特許第6351491号(P6351491)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6351491
(24)【登録日】2018年6月15日
(45)【発行日】2018年7月4日
(54)【発明の名称】ナースコール子機
(51)【国際特許分類】
   A61G 12/00 20060101AFI20180625BHJP
   H04M 9/00 20060101ALI20180625BHJP
【FI】
   A61G12/00 E
   H04M9/00 D
【請求項の数】3
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2014-239511(P2014-239511)
(22)【出願日】2014年11月27日
(65)【公開番号】特開2016-101192(P2016-101192A)
(43)【公開日】2016年6月2日
【審査請求日】2017年10月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】591253593
【氏名又は名称】株式会社ケアコム
(74)【代理人】
【識別番号】100105784
【弁理士】
【氏名又は名称】橘 和之
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 正和
【審査官】 小島 哲次
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−152047(JP,A)
【文献】 特開平08−117296(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61G 12/00
H04M 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体に固定される基端から先端までの途中を自在に湾曲させた状態に維持可能に構成された第1のフレキシブルアームと、
上記第1のフレキシブルアームの先端に配置されたセンサヘッドと、
上記センサヘッドの先端に配置された接触センサとを備え、
上記接触センサは、上記センサヘッドの先端に固定される基端から先端までの途中を自在に湾曲させた状態に維持可能に構成された第2のフレキシブルアームから成ることを特徴とするナースコール子機。
【請求項2】
上記第1のフレキシブルアームおよび上記第2のフレキシブルアームは円筒型であり、上記第2のフレキシブルアームの直径が上記第1のフレキシブルアームの直径よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載のナースコール子機。
【請求項3】
上記接触センサは、全方位から被看護者の接触を検出可能に検出面が形成されていることを特徴とする請求項2に記載のナースコール子機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被看護者が看護師を呼び出す際に使用するナースコール子機に関し、特に、可撓性を有するフレキシブルアームの先端側に接触センサを備えるナースコール子機に用いて好適なものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、病院や介護施設などでは、ナースコールシステムが用いられている。ナースコールシステムは、被看護者または被介護者(以下、単に被看護者という)のベッドサイドなどに設置するナースコール子機と、ナースセンタなどに設置する固定型ナースコール親機および個々の看護師または介護者(以下、単に看護師という)が所持する携帯型ナースコール親機(以下、固定型および携帯型の両方を含めて単にナースコール親機という)とを備えて構成されている。この種のナースコールシステムにおいて、被看護者がナースコール子機の呼出ボタンを押下して呼び出しを行うと、呼び出しが行われたことがナースコール親機にて報知される。
【0003】
ところで、被看護者の中には、意識はあっても、自力で手足を動かすことのできない様態の方もいる。このような被看護者が看護師を呼び出すために、息、音、タッチ、光などの手段によって呼び出しを行うことができるようにしたナースコール子機が知られている(例えば、特許文献1,2参照)。図3は、この特許文献1,2に記載された従来のナースコール子機の構成を示す図である。
【0004】
図3に示すように、特許文献1,2に記載のナースコール子機は、可撓性を有するフレキシブルアーム2の先端に、接触センサ40、ブレスセンサ(音センサ)5および光学式センサ6を配置したセンサヘッド3を備えている。このセンサヘッド3を、被看護者が自分の意志で動かせる部位の近傍(例えば、口元の近く)に位置決めすることにより、呼出ボタンを押せない被看護者でも呼び出しを行うことができるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−152046号公報
【特許文献2】特開2005−152047号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のようにセンサヘッド3に配置された各種センサのうち、接触センサ40の使用頻度が最も高いため、この接触センサ40を被看護者がより使いやすくなるようにすることが求められている。そのためには、被看護者の口元近くで最も使いやすい位置にヘッドセンサ40を位置決めすることが必要となる。この位置決めは、ナースコール子機の本体1を被看護者のベッドに固定し、フレキシブルアーム2を適宜の角度に曲げることによって行う。
