(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記容器種別検出部が、前記蓋が装着された状態の前記蓋装着式調理容器か、前記蓋が装着されていない状態の前記蓋装着式調理容器かを検出するように構成されている請求項2に記載のグリル。
前記容器検出部として、前記グリル庫の後部に配設されて前記調理容器の周壁部に接当する後部検出部と、前記グリル庫の底部に配設されて前記調理容器の底部に当接する底部検出部とが設けられている請求項1〜3のいずれか1項に記載のグリル。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のグリルにおいては、容器種別検出部の可動体は、調理容器の種別毎に異なる位置に後退移動するように構成されているので、つまり、1つの種類の調理容器を検出するための後退位置と、その1つの後退位置からさらに後退移動する別の種類の調理容器を検出するための後退位置との複数段階の後退位置にわたって、突出位置から後退移動するように構成されているので、大きな移動範囲にわたって移動することとなる。
【0006】
このように、可動体が大きな移動範囲にわたって移動すると、可動体や可動体を移動自在に支持する支持部が、互いの摺動により早期に摩耗する虞があり、その結果、容器種別検出部の耐久性が低下する虞がある。
【0007】
また、例えば、可動体が支持部によって移動自在に内嵌支持される場合においては、上述の如く、可動体が大きな移動範囲にわたって移動すると、こじれが発生して円滑に移動できなくなる等、可動体が大きな移動範囲にわたって移動する場合は、可動体を円滑に移動させ難くなることに起因して、容器種別検出部によって適切に調理容器の種別を検出することが困難になる虞がある。
【0008】
本発明は、かかる点に着目してなされたものであり、その目的は、容器種別検出部の耐久性を向上することができ、しかも、調理容器の種別を適切に検出することができるグリルを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のグリルは、被調理物を加熱調理するための複数種の調理容器を付け替え自在な調理容器支持部が、グリル庫に対して出退自在に設けられ、
前記調理容器支持部が前記グリル庫の設定収納位置に収納された収納状態において、前記調理容器に接当して前記調理容器の種別を検出する容器種別検出部が設けられ、
前記容器種別検出部の検出情報に基づいて、加熱調理用のグリル加熱手段の加熱作動を制御する運転制御部が設けられているグリルであって、その第1特徴構成は、
前記容器種別検出部が、前記調理容器との接当により当該調理容器の存在を検出する複数の容器検出部の存在検出状態の組合せが前記調理容器の種別毎に異なる組合せとなる状態で、複数の前記容器検出部を備える形態に構成され、
前記容器検出部が、復帰付勢された突出位置から前記調理容器の接当により後退移動する可動体と、当該可動体の後退移動を検出する容器存在検出用の後退移動検出部から構成されている点にある。
【0010】
上記グリルの第1特徴構成によれば、復帰付勢された突出位置から調理容器の接当により後退移動する可動体と、可動体の後退移動を検出することにより調理容器の存在を検出する容器存在検出用の後退移動検出部とから構成された容器検出部が複数設けられている。そして、複数の容器検出部によって検出される夫々の調理容器における存在検出状態の組合せが調理容器の種別毎に異なる組合せとなる状態で構成されている。
すなわち、複数の容器検出部の夫々にて、調理容器の存否を検出させるようにしながら、複数の容器検出部の存在検出状態の組合せによって、調理容器の種別が検出されることになる。
【0011】
そして、容器検出部の夫々は、単に調理容器の存否を検出すればよいので、容器検出部に備えられる可動体は、突出位置から調理容器の存在を検出するための位置に後退移動するだけでよいので、可動体の移動範囲を小さくすることができる。このように、可動体の移動範囲を小さくすることができるので、可動体や可動体を移動自在に支持する支持部が、互いの摺動により早期に摩耗することを抑制することができるのであり、その結果、容器種別検出部の耐久性を向上することができる。
【0012】
また、上述の如く、可動体の移動範囲を小さくすることができるので、可動体の移動に伴って、こじれが発生することを防止することができ、後退移動検出部によって可動体の後退移動を適切に検出して、調理容器の種別を適切に検出することができる。
よって、容器種別検出部の耐久性を向上することができつつ、調理容器の種別を適切に検出することができるグリルを提供することができる。
【0013】
本発明に係るグリルの第2特徴構成は、上記グリルの第1特徴構成に加えて、
前記調理容器として、蓋を装着自在な蓋装着式調理容器と上部が開放した開放式調理容器とが設けられ、
前記容器種別検出部が、前記蓋装着式調理容器と前記開放式調理容器との種別を検出するように構成されている点にある。
【0014】
上記グリルの第2特徴構成によれば、調理容器として、蓋を装着自在な蓋装着式調理容器と上部が開放した開放式調理容器とが設けられているから、例えば、蓋装着式調理容器を用いて、煮る、蒸す等の調理メニューを行い、また、開放式調理容器を用いて、焼く、温める等の調理メニューを行う等、種々の調理メニューを良好に行うことができる。
【0015】
そして、容器種別検出部が、前記蓋装着式調理容器と前記開放式調理容器との種別を検出するように構成されているから、例えば、運転制御部が、容器種別検出部の検出情報に基づいて、実行する調理メニューを行うのに適する調理容器であるか否かを判断して、実行する調理メニューを行うのに適する調理容器である場合にのみ、加熱調理を実行するようにする等、運転制御部による加熱調理を良好に行うことができる。
【0016】
本発明に係るグリルの第3特徴構成は、上記グリルの第2特徴構成に加えて、
前記容器種別検出部が、前記蓋が装着された状態の前記蓋装着式調理容器か、前記蓋が装着されていない状態の前記蓋装着式調理容器かを検出するように構成されている点にある。
【0017】
上記グリルの第3特徴構成によれば、容器種別検出部が、蓋が装着された状態の蓋装着式調理容器であるか、蓋が装着されていない状態の蓋装着式調理容器であるかを、つまり、収納状態にある調理容器支持部に支持されている蓋装着式調理容器に、蓋が装着された状態であるか、蓋が装着されていない状態であるかを検出することができる。
【0018】
したがって、容器種別検出部の検出情報に基づいて、例えば、運転制御部が、蓋装着式調理容器に蓋が装着されていない場合には、加熱調理を実行しないようにして、蓋装着式調理容器に蓋が装着されている場合にのみ、加熱調理を実行するようにする等、運転制御部による加熱調理を良好に行うことができる。
【0019】
本発明に係るグリルの第4特徴構成は、上記グリルの第1乃至第3特徴構成に加えて、
前記容器検出部として、前記グリル庫の後部に配設されて前記調理容器の周壁部に接当する後部検出部と、前記グリル庫の底部に配設されて前記調理容器の底部に当接する底部検出部とが設けられている点にある。
【0020】
上記グリルの第4特徴構成によれば、容器検出部として、調理容器の周壁部に接当する後部検出部と、調理容器の底部に当接する底部検出部とが設けられているから、後部検出部の検出情報と底部検出部の検出情報とによって、調理容器の多数の種別を検出することが可能となる。
【0021】
また、底部検出部は、調理容器の種類に拘わらず、収納状態にある調理容器支持部に調理容器が支持されていれば、調理容器の存在を検出することになるから、例えば、後部検出部が調理容器の存在を検出しているのにも拘わらず、底部検出部が調理容器の存在を検出していない場合には、後部検出部と底部検出部とのうちのいずれかが故障であると判定することができる等、容器検出部の検出結果についての信頼性を高めるのに有効となる。
