(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る給水制御装置10が用いられる自動水栓100の構成図である。
【0012】
吐水管101は、洗面台のカウンター103の上面側に固定される。吐水管101は、その先端部が吐水口105を成している。吐水管101を通して吐水口105から吐水する水は給水路107を通して給水される。給水路107は、その上流側が上水道108に接続されて、この上水道108からの給水を吐水管101に導く。
【0013】
給水制御装置10は、この自動水栓100における吐水管101の吐水口105への給水と止水とを切り替え制御する。給水制御装置10は、電磁弁20、発電機50、物体検知センサ60、および、制御ユニット70を備える。
【0014】
電磁弁20は、給水路107の経路中の適所に設置される。電磁弁20は、後述のように、給水路107の下流側への給水と止水とを切り替えて、結果的に吐水口105への給水と止水との両状態を切り替えるように制御ユニット70(後述するその制御部79)により制御される。
【0015】
発電機50は、給水路107の経路中、電磁弁20の下流側に設置される。発電機50は、給水路107内の流水により回転駆動される水車(不図示)を有する。この水車はその羽根に給水路107内の流水が当たることにより回転する。発電機50は、上述のような水車の回転により磁石とコイルとが相対的に回転し、電磁誘導によりコイルに起電力が生じて発電する。
【0016】
物体検知センサ60は、発光部と受光部を有する赤外線式測距センサであり、吐水管101の吐水口105の近傍部に取り付けられる。物体検知センサ60は、発光部から光を投光し、投光した光による人体の手等の被検知物からの反射光を受光部で受光ることにより所定の検知領域内における被検知物の有無を検知する。物体検知センサ60は、被検知物の検知結果を示す信号を制御部79(後述する)に出力する。
【0017】
図2は本発明の一実施形態に係る給水制御装置10の構成を示す機能ブロック図である。制御ユニット70は、物体検知センサ60による検知出力信号および発電機50からの起電力に基づいて電磁弁20の動作を制御する。制御ユニット70は、発電検出回路71、電源部73、および、制御部79を備える。
【0018】
発電検出回路71は、発電機50による起電力の有無を検出する。発電検出回路71は、発電機50による起電力が有る場合、制御部79に信号を出力し、発電機50による起電力が無い場合、制御部79に信号を出力しない。発電検出回路71は、発電機50の起電力による交流電流を整流する整流回路からの出力波形を矩形波に整形して制御部79に出力する波形成形回路を含んで構成される。
上述のような発電機50および発電検出回路71は、電磁弁20の下流における通水を検知する吐水検出部を構成している。
【0019】
電源部73は、制御部79、物体検知センサ60、および、電磁弁20のそれぞれに作動電源を供給する。電源部73は、蓄電部75とバックアップ電池77とを備える。蓄電部75は、コンデンサであるが、二次電池等により構成されてもよい。蓄電部75には、発電機50から出力される交流を全波整流回路等により整流して電力が蓄電される。制御部79、物体検知センサ60、および、電磁弁20は、それぞれ電源部73における蓄電部75を主電源としている。バックアップ電池77は、乾電池であるが、これに限定されない。バックアップ電池77は、蓄電部75の電圧が所定値以下になったときに、制御部79、物体検知センサ60、および、電磁弁20のそれぞれに作動電源を供給する。
【0020】
制御部79は、マイクロコンピュータを含んで構成される。制御部79は、物体検知センサ60からの出力信号に基づき電磁弁20に制御信号を出力し、電磁弁20の開閉を制御する。なお、制御部79は、制御のアルゴリズムを保持した記憶部を含むように構成され得る。
【0021】
図3は電磁弁20の弁部21が開いている状態を示し、
図4は弁部21が閉じている状態を示す。電磁弁20は、ラッチ式電磁弁である。電磁弁20は、移動体26、永久磁石27、固定コア29、コイル31、ばね33、リング体35、および、ハウジング37を備える。ラッチ式電磁弁は、詳述するように、コイル31への通電により移動体26を移動させ、移動体26の移動により弁部21を開閉して給水路107を開閉し、永久磁石27に磁化された固定コア29およびばね33の何れかの作用により移動体26を開弁位置および閉弁位置の何れかに保持するように構成される。