【0007】
しかしながら、フレキシブルアーム2を曲げることによって姿勢を変えることができるとしても、曲げられる角度には限界がある。また、フレキシブルアーム2は、多少の捩れも許容しているが、大きな捩れを許容していない。さらに、フレキシブルアーム2の中ほどの位置では比較的曲げやすいが、本体1やセンサヘッド3に近い位置では比較的曲げにくい構造となっている。つまり、フレキシブルアーム2の姿勢を全くの自由自在に変えることができるわけではない。
【0008】
しかも、フレキシブルアーム2をいったん位置決めした後は、その位置決めした状態を維持する必要があるため、フレキシブルアーム2は一定以上の外力が加わらなければ湾曲しない(一定の形状を維持しようとする保持力を有する)構造となっている。そのため、看護師がフレキシブルアーム2を曲げた手を放すと戻りが生じてしまい、フレキシブルアーム2の先端に設けられた接触センサ40の位置を微調整することが困難である。
【0009】
そのため、接触センサ40を被看護者にとって最適な位置に位置決めするためには、ベッド上に設置する本体1の位置や向きと、フレキシブルアーム2を曲げる角度との組み合わせを様々に変えながら調整しなければならず、位置決めに多くの時間がかかってしまうという問題があった。
【0010】
自力で起き上がったり手足を動かしたりすることのできない被看護者は、同じ姿勢で寝たままの状態になる。この場合、褥瘡(床ずれ)の発生を防ぐために、看護師が被看護者の姿勢を変えるといった体位変換の看護業務を定期的に行う必要がある。看護師は、この体位変換を行うたびに、接触センサ40の位置決めを行わなければならず、看護業務の多くの時間が接触センサ40の位置決めのために割かれているという問題があった。
【0011】
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、フレキシブルアームの先端側に設けられた接触センサの位置決めを容易に行うことができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記した課題を解決するために、本発明のナースコール子機は、本体に固定される第1のフレキシブルアームの先端側に、センサヘッドを介して接触センサを備える。そして、この接触センサを、センサヘッドの先端に固定される基端から先端までの途中を自在に湾曲させた状態に維持可能な第2のフレキシブルアームによって構成するようにしている。
【発明の効果】
【0013】
上記のように構成した本発明によれば、第1のフレキシブルアームによってセンサヘッドの大まかな位置決めを行い、そのセンサヘッドに配置された接触センサの位置を、第2のフレキシブルアームによって微調整することができる。ここで、接触センサ自身が第2のフレキシブルアームになっているので、第2のフレキシブルアームを湾曲させて行う微調整によって、接触センサを被看護者の口元に簡単に位置決めすることができる。これにより、接触センサの位置決めを容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本実施形態によるナースコール子機の構成例を示す斜視図である。
図2】センサヘッドの断面を示す斜視図である。
図3】従来のナースコール子機の構成例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態によるナースコール子機の構成例を示す斜視図である。図1に示すように、本実施形態のナースコール子機10は、本体1、第1のフレキシブルアーム2、センサヘッド3および接触センサ4を備えて構成されている。
【0016】
本体1は、被看護者が使用するベッド上で、被看護者の頭部が位置する場所の周辺に据えられる。あるいは、本体1は、被看護者の頭部の周辺に置かれる台などに据えられる。
【0017】
第1のフレキシブルアーム2は、本体1に固定される基端2aから先端2bまでの途中を自在に湾曲させた状態に維持可能に構成されている。第1のフレキシブルアーム2の基端2aは、本体1の上部1aに固定される。また、第1のフレキシブルアーム2の先端2bには、センサヘッド3が配置される。具体的には、第1のフレキシブルアーム2の先端2bには、センサヘッド3の基端3aが回動可能に支持されている。
【0018】
すなわち、図2に示すように、第1のフレキシブルアーム2の先端2bの外周には、センサヘッド3の回動中心線Aを中心とする円環状の嵌合溝2cが形成されている。一方、センサヘッド3の基端3aの内側には、嵌合溝2cと隙間を有して外嵌する円環状の嵌合凸部3cが形成されている。そして、嵌合溝2cと嵌合凸部3cとの間の隙間には、嵌合溝2cおよび嵌合凸部3cのそれぞれに接するOリング9が装着されている。
【0019】
また、センサヘッド3には、図2に示すように、ブレスセンサ5と光学式センサ6と確認灯7とが実装された基板8が内蔵されている。この基板8と本体1との間をつなぐ配線(図示せず)が、第1のフレキシブルアーム2の内部に通されている。第1のフレキシブルアーム2の表面は、非導電性部材により構成されている。
【0020】
接触センサ4は、センサヘッド3の先端3bに配置され、上述の基板8に電気的に接続されている。この接触センサ4は、センサヘッド3の先端3bに固定される基端4aから先端4bまでの途中を自在に湾曲させた状態に維持可能に構成された第2のフレキシブルアームの構造となっており、検出面4cが被看護者の口元に位置決めされる。