【0022】
本発明に係るグリルの第5特徴構成は、上記グリルの第4特徴構成に加えて、
前記グリル庫の後部に、調理排気を排出する排気通路を形成する排気通路形成部が設けられ、
前記後部検出部が、前記排気通路形成部の横外方側のグリル庫壁部分に装着されている点にある。
【0023】
上記グリルの第5特徴構成によれば、排気通路形成部のグリル庫横幅方向の横外方側には、排気通路を形成することがないため、グリル庫の内部に収納された調理容器の後端部に対向する状態で位置するグリル庫壁部分が存在することになるから、容器検出部を、排気通路形成部の横外方側のグリル庫壁部分に、調理容器の後端部のうちの横端側部分に接当する形態で装着することになる。
【0024】
そして、グリル庫の後部の排気通路形成部の内部に形成された排気通路を通して、調理排気が集中して流動することになるため、グリル庫の内部空間のうちで、排気通路形成部の横外方側のグリル庫壁部分に近接する空間部分の温度は、グリル庫の内部空間のうちで、排気路形成部の排気通路に連なる空間部分よりもかなり低温となる。
【0025】
したがって、グリル庫壁部分に装着される後部検出部を、排気通路形成部の内部に設置する場合よりも、低温に状態に維持することができるので、後部検出部が高温の調理排気に晒されて劣化することを防止することができる。
【0026】
本発明に係るグリルの第6特徴構成は、上記グリルの第1乃至第5特徴構成に加えて、
複数の前記容器検出部が前記調理容器との接当により開閉状態が切り替えられる開閉スイッチを備え、
複数の前記容器検出部の前記開閉スイッチが、複数の抵抗体が直列又は並列に接続された検出回路に、前記開閉スイッチの開閉状態の組み合わせ毎に、前記検出回路の抵抗値が異なる値となる状態で配設され、
前記運転制御部が、前記検出回路の抵抗値により前記調理容器の種別を判別するように構成されている点にある。
【0027】
上記グリルの第6特徴構成によれば、複数の容器検出部の開閉スイッチが、複数の抵抗体が直列又は並列に接続された検出回路に、開閉スイッチの開閉状態の組み合わせ毎に、検出回路の抵抗値が異なる値となる状態で配設され、運転制御部が、検出回路の抵抗値により調理容器の種別を判別するように構成されている。
【0028】
すなわち、運転制御部には、単一の検出回路を接続するだけで、複数の容器検出部の検出情報を運転制御部に入力できるため、複数の容器検出部の検出情報を運転制御部に入力できるようにしながらも、運転制御部の構成の簡素化を図ることができる。
【0029】
つまり、複数の容器検出部の検出情報を運転制御部に入力するために、複数の容器検出部の夫々を各別に接続する複数の入力ポートを、運転制御部に備えさせるようにすると、運転制御部の構成が複雑になるが、運転制御部には、単一の検出回路を接続するだけで、
複数の容器検出部の夫々を各別に運転制御部に接続する必要がないため、運転制御部の構成の簡素化を図ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0031】
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
(ガスコンロの全体構成)
図1に示すように、コンロ本体Hの上面部に、左右一対のコンロバーナ1を備え、コンロ本体Hの内部にグリルG(
図2参照)を備えるガスコンロが構成されている。
このガスコンロは、キッチンカウンタに形成したコンロ装着口に上方から挿入して組付ける、いわゆるビルトインタイプとして構成されるものであって、コンロ本体Hの上部の周縁部には、キッチンカウンタに載置する鍔部が形成されている。
【0032】
コンロ本体Hの上部には、ガラス製の天板2が装備され、そして、天板2の後部側箇所には、グリルGの調理排気を排出するためのグリル排気口3が形成されている。
また、天板2の上部には、コンロバーナ1にて加熱される鍋等の被加熱物を載置するための五徳4が、左右のコンロバーナ1の夫々に対応して設けられている。
尚、コンロバーナ1の中央部には、
図1に示すように、鍋等の被加熱物の存在及び被加熱物の底壁温度を検出するコンロバーナセンサ1Aが設けられている。
【0033】
コンロ本体Hの上部に装備した天板2の手前側箇所には、左右のコンロバーナ1の夫々に対する左右一対のコンロ用操作具5が、上方に離脱自在に設けられ、コンロ本体Hの前面部の右側箇所には、グリルGに対するグリル用設定操作部6が、下方側を支点にした前後揺動により開閉自在に設けられている。尚、
図1は、グリル用設定操作部6の開き状態を例示する。
【0034】
ちなみに、一対のコンロ用操作具5の夫々は、前後や左右のスライド操作及び左右の回転操作により、点火及び消火の指令、目標火力の指令、目標温度に維持する自動温度調理の指令等、各種の指令情報を指令するように構成されている。
グリル用設定操作部6は、複数の指令スイッチを備えて、それらの複数の指令スイッチの操作により、後述する加熱調理用のグリル加熱手段としてのグリルバーナAに対する点火及び消火の指令、目標火力の指令、調理モードの指令等、各種の指令情報を指令するように構成されており、その詳細は後述する。
【0035】
(グリルの構成)
グリルGには、
図2及び
図3に示すように、前部及び後部が開口する筒状に形成されたグリル庫7(
図4参照)が備えられ、被調理物を加熱調理するための調理容器Kを支持し且つグリル扉8(
図1参照)を前端部に備えた調理容器支持部Lが、グリル庫7に対して出退自在に設けられている。
【0036】
調理容器Kは、形態が異なる複数種のものが用意されており、調理容器支持部Lは、複数種の調理容器Kを付け替え自在に構成されている。よって、使用者が被調理物を加熱調理する際に、適正な調理容器Kを選択して使用することができる。
本実施形態においては、複数種の調理容器Kとして、蓋40を着脱自在な蓋装着式調理容器としての調理鍋41(
図5参照)と、上部が開放した開放式調理容器としてのグリル皿9(
図4参照)とを付け替え自在に構成する場合を例示する。尚、
図2及び
図3は、グリル皿9を装備した場合を示す。
ちなみに、グリル皿9の容量は、例えば、450mlであり、調理鍋41の容量は、例えば、1500mlである。
【0037】
また、グリルGには、
図2及び
図7に示すように、調理容器支持部Lがグリル庫7の設定収納位置に収納された収納状態において、調理容器Kに接当して調理容器Kの種別を検出する容器種別検出部Mが設けられている。つまり、容器種別検出部Mが、調理鍋41とグリル皿9との種別を検出するように構成されている。尚、設定収納位置とは、グリル扉8がグリル庫7の前部の開口を閉じた状態における調理容器支持部Lの位置である。
【0038】
また、詳しくは後述するが、容器種別検出部Mの検出情報に基づいて、グリルバーナAの加熱作動を制御する運転制御部W(
図12参照)がグリルGに設けられている。
【0039】
図2及び
図3に示すように、グリル庫7の底壁部7dには、グリル庫7内に収納された調理容器Kを下方から加熱する下バーナ10が設置され、グリル庫7の天井部には、グリル庫7内に収納された調理容器Kを上方から加熱する上バーナ11が設置されている。つまり、本実施形態においては、グリルバーナAとして、下バーナ10と上バーナ11とが設けられている。
グリル庫7の後部には、燃焼ガスや加熱される被調理物から排出されるガス類等からなる調理排気をグリル排気口3に導く排気通路Eを形成する排気通路形成部Dが設けられている。
【0040】
下バーナ10は、