【0022】
移動体26は、プランジャ23と、弁体25とを含む。プランジャ23は、ハウジング37内に設けられる収容部37a内に軸方向(図では上下方向)に往復動自在に保持される。弁体25は、プランジャ23の先端部(図では下端側)に設けられる。給水路107の経路中に介挿されるようにして電磁弁20が、詳細にはその弁室109が、設けられる。この弁室109内に弁体25が配置されている。
【0023】
弁室109には、給水路107の上流側につながる流入口109aと、給水路107の下流側につながる流出口109bとが形成され、流入口109aの周縁部には弁座111が設けられる。弁体25は、弁座111と接触離間して弁部21を開閉する。弁体25は、弁座111と接触離間する箇所にゴム等の弾性部材により形成される弾性部25aが設けられる。
【0024】
永久磁石27は、プランジャ23と同軸上に配置される。固定コア29は、永久磁石27とプランジャ23との問に配置される。固定コア29は、永久磁石27により磁化されて、その吸引力によりプランジャ23を吸着する。コイル31はプランジャ23を囲むように配置される。ばね33は固定コア29とプランジャ23の間に介挿され、プランジャ23を閉弁方向(図の下方向)に付勢する。リング体35は、コイル31より下側に配置される。ハウジング37は、カップ状に形成され、プランジャ23等を収容する。
【0025】
移動体26は、プランジャ23の端面231が固定コア29に接触する開弁位置にあるとき、永久磁石27による磁力により固定コア29にプランジャ23が吸着され、その開弁位置に保持される。一方、移動体26は、弁体25の弾性部25aが弁座111と接触する閉弁位置にあるとき、ばね33の付勢力によりその閉弁位置に保持される。給水路107は、移動体26が開弁位置にあるときに開かれ、移動体26が閉弁位置にあるときに閉じられる。
【0026】
この電磁弁20では、コイル31に通電しないとき、永久磁石27から固定コア29、プランジャ23、リング体35、および、ハウジング37を通して永久磁石27に戻る磁路が形成される。
【0027】
電磁弁20の移動体26を開弁位置から閉弁位置に移動させる際には、磁路を流れる磁束の流れ方向と逆方向(以下、正方向Aという)の流れの磁束が生じるようにコイル31に通電する。これにより、プランジャ23に対する固定コア29の吸引力が弱まり、ばね33の付勢力がこの吸引力より大きくなり、この付勢力により移動体26が開弁位置から移動し、閉弁位置で停止する。このとき、プランジャ23と固定コア29の距離が大きいため固定コア29の吸引力が弱くなり、コイル31への通電を停止しても、固定コア29の吸引力よりもばね33の付勢力が大きいままとなり、移動体26が閉弁位置に安定して保持される。
【0028】
一方、正方向Aと反対方向の流れの磁束が生じるようにコイル31に通電すると、プランジャ23に対する固定コア29の吸引力が強まり、ばね33の付勢力より固定コア29の吸引力が大きくなる。移動体26は、この吸引力により閉弁位置から移動し、開弁位置で停止する。このとき、プランジャ23と固定コア29の距離が小さいため固定コア29の吸引力が強くなり、コイル31への通電を停止しても、固定コア29の吸引力がばね33の付勢力より大きいままとなり、移動体26が開弁位置に安定して保持される。このように、電磁弁20の移動体26は、閉弁位置と開弁位置との二位置の何れにおいても安定して保持される。
【0029】
移動体26を開弁位置から閉弁位置に移動させるに際し、制御部79は、電磁弁20を閉弁させるための制御信号として閉弁信号を出力する。電磁弁20は、閉弁信号を受けると、コイル31に正方向Aの流れの磁束が生じるように励磁される。
一方、移動体26を閉弁位置から開弁位置に移動させるに際しては、制御部79は、電磁弁20を開弁させるための制御信号として開弁信号を出力する。電磁弁20は、開弁信号を受けると、コイル31に正方向Aと反対方向の流れの磁束が生じるように励磁される。
【0030】
ここで、本実施形態では特に、移動体26のプランジャ23は、図示にて上下の往復動の作動領域における端点位置(
図3での上端位置)で固定部材である固定コア29に対向し部分的に当接する端面231(上側の先端面)が非平面状に成形されている。即ち、
図3および