【0021】
図1に示すように、第1のフレキシブルアーム2および第2のフレキシブルアーム(接触センサ4)は何れも円筒型であり、第2のフレキシブルアーム4の直径は第1のフレキシブルアーム2の直径よりも小さい。これにより、第2のフレキシブルアーム4は、第1のフレキシブルアーム2と比べて、特定の部位をより鋭角に湾曲させることができるようになっている。
【0022】
接触センサ4の検出面4cは、センサヘッド3の先端3bから露出している。本実施形態においては、検出面4cは、センサヘッド3の回動中心線Aに沿う円筒面と、この円筒面の先端に連続する半球面とで構成されており、円筒面および半球面の全方位から被看護者の接触を検出可能に形成されている。具体的には、検出面4cの全体を導電性のステンレスにより構成している。
【0023】
ブレスセンサ5の検出部5aと光学式センサ6の投光部6aおよび受光部6bと確認灯7とは、センサヘッド3の胴部3dに、回動中心線Aから半径方向の外向きに設けられている。センサヘッド3の胴部3dの外表面には、ブレスセンサ5の検出部5aに向かって窪み3eが形成されている。つまり、ブレスセンサ5の検出部5aは、窪み3eの最深部に配置されている。窪み3eは、呼気の風圧を中心に集中させる放物凹面状に形成されている。
【0024】
ブレスセンサ5の検出部5aには、コンデンサ型マイクロフォンを使用しており、被看護者の呼気の風圧を検出するほか、音圧の変化を検出することができるようになっている。したがって、音量でナースコールを行う音センサとして使用できるとともに、ナースコールを行った後、ナースコール子機10の本体1側にいる看護者と会話するためのマイクロフォンとしても使用することができる。なお、コンデンサ型マイクロフォンの代わりに、圧電型マイクロフォンを使用しても良い。また、圧力センサとしての機能を有するものとして、半導体容量式圧力センサを用いても良い。
【0025】
光学式センサ6は、投光部6aと受光部6bとを備え、被看護者の口元や瞼など顔のわずかな動きを検出するために使用される。確認灯7は、いずれかのセンサ4〜7が信号を検出してナースコールが行われたことを、点灯することによって被看護者に報知する。なお、本体1の上部1aには、各センサ4〜7の感度や検出時間を調整するボタン1bおよび調子されたセンサ4〜7の感度や検出時間のレベルを表示する表示灯1cが配置されている。
【0026】
以上詳しく説明したように、本実施形態のナースコール子機10によれば、第1のフレキシブルアーム2によってセンサヘッド3の大まかな位置決めを行い、そのセンサヘッド3の先に設けられた接触センサ4の位置決めを、それ自身が構造として有する第2のフレキシブルアームによって行うことができる。ここで、接触センサ4自身がフレキシブルアームとなっているので、これを湾曲させて行う微調整によって、接触センサ4を被看護者の口元に簡単に位置決めすることができる。また、本実施形態では、接触センサ4の全体が検出面4cとなっているので、検出面4cを被看護者の口元に位置決めしやすくなっている。
【0027】
これにより、図3に示す従来例のように、ベッドまたは台上に設置する本体1の位置や向きと、本体1に固定されたフレキシブルアーム2を曲げる角度との組み合わせを様々に変えながら試行錯誤的に接触センサ40の位置決めを行うといった煩雑な作業をすることなく、第1のフレキシブルアーム2の先端側に設けられた接触センサ4の位置決めを容易に行うことができる。
【0028】
また、本実施形態では、センサヘッド3が第1のフレキシブルアーム2に回動可能に支持されているので、本体1を移動させることなく、接触センサ4の検出面4cを被看護者の口元に位置決めした状態で、センサヘッド3を回動することによって、胴部3dに設けられたブレスセンサ5の検出部5aや光学式センサ6の投光部6aおよび受光部6bの向きを微調整することができる。つまり、接触センサ4の位置を維持した状態で、ブレスセンサ5や光学式センサ6など指向性センサの感度をより安定した状態に設定しやすい。
【0029】
なお、上記実施形態では、センサヘッド3に対して接触センサ4、ブレスセンサ5および光学式センサ6の各種センサを配置する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。少なくとも接触センサ4が配置されていればよく、ブレスセンサ5および光学式センサ6は必須の構成ではない。ブレスセンサ5および光学式センサ6を設けない場合、センサヘッド3を第1のフレキシブルアーム2の先端に回動可能に支持することも必須の構成ではなく、センサヘッド3を第1のフレキシブルアーム2に固定してもよい。
【0030】
その他、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその精神、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0031】
1 本体
2 第1のフレキシブルアーム
2a 第1のフレキシブルアームの基端
2b 第1のフレキシブルアームの先端
3 センサヘッド
3a センサヘッドの基端
3b センサヘッドの先端
4 接触センサ(第2のフレキシブルアーム)
4a 接触センサの基端
4b 接触センサの先端
4c 検出面
図1
図2
図3