図2に示すように、円筒状の下バーナ本体部10Aと、その下バーナ本体部10Aに接続される下バーナ混合管部10Bとを備え、下バーナ本体部10Aには、周方向に沿って炎孔Fが形成されている。つまり、下バーナ10は、炎孔Fを環状に備える形態に構成されている。
【0041】
そして、下バーナ10は、燃料ガスが下バーナ用噴出ノズル12から下バーナ混合管部10Bの端部に噴出供給される際に、一次空気がエジェクタ作用によって下バーナ混合管部10Bの内部に供給されることにより、一次空気と燃料ガスとの混合ガスを上述の炎孔Fに供給して一次燃焼させ、かつ、グリル庫7の底壁部7dや側壁部7s等に形成した空気孔(図示せず)等からグリル庫7の内部に取り入れられた外気を二次空気として用いて二次燃焼させる、いわゆるブンゼン燃焼式バーナとして構成されている。
尚、このような構成の下バーナ10は、コンロバーナ1の構成と同様であり、コンロバーナ1を転用して構成されている。
【0042】
下バーナ10の内部には、
図2及び
図3に示すように、調理容器Kの温度を検出する温度検出センサとして、調理容器Kの底壁温度を検出する容器温度検出センサ13が装備されている。
この容器温度検出センサ13の検出情報は、後述する運転制御部W(
図12参照)に入力される。
【0043】
尚、調理容器支持部Lの出退に連動して容器温度検出センサ13を昇降させて、調理容器支持部Lがグリル庫7の内部の収納位置及びその近くに位置するときには、容器温度検出センサ13を調理容器Kの底部Kaに接触させる上昇位置に位置させ、調理容器支持部Lが収納位置の近くの位置からグリル庫7の前方側に突出されるときには、容器温度検出センサ13を調理容器Kの底部Kaから下方側に離れる下降位置に位置させるように構成されているが、本実施形態においては、調理容器支持部Lの出退に連動して容器温度検出センサ13を昇降させる機構についての詳細な説明は省略する。
【0044】
上バーナ11は、下向きの平板状の火炎を形成する輻射式バーナであり、
図3に示すように、平板状の上バーナ本体部11Aと、その上バーナ本体部11Aに接続される上バーナ混合管部11Bとを備え、上バーナ本体部11Aの下面部に燃焼炎形成部が形成されている。
【0045】
そして、上バーナ11は、燃料ガスが上バーナ用噴出ノズル(図示せず)から上バーナ混合管部11Bの端部に噴出供給される際に、一次空気がエジェクタ作用によって上バーナ混合管部11Bの内部に供給されることにより、一次空気と燃料ガスとの混合ガスを上述の燃焼炎形成部に供給して一次燃焼させ、かつ、グリル庫7の底壁部7dや側壁部7s等に形成した空気孔(図示せず)等からグリル庫7の内部に取り入れられた外気を二次空気として用いて二次燃焼させる、いわゆるブンゼン燃焼式バーナとして構成されている。
【0046】
尚、
図11及び
図12に示すように、下バーナ10及び上バーナ11の夫々に対して、点火装置としての点火プラグP、及び、着火状態検出装置として、熱電対等を用いて構成される着火センサRが装備され、コンロバーナ1についても、同様に、点火プラグP及び着火センサRが装備されている。
【0047】
(調理容器支持部の具体構成)
図3に示すように、グリル庫7の左右の側壁部7sの底部側部分に、長手方向をグリル庫7の前後方向に向けた姿勢で固定設置される状態で固定レール15が設けられ、その固定レール15に対してグリル庫7の前後方向に移動自在に支持される中間レール16、及び、その中間レール16に対してグリル庫7の前後方向に移動自在に支持される可動レール17を備えたスライドレール式の案内機構Bが設けられている(
図4参照)。
【0048】
そして、
図4に示すように、左右に並ぶ一対の可動レール17の先端部に、グリル扉8を装着するための扉支持板18が取付けられ、グリル扉8が、扉支持板18の前面側に当て付けた状態で、扉支持板18に装着されるように構成されている(
図2参照)。
【0049】
図2〜
図4に示すように、グリル庫7の底壁部7dを上方から覆う板状のカバー体19が、下バーナ10及び左右のスライドレール式の案内機構Bを覆う状態で設けられ、下バーナ10の下バーナ本体部10Aが、カバー体19の中央部の開口を通して上方に突出するように構成されている。
【0050】
図4及び
図5に示すように、グリル皿9及び調理鍋41の前縁部及び後縁部を載置支持する形態に棒状材を曲げ加工して構成された容器支持枠21が設けられている。
そして、
図4及び
図6に示すように、容器支持枠21の前端部が、扉支持板18に上下揺動自在に支持されている。つまり、容器支持枠21の前端部に設けた被支持部21sが、扉支持板18の背面部に設けた係止片18Aに係止支持されている。
【0051】
また、
図4及び
図5に示すように、容器支持枠21の後端部には、カバー体19の左右両端部の上部に載置する状態で設けたレール枠22に対して摺動自在に載置される被載置部21aが設けられている。尚、被載置部21aは、棒状材をU字状に曲げ加工して構成されている。
すなわち、容器支持枠21が、前端部が扉支持板18に支持され、かつ、後端部がレール枠22に支持される形態で設けられている。
【0052】
容器支持枠21は、グリル皿9及び調理鍋41を着脱自在に支持する載置支持部として機能するものであって、容器支持枠21には、グリル皿9及び調理鍋41が選択的に付け替えられる形態で装着されることになる。
【0053】
すなわち、調理容器支持部Lが、グリル扉8及びグリル皿9を載置支持する容器支持枠21を主要部として構成され、そして、グリル扉8を装着する扉支持板18及び容器支持枠21が、左右のスライドレール式の案内機構B及びレール枠22にて、グリル庫7に対して出退自在に支持されるように構成されている。
尚、グリル庫7の内部を清掃するときには、調理容器支持部Lをグリル庫7の前方に突出させ、その突出状態において、グリル皿9及び調理鍋41を容器支持枠21から取り外すことにより、カバー体19の上面部等、グリル庫7の内部を良好に清掃できることになる。
【0054】
ちなみに、
図5に示すように、調理鍋41に装着される蓋40には蒸気孔40aが形成されている。そして、蓋40を装着した調理鍋41は、調理容器支持部Lをグリル庫7に収納した状態において、蒸気孔40aがグリル庫7の後方側箇所に位置する状態となるように容器支持枠21に載置することになる。
【0055】
つまり、調理容器支持部Lをグリル庫7に収納した状態において、蒸気孔40aがグリル庫7の後方側箇所に位置する状態となるようにすることにより、蒸気孔40aから排出される蒸気が迅速に排気通路Eに導かれるようにして、蒸気孔40aから排出される蒸気が、グリル庫7の内部に充満することを極力抑制することになる。
【0056】
(排気通路の具体構成)
図2〜
図4に示すように、グリル庫7の後部に、グリル庫7の下側部分においてはグリル庫横幅方向の中央側部分を開口し、かつ、グリル庫7の上側部分においてはグリル庫横幅方向の全幅に亘って開口する形態で排気出口Uが開口され、排気通路形成部Dが、排気通路Eを排気出口Uに連通させる形態で形成するように構成されている。
【0057】
説明を加えると、グリル庫7の後部における下側部分の左右両側部には、グリル庫7の後壁を形成する後板23が設けられている。
そして、グリル庫7の前後方向視にて、グリル庫7の後部における下側部分には、左右の後板23の間に位置する開口部分がグリル庫7の底壁部7dの上方側に位置する状態で形成され、グリル庫7の後部における上側部分には、グリル庫7の左右の側壁部7s及びグリル庫7の上部壁7uにて囲まれた開口部分が形成されている。
【0058】
したがって、排気出口Uが、グリル庫7の後部の下側部分において左右の後板23の間に位置する開口部分と、グリル庫7の後部の上側部分においてグリル庫7の左右の側壁部7s及びグリル庫7の上部壁7uにて囲まれた開口部分とを合わせた開口として構成されている。