図4から容易に理解されるとおり、この端面231はその周縁部分が丸みを帯びた面取りがなされた略球面状に成形されている。
【0031】
プランジャ23が固定コア29に当接する端面231がこのように非平面状に成形されているため、平面どうしが一旦密着すると急には引き離し難くなるといった現象によってプランジャ23の端面231と固定コア29が離れ難くなって電磁弁として作動不良が起こるおそれを極小化することができる。
ここに、非平面状とは、上述のような略球面状に限られない。即ち、平面である固定部材側の当接面に対して全面的に密着することがないように、部分または全面が湾曲した形状、或いは、凹凸が形成された形状等々、種々の形状であり得る。
【0032】
ところで、電磁弁20が
図4におけるような閉弁状態にあるときに、給水路107中で何らかの原因で生じたウォーターハンマー等による高水圧が弁部21の流入口109aに伝搬すると、弁部21は閉弁状態を維持し得ずに開弁してしまうことがある。
【0033】
即ち、制御部79からは開弁信号が発せられていないにもかかわらず、ウォーターハンマー等による高水圧で弁部21が開弁状態に転じ、弁体25に作用する水圧によって移動体26が上方に変位し、この位置で安定してしまう。これは、弁体25の上方への変位により、プランジャ23と固定コア29の距離が狭まって固定コア29の吸引力がばね33の押圧力に優るようになり、移動体26が開弁位置に保持されてしまうからである。一旦このような状態に陥ると、何らの対策も施されない場合には、電磁弁20は自動的に閉弁状態に復帰することはできず、吐出口105から無駄な流水が継続してしまうといった不具合が生じることになる。
【0034】
そこで本実施形態の装置では、閉弁状態を維持しているべき電磁弁20がウォーターハンマー等によって一旦開弁状態に転じてしまっても、この電磁弁20を自動的に閉弁状態に復帰させることができるように構成している。
【0035】
図5は本実施形態の給水制御装置の動作を表すタイムチャートである。
図5では、上から順に、物体検知センサ60の出力信号、制御部79の出力である開弁信号、発電検出回路71の出力信号、および、制御部79の出力である閉弁信号であり、上記各信号に共通の時間軸が最下行に記してある。
【0036】
時刻t1で、自動水栓100の吐出口105近傍に使用者の手などが接近して物体検知センサ60の検知領域内に入ると、物体検知センサ60の出力信号がオンに転じる。物体検知センサ60の出力信号がオンに転じたことに応答して、制御部79から開弁信号が発せられる。上述ように発せられた開弁信号によって、時刻t2で電磁弁20が開弁状態に転じる。
電磁弁20は既述のようにラッチ式のものであるため、一旦開弁状態に転じると、この状態が維持される。電磁弁20が開弁状態に転じると、給水路107内の通水によって発電機50が作動し発電機の出力が発電検出回路71で波形成形され、発電検出回路71からパルス列の信号が発生する。
【0037】
発電機50の出力に対応する発電検出回路71の出力信号であるパルス列の信号(間欠パルス信号)は、通水の継続期間に亘って出力される。即ち、この継続期間に亘って吐水口105からは吐水が継続しており、使用者は手を洗うなどの利用をすることができる。
【0038】
次いで、時刻t3で、使用者が物体検知センサ60の検知領域外まで手を遠ざけると、物体検知センサ60の出力信号がオフに転じる。物体検知センサ60の出力信号がオフに転じたことに応答して、制御部79は閉弁信号を電磁弁20に発する。上述ように発せられた閉弁信号によって電磁弁20が閉弁状態に転じ、以降、通常は、次に物体検知センサ60の出力信号がオンになって開弁信号が出力されない限り、閉弁状態が維持される。
【0039】
電磁弁が閉弁状態に転じると給水路107内の通水が停止して発電機50が作動を停止し、発電機50の出力に対応する発電検出回路71の出力信号であるパルス列の信号が停止する。電磁弁が閉弁状態に転じ始めてから給水路107内の通水が停止するまでには多少の時間差があるが、ここでは、上述の時刻t3から多少遅延した時刻t4で通水が停止し、発電機50の出力に対応する発電検出回路71の出力であるパルス列の信号の発生が止むものとしている。
【0040】
なお、
図5を参照しての説明では、便宜上、物体検知センサ60の出力信号がオンに転じるタイミングと制御部79から開弁信号が発せられるタイミングとが何れも時刻t1であるように図示している。これについて、より厳密には、開弁信号が発せられるタイミングは物体検知センサ60の出力信号がオンに転じる時刻t1から多少の遅延を生じる。
