−ドル11が突き刺された対象物内に横バー部3を送り込む。尚、スリット10はこの打ち込みの際にファイバー部2を通過させるためのものである。

【0020】
次いで、図6図7を参照して止着ピン材1の被止着物13を対象物となるゴムパッド等の基板14への止着使用状態で説明する。被止着物13は基板14上へ載置され、その被止着物13の上方から、装着ツール9のニードル11が突き刺され、このニードルの先端は被止着物13を貫通して基板14内へ挿入される。
【0021】
このニードル11が突き刺され、トリガー12が引かれると、ピストンが横バー部3及びファイバー部2をニードル11内を通して重合した被止着物13と基板14内へ挿入される。この挿入にあって、横バー部3、特に長寸部分3aは基板14内を貫通せず基板14内に止まるため、初期状態には復元することなくファイバー部2と略平行状態のまま、即ち、ニードル11内にあった状態のまま保持されることとなる。これは横バー部3の一方を短寸部分3bとしたことで、横バー部3の変形性、復元性を制限したことによるニードル11の挿し込みを途中までとして、このパドル状部4を被止着物13から浮かせた状態とすることもできる。これはファイバー部2、横バー部3の長さと基板14の厚味との関係で採択できる。
【0022】
そして、止着ピン材1を対処物である基板14から引き抜くには、パドル状部4を把持して、あるいは摘んで行われる。この引き抜き作業時に横バー部3、特に長寸部分3aがファイバー部2と平行状態の直線状となっているため、基板14内及び被止着物13の組織に引っ掛かることがなく、内部を損傷することなくスムーズに引き抜くことができる。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本実施例に係る止着ピン材1は上記のように構成され、使用され、作用する。また、本発明に係る止着ピン材1は実施例のように、被止着物13を基板14に止着するような場合に限らず、魚、食肉ブロック、野菜、果物等の食用品をはじめ、ゴム、粘度等の弾性体、発泡材等の軟質材に対し、個体識別タグを装着すること等を目的として使用することができ、この場合は、そのタグが装着される物自体が対象物となり、止着ピン材1はその対象物内に挿入され沈埋されることとなる。
【符号の説明】
【0024】
1 止着ピン材
2 ファイバー部
3 横バー部
3a 長寸部分
3b 短寸部分
4 パドル状部
4a 括れ部
4b コア部
4c 抑止部
4d 突出部
5 アッセンブリ
6 ランナーバー
7 接続部
8 切断部
9 装着ツール
10 スリット
11 ニードル
12 トリガー
13 被止着物
14 基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7