【0059】
図2に示すように、排気通路形成部Dが、グリル庫7の後部における下側部分に接続する下側形成部分Dsと、グリル庫7の後部における上側部分に接続する上側形成部分Duとを備える形態に構成されている。
下側形成部分Ds及び上側形成部分Duは、複数の部材を組み付けて形成されるものであるが、本実施形態においては、下側形成部分Ds及び上側形成部分Duについての詳細な説明を省略する。
【0060】
ちなみに、下側形成部分Dsの内部には、排気通路Eを上下方向で区画する板状の通路区画材24が配設され、また、上側形成部分Duの内部には、ラス網等を用いて構成される多孔状の消炎部材25が配設されている。
【0061】
尚、排気通路形成部Dの下側形成部分Dsに、排気通路Eの内部温度を検出する排気温度センサ26が、通路区画材24を貫通する状態で設けられている。
この排気温度センサ26は、通路区画材24の上方側部分の温度を排気通路Eの内部温度として検出するように構成され、排気温度センサ26の検出情報は、後述する運転制御部W(
図12参照)に入力される。
【0062】
(燃料ガス供給構成)
図11に示すように、メタンガスを主成分とする都市ガス等の燃料ガスが供給される元ガス供給路28に、一対のコンロバーナ1に対する一対のコンロ用分岐路29、及び、グリル用分岐路30が接続されている。
元ガス供給路28に、ガスコンロ全体に対する燃料ガスの供給を断続する元ガス弁31が配置され、一対のコンロ用分岐路29の夫々に、コンロバーナ1の火力を調節するためのコンロバーナ用ガス量調節弁32が設けられている。
【0063】
グリル用分岐路30に、下バーナ10及び上バーナ11に対するガス燃料の供給圧力を設定圧に調整するガバナ33が設けられ、ガバナ33にて設定圧に調整されたガス燃料を下バーナ10に導く下バーナ用供給路34、及び、ガバナ33にて設定圧に調整されたガス燃料を上バーナ11に導く上バーナ用供給路35が設けられている。
【0064】
下バーナ用供給路34には、下バーナ10の火力を調節するための下バーナ用ガス量調節弁36が設けられ、上バーナ用供給路35には、上バーナ11の火力を調節するための上バーナ用ガス量調節弁37が設けられている。
ちなみに、下バーナ用ガス量調節弁36及び上バーナ用ガス量調節弁37は、燃料ガスの供給開度を全閉開度から最大開度に亘って変更するものであり、下バーナ10や上バーナ11の燃焼を停止する際には、下バーナ用ガス量調節弁36及び上バーナ用ガス量調節弁37を、全閉開度(閉状態)にする。
【0065】
(調理容器の容器種別検出構成)
図2〜
図4に示すように、調理容器Kの種別を検出する容器種別検出部Mが、調理容器Kとの接当により調理容器Kの存在を検出する複数の容器検出部Sを備えて構成されている。また、詳細は以下に示すが、複数の容器検出部Sは、調理容器Kの種別を検出するために、複数の容器検出部Sの存在検出状態の組合せが調理容器Kの種別毎に異なる組合せとなる状態でグリル庫内に備える形態に構成されている。
本実施形態では、複数の容器検出部Sとして、グリル庫7の後部に配設されて調理容器Kの周壁部Kbに接当する複数の後部検出部Saが設けられている。
【0066】
図3及び
図7に示すように、後部検出部Saは、グリル庫7の左右の後板23の夫々に設けられている。すなわち、後部検出部Saは、グリル庫7の左側の後板23に装着された左側後部検出部S1a及び右側の後板23に装着された右側後部検出部S2aとにより構成されている。
【0067】
図8及び
図9に示すように、左側後部検出部S1a及び右側後部検出部S2aが、グリル皿9が容器支持枠21に載置した状態と、蓋40を装着した調理鍋41を容器支持枠21に載置した状態とで異なる検出状態となるようにグリル庫7の後板23に備えられている。
【0068】
具体的には、
図8に示すように、グリル皿9を容器支持枠21に載置した状態にて、調理容器支持部Lをグリル庫7の内部の設定収納位置に収納する収納状態とすることで、左側後部検出部S1a及び右側後部検出部S2aがグリル皿9と接当してグリル皿9の存在を検出する存在検出状態となるように構成されている。
【0069】
また、
図9に示すように、蓋40を装着した調理鍋41を容器支持枠21に載置した状態にて、調理容器支持部Lをグリル庫7の内部の設定収納位置に収納する収納状態とすることで、左側後部検出部S1aが、蓋40からグリル庫後方側に延出された被検知部40H(
図5参照)に接当して存在検出状態となり、右側後部検出部S2aが蓋40及び調理鍋41と接当せずに非存在検出状態となるように構成されている。
【0070】
尚、蓋40から延出される被検知部40Hは、
図5及び
図6に示すように、上方側に伸びた後に外方側に向けて延出され、その延出部の端部から下方に伸びる形態に形成されるものであって、蓋40を調理鍋41に装着した状態において、調理鍋41の周縁部を上方側から迂回する形態で調理鍋41の周縁部に近接する位置に位置するように構成されている。つまり、この被検知部40Hは、調理鍋41の周壁部Kbの一部として構成されている。
【0071】
さらに、左側後部検出部S1a及び右側後部検出部S2aは、蓋40を装着した調理鍋41を容器支持枠21に載置した状態と、蓋40が装着されていない調理鍋41を容器支持枠21に載置した状態とで異なる検出状態となるようにグリル庫7の後板23に備えられている。つまり、容器種別検出部Mが、蓋40が装着された状態の調理鍋41か、蓋40が装着されていない状態の調理鍋41かを検出するように構成されている。
【0072】
具体的には、上述の如く、蓋40を装着した調理鍋41が載置された調理容器支持部Lを収納状態とした場合には、左側後部検出部S1aが被検知部40Hに接当して存在検出状態となり、右側後部検出部S2aが蓋40及び調理鍋41と接当せずに非存在検出状態となるが、蓋40を装着しない調理鍋41が載置された調理容器支持部Lを収納状態とした場合には、左側後部検出部S1a及び右側後部検出部S2aが調理鍋41に接当せずに非存在検出状態となるように構成されている。
【0073】
(後部検出部の構成)
図7〜
図9に示すように、左側後部検出部S1a及び右側後部検出部S2aが、後板23に装着したケーシング部材39と、ケーシング部材39に対してグリル庫前後幅方向に移動自在にかつ前方側の突出位置に復帰付勢された可動体Xとしての押圧移動体38と、押圧移動体38が突出位置から後退移動したことを検出する後退移動検出部Yとしての押圧移動検出部42(
図7参照)を備える形態に構成されている。
【0074】
つまり、押圧移動体38は、上述の如く、グリル皿9を備えた調理容器支持部Lがグリル庫7に対して設定収納位置に収納された場合や、蓋40が装着された調理鍋41を備えた調理容器支持部Lがグリル庫7に対して設定収納位置に収納された場合において、グリル皿9の周壁部Kbや蓋40に設けた被検知部40Hと接当し、グリル庫7の後方側に向かって押されて、突出位置から後退位置に後退移動することになる。
【0075】
押圧移動検出部42は、図示はしないが、リードスイッチを備えたスイッチ本体と、スイッチ本体と対向配置される磁石と、スイッチ本体と磁石との間を移動自在に設けられた磁気遮蔽体とで構成されている。そして、調理容器Kの接当により押圧移動体38が後退移動することで、磁気遮蔽体がスイッチ本体と磁石との間を出退移動するように、押圧移動体38と磁気遮蔽体が連係されている。
【0076】
具体的には、押圧移動体38が突出位置に位置するときには、押圧移動体38と接続される磁気遮蔽体が、スイッチ本体と磁石との間に相当する位置に位置し、スイッチ本体の出力がOFFの状態となるように構成されている。一方、押圧移動体38が調理容器Kとの接当により突出位置から後退移動したときには、磁気遮蔽体がスイッチ本体と磁石との間に相当する位置から外れた位置に位置し、スイッチ本体の出力がONの状態となるように構成されている。