同様に、物体検知センサ60の出力信号がオフに転じるタイミングと制御部79から閉弁信号が発せられるタイミングとが何れも時刻t3であるように図示している。これについても、より厳密には、閉弁信号が発せられるタイミングは物体検知センサ60の出力がオフに転じる時刻t3から多少の遅延を生じる。
【0041】
時刻t4で通水が停止し、発電機50の出力に対応する発電検出回路71の出力であるパルス列の信号の発生が止んだ状態になってから幾許かの期間経過した時刻t5で、ウォーターハンマー等による高水圧で電磁弁20が開弁状態に転じてしまうと、開弁信号はオフであるにもかかわらず、給水路107での通水が始まり、発電機50が作動して、発電機50の出力に対応する発電検出回路71の出力信号であるパルス信号が発生する。
【0042】
本実施形態の装置では、一旦閉弁信号が発せられた後、未だ開弁信号はオフであるにもかかわらず、発電機50の出力に対応する発電検出回路71の出力信号であるパルス信号が発生すると、制御部79は閉弁信号を電磁弁20に発する。上述のように発せられた閉弁信号によって電磁弁20が閉弁状態に転じ、給水路107での通水が停止し、発電機50が停止して、発電機50の出力に対応する発電検出回路71の出力信号であるパルス信号も出力されなくなる。
【0043】
この場合も、電磁弁が閉弁状態に転じ始めてから給水路107内の通水が停止するまでには多少の時間差があるが、ここでは、上述の時刻t5から多少遅延した時刻t6で通水が停止し、発電機50の出力に対応する発電検出回路71の出力信号であるパルス信号の発生が止むものとしている。
【0044】
図6は、給水制御装置10の制御部79における電磁弁20の開閉制御の処理手順を表すフローチャートである。ここでは、本実施形態の給水制御装置10を備えた自動水栓100が使用者による利用を待機している時点からの処理の流れを例示する。
【0045】
制御部79での動作が開始すると、給水制御装置10を備えた自動水栓100の使用者の手などが吐水口105に接近して物体検知センサ60の検知領域内に入るのを待機する(ステップS601:No)。
使用者の手などが吐水口105に接近して物体検知センサ60の検知領域内に入ると、物体検知センサ60の出力信号がオンになり、それが検出される(ステップS601:Yes)。
ステップS601で物体検知センサ60の出力信号がオンになったことが検出されると、この検出に応答して、電磁弁20に対する開弁信号をオンにする(ステップS602)。
【0046】
ステップS602で電磁弁20に対する開弁信号をオンにすると、電磁弁20はそのコイル31が開弁に寄与する方向(既述の正方向Aと反対方向)の磁力を生じる極性に励磁されて電磁弁20は開弁する。電磁弁20が開弁すると、吐水管101の吐水口105から吐水が流出し、利用者は流水で手洗い等を行うことができる。
【0047】
ステップS602の処理で電磁弁20を開弁させると、次いで、使用者の手などが物体検知センサ60の検知領域外に退出するのを待機する。即ち、物体検知センサ60の出力信号がオフになるのを待機する(ステップS603:No)。
物体検知センサ60の出力信号がオフになったことが検出されると(ステップS603:Yes)、次いで、電磁弁20に対する閉弁信号をオンにする(ステップS604)。
【0048】
ステップS604で電磁弁20に対する閉弁信号をオンすると、電磁弁20はそのコイル31が閉弁に寄与する方向(既述の正方向A)の磁力を生じる極性に励磁されて電磁弁20は閉弁する。電磁弁20が閉弁すると、吐水管101の吐水口105からの吐水は停止する。
【0049】
本実施の形態では、ステップS604の処理によって電磁弁20が閉弁して以降も、発電検出回路71の出力信号に基づいて給水路107内での流水が停止しているかを継続的に監視する(ステップS605:No)。電磁弁20の閉弁状態が維持され、流水が停止していれば、発電検出回路71の出力信号はオフレベルを維持する。
【0050】
給水路107内での流水が停止しているかを継続的に監視している間に、ステップS605で発電検出回路71の出力信号が発生したことが検出されると(ステップS605:Yes)、この出力信号の発生を検出した時点からの直近の過去において開弁信号が発せられた履歴があるか否かが判定される(ステップS606)。ここに、直近の過去とは、