【0077】
押圧移動検出部42は、このような磁気遮蔽体の移動により、スイッチ本体を開閉して、調理容器Kが存在する存在検出状態であるか、調理容器Kが存在しない非存在検出状態であるかを検出するように構成されている。ちなみに、左側後部検出部S1a及び右側後部検出部S2aの夫々に設けられた押圧移動検出部42のスイッチ本体の検出情報は、後述する運転制御部W(
図12参照)に入力される。
【0078】
(容器種別検出部の検出内容について)
図13に基づいて、左側後部検出部S1a及び右側後部検出部S2aによって構成される容器種別検出部Mの検出内容について説明する。尚、
図13においては、左側後部検出部S1aを「第1センサ」として示し、右側後部検出部S2aを「第2センサ」として示す。また、
図13においては、左側後部検出部S1a及び右側後部検出部S2aにおいて、調理容器Kの存在を検出する存在検出状態を「ON」と示し、調理容器Kの存在を検出しない非存在検出状態を「OFF」と示す。
【0079】
左側後部検出部S1a及び右側後部検出部S2aが調理容器Kの存在を検出しない非存在検出状態となる場合(以下、左右非存在検出状態と呼ぶ。)は、グリル扉8が開状態であり調理容器支持部Lが収納状態となっていない状態(グリル扉開状態)、調理容器支持部Lが収納状態であるがグリル皿9又は調理鍋41が調理容器支持部Lに設けられていない状態(調理容器非存在状態)、又は、調理容器支持部Lが収納状態であるが蓋40が装着されていない調理鍋41が調理容器支持部Lに設けられた状態(蓋なし調理鍋収納状態)のいずれかの状態である。
【0080】
次に、左側後部検出部S1aが非存在検出状態となり、右側後部検出部S2aが存在検出状態となる場合(以下、右側存在検出状態と呼ぶ)は、例えば、左側後部検出部S1a又は右側後部検出部S2aが故障している状態である。
【0081】
また、左側後部検出部S1aが存在検出状態となり、右側後部検出部S2aが非存在検出状態となる場合(以下、左側存在検出状態と呼ぶ。)は、グリル扉8が閉状態であり、蓋40が装着された調理鍋41が調理容器支持部Lに設けられている状態(蓋あり調理鍋収納状態)である。つまり、この左側存在検出状態では、容器種別検出部Mが、調理容器支持部Lがグリル庫7の設定収納位置に収納された収納状態において、容器種別検出部Mに接当する調理容器Kの種別が蓋40が装着された調理鍋41であることを検出する状態である。
【0082】
次に、左側後部検出部S1a及び右側後部検出部S2aが調理容器Kの存在を検出する存在検出状態となる場合(以下、左右存在検出状態と呼ぶ。)は、グリル扉8が閉状態であり、グリル皿9が調理容器支持部Lに設けられている状態(グリル皿収納状態)である。つまり、この左右存在検出状態では、容器種別検出部Mが、調理容器支持部Lがグリル庫7の設定収納位置に収納された収納状態において、容器種別検出部Mに接当する調理容器Kの種別がグリル皿9であることを検出する状態である。
【0083】
(グリル用設定操作部の詳細)
図12に示すように、グリル用設定操作部6の指令情報が運転制御部Wに入力されて、運転制御部Wが、グリル用設定操作部6の指令情報に基づいて、上バーナ11及び下バーナ10の燃焼を制御するように構成されている。
【0084】
図10に示すように、グリル用設定操作部6には、オートメニューを選択するオートメニュー選択スイッチ45、調理モードを選択する調理モード選択スイッチ46、火加減を設定する火力調節スイッチ47、グリルバーナAに対する点火及び消火を指令する点消火スイッチ48、タイマー調理を設定する時間設定スイッチ49、時間設定スイッチ49により設定された加熱調理時間を表示する表示部49A、入力された情報の取り消しを指令する取消スイッチ50、及び、チャイルドロックスイッチ51が備えられている。
【0085】
オートメニュー選択スイッチ45は、押し操作により、「オートメニュー」を指令するものであり、そして、押し操作されるごとに、「オートメニュー」の調理メニューとして、「トースト」、「鶏もも焼き」、「ホイル焼き」、「魚:切り身」、「魚:姿焼き」、及び、「ごはん」の調理メニューに順次切換えるように構成されている。尚、「ごはん」とは、炊飯を意味するものである。
【0086】
ちなみに、「オートメニュー」を実行する際には、オートメニュー選択スイッチ45を操作して調理メニューを選択した後に、点消火スイッチ48を操作する、あるいは、点消火スイッチ48を操作した直後に、オートメニュー選択スイッチ45を操作して調理メニューを選択することになる。
【0087】
そして、運転制御部Wが、オートメニュー選択スイッチ45にて選択された複数の調理メニューの夫々について、予め設定されている加熱調理用情報に基づいて、上バーナ11及び下バーナ10の火力を自動的に調節しながら、自動的に加熱調理を行い、且つ、加熱調理が終了すると、上バーナ11及び下バーナ10を自動的に消火する全自動加熱調理を実行するように構成されている。
【0088】
調理モード選択スイッチ46は、押し操作により、「調理モード」を指令するものであり、そして、押し操作されるごとに、「調理モード」の調理メニューとして、「焼く」、「あたためる」、「ノンフライ」、「煮る」、「蒸す」、及び、「パン」の調理メニューに順次切換えるように構成されている。
【0089】
ちなみに、「調理モード」を実行する際には、調理モード選択スイッチ46を操作して調理メニューを選択した後に、点消火スイッチ48を操作する、あるいは、点消火スイッチ48を操作した直後に、調理モード選択スイッチ46を操作して調理メニューを選択することになる。
【0090】
そして、運転制御部Wが、調理モード選択スイッチ46にて選択された複数の調理メニューの夫々について、予め設定されている加熱調理用情報に基づいて、上バーナ11及び下バーナ10の火力を自動的に調節しながら、自動的に加熱調理を行うように構成されている。
尚、「調理モード」においては、加熱調理を停止する際には、点消火スイッチ48を操作して、上バーナ11及び下バーナ10を消火させることになる。
【0091】
したがって、本実施形態においては、グリル用設定操作部6は、「オートメニュー」及び「調理モード」が備える複数の調理メニューのうちから実行する調理メニューを指令する調理メニュー指令手段として機能することになる。
【0092】
ちなみに、オートメニューの「ごはん」や、調理モードの「煮る」、「蒸す」、「パン」の調理メニューは、調理鍋41を用いて行う調理メニューであり、オートメニューや調理モードにおけるその他の調理メニューは、グリル皿9を用いて行う調理メニューである。
【0093】
尚、本実施形態においては、タイマー調理を設定する時間設定スイッチ49、入力された情報の取り消しを指令する取消スイッチ50、及び、チャイルドロックスイッチ51の詳細な説明は省略する。
【0094】
(運転制御部の制御について)
運転制御部Wは、マイクロコンピュータを備えて、グリルGを備えたガスコンロの全体に対する運転を制御するものであるが、以下の説明においては、グリルGに備えた下バーナ10及び上バーナ11に対する燃焼制御を説明して、コンロバーナ1に対する燃焼制御は省略する。
【0095】
運転制御部Wは、
図12に示すように、上述したグリル用設定操作部6からの指令情報に基づいて、下バーナ10及び上バーナ11に対する燃焼を制御するものである。
例えば、点消火スイッチ48の操作により点火指令が指令されると、元ガス弁31、下バーナ用ガス量調節弁36、及び、上バーナ用ガス量調節弁37を操作して、下バーナ10及び上バーナ11に燃料ガスを供給する状態とし、加えて、下バーナ10及び上バーナ11に対する点火プラグPを作動させかつ着火センサRにて着火を検出する点火処理を実行することになる。
【0096】
また、点消火スイッチ48の操作により消火指令が指令されると、元ガス弁31、下バーナ用ガス量調節弁36、及び、上バーナ用ガス量調節弁37を閉状態に操作して、下バーナ10及び上バーナ11を消火する消火処理を実行することになる。
【0097】
また、下バーナ10及び上バーナ11の燃焼状態において、火力調節スイッチ47の操作により火力の変更が指令されると、下バーナ用ガス量調節弁36及び上バーナ用ガス量調節弁37を操作して、下バーナ10及び上バーナ11の火力を「強」、「中」、「弱」に変更調節する火力調節処理を実行することになる。
【0098】
また、自動調理制御として、「オートメニュー」の調理メニューや、「調理モード」の調理メニューが指令された場合には、予め設定された加熱調理用情報に基づいて、上バーナ11及び下バーナ10を自動的に点火し、火力を自動的に調節しながら加熱調理を行うことになり、そして、「オートメニュー」の調理メニューが指令された場合には、定められた加熱調理が終了すると、下バーナ10及び上バーナ11を自動的に消火することになる。また、「タイマー調理」が指令された場合には、加熱調理時間が経過すると、下バーナ10及び上バーナ11を自動的に消火することになる。
【0099】
さらに、運転制御部Wは、容器種別検出部Mの検出情報に基づいて、グリルバーナAの加熱作動の制御等を行うように構成されている。
【0100】
具体的には、左右非存在検出状態では、グリル扉開状態、調理容器非存在状態、又は、蓋なし調理鍋収納状態のいずれかの状態となっているが、このような状態において、点消火スイッチ48の操作等により点火指令が指令された場合には、運転制御部Wは、グリルバーナAの点火処理を実行せず、警報ブザー等の警報装置55を作動させる警報処理を実行するように構成されている。
【0101】
また、右側存在検出状態では、例えば、左側後部検出部S1a又は右側後部検出部S2aが故障している状態となっている。このような状態では、運転制御部Wは、警報処理を実行するように構成されている。
【0102】
また、左側存在検出状態である場合、つまり、調理容器Kの種別が蓋40が装着された調理鍋41であると検出された場合には、運転制御部Wは、点消火スイッチ48の操作により点火指令が指令されると点火処理を実行する。すなわち、使用者により、オートメニューの「ごはん」や、調理モードの「煮る」、「蒸す」、「パン」等の蓋40を装着した調理鍋41を用いて行う調理メニューが選択された場合は、運転制御部Wは、点火処理を実行するが、オートメニューの「トースト」、「鶏もも焼き」、「ホイル焼き」、「魚:切り身」、「魚:姿焼き」や、調理モードの「焼く」、「あたためる」、「ノンフライ」等のグリル皿9を用いて行う調理メニューが選択された場合には、運転制御部Wは、点火処理を実行せず警報処理を実行するように構成されている。
【0103】
次に、左右存在検出状態である場合、つまり、調理容器Kの種別がグリル皿9が検出された場合には、運転制御部Wは、点消火スイッチ48の操作により点火指令が指令されると点火処理を実行する。すなわち、使用者により、オートメニューの「トースト」、「鶏もも焼き」、「ホイル焼き」、「魚:切り身」、「魚:姿焼き」や、調理モードの「焼く」、「あたためる」、「ノンフライ」等のグリル皿9を用いて行う調理メニューが選択された場合は、運転制御部Wは、点火処理を実行するが、オートメニューの「ごはん」や、調理モードの「煮る」、「蒸す」、「パン」等の蓋40を装着した調理鍋41を用いて行う調理メニューが選択された場合には、運転制御部Wは、点火処理を実行せず警報処理を実行するように構成されている。
【0104】
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態について説明するが、この第2実施形態は、容器検出部Sの構成の別実施形態を示すものであって、その他の構成は、第1実施形態と同様であるため、以下の記載においては、容器検出部Sの構成を説明して、その他の構成についての説明は省略する。
【0105】
この第2実施形態では、
図14〜
図16に示すように、容器検出部SとしてのレバースイッチSbが、グリル庫7の底部に固定された揺動支持部54と、揺動支持部54に対してグリル庫前後幅方向に揺動自在にかつグリル庫前後幅方向の前方側の突出位置に復帰付勢された状態で設けられた可動体Xとしての揺動部56と、揺動部56が後退移動したことを検出する容器存在検出用の後退移動検出部Yとしての揺動検出部43とを備えて構成されている。
【0106】
揺動部56は、側面視形状がL字状に形成されて、屈曲部56bが揺動支持部54に対して支持軸54aにより揺動自在支持され、また、屈曲部56bからグリル庫上下幅方向に延びる縦辺部52に調理容器Kが接当する当接部52aが設けられている。そして、揺動部56の当接部52aに調理容器Kが接当することにより、揺動部56が突出位置から後退移動するように構成されている。
なお、揺動支持部54と揺動部56との間に、揺動部56の当接部52aをグリル庫前後幅方向の前方側に付勢する弾性付勢手段(図示せず)が設けられている。
【0107】
揺動部56の屈曲部56bからグリル庫前後幅方向に延びる横辺部53の前方側の先端部には、磁気遮蔽体53aが設けられている。
揺動支持部54のグリル庫7の前方側箇所には、上述の揺動検出部43が設けられ、揺動検出部43が、磁石43aとリードスイッチ43bとから構成されている。
そして、揺動部56の磁気遮蔽体53aが、揺動部56の前後揺動(当接部52aの前後移動)によって、磁石43aとリードスイッチ43bとの間に出退するように構成されている。
【0108】
したがって、レバースイッチSbは、調理容器Kが揺動部56の当接部52aに接当することにより、当接部52aが後退移動すると、その後退移動を揺動検出部43によって検出するように構成されている。
【0109】
つまり、
図16(a)に示すように、揺動部56の当接部52aに調理容器Kが当接しない状態では、磁石43aとリードスイッチ43bとの間に磁気遮蔽体が53a侵入する状態となり、リードスイッチ43bが、調理容器Kの存在を検出しない非存在検出状態となるように構成されている。
【0110】
そして、調理容器Kが装着された調理容器支持部Lをグリル庫7に収納する収納状態とすることにより、
図16(b)に示すように、レバースイッチSbに調理容器Kが当接するので、揺動検出部43の磁石43aとリードスイッチ43bとの間から磁気遮蔽体53aが退出する状態となり、リードスイッチ43bが、調理容器Kの存在を検出する存在検出状態となるように構成されている。
【0111】
図15に示すように、レバースイッチSbは、グリル庫7の後方側の底部において、グリル庫横幅方向に左右一対設けられている。つまり、レバースイッチSbとして、グリル庫7の後方側の左側底部に設けられた左側検出部S1としての左側レバースイッチS1b、及び、グリル庫7の後方側の右側底部に設けられた右側検出部S2としての右側レバースイッチS2bが設けられている。
【0112】
そして、グリル皿9が装着された調理容器支持部Lをグリル庫7に収納する収納状態にすることにより、グリル皿9の後端部の周壁部Kbが、左右の夫々のレバースイッチS1b、S2bの揺動部56の当接部51aに当接するように構成されている。
しがって、グリル皿9が装着された調理容器支持部Lをグリル庫7に収納することにより、左右の夫々のレバースイッチS1b、S2bが、調理容器Kの存在を検出する存在検出状態となるように構成されている。
【0113】