図5のタイムチャートにおいて、現在時点が時刻t5(発電検出回路71の出力信号が発生した時点)であるときに時刻t4から時刻t5の間である期間を意味する。即ち、直近の前回に閉弁信号が発せられて以降現在に至る期間である。
なお、ステップS606までの時系列の処理でみれば、ステップS606の時点で開弁信号発生の有無を判定することは、自ずから、上述の直近の過去において開弁信号が発せられた履歴があるか否かを判定することになる。
【0051】
ステップS606で発電検出回路71の出力信号が発生したことを検出した時点からの直近の過去において開弁信号が発せられた履歴がないと判定されたときには(ステップS606:No)、直ちに電磁弁20に対する閉弁信号をオンにして(ステップS607)電磁弁20を閉弁させる。なお、ステップS606で開弁信号が発せられた履歴があると判定されたときには(ステップS606:Yes)、ステップS601に戻る。
【0052】
ステップS605(Yes)→ステップS606(No)→ステップS607の処理は、制御部79からは開弁信号が発せられていないにもかかわらず、ウォーターハンマー等による高水圧で弁部21が開弁状態に転じて不用意な吐水が発生した際には、この発生を検出して電磁弁20を自動的に閉弁させる処理である。この処理により、無駄な流水の発生を効果的に防止することができる。
【0053】
本実施形態によれば、以下の効果が奏される。
本実施形態では、閉弁状態を維持しているべき電磁弁20がウォーターハンマー等によって一旦開弁状態に転じて流水が生じると、発電検出回路71の出力信号に基づいてこの流水状態を検出する。そして発電検出回路71の出力信号が発生したことを検出した時点からの直近の過去において開弁信号が発せられた履歴がないと判定されたときには、閉弁信号を発して電磁弁20を閉弁させる。
【0054】
このため、本実施形態によれば、電磁弁20がウォーターハンマー等によって不用意に開弁状態に転じてしまい、多少の流水が発生したとしても、この流水を検出して、電磁弁20を速やかに閉弁状態に自動復帰させることができる。
【0055】
また本実施形態に適用されている電磁弁20は、そのプランジャ23が往復動の作動領域における両端点位置(
図3、
図4では上端位置と下端位置)でそれぞれ安定するラッチ式電磁弁である。そして、プランジャ23は、上端位置側の固定部材である固定コア29に当接する端面231(
図3、
図4では上側の先端面)が非平面状に成形されている。即ち、この端面231はその周縁部分が丸みを帯びた面取りがなされた略球面を帯びた形状に成形されている。
【0056】
プランジャ23が固定コア29に当接する端面231がこのように非平面状に成形されているため、平面どうしが一旦密着すると急には引き離し難くなるといった現象によってプランジャ23の端面231と固定コア29が離れ難くなって電磁弁として作動不良をおこすおそれを極小化することができる。
【0057】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
例えば、上述した給水制御装置では、吐水検出部を発電機50および発電検出回路71によって構成したが、これに替えて、流量計(例えば、タービンフローメータ等)や圧力センサ(例えば、適度な精度の水圧センサ)によって吐水検出部を構成してもよい。
【0058】
また、給水制御装置の制御部79をPLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ)の態様に構成すれば、給水制御装置の稼働後に制御のアルゴリズムや作動タイミングを柔軟に変更したり、複数の自動水栓を集中管理したりすることが容易にできる。
【0059】
また、プランジャ23の端面231の形状は、上述の例のように周縁部分が丸みを帯びた面取りがなされた略球面を帯びた形態での非平面状であることには限られず、例えば、適宜の一つまたは複数の凸部が形成された形態での非平面状であってもよい。この場合も、先述の例と同様に、プランジャ23の端面231と固定コア29が離れ難くなって電磁弁として作動不良をおこすおそれを極小化することができる。
【0060】
さらに、上述においては、電磁弁はラッチ式である場合について詳述したが、本発明に適用可能な電磁弁はラッチ式電磁弁に限らず、連続通電式電磁弁であってもよい。