また、調理鍋41が装着された調理容器支持部Lをグリル庫7に収納する収納状態にすることにより、調理鍋41の蓋40の被検知部40Hが、左側レバースイッチS1bの揺動部56の当接部52aに当接するように構成されている。ちなみに、右側レバースイッチS2bには、調理鍋41や蓋40の被検知部40Hが当接することはない。
【0114】
したがって、蓋40を装着した調理鍋41が装着された調理容器支持部Lをグリル庫7に収納することにより、左側レバースイッチS1bが調理容器Kの存在を検出する存在検出状態となり、かつ、右側レバースイッチS2bが調理容器Kの存在を検出しない非存在検出状態となるように構成されている。
【0115】
また、蓋40を装着しない調理鍋41が装着された調理容器支持部Lをグリル庫7に収納したときには、左側レバースイッチS1b及び右側レバースイッチS2bが、調理容器Kの存在を検出しない非存在検出状態となるように構成されている。
【0116】
つまり、左右一対のレバースイッチS1b、S2bの存在検出状態の組合せによって、調理容器支持部Lに装着された調理容器Kが、グリル皿9であるか、調理鍋41であるかを検出でき、加えて、調理鍋41に蓋40が装着されているか否かを検出できるように構成されている。
【0117】
〔第3実施形態〕
次に、第3実施形態について説明するが、この第3実施形態は、容器種別検出部Mの別実施形態を示すものであって、その他の構成は、第1実施形態と同様であるため、以下の記載においては、容器種別検出部Mの構成を説明して、その他の構成についての説明は省略する。
【0118】
この第3実施形態では、容器種別検出部Mが、容器検出部Sとして、第1実施形態における後部検出部Sa、つまり、左側後部検出部S1a及び右側後部検出部S2aに加えて、
図17及び
図18に示すように、調理容器Kの底部Kaに当接する底部検出部Scを備えている。この底部検出部Scは、グリル庫7の底部に配設された上述の容器温度検出センサ13を用いて構成されている。
【0119】
尚、容器温度検出センサ13は、第1実施形態における記載の如く、調理容器支持部Lがグリル庫7の内部の収納位置及びその近くに位置するときには、
図17に示すように、調理容器Kの底部Kaに接触させる上昇位置に位置され、調理容器支持部Lが収納位置の近くの位置からグリル庫7の前方側に突出されるときには、
図18に示すように、容器温度検出センサ13を調理容器Kの底部Kaから下方側に離れる下降位置に位置されることになる。
【0120】
本第3実施形態では、容器温度検出センサ13が、調理容器支持部Lの出退に連動して昇降する昇降支持部13aに対して一定範囲で上下方向に移動自在に支持され且つスプリング13dにて上方に復帰付勢された上下可動部13bを備えて構成されている。この上下可動部13bは、上端が閉じた筒状に形成されるものであって、上下可動部13bの上壁の裏面には、調理容器Kの温度を検出するための温度検出部13cが設けられている。
【0121】
上下可動部13bは、昇降支持部13aの上昇に伴って上昇して、調理容器支持部Lに調理容器Kが装着されている場合には、調理容器Kの底部Kaに接当することで、昇降支持部13aに対して上方に復帰付勢された上方位置から下方に移動し、調理容器支持部Lに調理容器Kが装着されていない場合には、昇降支持部13aに対して上方に復帰付勢された上方位置に維持されるように構成されている。
【0122】
底部検出部Scは、調理容器Kの接当により昇降支持部13aに対して下方側に移動する上下可動部13bを、調理容器Kとの接当により後退移動する可動体Xとして用いる形態に構成されるものであり、上下可動部13bの後退移動を検出する容器存在検出用の後退移動検出部Yとしての検知スイッチ44を備えている。尚、上下可動部13bの後退移動とは、上下可動部13bが、昇降支持部13aに対して下方側へ移動することをいう。
【0123】
検知スイッチ44は、上下可動部13bの後退移動に伴って、スイッチ操作部44aが上下可動部13bにて押圧操作される状態で、昇降支持部13aに設けられている。
したがって、上下可動部13bが調理容器Kの底部Kaに接当して後退移動すると、スイッチ操作部44aが上下可動部13bにて押圧操作されことにより、調理容器Kが存在する状態であることが検出されるように構成されている。
【0124】
(容器種別検出部の検出内容について)
図19に基づいて、左側後部検出部S1a、右側後部検出部S2a及び底部検出部Scにて構成された容器種別検出部Mの検出内容について説明する。尚、
図19においては、左側後部検出部S1a、右側後部検出部S2a及び底部検出部Scを、夫々第1センサ、第2センサ及び第3センサとして示す。また、
図19においては、左側後部検出部S1a及び右側後部検出部S2aにおいて、調理容器Kの存在を検出する存在検出状態を「ON」と表示し、調理容器Kの存在を検出しない非存在検出状態を「OFF」と表示する。
【0125】
左側後部検出部S1a、右側後部検出部S2a及び底部検出部Scのすべてが、調理容器Kの存在を検出しない非存在検出状態である場合には、グリル扉8が開状態であり調理容器支持部Lが収納状態となっていない状態(グリル扉開状態)、又は、調理容器支持部Lが収納状態であるがグリル皿9又は調理鍋41が調理容器支持部Lに設けられていない状態(調理容器被非存在状態)である。このような状態において、点消火スイッチ48の操作等により点火指令が指令された場合には、運転制御部Wは、グリルバーナAの点火処理を実行せず、警報ブザー等の警報装置55を作動させる警報処理を実行するように構成されている。
【0126】
底部検出部Scが、調理容器Kの存在を検出しない非存在検出状態であり、左側後部検出部S1a及び右側後部検出部S2a及びいずれか一方又は両方が調理容器Kの存在を検出する存在検出状態である場合は、例えば、存在検出状態となっている時に「OFF」状態に対応する信号が出力されてしまう故障(
図19中「OFF故障」)が、底部検出部Scに発生している状態、又は、非存在検出状態となっている時に「ON」状態に対応する信号が出力されてしまう故障(
図19中「ON故障」)が、左側後部検出部S1a及び右側後部検出部S2aにおいて発生している状態となっている。このような状態では、運転制御部Wは、警報処理を実行するように構成されている。
【0127】
左側後部検出部S1a及び右側後部検出部S2aが、調理容器Kの存在を検出しない非存在検出状態であり、底部検出部Scが、調理容器Kの存在を検出する存在検出状態である場合には、グリル扉8が開状態であり調理容器支持部Lが収納状態となっていない状態(グリル扉開状態)、又は、調理容器支持部Lが収納状態であるが蓋40が装着されていない調理鍋41が調理容器支持部Lに設けられた状態(蓋なし調理鍋収納状態)のいずれかの状態である。このような状態において、点消火スイッチ48の操作等により点火指令が指令された場合には、運転制御部Wは、グリルバーナAの点火処理を実行せず、警報処理を実行するように構成されている。
【0128】
左側後部検出部S1aが、調理容器Kの存在を検出しない非存在検出状態であり、右側後部検出部S2a及び底部検出部Scが調理容器Kの存在を検出する存在検出状態である場合は、例えば、「ON」状態に対応する信号を出力できず、存在検出状態でも「OFF」状態に対応する信号が出力される故障が左側後部検出部S1aに発生している状態となっている。このような状態では、運転制御部Wは、警報処理を実行するように構成されている。
【0129】
左側後部検出部S1a及び底部検出部Scが、調理容器Kの存在を検出する存在検出状態であり、右側後部検出部S2aが、調理容器Kの存在を検出しない非存在検出状態である場合は、グリル扉8が閉状態であり、蓋40が装着された調理鍋41が調理容器支持部Lに設けられている状態(蓋あり調理鍋収納状態)である。つまり、左側検出状態では、容器種別検出部Mは、調理容器支持部Lがグリル庫7の設定収納位置に収納された収納状態において、容器種別検出部Mに接当する調理容器Kの種別が、蓋40が装着された調理鍋41であることを検出する状態である。
【0130】
この状態では、運転制御部Wは、点消火スイッチ48の操作により点火指令が指令されると点火処理を実行する。すなわち、使用者により、オートメニューの「ごはん」や、調理モードの「煮る」、「蒸す」、「パン」等の蓋40を装着した調理鍋41を用いて行う調理メニューが選択された場合は、運転制御部Wは、点火処理を実行するが、オートメニューの「トースト」、「鶏もも焼き」、「ホイル焼き」、「魚:切り身」、「魚:姿焼き」や、調理モードの「焼く」、「あたためる」、「ノンフライ」等のグリル皿9を用いて行う調理メニューが選択された場合には、運転制御部Wは、点火処理を実行せず警報処理を実行するように構成されている。
【0131】
左側後部検出部S1a、右側後部検出部S2a及び底部検出部Scのすべてが、調理容器Kの存在を検出する存在検出状態である場合は、グリル扉8が閉状態であり、グリル皿9が調理容器支持部Lに設けられている状態(グリル皿収納状態)である。つまり、左右検出状態では、容器種別検出部Mは、調理容器支持部Lがグリル庫7の設定収納位置に収納された収納状態において、容器種別検出部Mに接当する調理容器Kの種別が、グリル皿9であることを検出する状態である。
【0132】
この状態では、運転制御部Wは、点消火スイッチ48の操作により点火指令が指令されると点火処理を実行する。すなわち、使用者により、オートメニューの「トースト」、「鶏もも焼き」、「ホイル焼き」、「魚:切り身」、「魚:姿焼き」や、調理モードの「焼く」、「あたためる」、「ノンフライ」等のグリル皿9を用いて行う調理メニューが選択された場合は、運転制御部Wは、点火処理を実行するが、オートメニューの「ごはん」や、調理モードの「煮る」、「蒸す」、「パン」等の蓋40を装着した調理鍋41を用いて行う調理メニューが選択された場合には、運転制御部Wは、点火処理を実行せず警報処理を実行するように構成されている。
【0133】
〔第4実施形態〕
次に、第4実施形態について説明するが、この第4実施形態は、調理容器Kの種別を判別する容器種別検出部Mの検出情報を運転制御部Wへ入力する入力形態の別実施形態を示すものであって、その他の構成は、第1実施形態と同様であるため、以下の記載においては、容器種別検出部Mの検出情報の運転制御部Wへの入力形態を説明して、その他の構成についての説明は省略する。
【0134】
すなわち、本実施形態では、第1実施形態と同様に、容器種別検出部Mが2つ容器検出部Sを備えるものであり、そして、容器検出部Sを構成する押圧移動検出部42が備えるリードスイッチを、開閉スイッチS3と記載する。
【0135】
図20及び
図21に示すように、複数の容器検出部Sの開閉スイッチS3が、開閉状態判別用の複数の抵抗体R1が直列又は並列に接続された検出回路Cに、複数の開閉スイッチS3の開閉状態の組み合わせ毎に、検出回路Cの抵抗値が異なる値となる状態で配設され、この検出回路Cが、運転制御部Wに接続されている。
そして、運転制御部Wが、検出回路Cの抵抗値に基づいて、複数の開閉スイッチS3の開閉状態を判別することにより、調理容器Kの種別を判別するように構成されている。
【0136】
尚、
図20及び
図21に示す例においては、開閉状態判別用の複数の抵抗体R1の抵抗値が互いに異なる値に設定され、また、複数の開閉スイッチS3の全てが閉じ状態になった状態において、検出回路Cが設定抵抗値を出力する状態となるようにするために、基本抵抗体R2が設けられている。また、検出回路Cの抵抗値を電圧の変化として入力できるようにするために、定電流源Vが設けられている。
【0137】
検出回路Cについて説明を加えると、
図20に示す検出回路Cは、複数の抵抗体R1を並列に設けたものであり、
図21に示す検出回路Cは、複数の抵抗体R1を直列に設けたものである。そして、
図20に示す検出回路Cでは、複数の抵抗体R1と開閉スイッチS3とが直列に設けられ、
図21に示す検出回路Cでは、複数の抵抗体R1と開閉スイッチS3とが並列に設けられている。
【0138】
〔別実施形態〕
次に、別実施形態を列記する。
(1)上記第1〜第4実施形態では、調理容器Kとして、開放式調理容器の一例としてのグリル皿9、及び、蓋装着式調理容器の一例としての蓋40が装着される調理鍋41を例示したが、調理容器Kとしては、平面視での大きさが異なる開放式調理容器や、深さが異なる蓋装着式調理容器等、各種のものを使用できる。
【0139】
(2)上記第1、第2及び第4実施形態では、容器検出部Sを、グリル庫7の後部に設ける場合を例示し、上記第3実施形態では、容器検出部Sを、グリル庫7の後部及び底部に設ける場合を例示したが、これに限らず、容器検出部Sを、グリル庫7の左右の側壁部7sに設ける形態で実施してもよく、容器検出部Sを設置する形態は種々変更できる。
【0140】
(3)上記第1〜第4実施形態では、調理鍋41に装着される蓋40に、調理鍋41の周側部の外方に突出する被検知部40Hを設けるようにしながら、調理容器Kとしての、グリル皿9や調理鍋41の周壁部Kbの形状を、複数種の調理容器Kの夫々において異なる形状とする場合を例示したが、これに限らず、例えば、複数種の調理容器Kの種別毎に、調理容器Kの周壁部Kbの異なる位置に凸部を設けて、グリル皿9や調理鍋41の周壁部Kbの形状を、複数種の調理容器Kの夫々において異なる形状とする形態で実施してもよい。
この場合、容器種別検出部Mが、複数種の調理容器Kの夫々の凸部に接当する複数の容器検出部Sを備えるように構成することになる。
【0141】
(4)上記第1実施形態では、複数の容器検出部Sとして、2つの後部検出部Saが設けられたが、これに限らず、複数の容器検出部Sとして、3つ以上の後部検出部Saを設ける形態で実施してもよい。例えば、3種類以上の調理容器Kを設ける場合において、調理容器Kの周壁部Kbの形状を、複数種の調理容器Kの夫々において異なる形状にして、その周壁部Kbの形状の相違を、3つ以上の後部検出部Saにて検出するように構成してもよい。
【0142】
(5)上記第3実施形態では、複数の容器検出部Sとして、後部検出部Saと底部検出部Scとが設けられたが、これに限らず、複数の容器検出部Sとして、複数の底部検出部Scのみを設けてもよい。例えば、複数種の調理容器Kの底部に、種別毎に異なる位置に位置させる状態で凸部や凹部を設けて、このような凸部や凹部を複数の底部検出部Scにて検出させる形態で実施してもよい。
【0143】
(6)上記第3実施形態では、複数の容器検出部Sとして、2つの後部検出部Saと1つの底部検出部Scとが設けられたが、これに限らず、後部検出部Saを一つ又は3つ以上設けてもよいし、底部検出部Scを2つ以上設けてもよい。
【0144】
(7)上記第4実施形態では、複数の容器検出部Sとして、2つの容器検出部Sが設けられたが、これに限らず、3つ以上の容器検出部Sを設けてもよい。この場合には、3つ以上の容器検出部Sの開閉スイッチS3が、開閉状態判別用の複数の抵抗体R1が直列又は並列に接続された検出回路Cに、複数の開閉スイッチS3の開閉状態の組み合わせ毎に、検出回路Cの抵抗値が異なる値となる状態で配設されることになる。
【0145】
(8)上記実施形態では、グリルGが、ガスコンロに装備される場合を例示したが、本発明のグリルGは、グリル専用機を構成する場合にも適用できるものである。
【0146】
なお、上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。